特許第6664906号(P6664906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6664906
(24)【登録日】2020年2月21日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】塗布具
(51)【国際特許分類】
   A45D 24/22 20060101AFI20200302BHJP
【FI】
   A45D24/22 B
   A45D24/22 D
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-161750(P2015-161750)
(22)【出願日】2015年8月19日
(65)【公開番号】特開2017-38762(P2017-38762A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2018年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】大場 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】中島 伸之
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 知子
(72)【発明者】
【氏名】高千代 惠一郎
(72)【発明者】
【氏名】長坂 祐哉
【審査官】 山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−099503(JP,U)
【文献】 実開昭62−109002(JP,U)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2011−0001826(KR,U)
【文献】 仏国特許出願公開第02952512(FR,A1)
【文献】 米国特許第02596296(US,A)
【文献】 特開平08−117013(JP,A)
【文献】 特開平11−332635(JP,A)
【文献】 特開2011−200643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 24/22
A45D 19/00
A45D 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布液の直線状の送出路と、該送出路先端に開口する吐出口と、該吐出口周囲に該送出路と略直交する平面部と、該吐出口から更に先方へ伸びる複数本の櫛歯からなる塗布部と、を備え、
該塗布液は、粘度が、コーンプレート型粘度計(EHD)標準コーンローター(1°34′×R24)25℃10rpm(20s−1)の測定において、2000〜20000mPa・sの範囲の塗布液又はフォームであり、
複数本の櫛歯は、該送出路より該吐出口に至る線と、平行又は遠ざかる線に沿って延び、
更に内側へ屈曲し該平面部と対向しており、該粘度が2000〜20000mPa・sの範囲の塗布液又はフォームが当該櫛歯の屈曲した内側に直接保持されることを特徴とする毛髪用塗布具。
【請求項2】
前記櫛歯は更に前記吐出口方向へ屈曲していることを特徴とする請求項1に記載の毛髪用塗布具。
【請求項3】
前記櫛歯は更に吐出口近傍まで伸びループしていることを特徴とする請求項2に記載の毛髪用塗布具。
【請求項4】
前記櫛歯は、前記ループの外周に突起物を備え、当該突起物は、前方から見た前記ループの長さ内に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の毛髪用塗布具。
【請求項5】
前記櫛歯には、前記櫛歯の幅をはみ出さない突起物を備えることを特徴とする請求項1から4のうちの何れか一項に記載の毛髪用塗布具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛染め容器等に収容された毛髪用化粧料を毛髪に塗布可能な塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、毛染め容器には、液を含浸したフェルトなどの塗布体が直接頭皮に触れることを防ぐための部品を設けることが、種々に提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、液を含んだフェルトなどの塗布体の周囲に櫛状の部品を設け、その櫛状部品の先端を頭皮に接しさせることにより、塗布体から直接頭皮に液が付くことを防ぎ、毛髪のみに液を塗布可能にする髪用塗布具付の化粧料容器が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、液を含んだ塗布体(液供給部)の周囲にアーチ形状の棒状の部品を設け、かつ、その先端部分にアーチ状部品の径より大きい球状部分を形成した毛染め容器が記載されている。この毛染め容器は、アーチ状部品と球状部分を頭皮に接しさせることにより、塗布体が直接頭皮に接して液が付くことを防ぎながら、毛髪に液を塗布可能にする容器である。
