【実施例】
【0019】
図1は本発明の一つの実施形態によるエンジンのための一つのオイル貯留槽システムの略図である。
図1を参照すると、オイル貯留槽システムは一つのオイル容器を含み、該オイル容器は:一つのオイル流体貯留槽3の上に一つの換気ヘッドスペース2を含む。一つのオイル出口4は、オイル貯留槽3をエンジン15のオイル循環システムと流体連結状態に連結するために配置されており、オイルが貯留槽3からエンジン15に供給され、それは帰還ライン12を介して、且つリターンポンプ16を用いて行われる。ブリーザー5の形態の換気手段がヘッドスペース2をエンジンのクランクケース換気システムと連結するために配置されており、それによってガスが容器1に入りおよび容器1から出ることが可能になる。一つのオイル入口6がオイル貯留槽3をエンジン15のオイル循環システムと流体連結状態に連結するために配置されており、オイル貯留槽3にオイルがエンジン15から供給され、それは環油ライン10を介して、環油ポンプ17を用いて行われる。
図1では、オイルは、それぞれリターンポンプおよび環油ポンプ16および17を用いて循環される。しかしながら、本発明はそのように限定されるものではない。オイル循環システムは開ループオイル循環システムまたは閉ループオイル循環システムのどちらであってもよい。
【0020】
オイルフィルター8がオイル容器1の内部に設置され、そして好適には少なくとも部分的に貯留槽3のオイルの中に沈められ、それは
図1に示されている。
【0021】
幾つかの実施形態では、オイルフィルター8は、前記容器に入るオイルがオイルフィルター8に直接運ばれるように整えられる。
図1に示したように、オイルフィルター8は容器1の中に配置され、オイルがエンジンの循環システムによって循環されるとき、オイルが環油ライン10から容器1の入口6を通って直接オイルフィルター8に運ばれるように整えられる。オイルがオイルフィルター8に入るとき、オイル中の同伴ガスはフィルター媒体(示されていない)の表面に集まり、そして比較的大きな複数の泡を形成するが、それはフィルター媒体を強いて通り抜けさせられる前である。濾過されたオイルはオイルフィルター8から出て、そして貯留槽3の中のオイル本体の中に入る。大きな複数の泡はまた、オイルフィルター8から出て、そして貯留槽3の中のオイル本体の中に入り、そこからそれらは容器1のヘッドスペース2に向かって上昇し、ブリーザー5を用いて換気される。
【0022】
幾つかの実施形態では、オイル貯留槽システムは一つのオイル容器1を含むことができ、その容器は一つの出口4および一つの入口6を含み、それらは独立してセルフシーリングバルブおよび/または逆止バルブを含む複数のポートを含む。
【0023】
一般に、セルフシーリングポートは、対応するポートが接続されたとき、接続している複数のポートの間に、バルブまたは複数のバルブが、流体が流れるように開く前に一つの封が作られる。分離される際には、そのバルブまたはそれら複数のバルブは、前記複数のポートの間の封が破られる前に、各々のポートを密封するために閉じる。適切なバルブはバネ懸架式ポペットバルブおよびバイアス逆止弁を含む。各々のセルフシーリングポートは一つの「ドライブレーク」を提供し、そこでは複数のポートの接続または切断において流体が流れない。別の方法として、システムの各々のセルフシーリングポートは一つの「ダンプブレーク」を提供し得るものであり、そこでは、ポートの接続または切断において、流体の非本質的量の流れ、例えば、液体の数滴のような、が存在するに過ぎない。
【0024】
幾つかの実施形態では、オイル容器1は一つの自己完結型交換式ユニットたり得、それはエンジンのオイル循環システムとの流体連結のために固定できる。したがって、交換式オイル容器1は、一つの自己完結型システムとして提供され得るものであって、そのシステムはフレッシュな、リフレッシュされた、または未使用のエンジン潤滑オイル組成物を含み、現在使用されているエンジンのための外部オイル容器を便利に置き換えることが可能であり、その容器は使用済みのまたは消耗したエンジン潤滑オイル組成物を収容する一つの貯留槽を含む。交換される予定の現在使用されているオイル容器もまたオイルフィルターを含むのであれば、それもまた消耗したオイル組成物と一緒に交換され得る。そのような交換式オイル容器1は、金属および/またはプラスチック材料から製造され得る。適切な材料は強化された熱可塑性材料を含み、それは例えば、長時間に渡る150℃までの温度における運転に適切であり得る。そのようなオイル容器1は適切に、一つまたはそれ以上のラッチを含み得るものであり、それらは容器を固定してエンジンのオイル循環システムとの流体結合状態に置く。
