(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記棒状部材には、前記自転車の右側と左側のうち前記結合部に第1ギアクランクが結合された第1の側と反対の第2の側において、第2ギアクランクが前記棒状部材に装着される位置よりも先端側に、前記第2ギアクランクの左右方向の位置を規制する規制部材を結合するための結合用機構が形成されている、
請求項4に記載の自転車。
前記後輪と前記第2歯車とを結合する結合部材をさらに有し、前記結合部材が前記第2歯車を貫通し、かつ前記結合部材の先端が前記後輪に接している状態で、前記第2歯車が前記後輪に固定され、前記結合部材が前記第2歯車を貫通していない状態で、前記第2歯車が前記後輪から分離される、
請求項8に記載の自転車。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の練習用自転車においては、ペダルがない状態にするために、ペダル、クランク、及びチェーンホイールを含むユニットを取り外す必要があった。ペダル、クランク、及びチェーンホイールを含むユニットは、片手で支えることが困難である程度に重く、チェーンホイールにはチェーンをはめ込むための突起も形成されているため、ユニットを容易に取り外すことができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ペダルを容易に取り外すことができる自転車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の自転車は、前輪及び後輪を有する自転車である。この自転車は、前記前輪と前記後輪との間に設けられた第1歯車と、前記後輪に設けられた第2歯車と、前記第1歯車とかみ合う第3歯車と、前記第2歯車とかみ合う第4歯車とを有するシャフトと、前記第1歯車を回転させるためのギアクランクを着脱自在に結合すると共に、前記ギアクランクの駆動力を前記第1歯車に伝達する結合部と、を有する。
【0007】
前記結合部は、例えば、前記ギアクランクに形成された凹部と嵌合する凸部又は前記ギアクランクに形成された凸部と嵌合する凹部の少なくとも1つを有する。
【0008】
前記結合部及び前記第1歯車は、前記ギアクランクから延伸する棒状部材を貫通させる穴を有してもよい。
【0009】
前記棒状部材には、前記自転車の右側と左側のうち前記結合部に第1ギアクランクが結合された第1の側と反対の第2の側において、第2ギアクランクが前記棒状部材に装着される位置よりも先端側に、前記第2ギアクランクの左右方向の位置を規制する規制部材を結合するための結合用機構が形成されていてもよい。
【0010】
自転車は、前記第2ギアクランクと前記第1歯車との間において前記棒状部材の外周面を包囲し、前記棒状部材を支える支持部をさらに有してもよい。
【0011】
前記結合部は、前記ギアクランクが結合されていない状態で、前記結合部を覆うカバーを着脱自在に固定する構造であってもよい。
【0012】
前記シャフトは、前記第3歯車の位置から前記第4歯車の位置まで延在する可撓性部材により形成されていてもよい。前記シャフトは、例えば、一体化した複数の線状部材を有する。
【0013】
自転車は、前記前輪と前記後輪との間に設けられたフレームをさらに有し、前記シャフトは、前記フレームに沿って延在する領域を有してもよい。前記シャフトは、前記フレームの曲線部に沿って延在する領域を有してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様の自転車は、前輪及び後輪を有する自転車である。この自転車は、前記前輪と前記後輪との間に設けられた第1歯車と、前記後輪に設けられた第2歯車と、前記第1歯車とかみあう第3歯車と、前記第2歯車とかみ合う第4歯車とを有するシャフトと、前記第1歯車を回転させるためのギアクランクと、前記ギアクランクに着脱自在に結合されるペダルと、を有する。
【0015】
上記の第1の態様及び第2の態様の自転車においては、前記第1歯車が前記自転車の本体に着脱可能に固定されており、前記第2歯車が前記後輪に着脱可能に固定されており、前記シャフトは、前記第1歯車が前記本体から分離され、かつ前記第2歯車が前記後輪から分離されることにより前記本体から分離されてもよい。
