特許第6664034号(P6664034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6664034
(24)【登録日】2020年2月19日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】自己駆動ロボット
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/04 20060101AFI20200302BHJP
【FI】
   B60P1/04 Z
【請求項の数】25
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-535801(P2019-535801)
(86)(22)【出願日】2018年7月12日
(65)【公表番号】特表2020-504679(P2020-504679A)
(43)【公表日】2020年2月13日
(86)【国際出願番号】CN2018095445
(87)【国際公開番号】WO2019015526
(87)【国際公開日】20190124
【審査請求日】2019年6月27日
(31)【優先権主張番号】201710587598.2
(32)【優先日】2017年7月18日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518227142
【氏名又は名称】北京極智嘉科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安 斌
(72)【発明者】
【氏名】孫 浪 浪
【審査官】 川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−067244(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/073391(WO,A1)
【文献】 米国特許第9102055(US,B1)
【文献】 特開2014−6833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、駆動機構と、従動機構と、反転機構とを備える自己駆動ロボットであって、
前記駆動機構および前記反転機構が前記車体に設けられ、
前記駆動機構は、車体を移動駆動するように構成され、第1の駆動輪および第2の駆動輪を備え、
前記従動機構は第1のオムニホイールを備え、前記第1のオムニホイール、前記第1の駆動輪、および前記第2の駆動輪が前記車体の走行方向に直交する方向に沿う前記車体の同一側に設けられ、
前記制御機構は、前記車体が所定の位置に移動した時に、前記反転機構を反転するように制御する、自己駆動ロボット。
【請求項2】
前記制御機構は、更に、初期駆動信号を受信し、且つ、前記初期駆動信号を受信すると、前記車体を駆動して所定の位置に移動させるように、前記駆動機構を制御する、請求項1に記載の自己駆動ロボット。
【請求項3】
前記車体の所在位置を検出し、検出された位置情報を前記制御機構に送信するように構成される検出機構を更に備え、前記制御機構は、更に、前記車体が所定の位置に到着した情報を受信すると、前記車体の駆動を停止するように前記駆動機構を制御する、請求項1に記載の自己駆動ロボット。
【請求項4】
前記検出機構は、赤外線センサ、超音波センサ、およびカメラのうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の自己駆動ロボット。
【請求項5】
前記検出機構は、画像を撮像し、撮像された画像情報を前記制御機構に送信するように構成されるカメラを含み、前記制御機構は、更に、受信された画像情報と目標画像情報とを比較し、前記画像情報が前記目標画像情報に合致すると、前記車体の駆動を停止するように前記駆動機構を制御し、前記反転機構を反転するように制御する、請求項4に記載の自己駆動ロボット。
【請求項6】
前記カメラは、前記車体の走行方向に沿う前記車体の中心軸に設けられる、請求項5に記載の自己駆動ロボット。
【請求項7】
前記検出機構は、二次元コードスキャンモジュールおよびバーコードスキャンモジュールのうちの少なくとも1つを備えるカメラを含む、請求項4に記載の自己駆動ロボット。
【請求項8】
前記駆動機構は、少なくとも駆動輪と、該駆動輪に連結され、前記車体を動かせるように、前記駆動輪を回動駆動する駆動モータとを備える、請求項1に記載の自己駆動ロボット。
【請求項9】
前記駆動機構は、減速機を更に備え、前記駆動モータは、前記駆動機構を介して前記駆動輪に連結される、請求項8に記載の自己駆動ロボット。
【請求項10】
前記駆動機構は、第1の減速機、第2の減速機、第1の駆動モータ、および第2の駆動モータをさらに備え、前記第1の駆動モータが前記第1の減速機に介して前記第1の駆動輪に連結され、前記第2の駆動モータが前記第2の減速機を介して前記第2の駆動輪に連結される、請求項1に記載の自己駆動ロボット。
【請求項11】
前記第1の駆動輪および前記第2の駆動輪は、前記車体の走行方向に沿う前記車体の両側の中部に設けられる、請求項10に記載の自己駆動ロボット。
