(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0021】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る実施形態の回転装置10の斜視図であり、
図2は第1筐体23を取り外した回転装置10の斜視図であり、
図3はモータ30に接続される複数のギア60を示すための分解斜視図である。
【0022】
図1に示すように、回転装置10は、面部としての第1面部21及び第1面部21の外周部に設けられた第1側壁部22を有する第1筐体23と、面部としての第2面部25及び第2面部25の外周部に設けられた第2側壁部26を有する第2筐体27と、を合わせることで構成される筐体20を備えており、その筐体20内には、
図2に示す各種の部品が収容されている。
【0023】
なお、筐体20は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ABS等の樹脂材料で形成されている。
また、第1筐体23の外周には、回転装置10を空調システムに取り付けるための、取付部A、B、C、Dが設けられている。
さらに、第1筐体23と第2筐体27との一体化は、
図2に示すように、第2筐体27の第2側壁部26の外周に複数の突起部を設け、
図1に示すように、第1筐体23の第1側壁部22の外周に突起部に係合する係合部を設けるようにして行っているが、第1筐体23の第1側壁部22に突起部を設け、第2筐体27の第2側壁部26に係合部を設けるようにして行ってもよい。
【0024】
回転装置10は、
図2に示すように、筐体20(
図1参照)内に収容される各種の部品として、モータ30と、モータ30を駆動させることによって回転され、回転角が検出される第1ギア50(本例では出力ギア)を含む複数のギア60を備えている。
【0025】
また、回転装置10は、
図2に示すように、筐体20(
図1参照)内に収容される各種の部品として、第1ギア50の回転角を検出する回転角検出部70を備えている。
【0026】
(モータ)
モータ30は第1ギア50(出力ギア)を回転させるための駆動装置であり、本実施形態ではDCモータを用いている。
モータ30は、
図3に示すように、角部が湾曲した四角柱状の外形を有する本体部31と、本体部31の第1端面31aから導出され、モータ30のロータ(図示せず)に固定された回転軸32と、本体部31の第1端面31aの反対側に位置し、第1端面31aに対向する第2端面31bから外側に突出するように設けられた電源用の一対のモータ端子33と、を備えている。
なお、このモータ30の回転軸32には、ウォームギア41が固定される。
【0027】
(伝達ギア)
図2及び
図3に示すように、複数のギア60には、伝達ギア40が含まれている。
この伝達ギア40は、所定のギア比でモータ30の回転軸32の回転を第1ギア50(出力ギア)に伝達させるためのギアである。
そして、本実施形態では、伝達ギア40として3つのギア(ウォームギア41、第1二段ギア42及び第2二段ギア43)を用いている。
【0028】
具体的には、
図2に示すように、伝達ギア40は、モータ30の回転軸32(
図3参照)に固定されるウォームギア41と、ウォームギア41に直交する方向のウォームギア41の隣に配置され、ウォームギア41に接続される直径の大きいギア42a及び直径の小さいギア42bを有する第1二段ギア42と、を備えている。
【0029】
また、伝達ギア40は、ウォームギア41とで第1二段ギア42を挟むようにウォームギア41に直交する方向に配置された第2二段ギア43を備えており、第2二段ギア43は、第1二段ギア42における直径の小さいギア42bに接続される直径の大きいギア43a及び第1ギア50(出力ギア)に接続される直径の小さいギア43b(
図3参照)を有している。
【0030】
なお、本実施形態では、少ないスペースを利用してギア比を調節しつつ、モータ30の回転軸32の回転を第1ギア50(出力ギア)に伝達するように、第1二段ギア42及び第2二段ギア43を用いているが、例えば、第2二段ギア43を省略して第1二段ギア42の直径が小さいギア42bに第1ギア50(出力ギア)を接続する設計としてもよく、第1二段ギア42及び第2二段ギア43を省略してウォームギア41に、直接、第1ギア50(出力ギア)を接続する設計としてもよい。
【0031】
(第1ギア)
第1ギア50は、本実施形態では、モータ30の回転軸32の回転を外部に出力する出力ギアである。
より具体的には、第1ギア50には、図示しない自動車等の車両の空調機等が備えるルーバーの駆動軸が接続される。
そして、その第1ギア50を介してモータ30の回転軸32の回転が、ルーバーの駆動軸を制御する駆動力として出力される。
【0032】
このため、
