特許第6663955号(P6663955)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6663955反力外部導出機構、モータ装置、及びフォトリソグラフィ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6663955
(24)【登録日】2020年2月19日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】反力外部導出機構、モータ装置、及びフォトリソグラフィ装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/04 20060101AFI20200302BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20200302BHJP
   F16F 15/02 20060101ALI20200302BHJP
【FI】
   F16F15/04 A
   G03F7/20 521
   G03F7/20 501
   F16F15/02 C
【請求項の数】18
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-119594(P2018-119594)
(22)【出願日】2018年6月25日
(65)【公開番号】特開2019-11860(P2019-11860A)
(43)【公開日】2019年1月24日
【審査請求日】2018年6月25日
(31)【優先権主張番号】201710524606.9
(32)【優先日】2017年6月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】309012351
【氏名又は名称】シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】王保亮
(72)【発明者】
【氏名】楊輔強
(72)【発明者】
【氏名】朱岳彬
【審査官】 熊谷 健治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−133573(JP,A)
【文献】 特開2004−134745(JP,A)
【文献】 特開昭61−228138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/00−15/36
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反力外部導出機構であって、
反力外部導出支持ラック、反力減衰手段、及び震動源中継手段を有し、前記震動源中継手段の一側は震動源に接続され、記震動源中継手段の他側は前記反力減衰手段に接続され、
前記反力外部導出支持ラックの一側は前記反力減衰手段に接続され、前記反力外部導出支持ラックの他側は定盤に接続され、
前記反力外部導出機構は、前記震動源の震動力を削減し、かつ定盤からの振動を隔絶するためのものであ
前記反力外部導出機構は、支持ラック中継手段、及び非干渉手段をさらに有し、
前記支持ラック中継手段は、前記反力外部導出支持ラックに接続され、
前記非干渉手段は、前記支持ラック中継手段と前記反力減衰手段との間に位置し、
前記非干渉手段は、定盤からの振動を隔絶するためのものであ
前記反力減衰手段は、接続ブロック、反力外部導出ダンパ手段、反力外部導出バネ手段、及び中継アームを有し、
前記接続ブロックは、前記支持ラック中継手段に接続され、
前記反力外部導出ダンパ手段の両端は、前記接続ブロック及び前記震動源中継手段にそれぞれ接続され、
前記反力外部導出バネ手段の両端は、前記接続ブロック及び前記中継アームの一端にそれぞれ接続され、
前記中継アームの他端は、前記震動源中継手段に接続される、ことを特徴とする反力外部導出機構。
【請求項2】
前記反力外部導出バネ手段は、バネガイド柱により前記接続ブロックに装着される、ことを特徴とする請求項に記載の反力外部導出機構。
【請求項3】
前記反力外部導出バネ手段は、フレームを介して前記中継アームに装着される、ことを特徴とする請求項に記載の反力外部導出機構。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の反力外部導出機構を有するモータ装置であって、
