特許第6665178号(P6665178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6665178均質化したたばこ材料のキャストウェブの製造のためのキャスティング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6665178
(24)【登録日】2020年2月21日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】均質化したたばこ材料のキャストウェブの製造のためのキャスティング装置
(51)【国際特許分類】
   A24B 3/14 20060101AFI20200302BHJP
【FI】
   A24B3/14
【請求項の数】17
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-525821(P2017-525821)
(86)(22)【出願日】2015年12月14日
(65)【公表番号】特表2018-504090(P2018-504090A)
(43)【公表日】2018年2月15日
(86)【国際出願番号】EP2015079631
(87)【国際公開番号】WO2016096750
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年10月10日
(31)【優先権主張番号】14198172.0
(32)【優先日】2014年12月16日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ソー シュー ホック
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−538151(JP,A)
【文献】 実開昭54−139701(JP,U)
【文献】 特公昭35−009663(JP,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0138251(US,A1)
【文献】 特開昭56−128391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00−15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
均質化したたばこ材料のキャストウェブの製造のためのキャスティング装置であって、 スラリーを保持するようになされるキャスティングボックスと、
移動可能支持体と、
前記均質化したたばこ材料の前記キャストウェブを形成するように、前記キャスティングボックスに保持された前記スラリーを前記移動可能支持体にキャストするようになされたキャスティングブレードとを備え、
前記キャスティングブレードが、ブレードエッジを規定する横断面を有し、前記ブレードエッジが、第1の曲率半径を有する第1の点および第2の曲率半径を有する第2の点を備え、前記第1および第2の曲率半径が、約1mm〜約500mmからなり、かつ互いに異なっているキャスティング装置。
【請求項2】
前記ブレードエッジが、前記第1の曲率半径を有する第1の円弧および前記第2の曲率半径を有する第2の円弧を含む、請求項1に記載のキャスティング装置。
【請求項3】
前記ブレードエッジが、楕円の一部を含む、請求項1に記載のキャスティング装置。
【請求項4】
前記第1の曲率半径が、約1mm〜約50mmからなる、請求項1〜3のいずれかに記載のキャスティング装置。
【請求項5】
前記第2の曲率半径が、約10mm〜約500mmからなる、請求項1〜4のいずれかに記載のキャスティング装置。
【請求項6】
前記キャスティングブレードが、約40cm〜約300cmからなる長手方向の幅を有する、請求項1〜5のいずれかに記載のキャスティング装置。
【請求項7】
前記長手方向の幅が、調整可能である、請求項6に記載のキャスティング装置。
【請求項8】
前記第2の点が、前記移動可能支持体に実質的に面している前記キャスティングブレードの底部に配置される、請求項1〜7のいずれかに記載のキャスティング装置。
【請求項9】
前記キャスティングボックスに保持されるスラリーの量を調整するようになされる制御可能ポンプを含む、請求項1〜8のいずれかに記載のキャスティング装置。
【請求項10】
前記キャスティングボックスに保持される前記スラリーの高さに依存するフィードバック信号を前記制御可能ポンプに送信するようになされるレベルセンサーを備える、請求項9に記載のキャスティング装置。
【請求項11】
前記キャスティングブレードと前記移動可能支持体との間の平均距離が、約0.1mm〜約2mmからなる、請求項1〜10のいずれかに記載のキャスティング装置。
【請求項12】
制御装置および信号を前記制御装置へ送信するようになされた1つ以上のセンサーを備え、前記1つ以上のセンサーが、
前記移動可能支持体上にキャストされる前記キャストウェブ上のドラッガーを特定するセンサーと、
前記移動可能支持体上にキャストされる前記キャストウェブの水分を判定するセンサーと、
前記移動可能支持体上にキャストされる前記キャストウェブの厚さまたは厚さの変化を測定するセンサーと、
前記キャスティングボックス内の前記スラリーの粘度を測定するセンサーと、
前記キャスティングボックス内の温度を測定するセンサーと、
前記移動可能支持体上にキャストされる前記キャストウェブ上の欠陥の位置を検出するセンサーと、
前記キャスティングボックス内の前記スラリーの密度を検出するセンサーと、
上述のセンサーの2つ以上の組み合わせとを備える、請求項1〜11のいずれかに記載のキャスティング装置。
【請求項13】
アクチュエータまたはモータを含み、前記制御装置が、フィードバックループを実施するために前記センサーの1つ以上から受信した信号に応じて、前記アクチュエータまたは前記モータに命令するようになされて、前記信号に応じる前記1つ以上のセンサーによって検出されたパラメータの1つ以上を変更する、請求項12に記載のキャスティング装置。
【請求項14】
前記キャスティングブレードの第1および第2の長手方向端部に結合される第1および第2のアクチュエータおよび前記移動可能支持体から前記キャスティングブレードの局所距離を調整するように、前記第1および第2のアクチュエータに命令するモータを少なくとも含む、請求項1〜13のいずれかに記載のキャスティング装置。
【請求項15】
前記キャスティングボックスの前記スラリーをその幅に沿って複数の位置に分配するようになされる前記キャスティングボックスの長手方向の幅に沿って配置される分配器手段を備える、請求項1〜14のいずれかに記載のキャスティング装置。
【請求項16】
前記キャスティングボックス内部の前記スラリーを混合するための混合装置を含む、請求項1〜15のいずれかに記載のキャスティング装置。
【請求項17】
前記キャスティングボックスが、加圧容器を形成する、請求項1〜16のいずれかに記載のキャスティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、均質化したたばこ材料のキャストウェブを製造するためのキャスティング装置に関する。特に、本発明は、例えば、紙巻たばこまたは「燃やさない加熱式」たばこを含有する製品などのエアロゾル発生物品で使用する均質化したたばこ材料のキャストウェブを製造するためのキャスティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、たばこ製品の製造では、たばこ葉の他に均質化したたばこ材料も使用される。この均質化したたばこ材料は、例えば、たばこ茎またはたばこダストなどの、一般にカットフィラーの製造にあまり適していないたばこ植物の部分から製造される。一般に、たばこダストは製造中にたばこ葉の取り扱いの間に副産物として作り出される。
