【文献】
Organic Letters, 2012, 14(6), p.1468-1471, Supporting Information
【文献】
Journal of Polymer Science PartA, 2005, 43(10), p.2155-2163
【文献】
J. Struct. Chem., 1984, p.154-155
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エモリエント、モイスチャライザー、保湿剤、例えばオキシ塩化ビスマスおよび二酸化チタン被覆マイカのような真珠光沢顔料を含む顔料、着色剤、香料、殺生物剤、防腐剤、抗酸化剤、抗微生物剤、抗菌剤、制汗剤、スクラブ剤、ホルモン、酵素、医薬化合物、ビタミン、塩、電解質、アルコール、ポリオール、紫外線吸収剤、植物抽出物、界面活性剤、シリコーンオイル、揮発性シリコーン、有機オイル、ワックス、皮膜形成剤、例えばヒュームドシリカまたは水和シリカといった増粘剤、例えばタルク、カオリン、澱粉、変性澱粉、マイカといった粒状フィラー、ナイロン、例えばベントナイトおよび有機変性クレイのようなクレイからなる群より選択される少なくとも一つのパーソナルケア成分をさらに含む、請求項19のパーソナルケア用品。
請求項1のシリコーン化合物の製造プロセスであって、このプロセスが、1,1,1−トリフェニル−3,3−ジアルキル−3−ヒドリドジシロキサンを2から10の炭素原子を含有するアルケニル化合物と反応させることを含む、プロセス。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願の発明者らは、1,1,1−トリフェニル−3,3−ジアルキル−3−アルケニルジシロキサンであるシリコーン化合物または1,1,1−トリフェニル−3,3−ジアルキル−3(−)ジシロキサン部分を含有するシリコーン化合物、およびこれらの化合物が例えば1.5を超える高い屈折率をもたらし、非移行性能を有し、そしてその化合物(単数または複数)をパーソナルケア用品に使用してよいことを、予想外に見出した。
【0011】
実施例における場合、または別様に摘示した場合を除き、物質の量、反応条件、時間の長さ、物質の定量した性質その他を表す、明細書および特許請求の範囲において記載した数値はすべて、表現に用語「約」が用いられたか否かを問わず、全ての場合に用語「約」で修飾されているものとして理解される。
【0012】
本願で挙げたあらゆる数値範囲は、その範囲内のすべての部分範囲、およびそれらの範囲または部分範囲の種々の端点の任意の組み合わせを、それらが実施例または明細書の他のどこかで記載されていようと否とを問わず、含むものであることが理解されよう。
【0013】
また、明細書の実施例の項で詳述された任意の特定の属または種によって記述されたところの、本願発明のあるゆる成分は、一つの実施形態においては、その成分に関して明細書の他の部分で記載された範囲の任意の端点のそれぞれの代替的な定義を画定することが可能であり、したがって一つの非限定的な実施形態においては、他の部分に記載された当該範囲の端点を置き換えるものとして使用することが可能であることが理解されよう。
【0014】
さらに、構造的、組成的、および/または機能的に関連する化合物、材料または物質の群に属するものとして、明細書において明示的または黙示的に開示され、および/または請求項において挙げられた、すべての化合物、材料または物質は、その群の個々の代表例、およびそれらのすべての組み合わせを含むことが理解されよう。
【0015】
物質、成分、または構成要素に対する参照は、一つまたはより多くの他の物質、成分、または構成要素との、本開示による最初の接触、現場での形成、ブレンドまたは混合の直前の時点で存在するものについて行われる。反応生成物、混合の結果物、その他として特定される物質、成分、または構成要素は、その固有性、性質、または特徴を、接触、現場形成、ブレンド、または混合操作が、本願の開示にしたがって、常識と関連技術の当業者(例えば化学者)の通常の知識を適用して実行されるならば、その過程における化学反応または変化を通じて獲得する。化学反応物質または出発物質から化学生成物または最終物質への変化は、それが生ずる速度は別にして、連続的に進展するプロセスである。したがって、そうした変化プロセスが進行すると、出発物質と最終物質の混合物がありうるし、また中間種もありうるが、それらはその動力学的寿命に応じて、この技術の当業者に知られた現在の分析技術で容易に検出され、または検出困難でありうる。
【0016】
本願の明細書および特許請求の範囲において、化学名または化学式で参照される反応物質および成分は、単数または複数のいずれで参照されようと、化学名または化学種で参照される別の物質(例えば別の反応物質または溶媒)と接触する前に存在するものとして特定されうる。得られる混合物、溶液、または反応媒体において、予備的および/または遷移的な化学変化、変形、または反応が生ずるのであれば、それらは中間種、マスターバッチ、その他として特定されうるものであり、また反応生成物または最終物質の有用性とは異なる有用性を有してよい。特定された反応物質および/または成分を、本開示にしたがって要求される条件下で一緒にすることにより、他の後続する変化、変形、または反応が生じうる。これらの他の後続する変化、変形または反応においては、一緒にされる反応物質、成分、または構成要素が、反応生成物または最終物質を特定しうる。
【0017】
本発明の生成物を、出発物質の反応生成物として記述するについては、挙げられた最初の種に対する参照が行われるものであり、また合成前駆体の初期混合物に対しては、追加の材料を添加してよいことが注記されよう。こうした追加の材料は、反応性または非反応性であってよい。本発明の明確な特徴は、反応生成物が、少なくとも開示された通りの列挙された成分の反応から得られることである。非反応性成分は反応混合物に対し、希釈剤として、または反応生成物として調製される組成物の性質に関係しない、付加的な性質を付与するために添加してよい。したがって例えば、顔料のような固形粒子を反応混合物中へと反応前、反応中、または反応後に分散させて、非反応性成分、例えば顔料を付加的に含む、反応生成組成物を生成させうる。付加的な反応性成分もまた添加してよい;そうした成分は当初の反応物質と反応してよく、または反応生成物と反応してよい;「反応生成物」という用語は、そのような可能性を含むこと、ならびに非反応性成分の添加を含むことを意図している。
【0018】
本願で記載するところでは、すべての温度は摂氏であり、粘度は摂氏25度で測定されたものであり、粘度がセンチストークス(cSt)を用いて記載された場合には、その粘度はキャノン・フェンスケ粘度計を用いて測定されたものであり、粘度がセンチポアズ(cP)を用いて記載された場合には、その粘度はビスメトロン粘度計VSA−Lモデル(ブルックフィールド粘度計LVTモデルに類似のもの)を用いて測定されたものである。
【0019】
本願で使用するところでは、用語「アルキル」は、飽和した直鎖または分岐鎖の、一価の炭化水素ラジカルを意味する。好ましい実施形態においては、一価のアルキル基は、基当たりに1から6の炭素を含有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2,2,4−トリメチルペンチルおよびヘキシルのごときから選択される。
【0020】
本願で使用するところでは、用語「アルケニル」は、直鎖または分岐鎖の、一価の末端不飽和炭化水素ラジカルを意味し、特にラジカル当たり2から4の炭素原子を含有するもの、例えばビニル、2−プロペニルおよび3−ブテニルのごときである。
【0021】
本願で使用するところでは、表現「二価のアルキレンラジカル」は、飽和した直鎖または分岐鎖の、二価の炭化水素ラジカルを意味する。適切な二価のアルキレンラジカルには、例えば直鎖または分岐鎖のアルキレンラジカル、例えば、メチレン、ジメチレン、トリメチレン、2−メチルトリメチレンおよび2,2−ジメチルトリメチレンのごときが含まれる。
【0022】
本願で使用するところでは、「パーソナルケア組成物」は、本願記載のシリコーン化合物と、パーソナルケア用品の任意の成分または構成要素を含む組成物である。
【0023】
「パーソナルケア用品」は、本願で使用するところでは、個人的な衛生および/または個人的な美化のために使用される消費者製品として理解される。
【0024】
一つの非限定的な実施形態においては、一般式(I)の構造を有するシリコーン化合物は本願に記載するごときものであるが、しかしGは以下のものからなる群より選択される:
有機基、すなわち直鎖または分岐鎖、不飽和または飽和の炭化水素ラジカルであり、約1,000までの炭素原子、より特定的には約500までの炭素原子、さらにより特定的には約100までの炭素原子、なおさらにより特定的には約30までの炭素原子を含有し、そして任意選択的に、ヘテロ原子、カルボニル基、エステル基、アミド基およびヒドロキシル基の少なくとも一つを含み、1から25、より特定的には1から約15、そして最も特定的には1から約6の価数を有し、但し有機基の価数は下付文字aの値に等しいという制約に従う;
一般式(II)を有する環状シロキサン:
【化2】
各々のR
2および各々のR
3は独立して、1から約8の炭素原子、より特定的には1から約6の炭素原子、そして最も特定的には1から約4の炭素原子を含有する一価の炭化水素ラジカルであり、
下付文字mは2から6の整数、より特定的には2から3であり、また下付文字xは0から約8、より特定的には1から約6の整数、そして最も特定的には1から約3であり、また下付文字yは1から8の整数、より特定的には1から約6、そして最も特定的には1から約3であり、但し下付文字aの値=yという制約に従う;および
一般式(III)を有するシロキサン:
M
bM
*cD
dD
*eT
fT
*gQ
hA
iB
jC
k (III)
式中
M=R
4R
5R
6SiO
1/2
M
*=R
4R
*R
6SiO
1/2
D=R
7R
8SiO
2/2
D
*=R
7R
*SiO
2/2
T=R
9SiO
3/2
T
*=R
*SiO
3/2
Q=SiO
4/2
A=O
1/2Si(R
10)(R
11)R
12Si(R
13)(R
14)O
1/2
B=O
1/2Si(R
15)(R
16)R
17Si(R
18)O
2/2
C=O
1/2Si(R
19)(R
20)R
21SiO
3/2
であり、ここでR
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
13、R
14、R
15、R
16、R
18、R
19、およびR
20は各々独立して、OR
22および1から約20の炭素原子、より特定的には1から約12の炭素原子、そして最も特定的には1から約6の炭素原子を含有し、任意選択的に少なくとも一つのヘテロ原子、例えばO、NまたはSを含有する一価の炭化水素ラジカル、6から約10の炭素原子の芳香族基、およびヒドロキシル基からなる群より選択され、
R
12、R
17、およびR
21は独立して、1から約8の炭素原子、より特定的には1から約4の炭素原子の二価の炭化水素基であり、
R
22は1から約20の炭素原子、より特定的には1から約12の炭素原子、そして最も特定的には1から約6の炭素原子の一価の炭化水素であり、
R
*は1から約8の炭素原子、より特定的には1から約6の炭素原子、そして最も特定的には1から約4の炭素原子の二価の炭化水素であり、R
*の価数の一つはR
1に結合し、そして
下付文字b、c、d、e、f、g、h、i、jおよびkはゼロまたは正であり、b+c+d+e+f+g+h+i+j<1000、より特定的にはb+c+d+e+f+g+h+i+j<750、さらにより特定的にはb+c+d+e+f+g+h+i+j<500、そして最も特定的にはb+c+d+e+f+g+h+i+j<100の制約に従い、ここでb+c+d+e+f+g+h+i+jの上記範囲のいずれかの下側の端点は1、2、3、5、10、12、20、50または60の一つまたはより多くであることができ、またc+e+g≧1、より特定的にはc+e+g≧2、さらにより特定的にはc+e+g≧3であり、c+e+gのこれらの範囲の上側の端点は4、5、8、10、12、20、50、60または100のいずれであることもでき、そしてc+e+g=aである。
【0025】
本願の一つの非限定的な実施形態においては、一般式(I)のR
1は独立して、より特定的には、1から6の炭素原子、より特定的には1から4の炭素原子、そして最も特定的には1から3の炭素原子を含有する二価のアルキル基、例えば本願で記載したアルキルの非限定的な例のごときであり、また非限定的な例の二価のメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルのごときである。
【0026】
本願の一つの非限定的な実施形態においては、一般式(I)のR
1の定義は、下付文字aの値に依存する。a=1ならば、一つの非限定的な実施形態においてはR
1は2から約4の炭素原子の二価の不飽和アルケニル基、本願で記載したアルケニルの例のごときであり、そしてより特定的には非限定的な例としてビニルであり、そしてGは一つの非限定的な実施形態においては水素原子であり、R
1が二価のアルケン基である場合に、R
1の末端をなす。別の非限定的な実施形態においては、a=1の場合、R
1は1から約6の炭素原子、より特定的には1から約4の炭素原子、さらにより特定的には1から約3の炭素原子を含有する二価のアルキル基、本願で記載したアルキルの非限定的な例のごときであり、そして非限定的な例としての二価のメチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルのごときであり、またGは一つの非限定的な実施形態においては水素原子であり、R
1が二価のアルキル基である場合に、R
1の末端をなす。アルキルについて上述した鎖長の範囲は、2の炭素原子を下側の端点として有しうることが理解されよう。
【0027】
本願の一つの非限定的な実施形態においては、式(I)におけるGの定義中のケイ素含有基は、1から約20のケイ素原子、より特定的には1から約18のケイ素原子、より特定的には1から約12のケイ素原子、そして最も特定的には1から約8のケイ素原子であるケイ素含有基であり、ここでこれらの範囲は、一つの非限定的な実施形態において、2、3、または4のいずれのケイ素原子を有することもできる。
【0028】
本願のなおさらなる非限定的な実施形態においては、式(I)のシリコーン化合物は、a=1およびR
1は直鎖または分岐鎖の、8までの炭素原子、より特定的には6までの炭素原子、そして最も特定的には3までの炭素原子の不飽和炭化水素ラジカル、例えばビニルであり、ここで別の実施形態においてはGは水素であり、R
1が二価のアルキレンである場合に、R
1の末端をなす。
【0029】
本願の一つの非限定的な実施形態においては、式(I)のシリコーン化合物は、一般式(IV):
【化3】
のものであることができ、式中、各々のR
2およびR
3は独立して、本書で定義した通りであり、そしてより特定的には、各々のR
2およびR
3は独立して、1から3の炭素原子のアルキル基である。
【0030】
本願のさらに別の実施形態においては、一般式(I)のシリコーン化合物は、本願で記載した一般式(III)のものであり、そして下付文字i+j+k≧1、より特定的にはi+j+k≧2、さらにより特定的にはi+j+k≧3であり、そして一つの実施形態においては、これらの範囲は5、6、8、10、12、15、20または50の任意の一つを上側の端点として有することができる。
【0031】
本願のさらに別の実施形態においては、一般式(I)のシリコーン化合物は、以下の群から選択することが可能である:
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
ここで、上記した式の各々において、R
2、R
3およびR
4はそれぞれ独立して、約6までの炭素原子を含有する一価の炭化水素ラジカルである。
【0032】
本願の一つの非限定的な実施形態においては、ここに記載するR
2、R
3およびR
4の各々はメチルであることができる。
【0033】
本願の一つの実施形態において、本願の一般式(I)のシリコーン化合物、ならびに本願に記載したパーソナルケア組成物は、1.5より大きい、より特定的には1.52より大きい、そして最も特定的には1.53より大きい屈折率を有することができ、そしてこれらの範囲は、一つの非限定的な実施形態においては、上限として1.8、より特定的には1.7、そして最も特定的には1.6を有することができる。
【0034】
本願の一つの他の実施形態においては、本願の一般式(I)のシリコーン化合物、ならびに本願に記載したパーソナルケア組成物は、26ダイン/cmより大きい、より特定的には27ダイン/cmより大きい、そして最も特定的には27.1ダイン/cmより大きい表面張力を有することができる。
