(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0012】
<ペンダント型およびシーリング型の映像投射機能付き照明装置>
まず、添付の
図1および
図2は、本発明の一実施の形態である映像投射機能付き照明装置の外観構成を示している。
図1は、天井面から吊るすような形態で取り付けられる、所謂、ペンダント型と呼ばれる照明装置に映像投射機能を搭載した映像投射機能付き照明装置を示している。
図2は、天井面に取り付けられる、所謂、シーリング型と呼ばれる照明装置に映像投射機能を搭載した映像投射機能付き照明装置を示している。
【0013】
これらの図からも明らかなように、これらの映像投射機能付き照明装置10は、例えば、キッチン、ダイニングルーム、または、居間、オフィス等の空間を構成する壁面、または天井面50などに取り付けて使用される。より具体的には、図にも示すように、室内に設置されたテーブルや机60の上方において、所定の高さ、または、天井面に一体に設置される。これら映像投射機能付き照明装置10は、テーブルや机の上面または壁面などに照明光2を照射する照明機能と、当該テーブルまたは机60の上面(表示面または投射面)61に様々な映像1を投射して表示する映像投射機能と両方有する照明装置である。なお、
図1における符号40は、特に、ペンダント型の照明装置10を天井面から所望の位置に吊り下げた状態で保持するための保持具を示している。開口部または透過窓14については後述する。
【0014】
映像投射機能で映像を投射したい水平面テーブルまたは机などは、映像投射機能を用いない状態で使用する際などに照明機能で照明する対象になる可能性が高い。よって、前記映像投射機能で映像1を投射する領域と前記照明機能の照明光2の照明範囲は少なくとも一部が重畳することが望ましい。
【0015】
また、映像投射機能付き照明装置は、後述する各種制御部を搭載することにより、照明機能の照明光と映像投射機能で投射する映像とはそれぞれON/OFFできるように構成するのが望ましい。
【0016】
また、壁などに取り付けた操作パネル70(壁面操作入力部)から操作信号を有線または無線で映像投射機能付き照明装置の各種制御部に送信して、照明機能の照明光と映像投射機能で投射する映像のON/OFFを制御してもよい。
【0017】
図3は、映像投射機能付き照明装置300の内部構成の一例を示すブロック図である。映像投射機能付き照明装置300には、映像投射機能を有する投射型映像表示ユニット100と照明光照射機能を有する照明ユニット200が含まれている。
【0018】
操作信号入力部301は、操作ボタンやリモコンの受光部であり、ユーザからの操作信号を入力する。人感センサー302は、赤外線、超音波、可視光などを用いて、映像投射機能付き照明装置300周辺または映像投射機能付き照明装置300が設置された室内における人間の有無を判別するセンサーである。人感センサー302自体は、以下の説明で特に断りがない限りは、既存の技術の人感センサーを用いればよい。音声操作入力部303は、映像投射機能付き照明装置300の周囲の音声を集音して音声認識処理を行い、音声認識処理の結果を操作信号に変換する。音声操作入力部303で生成した操作信号は、映像投射機能付き照明装置300の各部の操作に用いられる。
【0019】
操作検出センサー350は、表示面61上の映像投射領域を含む範囲を撮影するカメラで、赤外光成分などの非可視光を検出することで、操作物による反射光を検知することができる。なお、操作検出センサー350の光学フィルターのカット波長を可視光波長域に設定する(例えば、赤色可視光領域の途中に設定する)ことで、赤外光以外の一部の可視光成分(すなわち表示画面の投射映像)を赤外光成分とともに撮影することも可能である。操作検出センサー350からの入力は、映像投射領域付近でのユーザの手のジェスチャ操作の判別処理などに用いられる。
【0020】
状態出力部304は、(1)照明ユニット200の照明光のON/OFFなどの点灯状態、(2)照明ユニット200の照明光は点灯していないが照明ユニット200自体は動作しているスタンバイ状態、(3)照明ユニット200のエラー状態、(4)投射型映像表示ユニット100の光源のON/OFFなどの点灯状態、(5)投射型映像表示ユニット100の光源は点灯していないが投射型映像表示ユニット100自体は動作しているスタンバイ状態、(6)投射型映像表示ユニット100のエラー状態、(7)人感センサー302の動作状態(動作中か否か)、(8)音声操作入力部303の動作状態(動作中か否か)、(9)操作検出センサー350の動作状態(動作中か否か)などを出力または表示するものである。
【0021】
状態出力部304はこれらの複数種類の状態を、複数個のLEDインジケータの色や発光周期等を変えることによって示すように構成してもよい。また、状態出力部304はこれらの複数種類の状態を液晶モニタ、有機ELモニタ、その他の方式のモニタなどで文字やマーク等を表示する構成にしてもよい。
【0022】
以上説明した、操作信号入力部301、人感センサー302、音声操作入力部303、操作検出センサー350、状態出力部304などは、それぞれ、投射型映像表示ユニット100の制御部と照明ユニット200の制御部と情報を送受信できるように構成してもよい。これにより、操作信号入力部301、人感センサー302、音声操作入力部303、操作検出センサー350などの入力は、投射型映像表示ユニット100および照明ユニット200の両者でそれぞれ処理に用いることができる。また、状態出力部304は、投射型映像表示ユニット100および照明ユニット200の両者の状態を同じLEDインジケータやモニタで纏めて示すことが可能となる。
【0023】
次に、投射型映像表示ユニット100の構成を説明する。投射光学系101は、映像を表示面61へ投射する光学系で、レンズおよび/またはミラーを含む。表示素子102は、透過する光または反射する光を変調して映像を生成する素子で、例えば、透過型液晶パネル、反射型液晶パネル、DMD(Digital Micromirror Device:登録商標)パネル等を用いる。表示素子駆動部103は、表示素子102に対して映像信号に応じた駆動信号を送る。
【0024】
光源105は映像投射用の光を発生するもので、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、LED光源、レーザー光源等を用いる。電源106は、外部から入力されるAC電流をDC電流に変換して、光源105に電力を供給する。さらに、電源106は、その他各部にそれぞれ必要なDC電流を供給する。
【0025】