【請求項12】
前記第1の駆動輪および前記第2の駆動輪は、前記車体の走行方向に沿う前記車体の中心軸の両側に設けられる、請求項11に記載の自己駆動ロボット。
【請求項13】
前記従動機構は、第2のオムニホイールを更に備え、前記第2のオムニホイールおよび前記第1のオムニホイールは、前記車体の走行方向に直交する方向に沿う前記車体の同一側に設けられ、前記第1のオムニホイールおよび前記第2のオムニホイールは、前記車体の走行方向に沿う前記車体の両側に回動可能に設けられる、請求項1に記載の自己駆動ロボット。
【請求項14】
前記第1のオムニホイールにおける前記車体から最も遠い部分と前記車体との間の第1の距離は、前記第2のオムニホイールにおける前記車体から最も遠い部分と前記車体との間の第2の距離に等しくない、請求項1に記載の自己駆動ロボット。
【請求項15】
前記第1の距離は前記第2の距離よりも小さく、前記第2のオムニホイールにおける前記車体から最も遠い部分と、第1の駆動輪における前記車体から最も遠い部分、及び第2の駆動輪における前記車体から最も遠い部分とは、それぞれ同一平面にある、請求項1に記載の自己駆動ロボット。
【請求項16】
前記減速機は、同期ベルトまたはチェーンを備える、請求項10に記載の自己駆動ロボット。
【請求項17】
前記車体の一側に第1の取付座および第2の取付座が設けられ、前記反転機構は、前記第2の取付座に固定される反転モータと、前記反転モータの第1の出力回転軸に連結される第1のクランクと、ピン軸によって前記第1のクランクに連結される第1のリンクと、第1の取付座に回転可能に連結される揺動レバーと、前記揺動レバーに固定連結される伝動軸とを備え、
前記第1のリンクが前記伝動軸に固定連結されることにより、前記反転モータが回動すると、前記第1のクランクは回動して前記第1のリンクを動かせ、前記第1のリンクは、前記伝動軸により前記揺動レバーを揺動させる、請求項1に記載の自己駆動ロボット。
【請求項18】
前記反転機構は、前記反転モータの第2の出力回転軸に連結される第2のクランクと、前記第2のクランクに連結される第2のリンクとを更に備え、前記第2のリンクは、前記伝動軸に固定連結される、請求項1に記載の自己駆動ロボット。
【請求項19】
前記第1の出力回転軸および前記第2の出力回転軸は、前記反転モータの両側に位置する、請求項1に記載の自己駆動ロボット。
【請求項20】
前記第1のリンクの前記第1のクランクから離れた一端に、第1の軸孔が備えられ、前記第2のリンクの前記第2のクランクから離れた一端に、第2の軸孔が備えられ、前記伝動軸は、前記第1の軸孔および前記第2の軸孔を貫通することにより、前記第1のリンクと前記第2のリンクとに固定連結される、請求項19に記載の自己駆動ロボット。
【請求項21】
前記反転機構に連結されるトレイを更に備える、請求項1から2のいずれか1項に記載の自己駆動ロボット。
【請求項22】
前記反転機構とともに前記車体の同一側に設けられた補助機構を更に備え、前記同一側は、前記車体の走行方向に直交する方向に沿う方向であり、前記補助機構は、前記トレイの支持を補助する支持棒と、前記支持棒に固定され、前記トレイの水平状態を検出するように構成されるセンサとを備える、請求項2に記載の自己駆動ロボット。
【請求項23】
前記車体の走行方向に障害物が検出されると、前記制御機構に信号を送信するように構成される前記車体に設けられる障害回避機構を更に備え、前記制御機構は、更に、前記車体の駆動を停止するように前記駆動機構を制御する、請求項1に記載の自己駆動ロボット。
【請求項24】
前記障害回避機構は、赤外線センサおよび超音波センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の自己駆動ロボット。
【請求項25】
前記障害回避機構は、少なくとも前記車体の走行方向の前端に設けられる、請求項2に記載の自己駆動ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物品搬送の技術分野に関し、例えば、自己駆動ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
物流業界の急速な成長は、多くの物流会社の倉庫保管仕分けの作業量を大幅に増加させた。現在、多くの倉庫は、自動化程度が低く、大量の作業員が手動で荷物の仕分けおよび輸送を行う必要があり、効率が低いだけでなく、物流コストも高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、荷物の仕分けに用いられうる自己駆動ロボットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、出願日が2017年7月18日で、出願番号が201710587598.2で、名称が「搬送ロボット」である中国特許出願に対して、優先権の利益を主張するものであり、該出願の内容の全てを引用により本開示に援用する。
【0005】
荷物の仕分けに使用され、車体と、駆動機構と、制御機構と、反転機構とを備える自己駆動ロボットであって、前記駆動機構および前記反転機構が前記車体に設けられ、前記駆動機構は、車体を移動駆動するように構成され、前記制御機構は、前記車体が所定の位置に移動した時に、前記反転機構を反転するように制御する、自己駆動ロボット。