【0025】
さらに
図1を参照すると、容器1内のオイル貯留槽の上にあるヘッドスペース2は、換気手段5と流体連結状態にある。幾つかの実施形態では、その換気手段5は適切に、容器上に配置された一つのベントポートを含む。幾つかの実施形態では、ベントポートはエンジン(例えば内燃エンジンの空気注入口マニホールド)と流体連結状態で接続されており、ガスは容器のヘッドスペースに流れ込み、または容器のヘッドスペースから流れ出ることができる。これは、貯留槽中のオイル圧力の修正を促進し、例えばエンジンクランクケースの圧力より高く、または低くなる。幾つかの実施形態では、ベントポートは、ブリーザーまたはヘッドスペース内に延在するベントチューブに接続される。ベントチューブはオイル貯留槽3およびオイルフィルター8から離れた一つの位置に適切に設置することができ、これによりオイルのベントチューブ内への侵入が減少、または軽減する。少なくとも幾つかの実施形態では、オイル貯留槽は一つの穴あきデフレクターを含んでおり、それはベントチューブへの流体の流れ込みを抑止する一方、ベントチューブへのガスの流入および流出を許容する。これらの、そして本開示の他のどのような実施例も、流体がヘッドスペースの一つのベントチューブに進入する危険性を減少させ、または軽減し得る。
【0026】
図2はエンジンのためのオイル貯留槽システムの断面図であり、そのシステムは本発明の別の実施形態に基づくものである。
図2を参照すると、オイル貯留槽システムが一つのオイル容器を含み、その容器は一つのオイルパン20の形態をとり、エンジン30のクランクケースの底に設置されていて、そのエンジンは:オイル貯留槽23の上に換気ヘッドスペース22;ブリーザー24の形態をとりヘッドスペース22をエンジンのクランクケース換気システム(示されていない)と連結するように配置された一つの換気手段を含む。一次オイルポンプ26は、オイルを貯留槽23から汲み上げてエンジンの可動部品に送り込むように整えられている。一つのオイルフィルター25がオイルパン20のオイル貯留槽23のオイルの中に浸されている。オイルフィルター25は、オイルがポンプ26によって循環されるとき、オイルがフィルター25に流れ込むように整えられている。幾つかの実施形態では、
図2に示すように、ポンプ26によって圧力を加えられたオイルが一つの出口手段、例えばポンプ26からのブリードライン27のような、によってオイルフィルター25に直接運ばれる。
【0027】
オイルがオイルフィルター25に入るとき、そのオイル中の同伴ガスはフィルター媒体(示されていない)の表面に集まり、そしてより大きな泡を形成するが、それはフィルター媒体を強制的に通過させられる前である。濾過されたオイルはオイルフィルター25の表面に出て、そして貯留槽23の中のオイルの本体に入る。大きな泡もまたオイルフィルター25を出て、そして貯留槽23の中のオイルの本体に入るが、そこからそれらはヘッドスペース22まで移動し、ブリーザー24によって換気される。
【0028】
図2に示すように、幾つかの実施形態では、オイル容器は適切に一つのオイルパン20を含み、それはエンジンクランクケースのサンプスペース内に配置され、例えば、内燃エンジンのための湿式サンプシステムの場合などである。エンジンのオイル循環システムによってオイルが循環される間、
図2にあるように、それはポンプ26を含み、オイルはエンジン30の複数の可動部品から流れ出得るものであり、そしてオイルパン20に集まり得る。オイルパン20は、エンジンのクランクケースに一体化され、またはそれに固定され得る。オイル貯留槽23は、したがって、クランクケースの底のオイルパン20の中に形成され、そこで、複数のエンジン部品から流れ出てきたオイルが集まる。
【0029】
オイル貯留槽23の上のヘッドスペース22は、換気手段24と流体結合状態にある。その換気手段24は適切にエンジンのクランクケース換気システムを含み得る。クランクケース内のガスはエンジンの空気注入マニホールドに供給され得る。例えば、クランクケースは一つの正クランクケース換気システム(PCV)を含み得るものであり、その正クランクケース換気システムは一つのPCVバルブを含み、それはクランクケース内のガスを、空気注入マニホールドに返すことができる。他の実施例では、クランクケースは一つの閉鎖型クランクケース換気システムを含み得る。
【0030】