【0035】
一つの実施形態においては、本願のパーソナルケア組成物は、さらに溶媒を含むことができる。一つの特定的な実施形態において、溶媒は、シリコーンオイル、有機オイル、炭化水素溶媒、およびこれらの組み合わせから選択される。水(または非水性ヒドロキシル溶媒のような水の均等物)、シロキサン、直鎖または環状の、または親油性液体(油膨潤剤、油膨潤性)も溶媒として使用してよく、これらは膨潤剤として機能しうる。本発明の組成物の溶媒成分として使用するのに適した親油性液体は、本願に記載のごときものである。より特定的な実施形態においては、本発明の組成物の溶媒成分は、約1,000cSt未満、好ましくは約500cSt未満、より好ましくは約250cSt未満、そして最も好ましくは100cSt未満の粘度を、25℃において示す。
【0036】
一つの実施形態においては、本発明の溶媒は、エモリエント化合物を含むことができる。適切なエモリエント化合物には、エモリエント特性をもたらす液体、すなわち皮膚に適用された場合に、皮膚の表面または皮膚の角質層に残存する傾向を有し、潤滑剤として作用し、かさつきを低減させ、そして皮膚の外観を改善させる、どのような液体をも含んでいる。エモリエント化合物は一般に知られており、例示には、例えばイソドデカン、イソヘキサデカンおよび水素化ポリイソブテンのような炭化水素、例えばホホバ油のような有機ワックス、例えばシクロペンタシロキサン、ジメチコーンおよびビスフェニルプロピルジメチコーンのようなシリコーン液体、例えばオクチルドデシルネオペンタノエートおよびオレイルオレエートのようなエステル、ならびに例えばオレイルアルコールおよびイソミリスチルアルコールのような脂肪酸およびアルコールを含んでいる。
【0037】
一つの実施形態において、溶媒は、キシレン、トルエン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、イソドデカノール、およびこれらの混合物からなる群より選択される炭化水素溶媒である。
【0038】
本願の別の実施形態において、溶媒は、グリセリン、ソルビトール、保湿用添加剤の水溶液、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される親水性エモリエントである。
【0039】
本願の別の非限定的な実施形態においては、溶媒は、ここで記載した一般式IVによって表されるシリコーン成分である。
【0040】
本願で使用するところでは、用語「非水性ヒドロキシル有機化合物」または「非水性ヒドロキシル溶媒」は、典型的にはアルコール、グリコール、多価アルコールおよび多価グリコールならびにこれらの混合物などのヒドロキシル含有有機化合物を意味し、これらは室温、例えば約25℃、および約1気圧において液体であり、また同じ成分として用語「溶媒」と互換的に使用される。非水性有機ヒドロキシ溶媒は、アルコール、グリコール、多価アルコールおよび多価グリコールならびにこれらの混合物などを含む、室温、例えば約25℃、および約1気圧において液体であるヒドロキシル含有有機化合物からなる群から選択される。好ましくは、非水性ヒドロキシル有機溶媒は、エチレングリコール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、イソブチレングリコール、メチルプロパンジオール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンコポリマー、およびこれらの混合物からなる群より選択される。
【0041】
本発明のシリコーン組成物の組成的パラメータは、殆ど制限のない仕方で変化させることが可能であるため、シリコーン組成物の組成的パラメータを変化させることにより、本願の幾つかの組成物は水膨潤性であると同時に油膨潤性でもあり、その他のものは水膨潤性または油膨潤性のいずれかのみであり、そして本願の幾つかの組成物は、本願で記載するどの溶媒についても膨潤性でない。本願の一つの実施形態において、シリコーン組成物のシリコーン成分は、本願に記載した溶媒で膨潤可能である。一つの実施形態において、本願に記載のシリコーン成分は、当初容積から、当初容積の1.01から5000倍、より好ましくは2から1000倍、そしてさらにより好ましくは5から500倍の、膨潤容積へと膨潤することができる。シリコーン成分の当初容積は、例えば、発明のシリコーン組成物からすべての溶媒成分を抽出または揮発させて当初容積とすることにより、すなわち液体がない状態のシリコーン成分の容積とすることにより、求めることができる。
【0042】
別の具体的な実施形態においては、本発明のシリコーン組成物は、シリコーン成分の100重量部(「pbw」)当たりで、1pbwから99.9pbw、より好ましくは70pbwから99.5pbw、そしてさらにより好ましくは85pbwから99pbwの溶媒を含む。
【0043】
本願の別の実施形態においては、シリコーン組成物はさらに、後の反応のために存在してよい、あるいはシリコーン成分をもたらす前の反応、例えば本願に記載したごとき、トリフェニルシラノールと1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルケニルジシラザンおよび/またはアルケニルジアルキルハロシランとの反応、また代替的には本願に記載したごとき、1,1,1−トリフェニル−3−3−ジアルキル−3−ジアルキル−3−アルケニルジシロキサンとハイドロジェンシロキサンとの反応から残存しうる、貴金属触媒を含んでよい。
【0044】
多くの種類の貴金属触媒、例えば白金触媒が既知であり、そうした白金触媒は、本発明におけるヒドロシリル化反応に使用してよい。光学的透明度が必要な場合、好ましい白金触媒は、反応混合物中に可溶な白金化合物の触媒である。こうした白金化合物は、参照によって本願に取り込まれる米国特許第3,159,601号に記載されたような、式(PtCl
2オレフィン)およびH(PtCl
3オレフィン)を有する白金化合物から選択することができる。本発明の組成物で使用可能な、さらなる白金含有材料は、参照によって本願に取り込まれる米国特許第3,159,662号に記載された、塩化白金のシクロプロパン錯体である。白金含有材料はさらに、塩化白金酸から形成された錯体であることができ、参照によって本願に取り込まれる米国特許第3,220,972号に記載されるように、この錯体は白金のグラム当たり2モルまでが、アルコール、エーテル、アルデヒドおよびこれらの混合物からなるクラスから選択される。本願で最も特定的に使用される触媒は、カルステッド(Karstedt)に付与された米国特許第3,715,334号;第3,775,452号;および第3,814,730号に記載されている。この技術に関する付加的な背景は、Advances in Organometallic Chemistry、第17巻407〜447ページ、F.G.A.StoneおよびR.West編、アカデミックプレス発行(1979年ニューヨーク)中の、スピア(J.L.Spier)による「遷移金属によるヒドロシリル化均一触媒」に見出しうる。
【0045】
一つの実施形態において、本願で使用してよい貴金属触媒は、非限定的な例であるロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、および白金触媒、およびこれらの組み合わせのごときものである。
【0046】
本願の一つの実施形態において、白金触媒は、可溶性の錯体の形態にある。
【0047】
他の一つの実施形態において、白金触媒は、塩化白金、塩化白金酸、ビス(アセチルアセトネート)白金、(η
5−シクロペンタジエニル)トリアルキル白金、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0048】
この技術の当業者は、貴金属触媒の有効量を容易に決定することができる。触媒は非常に広い範囲内で存在することができるが、通常は0.1から1000ppm、より特定的には1から100ppmの範囲内にある。本願の一つの実施形態において、触媒の基本量は、シリコーン成分の量、またはシリコーン成分を生成するのに使用されるそれぞれの成分の量に基づいている。
【0049】
本願の一つの実施形態において、本発明のシリコーン組成物は自己乳化性である。
【0050】
本願の別の実施形態において、シリコーン組成物はさらに、低剪断から高剪断で処理して、組成物の粘度および触感を調節するようにしてよい。これは例えば、組成物に中から高の剪断力を与えることによって達成してよい。高剪断は例えば、ソノレーター(Sonolator)装置、ガウリン社(Gaulin)のホモジナイザー、またはマイクロフルイダイザー装置を用いることによって与えてよい。任意選択的に、剪断に先立って、一またはより多くのキャリア溶媒をシリコーン組成物に添加することができるる
【0051】
特定の実施形態において、本発明のシリコーン組成物は固形であり、典型的にはクリーム状の稠度を有し、そこにおいてシリコーン成分は液体をゲル化する手段として作用し、固形分の特性を液体に対して可逆的に付与する。静置状態では、シリコーン組成物は固形ゲル材料の性質を示す。本発明のシリコーン組成物は高い安定性およびシネレシスに対する高い抵抗力を有し、すなわちこの組成物は液体が組成物から流れ出す傾向を殆どまたは全く示さず、このシリコーン組成物を成分として含むパーソナルケア組成物に対して、高い安定性と耐シネレシス性を与える。その高い安定性と耐シネレシス性は、当該シリコーン組成物およびパーソナルケア組成物の、長期にわたる老化と共に持続する。しかしながら溶媒は、組成物を指の間で擦るといったことでシリコーン組成物に剪断力を与えることによって、シリコーン組成物から放出されうるものであり、シリコーン材料の液体成分による、改善された触感特性がもたらされる。
【0052】
一つの特定の実施形態において、シリコーン成分は種々の液体成分に不溶であるが、溶媒によって膨潤されることは可能である。
【0053】
別の特定の実施形態において、シリコーン成分の構造は、クロスポリマーが低分子量のシリコーン液体、例えばデカメチルシクロペンタシロキサンのごときによって、上記したように当初容積から膨潤容積へと膨潤されることを許容するについて有効である。
【0054】
本発明のシリコーン成分は、調製したままで利用してもよく、またパーソナルケアエマルジョンの一つの成分として利用してもよい。一般に知られているように、エマルジョンは少なくとも二つの非混和性の相を含み、一方が連続相で他方が不連続相である。本願の一つの実施形態において、混和しない相(非混和性相)は、水性、非水性、および固形粒子からなる群より選択することができる。
【0055】
さらにエマルジョンは、粘度の異なる液体または固体であってもよい。付加的に、エマルジョンの粒径によってエマルジョンはマイクロエマルジョンとなり、十分に小さい場合には、マイクロエマルジョンは透明になりうる。さらに、エマルジョンのエマルジョンを調製することも可能であり、それらは一般に多重エマルジョンとして知られている。それらのエマルジョンは:1)不連続相が水を含み連続相が本発明のシリコーン成分を含む水性エマルジョン;2)不連続相が本発明のシリコーン成分を含み連続相が水を含む水性エマルジョン;3)不連続相が非水性ヒドロキシル溶媒を含み連続相が本発明のシリコーン成分を含む非水性エマルジョン;および4)連続相が非水性ヒドロキシル有機溶媒を含み不連続相が本発明のシリコーン成分を含む非水性エマルジョンであってよい。
【0056】
本願の一つの実施形態において、シリコーン成分は粒状添加剤と相溶性がある。別のより特定的な実施形態において、粒状添加剤は、無機粒子、ポリマーラテックス、および顔料から選択される。
【0057】
所望の形態が達成されたならば、シリコーン単独相、シリコーン相を含む無水混合物、シリコーン相を含む含水混合物、油中水エマルジョン、水中油エマルジョン、または二つの非水性エマルジョンのいずれか、あるいはこれらの変形のどれであろうと、得られた材料は通常、高粘度のクリーム状であり、良好な触覚特性を有し、また揮発性シリコーンの高い吸光度を有する。これはヘアケア用、スキンケア用、その他のパーソナルケア配合物にブレンドされていることができる。本願の一つの実施形態においては、架橋されたイオン性シリコーンの網状構造は、化粧品活性成分に結合し、放出を遅らせることができる。
【0058】
本願の一つの実施形態においては、本願に記載のシリコーン組成物を含むパーソナルケア用品が提供される。パーソナルケア用品の幾つかの非限定的な例には、スキンケア製品、サンケア製品、カラー化粧品、ヘアケア製品、および光沢増強剤を含み得る。
【0059】
本願の一つのより特定的な実施形態においては、パーソナルケア配合物は、デオドラント、制汗剤、制汗/消臭剤、シェービング製品、スキンローション、モイスチャライザー、化粧水、浴用製品、クレンジング製品、シャンプー、コンディショナー、ムース、スタイリングジェル、ヘアスプレー、ヘアダイ、ヘアカラー製品、ヘアブリーチ(脱色剤)、ウェービング製品、縮毛矯正剤といったヘアケア製品、顔料入りまたは顔料なしのマニキュア、除光液、ネイルクリームおよびローションといったマニキュア製品、キューティクル軟化剤、サンスクリーンのような保護クリーム、虫除けおよびアンチエイジング製品、口紅、リップグロス、リップクリーム、ファンデーション、フェイスパウダー、アイライナー、アイシャドー、頬紅、メーキャップ、マスカラ、BBクリーム、CCクリームといったカラー化粧品、およびシリコーン成分が従来から添加されてきた他のパーソナルケア配合物、ならびに皮膚に適用する薬剤組成物の局所適用のための薬物送達システムからなる群より選択されたパーソナルケア用品であることができる。
【0060】
より特定の実施形態において、パーソナルケア組成物は本発明のシリコーン成分の一つまたはより多くを含み、そしてさらに、以下の任意選択成分の一つまたはより多くを含む。
【0061】
・脂肪性物質
脂肪性物質は独立してまたは組み合わせにおいて、油およびロウを含んでよい。オイル(油)という用語は、室温で液体の化合物を意味する。ワックス(ロウ)という用語は、室温で固形または実質的に固形であり、その融点が一般に35℃より高い化合物を意味する。
【0062】
本発明の組成物において使用可能な油の例は、以下のような極性油を含んでいる:
グリセリンの脂肪酸エステルからなるトリグリセライド含有量の高い炭化水素系植物油であって、その脂肪酸は種々の鎖長を有してよく、それらの鎖は直鎖または分岐鎖、および飽和または不飽和でありうる;これらの油は特に、小麦{こむぎ}胚種油、コーン油、ひまわり油、カリテバター、ヒマシ油、甘扁桃油、マカダミア油、杏仁油、大豆油、菜種油、綿実油、ヤシ油、アルガン油、ホホバ油、シアバター、ココアバター、マカダミア油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、ごま油、マロー油、アボカド油、ヘーゼルナッツ油、グレープシード油、カシス油、月見草油、ミレー油、大麦油、キノア油、オリーブ油、ライ麦油、サフラワー油、ククイ油、パッションフラワー油またはモスカータバラ油;またはカプリル/カプリン酸トリグリセライド、例えばステアリネリ社(Stearinerie Dubois)により市販されているもの、またはノーベル社(Dynamit Nobel)によりMiglyol 810、812および818の名称で市販されているもの;
式R
5COOR
6の合成油またはエステルであって、そのR
5は1から40の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の高級脂肪酸残基を表し、さらに良好には7から19の炭素原子のものを含み、そしてR
6は1から40の炭素原子を含有する分岐の炭化水素系の鎖を表し、さらに良好には3から20の炭素原子のものを含み、R
5+R
6≧10であり、例えばパーセリン油(セトステアリルオクタノエート)、イソノニルイソノナノエート、C
12からC
15の安息香酸アルキル、イソプロピルミリステート、2−エチルヘキシルパルミテート、およびアルコールまたは多価アルコールのオクタノエート、デカノエートまたはリシノレート;ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテートまたはジイソステアリルマレート;およびペンタエリスリトールエステルのごときであるもの;
10から40の炭素原子を含有する合成エステル;
C
8からC
26の脂肪族アルコール、例えばオレイルアルコール;およびこれらの混合物。
【0063】
本発明の組成物において使用可能な脂肪性物質の例には、非極性化合物:炭化水素、鉱油、ポリデカンのようなポリオレフィン、イソヘキサデカンのようなパラフィン(例えばPermethyl 99
登録商標およびPermethyl 101
登録商標)、イソドデカン、イソデカン、流動パラフィン、高分子量ポリブテンのごときが含まれる。
【0064】
