(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記1つまたは複数の変換器(46)が、前記ASCアセンブリ(24)の前記第2の出口(34)の下流に配置され、前記ASCアセンブリ(24)を通って流れた前記流体(36)内のNOxの量を測定するように構成された少なくとも1つのNOx変換器(52)を備える、請求項2に記載のシステム。
前記システムパラメータが、前記ASCアセンブリ(24)の前記入口(32)で前記流体(30)の前記温度を含み、前記制御装置(44)が、前記ASCアセンブリ(24)の前記入口(32)での前記流体(30)の前記温度が前記ASCアセンブリ(24)の前記入口(32)での前記流体(30)の所望の温度に概ね等しいことを決定することに続いて、前記流体(36)内の前記NOxの量に基づいて前記ASCアセンブリ(24)内の前記触媒活性が経年劣化したかどうかを決定するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
前記制御装置(44)が、前記ASCアセンブリ(24)の前記触媒活性内の経年劣化の決定がなされた回数を監視し、前記回数が閾値よりも大きい場合、補正処置を推奨するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
前記制御装置(44)が、前記流体導管(38)の中に噴射される酸化体の量を制御することによって、前記温度を前記所望の調節された温度に調節するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
前記制御装置(44)が、前記ASCアセンブリ(24)内の前記触媒活性を増加させる所望の調節された温度に前記温度を調節するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
前記制御装置(44)を含む排気後処理システム(10)を備え、前記排気後処理システム(10)が、前記TWCアセンブリ(22)、前記ASCアセンブリ(24)および前記酸化体噴射システム(40)を備え、前記排気後処理システム(10)が、前記燃焼エンジン(12)に結合され、前記燃焼エンジン(12)から排気を処理するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
燃焼エンジン(12)の排気後処理システム(10)内のアンモニアスリップ触媒(ASC)アセンブリ(24)内の減少した触媒活性を補償するための方法であって、前記ASCアセンブリ(24)内の触媒活性が減少したかどうかを決定するステップと、前記ASCアセンブリ(24)内の触媒活性が減少した場合、ある量の酸化体を前記ASCアセンブリの上流で流体(30)の中に噴射することによって、前記ASCアセンブリ(24)の中に流れ込む流体(30)の温度を調節するステップとを含む方法。
前記ASCアセンブリ(24)内の触媒活性が減少したかどうかを決定するステップが、前記ASCアセンブリ(24)の出口(34)に隣接して配置された少なくとも1つのNOxセンサ(52)からフィードバックを受信して、前記ASCアセンブリ(24)を通って流れた前記流体(36)内の窒素酸化物(NOx)のレベルを決定するステップを含む、請求項13に記載のシステム。
前記ASCアセンブリ(24)の中に流れ込む流体(30)の温度を調節するステップが、前記酸化体の噴射を調節する制御装置(44)を利用して、前記流体(30)の前記温度を温度設定値に制御して、前記ASCアセンブリ(24)内の所望の触媒活性設定値を達成するステップを含む、請求項13に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の1つまたは複数の特定の実施形態を以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供する努力の中で、実際の実施のすべての形態を本明細書で説明することはできない。任意の技術または設計計画におけると同様に、任意のそのような実際の実施の開発において、開発者の特定の目的を達成するために、実施によって異なる可能性があるシステム関連、または事業関連の順守など、複数の実施に特定の決定がなされなければならないことを理解すべきである。更に、そのような開発努力は複雑で時間を要する可能性があるが、それでもやはり本開示の恩恵を受ける当業者にとって、設計、製作および製造に着手する際の所定の業務であることを理解すべきである。
【0010】
