(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、液体を受け入れて流通させる導入管と、導入管に連通する管体からなるベース管を有して液体をベース管の周方向に噴射することで同周方向に沿って回転する回転翼と、回転駆動力を入力する入力軸を有してこの回転駆動力を電気エネルギに変換する発電機と、導入管に対してベース管が直接または入力軸を介して回転自在に連結する回転連結部とを備え、発電機は、入力軸にベース管が接続されてこのベース管の回転駆動によって発電する
ものであり、入力軸は、一方の端部が回転連結部に接続されるとともに他方の端部がベース管に接続されて発電機が回転連結部と回転翼との間に配置されていることにある。
【0007】
このように構成した本発明の特徴によれば、発電装置は、液体の噴射力によって回転駆動する回転翼のベース管に発電機が接続されるという簡易な構成であるため、メンテナンス性および発電効率を良好にすることができる。なお、この発電装置における導入管には、湖沼、池、河川、ダム、貯水槽またはプールなどから水を引いて供給することができる。
また、本発明の特徴によれば、発電装置は、入力軸が発電機を貫通した状態で設けられた状態で入力軸の一方の端部が回転連結部に接続されるとともに他方の端部がベース管に接続されて発電機が回転連結部と回転翼との間に配置されているため、装置構成を簡単にすることができる。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、液体を受け入れて流通させる導入管と、導入管に連通する管体からなるベース管を有して液体をベース管の周方向に噴射することで同周方向に沿って回転する回転翼と、回転駆動力を入力する入力軸を有してこの回転駆動力を電気エネルギーに変換する発電機と、導入管に対してベース管が直接または入力軸を介して回転自在に連結する回転連結部とを備え、発電機は、入力軸にベース管が接続されてこのベース管の回転駆動によって発電するものであり、回転連結部は、ベース管または入力軸が連結される部分から導入管が連結される部分側に向かって外径が大きくなる筒状に形成された筒状拡径部と、導入管が連結される部分から筒状拡径部の外周面を筒状の隙間を介して覆いつつ内径が縮小する筒状に形成された筒状縮径部と、筒状拡径部の外周面と筒状縮径部の内径との間の筒状の隙間で構成されて導入管の内部および同導入管の外部にそれぞれ連通する筒状流路とを有することにある。
【0009】
このように構成した本発明の特徴によれば、発電装置は、
液体の噴射力によって回転駆動する回転翼のベース管に発電機が接続されるという簡易な構成であるため、メンテナンス性および発電効率を良好にすることができる。なお、この発電装置における導入管には、湖沼、池、河川、ダム、貯水槽またはプールなどから水を引いて供給することができる。また、本発明の特徴によれば、発電装置は、回転連結部が筒状拡径部の外周面と筒状縮径部の内径との間の筒状の隙間で構成されて導入管の内部および同導入管の外部にそれぞれ連通する筒状流路を有して構成されている。これにより、発電装置は、導入管に供給された液体が筒状流路を流通することで導入管に対して回転翼が円滑に回転することができる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、前記発電装置において、筒状拡径部は、外径および内径が徐々に拡大する傾斜面を有して構成されており、筒状拡径部と
導入菅とは、互いの先端部同士が対向し合って突き当たり可能に形成されていることにある。
【0011】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、発電装置は、筒状拡径部の外径および内径が徐々に拡大する傾斜面を有して構成されているとともに、筒状拡径部と
導入菅とは互いの先端部同士が対向し合って突き当たり可能に形成されているため、導入管からの液体の供給または供給の停止によって回転翼または入力軸が導入管に対して離隔または突き当たる。これにより、発電装置は、導入管から供給される液体を筒状流路に導くことができるとともに、導入管から液体の供給が停止した際に筒状拡径部、さらには回転翼のベース管が導入管内に入り込むことを防止することができる。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、発電装置において、回転翼は、
液体を吐出する吐出口が同回転翼の回転面に対して回転連結部側に傾斜していることにある。
