特許第6665192号(P6665192)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6665192使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール及び電力需要装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6665192
(24)【登録日】2020年2月21日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール及び電力需要装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20200302BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20200302BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20200302BHJP
   H01R 13/66 20060101ALI20200302BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20200302BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20200302BHJP
【FI】
   H02J13/00 311A
   H02J7/04 A
   H01R13/64
   H01R13/66
   H02J50/10
   H02J7/00 301D
   H02J7/00 P
   H02J7/00 301B
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-541093(P2017-541093)
(86)(22)【出願日】2016年2月3日
(65)【公表番号】特表2018-514172(P2018-514172A)
(43)【公表日】2018年5月31日
(86)【国際出願番号】KR2016001203
(87)【国際公開番号】WO2016126112
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2017年9月28日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0016941
(32)【優先日】2015年2月3日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515276509
【氏名又は名称】ジョ−ライン コーポレーション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョー,サンギョ
【審査官】 阿部 陽
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−262570(JP,A)
【文献】 特開2015−012725(JP,A)
【文献】 特開2011−128757(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/168376(WO,A1)
【文献】 特開2013−136202(JP,A)
【文献】 特開2001−086642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00−7/12;7/34−7/36
H02J 13/00
H02J 50/00−50/90
H01R 13/56−13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力需要装置が使用者認証過程を経て認証されたときに主電源から電力需要側に主電力が供給されることを許容する使用者認証コンセンであって、上記使用者認証コンセント
上記使用者認証コンセントら上記電力需要側に微小電流が流れることを許容するように構成される微小電流制限装置と、
認証用電力によって作動し、かつ、上記使用者認証過程を実行するように構成される認証装置と、を含み、
上記微小電流制限装置は、受動素子であり、かつ、上記電力需要装置が上記使用者認証コンセント連結されることにより、上記微小電流制限装置を介して上記微小電流が流れるための閉ループが形成されて、上記微小電流が上記電力需要側に供給され、さらに、
上記認証用電力は、上記電力需要側に供給された上記微小電流を用いて上記電力需要側で生成され、かつ、上記電力需要側から上記使用者認証コンセント供給される、
使用者認証コンセン
【請求項2】
上記使用者認証コンセント、コンセントID要請信号に応じて、上記電力需要側にコンセントID情報を送信する、
請求項1に記載の使用者認証コンセン
【請求項3】
上記電力需要装置が上記使用者認証コンセンから連結解除されると、上記微小電流制限装置を通してそれ以上上記微小電流が流れない、
請求項1に記載の使用者認証コンセン
【請求項4】
上記認証装置は、上記電力需要側から受信したコンセント作動暗号がコンセントID情報に相応するかどうかを判断する、
請求項1に記載の使用者認証コンセン
【請求項5】
上記微小電流の最大値は数十mAである、
請求項1に記載の使用者認証コンセン
【請求項6】
上記使用者認証コンセント、コンセントID情報を上記電力需要側に送信し、上記使用者認証コンセント許容電流量情報を、上記コンセントID情報を通して上記電力需要側に直接提供する、
請求項1に記載の使用者認証コンセン
【請求項7】
上記主電源から上記主電力を上記電力需要側に供給することは、電磁開閉器をクローズすることによって許容され、
上記電磁開閉器は上記認証用電力から受けている直流電力によりクローズされ、
一旦上記電磁開閉器がクローズされた後は、上記直流電力を引き続き使うか又は交流電力である上記主電力の一部を使ってそのクローズを維持できる、
請求項1に記載の使用者認証コンセン
【請求項8】
電力需要装置が使用者認証過程を経て認証されたときに主電源から電力需要側に主電力が供給されることを許容する使用者認証コネクタであって、上記使用者認証コネクタは、
上記使用者認証コネクタから上記電力需要側に微小電流が流れることを許容するように構成される微小電流制限装置と、
認証用電力によって作動し、かつ、上記使用者認証過程を実行するように構成される認証装置と、を含み、
上記微小電流制限装置は、受動素子であり、かつ、上記電力需要装置が上記使用者認証コネクタに連結されることにより、上記微小電流制限装置を介して上記微小電流が流れるための閉ループが形成されて、上記微小電流が上記電力需要側に供給され、さらに、
上記認証用電力は、上記電力需要側に供給された上記微小電流を用いて上記電力需要側で生成され、かつ、上記電力需要側から上記使用者認証コネクタに供給される、
使用者認証コネクタ。
【請求項9】
