特許第6664145号(P6664145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6664145情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システム、および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6664145
(24)【登録日】2020年2月20日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20200302BHJP
   A63F 13/22 20140101ALI20200302BHJP
   A63F 13/285 20140101ALI20200302BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20200302BHJP
【FI】
   G06F3/01 560
   A63F13/22
   A63F13/285
   G06F3/16 540
【請求項の数】13
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-49131(P2014-49131)
(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公開番号】特開2015-172899(P2015-172899A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2017年1月18日
【審判番号】不服2018-5754(P2018-5754/J1)
【審判請求日】2018年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100158780
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100121359
【弁理士】
【氏名又は名称】小沢 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】尾花 和俊
(72)【発明者】
【氏名】河井 宏智
(72)【発明者】
【氏名】宮武 惇一郎
(72)【発明者】
【氏名】鱒渕 祥司
(72)【発明者】
【氏名】山下 圭
(72)【発明者】
【氏名】青木 孝文
(72)【発明者】
【氏名】稲見 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】南澤 孝太
【合議体】
【審判長】 ▲吉▼田 耕一
【審判官】 白井 亮
【審判官】 稲葉 和生
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−219595(JP,A)
【文献】 特開2004−186831(JP,A)
【文献】 特開2008−277935(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/056461(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/179096(WO,A1)
【文献】 米国特許第08468280(US,B2)
【文献】 特開2006−079238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/03-3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声信号の入力に応じて音声出力装置から表示画像に応じた音声を出力するとともに、振動信号の入力に応じて振動装置を当該表示画像に応じて振動させる情報処理装置であって、
前記音声出力装置から出力される音声のソースとなる音声データと前記振動装置による振動のソースとなる振動データとを記憶するデータ記憶部と、
ユーザ操作に応じて、出力を調整するための調整量を設定する出力調整手段と、
前記設定された調整量に応じて前記音声出力装置から出力する音声の音量が変化するように、前記音声データに基づいて、前記音声信号を前記表示画像に応じて生成する音声制御手段と、
前記設定された調整量に応じて前記振動装置による振動の大きさが前記出力される音声の音量とともに変化し、前記音声に応じて振動するように、前記振動データに基づいて、前記振動信号を前記表示画像に応じて生成する振動制御手段とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記出力調整手段は、ユーザが音量を調整するボリューム操作に応じて、前記調整量を設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記振動制御手段は、前記ボリューム操作に応じて設定された調整量に応じて、前記振動装置による振動の大きさが変化するように前記振動信号を生成する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記音声制御手段は、前記調整量の増減に応じて前記音声出力装置から出力する音声の音量が増減するように前記音声信号を生成し、
前記振動制御手段は、前記調整量の増減に応じて前記振動装置を振動させる強度が増減するように前記振動信号を生成する、請求項1乃至3の何れか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記音声制御手段と前記振動制御手段とは、前記音量の変化と前記振動の大きさの変化とが同時に行われるように、それぞれ前記音声信号と前記振動信号とを生成する、請求項1乃至4の何れか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記調整量をユーザが調整するための単一の入力手段を備え、
前記出力調整手段は、前記入力手段に対する操作に応じて、前記調整量を設定する、請求項1乃至5の何れか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力調整手段は、前記音声出力装置から音声が出力され、前記振動装置が振動している間であっても、ユーザの操作に応じて、前記調整量を設定可能である、請求項1乃至6の何れか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記振動信号は、周波数の可聴領域の信号を含む、請求項1乃至7の何れか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記振動信号は、複数の周波数成分を有する、請求項1乃至8の何れか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記振動制御手段は、所定幅を有する周波数帯域の振動で前記振動装置を振動させる前記振動信号を生成する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
音声信号の入力に応じて音声出力装置から表示画像に応じた音声を出力するとともに、振動信号の入力に応じて振動装置を当該表示画像に応じて振動させる情報処理装置に含まれるコンピュータで実行される情報処理プログラムであって、
前記情報処理装置は、前記音声出力装置から出力される音声のソースとなる音声データと前記振動装置による振動のソースとなる振動データとを記憶するデータ記憶部を備え、
前記コンピュータを、
ユーザ操作に応じて、出力を調整するための調整量を設定する出力調整手段と、
前記設定された調整量に応じて前記音声出力装置から出力する音声の音量が変化するように、前記音声データに基づいて、前記音声信号を前記表示画像に応じて生成する音声制御手段と、
前記設定された調整量に応じて前記振動装置による振動の大きさが前記出力される音声の音量とともに変化し、前記音声に応じて振動するように、前記振動データに基づいて、前記振動信号を前記表示画像に応じて生成する振動制御手段として機能させる、情報処理プログラム。
【請求項12】
複数の装置が通信可能に構成され、音声信号の入力に応じて音声出力装置から表示画像に応じた音声を出力するとともに、振動信号の入力に応じて振動装置を当該表示画像に応じて振動させる情報処理システムであって、
前記音声出力装置から出力される音声のソースとなる音声データと前記振動装置による振動のソースとなる振動データとを記憶するデータ記憶部と、
ユーザ操作に応じて、出力を調整するための調整量を設定する出力調整手段と、
