(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための形態について、図を用いながら説明する。各図においては、直交座標系の3軸をX、Y、Zとし、XY平面を水平面、Z方向を鉛直方向とする。また、Y方向を中心軸として回転する方向をθ方向とする。なお説明の便宜上、箱体Bの搬送方向および箱体BにリボンTを掛け渡す方向をY方向とし、それと直交する方向をX方向とする。また、X方向は矢印の方向を手前、その逆方向を奥と表現し、Y方向は矢印の方向を上流、その逆方向を下流と表現し、Z方向は矢印の方向を上、その逆方向を下と表現する。
なお、リボンTは、オモテ面がクロスハッチング、ウラ面が網点で示されている。
【0015】
図1は、本発明を具現化する形態の一例の全体構成を示した概略図である。
図1には、本発明に係るリボン掛け結び装置1を下流側手前上方から俯瞰的に見た機器構成の概略が示されている。
【0016】
本発明に係るリボン掛け結び装置1は、箱体BにリボンTを掛け渡して結び目Kを形成するものである。具体的には、リボン掛け結び装置1は、リボン供給部2と、第1ハンド部3と、第2ハンド部4と、第3ハンド部5とを備えている。さらに、リボン掛け結び装置1は、箱体搬送部TR、箱体保持部BH、リボンカット機構CT、制御部CN(図示せず)等を備えて構成されている。
【0017】
リボン供給部2は、リボンTを箱体B側へ引き出すことで供給するものである。具体的には、リボン供給部2は、リール21、モータ22、クラッチ機構23、テンションロール25等を備えている。
【0018】
リール21は、供給するリボンTを巻き付けておくものである。具体的には、リール21は、リール21からリボンTが引き出される方向が箱体BにリボンTが掛け渡される方向と概ね一致するように、箱体Bの搬送経路の上方に配置されている。また、リボンTのオモテ面(つまり、箱体Bに掛け渡す際に外側となる方向)が外側を向くように、リボンTがリール21に巻き付けられている。なお、各図では、
モータ22は、リール21をリボンTが引き出される方向rとは逆方向に回転させるものである。
【0019】
クラッチ機構23は、モータ22からリール21に対して回転トルクを伝達・制御するものであり、リール21から引き出されるリボンTに所定の引き戻し張力(つまり、バックテンション)を付与できる構成をしている。
【0020】
さらに、リボン供給部2には、テンションロール25と、移動機構26(図示せず)が備えられている。
【0021】
テンションロール25は、リボンTを箱体Bに掛け渡す際に、リボンTの引き出し状態となる区間を延ばすためのものであり、移動機構26の可動部に取り付けられている。具体的には、テンションロール25は、当該ローラの中央部よりも外径が大きい鍔状のガイド部が当該ローラの両端部に備えられ、リボンTが引き出される際に逸脱しない構成をしている。また、テンションロール25の回転軸は、箱体BにリボンTが掛け渡される方向と概ね直交する方向(つまり、X方向)に配置されている。
【0022】
移動機構26は、テンションロール25を初期待機位置から箱体Bと離れる方向26vに移動させるものである。具体的には、移動機構26はエアシリンダや電動アクチュエータなどで構成されている。
【0023】
そのため、移動機構26の可動部に取り付けられたテンションロール25が箱体Bと離れる方向26vに移動することにより、リボンTのオモテ面が上方を向いたまま、リボンTの引き出し状態となる区間が延長される。
【0024】
なお、リボンTは、箱体Bに掛け渡される本体部Tcと、それよりも上流側の引き出し状態となる引き出し部Td、その逆側の先端部Taとに区別することができる。また、リボンTの本体部Tcよりも先端部Ta側を前方部Tbと呼ぶ。
【0025】
さらにリボンTの先端部Taは、先導部とも言い、リボンTの掛け渡しや結び目Kの形成の際にリボンTの本体部Tcよりも先んじて移動する部位のことである。具体的には、リボンTの先端部Taは、第1ハンド部3で把持される先導部Ta1と、第2ハンド部4で把持される先導部Ta2と、第3ハンド部5で把持される先導部Ta3とに区別することができる。より具体的には、リボンTの先端部Taのうち、第1ハンド部3で把持される先導部Ta1は、リボンTの最端部から所定の距離だけ本体側に設定された所であり、それより外側(つまり、最端部側)が第2ハンド部4で把持される先導部Ta2であり、それより外側(つまり、最端部付近)が第3ハンド部5で把持される先導部Ta3である。