【0003】
均質化したたばこ材料の最も一般的に使用される形態は、再構成たばこシートおよびキャストリーフである。均質化したたばこ材料シートを形成するプロセスは、一般的にスラリーを形成するためにたばこダストと結合剤とを混合する工程を含む。次にスラリーは、例えば、いわゆるキャストリーフを製造するために粘性のあるスラリーを移動する金属ベルト上にキャスティングすることによってたばこウェブを作り出すために使用される。あるいは、再構成たばこを作り出すために、粘性が低くかつ水含有量が高いスラリーを製紙と似たプロセスで使用することができる。調製されると、紙巻たばこおよび他の喫煙物品のために適切なたばこカットフィラーを製造するための葉たばこと類似した様式で、均質化したたばこウェブを切断してもよい。このような均質化したたばこを作成するプロセスは、例えば、欧州特許第EP0565360号に開示されている。
【0004】
「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品では、エアロゾル形成基体はエアロゾルを形成するがたばこ材料の燃焼は防止するために、比較的低い温度に加熱される。さらに、均質化したたばこ材料中に存在するたばこは、一般にたばこのみであるか、または大部分がこのような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品の均質化したたばこ材料中に存在するたばこを含む。これは、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品によって発生されるエアロゾル組成が実質的に均質化したたばこ材料のみに基づくことを意味する。従って、例えば、エアロゾルの味わいの制御のためには、均質化したたばこ材料の組成にわたる良好な制御を有することが重要である。
【0005】
例えば、スラリーの濃度、粘度、繊維のサイズ、粒度、湿気または経時などのスラリーの物理的特性の変化によって、均質化したたばこのウェブのキャスティング中に、標準的なキャスティング方法およびキャスティング装置が、支持体上のスラリーのアプリケーションに意図しない変化をもたらす場合がある。最適ではないキャスティング方法およびキャスティング装置は、均質化したたばこのキャストウェブの不均質性および欠陥につながる可能性がある。
【0006】
均質化したたばこウェブの不均質性は、エアロゾル発生物品の製造において、均質化したたばこウェブのその後の取扱いに困難をもたらす恐れがある。例えば、不均質性により、ウェブの製造またはその後の処理中に、ウェブの引き裂きまたはウェブの破裂がもたらされる場合がある。これにより、例えば、機械の停止をもたらす可能性がある。さらに、不均質なたばこウェブは、同一の均質化したたばこウェブから製造されたエアロゾル発生物品間で意図しないエアロゾル送達において差異を作り出す場合がある。
【0007】
従って、こうした加熱式エアロゾル発生物品の異なる加熱特性およびエアロゾル形成の必要性に適合された、特に「燃やさない加熱式」のこのような加熱式エアロゾル発生物品での使用のための均質化したたばこ材料を調製するための新しい方法に対する必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、均質化したたばこ材料のキャストウェブの製造のためのキャスティング装置に関し、該キャスティング装置は、均質化したたばこ材料のキャストウェブを形成するように、スラリーを保持するようになされたキャスティングボックス、移動可能支持体およびキャスティングボックスに保持されたスラリーを移動可能支持体上にキャスティングするようになされるキャスティングブレードを備える。本発明によれば、このキャスティングブレードは、ブレードエッジを規定する横断面を有し、この縁部は、第1の曲率半径を有する第1の点および第2の曲率半径を有する第2の点を備え、該第1および第2の曲率半径は、約1mm〜500mmからなり、かつ互いに異なっている。
【0009】
均質化したたばこ材料は、スラリーを取得するため様々な成分を水と混合することによって形成される。その後の工程では、均質化した材料のウェブが、スラリーを支持体上にキャスティングすることによって連続して支持体上に生成される。結果として得られる均質化したたばこ材料は、引張強さが比較的高く、かつ均質性が良好であることが望ましい。
【0010】
均質化したたばこ材料を実現するために使用され、引張り強さおよびキャストウェブの均質性に影響を与えるスラリーの重要なパラメータは、特にスラリーのキャスティング時に、均質化したたばこ材料の連続したウェブを形成するその粘度である。さらにまた、スラリーの密度は、特にキャスティング前に、キャストウェブの最終品質を決定するために重要である。適切なスラリー密度、粘度および均質性は、欠陥の数を最小化し、またキャストウェブの引張強さを最大化する。
【0011】
このスラリーは、複数の様々な構成成分または成分を含む。これらの構成成分は均質化したたばこ材料の性質に影響を与える。第一の成分はたばこ粉末ブレンドであり、これはスラリー中に存在するたばこの大半を含有することが好ましい。たばこ粉末ブレンドは均質化したたばこ材料中のたばこの大半の供給源であり、それゆえ、例えば、均質化したたばこ材料を加熱して製造されるエアロゾルなどの最終製品に風味を与えるものである。たばこ材料ウェブの引張強さを増加するために、強化剤として作用する、セルロース繊維を含有するセルロースパルプが添加されるのが好ましい。均質化したシートの引張特性を強化するため、およびエアロゾルの形成を促進するために、結合剤およびエアロゾル形成体も添加されるのが好ましい。さらに、均質化したたばこ材料のウェブをキャスティングするために最適なある一定の粘性および水分に達するために、スラリーに水が添加される場合がある。スラリーは、可能な限り均質にするために混合される。
【0012】
このスラリーは、キャスティングボックスに収集され、そのなかで所定の量のスラリーが保持されるのが好ましく、例えば、キャスティングボックスに所定のレベルのスラリーが予め設定されている。このスラリーが移動可能支持体上にキャストされ、均質化したたばこ材料の連続したウェブを形成する間、スラリーが連続してキャスティングボックスに供給されるのが、好ましい。
【0013】
本発明によれば、このスラリーは、移動支持体とキャスティングブレードとの間に形成されるキャスティングボックスの出口を通って、移動支持体の幅にわたってキャストされる。この支持体は、キャスティングボックスからスラリーを除去するために、長手方向に沿って移動する。この支持体は、例えば、ステンレス鋼移動可能ベルトを含んでもよい。このキャスティングブレードは、実質的に、均一の厚さを移動可能支持体上に有するスラリーのキャストウェブを形成するために使用される。従来技術では、こうしたキャスティングブレードは、円筒形状を有する、すなわち、円筒部を含む、または長方形である。さらに、このブレードと支持体との間の距離は、スラリーのキャストウェブの厚さを決定する。
