特許第6665307号(P6665307)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6665307
(24)【登録日】2020年2月21日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/42 20060101AFI20200302BHJP
   C11D 3/12 20060101ALI20200302BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20200302BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20200302BHJP
   C07F 7/18 20060101ALI20200302BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20200302BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20200302BHJP
   C08K 5/19 20060101ALI20200302BHJP
   B01D 19/04 20060101ALI20200302BHJP
【FI】
   C08G77/42
   C11D3/12
   C11D3/50
   C11D3/37
   C07F7/18 Y
   C08L83/04
   C08K3/36
   C08K5/19
   B01D19/04 A
【請求項の数】15
【全頁数】62
(21)【出願番号】特願2018-539888(P2018-539888)
(86)(22)【出願日】2017年2月1日
(65)【公表番号】特表2019-506501(P2019-506501A)
(43)【公表日】2019年3月7日
(86)【国際出願番号】US2017015918
(87)【国際公開番号】WO2017136369
(87)【国際公開日】20170810
【審査請求日】2018年7月30日
(31)【優先権主張番号】62/289,986
(32)【優先日】2016年2月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】パナンディケル、ラジャ・ケシャヴ
(72)【発明者】
【氏名】クリュゼナー、バーナード・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】レーダー、レイチェル・モーガン・クレイトン
(72)【発明者】
【氏名】ランジュヴァン、レベッカ・アン
(72)【発明者】
【氏名】トルヒージョ、ラファエル
【審査官】 小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/132669(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 77/42
B01D 19/04
C07F 7/18
C08K 3/36
C08K 5/19
C08L 83/04
C11D 3/12
C11D 3/37
C11D 3/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、組成物の総重量に対して、
a)2%〜90%、好ましくは3%〜60%、より好ましくは5%〜60%、最も好ましくは5%〜50%の界面活性剤と、
)0.1%〜5%、好ましくは0.2%〜3%、より好ましくは0.3%〜2%の、30Da〜350Da、好ましくは50Da〜300Da、より好ましくは100Da〜250Daの分子量を有する有機材料であって、以下の部分:、
(i)芳香族部分、
(ii)環状脂肪族部分、及び
(iii)1〜10個、好ましくは2〜7個のメチレン部分を有する非環状脂肪族部分、のうちの1つ以上を含み、ただし、前記メチレン部分の数が1よりも大きい場合、前記メチレン部分は途切れず、前記非環状脂肪族部分は分岐しかつ/又は1個以上の二重結合を含み、
前記材料がシロキサン部分を含まないものとして、前記材料が非環状脂肪族部分を含むが芳香族部分及び/又は環状脂肪族部分を含まない場合、前記材料は、2.0〜8.0、好ましくは3.0〜6.0のlogPを有する、有機材料と、
c)担体であって、好ましくは水及び/又は水溶性溶媒を含む、担体と、
d)0.0001%〜5%、好ましくは0.0005〜3%、より好ましくは0.001%〜1%、最も好ましくは0.001%〜0.5%の、式:[R123SiO1/2(j+2l+2)[R45SiO2/2m[R6SiO3/2j[SiO4/2l
[式中、
i)jは、0〜150、好ましくは1〜150、より好ましくは0〜50、最も好ましくは0〜20の整数であり、
ii)mは、0〜1500、好ましくは0〜1000、より好ましくは0〜1000、最も好ましくは0〜400の整数であり、
iii)lは、0〜150、好ましくは0〜150、より好ましくは0〜50、最も好ましくは0〜20の整数であり、
ただし、j+m+lは、1以上の整数であり、R1〜R6部分のうちの少なくとも1つ=X−Zであり、
iv)R1、R2、R3、R4、R5及びR6部分のそれぞれは、H、OH、C1〜C32アルキル、C1〜C32置換アルキル、C6〜C32アリール、C5〜C32置換アリール、C6〜C32アルキルアリール、C6〜C32置換アルキルアリール、C1〜C32アルコキシ及びC1〜C32置換アルコキシ、並びにX−Zからなる群から独立して選択され、好ましくはR1〜R6部分のそれぞれは、OH、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12置換アルコキシ、及びX−Zからなる群から独立して選択され、
v)各Xは、酸素であり、
vi)各Zはシリカ部分、好ましくは前記シリカ部分は粒子又は凝集体であり、好ましくは前記粒子又は凝集体は、0.1ミクロン〜250ミクロン、好ましくは1ミクロン〜100ミクロン、より好ましくは4ミクロン〜24ミクロン、最も好ましくは6ミクロン〜13ミクロンの粒径(d50)を有する]を有する分子、又はそれらの組み合わせと、を含み、
好ましくは、前記組成物は、色調ケアポリマー、付着助剤、界面活性剤強化ポリマー、pH調節剤、製品色調安定剤、保存剤、溶媒、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白活性化剤、ポリマー分散化剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、UV吸収剤、前記有機材料以外の香料、香料送達系、構造弾性化剤、増粘剤/構造化剤、布地柔軟剤、ヒドロトロープ、オリゴアミン、加工助剤、色調剤、及び/又は顔料からなる群から選択される補助成分を含む、組成物。
【請求項2】
前記d)の分子において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6部分のうちの少なくとも1つが、アリール基、好ましくはフェニル基を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記d)の分子において、前記シリカが、天然SiO2ナノ粒子、合成SiO2ナノ粒子、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、前記合成SiO2ナノ粒子が、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、及びこれらの混合物を含み、好ましくは、前記沈降シリカ及びヒュームドシリカはそれぞれ、25〜95、好ましくは40〜80、より好ましくは60〜70のメタノール吸収指数を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記d)の分子において、前記シリカが、−OSi(R73[式中、前記−OSi(R73において、各R7は独立してC1〜C22アルキル基及び/又はC1〜C22置換アルキルである]、−OH、C1〜C22アルコキシ、C1〜C22置換アルコキシ、及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記d)の分子において、前記分子内のZ部分の重量%が、75%〜99.99%、好ましくは85%〜99.9%、より好ましくは90%〜99%、最も好ましくは95%〜98%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
a)0.001%〜5%、好ましくは0.005%〜3%、より好ましくは0.01%〜2%、最も好ましくは0.01%〜1%の、下記式(I):
a(RO)bcSiO(4-a-b-c)/2
式(I)
[式中、
Rはそれぞれ、H、脂肪族基を介してケイ素に共有結合している芳香族炭化水素ラジカル、炭素環原子を介してケイ素原子に結合している、場合により置換された、一価の芳香族炭化水素ラジカル、及び場合によりヘテロ原子を含む、SiC結合した、場合により置換された一価の脂肪族炭化水素ラジカルからなる群から独立して選択され、
添え字aは、0、1、2又は3であり、
添え字bは、0、1、2又は3であり、
添え字cは、0、1、2又は3であり、
ただし、
前記式(I)の単位のそれぞれについて、添え字a、b及びcの合計が3以下であり、
前記式(I)の単位の1%〜100%が、0以外の添え字cを有し、
前記式(I)の単位の少なくとも50%について、添え字a、b及びcの合計が2であり、
脂肪族基を介してケイ素に共有結合している芳香族炭化水素ラジカル、及び/又は、炭素環原子を介してケイ素原子に結合している、場合により置換された、一価の芳香族炭化水素ラジカルである前記有機変性シリコーン中のR部分のモル百分率の合計が、1mol%〜75mol%、好ましくは5mol%〜50mol%、より好ましくは5mol%〜40mol%であり、好ましくは、前記有機変性シリコーンは、1,000mm2/s〜10,000mm2/s(1,000cSt〜10,000cSt)、より好ましくは2,000mm2/s〜9,000mm2/s(2,000cSt〜9,000cSt)、最も好ましくは5,000mm2/s〜8,000mm2/s(5,000cSt〜8,000cSt)の粘度を有する]
の単位を含む有機変性シリコーンと、
b)任意の溶媒と、を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記有機変性シリコーンのR部分の1mol%〜75mol%、好ましくは5mol%〜50mol%、より好ましくは5mol%〜40mol%が、2−フェニルプロピル部分及び/又はフェニル部分からなる群から選択される、請求項に記載の組成物。
【請求項8】
0.001%〜5%、好ましくは0.005%〜3%、より好ましくは0.01%〜2%、最も好ましくは0.01%〜1%の、下記式(II):
3d(R4O)eSiO(4-d-e)/2
式(II)
[式中、
a)R3はそれぞれ、H、場合によりヘテロ原子を含む、SiC結合し、場合により置換された、一価の脂肪族炭化水素ラジカル、又は脂肪族基を介してケイ素に共有結合した芳香族炭化水素ラジカルから独立して選択され、
b)R4はそれぞれ、H、又は場合によりヘテロ原子を含む、場合により置換された、一価の脂肪族炭化水素ラジカルから独立して選択され、
c)添え字dは、0、1、2又は3であり、
d)添え字eは、0、1、2又は3である]
の単位を含むシリコーン樹脂を含む、請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、前記組成物は、アニオン性界面活性剤を含み、好ましくは前記アニオン性界面活性剤は、C9〜C18アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、C10〜C20アルキルサルフェート界面活性剤、C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤であって、1〜30の平均アルコキシル化度を有しかつアルコキシはC1〜C4鎖を含む、C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記有機材料が香料原料を含み、好ましくは前記香料原料は、酢酸ベンジル、β−ナフトールメチルエーテル、エチルバニリン、オイゲノール、ヘキシルシンナムアルデヒド、安息香酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、酢酸メチルフェニルカルビニル、3−メチル−5−フェニルペンタノール、2−メトキシ−4−アリルフェノール、4−フェニル−2−メチル−2−ブタノール、1−フェニル−2−メチル−2−プロパノール、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、2−ヘキシル−3−フェニル−2−プロペナール、4−メトキシベンズアルデヒド、アントラニル酸メチル、ベンジルアセトン、1−(4−メトキシフェニル)エタノン、α−メチル−4−(1−メチルエチル)−ベンゼンプロパナール、β−メチル−3−(1−メチルエチル)−ベンゼンプロパナール、2−エチル−α,α−ジメチル−ベンゼンプロパナール、1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサルデヒド、4−メトキシ−α−メチル−ベンゼンプロパナール、2H−1−ベンゾピラン−2−オン、酢酸フェニルエチル、(2,2−ジメトキシエチル)−ベンゼン、オクタヒドロクマリン、1−メトキシ−4−メチルベンゼン、(E)−1−メトキシ−4−(1−プロペニル)ベンゼン、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、メチル(1−メチルエチル)ベンゼン、カンフェン、1−メトキシ−4−メチルベンゼン、酪酸ジメチルベンジルカルビニル、グリシド酸エチルメチルフェニル、イソ酪酸フェニルエチル、1,1’−オキシビスベンゼン、イソ酪酸フェノキシエチル、[2−(3−メトキシブトキシ)エチル]ベンゼン、1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,2,6,8−テトラメチル−1−ナフタレンオール、2,5,5−トリメチル−1,2,3,4,4α,5,6,7−オクタヒドロ−2−ナフタレンオール、2−メトキシナフタレン、2−メチル−ウンデカナール、ヘプタン酸アリル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−6−オールプロパノエート、3,7−ジメチル−trans−2,6−オクタジエン−1−オール、4−メチル−3−デセン−5−オール、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オール、2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール、10−ウンデセ−1−アール、酢酸4,7−メタノ−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロインデン−6−イル、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、テルピネオール、ウンデセナール、ドデカナール、酪酸エチル−2−メチル、酢酸ヘキシル、5−ヘプチルジヒドロ−2(3H)−フラノン、1,1,2,3,3−ペンタメチル−2,5,6,7−テトラヒドロインデン−4−オン、2−メチルペンタン酸エチル、9−デセン−1−オール、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール、3,7,11−トリメチル−1,6,10−ドデカトリエン−3−オール、8−、9−、及び10−ウンデセナール、trans−4−デセナール、4−(オクタヒドロ−4,7−メタノ−5H−インデン−5−イリデン)ブタナール、trans−2−ドデセナール、2−オクタノン、オクタナール、デカナール、6−ブチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン、ウンデセナール、ノナナール、2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール、1−ヒドロキシ−3−デカノン、酢酸(Z)−3−ヘキセン−1−オール、(2−メチルブトキシ)2−プロペニル酢酸エステル、[炭酸、3−ヘキセニルメチルエステル、(Z)−]、cis−2−メチル−4−プロピル−1,3−オキサチアン、カプロン酸アリル、2−オクチン酸メチル、酢酸リナリル、テトラヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オン、酢酸3,7−ジメチル−6−オクテン−1−イル、5−ヘキシルジヒドロ−2(3H)−フラノン、酢酸ゲラニル、イソ酪酸(Z)−3−ヘキセニル、テトラヒドロ−4−メチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−2H−ピラン、1,3,5−ウンデカトリエン、2−ブテン−1−オン、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、シクロヘキサンメタノール、(1−メチル−2−(1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]−ヘキサ−3−イルメチル)シクロプロピル)メタノール、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−ペンテン−2−オール、2−ペンチルシクロペンタン−1−オール、4−メチル−1−(1−メチルエチル)−3−シクロヘキセン1−オール、5−メチル−2−(1−メチルエチル)−シクロヘキサノール、(E)−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、1−メチル−4−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、(1S)−6,6−ジメチル−2−メチレン−ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、2,6,6−トリメチル−ビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン、1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−シクロヘキセン、2−(2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)プロピル)シクロ−ペンタノン、シクロヘキサンプロパノール、2−(4−メチル−シクロヘキサ−3−エニル)−プロパン−2−オール、6−メトキシジシクロペンタジエンカルボキシアルデヒド、1,7,7−トリメチル−(1R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン、(1S−endo)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、1,3,3−トリメチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン、4−シクロオクテン−1−イルメチルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、前記材料は、酢酸ベンジル、β−ナフトールメチルエーテル、エチルバニリン、オイゲノール、ヘキシルシンナムアルデヒド、安息香酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、酢酸メチルフェニルカルビニル、安息香酸メチル、酢酸メチルフェニルカルビニル、2−ヘキシル−3−フェニル−2−プロペナール、4−メトキシベンズアルデヒド、α−メチル−4−(1−メチルエチル)−ベンゼンプロパナール、β−メチル−3−(1−メチルエチル)−ベンゼンプロパナール、1,1’−オキシビスベンゼン、