モータ装置は、運動モジュールを有し、
前記反力外部導出機構の一側が前記運動モジュールに接続され、
前記反力外部導出機構の他側が定盤に接続され、
前記反力外部導出機構は、前記運動モジュールの震動力を削減し、かつ定盤から前記運動モジュールへの振動を隔絶するためのものである、モータ装置。
【請求項5】
前記運動モジュールは、固定子及び可動子を有し、
前記反力外部導出機構は、前記固定子に接続される、ことを特徴とする請求項に記載のモータ装置。
【請求項6】
照明手段、フォトマスクステージ、投影レンズ、主基板、ワークステージ、及びメイン吊り下げフレームを有するフォトリソグラフィ装置であって、
前記照明手段及び前記フォトマスクステージは、前記主基板に設けられ、
前記投影レンズは、前記フォトマスクステージと前記ワークステージとの間に設けられ、
前記メイン吊り下げフレームは、定盤上方に設けられ、
前記ワークステージ及び前記主基板は、前記メイン吊り下げフレームに設けられ、
前記メイン吊り下げフレームと前記定盤との間には緩衝装置が設けられ、
前記ワークステージの片側と前記定盤との間、及び/または前記フォトマスクステージの片側と前記定盤との間には反力外部導出機構が設けられ、
前記反力外部導出機構は、前記ワークステージ、及び/または前記フォトマスクステージの震動力を削減し、かつ定盤からの振動を隔絶するためのものであ
前記反力外部導出機構は、反力外部導出支持ラックを有し、
前記反力外部導出支持ラックは、前記定盤に接続さ、前記ワークステージに接続されるワークステージ駆動モータ、及び前記フォトマスクステージに接続されるフォトマスクステージ駆動モータをさらに有し、
前記反力外部導出機構の一端は、前記ワークステージ駆動モータまたは前記フォトマスクステージ駆動モータに接続され、
他端は、前記定盤に接続される、ことを特徴とするフォトリソグラフィ装置。
【請求項7】
前記主基板には照明支持ラックが設けられ、
前記照明手段は、前記照明支持ラックに設けられる、ことを特徴とする請求項に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項8】
前記照明支持ラックの側面には、前記照明支持ラックの局部モードの振動を吸収するための振動吸収装置が設けられ、ことを特徴とする請求項に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項9】
前記振動吸収装置は、振動吸収装置支持板、振動吸収ブロック、及び振動吸収装置ダンパ手段を有し、
前記振動吸収装置支持板は、前記照明支持ラックの側面に水平に固定され、
前記振動吸収装置ダンパ手段は、前記照明支持ラックの側面に密接に貼り付き、
前記振動吸収ブロックの底部は、締め付けネジにより前記振動吸収装置支持板に支持され、
前記振動吸収ブロックの側面は、振動装置プリテンションスクリュ、振動吸収装置バネ手段、及び前記振動吸収装置ダンパ手段により前記照明支持ラックの側面に固定される、ことを特徴とする請求項に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項10】
前記主基板にはフォトマスクステージ支持ラックが設けられ、
前記フォトマスクステージは、前記フォトマスクステージ支持ラックに設けられる、ことを特徴とする請求項に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項11】
前記フォトマスクステージ支持ラックには、フォトマスクステージ測定システムがさらに設けられる、ことを特徴とする請求項10に記載フォトリソグラフィ装置。
【請求項12】
前記反力外部導出機構は、順次接続された支持ラック中継手段、非干渉手段、反力減衰手段、及び震動源中継手段をさらに有し、
前記支持ラック中継手段は、前記反力外部導出支持ラックに接続され、
前記震動源中継手段は、前記ワークステージ駆動モータまたはフォトマスクステージ駆動モータにさらに接続され、
前記非干渉手段は、前記支持ラック中継手段と前記反力減衰手段との間に位置し、
前記非干渉手段は、定盤からの振動を隔絶するためのものである、ことを特徴とする請求項に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項13】