【0016】
上記の自転車は、前記後輪と前記第2歯車とを結合する結合部材をさらに有し、前記結合部材が前記第2歯車を貫通し、かつ前記結合部材の先端が前記後輪に接している状態で、前記第2歯車が前記後輪に固定され、前記結合部材が前記第2歯車を貫通していない状態で、前記第2歯車が前記後輪から分離されてもよい。
【0017】
本発明の第3の態様の自転車の製造方法は、上記の自転車を製造するための方法である。この製造方法は、上記の自転車を準備する工程と、第1ギアクランク及び第2ギアクランクを準備する工程と、前記第1ギアクランクから延伸する棒状部材を結合部に形成された穴に挿入することにより、前記第1ギアクランクを前記結合部に結合させる工程と、前記棒状部材の先端側に前記第2ギアクランクを装着する工程と、前記第2ギアクランクを前記棒状部材に装着した位置よりも先端側に、前記第2ギアクランクの左右方向の位置を規制する規制部材を結合する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、自転車においてペダルを容易に取り外すことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施形態>
[自転車1の外観]
図1及び
図2は、第1の実施形態の自転車1の外観を示す図である。
図1は、ギアクランク17及びペダル18が取り外された状態の自転車1を示しており、
図2は、ギアクランク17及びペダル18が取り付けられた状態の自転車1を示している。自転車1は、ギアクランク17及びペダル18が着脱自在の構造になっている二輪車であり、自転車に乗れるようになるための練習に適した自転車である。
【0021】
自転車1を使って自転車に乗る練習をするユーザ(例えば子供)は、
図1の状態で地面を足で蹴りながら自転車を駆動することで、バランス感覚を養うことができる。そして、ユーザは、バランス感覚がついた後にギアクランク17及びペダル18を自転車1に取り付けて、ペダル18を漕ぐ練習をする。このようにすることで、ユーザは、短期間で自転車に乗ることができるようになる。
【0022】
図1に示す状態において、自転車1は、前輪11と、後輪12と、フレーム13と、サドル14と、収容部15と、シャフト16と、を有する。収容部15には、ギアクランク17を取り付けるための結合部(後述の結合部151)を覆うカバー150が着脱自在に設けられている。
図2に示す状態において、自転車1は、カバー150の代わりにギアクランク17(17L、17R)が結合された状態になっている。この状態で、ペダル18(18L、18R)は、ギアクランク17(17L、17R)に結合しており、ユーザはペダル18を漕いで自転車1を駆動することができる。
【0023】
シャフト16は、収容部15にギアクランク17及びペダル18が結合された状態で、ユーザがペダル18を漕ぐことによりギアクランク17が回転する際に生じる駆動力を後輪12に伝達する。シャフト16は可撓性を有する部材により形成されており、収容部15と後輪12との間で、フレーム13の曲線部に沿って曲線状に設けられている。
【0024】
[自転車1の駆動力伝達構造]
図3は、自転車1の駆動力伝達構造について説明するための図である。自転車1においては、収容部15に設けられた第1歯車21、シャフト16、及び後輪12に設けられた第2歯車22により、ユーザがペダル18を漕ぐことにより発生する駆動力が後輪12に伝達される。
【0025】
図3に示すように、シャフト16は、シャフト本体160、並びにシャフト本体160の両側に設けられた第3歯車161及び第4歯車162を有する。シャフト本体160は、第3歯車161の位置から第4歯車162の位置まで延在する可撓性の部材により形成されている。第3歯車161は、前輪11と後輪12との間の位置(例えばサドル14の下方の位置)に設けられた第1歯車21とかみ合う歯車である。第4歯車162は、後輪12に設けられた第2歯車22とかみ合う歯車である。
【0026】