2−メトキシナフタレン、2−メチル−ウンデカナール、ヘプタン酸アリル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−6−オールプロパノエート、3,7−ジメチル−trans−2,6−オクタジエン−1−オール、4−メチル−3−デセン−5−オール、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オール、2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール、10−ウンデセン−1−アール、酢酸4,7−メタノ−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロインデン−6−イル、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、テルピネオール、ウンデセナール、ドデカナール、酪酸エチル−2−メチル、酢酸ヘキシル、5−ヘプチルジヒドロ−2(3H)−フラノン、2(2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)プロピル)シクロ−ペンタノン、シクロヘキサンプロパノール、2−(4−メチル−シクロヘキサ−3−エニル)−プロパン−2−オール、6−メトキシジシクロペンタジエンカルボキシアルデヒド、1,7,7−トリメチル−(1R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン、(1S−endo)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、1,3,3−トリメチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン、4−シクロオクテン−1−イルメチルエステル、及びそれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくは、前記材料は、酢酸ベンジル、β−ナフトールメチルエーテル、エチルバニリン、オイゲノール、ヘキシルシンナムアルデヒド、安息香酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、酢酸メチルフェニルカルビニル、1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン、1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセニル)ペンタ−4−エン−1−オン、ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、α−イソメチルイオノン、エチルトリメチルシクロペンテンブテノール、2−(1,1−ジメチルエチル)−シクロヘキサノールアセタート、1,7,7−トリメチル−酢酸、exo−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、2−プロペニルエステルシクロヘキサンプロパン酸、2−メチル−ウンデカナール、ヘプタン酸アリル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−6−オールプロパノアート、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記有機化合物が芳香族部分を含む、請求項10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
布地柔軟剤活性物質を含む、請求項11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記布地柔軟剤活性物質は、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タロウオイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N−(2ヒドロキシエチル)N−メチルアンモニウムメチルサルフェート、ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムメチルサルフェート脂肪酸エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
記布地柔軟剤活性物質は1種以上のエステルクワットを含み、好ましくは前記エステルクワットは、塩化メチル又は硫酸ジメチルで完全又は部分的に四級化された、メチルジエタノールアミンと1種以上の脂肪酸との1:1.5〜1:2の範囲のモル比の反応生成物;硫酸ジメチルで完全又は部分的に四級化された、トリエタノールアミンと1種以上の脂肪酸とを1:1.5〜1:2.1の範囲のモル比で混合した場合の反応生成物;及び/又は、硫酸ジメチルで完全又は部分的に四級化された、メチルジエタノールアミンと1種以上の脂肪酸との反応生成物であり、好ましくは、前記脂肪酸は8〜24個の炭素原子を有しかつ0〜100、好ましくは5〜80、より好ましくは15〜70、最も好ましくは18〜56のヨウ素価を有する、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
部位を処理及び/又はきれいにする方法であって、
a)必要に応じて、前記部位を洗浄、すすぎ、及び/又は乾燥することと、
b)前記部位を、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物と接触させることと、
c)必要に応じて、前記部位を洗浄、すすぎ、及び/又は乾燥することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、発泡を低減する分子を含む洗浄及び処置用組成物、並びにかかる分子及び組成物の製造方法及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クリーニング及び/又は処理組成物では、泡を発生する物質を使用することができる。ある種のクリーニング及び/又は処理組成物では、泡の液面が望ましい程度よりも高い。泡を低減する1つの方法として、クリーニング及び/又は処理組成物に消泡剤を加えることがある。残念なことに、消泡剤の安定性、ひいては性能は、時間の経過に伴って他の配合成分によって低下させられる場合がある。
【0003】
出願人らは、安定性の問題の原因は特定の配合成分に見られる特定の部分であることを認識するに至った。かかる配合成分には特定の香料及び溶媒が含まれる。理論に束縛されるものではないが、出願人らは、かかる配合成分に関連する問題が、かかる配合成分が消泡剤に浸透し、それにより消泡剤の主要成分を残りの消泡剤成分から分離することで生じるものと考える。出願人らは、かかる分離は、消泡剤成分をクリーニング及び処理組成物に加える前に消泡剤成分同士を共有結合させておくことによって緩和することができることを認識するに至った。理論によって束縛されるものではないが、出願人らは、かかる消泡剤組成物は、1つの消泡剤成分のSi−OH及び/又はSi−OR基と別の消泡剤成分のSi−OH及び/又はSi−OR基(ただし、Rは、メチル、エチル、又はプロピル基である)との反応からSi−O−Si基が生じるように反応し、また、かかる反応の前に予め存在する特定のSi−O−Si基がより好ましい順序で切断及び再形成されることで、優れた消泡剤を生じるものと考える。本明細書では、かかる共有結合された消泡剤材料及びそれを含む組成物について開示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願は、発泡を低減する材料を含むクリーニング及び処理組成物、並びにかかる材料及び組成物の製造方法及び使用方法に関する。かかる組成物は、一般的に消泡剤の性能に影響を及ぼす有益剤を含むが、本組成物では消泡剤の消泡特性は維持される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
定義
本明細書において使用する場合、用語「クリーニング及び/又は処理組成物」は、特記しない限り、単位用量の、顆粒又は粉末形態の汎用又は「強力」洗浄剤、とりわけクリーニング用洗剤;液体、ゲル、又はペースト状の汎用洗浄剤、とりわけ、協力液体タイプのもの;きめの細かい布地用液体洗剤;手洗い用食器洗浄剤又は軽質食器用洗浄剤、とりわけ高発泡タイプのもの;食洗機用ショック洗浄剤であって、家庭用及び業務用の、様々な、タブレット状、粒状、液体、及びすすぎ補助タイプを含むもの;液体のクリーニング及び除菌剤であって、抗菌手洗いタイプ、クリーニングバーを含むもの;加えて、漂白添加剤及び「ステインスティック」又は前処理タイプなどのクリーニング補助剤、ドライヤ添加シート、乾燥及び湿潤ワイプ及びパッド、不織布基材、並びにスポンジなどの基材付き製品;加えて、スプレー及びミストを含む。
【0006】
本明細書において使用する場合、「布地ケア組成物」という用語は、別途記載のない限り、布地柔軟化組成物、布地増強組成物、布地フレッシュニング組成物、及びこれらの組み合わせを含む。
【0007】
本明細書において使用する場合、特許請求の範囲で使用される場合、「a」及び「an」という冠詞は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ又は2つ以上を意味すると理解される。
【0008】
本明細書において使用する場合、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」という用語は、「含むが、これらに限定されない」という句と同義であることを意味する。
【0009】
本明細書において使用する場合、「部位」という用語は、紙製品、布地、衣類、硬質表面、毛髪及び皮膚を含む。
【0010】
本明細書において、消泡剤並びにクリーニング及び処理組成物の有機変性シリコーン要素について説明及び/又は記載するために使用される場合、2−フェニルプロピルメチル部分とは、(メチル)(2−フェニルプロピル)、(2−フェニルプロピル)メチル、メチル(2−フェニルプロピル)、メチル(β−メチルフェネチチル)、2−フェニルプロピルメチル、2−フェニルプロピルメチル、メチル2−フェニルプロピル及びMe2−フェニルプロピルと同義である。よって、有機変性シリコーンは、例として、以下の命名法を使用する。
(メチル)(2−フェニルプロピル)シロキサン
(メチル)(2−フェニルプロピル)シロキサン
(2−フェニルプロピル)メチルシロキサン
(2−フェニルプロピル)メチルシロキサン
メチル(2−フェニルプロピル)シロキサン
メチル(2−フェニルプロピル)シロキサン
メチル(β−メチルフェネチル)シロキサン
メチル(β−メチルフェネチル)シロキサン
2−フェニルプロピルメチルシロキサン
2−フェニルプロピルメチルシロキサン
2−フェニルプロピルメチルシロキサン
2−フェニルプロピルメチルシロキサン
メチル2−フェニルプロピルシロキサン
メチル2−フェニルプロピルシロキサン
Me2−フェニルプロピルシロキサン
【0011】
本明細書において使用する場合、「途切れない」という用語は、鎖がメチレン基のみからなることを意味する。
【0012】
本明細書において使用する場合、ヘテロ原子という用語は、通常の、慣用的な意味をとり、すなわち、N、O、S、P、Cl、Br及びIを含む。
【0013】
特に明記しない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源中に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0014】
全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、重量で計算される。全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、全組成物に基づいて計算される。
【0015】
本明細書の全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含するものと理解すべきである。本明細書の全体を通して記載される全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書の全体を通して記載される全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に入るより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲が全てあたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含する。
【0016】
分子
次式
[RSiO1/2(j+2l+2)[RSiO2/2[RSiO3/2[SiO4/2
[式中、
a)jは、0〜150、1〜150、0〜50、又は0〜20の整数であり、
b)mは、0〜1500、0〜1000、0〜1000、又は0〜400の整数であり、
c)lは、0〜150、0〜150、0〜50、又は0〜20の整数であり、
ただし、j+m+lは、1以上の整数であり、部分R〜Rのうちの少なくとも1つ=X−Zであり、
d)R、R、R、R、R及びR部分のそれぞれは、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32アリール、C〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ及びC〜C32置換アルコキシ、並びにX−Zからなる群から独立して選択され、好ましくは各R1〜6は、OH、C〜C12アルキル、C〜Cアルコキシ、C〜C12置換アルコキシ、及びX−Zからなる群から独立して選択され、
e)各Xは、酸素であり、
f)各Zはシリカ部分、好ましくは上記シリカ部分は粒子又は凝集体であり、好ましくは上記粒子又は凝集体は、約0.1ミクロン〜約250ミクロン、好ましくは約1ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約4ミクロン〜約24ミクロン、最も好ましくは約6ミクロン〜約13ミクロンの粒径(d50)を有する]を有する分子
が開示される。
【0017】
上記分子の一態様では、R、R、R、R、R及びR部分のうちの少なくとも1つは、アリール基、フェニル基を含む。
【0018】
上記分子の一態様では、上記シリカは、天然SiOナノ粒子、合成SiOナノ粒子、及びこれらの混合物からなる群から選択され、一態様では、上記合成SiOナノ粒子は、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、及びこれらの混合物を含み、好ましくは、上記沈降シリカ及びヒュームドシリカはそれぞれ、25〜95、好ましくは40〜80、より好ましくは60〜70のメタノール吸収指数を有する。
【0019】
上記分子の一態様では、上記シリカは、−OSi(R[式中、上記−OSi(Rにおいて、各Rは独立してC〜C22アルキル基及び/又はC〜C22置換アルキルである]、−OH、C〜C22アルコキシ、C〜C22置換アルコキシ、及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含む。
【0020】
上記分子の一態様では、分子内のZ部分の重量%は、約75%〜約99.99%、約85%〜約99.9%、約90%〜約99%、又は約95%〜約98%である。
【0021】
分子を含む組成物
組成物であって、組成物の総重量に対して、
a)約2%〜約90%、約3%〜約60%、約5%〜約60%、又は約5%〜約50%の界面活性剤と、
b)約0.1%〜約5%、約0.2%〜約3%、又は更には約0.3%〜約2%の、約30Da〜約350Da、約50Da〜約300Da、又は更には約100Da〜約250Daの分子量を有する有機材料であって、以下の部分:
(i)芳香族部分、
(ii)環状脂肪族部分、及び
(iii)1〜10個、又は2〜7個のメチレン部分を有する非環状脂肪族部分、のうちの1つ以上を含み、ただし、メチレン部分の数が1よりも大きい場合、上記メチレン部分は途切れず、上記非環状脂肪族部分は分岐しかつ/又は1個以上の二重結合を含み、
上記材料がシロキサン部分を含まないものとして、上記材料が非環状脂肪族部分を含むが芳香族部分及び/又は環状脂肪族部分を含まない場合、上記材料は、約2.0〜約8.0、又は約3.0〜約6.0のlogPを有する、有機材料と、
c)担体であって、一態様において水及び/又は水溶性溶媒を含む、担体と、
d)約0.0001%〜約5%、約0.0005〜約3%、約0.001%〜約1%、又は約0.001%〜約0.5%の、本明細書の「分子」の項に開示される分子、及びかかる分子の組み合わせからなる群から選択される分子と、を含む、組成物。
【0022】
上記組成物の一態様では、上記組成物は、
a)約0.001%〜約5%、約0.005%〜約3%、約0.01%〜約2%、又は約0.01%〜約1%の、下記式(I):
(RO)SiO(4−a−b−c)/2
式(I)
[式中、
Rはそれぞれ、H、脂肪族基を介してケイ素に共有結合している芳香族炭化水素ラジカル、炭素環原子を介してケイ素原子に結合している、場合により置換された、一価の芳香族炭化水素ラジカル、及び場合によりヘテロ原子を含む、SiC結合した、場合により置換された一価の脂肪族炭化水素ラジカルからなる群から独立して選択され、
添え字aは、0、1、2又は3であり、
添え字bは、0、1、2又は3であり、
添え字cは、0、1、2又は3であり、
ただし、
上記式(I)の単位のそれぞれについて、添え字a、b及びcの合計が3以下であり、
上記式(I)の単位の1%〜100%が、0以外の添え字cを有し、
上記式(I)の単位の少なくとも50%について、添え字a、b及びcの合計が2であり、
脂肪族基を介してケイ素に共有結合している芳香族炭化水素ラジカル、及び/又は、炭素環原子を介してケイ素原子に結合している、場合により置換された、一価の芳香族炭化水素ラジカルである上記有機変性シリコーン中のR部分のモル百分率の合計が、約1mol%〜約75mol%、5mol%〜50mol%、又は5mol%〜40mol%であり、一態様では、上記有機変性シリコーンは、1,000mm2/s〜10,000,000mm2/s(1,000cSt〜10,000cSt)、2,000mm2/s〜9,000,000mm2/s(2,000cSt〜9,000cSt)、又は5,000mm2/s〜8,000,000mm2/s(5,000cSt〜8,000cSt)の粘度を有する]の単位からなる有機変性シリコーンと、
b)任意の溶媒と、を含む。
【0023】
上記組成物の一態様において、上記有機変性シリコーンのR部分の約1mol%〜約75mol%、5mol%〜50mol%、又は5mol%〜40mol%は、2−フェニルプロピル部分及び/又はフェニル部分からなる群から選択される。
【0024】
上記組成物の一態様において、上記組成物は、約0.001%〜約5%、約0.005%〜約3%、約0.01%〜約2%、又は約0.01%〜約1%の、下記式(II):
(RO)SiO(4−d−e)/2
式(II)
[式中、
a)Rはそれぞれ、H、場合によりヘテロ原子を含む、SiC結合し、場合により置換された、一価の脂肪族炭化水素ラジカル、又は脂肪族基を介してケイ素に共有結合した芳香族炭化水素ラジカルから独立して選択され、
b)Rはそれぞれ、H、又は場合によりヘテロ原子を含む、場合により置換された、一価の脂肪族炭化水素ラジカルから独立して選択され、
c)添え字dは、0、1、2又は3であり、
d)添え字eは、0、1、2又は3である]の単位を含むシリコーン樹脂を含む。
【0025】
上記組成物の一態様では、上記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0026】