図3に示すように、第2筐体27の第2面部25には、外部から第1ギア50(出力ギア)にアクセスすることを可能にする開口部25aが設けられている。
したがって、回転装置10の第2面部25側を見た斜視図である
図4に示すように、この開口部25aを通じて第1ギア50の係合部51に図示しないルーバーの駆動軸が接続できるようになっている。
【0033】
なお、第1ギア50に図示しないルーバーの駆動軸を直結させる態様に限られるものではなく、回転装置10と図示しないルーバーの駆動軸との間に介在するギアを設けるようにしてもよく、この場合、その介在するギアの回転軸が第1ギア50に接続される。
【0034】
そして、後ほど、回転角検出部70が第1ギア50の回転角をどのようにして検出するのかを説明するのに併せて詳細に説明するが、第1ギア50は、
図2に示すように、回転軸52を中心とする周方向に、回転角検出部70のセンサー(素子71)が検出する周期的な被検出パターンを有する被検出部53を備えている。
【0035】
(回転角検出部)
図5は回転角検出部70の第1ギア50側になる面を見た斜視図である。
図示しないルーバーを所定の状態に駆動制御するために、第1ギア50の回転角を制御する必要があるが、第1ギア50の回転角を制御するためには、第1ギア50の回転角を検出する必要があり、この回転角を検出するために、回転角検出部70が設けられている。
【0036】
そして、回転角検出部70によって検出した第1ギア50の回転角に基づいて、モータ30の回転制御を行うことで、図示しないルーバーが所定の状態になるように、第1ギア50の回転が行われる。
【0037】
回転角検出部70は、
図3及び
図5に示すように、ベース部72と、ベース部72上に配置される複数の接続端子73と、接続端子73に電気的に接続されたセンサーと、を備えている。
なお、接続端子73は、回転角検出部70の入出力用の端子であり、本実施形態では、5つの接続端子73を設けた場合について示しているが、接続端子73の本数は、用いられるセンサー等に合わせて決められるべきものであり、特に限定されるものではない。
【0038】
センサーは、図示しない回路基板上に第1ギア50の被検出部53の被検出パターンを非接触で検出する素子71(
図5参照)を有している。
なお、本実施形態では、素子71に電磁気的特性の変化を検出するホール素子を用いている。
そして、センサーは、第1ギア50の回転角を算出するために用いる、被検出パターンを検出する。
【0039】
回転角検出部70は、センサーが検出した被検出パターンをデジタル信号又はアナログ信号に変換して外部に出力する。
デジタル信号又はアナログ信号を出力する回転角検出部70は、センサー以外の他の電子部品(例えば、マイコン、IC、回路等)を備える。
ここで、外部としては、例えば、回転装置10が取り付けられる乗り物等が挙げられる。
なお、第1ギア50の回転角を算出するために用いられる情報を位置情報と呼ぶ場合があり、位置情報としては、例えば被検出パターン等が挙げられる。
【0040】
図5に示すように、ベース部72には、センサーの素子71を第1ギア50側に位置させるための開口72aが設けられており、センサーの素子71がその開口72aに位置するように、図示しないセンサーの回路基板がベース部72上に配置されている。
【0041】
また、回転角検出部70は、
図3に示すように、ベース部72上に配置される図示しないセンサーの回路基板及び接続端子73の一部を覆う覆い部74を備えている。
【0042】
(回転角の検出方法)
以下では、回転角検出部70が、第1ギア50の回転角をどのようにして検出するのかについて説明する。
図6は第1ギア50の回転角検出部70側を見た斜視図であり、
図7は
図6のA−A線断面図である。
【0043】
第1ギア50の被検出部53は、磁性粉体を含有する磁性材料(プラスチックマグネット材料)で構成される円環部として形成されており、第1ギア50を樹脂成形するときに二色成形することで第1ギア50に一体に形成されている。
【0044】
そして、
図7に示すように、円環部として形成された被検出部53は、第1ギア50の回転角検出部70側となる面から回転角検出部70側に突出するように設けられた第1端側がN極に着磁されるとともに、第1ギア50内に埋め込まれるように設けられた第1端側と反対側となる第2端側がS極に着磁されている。
なお、被検出部53には、周方向において、互いに異なる2種類の磁極が交互に複数配列されていてもよい。
なお、着磁の状態は、第1端側をS極として第2端側をN極としてもよい。
また、被検出部53は、第1端側の第1端部に周期的な凹凸が周方向に設けられている。
【0045】
