(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
目標軌跡に沿って異なる物体を代表する地図データを少なくとも2回収集して、少なくとも2回の異なる物体を代表する元地図データをそれぞれ取得するための収集モジュールと、
前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識して、物体特徴を抽出するための認識モジュールと、
各前記元地図データにおける物体特徴をマッチングするためのマッチングモジュールと、
物体特徴がマッチングした物体を参照物として、参照物の相対位置関係を利用して、異なる物体を代表する各前記元地図データを融合する処理を行うための融合処理モジュールと、を備え、
前記認識モジュールは、前記元地図データにおける点群データを利用して静的物体を認識し、前記静的物体の構造特徴を抽出することに用いられ、
前記認識モジュールは、前記点群データに基づいて、道路平面を越える物体に対して最小境界ボックス認識を行い、前記最小境界ボックスの特徴に基づいてそれぞれ車両及び街灯柱を認識し、静止車両のトップ平面特徴を抽出し、且つ前記街灯柱の重心特徴を抽出することに用いられる
ことを特徴とする高精度地図データの処理装置。
前記元地図データにおける物体がそれぞれ認識されて、物体特徴が抽出される前に、収集軌跡に応じて前記元地図データにそれぞれ分析及び分割を行うための分析分割モジュールと、
分割した後の元地図データの区分を関連付けし、その後に物体認識用の関連付けられた元地図データとするための関連付けモジュールと、
をさらに備えることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の実施形態は、高精度地図データの処理方法、装置、記憶媒体及び機器を提供することを主な目的とする。複数回収集した画像データを関連付けする時に存在している地図画像における物体の位置ずれとゴーストの問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施形態は以下の技術案を採用する。
【0012】
第1の態様によれば、本発明の実施形態は高精度地図データの処理方法を提供し、この方法は、
目標軌跡に沿って地図データを少なくとも2回収集して、少なくとも2回の元地図データをそれぞれ取得するステップと、
前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識して、物体特徴を抽出するステップと、
各前記元地図データにおける物体特徴をマッチングするステップと、
物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データに融合処理を行うステップと、を含む。
【0013】
第2の態様によれば、本発明の実施形態はさらに高精度地図データの処理装置を提供し、この装置は、
目標軌跡に沿って地図データを少なくとも2回収集して、少なくとも2回の元地図データをそれぞれ取得するための収集モジュールと、
前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識して、物体特徴を抽出するための認識モジュールと、
各前記元地図データにおける物体特徴をマッチングするためのマッチングモジュールと、
物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データに融合処理を行うための融合処理モジュールと、を備える。
【0014】
第3の態様によれば、本発明の実施形態は、不揮発性コンピュータ記憶媒体を提供し、前記コンピュータ記憶媒体に1つ以上のモジュールが記憶されており、前記1つ以上のモジュールが高精度地図データの処理方法を実行する機器により実行される時に、前記機器に、
目標軌跡に沿って地図データを少なくとも2回収集して、少なくとも2回の元地図データをそれぞれ取得し、
前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識して、物体特徴を抽出し、
各前記元地図データにおける物体特徴をマッチングし、
物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データに融合処理を行うようにさせる。
【0015】
第4の態様によれば、本発明の実施形態は機器を提供し、この機器は、
1つ以上のプロセッサと、
メモリと、
1つ以上のプログラムと、を備えており、
前記1つ以上のプログラムが、前記メモリに記憶され、前記1つ以上のプロセッサにより実行される時に、
