特許第6663977号(P6663977)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6663977バチルスサブチリスとバチルスリケニフォルミスを含む飼料添加剤、前記添加剤を含む飼料組成物及び前記飼料添加剤の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6663977
(24)【登録日】2020年2月19日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】バチルスサブチリスとバチルスリケニフォルミスを含む飼料添加剤、前記添加剤を含む飼料組成物及び前記飼料添加剤の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23K 10/18 20160101AFI20200302BHJP
   A23K 50/10 20160101ALI20200302BHJP
   C12N 1/20 20060101ALI20200302BHJP
【FI】
   A23K10/18
   A23K50/10
   C12N1/20 E
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-501973(P2018-501973)
(86)(22)【出願日】2017年8月4日
(65)【公表番号】特表2019-524049(P2019-524049A)
(43)【公表日】2019年9月5日
(86)【国際出願番号】KR2017008446
(87)【国際公開番号】WO2019013382
(87)【国際公開日】20190117
【審査請求日】2018年3月5日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0088646
(32)【優先日】2017年7月12日
(33)【優先権主張国】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年5月1日社団法人酪農振興会株式会社畜産新聞月刊酪農2017年5月号Vol.171第28頁〜第33頁に発表
(73)【特許権者】
【識別番号】508139664
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CJ CHEILJEDANG CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】オ ウンソン
(72)【発明者】
【氏名】キム ユジン
(72)【発明者】
【氏名】パク ミンア
(72)【発明者】
【氏名】ウ ソヒョン
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/115306(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第103918951(CN,A)
【文献】 特表2015−530876(JP,A)
【文献】 特開2009−278895(JP,A)
【文献】 M. L. McGILLIARD and C. C. STALLINGS,Increase in Milk Yield of Commercial Dairy Herds Fed a Microbial and Enzyme Supplement,Journal of Dairy Science,1998年 5月,Vol. 81, No. 5,pp. 1353 - 1357
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 10/18
A23K 50/10
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バチルスサブチリス及びバチルスリケニフォルミスを含む、乳脂肪及び乳量増加用の飼料添加剤であって、前記バチルスサブチリスは、バチルスサブチリスCJBS62(Bacillus subtilis CJBS62(KCCM12039P))を含むことを特徴とする、乳脂肪及び乳量増加用の飼料添加剤
【請求項2】
バチルスサブチリス及びバチルスリケニフォルミスを含む、乳脂肪及び乳量増加用の飼料添加剤であって、前記バチルスリケニフォルミスは、バチルスリケニフォルミスCJBL215(Bacillus licheniformis CJBL215(KCCM12040P))及びバチルスリケニフォルミスCJBL219(Bacillus licheniformis CJBL219(KCCM12041P))からなる群より選択された一つ以上を含むことを特徴とする、乳脂肪及び乳量増加用の飼料添加剤。
【請求項3】
前記飼料添加剤1g当たり、前記バチルスサブチリス及びバチルスリケニフォルミスを各々1×10cfu以上含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の乳脂肪及び乳量増加用の飼料添加剤。