使用者認証過程を経て電力需要装置が認証されたときに主電源から電力需要装置に主電力が供給される電力仲介用モジュールであって、
上記電力仲介用モジュールは、使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの微小電流制限装置を通して流れることが許容される微小電流を、上記使用者認証コンセント又は上記使用者認証コネクタから受け取るように構成され、
上記微小電流制限装置は、受動素子であり、かつ、上記電力需要装置が上記使用者認証コンセント又は上記使用者認証コネクタに連結されることにより、上記微小電流制限装置を介して上記微小電流が流れるための閉ループが形成されて、上記微小電流は上記電力仲介用モジュールに供給され、
上記電力仲介用モジュールは、さらに、上記使用者認証コンセント又は上記使用者認証コネクタから供給された上記微小電流から認証用電力を生成し、かつ、上記使用者認証過程のために上記使用者認証コンセント又は上記使用者認証コネクタへ上記認証用電力を供給する、
電力仲介用モジュール。
【請求項10】
上記電力仲介用モジュールは、上記使用者認証コンセント又は上記使用者認証コネクタのコンセントID情報に相応するコンセント作動暗号を、上記使用者認証コンセント又は上記使用者認証コネクタに送信する、
請求項に記載の電力仲介用モジュール。
【請求項11】
上記電力仲介用モジュールは、上記微小電流を直流に変換して認証用電力を生成するAC/DCコンバータを含む、
請求項に記載の電力仲介用モジュール。
【請求項12】
上記電力仲介用モジュールは、単位時間周期ごとに上記電力需要装置に起因した電力量情報を仲介サーバに伝送する、
請求項に記載の電力仲介用モジュール。
【請求項13】
上記電力仲介用モジュールは、上記使用者認証コンセント又は上記使用者認証コネクタのコンセントID情報に相応する上記使用者認証コンセント又は上記使用者認証コネクタの許容電流量情報の伝送を仲介サーバから受ける、
請求項に記載の電力仲介用モジュール。
【請求項14】
請求項〜請求項13のうちいずれか一項による電力仲介用モジュールを備えるか上記電力仲介用モジュールを媒介として使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタに連結されて充電されることができる、
電力需要装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保安を維持しながらも待機電力消耗のない使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、そのような使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタから電力需要装置に主電力が供給されることができるようにする電力仲介用モジュール、そしてこのような電力仲介用モジュールを備えるか上記電力仲介用モジュールを媒介として使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタに連結されて充電されることができる電力需要装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多量の電気を用いて充電されなければならない電力需要装置、特に電気自動車のような移動式電力需要装置が増加している。このような電力需要装置は時々、電力需要装置の所有者が、自身が所有又は居住していないところから電力供給を受けることを要する。このような理由により、例えば電気自動車に対して、車両所有者が、自身が所有又は居住していないところで、例えばアパートの地下駐車場で、コンセントに連結して電力の供給を受けることができるようにする、使用者認証機能が内蔵されたコンセント、マルチタップ、電気自動車充電器などの給電装置が開発された。ところが、このような給電装置によると、使用者認証のための部品が待機動作時に電力(以下、待機電力)を自体的に消耗することになる。また、既存の給電装置によると、待機電力にかかる費用を負担する者(例えば、建物所有者/居住者)と実使用者(例えば、電気自動車の所有者)とが不一致な場合が存在することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって、本発明の解決しようとする課題は、保安を維持しながらも待機電力消耗のない使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタを提供することである。
【0004】
本発明の解決しようとする他の課題は、保安を維持しながらも待機電力消耗のない使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタから電力需要装置に主電力が供給されることができるようにする電力仲介用モジュールを提供することである。
【0005】
本発明の解決しようとするまた他の課題は、電力仲介用モジュールを備えるか上記電力仲介用モジュールを媒介として、保安を維持しながらも待機電力消耗のない使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタに連結されて充電されることができる電力需要装置を提供することである。
【0006】
本発明の解決しようとする課題は、以上で言及された課題に制限されず、言及されていない他の課題は、下の記載から本発明の属する技術分野の通常の技術者に明確に理解されることができるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの一態様(aspect)は:使用者認証のための認証用電力とコンセント作動暗号の伝送を受けるための認証用端子;上記認証用電力によって作動し上記コンセント作動暗号がコンセントID情報に相応するかを判断する認証装置;及び、上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタに電力需要装置が連結されたとき、微小電流が流れることを許容する微小電流制限装置;を含む。上記認証用電力は、上記微小電流から得られ上記認証用端子を媒介として外部から供給される。上記コンセント作動暗号が上記コンセントID情報に相応すれば、主電源から上記電力需要装置のための主電力を外部に供給する。
【0008】
本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの一態様において、上記認証用端子を媒介として上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタは外部からコンセントID要請信号を受信し外部にコンセントID情報を送信することができる。
【0009】
本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの一態様において、上記電力需要装置が上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタから連結解除されると、上記微小電流制限装置を通してそれ以上上記微小電流が流れないことが可能である。