【0026】
第1ハンド部3は、リボンTの先端部Taを把持するものである。さらに、第1ハンド部3は、第1初期待機位置P10(図中の破線で示す位置)に配置され、リボン供給部2から引き出されたリボンTを引き出し状態でその先端部Ta(具体的には、先導部Ta1)を把持し、第1初期待機位置P10とは反対側で第3ハンド部5の胴体部(説明の便宜上、第3胴体部51と呼ぶ)に当該リボンTを掛け渡し、当該リボンTの先端部Taを第2ハンド部4に持ち替えさせるものである。
【0027】
具体的には、第1ハンド部3は、第1把持部30、第1胴体部31、第1ハンド移動機構32等を備えている。
【0028】
第1把持部30は、人が親指と人差し指で物をつまむような開閉動作を、リボンTに対して行い、リボンTをオモテ面側とウラ面側から挟んで保持(つまり、把持)するものである。具体的には、第1把持部30は、一対の把持部材と駆動機構(図示せず)を備えて構成されており、第1胴体部31の一端に取り付けられている。この駆動機構は、一対の把持部材の先端部付近が互いに接触・離間するように駆動させるものであり、空気圧シリンダや電動モータなどで構成されている。
【0029】
第1胴体部31は、第1把持部30を所定の位置及び方向に移動させたり静止させたりするものである。具体的には、第1胴体部31は、所定の長さを有する中空の円筒状の部材で構成されている。
【0030】
第1ハンド移動機構32は、第1胴体部31を所定の位置へ移動させるものである。具体的には、第1ハンド移動機構32は、1軸スライダーと2つのエアシリンダを備えて構成されている。
【0031】
1軸スライダーは、第1胴体部31をリボンTが引き出される方向(つまり、Y方向)と交差する方向に移動させ、リボンTの本体部Tcから最も遠い第1初期待機位置P10(後方とも言う)ないしその反対側(つまり、リボンTの本体部側。前方とも言う)に移動(つまり、後退・前進)させるものである。具体的には、1軸スライダーは、電動アクチュエータで構成されており、制御部CNからの制御信号に基づいて可動部が所定の位置へ移動し静止する構成をしている。
【0032】
エアシリンダは、1軸スライダーを上下(つまり、Z方向)に移動させるものである。さらに、2つのエアシリンダは、1軸スライダーの前方側と後方側に取り付けられており、双方のエアシリンダを同時に伸縮させれば1軸スライダーが上下方向に移動し、一方のエアシリンダを伸縮させれば1軸スライダーがθ方向に回動する。具体的には、これらエアシリンダは、各々が切換バルブを介して圧空供給部と接続されており、制御部CNからの制御信号に基づいて、内部の気室のどちらかに圧空を導入し他方の気室を大気解放状態とすることで伸縮させ、可動部を移動させる構成をしている。
【0033】
さらに第1ハンド部3は、前方側のエアシリンダが上昇位置にあれば、第1把持部30がリボンTの本体部Tcないし引き出し部Tdの上方を通過し、前方側のエアシリンダが下降位置にあれば、第1把持部30がリボンTの引き出し部Tdの下方を通過することができるよう、第1胴体部31、1軸スライダー、各エアシリンダ等が配置されている。
【0034】
第2ハンド部4は、リボンTの先端部Taを第1ハンド部3から持ち替えるものである。さらに、第2ハンド部4は、第2初期待機位置P20(図中の破線で示す位置)に配置され、第2初期待機位置P20とは反対側(つまり、前方)でリボンTの先端部Taを第1ハンド部3から持ち替え、リボンTが引き出し状態で箱体Bと第3ハンド部5の第3胴体部51に掛け渡された際に形成される輪部R1に当該リボンTの先端部Taを通過させつつ第2初期待機位置P2側へ移動(つまり、後退)するものである。
【0035】
具体的には、第2ハンド部4は、第2把持部40、第2胴体部41、第2ハンド移動機構42等を備えている。
【0036】