例示的なロウ化合物には、カルナウバロウ、蜜ロウ、オゾケライトロウ、カンデリラロウ、水素化ヒマシ油、ポリエチレンワックスおよびポリメチレンワックス、例えばサソール社(Sasol)によって商品名Cirebelle 303で市販されている製品が含まれる。
【0065】
・有機サンスクリーン
有機スクリーン剤は特に、アントラニル酸塩;桂皮酸誘導体;サリチル酸誘導体;樟脳(カンファー)誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β−ジフェニルアクリレート誘導体;トリアジン誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロネート誘導体の中から選択される。
【0066】
付加的な光保護剤の例には、以下でそのINCI名により示されるものが含まれる:
桂皮酸誘導体:特にディーエスエム社(DSM Nutritional Products, Inc.)により商品名Parsol MCXで市販されているメトキシ桂皮酸エチルヘキシル、メトキシ桂皮酸イソプロピル、シムライズ社(Symrise)により商品名Neo Heliopan Eで市販されているメトキシ桂皮酸イソアミル、シノキサート、メトキシ桂皮酸ジエタノールアミン、ジイソプロピルケイヒ酸メチル、ジメトキシ桂皮酸グリセリルエチルヘキサノエート。
【0067】
・パラアミノ安息香酸誘導体
PABA(パラアミノ安息香酸)、エチルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシルジメチルPABA、特にアイエスピー社(ISP)により商品名Escalol 507で市販されているもの、グリセリルPABA、バスフ社(BASF)により商品名Uvinul P25で市販されているPEG−25PABA。
【0068】
・サリチル酸誘導体
ロナ社(Rona/EM Industries)により商品名Eusolex HMSで市販されているサリチル酸ホモメチル、シムライズ社により商品名Neo Heliopan OSで市販されているサリチル酸エチルヘキシル、シェア社(Scher)により商品名Dipsalで市販されているサリチル酸ジプロピレングリコール、シムライズ社により商品名Neo Heliopan TSで市販されているサリチル酸トリエタノールアミン。
【0069】
・β,β−ジフェニルアクリレート誘導体:
オクトクリレン、特にバスフ社により商品名Uvinul N539で市販されているもの、エトクリレン、特にバスフ社により商品名Uvinul N35で市販されているもの。
【0070】
・ベンゾフェノン誘導体
バスフ社により商品名Uvinul 400で市販されているベンゾフェノン−1、バスフ社により商品名Uvinul D50で市販されているベンゾフェノン−2、バスフ社により商品名Uvinul M40で市販されているベンゾフェノン−3またはオキシベンゾン、バスフ社により商品名Uvinul MS40で市販されているベンゾフェノン−4、ベンゾフェノン−5、ノーキー社(Norquay)により商品名Helisorb11で市販されているベンゾフェノン−6、アメリカンシアナミド社(American Cyanamid)により商品名Spectra−Sorb UV−24で市販されているベンゾフェノン−8、バスフ社により商品名Uvinul DS−49で市販されているベンゾフェノン−9、バスフ社により商品名Uvinul A+で市販されているベンゾフェノン−12、n−ヘキシル2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート。
【0071】
・ベンジリデンカンファー誘導体:
シメックス社(Chimex)により商品名Mexoryl SDで市販されている3−ベンジリデンカンファー、メルク社(Merck)により商品名Eusolex 6300で市販されている4−メチルベンジリデンカンファー、シメックス社により商品名Mexoryl SLで市販されているベンジリデンカンファースルホン酸、シメックス社により商品名Mexoryl SOで市販されているカンファーベンザルコニウムメソサルフェート、シメックス社により商品名Mexoryl SXで製造されているテレフタリリデンジカンファースルホン酸、シメックス社により商品名Mexoryl SWで市販されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー。
【0072】
・フェニルベンゾイミダゾール誘導体:
特にメルク社により商品名Eusolex 232で市販されているフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、シムライズ社により商品名Neo Heliopan APで市販されているジナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホネート。
【0073】
・フェニルベンゾトリアゾール誘導体:
ローディア社(Rhodia Chimie)により商品名Silatrizoleで市販されているドロメトリゾールトリシロキサン、フェアマウント社(Fairmount Chemical)により商品名MIXXIM BB/100で市販されている固形状のメチレンビス(ベンゾトリアゾール)テトラメチルブチルフェノール、またはチバ社(Ciba Specialty Chemicals)により商品名Tinosorb Mで市販されているミクロ形態の水性分散物。
【0074】
・トリアジン誘導体:
チバガイギー社(Ciba Geigy)により商品名Tinosorb Sで市販されているビス(エチルヘキシルオキシフェノール)メトキシフェニルトリアジン、特にバスフ社により商品名Uvinul T150で市販されているエチルヘキシルトリアゾン、シグマ社(Sigma 3V)により商品名Uvasorb HEBで市販されているジエチルヘキシルブタアミドトリアゾン、2,4−ビス(n−ブチル4’−アミノベンゾエート)−6−(アミノプロピルトリシロキサン)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジネオペンチル4’−アミノベンザルマロネート)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジイソブチル4’−アミノベンザルマロネート)−s−トリアジン、2,4ビス(n−ブチル4’−アミノベンゾエート)−6−(アミノプロピルトリシロキサン)−s−トリアジン、2,4−ビス(ジネオペンチル4’−アミノベンザルマロネート)−6−(n−ブチル4’−アミノベンゾエート)−s−トリアジン、米国特許第6,225,467号、国際公開第WO2004/085412号(化合物6および9参照)または米国ニューヨーク州ウェストヘンリエッタのアイピー.コム社のIP.COMジャーナル(2004年9月20日)の対称性トリアジン誘導体という文書に記載された対称性トリアジンスクリーニング剤、特に2,4,6−トリス(ビフェニル)−1,3,5−トリアジン(とりわけ2,4,6−トリス(ビフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジン)、およびやはり国際公開第WO06/035000号、WO06/034982号、WO06/034991号、WO06/035007号、WO2006/034992号およびWO2006/034985号に記載された2,4,6−トリス(ターフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0075】
・アントラニル酸誘導体:
シムライズ社により商品名Neo Heliopan MAで市販されているメンチルアントラニレート。
【0076】
・イミダゾリン誘導体:
エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート。
【0077】
・ベンザルマロネート誘導体:
ベンザルマロネート官能性を含有するポリオルガノシロキサン、例えばディーエスエム社(DSM Nutritional products,Inc.)により商品名Parsol SLXで市販されているポリシリコーン−15。
【0078】
・4,4−ジアリールブタジエン誘導体:
1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン。
【0079】
・ベンゾオキサゾール誘導体:
シグマ社により商品名Uvasorb K2Aで市販されている2,4−ビス[5−(1−ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール−2−イル(4−フェニル)イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)イミノ−1,3,5−トリアジン。
【0080】
・メロシアニン誘導体:
オクチル5−N,N−ジエチルアミノ−2−フェニルスルホニル−2,4−ペンタジエノエート、およびこれらの混合物。
【0081】
・好ましい有機光保護材は以下の中から選択される:
メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル、サリチル酸ホモメチル、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、ベンゾフェノン−5、n−ヘキシル2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、4−メチルベンジリデンカンファー、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、ジナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホネート、メチレンビス(ベンゾトリアゾール)テトラメチルブチルフェノール、ビス(エチルヘキシルオキシフェノール)メトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルヘキシルブタアミドトリアゾン、2,4−ビス(n−ブチル4’−アミノベンゾエート)−6−(アミノプロピルトリシロキサン)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジネオペンチル4’−アミノベンザルマロネート)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジイソブチル4’−アミノベンザルマロネート)−s−トリアジン、2,4−ビス(ジネオペンチル4’−アミノベンザルマロネート)−6−(n−ブチル4’−アミノベンゾエート)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ビフェニル−4−イル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ターフェニル)−1,3,5−トリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、ポリシリコーン−15、1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン、2,4−ビス[5−(1−ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール−2−イル(4−フェニル)イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)イミノ−1,3,5−トリアジン、オクチル5−N,N−ジエチルアミノ−2−フェニルスルホニル−2,4−ペンタジエノエート、およびこれらの混合物。
【0082】
・保湿剤
適切な保湿剤には、限定するものではないが、多価アルコール(ポリオール)が含まれる。多価アルコールの例には、ポリアルキレングリコール、およびより好ましくはアルキレンポリオールおよびその誘導体が含まれる。例を挙げれば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトキシル化グリセリン、プロポキシル化グリセリン、およびこれらの混合物である。最も好ましくは、多価アルコールはグリセリンである。
【0083】
他の保湿剤またはモイスチャライザーには、尿素およびその誘導体、特にスターチ社(National Starch)によって市販されているHydrovance
登録商標、乳酸、ヒアルロン酸、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、ピドロ酸ナトリウム、キシリトール、セリン、乳酸ナトリウム、エクトインおよびその誘導体、キトサンおよびその誘導体、コラーゲン、プランクトン、セデルマ社(Sederma)によって商品名Moist24
登録商標で市販されているチガヤエキス、アクリル酸ホモポリマー、例えばエヌオーエフ社(NOF Corporation)のLipidure−HM
登録商標、ミベール社(Mibelle−AG−Biochemistry)のベータグルカン;ネスレ社(Nestle)により商品名NutraLipids
登録商標で市販されているパッションフラワー油、杏仁油、コーン油およびコメ油の混合物;国際公開第WO02/051828号に記載されたようなC−グリコシド誘導体、そして特に、シメックス社により商品名Mexoryl SBB
登録商標で市販されている製品のような、水/プロピレングリコール混合物(60/40重量%)中に活性物質を30重量%含有する溶液の形態のC−β−D−キシロピラノシド−2−ヒドロキシプロパン;ネスレ社によって市販されているモスカータバラ油;ビンセンス社(Vincience)により商品名Algualane Zinc
登録商標で市販されている亜鉛強化微細藻チノリモ油;エンゲルハード社(Engelhard Lyon)により商品名Marine Filling Spheresで市販されている海産物由来の球状コラーゲンおよび硫酸コンドロイチン(コラーゲン酸性溶液);エンゲルハード社により市販されているような球状ヒアルロン酸;およびアルギニン。
【0084】
適切なモイスチャライザーにはまた、ピロリドンカルボン酸ナトリウムおよびアミノ酸誘導体のモイスチャライザー、例えば商品名Prodew500、Ajidew NL−50で市販されている成分が含まれうる。
【0085】
・シリコーン
シリコーンは、直鎖ポリジメチルシロキサンポリマー、ジメチコノールポリマー、アルキルシリコーン、シリコーンクアット、フェニル変性シリコーン、アミノ官能性シリコーン、アミノ官能性シリコーンエマルジョン、シリコーンゴム、シリコーンクロスポリマー網状構造、シリコーン樹脂(TレジンまたはQレジン)、シリコーンワックスであることができる。シリコーンポリマーの例には、モメンティブ社のポリマーが含まれる:商品名Silsoft AX、Silsoft AX−E、SF1708、Silsoft A+といったアミノシリコーン、商品名SF1632、SF1642といったシリコーンワックス、商品名Silform Flexible、SR1000、SS4230、SS4267、Silform FR−5、Silform FR−10、Silsoft Styleといったシリコーン樹脂、商品名Velvesil 034、Velvesil FX、Velvesil Plus、Velvesil DM、Silsoftシリコーンゲル、SFE839といったシリコーンゲル、商品名Silsoft 1215、SF1236、CF1251といったシリコーンゴム、商品名Silsoft Q、Silsoft Silkといったシリコーンクアット、商品名Silsoft ETS、Silsoft 034といったアルキルシリコーンである。
【0086】
本発明による有用なシリコーンエラストマーには、限定するものではないが、一般にポリオルガノシロキサンとして知られている化合物が含まれる。
【0087】
エラストマーは当然のことながら架橋されており、その度合いは所望とするポリマーの弾性特性に応じて変化させることができる。架橋材料は親水性であっても(例えばエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド)、疎水性であっても(ジメチコーン、ビニルジメチコーン、アルキル等)、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0088】
シリコーンエラストマーは典型的には、本発明の組成物中に導入する前に、または現場で組成物中に導入する際に、適切な溶媒中に溶解される。適切な溶媒には、限定するものではないが、揮発性または非揮発性のシリコーン、揮発性または非揮発性のアルコール、揮発性または非揮発性のエステル、揮発性または非揮発性の炭化水素およびこれらの混合物が含まれる。本願で使用するのに好ましいシリコーンエラストマーは、ここで「ゲル」とも称されるエラストマー/溶媒のブレンドであり、エラストマー対溶媒の比率は約1:100から約1:1、より好ましくは約1:50から約1:5である。好ましくは、シリコーンエラストマー/溶媒のブレンドは、7,500,000センチポアズを超えない、より好ましくは500,000センチポアズを超えない粘度を有する。好ましくは、シリコーンエラストマーのブレンドは、少なくとも1,000センチポアズ、より好ましくは少なくとも10,000センチポアズの粘度を有する。