【0010】
本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの一態様において、上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの認証用端子は、外部と無線で連結されて上記認証用電力及び上記コンセント作動暗号の伝送を無線で受けることができる。
【0011】
本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの一態様において、上記微小電流の最大値は数十mAであり得る。
【0012】
本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの一態様において、上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタは、上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの許容電流量情報を、上記コンセントID情報を通して外部に直接提供することができる。
【0013】
本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの一態様において、上記主電源から上記電力需要装置のための主電力を外部に供給することは、電磁開閉器をクローズすることによってなされることができるが、上記電磁開閉器は外部から直流電力を受けてクローズされることになり、一旦上記電磁開閉器がクローズされた後は、上記直流電力を引き続き使うか又は交流電力である上記主電力の一部を使ってそのクローズを維持できるように構成されることができる。
【0014】
本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの一態様において、上記微小電流制限装置は、リセッタブルヒューズ(Resettable fuse)であり得る。
【0015】
上記他の課題を解決するための本発明による電力仲介用モジュールの一態様は:使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタに電力需要装置が連結されたとき、微小電流制限装置を通して流れることが許容される微小電流の提供を上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタから受け;コンセント作動暗号を上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタに伝送する一方、上記微小電流から得られる認証用電力を上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタに提供し;そして、使用者認証後に上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタから上記電力需要装置に主電力が供給されることができるようにする。
【0016】
本発明による電力仲介用モジュールの一態様において、上記電力仲介用モジュールは、上記微小電流を直流に変換して認証用電力を生成するAC/DCコンバータを含むことができる。
【0017】
本発明による電力仲介用モジュールの一態様において、上記電力仲介用モジュールは、自体バッテリを備えないことが可能である。
【0018】
本発明による電力仲介用モジュールの一態様において、上記電力仲介用モジュールは、単位時間周期ごとに上記電力需要装置に起因した電力量情報を仲介サーバに伝送することができる。
【0019】
本発明による電力仲介用モジュールの一態様において、上記電力需要装置が上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタから連結解除されると、上記電力量情報は上記仲介サーバにそれ以上伝送されないことが可能である。
【0020】
本発明による電力仲介用モジュールの一態様において、上記電力仲介用モジュールと上記仲介サーバとの間の通信中断前の最後の単位時間周期の充電量を、通信中断が発生した単位時間周期の充電量として見なすことができる。
【0021】
本発明による電力仲介用モジュールの一態様において、上記単位時間周期は1分であり得る。
【0022】
本発明による電力仲介用モジュールの一態様において、上記電力仲介用モジュールは、上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタのコンセントID情報に相応する上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの許容電流量情報の伝送を仲介サーバから受けることができる。
【0023】
本発明による電力仲介用モジュールの一態様において、上記電力仲介用モジュールは、上記電力需要装置への連結のための使用者認証コネクタと一体化されて具現されることができる。
【0024】
本発明による電力仲介用モジュールの一態様において、上記電力仲介用モジュールは、上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタへの連結のためのプラグと一体化されて具現されることができる。
【0025】
本発明による電力仲介用モジュールの一態様において、上記微小電流制限装置は、リセッタブルヒューズ(Resettable fuse)であり得る。
【0026】
上記また他の課題を解決するための本発明による電力需要装置の一態様は、本発明による電力仲介用モジュールを備えるか上記電力仲介用モジュールを媒介として使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタに連結されて充電されることができる。
【0027】
本発明のその他具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施例による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール及び電気自動車を示したダイアグラム(図)である。
図2】待機中の時の使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタでの電流の流れを説明するためのダイアグラムである。
図3】使用者認証中の時の使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタでの電流の流れを説明するためのダイアグラムである。
図4】充電中の時の使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタでの電流の流れを説明するためのダイアグラムである。