第2把持部40は、リボンTをオモテ面側とウラ面側から挟んで保持(つまり、把持)するものである。第2把持部40は、第2胴体部41の一端に取り付けられているが、その他は第1把持部30と同様の構成をしているため、詳細な説明は省く。
【0037】
第2胴体部41は、第2把持部40を所定の位置及び方向に移動させたり静止させたりするものである。具体的には、第2胴体部41は、所定の長さを有する中空の円筒状の部材で構成されている。
【0038】
第2ハンド移動機構42は、第2胴体部41を所定の位置へ移動させるものである。具体的には、第2ハンド移動機構42は、エアシリンダと1軸スライダーを備えて構成されている。
【0039】
エアシリンダは、第2胴体部41を上下(つまり、Z方向)に移動させるものである。具体的には、エアシリンダは、切換バルブを介して圧空供給部と接続されており、制御部CNからの制御信号に基づいて、内部の気室のどちらかに圧空を導入し他方の気室を大気解放状態とすることで伸縮させ、可動部を移動させる構成をしている。
【0040】
1軸スライダーは、エアシリンダをリボンTが引き出される方向(つまり、Y方向)と交差する方向に移動させ、リボンTの本体部Tcから最も遠い第2初期待機位置P20(後方とも言う)ないしその反対側(つまり、リボンTの本体部側。前方とも言う)に移動(つまり、後退・前進)させるものである。具体的には、1軸スライダーは、電動アクチュエータで構成されており、制御部CNからの制御信号に基づいて可動部が所定の位置へ移動し静止する構成をしている。また、この1軸スライダーは、XZ方向に斜めに取り付けられており、第2胴体部41が下方手前ないし上方奥側を往復移動(後退・前進)するよう、配置されている。
【0041】
さらに第2ハンド部4は、エアシリンダが上昇位置にあれば、第2把持部40がリボンTの引き出し部Tdの上方を通過し、エアシリンダが下降位置にあれば、第2把持部40がリボンTの引き出し部Tdの下方を通過することができるように、第2胴体部42、1軸スライダー、エアシリンダ等が配置されている。
【0042】
第3ハンド部5は、第1ハンド部3でリボンTを一時的に巻き付ける胴体部(本実施形態では、第3胴体部51がこれに相当する)を有し、リボンTの先端部Taを第2ハンド部4から持ち替えるものである。さらに、第3ハンド部5は、第3初期待機位置P30(図中の破線で示す位置)に配置され、第3初期待機位置P3とは反対側で第3胴体部51にリボンTが巻き付けられて輪部R2が形成された後、リボンTの先端部Taを第2ハンド部4から持ち替えて、第3初期待機位置P3側に戻ることにより、結び目Kを形成させるものである。
【0043】
具体的には、第3ハンド部5は、第3把持部50、第3胴体部51、第3ハンド移動機構52等を備えている。
【0044】
第3把持部50は、リボンTをオモテ面側とウラ面側から挟んで保持(つまり、把持)するものである。第3把持部50は、第3胴体部51の一端に取り付けられているが、その他は第1把持部30と同様の構成をしているため、詳細な説明は省く。
【0045】
第3胴体部51は、第3把持部50を所定の位置及び方向に移動させたり静止させたりするものである。具体的には、第3胴体部51は、所定の長さを有する中空の円筒状の部材で構成されている。
【0046】
第3ハンド移動機構52は、第3胴体部51を所定の位置へ移動させるものである。具体的には、第3ハンド移動機構52は、エアシリンダと1軸スライダーを備えて構成されている。
【0047】
エアシリンダは、第3胴体部51を上下(つまり、Z方向)に移動させるものである。具体的には、エアシリンダは、切換バルブを介して圧空供給部と接続されており、制御部CNからの制御信号に基づいて、内部の気室のどちらかに圧空を導入し他方の気室を大気解放状態とすることで伸縮させ、可動部を移動させる構成をしている。
【0048】
1軸スライダーは、リボンTが引き出される方向(つまり、Y方向)にエアシリンダを移動させ、リボンTの引き出し部Tdから最も遠い第3初期待機位置P30(後方とも言う)ないしその反対側(つまり、リボンTの引き出し部側。前方とも言う)に移動(つまり、後退・前進)させるものである。具体的には、1軸スライダーは、電動アクチュエータで構成されており、制御部CNからの制御信号に基づいて可動部が所定の位置へ移動し静止する構成をしている。