【請求項4】
前記バチルスリケニフォルミスは、乳酸含有培地で9時間〜48時間培養され酢酸を生成し、前記バチルスリケニフォルミスの初期乳酸量対比酢酸転換率は30%〜70%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の乳脂肪及び乳量増加用の飼料添加剤。
【請求項5】
前記バチルスサブチリス及び前記バチルスリケニフォルミスの配合重量比が1:9〜9:1であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の乳脂肪及び乳量増加用の飼料添加剤。
【請求項6】
請求項1ないしのいずれか一つに記載の飼料添加剤を含む、飼料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バチルスサブチリス及びバチルスリケニフォルミスを含む飼料添加剤、前記添加剤を含む飼料組成物及び前記飼料添加剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
牛などの反芻動物が摂取する粗飼料の量は、肥育牛は飼料の約20%、酪農牛は約60%である。摂取した粗飼料は反芻胃の第1胃で微生物によって分解され、必要な栄養素とエネルギーが吸収される。栄養的/生理的側面から見ると、反芻動物は反芻胃に生息する微生物と動物の組織が必要とするタンパク質、エネルギー、脂肪酸、ミネラル及びビタミンなどの多くを粗飼料から摂取する。粗飼料は生草、乾草またはサイレージの形で動物に給与され、乾燥状態で20〜30%以上の粗繊維を含有し、比較的分解されにくいヘミセルロース、リグニン、セルロースで構成されている。このような粗飼料の消化率を高めて飼料価値を増加させるために、過去から多くの研究が行われ、代表的に物理的処理方法(浸漬、粉砕、加圧蒸気処理、膨張、ガンマ線照射、ペレット化)と化学的処理方法(苛性ソーダ、尿素、アンモニア、石灰、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、塩素、オゾン、過酸化水素など)、生物学的処理方法(発酵、酵素処理、サイレージなど)がある。しかし、このうち物理的処理方法は加工に多くの費用がかかる問題があり、化学的処理方法は加工費用の増加とともに取り扱い時の危険性や土壌の汚染、動物の正常な生理現象に変化を与える恐れがあるという問題があってその使用が避けられている。したがって繊維素を分解する酵素や、前記酵素を多量生産する微生物を添加する生物学的処理方法を大いに活用していて、特にセルロースの分解率を高めるための研究が盛んに行われている。
【0003】
酪農牛と肥育牛に飼料だけでは足りないエネルギー必要量を充足させて生産性を高めるために、体積が少なく、エネルギー含量が高く、粗飼料に比べて消化しやすい濃厚飼料を同時に給与する。
【0004】
しかし、濃厚飼料を多く給与する場合には、澱粉が分解する過程で乳酸の濃度が増加し、これによって反芻胃内のpHを急激に減少させ反芻胃における有用微生物の生長に悪影響を及ぼして過酸症まで起こし、飼料摂取量の減少、消化障害、重度の脱水症状と下痢を誘発することになる。
【0005】
したがって、セルロース及び乳酸の分解能を高める飼料添加剤の開発が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許登録第10−1721900号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願の一目的は、バチルスサブチリス及びバチルスリケニフォルミスを含ませて、乳脂肪改善と乳量増加に有用な飼料添加剤を提供することである。
本出願の他の目的は、本明細書に記載のバチルスサブチリス及びバチルスリケニフォルミスを含む飼料添加剤が含まれた飼料組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本出願についてより詳細に説明する。本明細書に記載の内容は、本出願の技術分野または類似の分野における熟練者であれば十分に認識と理解することができるため、その説明を省略する。
本発明の一様態は、バチルスサブチリス及びバチルスリケニフォルミスを含む、乳脂肪及び乳量増加用の飼料添加剤に関する。
【0009】
バチルスサブチスは消化酵素、例えば、セルラーゼ及び/またはマンナーゼを生産してセルロースなどの分解ができるものであれば、本発明で用いることができる。バチルスサブチスは主に土壌、味噌、またはコチュジャン(韓国の伝統調味料、唐辛子の粉などを主原料とする発酵食品)の中で生息し、グラム陽性菌と好気性桿菌である。バチルスサブチリスの例では、バチルスサブチリスCJBS62(Bacillus subtilis CJBS62)、またはバチルスサブチリスCJBS16などがある。特にバチルスサブチリスCJBS62を使用することができる。バチルスサブチリスCJBS62は、2017年6月22日にKCCM(韓国微生物保存センター:韓国ソウル市西大門区弘済内−2街−ギル、儒林(ユリム)ビル45)で、KCCM12039Pの寄託名で寄託された。配列番号3は、バチルスサブチリスCJBS62菌株の16sリボソームDNAの塩基配列(5′→3′)である。