図5】本発明の他の実施例による電力仲介用モジュールを含む、使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール及び電気自動車を示したブロックダイアグラムである。
図6】本発明のまた他の実施例による電力仲介用モジュールを含む、使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール及び電気自動車を示したブロックダイアグラムである。
図7】本発明の他の実施例による電気自動車を含む、使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ及び電気自動車を示したブロックダイアグラムである。
図8】本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール及び電気自動車において、電気自動車の充電が始まる過程を示したフローチャートである。
図9】本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール及び電気自動車において、電気自動車の充電が完了する過程を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付図面と共に詳しく後述されている実施例を参照すれば明確になるはずである。しかし、本発明は、以下で開示されている実施例に限定されるものではなく、相異なる多様な形態で具現されるはずであり、単に本実施例は本発明の開示を完全なものにし、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を称する。
【0030】
本明細書で使われている用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる“含む(comprises)”及び/又は“含む(comprising)”は、言及されている構成要素、段階、動作及び/又は素子において一つ以上の他の構成要素、段階、動作及び/又は素子の存在又は追加を排除しない。
【0031】
他の定義がなければ、本明細書で使われている全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に共通して理解可能な意味で使われることができるはずである。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、明白に特別に定義されていない限り理想的に又は過度に解釈されない。
【0032】
以下、本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタを主に電気自動車の充電用として使用する場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタは、電気自動車だけでなく、多量の電気を用いて充電を要する全ての電力需要装置に対して、特に移動式電力需要装置に対して適用可能である。また、本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタは、例えば、建物の壁に内蔵可能なコンセント形態、又は建物の壁から出たケーブルのようなコネクタ形態であり得る。すなわち、以下で本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタがコンセント形態である場合について説明しているのは、単に説明の便宜のためである。
【0033】
図1を参照して、本発明の一実施例による使用者認証コンセント100と電力仲介用モジュール400とそして電気自動車600を説明する。図1は、本発明の一実施例による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール及び電気自動車を示したブロックダイアグラムである。
【0034】
使用者認証コンセント100は、微小電流制限装置150、電源供給端子140、認証装置110、認証用端子120及び電磁開閉器130を含むことができる。
【0035】
微小電流制限装置150は、プラグ300を使用者認証コンセント100に挿入したとき、上記微小電流制限装置150を通して微小電流が主電源200から使用者認証コンセント100の電源供給端子140に流れるようにする。(プラグ300を使用者認証コンセント100に挿入していない状態では微小電流は流れない。)ここで、微小電流制限装置150は、例えば、抵抗2個を用いて安価で簡単な回路で構成されることができる。このように流れるようになった微小電流は、使用者認証コンセント100の電源供給端子140からプラグ300の電源供給端子320に伝達される。
【0036】
微小電流制限装置150は、他の例を挙げると、リセッタブルヒューズ(Resettable fuse)として具現されることができる。リセッタブルヒューズの例示としては、アメリカのReychem社が製造する電子素子であるポリスイッチ(Poly Switch)がある。ポリスイッチは、非常に低い低抵抗(0〜5オーム)状態から、回路に過電流が流入すると、過電流によるジュール(Joule)熱によって高抵抗に変化する。このようにポリスイッチが高抵抗に変化すると、回路を開放してポリスイッチはヒューズのような役割をすることになる。一般的なヒューズとの差異点は、リセッタブルヒューズは過電流の原因が除去されると再び低抵抗状態になって再使用が可能であるとの点である。本発明でポリスイッチは、微小電流の大きさを数十mA以下に制限できる許容電力を有するものに選択できる。例えば、許容電力が20W以下のポリスイッチが選択されることができる。
【0037】
認証装置110は、微小電流から得られてプラグ300の認証用端子310から使用者認証コンセント100の認証用端子120に伝達される、認証用電力を受けて作動される。具体的に、認証装置110は、電力仲介用モジュール400の制御部410によって発生しプラグ300の認証用端子310から使用者認証コンセント100の認証用端子120に伝達される、コンセントID要請信号を受けてコンセントID情報を認証用端子120に伝送する。このように伝送されたコンセントID情報は、使用者認証コンセント100の認証用端子120からプラグ300の認証用端子310に伝達される。
【0038】
ここで、コンセントID確認手続は、上のような方式の他にも、使用者認証コンセント100にRFID又はNFCを取り付け、プラグ300にRFID又はNFCリーダーを設けて、使用者認証コンセント100からコンセントID情報を直接読み取る方式でも行われることができる。また、コンセントID情報と共に流動的なキー値をプラグ側に伝送する場合は、保安が追加的に強化されることができる。
【0039】