【0006】
1つの実施例において、前記制御機構は、更に、初期駆動信号を受信し、且つ、前記初期駆動信号を受信すると、前記車体を駆動して所定の位置に移動させるように、駆動機構を制御する。
【0007】
1つの実施例において、自己駆動ロボットは、前記車体の所在位置を検出し、検出された位置情報を前記制御機構に送信するように構成される検出機構を更に備え、前記制御機構は、更に、前記車体が所定の位置に到着した情報を受信すると、前記車体の駆動を停止するように前記駆動機構を制御する。
【0008】
1つの実施例において、前記検出機構は、赤外線センサ、超音波センサ、およびカメラのうちの少なくとも1つを含む。
【0009】
1つの実施例において、前記検出機構は、画像を撮像し、撮像された画像情報を前記制御機構に送信するように構成されるカメラを含み、前記制御機構は、更に、受信された画像情報と目標画像情報とを比較し、前記画像情報が前記目標画像情報に合致すると、前記車体の駆動を停止するように前記駆動機構を制御し、前記反転機構を反転するように制御する。
【0010】
1つの実施例において、前記カメラは、前記車体の走行方向に沿う前記車体の中心軸に設けられる。
【0011】
1つの実施例において、前記検出機構は、二次元コードスキャンモジュールおよびバーコードスキャンモジュールのうちの少なくとも1つを備えるカメラを含む。
【0012】
1つの実施例において、前記駆動機構は、少なくとも駆動輪と、該駆動輪に連結され、前記車体を動かせるように、前記駆動輪を回動駆動する駆動モータとを備える。
【0013】
1つの実施例において、前記駆動機構は、減速機を更に備え、前記駆動モータは、前記駆動機構を介して前記駆動輪に連結される。
【0014】
1つの実施例において、前記駆動機構は、第1の駆動輪、第2の駆動輪、第1の減速機、第2の減速機、第1の駆動モータ、および第2の駆動モータを備え、前記第1の駆動モータが前記第1の減速機を介して前記第1の駆動輪に連結され、前記第2の駆動モータが前記第2の減速機を介して前記第2の駆動輪に連結される。
【0015】
1つの実施例において、前記第1の駆動輪および前記第2の駆動輪は、前記車体の走行方向に沿う前記車体の両側の中部に設けられる。
【0016】
1つの実施例において、前記第1の駆動輪および前記第2の駆動輪は、前記車体の走行方向に沿う前記車体の中心軸の両側に設けられる。
【0017】
1つの実施例において、ロボットは、第1のオムニホイールを備える従動機構を更に備え、前記第1のオムニホイール、前記第1の駆動輪、および前記第2の駆動輪は、前記車体の走行方向に直交する方向に沿う前記車体の同一側に設けられる。
【0018】
1つの実施例において、前記従動機構は、第2のオムニホイールを更に備え、前記第2のオムニホイールおよび前記第1のオムニホイールは、前記車体の走行方向に直交する方向に沿う前記車体の同一側に設けられ、前記第1のオムニホイールおよび前記第2のオムニホイールは、前記車体の走行方向に沿う前記車体の両側に回動可能に設けられる。
【0019】
1つの実施例において、前記第1のオムニホイールにおける前記車体から最も遠い部分と前記車体との間の第1の距離は、前記第2のオムニホイールにおける前記車体から最も遠い部分と前記車体との間の第2の距離に等しくない。
【0020】
1つの実施例において、前記第1の距離は前記第2の距離よりも小さく、前記第2のオムニホイールにおける前記車体から最も遠い部分と、第1の駆動輪における前記車体から最も遠い部分、及び第2の駆動輪における前記車体から最も遠い部分とは、それぞれ同一平面にある。
【0021】
1つの実施例において、前記減速機は、同期ベルトまたはチェーンを備える。
1つの実施例において、前記車体の一側に第1の取付座および第2の取付座が設けられ、前記反転機構は、前記第2の取付座に固定される反転モータと、前記反転モータの第1の出力回転軸に連結される第1のクランクと、ピン軸によって前記第1のクランクに連結される第1のリンクと、第1の取付座に回転可能に連結される揺動レバーと、前記揺動レバーに固定連結される伝動軸とを備え、前記第1のリンクが前記伝動軸に固定連結されることにより、前記反転モータが回動すると、前記第1のクランクは回動して前記第1のリンクを動かせ、前記第1のリンクは、前記伝動軸により前記揺動レバーを揺動させる。
【0022】
1つの実施例において、前記反転機構は、前記反転モータの第2の出力回転軸に連結される第2のクランクと、前記第2のクランクに連結される第2のリンクとを更に備え、ここで、前記第2のリンクは、前記伝動軸に固定連結される。
【0023】
1つの実施例において、前記第1の出力回転軸および前記第2の出力回転軸は、前記反転モータの両側に位置する。
【0024】
1つの実施例において、前記第1のリンクの前記第1のクランクから離れた一端に、第1の軸孔が備えられ、前記第2のリンクの前記第2のクランクから離れた一端に、第2の軸孔が備えられ、前記伝動軸は、前記第1の軸孔および前記第2の軸孔を貫通することにより、前記第1のリンクと前記第2のリンクとに固定連結される。