【0010】
バチルスリケニフォルミスは、乳酸を分解して酢酸を合成することができるものであれば、本発明で用いることができる。一実施例において、前記バチルスリケニフォルミスを乳酸含有培地で9時間〜48時間培養した場合、前記バチルスリケニフォルミスの初期乳酸量対比酢酸転換率は30%〜70%、具体的には50%〜65%であり、または、前記バチルスリケニフォルミスの乳酸消費量対比酢酸転換率は50%以上、60%以上、70%以上、または80%以上であり得る。前記初期乳酸量対比転換率は下記の式1に示し、前記乳酸消費量対比酢酸転換率は下記の式2に示す。
【0011】
[式1]
初期乳酸対比酢酸転換率=(酢酸生成量/初期乳酸量)×100
【0012】
[式2]
乳酸消費量対比転換率(%)=(酢酸生成量/乳酸消費量)×100
【0013】
バチルスリケニフォルミスは、さらにセルラーゼ及び/またはマンナーゼの生成が可能な菌株であり得る。
【0014】
バチルスリケニフォルミスは、主に味噌、またはコチュジャンの中で生息し、グラム陽性菌であり、好気性桿菌である。バチルスリケニフォルミスの例として、バチルスリケニフォルミスCJBL215(Bacillus licheniformis CJBL215)とバチルスリケニフォルミスCJBL219(Bacillus licheniformis CJBL219)などがある。特にバチルスリケニフォルミスCJBL219を用いることができる。バチルスリケニフォルミスCJBL215とバチルスリケニフォルミスCJBL219は、2017年6月22日にKCCM(韓国微生物保存センター:韓国ソウル市西大門区弘済内−2街−ギル、儒林(ユリム)ビル45)で、各々KCCM12040PとKCCM12041Pの寄託名で寄託された。バチルスリケニフォルミスCJBL215とバチルスリケニフォルミスCJBL219の16sリボソームDNAの塩基配列(5′→3′)は、各々配列番号1と2である。
【0015】
本出願において、バチルスサブチリス及びバチルスリケニフォルミスを含む飼料添加剤は、反芻動物の反芻胃pHを安定化することができ、反芻動物の飼料消化率を高めることができる。また、前記飼料添加剤は、搾乳牛が生産する牛乳内における乳脂肪の改善に効果的であり、生産される乳量を効率的に増加させる。
【0016】
飼料添加剤1g当たりのバチルスサブチリスとバチルスリケニフォルミスは、それぞれ独立的に、1×10cfu以上、具体的に1×10cfu以上、より具体的に、1×10cfu以上含まれる。前記濃度において、セルロースの分解に効率的で乳脂肪増加に効果的な飼料添加剤を提供することができる。
【0017】
飼料添加剤の使用量は、0.1g〜1kg/匹/日、具体的に5g〜900g/匹/日、より具体的に、10g〜800g/匹/日である。
【0018】
バチルスサブチリス及びバチルスリケニフォルミスの重量比は1:9〜9:1であり、具体的には2:8〜8:2、具体的には3:7〜7:3、より具体的には1:2〜2:1である。
【0019】
飼料添加剤は液状または固状である。液状である場合、バチルスサブチリス及びバチルスリケニフォルミスは、バチルスサブチリスの菌体、バチルスリケニフォルミスの菌体、その培養液、またはその濃縮液の形態で存在し得る。固状である場合、バチルスサブチリスの菌体、バチルスリケニフォルミスの菌体、その培養液、またはその濃縮液などを含むことができ、例えば、熱または凍結乾燥などにより製造されて、粉末、錠剤、ペレット剤、顆粒、被複剤などの形態を有する。
【0020】
本発明の他の様態は、本明細書の飼料添加剤を含む飼料組成物に関する。飼料組成物中における飼料添加剤の含量は、飼料組成物の重量を基準に0.1重量%〜50重量%、具体的には0.1重量%〜40重量%、より具体的には1重量%〜20重量%の範囲である。
【0021】
飼料組成物は、本発明の飼料添加剤の他に、動物の成長促進に有効な成分、栄養成分、栄養補助成分、保存安定性を高める成分、被複剤成分などの任意成分をさらに含むことができる。飼料組成物は、他の生菌剤;アミラーゼ、リパーゼなどの酵素;L−アスコルビン酸、塩化コリン、イノシトールなどのビタミン;塩化カリウム、クエン酸鉄、酸化マグネシウム、リン酸類などのミネラル;リジン、アラニン、メチオニンなどのアミノ酸;フマル酸、酪酸、乳酸などの有機酸またはその塩;ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化剤、プロピオン酸カルシウムなどの防カビ剤;レシチン、グリセリン脂肪酸エステルなどの乳化剤;色素などを含むことができる。
【0022】
本発明の飼料は、動物飼料であって、具体的に反芻動物の飼料であり、反芻動物の例として牛、水牛、山羊、羊、ヤギ、または鹿などがあるが、これらに限定されない。飼料の摂取量は、動物の種類、体重、年齢、性別、健康状態、飼料の成分などによって適切に調整することができる。