一態様において、上記香料原料は、酢酸ベンジル、β−ナフトールメチルエーテル、エチルバニリン、オイゲノール、ヘキシルシンナムアルデヒド、安息香酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、酢酸メチルフェニルカルビニル、3−メチル−5−フェニルペンタノール、2−メトキシ−4−アリルフェノール、4−フェニル−2−メチル−2−ブタノール、1−フェニル−2−メチル−2−プロパノール、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、2−ヘキシル−3−フェニル−2−プロペナール、4−メトキシベンズアルデヒド、アントラニル酸メチル、ベンジルアセトン、1−(4−メトキシフェニル)エタノン、α−メチル−4−(1−メチルエチル)−ベンゼンプロパナール、β−メチル−3−(1−メチルエチル)−ベンゼンプロパナール、2−エチル−α,α−ジメチル−ベンゼンプロパナール、1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサルデヒド、4−メトキシ−α−メチル−ベンゼンプロパナール、2H−1−ベンゾピラン−2−オン、酢酸フェニルエチル、(2,2−ジメトキシエチル)−ベンゼン、オクタヒドロクマリン、1−メトキシ−4−メチルベンゼン、(E)−1−メトキシ−4−(1−プロペニル)ベンゼン、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、メチル(1−メチルエチル)ベンゼン、カンフェン、1−メトキシ−4−メチルベンゼン、酪酸ジメチルベンジルカルビニル、グリシド酸エチルメチルフェニル、イソ酪酸フェニルエチル、1,1’−オキシビスベンゼン、イソ酪酸フェノキシエチル、[2−(3−メトキシブトキシ)エチル]ベンゼン、1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,2,6,8−テトラメチル−1−ナフタレンオール、2,5,5−トリメチル−1,2,3,4,4α,5,6,7−オクタヒドロ−2−ナフタレンオール、2−メトキシナフタレン、2−メチル−ウンデカナール、ヘプタン酸アリル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−6−オールプロパノエート、3,7−ジメチル−trans−2,6−オクタジエン−1−オール、4−メチル−3−デセン−5−オール、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オール、2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール、10−ウンデセ−1−アール、酢酸4,7−メタノ−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロインデン−6−イル、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、テルピネオール、ウンデセナール、ドデカナール、酪酸エチル−2−メチル、酢酸ヘキシル、5−ヘプチルジヒドロ−2(3H)−フラノン、1,1,2,3,3−ペンタメチル−2,5,6,7−テトラヒドロインデン−4−オン、2−メチルペンタン酸エチル、9−デセン−1−オール、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール、3,7,11−トリメチル−1,6,10−ドデカトリエン−3−オール、8−、9−、及び10−ウンデセナール、trans−4−デセナール、4−(オクタヒドロ−4,7−メタノ−5H−インデン−5−イリデン)ブタナール、trans−2−ドデセナール、2−オクタノン、オクタナール、デカナール、6−ブチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン、ウンデセナール、ノナナール、2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール、1−ヒドロキシ−3−デカノン、酢酸(Z)−3−ヘキセン−1−オール、(2−メチルブトキシ)2−プロペニル酢酸エステル、[炭酸、3−ヘキセニルメチルエステル、(Z)−]、cis−2−メチル−4−プロピル−1,3−オキサチアン、カプロン酸アリル、2−オクチン酸メチル、酢酸リナリル、テトラヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オン、酢酸3,7−ジメチル−6−オクテン−1−イル、5−ヘキシルジヒドロ−2(3H)−フラノン、酢酸ゲラニル、イソ酪酸(Z)−3−ヘキセニル、テトラヒドロ−4−メチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−2H−ピラン、1,3,5−ウンデカトリエン、2−ブテン−1−オン、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、シクロヘキサンメタノール、(1−メチル−2−(1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]−ヘキサ−3−イルメチル)シクロプロピル)メタノール、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−ペンテン−2−オール、2−ペンチルシクロペンタン−1−オール、4−メチル−1−(1−メチルエチル)−3−シクロヘキセン1−オール、5−メチル−2−(1−メチルエチル)−シクロヘキサノール、(E)−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、1−メチル−4−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、(1S)−6,6−ジメチル−2−メチレン−ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、2,6,6−トリメチル−ビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン、1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−シクロヘキセン、2−(2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)プロピル)シクロ−ペンタノン、シクロヘキサンプロパノール、2−(4−メチル−シクロヘキサ−3−エニル)−プロパン−2−オール、6−メトキシジシクロペンタジエンカルボキシアルデヒド、1,7,7−トリメチル−(1R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン、(1S−endo)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、1,3,3−トリメチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン、4−シクロオクテン−1−イルメチルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0027】
一態様において、上記材料は、酢酸ベンジル、β−ナフトールメチルエーテル、エチルバニリン、オイゲノール、ヘキシルシンナムアルデヒド、安息香酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、酢酸メチルフェニルカルビニル、安息香酸メチル、酢酸メチルフェニルカルビニル、2−ヘキシル−3−フェニル−2−プロペナール、4−メトキシベンズアルデヒド、α−メチル−4−(1−メチルエチル)−ベンゼンプロパナール、β−メチル−3−(1−メチルエチル)−ベンゼンプロパナール、1,1’−オキシビスベンゼン、2−メトキシナフタレン、2−メチル−ウンデカナール、ヘプタン酸アリル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−6−オールプロピオナート、3,7−ジメチル−trans−2,6−オクタジエン−1−オール、4−メチル−3−デセン−5−オール、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オール、2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール、10−ウンデセン−1−アール、酢酸4,7−メタノ−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロインデン−6−イル、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、テルピネオール、ウンデセナール、ドデカナール、酪酸エチル−2−メチル、酢酸ヘキシル、5−ヘプチルジヒドロ−2(3H)−フラノン、2(2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)プロピル)シクロ−ペンタノン、シクロヘキサンプロパノール、2−(4−メチル−シクロヘキサ−3−エニル)−プロパン−2−オール、6−メトキシジシクロペンタジエンカルボキシアルデヒド、1,7,7−トリメチル−(1R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン、(1S−endo)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、1,3,3−トリメチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン、4−シクロオクテン−1−イルメチルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一態様において、上記材料は、酢酸ベンジル、β−ナフトールメチルエーテル、エチルバニリン、オイゲノール、ヘキシルシンナムアルデヒド、安息香酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、酢酸メチルフェニルカルビニル、1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン、1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセニル)ペンタ−4−エン−1−オン、ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、α−イソメチルイオノン、エチルトリメチルシクロペンテンブテノール、2−(1,1−ジメチルエチル)−シクロヘキサノールアセタート、1,7,7−トリメチル−酢酸、exo−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、2−プロペニルエステルシクロヘキサンプロパン酸、2−メチル−ウンデカナール、ヘプタン酸アリル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−6−オールプロパノアート、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0028】
上記組成物の一態様において、上記有機化合物は芳香族部分を含む。
【0029】
上記組成物の一態様において、上記組成物は、色調ケアポリマー、付着助剤ポリマー、界面活性剤強化ポリマー、pH調節剤、製品色調安定剤、保存剤、溶媒、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白活性化剤、ポリマー分散化剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、UV吸収剤、上記有機材料以外の香料、香料送達系、構造弾性化剤、増粘剤/構造化剤、布地柔軟剤、ヒドロトロープ、オリゴアミン、加工助剤、色調剤、及び/又は顔料からなる群から選択される補助成分を含む。
【0030】
上記組成物の一態様において、
a)上記布地柔軟剤活性物質は、ポリグリセロールエステル、油性糖誘導体、ワックスエマルション、脂肪酸、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タロウオイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N−(2ヒドロキシエチル)N−メチルアンモニウムメチルサルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
b)上記付着助剤ポリマーは、上記組成物のpHにおいて、約0.005meq/g〜約23meq/g、約0.01meq/g〜約12meq/g、又は約0.1meq/g〜約7meq/gのカチオン電荷を有するカチオン性ポリマーを含み、
c)上記香料送達系は、香料マイクロカプセル又は水分活性化香料マイクロカプセル(マイクロカプセルは、ポリアクリレート、及び/又はアルデヒドにより架橋されたポリマーを含むシェルを含み、一態様では、上記シェルは、ポリアクリレート、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミン、アルデヒドにより架橋された尿素、又はアルデヒドにより架橋されたメラミンからなる群から選択されるポリマーを含み、別の態様では、上記ポリマーは、メラミン−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、フェノール−ホルムアルデヒド、又はホルムアルデヒドとの他の縮合ポリマーからなる群から選択される)、香料担体、及びカプセル化香料組成物(上記香料担体は、シクロデキストリン、デンプンマイクロカプセル、多孔質担体マイクロカプセル、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る)からなる群から選択される構成成分を含み、
d)上記酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、マンナーゼ、セルラーゼ、キシログルカナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
e)上記構造化剤は、水素化ヒマシ油;水素化ヒマシ油の誘導体;微小繊維状セルロース;ヒドロキシ官能性結晶性材料、長鎖脂肪酸アルコール、12−ヒドロキシステアリン酸;粘土、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
f)上記ポリマー分散化剤は、ポリカルボキシレート、汚れ放出ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、双性エトキシル化四級化硫酸化ヘキサメチレンジアミン、アルコキシル化ポリアルキレンイミン、エトキシル化ポリアミン、ポリエチレングリコール−ポリビニルアセテートからなる群から選択され、
g)上記色調剤は、低分子染料、ポリマー染料、染料粘土複合体及び顔料からなる群から選択される群から選択され、
h)上記オリゴアミンは、ポリエーテルアミンからなる群から選択され、
i)これらの混合物。
【0031】
一態様において、上記組成物は、アニオン性界面活性剤を含む。一態様において、上記アニオン性界面活性剤は、C〜C18アルキルベンゼンフルホネート界面活性剤と、C10〜C20アルキルサルフェート界面活性剤と、C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤であって、1〜30の平均アルコキシル化度を有しかつアルコキシはC〜C鎖を含むと、C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0032】
一態様において、上記組成物は、布地柔軟剤活性物質を含む。一態様において、上記布地柔軟剤活性物質は、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タロウオイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N−(2ヒドロキシエチル)N−メチルアンモニウムメチルサルフェート、ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムメチルサルフェート脂肪酸エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一態様において、上記布地柔軟剤活性物質は、1種以上のエステルクワットを含む。一態様において、上記エステルクワットは、塩化メチル又は硫酸ジメチルで完全又は部分的に四級化された、メチルジエタノールアミンと1種以上の脂肪酸との1:1.5〜1:2の範囲のモル比の反応生成物;硫酸ジメチルで完全又は部分的に四級化された、トリエタノールアミンと1種以上の脂肪酸とを1:1.5〜1:2.1の範囲のモル比で混合した場合の反応生成物;及び/又は、硫酸ジメチルで完全又は部分的に四級化された、メチルジエタノールアミンと1種以上の脂肪酸との反応生成物である。一態様において、上記脂肪酸は8〜24個の炭素原子を有しかつ0〜100、5〜80、15〜70、又は18〜56のヨウ素価を有する。
【0033】
追加の開示
分子
次式
[RSiO1/2(j+2l+2)[RSiO2/2[RSiO3/2[SiO4/2
[式中、
a)jは、0〜150、好ましくは1〜150、より好ましくは0〜50、最も好ましくは0〜20の整数であり、
b)mは、0〜1500、好ましくは0〜1000、より好ましくは0〜1000、最も好ましくは0〜400の整数であり、
c)lは、0〜150、好ましくは0〜150、より好ましくは0〜50、最も好ましくは0〜20の整数であり、
ただし、j+m+lは、1以上の整数であり、部分R〜Rの少なくとも1つ=X−Zであり、
d)R、R、R、R、R及びR部分のそれぞれは、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32アリール、C〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ及びC〜C32置換アルコキシ、並びにX−Zからなる群から独立して選択され、好ましくは各R1〜6は、OH、C〜C12アルキル、C〜Cアルコキシ、C〜C12置換アルコキシ、及びX−Zからなる群から独立して選択され、
e)各Xは、酸素であり、
f)各Zはシリカ部分、好ましくは上記シリカ部分は粒子又は凝集体であり、好ましくは上記粒子又は凝集体は、約0.1ミクロン〜約250ミクロン、好ましくは約1ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約4ミクロン〜約24ミクロン、最も好ましくは約6ミクロン〜約13ミクロンの粒径(d50)を有する]を有する分子
が開示される。
【0034】
好ましくは、R、R、R、R、R及びR部分のうちの少なくとも1つは、アリール基、好ましくはフェニル基を含む。
【0035】
好ましくは、上記シリカは、天然SiOナノ粒子、合成SiOナノ粒子、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、上記合成SiOナノ粒子は、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、及びこれらの混合物を含み、好ましくは、上記沈降シリカ及びヒュームドシリカはそれぞれ、25〜95、好ましくは40〜80、より好ましくは60〜70のメタノール吸収指数を有する。
【0036】
好ましくは、上記シリカは、−OSi(R[式中、上記−OSi(Rにおいて、各Rは独立してC〜C22アルキル基及び/又はC〜C22置換アルキルである]、−OH、C〜C22アルコキシ、C〜C22置換アルコキシ、及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含む。
【0037】
好ましくは、分子内のZ部分の重量%は、75%〜99.99%、好ましくは85%〜99.9%、より好ましくは90%〜99%、最も好ましくは95%〜98%である。
【0038】
分子を含む組成物
組成物であって、組成物の総重量に対して、