本発明の様々な実施形態の要素を紹介する際に、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」および「前記(said)」は、1つまたは複数の要素が存在することを意味することを意図する。「備える(comprising)」、「含む」(including)」および「含む(having)」という用語は、包括的であることを意図し、列挙する要素以外に追加の要素が存在する可能性があることを意味する。
【0011】
本開示は、触媒変換器の中の触媒の経年劣化を監視し、経年劣化(例えば、非活性化)触媒の検出に応答して、状態を調節するためのシステムおよび方法を対象とする。システムおよび方法は、経年劣化触媒に対して触媒変換器を監視することに関して考察されるが、特定の実施形態では、本明細書で説明する技術を触媒の熱的経年劣化および化学中毒に応用することができる。特に、本開示の実施形態は、燃焼エンジン(例えば、ピストン内燃機関エンジンまたはガスタービンエンジン)に結合し、内燃機関エンジンからの排気(例えば、エンジン排気)(例えば、NO
x、HC、COなど)を処理するように構成された後処理システムを含む。開示する実施形態は、触媒に基づくシステム、化学的噴射システムまたは他のタイプなど、任意のタイプの後処理システム(例えば、排気処理)を監視し、制御するために使用され得る。後処理システムは、TWCアセンブリ(例えば、第1の触媒アセンブリ)およびASCアセンブリ(例えば、第2の触媒アセンブリ)を含み、ASCアセンブリは、TWCアセンブリから流体(例えば、処理された排気流)を受け取り、NH
3を窒素分子(N
2)に変換し、COを二酸化炭素(CO
2)と水に変換する。流体導管は、TWCアセンブリとASCアセンブリとの間に配置され、流体をTWCアセンブリからASCアセンブリへ移送する(例えば、流れを可能にする)。空気または酸化体噴射システム(例えば、中間ベッド空気噴射システム)は、流体導管に結合され、酸化体(例えば、空気、O
2、酸素富化空気または酸素減少空気)を流体導管の中に噴射して、ASCアセンブリの入口の中に流れ込む流体の温度を調節して、NH
3をN
2に変換するASCアセンブリ内の触媒活性を調節する。複数の変換器またはセンサ(例えば、温度センサおよび/またはNO
xセンサ)が、後処理システム全体に配置され得る(例えば、TWCアセンブリの出口に隣接して、ASCアセンブリの入口に隣接して、および/またはASCアセンブリの出口に隣接して)。制御装置(例えば、空気噴射制御装置)が、空気噴射システムに結合される。制御装置は、システムパラメータ(例えば、TWCアセンブリを出る流体の温度、ASCアセンブリに入る流体の温度、および/またはASCアセンブリを出る流体内のNO
xのレベル)を代表する信号を複数の変換器から受信する。制御装置は、ASCアセンブリの中の触媒活性を監視し、ASCアセンブリの触媒または触媒活性が経年劣化したかどうか(例えば、非活性化または触媒活性の減少)をシステムパラメータの1つに基づいて決定する。ASCアセンブリの中の触媒活性が経年劣化したかどうかの決定に基づいて、制御装置は、ASCアセンブリの入口の中に流れ込む流体の温度を所望の調節された温度に調節して(例えば、空気噴射システムによって流体導管の中に噴射される酸化体(例えば、空気、O
2、酸素富化空気または酸素減少空気)の量を調節することによって)、ASCアセンブリの中の触媒活性を増加させる。特定の実施形態では、制御装置は、ASCアセンブリを出る流体のNO
xのレベルを代表する信号を受信し(例えば、ASCアセンブリの出口に隣接して配置されたNO
xセンサによって)、NO
xのレベルをNO
x閾値に比較し、NO
xのレベルがNO
x閾値よりも大きい場合、ASCアセンブリの中の触媒活性が経年劣化したことを決定し、ASCアセンブリを出る流体内のNO
xの検出されたレベルに基づいて、所望の調節された温度を決定することができる。ASCアセンブリ内の触媒経年劣化を診断し、ASCアセンブリの中に流れ込む流体の温度を積極的に制御して、触媒経年劣化の影響を抑えることによって、排気を低減し、ASCアセンブリの触媒活性を最大にすることができる。
【0012】
ここで図面に注意を向け、