【0023】
本出願のさらに他の様態は、本明細書に記述された飼料添加剤の製造方法に関する。前記製造方法は、バチルスサブチリスとバチルスリケニフォルミスを培養し、前記菌株を培養した菌体、その培養液、またはその濃縮液を乾燥することを備える。前記培養は、具体的に菌株を接種した後、30℃〜50℃で2時間〜60時間、例えば、32℃〜40℃で5時間〜50時間培養することを備え得る。前記培養は、より具体的には、菌株を接種した後、30℃〜50℃で2時間〜60時間、例えば、32℃〜40℃で5時間〜50時間1次培養して菌株が培養物1g当たり1×10cfu以上になったら、その後、前記培養物にトウモロコシ、小麦皮、大豆粕、糖蜜の1つ以上の原料を添加して30℃〜50℃で2時間〜60時間、例えば、32℃〜40℃で5時間〜50時間2次培養することができる。前記乾燥は、培養した菌体、その培養液、またはその濃縮液を40℃〜70℃で5時間〜120時間、例えば、40℃〜60℃で5時間〜60時間乾燥することができる。前記製造方法の一実施例は乾燥後の粉砕工程をさらに備え得る。
【0024】
本出願のさらに他の様態は、バチルスサブチリス及びバチルスリケニフォルミスを含む飼料添加剤を動物に投与することを備える、動物の乳脂肪と乳量の増加方法に関する。当該様態の具体的な説明は本明細書に記載された他の様態における記載と同様である。
【0025】
本出願のさらに他の様態は、バチルスサブチリス及びバチルスリケニフォルミスを含む飼料添加剤を動物に投与することを備える、動物、特に反芻動物の反芻胃のpHを安定化する方法に関する。当該様態の具体的説明は本明細書に記載された他の様態における記載と同様である。
【0026】
本出願のさらに他の様態は、バチルスサブチリス及びバチルスリケニフォルミスを含む飼料添加剤を動物に投与することを備える、動物、特に反芻動物の消化率を高める方法に関する。当該様態の具体的な説明は本明細書に記載された他の様態における記載と同様である。
【発明の効果】
【0027】
本出願による飼料添加剤は、動物、特に反芻動物の乳脂肪の改善に役立つだけでなく、夏期の高温ストレスによる乳脂肪の減少を改善することができる。また、反芻胃内の乳酸分解に効果があり、乳酸による反芻胃pHの減少とこれによる高酸症の予防にも有効であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本出願の一実施例に係るバチルスサブチリスCJBS62菌株、バチルスリケニフォルミスCJBL215、CJBL219菌株の電子顕微鏡写真である。
図2図2は、本出願の一実施例において、乳酸を消費する菌株の選抜に利用された培地の色変化を示す。ここで、培地色が黄色(左)から紫色(右側)に変わったら、培地内の菌株が乳酸を消費したことと判断した。
図3図3は、本出願の一実施例において、各菌株別の酢酸への転換率を示す棒グラフである。
図4図4は、本出願の一実施例において、9h、48hの培養による、バチルスリケニフォルミスCJBL215とCJBL219菌株の乳酸量、酢酸量(左側のy軸)と、酢酸への転換率(右側のy軸)を示すグラフである。
図5図5は、本出願の一実施例に係るバチルスサブチリスCJBS62菌株、バチルスリケニフォルミスCJBL215とCJBL219菌株の溶血性確認の結果を示す写真である。
図6図6は、本出願の一実施例に係る飼料添加剤を濃厚飼料に添加した時の培養時間に変化による乳酸濃度の変化を示すグラフである。
図7図7は、本出願の一実施例に係る飼料添加剤を濃厚飼料に添加した時の培養時間に変化による酢酸の濃度の変化を示すグラフである。
図8図8は、本出願の一実施例に係る飼料添加剤を濃厚飼料に添加した時のpH安定化効果を対照区と比較して示す棒グラフである。
図9図9は、本出願の一実施例に係る飼料添加剤を濃厚飼料に添加した時の消化率改善効果を示す棒グラフである。
図10図10は、本出願の一実施例に係る飼料添加剤をTMR飼料に添加した時の消化率改善効果を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の理解のため実施例を用いて詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0030】
<実施例1:菌株の分離と選抜>
【0031】
(1)試料の確保と菌株の分離
伝統醤類である味噌、コチュジャンなどの試料を確保し、確保された試料を段階的に希釈してBHI(Brain Heart Infusion、Difco)固体培地に塗抹した後、37℃で24時間培養した。各試料から分離された菌株を新しい培地に移して培養する方法で純粋分離し、純粋分離して培養された菌を総重量対比20重量%グリセロールが添加された培地に入れて−70℃以下で保存した。このうち、下記方法でセルラーゼの活性が優秀な菌株と、乳酸を分解して酢酸を生産する能力が優秀である菌株を分離した。
【0032】
(2)形態学的、生化学的特性の調査