【0014】
本発明によれば、このブレードは、2つの異なる曲率半径を有する2つの別の点を含む。このように、このブレードの曲率半径は、スラリーがキャストされる位置、すなわち、このブレードが移動可能支持体と間隙を作る位置のスラリーの特性にしたがって、最適化され、支持体上にスラリーを均質に堆積することができる。追加の曲率半径は、キャスティングボックス内のスラリーの改良された循環を可能にするために、具体的には、間隙またはキャスティングブレードおよび移動可能支持体へのスラリーの円滑な接近を可能にするために、追加の曲率半径をスラリーの特性に対して最適化することができる。このように、最適なキャスティングおよびブレードの位置の良好な制御の両方を達成可能である。
【0015】
「均質化したたばこ材料」という用語は、本明細書を通して、たばこ材料の粒子の凝集によって形成される任意のたばこ材料を含むように使用される。本発明では、均質化したたばこのシートまたはウェブは、例えば、たばこ葉ラミナ、たばこ葉茎またはそれらのブレンドを粉砕することによって、またはその他の方法で粉末化することによって得られた粒子状たばこを凝集することにより形成される。
【0016】
さらに、均質化したたばこ材料は、たばこの処理、取り扱い、および移送中に形成された少量のたばこダスト、たばこ微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0017】
本発明では、スラリーは、適切にブレンドされた異なるたばこタイプのたばこラミナおよびたばこ茎によって形成されるのが、好ましい。ここでは、「たばこタイプ」という用語は、たばこの異なる品種のうちの1つを指す。本発明に関しては、これらの異なるたばこタイプは、ブライトたばこ、ダークたばこおよびアロマティックたばこの3つの主な群に区別される。これらの3つの群間の区別は、たばこがたばこ製品中でさらに加工される前に受ける乾燥処理プロセスに基づく。
【0018】
上述のように、スラリーは可能な限り均質であるべきであり、これによってその粘性が可能な限り均一でキャスティングに最適である標的値に近づく。均一な粘性を得るために、スラリーの全量をキャスティングする前に混合することが好ましい。
【0019】
そして、スラリーは、キャスティングボックスに移送されて、所定のレベルまでキャスティングボックスを満たすのが好ましい。スラリーのレベルは、実質的に、キャスティングボックス内で一定に保持されるのが好ましい。スラリーは、重力によってキャスティングボックスの底部から流出する。さらに、キャスティングボックス内の能動輸送の手段は、プッシャまたはプロペラなどにより提供可能である。このキャスティングボックスは、加圧容器を形成するのが好ましい。言い換えると、キャスティングボックス内の圧力に対して制御を行うことができ、これによって、ボックスから流出するスラリーは、キャスティングボックスの内圧のレベルで作用することでその後も制御される。キャスティング装置は、混合装置を備えて、キャスティングボックス内部のスラリーを混合するのが好ましい。そして、このスラリーは、キャスティングブレードと移動支持体との間に形成された間隙を通ることによって、移動支持体上に送出される。
【0020】
このキャスティングブレードは、幅が非常に広く、実質的にキャスティングボックスの幅すべてに沿って延在するのが好ましい。好ましくは、ブレードの幅とブレードが取り付けられるキャスティングボックスの幅は、同様である。このキャスティングブレードの、ブレードの幅方向に対して実質的に垂直な平面によって切断された部分が、ブレードエッジを規定する(デカルトの座標X、YおよびZでは、この切断面は、(X、Z)面であり、Xは、移動可能支持体中のスラリーの移動方向であり、Yは、キャスティングブレードの幅方向であり、Zは、垂直方向である)。このブレードエッジは、本発明にしたがって規定される形状を有する断面(X、Z)の所与の曲線に従う。ブレードエッジでは、少なくとも2点は、縁部の末端に属していないと考えられる、すなわち、ブレードが開始する、ブレードが終了する、またはキャスティングボックスに接続されているところは、縁部の始まりまたは終わりとは考えられていない。これらの2点では、ブレードエッジにより規定された曲線は、連続的で、かつ連続した第1の導関数を有するのが好ましい。
【0021】
この部分のこれらの2つの異なる点は、第1の点および第2の点と呼ばれ、異なる曲率半径を有する。この文脈では、「異なる点」という用語は、第1の点の座標(X1、Z1)の少なくとも一方が、第2の点の座標(X2、Z2)の一方と異なることを意味する。したがって、第1の点のブレードエッジの曲率半径は、第2のブレードエッジの曲率半径と異なる。
【0022】
このように、第1の点のブレードエッジの曲率半径および第2の点の曲率半径は、互いに独立したものであり、このブレードの形状は製造ニーズにしたがって、変化することができる。例えば、スラリーが間を通って移動可能支持体上にキャストされる、ブレードと移動可能支持体との間の間隙の区域で、大きな曲率半径が必要とされる可能性がある。スラリーが円滑に間隙に近づくことを可能にするため、間隙の外側に大きい曲率半径を予見することができる。キャスティング区域の外側では、ブレードの寸法を程よいサイズに維持するために小さい曲率半径を使用することができる。このブレードの形状は、単一の曲率半径だけでは規定されず、別の曲率半径を使用して製造ニーズに適合可能である。このように、一定で均一な曲率半径を有する円筒状ブレードを有する装置に存在する問題が、有利なことに、回避可能である。
【0023】
好ましくは、第1の点の曲率半径および第2の点の曲率半径は両方とも、約1mm〜500mmからなり、より好ましくは、約3mm〜約100mmからなり、最も好ましくは、5mm〜約50mmからなる。第1の曲率半径が約1mm〜約50mmで、第2の曲率半径が約10mm〜約500mmであるのが好ましく、第1の曲率半径が約3mm〜約25mmで、第2の曲率半径が約15mm〜約100mmであるのがより好ましく、第1の曲率半径が約5mm〜約25mmで、第2の曲率半径が約20mm〜約50mmであるのが最も好ましい。第1の曲率半径と第2の曲率半径は、互いに約5mm〜約100mm異なるのが好ましく、第1の曲率半径と第2の曲率半径は、互いに約10mm〜約50mm異なるのがより好ましく、第1の曲率半径と第2の曲率半径は、互いに約15mm〜約30mm異なるのが、最も好ましい。これらの曲率半径は、均質化したたばこ材料のキャストウェブの製造のためにキャスティングブレードの実現に特に適切であるとわかっている。
【0024】
本明細書では、略してRと呼ばれる、第1および第2の点でのブレードエッジの曲率半径などの、ある点での曲線の曲率半径は、その点の曲線を最も近似する円弧の半径の尺度として規定される。それは、曲率の逆である。
【0025】
平面曲線の場合、曲率半径は、Rで示され、という絶対値を示す。
【0026】
【数1】
【0027】
式中、sは、曲線上の固定点からの弧の長さであり、φは、正接角であり、κは、曲率である。
【0028】
切断面(X、Z)のブレードエッジによって規定された曲線が、デカルトの座標でz(x)として与えられた場合、曲率半径は(曲線が、2次まで微分可能であると仮定すると)、
【0029】
【数2】
【0030】