前記設定された調整量に応じて前記音声出力装置から出力する音声の音量が変化するように、前記音声データに基づいて、前記音声信号を前記表示画像に応じて生成する音声制御手段と、
前記設定された調整量に応じて前記振動装置による振動の大きさが前記出力される音声の音量とともに変化するように、前記振動データに基づいて、前記振動信号を前記表示画像に応じて生成する振動制御手段とを備える、情報処理システム。
【請求項13】
音声信号の入力に応じて音声出力装置から表示画像に応じた音声を出力するとともに、振動信号の入力に応じて振動装置を当該表示画像に応じて振動させる少なくとも1つの装置により構成されるシステムに含まれる1つのプロセッサまたは複数のプロセッサ間の協働により実行される情報処理方法であって、
前記音声出力装置から出力される音声のソースとなる音声データと前記振動装置による振動のソースとなる振動データとがデータ記憶部に記憶されており、
ユーザ操作に応じて、出力を調整するための調整量を設定する出力調整ステップと、
前記設定された調整量に応じて前記音声出力装置から出力する音声の音量が変化するように、前記音声データに基づいて、前記音声信号を前記表示画像に応じて生成する音声制御ステップと、
前記設定された調整量に応じて前記振動装置による振動の大きさが前記出力される音声の音量とともに変化するように、前記振動データに基づいて、前記振動信号を前記表示画像に応じて生成する振動制御ステップとを含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システム、および情報処理方法に関し、特に例えば、装置に与える振動を制御する情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置本体に振動を与えるゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、上記特許文献1で開示されたゲーム装置は、ゲーム状況に応じて装置本体に振動を与え、当該装置を把持するユーザの指や手に振動を伝える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−68210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1で開示されたゲーム装置では、ユーザの指や手に与える振動をユーザの好みに合わせて調整することができない。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、ユーザ操作に応じて、振動装置を振動させる振動を調整することができる情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システム、および情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は例えば以下のような構成を採用し得る。なお、特許請求の範囲の記載を解釈する際に、特許請求の範囲の記載によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解され、特許請求の範囲の記載と本欄の記載とが矛盾する場合には、特許請求の範囲の記載が優先する。
【0007】
本発明の情報処理装置の一構成例は、音声信号の入力に応じて音声出力装置から音声を出力するとともに、振動信号の入力に応じて振動装置を振動させる。情報処理装置は、出力調整手段、音声制御手段、および振動制御手段を備える。出力調整手段は、ユーザ操作に応じて、出力を調整するための調整量を設定する。音声制御手段は、設定された調整量に応じて音声出力装置から出力する音声の音量が変化するように音声信号を生成する。振動制御手段は、設定された調整量に応じて振動装置による振動の大きさが変化するように振動信号を生成する。
【0008】
上記によれば、同じユーザ操作によって、音量と振動の大きさとを調整することができる。
【0009】
また、上記出力調整手段は、ユーザが音量を調整するボリューム操作に応じて、調整量を設定してもよい。
【0010】
上記によれば、ユーザが音量を調整するボリューム操作に応じて、振動の大きさを調整することができる。
【0011】
また、上記振動制御手段は、ボリューム操作に応じて設定された調整量に応じて、振動装置による振動の大きさが変化するように振動信号を生成してもよい。
【0012】
上記によれば、ユーザが音量を調整した調整量と同じ調整量に応じて、振動の大きさを調整することができる。
【0013】
また、上記音声制御手段は、調整量の増減に応じて音声出力装置から出力する音声の音量が増減するように音声信号を生成してもよい。上記振動制御手段は、調整量の増減に応じて振動装置を振動させる強度が増減するように振動信号を生成してもよい。
【0014】
上記によれば、ユーザが音量を大きくするボリューム操作に応じて、振動の大きさを大きく調整することができ、ユーザが音量を小さくするボリューム操作に応じて、振動の大きさを小さく調整することができる。
【0015】
また、上記音声制御手段と上記振動制御手段とは、音量の変化と振動の大きさの変化とが同時に行われるように、それぞれ音声信号と振動信号とを生成してもよい。
【0016】
上記によれば、ユーザ操作によって、音量と振動の大きさとを同時に調整することができる。
【0017】
また、上記情報処理装置は、データ記憶部を、さらに備えてもよい。データ記憶部は、音声出力装置から出力される音声のソースとなる音声データと振動装置による振動のソースとなる振動データとを記憶する。この場合、上記音声制御手段は、データ記憶部に記憶された音声データに基づいて、音声信号を生成してもよい。上記振動制御手段は、データ記憶部に記憶された振動データに基づいて、振動信号を生成してもよい。
【0018】
上記によれば、予め用意された振動データおよび音声データを用いることによって、バリエーションに富んだ振動や音声を提示することができる。
【0019】
また、上記情報処理装置は、調整量をユーザが調整するための単一の入力手段を備えてもよい。この場合、上記出力調整手段は、入力手段に対する操作に応じて、調整量を設定してもよい。
【0020】
上記によれば、単一の入力手段を用いたユーザ操作によって、音量と振動の大きさとを調整することができる。
【0021】
また、上記出力調整手段は、音声出力装置から音声が出力され、振動装置が振動している間であっても、ユーザの操作に応じて、調整量を設定可能であってもよい。
【0022】
上記によれば、音声出力装置から音声が出力中で、振動装置が振動している間であっても、同じユーザ操作によって音量と振動の大きさとを調整することができる。
【0023】
また、上記振動信号は、周波数の可聴領域の信号を含んでもよい。
【0024】
上記によれば、振動の大きさを調整することによって振動音の発生を調整することができる。
【0025】
また、上記振動信号は、複数の周波数成分を有してもよい。
【0026】
上記によれば、複数の周波数成分を有する振動が与えられるため、バリエーションに富んだ振動をユーザに与えることができる。
【0027】
また、上記振動制御手段は、所定幅を有する周波数帯域の振動で振動装置を振動させる振動信号を生成してもよい。
【0028】
上記によれば、所定幅を有する周波数帯域の振動(例えば、所定幅を有する少なくとも1つの周波数帯域において所定の大きさ以上の値が連続する振動)が与えられるため、バリエーションに富んだ振動をユーザに与えることができる。
【0029】
また、本発明は、上記各手段としてコンピュータを機能させる情報処理プログラム、上記各手段を備える情報処理システム、または上記各手段で行われる動作を含む情報処理方法の形態で実施されてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、同じユーザ操作によって、音量と振動の大きさとを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施例に係る情報処理装置3の外観の一例を示す平面図
図2】情報処理装置3の構成の一例を示すブロック図
図3】振動発生部37の構成の一例を示すブロック図
図4】情報処理装置3を用いてゲームを行う一例を示す図
図5】情報処理装置3本体に与えられる振動の一例および情報処理装置3から出力される音声の一例を説明するための図
図6】ユーザの音量調整操作に応じて、音量および振動の大きさが変化する一例を示す図
図7】音量調整操作を行うためのスライダ位置と音声出力される音量との関係の一例を示すグラフ
図8】音量調整操作を行うためのスライダ位置と振動の大きさとの関係の一例を示すグラフ