前記分離された菌株を同定するために、一次的に形態学的、生化学的調査を行った。形態的な特徴はグラム染色の結果、分離された菌株はすべてグラム陽性であり、電子顕微鏡の撮影結果で桿菌であることを確認した(図1)。
【0033】
分離された菌株の生化学的特性を分析するため、API 50 CHB system(biomerieux Vitek、Inc.、フランス)を利用して、各菌株の糖発酵パターンを分析して、表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
菌株の糖発酵パターンを分析した結果、CJBL215はバチルスリケニフォルミスに属すること(信頼性99.7%)、CJBL219もバチルスリケニフォルミスに属することが分かった(信頼度99.9%)。また、CJBS62はバチルスサブチリス/アミロリケファシエンスに属することが分かった(信頼度99.6%)。
【0036】
(3)菌株の同定
菌株をより正確に同定するため、DNA塩基配列による分子系統分類学的方法を実施した。塩基配列分析は、PCR premix(バイオニア、韓国)とユニバーサルプライマー27F(5′AGAGTTTGATCMTGGCTCAG 3′)と1492R(5′GGTTACCTTGTTACGACTT 3′)を用いて16s rDNAの遺伝子増幅を行った。遺伝子増幅する際の全反応液は20μlに合わせて、94℃で1分、56℃で1分、72℃で1分を合計30回繰り返して、増幅されたDNA塩基配列を分析した。分離菌株の分析された16s rDNAの塩基配列は、配列番号1〜3に示す。前記分析の結果、CJBL215とCJBL219はバチルスリケニフォルミス、CJBS62はバチルスサブチリスと99%の相同性を示す微生物として同定された。前記分離された菌株を各々「バチルスリケニフォルミスCJBL215」、「バチルスリケニフォルミスCJBL219」、「バチルスサブチリスCJBS62」で命名した。前記方法で同定された本発明の新たな微生物は、韓国微生物保存センター(KCCM)に2017年6月22日付でバチルスリケニフォルミスCJBL215、バチルスリケニフォルミスCJBL219、バチルスサブチリスCJBS62を、各々KCCM12040P、KCCM12041P、KCCM12039Pの寄託名で寄託した。
【0037】
<実施例2:分離菌株の消化酵素活性の測定>
【0038】
(1)菌株の消化酵素活性
複合消化酵素活性を有する菌株を選別するために、分離された醤類由来菌に対してマンナーゼ(mannase)、セルラーゼの二つの酵素の活性を評価した。酵素活性の評価は、各酵素の基質が含まれた培地を使用して、透明環(clear zone)の形成程度で酵素活性能力を測定した。
【0039】
前記分離された菌株をBHI(Brain Heart Infusion、Difco)液体培地で24時間培養した後、得られた培養液を採取して酵素活性分析用の補酵素液として使用し、下記のように、各酵素別に各々の基質が含まれている培地を用いて基質の分解程度を判定した。
【0040】
1)マンナーゼ活性の測定
1%マンナン(logust bean gum、sigma、USA)が添加された基質培地(Yeast extract 3g/L、Peptone 5g/L、KHPO 1g/L、Agar 20g/L、Ph5)を製造した。補酵素液を1.5μlずつ基質培地に点滴した後、37℃で15〜18時間反応した後、透明環を形成程度に応じて酵素活性能力を測定し、その結果を表2に示した。
【0041】
2)セルラーゼ活性の測定
1%CMC(carboxymethylcellulose)基質が添加されたYM培地を製造した。補酵素液を1.5μlずつ基質培地に点滴して、37℃で15〜18時間反応させた。透明環を測定するために0.2%コンゴレッド(Congo red)溶液で30分間染色し、1M NaCl水溶液で脱色した。菌株周囲の基質が分解されて生じる透明環の形成程度に応じて酵素の活性能力を測定し、その結果を表2に示した。
前記評価に基づいて、選抜菌株の中でマンナーゼ活性が優秀であり、かつ、セルラーゼ活性が最も優秀であったバチルスサブチリスCJBS16、CJBS62菌株を選抜した。
【0042】
【表2】
【0043】
(2)培養上澄み液内においてセルロース分解の活性
選抜された菌株の培養上澄み液におけるセルロース分解能を確認するために、菌株を24時間培養し、10,000rpmで5分間遠心分離した上澄み液を、0.2μmシリンジフィルターを用いてフィルタリングした。この上澄み液をセルロース(Cellulose)が含有された培地(Carboxymethylcellulose sodium salt10g/L、Bacto agar15g/L)に20μl投入して、37℃で1日間反応した後、0.4%コンゴレッド溶液を入れて20分間染色した。染色後、1M NaCl溶液で脱色して透明環の大きさを測定し、培養上澄み液内のセルロース分解能を確認し、その結果を表3に示した。選抜されたバチルスサブチリスCJBS62菌株が培養上澄み液の評価においても最も優秀であったことを確認した。