図3は一つの例としてのオイルフィルター40の露出図であり、オイルフィルターは本発明のオイル貯留槽システムで用いるためのものである。オイルフィルター40は一つのフィルター媒体44を含み、そのフィルター媒体には内部領域47と外部領域46を規定する一つの内部膜45が含まれる。
図3では、動作の間、オイルは入口42を通って流れ、そしてフィルター媒体44を通り抜ける前にオイルフィルター40の内部領域47に流れ込み、その後フィルター40から容器のオイル貯留槽の中のオイルの本体に向けて排出される。
【0031】
本明細書に前述したように同伴ガスを含むオイルがオイルフィルター40を通り抜けるとき、そのオイル中に懸濁した同伴ガスは容易にはフィルター媒体を通り抜けることができないということを見出したのであるが、それはオイルから同伴ガスを取り除く手助けとなる。発明者はいかなる特定の理論に束縛されるものではないが、これは同伴ガスの小さな複数の泡がフィルター媒体44の表面45において互いに接触するようになり、そこで小さな複数の泡が結合してより大きな複数の泡を形成するため、その大きな泡がオイルによって懸濁されている状態にとどまる可能性が少なくなるためであると思料されている。ガスのより大きな複数の泡は、フィルター媒体44の表面45の上に集まり、次いで循環オイルが送り込まれることからフィルター中での圧力が高まることによって強いてフィルター媒体44を通過させられる。
【0032】
ガスのより大きな複数の泡はフィルター40を出て、オイル容器の貯留槽の中のオイル本体に入り、そこではそれらの泡は容易には懸濁状態に留まれないが、それはオイル相中で流動性を有するためである。したがって、オイルフィルター40が一つのオイル貯留槽と一つの換気ヘッドスペースを含む一つのオイル容器の内部に設置される場合、
図1および2に図示するように、オイルフィルター40を出るガスは容器のヘッドスペース(すなわち、脱出経路にしたがって)に向けて移動し得るものであって、そこでヘッドスペースを占める他の非結合ガスと共に換気され得る。
【0033】
オイルが流れる方向、それはフィルター40を通り、そして容器の貯留槽のオイルの本体に向かう、および換気ヘッドスペースの存在が、同伴ガスの除去プロセスにとって重大な意義を有し、またそれによってオイルをデエアレートすると考えられる。再び、発明者はいかなる特定の理論に束縛されるものではないが、換気ヘッドスペースなしでは、ガスであって、フィルター媒体を通り抜ける際にオイル中の懸濁から取り除かれ得るガスは、次いでオイルフィルターを出る際にそのオイル中で再同伴化され得るものと思料されている。ガスの再同伴化は、例えば、換気が存在しない状態にオイル−ガス混合物が曝される圧力の結果であるかも知れない。さらに、同伴ガスがたどるべき非結合ガスを収容する領域に向かう脱出経路がなく、複数の泡はオイル中に同伴された状態で留まり、そしてしたがってオイルエアレーションの高いレベルに寄与する。
【0034】
本音明細書に記載したオイル貯留槽システムには幾つかの利点がある。そのような利点のひとつは、エンジンのオイル循環システムの中で用いられるオイルのデアレーションのための一つの分離したデアレーターデバイスの使用を未然に防ぐことにある。他の利点は、本発明のオイル貯留槽システム内のオイルの流れの構成が、取り扱いおよび販売の観点から極めて大きな余裕があるということである。オイル容器の内部にオイルフィルターを設置することのさらなる利点は、これが他の構成、例えば、オイルフィルターが吸引ライン(戻りポンプ入口ポートに接続されている)、または圧力ライン、またはエンジンのためのオイル循環システムの戻りラインに統合されている構成に比べてよりきめの細かいフィルターを許容し得るということにある。このことは以下の利点:(a)増加された濾過効率;および(b)きめ細かな濾過、の一つまたはそれ以上を有する。オイル容器の内部にオイルフィルターを設置することのさらなる利点は、このことが、他の構成に比べより大きなオイルフィルターが利用されることを許容し得ることにある。このことは、i)フィルター媒体中に留められている微粒子のオイルによる、妨害の結果としてのエントレインメントまたはフィルターを通しての過剰背圧の場合におけるエントレインメントを実質的に排除することが可能なこと;およびii)フィルターの寿命が伸びうること、という利点を有し得る。
【0035】
幾つかの実施形態では、
図3に示すように、オイルフィルター40は一つのフィルター媒体44を含み、これはそのフィルター媒体44の一つの内部領域47および一つの外部表面46を規定する一つの内部表面45を含み、ここで、内部表面45は外部表面46より小さな表面積であり、および、エンジンのオイル循環システムによってオイルが循環されるとき、オイルはフィルター媒体の内部領域47に向けられ、そこから外側にフィルター媒体44を通り抜けて押し出され、およびフィルター媒体44の外へ押し出される。