式中、
【0031】
【数3】
【0032】
有利なことには、ブレードエッジは、該第1の曲率半径を有する第1の円弧および該第2の曲率半径を有する第2の円弧を含む。あるいは、ブレードエッジは、楕円の一部を含む。
【0033】
ブレードエッジは、2つの曲率半径または複数の異なる曲率半径のいずれか1つを有する点だけを含むことができる。第1の場合、このブレードは、第1の曲率半径によって規定されている一方および第2の曲率半径による他方の2つの円筒の2つの部分の交差によって形成される固体を含むことができる。この実施形態では、(X、Z)面に沿ったキャスティングブレードの部分は、第1の円弧、第1の曲率半径を有する第1の円筒の基部、および第2の円弧、第2の曲率半径を有する第2の円筒の基部を含む曲線を規定する。したがって、曲率半径は、第1の弧と第2の弧の中で一定である。あるいは、ブレードエッジは、楕円の一部を含むことができる。楕円は、連続して変化する曲率半径を有し、したがって、この実施形態では、ブレードエッジによって規定される楕円の部分の異なる点それぞれは、異なる曲率半径を有する。本発明によれば、ブレードエッジは、1つ以上の円弧および1つ以上の楕円の部分の両方を含むことができる。
【0034】
好ましくは、例えば、異なる曲率半径を有する円弧の間または複数の楕円もしくは楕円の異なる点と円弧との間などの異なる点の間の交差点は、連続していて、それにより、ブレードエッジを形成する切断面(X、Z)により規定される結果としての曲線は、連続しており、その第1の導関数もまた連続している。
【0035】
好ましい実施形態では、第1の曲率半径は、約1mm〜約50mmであるが、第2の曲率半径は、有利なことに、約10mm〜約500mmである。該第2の点は、該移動可能支持体に実質的に面している該キャスティングブレードの底部に配置されるのが好ましい。
【0036】
第2の曲率半径は、キャスティングの瞬間にスラリーに近接するまたは接触するブレードの一部に属するのが好ましい。さらに、第2の曲率半径は、比較的「大きい」。大きい曲率半径は、支持体へスラリーが緩やかに流れることを可能にする。というのも、所定の長さの支持体とキャスティングブレードの間の間隙は、かなり狭いからである。言い換えると、ブレードが、支持体に面している部分に「大きい」曲率半径を有する場合、キャスティングブレードと支持体との間に形成された間隙は、ウェブのキャスティングの方向に、すなわち、移動可能支持体が移動する方向に、ゆるやかに寸法を変化させる。比較的大きい曲率半径を有するブレードでは、ブレードと支持体との間の距離が、キャスティングの方向に沿って少量変化している。このように、支持体の非常に長い距離の間、スラリーの正確に規定された厚さが強要される。これにより、通常、ブレードと支持体との間に存在する間隙より厚く、かなり大きい曲率半径を有するブレードエッジにより規定される「長い」間隙を通じて圧搾することができない、凝集体の蓄積の最小化が可能になる。
【0037】
さらに、支持体に面するブレードの一部が大きい曲率半径であることで、例えば、曲率半径が大きくなるほど、キャスティングの方向(移動可能支持体が移動する方向)に沿ってより長くなる、ブレードと支持体との間に規定された「長く狭い間隙」を完全に流れることが必要な時に、支持体へのスラリーの導入が緩慢なことによる、いわゆる、「ドラッガー(draggers)」などの欠陥の出現を減らすことが可能になる。
【0038】
第2の曲率半径がかなり大きい場合、第1の曲率半径は、それより小さいことが好ましく、それにより、ブレードが厚くなり過ぎず、キャスティング装置の残りの部分に容易に構成可能かつ適合しやすい。このように、比較的大きい曲率半径および比較的小さい曲率半径の組み合わせにより、均一で欠陥を最小化するウェブを移動支持体上にキャスティングすることおよびブレードをキャスティング装置の残りの部分に固定し調整することの両方のために適切な寸法を有するブレードを取得することが可能になる。
【0039】
このキャスティングブレードは、約40cm〜約300cmからなる長手方向の幅を有するのが好ましく、約80cm〜約250cmであるのがより好ましい。このブレードの幅は、乾燥した均質化したたばこ材料を巻き取るために使用されるボビンの寸法に適合するのが好ましい。実際、均質化したたばこ材料の製造されたウェブを貯蔵するために、後者はボビンに巻かれるのが好ましい。これらボビンは一般に、標準の幅を有する。しかし、寸法によって、具体的には、均質化したたばこウェブで製造されたエアロゾル発生物品の直径によって、異なる幅でボビンを製造することが必要である。均質化したたばこウェブの幅が、要求されるすべてのボビンの幅の倍数になることはできないので、キャスティングブレードまたはキャスティングボックスの幅は、調整可能であることが好ましい。有利なことには、このように幅が可変であることはまた、装置の製造能力を適合するために使用することができる。このキャスティング装置および付属の乾燥機は、理想的には、長いランプアップタイムに起因して連続して運転されるので、これは特に有利である。
【0040】
有利な実施形態では、このキャスティング装置は、キャスティングボックスに保持されるスラリーの量を調整するようになされる制御可能ポンプを含む。キャスティングボックスから流出するスラリーの量は、とりわけ、ブレードと移動可能支持体との間に存在する間隙および重力によって制御される。キャスティングボックスのスラリーの量は、予め設定されたレベルがあり、スラリーの円柱の圧力が実質的に同じであるために、実質的に一定であるのが好ましい。このように、実質的に同じ量のスラリーが単位時間毎にキャスティングボックスから流出する。スラリーの量を実質的に同じレベルに維持するために、制御可能ポンプは、キャスティングボックスへのスラリーの流れを制御する。このように、スラリーの流れは、キャスティングボックスに保持されるスラリーのレベルの関数として調整可能であるのが好ましい。こうしたレベルを制御するために、レベルセンサーが、キャスティングボックスの中またはそばに存在してもよい。有利なことには、レベルセンサーは、該キャスティングボックスに保持される該スラリーの高さに依存するフィードバック信号を該制御可能ポンプに送信するようになされる。このキャスティングボックス内のスラリーの高さは、キャスティングボックスからのスラリーの流出に適切な圧力を有するため、キャスティングボックスの底部から約50mm〜約400mmからなるレベルであることが好ましい。レベルセンサーは、レベル信号の関数として、ポンプを起動または停止することができる、あるいはポンプからのスラリーの流量を変動することができる制御装置へのレベル信号を送信することができる。
【0041】
好ましい実施形態では、該キャスティングブレードと該移動可能支持体との間の平均距離は、約0.1mm〜約2mmからなり、より好ましくは、該キャスティングブレードと該移動可能支持体との間の平均距離は、約0.2mm〜約1.5mmからなる。均質化したたばこ材料のキャストウェブの厚さは、完成品の品質および一貫性に非常に関連する。この厚さが均一であることが望ましく、いずれの塊、凝集体、繊維、粗粒も含まないのが望ましい。ブレードと支持体との間に生成された間隙を有する本発明のキャスティングブレードの特定の設計は、スラリーが均一の厚さの連続ウェブにキャストされることを確実にする。さらに、移動可能支持体の幅および長さに沿った破損ならびに他の欠陥の出現が、有利なことには、低減可能である。