【0044】
【表3】
【0045】
<実施例3:乳酸消費菌株と酢酸の生産菌株の選抜>
【0046】
乳酸を消費する菌株を選別するために、乳酸を添加した培地を用いて培養した後、BCP発色法により乳酸消費の有無を定性的方法で確認した。発色のためにBromophenol blue(BCP)と15mM乳酸を含有した培地(15mM lactate、Yeast extract 10g/L、Peptone 20g/L、NaCl 10g/L、Bromophenol blue(BCP)0.0004g/L)を製造した。マイクロセントリフージチューブ(Microcentrifuge tube)に前記培地を1.5mlずつ分注した後、BHI(Brain Heart Infusion、Difco)培地で前培養された菌株をそれぞれ50μlずつ接種した。前記菌株をチューブ内で、37℃で4〜5日間静置培養した。培地色を観察して培地色が黄色から紫色に変化したら、培地の乳酸を消費したことと判断して乳酸消費菌を1次選抜した。試料から分離された177株の菌株を培養した結果、CJBS16、CJBL215、CJBL219、CJBS62の4株を選抜した(図2)。
【0047】
前記選抜されたCJBS16、CJBL215、CJBL219とCJBS62をBHI(Brain Heart Infusion、Difco)培地に接種し、37℃と200rpmで16時間培養して菌を活性化させた。15mMの乳酸を含有した培地(15mM乳酸、Yeast extract 10g/L、Peptone 20g/L、NaCl 10g/L)に前記菌を5%で接種し、37℃と200rpmで48時間培養した。培養が終わった後、培養液に10%BCPを添加して乳酸の消費有無を再び確認した。前記4種の菌株はすべて乳酸を消費することを確認した(培養液の色変化:黄色→紫色)。
【0048】
<実施例4:乳酸消費と酢酸の生産量を測定>
【0049】
(1)酢酸の生産量を測定
前記選抜されたCJBS16、CJBL215、CJBL219及びCJBS62をBHI(Brain Heart Infusion、Difco)培地に接種し、37℃と200rpmで16時間培養して菌を活性化させた。15mMの乳酸を含有した培地(15mM乳酸、Yeast extract 10g/L、Peptone 20g/L、NaCl 10g/L)に前記菌を5%接種し、37℃と200rpmで48時間培養した。
【0050】
前記培養液を遠心分離して得られた上澄み液1mlに25%metaphosphoric acid 0.2mlを添加した。10,000rpmで5分間遠心分離して得られた上澄み液を0.2μmフィルターでフィルタリングした後、GC(Agilent Technologies 7890A)を用いて酢酸の含量を分析した。
【0051】
乳酸を消費する4種の菌株に対して、乳酸を消費して生成した酢酸の含量を測定し、その転換率を式1で換算した。その結果、CJBL219菌株の転換率が59.4%で転換率が最も高く、CJBL215菌株の転換率は44.9%であった(表4、図3)。
【0052】
[式1]
初期乳酸対比酢酸転換率=(酢酸生成量/初期乳酸量)×100
【0053】
【表4】
【0054】
(2)選抜菌株の乳酸消費量と酢酸生成量の測定
選抜菌株の培地内乳酸消費量と酢酸生成量を定量した。
【0055】
前記選抜されたCJBS16、CJBL215、CJBL219とCJBS62をBHI(Brain Heart Infusion、Difco)培地に接種して、37℃と200rpmで16時間培養して菌を活性化させた。
【0056】
15mMの乳酸を含有した培地(15mM乳酸、Yeast extract 10g/L、Peptone 20g/L、NaCl 10g/L)に、前記培養された菌を5重量%接種して、37℃と200rpmで48時間培養しながら、9時間、48時間に各々サンプリングした。
【0057】
1)乳酸の定量
前記培養液を遠心分離して得られた上澄み液を0.2μmィルターでフィルタリングして準備した。フィルタリングされた培養上澄み液をマイクロセントリフージチューブ(microcentrifuge tube)に入れて、Cedex Bio(ROCHE)の乳酸bio(ROCHE)装置を用いて乳酸の含量を測定し、その結果を表5に示した。
【0058】
2)酢酸の定量
前記培養液を遠心分離して得られた上澄み液1mlに25%メタリン酸(metaphosphoric acid)0.2mlを添加した。10,000rpmで5分間遠心分離して得られた上澄み液を0.2μmフィルターでフィルタリングした後、GC(Agilent Technologies 7890A)を用いて酢酸の含量を分析し、その結果を表5、図4及び図5に示した。
【0059】
[式2]
消費された乳酸対比酢酸転換率=(酢酸生成量/乳酸消費量)×100
【0060】