このようなコンセントID確認手続後に、認証装置110は、プラグ300の認証用端子310から使用者認証コンセント100の認証用端子120に伝達される、コンセント作動暗号の伝送を受ける。認証装置110は、伝送されたコンセント作動暗号を確認し、正しければ電磁開閉器130をクローズして主電源200から主電力が供給されることができるようにする。主電力は、使用者認証コンセント100の電源供給端子140を通してプラグ300の電源供給端子320に伝達される。
【0040】
一旦、電磁開閉器130がクローズされた後は、プラグ300の認証用端子310から供給された直流電力を使って、又は主電源200から供給された交流電力の一部を使って、上記電磁開閉器130のクローズを維持することができる。一例示で、電磁開閉器130の仕様によって、上記電磁開閉器130を制御するために交流電力を使うことができ、この場合、主電源200からの交流電力の一部を使って電磁開閉器130のクローズを維持できるため、このためのAC/DCコンバータは必要でなくなり得る。すなわち、認証装置110は直流電力によって作動されるが、これに比べて電磁開閉器130は、外部から直流電力を受けてトリガーされた後は交流電力によってその駆動が維持されることができる。
【0041】
認証用端子310から供給された直流電力を使って電磁開閉器130のクローズを維持する場合は、プラグ300を抜脱したとき、認証用端子310から電磁開閉器130を制御するための直流電力が供給されなくなって電磁開閉器130がオープンになる。これとは異なり、主電源200から供給された交流電力の一部を使って電磁開閉器130のクローズを維持する場合は、プラグ300を抜脱したとき、主電源回路が開放されてそれ以上主電源200から交流電力が供給されることができなくなるため、電磁開閉器130がオープンになる。
【0042】
電力仲介用モジュール400は、AC/DCコンバータ440、制御部410、無線通信部420、及び電力計量部430を含むことができる。
【0043】
AC/DCコンバータ440は、プラグ300の電源供給端子320及び電力計量部430を経てAC/DCコンバータ440に提供される微小電流を直流に変換して認証用電力を生成する。
【0044】
制御部410は、認証装置110への認証用電源供給を開始すること、コンセントIDを要請してコンセントID情報を受信すること、仲介サーバ500からコンセント作動暗号を獲得することを制御する。具体的に、制御部410は、AC/DCコンバータ440によって得られた認証用電力をプラグ300の認証用端子310と使用者認証コンセント100の認証用端子120を媒介として認証装置110に供給する。また、コンセントID要請信号を使用者認証コンセント100側に送り、これに応答して使用者認証コンセント100側から伝送されたコンセントID情報を得る。引き続いて、制御部410は、仲介サーバ500との無線通信を通してコンセント作動暗号を獲得する。このように獲得されたコンセント作動暗号は、プラグ300の認証用端子310と使用者認証コンセント100の認証用端子320を媒介として認証装置110に提供される。
【0045】
ここで、コンセント作動暗号は、図1の図示とは異なり、電力仲介用モジュール400又は電気自動車600の内部に保存されているデータベースから獲得されることもできる。しかし、使用者認証コンセントがますます多くなると、電力仲介用モジュール400又は電気自動車600の内部に全てのコンセント作動暗号を保存することは困難になり得る。よって、電力仲介用モジュール400は、コンセント作動暗号獲得過程で無線通信部420を通して外部に位置する仲介サーバ500からコンセント作動暗号を獲得することができる。このように外部からコンセント作動暗号を獲得すれば、仲介サーバ500が別途管理されていないときに発生し得る、全体のコンセント作動暗号のデータベース外部流出の危険性を減らすことができる。
【0046】
電力計量部430は、プラグ300の電源供給端子320を媒介として使用者認証コンセント100から供給される電力量を計量する。計量された電力は、コネクタ550によって電力仲介用モジュール400に連結される、電気自動車600に供給される。これと共に計量された電力量は制御部410に送られ、計量された電力量に基づき無線通信部420を媒介とする無線通信を通して仲介サーバ500に電気自動車の入出力電力量に関する情報が伝達される。
【0047】
図1において、使用者認証コンセント100の認証用端子120は、プラグ300の認証用端子310と有線で連結されても又は無線で連結されてもよい。例えば、使用者認証コンセント100の認証用端子120がプラグ300の認証用端子310と無線で連結される場合、使用者認証コンセント100の認証用端子120は、無線でプラグ300の認証用端子310から認証用電力を受信し無線でプラグ300の認証用端子310と情報を送受信することができる無線電源受信及び情報送受信ユニットの形態で具現されることができる。これに相応するように、プラグ300の認証用端子310は、無線で使用者認証コンセント100の認証用端子120に認証用電力を送信し無線で使用者認証コンセント100の認証用端子120と情報を送受信することができる無線電源送信及び情報送受信ユニットの形態で具現されることができる。
【0048】
図2乃至図4を参照して、待機中の時と、認証中の時と、そして充放電中の時の使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタでの電流の流れを説明する。図2は待機中の時の電流の流れを説明するための図面であり、図3は認証中の時の電流の流れを説明するための図面であり、そして図4は充放電中の時の電流の流れを説明するための図面である。
【0049】
先に説明したように、本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタにおいて、使用者認証コンセント100をプラグに挿入していないときは、使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの全体回路が閉ループ(closed loop)ではないため微小電流が流れず、使用者認証コンセント100をプラグに挿入してこそ全体回路が閉ループになって微小電流が流れるようになる。すなわち、本発明において、使用者認証コンセント100をプラグに挿入することは、使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの全体回路を開ループ(open loop)状態から閉ループに変える役割をする。よって、本発明によれば、使用者認証コンセント100の挿入有無を検出するための別途の回路を必要としない。これを視覚的に表現するために、図2使用者認証コンセント100がプラグに挿入されていないことをスイッチ250がオープンになっている(“OFF”と表示)と表現し、図3及び図4では使用者認証コンセント100がプラグに挿入されていることをスイッチ250がクローズになっている(“ON”と表示)と表現した。
【0050】