【0013】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、発電装置は、回転翼における
液体を吐出する吐出口が同回転翼の回転面に対して回転連結部側に傾斜しているため、回転翼から液体を吐出することで回転翼を導入管から効果的に離隔させて導入管から供給される液体を効果的に筒状流路に導くことができる。
【0014】
また、本発明は、上記目的を達成するため、液体を受け入れて流通させる導入管と、導入管に連通する管体からなるベース管を有して液体を前記ベース管の周方向に噴射することで同周方向に沿って回転する回転翼と、回転駆動力を入力する入力軸を有してこの回転駆動力を電気エネルギーに変換する発電機と、導入管に対してベース管が直接または入力軸を介して回転自在に連結する回転連結部とを備え、発電機は、入力軸にベース管が接続されてこのベース管の回転駆動によって発電するものであり、回転翼は、ベース管の径方向に延びる少なくとも1つの管体で構成されて液体をベース管の周方向にそれぞれ噴射することで同周方向に沿って回転するアーム管を備えており、アーム管の下方には、同アーム管が液体を噴射する回転軌跡の下方に同回転軌跡に沿ってリング状に延びる樋状または溝状の噴射液受け
を設けて構成することができる。
【0015】
これによれば、発電装置は、液体の噴射力によって回転駆動する回転翼のベース管に発電機が接続されるという簡易な構成であるため、メンテナンス性および発電効率を良好にすることができる。なお、この発電装置における導入管には、湖沼、池、河川、ダム、貯水槽またはプールなどから水を引いて供給することができる。
【0016】
また、本発明は、前記発電装置において、回転翼は、ベース管の径方向に延びる少なくとも1つの管体で構成されて液体をベース管の周方向にそれぞれ噴射することで同周方向に沿って回転するアーム管を備えることができる。
【0017】
これによれば、発電装置は、回転翼がベース管の径方向に延びる少なくとも1つの管体で構成されて液体をベース管の周方向にそれぞれ噴射することで同周方向に沿って回転するアーム管を備えているため、ベース管に大きな回転駆動力を与えることができ発電効率を向上させることができる。この場合、発電装置は、ベース管の径方向に延びる少なくとも2つの管体で構成された2つのアーム管を備えるとよい。
【0018】
また、本発明は、前記発電装置において、回転翼は、ベース管の一方の端部が回転連結部に接続されるとともに他方の端部が発電機の入力軸に接続されて発電機が回転翼に対して回転連結部とは反対側に配置することができる。
【0019】
これによれば、発電装置は、回転翼におけるベース管の一方の端部が回転連結部に接続されるとともに他方の端部が発電機の入力軸に接続されて発電機が回転翼に対して回転連結部とは反対側に配置されているため、回転翼に導かれる液体が発電機内を流通することを避けることができメンテナンス性を構成させることができる。
【0020】
また、本発明は、前記発電装置において、発電機は、入力軸が水平方向となる姿勢または同入力軸が回転翼よりも上方に延びる姿勢で設けることができる。
【0021】
これによれば、発電装置は、発電機の入力軸が水平方向となる姿勢または同入力軸が回転翼よりも上方に延びる姿勢で発電機が設けられているため、回転翼から噴射された液体が発電機に付着することを抑制でき装置構成の簡単化および長寿命化を図ることができる。
【0022】
また、本発明は、前記発電装置において、さらに、回転翼の周囲を覆って同回転翼から噴射された液体を回収する回収槽を備えることができる。
【0023】
これによれば、発電装置は、回転翼の周囲を覆って同回転翼から噴射された液体を回収する回収槽を備えているため、回転翼から噴射される液体の飛散を防止することができるとともに回収した液体の再利用が行ない易くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る発電装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る発電装置100の外観構成の概略を模式的に示す断面図である。また、
図2は、
図1に示す発電装置100の外観構成の概略を模式的に示す平面図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この発電装置100は、湖沼、池、河川、ダム、貯水槽またはプールなどの水の供給源から引いた水の力を動力として発電を行う装置である。この場合、水の供給源としては水が落差によって流れることによる運動エネルギが得られるもの、すなわち、位置エネルギを有する水を溜めたものを利用することができる。