a)2%〜90%、好ましくは3%〜60%、より好ましくは5%〜60%、最も好ましくは5%〜50%の界面活性剤と、
b)約0.1%〜約5%、好ましくは約0.2%〜約3%、より好ましくは0.3%〜2%の、30Da〜350Da、好ましくは50Da〜300Da、より好ましくは100Da〜250Daの分子量を有する有機材料であって、以下の部分:
(i)芳香族部分、
(ii)環状脂肪族部分、及び
(iii)1〜10個、好ましくは2〜7個のメチレン部分を有する非環状脂肪族部分のうちの1つ以上を含み、ただし、上記メチレン部分の数が1よりも大きい場合、上記メチレン部分は途切れず、上記非環状脂肪族部分は分岐しかつ/又は1個以上の二重結合を含み、
上記材料がシロキサン部分を含まないものとして、上記材料が非環状脂肪族部分を含むが芳香族部分及び/又は環状脂肪族部分を含まない場合、上記材料は、2.0〜8.0、好ましくは3.0〜6.0のlogPを有する、有機材料と、
c)担体であって、好ましくは水及び/又は水溶性溶媒を含む、担体と、
d)0.0001%〜5%、好ましくは0.0005〜3%、より好ましくは0.001%〜1%、最も好ましくは0.001%〜0.5%の、本明細書の「分子」の項に開示される分子、及びこれらの分子の組み合わせからなる群から選択される分子と、を含む、組成物
が開示される。
【0039】
好ましくは、上記組成物は、
c)0.001%〜5%、好ましくは0.005%〜3%、より好ましくは0.01%〜2%、最も好ましくは0.01%〜1%の、下式(I):
(RO)SiO(4−a−b−c)/2
式(I)
[式中、
Rはそれぞれ、H、脂肪族基を介してケイ素に共有結合している芳香族炭化水素ラジカル、炭素環原子を介してケイ素原子に結合している、場合により置換された、一価の芳香族炭化水素ラジカル、及び場合によりヘテロ原子を含む、SiC結合した、場合により置換された一価の脂肪族炭化水素ラジカルからなる群から独立して選択され、
添え字aは、0、1、2又は3であり、
添え字bは、0、1、2又は3であり、
添え字cは、0、1、2又は3であり、
ただし、
上記式(I)の単位のそれぞれについて、添え字a、b及びcの合計が3以下であり、
上記式(I)の単位の1%〜100%が、0以外の添え字cを有し、
上記式(I)の単位の少なくとも50%について、添え字a、b及びcの合計が2であり、
脂肪族基を介してケイ素に共有結合している芳香族炭化水素ラジカル、及び/又は、炭素環原子を介してケイ素原子に結合している、場合により置換された、一価の芳香族炭化水素ラジカルである上記有機変性シリコーン中のR部分のモル百分率の合計が、1mol%〜75mol%、好ましくは5mol%〜50mol%、より好ましくは5mol%〜40mol%であり、好ましくは、上記有機変性シリコーンは、1,000mm/s〜10,000mm/s(1,000cSt〜10,000cSt)、より好ましくは2,000mm/s〜9,000mm/s(2,000cSt〜9,000cSt)、最も好ましくは5,000mm/s〜8,000mm/s(5,000cSt〜8,000cSt))の粘度を有する変性シリコーンと、
b)任意の溶媒と、を含む。
【0040】
好ましくは、上記有機変性シリコーンのR部分の1mol%〜75mol%、好ましくは5mol%〜50mol%、より好ましくは5mol%〜40mol%は、2−フェニルプロピル部分及び/又はフェニル部分からなる群から選択される。
【0041】
好ましくは、上記組成物は、0.001%〜5%、好ましくは0.005%〜3%、より好ましくは0.01%〜2%、最も好ましくは0.01%〜1%の、下式(II):
(RO)SiO(4−d−e)/2
式(II)
[式中、
e)Rはそれぞれ、H、場合によりヘテロ原子を含む、SiC結合し、場合により置換された、一価の脂肪族炭化水素ラジカル、又は脂肪族基を介してケイ素に共有結合した芳香族炭化水素ラジカルから独立して選択され、
f)Rはそれぞれ、H、又は場合によりヘテロ原子を含む、場合により置換された、一価の脂肪族炭化水素ラジカルから独立して選択され、
g)添え字dは、0、1、2又は3であり、
h)添え字eは、0、1、2又は3である]の単位を含むシリコーン樹脂を含む。
【0042】
好ましくは、上記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0043】
好ましくは、一態様において、上記香料原料は、酢酸ベンジル、β−ナフトールメチルエーテル、エチルバニリン、オイゲノール、ヘキシルシンナムアルデヒド、安息香酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、酢酸メチルフェニルカルビニル、3−メチル−5−フェニルペンタノール、2−メトキシ−4−アリルフェノール、4−フェニル−2−メチル−2−ブタノール、1−フェニル−2−メチル−2−プロパノール、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、2−ヘキシル−3−フェニル−2−プロペナール、4−メトキシベンズアルデヒド、アントラニル酸メチル、ベンジルアセトン、1−(4−メトキシフェニル)エタノン、α−メチル−4−(1−メチルエチル)−ベンゼンプロパナール、β−メチル−3−(1−メチルエチル)−ベンゼンプロパナール、2−エチル−α,α−ジメチル−ベンゼンプロパナール、1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサルデヒド、4−メトキシ−α−メチル−ベンゼンプロパナール、2H−1−ベンゾピラン−2−オン、酢酸フェニルエチル、(2,2−ジメトキシエチル)−ベンゼン、オクタヒドロクマリン、1−メトキシ−4−メチルベンゼン、(E)−1−メトキシ−4−(1−プロペニル)ベンゼン、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、メチル(1−メチルエチル)ベンゼン、カンフェン、1−メトキシ−4−メチルベンゼン、酪酸ジメチルベンジルカルビニル、グリシド酸エチルメチルフェニル、イソ酪酸フェニルエチル、1,1’−オキシビスベンゼン、イソ酪酸フェノキシエチル、[2−(3−メトキシブトキシ)エチル]ベンゼン、1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,2,6,8−テトラメチル−1−ナフタレンオール、2,5,5−トリメチル−1,2,3,4,4α,5,6,7−オクタヒドロ−2−ナフタレンオール、2−メトキシナフタレン、2−メチル−ウンデカナール、ヘプタン酸アリル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−6−オールプロパノエート、3,7−ジメチル−trans−2,6−オクタジエン−1−オール、4−メチル−3−デセン−5−オール、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オール、2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール、10−ウンデセ−1−アール、酢酸4,7−メタノ−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロインデン−6−イル、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、テルピネオール、ウンデセナール、ドデカナール、酪酸エチル−2−メチル、酢酸ヘキシル、5−ヘプチルジヒドロ−2(3H)−フラノン、1,1,2,3,3−ペンタメチル−2,5,6,7−テトラヒドロインデン−4−オン、2−メチルペンタン酸エチル、9−デセン−1−オール、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール、3,7,11−トリメチル−1,6,10−ドデカトリエン−3−オール、8−、9−、及び10−ウンデセナール、trans−4−デセナール、4−(オクタヒドロ−4,7−メタノ−5H−インデン−5−イリデン)ブタナール、trans−2−ドデセナール、2−オクタノン、オクタナール、デカナール、6−ブチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン、ウンデセナール、ノナナール、2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール、1−ヒドロキシ−3−デカノン、酢酸(Z)−3−ヘキセン−1−オール、(2−メチルブトキシ)2−プロペニル酢酸エステル、[炭酸、3−ヘキセニルメチルエステル、(Z)−]、cis−2−メチル−4−プロピル−1,3−オキサチアン、カプロン酸アリル、2−オクチン酸メチル、酢酸リナリル、テトラヒドロ−6−ペンチル−2H−ピラン−2−オン、酢酸3,7−ジメチル−6−オクテン−1−イル、5−ヘキシルジヒドロ−2(3H)−フラノン、酢酸ゲラニル、イソ酪酸(Z)−3−ヘキセニル、テトラヒドロ−4−メチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−2H−ピラン、1,3,5−ウンデカトリエン、2−ブテン−1−オン、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、シクロヘキサンメタノール、(1−メチル−2−(1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]−ヘキサ−3−イルメチル)シクロプロピル)メタノール、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−ペンテン−2−オール、2−ペンチルシクロペンタン−1−オール、4−メチル−1−(1−メチルエチル)−3−シクロヘキセン1−オール、5−メチル−2−(1−メチルエチル)−シクロヘキサノール、(E)−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、1−メチル−4−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、(1S)−6,6−ジメチル−2−メチレン−ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、2,6,6−トリメチル−ビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン、1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−シクロヘキセン、2−(2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)プロピル)シクロ−ペンタノン、シクロヘキサンプロパノール、2−(4−メチル−シクロヘキサ−3−エニル)−プロパン−2−オール、6−メトキシジシクロペンタジエンカルボキシアルデヒド、1,7,7−トリメチル−(1R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン、(1S−endo)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、1,3,3−トリメチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン、4−シクロオクテン−1−イルメチルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、上記材料は、酢酸ベンジル、β−ナフトールメチルエーテル、エチルバニリン、オイゲノール、ヘキシルシンナムアルデヒド、安息香酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、酢酸メチルフェニルカルビニル、安息香酸メチル、酢酸メチルフェニルカルビニル、2−ヘキシル−3−フェニル−2−プロペナール、4−メトキシベンズアルデヒド、α−メチル−4−(1−メチルエチル)−ベンゼンプロパナール、β−メチル−3−(1−メチルエチル)−ベンゼンプロパナール、1,1’−オキシビスベンゼン、2−メトキシナフタレン、2−メチル−ウンデカナール、ヘプタン酸アリル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−6−オールプロパノエート、3,7−ジメチル−trans−2,6−オクタジエン−1−オール、4−メチル−3−デセン−5−オール、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オール、2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール、10−ウンデセン−1−アール、酢酸4,7−メタノ−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロインデン−6−イル、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、テルピネオール、ウンデセナール、ドデカナール、酪酸エチル−2−メチル、酢酸ヘキシル、5−ヘプチルジヒドロ−2(3H)−フラノン、2(2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)プロピル)シクロ−ペンタノン、シクロヘキサンプロパノール、2−(4−メチル−シクロヘキサ−3−エニル)−プロパン−2−オール、6−メトキシジシクロペンタジエンカルボキシアルデヒド、1,7,7−トリメチル−(1R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン、(1S−endo)−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、1,3,3−トリメチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン、4−シクロオクテン−1−イルメチルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくは、上記材料は、酢酸ベンジル、β−ナフトールメチルエーテル、エチルバニリン、オイゲノール、ヘキシルシンナムアルデヒド、安息香酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、酢酸メチルフェニルカルビニル、1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン、1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセニル)ペンタ−4−エン−1−オン、ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、α−イソメチルイオノン、エチルトリメチルシクロペンテンブテノール、2−(1,1−ジメチルエチル)−シクロヘキサノールアセタート、1,7,7−トリメチル−酢酸、exo−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、2−プロペニルエステルシクロヘキサンプロパン酸、2−メチル−ウンデカナール、ヘプタン酸アリル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−6−オールプロパノアート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0044】
好ましくは、有機化合物は芳香族部分を含む。
【0045】
好ましくは、上記シリコーン樹脂は、下記式(II):
(RO)SiO(4−d−e)/2
式(II)
[式中、
a)Rはそれぞれ、H、場合によりヘテロ原子を含む、SiC結合し、場合により置換された、一価の脂肪族炭化水素ラジカル、又は脂肪族基を介してケイ素に共有結合した芳香族炭化水素ラジカルから独立して選択され、
b)Rはそれぞれ、H、又は場合によりヘテロ原子を含む、場合により置換された、一価の脂肪族炭化水素ラジカルから独立して選択され、
c)添え字dは、0、1、2又は3であり、
d)添え字eは、0、1、2又は3である]の単位を含む。
【0046】
好ましくは、上記組成物は、色調ケアポリマー、付着助剤、界面活性剤強化ポリマー、pH調節剤、製品色調安定剤、保存剤、溶媒、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白活性化剤、ポリマー分散化剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、UV吸収剤、上記有機材料以外の香料、香料送達系、構造弾性化剤、増粘剤/構造化剤、布地柔軟剤、ヒドロトロープ、オリゴアミン、加工助剤、色調剤、及び/又は顔料からなる群から選択される補助成分を含む。
【0047】
好ましくは、
a)上記布地柔軟剤活性物質は、ポリグリセロールエステル、油性糖誘導体、ワックスエマルション、脂肪酸、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タロウオイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N−(2ヒドロキシエチル)N−メチルアンモニウムメチルサルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
b)上記付着助剤ポリマーは、上記組成物のpHにおいて、0.005meq/g〜23meq/g、好ましくは0.01meq/g〜12meq/g、最も好ましくは0.1meq/g〜7meq/gのカチオン電荷を有するカチオン性ポリマーを含み、
c)上記香料送達系は、香料マイクロカプセル又は水分活性化香料マイクロカプセル(マイクロカプセルは、ポリアクリレート、及び/又はアルデヒドにより架橋されたポリマーを含むシェルを含み、好ましくは上記シェルは、ポリアクリレート、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミン、アルデヒドにより架橋された尿素、又はアルデヒドにより架橋されたメラミンからなる群から選択されるポリマーを含み、より好ましくは上記ポリマーは、メラミン−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、フェノール−ホルムアルデヒド、又はホルムアルデヒドとの他の縮合ポリマーからなる群から選択される)、香料担体、及びカプセル化香料組成物(上記香料担体は、シクロデキストリン、デンプンマイクロカプセル、多孔質担体マイクロカプセル、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る)とからなる群から選択される構成成分を含み、
d)上記酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、マンナーゼ、セルラーゼ、キシログルカナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
e)上記構造化剤は、水素化ヒマシ油;水素化ヒマシ油の誘導体;微小繊維状セルロース;ヒドロキシ官能性結晶性材料、長鎖脂肪酸アルコール、12−ヒドロキシステアリン酸;粘土;及びこれらの混合物からなる群から選択され、
f)上記ポリマー分散化剤は、ポリカルボキシレート、汚れ放出ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、双性エトキシル化四級化硫酸化ヘキサメチレンジアミン、アルコキシル化ポリアルキレンイミン、エトキシル化ポリアミン、ポリエチレングリコール−ポリビニルアセテートからなる群から選択され、
g)上記色調剤は、低分子染料、ポリマー染料、染料粘土複合体及び顔料からなる群から選択される群から選択され、
h)上記オリゴアミンは、ポリエーテルアミンからなる群から選択され、
i)これらの混合物。
【0048】
