(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
<本開示の概要>
仮にTSの伝送レートが一定であれば、パケット(固定長)単位の伝送時間が一定となるので、TSを構成する連続した2つのパケットのタイムスタンプの差分も一定になる。したがって、TSが放送されたときの伝送レートがわかり、且つ、タイムスタンプの初期値が決定できれば、クロックリカバリ回路を用いることなく、TSの各パケットに付加するタイムスタンプを計算できることになる。
【0024】
一方、TSを放送するデジタルテレビジョン放送などのデジタル放送規格では、一般的に伝送路符号化情報から伝送レートを計算することが可能である。そこで、本開示を適用した受信装置では、伝送路符号化情報に相当する符号化パラメータから伝送レートを計算し、計算した伝送レートを利用してタイムスタンプを生成するようにする。
【0025】
具体的には、受信信号の復調結果から伝送パラメータを取得し、それに基づいてタイムスタンプ増分値を計算する。そして、各パケットに対してタイムスタンプ増分値ずつインクリメントすることにより更新したタイムスタンプ値を付加するようにする。ただし、タイムスタンプ値の計算過程においては、誤差蓄積を回避するために、有理数(分子と分母の組)の形式で表現するようにする。なお、タイムスタンプ値は、選局切り替え時など、受信したTSが不連続になる際に所望の値に初期化できるようにする。
【0026】
また、通常、TSには複数のサービス(番組)に対応するパケットが多重化されているが、ユーザが選択したサービス(番組)のパケットだけを後段に出力するようにする。これにより、TSのビットレートを低減させることができる。
【0027】
<本開示を適用した受信装置の第1の構成例>
図2は、本開示を適用した受信装置の第1の構成例を示している。この受信装置11は、制御部12、および受信処理部13から構成される。制御部12は、受信処理部13を制御する。受信処理部13は、制御部12からの制御に従い、アンテナなどから入力される放送波からTSを取得し、TSを構成する各パケットにタイムスタンプを付加して後段に出力する。
【0028】
受信処理部13は、チューナ部14、復調部15、誤り訂正部16、伝送パラメータ取得部17、伝送レート計算部18、タイムスタンプ増分値計算部19、タイムスタンプ増分値保持部20、タイムスタンプ計算部21、タイムスタンプ保持部22、タイムスタンプ付加部23、およびパケット選択部24から構成される。
【0029】
チューナ部14は、アンテナやCATVケーブルなどから入力される放送波から、選局されたチャンネルの信号(伝送路符号化信号)を取得して復調部15に出力する。復調部15は、チューナ部14からの伝送路符号化信号に同期処理および等価処理などの復調処理を行い、復調処理後の信号を誤り訂正部16に出力する。また、復調部15は、伝送パラメータ取得部17からの要求に応じ、チューナ部14からの伝送路符号化信号から伝送パラメータを取得して伝送パラメータ取得部17に供給する。
【0030】
誤り訂正部16は、復調処理後の信号に誤り訂正処理を行い、誤り訂正処理後の信号(TS)をタイムスタンプ付加部23に出力する。
【0031】
伝送パラメータ取得部17は、復調部15に対して伝送パラメータを要求し、得られた伝送パラメータを伝送レート計算部18に出力する。伝送レート計算部18は、伝送パラメータに基づいて伝送レートを計算(詳細後述)してタイムスタンプ増分値計算部19に通知する。
【0032】
なお、タイムスタンプ増分値計算部19に通知される伝送レートは、有理数の形式で伝えられる。また、これよりも後段の構成要素間でやり取りされる値についても、誤差蓄積を回避するために、有理数の形式で取り扱われるものとする。
【0033】
タイムスタンプ増分値計算部19は、伝送レート計算部18から通知された伝送レートに基づいてタイムスタンプ増分値を計算(詳細後述)し、計算結果のタイムスタンプ増分値をタイムスタンプ増分値保持部20に供給する。タイムスタンプ増分値保持部20は、タイムスタンプ増分値計算部19から供給されるタイムスタンプ増分値を一時的に保持する。
【0034】
