(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどの携帯端末装置に非接触充電機能を搭載し、非接触で二次電池を充電できるようにした携帯端末装置が普及している。非接触で送電装置からの電力を受電し、受電した電力を使用して二次電池の充電を行うために、携帯端末装置(受電装置)には受電コイル、受電回路、充電回路などが備えられている。
【0003】
無線で電力を伝送する方式としては、電磁誘導方式、電界結合方式などが知られている。例えば、電磁誘導方式では、送電装置内に送電コイルを配置し、受電装置内に受電コイルを配置し、送電コイルと受電コイルとの間の電磁誘導により電力の伝送を行う。また受電装置内の二次電池を充電するため、送電装置は、100kHz〜200kHz程度の帯域の周波数を用いて電力を伝送するようにしている。
【0004】
ところで、スマートフォンのような薄型形状の携帯端末装置は、表面が平面状である。したがって、送電装置に携帯端末装置(受電装置)を載せるため、送電装置側の充電台の天板も平面状となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、携帯端末装置が薄型形状ではなく、ある程度の厚みを持ち、さらに突起物などを備えたものもある。例えば、携帯型のプリンタのように、持ち運び可能な電子機器(受電装置)では、ある程度の耐落下性能を確保する必要がある。このため、ゴム材等から成るプロテクタを電子機器の周囲に取り付け、電子機器が落下したときに電子機器本体を保護するようにしている。
【0006】
しかしながら、プロテクタのような突起物が機器の周囲に取り付けられていると、送電装置の充電台に電子機器を載せたとき、突起物があるため、送電コイルと受電コイルの距離が遠くなり、効率よく電力伝送を行うことができなくなる。
【0007】
またプロテクタを有する電子機器において、受電コイルを組込んだモジュールを電子機器の底面に出っ張るように取付け、送電装置の充電台に凹形状部を形成し、この凹形状部に送電コイルを設け、凹形状部にモジュールを嵌合するようにした構成もある(特許文献2参照)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付す。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、一実施形態に係る電力送受電装置を示す構成図である。
図1において、電力送受電装置は、電力を伝送する送電装置10と、伝送された電力を非接触で受電する受電装置20とを備えている。
【0014】
送電装置10は、送電コイル11を有し、受電装置20は受電コイル21を有している。送電装置10から出力された電力は、送電コイル11と受電コイル21との間の電磁誘導または磁界共鳴等の電磁結合を利用して、受電装置20に伝送される。尚、送電コイル11は送電アンテナを構成し、受電コイル21は受電アンテナを構成する。
【0015】
送電装置10は、送電コイル11のほかに、電源回路12と、送電回路13と、制御部14及び表示部15を備えている。受電装置20は、受電コイル21のほかに、受電回路22と、充電回路23と、二次電池24と、制御部25と、表示部26及び機構系27を備えている。
【0016】
送電装置10の電源回路12には、ACアダプタ等から電源電圧が供給され、電源回路12は、送電装置10内の各部に適した電源電圧を供給する。送電回路13は、スイッチング素子を含み、直流電圧を交流に変換して高周波電力を発生し、送電コイル11から電力を伝送する。電力を伝送するための周波数は、例えば100kHz〜200kHz程度の周波数が用いられる。
【0017】
制御部14は、CPUを含むマイクロコンピュータである。制御部14は、送電回路13のスイッチング素子を制御して、送電コイル11への通電を制御する。また表示部15は、LEDや液晶などで構成し、送電装置10の状態などを表示する。
【0018】
受電装置20は、持ち運び可能な電子機器、例えば携帯型のプリンタである。以下の説明では、受電装置20として携帯型のプリンタ20を例に説明する。プリンタ20の受電コイル21は、送電コイル11と電磁誘導などの電磁結合によって電力を受電する。受電回路22は、送電装置10の送電回路13で生成された交流電力を受電する。