前記反力減衰手段は、接続ブロック、反力外部導出ダンパ手段、反力外部導出バネ手段、及び中継アームを有し、
前記接続ブロックは、前記支持ラック中継手段に接続され、
前記反力外部導出ダンパ手段の両端は、前記接続ブロック及び前記震動源中継手段にそれぞれ接続され、
前記反力外部導出バネ手段の両端は、前記接続ブロック及び前記中継アームの一端にそれぞれ接続され、
前記中継アームの他端は、前記震動源中継手段に接続される、ことを特徴とする請求項12に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項14】
前記反力外部導出バネ手段は、バネガイド柱により前記接続ブロックに装着される、ことを特徴とする請求項13に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項15】
前記反力外部導出バネ手段は、フレームを介して前記中継アームに接続される、ことを特徴とする請求項13に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項16】
一つの前記反力外部導出機構は、前記フォトマスクステージに接続され、
前記フォトマスクステージに接続される前記反力外部導出機構は、前記フォトマスクステージの水平第1方向に沿った片側に位置される、ことを特徴とする請求項に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項17】
二つの前記反力外部導出機構は、前記ワークステージに接続され、前記ワークステージに接続される二つの前記反力外部導出機構は、前記水平第1方向と直交する水平第2方向に沿った片側にそれぞれ設けられる、ことを特徴とする請求項16に記載フォトリソグラフィ装置。
【請求項18】
前記主基板には前記ワークステージに対応するワークステージ測定システムがさらに設けられる、ことを特徴とする請求項に記載のフォトリソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトリソグラフィ技術分野に関し、具体的には反力外部導出機構、モータ装置、及びフォトリソグラフィ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィは、半導体製造過程において非常に重要な工程である。それは、フォトマスク上の一連のチップパターンを露光により順次、シリコンウエハの対応する層に移す工程過程であり、大規模集積回路製造におけるコアとなるステップと考えられている。半導体製造における複雑で時間を消費する一連のフォトリソグラフィ工程は主に、対応するフォトリソグラフィ装置により完成される。
【0003】
フォトリソグラフィ装置におけるシリコンウエハステージの主な作用は、シリコンウエハを載置し、かつシリコンウエハを携帯して、投影レンズ下でフォトマスクステージにマッチングした露光運動を完成させることである。シリコンウエハステージ及びフォトマスクステージが装置内部フレーム内にあるとき、二つの運動の運動反力は内部フレームに直接作用し、これにより、内部フレーム全体の振動が激しくなる。その振動指数が装置の性能制約を超えると、正常な露光作業ができなくなってしまう。
【0004】
上述の課題について、既存の技術においては、運動ステージのモータ固定子を外部フレームに置き、外部フレームとの接続により、露光時に生じる運動ステージの反作用力が直接、外部フレームに作用し、これにより内部フレームへの衝撃影響を減少させることとしている。しかしながら、当該技術的解決手段は、装置のフレーム及び運動ステージの構造設計に対していずれも高い要求を提示しており、運動ステージと装置との集積工程の複雑度を高めてしまうことになる。
【0005】
既存の技術においては、フォトリソグラフィ装置の運動ステージの反力相殺装置、及びそれを応用したフォトリソグラフィ装置がさらに提供されている。当該技術的解決手段は、反力機構を内部フレームに直接接続しており、運動ステージと衝撃吸収装置との間に非干渉機構がない。このため、反力相殺の過程において、定盤の振動が持ち込まれやすく、運動ステージの運動精度に直接影響してしまい、さらに反力機構はワークステージの両側に装着されるため、占有する空間が大きく、その他のシステムの配置及びメンテンナスのいずれにも一定の影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、反力外部導出機構、モータ装置、及びフォトリソグラフィ装置を提供することで、既存の技術において存在する工程が複雑で、占有する空間が大きく、及び運動ステージの運動精度に影響するという課題を解決する。