第1歯車21及び第3歯車161、並びに第2歯車22及び第4歯車162は、それぞれが傘歯車(べベルギア)を構成している。第1歯車21が回転することで第3歯車161が回転し、第4歯車162が回転することで第2歯車22が回転する。
【0027】
シャフト16が、傘歯車の一部を構成する第3歯車161及び第4歯車162を有することで、ギアクランク17の回転に伴って第1歯車21が回転し、第1歯車21が回転することにより第3歯車161が回転してシャフト16が径方向に回転する。シャフト16が径方向に回転することで第4歯車162が回転し、第4歯車162が回転することにより第2歯車22が回転して後輪12が回転する。
【0028】
シャフト16が有する可撓性部材は、例えば、一体化した複数の線状部材により構成されている。シャフト16が可撓性部材により構成されていることで、フレーム13の一部の領域が曲線状に形成されている場合であっても、シャフト16をフレーム13に沿って配置することができる。
【0029】
したがって、シャフト16は、
図1及び
図2に示すようにフレーム13に沿って延在する領域を有するように構成可能であり、外部から視認しづらいようにすることができるので、自転車1の美観が向上する。また、シャフト16のほとんどの領域がフレーム13の内側に位置することで、回転するシャフト16にユーザが触れにくいので、安全性が向上する。
【0030】
[第1歯車21及び第2歯車22付近の構成]
図4は、収容部15の周辺部を自転車1の右前方から視認した状態を示す図である。
図4に示すように、シャフト16は、収容部15の後方から後輪12に向けて延伸している。
【0031】
図5は、収容部15の周辺部を自転車1の上方から見た位置における収容部15の内部構造の透視図である。
図5に示すように、収容部15の内部には、第1歯車21と、第3歯車161と、支持部23とが設けられている。
図6は、自転車1の右側から収容部15の周辺を見た位置における第1歯車21及び第3歯車161の付近の透視図である。
【0032】
第1歯車21は、第1ギアクランクとしてのギアクランク17Rが収容部15に取り付けられた状態で、ギアクランク17Rの回転に伴って回転する。第3歯車161は、第1歯車21が回転することにより、第1歯車21の回転方向と直交する方向に回転する。
【0033】
支持部23は、棒状部材の断面形状と同じ形状の空洞を有している。支持部23は、第2ギアクランクとしてのギアクランク17Lと第1歯車21との間において、ギアクランク17Rとギアクランク17Lとを結合するための棒状部材の外周面を包囲し、棒状部材を支える。
【0034】
図7は、後輪12に設けられた第2歯車22及び第4歯車162の周辺の図である。シャフト16が回転することにより第4歯車162が回転し、第4歯車162が回転する方向と直交する方向に第2歯車22が回転することにより後輪12が回転する。
【0035】
[収容部15の構造]
図8は、収容部15の構造について説明するための図である。
図8(a)は、収容部15にギアクランク17Rが結合されていない状態で、自転車1の右側から収容部15を視認した場合の外観図である。
図8(a)に示すように、収容部15には、第1歯車21を回転させるためのギアクランクを着脱自在に結合するための結合部151が形成されている。
図8(a)に示す例においては、結合部151が多角形状の凸部であり、ギアクランク17Rに形成された凹部と嵌合するが、結合部151が多角形状の凹部であり、ギアクランク17Rに形成された凸部と嵌合するように構成されていてもよい。
【0036】
図8(b)は、収容部15のA−A線断面図である。
図8(c)は、収容部15にギアクランク17R及びギアクランク17Lが装着された状態でのA−A線断面図である。
図8(b)に示すように、収容部15は、第1歯車21と結合した支持部23を有している。また、収容部15は、支持部23が右側(結合部151の側)に移動することを規制するための円筒形状の筒部24を有する。筒部24は、
図8に示されていない位置で収容部15と結合している。収容部15が筒部24として機能してもよい。
【0037】