【0025】
1つの実施例において、自己駆動ロボットは、前記反転機構に連結されるトレイを更に備える。
【0026】
1つの実施例において、自己駆動ロボットは、前記反転機構とともに前記車体の同一側に設けられた補助機構を更に備え、前記同一側は、前記車体の走行方向に直交する方向に沿う方向であり、前記補助機構は、前記トレイの支持を補助する支持棒と、前記支持棒に固定され、前記トレイの水平状態を検出するように構成されるセンサとを備える。
【0027】
1つの実施例において、自己駆動ロボットは、前記車体の走行方向に障害物が検出されると、前記制御機構に信号を送信するように構成される前記車体に設けられる障害回避機構を更に備え、前記制御機構は、更に、前記車体の駆動を停止するように前記駆動機構を制御する。
【0028】
1つの実施例において、前記障害回避機構は、赤外線センサおよび超音波センサのうちの少なくとも1つを含む。
【0029】
1つの実施例において、前記障害回避機構は、少なくとも前記車体の走行方向の前端に設けられる。
【発明の効果】
【0030】
本開示に係る自己駆動ロボットを採用し、荷物の仕分け効率を向上させ、人件費を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】一実施例に係るロボットの正面模式図である。
図2】一実施例に係るロボットの正面模式図である。
図3a】一実施例に係るロボットの正面模式図である。
図3b】一実施例に係るロボットの平面模式図である。
図4a】一実施例に係る転向機構を備えるロボットの正面模式図である。
図4b】一実施例に係るロボットの平面模式図である。
図5a】一実施例に係る反転機構を有するロボットの平面模式図である。
図5b】一実施例に係る反転機構を有するロボットの平面模式図である。
図6a】一実施例に係る補助機構を有するロボットの正面模式図である。
図6b】一実施例に係る補助機構を有するロボットの平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面および具体的な実施形態を参照しながら本開示について説明する。
本実施例は、例えば、荷物の搬送に用いられうるロボットであって、搬送ロボットまたは自己駆動ロボットであるロボットを提供する。図1図2は、本実施例に係るロボットの正面模式図である。図1に示すように、ロボットは、車体1と、駆動機構2と、制御機構と、反転機構3とを備える。ここで、駆動機構2および反転機構3が車体1に設けられ、制御機構は、車体または車体に設けられた他の構造(図示せず)に設けられてもよい。例えば、制御機構は、反転機構3または駆動機構2に設けられてもよい。駆動機構2は、車体1を移動駆動するように構成され、制御機構は、車体が所定の位置に移動すると、反転機構3を反転するように制御する。本実施例に係るロボットを採用すれば、荷物の搬送効率を改善し、人件費を低減することができる。
【0033】
1つの実施例において、制御機構は、初期駆動信号を受信し、且つ、初期駆動信号を受信すると、車体1を駆動して所定の位置に移動させるように、駆動機構を制御する。実際の使用において、初期駆動信号は手動で送信されてもよい。例えば、操作者は、遠隔制御器によって初期駆動信号を制御機構に送信する。この場合、制御機構は、例えば、初期駆動信号を受信するための受信ユニットを備える。初期駆動信号は、有線または無線の方式で制御機構の受信ユニットに送信することができる。制御機構は、初期駆動信号を受信すると、駆動機構2を作動させるように制御する。1つの可能な実現形態として、駆動機構2の電源に連結されるスイッチに、電磁弁が設けられてもよい。駆動機構2は、制御機構の電気信号を受信すると、電磁弁をオンさせ、スイッチを閉位置に吸着し、これにより、駆動機構2はオンになり、車体1を移動駆動する。
【0034】
本実施例に係るロボットは、内部にバッテリを設置してバッテリを電源としてもよく、外部電源を設けてもよい。電源は、制御機構、駆動機構2、反転機構3の動作のために電力を提供することに用いられる。
【0035】
図2に示すように、1つの実施例において、ロボットは検出機構4を更に備える。検出機構4は、車体1の所在位置を検出し、検出された位置情報を制御機構に送信するように構成される。制御機構は、更に、車体1が所定の位置に到着した情報を受信すると、車体1の駆動を停止するように駆動機構2を制御する。検出構造4による所定の位置の検出をより正確にするために、検出機構4を車体1の走行方向の前端に設けてもよく、例えば、検出機構4を車体1の走行方向の中心軸に設ける。
【0036】
例えば、検出機構4は、赤外線センサ、超音波センサ、およびカメラのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0037】
検出機構4は、カメラを含む場合、位置の検出過程が以下のステップに従って行われてもよい。カメラは、車体1の前下方の画像を撮像し、撮像された画像情報を制御機構に送信し、制御機構は、受信された画像情報と目標位置の画像情報とを比較し、画像情報が目標位置の画像情報に合致すると、制御機構は、車体1の駆動を停止するように前記駆動機構2を制御し、反転機構3を反転するように制御する。