【0007】
上述の技術的改題を解決するために、本発明の技術的解決手段は以下のとおりである。反力外部導出機構であって、順次接続された反力外部導出支持ラック、反力減衰手段、及び震動源中継手段を有し、前記震動源中継手段は、震動源に接続され、前記反力外部導出支持ラックは、定盤に接続され、前記反力外部導出機構は、前記震動源の震動力を削減し、かつ定盤からの振動を隔絶するためのものである。
【0008】
さらに、前記反力外部導出機構は、支持ラック中継手段、及び非干渉手段をさらに有し、前記支持ラック中継手段は、前記反力外部導出支持ラックに接続され、前記非干渉手段は、前記支持ラック中継手段と前記反力減衰手段との間に位置し、前記非干渉手段は、定盤からの振動を隔絶するためのものである。
【0009】
さらに、前記反力減衰手段は、接続ブロック、反力外部導出ダンパ手段、反力外部導出バネ手段、及び中継アームを有し、前記接続ブロックは、前記支持ラック中継手段に接続され、前記反力外部導出ダンパ手段の両端は、前記接続ブロック及び前記震動源中継手段にそれぞれ接続され、前記反力外部導出バネ手段の両端は、前記接続ブロック及び前記中継アームの一端にそれぞれ接続され、前記中継アームの他端は、前記震動源中継手段に接続される。
【0010】
さらに、前記反力外部導出バネ手段は、バネガイド柱により前記接続ブロックに装着される。
【0011】
さらに、前記バネ手段は、プリテンション装着フレームにより前記中継アームに装着される。
【0012】
本発明は、上述のような反力外部導出機構を装着したモータ装置をさらに提供し、前記反力外部導出機構及び運動モジュールを有し、前記反力外部導出機構は、前記運動モジュールに接続され、前記反力外部導出機構は、定盤にさらに接続され、前記反力外部導出機構は、前記運動モジュールの震動力を削減し、かつ定盤からの振動を隔絶するためのものである。
【0013】
さらに、前記運動モジュールは、固定子及び可動子を有し、前記反力外部導出機構は、前記固定子に接続される。
【0014】
本発明は、フォトリソグラフィ装置をさらに提供し、照明手段、フォトマスクステージ、投影レンズ、主基板、ワークステージ、及びメイン吊り下げフレームを有し、前記照明手段及び前記フォトマスクステージは、前記主基板に設けられ、前記投影レンズは、前記フォトマスクステージと前記ワークステージとの間に設けられ、前記メイン吊り下げフレームは定盤上方に設けられ、前記ワークステージ及び前記主基板は、前記メイン吊り下げフレームに設けられ、前記メイン吊り下げフレームと前記定盤との間には緩衝装置が設けられ、前記ワークステージの片側と前記定盤との間、及び/または前記フォトマスクステージの片側と前記定盤との間には反力外部導出機構が設けられ、前記反力外部導出機構は、前記ワークステージ、及び/または前記フォトマスクステージの震動力を削減し、かつ定盤からの振動を隔絶するためのものである。
【0015】
さらに、前記主基板には照明支持ラックが設けられ、前記照明手段は、前記照明支持ラックに設けられる。
【0016】
さらに、前記照明支持ラックの側面には振動吸収装置が設けられる。
【0017】
さらに、前記振動吸収装置は、振動吸収装置支持板、振動吸収ブロック、及び振動吸収装置ダンパ手段を有し、前記振動吸収装置支持板は、前記照明支持ラックの側面に水平に固定され、前記振動吸収装置ダンパ手段は、前記照明支持ラックの側面に密接に貼り付き、前記振動吸収ブロックの底部は、締め付けネジにより前記振動吸収装置支持板に支持され、前記振動吸収ブロックの側面は、振動吸収装置プリテンションスクリュ、振動吸収装置バネ手段、及び振動吸収装置ダンパ手段により前記照明支持ラックの側面に固定される。
【0018】
さらに、前記主基板にはフォトマスクステージ支持ラックが設けられ、前記フォトマスクステージは、前記フォトマスクステージ支持ラックに設けられる。
【0019】
さらに、前記フォトマスクステージ支持ラックにはフォトマスクステージ測定システムがさらに設けられる。