【0042】
キャストウェブの厚さは、欠陥の出現に関連するだけではない。薄いウェブは、簡単に割れる怖れがある。厚いウェブは、凝集体を容易に、頻繁に発展させる場合がある。一定の厚さはまた、乾燥工程にも関連する。キャスティングの後、均質化したたばこ材料のウェブは、乾燥され、この乾燥パラメータは、とりわけ、ウェブの厚さに依存する。
【0043】
好ましい実施形態では、キャスティング装置は、制御装置および該制御装置に信号を送信する1つ以上のセンサー(複数可)を備え、この1つ以上のセンサー(複数可)は、移動可能支持体上にキャストされたキャストウェブのドラッガーを特定するセンサーと、移動可能支持体上にキャストされた該キャストウェブの水分を判定するセンサーと、移動可能支持体上にキャストされた該キャストウェブの厚さまたは厚さの変化を測定するセンサーと、該キャスティングボックスのスラリーの粘度を測定するセンサーと、該キャスティングボックスのスラリーの温度を測定するセンサーと、移動可能支持体上にキャストされた該キャストウェブ上の欠陥の位置を検出するセンサーと、該キャスティングボックスのスラリーの密度を検出するセンサーと上記センサーの2つ以上の組み合わせを含む。
【0044】
スラリーの形成は、最終製品の品質を決定する繊細なプロセスである。本発明によって調製されたスラリーをキャスティングすることにより得られた均質化したたばこシートの拒絶のリスクを最小化するために、いくつかのパラメータを制御してもよい。例えば、欠陥または引張強さの低さに起因して、仕様を逸脱する材料が形成される可能性がある。具体的には、これらのプロセスパラメータは、他のパラメータの中でも、スラリーの温度、水分、滞留時間、および粘性である。粘性は、実際に(とりわけ)スラリーの温度、水分および滞留時間の関数であることが既知である。従って、スラリーの粘性、温度、および含水量のうちの少なくとも1つを適切なセンサーを用いてモニターすることが好ましい。パラメータを一連の所定の範囲内に維持するために、オンライン信号処理および制御のためのセンサー信号をフィードバックループで使用することが好ましい。例えば、プロセス制御は、適切なプロセスパラメータの変更に影響される可能性があり、プロセスパラメータの例として、冷却量、温度、移動支持体の速度、スラリーに導入される水の量、スラリーを形成する他の成分の量、上述のプロセスパラメータの変更およびその他の組み合わせが挙げられる。
【0045】
キャスティングにおいて該キャストたばこ材料ウェブの水分は、約60パーセント〜約80パーセントであることが好ましい。均質化したたばこ材料の製造のための方法は、該キャストたばこウェブを乾燥し、乾燥後、該キャストたばこウェブを巻き取る工程を含むことが好ましい。巻き取り工程における該キャストたばこウェブの水分は、たばこ材料ウェブの乾燥質量の約7パーセント〜約15パーセントであることが好ましい。巻き取り工程における前記均質化したたばこウェブの水分は、均質化したたばこウェブの乾燥質量の約8パーセント〜約12パーセントであることが好ましい。キャスティングにおけるスラリーの水分は、その後の製造段階において、均質化したたばこウェブの均質性および均質化したたばこ材料の製造性に影響を与える、制御するべき別の重要なパラメータである。
【0046】
特に均質化したたばこウェブを形成するためにスラリーをキャスティングする工程の前のスラリーの密度は、ウェブ自体の最終品質を決定する上で重要である。適切なスラリー密度および均質性は、欠陥の数を最小化し、またウェブの引張強さを最大化する。
【0047】
本発明によるキャスティング装置は、アクチュエータまたはモータを含み、制御装置は、フィードバックループを実施するために該センサーの1つ以上から受信した信号に応じて、アクチュエータまたはモータに命令するようになされて、該信号に応じる該1つ以上のセンサーによって検出された1つ以上のパラメータを変更するのが、より好ましい。
【0048】
本発明のキャスティング装置には、1つ以上のフィードバックループが存在するのが好ましい。キャスティング装置のセンサー(複数可)によって特定可能な、例えば、ドラッガーなどの欠陥およびその位置の存在、ならびにまたセンサー(複数可)によって判明可能な均質化したたばこ材料のウェブの厚さの不均質性により、最適でないキャスティング条件の存在が暗示される。これらの最適でないキャスティング条件は、いくつかの要因による可能性があり、例として、好ましい範囲外にあるスラリーの密度、キャスティングブレードの幅を超えるキャスティングブレードと移動可能支持体との間の一定でない間隙、好ましい水分範囲外のスラリーの水分レベルなどが挙げられる。したがって、キャスティング工程で役割を果たすパラメータ値を取得するために複数のセンサーを使用するのが有利である。そして、これらの値は、例えば、キャスティングの条件により、キャストウェブの製造が、所望の使用範囲外にされる場合に、フィードバックループを用いて調整可能である。欠陥の出現またはパラメータの不均一もしくは標準規定範囲外へのパラメータのシフトは、1つ以上のセンサーによって検出され、対応する信号が中央制御装置へ送信される。この中央制御装置は、偏向するプロセスパラメータを変更するまたは1つ以上の追加の別のパラメータを修正するために、アクチュエータもしくはモータを操作またはそれに命令して、検出された問題を訂正することができる。
【0049】
有利なことには、このキャスティング装置は、該キャスティングブレードの第1および第2の長手方向端部に結合される第1および第2のアクチュエータおよび該移動可能支持体から該キャスティングブレードの局所距離を調整するように、該第1および第2のアクチュエータに命令するモータを少なくとも含む。上述の通り、移動可能ベルトにキャストされる均質化したたばこ材料のウェブの厚さは、所望の仕様内の最終製品を得るためにできるだけ均一である好ましい厚さを有する。こうした均一な厚さを達成するために、キャスティングブレードと移動可能支持体との間に存在する間隙は、調整可能であることが好ましい。それは、局所的に調整可能である、すなわち、ブレードが、移動可能支持体からの距離を、全体としてだけではなく、局所で変更できることが、ことが好ましい。したがって、不規則なブレードおよび支持体は、同様に補正可能である。というのも、ブレードと支持体との間の距離は、不規則が存在する場所で局所的に変更可能であるからである。この局所変更は、2つのアクチュエータによって得ることができ、それらは、好ましくは独立して調整可能で、ブレードの幅に沿ってその始端および終端である、ブレードの2つの対向する長手方向端部に結合可能であるのが好ましい。好ましくは、間隙の寸法を容易に、様々な方法で制御する、3つのアクチュエータにより、このブレードが作動される。有利なことには、様々な位置で、キャスティングブレードに結合されたアクチュエータにより、キャスティングブレードと移動可能支持体との間の間隙の距離の寸法を変更し制御する多くの方法が可能になる。3つの異なる位置に配置された3つのアクチュエータは、間隙の寸法を局所的に変更することができ、すなわち、第1のアクチュエータは、第1の位置の近くの間隙の寸法を変更することができ、第2のアクチュエータは、第2の位置の近くの間隙の寸法を変更することができ、第3のアクチュエータは、第3の位置の近くの間隙の寸法を変更することができる。