図2を参照すると、使用者認証コンセント100をプラグに挿入していないとき、すなわち待機中のときは、スイッチ250がオープンになっているため、使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの全体回路は開ループ状態であって微小電流はもちろん如何なる電流も使用者認証コンセント100とプラグ300との間を流れない。従って、本発明によれば、待機中の時の電力消耗、すなわち待機電力消耗がない。
【0051】
図3を参照すると、使用者認証コンセント100をプラグに挿入してこそ全体回路が閉ループになる。このとき、電磁開閉器130は依然としてオープンの状態(OFF)であるため、認証中は電磁開閉器130を通しては電流が流れず、微小電流制限装置150を通してのみ電流が流れる。ところで、先に説明したように、微小電流制限装置150により上記微小電流制限装置150を通して流れる電流の大きさが制限される。すなわち、主電源200から主電力が提供されるが、微小電流制限装置150によって、例えばポリスイッチによって、その大きさが数十mAに過ぎない微小電流だけが上記微小電流制限装置150を通して流れるようになる。このように流れるようになった微小電流はプラグ側に伝達される。そうすると、先に説明したAC/DCコンバータ(図1の440参照)によって微小電流が直流に変換されて認証用電力が生成され使用者認証コンセント100に提供される。
【0052】
ここで特に注目することは、本発明によれば、使用者認証コンセント100の認証装置110は、使用者認証コンセント100の外部から認証用電力の提供を受けて作動されるということである。すなわち、電力供給側ではない電力需要側で微小電流が直流に変換され、このように生成された認証用電力が電力需要側から電力供給側に逆提供される。このように逆提供された認証用電力によって認証装置110が作動されることにより、先に説明したような使用者認証過程を経ることになる。
【0053】
一方、使用者認証過程を経た結果、使用者が認証されると、図4を参照して後述するように、電磁開閉器130がクローズされるが、このとき電磁開閉器130がクローズ、すなわちトリガーされること自体は認証装置110と同様に直流電力によって作動されることができる。これを表現するために、図3には認証用電力が電磁開閉器130にまでも提供されるものとして示されている。
【0054】
図4を参照すると、図3を参照して説明した使用者認証過程を経た結果、使用者が認証されれば、電磁開閉器130をクローズして主電源200から主電力が供給できるようになる。このように電磁開閉器130がクローズになると、理論的に電磁開閉器の両端の抵抗は0に近くなるため微小電流制限装置150には電流が流れなくなる。
【0055】
ここで電磁開閉器130がクローズ、すなわちトリガーされること自体は、先に図3を参照して説明したように、認証用電力によって作動されることができる。しかし、一旦電磁開閉器130がクローズされた後に上記電磁開閉器130のクローズが維持されるのは、引き続き認証用電力を使うことによっても可能であり、又は主電源200から供給された交流電力の一部を使うことによっても可能である。図4には電磁開閉器130のクローズを交流電力によって維持することを表現するために認証用電力がそれ以上流れないものとして示した。
【0056】
図5を参照して、本発明の他の実施例による電力仲介用モジュールを説明する。図5は、本発明の他の実施例による電力仲介用モジュールを含む、使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール及び電気自動車を示すブロックダイアグラムである。
【0057】
図5に示されている実施例で、電力需要装置である電気自動車600への連結のためのコネクタ552に上記コネクタ552と電力仲介用モジュール400が一体化された形態で具現されている。このような具現形態によれば、コネクタ552に電力仲介用モジュールが内蔵された形態になって、外観上プラグとコネクタ552だけが残るようになるため、電力仲介用モジュールの破損、浸水及び盗難などの危険が減少又は除去できる。盗難予防のために機械的/電子的ロック装置をコネクタ552に内蔵することもできる。図5において、図1と同一の図面符号を用いた構成要素は、図1での構成要素と実質的に同一類似であるため、便宜上その詳しい説明は省略する。
【0058】
図6を参照して、本発明のまた他の実施例による電力仲介用モジュールを説明する。図6は、本発明のまた他の実施例による電力仲介用モジュールを含む、使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール及び電気自動車を示したブロックダイアグラムである。
【0059】
図6に示されている実施例で、電力供給装置である使用者認証コンセント100への連結のためのプラグ302に上記プラグ302と電力仲介用モジュールが一体化された形態で具現されている。このような具現形態によれば、プラグ302に電力仲介用モジュールが内蔵された形態になって、外観上プラグとコネクタ550だけが残るようになるため、電力仲介用モジュールの破損、浸水及び盗難などの危険が減少又は除去できる。盗難予防のために機械的/電子的ロック装置をプラグ302に内蔵することもできる。図6において、図1と同一の図面符号を用いた構成要素は、図1での構成要素と実質的に同一類似であるため、便宜上その詳しい説明は省略する。
【0060】
図7を参照して、本発明の他の実施例による電気自動車を説明する。図7は、本発明の他の実施例による電気自動車を含む、使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ及び電気自動車を示したブロックダイアグラムである。
【0061】
図7に示されている電気自動車602は、図1図5及び図6に示されている電気自動車600が電力仲介用モジュールを媒介として使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタに連結されて充電できるのとは異なり、電気自動車602が電力仲介用モジュールを自体的に備えている。具体的に、電気自動車602は、無線通信部420、制御部410、電力計量部430を含むことができる。図7に示されている電気自動車602では、電気自動車内部の電装品用バッテリ(例えば、12Vバッテリ)442が認証用電力(直流電力)を、制御部410を媒介として使用者認証コンセント100に提供することができる。電装品用バッテリ(例えば、12Vバッテリ)442は、電気自動車内部で電装品を作動させるために使うバッテリである。これに加えて、電気自動車602は充電器452及びトラクションバッテリ454をさらに含むことができる。電力計量部430を経て計量された主電力は、電気自動車602の充電器452で直流に変換されてトラクションバッテリ454に保存されることができる。トラクションバッテリ454は、電気自動車602の駆動バッテリである。図7において、図1と同一の図面符号を用いた構成要素は、図1での構成要素と実質的に同一類似であるため、便宜上その詳しい説明は省略する。