【0049】
さらに第3ハンド部5は、エアシリンダが上昇位置にあれば、箱体Bの上方で第3胴体部51を箱体BおよびリボンTの本体部Tcから離間させ、エアシリンダが下降位置にあれば、箱体Bに掛け渡したリボンTの本体部Tcないし引き出し部Tdと接触するか接触しない程度に第3胴体部51を箱体B側に近づけことができるよう、第3胴体部51、1軸スライダー、エアシリンダ等が配置されている。
【0050】
なお、第1ハンド部3と第3ハンド部5とは、第1把持部30が第3胴体部51の下方から順に手前、上方、奥側へと通過させて、リボンTの前方部Tbを第3胴体部51に掛け渡すことができるように、各部が配置されている。
【0051】
また、第1ハンド部3と第2ハンド部4とは、リボンTの引き出し部Tdの奥側で、第1把持部30のやや下流側に第2把持部40を接近させて、リボンTの先端部Taの持ち替えを行うことができるように、各部が配置されている。
【0052】
また、第2ハンド部4と第3ハンド部5とは、第2胴体部41が第3胴体部51の下方で交差したり、リボンTの引き出し部Tdの上方で第2把持部40のやや下流側に第3把持部50を接近させて、リボンTの先端部Taの持ち替えを行うことができるように、各部が配置されている。
【0053】
第1ハンド部3は、上述の様な構成をしているため、制御部CNからの制御信号に基づいて、リボンTの引き出し部Tdの周囲(つまり、上・下、手前・奥)で第1把持部30をX方向やZ方向に移動させたり、θ方向に回動させたり、所定の位置で静止させたり、開閉動作させたりすることができる。そのため、第1初期待機位置P10に配置された第1ハンド部3は、第1初期待機位置P10から前進させた位置で、リボンTの先導部Ta1を第1把持部30で把持したまま箱体BにリボンTの掛け渡しを行い、リボンTの先導部Ta1を、リボンTの引き出し部Tdの下方側から手前側を経由させて上方へと移動させ、さらにリボンTの本体部Tcないし引き出し部Tdの上方に配置された第3ハンド部5の第3胴体部51の手前から上方へ移動させ、さらにリボンTの引き出し部Tdの側方奥側(つまり、第1ハンド部3から第2ハンド部4への受渡位置)へ移動させて、第3胴体部51にリボンTの前方部Tbを掛け渡し(つまり、第3胴体部51にリボンTの前方部Tbを巻き付ける動作の前半に相当する)、リボンTの先導部Ta2を第2ハンド部4で把持させて第1把持部30での把持を解除する(つまり、持ち替えさせる)ことができる。
【0054】
第2ハンド部4は、上述の様な構成をしているため、制御部CNからの制御信号に基づいて、リボンTの引き出し部Tdの周囲(つまり、上・下、手前・奥)で第2把持部40をX方向およびZ方向に移動させたり、所定の位置で静止させたり、開閉動作させたりすることができる。そのため、第2初期待機位置P20に配置された第2ハンド部4は、第2初期待機位置P20から前進させて、リボンTの引き出し部Tdの下方で第2把持部40ないし第2胴体部41を通過させ、第2把持部40をリボンTの引き出し部Tdの奥側(つまり、リボンTの先端部Taを第1ハンド部3から第2ハンド部4へ持ち替えさせる受渡位置)に配置させ、リボンTの先端部Taを第1ハンド部3から第2ハンド部4に持ち替えさせ、
再び第2把持部40を第2初期待機位置P20側に移動させ(つまり、第3胴体部51にリボンTの前方部Tbを巻き付ける動作の後半に相当する)、さらにリボンTの引き出し部Tdの上方(つまり、第2ハンド部4から第3ハンド部5への受渡位置)に移動させ、リボンTの先端部Ta3を第3ハンド部5の第3把持部50で把持させて第2把持部40での把持を解除する(つまり、持ち替えさせる)ことができる。
【0055】