【0019】
効率よく電力を伝送するためには、送電コイル11と受電コイル21とを近接させる必要がある。電磁誘導方式による電子機器への電力伝送でよく用いられる5W〜10W程度の電力伝送においては、電子機器に受電コイル21を内蔵する観点から、送電コイル11及び受電コイル21の直径は、数cm程度、或いはそれ以下の小型の円形コイルや角型のコイルが用いられる。また伝送効率を考慮すると、送電コイル11と受電コイル21との間隔は、最大でも10mm程度以内に抑える必要がある。
【0020】
充電回路23は、受電回路22が受電した交流電力を直流電圧に変換して二次電池24に供給する。制御部25は、例えば、二次電池24の電圧を検出し、その電圧が所定の電圧に達すると充電回路23を制御して、充電回路23による二次電池24の充電を中止する。また二次電池24の電圧が所定値以下に低下すると充電回路23を制御して、充電回路23による二次電池24の充電を再開する。制御部25は、マイクロコンピュータで構成され、充電回路23の制御のほかに表示部26の表示制御や、プリンタ20での印字、紙送りなどの機構系27の動作を制御する。
【0021】
送電装置10は、受電装置20の二次電池24の充電用の交流電力を伝送するため、充電装置として機能する。
【0022】
図2は、受電装置である携帯型のプリンタ20の外観を示す斜視図である。プリンタ20は、スマートフォンや携帯電話とは異なり、厚みのあるほぼ直方体の形状をしている。プリンタ20は、二次電池24を有しており、二次電池24に蓄電された電力によって動作する。プリンタ20は、ロール状に巻回された用紙(図示せず)を収納し、用紙に印字を行なう。用紙は、例えば感熱紙であり、ロール状に巻回されたラベル用紙や、伝票用紙等を用いることができる。
【0023】
図2に示すように、プリンタ20は、ほぼ直方体状の筐体30を有し、筐体30の正面には、表示部26を備えている。またプリンタ20には、電源スイッチ31や、フィードボタン、一時停止ボタン等を含む操作部32を設けている。表示部26は、例えば液晶表示器である。
【0024】
筐体30は、上部に設けた開閉可能なカバー33を有し、カバー33の一端を矢印A方向に開閉することができる。カバー33を開けると、筐体30の内部が露出し、筐体30の内部に用紙をセットすることができる。プリンタ20は、筐体30の内部に、用紙保持部や、サーマルヘッド、プラテンローラ、プラテンローラを回転駆動するモータ等の機構系を有するが、図示は省略する。
【0025】
プリンタ20では、プラテンローラとサーマルヘッドで用紙を挟んだ状態で、プラテンローラをモータによって回転駆動することで、プラテンローラが用紙を搬送する。用紙の搬送過程で、サーマルヘッドが用紙に印字を行う。印字後の用紙は、筐体30の上部に設けられた排紙口34からカバー33の上に排紙される。
【0026】
プリンタ20の筐体30の底面には、受電コイル21(
図1参照)が内蔵されている。プリンタ20は、業務用として使われることが多く、また持ち運びすることも多いことから、或る程度の堅牢性が要求される。したがって、プリンタ20の四隅には、落下時に筐体30の本体を保護するため、例えばゴムなどのクッション性を有するプロテクタ35を取り付けている。
【0027】
図3は、送電装置10とプリンタ20の外観を示す斜視図である。
図3に示すように、送電装置10は、扁平の直方体状の筐体40を有している。筐体40の上にはプリンタ20が載置されるため、筐体40は、別の言い方をすると充電台である。筐体40の上面には、プリンタ20を支持する支持部41が突出しており、支持部41の内面の天井部に送電コイル11を設けている。
【0028】
プリンタ20は、筐体30の底面よりもプロテクタ35が下側に出っ張る形状であるため、送電装置10の筐体40が平らであると、筐体40(充電台)にプリンタ20を載置したとき、送電装置10の天井部とプリンタ20の底面との間に隙間が空いてしまい、送電コイル11と受電コイル21とを接近させることができない。
【0029】
そこで、実施形態では、