【0062】
図8及び図9をさらに参照して、本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール及び電気自動車において電気自動車が充電される過程を説明する。図8は、本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール及び電気自動車において、電気自動車の充電が始まる過程を示したフローチャートであり、図9は、電気自動車の充電が完了する過程を示したフローチャートである。
【0063】
コネクタ550又はコネクタ552を電気自動車600に挿入し、プラグ300を使用者認証コンセント100に挿入する(S100)。ここで、図7に示されている実施例では、もちろんコネクタを電気自動車602に挿入する過程は要求されない。プラグ300を使用者認証コンセント100に挿入することにより微小電流が通電される(S110)。
【0064】
微小電流が流れて電力仲介用モジュール400に供給されると、電力仲介用モジュール400は上記微小電流を認証用電力に変換して使う(S120)。使用者認証コンセント100のIDを獲得し(S130)、獲得された使用者認証コンセント100のIDを仲介サーバ500に伝送して(S140)、使用者認証コンセント100のIDに相応するコンセント作動暗号を仲介サーバ500から獲得する(S150)。
【0065】
使用者認証コンセント100は、電力仲介用モジュール400からコンセント作動暗号を受け取ってこれを確認し、正しければ、電磁開閉器130をクローズして主電源200から電磁開閉器130を通して電源供給端子140に主電力が供給されることができるようにする(S160)。
【0066】
主電力の供給が開始されることにより電気自動車600の充電が始まり(S170)、これと共に電力仲介用モジュール400は、単位時間周期ごとに電気自動車に提供される充電量情報を仲介サーバ500に伝送する(S180)。電気自動車が完全に充電された場合ならば、電力仲介用モジュール400から仲介サーバ500に最終充電量情報を伝送する(S220)。
【0067】
これとは異なり、電気自動車が完全に充電される前にプラグ及び/又はコネクタ550が抜脱された場合は、コネクタ550をプラグ300より先に抜脱したか否かによって次のように最終充電量情報が決まる。もしコネクタ550を抜脱した状態ならば、電気自動車が完全に充電されたときと同様に、電力仲介用モジュールから仲介サーバ500に最終充電量情報を伝送する(S220)。
【0068】
しかし、もしコネクタ550を先に抜脱せずプラグ300を使用者認証コンセント100から抜脱したならば(S190)、微小電流がそれ以上通電されないため、認証用電力の供給中断によって電力仲介用モジュール400と仲介サーバ500との間の通信も中断される(S200)。このときには、電力仲介用モジュール400と仲介サーバ500との間の通信中断前の最後の単位時間周期の充電量を通信中断が発生した単位時間周期の充電量と見なす(S210)。
【0069】
以上説明した電気自動車の充電過程において、場合によっては送電線路などによる制限により使用者認証コンセントの許容電流量がそれぞれ異なり得る。このような場合に備えて、使用者認証コンセントの許容電流量情報を等級化して提供する必要がある。具体的な提供方法としては、(i)使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタがその許容電流量情報を、コンセントID情報を通して電力仲介用モジュールに直接提供する方法と、(ii)コンセントID情報に相応する上記使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの許容電流量情報を仲介サーバに保存し、認証過程中に電力仲介用モジュールが仲介サーバから上記保存されている許容充電量の伝送を受ける方法がある。
【0070】
以上説明した本発明による使用者認証コンセント100、電力仲介用モジュール400及び電気自動車600によれば、プラグ300を使用者認証コンセント100に挿入することによって流れるようになる微小電流を用いて認証手続がなされる。よって、電力仲介用モジュール400は、自体バッテリを備えなくてもよい。
【0071】
さらに、微小電流制限装置150を用いて微小電流の大きさを制限するため、携帯電話の充電器と電気シェーバーを含む大部分の電気機器は認証手続を経ずには使用できない。
【0072】
具体的に、未認証時に(すなわち、認証手続を経る前に)本発明による使用者認証コンセント100での微小電流の最大値は数十mAであり得る。一例を挙げると、微小電流が10mA(0.01A)ならば、3,000Wの電熱器のプラグを本発明による使用者認証コンセント100に挿入する場合、最大2.2W(220V×10mA=2.2W)の電力だけが供給されることができるため、認証手続を経る前は、電熱器は全く使用できない。他の例を挙げると、スマートフォン充電器の場合、0.15Aの電流が必要であるが、本発明による使用者認証コンセント100での微小電流の最大値は数十mAに過ぎないため、依然として同様に、認証手続を経る前は、スマートフォン充電器は全く使用できない。
【0073】
すなわち、本発明での微小電流量は、認証手続を経るための認証用電源としては十分な大きさを有するが、このような微小電流量ではスマートフォン充電器(0.15A)のような電力消耗量の小さい電気機器さえも現実的に使用困難である。仮に一月中ずっと電気が無断で使用されても、例えば微小電流が10mA(0.01A)ならば、その電力量は220V×0.01A×24時間×31日=1,630W(1.63kW)に過ぎず、その金額としては平均200ウォンにも及ばない。
【0074】
また、本発明による使用者認証コンセント100、電力仲介用モジュール400及び電気自動車600によれば、プラグ300を使用者認証コンセント100に挿入したときにだけ微小電流が流れ、プラグ300を使用者認証コンセント100から抜脱すると、電磁開閉器130がオープンになってそれ以上主電源200から使用者認証コンセント100の電源供給端子140及びプラグ300の電源供給端子320を経て電力仲介用モジュール400に電流が流れなくなる。また、プラグ300を使用者認証コンセント100に挿入していない状態では微小電流さえも流れなくなる。よって、使用者認証コンセント100の待機動作時に使用者認証のための部品が電力を、すなわち待機電力を消耗しなくなる。これにより、待機電力にかかる費用を負担する者(例えば、建物所有者)と実使用者(例えば、電気自動車の所有者)との不一致による問題も発生しなくなる。
【0075】