図9】情報処理装置3の記憶部32に記憶される主なデータおよびプログラムの一例を示す図
図10】情報処理装置3において実行されるゲーム処理の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理プログラムを実行する情報処理装置について説明する。本発明の情報処理プログラムは、任意のコンピュータシステムで実行されることによって適用することができるが、情報処理装置の一例として携帯型の情報処理装置3(タブレット端末)を用い、情報処理装置3で実行される情報処理プログラムを用いて説明する。例えば、情報処理装置3は、交換可能な光ディスクやメモリーカード等の記憶媒体内に記憶された、または、他の装置から受信したプログラムや予めインストールされたプログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行可能であり、一例として、仮想空間に設定された仮想カメラから見た仮想空間画像等のコンピュータグラフィックス処理により生成された画像を画面に表示することができる。情報処理装置3は、一般的なパーソナルコンピュータ、据置型ゲーム機、携帯電話機、携帯ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)等のデバイスであってもかまわない。なお、図1は、情報処理装置3の外観の一例を示す平面図である。
【0033】
図1において、情報処理装置3は、表示部35、音声出力部36、およびアクチュエータ373を備えている。一例として、表示部35は、情報処理装置3本体前面に設けられている。例えば、表示部35は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)によって構成されるが、例えばELを利用した表示装置などが利用されてもよい。また、表示部35は、立体視可能な画像を表示することが可能な表示装置であってもよい。
【0034】
表示部35の表示画面を覆うように、入力部34の一例であるタッチパネル341が設けられている。タッチパネル341は、所定の入力面(例えば、表示部35の表示画面)に対して入力された位置を検出する。なお、入力部34は、情報処理装置3のユーザが操作入力可能な入力装置であり、どのような入力装置であってもよい。例えば、入力部34として、スライドパッド、アナログスティック、十字キー、および操作ボタン等の操作部が、情報処理装置3本体の側面や背面等に備えられてもよい。また、入力部34は、情報処理装置3本体の姿勢や動きを検出するためのセンサであってもよい。例えば、入力部34は、情報処理装置3本体に生じる加速度を検出する加速度センサや情報処理装置3本体の回転量を検出する角速度センサ(ジャイロセンサ)等であってもよい。
【0035】
音声出力部36は、音声を出力するスピーカを含み、図1に示した一例では、情報処理装置3の上側面や背面の左右に設けられた一対のステレオスピーカ(左スピーカ36Lおよび右スピーカ36R)を含んでいる。音声出力部36は、後述する制御部31から出力される音声信号(左音声制御信号および右音声制御信号)をD/A変換してアナログ音声信号(左アナログ音声信号および右アナログ音声信号)を生成し、当該アナログ音声信号をスピーカ(例えば、ステレオスピーカ)へそれぞれ出力して音声を出力させる。
【0036】
アクチュエータ373は、情報処理装置3の本体に所定の振動を与える振動アクチュエータ(振動子)であり、後述する振動発生部37に含まれる。図1に示した一例では、アクチュエータ373は、情報処理装置3本体内部の左側に設けられた左アクチュエータ373Lと、情報処理装置3本体内部の右側に設けられた右アクチュエータ373Rとを有する。具体的には、図1の破線領域で示すように、ユーザが情報処理装置3の左端部を左手で把持した場合に当該左手に近い位置となる表示部35の左側に左アクチュエータ373Lが設けられる。また、ユーザが情報処理装置3の右端部を右手で把持した場合に当該右手に近い位置となる表示部35の右側に右アクチュエータ373Rが設けられる。また、振動発生部37は、後述する制御部31から出力される振動制御信号(左振動制御信号および右振動制御信号)をD/A変換してアナログ振動信号(左アナログ振動信号および右アナログ振動信号)を生成し、当該アナログ振動信号を増幅した駆動信号をアクチュエータ373(左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373R)へそれぞれ出力してアクチュエータ373を駆動させる。
【0037】
なお、図1から明らかなように、情報処理装置3に設けられる表示部35の表示画面と左音声出力部36Lおよび右音声出力部36Rとがそれぞれ近接する位置に配置されており、表示部35の表示画面と左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rとがそれぞれ近接する位置に配置されている。また、左音声出力部36Lおよび左アクチュエータ373Lと、右音声出力部36Rおよび右アクチュエータ373Rとは、それぞれ互いに近接する位置に配置されているが、それぞれ別の位置に配設される別のユニットである。これによって、振動出力専用のユニットと音声出力専用のユニットとを備えることができるため、汎用のユニットを共用する場合と比較すると精度の高い振動および音声をそれぞれ出力することができる。なお、振動出力するためのユニットと音声出力するためのユニットとが組み合わせられて一体化されたモジュールを、情報処理装置3の左右に設けてもよい。
【0038】
次に、図2を参照して、情報処理装置3の内部構成について説明する。なお、図2は、情報処理装置3の構成の一例を示すブロック図である。
【0039】
図2において、上述した入力部34、表示部35、音声出力部36、および振動発生部37の他に、制御部31、記憶部32、およびプログラム格納部33を備える。なお、情報処理装置3は、制御部31を少なくとも含む情報処理装置と他の装置とを含む1以上の装置によって構成されてもよい。
【0040】
制御部31は、各種の情報処理を実行するための情報処理手段(コンピュータ)であり、例えばCPUである。制御部31は、各種の情報処理として、入力部34に対するユーザの操作に応じた処理等を実行する機能を有する。例えば、CPUが所定のプログラムを実行することによって、制御部31における各機能が実現される。
【0041】
制御部31は、各種の情報処理として、表示部35に表示する画像の表示制御を行う。また、制御部31は、各種の情報処理として、ステレオスピーカから出力する音声を制御するための音声制御信号(例えば、デジタル音声信号)を、音声出力部36へ出力する。また、制御部31は、各種の情報処理として、アクチュエータ373(左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373R)の振動を制御するための振動制御信号(例えば、デジタル振動信号)を、振動発生部37へ出力する。また、制御部31は、ユーザ操作に応じてアクチュエータ373を振動させる振動発生部37の出力ゲインを調整する場合、当該ユーザ操作に応じて設定される調整量に基づいて出力ゲイン調整指示データを生成して振動発生部37へ出力する。
【0042】
記憶部32は、制御部31が上記情報処理を実行する際に用いる各種のデータを記憶する。記憶部32は、例えばCPU(制御部31)がアクセス可能なメモリである。
【0043】
プログラム格納部33は、プログラムを記憶(格納)する。プログラム格納部33は、制御部31がアクセス可能な記憶装置(記憶媒体)であればどのようなものであってもよい。例えば、プログラム格納部33は、制御部31を含む情報処理装置3内に設けられる記憶装置であってもよいし、制御部31を含む情報処理装置3に着脱自在に装着される記憶媒体であってもよい。また、プログラム格納部33は、制御部31とネットワークを介して接続される記憶装置(サーバ等)であってもよい。制御部31(CPU)は、ゲームプログラムの一部または全部を適宜のタイミングで記憶部32に読み出し、読み出されたプログラムを実行するようにしてもよい。
【0044】
次に、図3を参照して、振動発生部37の構成について説明する。なお、図3は、振動発生部37の構成の一例を示すブロック図である。
【0045】
図3において、振動発生部37は、コーデック部371、増幅部372、左アクチュエータ(左振動子)373L、および右アクチュエータ(右振動子)373Rを備えている。
【0046】