目標軌跡に沿って地図データを少なくとも2回収集して、少なくとも2回の元地図データをそれぞれ取得する操作と、
前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識して、物体特徴を抽出する操作と、
各前記元地図データにおける物体特徴をマッチングする操作と、
物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データに融合処理を行う操作と、を実行する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施形態に係る高精度地図データの処理方法、装置、記憶媒体及び機器は、元地図データにおける物体を認識して、物体特徴を抽出し、さらに各元地図データにおける物体特徴をマッチングし且つマッチングした物体を参照物として、当該参照物を利用して元地図データに融合処理を行うことにより、地図画像における物体の位置ずれの問題を解決し、地図画像のゴーストを除去し、地図画像の鮮明度を向上させる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面と実施例を参照しながら、本発明における技術案を明らかで完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、ただ本発明の一部の実施例であり、全部の実施例ではなく、ただ本発明の原理を解釈するためのものであり、本発明をこれらの一部の実施例に限定するためのものではない。本発明で開示されている実施例に基づいて、当業者にとっては、創造的労働なしに得られる全ての他の実施例が、本発明で保護される範囲に属する。
【0020】
実施例1
図1は本発明実施例1に係る高精度地図データの処理方法のフローチャートである。当該方法は高精度地図データの処理装置により実行されることができ、当該装置がソフトウェア及び/又はハードウェアにより実現され、一般的に画像データ処理能力を有するサーバに集積される。
【0021】
図1に示すように、当該方法は具体的に以下のステップを含む。
【0022】
S101:目標軌跡に沿って地図データを少なくとも2回収集して、少なくとも2回の元地図データをそれぞれ取得する。
【0023】
上記操作において、前記目標軌跡とは、地図データの収集を行う収集車、収集模型飛行機或いは収集ロボット等の収集ツールの収集経路を指し、当該経路は、人為的に予め設定されて上記収集ツールに記憶される収集経路であってもよく、収集ツールが人為的に入力された収集開始点と終了点に基づいて自主的に決定する好ましい収集経路であってもよい。
【0024】
通常、収集ツールは目標軌跡の周囲にある物体の地図データを収集する時に、全ての物体の地図データを一回で完全に収集することを確保できず、収集して得られる目標軌跡の周囲にある物体の地図データの多様性と包括性を確保するために、一般的に、収集ツールは同一の収集軌跡の周囲にある物体の地図データを少なくとも2回収集する。このように設置すると、複数回収集して得られた同一の物体の地図データに融合処理を行うことにより、当該物体のできるだけ多い情報を地図に表示させて、ユーザエクスペリエンスを高めるという利点を有する。
【0025】
なお、収集ツールはIMU、GPS又はLIDAR収集方式の少なくとも一種を含む。収集ツールは、目標軌跡に沿って周囲物体の地図データを収集して、対応する物体の点群データと画像データを取得する。
【0026】
S102:前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識し、物体特徴を抽出する。
【0027】
上記操作において、地図データの収集が完了した後に、収集ツールを利用して地図データを処理し、まず、収集ツールを利用して毎回収集して得られた元地図データにおける動的物体又は静的物体を認識し、例えば、収集して得られた元地図データに基づいて、IMUは動的物体の運動形態を算出することができ、LIDARは静的物体の形態特徴或いは構造特徴を算出することができる。元地図データにおける物体が認識された後に、異なる物体の特徴を抽出する。好ましくは、動的物体に対して、その単位時間内の移動速度及び/又は加速度等の特徴を抽出してもよく、静的物体に対して、その構造特徴、重心特徴及び/又は形態特徴等を抽出してもよい。好ましくは、参照特徴とするように、静的物体の物体特徴を収集する。
【0028】