本実施形態では、このように、第1ギア50の回転軸52を中心とする周方向に設けられた被検出部53の第1端側をN極とするとともに、第1端側の第1端部に周期的な凹凸を周方向に設けることで、第1ギア50の回転軸52を中心とする周方向に、センサーが検出する周期的な被検出パターンを形成するようにしている。
そして、センサー(より具体的には素子71)が、このように形成された被検出パターンの周方向の一部に被検出パターンから離間して対向配置されている。
【0046】
このような構成の場合、素子71の真下に被検出部53に形成された凸部が位置するときと、凹部が位置するときとでは、被検出部53の表面と素子71の間の離間距離が変わることとなるため、凹凸のピッチで周期的に電磁気的特性が変化し、本実施形態では、このような周期的な電磁気的特性の変化を被検出パターンに利用している。
【0047】
そして、センサーは、第1ギア50が回転すると、凹凸のピッチごとの電磁気的特性の変化を検出するので、何ピッチ分、第1ギア50が回転したかが求められ、その回転したピッチ数に基づいて第1ギア50の回転角を求めることができるようになっている。
【0048】
このようなホール素子を用いたピッチ検出の場合、凹凸のピッチが細かくても検出ができるため、従来のブラシを用いた構成に比べ、細かい角度ピッチで回転角を検出することができる。
【0049】
また、本実施形態の構成によれば、第1ギア50の回転角を非接触で検出するホール素子を有するセンサーを用いて回転角の検出を行っているため、ブラシが摺接することに伴う騒音の発生がなく、回転装置10の静音性を高めることができるだけでなく、ブラシが擦り減るといった耐久性の問題も併せて解消することが可能である。
【0050】
さらに、被検出パターンを有する被検出部53は、第1ギア50を樹脂成形するときに、二色成形で作製することができるため製造コストの上昇を低く抑えられるとともに、ホール素子を有するセンサーもブラシを用いるセンサーに比べ価格が安いため、本実施形態の構成によれば、従来のブラシを用いる構成よりも製造コストを低減することができる。
【0051】
なお、本実施形態では、回転角を検出する第1ギア50を出力ギアにしているが、例えば、第1二段ギア42や第2二段ギア43の回転角を検出するようにしても、出力ギアの回転制御が可能であるため、回転角を検出する第1ギア50は、第1二段ギア42や第2二段ギア43であってもよい。
【0052】
ただし、出力ギアは第1二段ギア42や第2二段ギア43より直径が大きいことから、第1ギア50を出力ギアにすることで被検出部53となる円環部の直径を大きくすることができる。
【0053】
そして、製造上の凹凸ピッチは直径の大小に関係がないため被検出部53となる円環部の直径を大きいものとすれば、その分だけ周方向に多くの凹凸を形成することができるので回転角で見たときの検出ピッチをより細かくすることが可能である。
【0054】
したがって、回転角を検出する第1ギア50は出力ギアに限定されるものではないが、出力ギアとすることが好ましい。
【0055】
なお、本実施形態では、被検出部53は、二色成形で作製されるとしたが、第1ギア50に円環状の凹部を設け、被検出部53を第1ギア50とは別途に成形を行い、第1ギア50の凹部に別途成形した被検出部53をはめ込んでもよい。
【0056】
(第2実施形態)
第1実施形態では、周期的な電磁気的特性の変化である被検出パターンを形成するために、周方向に交互に凹凸を形成するという物理的な形状変化を利用した場合について示した。
【0057】
しかしながら、物理的に凹凸を形成しなくとも周期的な電磁気的特性の変化である被検出パターンを形成することが可能であり、第2実施形態では、凹凸を形成しない場合について説明する。
【0058】
なお、第2実施形態は、第1実施形態と第1ギア50の被検出部53の構成が異なるだけであり、その他の構成に関しては第1実施形態と同様であるので、以下では、主に、第2実施形態の被検出部53の構成について説明し、第1実施形態と同様の点については説明を省略する場合がある。
【0059】
図8は、第2実施形態の第1ギア50(出力ギア)の回転角検出部70側を見た斜視図である。
第2実施形態の第1ギア50の被検出部53も、第1実施形態と同様に、磁性粉体を含有する磁性材料(プラスチックマグネット材料)で構成される円環部として形成されており、第1ギア50を樹脂成形するときに二色成形することで第1ギア50に一体に形成されている。
【0060】
一方、第2実施形態では、第1ギア50の回転角検出部70側となる面から回転角検出部70側に突出するように設けられた第1端側の第1端部が、
図8に示すように、周方向に交互に等しいピッチでN極とS極を有するように着磁されている。
【0061】
つまり、第1端部の周方向にN極及びS極を周期的に設けることで、この周方向の極の変化によって、電磁気的特性が周期的に変化する被検出パターンが形成されたものになっている。