コーデック部371は、制御部31から出力された振動制御信号を取得して所定の復号処理を行ってアナログ振動信号を生成し、増幅部372へ出力する。例えば、アクチュエータ373が複数設けられており、それぞれのアクチュエータ373(例えば、左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373R)から独立した振動を発生させる場合、アクチュエータ373毎に振動を制御するための振動制御信号(例えば、左振動制御信号CSLおよび右振動制御信号CSR)が制御部31から出力される。この場合、コーデック部371は、制御部31から出力された振動制御信号をそれぞれ復号して、アクチュエータ373毎に振動を発生させるためのアナログ振動信号(例えば、左アナログ振動信号ASLおよび右アナログ振動信号ASR)を生成して、増幅部372へそれぞれ出力する。
【0047】
増幅部372は、コーデック部371から出力されたアナログ振動信号を増幅してアクチュエータ373を駆動するための駆動信号を生成し、アクチュエータ373へ出力する。例えば、アクチュエータ373が複数設けられている場合(例えば、左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rが設けられている場合)、増幅部372は、コーデック部371から出力されたアナログ振動信号(例えば、左アナログ振動信号ASLおよび右アナログ振動信号ASR)の電流/電圧の振幅変化をそれぞれ増大させて駆動信号(例えば、左駆動信号DSLおよび右駆動信号DSR)を生成して、アクチュエータ373(例えば、左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373R)へそれぞれ出力する。なお、増幅部372は、制御部31の指示に応じて出力ゲインを調整する場合、増幅部372から出力ゲイン調整指示データを取得し、当該出力ゲイン調整指示データに応じて出力ゲイン(例えば、アナログ振動信号を増幅する増幅率)を変更する。
【0048】
アクチュエータ373は、増幅部372から出力された駆動信号に応じて駆動することによって、情報処理装置3の本体に当該駆動信号に応じた振動を与える。例えば、アクチュエータ373は、図1に示すように、表示部35の表示画面の中心に対して情報処理装置3本体の左側と右側とにそれぞれ設けられた、左アクチュエータ373Lと右アクチュエータ373Rとによって構成される。一例として、左アクチュエータ373Lは、情報処理装置3本体においてユーザが左手で把持する部位内に配置され、右アクチュエータ373Rは、情報処理装置3本体においてユーザが右手で把持する部位内に配置される。ここで、アクチュエータ373が情報処理装置3本体に振動を与える方式は、どのようなものでもかまわない。例えば、アクチュエータ373は、偏心モーター(ERM:Eccentric Rotating Mass)によって振動を生じさせる方式や、リニア・バイブレータ(LRA:Linear Resonant Actuator)によって振動を生じさせる方式や、ピエゾ(圧電)素子によって振動を生じさせる方式等を用いた構成であってもよい。アクチュエータ373が振動を生じさせる方式に応じて、増幅部372から出力される駆動信号が生成されれば、どのような方式のアクチュエータであっても様々な振動を情報処理装置3のユーザに与えることができる。
【0049】
なお、振動発生部37の構成については、1以上のコーデック部や1以上の増幅部が設けられてもよい。例えば、設けられている複数のアクチュエータ373毎にコーデック部や増幅部を設けることが考えられる。また、上述した説明では、コーデック部371で生成されたアナログ振動信号が増幅されてアクチュエータ373を駆動するための駆動信号が生成される例を用いたが、コーデック部371から増幅部372へ出力される信号は、デジタル信号であってもよい。例えば、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御によってアクチュエータ373を駆動する場合、コーデック部371がアクチュエータ373をオン/オフするためのパルス信号を生成すればよい。この場合、コーデック部371から増幅部372へ出力される信号は、パルス波を用いて駆動が制御されるデジタル振動信号となり、増幅部372は、当該デジタル振動信号を増幅することになる。
【0050】
次に、情報処理装置3が行う具体的な処理を説明する前に、図4図8を用いて情報処理装置3において行われる処理の概要について説明する。以下の説明では、表示部35の表示画面に表示された仮想オブジェクトOBJが移動して表示されるゲームを行う処理を、情報処理装置3において行われる処理情報処理の一例として用いる。なお、図4は、情報処理装置3を用いて上記ゲームを行う一例を示す図である。図5は、上記ゲームを行う際に、情報処理装置3本体に与えられる振動のスペクトラムの一例および情報処理装置3に設けられたスピーカから出力される音声のスペクトラムの一例を説明するための図である。図6は、ユーザの音量調整操作に応じて、音量および振動の大きさが変化する一例を示す図である。図7は、音量調整操作を行うためのスライダ位置と音声出力される音量との関係の一例を示すグラフである。図8は、音量調整操作を行うためのスライダ位置と振動の大きさとの関係の一例を示すグラフである。
【0051】
図4において、表示部35の表示画面に仮想世界内に配置された仮想オブジェクトOBJが表示される。仮想オブジェクトOBJは、ユーザ操作に応じて、または自動的に仮想世界内を移動して表示部35の表示画面に表示される。
【0052】
仮想オブジェクトOBJの移動に応じて、情報処理装置3本体が振動するとともに音声がスピーカから出力される。例えば、情報処理装置3本体に設けられた左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rは、表示部35の表示画面に表示されている仮想オブジェクトOBJの表示位置に応じて、それぞれ仮想オブジェクトOBJが移動する際に生じる振動を生じさせる。一例として、ユーザの皮膚における異なる2点(具体的には、情報処理装置3本体を把持するユーザの左手と右手)に刺激を与えることによって擬似的な1点の刺激を知覚させるファントムセンセーションを利用して、左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rは、仮想オブジェクトOBJの表示位置が振動源であるように擬似的に知覚させる振動(仮想オブジェクトOBJの表示位置が疑似力覚を提示する位置となる振動)を情報処理装置3のユーザに与える。また、情報処理装置3本体に設けられた一対のステレオスピーカ(左音声出力部36Lおよび右音声出力部36R)は、音源が定位する位置が、表示部35の表示画面に表示されている仮想オブジェクトOBJの表示位置となるような音声を出力する。このように、仮想オブジェクトOBJの表示位置と振動源として擬似的に知覚させる位置(疑似力覚提示位置)と音源定位位置とを実質的に一致させることによって、視覚と触覚と聴覚とを利用したリアルな体験をユーザに与えることができる。また、仮想オブジェクトOBJが移動する際の振動と音とを模して、左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rから与える振動と左音声出力部36Lおよび右音声出力部36Rから出力する音声とを生成することによって、さらにリアリティを高めることが可能となる。
【0053】
例えば、左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rからそれぞれ異なる振動が所定のバランスで情報処理装置3本体に与えられることによって、上述したファントムセンセーションを実現している。例えば、表示部35の表示画面における中央から左寄りの領域で仮想オブジェクトOBJが移動表示されている場合、左アクチュエータ373Lから情報処理装置3本体に与えられる振動の振幅は、右アクチュエータ373Rから情報処理装置3本体に与えられる振動の振幅より相対的に大きくなる。このように、右側から与える振動より左側から与える振動を強くすることによって、仮想オブジェクトOBJを移動表示する表示画面左寄りの位置が振動源であるようにユーザに知覚させることができる。
【0054】
