特許第6665285号(P6665285)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6665285チェーンの状態を点検する装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6665285
(24)【登録日】2020年2月21日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】チェーンの状態を点検する装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/14 20060101AFI20200302BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20200302BHJP
   G01B 11/06 20060101ALI20200302BHJP
【FI】
   G01B11/14 H
   G01B11/02 H
   G01B11/06 101H
【請求項の数】21
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-520656(P2018-520656)
(86)(22)【出願日】2016年7月5日
(65)【公表番号】特表2018-523832(P2018-523832A)
(43)【公表日】2018年8月23日
(86)【国際出願番号】FI2016050502
(87)【国際公開番号】WO2017005986
(87)【国際公開日】20170112
【審査請求日】2018年3月1日
(31)【優先権主張番号】20155535
(32)【優先日】2015年7月6日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】518004082
【氏名又は名称】コネクレーンズ グローバル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】フーバー ジャック
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン ラッセ
(72)【発明者】
【氏名】プースティネン テーム
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルッポ リスト
(72)【発明者】
【氏名】ランタラ キッモ
(72)【発明者】
【氏名】ケロヴオリ ユハニ
(72)【発明者】
【氏名】ヘヒト シュテファン
【審査官】 川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 仏国特許出願公開第02703769(FR,A1)
【文献】 特開2006−317359(JP,A)
【文献】 特開昭62−145105(JP,A)
【文献】 特許第3066412(JP,B2)
【文献】 特開平09−304037(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0244354(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーンの状態を点検する装置であって、
1つのカメラと、
複数の連続して並んだチェーンリンクのループが該ループによって形成された穴を通るよう前記複数の連続して並んだチェーンリンクの前記ループによって相互に連結された前記複数の連続して並んだチェーンリンクを有するチェーンを前記カメラの前に位置決めして前記連続して並んだチェーンリンクの穴が前記カメラに見えるようにする案内手段と、を有し、
前記案内手段は、前記カメラの前に位置決めされた前記チェーンの走行経路に沿って互いに距離を置いたところに配置された2対の案内ブロックを含み、前記案内ブロックは、各々、前記チェーンのプロフィールに合うようになったコーナーを形成する、前記走行経路に沿って延びる2つの側面を有するプロフィールを有し、前記案内ブロックは、対をなす案内ブロックの前記コーナーが、前記チェーンの両側で互いに向かい合っており、連続して並んだチェーンリンクは、各案内ブロックの互いに異なる前記側面との係合が行われる、チェーンの状態を点検する装置。
【請求項2】
前記案内手段は、前記チェーンを前記案内ブロック相互間に位置決めすることができる案内ブロックを含み、前記案内ブロックのうちの少なくとも1つは、前記案内ブロックを対向した前記案内ブロックから可変距離のところまで動かすことができるようサスペンションを有する、請求項1記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項3】
前記案内手段は、前記チェーンを前記案内ブロック相互間に位置決めすることができる案内ブロックを含み、前記案内ブロックには、前記チェーンの走行経路に垂直な端面を面取りすることにより傾斜形成され、この傾斜は、前記案内ブロック相互間の距離が、前記端面側で大きく、前記チェーンの走行経路に沿って前記端面側から遠ざかるにつれて小さくなるように傾斜している、請求項1または2記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項4】
前記カメラのフレームレートは、前記チェーンの前記連続して並んだチェーンリンクから互いにオーバーラップした画像を撮影するために前記カメラの前で走行する前記チェーンの速度に適合している、請求項1記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項5】
前記チェーンリンクを計数するカウンタおよびカメラを有し、前記カメラは、前記カメラが前記カウンタのアップデート時に前記チェーンリンクから互いにオーバーラップした画像を撮影するように前記カウンタに作動的に連結されている、請求項1記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項6】
前記カウンタは、例えばレーザ光の光ビームを放出することができる光学装置であり、前記光学装置は、光ビームを放出することができる光源および前記光源からの前記光ビームを受け取ることができる受光器を有し、前記光ビームの切断により、前記カメラが前記チェーンリンクから互いにオーバーラップした画像を撮影するよう前記カメラが制御される、請求項5記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項7】
前記カウンタは、1つまたは2つ以上のフォトセル、超音波装置または磁気スイッチによって形成されている、請求項5記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項8】
前記チェーンのチェーンリンクを計数するカウンタおよびディスプレイを有し、前記ディスプレイは、前記チェーンリンクが前記案内手段によって案内された状態で走行している間、前記ディスプレイが前記カウンタの値を表示するよう前記カウンタに作動的に連結されている、請求項1〜7のうちいずれか一に記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項9】
前記カメラによって前記チェーンから撮影された画像を受け取るよう前記カメラに作動的に連結されかつ前記受け取った画像に基づき、各チェーンリンクについて隙間、リンク長さおよび厚さのうちの少なくとも1つを含む1つまたは2つ以上の特性を求めるようになったコントローラを有する、請求項1〜8のうちいずれか一に記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項10】
前記チェーンの状態を点検する装置は、
前記チェーンのチェーンリンクを計数するカウンタと、
ディスプレイとを更に有し、前記ディスプレイは、前記ディスプレイが前記チェーンリンクに関するカウンタ値および前記チェーンリンクの求めた特性を表示するよう前記カウンタに作動的に連結されている、請求項1〜9のうちいずれか一に記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項11】