タイムスタンプ計算部21は、タイムスタンプ保持部22に保持されている、前のパケットに付加されたタイムスタンプの値と、タイムスタンプ増分値保持部20に保持されたタイムスタンプ増分値に基づき、次のパケットに付加されたタイムスタンプの値を計算し(詳細後述)、計算したタイムスタンプの値をタイムスタンプ保持部22に通知する。
【0035】
タイムスタンプ保持部22は、保持するタイムスタンプの値をタイムスタンプ計算部21に供給し、保持するタイムスタンプの値を、タイムスタンプ計算部21から通知されるタイムスタンプの値で更新する。また、タイムスタンプ保持部22は、制御部12からの制御に従い、保持するタイムスタンプの値を初期値(例えば、0)に初期化する。
【0036】
タイムスタンプ付加部23は、誤り訂正部16から入力される誤り訂正済みの信号(TS)の各パケットに対し、タイムスタンプ保持部22に保持されるタイムスタンプを付加してパケット選択部24に出力する。なお、タイムスタンプ付加部23では、全てのパケットにタイムスタンプを付加するが、全てのパケットではなく、所定の間隔を空けたパケットに対してのみタイムスタンプを付加するようにしてもよい。
【0037】
パケット選択部24は、制御部12からの制御に従い、タイムスタンプが付加されているパケットのうち、指定されたもの(ユーザによって選択された番組に対応するものなど)を選択して後段に出力する。
【0038】
<受信装置11の動作>
次に、受信装置11の動作について、
図3乃至
図5を参照して説明する。
【0039】
図3は、選局切り替えに対処するための処理である。この処理は、受信装置11がタイムスタンプ付のTSを出力する間、繰り返して実行される。
【0040】
ステップS11において、制御部12は、選局切り替えの有無を確認し、選局切り替えが発生するまで待機する。選局切り替えが発生した場合、処理はステップS12に進められて、タイムスタンプ保持部22は、制御部12からの制御に従って、保持しているタイムスタンプの値を初期化する。この後、当該処理は再びステップS11から開始される。
【0041】
図4は、伝送パラメータの切り替えに対処するための処理である。この処理は、受信装置11がタイムスタンプ付のTSを出力する間、繰り返して実行される。
【0042】
ステップS21において、制御部12は、伝送パラメータ取得部17が復調部15から取得した伝送パラメータの変更の有無を確認し、伝送パラメータの変更があるまで待機する。伝送パラメータの変更が発生した場合、処理はステップS22に進められる。ステップS22において、伝送レート計算部18は、制御部12からの制御に従い、変更後の伝送パラメータに基づいて伝送レートを計算し直して、タイムスタンプ増分値計算部19に通知する。
【0043】
ステップS23において、タイムスタンプ増分値計算部19は、計算し直された伝送レートに基づいてタイムスタンプ増分値を計算し直して、計算結果のタイムスタンプ増分値をタイムスタンプ増分値保持部20に供給する。ステップS24において、タイムスタンプ増分値保持部20は、新たに供給されたタイムスタンプ増分値を保存する。この後、当該処理は再びステップS21から開始される。
【0044】
図5は、誤り訂正済のTSを構成する各パケットに対してタイムスタンプを付加するための処理である。
【0045】
ステップS31において、タイムスタンプ付加部23は、誤り訂正部16から誤り訂正済みのTSのパケット入力の有無を確認し、パケット入力が有るまで待機する。パケット入力が有った場合、処理はステップS32に進められる。ステップS32において、タイムスタンプ付加部23は、誤り訂正部16から入力されたパケットに対し、タイムスタンプ保持部22に保持されているタイムスタンプを付加する。
【0046】
ステップS33において、タイムスタンプ計算部21は、新しいタイムスタンプの値を計算してタイムスタンプ保持部22に通知する。ステップS34において、タイムスタンプ保持部22は、現在保持しているタイムスタンプの値を、新しいタイムスタンプの値に更新する。
【0047】
ステップS35において、制御部12は、タイムスタンプ付加部23に対するパケット入力が終了したか否かを判断し、終了したと判断するまで処理をステップS31に戻して、それ以降を繰り返させる。ステップS35において、タイムスタンプ付加部23に対するパケット入力が終了したと判断された場合、当該処理は終了される。
【0048】
なお、上述した
図3乃至