【0038】
なお、荷物の目標位置の面積が大きければ、荷物量の増加に伴い、元の目標位置の画像は変化していく。いくつかの実施例において、制御機構は、更新モジュールを備えてもよい。該更新モジュールは、カメラによって撮像された最新の画像に基づいて、記憶された目標位置の画像を次々に更新することにより、検出機構4による目標位置の検出を正確にする。たとえば、ロボットが荷物を初めて目標位置に置く時に、カメラは、一回目に搬送された荷物が表示された画像を制御機構に送信し、制御機構は、記憶された元の画像を更新し、すなわち、該荷物が保管された目標位置を新しい目標位置に更新する。また、制御機構内に、これ以降受信する目標位置の画像と予め記憶された画像とを比較し、目標位置の画像に新たに追加された荷物を自動的に排除し、位置決めの正確さを確保することができる画像処理部が設けられてもよい。
【0039】
上記したように、該実施例において、カメラは車体1の走行方向の中心軸に設けられる。検出範囲および検出精度を確保するために、例えば、カメラを、地面からの距離が0.5〜1メートルである範囲内に設置することができる。また、カメラと重力方向との角度を30〜60°の範囲内にし、且つ、カメラの撮像部分をカメラの前方の地面に向かってもよい。それにより、カメラは、車体1の前方で扇形のスキャンエリアを形成することができる。
【0040】
該実施例において、カメラは、二次元コードスキャンモジュールおよびバーコードスキャンモジュールのうちの少なくとも1つを備えてもよい。施工者は、保管待ちの荷物の目標位置に二次元コードまたはバーコードを事前に貼り付けることができ、カメラは、地面を随時にスキャンすることができ、これによって、カメラがこれらの二次元コードまたはバーコードをスキャンした時に、位置情報を解析し、位置情報を制御機構にフィードバックし、これにより、制御機構は反転機構3を起動して荷卸しを行う。1つの可能な場合として、制御機構は、まず、目標位置の方向に向かって動かすように車体を制御し、すなわち、車体は目標方向にほぼ一致する方向に従って走行する。この過程において、カメラは、前方の荷物の保管位置をスキャンし続け、且つ、例えば二次元コード情報をスキャンして解析すると、信号を制御機構に転送することができ、それにより、制御機構は車体の動きを停止して反転機構3を起動することができる。
【0041】
例えば、目標位置に荷物をより多く保管することができ、荷物の置き間違えを防止するために、二次元コードおよびバーコードを目標位置の中心付近に貼り付けることができる。また、二次元コードまたはバーコード情報は、例えば、1号保管エリア、2号保管エリア等、保管位置を表す数字を含んでもよく、カメラがスキャンした情報を制御機構に送信すると、制御機構は、予め設定された位置情報と結び付け、対応する保管エリアまで移動するように車体を駆動することができ、それにより、ロボットは、目標保管位置をより明確に識別し、荷物のカテゴリ分けの保管を実現することができる。
【0042】
図3aは一実施例に係るロボットの正面模式図であり、図3bは一実施例に係るロボットの平面模式図であり、図3aおよび図3bに示すように、1つの実施例において、駆動機構2は、少なくとも駆動輪20と、該駆動輪20に連結され、車体1を動かせるために、上記駆動輪20の回動を駆動するように構成される駆動モータ21とを備える。例えば、駆動輪20は、車体1の通常走行の時に地面に接近する一側に設けられる。例えば、駆動モータ21は、車体1の通常走行の時に地面から離れた一側に設けられてもよい。駆動モータ21のハウジングは、ボルトにより車体1に固定され、駆動モータ21の回動部分は、例えば、回転軸により駆動輪20に連結することができることにより、駆動モータ21がオンして回転部分が回動すると、駆動輪20を回動させることができ、車体1を容易に動かせる。また、駆動モータ21は、車体1をより良く駆動させるために、減速機23により駆動輪20に連結されてもよい。
【0043】
該実施例において、車体の走行をより安定にさせるために、駆動輪20の構成および設置方式を調整することができる。例えば、駆動機構2は、第1の駆動輪、第2の駆動輪、減速機23、および減速機23を介して、第1の駆動輪と第2の駆動輪とにそれぞれ連結される2つの駆動モータを備えてもよい。2つの駆動輪は、車体1の動きをより柔軟かつ安定にさせることができる。引き続き図3aを参照すると、駆動機構2は、車体1の幅方向に沿う左右両側に設けられた2つの駆動輪を備え、この2つの駆動輪は、車体1の走行方向の中部(走行方向とは、車体が正常に前へ走行する時の方向を意味する)に回動可能に設けられ、車体1の幅方向の両側に分布される。駆動機構2は、減速機23を介して2つの駆動輪にそれぞれ連結され、対応する駆動輪の転向および回転数を制御する2つの駆動モータを更に備える。ここで、駆動輪の転向および回転数を変更することにより、車体1の移動方向および速度を変えることができる。例えば、車体の左右の2つの駆動輪の転向が逆で回転数が同じである場合、車体1は中心軸Xに沿って回動し、車体1の方向変換を実現することができる。このような設置方式により、車体が移動方向を柔軟かつ安定して転換し、移動速度を調整することを実現でき、車体1を迅速に目標位置に移動させることができる。本実施例に係るロボットは、2つの駆動輪の設置位置により、2つの駆動輪の転向が逆で回転数が同じ場合、車体をその場で回動させることができるため、車体の転向速度を向上させ、荷物の搬送効率を向上させる。