前記カメラと反対側の前記チェーンの側部に設けられかつ前記カメラの焦点を超えた距離のところに配置されているバックプレートを有する、請求項1〜10のうちいずれか一に記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項12】
前記カメラの隣りに位置しかつ前記チェーンに差し向けられた光源および前記バックプレートを照明するよう配置された少なくとも1つの光源を有する、請求項11記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項13】
前記装置は、前記カメラの前にかつ前記カメラの前で前記チェーンに対して位置決めされた基準要素を有し、前記基準要素の少なくとも1つの基準エッジは、隙間、リンク長さおよび厚さのうちの少なくとも1つを含む前記チェーンリンクの1つまたは2つ以上の特性を測定するために前記チェーンに位置合わせされるようになっている、請求項1〜12のうちいずれか一に記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項14】
前記チェーンリンクの前記特性は、連続して並んだチェーンリンクの互いにオーバーラップした画像に基づいて求められる、請求項13記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項15】
前記装置は、ポータブルケースとして形成されている、請求項1〜14のうちいずれか一に記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項16】
前記装置は、三脚用の取り付け箇所を有する、請求項1〜15のうちいずれか一に記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項17】
ユーザインターフェースを有し、前記ユーザインターフェースは、視覚的情報を表示する要素を有し、前記要素のうちの少なくとも1つは、前記チェーンの複数のチェーンリンクを表示するチェーン部分であり、前記チェーン部分上に表示された前記チェーンリンクは、選択可能であり、前記ユーザインターフェースの前記要素のうちの少なくとも1つは、前記チェーン部分で選択された前記チェーンリンクの1つまたは2つ以上の特性の値または画像を表示する測定結果部分である、請求項1〜16のうちいずれか一に記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項18】
前記ユーザインターフェースは、ズーム画像領域を更に有し、前記測定結果部分に表示された前記特性は、前記チェーンリンクの特性が前記測定結果部分で選択されたとき、前記ズーム画像領域が前記チェーンリンクの拡大・縮小画像を表示するよう選択可能である、請求項17記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項19】
前記ユーザインターフェースは、選択されると、前記チェーン部分が1つまたは2つ以上の所望の特性に合致しない条件を有する少なくとも1つのチェーンリンクを表示するようにする1つまたは2つ以上の制御要素を有する、請求項17記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項20】
前記チェーンリンクの状態が1つまたは2つ以上の所望の特性に合致しまたはチェーンの1つまたは2つ以上の所望の特性に合致していないことを指示する少なくとも1つの音が出される、請求項9〜19のうちいずれか一に記載のチェーンの状態を点検する装置。
【請求項21】
請求項1〜20のうちいずれか一に記載の装置によって巻き上げ装置に可動的に連結されたチェーンの状態を点検する方法であって、前記チェーンを案内手段によって前記カメラの前に位置決めし、前記チェーンを前記巻き上げ装置によって前記カメラ越しに駆動する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーンの状態の点検に関する。
【背景技術】
【0002】
チェーンは、多くの産業分野で用いられている。巻き上げ装置では、チェーンが荷を引き上げるために巻き上げ装置を荷に取り付けるよう用いられている。巻き上げ装置は、例えばクレーンに用いられている。
【0003】
チェーンの状態は、チェーンの破断に起因した工業的生産プロセスの中断を回避するために点検されるべきである。チェーンの典型的な状態点検では、保守技術員が手作業でチェーンを目視点検する。目視点検に加えて、チェーン状態は、11個または12個以上の連続して並んだチェーンリンクの長さを測定するための専用工具を用いることによって評価できる。これら測定されたチェーンリンクの全長が設定された限度を超えた場合、チェーンは、交換されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、典型的な点検は、11個または12個以上のチェーンリンクの長さの測定値に基づいているので、個々のチェーンリンクは、突き止められることなく危険レベルの摩耗を生じる場合がある。専用工具によるマニュアル点検では不正確さや高いミスの可能性が生じる。マニュアル点検に関するこれらの問題が起こる可能性は、点検を行う保守技術員がチェーンの取り付けられる機械の利用分野に精通しておらず、しかもチェーンを点検した経験がほとんどない場合、特段に高い。チェーンを点検するマニュアル方式に起因して、熟練技術員であっても、特定のチェーンの状態について異なる見解を述べる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、上述の欠点のうちの少なくとも一部を軽減するようチェーンの状態を点検する装置および方法を提供することにある。本発明の目的は、独立形式の請求項に記載された内容によって特徴付けられる方法および装置によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属形式の請求項に記載されている。
【0006】
1つまたは2つ以上の具体化例が添付の図面および以下の説明に詳細に記載されている。他の特徴は、明細書本文および図面ならびに特許請求の範囲の記載から明らかであろう。
【0007】
幾つかの実施形態により、チェーンの状態を点検する迅速かつ確実なやり方を提供することができる。
【0008】
以下において、添付の図面を参照して好ましい実施形態によって本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1a】実施形態による装置を示す図である。
図1b】実施形態による装置を示す図である。
図1c図1bの基準要素の正面図である。
図2】実施形態のためのチェーンの一例を示す図である。
図3】実施形態による装置のブロック図である。
図4a】実施形態による装置の平面図である。
図4b図4aの装置の正面図である。
図5】実施形態による巻き上げ装置に可動状態で連結されたチェーンの状態の点検の仕方を示す図である。
図6】実施形態によるチェーンの状態を点検する移動式装置を示す図(a,b,c)である。
図7】実施形態による装置のユーザインターフェースを示す図である。
図8】実施形態による案内手段の実施例を示す図である。
図9】実施形態による案内手段の実施例を示す図である。
図10】実施形態による装置の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において説明する種々の実施形態は、多くの産業分野においてチェーンの状態を点検するために利用できる。荷取り扱い装置、例えば荷を引き上げるクレーンにおいてチェーンが用いられている。さらに、クレーンの状態をクレーンを製造する際に点検することができる。
【0011】