なお、各元地図データにおける物体を認識する時に、代表的な物体を選択的に認識してもよく、全ての物体を認識してもよい。本実施例では、好ましくは、各元地図データにおける代表的な物体を認識し、例えば、元地図データにおける道路平面、道路平面にある車両、街灯柱、道路標識或いは建物平面等の代表的な物体を認識する。このように設置すると、代表的な物体を認識して認識精度を高める一方、代表的な物体のみを認識することが認識に必要な時間を短縮させ、認識コストを低下させるという利点を有する。
【0029】
S103:各前記元地図データにおける物体特徴をマッチングする。
【0030】
上記操作において、収集ツールを利用して各元地図データにおける物体を認識し、各元地図データにおける認識された物体の特徴を抽出する。抽出が完了した後に、前記各元地図データにおける同じ物体特徴をマッチングする。このように設置すると、マッチングによって、毎回で元地図データを認識して得られた物体特徴に融合処理を行う時に発生するゴースト問題を除去することができ、物体特徴とマッチングする物体と実際の物体との一致を確保し、さらに地図の精度を確保するという利点を有する。
【0031】
好ましくは、各元地図データにおける物体特徴をマッチングした後に、さらに、ランダムサンプルコンセンサス(Random Sample Consensus、RANSAC)アルゴリズムでマッチング過程でのミスマッチング操作を除去することができ、それにより、物体特徴とマッチングする物体と実際の物体との一致性をより高くし、地図の精度をより効果的に確保する。
【0032】
S104:物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データに融合処理を行う。
【0033】
上記操作において、物体特徴がマッチングした物体を参照物として、参照物の相対位置関係を利用して、異なる物体を代表する各元地図データに融合処理を行って、最終的に物体ゴーストと偏差を除去した高精度地図を取得する。
【0034】
本実施例に係る技術案は、元地図データにおける物体を認識し、認識された物体の特徴を抽出し、さらに各元地図データにおける物体特徴をマッチングし、マッチングして得られた物体を参照物とし、当該参照物の相対位置関係を利用して各元地図データに融合処理を行うことによって、各元地図データに融合処理を行う時に発生する物体の位置ずれの問題を解決し、それにより地図画像のゴーストを除去し、地図画像の鮮明度を向上させる。
【0035】
上記技術案に基づいて、好ましくは、前記の前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識して、物体特徴を抽出する前に、収集軌跡に応じて前記元地図データそれぞれに分析及び分割を行うステップと、分割した後の元地図データの区分を関連付けし、その後に物体認識用の関連付けられた元地図データとするステップと、をさらに含む。
【0036】
まず、毎回収集して得られた元地図データを分析し、分析の内容は、収集軌跡の長さ、収集して得られた元地図データのグレースケール値又は代表的な物体の特徴値等を含んでもよい。次に、各元地図データを分割し、収集軌跡の長さによって複数の区分に平均に分割したり、所定の規則に応じて分割したりし、元地図データのグレースケール値の変化に応じて複数の区分に分割し、或いは代表的な物体の特徴値に応じて複数の区分に分割してもよい。ここで、分割の原則を限定せず、人為的に予め設定された分割原則或いは収集ツールのデフォルト分割原則で分割してもよく、また、分割する区分の数も限定されない。
【0037】
分割された対応する各元地図データの区分を関連付けし、関連付けした後の各元地図データの区分のオフセット回転角度及びオフセット量を分析することにより、後続の操作を容易にする。
【0038】
収集軌跡が長い場合、収集ツールが収集軌跡の周囲にある物体に対して地図データ収集を行う過程において、異なる区分の収集軌跡で収集するオフセット回転角度及びオフセット量が異なり、収集軌跡全体を直接処理すると、各元地図データに融合処理を行う時に、オフセット補正回転角度及びオフセット補正量を統一的に設定しにくく、固定値として設定すると、当該オフセット回転角度及びオフセット量と同じ又は近いオフセット回転角度及びオフセット量を有する元地図データの区分における地図データの偏差のみを除去して、その地図画像のゴースト問題を解決することができ、当該オフセット回転角度及びオフセット量と差異が大きいオフセット回転角度及びオフセット量を有する他の元地図データの区分における地図データの偏差が依然として存在し、地図画像のゴースト問題も存在している。
【0039】