ここで、図5に示すように、上記ゲーム例では、左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rからそれぞれ複数の周波数成分を有する振動(単一の周波数成分のみの振動ではない振動)が情報処理装置3本体に与えられ、スピーカから複数の周波数成分を有する音声が出力される。例えば、図5(A)および図5(B)は、上記ゲーム例において情報処理装置3本体に与えられる振動のスペクトラムの一例を示しており、所定幅を有する周波数帯域の振動(広帯域の振動)が左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rから情報処理装置3本体に与えられていることが示されている。より具体的には、10Hz(ヘルツ)より低い周波数成分から1kHz(キロヘルツ)より高い周波数成分までの周波数帯域に対する全域に対してパワーを有する振動が、左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rから情報処理装置3本体に与えられる。ここで、人間の皮膚感覚を受容する感覚受容器は、メルケル盤、マイスナー小体、パチニ小体、およびルフィニ終末等で構成されており、メルケル盤が0−200Hzの振動に応答するとされ、マイスナー小体が20−100Hzの振動に応答し30Hz付近の振動が最も感度が高いとされ、パチニ小体が100−300Hzの振動に応答し200Hz付近の振動が最も感度が高いとされている。左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rから情報処理装置3本体に与えられる振動は、人間が振動を感じることができるとされる0−1kHzの周波数帯域の振動または当該周波数帯域の一部の振動を有するとともに、これらの感覚受容器がそれぞれ応答可能な周波数成分(図5(A)および図5(B)に示すA〜C領域の周波数成分)を有しており、リアリティに富んだ触り心地を再現してユーザに提示することができる。
【0055】
また、図5に示すように、情報処理装置3のユーザに与えることができる振動および情報処理装置3から出力する音声は、それぞれ別のスペクトラムを有することができる。例えば、情報処理装置3は、人間が振動を感じることができるとされる0−1000Hzの広帯域を中心とした振動をユーザに与えることができるとともに、人間が耳に聞こえる可聴周波数である20−20000Hzの広帯域を中心とした音声を出力することができ、それぞれ別の制御信号によって別の振動体(左アクチュエータ373L、右アクチュエータ373R、およびステレオスピーカ)を制御することによってそれぞれ別のスペクトラムを有することができる。
【0056】
本実施例では、情報処理装置3本体に振動を与えるための振動データと情報処理装置3から音声を出力するための音声データとが、それぞれ別に予め用意されていてもよい。この場合、情報処理装置3本体に与える振動の種類に応じた振動データを、上記用意された振動データの中から抽出して読み出すことによって、振動制御信号が生成される。また、情報処理装置3から出力する音声に応じた音声データを、上記用意された音声データの中から抽出して読み出すことによって、音声制御信号が生成される。なお、上記振動データは、左アクチュエータ373Lから振動を与えるための振動データと右アクチュエータ373Rから振動を与えるための振動データとを、それぞれ別に用意してもかまわない。一例として、振動源の位置に基づいて左右一対の振動データを予め用意し、情報処理装置3本体に振動を与える際には知覚させる振動源の位置に応じた左右一対の振動データを読み出してもかまわない。また、上記音声データについても、左スピーカから音声出力するための音声データと右スピーカから音声出力するための音声データとを、それぞれ別に用意してもよいことは言うまでもない。また、予め用意されている音声データを振動データとして用いてもかまわない。音声データもスピーカの振動板を振動させて駆動するために用いられるデータであるため、振動子を振動させて駆動させるためのデータ(すなわち、振動データ)として用いることも可能である。
【0057】
また、本実施例では、左アクチュエータ373Lを駆動するための振動制御信号(左振動制御信号CSL)と右アクチュエータ373Rを駆動するための振動制御信号(右振動制御信号CSR)とは、それぞれ独立して生成されてもいいし、1つの振動制御信号を加工することによってそれぞれ生成されてもよい。例えば、後者の場合、各アクチュエータを振動させる振動強度に応じて予め用意されている1つの振動制御信号を加工することによって、左振動制御信号CSLおよび右振動制御信号CSRを生成することが考えられる。
【0058】
次に、図6を参照して、ユーザの音量調整操作によって音量および振動の大きさが変化する一例について説明する。所定の操作に応じて、表示部35の表示画面にユーザが音量を調整するための操作画像IBが表示される。図6に示した一例では、操作画像IBとして、現時点において設定されている音量レベルを示すゲージ画像とともに、当該音量レベルを変化させることができるスライダ画像ISが表示されている。
【0059】
スライダ画像ISは、入力部34を用いたユーザ操作(典型的には、タッチパネル341に対するタッチ操作)に応じて上記ゲージ画像に沿って移動可能であり、スライダ画像ISの移動に応じて設定する音量レベルを変化させることができる。例えば、ユーザがスライダ画像ISと重なるタッチパネル341上の位置をタッチして、上記ゲージ画像に沿った方向にドラッグ操作することによって、スライダ画像ISが当該ゲージ画像上を移動する。そして、上記ゲージ画像に対するスライダ画像ISの位置に応じて音量レベルが設定され、情報処理装置3から音声出力される際の出力ゲインが当該音量レベルに基づいて調整される。
【0060】
本実施例では、上述したユーザの音量調整操作に応じて、情報処理装置3のユーザに与えられる振動の大きさも同時に調整される。具体的には、入力部34を用いたユーザ操作によって、音量レベルが大きくなるように調整された場合、当該調整に応じて情報処理装置3のユーザに与えられる振動の大きさが大きくなるようにアクチュエータを振動させる出力ゲインが調整される。一方、入力部34を用いたユーザ操作によって、音量レベルが小さくなるように調整された場合、当該調整に応じて情報処理装置3のユーザに与えられる振動の大きさが小さくなるようにアクチュエータを振動させる出力ゲインが調整される。
【0061】
一例として、図7に示されるように、上記ゲージ画像に沿ってスライダ画像ISを最低音量レベル(典型的には、音量レベル0)の位置から最大音量レベルMAXの位置まで移動させることに応じて、最低音量(典型的には、音量0)から最大音量MAXまで線形に増加する。また、図8に示されるように、上記ゲージ画像に沿ってスライダ画像ISを最低音量レベルの位置から最大音量レベルMAXの位置まで移動させることに応じて、最低の振動の大きさ(典型的には、振動の大きさ0)から最大の振動の大きさMAXまで線形に増加する。
【0062】
なお、図7および図8に示した一例では、スライダ画像ISの位置と音量または振動の大きさとの関係が線形となっているが、他の関係でもよい。本実施例では、単一の入力手段に対するユーザ操作に応じて増減する音量に対して、アクチュエータを振動させる大きさも同時に増減するように調整されればどのような関係で調整されてもよい。例えば、スライダ画像ISの位置と音量または振動の大きさとの関係が線形以外であってもいいし、2次関数や3次以上の高次関数や他の曲線で示される関数に基づいた関係であってもよい。また、所定の範囲内を示すスライダ画像ISの位置に対しては、音量または振動の大きさが一定となる関係であってもよい。
【0063】
また、情報処理装置3のユーザに与えられる振動の大きさを調整する方法は、任意の方法でよい。一例として、振動発生部37内における出力ゲイン(例えば、増幅部372においてアナログ振動信号を増幅する増幅率)を調整することによって、情報処理装置3のユーザに与えられる振動の大きさを調整してもよい。他の例として、制御部31から出力する振動制御信号によって示される振動の大きさ自体を調整することによって、情報処理装置3のユーザに与えられる振動の大きさを調整してもよい。
【0064】
また、上述した説明では、表示部35の表示画面に表示された操作画像IBを用いて、音量および振動の大きさが調整される一例を用いたが、他の操作手段を用いて音量および振動の大きさが調整されてもよい。例えば、情報処理装置3本体の側面や背面に音量を調整するための入力部34(例えば、操作ボタンやスライドスイッチ等)が設けられている場合、当該入力部34に対する音量調整操作に応じて、振動の大きさも同時に調整されてもよい。また、情報処理装置3本体の姿勢を変えたり動かしたりすることに応じて音量調整が可能に構成されている場合、当該音量調整量に応じて振動の大きさも同時に調整されてもよい。