第3ハンド部5は、上述の様な構成をしているため、制御部CNからの制御信号に基づいて、リボンTの引き出し部Tdないし本体部Tcの上方で第3把持部50および第3胴体部51をY方向およびZ方向に移動させたり、所定の位置で静止させたり、第3把持部50を開閉動作させたりすることができる。そのため、第3初期待機位置P30に配置された第3ハンド部5は、第3初期待機位置P30から前進させて、リボンTと離間しつつリボンTの引き出し部Tdの上方であって第1ハンド部3と交差する位置まで第3胴体部51を前進させ、第3胴体部51を下降させ、第1ハンド部3及び第2ハンド部4で第3胴体部51の周囲にリボンTの前方部Tbが巻き付けられた輪部R2が形成された後、当該輪部R2が巻き付いたままで第3胴体部51を第2ハンド部4から第3ハンド部5への受渡位置よりも第3初期待機位置P30側に後退させ、第2ハンド部4が当該受渡位置に移動した後、当該受渡位置まで第3把持部50を前進させ、リボンTの先端部Ta3を第3ハンド部5の第3把持部50で把持させて第2把持部40での把持を解除させ(つまり、持ち替えさせ)、第3把持部50ないし第3胴体部51を第3初期待機位置P30に向けて移動させることで、第3胴体部51の周囲に形成されていた輪部R2の内側をリボンTの先端部Taが通過し、箱体Bに掛け渡したリボンTの本体部Tcに結び目Kが形成される。このとき、予めリボンTの引き出し部Tdを第1ハンド部3の第1把持部30で把持しておくことで、第1ハンド部3と第3ハンド部5とを離間させ、箱体Bの上面で結び目Kを形成・配置させることができる。
【0056】
箱体搬送部TRは、箱体Bを上流側から下流側へ供給・搬送するものである。具体的には、箱体搬送部TRは、上流側載置台ST1、下流側載置台ST2、搬送サポート部SP、送り出し部材、エアシリンダ、1軸スライダー等を備えている。
【0057】
上流側載置台ST1は、リボンTを掛け渡す前の箱体Bを載置しておくものである。
【0058】
下流側載置台ST2は、リボンTを掛け渡す際に箱体Bを載置しておくものである。
【0059】
搬送サポート部SPは、箱体Bを上流側載置台ST1から下流側載置台ST2へ移動させるために橋渡しするものである。具体的には、搬送サポート部SPは、上流側載置台ST1の下方に収容可能な板状部材と、当該板状部材を下流側にスライドさせるスライド機構を備えて構成されている。搬送サポート部SPの板状部材を上流側にスライドさせれば、上流側載置台ST1と下流側載置台ST2との間には所定の空間が確保され、当該板状部材を下流側にスライドさせれば、上流側載置台ST1と下流側載置台ST2まで橋渡しされるようになり、箱体Bをスムーズに搬送させることができる。
【0060】
送り出し部材は、箱体Bを上流側載置台ST1から下流側載置台ST2へ移動させるために、箱体Bを上流側から下流側に向けて押すものである。
【0061】
エアシリンダは、送り出し部材を上下に移動させ、箱体Bの上面よりも高い位置に移動(つまり、上昇)させたり、箱体Bの側面と並ぶ高さに移動(つまり、下降)させたりするものである。
【0062】
1軸スライダーは、送り出し部材を、上流側ないし下流側に移動させるものである。具体的には、1軸スライダーは、電動アクチュエータなどで構成されている。
【0063】
さらに、箱体搬送部TRの上流側および下流側には、コンベアや移載ロボットなどの移
箱体搬送部TRは、制御部CNからの制御信号に基づいて、送り出し部材を上昇させた状態で送り出し部材を上流側に移動させ、送り出し部材を下降させた状態で送り出し部材を下流側に移動させることで、箱体Bを上流側載置台ST1から下流側載置台ST2へ供給・搬送させることができる。
【0064】
また、上流側載置台ST1の上流側や下流側載置台ST2の下流側には移載手段(図示せず)が配置されており、上流側載置台ST1に箱体Bを搬送させたり、下流側載置台ST2から外部に箱体Bを搬出させたりすることができる。
【0065】
箱体保持部BHは、箱体BにリボンTの掛け渡しと結び目Kの形成が行われる際に、箱体Bが位置ずれしないように一時的に固定状態にしておくものである。具体的には、箱体保持部BHは、下流側載置台ST2の上方であって、箱体Bを隔てて対向する位置に対向配置された箱体押さえ部材を備えて構成されている。
【0066】
箱体押さえ部材は、箱体Bの上方から下方に往復移動する部材で構成されており、リボンTを隔てた箱体Bの両端付近の2箇所に配置されている。これら箱体押さえ部材は、エアシリンダなどの直動機構(図示せず)の可動部側に取付金具(図示せず)などを介して取り付けられている。