したがって、収集軌跡に分析及び分割を行うことは、その後に物体の関連付けられた元地図データを認識して、物体特徴を抽出した後に、各元地図データの区分のオフセット回転角度及びオフセット量に応じて各元地図データに融合処理を行って、融合処理において発生する物体の位置ずれの問題をよりよく解決し、地図画像のゴーストを除去するという利点を有する。
【0040】
さらに、上記技術案に基づいて、前記した物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データに融合処理を行うステップは、物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データのオフセット回転角度及びオフセット量を計算するステップと、各元地図データのオフセット回転角度及びオフセット量に基づいて、元地図データに融合処理を行うステップと、が最適化される。
【0041】
収集軌跡に応じて各元地図データに分析及び分割を行って、分割した各元地図データの区分を関連付けした後に、各元地図データのオフセット回転角度及びオフセット量を計算し、ここで、物体特徴がマッチングした物体のオフセット回転角度及びオフセット量を計算してもよく、当該物体のオフセット回転角度及びオフセット量を対応する元地図データの区分のオフセット回転角度及びオフセット量とする。
【0042】
各元地図データの区分のオフセット回転角度及びオフセット量、及び決定された参照物に基づいて、各元地図データの区分に融合処理を行う。
【0043】
好ましくは、反復最近傍点(Iterative Closest Point、ICP)アルゴリズムで各元地図データのオフセット量角度及びオフセット量を計算する。
【0044】
実施例2
本発明実施例2に係る高精度地図データの処理方法は、上記実施例に基づいて、さらに、前記の前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識し、物体特徴を抽出するステップを最適化し、前記元地図データにおける点群データを利用して静的物体を認識し、前記静的物体の構造特徴を抽出するように最適化される。
【0045】
点群データにおいて異なる物体の反射率と形態特徴を含む。点群データが物体データの表面モデルの一連の離散点であるため、画像データを利用して物体を認識することに比べて、点群データを利用して静的物体を認識することは、物体認識の精度を向上させ、さらに抽出して得られた物体特徴の精度を向上させることができる。
【0046】
オプションとして、上記各実施例の技術案に基づいて、前記元地図データにおける点群データの反射率を利用して、車線を認識し、車線によって道路平面をフィッティングして決定し、前記道路平面の平面特徴を抽出する。
【0047】
収集ツールは元地図データにおける点群データの反射率を利用して車線を認識する。車線が特別な反射塗料で製造されるため、車線の反射率が他の物体の反射率より高く、したがって、その高い反射率を利用して、収集ツールは各元地図データにおいて車線を認識し、さらに、車線を認識した後に、車線の幅と長さによって道路平面をフィッティングして決定し、当該道路平面の平面特徴を抽出し、当該平面特徴は道路平面の幅又は長さ等の特徴を含んでもよい。
【0048】
さらに、前記点群データに基づいて、前記道路平面を越える物体に対して最小境界ボックス認識を行い、前記最小境界ボックスの特徴に基づいて車両及び街灯柱をそれぞれ認識し、前記静止車両のトップ平面特徴を抽出し、且つ前記街灯柱の重心特徴を抽出する。
【0049】
道路平面を多種の方式で決定することができ、それから、道路平面に基づいて街灯柱を認識する。前記境界ボックスは、物体を収容できる仮想六面体構造であってもよく、最小境界ボックスは物体をちょうど収容できる仮想六面体構造であってもよい。物体の形態特徴によって、異なる物体の最小境界ボックスの特徴が異なる。
【0050】
図2は本発明実施例2に係る最小境界ボックスの模式図であり、
図2に示すように、最小境界ボックスの特徴は最小境界ボックスの所定の頂点Aの3次元座標A(x1、y1、z1)であってもよく、最小境界ボックスの中心点Oから各頂点までの距離の平均値であってもよく、ここで、x1は最小境界ボックスの長さを示し、y1は最小境界ボックスの幅を示し、z1は最小境界ボックスの高さを示す。例示的に、最小境界ボックスの特徴を所定の頂点Aの3次元座標A(x1、y1、z1)とし、車両の最小境界ボックスの特徴はx1>z1、且つy1>z1であり、街灯柱の最小境界ボックスの特徴はz1>>x1、且つz1>>y1である。
【0051】