【0026】
(発電装置100の構成)
発電装置100は、導入管101を備えている。導入管101は、図示しないダムまたは貯水池などの水の供給源から引いた液体WKを回転翼120に導くための流路を形成する部品であり、金属材または樹脂材を円筒状に形成した管体で構成されている。本実施形態においては、導入管101は、鋼鉄製のパイプ材で構成されている。この導入管101は、後述する回収槽130の底部131の周囲に起立する側面132を貫通した状態で設けられており、一方(図示右側)の端部がダムまたは貯水池の取水管に繋がっているとともに、他方(図示左側)の端部が回収槽130内で回転連結部102に接続されている。
【0027】
回転連結部102は、
図3に示すように、導入管101に対して発電機110の入力軸112を介して回転翼120を回転自在に連結する部分であり、主として、筒状拡径部103、筒状縮径部104および筒状流路105をそれぞれ備えて構成されている。筒状拡径部103は、発電機110から延びる入力軸112の先端部に取り付けられて筒状流路105を形成する部品であり、金属材または樹脂材を円筒状に形成して構成されている。より具体的には、筒状拡径部103は、嵌合部103a、傾斜面103bおよび対向部103cをそれぞれ備えて構成されている。
【0028】
嵌合部103aは、発電機110の入力軸112の先端部の外側に嵌合する部分であり、直線状に延びる円筒状に形成されている。この場合、嵌合部103aは、発電機110の入力軸112の先端部に対して接着剤で固着している。傾斜面103bは、発電機110の入力軸112の外径および内径よりも大きな外径および内径にそれぞれ徐々に広がるテーパ状の部分である。
【0029】
対向部103cは、傾斜面103bが拡径した最大外径で直線状に延びる円筒状に形成されている。この対向部103cは、導入管101の先端部に突き当たる大きさおよび厚さで形成されている。本実施形態においては、対向部103cは、導入管101の外径よりも若干小さい外径に形成されている。なお、筒状拡径部103は、発電機110の入力軸112の先端部に一体的に形成されていてもよい。
【0030】
筒状縮径部104は、導入管101の先端部に取り付けられて筒状流路105を形成する部品であり、金属材または樹脂材を円筒状に形成して構成されている。より具体的には、筒状縮径部104は、筒状拡径部103の外周面に対して隙間を介して覆う大きさに形成された嵌合部104a、傾斜面104bおよび流出部104cをそれぞれ備えて構成されている。
【0031】
嵌合部104aは、導入管101の先端部の外側に嵌合する部分であり、直線状に延びる円筒状に形成されている。この場合、嵌合部104aは、導入管101の先端部に対して接着剤で固着している。この嵌合部104aは、筒状拡径部103の対向部103cを覆う長さに形成されている。
【0032】
傾斜面104bは、嵌合部104aの外径および内径がそれぞれ徐々に縮小するテーパ状の部分である。この場合、傾斜面104bは、筒状拡径部103の傾斜面103bと同じ傾斜角で形成されていてもよいが、互いに異なる傾斜角で形成されることによって両者が密着し合うことが防止されて筒状流路105を形成し易くすることができる。
【0033】
流出部104cは、回転翼120を安定的に回転させるための部分であり、傾斜面103bが縮径した最小内径で嵌合部103aに平行に延びる直線状の円筒状に形成されている。この場合、流出部104cは、嵌合部103aの図示上端部から張り出す長さに形成されている。
【0034】
筒状流路105は、導入管101内に導かれた液体WKの一部を外部に漏出させる流路を形成することで筒状拡径部103と筒状縮径部104とを互いに相対回転可能にするための部分であり、筒状拡径部103の外周面と筒状縮径部104の外周面との間に円筒状の隙間によって形成されている。本実施形態においては、筒状流路105は、筒状拡径部103の外周面と筒状縮径部104の外周面との間の隙間が2mmに設定されている。なお、
図3においては、液体WKの流れを破線矢印で示している。
【0035】
ここで、回転連結部102の組み付け方法について簡単に説明しておく。まず、作業者は、発電機110の入力軸112の図示下側の端部から筒状縮径部104を通しておいた後、この入力軸112の図示下側の端部に筒状拡径部103の嵌合部103aを通して接着固定する。次に、作業者は、入力軸112に通しておいた筒状縮径部104を筒状拡径部103の外側に位置させるとともに嵌合部104aを導入管101の先端部に接着固定する。これにより、回転連結部102を組み立てることができる。