支持部23は、ギアクランク17Lと第1歯車21との間においてギアクランク17Rから延伸する棒状部材171の外周面を包囲し、棒状部材171を支える。支持部23の先端部の断面形状は多角形(例えば六角形)であり、例えば、ギアクランク17Lに形成された多角形の凹部と嵌合する。支持部23は、先端から所定の距離の位置に段差があり、A−A線断面における多角形の領域の幅が、多角形の領域に隣接する領域の幅よりも大きい。
【0038】
筒部24の外径は、多角形の領域の幅よりも小さく、筒部24の内径は、多角形の領域に隣接する領域の幅よりも大きい。したがって、筒部24が設けられていることにより、支持部23が第1歯車21及び結合部151とともに右側に移動して抜けてしまうことを防止できる。
【0039】
結合部151、第1歯車21、及び支持部23には、棒状部材171を貫通させるとともに、棒状部材171と嵌合する穴25が形成されている。本実施形態において、穴25の形状及び棒状部材171の断面形状は、円弧と直線を結んで形成される形状であり、棒状部材171が回転することで、第1歯車21が回転する。
【0040】
ギアクランク17Rに加えられる回転力は、結合部151及び棒状部材171を介して第1歯車21に伝達される。また、ギアクランク17Lに加えられる回転力は、ギアクランク17Lと嵌合している支持部23及び棒状部材171を介して第1歯車21に伝達される。
【0041】
ギアクランク17R及びギアクランク17Lに加えられる回転力を効率良く第1歯車21に伝達するために、穴25の形状及び棒状部材171の断面形状は、円形以外であることが好ましいが、円形であってもよい。穴25の形状及び棒状部材171の断面形状が円形である場合、例えば、棒状部材171と支持部23とをネジにより結合することで、ギアクランク17Lに加えられる回転力を効率良く第1歯車21に伝達することができる。
【0042】
棒状部材171は、結合部151、第1歯車21、支持部23、及びギアクランク17Lに形成された穴を貫通し、ギアクランク17Lにおける自転車1の左側まで達する。棒状部材171の先端付近(例えば先端から5mmの位置)には、ギアクランク17Lの左右方向の位置を規制する規制部材40を結合するための結合用機構としての溝が形成されている。結合用機構としての溝は、棒状部材171における、自転車1の右側と左側のうち結合部にギアクランク17Rが結合された右側(第1の側)と反対の左側(第2の側)において、ギアクランク17Lが棒状部材171に装着される位置よりも先端側に結合されている。規制部材40は、樹脂により形成された本体部401と、棒状部材171に形成された溝に固定される金属製の変形部402とを有する。
【0043】
図8(d)は、収容部15にカバー150及びカバー152が装着された状態を示す図である。カバー150は、結合部151の形状と同じ形状の凹部を有する部材であり、凹部が結合部151と嵌合することにより、結合部151を覆うことができる。また、カバー152は、収容部15における結合部151と反対側において、支持部23に形成された穴の形状と同じ形状の凸部を有する。カバー152の凸部が支持部23に形成された穴と嵌合することで、カバー152が支持部23を覆うことができる。
【0044】
このように、ギアクランク17L及びギアクランク17Rが取り外された状態においてカバー150及びカバー152が収容部15の左右を覆うので、ユーザが収容部15内の可動部に触れないようにできる。したがって、自転車1を使用する際の安全性が向上するので、子供用の自転車に好適である。
【0045】
[規制部材40によりギアクランク17を固定するための構造]
図9は、規制部材40によりギアクランク17を固定するための構造について説明するための図である。
図9(a)に示すように、棒状部材171の先端付近には、規制部材40を固定するための溝172が形成されている。
【0046】
図9(b)は、棒状部材171と結合する側から規制部材40を見た状態を示す図である。本体部401には、棒状部材171の先端と嵌合する凹部が形成されている。変形部402は、互いに結合された左右の2本の金属線により形成されている。変形部402は、2本の金属線の間が第1の幅の領域と、第1の幅よりも大きな第2の幅の領域を有している。第1の幅は棒状部材171の外径よりも小さく、第2の幅は棒状部材171の外径よりも大きい。