照明光学系104は、光源105で発生した光を集光し、より均一化して表示素子102に照射する。冷却部115は、光源105、電源106または表示素子102など、高温状態になる各部位を空冷方式や液冷方式で必要に応じて冷却する。操作信号入力部107は、操作ボタンやリモコンの受光部であり、ユーザからの操作信号を入力する。操作信号入力部107は、
図1の操作パネル70からの赤外線信号や無線信号を受信してもよい。照明装置300の操作信号入力部301からの信号が投射型映像表示ユニット100に入力される場合には、操作信号入力部107がない構造にしてもよい。
【0026】
映像信号入力部131は、外部の映像出力装置を接続して映像データを入力する。音声信号入力部133は、外部の音声出力装置を接続して音声データを入力する。音声出力部140は、音声信号入力部133に入力された音声データに基づいた音声出力を行うことが可能である。また、音声出力部140は内蔵の操作音やエラー警告音を出力してもよい。通信部132は、例えば、外部の情報処理装置と接続し、各種の制御信号を入出力する。通信部132は、
図1の操作パネル70と有線通信または無線通信をしてもよい。
【0027】
不揮発性メモリ108は、プロジェクタ機能で用いる各種データを格納する。不揮発性メモリ108に格納されるデータには、後述するインタラクティブ機能における各種操作用のデータ、表示アイコン、後述するキャリブレーション用のデータなども含まれる。メモリ109は、投射する映像データや装置の制御用データを記憶する。制御部110は、接続される各部の動作を制御する。また、制御部110は、操作信号入力部301、人感センサー302、音声操作入力部303、操作検出センサー350などと情報を入出力し、これらを制御してもよい。
【0028】
インタラクティブ機能部120は、ユーザが発光ペンや指を操作することで、映像領域へ文字や図形を書き込むなどのインタラクティブ動作を行う部分である。そのために、操作検出センサー350から取得した赤外線画像を解析して発光ペンや指の位置(ユーザが操作した位置)を算出する機能や、投射映像中に操作アイコンを合成したり、ユーザの操作に基づいて描画処理等を行うアプリケーションや、外部の映像出力装置から入力される映像等の操作を行うアプリケーションなど、発光ペンや指により操作可能なアプリケーションを実行する機能などを有する。
【0029】
ここで、操作検出センサー350の撮影範囲と、表示面61に投射された映像(表示素子102の映像領域の表示面61上での光学像)の範囲とが、一致することはまずない。よって、ユーザが操作(描画)した位置を算出する際に、操作検出センサー350の撮影範囲での座標と、表示面61に投射された映像中の座標位置を変換する必要がある。よって、インタラクティブ機能部120は、当該変換の処理および当該変換処理のための変換テーブルデータ(キャリブレーションデータ)を作成するための処理を行う機能などを有する。
【0030】
画像調整部160は、映像信号入力部131で入力した映像データに対して画像処理を行うものである。当該画像処理としては、例えば、画像の拡大、縮小、変形等を行うスケーリング処理、輝度を変更するブライト調整処理、画像のコントラストカーブを変更するコントラスト調整処理、画像を光の成分に分解して成分ごとの重み付けを変更するレティネックス処理等がある。
【0031】
ストレージ部170は、映像、画像、音声、各種データなどを記録するものである。例えば、製品出荷時に予め映像、画像、音声、各種データなどを記録しておいてもよく、通信部132を介して外部機器や外部のサーバ等から取得した映像、画像、音声、各種データなどを記録してもよい。ストレージ部170に記録された映像、画像、各種データなどは、表示素子102と投射光学系101を介して投射映像として出力すればよい。ストレージ部170に記録された音声は音声出力部140から音声として出力すればよい。
【0032】
以上説明したように、投射型映像表示ユニット100には様々な機能を載せることが可能である。しかしながら、投射型映像表示ユニット100は必ずしも上述した構成の全てを有する必要はない。映像を投射する機能があればどのような構成でもよい。
【0033】
次に、照明ユニット200の構成について説明する。
【0034】
制御部201は、接続される各部を制御する。また、制御部201は、操作信号入力部301、人感センサー302、音声操作入力部303、操作検出センサー350などと情報を入出力し、これらを制御してもよい。操作信号入力部203は、操作ボタンやリモコンの受光部であり、ユーザからの操作信号を入力する。操作信号入力部203は、
図1の操作パネル70からの赤外線信号や無線信号を受信してもよい。照明装置300の操作信号入力部301からの信号が照明ユニット200に入力される場合には、操作信号入力部203がない構造にしてもよい。不揮発性メモリ204は、照明ユニット200で用いる各種データを格納する。
【0035】
電源202は、外部から入力されるAC電流をDC電流に変換して、発光素子ドライバ(210、220など)に電力を供給する。さらに電源202は、その他各部にそれぞれ必要なDC電流を供給する。発光素子ドライバ(210、220など)は、電源202から供給される電力を用い、制御部201の制御に基づいて発光素子(211、212、213、221、222、223など)を発光する。当該発光素子が、照明ユニット200の発する照明光の光源となる。
【0036】
例えば、
図3の例では、発光素子ドライバA210は、直列で接続したn個の発光素子A1、A2、・・・、An(211、212、213など)を纏めて駆動する。発光素子ドライバA210は、制御部201の制御に基づいて、これらの発光素子の輝度や色などを変更する。同様に、発光素子ドライバB220は、直列で接続したm個の発光素子B1、B2、・・・、Bm(221、222、223など)を纏めて駆動する。発光素子ドライバB220は、制御部201の制御に基づいて、これらの発光素子の輝度や色などを変更する。このように構成することにより、発光素子ドライバごとに複数の発光素子の輝度や色を変える制御が可能となる。
図3の例では、発光素子ドライバと複数の発光素子のセットを2つの例を示したが、1つでも3つ以上でも構わない。必要に応じて増減すればよい。
【0037】
以上説明した構成により、照明ユニット200は、輝度および/または色が可変の照明光を発することができる。
【0038】
以下には、映像投射機能付き照明装置の光学ユニット30と照明光源の具体的なレイアウト(配列)について、
図4〜
図9を参照しながら説明する。なお、
図4〜
図9において、複数の半導体発光素子(LED)22が、