【0005】
これら特許文献1、2に記載の化粧料容器は、塗布液をフェルトに滲みこませて塗布する極めて低粘度の液体を使用しており、フェルト等の含浸体がないと内溶液が垂れ落ちてしまい使用することができないものである。
【0006】
また、これらは、フェルトなどの塗布体が必須な容器に限定される発明であり、高粘度の液の塗布容器として機能しないことは明白である。
【0007】
高粘度な化粧量を毛髪に塗布する場合、チューブなどの貯蔵体から容易にたれ落ちないような粘度の液を櫛などに取り塗布するか、又は、マスカラ状の容器でボトルにねじりブラシのマスカラブラシや短い櫛状のマスカラブラシを使用する場合があった。
【0008】
しかし、前者では櫛に液をのせて毛髪に塗布する動作が煩雑であり、後者ではマスカラブラシタイプではブラシや櫛全体に液が付着してしまい頭皮への液付着を防ぐ機能はない。
【0009】
例えば、特許文献3には、ボトルに入った液にマスカラタイプの塗布具を浸して塗布する塗布部分において、そのクシ形状を幅広にしてその内部に「液溜め」を設けることにより、より多くの液を保持して塗布することができる塗布具が提案されている。
【0010】
しかしながら、この提案された塗布具は、前記の櫛状塗布部を持ったマスカラタイプの容器であり、液はボトルの内部に充填され、櫛全体を液に浸して液を櫛に供給するので櫛先端に液が付き、使用時に頭皮に液が付着する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005−342312号公報
【特許文献2】再表2007−66764号公報
【特許文献3】特開2010−94186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑み、高粘度の液体であっても当該液体を毛髪等に頭皮を汚すことなく、容易に塗布可能な毛髪用塗布具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、塗布液の直線状の送出路と、該送出路先端に開口する吐出口と、該吐出口周囲に該送出路と略直交する平面部と、該吐出口から更に先方へ伸びる複数本の櫛歯からなる塗布部と、を備え、
該塗布液は、粘度が、コーンプレート型粘度計(EHD)標準コーンローター(1°34′×R24)25℃10rpm(20s−1)の測定において、2000〜20000mPa・sの範囲の塗布液又はフォームであり、
複数本の櫛歯は、該送出路より該吐出口に至る線と、平行又は遠ざかる線に沿って延び、
更に内側へ屈曲し該平面部と対向しており、該粘度が2000〜20000mPa・sの範囲の塗布液又はフォームが当該櫛歯の屈曲した内側に直接保持されることを特徴とする毛髪用塗布具である。
【0014】
本発明において、前記櫛歯は更に前記吐出口方向へ屈曲していることが好適である。
【0015】
本発明において、前記櫛歯は更に吐出口近傍まで伸びループしていることが好適である。
【0016】
本発明において、前記櫛歯は、前記ループの外周に突起物を備え、当該突起物は、前方から見た前記ループの長さ内に形成されていることが好適である。
【0017】
本発明において、前記櫛歯が2本以上あることが好適である。更に好適には、櫛歯が3本以上である。
【0018】
本発明において、前記櫛歯には、前記櫛歯の幅をはみ出さない突起物を備えることが好適である。
【0019】
なお、本発明と特許文献1〜3が異なることは、ガイド部の形状が相違することから明らかである。
【0020】
特許文献1では、櫛はストレートで曲がっていないし、塗布部の上で櫛が繋がってアーチ状になっていない。
【0021】
特許文献2では櫛は湾曲しており、別の例では櫛は塗布体上で連結しているが、「棒状部分の先端部分には他の部分より大きい径の球状部分が形成されている」と記載されており、櫛(棒状部分)より径が小さい球状ではない突起は含まれないと明記されている。