図5を参照して説明した処理は平行して実行されるものとする。
【0049】
以上に説明したように、受信装置11によれば、簡素で低コストを実現した回路構成により高精度なタイムスタンプを生成してTSのパケットに付加することができる。
【0050】
<タイムスタンプの計算方法>
次に、タイムスタンプなどの計算方法について具体的に説明する。
【0051】
伝送レートの計算方法は、デジタル放送規格に依存する。例えば、日本国内における衛星デジタル放送規格(BSデジタル放送)では、変調方式がTC8PSKである場合、伝送レートRは次式(1)により計算できる。
R=(2/3)*3*S*(204/208)*(188/204)*(N/48)
・・・(1)
【0052】
ただし、伝送レートRの単位は、Mbps(bit per second)である。式(1)におけるSはシンボルレート(28.860Mbaud)である。Nは割り当てスロット数(0から48の整数)である。伝送パラメータとしての割り当てスロット数Nは、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)情報の一部として伝送される。TMCC情報は、TSとは別に伝送される制御信号である。受信側では、このTMCC情報に基づいて復調処理、並びに誤り訂正処理を行う。
【0053】
タイムスタンプ増分値(ΔT)は次式(2)により計算できる。
ΔT=188*8*F/R
・・・(2)
【0054】
ただし、式(2)におけるFは基準クロック周波数(27MHz)を示す。
【0055】
i番目のパケットに付与するタイムスタンプ値T(i)(iは整数)は次式(3)を用いて計算する。
T(i)=T(i−1)+ΔT
・・・(3)
【0056】
ただし、式(3)においてi=1の場合のT(0)はタイムスタンプの初期値(例えば、0)である。
【0057】
なお、上述した具体例では、日本国内における衛星デジタル放送規格(BSデジタル放送)に対応する計算方法を説明したが、本開示は、これに限らず、あらゆる種類のデジタル放送規格に適用することが可能である。
【0058】
<計算誤差蓄積の回避対策>
タイムスタンプ計算部21における計算過程において、各段階の計算結果を有限桁数の実数値で表現した場合、丸め誤差が蓄積されてしまう。そこで、受信処理部13においては、構成要素間での数値のやり取りに有理数(分子と分母の組)を用いることで誤差蓄積を回避するようになされている。
【0059】
以下、日本国内における衛星デジタル放送規格(BSデジタル放送)の変調方式がTC8PSKである場合を例に挙げて説明する。なお、割り当てスロット数N=22とする。
【0060】
この場合、伝送レートRは、式(1)に基づいて以下のように有理数で表現できる。
R=(2/3)*3*(28860/1000)*(204/208)
*(188/204)*(22/48)
=19129/800
【0061】
また、この場合、タイムスタンプ増分値ΔTは、式(2)に基づいて以下のように有理数で表現できる。
ΔT=188*8*27*800/19129
=1698+114/407
【0062】
したがって、タイムスタンプT(i)は、例えば、iが1から8の場合は以下のように有理数で表現できる。ただし、タイムスタンプの初期値T(0)=0としている。
T(1)=T(0)+ΔT=1698+114/407
T(2)=T(1)+ΔT=3396+228/407
T(3)=T(2)+ΔT=5094+342/407
T(4)=T(3)+ΔT=6792+456/407=6793+49/407
T(5)=T(4)+ΔT=8491+163/407
T(6)=T(5)+ΔT=10189+277/407
T(7)=T(6)+ΔT=11887+391/407
T(8)=T(7)+ΔT=13585+505/407=13586+98/407
【0063】
なお、上記した数値のうちの整数部分が、TSのパケットに対してタイムスタンプとして実際に付加される値となる。例えば、タイムスタンプT(1)として1698が付加される。タイムスタンプT(2)として3396が付加される。タイムスタンプT(3)として5094が付加される。タイムスタンプT(4)として6793が付加される。タイムスタンプT(5)として8491が付加される。タイムスタンプT(6)として10189が付加される。タイムスタンプT(7)として11887が付加される。タイムスタンプT(8)として13586が付加される。