一方、本発明による使用者認証コンセント100、電力仲介用モジュール400及び電気自動車600によれば、上述のように、電力仲介用モジュール400は自体バッテリを備えないこともあるが、この場合、プラグ300を使用者認証コンセント100から抜脱したとき、電力仲介用モジュール400はそれ以上仲介サーバ500に電力充電量を送ることができなくなり問題となり得る。これを解決するために、本発明によれば、先に図8及び図9を参照して説明したように、電力仲介用コネクタ400の無線通信部420が仲介サーバ500と周期的に通信することができる。
【0076】
具体的に、電力仲介用モジュール400の無線通信部420は、単位時間周期ごとに仲介サーバ500と通信して仲介サーバ500に単位時間当たりの電力充電量を伝送することができる。もし電気自動車600を完全に充電したならば、プラグ300を使用者認証コンセント100に挿入して主電源が供給された全時間に対して電力充電量を算定すればよい。しかし、これとは異なり、電気自動車600を完全に充電せず、途中でプラグ300を使用者認証コンセント100から抜脱した場合は、抜脱前(すなわち、通信中断前)の最後の単位時間周期に仲介サーバ500に送信された電力充電量を抜脱(すなわち、通信中断)が発生した単位時間周期の電力充電量と見なすことができる。
【0077】
例えば、単位時間周期が1分のとき、充電開始から10分後に仲介サーバに最後に電力充電量を伝送し、10分と11分との間に充電が中断されたならば、9分と10分との間の電力充電量を10分と11分との間の電力充電量と見なすことができる。このように見なすのは、電気自動車の充電時、完全な充電の80〜90%までは定格容量で充電され、その後に電流量が斜線状に急降下するという点に基づくものである。
【0078】
先の例示とは異なり、単位時間周期は1分ではない10分、30秒など任意選択可能である。電気自動車600を完全に充電せず、途中でプラグ300を使用者認証コンセント100から抜脱した場合、先の仮定から分かるように、単位時間周期が大きくなるほど電気自動車の電力充電量が過多に算定されるわけであり、単位時間周期が小さくなるほど電気自動車の電力充電量はより正確に算定されるわけである。よって、リアルタイムで電力充電量を伝送するのが理想的であろうが、データ通信量の問題により通信費用が大幅に増加することから現実的に不可能であろう。望ましくは、単位時間周期は先の例示のように1分である。この場合、電気自動車の電気料金制を適用して電気自動車を1時間当たり3.3kWで充電すれば1時間に平均330ウォンの電気料金が発生する。よって、1分を単位時間周期とすると、1分に対する電気料金は5.5ウォンになる。
【0079】
以上説明した本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール、そしてこれを利用する電力需要装置(例えば、電気自動車)によれば、使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタに電力需要装置が連結されたときに微小電流が通電され、このような微小電流から認証用電力を得て使用者認証がなされ、このような使用者認証を経た後に主電源から主電力を電力需要装置に供給するため、電気自動車との連結を待機する間、待機電力消費が全く発生しない。すなわち、平常時に使用者認証のための電力を浪費しないながらも、事前に使用が許可された使用者に限って電力を供給することができる。また、使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの不正使用を防ぐための追加的な機械式ロック装置を必要としなくなる。
【0080】
また、電気自動車を充電するための従来の給電装置は、嵩が大きく、給電装置の内部に通信装置と使用者認証装置、そしてこれらを運用するための直流電力供給装置を必要とした。しかし、本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール、そしてこれを用いる電力需要装置(例えば、電気自動車)によれば、認証装置110と、そして例えば抵抗2個で簡単に具現されることができる微小電流制限装置150だけが使用者認証コンセント100側に付加され、残りの必要な装置は、例えば、電力仲介用モジュール400の無線通信部420の形態で使用者認証コンセント100の外部に配置される。よって、固定式装置、すなわち使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタの構造を簡単にしながらも保安を維持することができる。
【0081】
次に、本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール、そしてこれを用いる電力需要装置(例えば、電気自動車)は、実際的に又は商業的に次のような価値を有することができる。
【0082】
100個の駐車面を有する建物地下駐車場で10台の電気自動車を充電する場合を仮定すると、従来の給電装置によれば、待機電力消費問題及び設置費用問題により10個の電気自動車専用駐車面を必要とする。よって、電気自動車の使用者のための専用駐車面を備えなければならないため、電気自動車使用者と一般自動車使用者の両方に不便が生じ得る。
【0083】
しかし、本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタによれば、100個の駐車面全てにこれを設置しても、設置費用が安価なばかりか待機電力消費にも全く影響を及ぼさなくなる。よって、電気自動車と一般自動車の駐車区画を分けなくてもよいため、全ての自動車使用者が便利に駐車でき、電気自動車使用者は場所に関係なく、すなわち電気自動車専用駐車面を探し回らなくても電気自動車を充電することができるようになる。
【0084】
最後に、本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール、そしてこれを用いる電力需要装置(例えば、電気自動車)は、本特許出願人の他の特許出願である韓国特許出願第10−2013−0038225号での位置基盤電力仲介用電気自動車及び仲介サーバにも適用可能である。具体的に、韓国特許出願第10−2013−0038225号での位置基盤電力仲介用電気自動車及び仲介サーバで、本発明による使用者認証コンセント又は使用者認証コネクタ、電力仲介用モジュール、そして電気自動車を適用すれば、保安問題を解決しながらも待機電力費用を完全に除去でき、建物所有者は何ら心配することなく電力仲介のために電気自動車用の使用者認証コンセントを共有することができるようになる。
【0085】
以上、添付図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更しない範囲内で他の具体的な形態で実施可能であることを理解できるはずである。よって、以上で記述した実施例は、全ての面において例示的なものであって限定的なものではないと理解しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9