図1aおよび図1bは、実施形態による装置を示す図である。かかる装置は、カメラ102a,102bおよびチェーン106をカメラの前に位置決めして連続して並んだチェーンリンクの穴がカメラに見えるようにする案内手段104a,104bを有する。カメラは、撮像領域108a,108bを有するのが良い。撮像領域は、図1aおよび図1bでは破線で示されている。チェーンがカメラの前にかつカメラの結像または撮像領域(imaging area)内に位置しているとき、カメラは、チェーンの画像を生成することができる。撮像領域は、チェーンの長さ方向“Length(長さ)”に見たカメラのレンジおよびカメラとチェーンとの間の距離によって定められる場合がある。図1aおよび図1bでは、装置は、側面図として示されており、チェーンは、垂直方向に伸長されている。カメラとチェーンとの間の距離は、深さ方向“Depth (深さ)”と呼ばれる場合がある。破線によって画定された撮像領域の外側に位置するチェーンは、カメラによって生成される画像中に見えない場合がある。同様に、チェーンが深さ方向で見てカメラのレンジから外れている場合、チェーンは、カメラによって生成される画像中に見えない場合があり、またはチェーンの画像は、損なわれる場合がある。一実施例では、カメラは、深さ方向における特定の距離のところに焦点を有するのが良い。チェーンが焦点に位置決めされていない場合、チェーンから生成される画像は、損なわれる場合がある。
【0012】
実施形態によるチェーンの状態点検の際、チェーン106をカメラ102a,102bの前に動かし、そして「長さ」方向に案内手段越しに動かすのが良い。カメラは、チェーンのチェーンリンクの画像を生成することができ、その結果、個々のチェーンリンクの1つまたは2つ以上の特性をこれら画像から測定することができるようになっている。
【0013】
図1aに示されている装置との構成上の差として、図1bの装置は、基準要素110を示している。図1cは、図1bの基準要素の正面図である。基準要素の正面図は、例えば、深さ方向においてチェーンに向かってカメラから見た基準要素であるのが良い。基準要素により、この装置が特性の絶対値を用いてチェーンリンクの特性を測定するのに特に適していることが分かる。基準要素は、プレートであるのがよい。基準要素は、カメラの撮像領域内に配置され、それにより、基準要素およびチェーンリンクは、カメラにより生成される画像中に見える。したがって、基準要素は、カメラの前にかつカメラの前でチェーンに対して位置決めされるのが良く、その結果、基準要素の1つまたは2つ以上の基準エッジ112,114,116,118,120は、隙間、リンク長さおよび厚さのうちの少なくとも1つを含むチェーンリンクの1つまたは2つ以上の特性を測定するためにチェーンに位置合わせされるようになる。
【0014】
基準エッジの長さは、チェーンの所望の特性によって定められた長さを有するのが良い。チェーンの所望の特性は、個々のチェーンリンク、連続して並んだチェーンリンクおよび/またはチェーン全体の特性を含むのが良い。チェーンの単一のチェーンリンクの特性の例としては、隙間、リンク長さおよび厚さが挙げられる。特性のうちの1つまたは2つ以上を単一のチェーンリンクについて測定するのが良い。連続して並んだチェーンリンクの特性を得るには、直列に連結された2個以上のチェーンリンクの特性を測定するのが良い。チェーン全体の特性を得るには、直列に連結されてチェーンを形成するチェーンリンク全体の特性を測定するのが良い。チェーンリンクの所望の特性は、規格によって定められるのが良い。規格は、工業規格または顧客特有の規格であるのが良い。
【0015】
所望の特性によって定められた長さを有する基準要素の1つまたは2つ以上の基準エッジにより、基準エッジは、チェーンの画像がカメラを用いて生成されると、チェーンの状態を点検するための尺度としての役目を果たすことができるということが分かる。
【0016】
好ましくは、基準要素は、チェーンに対して位置決めされるのが良く、その結果、基準要素は、チェーンと同じカメラからの距離のところに位置するようになる。このように、基準要素の基準エッジおよびチェーンは、カメラによって生成される画像に実質的に同一の尺度を有する。一実施例では、基準要素は、チェーンの中心点と同一のカメラからの距離のところに位置決めされるのが良い。チェーンの中心点は、チェーンが伸長されたときにチェーンの垂直軸線上に配置されるのが良い。一実施例では、エッジの各々は、長さが1cmであるのが良い。基準エッジの長さは、カメラによって生成される画像中の画素として定められるのが良い。
【0017】
図2は、実施形態のためのチェーン200の一例を示している。チェーンは、複数の連続して並んだチェーンリンク202,204,206を有するのが良い。各チェーンリンクは、ループの状態に形成された細長い材料片によって形成されるのが良い。連続して並んだチェーンリンクは、連続して並んだチェーンリンクのループによって相互連結されるのが良く、それにより、連続して並んだチェーンリンクのループは、ループによって形成される穴を通って進む。したがって、ループの穴は、少なくとも部分的に互いにオーバーラップ状態にあるのが良い。
【0018】
使用中、チェーンは、その全長まで伸長されるのが良い。真新しい状態、例えば新品チェーンでは、チェーンの長さは、チェーンの指定された公称長さに実質的に一致するのが良い。しかしながら、チェーンの長さは、チェーンの状態に応じて変化する場合がある。したがって、巻き上げ装置によって荷を引き上げるために用いられたチェーンは、チェーンの公称長さよりも実質的に長い長さを有する場合がある。
【0019】
チェーンの状態は、隙間、リンク長さおよび厚さのうちの少なくとも1つを含むのが良い特性によって計測できる。チェーンのチェーンリンクが摩耗すると、チェーンリンクを形成している材料の厚さは、新品チェーンの場合よりも小さくなる場合がありかつ/あるいはチェーンリンクの長さは、新品チェーンの長さよりも大きい場合がある。チェーンリンクの隙間およびチェーン長さは、チェーンリンクの長さが増大したかどうかを判定するために単一のチェーンリンクについて測定されるのが良い。チェーンリンクの厚さは、チェーンリンクの材料の厚さが増大したかどうかを判定するために測定できる。
【0020】
チェーンリンクの厚さの減少は、その使用中、例えばチェーンが重い荷を持ち上げるために用いられた場合、チェーンリンクの受ける応力によって引き起こされる場合がある。チェーンリンクは部分的に、チェーンリンクの使用中、他のチェーンリンクと接触状態になる場合があり、それにより、接触部分がチェーンリンクの互いに対する運動によって摩耗する場合がある。チェーンが汚れた環境内で用いられる場合があるので、汚れがチェーンリンクに堆積する場合があり、それによりチェーンリンクの接触部分の摩耗の増大が生じる場合がある。チェーンの受ける応力の大きさは、チェーンリンクがチェーンの使用中に他のチェーンリンクに接触する部分のところでチェーンリンクの摩耗を更に増大させる場合がある。
【0021】
チェーン全体の特性は、直列に連結されてチェーンを形成するチェーンリンク全ての特性を測定することによって得ることができる。チェーンの所望の特性は、規格によって定められている場合がある。規格により、チェーンの状態がこれら特定の値に合致してチェーンが例えば荷を巻き上げるために使用するのが安全であることが定められている場合がある。規格は、工業規格または顧客特有の規格であるのが良い。
【0022】
特性の例が図2に示されており、以下が挙げられる。
L‐チェーン長さ。これは、チェーンリンクの全長である。
K‐連続して並んだチェーンリンクの連結厚さ
D‐長手方向厚さ
S‐隙間
T‐チェーンリンクの穴長さ
【0023】
チェーンリンクのリンク長さをチェーンリンク長さ“L”および/またはチェーンリンクのループの穴の長さ“T”という場合がある。チェーンリンク長さ“L”は、チェーンリンクの全長であるのが良く、穴の長さ“T”は、単一のチェーンリンクのループ状材料により形成される穴の長さであるのが良い。チェーンリンクが摩耗すると、チェーンリンク長さおよび穴の長さは、新品チェーンの場合よりも大きくなる場合がある。チェーンリンク長さと穴の長さの差は、チェーンが使用されているときに別のチェーンリンクと接触状態にあるチェーンリンクの部分の摩耗を指示する。
【0024】
隙間“S”は、計測されたチェーンリンクおよびこのチェーンリンクに連結されている連続して並んだチェーンリンクのループ状材料により形成される穴の長さを意味する場合がある。穴の長さは、連続して並んだチェーンリンクと連結状態にあるチェーンリンクの部分相互間で測定されるのが良い。したがって、隙間“S”は、連続して並んだチェーンリンクのループおよび測定されたチェーンリンクのループの厚さを含む。