【0044】
図4aおよび4bに示すように、1つの実施例において、ロボットは従動機構5を更に備える。従動機構5は、駆動輪20とともに車体1の同一側に設けられたオムニホイール51を備える。例えば、オムニホイール51は2つであってもよく、2つのオムニホイールは走行方向に沿う車体の前端と後端に回動可能に設けられてもよい。例えば、2つのオムニホイール51は、駆動輪の前方と后方(車体の走行方向にある前端を前とする)とにそれぞれ設けられてもよく、すなわち、一方のオムニホイール51は車の前端に近く、他方のオムニホイールは車の後部に近い。一実施例において、2つのオムニホイール51の間の距離は、2つの駆動輪の間の距離よりも若干大きくしてもよく、車体1の旋回をより安定させ、車体1が横転することを防止する。例えば、車体1の旋回効果を改善するために、2つのオムニホイール51の間の距離は2つの駆動輪の間の距離の1.2〜1.5倍である。
【0045】
図4aに示すように、該実施例において、例えば、2つのオムニホイール51のうち、一方のオムニホイール51の車体1から離れた一側(すなわち、車体1から最も遠い部分)から、車体1までの第1の距離d1は、他方のオムニホイール51の車体1から離れた一側(すなわち、車体1から最も遠い部分)から、該車体1までの第2の距離d2に等しくない。すなわち、車体を地面に反転すると、少なくとも1つのオムニホイール51が他のオムニホイール51および駆動輪で構成される平面に存在せず、図4aは、車体1からd1を離れたオムニホイール51が上記平面に存在しないことを示す。例えば、他のオムニホイール51の車体1から最も遠い部分と、駆動輪20の前記車体1から最も遠い部分とが同一平面にある場合、該少なくとも1つのオムニホイール51の車体1から最も遠い部分は、車体の地面に近い側(車が地面に正常に置かれる場合)と、上記他のオムニホイール51および駆動輪で構成される平面との間にある。例えば、第1の距離d1および第2の距離d2は、d1=(90%−98%)×d2を満たす。少なくとも1つのオムニホイール51と、他のオムニホイール51及び駆動輪とを同一平面に存在しないようにし、さらに異なるオムニホイール51の車体からの距離関係を調整することにより、車体の旋回効果を改善し、車体が旋回時に横転することを防止することができる。
【0046】
いくつかの実施例において、例えば、駆動輪が設けられた車体と同一側に、複数のオムニホイール51が設けられてもよい。例えば、複数のオムニホイール51のうち、車体1の前端と后端とにそれぞれ設けられたオムニホイール51を含んでもよい。複数のオムニホイール51を設置し、オムニホイール51の位置およびオムニホイール51と駆動輪との関係を最適化することにより、車体の旋回効果を改善することができる。
【0047】
上記実施例において、車体1は、オムニホイール51に連結され、オムニホイール51を退避または出頭するために用いられうる収縮装置を更に備えてもよい。更に、オムニホイール51が退避すると、オムニホイール51は車体1の方向に収納でき、車体1の転向に関与しない。オムニホイール51が出頭すると、車体1の転向に関与しやすいために、車体1から離れた側に開くことができる。一実施例において、収縮装置は、例えば、ピン軸または油圧レバー構造であってもよい。収縮装置がピン軸構造であると、オムニホイール51のハウジングはピン軸および外スリーブによって車体に連結することができる。例えば、ピン軸はその長手方向に沿って位置決め孔を備えてもよく、スリーブは、その長手方向に沿って位置決め孔と係合するための2つの開孔を備える。ピン軸とスリーブとが十分に係合すると(すなわち、ピン軸が最大でスリーブに入った場合)、ピン軸の位置決め孔はスリーブのうちの一方の開孔にマッチングし、オムニホイール51は動作位置に位置する。それと同時に、ピン軸の位置決め孔がスリーブの他方の開孔と係合すると、オムニホイールはリトラクト状態にある。いくつかの使用シーンにおいて、例えば、地面に障害物が存在し、または車体が斜面にあり、または地面に凹凸がある場合、動作状態にあるオムニホイールの数を対応的に調整することができ、それにより、オムニホイールの数を地面の状況と適応させ、安定した転向を保証すると同時に、車体の運行速度を向上させる。
【0048】
いくつかの実施例において、減速機は、タービンウォーム、遊星減速機、スパイラルベベルギヤであってもよく、同期ベルト、チェーンのような自作の減速機能を有する機械装置であってもよい。上記駆動モータは、直角減速機に直接連結してもよい。減速機を設置することにより、減速するとともに、出力トルクを向上させ、負荷のイナーシャを低減し、駆動機構の作動性能を改善することができる。