【0020】
さらに、前記反力外部導出機構は、反力外部導出支持ラックを有し、前記反力外部導出支持ラックは、前記定盤に接続される。
【0021】
さらに、前記フォトリソグラフィ装置は、前記ワークステージに接続されるワークステージ駆動モータ、及び前記フォトマスクステージに接続されるフォトマスクステージ駆動モータをさらに有し、前記反力外部導出機構の一端は、前記ワークステージ駆動モータ、または前記フォトマスクステージ駆動モータに接続され、他端は前記定盤に接続される。
【0022】
さらに、前記反力外部導出機構は、順次接続された支持ラック中継手段、非干渉手段、反力減衰手段、及び震動源中継手段をさらに有し、前記支持ラック中継手段は、前記反力外部導出支持ラックに接続され、前記震動源中継手段は、前記ワークステージ駆動モータまたはフォトマスクステージ駆動モータにさらに接続され、前記非干渉手段は、前記支持ラック中継手段と前記反力減衰手段との間に位置し、前記非干渉手段は、定盤からの振動を隔絶するためのものである。
【0023】
さらに、前記反力減衰手段は、接続ブロック、反力外部導出ダンパ手段、反力外部導出バネ手段、及び中継アームを有し、前記接続ブロックは、前記支持ラック中継手段に接続され、前記反力外部導出ダンパ手段の両端は、前記接続ブロック及び前記震動源中継手段にそれぞれ接続され、前記反力外部導出バネ手段の両端は、前記接続ブロック及び前記中継アームの一端にそれぞれ接続され、前記中継アームの他端は、前記震動源中継手段に接続される。
【0024】
さらに、前記反力外部導出バネ手段は、バネガイド柱により前記接続ブロックに装着される。
【0025】
さらに、前記バネ手段は、プリテンション装着フレームにより前記中継アームに接続される。
【0026】
さらに、一つの前記反力外部導出機構は、前記フォトマスクステージに接続され、前記フォトマスクステージに接続される前記反力外部導出機構は、フォトマスクステージの水平第1方向に沿った片側に位置される。
【0027】
さらに、二つの前記反力外部導出機構は、前記ワークステージに接続され、前記ワークステージに接続される二つの前記反力外部導出機構は、前記ワークステージの水平第2方向に沿った片側にそれぞれ設けられる。
【0028】
さらに、前記主基板には、前記ワークステージに対応するワークステージ測定システムがさらに設けられる。
【0029】
本発明により提供される反力外部導出機構、モータ装置、及びフォトリソグラフィ装置であって、該フォトリソグラフィ装置は、照明手段、フォトマスクステージ、投影レンズ、主基板、ワークステージ、及びメイン吊り下げフレームを有し、前記照明手段及びフォトマスクステージは、前記主基板に設けられ、前記投影レンズは、前記フォトマスクステージと前記ワークステージとの間に設けられ、前記メイン吊り下げフレームは定盤上方に設けられ、前記ワークステージ及び主基板は、前記吊り下げフレームに設けられ、前記メイン吊り下げフレームと定盤との間には緩衝装置が設けられ、前記ワークステージの片側と前記定盤との間、及び/または前記フォトマスクステージの片側と前記定盤との間には反力外部導出機構がそれぞれ設けられ、前記反力外部導出機構は、前記ワークステージ、及び/または前記フォトマスクステージの震動力を削減し、かつ定盤からの振動を隔絶するためのものである。ワークステージ及びフォトマスクステージの片側に反力外部導出機構を設けることにより、該二つの運動ステージの運動方向の反力を定盤に導出し、定盤の振動を運動ステージに伝えず、反力による装置の振動を減少させることができる。装置フレーム及び運動ステージシステムの設計製造の難易度を大幅に低減し、運動ステージの制御精度を高め、緩衝装置の必要性を効果的に抑え、緩衝装置の開発難易度、及び開発コストを低減することができる。振動吸収装置を採用して照明支持ラックの局部モードに対して制振がされ、効果が明らかであり、構造が簡単で、フレーム自体のモード剛性を増加させることと比較して、設計難易度及び加工製造コストを大幅に減らすことができる。本発明の反力外部導出機構の装着及びメンテナンス空間は小さく、構造がコンパクトで、簡単であり、脱着しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明の具体的な実施例におけるフォトリソグラフィ装置の構造概略図である。