図1を参照すると、エンジン12に結合された後処理システム10の概略図が図示されている。以下に詳細に説明するように、開示する後処理システム10が、触媒の経年劣化(例えば、触媒活性の減少)に関して構成要素(例えば、ASCアセンブリ)の触媒活性を監視し、経年劣化が現れる場合、流体流(例えば、処理された排気流)の温度を積極的に制御または調節して、触媒の経年劣化に対応する。エンジン12は、ピストンエンジン(例えば、2ストローク、4ストローク、6ストロークなどのマルチストローク式エンジンなど)またはガスタービンエンジンなど、内燃機関エンジンを含むことができる。エンジン12は、様々な燃料(例えば、天然ガス、ディーゼル、合成ガス、ガソリンなど)で作動することができる。エンジン12は、リーン燃焼エンジンまたはリッチ燃焼エンジンとして作動することができる。エンジン12は、エンジン12の作動を制御および監視するエンジン制御ユニット(例えば、制御装置)14に結合される。エンジン制御ユニット14は、処理回路(例えば、プロセッサ16)およびメモリ回路(例えば、メモリ18)を含む。プロセッサ16は、エンジン12の作動を実行するための指示を実行することができる。これらの指示は、メモリ18などの有形の非一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、光ディスク、固体デバイス、チップ、ファームウェア)の中に記憶されたプログラムまたはコードの中に符号化されることができる。
【0013】
作動中、エンジン12(例えば、1つまたは複数のピストンまたはガスタービン)は、駆動力をエンジン12の構成要素に加えるために使用される燃焼ガス20を生成する。燃焼ガス20は、次いで排気20としてエンジン12を出るが、排気20には様々な排出物(例えば、NO
x、HC、COなど)が含まれる。後処理システム10は、これらの排出物を処理して、より軽度の排出物(二酸化炭素(CO
2)、水など)を生成する。図示のように、後処理システム10は、TWCアセンブリ22およびASCアセンブリ24などの触媒変換器を含む。TWCアセンブリ22およびASCアセンブリ24を含む実施形態では、エンジン12はリッチ燃焼エンジンとして作動されて、TWCアセンブリ22およびASCアセンブリ24の両方の中で触媒活性を最大にすることができる。TWCアセンブリ22は、その触媒活性によって、複数の反応を経てNO
xを低減する。例えば、NO
xはCOによって還元されて、N
2およびCO
2を生成し、NO
xはH2によって還元されて、NH
3および水を生成し、NO
xは炭化水素(例えば、C
3H
6)によって還元されて、N
2、CO
2および水を生成することができる。TWCアセンブリ22は、更に、COをCO
2に酸化し、不燃成HCをCO
2および水に参加する。TWCアセンブリ22内のNO
xの還元による副産物は、アンモニアスリップの結果として生じるNH
3という排出物である(例えば、未反応NH
3による)。特定の実施形態では、TWCアセンブリ22の代わりに、NO
xを低減する任意の触媒変換器を使用することができる。ASCアセンブリ24は、その触媒活性によって、NH
3をN
2に還元する。特定の実施形態では、ASCアセンブリ24は、更にCOをCO
2に酸化する。ASCアセンブリ24の中の非経年化(例えば、完全な触媒活性を有する)触媒は、一般的にすべてのNH
3をN
2に変換する。ASCアセンブリ24は、約400〜510℃など、高温閾値と低温閾値との間に触媒作業ウィンドウを含む。作業ウィンドウは、すべてのNH
3がN
2に変換され、NO
xに酸化されない可能性がある温度を表す。
【0014】
TWCアセンブリ22は、エンジン12から排気20を受け取る入口26、および流体30(例えば、処理されたエンジン排気)を排出する出口28を含む。ASCアセンブリ24は、流体30(例えば、処理されたエンジン排気および/または噴射された酸化体(例えば、空気、O
2、酸素富化空気または酸素減少空気)を含む)を受け取る入口32.および追加的に処理された流体36を排出する出口34を含む。流体導管38は、TWCアセンブリ22とASCアセンブリ24との間に配置される。詳細には、流体導管38は、TWCアセンブリ22の出口28およびASCアセンブリ24の入口32に結合され、したがって、アセンブリ22および24の両方を結合して、それらの間に流体連通を可能にする。流体導管38は、TWCアセンブリ22からASCアセンブリ24へ流体30を流し、または移送することを可能にする。
【0015】
図示のように、空気または酸化体噴射システム40(例えば、中間ベッド空気噴射システム)が流体導管38に結合される。空気噴射システム40は、酸化体(例えば、空気、O
2、酸素富化空気または酸素減少空気)をTWCアセンブリ22の出口28の下流、およびASCアセンブリ24の入口32の上流の点または位置42で流体導管38内の流体30の中に噴射する。特定の実施形態では、空気噴射システム40による酸化体噴射は、ポンプまたは噴射装置によって積極的に駆動され得る。他の実施形態では、空気噴射システム40は、受動的飛沫同伴によって発生することができる。空気噴射システム40による酸化体(例えば、空気、O