【0067】
箱体保持部BHは、制御部CNからの制御信号に基づいて箱体押さえ部材を移動(つまり上昇・下降)させることで、下流側載置台ST2上で箱体Bを一時的に固定状態にしたり、解除したりすることができる。なお、ここで言う「固定状態」とは、リボンTの張力により箱体Bが位置ずれない程度に、箱体Bを押さえておく状態を意味する。
【0068】
リボンカット機構CTは、箱体Bに掛け渡されたリボンTの本体部Tcに結び目Kが形成された後、リボンTの余剰部位を所定の位置で切断するものである。具体的には、リボンカット機構CTは、切断機具と、移動機構(図示せず)を備えて構成されている。
【0069】
切断機具は、リボンTを切断するものである。具体的には、切断器具は、ハサミのような刃物とその刃物の開閉動作をさせる開閉機構が例示でき、制御部CNからの制御信号に基づいて開閉動作が行われる。
【0070】
移動機構は、切断機具を引き出し状態にあるリボンTと交差する方向(つまり、X方向ないしZ方向)に移動させるものである。具体的には、移動機構は、エアシリンダなどの直動機構(図示せず)が例示できる。さらに、この移動機構の可動部側には取付金具などを介して切断機具が取り付けられている。
【0071】
リボンカット機構CTは、制御部CNからの制御信号に基づいて移動機構の可動部を移動させることで、切断機具を移動(つまり前進・後退)させることができる。
【0072】
制御部CNは、作業者の操作や予め登録されたプログラム等に基づいて、リボン供給部2、第1ハンド部3、第2ハンド部4、第3ハンド部5、箱体搬送部TR、箱体保持部BH、リボンカット機構CT等の各部の制御を行うものである。具体的には、制御部CNは、プログラマブルロジックコントローラやシーケンサ、コンピュータなどの制御用装置(ハードウェア)及びその実行プログラム(ソフトウェア)で構成されている。より具体的には、制御部CNは、作業者によるSW操作、予め登録されたデータ、実行プログラム等に基づいて、各部を構成する機器に対して制御信号を出力することで、箱体Bの搬送や、リボンTの引き出しや掛け渡し、結び目Kの形成、所定位置での切断といった一連の動作をおこなう。
【0073】
[動作フロー]
以下に、本発明を具現化するリボン掛け結び装置1において、箱体BにリボンTを掛け渡して結び目Kを形成するまでの各部の動作フローを示す。
【0074】
図2〜
図13は、本発明を具現化する形態の一例のある時刻t1〜t12における各部の動作中の位置や状態を示す平面図および側面図である。各図とも(b)が側面図で手前から見た様子を示しており、(a)がそれに対応する平面図である。なお、各図では、第1ハンド部3,第2ハンド部4,第3ハンド部5の相互関係を理解しやすくするために、移動機構等は省略して、各部が記載されている。また各図の(a)平面図では、リボン供給部2を省略してリボンTの先端部Taないし引き出し部Td側に着目して各部が記載されている。
【0075】
先ず
図2(a)(b)に示す様に、これからリボンTが掛け渡されようとする箱体Bを、上流側の載置台ST1に配置させ、リボンTの先端部Ta(詳しくは、先導部Ta1)を第1ハンド部3の第1把持部30で把持させたまま、第1ハンド部3の第1胴体部31を第1初期待機位置P10からやや前方にて(つまり、第1把持部30がリボン供給部2のリール21の下方に位置するように)静止させておく。このとき、リール21と第1把持部30との間にあるリボンTは、オモテ面が下流側、ウラ面が上流側を向いている。
【0076】
一方、第2ハンド部4は第2初期待機位置P20に、第3ハンド部5は第3初期待機位置P30に待機させておく。
【0077】
なお、上流側の載置台ST1と下流側の載置台ST2との間には、箱体Bがスムーズに通過できるように、搬送サポート部SPを配置しておく。
【0078】
次に
図3(a)(b)に示す様に、箱体搬送部BHにて箱体Bを下流側の載置台ST2に搬送させて、箱体Bの上面側、下流側側面ないし下面側にリボンTを掛け渡し、箱体保持部BHを下降させて箱体Bを一時的に固定状態にする。
【0079】
次に