【0062】
このような被検出パターンとしても、素子71としてホール素子を有するセンサーは、極が変化するピッチごとの電磁気的特性の変化を検出することができ、第1実施形態と同様に第1ギア50の回転角を検出することができる。
【0063】
そして、ホール素子は、極の変化のピッチが細かくても、その極の変化を検出できるため、第2実施形態の構成の場合でも、第1実施形態と同様に、従来のブラシを用いた構成に比べ、細かい角度ピッチで回転角を検出することができる。
【0064】
また、第1実施形態と同様に、第2実施形態の回転装置10も非接触で回転角を検出するブラシを用いない構成であるため、ブラシを用いる従来のものと比較して、静音性が高く、製造コストが低く、耐久性に優れている。
【0065】
一方、
図8では、円環部として形成された被検出部53は、第1実施形態と同様に、第1ギア50の回転角検出部70側となる面から回転角検出部70側に突出するように設けられたものとしているが、被検出部53の回転角検出部70側の第1端部の端面が第1ギア50の回転角検出部70側となる面と面一になっていてもよい。
【0066】
また、逆に、第1ギア50の回転角検出部70側となる面から回転角検出部70側に被検出部53をより突出させるようにし、被検出部53の外周面の周方向に現れるN極及びS極の、極の変化に伴う電磁気的特性の変化を被検出パターンとして、センサーの素子71を被検出部53の外周面に対向配置させるようにしてもよい。
【0067】
なお、第2実施形態においても第1実施形態と同様に、被検出部53は、二色成形で作製されてもよい。
また、第1ギア50に円環状の凹部を設け、被検出部53を第1ギア50とは別途に成形を行い、この第1ギア50の凹部に別途成形した被検出部53をはめ込んでもよい。
【0068】
(第3実施形態)
第1実施形態及び第2実施形態では、被検出パターンが周期的な電磁気的特性の変化である場合について説明したが、被検出パターンは周期的な光の反射特性の変化であってもよく、以下では、第3実施形態として、このような周期的な光の反射特性の変化を被検出パターンとする場合について説明する。
【0069】
第3実施形態では、被検出パターンが周期的な光の反射特性の変化であることから素子71としてホール素子を用いるのではなく、発光素子と受光素子を有する受発光素子(例えば、フォトカプラ)のような素子を素子71として用いる。
【0070】
そして、それ以外の点で第1実施形態及び第2実施形態と異なるのは、被検出部53の構成だけであるので、以下では、主に、第3実施形態の被検出部53の構成について説明を行い、その他の部分については説明を省略する場合がある。
【0071】
図9は、第3実施形態の第1ギア50(出力ギア)の回転角検出部70側を見た斜視図である。
なお、
図9では、B−B線に沿った一部拡大断面図も併せて図示しており、この一部拡大断面図には、受発光素子である素子71から光が照射されたときの光の反射状態を光線L1(点線参照)及び光線L2(一点鎖線参照)で示している。
【0072】
図9に示すように、第3実施形態の第1ギア50でも、第1ギア50の回転角検出部70側となる面から回転角検出部70側に突出するように形成された円環部として構成される被検出部53が設けられている。
【0073】
ただし、第3実施形態では、電磁気的特性の変化は不要であるので、この円環部として構成される被検出部53は第1ギア50の他の部分と同じ樹脂材料(磁性粉体を含有しないプラスチック材料)で形成されており、第1ギア50を樹脂成形するときに、
図9に示す被検出部53のような物理的な形状変化を形成しただけである。
【0074】
なお、
図9では、被検出部53を回転角検出部70側に突出する円環部として形成している場合を示しているが、この円環部の最も回転角検出部70側となる端面が第1ギア50の回転角検出部70側となる内側面と面一であってもよく、この場合、材料の違いもないことから被検出部53は、センサーから光が照射される円環上の領域にノッチ部54bが周期的に現れるだけとなる。
【0075】
このため、本明細書等では、第3実施形態の被検出部53は、第1ギア50の回転角検出部70側となる内側面から突出している場合及び突出していない場合を含む意味で円環領域と呼ぶ場合がある。
【0076】
以下では、具体的に、回転角検出部70が、第1ギア50の回転角をどのようにして検出するのかについて説明する。
【0077】
図9に示すように、第3実施形態の第1ギア50では、周方向に交互に所定のピッチで平坦部54aとノッチ部54bを形成することで被検出パターンを形成している。
【0078】
そして、