2、酸素富化空気または酸素減少空気)噴射は、ASCアセンブリ24に入る流体30(例えば、処理されたエンジン排気および/または噴射された酸化体(例えば、空気、O
2、酸素富化空気または酸素減少空気)を含む)の温度を調節する。
【0016】
空気噴射制御ユニット44(例えば、プロセッサに基づく制御装置)は、空気噴射システム40によって噴射される空気(例えば、O
2)の量を制御して、ASCアセンブリ24の入口32に入る流体30の温度を調節する(例えば、積極的に制御する)。流体の温度を制御することによって、空気噴射制御ユニット44は、ASCアセンブリ24の入口32に入る流体30の温度をASCアセンブリ24の触媒作業ウィンドウ内(例えば、高温閾値と低温閾値内)の所望の温度に保って、ASCアセンブリ24からのNO
x排出を最小にする。流体30の温度を触媒作業ウィンドウ内(すべてのNH
3がN
2に変換される)に維持することによって、ASCアセンブリ24を出る流体36内のNO
xの存在が、空気噴射制御ユニット44によって利用されて、経年劣化(例えば、触媒非活性化または触媒活性の減少)についてASCアセンブリ24の触媒または触媒活性を監視し、および/または経年劣化した触媒活性の決定に基づいて、ASCアセンブリ24の入口32に入る流体30の温度を更に修正する。
【0017】
後処理システム10は、システム10全体に配置された複数の変換器またはセンサ46を備えて、システムパラメータ(例えば、温度、排出濃度(例えば、NO
x)など)を測定し、空気噴射制御ユニット44にフィードバック(例えば、システムパラメータを代表する信号によって)を提供する。例えば、1つまたは複数の温度変換器48が、TWCアセンブリ22の出口28に隣接して、または近傍に(例えば、下流に)配置され、1つまたは複数の温度変換器50が、ASCアセンブリ24の入口32に隣接して、または近傍に(例えば、入口32の上流、ならびに温度変換器48および酸化体噴射の点42の両方の下流に)配置される。温度変換器48は、TWCアセンブリ22の出口28を出る流体30の温度を測定する。温度変換器50は、ASCアセンブリ24の入口32に入る流体30の温度を測定する。温度変換器48、50は、熱電対、抵抗温度検出器または任意の他の型の温度測定装置を含むことができる。変換器46は、更に、ASCアセンブリ24の出口34に隣接して、または近傍に(例えば、下流に)配置された1つまたは複数のNO
x変換器52を含む。NO
x変換器52は、流体36内のNO
xの量またはレベル(例えば、ppmで)を測定する。
【0018】
温度変換器48、50からのフィードバックに基づいて、噴射制御ユニット44は、ASCアセンブリ24の入口32に入る流体30の温度を積極的に制御して、ASCアセンブリ24の触媒作業ウィンドウ内の所望の温度に流体の温度を維持することができる。例えば、以下により詳細に説明するように、空気噴射制御ユニット44は、TWCアセンブリ22を出る流体30の温度とASCアセンブリ24に入る流体30の所望の温度との間の差を分析することができ、TWCアセンブリ22を出る流体30の温度がASCアセンブリ24に入る流体30の所望の温度よりも高い場合、そのとき、制御ユニット44は噴射する(空気噴射システム40によって)酸化体の量を決定して、ASCアセンブリ24に入る流体30の実際の温度をASCアセンブリ24に入る流体30の所望の温度に概ね等しくする(例えば、約1℃以内または1℃未満)ことができる。酸化体は、ASCアセンブリ24内のCOの酸化およびNH
3の選択的酸化を可能にする。
【0019】
1つまたは複数のNO
x変換器52からのフィードバックに基づいて、空気噴射制御ユニット44は、ASCアセンブリ24内の触媒(例えば、触媒活性)の経年劣化について監視する(例えば、診断または検出する)。例えば、空気噴射制御ユニット44は、変換器52から得られたNO
x(例えば、一酸化窒素または二酸化窒素)のレベル(例えば、値)をNO
x閾値と比較して、ASCアセンブリ24の触媒の経年劣化が発生したかどうか(例えば、測定されたNO
xのレベルがNO
x閾値よりも大きいかどうか)を決定することができる。特定の実施形態では、ASCアセンブリ24に入る流体30の実際の温度がASCアセンブリ24に入る流体30の所望の温度に概ね等しい(例えば、約1℃以内または1℃未満)という、空気噴射制御ユニット44による決定に続いて、測定されたNO
xをNO
x閾値との比較が生じることができる。ASCアセンブリ24内の経年劣化した触媒の決定に基づいて、空気噴射制御ユニット44は、ASCアセンブリ24に入る流体30の温度を積極的に制御して、空気噴射システムを使用して特定の量の酸化体(例えば、空気、O