【0089】
シリコーンの他の例には、KSG6(信越化学工業社)、Trefil E−505Cまたは現在ではDC9506として知られるTrefil E−506C(ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー、東レダウコーニング社)、Gransil SR−CYC、SR DMF10、SR−DC556(グラント社(Grant Industries))、KSP100および200シリーズおよびKMPシリーズ(信越化学工業社)、KSG15、KSG17、KSG16、およびKSG18(信越化学工業社)、Gransil SR 5CYCゲル、Gransil SR DMF10ゲル、Gransil SR DC556ゲル、SF1204およびJK113(ゼネラルエレクトリック社)、DC9040(シクロメチコーンおよびジメチコーンクロスポリマーブレンド、ダウコーニング社)、DC9701(シリカで被覆されたジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー、ダウコーニング社)といったシリコーンエラストマーが含まれる。これらの市販品の混合物もまた使用してよい。
【0090】
・固体粒子
適切な固体粒子には、限定するものではないが、本発明の組成物に配合してよい成分である、ゴム、白亜、フラー土(酸性白土)、タルク、カオリン、酸化鉄、マイカ、絹雲母、白雲母、金雲母、合成マイカ、レピドライト、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、澱粉、スメクタイトクレイ、アルキルおよび/またはトリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学変性したケイ酸マグネシウムアルミニウム、有機変性したモンモリロナイトクレイ、水素化ケイ酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、オクテニルコハク酸澱粉アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、金属タングステン酸塩、マグネシウム、シリカアルミナ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼石膏)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、およびステアリン酸アルミニウム)、コロイド状二酸化ケイ素、および窒化ホウ素ような無機パウダー;エチレンアクリレート、ラテックス、ポリアミド樹脂パウダー(ナイロンパウダー)、シクロデキストリン、ポリエチレンパウダー、メチルポリメタクリレートパウダー、ポリスチレンパウダー、スチレンおよびアクリル酸のコポリマーパウダー、ベンゾグアナミン樹脂パウダー、ポリ(四フッ化エチレン)パウダー、およびカルボキシビニルポリマーのような有機パウダー、ヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロースパウダー、エチレングリコールモノステアレート;二酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化マグネシウムのような無機白色顔料を含んでいる。好ましい有機パウダー/フィラーには、限定するものではないが、例えばTospearl 145Aの商品名で東芝シリコーン社により市販されているようなメチルシルセスキオキサン樹脂の微小球;セピック社(Seppic)によりMicropearl M100の商品名で市販されているようなポリメチルメタクリレートの微小球;架橋したポリジメチルシロキサンの球状粒子、特に東レダウコーニングシリコーン社から商品名Trefil E506CまたはTrefil E505Cで市販されているようなもの、ポリアミド、より特定的にはナイロン12の球状粒子、特にアトケム社(Atochem)から商品名Orgasol 2002D Nat CO5で市販されているごときもの、例えばダイノ社(Dyno粒子)から商品名Dynospheresで市販されているごときポリスチレン微小球、コボ社(Kobo)により商品名FloBead EA209で市販されているエチレンアクリレートコポリマー、およびこれらの混合物から選択されるポリマー粒子が含まれる。
【0091】
やはり本願において有用であるのは、バスフ社のナノ着色剤およびバスフ社のSicopearlsのような多層干渉顔料といったカプセル化顔料および/または染料である。
【0092】
上記のパウダーの混合物もまた使用してよい。
【0093】
粒子状物質は、コメ澱粉またはコーンスターチ、カオリナイト、タルク、カボチャ種子エキス、セルロースマイクロビーズ、植物繊維、合成繊維、特にポリアミド繊維、延伸アクリルコポリマー微小球、ポリアミドパウダー、シリカパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、シリコーン樹脂パウダー、アクリルポリマーパウダー、ワックスパウダー、ポリエチレンパウダー、シリコーン樹脂で被覆された架橋オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合パウダー、アモルファス混合シリケートパウダー、シリケート粒子および特に混合シリケート粒子、およびこれらの混合物の中から選択することが可能である。
【0094】
特に言及を行ってよい付加的な粒状物質の例に含まれるものは:コメ澱粉またはコーンスターチ、特にナショナル社(National Starch)により商品名Dry Flo
登録商標で市販されているオクテニルコハク酸澱粉アルミニウム;カオリナイト;シリカ;タルク;インデナ社(Indena)により商品名Curbilene
登録商標で市販されているようなカボチャ種子エキス;セルロースマイクロビーズ;シルク繊維、コットン繊維、ウール繊維、扁平繊維、特に木材、植物または藻類から抽出されたセルロース繊維、ポリアミド繊維(Nylon
登録商標)、変性セルロース繊維、ポリ−p−フェニレンテレフタミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、Teflon
登録商標繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニルまたはポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタレート繊維、ポリマー混合物から形成された繊維、吸収性合成繊維のような繊維、エクスパンセル社(EXPANCEL)により商品名Expancel 551
登録商標で市販されているような延伸アクリルコポリマー微小球;
【0095】
光学的効果を有するフィラー、特に:ポリアミドパウダー(Nylon
登録商標)、例えば平均粒径が10マイクロメートルで屈折率が1.54である、アルケマ社(Arkema)のOrgasolタイプのナイロン12粒子、シリカパウダー、例えば平均粒径が5マイクロメートルで屈折率が1.45である、三好化成社のシリカビーズSB150、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、例えば平均粒径が8マイクロメートルで屈折率が1.36である、クラリアント社(Clariant)のPTFE Ceridust 9205F、シリコーン樹脂パウダー、例えばモメンティブ社の商品名Tospearl 150KA、Tospearl 1110A、Tospearl 120A、Tospearl 145A、Tospearl 2000B、Tospearl 3000Aであるシリコーン樹脂、アクリルコポリマーパウダー、特にポリメチル(メタ)アクリレート、例えば日本純薬社のPMMA粒子であるジュリマーMBI、または松本油脂製薬社のMicropearl M100
登録商標およびF 80 ED
登録商標粒子、ワックスパウダー、例えばマイクロパウダー社(Micropowders)のパラフィンワックス粒子であるMicroease 114S、ポリエチレンパウダー、特に少なくとも一つのエチレン/アクリル酸コポリマーを含むもの、また特にエチレン/アクリル酸コポリマーからなるもの、例えば住友精化社の粒子Flobeads EA209、シリコーン樹脂、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆された架橋オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー。こうしたエラストマーパウダーは信越化学工業社から商品名KSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−103、KSP−104およびKSP−105で市販されている。日揮触媒化成社により商品名Coverleaf
登録商標AR−80で市販されているようなタルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合パウダー、これらの混合物、皮脂を吸収および/または吸着する化合物。
【0096】
特に言及を行ってよいものは:シリカパウダー、例えば商品名シリカビーズSB−700で三好化成社により市販されている多孔性シリカ微小球、旭硝子社によりSunsphere
登録商標H51、Sunsphere
登録商標H33およびSunsphere
登録商標H53で市販されている製品;旭硝子社により商品名SA Sunsphere
登録商標H−33およびSA Sunsphere
登録商標H−53で市販されている、ポリジメチルシロキサンで被覆されたアモルファスシリカ微小球;アモルファス混合シリケートパウダー、特にアルミニウムおよびマグネシウムのシリケート、例えばスミトモ社から商品名Neusilin UFL2で市販されている製品;ポリアミド(Nylon
登録商標)パウダー、例えばアルケマ社により市販されているOrgasol
登録商標4000、およびアクリルポリマーパウダー、特にポリメチルメタクリレートパウダー、例えばワッカー社(Wacker)により商品名Covabead
登録商標LH85で市販されているもの;ポリメチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート、例えばダウコーニング社により市販されている5640 Microsponge
登録商標皮脂吸着剤、またはガンツ社(Ganz Chemical)から市販されているGanzpearl
登録商標GMP−0820;ポリアリルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート、例えばアムコル社(Amcol)により市販されているPoly−Pore
登録商標L200またはPoly−Pore
登録商標E200;エチレングリコールジメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー、例えばダウコーニング社により市販されているPolytrap
登録商標6603;
【0097】
アルミナシリケートのようなシリケート粒子;
【0098】
混合シリケート粒子、例えば:サポナイトまたはクニミネ工業社により商品名Sumectone
登録商標で市販されている硫酸ナトリウム含有水素化マグネシウムアルミニウムシリケートのようなマグネシウムアルミニウムシリケート粒子;マグネシウムシリケート、ヒドロキシエチルセルロース、ブラッククミンオイル、マロー油、およびリン脂質複合体またはルーカス社(Lucas Meyer)のMatipure
登録商標、およびこれらの混合物。ツヤ消し剤の他の例には、Softtouch CCS402、Softtouch CC6097、Softtouch CC6064といった窒化ホウ素粒子がある。適切な固体粒子は、ソフトフォーカス効果を持つフィラーである。これらのフィラーは、その固有の物性によって、皺を修正し隠蔽することが可能な任意の材料であってよい。
【0099】
これらのフィラーは特に、伸張効果、被覆効果、またはソフトフォーカス効果を介して、皺を修正してよい。そうしたフィラーの例には以下の化合物が含まれる:多孔性シリカ微粒子、例えば平均粒径が5μmである三好化成社のシリカビーズ
登録商標SB150およびSB700;旭硝子社のシリーズ−H Sunspheres
登録商標、竹本油脂社のNLK500
登録商標、NLK506
登録商標およびNLK510
登録商標のような中空半球状シリコーン樹脂粒子;シリコーン樹脂パウダー、例えばモメンティブ社のシリコーン樹脂Tospearl
登録商標145A;アクリルコポリマーパウダー、特にポリメチル(メタ)アクリレートパウダー、例えば日本純薬社の平均粒径が8μmのPMMA粒子であるジュリマーMBI
登録商標、ワッカー社により商品名Covabead
登録商標LH85で市販されている中空PMMA球体、および商品名Expancel
登録商標で市販されているビニリデン/アクリロニトリル/メチレンメタクリレート膨張微小球;ワックスパウダー、例えばミクロパウダー社(MicroPowders)の平均粒径が7μmであるパラフィンワックス粒子MicroEase
登録商標114S;特に少なくとも一つのエチレン/アクリル酸コポリマーを含み、そして特にエチレン/アクリル酸コポリマーからなる、ポリエチレンパウダー、例えば、住友精化社の平均粒径10μmのFlobeads
登録商標EA209粒子;シリコーン樹脂、そして特にシルセスキオキサン樹脂で被覆された、信越化学工業社による商品名がKSP−100
登録商標、KSP−101
登録商標、KSP−102
登録商標、KSP−103
登録商標、KSP−104
登録商標およびKSP−105
登録商標である架橋オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー;タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合パウダー、例えば日揮触媒化成社により商品名Coverleaf AR−80
登録商標で市販のもの;タルク、マイカ、カオリン、ラウリルグリシン、無水コハク酸オクテニルで架橋された澱粉パウダー、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、カルシウムシリケート、二酸化セリウム、およびガラスまたはセラミックのマイクロカプセル;シルク繊維、コットン繊維、ウール繊維、扁平繊維、特に木材、植物または藻類から抽出されたセルロース繊維、ポリアミド繊維(Nylon
登録商標)、変性セルロース繊維、ポリ−p−テレフタミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon
登録商標)繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタレート繊維、ポリマー混合物から形成された繊維、吸収性合成繊維のような、親水性または疎水性の、合成または天然の、無機または有機繊維、球状架橋シリコーンエラストマー、例えばダウコーニング社のTrefil E−505C
登録商標またはE−506C
登録商標;研磨性シリカのような、機械的効果を通じて皮膚の微小起伏を平滑化する研磨性フィラー、例えばセマネズ社(Semanez)のAbrasif SP
登録商標またはナッツ殻パウダー(例えばコスメトケム社(Cosmetochem)のアンズ殻またはクルミ殻)。
【0100】
老化の兆候に対して効果のあるフィラーは特に、多孔性シリカ微粒子、中空半球状シリコーン、シリコーン樹脂パウダー、アクリルコポリマーパウダー、ポリエチレンパウダー、シリコーン樹脂で被覆された架橋オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合パウダー、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、カルシウムシリケート、二酸化セリウム、ガラスまたはセラミックのマイクロカプセル、およびシルク繊維またはコットン繊維、およびこれらの混合物の中から選択される。
【0101】
フィラーは、ソフトフォーカスフィラーであってよい。用語「ソフトフォーカス」フィラーは、追加的に、顔色に透明感とぼかし効果を与えるフィラーを意味する。好ましくは、ソフトフォーカスフィラーは、15マイクロメートルより小さいか等しい平均粒径を有する。これらの粒子はどのような形状であってもよく、特に球形または非球形であってよい。これらのフィラーはより好ましくは、非球形である。ソフトフォーカスフィラーは、シリカおよびシリケートパウダー、特にアルミナパウダー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)タイプのパウダー、タルク、シリカ/TiO