表5を参考にすれば、CJBL215菌株は48時間培養した時、初期乳酸量のうち49.8%の乳酸を消費し、消費された乳酸の約91.1%を酢酸に転換した。CJBL219菌株は48時間培養した時、初期乳酸量のうち48.6%の乳酸を消費し、消費された乳酸をすべて酢酸に転換した(図4)。
【0061】
【表5】
【0062】
<実施例5:菌株の安全性>
【0063】
(1)菌株の溶血性の確認
β−溶血は、有害菌のうちリン脂質酵素を生産し、赤血球によって供給されるリン脂質を加水分解して赤血球を溶血させる作用である。分離菌株の溶血性を調べるために、血液寒天平板培地(sheep blood 5%、(株)ハニルコメッド、韓国)を用いた。用意した血液寒天平板培地に画線(streaking)した後、37℃で24時間培養して溶血有無を確認した結果、図5に示すように溶血性を示さなかったことを確認した。
【0064】
(2)菌株における抗生剤の感受性を確認
選抜菌株における抗生剤の感受性を確認するための実験を行った。選抜菌株をBHI(Brain Heart Infusion、Difco)培地に接種して、37℃と200rpmで16時間培養した。培養された菌を滅菌した綿棒でつけて、Mueller HintonIIAgar plate(Difco)に塗抹する。菌が塗抹された平板培地に抗生剤ディスクを載せて、37℃で15〜18時間培養する。抗生剤検査のために、Ampicillin、Clindamycin、Gentamicin、Kanamycin、Tetracyclin、Vancomycin、Erythromycin、Ampcillin/Sulbactam、Chloramphenicol、Streptomycinのディスク(OXOID)を準備して実験を行った。培養後、抗生剤ディスク周囲の生長阻害領域(clear zone)の形成程度によって、抗生剤の感受性を確認した。選抜菌株における抗生剤の感受性を検査した結果、選抜菌株は前記抗生剤に耐性を有しないことを確認した(表6)。
【0065】
【表6】
【0066】
<実施例6.菌株を含む飼料添加剤の製造>
【0067】
前記バチルス菌株CJBL215、CJBL219とCJBL62(Bacillus licheniformis 2種、Bacillus subtilis 1種)をそれぞれトリプチックソイブロス(Tryptic Soy broth)9Lに接種した後、36℃で36時間培養した。トリプチックソイ寒天(Tryptic Soy agar)培地に前記菌株を塗抹してコロニー数を測定したとき、各々の菌株ごとに1gで1×10cfu以上になるまで各菌株を培養した。また、固相発酵の原料として、トウモロコシ20kg、小麦血30kg、大豆粕45kg、及び糖蜜5kg混合した混合物を準備した。前記培養したバチルス菌株3種の培養液をそれぞれ9Lずつ混合して総27Lの培養液混合液を製造し、固相発酵原料100kgに追加した。前記菌株が発酵原料で均等に発酵されるように攪拌しながら34℃で48時間発酵した。発酵が終わった後、50℃で48時間の乾燥過程を経た後、粉砕して飼料添加剤を得た。
【0068】
<実施例7.飼料添加剤の基質別の反芻胃における発酵性状に与える効果を測定>
【0069】
以下、乾物消化率の改善及び酢酸の増加効果に対する実験は、下記のように反芻胃モデル静置培養システムを利用して行った。
【0070】
*処理区:200mlの血清瓶(serum bottle)に前記実施例6で製造した飼料添加剤50mgと0.5gの基質を投入して、二酸化炭素ガスで還元したバッファ37.5mlと反芻胃液12.5mlを二酸化炭素ガスで嫌気状態を維持した。二酸化炭素ガスを約30秒間充填した後、ゴム栓で血清瓶の口を塞いで、アルミキャップで密封した。これを静置培養器で39℃、24時間培養した。このとき、基質は濃厚飼料またはTMR(Total Mixed Ration、完全配合飼料)を使用し、飼料添加剤は基質0.5gあたり10wt%の割合で添加した。バッファ溶液はリン酸水素ナトリウム(Sodium Phosphate、monobasic、NaHPO−2HO)9.3g/L、炭酸水素ナトリウム(Sodium bicarbonate、NaHCO)9.8g/L、塩化ナトリウム(Sodium chloride、NaCl)0.47g/L、塩化カリウム(Potassium chloride、KCl)0.57g/L、塩化マグネシウム(Magnesium chloride、MgCl)0.256g/L、塩化カルシウム(Calcium chloride、CaCl)0.106g/L、カゼイン(Caseine、NZ−Amine)2.5g/L、及びレザズリン(resazurin)溶液1.25ml/Lを混合して製造した。
【0071】
*対照区:飼料添加剤のない基質を準備し、前記処理区と同一条件で培養した。
【0072】
前記処理区と対照区を39℃静置培養器で培養した後、各々における乳酸の含量、酢酸含量、pH、及び乾物消化率を下記の方法で測定した。
【0073】