図3に示すように、送電装置10の支持部41が筐体40の上面に対して凸形状となるようにしている。また凸形状の支持部41の四隅には、プリンタ20のプロテクタ35の底面部が嵌合するように、切欠き42を形成している(点線の円内参照方)。そして、支持部41内部の天井部に送電コイル11を設けている。切欠き42を形成することで、支持部41の周辺には、突起物であるプロテクタ35の底面部(支持部41側に突出する端部)を収容可能な窪みができる。
【0030】
したがって、プリンタ20を送電装置10の支持部41に載置したとき、切欠き42の部分にプロテクタ35の底面部が篏合し、凸形状の支持部41の上面とプリンタ20の底面が密着する。その結果、送電コイル11と受電コイル21を接近させることができる。実際には、プリンタ20の筐体30や、支持部41を含む筐体40の厚さを考慮する必要があるが、送電コイル11と受電コイル21との距離を5mm以内の距離に配置することができる。
【0031】
尚、切欠き42を設ける位置は、プロテクタ35の位置に対応して設ける必要があり、また切欠き42の形状や大きさは、プロテクタ35の形状や大きさに合わせて設定する必要があることは、言うまでもない。
【0032】
図4(A)は、プリンタ20の概略的な側面図を示し、
図4(B)は、プリンタ20の底面図を示す。
図4(A),(B)から分かるように、プリンタ20は、筐体30内の底面の中央部に受電コイル21を設けている。また筐体30内には、受電装置20の受電回路22、充電回路23、制御部25等を含む電力受電用の回路部28が配置されている。回路部28は、概略的に示したもので、実際には回路基板や回路部品等で構成される。
【0033】
図5は、送電装置10の筐体40の支持部41の上に、プリンタ20が載置されたときの位置関係を示す側面図であり、筐体40は、
図3の矢印5−5’線に沿う断面図で示している。筐体40内の上部にあって、支持部41の天井部には送電コイル11が取り付けられ、筐体40内には、送電装置10の電源回路12、送電回路13、制御部14等を含む電力伝送用の回路部16が配置されている。回路部16は、概略的に示したもので、実際には回路基板や回路部品等で構成される。
【0034】
プリンタ20を送電装置10の支持部41の上に載せたとき、プロテクタ35の底面部は、支持部41の切欠き42に嵌合する。一方、プリンタ20の筐体30内の底面に受電コイル21を設けているため、送電コイル11と受電コイル21を接近させることができ、例えば、送電コイル11と受電コイル21との距離を5mm以内の距離に配置することができる。
【0035】
また、切欠き42は、支持部41の四隅にあるため、プリンタ20を支持部41の上に載せる際の位置決めの役目を果たす。したがって、プリンタ20のプロテクタ35を切欠き42に嵌合するだけで、特別な配慮を必要とせずに送電コイル11と受電コイル21との位置合わせができる。この結果、プリンタ20の位置決めを行い、水平方向の位置ずれを最小限に抑えることができるため、送電コイル11のほぼ真上に受電コイル21を対向配置させることができる。
【0036】
したがって、第1の実施形態によれば、送電コイル11と受電コイル21とを接近させ、かつ容易に位置合わせをすることができるので、効率よく電力伝送を行うことができる。
【0037】
(第2の実施形態)
次に、
図6、
図7を参照して第2の実施形態に係る電力送受電装置について説明する。
【0038】
図6は、送電装置10とプリンタ20の外観を示す斜視図である。
図6に示すように、送電装置10は、扁平の直方体状の筐体40を有している。筐体40の上面にはプリンタ20が載せられ、別の言い方をすると筐体40は充電台となる。また筐体40の上面には、複数(4つ)の凹部43を設けている。
【0039】
凹部43は、プリンタ20のプロテクタ35と対応する位置に設けており、筐体40の、複数の凹部43で囲まれた領域(支持部41)内の天井部に送電コイル11が配置されている。凹部43を形成することで、支持部41の周辺にはプロテクタ35の底面部(支持部41側に突出する端部)を収容可能な窪みができる。そして、この窪み(凹部43)には、プリンタ20のプロテクタ35の底面部が嵌合する。
【0040】