【0047】
定常状態において、変形部402の第1の幅の領域が本体部401の凹部の内部に位置しており、この状態で、変形部402が溝172と嵌合することにより、規制部材40が、ギアクランク17Lの左右方向への移動を規制することができる。
【0048】
図9(c)は、ユーザが規制部材40を棒状部材171から着脱する方法を説明するための図である。
図9(c)においては、構造をわかりやすくするためにギアクランク17Lを示していない。
【0049】
ユーザは、規制部材40を棒状部材171から取り外す際、又は規制部材40を棒状部材171に装着する際、規制部材40の一端を本体部401に近づけるように押すことにより、変形部402の第2の幅の領域が本体部401の凹部の内部に位置するように、変形部402を移動させる。第2の幅は棒状部材171の外径よりも大きいので、変形部402の第2の幅が本体部401の凹部の内部に位置する状態で、ユーザは、規制部材40を棒状部材171から自在に着脱することができる。
【0050】
[ギアクランク17を着脱する方法]
続いて、
図1に示す状態の自転車1にギアクランク17及びペダル18を取り付けて、
図2に示す状態の自転車1を製造する方法を説明する。まず、ユーザは、収容部15に装着されたカバー150及びカバー152を取り外す。ユーザは、カバー150及びカバー152を引っ張ることにより、容易にカバー150及びカバー152を取り外すことができる。
【0051】
カバー150及びカバー152が取り外された状態(
図8(a)及び
図8(b)に示す状態)で、ユーザは、ペダル18Rが装着されたギアクランク17Rから延伸する棒状部材171を収容部15に形成された穴25に挿入し、棒状部材171の先端が収容部15における結合部151の反対側にまで達する状態にすることにより、ギアクランク17Rを結合部151に結合させる。
【0052】
この状態で、ユーザは、本体部401を棒状部材171に挿入することにより本体部401を棒状部材171に装着させる。続いて、変形部402を押して変形部402の第2の幅の領域が本体部401の凹部に位置するようにした状態で、ギアクランク17Lを棒状部材171に装着した位置よりも棒状部材171の先端側を規制部材40の凹部に挿入する。棒状部材171を規制部材40の凹部に挿入した後に変形部402を押した手を放すことで、変形部402の第1領域が棒状部材171に形成された溝172に嵌合した状態になり、棒状部材171に規制部材40が結合され、
図2に示す状態の自転車1を製造することができる。
【0053】
ユーザは、
図2に示す状態から
図1に示す状態に戻したい場合、変形部402を押して変形部402の第2の幅の領域が本体部401の凹部に位置するようにした状態で棒状部材171から規制部材40を抜く。続いて、ギアクランク17Lを棒状部材171から抜く。さらに、収容部15に形成された穴25から棒状部材171を抜く。最後に、結合部151を覆うようにカバー150を装着し、及び収容部15における結合部151と反対の側の空洞を覆うようにカバー152を装着する。
【0054】
なお、以上の説明においては、棒状部材171がギアクランク17Rから延伸する構成を例示したが、棒状部材171がギアクランク17Lから延伸する構成であってもよい。また、全ての構成が左右反対の位置に設けられていてもよい。
【0055】
[変形例]
図10は、第1の実施形態の変形例の自転車2を示す図である。
図10に示す自転車2は、
図1に示したフレーム13の代わりに、収容部15と後輪12との間で地面とほぼ水平な方向に延在しているフレーム19を有する点で
図1に示した自転車1と異なる。また、
図1に示したシャフト16の代わりに、ほぼ直線状のシャフト20を有する点で自転車1と異なる。自転車2の構成においては、シャフト20が可撓性を有していなくてもよい。
【0056】
[第1の実施形態の自転車1による効果]