【0025】
単一のチェーンリンクの厚さは、ループの長手方向厚さ“D”および/またはチェーンリンクの相互連結厚さ“K”によって厚さについて測定されるのが良い。チェーンリンク相互連結厚さ“K”は、単一のチェーンリンクのループの厚さおよびこのチェーンリンクに連結されている連続して並んだチェーンリンクのループの厚さを含むのが良い。
【0026】
理解されるべきこととして、上述の特性の一部だけが例えばチェーンの形式に応じてチェーンリンクについての測定の必要がある場合がある。チェーンの形式は、例えばループの形態によって定められるのが良い。
【0027】
図3は、実施形態による装置のブロック図である。チェーンは、連続して並んだチェーンリンクの穴がカメラに見えるようにカメラ306の前に位置決めされるのが良い。このように、画像がチェーンから撮影されるのが良く、そして他のチェーンリンクと接触状態にあるチェーンリンクの部分がカメラに見える。チェーンは、図1aおよび図1bの実施例に従って位置決めされるのが良い。ブロックは、別々の要素として具体化されても良くあるいはブロックは単一の要素の状態に組み合わされても良い。装置は、ディスプレイ302、カメラ306およびコントローラ(CNTL)304、例えばプロセッサに連結されるのが良いカウンタ308を有するのが良い。プロセッサは、ディスプレイ、カメラおよび/またはカウンタを制御してカメラがチェーンの連続して並んだチェーンリンクの個々のチェーンリンクから画像を撮影するようにするよう構成されているのが良い。カメラによって撮影された画像は、個々の画像としてまたは一連の互いにオーバーラップした画像としてディスプレイ上に表示されるのが良い。装置のブロック相互間の接続は、実施形態に従って機能を実行するためのブロック相互間における信号、画像、ユーザインターフェースデータ、チェーンリンク個数、データおよび/または指令を含む情報の伝達をもたらすことができる。適当な接続としては、例えばコンピュータバスのための電気接続部やビデオインターフェース、例えばハイデフィニションマルチメディアインターフェース(High-definition Multimedia Interface:HDMI(登録商標))およびビデオグラフィックアレイ(VGA)インターフェースを含む。
【0028】
本装置は、チェーンの個々のチェーンリンクの1つまたは2つ以上の特性を求めることによってチェーンの状態を点検することができる。先の図2を参照して特性の例について説明する。特性は、チェーンからカメラ306によって撮影された画像に基づいて求められるのが良い。画像は、チェーンを表す一連の画像を形成することができる。一連の画像は、カメラによって撮影された互いにオーバーラップした画像を組み合わせることによって形成されるのが良い。各チェーンリンクの特性は、画像から特性されるのが良い。画像処理アルゴリズムを用いると、画像を処理してこれら画像から特性を引き出すことができる。個々のチェーンリンクの各々の状態を判定するために画像から得られた特性をチェーンリンクの所望の特性と比較するのが良い。所望の特性に合致した場合、チェーンリンクは、良好な状態であると判定できる。所望の特性に合致しない場合、チェーンリンクは、不良状態であると判定される場合があり、これを交換する必要がある。特性は、各々がチェーンリンクの異なる状態に対応するのが良い2つ以上の値を有するのが良い。
【0029】
次に、図3の構成要素を参照して別の実施形態について説明する。一実施形態による装置では、チェーンは、連続して並んだチェーンリンクの穴がカメラに見えるようカメラ306の前に位置決めされるのが良い。この装置は、チェーンのチェーンリンクを計数するカウンタ308を有するのが良い。カメラは、カメラがカウンタのアップデート時にチェーンリンクから互いにオーバーラップした画像を撮影するようにするようカウンタに作動的に連結されるのが良い。このように、カメラは、画像がカメラの前を通り過ぎているチェーンの個々のチェーンリンクからカメラによって撮影できるよう正確に調時されるのが良い。したがって、カウンタのアップデート時、少なくとも1つのチェーンリンク全体および別のチェーンリンクの一部分は、チェーンリンクから互いにオーバーラップした画像を得るためにカメラの撮像領域に位置するのが良い。互いにオーバーラップした画像により、各チェーンリンクがカメラによって撮影された2つ以上の画像中に存在し、その結果、単一のチェーンリンクを点検することがないという恐れを回避することができるようになることが分かる。
【0030】
一実施形態では、この装置は、チェーンのチェーンリンクを計数するカウンタ308としての役目を果たすことができる光学装置を有する。光学装置は、レーザ光の光ビームを放出することができるのが良く、光ビームの切断により、カメラがチェーンリンクから互いにオーバーラップした画像を撮影するようカメラが制御される。画像は、例えば互いにオーバーラップしていない画像であっても良く互いにオーバーラップした画像であっても良い。光学装置は、カメラの前に位置決めされたチェーンの走行経路上に光ビームを生じさせることができ、その結果、チェーンリンクが光学装置の前を通過することにより光ビームが切断されるようになる。光ビームの切断を利用すると、カメラを制御してカメラがチェーンリンクから画像を撮影することができる。このように、光ビームの切断は、カウンタとして効果的に利用できる。光学装置は、光ビームを放出することができる光源からの光ビームを受け取ることができる受光器を有するのが良い。一実施例では、光源と受光器は、チェーンの互いに反対側に配置されている。しかしながら、光源および受光器は、チェーンの同一の側に配置されても良く、ただし、光学装置がチェーンの反対側に位置する反射器を有し、その結果、光源からの光を反射器から反射させて受光器に至らせることをできることを条件とする。
【0031】
理解されるべきこととして、他の装置もまた、カウンタとしての役目を果たすことができ、それによりカウンタを1つまたは2つ以上のかかる装置によって形成することができる。かかる装置の例は、チェーンを検出することができる装置を含む。これら装置は、フォトセル、超音波装置および磁気スイッチを含むのが良い。
【0032】
一実施形態では、コントローラ(CNTL)304がカメラ306およびカウンタ(CNTR)308に作動的に連結されるのが良く、それにより、カメラは、カウンタのアップデート時にチェーンリンクから互いにオーバーラップした画像を撮影する。CNTRのアップデートは、CNTRから受け取った新品チェーンリンクを指示する情報に基づいて決定されるのが良い。したがって、CNTLは、カメラの前に位置する新品チェーンリンクを指示する情報をCNTRから受け取ることができる。CNTLがカメラの前に位置する新品チェーンリンクを指示する情報を受け取った後、CNTLは、新品チェーンリンクの画像を撮影するようカメラを制御することができる。新品リンクを指示するこの情報は、チェーンリンクの個数を指示する値を含むのが良く、それにより、チェーンリンクの個数をCNTR中に維持することができる。他方、新品チェーンリンクを指示する情報は、CNTRの変化を指示する信号であっても良い。かかる信号は、単一のビット“1”または“0”しか含まないビット値であっても良く、それにより、ビットの変化は、新品チェーンリンクを指示する。
【0033】
理解されるべきこととして、一実施形態では、CNTRは、カメラがチェーンリンクから互いにオーバーラップした画像を撮影するためにチェーンの速度に対して十分なフレームレートを有することを条件として、省略可能である。カメラのフレームレートは、チェーンから画像を撮影する速度を定め、それにより、フレームレートとチェーンの速度を互いに適合させることによってオーバーラップした画像をチェーンから撮影できる。
【0034】
他方、チェーンリンクから互いにオーバーラップした画像を撮影するため、カメラは、撮像領域を有するのが良く、この撮像領域は、これが2つ以上の連続して並んだチェーンリンクを含むよう設定されるのが良い。この設定は、例えばカメラをチェーンから適当な距離を置いたところに位置決めすることによって達成できる。その結果、CNTRがアップデートされるたびにカメラによって撮影された画像は、先の画像中のチェーンリンクの少なくとも一部分を含む。このように、カメラは、CNTRのアップデート時にチェーンリンクから互いにオーバーラップした画像を撮影することができる。