2、酸素富化空気または酸素減少空気)を噴射することによって、温度(触媒作業ウィンドウ内部)を所望の温度に調節して、ASCアセンブリ24内の触媒活性を増加させて、ASCアセンブリ24内の触媒の経年劣化に対応することができる。特定の実施形態では、空気噴射制御ユニット44は、触媒経年劣化の決定がなされ、流体30の温度がASCアセンブリ24内の触媒の経年劣化に対応するために調節された回数(例えば、連続する回数)を追跡することができ、その回数が所定の閾値に到達する場合、そのときユニット44は、流体30の温度を更に調節する代わりに、補正処置(例えば、ASCアセンブリ24の洗浄)を推奨することができる。
【0020】
空気噴射制御ユニット44は、処理回路(例えば、プロセッサ54)およびメモリ回路(例えば、メモリ56)を含む。プロセッサ54は、システムパラメータ(温度、排出レベル(例えば、NO
x)など)を監視し、ASCアセンブリ24の入口32に入る流体30の温度を積極的に制御し、および/または経年劣化についてASCアセンブリ24の触媒を監視するための指示を実行することができる。これらの指示は、メモリ56などの有形の非一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、光ディスク、固体デバイス、チップ、ファームウェア)の中に記憶されたプログラムまたはコードの中に符号化されることができる。プロセッサ54は更に、メモリ56の中に記憶された表または値にアクセスすることができる。例えば、メモリ56に記憶された表は、TWCアセンブリ22を出る流体30の温度とASCアセンブリ24に入る流体30の所望の温度との間の差に基づいて、噴射すべき酸化体(例えば、空気、O
2、酸素富化空気または酸素減少空気)の量を含むことができる。メモリ56は、更に、1つまたは複数のNO
x閾値および/またはASCアセンブリ24の中の触媒の経年劣化の程度または量に基づいて(例えば、測定されたNO
xの量または測定されたNO
xの量とNO
x閾値との間の差)、ASCアセンブリ24に入る流体30のための所望の温度を含む表を記憶することができる。メモリ56は、更に、触媒経年劣化の決定がなされ、流体30の温度が補正処理が推奨される前に触媒経年劣化によって調節され得る回数について、1つまたは複数の閾値を記憶することができる。メモリ56は、コンピュータモデル(例えば、ASCアセンブリ24からのNO
x排気およびASCアセンブリ24の経年劣化に関係する)、データに基づく知識、および/または後処理システム10の排気および温度に関係する歴史的データ(例えば、ASCアセンブリ24からの過去のNO
x排気、過去の温度読取りおよび/または所望の温度など)を記憶することができる。図示のように、空気噴射制御ユニット44はエンジン制御ユニット14に結合されている。特定の実施形態では、空気噴射制御ユニット44およびエンジン制御ユニット14は単一の制御ユニットを形成することができる。
【0021】
図2は、触媒経年劣化についてASCアセンブリ24を監視するため、およびASCアセンブリ24の入口32の中に入る流体30の温度を積極的に制御するためのコンピュータ実施方法58の実施形態の流れ図である。方法58のすべて、またはいくつかのステップは、空気噴射制御ユニット44によって実行され得る(例えば、プロセッサ54を利用して、プログラムを実行し、メモリ56に記憶されたデータにアクセスする)。方法58は、ASCアセンブリ24の入口32に入る流体30の所望の温度(T
ASC IN DES)(例えば、ASCアセンブリ24の触媒作業ウィンドウ内)を決定するステップ(ブロック60)を含む。例えば、空気噴射制御ユニット44は、エンジン12によって利用された燃料、あるいはエンジン12の他の作動特性(例えば、リッチ燃焼状態またはリーン燃焼状態下での作動)に基づいて、T
ASC IN DESのための複数の値(例えば、メモリ56に記憶された)を含むことができる。特定の実施形態では、T
ASC IN DESのためのこれらの値は、コンピュータモデルから得ることができる。特定の実施形態では、空気噴射制御ユニット44は、エンジン制御ユニット14からT
ASC IN DESを決定するための情報を得ることができる。別法として、T
ASC IN DESは、ユーザによって入力され得る。方法58は、更に、TWCアセンブリ22の出口28を出る流体30の実際の温度(T
TWC OUT)測定するステップ(ブロック62)(例えば、温度変換器48によって)を含む。方法58は、更に、T
TWC OUTがT