【0049】
図5aおよび図5bに示すように、1つの実施例において、車体1の一側に第1の取付座40および第2の取付座33が固定される。反転機構3は、第2の取付座33に固定される反転モータ31と、反転モータ31の第1の出力回転軸に連結される第1のクランク30と、ピン軸によって第1のクランク30に連結される第1のリンク36と、第1の取付座40に回転可能に連結される揺動レバー35と、揺動レバー35に固定連結される伝動軸39とを備える。ここで、第1のリンク36が伝動軸39に固定連結されることにより、反転モータ31が回動すると、第1のクランク30は回動し、第1のリンク36を動かせ、第1のリンク36は、前記伝動軸39により揺動レバー35を揺動させる。反転モータ31は、第1のクランク30、ピン軸、および第1のリンク36により、回転運動を揺動レバー35に伝達し、揺動レバー35と反転モータ31との同一方向の回動を実現し、安全な荷卸しを実現することができる。
【0050】
上記実施例において、例えば、揺動レバー35の回転方向は第1のリンク36の回転方向と同じである。図5aに示すように、例えば、第1の取付座40は、反転モータ31の第1の出力回転軸とほぼ同じ方向に沿って、それぞれ開孔を有する2つの固定片を備え、且つ、2つの開孔の中心を連結する方向は、反転モータ31の第1の出力回転軸の方向に一致する。ピン軸は2つの開孔を貫通し、且つ、揺動レバー35の端部はピン軸外に嵌着され、揺動レバー35はピン軸に対して回転することができる。つまり、このような構造は、揺動レバー35の回転方向を反転モータの第1の出力回転軸の回動方向と一致させることができる。また、図5aに示すように、反転モータ31の第1の出力回転軸の方向は、車体の走行方向とほぼ一致することができるが、当業者であれば、反転モータ31の第1の出力回転軸の方向は他の方向であってもよいことを理解すべきである。
【0051】
図5aに示すように、反転機構はデュアルリンク機構であってもよい。一実施例において、第2の取付座33は車体1に固定され、例えば、車体の一側に螺合されることができる。反転モータ31が第2の取付座33に固定され、且つ、2つの出力回転軸が2つのクランクに連結され、2つのクランクがそれぞれピン軸によって対応する第1のリンク36と第2のリンク38とに連結される。具体的には、反転モータ31の出力回転軸はその両端から延出し、車体1の走行方向とほぼ平行であり、第1のリンク36および第2のリンク38はそれぞれ反転モータ31の両側でピン軸およびクランクによって反転モータ31の両側の出力回転軸に連結され、それにより、デュアルリンク機構を構成する。第1の取付座40および上記第2の取付座33は車体1の同一側に固定され、揺動レバー35は第1の取付座40に固定され、第1の取付座40の中心軸周りに回動することができる。揺動レバー35は伝動軸39に固定連結され、伝動軸39はリンク側へ延出し、第1のリンク36および第2のリンク38の端部はそれぞれ伝動軸39に固定連結される。このように、反転モータ31が動作すると、第1のリンク36、第2のリンク38、および反転モータ31は共に回動し、伝動軸39を回動させ、伝動軸39は揺動レバー35を回動させやすくなり、荷物の転倒機能を実現する。また、反転モータの両側にいずれも伝動軸に連結されるリンクを設置することにより、反転の安定性を向上させ、反転機構の力学的性能を改善し、反転動作の精度を向上させることができる。
【0052】
一実施例において、例えば、デュアルリンクと伝動軸との連結方式も設置できる。例えば、2つのリンクはそれぞれ第1のリンク36および第2のリンク38である。好ましくは、反転モータ31がデュアルリンクによって伝動軸39に連結される場合、例えば、第1のリンク36の第1のクランク30から離れた一端に第1の軸孔が備えられ、第2のリンク38の第2のクランクから離れた一端に第2の軸孔が備えられる。伝動軸39は、第1の軸孔および第2の軸孔を貫通することで、第1のリンク36および第2のリンク38に固定連結される。例えば、リンクを伝動軸に固定連結しやすいために、軸孔と伝動軸39とを締り嵌めすることができ、すなわち、軸孔の寸法は伝動軸39の寸法よりも若干小さく、それにより、伝動軸39がリンクに従って回動することを確保する。また、伝動効果を改善し、伝動構造の安定性を向上させるために、伝動軸39のリンクにマッチングする位置にネジ孔を開設することができ、伝動軸39は軸孔を貫通した後、ボルトによって伝動軸39とリンクとを固定連結する。
【0053】
図5bに示すように、上記実施例において、例えば、揺動レバー35の端部にトレイ7を設置してもよい。トレイ7は荷物を載置するために用いることができる。例えば、車体1が正常に地面に置かれ、且つ、反転モータ31が動作しない場合、トレイ7は基本的に水平状態にある。車体1が所定の荷卸し位置に到着すると、反転モータ31は回動し、上記機構によって揺動レバー35を反転モータ31とともに回動させ、トレイ7と地面とが一定の角度をなし、荷物がトレイ7から滑落しやすくなり、荷卸しの目的を実現する。本実施例に係るロボットはトレイ7を備えてもよく、トレイを設置しなくてもよい。ロボットがトレイを備えない場合、揺動レバー35の端部は、トレイ等の載置装置を置きやすい構造を備えてもよく、例えば、該構造は支持フレーム構造または円形の収納構造等であってもよい。