【0035】
一実施形態では、コントローラ(CNTL)304は、チェーンからカメラによって撮影された画像を受け取るようカメラ306に作動的に連結されるのが良い。CNTLは、受け取った画像に基づいて、各チェーンリンクについて、隙間、リンク長さおよび厚さのうちの少なくとも1つを含む1つまたは2つ以上の特性を求めるようになっているのが良い。この装置は、チェーンのチェーンリンクを計数するカウンタ(CNTR)およびカウンタに作動的に連結されたディスプレイ302を有するのが良く、このディスプレイは、チェーンリンクに関する計数値およびチェーンリンクの求めた特性を表示するようになっている。
【0036】
チェーンリンクの特性が図2に示されている。かかる特性は、カメラ306によって撮影された画像中の特性の測定値によって求められるのが良い。特性は、絶対値として測定されても良く相対値として測定されても良い。絶対値は、この装置が例えば図1bに示されているようにカメラの撮像領域内に基準要素を有する場合に測定されるのが良い。相対値は、個々のチェーンリンクの画像を互いに比較することによって測定されるのが良い。
【0037】
CNTLは、カウンタのアップデータに基づいてカウンタ値を求めることができる。CNTRのアップデートは、上述した実施形態を参照して説明したように実施されるのが良い。したがって、CNTLは、CNTRからチェーンリンクの個数を受け取るのが良い。他方、CNTLは、CNTRの変化を指示する信号を受け取るのが良い。CNTLは、チェーンリンクの現在の個数を維持するのが良く、そしてCNTLによって維持されたチェーンリンクの現在の個数をアップデートするのが良い。次に、CNTLは、チェーンリンクの個数および求めた特性を含む信号を生じさせてこれをディスプレイに送るのが良い。このように、カメラの前に位置する現在のチェーンリンクの個数および特性は、チェーンを点検する係員に表示されるのが良い。カメラの前のチェーンの運動により、新たなチェーンリンクがカメラに見えるようになり、CNTRのアップデートをもたらすのが良い。その結果、チェーンリンクの個数は、ディスプレイ上に示されるのが良い。チェーンリンクの個数は、ディスプレイ上でアップデートされるのが良く、カメラの前のチェーンの進捗状況をディスプレイ上で辿るのが良い。理解されるべきこととして、特性は、必ずしも、カウンタ値と同時に表示される必要はない場合がある。カウンタ値は、画像がカメラによって撮影されると実質的に同時に表示されるのが良い。それにより、チェーンを画像処理からの遅延なしで装置中を駆動するのが良い。画像全てが撮影された後に画像を分析しても良くまたは画像がチェーンから撮影されている間に画像の分析を開始しても良い。分析は、後で完了しても良く、その後、特性を表示しても良い。図7は、かかる特性を含む表示された情報の一例を示している。
【0038】
図4aは、実施形態による装置の平面図、図4bは、図4aの装置の正面図である。この装置は、カメラ402、チェーン406のための案内手段404、バックプレート408、基準要素410および光源412a,412b,412cを有するのが良い。この装置の構成要素は、支持構造体414上に配置されるのが良く、その結果、連続して並んだチェーンリンクの穴が見える画像をカメラによって撮影することができる。
【0039】
バックプレートは、カメラとは反対のチェーンの側に配置されるのが良く、その結果、カメラによってチェーンから撮影された画像は、背景としてバックプレートを有するようになる。このように、画像からのチェーンリンクの測定は、一定の背景を備えた状態で実施できる。バックプレートは、好ましくは、チェーンに対して色の高いコントラストを有するのが良く、その目的は、画像からのチェーンリンクの特性の正確な測定を容易にすることにある。バックプレートは、高いコントラストをもたらすよう白色のものであるのが良い。バックプレートの白色はまた、チェーンのバックプレート側からのチェーンの照明を支援する。
【0040】
好ましくは、バックプレートは、カメラの焦点を超えてある距離のところに配置されている。このように、カメラは、チェーンに代わって、バックプレートに焦点合わせするのが阻止されるのが良い。カメラをバックプレートに焦点合わせすることは、バックプレートを一様な材料で製作してバックプレートに印、汚れ、またはしみを付けないでバックプレートをきれいなままに保つことによって更に阻止されるのが良い。カメラは、カメラがオートフォーカス機能を搭載している場合、バックプレートに、特にチェーンとは異なる箇所に焦点合わせするのが良い。カメラが焦点合わせする際のミスを回避するため、オートフォーカスは、ターンオフされるのが良く、カメラは、手動で焦点合わせするのが良くまたはオートフォーカス機能を搭載していないカメラを用いるのが良い。オートフォーカス機能を搭載していないカメラは、固定焦点またはカメラを手動で焦点合わせする機能を有するカメラであるのが良い。
【0041】
少なくとも2つの光源412a,412bがカメラの隣りに配置されるとともにチェーンに差し向けられるのが良く、少なくとも光源412cがバックプレートを照明するよう配置されるのが良い。好ましくは、バックプレートは、カメラから見て光源よりも実質的に広い面積を有する。バックプレートは、好ましくは、光源からの光をバックプレートの領域に分布する。このように、チェーンは、均等に照明されるのが良く、その結果、カメラの撮像領域には影が形成されないようになっている。
【0042】
光源は、カメラの前のチェーンの長さ方向に延びるのが良く、その結果、これら光源により、カメラの前に延ばされているチェーンを撮像領域において均等に照明されるようになる。チェーンの長さ方向は、チェーンが上から支持されてカメラの前に下方に延びるときに垂直方向であるのが良い。光源は、発光ダイオード(LED)のストリップによって具体化されるのが良い。LEDの利点は、これらLEDの電力消費量が比較的低いことにある。カメラの形式に適した光源を用いるべきである。特に、互いに異なる形式のカメラは、互いに異なる形式のセンサ、例えば電荷結合素子(CCD)および相補型金属酸化膜シリコン(CMOS)センサを搭載するのが良い。
【0043】
案内手段は、連続して並んだチェーンリンクの穴がカメラに見えるようチェーンをカメラの前に位置決めする。案内手段はまた、チェーンの振動を減衰させ、その結果、チェーンがカメラの前を規則正しく走行することができるようになっている。案内手段は、カメラの前に位置決めされたチェーンの走行距離に沿って互いに距離を置いたところに配置された2対の案内ブロック404を含むのが良く、これら案内ブロックは、各々がチェーンのプロフィールに合うようになったコーナーαを有するプロフィールを有し、案内ブロックは、走行距離に沿って延び、2対の案内ブロックの上述のコーナーは、互いに向かい合っており、それにより、連続して並んだチェーンリンクは、各案内ブロックの互いに異なる側部との係合が行われる。案内手段は、少なくとも走行経路の方向にカメラの撮像領域の長さの距離のところに互いに離れた状態で配置されるのが良い。各チェーンリンクは、コーナーαを形成する側部のうちの一方との係合が行われる。案内ブロックのコーナーにより、案内ブロック相互間に入るチェーンリンクは、このチェーンリンクの穴がカメラに見えるような位置に向く。連続して並んだチェーンリンクをチェーンの軸線回り、例えば垂直方向に変向するのが良く、その結果、連続して並んだチェーンリンクを案内ブロックにコーナーαを形成する互いに異なる側部と係合させることができるようになっている。
【0044】
チェーンのプロフィールは、連続して並んだチェーンリンクの断面によって形成されるのが良く、それにより、案内ブロックのコーナーαは、連続して並んだチェーンリンクの断面相互間の角度に基づいて決定されるのが良い。したがって、案内ブロックのプロフィールは、コーナーαを形成する2つの側部および案内ブロックを支持構造体内のその定位置に取り付ける1つの側部を含む少なくとも3つの側部を有するのが良い。案内ブロックのためのプロフィールの例としては、三角形または多角形が挙げられる。チェーンのプロフィールに合うようになったコーナーは、例えば実質的に90°の角度を有するのが良い。しかしながら、この角度は、チェーンプロフィールに応じて異なっていても良い。したがって、案内ブロックの寸法をチェーンの互いに異なるサイズに合わせることができる。