図3の発光素子(211、212、213、221、222、223など)に対応する。また、複数の半導体発光素子(LED)22の集合体を含む照明用光源全体を照明用光源20として説明している。
【0039】
なお、
図4〜
図9において、側面図における点線は、照明ユニット200の照明光の拡散範囲を示しており、光学ユニット30から広がる三角形は、投射型映像表示ユニット100の光学ユニット30からの投射映像の照射領域を側面から見たものである。
【0040】
なお、
図4〜
図9には、紐引き型トグルスイッチを取り付ける場合の例を合わせて示している。各図には、紐引き型トグルスイッチの紐部分90(繊維、金属チェーン、または合成樹脂チェーンなどで構成すればよい。)と、先端部分91が示されている。紐引き型トグルスイッチを取り付ける場合は、各図に示すように、先端部分91が照明ユニット200の照明光の拡散範囲内であって、投射型映像表示ユニット100の光学ユニット30からの投射映像の照射領域外になる様にレイアウトすることが望ましい。紐引き型トグルスイッチを筺体(シェード)11の下方向に取り付けることにより映像投射機能付き照明装置の小型化が図れるため、紐引き型トグルスイッチの紐部分90や先端部分91は照明ユニット200の照明光の拡散範囲内に配置する。
【0041】
このとき、
図4〜
図9に示すように、照明ユニット200の照明光の光源として複数の半導体発光素子用いる場合、紐引き型トグルスイッチの紐部分90や先端部分91は複数の方向から光を照射されるため、照明ユニット200の照明光の光源に対して紐引き型トグルスイッチの紐部分90や先端部分91が生じさせる影は複数の異なる照射角度の光線により薄まって目立たなくなるため、品位上問題は生じにくい。これに対し、光学ユニット30からの投射映像の光は、いずれも光学ユニット30の出射口から出射されるものである。よって、紐引き型トグルスイッチの紐部分90や先端部分91が光学ユニット30からの投射映像の照射領域にあると、紐引き型トグルスイッチの紐部分90や先端部分91が該投射映像に対して生じる影の部分は映像が欠落することになり、品位が非常に悪くなる。
【0042】
したがって、映像投射機能付き照明装置に紐引き型トグルスイッチを取り付ける場合は、各図に示すように、先端部分91が照明ユニット200の照明光の拡散範囲内であって、投射型映像表示ユニット100の光学ユニット30からの投射映像の照射領域外になる様にレイアウトすることが望ましい。
【0043】
<ペンダント型の映像投射機能付き照明装置>
まず、
図4(A)および(B)は、ペンダント型の映像投射機能付き照明装置10の側面断面と下面図である。この例では、光学ユニット30が縦置きレイアウトで配置されている。また、本体である筺体(シェード)11の内側の底面には、複数の半導体発光素子(LED)22を備えた照明用光源20の基板21が取り付けられている。さらに、図の下側の開口面にはこれを覆うように、拡散板12が取り付けられている。
【0044】
また、筺体(シェード)11と拡散板12で形成される空間には、光学ユニット30が、照明光束の略中央部に位置するように配置されている。
図4の例では、拡散板12において、光学ユニット30から下向きに投射光が出射される位置には、開口部または透過窓14が設けられる。開口部または透過窓を設けず拡散板12の全面に拡散効果があると光学ユニット30から出射される投射映像まで拡散してしまい、テーブルや机などの映像投射対象面上で映像が結像できなくなってしまうからである。
【0045】
開口部または透過窓14の部分は、拡散板12を切り欠いた開口でもよく、拡散効果のないガラスなどの透過性物質でもよい。透過性物質などで形成する透過窓の場合は、拡散板12内に埃などが入りにくい構成にすることができるが、光学ユニット30から出射される投射映像に極力影響を与えないように、光学ユニット30から出射される投射光が有する波長域において極力分光特性が平たんな特性のコーティングを施すべきである。
【0046】
なお、開口部または透過窓14の周囲は直接拡散板12とつながっている必要はなく、拡散板12上の光学ユニット30の影を見えにくくするために、開口部または透過窓14と拡散板12の間に化粧板などの領域を設けてもよい。すなわち、開口部または透過窓14とは、筺体(シェード)11と拡散板12で形成される空間に配置される光学ユニット30から投射される映像投射光が出射するために必要な通過口または透過口であり、その位置は、拡散板12であってもその他の構造物の一部であってもよい。
【0047】
このようなレイアウト(配列)によれば、光学ユニット30を水平面に平行な方向に薄型化できるので、照明用光源20から拡散板12への照明面積に対し、光学ユニット30により形成される影の割合を小さくすることが可能となる。このことにより、拡散板12上に形成される光学ユニット30の影の影響で照明装置としての見た目の品位が低下(すなわち、拡散板12上の影による照明装置として違和感)してしまうことを抑制することが可能となる。また、上記の筺体(シェード)11を拡散板で形成した場合にも、光学ユニット30の影が目立たず、照明装置としての見た目の品位の低下を抑制することが可能となる。
【0048】
図5(A)および(B)の例では、光学ユニット30が横置きレイアウトで配置されている。また、光学ユニット30を、照明用光源20用の基板21より上側に配置したものであり、例えば、基板21の上側の面に取り付けてもよく、筺体(シェード)11に取り付けてもよい。映像投射機能付き照明装置全体をさらに上下方向に薄くして、より薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となる。なお、当該変形例の場合、照明用光源20の下方の開口を覆うように取り付けられる拡散板12には、光学ユニット30からの映像光を透過するための開口部または透明な窓部が、上記のそれに比較して、より大きな寸法で形成されることとなる。また、基板21の一部、すなわち、光学ユニット30が配置される位置には、当該光学ユニット30からの投射光を透過するための開口部(または透過窓)26が形成される。
【0049】
かかる構成によれば、より薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となると共に、光学ユニット30は基板21の裏側に配置されていることから、照明用光源20からの照明光を遮蔽して影を形成することがない。これにより、照明装置としての見た目の品位の低下(すなわち、拡散板12上の影による照明装置として違和感)を防止することが可能となる。
【0050】