ASC IN DESよりも高いかどうかを決定するステップ(ブロック64)を含む。T
TWC OUTがT
ASC IN DESよりも高くない場合、そのとき、T
TWC OUTを測定するステップが続行する(ブロック62)。T
TWC OUTがT
ASC IN DESよりも高い場合、そのとき、方法58は、T
TWC OUTとT
ASC IN DESとの間の温度差(ΔT)を測定するステップ(ブロック66)を含む。ΔTに基づいて、方法58は、特定のΔTの値について、流体導管38の中に噴射すべき特定のパーセンテージの酸素(%O
2)を提供する探索表(例えば、メモリ56の中)にアクセスするステップ(ブロック68)を含む。この表から、方法58は、計算されたΔTに対して%O
2を決定するステップ(ブロック70)を含む。決定された%O
2に基づいて、方法58は、温度変換器50およびASCアセンブリ24の入口32に隣接して、その上流で流体導管38の中に(例えば、位置42で)、酸化体(例えば、空気、O
2、酸素富化空気または酸素減少空気)を噴射するステップ(ブロック72)を含む。酸化体を噴射するステップの後、方法58は、ASCアセンブリ24の入口32に入る流体30の実際の温度(T
ASC IN)を測定するステップ(ブロック74)を含む(例えば、温度変換器50によって)。T
ASC INがT
ASC IN DESに概ね等しくない場合、そのとき、方法58は、T
TWC OUTを測定するステップ(ブロック62)およびT
ASC IN DESを達成するために何らかの調節を決定するステップ(ブロック64〜76)に戻る。
【0022】
T
ASC INがT
ASC IN DESに概ね等しい(例えば、約1℃以内または1℃未満)場合、そのとき、方法58は、ASCアセンブリ24を出る流体36の中の測定されたNO
xのレベルの値または量(例えば、NO
x変換器52によって測定される)が、NO
x閾値78よりも大きいかどうかを決定する(ブロック80)。NO
x閾値78は、メモリ56から得ることができる。更に、NO
x閾値78は、ユーザによって入力され得る。NO
x閾値78は、最初にASCアセンブリ24を組み込むときに経験的に得ることができる。測定されたNO
xのレベルまたは量が、NO
x閾値78(NO
x THR)よりも大きくない場合、方法58は、T
TWC OUTを測定するステップ(ブロック62)に戻り、T
ASC IN DESを達成するために任意の調節を決定するステップ(ブロック64〜76)および測定されたNO
xのレベルの値または量が、NO
x閾値78よりも大きいかどうかを再び決定するステップ(ブロック80)に戻る。測定されたNO
xのレベルの値または量が、NO
x閾値78よりも大きい場合、方法58は、ASCアセンブリ24の触媒または触媒活性が経年劣化した(例えば、触媒活性の減少)ことを決定するステップ(ブロック82)を含む。特定の実施形態では、経年劣化を決定するステップが、経年劣化の実際の量または度合(例えば、経年劣化の計測された範囲)を決定するステップを含むことができる。ASCアセンブリ24の触媒が経年劣化したという決定に基づいて、方法58は、経年劣化した触媒または触媒活性を含むASCアセンブリ24の入口32に入る流体30の所望の温度(T
ASC IN AGED DES)(例えば、ASCアセンブリ24の触媒作業ウィンドウ内)を決定するステップ(ブロック84)を含む。空気噴射制御ユニット44は、測定されたNO
xの特定の量、または測定されたNO
xの量とNO
x閾値78との間の差について、T
ASC IN AGED DESのための特定の値を提供する探索表にアクセスすることができる(例えば、メモリ56の中)。T
ASC IN AGED DESを決定するステップの後、方法58は、T
ASC IN DESをT
ASC IN AGED DESに等しく適合させるステップ(ブロック86)、およびT
TWC OUTを測定するステップ(ブロック62)に戻るステップ、T
ASC IN DES(ここでT
ASC IN AGED DESに等しい)を達成するために、任意の調節を決定するステップ(ブロック64〜76)、およびT
ASC INをT
ASC IN AGED DESに概ね等しく(例えば、約1℃以内または1℃未満)調節するステップがASCアセンブリ24の触媒活性に影響を及ぼす(例えば、触媒活性を増加し、流体36内のNO
x排出を低減する)かどうかを決定するために、方法58のステップ80〜86を繰り返すステップを含む。
【0023】
ASCアセンブリ24の経年劣化は、様々な方法で利用され得る。例えば、ASCアセンブリ24の寿命を予測することができ、ASCアセンブリ24の維持または交換を利用することができ、または任意の他の作用が経年劣化したASCアセンブリ24の傾向または予測された寿命に基づくことができる。