2またはシリカ/酸化亜鉛複合体、ポリエチレンパウダー、澱粉パウダー、ポリアミドパウダー、スチレン/アクリルコポリマーパウダーおよびシリコーンエラストマー、およびこれらの混合物の中から選択されてよい。特に言及を行ってよいのは、数平均粒径が3マイクロメートルより小さいか等しいタルク、例えば数平均粒径が1.8マイクロメートルのタルク、そして特に日本タルク社により商品名Talc P3
登録商標で市販されている製品、Nylon
登録商標12パウダー、特にアトケム社により商品名Orgasol 2002 Extra D Nat Cos
登録商標で市販されている製品、デグッサ社(Degussa)により市販されている製品のような、ミネラルワックスで1%から2%が表面処理されているシリカ粒子(INCI名:水素化シリカ(および)パラフィン)、旭硝子社によって商品名Sunsphereで市販されている製品、例えばその品番H−53
登録商標のようなアモルファスシリカ微小球、および三好化成社により商品名SB−700
登録商標またはSB−150
登録商標で市販されているようなシリカマイクロビーズであるが、この列挙は限定的なものではない。
【0102】
粒子は、例えばオキシ塩化ビスマスおよび二酸化チタン被覆マイカのような、真珠光沢顔料を含んでよい。
【0103】
・無機サンスクリーン
追加的な鉱物(ミネラル)スクリーニング剤は、一次粒子の平均粒径が好ましくは5nmから100nm(好ましくは10nmから50nm)である、被覆されたまたは被覆されていない金属酸化物顔料の中から選択され、例えば酸化チタン(アモルファスまたはルチル型および/またはアナターゼ型結晶)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム顔料であり、これらはすべて、それら自体よく知られた紫外線光防御剤である。
【0104】
顔料は、被覆されていても被覆されていなくてもよい。
【0105】
被覆された顔料は、例えば1990年2月のCosmetics & Toiletries、105巻53〜64頁に記載された、アミノ酸、蜜ロウ、脂肪酸、脂肪族アルコール、アニオン性界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄またはアルミニウム塩、(チタンまたはアルミニウムの)金属アルコキシド、ポリエチレン、シリコーン、プロテイン(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物、またはヘキサメタリン酸ナトリウムのような化合物で、化学的、電気的、機械化学的および/または機械的な性質の一またはより多くの表面処理を受けた顔料である。
【0106】
知られているように、シリコーンは、直鎖または環状、分岐、または架橋構造の、種々の分子量の有機ケイ素ポリマーまたはオリゴマーであり、適切に官能化されたシランの重合および/または重縮合によって得られ、ケイ素原子が酸素原子を介して一緒に連結された(シロキサン結合)主単位の繰り返しから本質的になり、任意選択的に、置換された炭化水素系のラジカルが炭素原子を介して同じケイ素原子に直接結合されている。
【0107】
用語「シリコーン」はまた、その調製のために必要とされるシラン、特にアルキルシランを含む。
【0108】
本発明にとって適切なナノ顔料を被覆するために使用されるシリコーンは、好ましくは、アルキルシラン、ポリジアルキルシロキサン、およびポリアルキルハイドロジェンシロキサンを含む群から選択される。さらにより好ましくは、シリコーンは、オクチルトリメチルシラン、ポリジメチルシロキサン、およびポリメチルハイドロジェンシロキサンを含む群の中から選択される。
【0109】
シリコーンで処理する前に、金属酸化物顔料は他の表面処理剤、特に酸化セリウム、アルミナ、シリカ、アルミニウム化合物またはケイ素化合物、またはこれらの組み合わせで処理されていてよい。
【0110】
被覆顔料はより特定的には、酸化チタンであり:池田物産社の製品Sunveilおよびメルク社の製品Eusolex T−AVOのようにシリカで被覆されており、池田物産社の製品Sunveil Fのようにシリカおよび酸化鉄で被覆されており、タイカ社(Tayca)の製品マイクロ二酸化チタンMT500SAおよびマイクロ二酸化チタンMT100SA、チオキシド社(Tioxide)のTioveil、およびローディア社のMirasun TiW60のようにシリカおよびアルミナで被覆されており、石原産業社の製品Tipaque TTO−55(B)およびTipaque TTO−55(A)ならびにケミラ社(Kemira)のUVT 14/4のようにアルミナで被覆されており、タイカ社の製品マイクロ二酸化チタンMT100TV、MT100TX、MT100ZおよびMT−01、ならびにユニケマ社(Uniqema)の製品Solaveil CT−10 W、Solaveil CT100およびSolaveil CT200のようにアルミナおよびステアリン酸アルミニウムで被覆されており、タイカ社の製品MT−100AQのようにシリカ、アルミナおよびアルギン酸で被覆されており、タイカ社のマイクロ二酸化チタンMT100Sのようにアルミナおよびラウリン酸アルミニウムで被覆されており、タイカ社の製品マイクロ二酸化チタンMT100Fのように酸化鉄およびステアリン酸鉄で被覆されており、タイカ社の製品BR351のように酸化亜鉛およびステアリン酸亜鉛で被覆されており、タイカ社の製品マイクロ二酸化チタンMT600SAS、マイクロ二酸化チタンMT500SASまたはマイクロ二酸化チタンMT100SASのようにシリカおよびアルミナで被覆されシリコーンで処理されており、チタン工業社の製品STT−30−DSのようにシリカ、アルミナおよびステアリン酸アルミニウムで被覆されシリコーンで処理されており、ケミラ社の製品UV−Titan X195またはタイカ社の製品SMT−100WRSのようにシリカで被覆されシリコーンで処理されており、石原産業社の製品Tipaque TTO−55(S)またはケミラ社の製品UV Titan M262のようにアルミナで被覆されシリコーンで処理されており、チタン工業社の製品STT−65−Sのようにトリエタノールアミンで被覆されており、石原産業社の製品Tipaque TTO−55(C)のようにステアリン酸で被覆されており、タイカ社の製品マイクロ二酸化チタンMT150Wのようにヘキサメタリン酸ナトリウムで被覆されている。
【0111】
シリコーンで処理された他の酸化チタン顔料は、好ましくは、デグッサ社により商品名T805で市販されている製品のような、オクチルトリメチルシランで処理され、一次粒子の平均粒径が25から40nmの範囲にあるTiO
2、カルドレ社(Cardre)により商品名70250 Cardre UF TiO
2Si
3で市販されている製品のような、ポリジメチルシロキサンで処理され、一次粒子の平均粒径が21nmであるTiO
2、カラーテクニック社(Color Techniques)により商品名マイクロ二酸化チタン疎水化USPグレードで市販されている製品のような、ポリジメチルハイドロジェンシロキサンで処理され、一次粒子の平均粒径が25nmであるアナターゼ/ルチルTiO
2である。
【0112】
被覆されていない酸化チタン顔料は、例えば、タイカ社により商品名マイクロ二酸化チタンMT500Bまたはマイクロ二酸化チタンMT600Bで市販され、デグッサ社により商品名P25で市販され、ワッカー社により商品名透明酸化チタンPWで市販され、三好化成社により商品名UFTRで市販され、トーメン(Tomen)により商品名ITSで市販され、そしてチオキシド社により商品名Tioveil AQで市販されている。
【0113】
被覆されていない酸化亜鉛顔料には例えば:サンスマート社(Sunsmart)により商品名Z−Coteで市販されているもの;エレメンティス社(Elementis)により商品名Nanoxで市販されているもの;ナノスフェア社(Nanophase Technologies)により商品名Nanogard WCD2025で市販されているものがある。
【0114】
被覆された酸化亜鉛顔料には例えば:サンスマート社により商品名Z−Cote HP1で市販されているもの(ジメチコーン被覆ZnO);東芝社により商品名酸化亜鉛CS−5で市販されているもの(ポリメチルハイドロジェンシロキサンで被覆されたZnO);ナノフェーズ社(Nanophase Technologies)により商品名Nanogard酸化亜鉛FNで市販されているもの(C12〜C15安息香酸アルキルであるFinsolv TN中40%の分散液として);大東化成社により商品名Daitopersion ZN−30およびDaitopersion ZN−50で市販されているもの(シクロポリメチルシロキサン/オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン中の分散液であり、シリカおよびポリメチルハイドロジェンシロキサンで被覆された30%または50%のナノ酸化亜鉛を含有する);ダイキン工業社により商品名NFD Ultrafine ZnOで市販されているもの(シクロペンタシロキサン中の分散物としての、パーフルオロアルキルホスフェートおよびパーフルオロアルキルエチル系コポリマーで被覆されたZnO);信越化学工業社により商品名SPD−Z1で市販されているもの(シクロジメチルシロキサン中に分散したシリコーングラフト化アクリルポリマーで被覆されたZnO);アイエスピー社により商品名Escalol Z100で市販されているもの(メトキシ桂皮酸エチルヘキシル/PVP−ヘキサデセン/メチコーンコポリマー混合物中に分散したアルミナ処理ZnO);富士色素社により商品名Fuji ZnO−SMS−10で市販されているもの(シリカおよびポリメチルシルセスキオキサンで被覆されたZnO);エレメンティス社により商品名Nanox Gel TNで市販されているもの(C12〜C15安息香酸アルキルとヒドロキシステアリン酸重縮合物中55%の濃度で分散したZnO)がある。
【0115】
被覆されていない酸化セリウム顔料は、ローヌプーラン社(Rhone−Poulenc)により商品名Colloidal Cerium Oxideで市販されている。被覆されていない酸化鉄ナノ顔料は、例えば、アーヌアド社(Arnaud)により商品名Nanogard WCD2002(FE45B)、Nanogard Iron FE45BL AQ、Nanogard FE45R AQおよびNanogard WCD2006(FE45R)で市販されており、または三菱社により商品名TY−220で市販されている。被覆された酸化鉄顔料は、例えば、アーヌアド社によって商品名Nanogard WCD2008(FE45B FN)、Nanogard WCD2009(FE45B556)、Nanogard FE45BL345およびNanogard FE45BLで市販されており、またはバスフ社により商品名透明酸化鉄で市販されている。やはり例示となるのは、金属酸化物の混合物、特に二酸化チタンの混合物および二酸化セリウムの混合物であり、これには池田物産社により商品名Sunveil Aで市販されているシリカ被覆された二酸化チタンと二酸化セリウムの等量混合物が含まれ、またケミラ社により市販されている製品M261のような、アルミナ、シリカおよびシリコーン被覆された二酸化チタンと二酸化亜鉛の混合物、またはケミラ社により市販されている製品M211のような、アルミナ、シリカおよびグリセリン被覆された二酸化チタンと二酸化亜鉛の混合物が含まれる。
【0116】
追加的な紫外線スクリーニング剤は一般に、本発明による組成物中に、組成物の合計重量に対して0.01重量%から20重量%の範囲、そして好ましくは組成物の合計重量に対して0.1重量%から10重量%の範囲の比率で存在する。
【0117】
・有機溶媒
例示的な有機溶媒の中には、低級アルコールおよびポリオールがある。これらのポリオールは、グリコールおよびグリコールエーテル、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコールまたはジエチレングリコールの中から選択してよい。
【0118】
・増粘剤
例示的な親水性増粘剤には、Carbopol製品(カルボマー)およびPemulen製品(アクリレート/C10〜C30−アルキルアクリレートコポリマー)のようなカルボキシビニルポリマー;ポリアクリルアミド、例えばセピック社(SEPPIC)により商品名Sepigel305(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13〜14イソパラフィン/ラウレス7)またはSimulgel600(CTFA名:アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)で市販されている架橋コポリマー;任意選択的に架橋および/または中和された、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよびコポリマー、例えばヘキスト社(Hoechst)により商品名Hostacerin AMPS(CTFA名:ポリアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム)で市販されているポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)またはセピック社により市販されているSimulgel800(CTFA名:ポリアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム/ポリソルベート80/ソルビタンオレエート);2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー、例えばセピック社により市販されているSimulgel NSおよびSepinov EMT10;ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース系誘導体;多糖類および特にキサンタンガムのようなゴム;およびこれらの混合物が含まれる。
【0119】
例示的な親油性増粘剤には、ランデック社(Landec)により商品名Intelimer IPA13−1およびIntelimer IPA13−6で市販されているポリ(C10〜C30アルキルアクリレート)のような合成ポリマー、ヘクトライトおよびその誘導体のような変性クレイ、例えば商品名で市販されている製品が含まれる。
【0120】
本発明による組成物は、この技術の当業者に周知の技術によって配合してよい。組成物は特に、クリーム、ミルク、またはクリームゲルのような単純エマルジョンまたは複合エマルジョンの形態(O/W、W/O、O/W/OまたはW/O/Wエマルジョン);水性ゲルの形態;ローションの形態であってよい。組成物は任意選択的に、エーロゾルの形態で容器に入れてよく、またムースやスプレーの形態であってよい。
【0121】
本発明による組成物は、好ましくは、水中油型または油中水型エマルジョンの形態にある。
【0122】
・乳化剤
エマルジョンは、両性、アニオン性、カチオン性、およびノニオン性乳化剤の中から選択された乳化剤を含んでよく、これらは単独でまたは混合物として使用される。乳化剤は、得ようとするエマルジョン(W/OまたはO/W)にしたがって適宜選択される。エマルジョンはまた、例えばフィラー、ゲル化ポリマーまたは増粘剤など、他の種類の安定剤を含んでよい。
【0123】
W/Oエマルジョンの調製のために使用されてよい乳化用界面活性剤としての例には、ソルビタン、グリセリン、または糖のアルキルエステルまたはエーテル;シリコーン界面活性剤、例えばダウコーニング社から商品名DC5225Cで市販されている、シクロメチコーンとジメチコーンコポリオールの混合物のようなジメチコーンコポリオール、およびダウコーニング社からDow Corning5200配合助剤として市販されている、ラウリルメチコーンコポリオールのようなアルキルジメチコーンコポリオール;ゴールドシュミット社(Goldschmidt)により商品名Abil EM90Rで市販されている製品のようなセチルジメチコーンコポリオール、およびゴールドシュミット社により商品名Abil WE O9で市販されている、セチルジメチコーンコポリオール、ポリグリセリルイソステアレート(4モル)およびヘキシルラウレートの混合物が含まれる。他の例は、モメンティブ社から商品名SF1528、SF1540、Silform EOF、Silform 60−Aで市販されているシリコーン乳化剤である。
【0124】
一つまたはより多くの共乳化剤を添加してもよく、これは有利には、ポリオールアルキルエステルを含む群から選択されてよい。
【0125】