このとき、光学ユニット30の下面を基板21の上面と略一致させることにより、基板21の開口部(または透過窓)26の大きさを極力小さくすることができる。これにより、基板21上により効率的に複数の半導体発光素子(LED)22を配置することが可能となる。
【0051】
図6(A)および(B)は、ペンダント型の映像投射機能付き照明装置10の側面断面と下面図であり、この例では、光学ユニット30が縦置きレイアウトで配置されている。また、筺体(シェード)11の内部に取り付けた光学ユニット30が、照明光束の端部に位置するように配置されている。
【0052】
このレイアウト(配列)によれば、光学ユニット30が、照明光束の端部に位置するように配置したうえで、光学ユニット30内で投射光学系の光軸と表示素子中心の位置を水平方向に相対的にずらすことにより、プロジェクタの投射光学系の出口に対して投射映像の中心をより照明用光源20の照明光束の中心に近づくように投射する。
【0053】
さらに、
図6の配列によれば、通常、机上に配置して使用される、所謂、据置き型のプロジェクタをそのまま流用することも可能である。据置き型のプロジェクタは投射光学系の光軸と表示素子中心の位置を既にずらして設定されたものが多いからである。よって、
図6の映像投射機能付き照明装置は低コスト化に適した構造を有するものである。当該効果は、光学ユニット30が下向きの照明光束の端部に位置する他の構成例においても同様に生じる効果である。
【0054】
さらに、
図6(A)および(B)のレイアウトでは、照明用光源20用の基板21の両面に複数の半導体発光素子(LED)22を備えるように配置している。これにより、照明光を下方に加えて上方にも照射することが可能となっている。かかる構成によれば、映像投射機能付き照明装置10の上方にも照明光を照射することが可能となり、上側照射では天井などを照射可能なので間接照明としても機能する(天井側間接照明機能)。なお、この例では、筺体(シェード)11の下面の開口面の拡散板12(下方拡散板)に加えて、筺体(シェード)11の上面の開口面を覆うように拡散板12(上部拡散板)が取り付けられている。
【0055】
また、このような方向が異なる複数の照射方向を有する照明機能と、映像投射機能とを有する構成にすることにより、複数の照射光と投射映像との照射組み合わせモードの切り替えを実現することもできる。例えば、投射映像のみを下方向に照射するモード、下方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、上方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、上方へ照射光を照射するとともに下方向へ投射映像を投射するモード等を切り替える制御を行ってもよい。
【0056】
なお、
図6では、光学ユニット30の配置は下方への照明光の照明光束の端部となっているが、光学ユニット30の配置は下方への照明光の照明光束の中央部等に配置してもよい。
【0057】
図7(A)および(B)の例では、光学ユニット30が横置きレイアウトで配置されている。また、照明用光源20用の基板21の端部を垂直方向に延長して円筒状に形成すると共に、さらに、水平方向にも延長して鍔部を形成している。また、複数の半導体発光素子(LED)22を、上記基板21の上下の両面、円筒状部の外周面、そして、鍔部の下面に取り付けた構成としている。この例でも、光学ユニット30は、下方への照明光束の略中央部に位置するように配置されている。なお、光学ユニット30の配置は下方への照明光の照明光束の略中央部でなくともよい。下方への照明光の照明光束の端側すなわち円筒の側面近くに配置してもよい。
【0058】
また、筺体(シェード)11の下面の拡散板12(下方拡散板)に加えて、筺体(シェード)11上面および外周の一部(上部)を覆うように拡散板12(上部周囲方向拡散板)が取り付けられている。かかる構成によれば、上述した効果に加えて、映像投射機能付き照明装置10の上面や側方をも含めて、偏りなく、照明光を周囲に照射することが可能となり、また上側照射では天井などへ照射可能なので間接照明としても機能する(天井側間接照明機能+広い範囲の照明機能)。
【0059】
また、このような方向が異なる複数の照射方向を有する照明機能と、映像投射機能とを有する構成にすることにより、複数の照射光と投射映像との照射組み合わせモードの切り替えを実現することもできる。例えば、投射映像のみを下方向に照射するモード、下方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、側方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、下方と側方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、側方へ照射光を照射するとともに下方向へ投射映像を投射するモード、上方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、上方へ照射光を照射するとともに下方向へ投射映像を投射するモード等を切り替える制御を行ってもよい。
【0060】
<シーリング型の映像投射機能付き照明装置>
まず、
図8(A)および(B)は、シーリング型の映像投射機能付き照明装置10の側面断面と下面図である。この例では、光学ユニット30が横置きレイアウトで配置されている。また、本体である筺体11の内側の底面には、複数の半導体発光素子(LED)22を備えた照明用光源20の基板21を取り付けると共に、図の下側の開口面側にはこれを覆うように、拡散板12が取り付けられ、その内部には、光学ユニット30が、照明光束の略中央部に位置するように配置されている。
【0061】
このようなレイアウト(配列)によれば、映像投射機能付き照明装置として、その全体を上下方向に薄く構成して、すなわち、薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となる。
【0062】
映像投射機能のない一般的なシーリング型照明装置は天井面に薄く広く構成することが多い。よって、映像投射機能付き照明装置であっても、
図8(A)および(B)のように薄い構造を実現することにより、従来の一般的なシーリング型照明装置との置き換えが容易になり商品価値を高めることができる。
【0063】
さらに、
図9(A)および(B)に示すシーリング型の映像投射機能付き照明装置10の例では、光学ユニット30が横置きレイアウトで配置されている。また、照明用光源20用の基板21の端部を垂直方向に延長して円筒状に形成し、その底面に複数の半導体発光素子(LED)22を取り付けると共に、当該円筒状の基板21の外周表面にも複数の半導体発光素子(LED)22を取り付けるように構成した例である。これにより、照明光を下方に加えて側方にも照射することを可能としたものである。