以上説明したように、自転車1においては、前輪11と後輪12とに設けられた第1歯車21と第2歯車22との間がシャフト16により接続されている。そして、自転車1は、第1歯車21を回転させるためのギアクランク17Rを着脱自在に結合すると共に、ギアクランク17の駆動力を第1歯車21に伝達する結合部151を有している。
【0057】
ユーザがギアクランク17に装着されたペダル18を漕ぐことでシャフト16が回転し、シャフト16の回転に伴って後輪12が回転する。自転車1が、このようにギアクランク17を容易に着脱可能な構成を有することで、ユーザは、バランス感覚を養いたいときは、
図1に示したギアクランク17を装着していない状態で自転車1を使用し、ペダル18を使って自転車1を漕ぐ練習をしたいときは、
図2に示したギアクランク17を装着した状態で自転車1を使用することができる。
【0058】
自転車1は、上記のとおりシャフト16によりギアクランク17の駆動力を後輪12に伝達するので、ユーザは、ギアクランク17を着脱するだけで、
図1に示した状態と
図2に示した状態とを容易に切り替えることができる。また、シャフト16が可撓性を有しており、ほとんどの領域がフレーム13により隠れるように曲線状に設けられている。したがって、ユーザがシャフト16に触れにくく、高い安全性を確保することができる。
【0059】
<第2の実施形態>
図11は、第2の実施形態に係る自転車3の外観を示す図である。自転車3には、ギアクランク17(17L、17R)が装着されており、ペダル18(ペダル18L、ペダル18R)が装着されていない点で、
図1に示した第1の実施形態に係る自転車1と異なり、他の点で同じである。
【0060】
ギアクランク17には、ペダル18の回転軸を挿入するための穴が形成されている。ペダル18の回転軸は、例えば円柱形状であり、回転軸の先端から約1cmの位置には、棒状部材171の先端に形成された溝と同様の円形状の溝が形成されている。ユーザは、ギアクランク17に形成された穴にペダル18の回転軸を挿入し、この状態で、
図9を参照しながら説明した規制部材40と同等の形状の部材を回転軸に固定することで、ペダル18が回転可能な状態で、容易にペダル18をギアクランク17に結合させることができる。
【0061】
このように、自転車3は、ペダル18が着脱自在に構成されているため、
図11に示したペダル18を装着していない状態と、
図1に示した自転車1のようにペダル18を装着した状態とを容易に切り替えることができる。したがって、ユーザは、バランス感覚を養いたいときは、
図11に示した状態で自転車3を使用し、ペダル18を使って自転車3を漕ぐ練習をしたいときは、
図1に示した自転車1のようにした状態で自転車3を使用することができる。
【0062】
<第3の実施形態>
第1の実施形態に係る自転車1及び自転車2は、ギアクランク17が着脱可能に構成され、第2の実施形態に係る自転車3は、ペダル18が着脱可能に構成されていた。これに対して、第3の実施形態に係る自転車4は、ギアクランク17とともに収容部15及びシャフト16も着脱可能に構成されている点で自転車1〜自転車3と異なり、他の点で同じである。自転車4においては、第1歯車21が自転車4の本体(例えばフレーム13)から分離され、かつ第2歯車22が後輪12から分離されることにより、収容部15及びシャフト16が自転車4の本体から分離される。
【0063】
図12は、第3の実施形態に係る自転車4の概要を説明するための図である。
図12(a)は、
図1に示した自転車1と同等の状態の自転車4を示しており、この状態において自転車4は収容部15及びシャフト16が装着された状態になっている。
図12(b1)及び
図12(b2)は、自転車4の本体から収容部15及びシャフト16が取り外された状態を模式的に示している。
【0064】
図12(b2)に示すように、シャフト16における収容部15の側と反対側に結合されている第4歯車162、及び第4歯車162と噛み合わされる第2歯車22も取り外される。第4歯車162及び第2歯車22は収容部41に収容されており、ユーザは、収容部15、シャフト16及び収容部41を取り外すことで、ギアクランク17及びシャフト16が装着されていない状態に容易に自転車4を変化させることができる。
【0065】
図13は、後輪12の回転軸付近を示す図である。