特に例示されるポリオールアルキルエステルには、ポリエチレングリコールエステル、例えばアイシーアイ社(ICI)から商品名Arlacel P135で市販されている製品のようなPEG−30ジポリヒドロキシステアレートが含まれる。
【0126】
特に例示されるグリセリンおよび/またはソルビタンエステルには、例えば、ゴールドシュミット社により商品名Isolan GI34で市販されている製品のようなポリグリセリルイソステアレート、アイシーアイ社により商品名Arlacel987で市販されている製品のようなソルビタンイソステアレート、アイシーアイ社により商品名Arlacel986で市販されているようなソルビタングリセリルイソステアレート、およびこれらの混合物が含まれる。
【0127】
O/Wエマルジョンについては、乳化剤の例には、グリセリンのオキシアルキレン化(より特定的にはポリオキシエチレン化)脂肪酸エステル;ソルビタンのオキシアルキレン化脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化)脂肪酸エステル、例えばアイシーアイ社により商品名Arlacel165で市販されているPEG−100ステアレート/グリセリルステアレートの混合物;オキシアルキレン化(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化)脂肪族アルキルエーテル;糖エステル、例えばスクロースステアレート;糖の脂肪族アルキルエーテル、特にポリアルキルグルコシド(APG)、例えばヘンケル社(Henkel)によりそれぞれ商品名Plantaren2000およびPlantaren1200で市販されているデシルグルコシドおよびラウリルグルコシド、例えばセピック社により商品名Montanov68で市販され、ゴールドシュミット社により商品名Tegocare CG90で市販され、そしてヘンケル社により商品名Emulgade KE3302で市販されている、任意選択的にセトステアリルアルコールとの混合物であるセトステアリルグルコシド、そしてまた例えばセピック社により商品名Montanov202で市販されている、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、およびアラキジルグルコシドの混合物の形態であるアラキジルグルコシド、といったノニオン性乳化剤が含まれる。O/Wエマルジョンに適切なシリコーン乳化剤の例は、商品名SF1188A、SF1288、Silsoft 880、Silsoft 860、Silsoft 440、Silsoft 895、Silsoft 900のポリエーテルシロキサンコポリマーである。
【0128】
使用されるエマルジョン安定剤の中でもより特定的なのは、イソフタル酸またはスルホイソフタル酸ポリマーであり、そして特にフタレート/スルホイソフタレート/グリコールコポリマー、例えばイーストマン社(Eastman Chemical)により商品名Eastman AQポリマー(AQ35S、AQ38S、AQ55SおよびAQ48Ultra)で市販されている、ジエチレングリコール/フタレート/イソフタレート/1,4−シクロヘキサンジメタノールコポリマー(INCI名:ポリエステル−5)である。
【0129】
他の適切な乳化剤は、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムのようなアミノ系乳化剤、およびレシチン、ヒドロキシル化レシチンのようなリン脂質である。
【0130】
・皮膜形成性ポリマー
本発明の好ましい実施形態によれば、組成物は少なくとも一つの皮膜形成性ポリマーを含んでよい。
【0131】
本発明において、「皮膜形成性ポリマー」という用語は、それ自体で、または補助的な皮膜形成剤の存在下に、ケラチン物質上に肉眼的に連続する堆積物を形成する可能なポリマーを意味する。組成物は水相を含んでよく、そして皮膜形成性ポリマーはこの水相に存在してよい。この場合、それは好ましくは分散したポリマー、または両親媒性もしくは会合性ポリマーである。
【0132】
用語「分散したポリマー」は、種々の大きさの粒子の形態で存在する水不溶性のポリマーを意味する。このポリマーは架橋されていても、いなくてもよい。ポリマー粒子の大きさは典型的には25から500ナノメートルの間、そして好ましくは50から200ナノメートルの間である。水性分散物中の以下のポリマーを使用してよい:ガンツ社のUltrasol2075、大東化成社のDaitosol5000AD、ノベオン社(Noveon)のAvalure UR450、ナショナル社のDynam X、インターポリマー社のSyntran5760、ロームアンドハース社(Roehm & Haas)のAcusol OP301、およびアベシア社(Avecia−Neoresins)のNeocryl A1090である。
【0133】
アベシア社により商品名Neocryl XK−90
登録商標、Neocryl A−1070
登録商標、Neocryl A−1090
登録商標、Neocryl BT−62
登録商標、Neocryl A−1079
登録商標およびNeocryl A−523
登録商標で市販され、ダウケミカル社(Dow Chemical)によりDow Latex 432
登録商標で市販され、大東化成社によりDaitosol5000AD
登録商標またはDaitosol5000SJ
登録商標で市販されているアクリル分散物;インターポリマー社(Interポリマー)によるSyntran5760
登録商標、ロームアンドハース社によるSoltex OPT、ジョンソン社(Johnson ポリマー)により商品名Joncryl
登録商標で市販されているアクリルまたはスチレン/アクリルポリマーの水性分散物、またはアベシア社により商品名Neorez R−981
登録商標およびNeorez R−974
登録商標で市販され、グッドリッチ社(Goodrich)によりAvalure UR−405
登録商標、Avalure UR−410
登録商標、Avalure UR−425
登録商標、Avalure UR−450
登録商標、Sancure875
登録商標、Sancure861
登録商標、Sancure878
登録商標およびSancure2060
登録商標で市販され、バイエル社(Bayer)によりImpranil85
登録商標で市販され、そしてハイドロマー社(Hydromer)によりAquamere H−1511
登録商標で市販されているポリウレタンの水性分散物;イーストマン社により商品名Eastman AQ
登録商標で市販されているスルホポリエステル、およびビニル分散物、例えばシメックス社のMexomer PAM
登録商標、およびこれらの混合物は、水分散性皮膜形成性ポリマー粒子の水性分散物の他の例である。
【0134】
「両親媒性もしくは会合性ポリマー」という用語は、ポリマーを部分的に水溶性にする一つまたはより多くの親水性部分と、ポリマーを会合または相互作用させる一つまたはより多くの疎水性部分とを含むポリマーを意味する。以下の会合性ポリマーを使用してよい:エレメンティス社のNuvis FX1100、ロームアンドハース社のAculyn22、Aculyn44およびAculyn46、アメルコル社(Amerchol)のViscophobe DB1000。コポリマー親水性ブロック(ポリアクリレートまたはポリエチレングリコール)と疎水性ブロック(ポリスチレンまたはポリシロキサン)から形成されるジブロックコポリマーもまた使用してよい。
【0135】
組成物は油相を含んでよく、そして皮膜形成性ポリマーはこの油相に存在してよい。この場合、ポリマーは分散物または溶液中にある。
【0136】
少なくとも一つの安定剤、特にブロック、グラフト、またはランダムポリマーで表面安定化されていてよいポリマー粒子が、一つまたはより多くのシリコーンおよび/または炭化水素系油に非水性分散物となった形態の、脂質分散性の非水性皮膜形成性ポリマー分散物の例としては、イソドデカン中のアクリル分散物、例えばシメックス社によるMexomer PAP
登録商標、およびグラフト化エチレン性ポリマー粒子の分散物、好ましくは液状脂質相中のアクリルポリマーであり、特に国際公開第WO04/055081号に記載されているように、エチレン性ポリマーが有利には粒子表面に追加の安定剤なしで分散しているものに言及を行ってよい。
【0137】
本発明の組成物中に使用してよい皮膜形成性ポリマーの中では、フリーラジカル型または重縮合型の合成ポリマー、および天然物由来のポリマー、およびこれらの混合物に言及を行ってよい。
【0138】
「フリーラジカル型皮膜形成性ポリマー」という表現は、不飽和、特にエチレン性不飽和モノマーの重合によって得られたポリマーであって、各々のモノマーが単独重合可能(重縮合物と異なり)であるものを意味する。
【0139】
フリーラジカル型皮膜形成性ポリマーは特に、ビニルポリマーまたはコポリマー、特にアクリルポリマーであってよい。
【0140】
ビニル皮膜形成性ポリマーは、少なくとも一つの酸性基を含有するエチレン性不飽和モノマーおよび/またはこれらの酸性モノマーのエステルおよび/またはこれらの酸性モノマーのアミドの重合から得られてよい。
【0141】
使用してよい酸性基を担持したモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはイタコン酸のような、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸である。好ましくは(メタ)アクリル酸およびクロトン酸が使用され、より好ましくは(メタ)アクリル酸である。
【0142】
酸性モノマーのエステルは有利には、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリレートとしても知られている)、特にアルキル、具体的にはC1〜C30アルキルおよび好ましくはC1〜C20アルキルの(メタ)アクリレート、アリール、特にC6〜C10アリールの(メタ)アクリレート、そしてヒドロキシアルキル、特にC2〜C6ヒドロキシアルキルの(メタ)アクリレートから選択される。
【0143】
皮膜形成性ポリマーは、特にポリウレタン、ポリアクリル酸、シリコーン、フルオロポリマー、ブチルゴム、エチレンコポリマー、天然ゴムおよびポリビニルアルコール、およびこれらの混合物を含む、ブロックまたはランダムポリマーおよび/またはコポリマー、から選択されてよい。
【0144】
ビニル皮膜形成性ポリマーはまた、ビニルエステルおよびスチレンモノマーから選択されたモノマーの単独重合または共重合から得られてよい。
【0145】
言及を行ってよいビニルエステルの例は、酢酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニル、およびt−ブチル安息香酸ビニルである。
【0146】
言及を行ってよいスチレンモノマーは、スチレンおよびα−メチルスチレンである。
【0147】
言及を行ってよい被膜形成性重縮合物の中には、ポリウレタン、ポリエステルアミド、ポリアミド、エポキシエステル樹脂、ポリ尿素、およびポリエステルがある。
【0148】
ポリウレタンは、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、および両性ポリウレタン、ポリウレタン−アクリル、ポリウレタン−ポリビニルピロリドン、ポリエステル−ポリウレタン、ポリエーテル−ポリウレタン、ポリ尿素およびポリ尿素−ポリウレタン、およびこれらの混合物から選択してよい。
【0149】
言及を行ってよい脂溶性ポリマーの例は、ビニルエステル(そのビニル基はエステル基の酸素原子に直接連結されており、このビニルエステルは、エステル基のカルボニル基に連結した、飽和した直鎖または分岐鎖の1から19炭素原子の炭化水素系ラジカルを含む)と、ビニルエステル(既に存在しているビニルエステル以外の)、α−オレフィン(8から28の炭素原子を含有する)、アルキルビニルエーテル(そのアルキル基は2から18の炭素原子を含有する)、またはアリルもしくはメタリルエステル(エステル基のカルボニル基に連結した、飽和した直鎖または分岐鎖の1から19炭素原子の炭化水素系ラジカルを含有する)であってよい、少なくとも一つの他のモノマーとのコポリマーである。
【0150】
これらのコポリマーは架橋剤を用いて架橋されてよく、架橋剤は、テトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、ジビニルオクタンジオエート、ジビニルドデカンジオエート、およびジビニルオクタデカンジオエートのような、ビニル型またはアリルもしくはメタリル型のいずれであってもよい。
【0151】
言及を行ってよい脂溶性皮膜形成性ポリマーの例には、ビニルエステルと、ビニルエステル、特にビニルネオデカノエート、安息香酸ビニルおよびt−ブチル安息香酸ビニル、α−オレフィン、アルキルビニルエーテルまたはアリルもしくはメタリルエステルであってよい少なくとも一つのモノマーとのコポリマーが含まれる。
【0152】
やはり言及を行ってよい脂溶性皮膜形成性ポリマーの例は、脂溶性コポリマー、そして特に、9から22の炭素原子を含有するビニルエステルまたはアルキルアクリレートもしくはメタクリレートと、そして10から20の炭素原子を含有するアルキルラジカルとの共重合から得られる脂溶性コポリマーである。
【0153】
こうした脂溶性コポリマーは、ポリビニルステアレート、ジビニルベンゼン、ジアリルエーテルまたはジアリルフタレートを用いて架橋されたポリビニルステアレート、ポリステアリル(メタ)アクリレート、ポリビニルラウレート、およびポリラウリル(メタ)アクリレートのコポリマーから選択されてよく、これらのポリ(メタ)アクリレートはエチレングリコールジメタクリレートまたはテトラエチレングリコールジメタクリレートを用いて架橋されていることが可能である。
【0154】
上記で定義した脂溶性コポリマーは既知であり、特にフランス特許出願FR−A−2 232303号に記載されている;それらは2000から500000、そして好ましくは4000から200000の範囲にわたる重量平均分子量を有してよい。
【0155】
本発明で使用してよい脂溶性皮膜形成性ポリマーとして、また、ポリアルキレン、および特にポリブテンのようなC2〜C20アルケンのコポリマー、直鎖または分岐鎖で飽和または不飽和のC1〜C8アルキルラジカルを有するアルキルセルロース、例えばエチルセルロースおよびプロピルセルロースにも言及を行ってよい。
【0156】
本発明の組成物で使用するための、好ましい少なくとも一つの被膜形成性ポリマーは、シメックス社から商品名Mexomere PQ
登録商標で市販されているアリルステアレート/酢酸ビニルコポリマー、アイエスピー社(International Specialty Products(ISP))から商品名Antaron
登録商標V216またはGanex
登録商標V216で市販されているビニルピロリドン/ヘキサデセンコポリマー、およびアイエスピー社から商品名Antaron
登録商標V220またはGanex
登録商標V220で市販されているビニルピロリドン/エイコセンコポリマーのような、酢酸ビニルのコポリマーおよびビニルピロリドンのコポリマーから選択される。
【0157】
少なくとも一つの皮膜形成性ポリマーは本発明の組成物中に、組成物の合計重量に基づいて約0.1重量%から約30重量%の範囲;例えば約0.5重量%から約20重量%;また例えば約1重量%から約10重量%の量で存在してよく、これには間にあるすべての範囲および部分範囲が含まれる。
【0158】
・スタイリングポリマー
スタイリングポリマーは、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、および両性ポリマーならびにこれらの混合物から選択されてよい。スタイリングポリマーは付加的にハロゲン化、特にフッ素化されてよい。
【0159】
スタイリングポリマーは可溶化された形態で、そうでなければ固体ポリマー粒子の分散物の形態で(ラテックスまたは疑似ラテックス)使用可能である。
【0160】
本発明による有用なノニオン性スタイリングポリマーは、ポリウレタン、およびN−ビニルピロリドンのポリマーおよびコポリマーである。N−ビニルピロリドンを種々の重量平均分子量で含有するノニオン性ポリマーは、アイエスピー社から市販されており、そのような材料の具体的な例は、約630,000の平均分子量を有し商品名PVP K−90で市販されているN−ビニルピロリドンのホモポリマー、および約1,000,000の平均分子量を有し商品名PVP K−120で市販されているN−ビニルピロリドンのホモポリマーである。
【0161】