【0064】
なお、この例では、光学ユニット30は、下方への照明光束の略中央部に位置するように配置されている。なお、光学ユニット30の配置は下方への照明光の照明光束の略中央部でなくともよい。下方への照明光の照明光束の端側すなわち円筒の側面近くに配置してもよい。また、筺体11の下面の開口面の拡散板12(下方拡散板)に加えて、筺体11の外周にも拡散板12(側方拡散板)が取り付けられている。かかる構成によれば、上述した光学ユニット横置きの効果に加えて、映像投射機能付き照明装置10の側方にも照明光を照射することができる(広い範囲の照明機能)。
【0065】
かかるレイアウト(配列)によれば、映像投射機能付き照明装置として、上下方向に薄くした薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となると共に、照明装置10の側方にも照明光を照射することができる(広い範囲の照明機能)。
【0066】
図9の例では、
図6または
図7と同様、方向が異なる複数の照射方向を有する照明機能を有するので、
図6または
図7で説明したように照明機能の複数の照射方向の照射光と映像投射機能の投射映像について複数のモードの切り替え制御を行ってもよい。
【0067】
<メッセージボード機能>
続いて、以上説明した本発明の映像投射機能付き照明装置において、投射型映像表示ユニット100(上記の
図3を参照)により机60の上面61へ情報を表示する(メッセージボード)機能の具体例について、その操作方法を含め、
図10から
図13を用いて以下に説明する。
【0068】
図10と
図11は、例えばリムーバブル記録媒体(着脱可能な記録媒体)を利用してメッセージボード機能により表示する情報を入力(編集)する操作手順と、そのための構成を示している。リムーバブル記録媒体の一例としては、SDメモリーカード(エスディーメモリーカード、SD Memory Card:登録商標)等がある。
【0069】
なお、ここで、そのための構成とは、上記
図3に詳細に示した照明装置300の構成要件のうち、必要なものを抽出しまたは追加して示したものであり、
図11にも明らかなように、リムーバブル記録媒体1701A、リムーバブル記録媒体1701Aを挿入するリムーバブル記録媒体スロット1701B、リムーバブル記録媒体制御部(リムーバブル記録媒体IF)1702、マイコン1703(
図3の制御部110に対応)、メモリ1704(
図3のメモリ109や不揮発性メモリ108に対応)、タイマー1705、人感センサー1706(
図3の人感センサー302に対応)、ジェスチャセンサー1707、照明部1708(
図3の照明ユニット200に対応)、LEDドライバ1709(
図3の発光素子ドライバA210、B220に対応)、LED照明1710(
図3の発光素子A1〜Bm211〜223に対応)、プロジェクタ部1711(
図3の投射型映像表示ユニット100に対応)、パネルドライバ1712(
図3の表示素子駆動部103に対応)、パネル1713(
図3の表示素子102に対応)、投射光学系1714(
図3の投射光学系101に対応)、照明光学系1715(
図3の照明光学系104に対応)、光源1716(
図3の光源105に対応)、光源駆動部1717(
図3の表示素子駆動部103に対応)を備えている。
【0070】
ここで、人感センサー1706は、例えば室内などの所定の場所において、人間が存在しない場合にはOFF(オフ)状態であり、そして、人間を感知するとON(オン)状態となり、その後、一定の期間を経過した後にOFF(オフ)状態に戻る機能を行う。
【0071】
図10において、操作者は、まず、例えば自己のパーソナルコンピュータ(PC)1720Aまたはスマートフォンやタブレット端末1720Bにより(PCまたはスマートフォンやタブレット端末側の操作)、メッセージとして表示すべきコンテンツを作成する(S161)。その後、作成したコンテンツを上記リムーバブル記録媒体1701A上にコピーする(S162)。
【0072】
続いて、操作者は、映像投射機能付き照明装置において(機器側の操作)、機器をON(オン)状態にする(S163)。例えば、上述したリモートコントローラー(リモコン)または専用のスイッチ(
図1や2の操作パネル70)により行う。その後、上記リムーバブル記録媒体1701Aを機器のリムーバブル記録媒体スロット1701Bに挿入する(S164)。さらに、後にも述べるが、メッセージモード(タイマー設定条件等)を設定する(S165)。そして、機器をOFF(オフ)状態にする(S166)。
【0073】
その後、上記人感センサー1706で人間の存在を感知すると、上記のメッセージが投射型映像表示ユニット100により出画される(S167)。なお、この状態では、上記ジェスチャセンサー1707を利用することにより、表示されたメッセージをめくる、もしくは、トグルで順次表示してもよい(S168)。そして、上記人感センサー1706で、人間が機器から離れたことを感知すると、一定期間の経過後に機器をOFF(オフ)状態にする(S169)。
【0074】
図12には、上述したメッセージの一例について示す。
図12(A)は、人感センサー1706と連動して動作し、ジェスチャセンサー1707を利用したユーザの手のジェスチャ操作の判別によるジェスチャ操作により変更可能な場合を示す。図において、上記人感センサー1706が人間の近接を感知すると、例えば「パパ お帰りなさい From ママ」のメッセージを出画する(
図12(A)の左端を参照)。その後、ジェスチャによる頁送りが行われると、次のメッセージ(本例では、●今日の出来事、●子供の写真、●子供からの託)が出画される(図の左端から2番目を参照)。
【0075】
さらに、ジェスチャによる頁送りが行われると、次のメッセージ(本例では、●明日の予定(予定表))が表示される(図の左端から3番目を参照)。そして、最後に、「おやすみなさい」のメッセージが出画される(図の右端)。また、
図12(B)は、上記メッセージの表示をトグルで順次表示した場合を示している。
【0076】
続いて、上述したメッセージのメッセージモード(タイマー設定条件等)について、
図13に一例を示す。すなわち、上述したパーソナルコンピュータ(PC)1720Aまたはスマートフォンやタブレット端末1720Bにより作成するメッセージ情報の中には、時間情報(年・月・日、時間)を挿入しておき、上記リムーバブル記録媒体1701Aを介して、当該時間情報をマイコン1703(