好ましくは上記組成物は、アニオン性界面活性剤を含み、好ましくは上記アニオン性界面活性剤は、C〜C18アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、C10〜C20アルキルサルフェート界面活性剤と、C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤であって、1〜30の平均アルコキシル化度を有しかつアルコキシはC〜C鎖を含む、C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。上記組成物がアニオン性界面活性剤を含む場合、組成物は別の界面活性剤を含むことができるが、多くの場合は、カチオン性界面活性剤又はカチオン性布地柔軟剤活性物質を含まない。
【0049】
好ましくは上記組成物は、布地柔軟剤活性物質を含み、好ましくは上記布地柔軟剤活性物質は、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タロウオイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N−(2ヒドロキシエチル)N−メチルアンモニウムメチルサルフェート、ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムメチルサルフェート脂肪酸エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0050】
好ましくは上記組成物は、1種以上のエステルクワットを含む布地柔軟剤活性物質を含み、好ましくは上記エステルクワットは、塩化メチル又は硫酸ジメチルで完全又は部分的に四級化された、メチルジエタノールアミンと1種以上の脂肪酸との1:1.5〜1:2の範囲のモル比の反応生成物;硫酸ジメチルで完全又は部分的に四級化された、トリエタノールアミンと1種以上の脂肪酸とを1:1.5〜1:2.1の範囲のモル比で混合した場合の反応生成物;及び/又は、硫酸ジメチルで完全又は部分的に四級化された、メチルジエタノールアミンと脂肪酸との反応生成物であり、好ましくは、上記1種以上の脂肪酸は8〜24個の炭素原子を有しかつ0〜100、好ましくは5〜80、より好ましくは15〜70、最も好ましくは18〜56のヨウ素価を有する。
【0051】
製造方法
本明細書に開示され、かつ/又は特許請求される分子及び組成物は、実施例を含む本明細書の教示に従って製造することができる。
【0052】
本明細書に開示され、かつ/又は特許請求される消費者製品は、実施例を含む本明細書の教示に従って製造することができる。一態様では、かかる組成物は、本明細書に開示され、かつ/又は特許請求される1種類以上の分子を加え合わせることにより製造することができる。
【0053】
使用方法
一態様では、部位を処理及び/又はきれいにする方法であって、
a)必要に応じて、上記部位を洗浄及び/又はすすぐことと、
b)上記部位を、本明細書に開示又は特許請求される消泡剤組成物及び/又はクリーニング又は処理組成物を接触させることと、
c)必要に応じて、上記部位を洗浄及び/又はすすぐことと、
d)必要に応じて、上記部位を受動的又は能動的乾燥により乾燥することと、を含む、方法
が開示される。
【0054】
補助物質
本発明の各消費者向け製品実施形態に必須ではないが、以下に例示される補助剤の非限定的なリストは、本クリーニング又は処理組成物における使用に好適であり、例えば、性能を補助若しくは向上させるために、クリーニングされる基材の処理のために、又は香料、着色剤、染料などを用いる場合のように組成物の審美性を変化させるために、望ましくは本発明の特定の実施形態に組み込まれてもよい。これらの追加の構成成分の正確な性質及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理形態及び使用される作業の性質に依存する。適当な補助物質としては、これらに限定されるものではないが、界面活性剤、色調ケアポリマー、付着助剤、界面活性剤強化ポリマー、pH調節剤、製品色調安定剤、保存剤、溶媒、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白活性化剤、ポリマー分散化剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、UV吸収剤、上記有機材料以外の香料、香料送達系、構造弾性化剤、増粘剤/構造化剤、布地柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、オリゴアミン、加工助剤、色調剤、及び/又は顔料が挙げられる。
【0055】
上述のように、補助成分は、本発明の各消費者向け製品実施形態に必須のものではない。したがって、本出願者らの組成物の特定の実施形態は、以下の補助成分:界面活性剤、色調ケアポリマー、付着助剤、界面活性剤強化ポリマー、pH調節剤、製品色調安定剤、保存剤、溶媒、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白活性化剤、ポリマー分散化剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、UV吸収剤、香料及び香料送達系、構造弾性化剤、増粘剤/構造化剤、布地柔軟剤、担体、向水性物質、オリゴアミン、加工助剤、色調剤、及び/又は顔料のうちの1種以上を含有しない。しかし、1種以上の補助剤が存在する場合、このような1種以上の補助剤は、以下に詳述されているとおり存在してもよい。
【0056】
界面活性剤
いくつかの例では、追加の界面活性剤は、1種以上のアニオン性界面活性剤を含む。いくつかの例では、追加の界面活性剤は、1種以上のアニオン性界面活性剤から本質的になってもよく、又は更には1種以上のアニオン性界面活性剤からなってもよい。
【0057】
好適なアニオン性界面活性剤の具体的な非限定例としては、任意の従来のアニオン性界面活性剤が挙げられる。これは、例えばアルコキシル化及び/又は非アルコキシル化アルキル硫酸塩材料用の硫酸塩洗浄性界面活性剤、及び/又はスルホン酸系洗浄性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩を含んでもよい。
【0058】
アルコキシル化アルキル硫酸塩材料は、アルキルエーテル硫酸塩又はアルキルポリエトキシレート硫酸塩としても既知のエトキシル化アルキル硫酸塩界面活性剤を含む。エトキシル化アルキル硫酸塩の例としては、水溶性塩、特に約8個〜約30個の炭素原子を含有するアルキル基並びにスルホン酸及びその塩を分子構造の中に有する有機硫黄反応生成物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びアルキロールアンモニウム塩が挙げられる。(「アルキル」という用語には、アシル基のアルキル部分が含まれる。いくつかの例では、アルキル基は、約15個の炭素原子〜約30個の炭素原子を含有する。他の例では、アルキルエーテルサルフェート界面活性剤は、約12〜30個の炭素原子の範囲内の平均(算術平均)炭素鎖長、及びいくつかの例では約12〜15個の炭素原子の平均炭素鎖長、並びに約1mol〜4molのエチレンオキシドの平均(算術平均)エトキシル化度、及びいくつかの例では約1.8molから約4molのエチレンオキシドの平均(算術平均)エトキシル化度を有する、アルキルエーテルサルフェートの混合物であってもよい。更なる例では、アルキルエーテル硫酸塩界面活性剤は、約10個の炭素原子〜約18個の炭素原子の炭素鎖長、及び約1〜約6モルのエチレンオキシドのエトキシル化度を有してもよい。更なる例では、本アルキルエーテルサルフェート界面活性剤は、ピークのあるエトキシル化分布を含んでもよい。
【0059】
非エトキシル化アルキルサルフェートはまた、開示されているクリーニング組成物に添加されて、アニオン性界面活性剤の構成成分として使用されてもよい。非アルコキシル化、例えば非エトキシル化アルキル硫酸塩界面活性剤の例としては、高級C〜C20脂肪族アルコールの硫酸化により生成されるものが挙げられる。いくつかの例では、一級アルキル硫酸塩界面活性剤は、一般式:ROSOを有し、式中、Rは典型的には、線状C〜C20ヒドロカルビル基であり(この基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい)、Mは、水溶化カチオンである。いくつかの例では、Rは、C10〜C15アルキルであり、Mは、アルカリ金属である。他の例では、Rは、C12〜C14アルキルであり、Mは、ナトリウムである。
【0060】
他の有用なアニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホネートのアルカリ金属塩を挙げることができ、このアルカリ金属塩では、アルキル基は、約9〜約15個の炭素原子を直鎖(線状)又は分枝鎖の構造で含み、例えば、米国特許第2,220,099号及び同第2,477,383号に記載されているタイプのものである。いくつかの例では、アルキル基は、線状である。そのような線状アルキルベンゼンスルホン酸塩は、「LAS」として既知である。他の例では、線状アルキルベンゼンスルホン酸塩は、アルキル基中に約11〜14個の平均炭素原子数を有してもよい。具体的な例では、線状直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩は、アルキル基中約11.8個の炭素原子の平均炭素原子数を有し得、C11.8LASと略称され得る。
【0061】
好適なアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)は、市販の線状アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得ることができる。好適なLABとしては、Sasolにより商品名Isochem(登録商標)として供給されているもの又はPetresaにより商品名Petrelab(登録商標)として供給されているものなどの低2−フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABとしては、Sasolにより商品名Hyblene(登録商標)として供給されているものなどの高2−フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、DETAL触媒プロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホン酸塩であるが、HFなどの他の合成経路が好適な場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩を用いる。
【0062】
洗浄性界面活性剤は、中鎖分枝状洗浄性界面活性剤、一態様では、中鎖分枝状アニオン性洗浄性界面活性剤、一態様では、中鎖分枝状アルキルサルフェート及び/又は中鎖分枝状アルキルベンゼンスルホネート、例えば、中鎖分枝状アルキルサルフェートであってもよい。一態様では、中鎖分枝は、C1〜4アルキル基、通常、メチル及び/又はエチル基である。
【0063】
本明細書で有用な他のアニオン性界面活性剤は、約8〜約24個(いくつかの例では、約12〜18個)の炭素原子を含有するパラフィンスルホネート及び二級アルカンスルホネートの水溶性塩;アルキルグリセリルエーテルスルホネート、特にC8〜18アルコール(例えば、獣脂及びココナッツ油由来のもの)のこれらのエーテルである。アルキルベンゼンスルホネートと、上述のパラフィンスルホネート、二級アルカンスルホネート及びアルキルグリセリルエーテルスルホネートとの混合物も有用である。更なる好適なアニオン性界面活性剤としては、メチルエステルスルホネート及びアルキルエーテルカルボキシレートが挙げられる。
【0064】
アニオン性界面活性剤は酸形態で存在してもよく、酸形態は中和されて界面活性剤塩を形成してもよい。典型的な中和剤としては、水酸化物、例えばNaOH又はKOHなどの金属対イオン塩基が挙げられる。酸形態のアニオン性界面活性剤の更なる好適な中和剤としては、アンモニア、アミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンの非限定例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び当該技術分野において既知の他の直鎖状又は分枝状アルカノールアミンが挙げられる。好適なアルカノールアミンとしては、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン、又は1−アミノ−3−プロパノールが挙げられる。アミン中和は完全又は部分的に行われてもよく、例えば、アニオン性界面活性剤混合物の一部はナトリウム又はカリウムにより中和されてもよく、及びアニオン性界面活性剤混合物の一部はアミン又はアルカノールアミンにより中和されてもよい。
【0065】
非イオン性界面活性剤
いくつかの態様では、追加の界面活性剤は、1つ以上の非イオン性界面活性剤を含む。特定の態様では、洗剤組成物は、本組成物の重量基準で、約0.1%〜約40%の、1つ以上の非イオン性界面活性剤から選択される追加の界面活性剤を含む。特定の態様では、洗剤組成物は、本組成物の重量基準で、約0.1%〜約15%の、1つ以上の非イオン性界面活性剤から選択される追加の界面活性剤を含む。更なる態様では、洗剤組成物は、本組成物の重量基準で、約0.3%〜約10%の、1つ以上の非イオン性界面活性剤から選択される追加の界面活性剤を含む。
【0066】
本明細書で有用な好適な非イオン性界面活性剤は、任意の従来の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。これらには、例えば、アルコキシル化脂肪族アルコール、及びアミンオキシド界面活性剤が含まれ得る。いくつかの例では、クリーニング組成物は、エトキシル化非イオン性界面活性剤を含有してもよい。非イオン性界面活性剤は、式R(OCOH(式中、Rは、約8〜約17個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカル、及びアルキル基が約8〜約12個の炭素原子を含有するアルキルフェニルラジカルからなる群から選択され、nの平均値は、約5〜約15である)のエトキシル化アルコール及びエトキシル化アルキルフェノールから選択され得る。一例では、非イオン性界面活性剤は、アルコール中に平均約24個の炭素原子及びアルコール1モルあたりエチレンオキシド約9モルの平均エトキシル化度を有するエトキシル化アルコールから選択される。
【0067】
本明細書で有用な、非イオン性界面活性剤の他の非限定例としては、C〜C18アルキルエトキシレート(NEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤(Shell)など);アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であり得る、C〜C12のアルキルフェノールアルコキシレート;C12〜C18アルコール、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC〜C12アルキルフェノール縮合物(Pluronic(登録商標)(BASF)など);C14〜C22中鎖分枝状アルコール、アルキルポリ多糖、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド及びエーテルキャップされた(capped)ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0068】
好適な非イオン性洗浄性界面活性剤はまた、アルキルポリグルコシド及びアルキルアルコキシル化アルコールを含む。好適な非イオン性界面活性剤はまた、商品名Lutensol(登録商標)としてBASFから販売されているものを含む。
【0069】
いくつかの態様では、非イオン性界面活性剤は、C18アルキルアルコキシル化アルコール、例えば、C18アルキルエトキシル化アルコールなどのアルキルアルコキシル化アルコールから選択される。アルキルアルコキシル化アルコールは、約1〜約50、又は約1〜約30、又は約1〜約20、又は約1〜約10の平均アルコキシル化度を有することができる。特定の態様では、アルキルアルコキシル化アルコールは、約1〜約10、又は約1〜約7、又は約1〜約5、又は約3〜約7の平均エトキシル化度を有するC18アルキルエトキシル化アルコールである。アルキルアルコキシル化アルコールは、線状又は分枝状、置換又は非置換であり得る。
【0070】
カチオン性界面活性剤
いくつかの例では、追加の界面活性剤は、1つ以上のカチオン性界面活性剤を含む。
【0071】
特定の態様では、洗剤組成物は、本組成物の重量基準で、約0.1%〜約10%の、1つ以上のカチオン性界面活性剤から選択される追加の界面活性剤を含む。特定の態様では、洗剤組成物は、本組成物の重量基準で、約0.1%〜約7%の、1つ以上のカチオン性界面活性剤から選択される追加の界面活性剤を含む。更なる態様では、洗剤組成物は、本組成物の重量基準で、約0.3%〜約5%の、1つ以上のカチオン性界面活性剤から選択される追加の界面活性剤を含む。いくつかの態様では、本発明のクリーニング組成物は、カチオン性界面活性剤、及びpH7未満又はpH6未満でカチオン性となる界面活性剤を実質的に含まない。
【0072】
カチオン性界面活性剤の非限定例としては、四級アンモニウム界面活性剤(最高26個の炭素原子を有することができ、アルコキシル化四級アンモニウム(AQA)界面活性剤、ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリドを含む);ポリアミンカチオン性界面活性剤;カチオン性エステル界面活性剤及びアミノ界面活性剤、詳細には、アミドプロピルジメチルアミン(APA)及び/又はトリメチルアンモニウムC8〜16アルキル塩が挙げられる。
【0073】
好適なカチオン性洗浄性界面活性剤としてはまた、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0074】
好適カチオン性浄性界面活性剤は、下記の一般式:
(R)(R)(R)(R)N
[式中、Rは、線状又は分枝状、置換又は非置換のC6〜18アルキル又はアルケニル部分であり、R及びRは、独立して、メチル又はエチル部分から選択され、Rは、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、又はヒドロキシエチル部分であり、Xは、電荷の中性を提供するアニオンであり、好適なアニオンとしては、例えばクロリドのようなハロゲン化物;硫酸塩;及びスルホン酸塩が挙げられる]を有する四級アンモニウム化合物である。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノ−C6〜18アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル四級アンモニウムクロリドである。高度に好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノ−C8〜10アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル四級アンモニウムクロリド、モノ−C10〜12アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル四級アンモニウムクロリド、及びモノ−C10アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル四級アンモニウムクロリドである。
【0075】
双性イオン性界面活性剤
双性イオン性界面活性剤の例としては、二級及び三級アミン誘導体、複素環式二級及び三級アミン誘導体、又は四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。具体例としては、C〜C18(例えば、C12〜C18)アミンオキシド、並びにN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ−1−プロパンスルホネートなどのスルホ及びヒドロキシベタインが挙げられる(ここで、アルキル基は、C〜C18、特定の実施形態ではC10〜C14とすることができる)。