収集ツールが収集して得た元地図データにおける点群データに基づいて、道路平面を越える物体の最小境界ボックスを認識し、異なる物体の最小境界ボックスの特徴に基づいて、代表的な物体である車両及び街灯柱をそれぞれ認識し、認識された車両のトップ平面特徴を抽出し、認識された街灯柱の重心特徴を抽出する。
【0052】
さらに、前記元地図データにおける点群データの反射率に基づいて、反射率が高反射率条件を満たす点群データをクラスタリングし、クラスタリングした点群データに対して平面フィッティングを行い、フィッティングした平面において道路標識を認識し、前記道路標識の平面特徴を抽出する。
【0053】
LIDARを利用して物体の地図データを収集し物体の点群データを取得し、点群データは異なる物体の反射率を含み、収集軌跡の周囲にある物体について、一部の物体の反射率が低く、例えば草木、車両又は建物等であり、ほかの部分の物体の反射率が高く、例えば車線、ガラス又は道路標識等である。収集ツールは点群データにおける異なる物体の反射率を分析して計算し、反射率が予め設定された閾値範囲より高い場合、当該物体の点群データが高反射条件の点群データであると決定し、予め設定された閾値範囲は、対応する収集軌跡に基づいて人為的に予め設定されるものであってもよく、収集ツールがデフォルト設定するものであってもよい。
【0054】
反射率の高低に基づいて点群データを分類し、上記に決定された、反射率が高反射率条件を満たす同一物体の点群データをクラスタリングし、クラスタリングした点群データに対して平面フィッティングを行い、フィッティングして得られた平面において道路標識を認識し、認識された道路標識の平面特徴を抽出する。一般に、道路標識が道路平面の両側或いは交差点にあり、したがって、道路標識の平面特徴を抽出し、後続の操作で各元地図データにおける道路標識の平面特徴をマッチングし、道路標識の平面特徴がマッチングした当該道路標識を参照物として、当該道路標識の相対位置関係を利用して各元地図データに融合処理を行うことにより、融合処理の精度をさらに向上させ、地図画像のゴースト問題をよりよく解決し、地図画像の鮮明度を向上させることができる。
【0055】
なお、上記した点群データの反射率に基づいて代表的な物体を認識する処理過程が、単独に採用されてもよく、組み合わせて採用されてもよい。
【0056】
本実施例の技術案は、点群データを利用して静的物体を認識し、静的物体の構造特徴を抽出し、さらに、点群データの反射率の高低に基づいて、道路平面において静止車両、街灯柱及び/又は道路標識等の代表的な物体の地図データを認識することにより、後続の操作で各元地図データにおける代表的な物体の特徴をマッチングし、物体特徴がマッチングした代表的な物体を参照物として、当該代表的な物体の相対位置関係を利用して各元地図データに融合処理を行い、融合処理の精度をさらに向上させ、地図画像のゴースト問題をよりよく解決し、地図画像の鮮明度を向上させることができる。
【0057】
実施例3
図3は本発明実施例3に係る高精度地図データの処理装置の構造模式図である。
【0058】
図3に示すように、当該実施例の装置は、具体的に、収集モジュール31、認識モジュール32、マッチングモジュール33、及び融合処理モジュール34を備える。
【0059】
収集モジュール31は、目標軌跡に沿って地図データを少なくとも2回収集して、少なくとも2回の元地図データをそれぞれ取得することに用いられ、
認識モジュール32は、前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識し、物体特徴を抽出することに用いられ、
マッチングモジュール33は、各前記元地図データにおける物体特徴をマッチングすることに用いられ、
融合処理モジュール34は、物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データに融合処理を行うことに用いられる。
【0060】
本実施例の技術案は、収集モジュール31によって、目標軌跡に沿って地図データを少なくとも2回収集して、少なくとも2回の元地図データをそれぞれ取得し、認識モジュール32によって、取得した少なくとも2回の元地図データにおける物体を認識し、物体特徴を抽出し、その後に、マッチングモジュール33によって、抽出して得られた各元地図データにおける物体特徴をマッチングし、マッチングが完了した後に、融合処理モジュール34によって、物体特徴がマッチングした物体を参照物として、参照物の相対位置関係を利用して各元地図データに融合処理を行う。それにより、各元地図データに融合処理を行う時に発生する物体の位置ずれの問題を解決し、地図画像のゴースト除去し、地図画像の鮮明度を向上させる。
【0061】