図11を参照)に入力し、タイマー1705をセットすることにより実現される。
【0077】
なお、この図において、「特定日」は、サプライズを演出するため、上記人感センサー1706と連動させてもよい。また、毎日決まった時間に出す情報としては、人感センサーと連動せず、常に、決まった時間に出画してもよく、或は、人感センサーと連動して人間が近づいたら出画するようにしてもよい。
【0078】
また、特定の人物にメッセージを送る場合には、当該受信者を特定するため、例えば、識別センサーとして、上述した操作検出センサー350のカメラ(上記
図3を参照)により顔を検出して人物の特定を行い、特定後に人感センサー1706と連動させて出画するようにしてもよい。
【0079】
また、照明装置300を投射型映像表示ユニット100と連動させ、例えば、明るい昼間では、メッセージの出画時には照明装置300をOFF(オフ)状態にし、他方、暗くなる夕方以降の時間帯では、メッセージの出画時にも照明装置300をON(オン)状態にすることも可能である。但し、出画した情報(文字、映像等)が見え難い場合は、照明装置300をOFF(オフ)としてもよい。このように、照明装置300のON(オン)またはOFF(オフ)は、時刻により設定することができるが、その他、例えば、輝度センサーを用いて、所定の明るさ以下になったときに照明装置300をON(オン)状態としてもよい。
【0080】
さらに、上述したジェスチャセンサー1707とし、上記
図3にも示した操作検出センサー350を利用することができる。すなわち、操作検出センサー350は、表示面61上の映像投射領域を含む範囲を撮影するカメラであり、赤外光成分などの非可視光をも検出することで、操作物による反射光を検知することができ、また、赤外光以外の一部の可視光成分(すなわち表示画面の投射映像)を赤外光成分とともに撮影することも可能である。そこで、当該操作検出センサー350から検出信号を入力することにより、映像投射領域付近でのユーザの手のジェスチャ操作の判別処理を実現することができる。
【0081】
次に、上述した本発明の映像投射機能付き照明装置における、投射型映像表示ユニット100のメッセージボード機能の他の例について、その操作方法を含め、
図14および
図15を用いて説明する。なお、これらの図においても、上記と同様の構成要件には同様の符号が付されており、そのため、説明の重複を避けることを目的として、それらの説明は省略する。
【0082】
本実施例では、図からも明らかなように、自己のパーソナルコンピュータ(PC)1720Aまたはスマートフォンやタブレット端末1720Bにより作成した、メッセージとして表示すべきコンテンツを、上述したリムーバブル記録媒体1701Aに代え、例えば、BluetoothやDLNA(Digital Living Network Alliance)等の無線(無線通信手段)を介して映像投射機能付き照明装置側に入力する。すなわち、
図15にも示すように、上記のSDリムーバブル記録媒体スロット1701Bに代えて、無線インタフェース2101が設けられている。なお、その他の構成は上記
図11と同様である。
【0083】
上述した構成において、本実施例では、
図14に示すように、操作者は、まず、PC側の操作として、自己のパーソナルコンピュータ(PC)1720Aまたはスマートフォンやタブレット端末1720Bによりコンテンツ(=メッセージ)を作成し(S161)、その後、機器側の操作として、上述したリモートコントローラー(リモコン)または専用のスイッチ(
図1や
図2の操作パネル70)により、機器をON(オン)状態にする(S201)。
【0084】
その後、再び、PC側の操作として、パーソナルコンピュータ(PC)1720Aまたはスマートフォンやタブレット端末1720Bと機器(=映像投射機能付き照明装置)との間の無線接続の設定を行い(S202)、さらに、上記作成したデータ(すなわち、コンテンツ=メッセージ)を機器側に転送する(S203)。その後、メッセージモードの設定(S165)から人感センサーによる一定期間後の機器のOFF(オフ)(S169)は上記と同様であり、ここでは、その詳細な説明は省略する。また、本実施例におけるメッセージの表示についても、上記
図12(A)と同様であり、ここではその説明を省略する。また、本実施例においても、上記
図12(B)に示すように、メッセージの表示をトグルで順次表示してもよい。
【0085】
上記の説明からも明らかなように、以上の実施例によれば、本発明の映像投射機能付き照明装置において、照明機能とメッセージボード機能とを組み合わせることにより、より効果的な利用形態を実現することが可能となる。また、ここでは図示しないが、上記の実施例において、コンテンツの作成に利用するパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォンやタブレット端末等のIDを識別することにより、表示すべきコンテンツ(=メッセージ)を変えることで、人に合わせたメッセージの表示を可能とすることも考えられる。または、IDの識別に代え、カメラを利用した顔認識を利用することによっても同様な効果を得ることができるであろう。
【0086】
<インタラクティブ機能>
次に、操作検出センサーによるインタラクティブ機能を用いることにより、照明装置300の投射型映像表示ユニット100と共に、照明ユニット200を、これらの制御を行うためのリモートコントローラーを介することなく制御する実施例について、以下に説明する。
【0087】
図16は、本実施例の全体構成を示しており、図からも明らかなように、本発明の映像投射機能付き照明装置では、所謂、ペンダント型の照明装置10の底面部の一部に、テーブルまたは机の上面(表示面または投射面)61に向かって操作検出センサー2201が取り付けられている。また、図中の符号70は、壁などに取り付けた操作パネル(壁面操作入力部)である。また、符号190は、ペンダント型の照明装置10を天井に取り付け、電源を供給するための端子(引掛けシーリングやライティングレール等)である。また、この図は、上記照明装置10の照明ユニット200がLED照明を行うと共に、投射型映像表示ユニット100が画面(特に、操作初期画面)を表示面61上に投射している状態を示している。
【0088】
なお、本実施例では、上記操作検出センサー2201は映像投射面である机の上面(表示面または投射面)61上でのユーザのジェスチャやタッチを検出するためのセンサーである。具体的な構成としては、TOF(Time of Flight)方式の操作検出センサーや、カメラ方式の操作検出センサーなどがある。TOF方式の操作検出センサーは、例えば、特開2009−258569号公報に開示されている技術を用いて構成すればよい。また、カメラ方式操作検出センサーは、例えば、特開2014−174833号公報に開示されている技術を用いて構成すればよい。