【0076】
両性界面活性剤
両性界面活性剤の例としては、二級又は三級アミンの脂肪族誘導体、又は複素環式二級及び三級アミンの脂肪族誘導体(脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であってもよく、脂肪族置換基の1つが少なくとも約8個の炭素原子、通常、約8〜約18個の炭素原子を含有し、脂肪族置換基の少なくとも1つはアニオン性水溶性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェートを含む)が挙げられる。この定義の範囲内に入る化合物の例は、ナトリウム3−(ドデシルアミノ)プロピオネート、ナトリウム3−(ドデシルアミノ)プロパン−1−スルホネート、ナトリウム2−(ドデシルアミノ)エチルサルフェート、ナトリウム2−(ジメチルアミノ)オクタデカノエート、ジナトリウム3−(N−カルボキシメチルドデシルアミノ)プロパン1−スルホネート、ジナトリウムオクタデシル−イミノジアセテート、ナトリウム1−カルボキシメチル−2−ウンデシルイミダゾール、及びナトリウムN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−スルファト−3−ドデコキシプロピルアミンである。好適な両性界面活性剤としては、また、サルコシネート、グリコシネート、タウリネート、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0077】
分枝状界面活性剤
いくつかの例では、界面活性剤は分枝状界面活性剤であってもよく、好適な分枝状界面活性剤としては、分枝状サルフェート又は分枝状スルホネート界面活性剤、例えば、分枝状アルキルサルフェート、分枝状アルキルアルコキシル化サルフェート、及び分枝状アルキルベンゼンスルホネートから選択され、1つ以上のランダムアルキル分枝、例えば、C1〜4アルキル基、通常、メチル基及び/又はエチル基を含む、アニオン性分枝状界面活性剤が挙げられる。
【0078】
いくつかの態様では、分枝状洗浄性界面活性剤は、中鎖分枝状洗浄性界面活性剤、通常、中鎖分枝状アニオン性洗浄性界面活性剤、例えば、中鎖分枝状アルキルサルフェート及び/又は中鎖分枝状アルキルベンゼンスルホネートである。いくつかの態様では、洗浄性界面活性剤は、中鎖分枝状アルキルサルフェートである。いくつかの態様では、中鎖分枝は、C1〜4アルキル基、通常、メチル基及び/又はエチル基である。
【0079】
酵素
本明細書において記載されているクリーニング組成物は、クリーニング性能及び/又は布地ケア効果をもたらす1つ以上の酵素を含み得る。好適な酵素の例としては、以下に限定されないが、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、キシログルカナーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はそれらの混合物が挙げられる。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼと共に含んでよい酵素カクテルである。前述の追加の酵素は、洗剤組成物中に存在する場合、洗剤組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更には約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質レベルで存在し得る。
【0080】
一態様では、好ましい酵素は、プロテアーゼを含む場合がある。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、例えば、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物、又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に改変された突然変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
(a)サブチリシン(EC 3.4.21.62)(Bacillus lentus、B.alkalophilus、B.subtilis、B.amyloliquefaciens、Bacillus pumilus及びBacillus gibsoniiなどのバチルスから誘導されたものを含む)。
(b)トリプシン(例えば、ブタ又はウシ由来)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ(フサリウム(Fusarium)プロテアーゼなど)。
(c)メタロプロテアーゼ(Bacillus amyloliquefaciensから誘導されたものを含む)。好ましいプロテアーゼとしては、Bacillus gibsonii又はBacillus Lentusから誘導されたものが挙げられる。
【0081】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Novozymes A/S(Denmark)より、Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Genencor Internationalより、Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)の商品名で販売されているもの、Solvay Enzymesより、Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Henkel/Kemiraより入手可能なもの、すなわちBLAP(以下の突然変異S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sを有する、米国特許第5,352,604号の図29で示される配列、以下BLAPという)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)(全てHenkel/Kemiraより入手可能)、並びに花王のKAP(突然変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィルス由来のサブチリシン)が挙げられる。
【0082】
好適なα−アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的又は遺伝的に改変された突然変異体(変異体)が含まれる。好ましいアルカリ性α−アミラーゼは、バチルスの菌種、例えば、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・ステロサーモフィラス、バチルス・ズブチルス又は他のバチルス種、例えばバチルス種NCIB12289、NCIB12512、NCIB12513、DSM9375(米国特許第7,153,818号)、DSM12368、DSMZ番号12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)に由来する。好ましいアミラーゼとしては、以下が挙げられる:
(a)国際公開第96/23874号において配列番号2として列挙されている酵素に対して、位置:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408、及び444のうちの1つ以上において置換を有する変異体。
(b)配列番号12として列挙されているAA560酵素に対して、位置:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上が置換されている変異体、好ましくはD183及びG184の欠失も含有する変異体。
(c)国際公開第06/002643号における配列番号4、バチルス属SP722由来の野生型酵素と少なくとも90%の同一性を示す変異体、特に183及び184位に欠失を有する変異体、並びに参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第00/60060号に記載されている変異体。
(d)バチルス種707(米国特許第6,093,562号の配列番号7)由来の野生型酵素と少なくとも95%の同一性を示す変異体、特に以下の突然変異:M202、M208、S255、R172及び/又はM261のうちの1つ以上含をむもの。好ましくは、上記アミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。特に好ましいのは、M202L又はM202T突然変異を含むものである。
(e)国際公開第09/149130号に記載されている変異体、好ましくは国際公開第09/149130号において配列番号1又は配列番号2と少なくとも90%の同一性を有する変異体、ゲオバチルス・ステアロフェルモフィルス(Geobacillus Stearophermophilus)に由来する野生型酵素又はその切断版。
【0083】
好適な市販のα−アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A−1200 Wien Austria)、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)及びPURASTAR OXAM(登録商標)(Genencor International Inc.,(Palo Alto,California);並びにKAM(登録商標)(花王株式会社(日本、103−8210、東京都中央区日本橋茅場町1丁目14−10))が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0084】
一態様では、こうした酵素は、「第1のサイクルのリパーゼ」を含む、リパーゼからなる群から選択され得る。一態様では、リパーゼは第1の洗浄用リパーゼ、好ましくは、T231R及びN233Rのうちの1つ以上を含む、サーモマイセスラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来の野生型リパーゼの変異体である。野生型配列は、Swissprotアクセッション番号Swiss−Prot O59952(サーモマイセスラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)(フミコーラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)由来)の269個のアミノ酸(アミノ酸23〜291)である。好ましいリパーゼとしては、商品名Lipex(登録商標)及びLipolex(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
【0085】
一態様では、他の好ましい酵素としては、エンド−β−1,4−グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を呈する微生物由来のエンドグルカナーゼが挙げられ、それには米国特許第7,141,403(B2)号におけるアミノ酸配列の配列番号2と少なくとも90%、94%、97%、及び更には99%の同一性の配列を有するバチルス属のメンバー、並びにこれらの混合物に対して内因性である細菌ポリペプチドが含まれる。好適なエンドグルカナーゼは、商標名Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)として販売されている。
【0086】
他の好ましい酵素としては、商標名Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、Xpect(登録商標)として販売されているペクチン酸リアーゼ、並びに商標名Mannaway(登録商標)(全てNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)製)及びPurabrite(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))として販売されているマンナナーゼが挙げられる。
【0087】
酵素安定化系
本明細書において記載されている酵素含有組成物は、場合により、当該組成物の重量基準で、約0.001%〜約10%、いくつかの例では、約0.005%〜約8%、及び他の例では、約0.01%〜約6%の酵素安定化系を含んでもよい。酵素安定化系は、洗浄性酵素と適合性のある任意の安定化系であってよい。そのような系は、他の配合物活性物質によって本質的に提供されてもよく、又は洗剤に使用可能な酵素の配合者若しくは製造業者によって別個に添加されてもよい。そのような安定化系は、例えば、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、短鎖カルボン酸、ボロン酸、塩素漂白剤捕捉剤、及びこれらの混合物が含むことができ、クリーニング組成物のタイプ及び物理形態に応じて様々な安定化問題に対処するように設計される。プロテアーゼを含む水性洗剤組成物の場合は、ボレート、4−ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン、酸及びこれらの誘導体を含むホウ素化合物などの可逆的プロテアーゼ阻害剤、又はカルシウムホルメート、ナトリウムホルメート及び1,2−プロパンジオールなどの化合物を添加して、安定性を更に改善してもよい。
【0088】
ビルダー
本発明のクリーニング組成物は、場合により、ビルダーを含んでもよい。ビルダー入りクリーニング組成物は、典型的には、当該組成物の総重量に対して、少なくとも約1%のビルダーを含む。液体クリーニング組成物は、当該組成物の総重量の最大約10%、及びいくつかの例では、最大8%のビルダーを含み得る。顆粒クリーニング組成物は、当該組成物の重量基準で、最大約30%、及びいくつかの例では、最大5%のビルダーを含み得る。
【0089】
アルミノシリケート(例えば、ゼオライトA、ゼオライトP、及びゼオライトMAPなどのゼオライトビルダー)及びシリケートから選択されるビルダーは、洗浄水の鉱物質硬度、特にカルシウム及び/又はマグネシウムの制御、又は表面からの微粒子汚れの除去を助ける。好適なビルダーは、ポリリン酸塩(例えばナトリウムトリ−ポリリン酸塩)、特にそのナトリウム塩などのリン酸塩;炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及び炭酸ナトリウム又はセスキ炭酸塩以外の炭酸塩鉱物;有機モノ−、ジ−、トリ−、及びテトラカルボキシレート、特に、酸、ナトリウム、カリウム、又はアルカノールアンモニウム塩形態の水溶性非界面活性剤カルボキシレート、並びに脂肪族及び芳香族の種類を含むオリゴマー又は水溶性低分子量ポリマーカルボキシレート、並びにフィチン酸からなる群から選択される。これらは、例えば、pH緩衝化の目的のためのホウ酸塩によって、又は硫酸塩、とりわけ硫酸ナトリウム、及び安定な界面活性剤及び/又はビルダー含有清浄組成物の工学に重要となり得る任意の他の充填剤又は担体によって補完されてもよい。更なる好適なビルダーは、クエン酸、乳酸、脂肪酸、ポリカルボキシレートビルダー、例えばアクリル酸のコポリマー、アクリル酸及びマレイン酸のコポリマー、並びにアクリル酸及び/又はマレイン酸、及び多様な種類の追加の官能基を有する他の好適なエチレン系モノマーのコポリマーから選択されてもよい。また、本明細書のビルダーとしての使用に好適なものは、鎖構造を有し、次の一般的な無水物形態:x(MO)・ySiO・zM’O(式中、MはNa及び/又はKであり、M’はCa及び/又はMgであり;y/xは、0.5〜2.0であり;z/xは、0.005〜1.0である)によって表される組成を有する、合成された結晶性イオン交換材料又はその水和物である。
【0090】
代替的に、組成物はビルダーを実質的に含まなくてもよい。
【0091】
構造化剤/増粘剤
i.ジ−ベンジリデンポリオールアセタール誘導体
流体洗剤組成物は、約0.01重量%〜約1重量%、又は約0.05重量%〜約0.8重量%、又は約0.1重量%〜約0.6重量%、又は更には約0.3重量%〜約0.5重量%のジベンジリデンポリオールアセタール誘導体(DBPA)を含むことができる。好適なDBPA分子の非限定例は、米国特許第61/167604号に開示されている。一態様では、DBPA誘導体は、ジベンジリデンソルビトールアセタール誘導体(DBS)を含んでもよい。上記DBS誘導体は、以下からなる群から選択され得る:1,3:2,4−ジベンジリデンソルビトール;1,3:2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール;1,3:2,4−ジ(p−クロロベンジリデン)ソルビトール;1,3:2,4−ジ(2,4−ジメチルジベンジリデン)ソルビトール;1,3:2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール;及び1,3:2,4−ジ(3,4−ジメチルジベンジリデン)ソルビトール又はこれらの混合物。
【0092】
ii.細菌セルロース
流体洗剤組成物はまた、約0.005重量%〜約1重量%の細菌セルロース網状構造物を含むことができる。用語「細菌セルロース」は、CPKelco U.S.によるCELLULON(登録商標)などのアセトバクター(Acetobacter)属の細菌の発酵によって生成された任意のタイプのセルロースを包含し、かつミクロフィブリル化セルロース、網状細菌セルロースなどと一般に称される物質を含む。一態様では、上記繊維は、1.6nm〜3.2nm×5.8nm〜133nmの断面寸法を有する。更に、細菌セルロース繊維は、少なくとも約100nm、又は約100〜約1,500nmの平均ミクロ繊維長を有する。一態様では、細菌セルロースミクロ繊維は、約100:1〜約400:1、又は更には約200:1〜約300:1のアスペクト比、すなわち、平均ミクロ繊維長を最大断面ミクロ繊維幅で除算したもの、を有する。
【0093】
iii.被覆された細菌セルロース
一態様では、細菌セルロースは、ポリマー増粘剤により少なくとも部分的にコーティングされている。一態様では、少なくとも部分的にコーティングされている細菌セルロースは、約0.1重量%〜約5重量%、又は更には約0.5重量%〜約3重量%の細菌セルロース;及び約10重量%〜約90重量%のポリマー増粘剤を含む。好適な細菌セルロースは、上述の細菌セルロースを含むことができ、好適なポリマー増粘剤は、カルボキシメチルセルロース、陽イオン性ヒドロキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む。
【0094】
iv.非細菌セルロース由来のセルロース繊維
一態様では、本組成物は、当該組成物の約0.01重量%〜約5重量%のセルロース繊維を更に含むことができる。上記セルロース繊維は、野菜、果物又は木材から抽出することができる。市販の例は、FMC製のAvicel(登録商標)、Fiberstar製のCitri−Fi、又はCosun製のBetafibである。
【0095】
v.非高分子結晶性ヒドロキシ官能性材料
一態様では、本組成物は、当該組成物の約0.01重量%〜約1重量%の非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤を更に含むことができる。上記非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤は、一般的に、最終流体洗剤組成物への分散を補助するために、予め乳化が可能な結晶性グリセリドを含むことができる。一態様では、結晶性グリセリドは、液体洗剤組成物において結晶化させることが可能な限り、水素化ヒマシ油又は「HCO」又はその誘導体を挙げることができる。
【0096】
vi.高分子構造剤