したがって、プリンタ20を送電装置10の支持部41の上に載せたとき、凹部43にプロテクタ35の底面部が篏合し、支持部41の上面とプリンタ20の底面が密着する。その結果、送電コイル11と受電コイル21を接近させることができる。実際には、プリンタ20の筐体30や、支持部41を含む筐体40の厚さを考慮する必要があるが、送電コイル11と受電コイル21との距離を5mm以内の距離に配置することができる。
【0041】
尚、凹部43を設ける位置は、プロテクタ35の位置に対応して設ける必要があり、また凹部43の形状や大きさは、プロテクタ35の形状や大きさに合わせて設定する必要があることは、言うまでもない。
【0042】
図7は、送電装置10の筐体40の支持部41の上に、プリンタ20を載置したときの位置関係を示す側面図であり、筐体40は、
図6の矢印7−7’線に沿う断面図で示している。筐体40内の上部にあって、凹部43で囲まれた領域(支持部41)の天井部には送電コイル11が取り付けられ、筐体40内には、送電装置10の電源回路12、送電回路13、制御部14等を含む電力伝送用の回路部16が配置されている。回路部16は、概略的に示したもので、実際には回路基板や回路部品等で構成される。
【0043】
プリンタ20を送電装置10の支持部41の上に載せたとき、プロテクタ35の底面部は、筐体40の凹部43に嵌合する。一方、プリンタ20の筐体30内の底面に受電コイル21を設けているため、送電コイル11と受電コイル21を接近させることができる。例えば、送電コイル11と受電コイル21との距離を5mm以内の距離に配置することができる。
【0044】
また、凹部43は、プリンタ20を支持部41の上に載せる際の位置決めの役目を果たす。したがって、プリンタ20のプロテクタ35を凹部43に嵌合するだけで、特別な配慮を必要とせずに送電コイル11と受電コイル21との位置合わせができる。この結果、プリンタ20の位置決めを行うことができるため、水平方向の位置ずれを最小限に抑えることができ、送電コイル11のほぼ真上に受電コイル21を対向配置させることができる。
【0045】
したがって、第2の実施形態によれば、送電コイル11と受電コイル21とを接近させ、かつ容易に位置合わせをすることができるので、効率よく電力伝送を行うことができる。
【0046】
なお、電磁結合方式による非接触電力伝送であるので、1〜2mmというような厳密な位置合わせは必要ではなく、例えば5mm〜10mm程度以内の位置ずれは許容されるので、プリンタ20を置きやすいように、凹部43を、ある程度大きめにすることもできる。
【0047】
図8は、送電装置10の他の構成を示す斜視図である。
図8は、筐体40の大きさがプリンタ20と同等又はプリンタ20よりも小さい構造であり、筐体40の四隅を切り欠いて凹部44を設けた例を示す。
図8に示すように、送電装置10の筐体40内の中央部の天井部には送電コイル11を設けている。
【0048】
また筐体40の四隅は、プリンタ20のプロテクタ35の底面部が嵌合するように切欠いて凹部44を形成している。複数の凹部44で囲まれた領域が、プリンタ20を載置する支持部41となる。凹部44を形成することで、支持部41の周辺にはプロテクタ35の底面部(支持部41側に突出する端部)を収容可能な窪みができる。
【0049】
したがって、プリンタ20を送電装置10の支持部41の上に載せたとき、凹部44にプロテクタ35の底面部が篏合し、支持部41の上面とプリンタ20の底面が密着する。その結果、送電コイル11と受電コイル21を接近させることができる。
【0050】
(第3の実施形態)
次に、
図9を参照して第3の実施形態に係る電力送受電装置について説明する。
図9は、送電装置10とプリンタ20の外観を示す斜視図である。第1、第2の実施形態では、プロテクタ35を備えた携帯型のプリンタ20を例に示したが、卓上に置いて使用するプリンタにも適用することができる。
図9は、卓上形のプリンタ20を示しており、プリンタ20は、底面に複数(例えば4つ)の脚部36を備えている。
【0051】
また、
図9に示すように、送電装置10は、扁平の直方体状の筐体40を有している。筐体40の上面には、プリンタ20を支持する支持部41が突出しており、支持部41内の天井部に送電コイル11を配置している。