【0089】
本実施例では、操作検出センサー2201からの入力は、映像投射領域付近でのユーザの手によるタッチやジェスチャ操作の検出処理に用いられる。
【0090】
図17は、本実施例のインタラクティブ機能を実現するための構成を示している。なお、そのための構成とは、上記
図3に詳細に示した照明装置300の構成要件のうち、特に本実施例に必要なものを抽出しまたは追加して示したものであり、また、上記
図11とも共通することから、追加された構成要件についてのみ述べるに留める。すなわち、本実施例では、ユーザのタッチ操作やジェスチャ操作を検出するための操作検出センサー2201を構成している。また、当該操作検出センサー2201により検出されたタッチ操作がマイコン1703へ入力される。
【0091】
さらには、マイコン1703からの出力が入力される音声処理部2405、音声処理部からの音声信号を音に変換して出力するスピーカー2406を備えている。また、図からも明らかなように、本実施例では、マイコン1703からは、キーストーン調整信号がプロジェクタ部1711のパネルドライバ1712へ出力されると共に、色温度調整信号、ON/OFF、明るさ調整信号が照明部1708のLEDドライバ1709へ出力されている。
【0092】
さらに、ここで、上述した操作検出センサー2201がカメラ方式操作検出センサーである場合に、ユーザの手の指Fが表示面61上に接触したこと(すなわち、タッチ操作)を検出するための方式の一例(非可視光光源2灯式1カメラ方式センサー)について、その原理を、
図18および
図19を参照しながら説明する。
【0093】
なお、当該方式の動作の詳細は、特開2014−174833号公報に開示されている。まず、
図18にも示すように、図に実線で示すように、当該方式の操作検出センサー2201は、カメラ部2201Aと、複数の非可視光光源2202Bを有する。当該非可視光光源2202Bは、照明ユニット200の半導体発光素子(LED)22とは別の光源である。当該非可視光光源2202Bから下方に向かって赤外線などの非可視光が照射されており、所謂、多重光源による照明となっている。一方、照明装置10の底面部には、当該非可視光の波長域で撮像が可能な上記操作検出センサー2201のカメラ部2201Aが取り付けられ、図に破線で示すように、表示面61上の所望の範囲の映像を撮像している。また、図では、ユーザの手の指Fが表示面61上に接触(タッチ)していない場合(図の左側)と、表示面61上に接触(タッチ)している場合(図の右側)がそれぞれ示されている。
【0094】
一方、
図19(A)および(B)には、
図18に示したユーザの手の指Fのそれぞれの位置、すなわち、表示面61上に接触(タッチ)していない場合(図の左側)と、表示面61上に接触(タッチ)している場合(図の右側)とにおける、表示面61上に形成される当該指Fの影の状態(形状)を示している。すなわち、
図19(A)にも示すように、当該指Fが表示面61上に接触(タッチ)していない場合には、当該指Fの影の状態(形状)は、その先端部分が離れており、他方、表示面61上に接触(タッチ)している場合には、
図19(B)にも示すように、当該指Fの影は一緒になる(所定の距離内に近づく)。
【0095】
そこで、操作検出センサー2201では、
図19の複数の影の距離が所定の距離内に近づいたことを検出してユーザの手のジェスチャ操作、特に、指Fによるタッチ操作を検出することが可能となる。また、複数の非可視光光源2202Bは赤外線などの非可視光を使用するので、ユーザにとって照明ユニットの照明光や投射型映像表示ユニット100の投射映像への影響はなく構成することができる。
【0096】
さらに、上述したインタラクティブ機能において、投射型映像表示ユニット100から表示面61上に投射される画面に遷移の一例を、
図20(A)から(D)に示す。なお、
図20(A)は、上記インタラクティブ機能を実現するため、表示面61上に予め設定された領域(センシングエリア)を示しており、この例では、表示面61を4×6=24個の均等な方形のエリア(A(1,1)…A(4,6))に分割されている。
【0097】
図20(B)は、インタラクティブ機能における初期画面の一例を示す。この例では、上述した24個のエリアのうちの隣接する4個のエリアを利用して、それぞれの表示を行う例を示したり、例えば、選択可能な6個の表示、「メッセージ」、「LED/PJ制御」、「音楽」、「写真」、「動画」、「Web」を表示面61上に表示する。この状態において、上記インタラクティブ機能により、ユーザが選択した表示を確定することとなる。その結果、
図20(C)に示すように、確定した表示に対応する内容(コンテンツ)を表示する。
【0098】
なお、この例では、
図20(B)において、ユーザが「LED/PJ制御」を選択(タッチ)し、その結果、
図20(C)では、照明ユニット200の光源であるLEDを制御するための「照明制御」と、投射型映像表示ユニット100を制御するための「プロジェクタ制御」が表示面61の上部に表示される。その後、ユーザは、「照明制御」の下部に表示された「照明」に関連してその「ON」または「OFF」を、および/または、「明るさ」に関連して「1」、…、「5」のいずれか1つを選択することが可能となる。なお、「明るさ」の段階表示は数字でなくともよい。段階表示も5つではなく、2つ以上複数あればよい。
【0099】
他方、「プロジェクタ制御」に関しては、その点灯に関連する「ON/OFF」については、「ON」または「OFF」を、さらには、「Keystone」および/または「Color Adjust」を選択することが可能となる。これらの選択が完了すると、表示面61上の表示は、次の階層へと遷移する。なお、元の表示画面に戻りたい場合には、ユーザは「戻る」を選択(タッチ)すればよい。
【0100】
なお、以上に述べた操作において、特に、ユーザが、「プロジェクタ制御」において投射型映像表示ユニット100の点灯を「OFF」しようとする場合には、一度プロジェクタの投射をOFFすると操作のアイコンが消え投射面61上での一連の操作を終了することになるため、
図20(D)で示すように、上記の表示面61上で、再度、その確認を行うことが望ましい。なお、プロジェクタを再度起動させる場合には、リモコンもしくは壁スイッチ71(
図16)などにより行うことができる。他方、「照明制御」において照明ユニット200を「OFF」しようとする場合には、上記の確認を行うことなく「OFF」することが好ましいであろう。