【0045】
2対の案内ブロックは、チェーンの走行距離に沿って互いに垂直距離を置いたところに配置されるのが良く、その結果、案内ブロックは、カメラの撮像領域の外に位置するようになっている。このように、カメラは、案内ブロック上に焦点合わせするのが阻止されるのが良い。案内ブロックを位置決めするための支持構造体が配置されるのが良い。
【0046】
一実施形態では、案内手段は、これらをチェーンの状態点検のために走行経路に向けたり走行経路から遠ざかって向けることができるよう切り換え可能であるのが良く、その結果、案内ブロックと係合すべきカメラの前にチェーンを位置決めすることが容易に行うことができるようになっている。
【0047】
図5は、一実施形態に従って巻き上げ装置504に可動状態で連結されたチェーン502の状態の点検の仕方を示している。チェーンは、走行経路508を有するのが良く、チェーンは、この走行経路に沿って巻き上げ装置に作動状態で連結されるのが良い。走行経路は、チェーンが例えば荷を引き上げるために用いられる場合、チェーンの伸長方向によって形成されるのが良い。巻き上げ装置内では、走行経路は、チェーンが重力によって伸長される垂直方向によって形成されるのが良い。一実施形態の状態で説明するチェーンの状態を点検する装置506がチェーンの走行経路上に位置決めされるのが良い。このように、チェーンを案内手段によってカメラの前に位置決めするのが良く、そしてチェーンを巻き上げ装置によってカメラ越しに駆動する(カメラの前を駆動状態で通過させる)のが良い。チェーンは、ループの状態をなしているのが良く、それによりチェーン全体を巻き上げ装置によって装置中を駆動できる。チェーンがループ状になっていない場合であってもチェーンの状態点検を行う装置を使用することが可能であるが、この場合、チェーンの一部分をカメラの前で駆動状態で通過させて点検することができないという恐れがある。装置中を駆動されないチェーンの部分の状態は、チェーンの残りの部分の状態を評価するとともにチェーン全体の状態の理解を得るために経験豊富な専門家によって少なくとも手動で評価されるべきである。しかしながら、チェーンの少なくとも一部分が装置中を駆動される場合であっても、装置中を駆動される部分の状態の判定は、この装置によって提供される個々のチェーンリンクの測定に基づいて迅速かつ正確である。
【0048】
一実施形態による状態点検方法は、巻き上げ装置に取り付けられたチェーン502を例えば荷の取り扱い中、チェーンの通常の使用中にチェーンに取り付けられている装置、例えばフックから切り離すステップを含むのが良い。チェーンの自由端部は、コネクタによってループ中に連結されるのが良く、チェーンは、案内手段によって一実施形態としての装置のカメラの前に位置決めされるのが良い。チェーンは、巻き上げ装置によってカメラの前を駆動状態で通過可能である。
【0049】
図6a、図6bおよび図6cは、一実施形態に従ってチェーンの状態を点検する移動式装置を示している。この移動式装置は、上述のチェーンの状態の点検装置について上述した構造および作用を模倣している。
【0050】
移動式装置は、互いに対して動くことができる少なくとも2つの部分602,604を備えたハウジングを有するのが良い。一実施形態では、移動式装置は、ポータブルケースであるのが良く、この場合、ハウジングのうちの1つは、ケースを持ち運ぶためのハンドル608を有するのが良い。一実施形態では、ハウジングのうちの1つは、三脚用の取り付け箇所612を有するのが良い。取り付け箇所は、ねじ穴であるのが良く、三脚は、ねじ山によってこのねじ穴に連結することができる。このように、この装置は、地面または任意の他の表面よりも上の高さ位置で支持できる。
【0051】
これらの部分602,604は、1本または2本以上のレール610によって可動状態に連結されるのが良い。図6aは、移動式装置を開き位置で示しており、この開き位置では、チェーンのための走行経路は、案内手段606によって形成され、この案内手段は、連続して並んだチェーンリンクの穴がカメラに見えるようカメラの前に位置決めすることができる。開き位置では、これらの部分は、チェーンがこれらの部分相互間で走行することができる距離だけ互いに離されている。部分のうちの一方602は、これがこれら部分相互間のチェーンの走行経路上に設定されたその焦点を有するようカメラを有するのが良い。
【0052】
図6bは、移動式装置を中間位置で示しており、この中間位置では、ハウジングのこれらの部分は、ある距離だけ互いに離されているが、案内手段は、装置を閉じるためにこれらの部分を互いに近づけることができるようハウジング中に入れられる。
【0053】
図6cは、移動式装置を閉じ位置で示しており、この閉じ位置では、ハウジングのこれらの部分は、チェーンがこれらの部分相互間に入ることができず、そして装置が閉じられるよう互いに当接している。この位置では、この装置は、これが例えば輸送中、チェーンの状態点検のために用いられない場合に保護される。
【0054】
移動式装置では、チェーンの状態点検の際に情報を表示するためにユーザ入力または出力機能を提供するディスプレイおよび/または他の装置がハウジング上に、例えばハウジングの頂部上に取り付けられるのが良い。
【0055】
図7は、一実施形態による装置のユーザインターフェース702を示している。ユーザインターフェースは、表示装置のディスプレイの領域であるのが良い。ユーザインターフェースは、ディスプレイ上に表示されるのが良い視覚的情報の要素を含むのが良い。視覚的情報の要素は、図7に示された項目によって示されている。ユーザインターフェースは、例えば画像、カウンタ値、チェーンの測定特性および/または所望の特性のような情報に基づいて装置中に作られても良い。ユーザインターフェースは、例えば図3の装置のディスプレイ上に表示されるのが良い。ユーザインターフェースまたはユーザインターフェースの1つまたは2つ以上の構成要素を表すユーザインターフェースデータは、コントローラ304で生成でき、そしてユーザへの表示のためにディスプレイ302に伝送される。一実施例では、ユーザインターフェースは、例えばこの装置で具体化されるサーバ機能がホストとなるのが良いウェブページとして具体化されても良い。ユーザインターフェースの機能、例えばユーザインターフェースの選択項目がユーザインターフェースを表すウェブページを表示するウェブブラウザによって提供できる。ディスプレイは、ラップトップ型コンピュータのディスプレイであっても良くタブレット型コンピュータのタッチスクリーンであっても良い。
【0056】
ユーザインターフェースは、点検後のチェーンの複数のチェーンリンクを表示する少なくとも1つの要素704(チェーン部分と呼ばれる)を有するのが良い。チェーン部分上に表示されるチェーンリンクは、選択可能であるのが良い。ユーザインターフェースの構成要素のうちの少なくとも1つは、チェーン部分で選択されたチェーンリンクの1つまたは2つ以上の特性の値または画像を表示するための測定結果部分710,712であるのが良い。このように、個々のチェーンリンクの特性を点検することができる。1つまたは2つ以上の特性の画像は、チェーンリンクの画像であるのが良く、この場合、これら特性は、例えば特性の測定箇所が強調表示されるのが良い。
【0057】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、ズーム画像領域714を更に含むのが良い。測定結果部分710中に表示される特性は、チェーンリンクの特性が測定結果部分で選択されたときにズーム画像領域がチェーンリンクの拡大・縮小画像を表示するよう選択可能であるのが良い。チェーンリンクの拡大・縮小画像は、チェーンリンクの一部だけを含むのが良い。好ましくは、拡大・縮小画像中のチェーンリンクの部分は、選択された特性の1つまたは2つ以上の測定箇所を含む。