【0052】
プリンタ20は、筐体30の底面よりも脚部36が下側に突出するため、送電装置10の筐体40が平らであると、筐体40(充電台)にプリンタ20を載せたとき、送電装置10の天井部とプリンタ20の底面との間に隙間が空いてしまい、送電コイル11と受電コイル21とを密着させることができない。
【0053】
そこで、第3の実施形態では、
図9に示すように、送電装置10の支持部41が筐体40の上面に対して凸形状となるようにしている。また凸形状の支持部41の四隅は、プリンタ20の脚部36が嵌合するように、切欠き42を形成している。そして、支持部41内の天井部に送電コイル11を設けている。切欠き42を形成することで、支持部41の周辺には脚部36を収容可能な窪みができる。
【0054】
尚、切欠き42を設ける位置は、脚部36の位置に対応して設ける必要があり、また切欠き42の形状や大きさは、脚部36の形状や大きさに合わせて設定する必要があることは、言うまでもない。
【0055】
こうして、プリンタ20を送電装置10の支持部41の上に載せたとき、凸形状の支持部41の上面とプリンタ20の底面が密着し、切欠き42の部分に脚部36が篏合する。その結果、送電コイル11と受電コイル21を接近させることができる。
【0056】
尚、
図9の送電装置10としては、
図6、
図8と同様の構成を用いることもできる。この場合、
図6の筐体40に設けた凹部43は、それぞれプリンタ20の脚部36に対応する位置に設ける必要がある。また
図8の筐体40に設けた凹部44は、それぞれプリンタ20の脚部36に対応する位置に設ける必要がある。
【0057】
また、以上の実施形態に係る電力送受電装置は、電磁誘導等の電磁結合方式を前提に説明したが、電磁誘導方式に限定されるものではない。例えば送電アンテナ(電極)と受電アンテナ(電極)を用いた電界結合方式の電力送受電装置に適用することもできる。
【0058】
図10は、電界結合方式の電力送受電装置を示す構成図である。
図10において、電力送受電装置は、電力を伝送する送電装置10と、伝送された電力を非接触で受電する受電装置20とを備えている。送電装置10と受電装置20の構成は、
図1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0059】
図10では、送電コイル11に代えて送電電極110を用い、受電コイル21に代えて受電電極210を用いている。送電電極110は、送電アンテナを構成し、受電電極210は、受電アンテナを構成する。
【0060】
図10において、送電装置10の送電回路13は、直流電圧を高周波の交流に変換して高周波の交流信号を生成し、交流信号を送電電極110に供給し、交流信号を外部に放出する。また受電装置20の受電電極210は、送電電極110から放射された交流信号を電界結合によって受信し、受電回路22は、送電装置10の送電回路13で生成された交流電力を受電する。
【0061】
電界結合方式の場合、送電電極110と受電電極210を近接させることで電極110,210間に電界を発生させ、この電界を利用して電力の供給を非接触で行う。効率よく電力を伝送するためには、送電電極110と受電電極210とを近接させる必要がある。したがって、送電装置10の筐体40を、受電装置20(例えばプリンタ20)の構成に合わせて、
図3や
図6等で示すように、切欠き42や凹部43で成る窪みを有する構成とする。そして、受電装置20の突起物(プロテクタ35、脚36)を窪みに収容可能にすればよい。
【0062】
さらに、以上述べた実施形態では、受電装置として携帯型のプリンタ20を例に説明したが、非接触で充電される機器は携帯型のプリンタ20に限るものではなく、他の電子機器でも構わない。またプリンタ20の底面からプロテクタ35や脚部36が突出する例を説明したが、電子機器の底面に突起物がある場合に、その突起物が嵌合するように、送電装置10に切欠き42や凹部43、44を設けるようにしても良い。
【0063】
尚、本発明のいくつかの実施形態を述べたが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。