したがって、間隙の寸法の変更は、特定の局所の必要に対して、個別対応可能である。具体的には、3つのアクチュエータは、キャスティングブレードの空間位置を均一な方法または不均一な方法で、変更することができる。均一な方法では、すべての3つのアクチュエータは、キャスティングブレードを同じ方向に同じ量移動する。キャスティングブレードの不均一な移動は、アクチュエータの少なくとも1つが、少なくとも1つの他のアクチュエータとは異なる、量または方向でキャスティングブレードを局所的に変位する場合のキャスティングブレードのすべての他の変位を含む。すべての3つのアクチュエータを同じ量および同じ方向に移動すると、キャスティングブレードの変位が生じて、間隙が増加または低減する。キャスティングブレードの長手方向幅に沿った3つのアクチュエータ、例えば、ブレードの各端部に1つのアクチュエータおよび中間に1つアクチュエータが存在することは、キャスティングブレードを曲線形状に曲げる可能性がある、2つのアクチュエータシステムに対し、優位である。3つのアクチュエータシステムの利点をさらに挙げると、キャスティングブレードの支持点間の距離が、2つのアクチュエータシステムの場合より狭いことである。これにより、引力によるキャスティングブレードの固有変形が、とくに比較的長いブレードの場合に、低減される。これにより、さらに、たばこ材料の連続ウェブの均質性が向上する。
【0050】
アクチュエータの不均一な変位により、別の形状のキャスティングブレードを生成することができる。例えば、くさび状の間隙または湾曲した間隙を、3つのアクチュエータで得ることができる。上述の通り、ブレードまたは支持体は、これらの構成要素の製造中の位置ずれまたは欠陥に起因して、スラリーと接触する不均一な表面を含む場合がある。位置ずれを補正するために、または、他の要因に起因する他の不均質性に対して、不均一な寸法を有する間隙が、所望される場合がある。例えば、ブレードと支持体との間の距離がキャスティングブレードの一方の長手方向の端部から対向する他方の長手方向の端部まで異なる場合、くさび状の間隙を作ることができる。このくさび状形状は、例えば、垂直方向に、キャスティングブレードが、異なる距離を移動するように3つのアクチュエータを動作して得ることができる。あるいは、1つは、固定して動かず、他の1つまたは2つのアクチュエータが、局所的にキャスティングブレードを変位させてもよい。湾曲した間隙を、選択し実現することもできるが、それは、ブレードが直線ではなく、湾曲した構成であることを意味する。湾曲したキャスティングブレードは、第1のアクチュエータと第2のアクチュエータとの間に位置するアクチュエータを作動させるだけで、得ることができる。あるいは、すべての3つのアクチュエータが動作可能であるが、異なる距離を変位させると、その3つの端部の位置は、直線に沿って配置されず、曲線、凹状または凸状によってのみ接続可能になる。
【0051】
さらに、固定されていても変動可能であってもよい、所定の周波数でブレードが振動することを許容する、超音波アクチュエータによって、このブレードを作動することができる。これにより、このブレードを洗浄し、繊維のリスクまたはこのブレードに付着する他の材料を除去することができる。このブレードに付着する材料は、連続して均質化したたばこ材料に不一致を作る恐れのある、いわゆる、「ドラッガー」を引き起こす可能性がある。
【0052】
好ましくは、このキャスティング装置は、該キャスティングボックスの長手方向の幅に沿って配置される分配器手段を備えて、該キャスティングボックスの該スラリーをその幅に沿って、1つ以上の位置で分配する。上述の通り、キャスティングボックス内のスラリーの高さは、スラリーが、重力の力でキャスティングボックスから出ていくという事実により、最終製品の特性に影響する。したがって、キャスティングボックス内のスラリーの高さは、できるだけ均質な均質化したたばこ材料のウェブを有するために、できるだけ均質であるのが好ましい。これは、スラリーが、単一の点でボックスに導入される場合のキャスティングボックスに比べて有利である。こうしたキャスティングボックスでは、比較的スラリーの粘度が高いので、沈着したスラリーは、スラリーに局所的重力が加わって、キャスティングボックス内の残りの部分より高く分配器より低くなる。したがって、有利なことには、1つ以上の分配器またはキャスティングボックスの幅に沿って延在する単一の「長い」分配器により、より均一なスラリー、すなわち、キャスティングボックス内のより均一な高さのスラリーの分配が可能になる。こうした「長い」分配器は、例えば、キャスティングボックスにスラリーが落ちる、キャスティングボックスの幅の方向に沿って延在する開口を有する分配器であってもよい。
【0053】
キャスティングボックスへの分配器の入口は、キャスティングボックス内のスラリーの最大高さより高くても、それ未満でもよい。分配器の入口が、キャスティングボックス内のスラリーのレベルより高い場合、このスラリーは、典型的には、キャスティングボックスに注ぎ込むまたは滴り落ちる。
【0054】
スラリーの均質性は、最終製品の品質にとって特に重要である。したがって、キャスティングボックスに到達する前に、スラリーは混合されるが、混合タンク内で均質にされるのが好ましく、キャスティングボックス内部でさらに混合されると、キャスティング中にさらにできるだけスラリーを均質に維持することに役立つ可能性がある。
【0055】
これにより、キャストウェブの均質性をさらに増すことができる。
【0056】
本発明がさらに有利な点は、添付の図面を参照しながら、それに限定することない、発明を実施するための形態より明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】本発明による均質化したたばこウェブをキャスティングする装置を含む均質化したたばこウェブの製造のための装置の概略側面図である。
図2】本発明によるキャスティング装置の概略斜視図である。
図3図2のキャスティング装置の細部の拡大斜視図である。
図4図2のキャスティング装置の側面断面図である。
図5図2および4のキャスティング装置の一部の拡大側面断面図である。
図6図2のキャスティング装置の構成要素の側面図である。
図7図2のキャスティング装置の別の構成要素の斜視図である。
図8図7の構成要素の細部の拡大斜視図である。
図9図6のキャスティング装置の構成要素の側面図である。
図10】本発明の装置を使用する均質化したたばこウェブの製造の方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1を最初に参照すると、本発明による均質化したたばこ材料のウェブの製造のための装置を表し、参照番号1で示している。
【0059】
均質化したたばこ材料のウェブの製造のための装置1は、本発明により実現したキャスティング装置2、および、またさらに好ましくは、均質化したたばこ材料のウェブの動きの方向にキャスティング装置2の下流に配置された乾燥装置3を含む。
【0060】