【0058】
一実施形態では、ユーザインターフェースは、選択されると、チェーン部分704が1つまたは2つ以上の所望の特性に合致しない条件を有する少なくとも1つのチェーンリンクを表示するようにする1つまたは2つ以上の制御要素716,718を有するのが良い。チェーンリンクの特性が所望の特性に合致しているかどうかを判定するため、画像から得られたチェーンリンクの特性をチェーンリンクの所望の特性と比較して図3を参照して上述したように個々のチェーンリンクの各々の状態を判定するのが良い。
【0059】
チェーン部分704は、点検済みのチェーン706のチェーンリンクおよび個々のチェーンリンクの状態情報708a,708b,708cを表示するのが良い。このチェーン部分は、ユーザインターフェースのスクロール機能によってチェーンのチェーンリンク全ての表示を可能にするのが良く、この場合、一度にチェーンの一部分が見え、チェーンは、今日のオペレーティングシステムおよびアプリケーション、例えばウェブブラウザやワードプロセッサにおけるグラフィカルユーザインターフェースのスクロール機能と同様にスクロールアップしたりスクロールダウンしたりすることができる。個々のチェーンリンクをチェーンを示す破線のダッシュによって示すことができる。状態情報は、対応のチェーンリンクに連結された項目によってまたは対応のチェーンリンクの頂部上に表示できる。状態情報項目は、例えば、円であるのが良い。状態情報項目は、状態情報項目の色によってチェーンリンクの状態を指示することができる。赤色は、チェーンリンクがチェーンリンクの1つまたは2つ以上の所望の特性を満たさないことを指示するのが良い。黄色は、摩耗したチェーンリンクが依然として特性を満たすが、これらの特性が新品チェーンの特性とは実質的に異なることを指示するのが良い。緑色は、チェーンリンクが良好な状態にあることを指示するのが良い。好ましくは、状態情報は、チェーン部分の特定の状態のチェーンリンクについてのみ表示される。このように、チェーン部分の領域は、比較的小さく保たれるのが良い。所望の特性を満たさないチェーンリンクに関する状態情報項目だけが表示される場合、きわどい状態にあるチェーンリンクは、容易に識別できる。
【0060】
チェーンリンクを表す項目は、チェーンリンクを表す項目を選択することによりカメラによって撮影されたチェーンリンクの画像が測定結果部分710に表示されるよう選択可能であるのが良い。チェーンリンクの個数“78”、“79”、“79”は、別個の項目としてかつ/あるいは状態情報の一部としてチェーンリンクの隣りのチェーン部分に表示されるのが良い。状態情報とチェーンリンクの個数の組み合わせは、この状態を指示する赤色背景上のチェーンリンクの個数であるのが良い。結合線は、チェーンリンクの個数をチェーンリンクを表す項目および/またはチェーンリンクの状態情報に結合するのが良い。
【0061】
測定結果部分712では、チェーンがチェーン部分で選択されると、特性の値がチェーン全体についてかつ/あるいは個々のチェーンリンクについて表示されるのが良い。好ましくは、測定結果部分は、チェーン部分のチェーンリンクを表す選択された項目に対応したチェーンリンクの測定結果を表示するのが良い。
【0062】
チェーンリンクから測定された1つまたは2つ以上の特性を測定結果部分710中に表示された画像中に表示するのが良い。これらの特性は、チェーンリンクの特性のための測定箇所を指示する線によって表示されるのが良い。測定箇所は、チェーンリンクのエッジを含むのが良い。図7の記載では、隙間“S”、リンク長さ“L”およびこれらの対応の線が図示されている。
【0063】
ズーム画像領域714は、測定結果部分710中に表示された画像の拡大部分を表示することができる。画像のこの部分は、画像710中に表示された少なくとも1つの特性によって定められるのが良い。好ましくは、ズーム画像領域は、特性の少なくとも1つの測定箇所を表示するのが良い。ズーム画像領域中に表示されるべき画像の部分は、測定結果部分中の画像上に表示された特性の選択によって定められるのが良い。理解されるべきこととして、選択された特性は、選択可能な特性によって直接定められても良くあるいは特性に対応した測定箇所または測定に対応した線によって間接的に定められても良い。
【0064】
制御要素は、チェーン部分を制御するために使用できる1つまたは2つ以上の選択可能なボタン716,718を含むのが良い。ボタンのうちの少なくとも1つにより、チェーン部分は、チェーンリンクの1つまたは2つ以上の所望の特性に合致しない状態を有するチェーンリンクを含むチェーンの一部分を表示することができる。2つのボタンが提供されている場合、ボタンのうちの一方の選択により、チェーン部分は、チェーンの現在の位置から見て上方の1つまたは2つ以上の所望の特性に合致しない状態を有するチェーンリンクを表示することができる。同様に、他方のボタンにより、チェーンリンクがチェーンの現在の位置から見て下方の1つまたは2つ以上の所望の特性に合致しない状態を有することが分かる。上方および下方の方向は、チェーンに沿う互いに反対側の方向に向かう方向を定める。
【0065】
図8および図9は、一実施形態による案内手段の実施例を示している。図8を参照すると、案内手段804a,804bおよびこれら案内手段によって案内されるチェーン806が上から見た状態で示されている。案内手段は、さまざまなサイズのチェーンを位置決めすることができる。案内手段は、案内ブロックを有し、これら案内ブロックは、これら案内ブロック相互間にチェーンを位置決めすることができ、案内ブロックのうちの少なくとも1つは、サスペンション808を有し、このサスペンションを有する案内ブロックを対向した案内ブロックから可変距離のところまで動かすことができる。案内ブロック相互間に位置決めされたチェーンにより、案内ブロックは、案内ブロック相互間へのチェーンの嵌め込みを可能にするのに十分互いに離される。したがって、案内ブロック相互間の距離は、チェーンのサイズによって定められるのが良く、このように、可変サイズのチェーンを案内ブロック相互間に位置決めすることができる。理解されるべきこととして、案内ブロックの両方は、案内ブロックの両方が案内ブロック相互間の距離を適合させることができるようサスペンションを有するのが良い。案内ブロックは、一実施形態による装置内の固定構造体810、例えばハウジングに連結されるのが良く、案内ブロックのサスペンションにより、案内ブロックを対向した案内ブロックと固定構造体との間に動かすことができることが分かる。図4aおよび図4bを参照してチェーンを位置決めすることができる案内ブロック404の一例について説明する。
【0066】
図9は、振動および揺動運動を減衰させることができる案内手段を示している。案内手段は、案内ブロック904a,904bおよび傾斜端部を備えた案内ブロックを含み、案内ブロック904a,904bは、これら案内ブロック相互間にチェーンを位置決めすることができる。案内ブロックは、これら案内ブロック相互間の距離が案内ブロックの頂部のところで大きい(dl)、案内ブロック相互間のチェーンの走行経路に沿って先端部から遠ざかる方向に距離dsが小さいように傾斜端部908a,908bを有するのが良い。案内ブロックの先端部は、下側および/または上側先端部であるのが良い。両方の端部を傾斜させることにより、案内ブロックの両端部の振動および揺動を減衰させることができ、チェーンは、案内ブロックを通って上方の方向にまたは下方の方向に走行することができる。したがって、好ましくは、チェーンが案内ブロック相互間に入る案内ブロックの少なくとも端部は、振動および揺動運動を減衰させるために傾斜しているのが良い。図4a、図4bおよび図8を参照してチェーンを位置決めすることができる案内ブロック404,804a,804bの一例について説明する。
【0067】