図2図2は、本発明の具体的な実施例における振動吸収装置の構造概略図である。
図3図3は、本発明の具体的な実施例における反力外部導出機構の構造概略図である。
図4図4は、本発明の具体的な実施例における反力外部導出機構とワークステージの接続概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に図面を踏まえて本発明を詳細に説明する。
図1に示すように、本発明は、フォトリソグラフィ装置を提供するものであり、照明手段1、フォトマスクステージ2、投影レンズ3、主基板4、ワークステージ5、及びメイン吊り下げフレーム7を有し、前記照明手段1及びフォトマスクステージ2は、前記主基板4に設けられ、前記投影レンズ3は、前記フォトマスクステージ2と前記ワークステージ5との間に設けられ、前記メイン吊り下げフレーム7は定盤6上方に設けられ、前記ワークステージ5及び主基板4は、前記吊り下げフレーム7に設けられ、前記メイン吊り下げフレーム7と定盤6との間には緩衝装置8が設けられ、前記ワークステージ5の片側と前記定盤6との間、及び/または前記フォトマスクステージ2の片側と前記定盤6との間には反力外部導出機構9がそれぞれ設けられ、前記反力外部導出機構9は、前記ワークステージ5、及び/または前記フォトマスクステージ2の(から伝わった)震動力を削減し、かつ定盤6からの振動を隔絶するためのものである。
【0032】
好ましくは、ワークステージ2に対応する反力外部導出機構9が一つ設けられ、例えば、X軸プラス方向である前記フォトマスクステージ2の水平第1方向に沿った片側に位置する。前記ワークステージ5に対応する反力外部導出機構9が二つ設けられ、それぞれ例えばY軸マイナス方向である前記ワークステージ5の水平第2方向に沿った片側に位置する。ワークステージ5及びフォトマスクステージ2の片側に反力外部導出機構9を設けることにより、該二つの運動ステージの運動方向の反力を定盤6に導出し、定盤6の振動を運動ステージに伝えず、反力による装置の振動を減少させることができる。装置フレーム及び運動ステージシステムの設計製造の難易度を大幅に低減させ、運動ステージの制御精度を高めることができる。
【0033】
好ましくは、前記主基板4には照明支持ラック10が設けられ、前記照明手段1は、前記照明支持ラック10に設けられる。前記照明支持ラック10の側面には振動吸収装置11が設けられる。図2に示すように、前記振動吸収装置11は、振動吸収装置支持板111、振動吸収ブロック112、及び振動吸収装置ダンパ手段113を有し、前記振動吸収装置支持板111は、前記照明支持ラック10の側面に水平に固定され、前記振動吸収装置ダンパ手段113は、前記照明支持ラックの側面10に密接に貼り付き、前記振動吸収ブロック112の底部は、締め付けネジ114により前記振動吸収装置支持板111に支持され、水平面内で運動可能であり、前記振動吸収ブロック112の側面は、振動吸収装置プリテンションスクリュ115、振動吸収装置バネ手段116、及び振動吸収装置ダンパ手段113により照明支持ラック10の側面に固定される。具体的には、振動吸収装置11は、振動の減衰が必要な照明支持ラック10の一つ、または複数の側面に設けられ、照明手段1により生じる照明支持ラック10の局部振動のフォトマスクステージ2への影響を減衰することに用いられる。シミュレーション実験により、振動吸収装置11を追加後に、X方向に沿った44Hz箇所(照明支持ラック10の周波数は44Hz)の照明支持ラック10の加速度パワースペクトルは、約15db低下し、振動の減衰効果が顕著であることがわかった。
【0034】
好ましくは、前記主基板4にはフォトマスクステージ支持ラック12が設けられ、前記フォトマスクステージ2は、前記フォトマスクステージ支持ラック12に設けられる。前記フォトマスクステージ支持ラック12にはフォトマスクステージ測定システム14がさらに設けられ、フォトマスクステージ12の位置情報を測定するためである。
【0035】