【0022】
特許文献3では、ボトルの内部に充填された液に櫛全体に浸して供給する塗布具であるので、塗布液を櫛歯に供給する本発明と全く異なる。
【0023】
したがって、特許文献1−3は構成要件が本発明と異なっていて全く別の塗布具といえる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の毛髪用塗布具によれば、塗布液の送出路と、該送出路先端に開口する吐出口と、該吐出口から更に先方へ伸びる少なくとも1本の櫛歯を持つ塗布部と、を備え、該櫛歯は、該送出路より該吐出口に至る線と、平行又は遠ざかる線に沿って延び、更に内側へ屈曲した構成から、容器から高粘度の塗布液を直接櫛歯の屈曲した内側に液を供給し、当該櫛歯の屈曲した内側に塗布液を保持できるので、塗布液の頭皮への付着を防ぎつつ、櫛歯で掻き分けられた毛髪が塗布液に直接触れて塗布可能な、使いやすい機構の塗布具を提供である。
【0025】
必要であれば、内溶液の粘度を定量的に限定することは可能である。
【0026】
また、複数の櫛歯を設け、その間に塗布液を保留し毛髪に効率よく塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1の実施形態に係る毛髪用塗布具の説明図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係る毛髪用塗布具の説明図である。
図3】本発明の第3の実施形態に係る毛髪用塗布具の説明図である。
図4】本発明の第4の実施形態に係る毛髪用塗布具の説明図である。
図5】本発明の第5の実施形態に係る毛髪用塗布具の説明図である。
図6】本発明の第6の実施形態に係る毛髪用塗布具の説明図である。
図7】本発明の第7の実施形態に係る毛髪用塗布具の説明図で、(a)が斜視図、(b)が櫛歯の曲がり軸方向から正面図、(c)が櫛歯の曲がり方向の沿う正面図である。
図8】本発明の第8の実施形態に係る毛髪用塗布具の説明図である。
図9】本発明の第9の実施形態に係る毛髪用塗布具の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、本発明の第1実施形態に係る毛髪用塗布具の説明図である。
【0030】
図1に示す、塗布具は、やや先細くなった筒状の塗布部本体14a内に形成された塗布液の送出路10と、該送出路10の先端に開口する吐出口10aと、該吐出口10aから更に先方へ伸びる4本(2本以上の例)の櫛歯12を塗布部本体14aに固定した塗布部14とを備える毛髪用塗布具である。
【0031】
該櫛歯12は、該送出路10より該吐出口10aに至る基準線(符号「C」で示す)と、平行又は遠ざかる線(符号「L1」で示す)に沿って前記塗布部本体14aから延び、更に内側(前記基準線C側)へほぼ直角に屈曲しているものである。4本の櫛歯12は、曲がり部12aから先の先端部12bが曲がってほぼ熊手形状を呈している。
【0032】
なお、上記塗布具は、塗布液を収容する容器(図示省略)に装着して使用するものである。塗布具の塗布部は金属製または樹脂製のもの特にPP、PE、PBT、POM、テフロン(登録商標)が好適である。
【0033】
また、容器には、嵌着、接着、溶着、螺合等固定構造はいずれでもよい。また、図示しない容器は、繰り出し構造や弾性変形構造で内容物の塗布液を塗布具に送りだすものが好適である。
【0034】
〔塗布液〕:化粧料とする塗布液は、粘度が、コーンプレート型粘度計(EHD)標準コーンローター(1°34′×R24)25℃10rpm(20s−1)の測定において、2000〜20000mPa・sの範囲の塗布液又はフォームである。
【0035】
〔ヘアチョーク処方〕
フェノキシエタノール 0.43重量%
ダーマクリルAQF(アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン) 3.40重量%
アリストフレックスHMB(高分子乳化剤) 1.00重量%
ルージュフランベ(赤色のマイカ) 15.00重量%
水 80.17重量%
粘度:13970mPa・s
【0036】
上記塗布具において、吐出口10aから押し出された高粘度のヘアチョークの塗布液は、櫛歯12の「内側」に留め置かれ(櫛歯12間及び櫛歯12の曲がった曲がり部12a内側に塗布液をため)、毛髪を櫛歯12間に通すことによって、ヘアチョークの液を毛髪へ容易に塗布することができる。