図4(a)(b)に示す様に、テンションロール25を上流側に移動させて、リボンTの引き出し状態となる区間を延長させつつ、第2ハンド部4の第2ハンド移動機構42を制御して、第2把持部40ないし第2胴体部41を第2初期待機位置P20(つまり、手前側)から前方へ移動させ、第2初期待機位置P20とは反対側(つまり、奥側)に移動させる。
【0080】
次に
図5(a)(b)に示す様に、第3ハンド移動機構52を制御して、第3ハンド部5の第3胴体部41を第3初期待機位置P30(つまり、下流側)から前方(つまり、上流側)へ移動させた後、第3胴体部51の下面と箱体Bの上面とでリボンTを挟むように第3胴体部51を下降させる。
【0081】
次に
図6(a)(b)に示す様に、第1ハンド移動機構32を制御して、第1ハンド部3の第1胴体部31を第1初期待機位置P10側(つまり、手前側)から上方へ移動させつつ、第1胴体部31を回動させる。
このとき、箱体BのY方向周りに輪部R1が形成される。
【0082】
次に
図7(a)(b)に示す様に、第1ハンド移動機構32を制御して、第1ハンド部3の第1胴体部31を上昇端に移動させた後、第3胴体部51の上方を通過するように第1胴体部31を第1初期待機位置P10側とは反対側(つまり、奥側)へ移動(つまり、前進)させる。
このとき、リボンTのウラ面が第3胴体部51に向いた状態で、リボンTの前方部Tbが第3胴体部51の周囲に掛け渡される。
【0083】
次に
図8(a)(b)に示す様に、第2ハンド移動機構42を制御して、第2ハンド部4の第2胴体部41を第2初期待機位置P20とは反対側(つまり、奥側)に移動(つまり、前進)させ、リボンTの先端部Ta(詳しくは、先導部Ta2)を第2把持部40で把持させる。そして、リボンTの先導部Ta1を把持していた第1把持部30の把持を解除させる。これで、第1ハンド部3から第2ハンド部4にリボンTの先端部Taが持ち替えられる。
【0084】
次に
図9(a)(b)に示す様に、リボンTの先導部Ta2を第2把持部40で把持したまま、第1ハンド移動機構3と第2ハンド移動機構42を制御して、第1把持部30が第3胴体部51の上方を通過するように第1胴体部31を後退させてから第1初期待機位置P10に下降させつつ、第2把持部40が第3胴体部51の下方を通過するように第2胴体部41を第2初期待機位置P20側に移動(つまり、後退)させる。
このとき、第3胴体部51の周囲に輪部R2が形成される。
【0085】
次に
図10(a)(b)に示す様に、第3ハンド移動機構52を制御して、第3ハンド部5の第3胴体部51を第3初期待機位置P30側に向けて、リボンTの先端部Taの受渡位置まで移動(つまり、後退)させる。
【0086】
次に
図11(a)(b)に示す様に、第2ハンド移動機構42を制御して、第2ハンド部4の第2胴体部41を第2初期待機位置P20とは反対側(つまり、奥側)に向けて、リボンTの先端部Taの受渡位置まで移動(つまり、前進)させる。
【0087】
次に
図12(a)(b)に示す様に、リボンTの先端部Ta(詳しくは、先導部Ta3)を第3ハンド部5の第3把持部50で把持させ、リボンTの先導部Ta2を把持していた第2把持部40の把持を解除させ、第2ハンド移動機構42を制御して、第2ハンド部4の第2胴体部41を第2初期待機位置P20に移動(つまり、後退)させる。さらに、第1ハンド移動機構32を制御して、第1ハンド部3の第1胴体部31を第1初期待機位置P10側とは反対側(つまり、奥側)へ向けて、第1把持部30でリボンTの引き出し部Tcを把持する位置まで移動(つまり、前進)させる。
【0088】
次に
図13(a)(b)に示す様に、リボンTの引き出し部Tcを第1ハンド部3の第1把持部30で把持させた後、第3ハンド移動機構52を制御して、第1把持部30と第3把持部50とが離間するように、第3ハンド部5の第3胴体部51を第3初期待機位置P30側に向けて移動させる。このとき、リボンTの先端部Taが輪部R2の内側を通過することで、結び目Kが形成される。さらに輪部R2は、リボンTのオモテ面が外側を向くように、リボンTの前方部Tbが第3ハンド部5の第3胴体部51の周囲に巻き付けられて形成され、その輪部R2の内側にリボンTの先端部Taを通過させて結び目Kを形成される。そのため、リボンTの表裏関係を保たれ、結び目Kの外側がリボンTのオモテ面となり、装飾性を兼ね備えた結び目Kが形成できる。