特に好ましいスタイリングポリマーは、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、AMP−アクリレート/アリルメタクリレートコポリマー(ノベオン社(Noveon)から商品名Fixate G−100で市販されている)、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(ナショナル社から商品名Flexan IIで市販されている)、ビニルピロリドン/アクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー(アイエスピー社から商品名Acrylidone LMで市販されている)、ポリクオタニウム−6、およびポリウレタン−2(ノベオン社から商品名Avalure405または410で市販されている)である。
【0162】
・防腐剤
本発明の組成物に適切な、伝統的な防腐剤は、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。より最近使用されるようになった他の防腐剤には、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルヒダントインのようなヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、および塩化ベンザルコニウム、クオタニウム15(Dowicil200)、塩化ベンゼトニウム、および塩化メチルベンゼトニウムのような種々の四級アンモニウム化合物が含まれる。化粧品化学の研究者は適切な防腐剤を熟知しており、それらを日常的に選択して、防腐誘発試験を満足させ、製品に安定性をもたらしている。適切な防腐剤は、ベンジルアルコール、エチルヘキシルグリセリンとベンジルアルコールの混合物、2−ブロモ−2ニトロプロパン1,3ジオール、EDTA二ナトリウム、フェノキシエタノール、フェノキシエタノールとエチルヘキシルグリセリンの混合物、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素(Germall 1157として市販されている)、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびベンジルアルコールである。防腐剤は、組成物の用途と、エマルジョン中においてその防腐剤と他の成分との間で生じうる非相溶性を考慮して、選択されるべきである。防腐剤は好ましくは、組成物の重量に関して、約0%から約5%、より好ましくは約0.01%から約2.5%、そして最も好ましくは約0.01%から約1%の範囲の量で用いられる。
【0163】
・活性物質
付加的な活性剤は特に、モイスチャライザー、角質剥離剤、皮膚保護機能改良剤、脱色素剤、抗酸化剤、皮膚脱収縮剤、抗糖化剤、皮膚および/または表皮巨大分子合成刺激および/または劣化阻止剤、線維芽細胞またはケラチン生成細胞増殖および/またはケラチン生成細胞分化刺激剤、角化外膜成熟促進剤、NOシンターゼ阻害剤、末梢型{まっしょう がた}ベンゾジアゼピン受容体(PBR)拮抗剤、皮脂腺活動増強剤、細胞エネルギー代謝刺激剤、テンション剤、脂質再構成剤、減量剤、皮膚毛細血管循環促進剤、鎮静剤および/または抗刺激剤、脂調節剤または抗脂漏剤、収斂剤、瘢痕化剤、抗炎症剤、および抗ニキビ剤の中から選択してよい。
【0164】
この技術の当業者は、上記した活性剤(単数または複数)を、肌、毛髪、睫毛、眉毛、および爪に対して所望とされる効果に応じて選択することになる。
【0165】
老化した肌を手入れし、および/またはメイクアップするためには、モイスチャライザー、角質剥離剤、皮膚保護機能改良剤、脱色素剤、抗酸化剤、皮膚脱収縮剤、抗糖化剤、皮膚および/または表皮巨大分子合成刺激および/または劣化阻止剤、線維芽細胞またはケラチン生成細胞増殖および/またはケラチン生成細胞分化刺激剤、角化外膜成熟促進剤、NOシンターゼ阻害剤、末梢型{まっしょう がた}ベンゾジアゼピン受容体(PBR)拮抗剤、皮脂腺活動増強剤、細胞エネルギー代謝刺激剤、および目の周囲の領域についての皮膚微小循環促進剤の中から、少なくとも一つの活性化剤を選択するのが好ましい。
【0166】
組成物はまた、ソフトフォーカス効果を有するフィラーまたは肌の自然な色付きを促進するための剤のように、これらの活性剤の生物学的効果を補完し、または即効性のある視覚的アンチエージング効果をもたらすために有用な、少なくとも一つの成分を含んでよい。
【0167】
脂性肌を手入れしおよび/またはメイクアップするためには、この技術の当業者は、角質剥離剤、脂調節剤または抗脂漏剤、および収斂剤の中から選択される、少なくとも一つの活性剤を選択するであろう。
【0168】
組成物はまた、これらの活性剤の生物学的効果を補完し、または即効性のある視覚的効果をもたらすために有用な、少なくとも一つの追加の成分を含んでよく;特に例示的なものはツヤ消し剤、ソフトフォーカス効果を有するフィラー、蛍光体、肌の自然な桃色がかった色付きを促進する剤、および研磨性フィラーまたはスクラブ剤である。
【0169】
本発明の組成物は低い粘度を有し、分散剤または乳化剤の必要性なしに、脂肪性物質、保湿剤、固体粒子、シリコーン、有機または無機サンスクリーンといった多種多様な成分を配合するように使用可能である。
【0170】
・制汗剤:
一つの有用な実施形態において、制汗剤組成物は、本発明のシリコーン成分と、一つまたはより多くの活性制汗剤とを含む。適切な制汗剤には、例えばアルミニウムハライド、例えばアルミニウムクロロハイドレートであるアルミニウムヒドロキシハライド、および例えばアルミニウム−ジルコニウムクロロハイドレートのような、ジルコニルオキシハライドやジルコニルヒドロキシハライドとの錯体または混合物、例えばアルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスグリシンのような、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体を含む、米国食品医薬品局の1993年10月10日のヒト用市販制汗剤製品承認基準に列挙された、カテゴリーIの活性制汗剤成分が含まれる。
・香油(フレグランスオイル)
【0171】
別の有用な実施形態において、本発明の組成物は芳香物質と関連して用いられる。こうした芳香物質は芳香化合物、カプセル化芳香化合物、または無溶媒もしくはカプセル化のいずれかである芳香放出化合物であってよい。
【0172】
・さらなる実施形態において、本発明のパーソナルケア組成物はさらに、ビタミン、ホルモン、酵素を含む。
【0173】
一つの実施形態においては、本願に記載のプロセスによって作成される一般式(I)のシリコーン化合物を含む、パーソナルケア用品が提供される。一般式(I)のシリコーン化合物を含むこうしたパーソナルケア用品の幾つかの例は、スキンケア製品、サンケア製品、カラー化粧品、ヘアケア製品、および光沢増強剤であることができる。
【0174】
本願の一つの非限定的な実施形態においては、パーソナルケア用品はサンケア製品であり、そこにおいて一般式(I)のシリコーン化合物は、サンケア用品のSPFを増大させるための有効量で存在する。一つの非限定的な実施形態においては、一般式(I)の化合物を含有するシリコーンの、SPFを増大させる量というのは、サンケア用品配合物の重量に基づいて、約0.1から約30重量パーセント、より特定的には約0.5から約20重量パーセント、そして最も特定的には約1から約10重量パーセントである。SPFの増大量は、SPF単位で1から約50、より特定的には1から約30、そして最も特定的には1から約20であることができる。
【0175】
上記したように、本願では、パーソナルケア用品に使用するための一般式(I)のシリコーン化合物の調製プロセスが提供される。かかるプロセスの一つの実施形態は、一般式(I)のシリコーン化合物、例えば1,1,1−トリフェニル−3,3−ジアルキル−3−アルケニルジシロキサンを作成するためのプロセスであり、トリフェニルシラノールと1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルケニルジシラザンおよび/またはアルケニルジアルキルハロシランを反応させて、1,1,1−トリフェニル−3,3−ジアルキル−3−アルケニルジシロキサンを生成することを含み、ここでアルキル基およびアルキル基中の炭素原子の範囲の各々は上述した通りであり、例えばメチルであり、またここでアルケニル基およびアルケニル基中の炭素原子の範囲は本書で記載した通りであり、例えばビニルである。
【0176】
本願の別の実施形態においては、一般式(I)のシリコーン化合物を作成するプロセスが提供され、これは1,1,1−トリフェニル−3,3−ジアルキル−3−アルケニルジシロキサンをハイドロジェンシロキサンと反応させて一般式(I)のシリコーン化合物を生成することを含み、ここで1,1,1−トリフェニル−3,3−ジアルキル−3−アルケニルジシロキサンのアルキル基は、非限定的な例であるメチルのように、本願の他の個所で規定したようなアルキル基である。
【0177】
本願の一つの実施形態において、ハイドロジェンシロキサンは、シリルヒドリド部分を含む任意のシロキサン化合物であることができ、そして一つの実施形態においてかかるハイドロジェンシロキサン化合物は、以下からなる群より選択される。
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
式中各々のR
4は独立して、約6までの炭素原子を含有する一価の炭化水素基であり、そして
【化21】
式中各々のR
2、R
3およびR
4は独立して、約6までの炭素原子、より特定的には約4までの炭素原子を含有する一価の炭化水素基、そして最も特定的にはメチルまたはエチルである。
【0178】
さらに別の実施形態においては、一般式(I)のシリコーン化合物を作成するプロセスが提供され、そこにおいてプロセスは、1,1,1−トリフェニル−3,3−ジアルキル−3−ヒドリドジシロキサンを、2から10の炭素原子を含有するアルケニル化合物、例えば直鎖アルケニル化合物と反応させることを含み、より特定的にはそこにおいて、アルケニル化合物は4から10の炭素原子、さらにより特定的には4から8の炭素原子を含み、あるいは別の実施形態において6から8の炭素原子を含み、末端が不飽和であり、一つの実施形態においては片末端が不飽和であり、そして別の実施形態においては両末端が不飽和である。一つの非限定的な実施形態においては、アルケニル化合物は1−オクテンであり、別の実施形態においてはアルケニル化合物は1,7−オクタジエンである。
【0179】
一つの実施形態において、本願記載のパーソナルケア組成物中における一般式のシリコーン化合物の量は、パーソナルケア組成物の合計重量またはパーソナルケア用品の合計重量に基づいて、約0.1重量パーセントから約80重量パーセント、より特定的には約0.1重量パーセントから約40重量パーセント、そして最も特定的には約0.1重量パーセントから約20重量パーセントであることができる。
【0180】
本願の一つの実施形態において、本願記載のプロセス(単数または複数)および組成物に用いることのできる溶媒の量は、約10重量パーセントから約90重量パーセント、より特定的には約20重量パーセントから約70重量パーセント、そして最も特定的には約30重量パーセントから約60重量パーセントであり、この重量パーセントは、一般式(I)のシリコーン化合物の合計重量またはパーソナルケア組成物の合計重量に基づいている。
【0181】
一つの実施形態において、トリフェニルシラノールを1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルケニルジシラザンおよび/またはアルケニルジアルキルハロシランと反応させて1,1,1−トリフェニル−3,3−ジアルキル−3−アルケニルジシロキサンを生成するプロセスは、トリフェニルシラノールを1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルケニルジシラザンおよび/またはアルケニルジアルキルハロシランと、トリフェニルシラノールの1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルケニルジシラザンおよび/またはアルケニルジアルキルハロシランの組み合わせのモル量に対するモル比が、1:0.5から1:10、より特定的には約1:0.5から1:5、そして最も特定的には約1:0.5から1:2で反応させることを含むことができる。一つの実施形態において、1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルケニルジシラザンおよびアルケニルジアルキルハロシランの組み合わせ中における、1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルケニルジシラザンの量は、約0モルパーセントから約100モルパーセント、より特定的には10モルパーセントから約90モルパーセント、そして最も特定的には約20モルパーセントから約80モルパーセントであることができる。一つの実施形態においてこのプロセスは、トリフェニルシラノールを1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルケニルジシラザンだけと反応させること、またはアルケニルジアルキルハロシランだけと反応させることを含むことができ、そしてそうしたプロセスにおいて、トリフェニルシラノールのジアルケニルジシラザンまたはアルケニルジアルキルハロシランに対するモル比の値は、トリフェニルシラノールと1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルケニルジシラザンおよび/またはアルケニルジアルキルハロシランの反応について上述した比率を含むことができる。本願の一つの実施形態において、トリフェニルシラノールと1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルケニルジシラザンおよび/またはアルケニルジアルキルハロシランとの反応は、溶媒中および/または本願記載の触媒の存在下で行うことが可能であり、そこにおいて溶媒および/または触媒は、本願記載の溶媒の重量パーセントおよび触媒量が、シリコーン組成物中に存在するようになる量で存在する。
【0182】
本願の他の一つの実施形態において、1,1,1−トリフェニル−3,3−ジアルキル−3−アルケニルジシロキサンをハイドロジェンシロキサンと反応させて、少なくとも一つのシリコーン部分を含有するシリコーン化合物を生成するプロセスは、1,1,1−トリフェニル−3,3−ジアルキル−3−アルケニルジシロキサンをハイドロジェンシロキサンの水素原子に対し、約100:1から約1:1、より特定的には約50:1から約1:1、そして最も特定的には約10:1から約1:1のモル比で使用することを含むことができる。こうしたプロセスはまた、本願記載の量の溶媒および/または触媒の存在下で行うことができる。
【0183】
本願の一つの特定的な実施形態において、本願記載のプロセス(単数または複数)は、約0℃から約200℃、より特定的には約25℃から約150℃、そして最も特定的には約50℃から約120℃の温度において、そして約0.001気圧から約5気圧、より特定的には約0.07気圧から約3気圧、そして最も特定的には約0.15気圧から約2気圧の圧力において行うことができる。
【0184】
本願の一つの特定的な実施形態において、本願記載のプロセス(単数または複数)は、約1分から約48時間、より特定的には約10分から約24時間、そして最も特定的には約30分から約10時間の長さで行うことができる。
【0185】
本願で定義したRの値、R
1の値、Gの定義、下付文字およびその他の変数のそれぞれは、本願のプロセスの実施形態において、本願記載の組成物の実施形態においてそれらの変数が有するのと、同じ定義を有することができることが理解されよう。
【実施例】
【0186】
以下の実施例は本発明を例示するが、限定するものではない。
高い屈折率を有するオルガノシロキサンの合成
実施例1:S−1の調製
【化22】
【0187】
1200グラムのトルエン中に800グラム(2.89モル)のトリフェニルシラノールを有する撹拌溶液に対し、75℃において、269グラム(1.45モル)の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシラザンと88グラム(0.73モル)のビニルジメチルクロロシランの混合物を、30分間かけて添加した。添加完了後、混合物をさらに3時間75℃において撹拌して反応を完了させ、次いで室温まで冷却した。トルエン溶液中のシロキサンを1500mlの水で2回洗浄した。最後の分離物の水相は、pHが中性に極めて近かった。トルエン溶液は次いで130℃に加熱し、減圧下でストリッピングしてトルエンを除去したところ、984グラム(理論値の94%)の透明で無色の生成物が残され、n25/D=1.564および粘度は40cStであった。この生成物は
1H−NMRおよび
29Si−NMR分析により、S−1(1,1,1−トリフェニル−3,3−ジメチル−3−ビニルジシロキサン)と同定された。