【0036】
発電機110は、回転運動による機械的エネルギから電気エネルギを得るための機械装置であり、主として、発電機本体111および入力軸112をそれぞれ備え構成されている。発電機本体111は、入力軸112を回転自在な状態で保持して発電する部品であり、円筒形のハウジングの内部に図示しない固定子を備えて構成されている。また、発電機本体111の側面には、発電機110が発電した電気を取り出す出力配線113が回収槽の外部まで延びている。なお、
図2においては、出力配線113の図示を省略している(後述する
図9も同様)。
【0037】
入力軸112は、外部から回転運動を入力して回転子として機能するとともに回転連結部102から導かれた液体WKを回転翼120のベース管121に導く流路を構成する部品である。この入力軸112は、主軸に対して図示しない鉄心、巻線および冷却ファンなどを備えて構成されており、発電機本体111内を貫通して両端部が発電機本体111の外部に張り出した状態で発電機本体111に図示しないベアリングを介して回転自在に保持されている。この場合、入力軸112は、前記ベアリングが入力軸112の軸線方向の両側に設けられた弾性ブッシュ(図示せず)で挟まれることで発電機本体111に対して軸線方向に僅かに往復変位可能な状態で保持されている。
【0038】
また、入力軸112を構成する主軸は、円筒形に形成されており、発電機本体111内を貫通して両端部が発電機本体111の外部に張り出した状態で発電機本体111に回転自在に保持されている。そして、入力軸112の両端部は、一方の端部が回転連結部102の筒状拡径部103に連結されているとともに他方の端部が回転翼120のベース管121に連結されている。すなわち、入力軸112は、導入管101から供給される液体WKを回転翼120に導く。
【0039】
この発電機110は、回収槽130の底部131に設置された支持台114上に支持されている。支持台114は、発電機110を回収槽内にて固定的に支持する部品であり、金属材を4つ足のテーブル状に形成して構成されている。この支持台114は、発電機110の載置面の中央部に図示しない貫通孔が形成されており、この貫通孔から入力軸112の一方の端部が貫通した状態で発電機110を載置している。この場合、発電機110は、留め具115(本実施形態においては4つ)によって支持台114の上面に固定的に取り付けられている。なお、発電機110の発電能力は、液体WKの供給量などに応じて適宜決定される。
【0040】
回転翼120は、導入管101から供給される液体WKを吐出することで回転駆動する部品であり、金属製または樹脂製の管体で構成されている。この回転翼120は、主として、ベース管121、分岐筒122、アーム管123をそれぞれ備えて構成されている。
【0041】
ベース管121は、回転翼120を支持するとともに回転連結部102を介して導入管101から導かれた液体WKを回転翼120自身に導く部品であり、垂直方向に直線状に延びる金属製の円筒体で構成されている。このベース管121は、一方(図示下側)の端部に前記発電機110の入力軸112が接続されているとともに、他方(図示上側)の端部に分岐筒122が接続されている。
【0042】
分岐筒122は、ベース管121から導かれた液体WKを2方向にそれぞれ分岐させるための金属製の部品であり、ベース管121の軸線方向に直交する方向に直線状に延びる1つの流路が繋がってT字状に形成されている。この分岐筒122には、ベース管121の軸線方向に直交する方向に2つのアーム管123がそれぞれ接続されている。
【0043】
2つのアーム管123は、分岐筒122から導かれた液体WKをベース管121の径方向外側にそれぞれ導く部品であり、水平方向に直線状に延びる金属製の円筒状のパイプ体で構成されている。この場合、2つのアーム管123は、本実施形態においては互いに同じ長さおよび同じ内外径に形成されているが、互いに異なる長さおよび/または異なる内外径に形成されていてもよい。また、2つのアーム管123は、本実施形態においては、互いに同軸上(換言すれば、一直線上)に設けられているが、各中心軸線が互いに異なる位置に設けられていてもよい。これら2つのアーム管123の各先端部には、吐出筒124がそれぞれ設けられている。
【0044】