【0089】
本発明に係るリボン掛け結び装置1は、この様な構成をしているため、人手に頼らず、自動的に箱体にリボンを掛け渡し、装飾的な美観を備えた結び目を形成することができる。
【0090】
[別の形態]
なお上述では、
リボン供給部2は、バックテンションを付与しつつリボンTを供給するものであり、
第1ハンド部3は、リボンTの先端部Taを第2ハンド部4に持ち替えさせた後、当該リボンTの後方部(つまり、引き出し状態の部分)Tdを把持させつつ、当該リボンTの先端部Taを把持させた第3ハンド5と離間させることで、当該リボンTに結び目Kを形成する形態を示した。
【0091】
このような形態であれば、リボンTの先端部Taや引き出し部Tdを第1把持部30にて把持させておけるため、順次コンベアなどで搬送されてくる箱体Bの周囲にリボンTの本体部Tbを掛け渡す動作や、結び目Kを形成して当該結び目Kから所定長さ離れたところで切断した後にフリー状態となったリボンTの先端部Taを第1把持部30に把持させる手間や時間が省ける。そのため、箱体Bの受入搬送〜リボンの掛け渡し〜結び目の形成〜リボン切断〜箱体の払出搬送といった一連の動作連続して処理できる全自動機を提供できるため好ましい。
【0092】
しかし、本発明を具現化する上でこの様な形態に限定されず、下記(1)〜(6)の少なくとも1つを具現化する形態であっても良い。
(1)上述したリボン供給部2の各部に加え、リール21の回転を止めるブレーキ機構やロック機構などを備え、第1ハンド部3でリボンTを把持させずに、リール21の回転停止と第5ハンド部6の後退により結び目Kを形成する。
(2)リボンカット機構CTを省き、リボンTの後方部を作業者がカットする。
(3)箱体Bの取り出しや供給(つまり、入れ替え)動作を作業者が行う。
(4)箱体Bの周囲にリボンTの本体部Tbを掛け渡す動作を作業者が行う。
(5)上流側載置台ST1を固定式ではなく、ベルトコンベアで構成しておく。
(6)上流側載置台ST2を固定式ではなく、ベルトコンベアで構成しておく。
【0093】
[リボン供給部の変形例]
なお上述では、リール21とは独立して配置された、テンションロール25を備え、テンションロール25がY方向上流側に移動することで、リボンTを引き出し状態にする構成を示した。この様な構成であれば、リボン供給部2の可動対象がテンションロール25のみとし、リール21やモータ22等を定位置に配置しておくことができる。そうすることで、移動機構がコンパクトになり省スペース化に資するため、好ましい。
【0094】
しかし、スペース的に余裕があれば、テンションロール25を省き、リール21やモータ22等、リボン供給部2を全体的にY方向上流側に移動する構成であっても良く、本発明を具現化することができる。
【0095】
[各ハンド部の変形例]
なお上述では、第1ハンド部3、第2ハンド部4、第5ハンド部6(各ハンド部という)のいずれも、各把持部が上下方向に開閉する姿勢のまま各移動機構で移動する構成を例示した。
しかし、各ハンド部はこの様な形態に限定されず、例えば下記(1)(2)に示す様に、各把持部または各胴体部を捲回するツイスト機構を備えた構成であっても良い。なお、ツイスト機構は、各胴体部が前進・後進する方向を回転軸として、先端に取り付けられた各把持部を回転させるものであり、制御部CNからの制御信号に基づいて、所定のタイミングで回転・静止の制御が行われる。
(1)第3ハンド部5にツイスト機構を備え、第2ハンド部4からリボンTの先端部Taを持ち替えた後、第3把持部を回転させる。そうすることで、予めリボンTの先端部Taのねじれを解消させ、オモテ面が上方に向いた状態で、輪部R2の内側にリボンTの先端部Taを通過させることができる。
(2)第3ハンド部5にツイスト機構を備え、輪部R2の内側にリボンTの先端部Taを通過させる際に第3胴体部51を後退させながらツイスト(例えば、一方向に回転させたり、往復回転させたり)する。そうすることで、結び目Kを形成する際に第3胴体部51から輪部R2が外れやすくなる。