図9の一部拡大断面図に示すように、受発光素子である素子71から複数の三角形状の溝として形成されたノッチ部54bに光が照射されると、その光の光線L1は、溝の側面によって照射方向とは異なる方向に反射されることになるため、センサー側への光の反射が低い部分なっている。
【0079】
ノッチ部54bには、溝の側面が複数設けられており、この側面は平坦部54aに対して傾斜面となっている。
つまり、
図9の一部拡大断面図に示されたノッチ部54bには、周方向において、受光素子の受光面に対して互いに傾斜角度の異なる2種類以上の傾斜面が複数配列している。
また、
図9の一部拡大断面図には、2種類の傾斜面が複数配列していることが示されている。
なお、隣接し合う傾斜面は複数の三角形状の溝を形成している。
【0080】
一方、平坦部54aに光が照射されると、その光の光線L2は、センサー側に向かって反射されることになるため、センサー側への光の反射が高い部分になっている。
【0081】
したがって、この平坦部54aとノッチ部54bのピッチに応じてセンサーの素子71が受光する光の受光強度が異なることになるので、このピッチごとの光の反射特性の変化(受光強度の変化)を検出することで、何ピッチ分、第1ギア50が回転したかが求められ、その回転したピッチ数に基づいて第1ギア50の回転角を求めることができる。
【0082】
そして、光の受光強度の検出も、ブラシを用いた検出と比較して、細かいピッチでの検出が可能であるため、第3実施形態の回転装置10も、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、従来のブラシを用いた構成に比べ、細かい角度ピッチで回転角を検出することができる。
【0083】
また、第3実施形態の回転装置10も、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、ブラシを用いる従来のものと比較して、静音性が高く、製造コストが低く、耐久性に優れている。
【0084】
一方、上記では、センサー側への光の反射が高い部分と低い部分を平坦部54aとノッチ部54bで構成する場合について説明したが、必ずしも、これに限定される必要はない。
【0085】
例えば、センサー側への光の反射が高い部分が白や銀といった光の反射率の高い色とされ、センサー側への光の反射が低い部分が黒等の光の反射率が低い色として構成されていてもよい。
【0086】
つまり、光の反射の低い部分が光の反射が高い部分よりも光の反射率が低い色とされているだけでもよく、この場合には、ノッチ部54bのような構造的な変化は必要ない。
【0087】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではない。
【0088】
第1、第2、第3の実施形態において、被検出部53は、第1ギア50の回転軸に対して直交する面上に円環部として設けられるとしたが、第1ギア50の回転軸と同軸の円環部を第1ギア50と一体に設け、円環部の側面に被検出パターンを設けてもよい。
【0089】
第2実施形態では、被検出部53には、周方向において、互いに異なる2種類の磁極が1つずつ交互に複数配列されているが、これに限定されず、被検出部53に、周方向において、N極の磁極がn(1より大きい整数)個配列され、次にS極の磁極がm(1より大きい数)づつ配列され、この配列順序に従って互いに異なる2種類の磁極が交互に配列されていてもよい。
なお、mはnと同じ又は異なる整数であっても構わない。
【0090】
また、上記実施形態では、センサーが第1ギア50の回転角を非接触で間接的に検出する場合について示した。
つまり、センサーが被検出パターンを検出し、回転角検出部70のセンサー以外の他の電子部品(例えば、マイコン、IC、回路等)によって、センサーが検出した被検出パターンをデジタル信号又はアナログ信号に変換して外部に出力し、その出力に基づいて回転角が算出される場合について示した。
【0091】
しかしながら、センサー自体が素子71に加え、回転角を求める演算を行うIC等を備えていてもよく、そして、求めた回転角を回転角検出部70のセンサー以外の他の電子部品(例えば、マイコン、IC、回路等)によって、デジタル信号又はアナログ信号に変換して外部に出力するようにしてもよい。
したがって、センサーが第1ギア50の回転角を非接触で直接的に検出する構成になっていてもよい。
【0092】
また、センサーが検出した被検出パターンを回転角検出部70で変換して回転角を算出せずに、外部へ出力しても構わない。
【0093】
このように、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更が可能であり、そのような要旨を逸脱しない範囲での種々の変更を行ったものも本発明の技術的範囲に含まれることは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。