2つの吐出筒124は、各アーム管123から導かれた液体WKを回転翼120が回転するようにベース管121の周方向側(または同周方向の接線方向側)に噴射させる金属製の部品であり、各アーム管123の軸線方向に直交する方向に屈曲した略L字状の円筒体で構成されている。この場合、各吐出筒124は、液体WKを吐出する吐出口がベース管121の水平な周方向に対して平行な向きに設けられている。
【0045】
回収槽130は、回転翼120から噴射された液体WKの周囲への飛散を防止するとともに同液体WKを回収するためのコンクリート製の構造物であり、有底円筒状に形成されている。この回収槽130の底部131の中央部には、支持台114を介して発電機110および回転翼120が設けられている。また、回収槽130の側面132の下部には、導入管101が貫通した状態で設けられているとともに、導入管101の反対側には排水管133が貫通した状態で設けられている。
【0046】
また、回収槽130の深さは、回転翼120の周囲を覆って回転翼120から噴射された液体WKの飛散を阻止して回収できる深さに形成されている。また、この回収槽130は、本実施形態においては、回転翼120の上方が開放して形成されているが、この開放部分を覆う天井を設けた密閉構造で構成することもできる。
【0047】
(発電装置100の作動)
次に、このように構成した発電装置100の作動について説明する。まず、作業者は、発電装置100に対してダムまたは貯水池などの水の供給源から水を導く配管(図示せず)に導入管101を接続するとともに、発電装置100が生成する電力の供給先に発電機110の出力配線113を電気的に接続する。
【0048】
この場合、発電装置100における回転連結部102は、
図4に示すように、回転翼120および入力軸112の重さによって筒状拡径部103が導入管101の上端部上に載置した状態となる。すなわち、筒状流路105は、導入管101の内部の流路を遮断された状態となっている。
【0049】
次に、作業者は、発電装置100に水を供給する供給源から延びる前記配管上に設けられている弁(図示せず)を開いて発電装置100に水を供給する。これにより、発電装置100は、導入管101に水が流れ込む。導入管101内に供給された液体WKは、その一部が回転連結部102における筒状拡径部103の傾斜面103bに当たって筒状拡径部103全体を上方に押し上げる。
【0050】
これにより、筒状拡径部103は、導入管101の先端部(図示上端部)から離隔して浮き上がった状態となるため、導入管101の内部の流路と筒状流路105とが連通した状態となる(
図3参照)。したがって、導入管101内を流れる液体WKの一部は、筒状流路105に導かれる。なお、この筒状拡径部103の浮き上りは、筒状拡径部103が入力軸112を介して回転翼120に連結されているため、これらの入力軸112および回転翼120も上方に変位していることを意味する。すなわち、発電機110における入力軸112の軸線方向への往復変位量は、筒状拡径部103の浮き上がり変位量に対応している。
【0051】
筒状流路105内に導かれた液体WKは、筒状流路105内を図示上方に流れた後、流出部104cから外部に流出する(
図3破線矢印参照)。これにより、筒状拡径部103は、筒状縮径部104に直接接触することが防止されるため、筒状縮径部104に対して回転自在な状態となる。また、筒状拡径部103を押し上げた液体WKは、入力軸112を介してベース管121に流入した後、分岐筒122によって一部が2つのアーム管123のうちの一方に流れるとともに他の一部が2つのアーム管123のうちの他方に流れる。
【0052】
2つのアーム管123にそれぞれ流れた液体WKは、各吐出筒124からそれぞれベース管121の同心の周方向に噴射される(
図2における破線細線矢印参照)。これにより、回転翼120は、液体WKを噴射しながらベース管121を中心として回転する(
図2における破線太線矢印参照)。この場合、回転翼120は、ベース管121が発電機110の入力軸112に連結されているため入力軸112を回転翼120の回転方向と同じ方向に同じ回転数で回転駆動させる。これにより、発電機110は、発電を開始する。この場合、発電機110は、回転翼120に水が供給されて回転する間、発電を継続する。すなわち、作業者は、導入管101に水を供給することで発電することができる。
【0053】
一方、回転翼120の2つの吐出筒124から噴射された液体WKは、回収槽130内において直接または側面132を介して底部131に導かれた後、排水管133を介して回収槽130内から排出される。
【0054】