図10は、一実施形態による装置の構造を示している。この構造は、連続して並んだチェーンリンクの穴がカメラに見えるようチェーンをカメラの前に位置決めするのを容易にする。この装置は、少なくとも2つの部分1002,1004を備えたハウジングを有するのが良く、これら少なくとも2つの部分は、チェーンをハウジング内でカメラの前に位置決めすることができるよう互いに対して動くのが良い。これらの部分は、1つまたは2つ以上のヒンジ1006によって可動状態に互いに連結されるのが良い。この装置は、連続して並んだチェーンリンクの穴がカメラに見えるようチェーンをカメラの前に位置決めする案内手段1008を有するのが良い。ハウジングは、開き状態で示されており、この開き状態では、これら部分のうちの1つが側方に向けられる。この図では、側方は、紙面に入る向きである。この開き位置では、点検されるべきチェーンは、案内手段に対して位置決めされるのが良い。ハウジングが閉じられている場合、案内手段に対して位置決めされたチェーンをカメラの前に動かすことができ、その結果、連続して並んだチェーンリンクの穴がカメラに見えるようになる。
【0068】
一実施形態では、この実施形態の装置は、ユーザ入力および出力機能を有するのが良い。ユーザ出力機能は、ディスプレイによって提供されるのが良い。ユーザ入力機能により、ユーザは、この装置を制御して例えばカメラによる画像の撮影およびこの装置への指令の入力を開始したり停止したりすることができる。指令は、この装置のユーザインターフェース上に表示される要素の選択および/または作動を含むのが良い。ユーザ入力機能は、ボタン、キーボード、コンピュータマウスおよび他のコンピュータ周辺機器を含む装置によって提供されるのが良い。ユーザ出力機能は、タッチスクリーン1010によって提供されるのが良く、ユーザ入力機能は、タッチスクリーン上に表示されるユーザインターフェースへのユーザのタッチおよびジェスチャーによって提供されるのが良い。ユーザ入力および出力機能を提供する装置は、適当なインターフェースによって例えば図3のコントローラに接続されるのが良い。インターフェースの実施例は、電気接続部、例えばコンピュータバスおよびビデオインターフェース、例えばハイデフィニションマルチメディアインターフェース(High-definition Multimedia Interface:HDMI)およびビデオグラフィックアレイ(VGA)インターフェースが挙げられる。
【0069】
一実施形態では、この実施形態の装置は、チェーンリンクの状態を指示するための少なくとも1つの音を発生させることができる出力機能、例えばスピーカを有するのが良い。スピーカは、例えばこの装置のディスプレイ302としての役目を果たすタブレット型コンピュータ中に提供されるのが良い。出力機能は、チェーンリンクが1つまたは2つ以上の所望の特性に合致していることを指示するための音および/またはチェーンリンクが1つまたは2つ以上の所望の特性に合致していないことを指示する別の音を発生させるのが良い。したがって、音が装置によって点検中のチェーンの各チェーンリンクについて出されるのが良い。別の実施例では、音が所望の特性のうちの1つまたは2つ以上に合わないかかるチェーンリンクについて出されるのが良い。このように、チェーンリンク状態について音を発生させることは、チェーンの点検の際に利用でき、その結果、点検を行う人は、チェーンリンクの状態に基づいて生じる音を聞くことによって点検の進捗状況を観察することができるようになる。所望の特性に合わないこと指示する音は、例えば、低い音色または一連の低い音色であるのが良い。チェーンリンクが所望の特性に合っていることを指示する音は、例えば高い音または一連の高い音であるのが良い。したがって、ユーザインターフェースにおいて例えば緑色、黄色および赤色の状態に対応した互いに異なる状態レベルが互いに異なる音によって指示できる。
【0070】
チェーンリンクの特性が所望の特性に合致しているかどうか判定するため、画像から得られたチェーンリンクの特性をチェーンリンクの所望の特性と比較して図3を参照して上述したように個々のチェーンリンクの各々の状態を判定するのが良い。
【0071】
一実施形態によれば、装置または装置の一部、例えばカメラ306、ディスプレイ302またはカウンタ308は、本明細書において説明する実施形態のうちの任意のものを実施するよう構成された処理手段を有するのが良い。処理手段は、少なくとも1つのコントローラ/プロセッサ304およびメモリによって構成されるのが良い。処理手段は、コンピュータまたはコンピュータの一部であるのが良い。
【0072】
一実施形態では、コンピュータプログラムであって、このコンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、一実施形態に従って1つまたは2つ以上の機能を生じさせるようコンピュータ上で実行可能なコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体上に具体化できる。
【0073】
一実施形態では、コンピュータ用のコンピュータプログラム製品であって、一実施形態としてのコンピュータプログラムを有するコンピュータプログラム製品が提供される。
【0074】
一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体上に具体化されるコンピュータプログラムに関し、このコンピュータプログラムは、一実施形態としての方法を含むプロセスを実行するプログラムを含む。
【0075】
説明した実施形態は、コンピュータプログラムによって定められるコンピュータプロセスの形態でも実施できる。コンピュータプログラムは、ソースコード形態、オブジェクトコード形態、または何らかの中間形態であって良く、このコンピュータプログラムは、プログラムを実行することができる任意の要素または装置であるのが良い何らかの種類のキャリヤに記憶されるのが良い。例えば、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体上に記憶されるのが良い。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータまたはプロセッサによって読み取り可能なコンピュータプログラム配布媒体であるのが良い。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、記録媒体、コンピュータメモリ、読み取り専用記憶装置、電気キャリヤ信号、電気通信信号、およびソフトウェア配布パッケージであるのが良いが、これらには限定されない。
【0076】
本明細書において説明した技術は、種々の手段で具体化可能であり、実施形態を用いて説明した1つまたは2つ以上の機能を具体化する装置は、従来手段だけでなく実施形態を用いて説明した対応の装置または機器の1つまたは2つ以上の機能を具体化する手段を含み、この装置は、各機能について別々の手段を含むのが良くまたは手段が2つまたは3つ以上の機能を実行するよう構成されているのが良い。例えば、これらの技術は、ハードウェア(1つまたは2つ以上の装置)、ファームウェア(1つまたは2つ以上の装置)、ソフトウェア(1つまたは2つ以上のモジュール)、またはこれらの組み合わせの状態で具体化できる。ハードウェア具体化例は、1つまたは2つ以上の回路、例えば特定用途向け回路(ASIC)によってであるのが良い。ハードウェアまたはソフトウェアに関し、具体化は、本明細書において説明した機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能など)によってであるのが良い。ソフトウェアコードは、任意適当なプロセッサ/コンピュータ可読データ記憶媒体またはメモリユニットもしくは製造物品に記憶されるのが良く、そして1つまたは2つ以上のプロセッサ/コンピュータによって実行されるのが良い。データ記憶媒体またはメモリユニットは、プロセッサ/コンピュータ内にまたはプロセッサ/コンピュータの外部で具体化でき、この場合、このデータ記憶媒体またはメモリユニットは、当該技術分野において知られているように種々の手段を介してプロセッサ/コンピュータに通信可能に結合できる。
【0077】
当業者には明らかなように、技術の進歩につれて、本発明の概念を種々の仕方で具体化できる。本発明およびその実施形態は、上述した実施例には限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で様々であって良い。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9
図10