【0065】
また、上述したゲーム例では、仮想世界内を移動する仮想オブジェクトOBJの位置に応じて、知覚させる振動源の位置や音源を定位させる位置が設定されるが、本発明で知覚させる振動源の位置は、移動表示される画像の位置でなくてもよい。例えば、表示部35の表示画面に固定表示された仮想オブジェクトが振動源や音源であるように、左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rから与えられる振動やスピーカから出力される音声が制御されてもよい。また、実世界を撮像した画像を表示部35の表示画面に表示する場合、当該画像に出現する実世界の撮像物の位置が振動源や音源であるように、左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rから与えられる振動やスピーカから出力される音声が制御されてもよい。さらに、表示部35の表示画面に表示される画像とは無関係(例えば、表示部35の表示画面が未表示の状態)に左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rから与えられる振動やスピーカから出力される音声が制御されてもよい。また、表示部35が設けられていない情報処理装置3であっても、左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rから与えられる振動やスピーカから出力される音声が制御されてもよい。
【0066】
また、上述したゲーム例では、複数の周波数成分を有する振動を情報処理装置3本体に与えるとともに、複数の周波数成分を有する音声が出力される例を用いたが、他の振動が情報処理装置3本体に与えられたり、他の音声が出力されたりしてもよい。例えば、単一の周波数成分を有する振動を情報処理装置3本体に与えたり、単一の周波数成分を有する音声を出力したりしてもかまわない。
【0067】
次に、情報処理装置3において行われる処理の詳細を説明する。まず、図9を参照して、処理において用いられる主なデータについて説明する。図9は、情報処理装置3の記憶部32に記憶される主なデータおよびプログラムの一例を示す図である。なお、以下の処理例においては、上述したゲーム例のゲーム処理を行う際の情報処理を用いて説明を行う。
【0068】
図9に示すように、記憶部32のデータ記憶領域には、操作データDa、オブジェクト位置データDb、振動設定情報データDc、音声設定情報データDd、振動制御信号データDe、音声制御信号データDf、振動データDg、音声データDh、調整量データDi、および表示画像データDj等が記憶される。なお、記憶部32には、図9に示すデータの他、実行するアプリケーションで用いるデータ等、処理に必要なデータ等が記憶されてもよい。また、記憶部32のプログラム記憶領域には、情報処理プログラムを構成する各種プログラム群Paが記憶される。例えば、各種プログラム群Paは、振動制御信号を生成して情報処理装置3に振動を与えるための振動生成プログラム、音声制御信号を生成して情報処理装置3から音声を出力するための音声生成プログラム、および表示部35に画像を表示するための画像表示プログラム等が含まれる。
【0069】
操作データDaは、入力部34に対する操作内容を示すデータであり、例えばタッチパネル341に対するタッチ位置を示すデータを含んでいる。なお、入力部34が情報処理装置3本体の姿勢や動きを検出するためのセンサを含んでいる場合、操作データDaは、情報処理装置3本体の姿勢や動きを算出するためのデータ(例えば、情報処理装置3本体に生じる加速度を示すデータや情報処理装置3本体の角速度を示すデータ)を含んでもよい。
【0070】
オブジェクト位置データDbは、仮想世界内を移動する仮想オブジェクトOBJ(図4図6参照)の位置を示すデータである。
【0071】
振動設定情報データDcは、振動種類データDc1および振動源位置データDc2等を含む。振動種類データDc1は、情報処理装置3に与える振動の種類を示すデータである。振動源位置データDc2は、情報処理装置3のユーザに知覚させる振動源の位置を示すデータである。
【0072】
音声設定情報データDdは、音源種類データDd1および音源定位位置データDd2等を含む。音源種類データDd1は、情報処理装置3から出力する音声の種類を示すデータである。音源定位位置データDd2は、情報処理装置3から出力する音声の音源定位位置を示すデータである。
【0073】
振動制御信号データDeは、制御部31から振動発生部37へ出力する振動制御信号(左振動制御信号CSLおよび右振動制御信号CSR;図3参照)を示すデータである。音声制御信号データDfは、制御部31から音声出力部36へ出力する音声制御信号(左音声制御信号および右音声制御信号)を示すデータである。
【0074】
振動データDgは、振動制御信号を生成するために予め用意されたデータであり、情報処理装置3本体に与える振動の種類毎(例えば、振動を生じさせる仮想オブジェクト毎)にそれぞれ格納されている。音声データDhは、音声制御信号を生成するために予め用意されたデータであり、情報処理装置3から出力する音声の種類毎(例えば、音声を生じさせる仮想オブジェクト毎やBGMの種類毎)にそれぞれ格納されている。
【0075】
調整量データDiは、ユーザ操作によって調整された音量および振動の大きさそれぞれに関する調整量を示すデータである。例えば、ユーザが操作画像IBに設けられたスライダ画像ISをスライドさせることによって音量レベルを調整する場合(図6参照)、スライダ画像ISの位置に応じて音量および振動の大きさに関する調整量がそれぞれ設定される。
【0076】
表示画像データDjは、仮想オブジェクトOBJ等の各仮想オブジェクトの画像や背景画像等を生成して表示部35に表示するためのデータである。
【0077】
次に、図10を参照して、情報処理装置3において行われる情報処理の一例であるゲーム処理の詳細を説明する。なお、図10は、情報処理装置3において実行されるゲーム処理の一例を示すフローチャートである。ここで、図10に示すフローチャートにおいては、情報処理装置3における処理のうち、上記ゲーム例における仮想オブジェクトOBJが仮想世界を移動することに応じた振動および音声が出力される処理について主に説明し、これらの処理と直接関連しない他の処理については詳細な説明を省略する。また、図10では、制御部31が実行する各ステップを「S」と略称する。
【0078】
制御部31のCPUは、記憶部32のメモリ等を初期化し、プログラム格納部33から情報処理プログラムをメモリに読み込む。そして、CPUによって当該情報処理プログラムの実行が開始される。図10に示すフローチャートは、以上の処理が完了した後に行われる処理を示すフローチャートである。
【0079】
なお、図10に示すフローチャートにおける各ステップの処理は、単なる一例に過ぎず、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよいし、各ステップの処理に加えておよび/または代えて別の処理が実行されてもよい。また、本実施例では、上記フローチャートにおける一部のステップの処理を上記CPUが実行し、その他のステップの処理を上記CPU以外のプロセッサや専用回路が実行するようにしてもよく、上記フローチャートにおける全部のステップの処理を上記CPU以外のプロセッサや専用回路が実行するようにしてもよい。
【0080】
図10において、制御部31は、初期設定を行い(ステップ41)、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、表示部35に表示するための仮想世界を構築し、各パラメータを初期設定する。一例として、制御部31は、仮想世界における初期位置に仮想オブジェクトOBJを配置してオブジェクト位置データDbを設定する。また、制御部31は、表示部35の表示画面に表示する表示範囲を仮想世界に対して設定する。また、制御部31は、音量レベルの調整量を予め定められたデフォルト値や当該初期設定前に設定された値(例えば、当該ゲーム開始前に実行されていたゲーム処理等の情報処理において設定されていた値)に設定し、当該調整量を用いて調整量データDiを初期設定する。
【0081】
次に、制御部31は、入力部34から操作データを取得し、操作データDaを更新して(ステップ42)、次のステップに処理を進める。
【0082】