【0064】
<本開示を適用した受信装置の第2の構成例>
上述したように、伝送レートR、タイムスタンプ増分値ΔT、およびタイムスタンプT(i)の計算は、乗除算を含むために処理コストが高い。そこで、伝送レートRおよびタイムスタンプ増分値ΔTを計算する代わりに、伝送パラメータに対してタイムスタンプ増分値ΔTが対応付けられているLUT(Look Up Table)を用いて演算の処理コストを削減するようにしてもよい。
【0065】
図6は、本開示を適用した受信装置の第2の構成例を示している。この受信装置31は、伝送レートRおよびタイムスタンプ増分値ΔTの演算を実行する代わりにLUTを用いるものである。なお、受信装置31は、
図2に示された受信装置11の伝送レート計算部18およびタイムスタンプ増分値計算部19を、アドレス生成部32およびLUT部33に置換したものであり、その他の受信装置11と共通する構成要素については、同一の附番を付しているので、その説明は適宜省略する。
【0066】
アドレス生成部32は、伝送パラメータ取得部17から供給される伝送パラメータに基づき、LUT部33に対して通知するアドレス値を生成する。LUT部33は、伝送パラメータに対してタイムスタンプ増分値ΔTが対応付けられたLUTを保持しており、アドレス生成部32から通知される、伝送パラメータに対応するアドレス値に格納されているタイムスタンプ増分値ΔTを読み出してタイムスタンプ増分値保持部20に供給する。なお、LUT部33に格納されているタイムスタンプ増分値ΔTも有理数(分子と分母の組)の形式で表現されている。
【0067】
<受信装置31の動作>
次に、受信装置31の動作について説明する。ただし、選局切り替えに対処するための処理、および、誤り訂正済のTSを構成する各パケットに対してタイムスタンプを付加するための処理については、上述した受信装置11の動作と同様なので、その説明は省略する。
【0068】
図7は、受信装置31による伝送パラメータの切り替えに対処するための処理である。この処理は、受信装置31がタイムスタンプ付のTSを出力する間、繰り返して実行される。
【0069】
ステップS41において、制御部12は、伝送パラメータ取得部17が復調部15から取得した伝送パラメータの変更の有無を確認し、伝送パラメータの変更があるまで待機する。伝送パラメータの変更が発生した場合、処理はステップS42に進められる。ステップS42において、アドレス生成部32は、制御部12からの制御に従い、変更後の伝送パラメータに対応するアドレス値を生成してLUT部33に通知する。
【0070】
ステップS43において、LUT部33は、通知されたアドレス値に格納されているタイムスタンプ増分値をタイムスタンプ増分値保持部20に供給する。ステップS44において、タイムスタンプ増分値保持部20は、新たに供給されたタイムスタンプ増分値を保存する。この後、当該処理は再びステップS41から開始される。
【0071】
以上に説明したように、受信装置11によれば、簡素で低コストを実現した回路構成により高精度なタイムスタンプを生成してTSのパケットに付加することができる。
【0072】
<LUTの一例>
ここで、LUT部33に保持されているLUTの一例を示す。
図8は、日本国内における衛星デジタル放送規格(BSデジタル放送)の変調方式がTC8PSKである場合の符号化パラメータとしての割り当てスロット数Nをそのままアドレスとして用いたLUTの一例である。
【0073】
例えば、符号化パラメータとしての割り当てスロット数Nが1である場合、アドレス生成部32では、アドレス値として1が生成されてLUT部33に通知される。LUT部33では、アドレス値1に格納されているタイムスタンプ増分値ΔT=37362+6/37が読み出されてタイムスタンプ増分値保持部20に供給されることになる。
【0074】
<伝送レートが一定である場合の受信装置11および31の出力例>
図9は、受信したTSの伝送レートが一定である場合における受信装置11および31の出力例を示している。
【0075】
すなわち、同
図Aは、誤り訂正部16から出力されるパケットの配置を示している。同
図Bは、タイムスタンプ付加部23から出力されるタイムスタンプ付きパケットの配置を示している。同