次に、作業者は、発電を中断する場合においては、発電装置100に水を供給す供給源から延びる前記配管上に設けられている弁を閉じて発電装置100への水の供給を遮断する。これにより、発電装置100は、筒状拡径部103がそれぞれ下降して導入管101に突き当たりこれらと筒状流路105との連通状態が遮断されて回転翼120の回転が停止して発電が停止する。
【0055】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、発電装置100は、液体WKの噴射力によって回転駆動する回転翼120のベース管121に発電機110が接続されるという簡易な構成であるため、メンテナンス性および発電効率を良好にすることができる。
【0056】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記各変形例において、上記実施形態と同様の構成部分については同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0057】
例えば、上記各実施形態においては、発電装置100は、回収槽130の底部131に配置してベース管121が回収槽130の深さ方向に延びるように設置した。しかし、発電装置100は、回収槽130内にて種々の配置が可能である。例えば、発電装置100は、
図5に示すように、回収槽130に設けた天井134の下面に発電機110を取り付けて発電装置100全体を上記実施形態に対して逆さ向きに設けることもできる。これによれば、発電装置100は、回転翼120が発電機110よりも下方に位置するため、回転翼120から噴射された液体WKが発電機110に付着することを防止することができる。
【0058】
また、発電装置100は、図示を省略するが、回収槽130の側面132にも前記と同様にして設ける、すなわち、入力軸112が水平方向となるように全体として横向きの姿勢で設けることもできる。これらのように、発電装置100は、発電機110の入力軸112が水平方向となる姿勢または同入力軸112が回転翼120よりも上方に延びる姿勢で発電機110を設けることによって、回転翼120から噴射された液体WKが発電機110に付着することを抑制でき装置構成の簡単化および長寿命化を図ることができる。
【0059】
また、上記実施形態においては、発電装置100は、回転連結部102に対して発電機110を連結するとともに、この発電機110に対して回転翼120を連結して構成した。すなわち、発電装置100は、回転連結部102に対して発電機110を介して回転翼120を連結して構成した。
【0060】
しかし、発電装置100は、
図6に示すように、回転連結部102に対して回転翼120を連結するとともに、この回転翼120に対して発電機110を連結して構成することもできる。この場合、発電機110は、回収槽130に設けた天井134の上面に取り付けられるとともに入力軸112を天井134を貫通させて設ける。また、回転翼120は、T字状の分岐筒122に代えて流路が十字状にクロスする分岐筒125を用いるとともに、この分岐筒125にベース管121とは別体でベース管121と同様のベース管126を接続する。そして、発電装置100は、天井134の下面から突出する入力軸112とベース管126とを接続して回転翼120と発電機110とを連結して構成されている。
【0061】
これによれば、発電装置100は、回転翼120におけるベース管121の一方の端部が回転連結部102に接続されるとともに他方の端部が分岐筒125およびベース管126をそれぞれ介して発電機110の入力軸112に接続されて発電機110が回転翼120に対して回転連結部102とは反対側に配置されているため、回転翼120に導かれる液体WKが発電機110内を流通することを避けることができメンテナンス性を構成させることができる。なお、この場合、入力軸112は、液体WKを流通させる必要がないため中実の軸体で構成することができる。
【0062】
また、上記実施形態においては、吐出筒124は、液体WKを吐出する吐出口がベース管121の水平な周方向に対して平行な向きに設けられている。これにより、発電装置100は、回転翼120を効率的に回転駆動させることができる。しかし、吐出筒124は、回転翼120の回転面に対して斜め下方に開口するように設けることもできる。これによれば、発電装置100は、回転翼120における液体WKを吐出する吐出口が同回転翼120の回転面に対して回転連結部102側に傾斜しているため、回転翼120から液体WKを吐出することで回転翼120を導入管101から効果的に離隔させて導入管101から供給される液体WKを効果的に筒状流路105に導くことができる。