好ましくは、前記反力外部導出機構9は、反力外部導出支持ラック13を有し、前記反力外部導出支持ラック13は、前記定盤6に接続される。即ち、反力外部導出機構9は、反力外部導出支持ラック13により定盤6に装着される。好ましくは、該フォトリソグラフィ装置は、前記ワークステージ5に接続されるワークステージ駆動モータ、及び前記フォトマスクステージ2に接続されるフォトマスクステージ駆動モータをさらに有し、具体的に、前記反力外部導出機構9の一端は、前記ワークステージ駆動モータ15、またはフォトマスクステージ駆動モータに接続され、他端は前記定盤6に接続される。
【0036】
図3に示すように、前記反力外部導出機構9は、順次接続された支持ラック中継手段91、非干渉手段92、反力減衰手段、及び震動源中継手段93をさらに有し、前記支持ラック中継手段91は、前記反力外部導出支持ラック13に接続され、前記震動源中継手段93は、前記ワークステージ駆動モータまたはフォトマスクステージ駆動モータにさらに接続され、ワークステージ5またはフォトマスクステージ2により生じる反作用力を、反力外部導出支持ラック13を介して定盤6に伝えるためである。
【0037】
本出願の実施例において、前記非干渉手段92は、前記支持ラック中継手段91と前記反力減衰手段との間に位置する。前記非干渉手段92は、好ましくは積層ゴムであり、前記非干渉手段92により定盤6からの振動を隔絶できる。
【0038】
好ましくは、前記反力減衰手段は、接続ブロック94、反力外部導出ダンパ手段95、反力外部導出バネ手段96、及び中継アーム97を有し、前記接続ブロック94は、前記支持ラック中継手段91に接続され、前記反力外部導出ダンパ手段95の両端は、前記接続ブロック94及び震動源中継手段93にそれぞれ接続されることで運動ステージの反作用力に対する減衰を実現し、前記反力外部導出バネ手段96の両端は、前記接続ブロック94及び中継アーム97の一端にそれぞれ接続され、前記中継アーム97の他端は、震動源中継手段93に接続される。
【0039】
好ましくは、前記反力外部導出バネ手段96は、バネガイド柱98により前記接続ブロック94に装着される。
【0040】
好ましくは、前記主基板4には前記ワークステージ5に対応するワークステージ測定システム16が設けられ、ワークステージ5の位置情報を測定するためである。
【0041】
図1から図4を踏まえて参考にし、図4は、反力外部導出機構9とワークステージ5の装着概略図である。図4におけるワークステージ駆動モータの固定子15は、ガイドレールによりワークステージ大理石51に固定され、水平第2方向に沿って摺動可能であり(ここではY方向)、震動源中継手段93は、ワークステージ駆動モータの固定子15に固定され、複数の前記反力外部導出バネ手段96は、中継アーム97及び接続ブロック94を介して並列構造を実現することで、ワークステージ駆動モータの固定子15復位を実現する。前記反力外部導出ダンパ手段95は、震動源中継手段93及び接続ブロック94により両端が固定されることで、ワークステージ5の(から伝わった)反作用力に対する減衰を実現する。前記非干渉手段92は、Y方向の大剛性により、ワークステージ5のロングストローク運動方向のY方向作用反力とその他方向との非干渉を実現し、かつY方向のモータの作用反力を引き出すとともに、定盤6からの振動をさらに隔絶する。上述部材の組み合わせにより、ワークステージ5のY方向の反作用力の外部への導出を実現し、緩衝装置8の設計難易度を低減し、運動反力のワークステージ測定システム16への影響を減らし、かつY方向上の片側に装着され、占有する空間が小さく、脱着しやすい。
【0042】
本発明は、反力外部導出機構9をさらに提供し、順次接続された反力外部導出支持ラック13、反力減衰手段、及び震動源中継手段93を有し、前記震動源中継手段93は、震動源に接続され、前記反力外部導出支持ラック13は、定盤6に接続され、前記反力外部導出機構9は、前記震動源の震動力を削減し、かつ定盤6からの振動を隔絶するためのものである。
【0043】
さらに、前記反力外部導出機構9は、支持ラック中継手段91、及び非干渉手段92を有し、前記支持ラック中継手段91は、前記反力外部導出支持ラック13に接続され、前記非干渉手段92は、前記支持ラック中継手段91と前記反力減衰手段との間に位置し、前記非干渉手段92は、定盤6からの振動を隔絶するためのものである。
【0044】