図Cは、パケット選択部24から出力されるタイムスタンプ付きパケットの配置を示している。同
図Cの場合、パケット番号i=4のパケット(TP(4))だけが所望のサービスに対応しないものとして破棄されている。
【0076】
次に、
図10は、
図9のCに示されたタイムスタンプ付きパケットに付加されているタイムスタンプの値をプロットしたものである。同図の横軸はパケット番号i、縦軸はiに対応するタイムスタンプ値T(i)を示している。なお、最初のパケットTP(0)のタイムスタンプ値はT(0)としている。
【0077】
タイムスタンプ値T(i)はタイムスタンプ増分値(ΔT)ずつ加算されるので、T(i)は単調増加となる。ただし、
図9のCの例ではTP(4)が破棄されているため、その箇所だけタイムスタンプ値は不連続となり、T(3)とT(5)の差分はΔTの2倍となっている。
【0078】
<伝送レートが受信途中で変更された場合の受信装置11および31の出力例>
図11は、伝送レートが受信途中で変更された場合における受信装置11および31から出力されるパケットに付加されているタイムスタンプの値をプロットしたものである。同図の横軸はパケット番号i、縦軸はiに対応するタイムスタンプ値T(i)を示している。
【0079】
同図の例では、パケット番号i=N−1とパケット番号i=Nのパケット間で、伝送レートがR1からR2(>R1)に変更されている。この場合、伝送レートの変更に追従し、パケット番号i=Nとパケット番号i=N+1のパケット間で、タイムスタンプ増分値ΔTはΔT1からΔT2(<ΔT1)に変更される。
【0080】
<選局切り替えを行った場合の受信装置11および31の出力例>
図12は、選局切り替えを行った場合における受信装置11および31から出力されるパケットに付加されているタイムスタンプの値をプロットしたものである。
【0081】
同図の例では、パケット番号i=N−1とパケット番号i=Nのパケット間で、選局切り替えが有って、伝送レートは、選局切り替え前のR1から選局切り替え後のR2(<R1)に変更されている。この場合、伝送レートの変更に追従し、パケット番号i=Nとパケット番号i=N+1のパケット間で、タイムスタンプ増分値ΔTはΔT2(>ΔT1)に変更される。また、選局切り替えに伴ってタイムスタンプが初期化されるので、タイムスタンプは不連続の値となる。
【0082】
<受信装置11の応用例>
図13は、受信装置11(または受信装置31)を、放送されたTSを記録媒体に記録する記録システムに応用した場合の構成例を示している。該記録システムでは、受信装置11から出力されるタイムスタンプ付きTSが記録部41に供給されて記録媒体42に記録される。この記録媒体42は、例えば、DVD,Blu-ray(登録商標) Disc、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどからなる。
【0083】
図14は、受信装置11(または受信装置31)を放送されたTSをネットワークに配信する配信システムに応用した場合の構成例を示している。該配信システムでは、受信装置11から出力されるタイムスタンプ付きTSがフォーマット変換部51にされてネットワーク配信に適したフォーマット(RTP(Real-time Transport Protocol)等)に変換されてネットワーク配信部52に供給される。そして、ネットワーク配信部52により、フォーマット変換されたタイムスタンプ付きTSが、ネットワーク53に配信される。
【0084】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0085】
図15は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0086】
このコンピュータ200において、CPU(Central Processing Unit)201,ROM(Read Only Memory)202,RAM(Random Access Memory)203は、バス204により相互に接続されている。
【0087】
バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、入力部206、出力部207、記憶部208、通信部209、およびドライブ210が接続されている。
【0088】