【0063】
また、上記実施形態においては、発電装置100は、ベース管121に対して両側に延びる2つのアーム管123を備えて構成した。しかし、発電装置100は、ベース管121に対して1つ以上のアーム管123を備えて構成することができる。この場合、発電機110は、1つ以上設けたアーム管123に対してベース管121の軸線方向側(図示上下方向側)に更にアーム管123を備えて構成することもできる。
【0064】
また、上記実施形態においては、回転翼120は、アーム管123を備えて構成した。しかし、回転翼120は、液体WKを噴射することで回転駆動するように構成されていればよい。したがって、回転翼120は、例えば、ベース管121の外周面に接線方向に向けて開口する液体WKの吐出口を設けて構成することもできる。
【0065】
また、上記実施形態においては、発電装置100は、発電機110の入力軸112を導入管101に回転可能に連結するために回転連結部102を備えて構成した。しかし、発電装置100は、発電機110の入力軸112または回転翼120のベース管121を導入管101に回転可能に連結されていればよい。したがって、発電装置100は、発電機110の入力軸112または回転翼120のベース管121を導入管101に対してベアリングを介して回転可能に連結するように構成することができる。すなわち、発電装置100は、回転連結部102を省略して構成することができる。
【0066】
また、上記実施形態においては、回転連結部102における筒状拡径部103および筒状縮径部104は、それぞれ傾斜面103b,104bを備えて構成した。しかし、筒状拡径部103および筒状縮径部104は、嵌合部103aと対向部103cとの間、および嵌合部104aと流出部104cとの間を内径および外径が段状に変化する段付き形状に形成して傾斜面103b,104bを省略して構成することもできる。
【0067】
また、上記実施形態においては、回転連結部102は、筒状拡径部103が導入管101の先端部に突き当たるように構成した。しかし、回転連結部102は、筒状拡径部103が導入管101の先端に突き当たらないように構成することもできる。例えば、
図7に示すように、回転連結部102は、筒状縮径部104における傾斜面104bの図示下端部から導入管101が一体的に延びるように構成することができる。この場合、発電装置100に液体WKが供給されない停止状態においては、入力軸112および回転翼120が下降して筒状縮径部104上に当たって載置される。
【0068】
また、上記実施形態においては、発電装置100は、回収槽130内に設置した。しかし、発電装置100は、回転翼120から噴射される液体WKの飛散が問題とならなければ回収槽130は不要であり省略して構成することができる。
【0069】
また、発電装置100は、
図8および
図9にそれぞれ示すように、回転翼120から噴射される液体WKを積極的に回収する噴射液受け140を備えることもできる。噴射液受け140は、回転翼120の吐出筒124の回転軌跡の下方に同回転軌跡に沿ってリング状に延びる樋状または溝状に形成して構成することができる。この場合、噴射液受け140は、底部に回収した液体WKを下方に導く(
図8において二点鎖線参照)排水管141または図示しない貫通孔が形成されている。また、噴射液受け140は、回収槽130の底部131または側面132に図示しない支持具で固定されている。これにより、発電装置100は、回転翼120から噴射された液体WKを早期に回収して廃棄または再利用することができる。
【0070】
また、上記実施形態においては、発電装置100は、液体WKとして水を使用した。しかし、発電装置100は、液体WKとして水以外の液体を用いてもよいことは当然である。
【解決手段】発電装置100は、導入管101、回転連結部102、発電機110および回転翼120を備えている。導入管101は、液体WKの供給源に接続されて回転連結部102に液体WKを導く。回転連結部102は、導入管101に対して発電機110の入力軸112を回転可能な状態で連結する。入力軸112は、発電機110におけるロータを構成するとともに液体WKを回転翼120のベース管121に流通させるパイプ状に形成されて配管としても機能する。発電機110は、入力軸112の回転運動に基づいて発電する。回転翼120は、管状に形成されたベース管121に対して径方向外側に2つのアーム管123を備えており、アーム管123の各先端部に設けられた吐出筒124を介してベース管121の周方向に沿って液体WKを噴射することで回転駆動する。