【0101】
上述したインタラクティブ機能を備えた本発明になる映像投射機能付き照明装置によれば、照明装置300を構成する投射型映像表示ユニット100の制御と、当該照明装置300内で投射型映像表示ユニットと一体になっている照明ユニット200の制御との両者を、上述したリモコンまたは専用のスイッチ(
図1や
図2の操作パネル70)を介さずに、投射型映像表示ユニット100により表示面61上に投射された映像のタッチ検出により行うことが可能となり、ユーザによる操作性を著しく向上することができ、装置の操作性と共にその利便性を向上することを可能とする。
【0102】
或は、上記の
図16や
図18の操作検出センサー2201からなる操作検出手段に代えて、
図21に示すように、表示面61上に、操作検出センサー2701を配置してもよい。
図21では、操作検出センサー2701としてTOF(Time Of Flight)方式の操作検出センサー2701を配置する例を説明している。
【0103】
図25は、本実施例のTOFセンサーによるタッチ操作を実現するための回路構成を示している。本図のTOF方式の操作検出センサー2701は、赤外線TOF方式の2次元距離測定カメラであり、測定原理となるTOF(飛行時間計測)方式とは、前面の赤外Laser3000より時間変調して発光された赤外線が対象物体で反射して戻ってくるまでの時間を計測することで、物体までの距離を取得する。すなわち、TOF方式の操作検出センサー2701に内蔵されているLaser3000を2次元に走査し、反射光をフォトダイオード3001で検知し、測距IC3002にて光の飛行時間を計測する。検出されたTOF情報を無線送信部3004から無線送信し、照明装置300に配置された無線受信部3005でTOF情報を受信しタッチ検出部2304でタッチされたエリアを検出する。
【0104】
なお、本図では、TOF方式の操作検出センサー2701と照明装置300とが無線通信で接続される構成例を説明したが、有線接続で構成しても構わない。なお、この図においても、電源を供給するための端子(引掛けシーリングやライティングレール等)190に接続して天井へ取り付けられた上記照明装置10の照明ユニット200がLED照明を行うと共に、投射型映像表示ユニット100が画面(特に、操作初期画面)を表示面61上に投射している状態を示しており、さらには、当該TOF方式の操作検出センサー2701からの赤外レーザー光の照射範囲がLで、そして、指の位置がFで示されている。前記した無線によるTOF情報の受け渡しに関しては、TOF方式の操作検出センサー2701の出力が、図に破線で示すように、例えば、BluetoothやDLNA(Digital Living Network Alliance)等の無線を介して、上記映像投射機能付き照明装置300へ転送(無線接続)される。
【0105】
以上説明したように、TOF方式の操作検出センサー2701により、映像投射領域付近でのユーザの手のタッチ操作の判別処理を行うことができる。
【0106】
<振動センサーを用いた例>
続いて、本発明の映像投射機能付き照明装置において、さらに、振動センサーを利用した実施例について、以下に、
図22から
図24を参照しながら説明する。なお、ここでは、振動センサーとして、例えば、ピエゾ振動センサーや3軸加速度センサー等を採用した例について以下に説明する。
【0107】
図22は、本実施例の振動センサーを備えた照明装置を実現するための構成を示している。なお、そのための構成とは、上記
図3に詳細に示した照明装置300の構成要件のうち、特に本実施例に必要なものを抽出しまたは追加して示したものであり、また、上記
図11とも共通することから、追加された構成要件についてのみ述べるに留める。すなわち、本実施例では、人感センサーやジェスチャセンサーに代えて、振動センサー2801が設けられている。
図22では省略しているが、人感センサーやジェスチャセンサーは、振動センサーとあわせて映像投射機能付き照明装置の構成要素としてもよい。なお、ここでその他の構成については、重複を避けるため、それらの説明は省略する。
【0108】
図23は、振動センサーを備えた映像投射機能付き照明装置10の外観を示しており、この例では、上述した振動センサー2801は、ペンダント型の照明装置10の内部に取り付けられている。なお、この例では、振動センサー2801として、特に、3軸加速度センサーを採用した例を示しており、図の上方には、3軸(x軸、y軸、z軸)の方向が示されている。なお、かかるペンダント型の照明装置10では、その構造上、3軸加速度センサーが振動を検知した場合は、主に、x軸方向、および/または、y軸方向の揺れであり、z軸方向の揺れはほぼ発生しない。
【0109】
そこで、本実施例では、
図24の波形図にも示すように、上述した3軸加速度センサーから出力される3軸方向の出力信号のうち、x軸方向の信号「ax」とy軸方向の信号「ay」との2つの信号を利用することにより、振動を検出する。すなわち、これらの信号「ax」と「ay」のいずれか一方が所定の閾値(図の破線)を超えることにより、振動の発生を検出し、その後、これらの信号「ax」と「ay」の双方が閾値以下に減衰したことにより、振動の停止を検出する。そして、図の上方にも示すように、振動の発生により照明装置10のプロジェクタ部1711(
図22を参照)の光源1716をOFF状態とし、その後、振動の停止により当該光源をON状態とする。
【0110】
すなわち、上述した振動センサーを備えた映像投射機能付き照明装置によれば、以下のような効果を奏する。従来、例えば、地震等の振動の発生時において、当該照明装置の映像投射機能を使用していた場合、当該照明装置10の振動により、そのプロジェクタ部1711(
図22を参照)によりテーブルや机などに投射されている映像もその表示面上で揺れることから、映像が見難くなりユーザの不安感を増大させる等の問題が指摘されている。これに対して、本実施例になる振動センサーを備えた映像投射機能付き照明装置によれば、振動発生時における映像の揺れを防止(停止)することにより、上述した問題点を解消することが可能となる。また、使用者が間違って照明装置にぶつかったりした場合の画面の揺れを防止でき、より快適に使用することができる。
【0111】
以上、本発明の種々の実施例になる映像投射機能付き照明装置について述べた。しかしながら、本発明は、上述した実施例のみに限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するためにシステム全体を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。