【0024】
特定の実施形態では、方法58は、ASCアセンブリ24の中で触媒が経年劣化し、それに続いて、流体30の温度が、ASCアセンブリ24の触媒活性が経年劣化したという決定に応答して調節されたということを決定した回数を監視することができる(ブロック83)。NO
xの量がNO
x閾値78よりも大きいという決定を下すごとに、ASCアセンブリ24の中の触媒が経年劣化したという決定の回数に値1を加えることができる。特定の実施形態では、NO
xの量がNO
x閾値78よりも大きくないことが決定される場合、回数をリセットすることができる。触媒が経年劣化すると決定された回数は、閾値85と比較され得る(ブロック87)。回数が閾値85未満または等しい場合、そのとき、方法58は、経年劣化した触媒または触媒活性を含むASCアセンブリ24の入口32に入る流体30の所望の温度(T
ASC IN AGED DES)(例えば、ASCアセンブリ24の触媒作業ウィンドウ内)を決定するステップ(ブロック84)を含む。回数が、閾値85よりも大きい場合、方法58は、補正処置(例えば、ASCアセンブリ24の洗浄)を推奨するステップ(ブロック89)を含む。推奨は、ユーザが知覚できる表示(例えば、制御ユニット14、44のディスプレイまたは遠隔ディスプレイ)によって提供され得る。推奨は、テキスト、音声、または視覚表示(例えば、LED)の形態を取ることができる。触媒が経年劣化した回数を監視することの代わりに、ASCアセンブリ24の温度作業ウィンドウ内の追加の調節はもはやなされることができず、したがって、補正処置が推奨され得るという決定をすることができる。
【0025】
図3は、表88(例えば、方法58のステップ84を利用する)の実施形態のグラフによる表示であり、NO
x(例えば、一酸化窒素および二酸化窒素)の量90、NO
xの量90に基づいてASCアセンブリ24の入口32に入る流体30のT
ASC IN AGED DES92を含む。NO
xの量90は、NO
xに対する測定値または測定されたNO
xの量とNO
x閾値との間の差として表示され得る。特定の実施形態では、T
ASC IN AGED DES92は、ASCアセンブリ24の触媒作業ウィンドウ内の値(℃における)として表示され得る。
【0026】
開示する実施形態の技術的効果は、ASCアセンブリ24内の経年劣化した触媒または触媒活性を診断する目的、および触媒が経年劣化する場合、ASCアセンブリ24の触媒活性を増加するために、ASCアセンブリ24の入口32に入る流体30の温度を積極的に制御する目的で実施されるシステムおよび方法を提供することを含む。特に、実施形態は、空気噴射システム40によって、ASCアセンブリ24の入口32の上流に、流体導管38の中に噴射される酸化体の量を制御する空気噴射制御ユニット44を含む後処理システム10を備える。システム10は、流体36内のNO
x排出レベルに関して、空気噴射制御ユニット44にフィードバックを提供するために、ASCアセンブリ24の出口34の下流に少なくとも1つのNO
x変換器52を含む。NO
x排出レベルに基づいて、空気噴射制御ユニット44は、ASCアセンブリ24内の触媒が経年劣化したかどうかを決定することができ、更に、触媒が経年劣化した場合、制御ユニット44は、ASCアセンブリ24に入る流体30の温度を所望の温度に調節して、ASCアセンブリ24の触媒活性を増加させることができる。ASCアセンブリ24の触媒が経年劣化したかどうかを診断することによって、応答して、ASCアセンブリ24に入る流体30の温度を積極的に制御して、触媒が経年劣化した場合、ASCアセンブリ24の触媒活性が最大化され、NO
x排出が低減されることができる。
【0027】
ここに記載する説明は、最良の形態を含む本発明を開示するための実施例を使用しており、更に当業者が、任意の装置またはシステムを作製し、使用し、かつ任意の組み込まれた方法を実施することを可能にする実施例を使用する。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に思い当たる他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言とは異ならない構造的要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言とは実質的には異ならない均等な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあると意図するものである。