【0037】
本発明の第1実施形態に限定されず、種々に変形実施できる。
【0038】
〔第2実施形態の毛髪用塗布具〕
図2は本発明の第2実施形態に係る毛髪用塗布具である。第1実施形態に係る塗布部14と同じく4本の櫛歯12が先端部の曲がったほぼ熊手形状を呈しており、櫛歯12の根本が矩形状に纏まった壁構造16から延設する構造を呈している。
【0039】
第2実施形態に係る塗布具は、第1実施形態の塗布具に比較して櫛歯12の長さを短くでき、根本の壁構造16で強度が高く櫛歯12が破損しにくい。また、吐出口10aの開口に壁構造16の壁面が隣接していて、塗布液が櫛歯12に送り出す際に壁構造16の表面である程度塗布液を保留してから櫛歯12に誘導するガイドとなる。その他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様であり、同様部分に同一符号を付する。
【0040】
〔第3実施形態の毛髪用塗布具〕
図3は本発明の第3実施形態に係る毛髪用塗布具である。第1実施形態に係る塗布部14と同じく4本の櫛歯12が先端部の曲がったほぼ熊手形状を呈しており、櫛歯12の先端部12bが第1実施形態よりも更に前記吐出口10a方向へ屈曲している構造(送出路10から吐出口10aに至る基準線Cに対して20〜80°程度曲がった方向の線(符号「L2」で示す)に沿う)を呈している。
【0041】
第3実施形態に係る塗布具は、第1実施形態、第2実施形態の塗布具に比較して櫛歯12の先端部12bの曲がりが強く、髪の毛の梳きやすい、髪の間に塗布液を十分に送り込みやすい。その他の構成及び作用効果は図1の第1実施形態と同様であり、同様部分に同一符号を付する。
【0042】
〔第4実施形態の毛髪用塗布具〕
図4は本発明の第4実施形態に係る毛髪用塗布具である。第3実施形態に係る塗布部14と同じく4本の櫛歯12が先端部12bの曲がったほぼ熊手形状を呈した構造(前記基準線Cに対して20〜80°程度曲がった方向の線L2に沿う)、それと共に、櫛歯12の根本が矩形状に纏まった壁構造16から延設する構造を呈している。
【0043】
第4実施形態に係る塗布具は、第3実施形態の塗布具に比較して櫛歯12の長さを短くでき、根本の壁構造16で強度が高く櫛歯12が破損しにくい。また、吐出口10aの開口に壁構造16の壁面が隣接していて、塗布液が櫛歯12に送り出す際に壁構造16の表面である程度塗布液を保留してから櫛歯12に誘導するガイドとなる。その他の構成及び作用効果は第3実施形態と同様であり、同様部分に同一符号を付する。
【0044】
〔第5実施形態の毛髪用塗布具〕
図5は本発明の第5実施形態に係る毛髪用塗布具である。第1実施形態に係る塗布部14は前記塗布部本体14aから延びて形成された4本の櫛歯12の先端部が弧状に曲がり更に吐出口10aまで延びて再び前記塗布部本体14aに固着する閉じたループ12c形状を呈している。
【0045】
第5実施形態に係る塗布具は、第1〜4実施形態の曲がりのある櫛歯12の塗布部14に比較して櫛歯12がループ12cとなっているので強度が高く櫛歯12が破損しにくい。また、吐出口10aから吐出される塗布液がループ12cの内側に溜めやすいので、塗布液の漏れが少なく、かつ地肌への刺激が少なくして、毛髪になめらかに塗布液を塗布できる。その他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様であり、同様部分に同一符号を付する。
【0046】
〔第6実施形態の毛髪用塗布具〕
図6は本発明の第6実施形態に係る毛髪用塗布具である。第6実施形態に係る塗布部14は第5実施形態と同じく4本の櫛歯12の先端部が弧状に曲がり更に吐出口10aまで延びて閉じたループ12c形状を呈している。そして、途中から枝分かれして突起部18が各櫛歯12に突出形成されている。突起部18は櫛歯12の配列方向の幅よりも同様又は狭く形成されている。
【0047】
第6実施形態に係る塗布具は、第5実施形態の櫛歯12と同様にループ12cとなっているので強度が高く櫛歯12が破損しにくく、吐出口10aから吐出される塗布液がループ12cの内側に溜めやすいことのほか、突起部18によって、髪を梳きやすく、かき分けて塗布液を効率よく塗りやすい。突起部18は櫛歯12の配列方向の幅よりも同様又は狭く形成されているので、ループ12cと協働して髪の毛を梳きやすく、かつ、塗りやい構造である。その他の構成及び作用効果は第5実施形態と同様であり、図5と同様部分に同一符号を付する。