次に、制御部31は、仮想世界において仮想オブジェクトOBJを移動させる処理を行い(ステップ43)、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、仮想世界内に予め定められた移動経路に沿って、予め定められた移動速度で仮想オブジェクトOBJを移動させ、当該移動後の位置を用いてオブジェクト位置データDbを更新する。他の例として、制御部31は、入力部34に対する操作(情報処理装置3本体を移動させたり傾けたりする操作を含む)に応じて仮想オブジェクトOBJを移動させる場合、上記ステップ42において取得した操作データに応じて、仮想世界内で仮想オブジェクトOBJを移動させ、当該移動後の位置を用いてオブジェクト位置データDbを更新する。
【0083】
次に、制御部31は、操作データDaに基づいて、入力部34を用いて出力ゲイン調整操作が行われたか否かを判定する(ステップ44)。例えば、操作画像IBに設けられたスライダ画像ISをスライドさせる操作によって音量レベルが調整される場合(図6参照)、制御部31は、スライダ画像ISを移動させるような操作(例えば、タッチパネル341を介して、スライダ画像をドラッグするタッチ操作)が行われた場合、出力ゲイン調整操作が行われたと判定する。そして、制御部31は、出力ゲイン調整操作が行われた場合、ステップ45に処理を進める。一方、制御部31は、出力ゲイン調整操作が行われていない場合、ステップ46に処理を進める。
【0084】
ステップ45において、制御部31は、入力部34を用いて行われた出力ゲイン調整操作に応じて新たな調整量を設定して、ステップ46に処理を進める。例えば、制御部31は、出力ゲイン調整操作に応じて移動したスライダ画像ISの位置に応じて、調整量を設定する。一例として、図7に示したような関数に基づいて、制御部31は、移動後のスライダ画像ISの位置に応じた音量に関する調整量を設定して、音量に関する調整量データDiを更新する。また、図8に示したような関数に基づいて、制御部31は、移動後のスライダ画像ISの位置に応じた振動の大きさに関する調整量を設定して、振動の大きさに関する調整量データDiを更新する。なお、上記ステップ45において設定される音量に関する調整量と振動の大きさに関する調整量は、同じ値であってもいいし、異なる値であってもよい。
【0085】
ステップ46において、制御部31は、振動の種類および振動源の位置を設定して、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、振動生成プログラムおよび仮想世界に配置されている仮想オブジェクトOBJの種類に基づいて、当該仮想オブジェクトOBJが移動する際の振動の種類を設定し、当該振動の種類を示すデータを用いて振動種類データDc1を更新する。また、制御部31は、振動生成プログラムに基づいて、オブジェクト位置データDbが示す仮想オブジェクトOBJの位置が、ユーザに知覚させる振動源となるように当該振動源の位置を設定し、当該位置を示すデータを用いて振動源位置データDc2を更新する。
【0086】
次に、制御部31は、振動の大きさに関する調整量および振動設定情報に基づいて、振動制御信号を設定し(ステップ47)、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、振動生成プログラムおよび振動設定情報データDc(振動種類データDc1および振動源位置データDc2)に基づいて、振動データDgから読み出した振動データを用いて振動制御信号(振動発生部37へ出力する左振動制御信号CSLおよび右振動制御信号CSR;図3参照)を生成し、振動制御信号データDeに格納する。具体的には、制御部31は、振動種類データDc1が示す種類の振動を情報処理装置3本体に与えるとともに、振動源位置データDc2が示す位置が当該振動の振動源として知覚されるように、振動データDgからデータを読み出して当該振動に対応する左振動制御信号CSLおよび右振動制御信号CSRをそれぞれ生成する。なお、上記振動制御信号によって示される振動の大きさ自体を調整することによって、情報処理装置3のユーザに与えられる振動の大きさを調整する場合、制御部31は、調整量データDiが示す振動の大きさに関する調整量に応じて振動制御信号によって示す振動の大きさを調整し、調整後の振動制御信号を用いて振動制御信号データDeに格納する。一方、振動発生部37内における出力ゲイン(例えば、増幅部372においてアナログ振動信号を増幅する増幅率)を調整することによって、情報処理装置3のユーザに与えられる振動の大きさを調整する場合、制御部31は、調整量データDiが示す振動の大きさに関する調整量に基づいて振動発生部37に出力ゲインの調整を指示する出力ゲイン調整指示データを生成し、振動制御信号とは別に出力ゲイン調整指示データを振動制御信号データDeに格納する。
【0087】
次に、制御部31は、音源の種類および当該音源を定位させる位置を設定して(ステップ48)、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、音声生成プログラムおよび仮想世界に配置されている仮想オブジェクトOBJの種類に基づいて、当該仮想オブジェクトOBJが移動する際の音声の種類を設定し、当該音声の種類を示すデータを用いて音源種類データDd1を更新する。また、制御部31は、音声生成プログラムに基づいて、オブジェクト位置データDbが示す仮想オブジェクトOBJの位置が、上記音声の音源定位位置となるように当該音源定位位置を設定し、当該音源定位位置を示すデータを用いて音源定位位置データDd2を更新する。
【0088】
次に、制御部31は、音量の大きさに関する調整量および音声設定情報に基づいて、音声制御信号を設定し(ステップ49)、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、音声生成プログラムおよび音声設定情報データDd(音源種類データDd1および音源定位位置データDd2)に基づいて、音声制御信号(音声出力部36へ出力する左音声制御信号および右音声制御信号)を生成して音声制御信号データDfに格納する。具体的には、制御部31は、音源種類データDd1が示す種類の音声を情報処理装置3のステレオスピーカから出力するとともに、音源定位位置データDd2が示す位置が音声定位位置となるように、音声データDhからデータを読み出して左音声制御信号および右音声制御信号をそれぞれ生成する。なお、上記音声制御信号によって示される音量自体を調整することによって出力音量を調整する場合、制御部31は、調整量データDiが示す音量に関する調整量に応じて音声制御信号によって示す音量を調整し、調整後の音声制御信号を用いて音声制御信号データDfに格納する。一方、音声出力部36内における出力ゲイン(例えば、音声出力部36内の増幅部においてアナログ音声信号を増幅する増幅率)を調整することによって出力音量を調整する場合、制御部31は、調整量データDiが示す音量に関する調整量に基づいて音声出力部36に出力ゲインの調整を指示する出力ゲイン調整指示データを生成し、音声制御信号とは別に出力ゲイン調整指示データを音声制御信号データDfに格納する。
【0089】
次に、制御部31は、表示制御処理を行い(ステップ50)、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、画像生成プログラムおよびオブジェクト位置データDbに基づいて、仮想オブジェクトOBJを配置した仮想世界の画像を生成し、設定されている表示範囲内の仮想世界の画像を表示部35に表示する処理を行う。
【0090】
次に、制御部31は、制御信号出力処理を行い(ステップ51)、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、振動制御信号データDeが示す左振動制御信号CSLおよび右振動制御信号CSRをそれぞれ振動発生部37へ出力する。これによって、振動発生部37は、左振動制御信号CSLに応じた振動を左アクチュエータ373Lから発生させ、右振動制御信号CSRに応じた振動を右アクチュエータ373Rから発生させる。なお、振動制御信号データDeに出力ゲイン調整指示データが含まれている場合、制御部31は、出力ゲイン調整指示データも振動発生部37へ出力する。これによって、振動発生部37は、出力ゲイン調整指示データに応じた出力ゲインに調整しながら、左振動制御信号CSLおよび右振動制御信号CSRに応じた振動を左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rからそれぞれ発生させる。また、制御部31は、音声制御信号データDfが示す左音声制御信号および右音声制御信号をそれぞれ音声出力部36へ出力する。これによって、音声出力部36は、左音声制御信号に応じた音声を左スピーカから出力し、右音声制御信号に応じた音声を右スピーカから出力する。なお、音声制御信号データDfに出力ゲイン調整指示データが含まれている場合、制御部31は、出力ゲイン調整指示データも音声出力部36へ出力する。これによって、音声出力部36は、出力ゲイン調整指示データに応じた出力ゲインに調整しながら、左音声制御信号および右音声制御信号に応じた音声を左スピーカおよび右スピーカからそれぞれ出力させる。