キャスティング装置2は、均質化したたばこ材料のウェブを形成するスラリーが導入されるキャスティングボックス4、ポンプ5、キャスティングブレード6および移動可能支持体7を備える。キャスティングボックス4は、任意の幾何形状を有し、図示の実施形態では、実質的に角柱である。このキャスティングボックスは、その底部に一致する開口43を有し、その開口は、キャスティングボックスの幅に沿って延在する。バッファタンク(図示せず)からのスラリーは、ポンプ5を用いてキャスティングボックスに移送される。ポンプ5は、キャスティングボックス4に導入されるスラリーの量を制御する流量制御(図示せず)を備えるのが好ましい。
【0061】
ポンプ5は、有利なことには、スラリーの移送時間を確実に必要最小限に維持するよう設計されている。ポンプ5は、例えば、分配器11に配管12(図2に示す)によって流体連結されて、キャスティングボックスにスラリーを分配する。分配器11は、キャスティングボックス4の幅に沿って延在し、キャスティングボックス4より上に配置されているのが好ましい。分配器11は、キャスティングボックスの幅に沿ってスラリーを均一に分配するために、複数の開口または単一の細長いスリット(スリット13を添付図2に示す)のいずれかを含み、それにより、キャスティングボックス4内部のスラリーの充填レベル41が、キャスティングボックス4の幅に沿って実質的に均一になる。細長いスリット13を有する分配器11は、分配器の一部を見ることができる図3の拡大図により良く示される。細長いスリット13の横幅、すなわち、その幅寸法に対して垂直な寸法は、例えば、1つ以上のねじなどの調整手段14によって調整可能であるのが、好ましい。このように、キャスティングボックス4に分配器11から単位時間当りに落ちるスラリーの量は、制御可能で調整可能である。したがって、ポンプ5にある制御および分配器11にある制御が、キャスティングボックス4に導入されるスラリーの量の2つの制御として存在する。
【0062】
1つ以上の外壁15に加えて、キャスティングボックス4はまた、キャスティングボックス4内の供給室17を区切る内壁16をさらに備える。供給室17は、キャスティングボックスの内容積の残りと流体連通している。供給室17は、分配器11より下に配置されている。スラリーの粘度に起因して、供給室17内のスラリーの高さは、キャスティングボックス4の残りの部分の高さより高くなることができる。供給室17は、 図4および5の断面図に、より良く図示される。
【0063】
さらに、キャスティング装置2は、スラリーをキャストするためにキャスティングボックス4に固定されるキャスティングブレード6を含む。このキャスティングブレード6は、その幅である主寸法を有し、底部のその開口43でまたはその開口43近くでキャスティングボックス4に固定される。キャスティングブレード6の長手方向幅は、スラリーのキャストウェブの所望の幅に応じて、約40cmから300cmであるのが好ましい。好ましくは、こうした幅は、例えば、適切な幅調整手段(図示せず)によって調整可能であり、それにより、ブレードの幅またはキャスティングボックスの稼働容量を、キャストされるウェブの幅に合わせることができる。このキャスティングボックスの稼働容量は、実際にスラリーで充填されるキャスティングボックスの容量である。
【0064】
キャスティングブレード6は、調整可能盤18によってキャスティングボックスに取り付けられるのが好ましく、調整可能盤18は、キャスティングブレード6の位置を正確に制御することを可能にする。調整可能盤18は、 全体として、図7および8それぞれの拡大図に図示される。この調整可能盤18は、ブレード6と支持体7との間の間隙を調整するすべて19で示されている複数の調整要素を含む。キャスティングボックス4およびキャスティングブレード6は、移動可能支持体7を回転させるドラム8の上に搭載される。キャスティングブレード6と移動可能支持体7との間には、間隙が存在し、その寸法が、とりわけ、均質化したたばこ材料のキャストウェブの厚さを決定する。このように、間隙の寸法は、その幅に沿って分散された調整要素19を含む調整可能盤18によってキャスティングブレード6の位置を制御することによって制御される。例えば、調整要素19は、マイクロメータねじなどの複数のねじ19を含む。この調整可能盤18の幅は、実質的にキャスティングブレード6の幅と一致する。調整可能ねじ19は、調整可能盤18の幅に沿って配置され、キャスティングブレード6と支持体7との間の距離を局所的に変更することができる。複数のねじのうちの隣接する2つのねじの間の距離は、予め設定され固定することができる。ねじ19は、移動可能支持体7に関連してキャスティングブレード6の微調整のために使用される。ねじ19は、支持体の表面またはブレードの表面の不均質性を補正するために使用可能である。使用中、ねじ19は、第1の機械のセットアップで調整されるのが望ましい。しかし、ねじ19はまた、キャスティングブレード6の形状をオンラインで微調整できるように作動可能である。その幅に対して垂直方向に間隙の寸法を変更するため、すなわち、間隙の横幅を変更するため、モータ21(図2参照)により命令された複数のアクチュエータ20が、調整可能盤18に接続されている。アクチュエータ20の数は、3つに等しく、独立して命令を受けることができ、すなわち、それぞれが、例えば、モータ21それぞれに接続されているのが好ましい。このモータおよびアクチュエータは、例えば、調整可能盤18から外側に突出するフラップ22によって、調整可能盤18に接続されている。アクチュエータ20それぞれは、それ特有のフラップ22に接続されているのが好ましい。したがって、モータ21は、ブレード6を上げ下げするためにアクチュエータ20を移動することができる。アクチュエータ20が、独立して移動可能であることにより、ブレード6を局所的に上下させて、ブレード、支持体およびスラリーの不均質性を再度考慮に入れることができる。間隙の横幅は、約0.1mm〜約2mmからなるのが好ましい。さらに、ブレードは、ある周波数の範囲内でまたは所定の時間依存周波数、すなわち、ある周波数の範囲内で規則的またはランダムに変化する周波数で、ブレードを設定周波数で振動させることを可能にする超音波アクチュエータと動作可能に係合することができる。これにより、ブレードを洗浄し、繊維のリスクまたはこのブレードに付着する他の材料を除去することができる。このブレードに付着する材料は、連続して均質化したたばこ材料の不一致を作る恐れのある、いわゆる、「ドラッガー」を引き起こす可能性がある。
【0065】
さらに、ここで図9を参照すると、キャスティングブレード6の一部を、キャスティングブレード6の幅に対して垂直な平面(X、Z)において、示している。この平面におけるブレードの部分は、所与の曲線に沿って延在する縁部23を規定する。この曲線は、少なくとも第1の曲率半径を有する点24および第2の曲率半径を有する第2の点25を含み、該第1および第2の曲率半径は、約1mm〜約500mmであり、互いに異なっている。図示の実施形態では、縁部23は、すべてが第1の曲率半径を有する複数の点24およびすべてが第2の曲率半径を有する第2の複数の点を含む。例えば、縁部23は、その間に連続して接続される2つの円弧を含み、すなわち、2つの円弧は、連続的で、連続する第1の導関数を有する単一の曲線を規定する。あるいは、図示されてない実施形態では、この縁部23は、楕円の一部を含んでもよい。第2の曲率半径は、第1の曲率半径より広く、点25は、支持体7に実質的に面する第2の曲率半径を有するのが好ましい。一実施形態では、第1の曲率半径は、約5mm〜約25mmであり、第2の曲率半径は、約20mm〜約50mmである。図示の実施形態では、キャスティングブレード6は、第3の曲率半径を有する第3の点26をさらに含む。