本発明の流体洗剤組成物は、約0.01重量%〜約5重量%の天然由来及び/又は合成のポリマー構造化剤を含むことができる。本発明において使用される天然由来のポリマー構造化剤の例としては、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。適切な多糖類誘導体としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアガム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明において使用する合成ポリマー構造化剤の例としては、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。一態様では、上記ポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの混合物である。別の態様では、ポリアクリレートは、不飽和モノ又はジ炭酸と、(メタ)アクリル酸のC〜C30アルキルエステルとのコポリマーである。上記コポリマーは、Carbopol Aqua 30という商標名でNoveon incから入手可能である。
【0097】
vii.ジアミドゲル化剤
一態様では、外部構造化系は、分子量が約150g/モル〜約1,500g/モル、又は更には約500g/モル〜約900g/モルのジアミドゲル化剤を含み得る。このようなジアミドゲル化剤は、少なくとも2個の窒素原子を含んでよく、当該窒素原子のうちの少なくとも2個は、アミド官能性置換基を形成する。一態様では、アミド基は異なるものである。別の態様では、アミド官能性基は同じものである。
【0098】
有用なジアミドゲル化剤の非限定例は、
N,N’’−(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1−ジイル)ジイソニコチンアミド;ジベンジル(2S,2’S)−1,1’−(プロパン−1,3−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1−ジイル)ジカルバメート;及びジベンジル(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1−ジイル)ジカルバメートである。
【0099】
ポリマー分散剤
洗剤組成物は1つ以上のポリマー分散剤を含んでもよい。例は、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリル酸塩などのポリカルボン酸塩、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びメタクリル酸ラウリル/アクリル酸コポリマーである。
【0100】
洗剤組成物は、次の一般構造:ビス((CO)(CO)n)(CH)−N−C××−N−(CH)−ビス((CO)(CO)n)、(式中、n=20〜30、及びx=3〜8である)を有する化合物、又はその硫酸塩化又はスルホン化種などの1つ以上の両親媒性洗浄ポリマーを含んでもよい。
【0101】
洗剤組成物は、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性と疎水性が釣り合っている両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含んでよい。本発明の両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーの具体的な実施形態は、コア構造及びそのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基を含む。これらは、例えば内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含み得る。このような化合物としては、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びこれらを硫酸化したものが挙げられるが、これらに限定されない。ポリプロポキシル化誘導体も包含させることができる。多種多様なアミン及びポリアルキレンイミンを様々な程度にアルコキシル化することができる。有用な例としては、NH当たり20EO基までエトキシル化されている600g/モルのポリエチレンイミンコアがあり、BASFより入手可能である。本明細書において記載されているクリーニング組成物は、当該クリーニング組成物の重量基準で、約0.1%〜約10%、いくつかの例では、約0.1%〜約8%、及び他の例では、約0.1%〜約6%のアルコキシル化ポリアミンを含んでもよい。
【0102】
ポリアクリレートから調製されるものなどのアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書において、追加のグリース除去性能を提供するのに有用である。化学的に、これら物質は、7〜8個のアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は、式−(CHCHO)(CHCH(式中、mは、2〜3であり、nは、6〜12である)のものである。側鎖は、ポリアクリレート「主鎖」にエステル結合され、「櫛形」ポリマー型構造を提供する。分子量は変動し得るが、典型的には、約2000〜約50,000の範囲内である。本明細書において記載されている洗剤組成物は、クリーニング組成物の重量基準で、約0.1%〜約10%、いくつかの例では、約0.25%〜約5%、及び他の例では、約0.3%〜約2%のアルコキシル化ポリカルボキシレートを含んでもよい。
【0103】
好ましい好適な両親媒性グラフトコポリマーには、両親媒性グラフトコポリマーが、(i)ポリエチレングリコール骨格と;(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分と、を含むことが含まれる。好ましい両親媒性グラフトコポリマーは、BASFから供給されるSokalan(登録商標)HP22である。好適なポリマーとしては、ランダムグラフトコポリマー、好ましくは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリビニルアセテート側鎖とを有するポリビニルアセテートグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーが挙げられる。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は、典型的には約6000であり、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルとの重量比は、約40〜60であり、エチレンオキシド単位50当たり1グラフト点を超えない。
【0104】
カルボキシレートポリマー−本発明の洗剤組成物は、また、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどの1つ以上のカルボキシレートポリマーを含んでもよい。一態様では、カルボキシレートポリマーは、4,000Da〜9,000Da又は6,000Da〜9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマーである。
【0105】
汚れ放出ポリマー−本発明の洗剤組成物はまた、以下の構造(III)、(IV)又は(V):
(III)−[(OCHR−CHR−O−OC−Ar−CO−]
(IV) −[(OCHR−CHR−O−OC−sAr−CO−]
(V) −[(OCHR−CHR−OR
[式中、
a、b及びcは、1〜200であり、
d、e及びfは、1〜50であり、
Arは、1,4−置換フェニレンであり、
sArは、5位がSOMeにより置換された1,3−置換フェニレンであり、
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラアルキルアンモニウム(アルキル基は、C〜C18アルキル又はC〜C10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの混合物であり;
、R、R、R、R、及びRは、独立して、H又はC〜C18n−若しくはイソ−アルキルから選択され、
は、直鎖状若しくは分枝状C〜C18アルキル、又は直鎖状若しくは分枝状C〜C30アルケニル、又は5〜9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC〜C30アリール基、又はC〜C30アリールアルキル基である]の1つにより定義される構造を有する1種以上の汚れ放出ポリマーを含んでもよい。
【0106】
好適な汚れ遊離ポリマーは、Repel−o−texポリマー(例えば、Rhodiaにより供給されているRepel−o−tex SF、SF−2及びSRP6)などのポリエステル汚れ遊離ポリマーである。他の好適な汚れ遊離ポリマーとしては、Texcareポリマー(例えば、Clariantにより供給されているTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325など)が挙げられる。他の好適な汚れ遊離ポリマーは、Marloquestポリマー(例えば、Sasolにより供給されているMarloquest SLなど)である。
【0107】
セルロースポリマー−本発明の消費者製品はまた、アルキルセルロース、アルキルアルコキシルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるものを含む、1種以上のセルロースポリマーを含んでもよい。一態様では、セルロースポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む群から選択される。一態様では、カルボキシメチルセルロースは、0.5〜0.9のカルボキシメチル置換度及び100,000Da〜300,000Daの分子量を有する。
【0108】
アミン
本明細書で記載されるクリーニング組成物において、汚れた素材からのグリース及び粒子の除去を向上するために様々なアミンが使用され得る。本明細書において記載されている洗剤組成物は、清浄組成物の重量基準で、約0.1%〜約10%、いくつかの例では、約0.1%〜約4%、及び他の例では、約0.1%〜約2%の追加アミンを含み得る。アミンの非限定例としては、以下に限定されないが、ポリアミン、オリゴアミン、トリアミン、ジアミン、ペンタアミン、テトラアミン、ポリエーテルアミン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。好適な追加アミンの具体例としては、テトラエチレンペンタアミン、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、ポリエーテルアミン、又はこれらの混合物が挙げられる。一態様では、本明細書において記載されている組成物は、汚れた素材からのグリース及び粒子の除去を向上するためにポリエーテルアミンを含み得る。一態様では、本明細書において記載されている組成物は、クリーニング組成物の重量基準で、約0.1%〜約10%、いくつかの実施例では、約0.1%〜約6%又は約0.2%〜約5%又は約0.1%〜約2%、及び他の例では、約0.5%〜約3%のポリエーテルアミンを含み得る。
【0109】
好適なポリエーテルアミンは、式(IV):
【0110】
【化1】
(式中、R〜Rのそれぞれは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R〜Rのうちの少なくとも1つはHとは異なり、R〜Rのうちの少なくとも1つは、典型的には、2〜8個の炭素原子を有するアルキル基であり、A〜Aのそれぞれは、2〜18個の炭素原子、典型的には2〜10個の炭素原子、より典型的には2〜5個の炭素原子を有する線状又は分枝状アルキレンから独立して選択され、Z〜Zのそれぞれは、OH又はNHから独立して選択され、Z〜Zのうちの少なくとも1つは、NHであり、典型的にはZ及びZのそれぞれは、NHであり、x+yの合計は、約2〜約200、典型的には約2〜約20又は約3〜約20、より典型的には約2〜約10又は約3〜約8又は約4〜約6の範囲内であり、x≧1及びy≧1であり、x+yの合計は、約2〜約200、典型的には約2〜約20又は約3〜約20、より典型的には約2〜約10又は約3〜約8又は約2〜約4の範囲内であり、x≧1及びy≧1である)の構造により表される。
【0111】
好適な別のポリエーテルアミンは、以下の式(VII):
【0112】
【化2】
(式中、R〜R12のそれぞれは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R〜R12のうちの少なくとも1つはHとは異なり、R〜R12のうちの少なくとも1つは、典型的には2〜8個の炭素原子を有するアルキル基であり、A〜Aのそれぞれは、2〜18個の炭素原子、典型的には2〜10個の炭素原子、より典型的には2〜5個の炭素原子を有する線状又は分枝状アルキレンから独立して選択され、Z〜Zのそれぞれは、OH又はNHから独立して選択され、Z〜Zのうちの少なくとも1つは、NHであり、典型的にはZ及びZのそれぞれは、NHであり、x+yの合計は、約2〜約200、典型的には約2〜約20又は約3〜約20、より典型的には約2〜約10又は約3〜約8又は約2〜約4の範囲内であり、x≧1及びy≧1であり、x+yの合計は、約2〜約200、典型的には約2〜約20又は約3〜約20、より典型的には約2〜約10又は約3〜約8又は約2〜約4の範囲内であり、x≧1及びy≧1である)の構造により表される。
【0113】
好適な別のポリエーテルアミンは、以下の式(VIII):
【0114】
【化3】
の構造により表される。
【0115】
溶媒−好適な溶媒としては、以下に限定されないが、水、アルコール、パラフィン、グリコール、グリセロール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0116】
漂白剤−本発明の洗剤組成物は、1つ以上の漂白剤を含んでよい。漂白触媒以外の好適な漂白剤は、光触媒、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、及びこれらの混合物を含む。一般に、漂白剤を用いる場合、本発明の洗剤組成物は、洗剤組成物の約0.1重量%〜約50重量%、又は更には約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤を含み得る。好適な漂白剤の例としては以下が挙げられる。
(1)光漂白剤、例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、及びこれらの混合物、
(2)予め形成させた過酸:好適な予め形成させた過酸としては、以下に限定されないが、過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩、例えば、Oxone(登録商標)、並びにそれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられる。好適な過カルボン酸としては、式R−(C=O)O−O−M(式中、Rはアルキル基であり、場合により分岐しており、過酸が疎水性の場合、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有しており、過酸が親水性の場合、6個未満の炭素原子、又は更には4個未満の炭素原子を有しており;Mは、対イオン、例えば、ナトリウム、カリウム又は水素である)を有する疎水性及び親水性過酸が挙げられる。
(3)過酸化水素源、例えば、過ホウ酸塩(通常、一水和物又は四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、及びこれらの混合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む、無機過水和物の塩。本発明の一態様では、無機過水和物の塩は、過ホウ酸ナトリウム塩、過炭酸ナトリウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。無機過水和物の塩は、使用する場合、典型的には、布地ケア及びホームケア製品全体の0.05〜40重量%又は1〜30重量%の量で存在し、典型的には、コーティングされ得る結晶性固体としてこのような布地ケア及びホームケア製品に配合される。好適なコーティングとしては、無機塩、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩、炭酸塩若しくはホウ酸塩、又はこれらの混合物、又は有機物質、例えば、水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油又は脂肪石鹸などが挙げられる。
(4)R−(C=O)−L(式中、Rはアルキル基であり、場合により分岐しており、漂白活性化剤が疎水性である場合、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有しており、漂白活性化剤が親水性である場合、6個未満の炭素原子又は更には4個未満の炭素原子を有しており、Lは脱離基である)を有する漂白活性化剤。好適な脱離基の例は、安息香酸及びその誘導体、特にベンゼンスルホネートである。好適な漂白活性化剤としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。任意の好適な漂白活性化剤を使用してよいが、一態様では、対象組成物は、NOBS、TAED、又はこれらの混合物を含んでいてよい。
【0117】
過酸及び/又は漂白活性剤は、存在する場合、一般に、布地ケア及びホームケア製品に対して、約0.1重量%〜約60重量%、約0.5重量%〜約40重量%、又は更には約0.6重量%〜約10重量%の量で洗剤組成物中に存在する。1種以上の疎水性過酸又はその前駆体は、1種以上の親水性過酸又はその前駆体と組み合わせて使用することができる。
【0118】
有効酸素(過酸化物源由来)の過酸に対するモル比が1:1〜35:1、又は更には2:1〜10:1になるように、過酸化水素源及び過酸又は漂白活性化剤の量を選択してよい。
【0119】
漂白触媒−本発明の洗剤組成物はまた、ペルオキシ酸及び/又はその塩から酸素原子を受け取り、その酸素原子を酸化可能な基質に移送することができる1つ以上の漂白触媒を含み得る。好適な漂白触媒は、イミニウムカチオン及びポリイオン;イミニウム双性イオン;修飾アミン;修飾アミンオキシド;N−スルホニルイミン;N−ホスホニルイミン;N−アシルイミン;チアジアゾールジオキシド;ペルフルオロイミン;環状糖ケトン、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0120】
別の態様では、洗濯洗剤組成物は漂白成分を含み、この漂白成分は、0以下、−0.5以下、−1.0以下、−1.5以下、−2.0以下、−2.5以下、−3.0以下、又は更には−3.5以下のlogPo/wを有する。logPo/wを判定するための方法は、以下でより詳細に説明する。
【0121】
通常、漂白成分は、0.01〜約0.30、0.05〜約0.25、又は更には約0.10〜0.20のXSOを有する漂白性化学種を発生することが可能である。XSOを判定するための方法は、以下でより詳細に説明する。例えば、イソキノリニウム構造を有する漂白成分は、オキサジリジニウム構造を有する漂白性化学種を生成することが可能である。この例では、XSOは、オキサジリジニウム漂白性化学種のものである。
【0122】
一態様では、漂白触媒は、以下の一般式:
【0123】
【化4】
(式中、R13は、2−エチルヘキシル、2−プロピルへプチル、2−ブチルオクチル、2−ペンチルノニル、2−ヘキシルデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、イソ−ノニル、イソ−デシル、イソ−トリデシル及びイソ−ペンタデシルからなる群から選択される)に対応する構造を有する。
【0124】