さらに、前記装置の認識モジュール32は、具体的に、前記元地図データにおける点群データを利用して静的物体を認識し、前記静的物体の構造特徴を抽出することに用いられる。
【0062】
さらに、認識モジュール32は、具体的に、前記元地図データにおける点群データの反射率に基づいて、道路平面において車線を認識し、前記車線によって道路平面をフィッティングし、前記道路平面の平面特徴を抽出することに用いられる。
【0063】
さらに、認識モジュール32は、具体的に、前記点群データに基づいて、前記道路平面を越える物体に対して最小境界ボックス認識を行い、前記最小境界ボックスの特徴に基づいてそれぞれ車両及び街灯柱を認識し、前記静止車両のトップ平面特徴を抽出し、且つ前記街灯柱の重心特徴を抽出することに用いられる。
【0064】
さらに、認識モジュール32は、具体的に、前記元地図データにおける点群データの反射率に基づいて、反射率が高反射率条件を満たす点群データをクラスタリングし、クラスタリングした点群データに対して平面フィッティングを行い、フィッティングした平面において道路標識を認識し、前記道路標識の平面特徴を抽出することに用いられる。
【0065】
上記技術案に基づいて、当該装置は、
前記元地図データにおける物体がそれぞれ認識され、物体特徴が抽出される前に、収集軌跡に応じて前記元地図データにそれぞれ分析及び分割を行うための分析分割モジュール35と、
分割した後の元地図データの区分を関連付けし、その後に物体認識用の関連付けられた元地図データとするための関連付けモジュール36と、をさらに備える。
【0066】
さらに、前記融合処理モジュール34は、
物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データのオフセット回転角度及びオフセット量を計算するためのオフセットパラメータ計算ユニット341と、
各元地図データのオフセット回転角度及びオフセット量に基づいて、元地図データに融合処理を行うための融合処理ユニット342と、を備える。
【0067】
上記地図データの処理装置は本発明のいずれか実施例に係る高精度地図データの処理方法を実行することができ、方法を実行するための対応する機能モジュールと有益な効果を有する。
【0068】
実施例4
本実施例は、不揮発性コンピュータ記憶媒体を提供し、前記コンピュータ記憶媒体に1つ以上のモジュールが記憶されており、前記1つ以上のモジュールが高精度地図データの処理方法を実行する機器により実行される時に、前記機器に、
目標軌跡に沿って地図データを少なくとも2回収集して、少なくとも2回の元地図データをそれぞれ取得し、
前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識して、物体特徴を抽出し、
各前記元地図データにおける物体特徴をマッチングし、
物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データに融合処理を行うようにさせる。
【0069】
上記記憶媒体に記憶されているモジュールが前記機器により実行される時に、好ましくは、前記の前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識し、物体特徴を抽出することは、
前記元地図データにおける点群データを利用して静的物体を認識し、前記静的物体の構造特徴を抽出することを含む。
【0070】
上記記憶媒体に記憶されているモジュールが前記機器により実行される時に、好ましくは、前記の前記元地図データにおける点群データを利用して静的物体を認識し、前記静的物体の構造特徴を抽出することは、
前記元地図データにおける点群データの反射率に基づいて、車線を認識し、前記車線によって道路平面をフィッティングし、前記道路平面の平面特徴を抽出することを含む。
【0071】
上記記憶媒体に記憶されているモジュールが前記機器により実行される時に、好ましくは、前記の前記元地図データにおける点群データを利用して静的物体を認識し、前記静的物体の構造特徴を抽出することは、さらに、
前記点群データに基づいて、道路平面を越える物体に対して最小境界ボックス認識を行い、前記最小境界ボックスの特徴に基づいてそれぞれ車両及び街灯柱を認識し、前記静止車両のトップ平面特徴を抽出し、且つ前記街灯柱の重心特徴を抽出することを含む。
【0072】
上記記憶媒体に記憶されているモジュールが前記機器により実行される時に、好ましくは、前記の前記元地図データにおける点群データを利用して静的物体を認識し、前記静的物体の構造特徴を抽出すること、さらに、