【0188】
実施例2:H−1の調製
【化23】
実施例1で調製したS−1の5グラム(0.014モル)と、10グラムのトルエンと、およびS−1とハイドロジェンシロキサンの合計量に基づき5ppmのPt触媒となるような、カルステッドにより米国特許第3,775,452号で示された白金触媒(すなわちヘキサクロロ白金酸(II)二水素物(OC−6−11)、2,4,6,8−テトラエテニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンとの反応生成物を用いた)との撹拌混合物に対し、60℃において、4.6グラム(0.014モル)の1,1,1−トリフェニル−3,3−ジメチルジシロキサンを10分間かけて添加した。添加の間に、約80℃までの発熱が観察された。添加完了後に、混合物をさらに1時間80℃で撹拌して、ヒドロシリル化反応を完了させた。このトルエン溶液は次いで120℃に加熱し、減圧下にストリッピングしてトルエンが除去され、9グラム(理論値の94%)の白色結晶生成物が残された。50%のトルエン溶液中でのn25/D=1.536であり、融点は95〜99℃であった。この生成物は、
1H−NMR分析により、H−1として同定された。
【0189】
実施例3:H−2の調製
【化24】
一般式[HSiMe
2O
0.5]
8[SiO
2]を有する2グラム(0.003モル)のハイドロジェンシロキサンが使用され、S−1が7.8グラム(0.022モル)であった以外は、実施例2に類似の手順を実行した。9.0グラム(理論値の92%)の僅かに濁った生成物が得られ、n25/D=1.556であり、粘度は17,000cPであった。この生成物は、
1H−NMR分析により、H−2として同定された。
【0190】
実施例4:H−3の調製
【化25】
式PhSi−[OSiMe
2H]
3(ここでPhはフェニルでありMeはメチルである)を有する40グラム(0.12モル)のハイドロジェンシロキサンが使用され、S−1が133グラム(0.37モル)、トルエンが150グラムであった以外は、実施例2に類似の手順を実行した。160グラム(理論値の92%)の僅かに濁った生成物が得られ、n25/D=1.558であり、粘度は4,400cPであった。この生成物は、
1H−NMR分析により、H−3として同定された。
【0191】
実施例5:H−4の調製
【化26】
式Ph
2Si[OSiMe
2H]
2(ここでPhはフェニルでありMeはメチルである)を有する4.4グラム(0.013モル)のハイドロジェンシロキサンが使用され、S−1が10グラム(0.028モル)であった以外は、実施例2に類似の手順を実行した。13.5グラム(理論値の94%)の白色結晶生成物が得られ、50%のトルエン溶液中でのn25/D=1.528であり、融点は60〜65℃であった。この生成物は、
1H−NMR分析により、H−4として同定された。
【0192】
実施例6:H−5の調製
【化27】
43グラム(0.16モル)の2,2,4,4,6,8−ヘキサメチルシクロテトラシロキサンがハイドロジェンシロキサンとして使用され、S−1が121.5グラム(0.34モル)、トルエンが150グラムであった以外は、実施例2に類似の手順を実行した。160グラム(理論値の97%)の透明で無色の生成物が得られ、n25/D=1.539であり、粘度は1,900cPであった。この生成物は、
1H−NMR分析により、H−5として同定された。
【0193】
実施例7:H−6の調製
30グラム(0.12モル)の2,2,4,6,8−ペンタメチルシクロテトラシロキサンがハイドロジェンシロキサンとして使用され、S−1が133.9グラム(0.37モル)、トルエンが150グラムであった以外は、実施例2に類似の手順を実行した。156グラム(理論値の95%)の透明で無色の生成物が得られ、n25/D=1.555であり、粘度は12,900cPであった。この生成物は
1H−NMR分析により、H−6として同定された。
【0194】
実施例8:H−7の調製
23グラム(0.10モル)の2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンがハイドロジェンシロキサンとして使用され、S−1が144.8グラム(0.40モル)、トルエンが150グラムであった以外は、実施例2に類似の手順を実行した。160グラム(理論値の95%)の透明で無色の生成物が得られ、n25/D=1.565であり、粘度は56,900cPであった。この生成物は
1H−NMR分析により、H−7として同定された。
【0195】
実施例9:H−8の調製
【化28】
50グラム(0.23モル)の1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンがハイドロジェンシロキサンとして使用され、S−1が85グラム(0.24モル)、トルエンが130グラムであった以外は、実施例2に類似の手順を実行した。128グラム(理論値の95%)の透明で無色の生成物が得られ、n25/D=1.507であり、粘度は47cStであった。この生成物は、
1H−NMR分析によって、H−8として同定された。
【0196】
実施例10:H−9の調製
【化29】
20グラム(0.15モル)の1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンがハイドロジェンシロキサンとして使用され、S−1が113グラム(0.31モル)、トルエンが130グラムであった以外は、実施例2に類似の手順を実行した。126グラム(理論値の95%)の透明で無色の生成物が得られ、n25/D=1.554であり、粘度は350cPであった。この生成物は
1H−NMR分析により、H−9として同定された。
【0197】
実施例11:H−10の調製
【化30】
1グラム(0.009モル)の1−オクテンと、5グラムのトルエンと、および1−オクテンと1,1,1−トリフェニル−3,3−ジメチルジシロキサンの合計量に基づき5ppmのPt触媒をもたらすような、カルステッドにより米国特許第3,775,452号で示された白金触媒(ヘキサクロロ白金酸(II)二水素物(OC−6−11)、2,4,6,8−テトラエテニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンとの反応生成物)との撹拌混合物に対し、70℃において、2グラムのトルエン溶液中2グラム(0.006モル)の1,1,1−トリフェニル−3,3−ジメチルジシロキサンを、5分間かけて添加した。添加の間に、約75℃までの発熱が観察された。添加完了後に、混合物をさらに6時間75℃で撹拌して、ヒドロシリル化反応を完了させた。このトルエン溶液は次いで120℃に加熱し、減圧下にストリッピングしてトルエンおよび過剰の1−オクテンが除去され、2.4グラム(理論値の90%)の透明で黄白色の生成物が残された。n25/D=1.536であり、粘度は40cPであった。この生成物は、
1H−NMR分析により、H−10として同定された。
【0198】
実施例12:H−11の調製
【化31】
0.82グラム(0.007モル)の1,7−オクタジエンと、5グラムのトルエンと、および1,7−オクタジエンと1,1,1−トリフェニル−3,3−ジメチルジシロキサンの合計量に基づき10ppmのPt触媒をもたらすような、カルステッドにより米国特許第3,775,452号で示された白金触媒(ヘキサクロロ白金酸(II)二水素物(OC−6−11)、2,4,6,8−テトラエテニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンとの反応生成物)との撹拌混合物に対し、70℃において、5グラムのトルエン溶液中5グラム(0.015モル)の1,1,1−トリフェニル−3,3−ジメチルジシロキサンを10分間かけて添加した。添加の間に、約73℃までの発熱が観察された。添加完了後に、混合物をさらに24時間90℃で撹拌して、ヒドロシリル化反応を完了させた。このトルエン溶液は次いで120℃に加熱し、減圧下にストリッピングしてトルエンが除去され、5.4グラム(理論値の93%)の透明で黄白色の生成物が残された。n25/D=1.565であり、粘度は1100cPであった。この生成物は、
1H−NMR分析により、H−11として同定された。
【0199】
結果
【表1】
合成結果
*粘度はcSt単位−粘度はキャノン・フェンスケ 粘度計を用いて測定した。
cP(センチポアズ)−粘度はビスメトロン粘度計を用いて測定した。VSA−Lモデル(ブルックフィールド粘度計LVTモデルに類似のもの)。
**屈折率は50%のトルエン溶液で測定した。
【0200】
移行特性
手順:
(1)0.3グラムの試料を人工皮膚(供給元:出光テクノファイン社)上に置いた。SF1550(フェニルトリメチコーン)とジメチコーン(10,000cSt)を比較した。
(2)直後の油滴の状態を判断した。
(3)人工皮膚を周囲温度に放置した。
(4)24時間後の油滴の状態を観察した。
【0201】
試験結果は、
図1に実証されているように、オルガノシロキサン(S−1およびH−5〜7)が非移行性能を有することを示している。いかなる理論にも拘束されるものではないが、皮膚の表面上での、または皺のような皮膚の組織(テクスチャー)を通しての液体の移行または拡散は、液体の表面張力によって支配されると考えられている。これまでに報告されている臨界表面張力(g
c)は、ヒトの皮膚については24〜27ダイン/cmであり、ヒトの毛髪については26ダイン/cmである(50〜100%の相対湿度)。g
cよりも表面張力の高い液体は、非移行性および非にじみ性の特性を示す。これらのフェニル液体はg
cよりも高い表面張力を有し、かくして非移行性および非にじみ性の特性を示すことが見出された。
【0202】
【表1A】
【0203】
リップグロス:実施例11から17、比較例1から2
手順:
1.成分をリストの順序で添加し、80℃に加熱した。
2.混合物を均一になるまで混合し、室温まで冷却した。
【0204】
評価:
10名のパネリストがリップグロスを評価し、次いで性能を1〜5の基準で格付けした(1:良くない、3:良い、5:優れている)。
与えられた評点は10名のパネリストの評点の平均値である。
【0205】
【表2】
【0206】
リーブオンコンディショナー:実施例18から24、比較例3から4
手順:
1.成分をリストの順序で添加し、60℃に加熱した。
2.混合物を均一になるまで混合し、室温まで冷却した。
3.リーブオンコンディショナー0.5グラムを10グラムのアジア人毛トレスに均一に適用した。
4.10名のパネリストが髪の輝きを評価した。
【0207】
評価:
10名のパネリストがリーブオンコンディショナーを評価し、次いで性能を1〜5の基準で格付けした(1:良くない、3:良い、5:優れている)。
与えられた評点は10名のパネリストの評点の平均値である。
【0208】
【表3】
【0209】
メイクアップファンデーション:実施例25
手順:
1.パートAの成分を示された順序で組み合わせ、各々の成分を添加した後、次の成分を添加する前に、混合物を均一になるまで完全に混合した。混合物は次いで60℃に加熱し、混合した。
2.別の容器中で、パートBの成分を示された順序で組み合わせた。
3.十分に混合しながら、パートBをパートAに徐々に添加した。
4.得られた混合物を適当な容器中に注いだ。
【0210】
評価:
10名のパネリストがメイクアップファンデーションを評価し、次いで性能を1〜5の基準で格付けした(1:良くない、3:良い、5:優れている)。
与えられた評点は10名のパネリストの評点の平均値である。
【0211】
【表4】
【0212】
サンスクリーン:実施例26
手順:
1.パートAの成分を示された順序で組み合わせ、70℃に加熱した。
2.パートBをパートAに混合し、均一になるまで混合した。
3.別の容器中で、パートCの成分を示された順序で組み合わせて均一になるまで混合し、次いでパートCをパートAに添加した。
4.得られた混合物を高剪断ミキサーで乳化し、室温まで冷却した。
【0213】
評価:
10名のパネリストがサンスクリーンを評価し、次いで性能を1〜5の基準で格付けした(1:良くない、3:良い、5:優れている)。
与えられた評点は10名のパネリストの評点の平均値である。
【0214】
【表5】
【0215】
アイシャドー:実施例27
手順:
1.パートAの成分を示された順序で組み合わせ、70℃に加熱し(油相)、次いで均一になるまで混合した。
2.別の容器中で、パートBの成分を示された順序で組み合わせ、70℃に加熱し、次いで均一になるまで混合した。
3.パートCの成分をパートBに添加し、均一になるまで混合した(水相)。
4.水相を油相に添加し、高剪断ミキサーで乳化した。
5.得られた混合物を室温まで冷却した。
【0216】
評価:
10名のパネリストがアイシャドーを評価し、次いで性能を1〜5の基準で格付けした(1:良くない、3:良い、5:優れている)。
与えられた評点は10名のパネリストの評点の平均値である。
【0217】
【表6】
【0218】
ヘアコンディショナー:実施例28
手順:
1.パートAの成分を示された順序で組み合わせ、70℃に加熱した(水相)。
2.別個の容器中で、パートBの成分を示された順序で組み合わせ、70℃に加熱し、そして均一になるまで混合した(油相)。
3.次いで油相を水相中に添加した。
4.混合物を高剪断ミキサーで乳化し、室温まで冷却した。
5.コンディショナー2グラムを10グラムのアジア人毛トレスに均一に適用した。
6.人毛トレスを40℃の水で二度洗い流し、乾燥した。
7.次いでパネリストがヘアコンディショナーを評価した。
【0219】
評価:
10名のパネリストがヘアコンディショナーを評価し、次いで性能を1〜5の基準で格付けした(1:良くない、3:良い、5:優れている)。
与えられた評点は10名のパネリストの評点の平均値である。
【0220】
【表7】
【0221】
ヘアシャンプー:実施例29
手順:
1.パートAの成分を示された順序で組み合わせ、70℃に加熱した。均一になるまで混合した。
2.パートBの成分をパートAに添加し、均一になるまで混合した。
3.次いでパートCの成分を添加した。
4.この混合物を次いで、高剪断ミキサーで乳化し、室温まで冷却した。
5.ヘアシャンプー2グラムを10グラムのアジア人毛トレスに均一に適用した。
6.人毛トレスを40℃の水で二度洗い流し、乾燥した。
7.パネリストがヘアシャンプーを評価した。
【0222】
評価:
10名のパネリストがヘアシャンプーを評価し、次いで性能を1〜5の基準で格付けした(1:良くない、3:良い、5:優れている)。
与えられた評点は10名のパネリストの評点の平均値である。
【0223】
【表8】
【0224】
サンスクリーン:実施例30〜32、比較例5
手順:
フラックテック社(Flacktek Inc.)のSpeedmixerを使用して、TiO
2以外の全ての成分を混合する。
300rpmで1分間混合する。
TiO
2パウダーを添加し、ミキサー中において300rpmでさらに2分間混合する。
比較例は、本発明のシリコーンに代えて、ジメチコーンオイル(5cst)を含有していた。
【0225】
評価:
サンスクリーンのSPF(日焼け防止指数)は人工皮膚を用いてインビトロで求めた。
人工皮膚を水とグリセリンの混合物(70:30)中で24時間水和した。
配合物を2mg/cm
2塗布した。
試料を2時間乾燥させた。
ラブスフェア社(Labsphere)のUV−1000S分光光度計を用いてSPFを測定した。
【0226】
【表9】
【0227】
口紅:実施例33
手順:
1.パートAの予備混合物を作成する。
2.パートAとパートBを均一な混合物になるまで85℃で混合する。
3.パートCを添加し、85℃で混合を継続する。
4.パートDを添加し、85℃で混合を継続する。
5.パートEを添加し、均一な混合物が形成されるまで1分間にわたって混合する。
6.注型する。
7.30分間待ち(完全に冷却し硬化するまで)、口紅を脱型する。
【0228】
【表10】
【0229】
上記した実施例は、本願に記載したシリコーン組成物が最小限の移行性でもって、良好な輝きおよび/またはツヤを有するパーソナルケア用品に用いることが可能であることを、明らかに実証している。
【0230】
本発明は特定の実施形態に関して記載してきたが、本発明の範囲から逸脱することなしに、種々の変更を行ってよく、またその要素について均等物を置換してよいことが、本技術の当業者には理解されよう。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなしに、本発明の教示に対して多くの修正を行って、特定の状況または材料に対処してよい。したがって本発明は、本発明を実施するために考慮された最良の形態として開示された、特定の実施形態に限定されることが意図されているものではなく、本発明は添付の請求の範囲に内に含まれるすべての実施形態を包含するものである。