乳酸含量は、培養液を遠心分離して得られた上澄み液を0.2μmフィルターでフィルタリングした後、エッペンチューブ(microcentrifuge tube)に入れCedex Bio(ROCHE)の乳酸bio(ROCHE)装置を用いて測定した。酢酸含量は、培養液を遠心分離して得られた上澄み液1mlに25%メタリン酸(metaphosphoric acid)0.2mlを添加し、10,000rpmで5分間遠心分離して得られた上澄み液を0.2μmフィルターでフィルタリングした後、GC(Agilent Technologies 7890A)を用いて測定した。乾物消化率は下記の式3で計算した。
【0074】
[式3]
乾物消化率(%)=(培養前の基質量−培養後の基質量)/培養前の基質量×100
【0075】
前記「培養前の基質量」または「培養後の基質量」は、培養前または培養後の培養液を、真空ポンプを利用してフィルターペーパー(Filter paper)でフィルタリングした後、乾燥して(60℃、overnight)測定した。
【0076】
処理区と対照区で、培養時間に沿って測定された乳酸の濃度変化と酢酸の濃度変化を各々図6図7に示した。
【0077】
図6を参考すると、前記処理区における最小乳酸濃度は、前記対照区における最小乳酸濃度より10%程度低かった。また、図7を参考すると、前記処理区における最大酢酸濃度は前記対照区における最大酢酸濃度より約2.5倍高かった。
【0078】
処理区と対照区のpH及び乾物消化率(%)をそれぞれ図8図9及び図10に示した。
【0079】
図8を参考にすると、対照区のpHは初期に比べて0.5減少したが、処理区のpHは初期に比べ0.42減少し、本発明の飼料添加剤が反芻胃安定化の効果を示すことを確認した。
【0080】
また、図9及び図10を参照すると、濃厚飼料とTMRをそれぞれ基質として使用した場合、対照区の乾物消化率に比べて処理区の乾物消化率が各々4%と1.3%高く測定された。すなわち、本発明の飼料添加剤は、反芻胃内の消化率を改善するだけではなく、酢酸合成量を増加することが可能であり、これは乳脂肪増加に肯定的な影響を与えることを意味する。
【0081】
<実施例8.乳脂肪増加用の飼料添加剤が搾乳牛の生産性に与える効果>
【0082】
以下、搾乳牛の仕様試験に使用された本発明の飼料添加剤は、前記実施例6に記載の方法で製造された。公知の酪農仕様試験によって、本発明の飼料添加剤が搾乳牛の乳生産に与える影響について評価した。搾乳牛72頭を対照区(36頭)と処理区(36頭)に配置し、4週間の試験期間中に、対照区には従来の飼料のみを投与し、処理区には本発明の飼料添加剤をトップドレッシングの形態で一頭当たり20g/日ずつ既存飼料に混ぜて給与した。開始前の給与後における、乳脂肪、乳たんぱく及び乳量を測定し、その結果を表7、表8、表9に示した。
【0083】
前記飼料添加剤を搾乳牛に持続的に一頭当たり20g/日ずつ給与した結果、下記の表7に示すように、乳脂肪が0.3%p増加したことを確認した。また、下記の表8に示すように、対照区では乳たんぱくの変化がなかったが、処理区では0.1%p改善されたことを確認した。乳量の測定においても、対照区では変化がなかったが、処理区では0.4kg増加した(表9)。
【0084】
前記結果で、本発明の飼料添加剤は、乳脂肪、乳たんぱく及び乳量の全てを肯定的に改善することができ、結果的には搾乳牛の乳生産性と牛乳の質を高めることを確認した。
【0085】
【表7】
【0086】
【表8】
【0087】
【表9】
【0088】
<実施例9.夏期の高温ストレス環境において乳脂肪増加用の飼料添加剤が搾乳牛の生産性に与える効果>
【0089】
以下、搾乳牛の仕様試験に使用された本発明の飼料添加剤は、前記実施例6に記載の方法で製造した。公知の酪農仕様試験を通じて、高温ストレス環境で本発明の飼料添加剤が搾乳牛の乳生産に与える影響について評価した。通常的に酪農牛が高温ストレス環境にさらされる期間を選定して(5/26〜6/23、4週間)、該当期間に搾乳牛150頭に、本発明の飼料添加剤が0.2wt%含まれた飼料を給与して、給与前/後を比較した。
【0090】
高温ストレスのない環境で4週間、いかなる飼料添加剤も含有しない飼料が給与された搾乳牛を対照群で設定し、高温ストレス環境で4週間前記飼料添加剤を0.2wt%含有する飼料が給与された搾乳牛を処理区で設定した。各々の処理区と対照区に給与された基本的な飼料組成は同一であった。
【0091】
【表10】
【0092】
前記表10を参照すると、対照区で測定された乳脂肪及び乳量に比べて、処理区で測定された乳脂肪及び乳量は、各々0.2%pと0.5kgが増加したことを確認した。
通常的に搾乳牛が高温ストレス環境にさらされた場合には、一般的に搾乳牛から生産される乳量と乳脂肪が減少する。しかし、本発明の飼料添加剤を提供した搾乳牛では、高温ストレス環境にさらされた時にも乳脂肪及び乳量が減少されず、むしろ乳脂肪及び乳量が改善され得る。
【配列表フリーテキスト】
【0093】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]