前記元地図データにおける点群データの反射率に基づいて、反射率が高反射率条件を満たす点群データをクラスタリングし、クラスタリングした点群データに対して平面フィッティングを行い、フィッティングした平面において道路標識を認識し、前記道路標識の平面特徴を抽出すことを含む。
【0073】
上記記憶媒体に記憶されているモジュールが前記機器により実行される時に、好ましくは、前記の前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識し、物体特徴を抽出する前に、
収集軌跡に応じて前記元地図データにそれぞれ分析及び分割を行うことと、
分割した後の元地図データ区分を関連付けし、その後に物体認識用の関連付けられた元地図データとすることと、をさらに含んでもよい。
【0074】
上記記憶媒体に記憶されているモジュールが前記機器により実行される時に、前記の物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データに融合処理を行うことは、好ましくは、
物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データのオフセット回転角度及びオフセット量を計算するステップと、
各元地図データのオフセット回転角度及びオフセット量に基づいて、元地図データに融合処理を行うステップと、を含んでもよい。
【0075】
実施例5
図4は本発明実施例5に係る高精度地図データの処理方法を実行する機器のハードウェアの構造概略図である。
【0076】
図4に示すように、当該機器は、
1つ以上のプロセッサ410(
図4に1つのプロセッサ410を例にする)と、
メモリ420と、
1つ以上のモジュールと、を備える。
【0077】
前記機器は、入力装置430と出力装置440をさらに備えてもよい。前記装置のプロセッサ410、メモリ420、入力装置430及び出力装置440はバス又はその他の方式によって接続されることができ、
図4において、バス接続を例にする。
【0078】
メモリ420はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、ソフトウェアプログラム、コンピュータ実行可能なプログラム及びモジュール、例えば本発明の実施形態における高精度地図データの処理方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、
図3に示される収集モジュール31、認識モジュール32、マッチングモジュール33及び融合処理モジュール34)を記憶することに用いられてもよい。プロセッサ410はメモリ420に記憶されるソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行して、それによりサーバの各種の機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、すなわち上記方法の実施形態における高精度地図データの処理方法を実現する。
【0079】
メモリ420はオペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶できるプログラム記憶領域、及び端末装置の使用に応じて作成されるデータ等を記憶できる記憶データ領域を備える。また、メモリ420は高速ランダムアクセスメモリを備えてもよく、さらに不揮発性メモリ、例えば少なくとも1つのディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性ソリッドステートメモリデバイスを備えてもよい。いくつかの例では、メモリ420は、プロセッサ410に対して遠隔に設置されるメモリを備えてもよく、これらの遠隔メモリはネットワークで端末装置に接続されてもよい。上記ネットワークの例はインターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動体通信ネットワーク及びその組合せを含むが、それらに限定されない。
【0080】
入力装置430は入力されたデジタル又は文字情報を受信し、及び端末のユーザ設定及び機能制御に関連するキー信号入力を生成することに用いられてもよい。出力装置440はディスプレイスクリーン等の表示装置を備えてもよい。
【0081】
前記1つ以上のモジュールは、前記メモリ420に記憶され、前記1つ以上のプロセッサ410により実行される時に、
目標軌跡に沿って地図データを少なくとも2回収集して、少なくとも2回の元地図データをそれぞれ取得する操作と、