【0036】
別の実施形態では、オイルフィルター40は一つのフィルター媒体44を含み、それはフィルター媒体44の一つの内部領域47と一つの外部領域46を規定する一つの内部表面45を有し、ここで内部表面45は外部表面46より小さな表面積であり、そして、オイルがエンジンのオイル循環システムによって循環されるとき、オイルはフィルター媒体の外側表面46に向けられ、そこから内側に強制されてフィルター媒体44を通り抜け、およびそこから出て、内側領域47(すなわち、
図3の中に図示されたものとは反対方向の流れ)の中に入る。
【0037】
すべての実施形態において、濾過されたオイルがオイルフィルター40から出現し、そして容器のオイル貯留槽のオイルの本体の中に入る。この配置においては、ガスの複数の泡はフィルターから出現し、そしてまたオイル貯留槽の中に入り、そこからそれらの泡が、密度差によって、オイル貯留槽の上に位置する換気ヘッドスペースまで移動することができる。
【0038】
本明細書で前述したオイルフィルターは一つのフィルター媒体を含む。適切な複数のオイルフィルターは一つのフィルター媒体を含み、典型的にはセルロース、ファイバーグラスおよび/または金属ファイバー要素を含む。好適には、フィルター媒体のフィルター要素はプリーツが付けられている。そのフィルターは1から100ミクロンの範囲の粒子を濾過するのに適しており、適切には2から50ミクロンの範囲であり、例えば3から20ミクロンの範囲である。そのオイルフィルターは高い圧力においても動作し得る。そのようなフィルターは当業界でよく知られており、そしてフィルター媒体を通過する異なるオイルの流れの方向に容易に適応することができ、フィルターを通過する場合も同様である。
【0039】
幾つかの実施形態では、
図3に示すように、オイルフィルター40は一つの筒状のフィルター媒体44を含み、それは一つの中央チャネル47を規定し、そしてオイルは強制されて放射状にフィルター媒体を通り抜ける。そのような複数のフィルターの複数の例は複数のスピンオンフィルターを含み、それらはオイルフィルター入口配管と直列に搭載され得るものであり、カートリッジ型またはキャニスター型フィルターも同様であり、それらはフィルター媒体を通り抜ける異なるオイルの流れの方向に順応し得る。
【0040】
幾つかの実施形態では、
図3に解説するように、オイルフィルター40は一つのフィルターハウジング41を含み、それはオイルのための一つの入口42および一つの出口(示されていない)を含む。幾つかの実施例では、フィルターハウジング41の入口42および出口の各々は一つのコンジットを含み、それは一つの逆止弁を含む。その他の実施例では、ハウジング41は少なくとも1つの穿孔された、またそうでなければ透過性の、表面を含み、オイルおよびガスのオイルフィルター40から通過並びに貯留槽のオイルの本体への流入が可能になる。
【0041】
幾つかの実施形態では、オイルフィルター40はさらに一つのオーバーフロー救済手段(示されていない)を含み得るものであり、そのオーバーフロー救済手段は、フィルター媒体44が塞がれ、または過剰な背圧が存在する場合に、オイルフィルター40に入るオイルがその方向をそらされて、フィルターのフィルター媒体44の中を通り抜けないようにし、そしてフィルター媒体44によって保持される微粒子物質を同伴しないようにする。幾つかの実施形態では、前記オーバーフロー救済手段は一つのバイパスバルブを含む。
【0042】
オイルフィルターはオイル容器の内部に設置され得るものであり、そのオイル容器の内部に当業者が知っている任意の適切な手段、例えばオイル容器の内壁に固定するなどによって搭載される。オイルフィルターは、したがって、容器の内部に搭載され得るのであり、オイルがエンジンのオイル循環システムによって循環されているとき、容器のオイル貯留槽の中のオイルによって完全に、または少なくとも部分的に、沈められる。
【0043】
システムの他のバリエーションおよび変形は、本明細書の開示に照らして当業者にとって明らかであろう。
【0044】
エンジンは、一つのモーターとともに用いるために適切な任意の形態のエンジンであり得る。適切なエンジンは、火花点火または圧縮点火によって特徴付けられる内燃エンジン、タービン機関および電気エンジンを含む。
【0045】
運転中、オイル容器のオイル貯留槽はオイルを含む。そのオイルは、例えば、潤滑エンジンオイル組成物または電気エンジンのための熱交換オイル組成物たり得る。エンジン潤滑オイル組成物は熱交換特性を有し得る。