【0066】
キャスティング装置2はまた、スラリーが均質化したたばこ材料のウェブを形成するようキャストされる移動支持体7を備える。この移動支持体7は、例えば、ドラム組立体を備える連続したステンレスベルト7を備える。このドラム組立体は、移動可能支持体7を移動させるキャスティングボックス4の下に配置される主ドラム8を含む。キャスティングボックス4は、主ドラム8の上部に搭載されるのが好ましい。上述の搭載の公差は、非常に厳密で、例えば、約0.01mm以内であるのが好ましい。例えば、移動可能支持体ドラム8の公差は、同心で約0.01mm未満、直径にわたって約0.10mm未満である。移動可能支持体7の公差は、約0.01mm未満であるのが好ましい。
【0067】
さらに、再度図1を参照すると、キャスティング装置2は、複数のセンサーを含んでいる。第1のセンサー30はレベルセンサーで、キャスティングボックス4内のスラリーの高さ41を制御するよう適合されている。このセンサー30は、好ましくは、センサー自体とキャスティングボックス4のスラリーの表面との間の距離42を測定する。スラリーの高さ41は、センサー30とキャスティングボックス4の底部との間の既知の距離から導出される。さらに、好ましくは、別のセンサー31、32が、移動可能支持体7の上に配置されて、移動可能支持体7上の均質化したたばこ材料の層の平方センチメートル当たりの質量および厚さを測定する。センサー31は、例えば、核子測定ヘッドであってもよい。図示していない、追加のセンサーが、同様に存在するのが好ましく、例として、均質化したたばこのキャストウェブの欠陥の位置を突き止め判定するセンサー、キャスティングにおけるスラリーおよびキャストリーフの水分を判定するセンサー、およびキャスティングボックス4のスラリーの温度を判定する温度センサーが挙げられる。
【0068】
好ましくは、すべてのセンサーは、測定すべき(温度、水分スラリーレベル、欠陥など)それぞれのパラメータに関連する信号を中央制御装置40へ送信する。中央制御装置40は、ポンプ5、アクチュエータ20、モータ21の1つまたはいくつか、またはすべてに、もしくはキャスティング装置2またはスラリー調製装置(図示せず)内のさらなる回路およびアクチュエータに電気的に接続されるのが好ましい。キャストウェブが、欠陥、不均質性を示すかまたはキャストウェブの特性が事前設定の範囲外にある場合、中央制御装置40は、プロセスパラメータの変更を指示し、スラリーの特性またはキャスティングのパラメータに影響を及ぼすことができる。これらのプロセスパラメータは、例えば、キャスティングブレード6と支持体7との間の間隙の寸法またはキャスティングボックス内のスラリーの量であってもよい。例えば、キャスティングブレード6のアクチュエータ20に対するフィードバックループは、キャストウェブの厚さを調整するために存在する。
【0069】
ドラムまたはローラ8は、温度制御装置(図示せず)を含むのが好ましい。キャスティングボックス4が配置されている支持体7の主ドラム8は、一定の温度に維持されて、スラリーに対するどのような変化も最小化するのが好ましい。しかし、ドラム8は、時間的に一定であるドラム8にわたって変化する温度プロファイルを有するのが望ましい場合がある。例えば、ドラム8の表面中央は、ドラムの端部より約0.5〜10度高くてもよい。この温度は、キャスティングボックス4に存在するスラリーの温度と実質的に同様であり、セ氏約5度〜26度である。ステンレス鋼ベルト7などの移動可能支持体7もまた、キャスティングボックス4に入る時の温度がベルトの幅にわたり実質的に一定であるのが、好ましい。ベルトおよびドラムの温度が、確実にスラリーにとって最適であるように、温度制御装置は、移動可能支持体7およびドラム8とリターン側で接触する工程用水を再循環する。
【0070】
乾燥装置3は、複数の個別の乾燥ゾーンを含む。個別の乾燥ゾーンは、支持体の下側の蒸気加熱と移動可能支持体7上方の加熱空気と、好ましくはまた調節可能な排気制御を含むことが好ましい。乾燥装置3の中では、均質化したたばこウェブが、支持体7上で望ましい最終的水分まで乾燥される。
【0071】
ここで、図10を参照すると、キャスティング装置2を含む装置1の機能は以下の通りである。好ましくは、たばこ粉末と他の成分を混合し組み合わせて形成されるスラリーは、例えば、インラインミキサ(同様に図示せず)を使用して保持タンク(図示せず)からキャスティング装置2のキャスティングボックス4内部へ移送される。均質なウェブおよび均一な膜の厚さへのスラリーのキャスティングという工程100は、例えば、ステンレス鋼ベルト7などの移動可能支持体7上で実施される。キャスティングする工程100は、スラリーを混合タンクからキャスティングボックス4へと移送することを含む。さらに、センサー30などの好適なセンサーによって、キャスティングボックス4のスラリーのレベル、キャスティングボックス4内部のスラリーの水分、およびスラリーの密度を監視することを含むのが好ましい。
【0072】
キャスティング後すみやかに核子ゲージにより制御される均質化したたばこ材料のウェブの厚さおよび坪量は、スラリー測定装置を使用して連続して監視およびフィードバック制御される。キャスティングは、移動可能支持体7と、フィードバック制御も可能な間隙を形成するキャスティングブレード6により実施される。縁部23に2つの異なる曲率半径を含むキャスティングブレード6の形状により、実質的に均一なウェブ均質化たばこの再現可能な形成を可能にする。
【0073】
さらに、このキャストウェブは乾燥装置3による乾燥工程101を受ける。この乾燥工程は、好ましくは、個別に制御可能なゾーンを備えるエンドレスなステンレス鋼ベルトの乾燥機中のキャストウェブの均一で穏やかな乾燥を含む。乾燥中、各乾燥ゾーンの穏やかな乾燥プロファイルを確実にするために、各乾燥ゾーンでキャストウェブの温度を監視する工程102が実施されるのが好ましい。このキャストウェブは、底部加熱および上部空気乾燥のスチームパンを備える鋼ベルト7上で所望の最終水分まで乾燥される。すべての乾燥ゾーンは、蒸気フローを備え、圧力制御と空気温度と空気フローを完全に調整可能にして、所望の乾燥プロファイル提供し、確実に製品滞留時間が重視される。
【0074】
キャスティング工程100および乾燥工程101の終わりにおいて、均質化したたばこウェブは支持体7から取り外されることが好ましい。乾燥ステーションの後で適正な含水量にてキャストウェブのドクタリング103を実施することが好ましい。水分の標的または仕様に達するようにウェブの含水量をさらに取り除くために、キャストウェブは二次乾燥プロセス104を通過することが好ましい。第2の乾燥工程では、このキャストウェブは、水分がウェブの両面から容易に除去することができるように、ワイヤ上に置かれるのが好ましい。乾燥工程101の後、例えば、単一のマスターボビンを形成するように、巻き取り工程105でキャストウェブを1つ以上のボビンに巻き取ることが好ましい。次に、切り込みを入れて小さいボビンを形成するプロセスによってより小さいボビンの製造を実施するために、このマスターボビンを使用してもよい。次に、エアロゾル発生物品(図示せず)の製造のためにより小さいボビンを使用してもよい。
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