前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識し、物体特徴を抽出する操作と、
各前記元地図データにおける物体特徴をマッチングする操作と、
物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データに融合処理を行う操作と、を実行する。
【0082】
さらに、前記の前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識し、物体特徴を抽出する操作は、
前記元地図データにおける点群データを利用して静的物体を認識し、前記静的物体の構造特徴を抽出するステップを含んでもよい。
【0083】
さらに、前記の前記元地図データにおける点群データを利用して静的物体を認識し、前記静的物体の構造特徴を抽出する操作は、
前記元地図データにおける点群データの反射率に基づいて、車線を認識し、前記車線によって道路平面をフィッティングし、前記道路平面の平面特徴を抽出するステップをさらに含んでもよい。
【0084】
さらに、前記の前記元地図データにおける点群データを利用して静的物体を認識し、前記静的物体の構造特徴を抽出する操作は、
前記点群データに基づいて、道路平面を越える物体に対して最小境界ボックス認識を行い、前記最小境界ボックスの特徴に基づいてそれぞれ車両及び街灯柱を認識し、前記静止車両のトップ平面特徴を抽出し、且つ前記街灯柱の重心特徴を抽出するステップをさらに含んでもよい。
【0085】
さらに、前記の前記元地図データにおける点群データを利用して静的物体を認識し、前記静的物体の構造特徴を抽出する操作は、
前記元地図データにおける点群データの反射率に基づいて、反射率が高反射率条件を満たす点群データをクラスタリングし、クラスタリングした点群データに対して平面フィッティングを行い、フィッティングした平面において道路標識を認識し、前記道路標識の平面特徴を抽出するステップをさらに含んでもよい。
【0086】
さらに、前記の前記元地図データにおける物体をそれぞれ認識し、物体特徴を抽出する前に、前記方法は、
収集軌跡に応じて前記元地図データにそれぞれ分析及び分割を行うステップと、
分割した後の元地図データ区分を関連付けし、その後に物体認識用の関連付けられた元地図データとするステップと、をさらに含んでもよい。
【0087】
さらに、前記の物体特徴がマッチングした物体を参照物として、各前記元地図データに融合処理を行う操作は、
物体特徴とマッチングする物体を参照物として、各前記元地図データのオフセット回転角度及びオフセット量を計算するステップと、
各元地図データのオフセット回転角度及びオフセット量に基づいて、元地図データに融合処理を行うステップと、をさらに含んでもよい。
【0088】
上記実施形態の説明によれば、当業者は、本発明がソフトウェア、および必要な汎用ハードウェアにより実現されてもよく、勿論ハードウェアにより実現されてもよいが、多くの場合、前者が好ましい実施形態であると理解すべきである。このような理解に基づいて、本発明の技術案は、実質的な部分、または従来技術を改良する部分をソフトウェア製品の形態で実現してもよい。当該コンピュータソフトウェア製品は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えばコンピュータのフロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、読み出し専用メモリ(Read−Only Memor、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)などに記憶されてもよく、且つコンピュータ機器(パソコン、サーバ、またはネットワーク機器などであってもよく)に本発明の各実施例に係る方法を実行させる複数の命令を含む。
【0089】
注意すべきのは、上記高精度地図データの処理装置の実施形態に含まれる各ユニットとモジュールが、機能ロジックのみに応じて区画されるが、上記区画に限定されない。対応する機能を実現することができればよい。また、各機能ユニットの具体的な名称は、単に区別を容易にするためのものであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0090】
以上で説明したのは、本発明の具体的な実施形態だけであり、本発明の保護範囲は、これらに限定されるものではない。いかなる当業者が本発明に開示された技術範囲内に容易に想到できる変更または置換の全ては、本発明の保護範囲内に入るべきである。従って、本発明の保護範囲は、添付される特許請求の範囲を基準としているものである。