【0091】
次に、制御部31は、ゲーム処理を終了するか否かを判断する(ステップ52)。ゲーム処理を終了する条件としては、例えば、ゲーム処理を終了させる条件が満たされたことや、ユーザがゲーム処理を終了する操作を行ったこと等がある。制御部31は、ゲーム処理を終了しない場合に上記ステップ42に戻って処理を繰り返し、ゲーム処理を終了する場合に当該フローチャートによる処理を終了する。
【0092】
このように、上述した実施例に係るゲーム処理では、ユーザ操作に応じて、情報処理装置3から出力される音声の音量が調整されると同時に、情報処理装置3からユーザに与えられる振動の大きさも調整することができる。一例として、情報処理装置3から出力される音声の音量を最小にして情報処理装置3の周辺に音が出ないようにしたとしても、情報処理装置3にからユーザに振動が与えられることによる振動音が情報処理装置3の周辺にもれてしまうことが考えられる。しかしながら、情報処理装置3に与えられる振動も音声の音量調整と同時に調整することによって、振動音がもれてしまうことも防止することが可能となる。
【0093】
また、左アクチュエータ373Lおよび右アクチュエータ373Rによって与えられる広帯域の振動を情報処理装置3に与えることによって、バリエーションに富んだ振動を装置本体に与えることができる。また、上述した実施例に係るゲーム処理では、仮想世界において仮想オブジェクトOBJが配置されている位置が振動源であるようにユーザに知覚させることができる。ここで、上述した実施例に係るゲーム処理では、仮想世界において仮想オブジェクトOBJが配置されている位置が情報処理装置3から出力される音声の音源定位位置となるように、仮想オブジェクトOBJが移動する際の広帯域の音声が出力される。また、表示部35の表示画面に表示されている仮想世界に仮想オブジェクトOBJが配置されている場合、仮想オブジェクトOBJが配置されている位置が表示部35の表示画面に表示される。このように、広帯域の振動による触覚、広帯域の音声による聴覚、表示画面に移動体を表示する視覚を用いて仮想オブジェクトOBJの位置を提示することによって、今までにないリアリティに富んだ体感をユーザに与えることができる。また、上述した実施例に係るゲーム処理では、情報処理装置3から出力される音声の音量が調整されると同時に、情報処理装置3からユーザに与えられる振動の大きさも調整される。したがって、音量が調整されたことに対して振動の大きさが変化しないようなバランスを欠いた状態となることを避けることが可能となり、音量が調整された状態においてもリアリティを失うことがない体感をユーザに与えることができる。
【0094】
なお、上述した説明では情報処理(ゲーム処理)を情報処理装置3で行う例を用いたが、上記情報処理における処理ステップの少なくとも一部を他の装置で行ってもかまわない。例えば、情報処理装置3がさらに他の装置(例えば、別のサーバ、他のゲーム装置、他の携帯端末)と通信可能に構成されている場合、上記情報処理における処理ステップは、さらに当該他の装置が協働することによって実行してもよい。一例として、他の装置において、仮想世界の画像の生成処理、振動制御信号の生成処理、および音声制御信号の生成処理の少なくとも1つが行われ、当該処理の結果を示す画像データや制御信号を情報処理装置3が取得することも考えられる。このように、上記情報処理における処理ステップの少なくとも一部を他の装置で行うことによって、上述した情報処理と同様の処理が可能となる。また、上述した情報処理は、少なくとも1つの情報処理装置により構成される情報処理システムに含まれる1つのプロセッサまたは複数のプロセッサ間の協働により実行されることが可能である。また、上記実施例においては、情報処理装置3の制御部31が所定の情報処理プログラムを実行することによって、上述したフローチャートによる処理が行われたが、情報処理装置3が備える専用回路によって上記情報処理の一部または全部が行われてもよい。
【0095】
ここで、上述した変形例によれば、いわゆるクラウドコンピューティングのシステム形態や分散型の広域ネットワークおよびローカルネットワークのシステム形態でも本発明を実現することが可能となる。例えば、分散型のローカルネットワークのシステム形態では、据置型の情報処理装置(据置型のゲーム装置)と携帯型の情報処理装置(携帯型のゲーム装置)との間で上記情報処理を協働により実行することも可能となる。なお、これらのシステム形態では、上述した情報処理の各ステップの処理をどの装置で行うかについては特に限定されず、どのような処理分担をしたとしても本発明を実現できることは言うまでもない。
【0096】
また、上述した情報処理で用いられる処理順序、設定値、判定に用いられる条件等は、単なる一例に過ぎず他の順序、値、条件であっても、本実施例を実現できることは言うまでもない。また、上述した情報処理装置で用いられる各構成部品の形状、数、配置位置、部品が有する機能等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、配置位置であってもいいし、他の機能を有するものであっても、本実施例を実現できることは言うまでもない。一例として、情報処理装置に振動を与えるアクチュエータや情報処理装置から音声を出力するスピーカは、3つ以上であってもよい。また、情報処理装置は、複数の表示部を有してもよい。また、上述した説明では、携帯型の装置(例えば、タブレット端末)を情報処理装置3の一例として用いたが、情報処理装置3は、携帯型の装置より相対的に大きな可搬型の装置でもよい。ここで、可搬型の装置とは、当該装置を用いる際に当該装置本体を移動させたり、当該装置を用いる際に当該本体の姿勢を変えたり、当該装置本体を持ち運びしたりできる装置であり、上述した携帯型の装置を含む概念である。
【0097】
また、上記情報処理プログラムは、外部メモリ等の外部記憶媒体を通じて情報処理装置3に供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じて情報処理装置3に供給されてもよい。また、上記情報処理プログラムは、情報処理装置3内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。なお、上記情報処理プログラムを記憶する情報記憶媒体としては、不揮発性メモリの他に、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記憶媒体、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、などでもよい。また、上記情報処理プログラムを記憶する情報記憶媒体としては、上記情報処理プログラムを記憶する揮発性メモリでもよい。このような記憶媒体は、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体ということができる。例えば、コンピュータ等に、これらの記録媒体のゲームプログラムを読み込ませて実行させることにより、上述で説明した各種機能を提供させることができる。
【0098】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。また、当業者は、本発明の具体的な実施例の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【産業上の利用可能性】
【0099】
以上のように、本発明は、ユーザ操作に応じて、振動装置を振動させる振動を調整すること等を目的として、例えば情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システム、および情報処理方法等として有用である。
【符号の説明】
【0100】
3…情報処理装置
31…制御部
32…記憶部
33…プログラム格納部
34…入力部
341…タッチパネル
35…表示部
36…音声出力部
37…振動発生部
371…コーデック部
372…増幅部
373…アクチュエータ
図1
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