図14は、後輪12の回転軸付近を自転車4の後方側から見た断面図である。
図14(b)は、
図14(a)における規制部材44の周辺の拡大図である。
【0066】
図13(a)は、後輪12に収容部41が装着された状態を示しており、
図13(b)は、後輪12から収容部41が取り外された状態を示している。
図13に示すように、後輪12には円盤状の固定部42が設けられている。また、固定部42には、結合部材43の端部が挿入される凹部421が形成されている。固定部42は、結合部材43が凹部421に挿入された状態で、結合部材43を後輪12に固定する。
【0067】
結合部材43は、フレーム13に対して固定部42と反対側(すなわち外側)の外側結合部431と、フレーム13よりも固定部42に近い側の内側結合部432とを有する。外側結合部431と内側結合部432との境界位置は規制部材44と固定部42との間の任意の位置であってもよいが、例えばフレーム13の内部である。
【0068】
外側結合部431の断面は円形である。外側結合部431はほぼ円柱形状をしており、規制部材44と係合する円周状の凸部433が形成されている。内側結合部432の断面は例えば多角形であり、内側結合部432は例えば直方体形状である。外側結合部431の断面が多角形であることにより、
図15に示す凹部421に外側結合部431が挿入された状態で、結合部材43の回転に伴って固定部42が回転する。したがって、ユーザがペダル18を漕ぐことにより第4歯車162、第2歯車22及び結合部材43が回転し、結合部材43が固定されている固定部42とともに後輪12も回転する。
【0069】
図14に示すように、フレーム13の外側(すなわち固定部42の側と反対側)には、結合部材43が回転可能な状態で、結合部材43が自転車4の左右方向に移動する量を規制する規制部材44が設けられている。規制部材44は、例えば
図14(b)に示すネジNによりフレーム13に固定されている。規制部材44は中央に穴が形成されたドーナツ状の形状をしており、中央の穴に結合部材43が挿入されている。穴の内側面には円形の凹部441が形成されており、結合部材43に形成された凸部433が凹部441に収容された状態になることで、結合部材43が回転する状態で、結合部材43が自転車4の左右方向に移動する量が規制される。結合部材43が回転しやすくなるように、規制部材44は、結合部材43の凸部433と接するベアリングを有してもよい。
【0070】
以上の構成により、自転車4においては、結合部材43が第2歯車22を貫通し、かつ結合部材43の先端が後輪12に接している状態で、第2歯車22が後輪12に固定される。また、結合部材43が第2歯車22を貫通していない状態で、第2歯車22が後輪12から分離される。
【0071】
図15は、収容部41を取り外す方法を説明するための図である。収容部41を取り外すために、まずユーザは、規制部材44をフレーム13に結合しているネジNを取り外す。続いて、ユーザは、片手で収容部41を支えた状態で、規制部材44及び結合部材43を後輪12から離れる向きに引き抜く。このようにすることで、ユーザは容易に収容部41を取り外すことができる。その後、ユーザは、規制部材44がフレーム13に密着するまで、フレーム13に形成された穴に結合部材43を挿入し、ネジNにより規制部材44をフレーム13に固定する。
【0072】
さらに、ユーザは、収容部15とフレーム13とを結合している結合部材(例えば不図示のネジ)を取り外すことにより、収容部15をフレーム13から取り外す。以上の手順により、ユーザは、
図12(b1)及び
図12(b2)に示したように、自転車4の本体と収容部15、シャフト本体160及び収容部41とを容易に分離させることができる。
【0073】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【0074】
例えば、以上の説明においては、ギアクランク17Rが第1ギアクランクであり、ギアクランク17Lが第2ギアクランクである場合を例示したが、ギアクランク17Rが第2ギアクランクであり、ギアクランク17Lが第1ギアクランクであってもよい。