さらに、前記反力減衰手段は、接続ブロック94、反力外部導出ダンパ手段95、反力外部導出バネ手段96、及び中継アーム97を有し、前記接続ブロック94は、前記支持ラック中継手段91に接続され、前記反力外部導出ダンパ手段95の両端は、前記接続ブロック94及び前記震動源中継手段93にそれぞれ接続されることで運動ステージの反作用力に対する減衰を実現し、前記反力外部導出バネ手段96の両端は、前記接続ブロック94及び前記中継アーム97の一端にそれぞれ接続され、前記中継アーム97の他端は、前記震動源中継手段93に接続される。
【0045】
好ましくは、前記反力外部導出バネ手段96は、バネガイド柱98により前記接続ブロック94に装着される。
【0046】
本発明は、上述のような外力外部導出機構9を装着したモータ装置をさらに提供し、前記反力外部導出機構9及び運動モジュールを有し、前記反力外部導出機構9は、前記運動モジュールに接続され、前記反力外部導出機構9は、定盤6にさらに接続され、前記反力外部導出機構9は、前記運動モジュールの震動力を削減し、かつ定盤6からの振動を隔絶するためのものである。
【0047】
好ましくは、前記運動モジュールは、固定子及び可動子を有し、前記反力外部導出機構9は、前記固定子に接続される。
【0048】
以上を総合し、本発明により提供される反力外部導出機構、モータ装置、及びフォトリソグラフィ装置であって、該フォトリソグラフィ装置は、照明手段1、フォトマスクステージ2、投影レンズ3、主基板4、ワークステージ5、及びメイン吊り下げフレーム7を有し、前記照明手段1及びフォトマスクステージ2は、前記主基板4に設けられ、前記投影レンズ3は、前記フォトマスクステージ2と前記ワークステージ5との間に設けられ、前記メイン吊り下げフレーム7は定盤6上方に設けられ、前記ワークステージ5及び主基板4は、前記吊り下げフレーム7に設けられ、前記メイン吊り下げフレーム7と定盤6との間には緩衝装置8が設けられ、前記ワークステージ5の片側と前記定盤6との間、及び/または前記フォトマスクステージ2の片側と前記定盤6との間には反力外部導出機構9がそれぞれ設けられ、前記反力外部導出機構9は、前記ワークステージ5、及び/または前記フォトマスクステージ2の震動力を削減し、かつ定盤6からの振動を隔絶するためのものである。ワークステージ5及びフォトマスクステージ2の片側に反力外部導出機構9を設けることにより、該二つの運動ステージの運動方向の反力を定盤6に導出し、定盤6の振動を運動ステージに伝えず、反力による装置の振動を減少させることができる。装置フレーム及び運動ステージシステムの設計製造の難易度を大幅に低減し、運動ステージの制御精度を高め、緩衝装置8の必要性を効果的に抑え、緩衝装置8の開発難易度、及び開発コストを低減することができる。振動吸収装置11を採用することで照明支持ラック10の局部モードに対して制振がされ、効果が明らかであり、構造が簡単で、フレーム自体のモード剛性を増加させることと比較して、設計難易度及び加工製造コストを大幅に減らすことができる。本発明の反力外部導出機構9の装着及びメンテナンス空間は小さく、構造がコンパクトで、簡単であり、脱着しやすい。
【0049】
明細書において、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は提示するだけであり、本発明の保護範囲を限定しないものとする。本発明の主旨から逸脱しない範囲内で各種の省略、置き換え、及び変更を行うことはいずれも本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0050】
1 照明手段
2 フォトマスクステージ
3 投影レンズ
4 主基板
5 ワークステージ
51 ワークステージ大理石
6 定盤
7 メイン吊り下げフレーム
8 緩衝装置
9 反力外部導出機構
91 支持ラック中継手段
92 非干渉手段
93 震動源中継手段
94 接続ブロック
95 反力外部導出ダンパ手段
96 反力外部導出バネ手段
97 中継アーム
98 バネガイド柱
10 照明支持ラック
11 振動吸収装置
111 振動吸収装置支持板
112 振動吸収ブロック
113 振動吸収装置ダンパ手段
114 締め付けネジ
115 振動吸収装置プリテンションスクリュ
116 振動吸収装置バネ手段
12 フォトマスクステージ支持ラック
13 反力外部導出支持ラック
14 フォトマスクステージ測定システム
15 ワークステージ駆動モータ
16 ワークステージ測定システム


図1
図2
図3
図4