【0054】
一実施例において、出荷状態下でトレイ7が水平の位置に位置することを確保するために、揺動レバー35は復帰機構を備えてもよい。復帰機構はバネまたはねじりバネであってもよい。復帰機構により、揺動レバー35を、トレイ7を復帰させて水平状態に保持する位置に位置することができる。この場合、反転モータ31が動作すると、揺動レバー35を復帰機構の復帰力に抗して一側(例えば、車体の走行方向の前方)に傾斜させることができ、揺動レバー35に連結されるトレイ7を傾斜させ、荷卸しを実現する。反転モータ31がオフされると、揺動レバー35はその復帰機構の作用によって元の位置に戻すことができ、トレイをほぼ水平状態に保持することができる。
【0055】
一実施例において、復帰機構がバネである場合、以下の方式で復帰機構を配置することができる。バネの一端は第1の取付座40に固定され、他端は揺動レバー35を引き、且つ、バネは例えば引張状態にある。揺動レバー35が限界位置(すなわち、トレイ7が水平状態となる位置)にあると、揺動レバー35は反転モータの回動方向と逆の方向に回転することができず、例えば、揺動レバー35の逆方向への移動限界にストッパを設けてもよく、該ストッパは第1の取付座40に固定連結されてもよく、車体1に固定されてもよい。揺動レバー35はバネの引張力およびストッパの二重作用で、一定の作用力でストッパと緊密に接触し、反転モータ31の回動方向と逆の方向にストッパに一定の作用力を施す。揺動レバー35が該位置にあると、荷物を配置かつ搬送しやすいために、トレイ7をほぼ水平状態にすることができる。すなわち、揺動レバー35は外力を受けていない場合、ほぼ水平の状態に保持する。反転モータ31が回動すると、リンクおよび回転軸39により捩り力を揺動レバー35に伝達し、揺動レバー35をバネの引張力に抗して反転モータ31と同一方向に回動させることができる。反転モータ31の動作が停止すると、揺動レバー35はバネの張力の作用で、その逆方向の移動限界位置に復帰し、すなわち、トレイ7をほぼ水平の位置にする。
【0056】
該実施例において、荷物が完全に卸されることを確保するために、反転機構は、制御構造に連結される検出爪を更に備えてもよい。反転機構は、所定の位置に反転すると、制御機構に到着信号を送信することができ、制御機構は該到着信号を受信すると、検出爪に作動信号を送信し、該検出爪は受信された作動信号に基づき、折り畳み状態から開放状態に変換し、検出爪の前端で荷物を載置したトレイに軽くタッチすることができる。トレイ以外の異物にタッチすると、荷物が完全に卸されていないと判断し、その前端のフィンガー状部材で該異物を挟み、トレイから離脱してからフィンガー状部材を開放し、荷物は荷卸しエリアに落下する。トレイ以外の異物にタッチしたことがないと、荷物が完全に卸されたと判断し、折り畳み構造を開き、検出爪を復帰させる。
【0057】
図6aおよび図6bに示すように、1つの実施例において、ロボットは、前記反転機構とともに前記車体の同一側に設けられた補助機構8を更に備える。補助機構8は、車体1に固定される支持棒81と、該支持棒81に固定されるセンサ82とを備える。支持棒81は、車体1の移動時にトレイ7をより安定させるために、ロボットが荷物を輸送する際に、反転機構6を補助してトレイ7を支持するように構成される。センサ82は、トレイ7が水平状態にあるか否かを検出するように構成される。支持棒およびセンサを設置することにより、荷物の運送をより安定にさせ、荷物がほぼ水平状態にあることを確保することができる。
【0058】
1つの実施例において、ロボットは、車体に設けられた障害回避機構を更に備える。例えば、該障害回避機構は車体1の走行方向の両側にある。例えば、障害回避機構は走行方向に沿う車体の前端または后端に設けられる。例えば、障害回避機構は、赤外線カメラおよび/または超音波検出器であってもよい。障害物が検出されると、障害回避機構は、制御機構に信号を送信し、制御機構が、車体の駆動を停止するおよび/または反転機構の反転動作を停止するように駆動機構を制御することができる。該障害回避機構は、障害物が検出されると警報することができる警報器を更に備えてもよい。
【0059】
本実施例に係るロボットは、荷物の搬送を補助し、荷物の搬送効率を向上させ、人件費を低減するために用いることができる。
【0060】
以上の実施例は、互いに組み合わせることができ、且つ、より良好な効果を有する。
以上、本開示の複数の実施例について説明したが、上記の説明は、例示的なものであり、網羅的なものではなく、かつ、開示された複数の実施例に限定されない。説明した複数の実施例の範囲および主旨から逸脱しない限り、当業者にとって、多くの修正や変更は明らかである。そのため、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲を基準とすべきである。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b