入力部206は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部207は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部208は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部209は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア211を駆動する。
【0089】
以上のように構成されるコンピュータ200では、CPU201が、例えば、記憶部208に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース205およびバス204を介して、RAM203にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0090】
なお、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0091】
本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)
パケットが連なって構成されるデータストリームを受信する受信部と、
受信された前記データストリームから伝送パラメータを取得する取得部と、
取得された前記伝送パラメータに対応するタイムスタンプ増分値を特定するタイムスタンプ増分値特定部と、
特定された前記タイムスタンプ増分値を前回のタイムスタンプに加算することにより前記タイムスタンプを更新するタイムスタンプ計算部と、
更新された前記タイムスタンプを、前記データストリームを構成する前記パケットに付加するタイムスタンプ付加部と
を備える受信装置。
(2)
前記タイムスタンプ増分値特定部は、
取得された前記伝送パラメータに基づいて前記伝送レートを計算する伝送レート計算部と、
計算された前記伝送レートに基づいて前記タイムスタンプ増分値を計算するタイムスタンプ増分値計算部と
を有する
前記(1)に記載の受信装置。
(3)
前記タイムスタンプ増分値特定部は、取得された前記伝送パラメータに対して前記タイムスタンプ増分値が対応付けられている変換テーブルを有する
前記(1)に記載の受信装置。
(4)
タイムスタンプ増分値特定部は、取得された前記伝送パラメータが変更された場合、変更後の前記伝送パラメータに対応する前記タイムスタンプ増分値を特定する
前記(1)から(3)のいずれかに記載の受信装置。
(5)
前記タイムスタンプ計算部は、前記データストリームを受信するための選局が切り替えられた場合、前記タイムスタンプを初期化する
前記(1)から(4)のいずれかに記載の受信装置。
(6)
前記伝送レート、前記タイムスタンプ増分値、および前記タイムスタンプは、有理数として扱われる
前記(1)から(5)のいずれかに記載の受信装置。
(7)
前記タイムスタンプが付加された前記パケットを選択的に出力するパケット選択部を
さらに備える前記(1)から(6)のいずれかに記載の受信装置。
(8)
受信装置の受信方法において、
前記受信装置による、
パケットが連なって構成されるデータストリームを受信する受信ステップと、
受信された前記データストリームから伝送パラメータを取得する取得ステップと、
取得された前記伝送パラメータに対応するタイムスタンプ増分値を特定するタイムスタンプ増分値特定ステップと、
特定された前記タイムスタンプ増分値を前回のタイムスタンプに加算することにより前記タイムスタンプを更新するタイムスタンプ計算ステップと、
更新された前記タイムスタンプを、前記データストリームを構成する前記パケットに付加するタイムスタンプ付加ステップと
を含む受信方法。
(9)
コンピュータを、
パケットが連なって構成されるデータストリームを受信する受信部と、
受信された前記データストリームから伝送パラメータを取得する取得部と、
取得された前記伝送パラメータに対応するタイムスタンプ増分値を特定するタイムスタンプ増分値特定部と、
特定された前記タイムスタンプ増分値を前回のタイムスタンプに加算することにより前記タイムスタンプを更新するタイムスタンプ計算部と、
更新された前記タイムスタンプを、前記データストリームを構成する前記パケットに付加するタイムスタンプ付加部と
して機能させるプログラム。