【0046】
エンジン潤滑オイル組成物は、少なくとも一つのベースストックおよび少なくとも1つのエンジン潤滑オイル添加剤を含み得る。適切なベースストックは生物由来ベースストック、鉱物オイル由来ベースストック、合成ベースストックおよび準合成ベースストックを含む。適切なエンジン潤滑オイル添加剤は当業界で既知である。添加剤の例は、有機および/または無機化合物を含む。典型的には、少なくとも幾つかの実施例にしたがって、エンジン潤滑オイル組成物は、ベースストックの総計で約60から90重量%および約40から10重量%の添加剤を含む。適切なエンジン潤滑オイル組成物は、内燃エンジンのための潤滑オイル組成物を含む。
【0047】
エンジン潤滑オイル組成物は、単粘度等級または多粘度等級のエンジン潤滑オイル組成物たり得る。適切なエンジン潤滑オイル組成物の例は、専用潤滑オイル組成物および多目的潤滑オイル組成物を含む。
【0048】
少なくとも幾つかの実施例によれば、エンジン潤滑オイル組成物は一つの潤滑オイル組成物であって、内燃エンジンのためのもの、例えば火花点火内燃エンジンおよび/または圧縮点火内燃エンジンのためのものである。
【0049】
オイル組成物は、電気エンジンのための一つの熱交換オイル組成物たり得る。したがって、外部オイル容器は、一つの自己完結型システムとして提供され得るものであり、その自己完結型システムは、フレッシュな、リフレッシュされた、または未使用の熱交換オイル組成物を電気エンジンのために含み、電気エンジンのための現在使用されている外部オイル容器を便利に置換し得るものであって、本容器は使用済みのまたは消耗した熱交換オイル組成物を含む一つの貯留槽を含む。もし交換されることが予定されている現在使用されているオイル容器もまた一つのオイルフィルターを含むなら、それもまた消耗した、またはオイル組成物と一緒に交換され得る。
【0050】
電気エンジンのための適切な熱交換オイル組成物は、有機および/または無機の複数の性能向上添加剤を含む。適切な熱交換流体は、人工または生物由来のオイル組成物を含む。少なくとも幾つかの実施形態によれば、その熱交換オイル組成物は水理特性を有する。
【0051】
エンジンの循環システムのための循環用オイルは、したがって、同伴ガスを含み得る。例えば、そのオイルは5容積%を超える同伴ガス、10容積%を超える同伴ガス、20容積%を超える同伴ガス、30容積%を超える同伴ガス、または40容積%を超える同伴ガスを含み得る。幾つかの実施形態では、そのオイルは、5容積%から15容積%の同伴ガスを含み得る。他の実施形態では、オイル組成物は50容積%を超える同伴ガスを含み得る。
【0052】
別の態様によれば、本発明はまた一つの方法であって、エンジンのためのオイル貯留槽システムのオイル中の同伴ガスの量を減少させる方法を提供し、そのエンジンは一つのオイル循環システムを含み、該方法は次の工程i)オイル貯留槽システムの一つのオイル容器の中の一つのオイル貯留槽の中に一つのオイルフィルターを設置すること;およびii)オイルフィルターを強制すること、これは、オイルがエンジンのオイル循環システムによって循環されるとき、オイルがオイルフィルターを通して押し出され、そして貯留槽の中のオイルの本体に流れ込むように強制する、を含む。このオイル貯留槽システムは本明細書に前述したようにすることができ、そして本明細書に前述したような任意の適切な手段によってエンジンのオイル循環システムと流体連結状態にすることができる。
【0053】
幾つかの実施形態では、オイル容器は一つのオイル入口を含み、そして本方法はオイルフィルターを整えて、容器のオイル入口に入るオイルがオイルフィルターに直接運ばれるようにする。
【0054】
他の実施形態では、オイル容器は、エンジンのサンプ中に設置されている一つのオイルパンを含み;エンジンのオイル循環システムは、オイルパンの貯留槽の中に設置された一つのポンプを含み;およびその方法は、オイルフィルターを、ポンプの一つの出口と流体連結状態とするように、そしてそのポンプが、そのポンプによって圧力を加えられているオイルを供給するように配置することを含む。
【0055】
本発明の方法の態様の中で用いられるオイルフィルターは、本明細書に前述したような任意のオイルフィルターであり得る。
【0056】
さらに他の態様では、本発明は一つの車両を提供するものであり、その車両は本明細書に先述したオイル貯留槽システムを含む。適切な車両は、オートバイ、土木車両、採掘車両、大型車両および乗用車を含む。