【0048】
〔第7実施形態の毛髪用塗布具〕
図7(a)〜(c)は、本発明の第7実施形態に係る毛髪用塗布具である。第7実施形態に係る塗布部14は、第5実施形態と同じく、4本の櫛歯12の先端部が弧状に曲がり更に吐出口10aまで延びて閉じたループ12c形状を呈している。そして、ループ12cの先端部には、棒状の枝部20が各櫛歯12の弧の曲がり方向(送出路10から吐出口10aに至る基準線Cに対してほぼ90°程度の線(符号「L3」で示す。))に突出形成されている。前記櫛歯12は、前記ループ12cの外周に棒状の枝部(突起物)20を備え、当該棒状の枝部20は、前方から見た前記ループ12cの長さ内に形成されている。当該棒状の枝部20は櫛歯12の配列方向の幅よりも同様又は狭く形成されている。
【0049】
第7実施形態に係る塗布具は、第5実施形態の櫛歯12と同様にループ12cとなっているので強度が高く櫛歯12が破損しにくく、吐出口10aから吐出される塗布液がループ12cの内側に溜めやすいことのほか、棒状の枝部20によって、髪を梳きやすく、かき分けて塗布液を効率よく塗りやすい。棒状の枝部20は両側に延びているのでループ12cの両向きで使用できる。また、棒状の枝部20は、櫛歯12の配列方向の幅よりも同様又は狭く形成されているので、ループ12cと協働して髪の毛を梳きやすく、かつ、塗りやい構造である。その他の構成及び作用効果は第5実施形態と同様であり、同様部分に同一符号を付する。
【0050】
〔第8実施形態の毛髪用塗布具〕
図8は本発明の第8実施形態に係る毛髪用塗布具である。第8実施形態に係る塗布部14は、第5実施形態と同じく、4本の櫛歯12の先端部が弧状に曲がり更に吐出口10aまで延びて閉じたループ12c形状を呈している。そして、ループ12cの先端部には、第1の突起部22が各櫛歯12の弧の先端に吐出方向(送出路10から吐出口10aに至る基準線Cに沿う方向)に突出形成されている。前記櫛歯12は、前記ループ12cの外周に第1の突起部22を備え、当該突起物22は、前方から見た前記ループ12cの長さ内に形成されている。
【0051】
第1の突起部22によって、塗る際に頭皮に触る程度に当てるとループ12cを頭皮に対して浮かして髪の毛を梳くことができ頭皮に塗布液が塗れるのを防止することができる。その他の構成及び作用効果は第7実施形態と同様であり、同様部分に同一符号を付する。
【0052】
〔第9実施形態の毛髪用塗布具〕
図9は、本発明の第9実施形態に係る毛髪用塗布具である。第8実施形態に係る塗布部14は、第5実施形態と同じく、4本の櫛歯12の先端部が弧状に曲がり更に吐出口10aまで延びて閉じたループ12c形状を呈している。そして、ループ12cの先端部には、第2の突起部24が各櫛歯12の弧の先端に吐出方向(送出路10から吐出口10aに至る基準線Cに沿う方向)に対して90°方向(符号「L4」で示す)に突出形成されている。前記櫛歯12は、前記ループ12cの外周に第2の突起物24を備え、当該突起物24は、前方から見た前記ループ12cの長さ内に形成されている。第2の突起部24は、ちょうど図7の第7実施形態の塗布部14の棒状の枝部20の半分に構成されたものである。
【0053】
第2の突起部24によって、塗る際に横向きにして塗布部14を頭皮に触る程度に当てるとループ12cを頭皮に対して浮かして髪の毛を梳くことができ頭皮に塗布液が塗れるのを防止することができる。その他の構成及び作用効果は第8実施形態と同様であり、同様部分に同一符号を付する。
【0054】
なお、本発明は、上記第1実施形態〜第9実施形態の塗布具に限定されず,本発明は範囲内で種々に変形実施できる。上記第1実施形態〜第9実施形態では、4箇所の櫛歯12を有するが、本発明において、前記櫛歯が2本〜3本であっても、5本以上であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の塗布具は、毛髪用化粧料を容易に塗布するようにできる毛髪用塗布具に利用することができる。
【符号の説明】
【0056】
10 送出路
10a 吐出口
12 櫛歯
12a 曲がり部
12b 先端部
12c ループ
14 塗布部
14a 塗布部本体
16 壁構造
18 突起部
20 棒状の枝部
22 第1の突起部
24 第2の突起部
C 基準線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9