Log Po/wは、Brooke,D.N.、Dobbs,A.J.、Williams,N、Ecotoxicology and Environmental Safety(1986年)11巻(3号):251〜260頁に見出される方法に従って判定する。パラメータXSOは、Adam,W.、Haas,W.、Lohray,B.B.Journal of the American Chemical Society(1991年)113巻(16号)6202〜6208頁に記載されている方法に従って判定する。
【0125】
増白剤
光学増白剤若しくはその他の増白剤、又は白化剤は、組成物の重量基準で、約0.01%〜約1.2%のレベルで、本明細書において記載されているクリーニング組成物に配合することができる。本発明に好適な市販の蛍光増白剤は、サブグループに分類することができ、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、ベンゾキサゾール、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、アゾール、5及び6員環の複素環、並びに他の様々な物質の誘導体を含むが、これらに限定されない。
【0126】
いくつかの例では、本明細書の蛍光増白剤は、式(IX):
【0127】
【化5】
[式中、X、X、X、及びXは−N(R)Rであり、式中、R及びRは、水素、フェニル、ヒドロキシエチル、又は非置換若しくは置換C〜Cアルキルから独立して選択されるか、又は−N(R)Rは複素環を形成し、好ましくはR及びRは水素又はフェニルから独立して選択されるか、又は−N(R)Rは非置換又は置換モルホリン環を形成し;Mは水素又はカチオンであり、好ましくはMはナトリウム又はカリウムであり、より好ましくはMはナトリウムである]の化合物を含む。
【0128】
いくつかの例では、蛍光増白剤は、ジナトリウム4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−モルホリノ−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホン酸塩(増白剤15、商標名Tinopal AMS−GXとしてCiba Geigy Corporationにより市販)、ジナトリウム4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−(N−2−ビス−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホン酸塩(商標名TinopalUNPA−GXとしてCiba−Geigy Corporationにより市販)、ジナトリウム4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−(N−2−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ)−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホン酸塩(商標名Tinopal5BM−GXとしてCiba−Geigy Corporationにより市販)からなる群から選択される。より好ましくは、蛍光増白剤は、ジナトリウム4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−モルホリノ−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホン酸塩である。
【0129】
増白剤は、粒子形態で、又は好適な溶剤、例えば非イオン性界面活性剤、モノエタノールアミン、プロパンジオールとのプレミックスとして添加されてもよい。
【0130】
抑泡剤
本明細書におけるクリーニング組成物は、当該組成物の重量基準で、0.1%〜約10%の追加の抑泡剤を含んでもよい。抑泡剤として利用する場合、脂肪族モノカルボン酸及びその塩は、クリーニング組成物の最大約5重量%、及びいくつかの例では、クリーニング組成物の約0.5重量%〜約3重量%の量で存在することができる。追加のシリコーン抑泡剤は、クリーニング組成物の最大2.0重量%の量で利用することができるが、より多い量を使用してもよい。モノステアリルホスフェート抑泡剤は、クリーニング組成物の約0.1重量%〜約2重量%の範囲の量で利用することができる。炭化水素抑泡剤は、クリーニング組成物の約0.01重量%〜約5.0重量の範囲の量で利用することができるが、より多い量を使用してもよい。アルコール抑泡剤は、クリーニング組成物の約0.2重量%〜約3重量%の範囲の濃度で使用することができる。
【0131】
水溶性フィルム
本発明の組成物はまた、水溶性フィルム内にカプセル化されてもよい。好ましいフィルム材料は、好ましくはポリマー材料である。フィルム材料を、当該技術分野において公知の、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形によって得ることができる。
【0132】
パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー、又はそれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有してもよく、好ましくは、約1000Da〜1,000,000Da、より好ましくは、約10,000Da〜300,000Da、更により好ましくは、約20,000Da〜150,000Daである。また、ポリマーの混合物をパウチ材料として使用してもよい。当然のことながら、異なるフィルム材料及び/又は異なる厚さのフィルムを、本発明の区画の作製に用いてよい。異なるフィルムを選択する利点は、得られる区画が異なる溶解性又は放出特性を呈し得ることである。
【0133】
最も好ましいフィルム材料は、MonoSolの参照品であるM8630、M8900、H8779で公知の、PVAフィルムである。
【0134】
また、本明細書のフィルム材料は、1つ以上の添加剤含有成分を含んでもよい。例えば、可塑剤(例えば、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、及びそれらの混合物)を添加することが有益な場合がある。他の添加剤としては、洗浄水に送達される機能性洗剤添加剤、例えば有機ポリマー分散剤が挙げられる。
【0135】
増泡剤
高起泡性が望ましい場合、C10〜C16アルカノールアミドなどの増泡剤は、クリーニング組成物の重量基準で、約1%〜約10%の範囲の濃度で、クリーニング組成物に配合することができる。いくつかの例としては、C10〜C14モノエタノール及びジエタノールアミドが挙げられる。所望の場合、更なる泡をもたらして、グリース除去性能を高めるために、MgCl、MgSO、CaCl、CaSOなどの水溶性マグネシウム及び/又はカルシウム塩を、清浄組成物の約0.1重量%〜約2重量%のレベルで加えてもよい。
【0136】
布地色調剤
組成物は、布地色調剤(色合い剤、青味剤、又は白化剤と称される場合もある)を含み得る。典型的には、色調剤は、布地に青又は紫の色合いをもたらす。色調剤は、単独又は組み合わせのいずれかで使用して、特定の色調の色合いを作り出し、かつ/又は異なるタイプの布地に色合いをつけることができる。これは、例えば赤と緑−青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることにより提供され得る。色調剤は、任意の既知の化学的部類の染料から選択されてよく、これには、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、予め金属化されたアゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0137】
好適な布地色調剤は、染料、染料−粘土共役体、並びに有機及び無機顔料を含む。好適な染料としては、小分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な小分子染料は、例えば、ブルー、バイオレット、レッド、グリーン、又はブラックに分類され、単独で又は組み合わせのいずれかで所望の色合いをもたらす、直接染料、塩基性染料、反応染料若しくは加水分解した反応性染料、溶媒染料、又は分散染料の色指数(C.I.)分類に分類される染料からなる群から選択される小分子染料を含む。別の態様では、好適な小分子染料としては、カラーインデックス(染色業者及びカラーリスト協会(Society of Dyers and Colourists,Bradford,UK))番号:ダイレクトバイオレット染料(9、35、48、51、66、及び99など)、ダイレクトブルー染料(1、71、80、及び279など)、アシッドレッド染料(17、73、52、88、及び150など)、アシッドバイオレット染料(15、17、24、43、49、及び50など)、アシッドブルー染料15、17、25、29、40、45、75、80、83、90、及び113など)、アシッドブラック染料(1など)、ベーシックバイオレット染料1、3、4、10、及び35など、ベーシックブルー染料(3、16、22、47、66、75、及び159など)、分散又は溶剤染料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の態様では、適切な小分子染料としては、C.I.番号アシッドバイオレット17、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113、及びこれらの混合物からなる群から選択される少分子染料が挙げられる。
【0138】
好適なポリマー染料には、共有結合している(共役していると称されることもある)色原体(色素ポリマー共役体)を含有するポリマー、例えば、ポリマーの主鎖に共重合した色原体を有するポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。
【0139】
別の態様では、好適なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken,Spartanburg,South Carolina,USA)の名称で販売されている布地直接着色剤、少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、一級アミン部分、二級アミン部分、チオール部分、及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーと、から形成される染料−ポリマー共役体からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。更に別の態様では、好適なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)バイオレットCT、Megazyme(Wicklow,Ireland)から商品名AZO−CM−CELLULOSE、商品コードS−ACMCで販売されているC.I.リアクティブブルー19と共役されているCMCなどのリアクティブブルー、リアクティブバイオレット又はリアクティブレッドの染料に共有結合しているカルボキシメチルセルロース(CMC)、アルコキシル化トリフェニル−メタンポリマー着色料、アルコキシル化チオフェンポリマー着色料、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。
【0140】
好適な染料−粘土結合体としては、少なくとも1つのカチオン性/塩基性染料及びスメクタイト粘土、並びにこれらの混合物を含む群から選択される染料−粘土結合体が挙げられる。別の態様では、好適な染料−粘土複合体としては、C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシックレッド1〜118、C.I.ベーシックバイオレット1〜51、C.I.ベーシックブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.I.ベーシックブラウン1〜23、CIベーシックブラック1〜11からなる群から選択される1つの陽イオン性/塩基性染料と、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土、及びこれらの混合物からなる群から選択される粘土とからなる群から選択される、染料粘土複合体が挙げられる。更に別の態様では、好適な染料粘土複合体としては、モンモリロナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、モンモリロナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、モンモリロナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、モンモリロナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、モンモリロナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、モンモリロナイトC.I.ベーシックブラック2複合体、ヘクトライトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、ヘクトライトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、ヘクトライトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、ヘクトライトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、ヘクトライトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、ヘクトライトC.I.ベーシックブラック2複合体、サポナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、サポナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、サポナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、サポナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、サポナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、サポナイトC.I.ベーシックブラック2複合体、及びこれらの混合物からなる群から選択される染料粘土複合体が挙げられる。
【0141】
好適な顔料としては、フラバントロン、インダントロン、1〜4個の塩素原子を含有する塩素化インダントロン、ピラントロン、ジクロロピラントロン、モノブロモジクロロピラントロン、ジブロモジクロロピラントロン、テトラブロモピラントロン、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(イミド基は、非置換であってもよく、又はC1〜C3−アルキル若しくはフェニル若しくは複素環式ラジカルによって置換されていてもよく、当該フェニル及び複素環式ラジカルは、水溶性を付与しない置換基を更に有してもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン、イソビオラントロン、ジオキサジン顔料、1分子あたり最高2個の塩素原子を含有し得る銅フタロシアニン、1分子あたり最高14個の臭素原子を含有するポリクロロ−銅フタロシアニン又はポリブロモクロロ−銅フタロシアニン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0142】
別の態様では、好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)、及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0143】
前述の布地色調剤は、組み合わせて用いることができる(布地色調剤のいずれの混合物も用いることができる)。
【0144】
カプセル化剤
組成物は、カプセル化剤を含んでもよい。いくつかの態様では、カプセル化剤は、コア、内表面及び外表面を有するシェルを含み、当該シェルはコアをカプセル封入する。
【0145】
特定の態様では、カプセル化剤はコアとシェルとを含み、コアは、香料、増白剤、染料、防虫剤、シリコーン、ワックス、着香剤、ビタミン、布地柔軟化剤、スキンケア剤、例えば、パラフィン、酵素、抗菌剤、漂白剤、感覚剤、又はこれらの混合物から選択される材料を含み、シェルは、ポリエチレン、ポリアミド、任意に他のコ−モノマーを含有するポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリオレフィン、多糖類、例えば、アルギネート及び/若しくはキトサン、ゼラチン、セラック、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、非水溶性無機材料、シリコーン、アミノ樹脂、又はこれらの混合物から選択される材料を含む。シェルがアミノプラストを含むいくつかの態様では、アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン及び/又はポリ尿素ウレタンを含む。ポリ尿素は、ポリオキシメチレン尿素及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含み得る。
【0146】
いくつかの態様では、カプセル化剤はコアを含み、このコアは香料を含む。特定の態様では、カプセル化剤はシェルを含み、このシェルはメラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含む。いくつかの態様では、カプセル化剤は、香料を含むコア、並びにメラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含むシェルを含む。
【0147】
好適なカプセル化剤は、コア材料及びシェルを含み得、そのシェルは、コア材料を少なくとも部分的に取り囲む。少なくとも75%、又は少なくとも85%、又は更には少なくとも90%のカプセル化剤は、約0.2MPa〜約10MPa、約0.4MPa〜約5MPa、約0.6MPa〜約3.5MPa、又は更には約0.7MPa〜約3MPaの破壊強度、及び0%〜約30%、0%〜約20%、又は更には0%〜約5%の有益剤の漏れを有し得る。
【0148】
いくつかの態様では、少なくとも75%、85%、又は更には90%の上記カプセル化剤は、約1ミクロン〜約80ミクロン、約5ミクロン〜60ミクロン、約10ミクロン〜約50ミクロン、又は更には約15ミクロン〜約40ミクロンの粒径を有することができる。
【0149】
いくつかの態様では、少なくとも75%、85%、又は更には90%の上記カプセル化剤は、約30nm〜約250nm、約80nm〜約180nm、又は更には約100nm〜約160nmの粒子壁の厚みを有することができる。
【0150】
いくつかの態様では、カプセル化剤のコアは:香料原料からなる群から選択される材料、及び/又は場合により、ヒマシ油、ココナッツ油、綿実油、グレープ油、菜種油、大豆油、トウモロコシ油、ヤシ油、亜麻仁油、ベニバナ油、オリーブ油、ピーナッツ油、ココナッツ油、パーム核油、ヒマシ油、レモン油、及びこれらの混合物を含むストレート及び/又はブレンドの植物油を含む植物油から選択される材料;植物油のエステル(エステルは、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ブチルベンジル、アジピン酸ベンジルオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、及びこれらの混合物を含む);約80℃を超える沸点を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素を含む、直鎖又は分枝鎖炭化水素;部分的に水素化したテルフェニル、フタル酸ジアルキル、モノイソプロピルビフェニルを含むアルキルジフェニル、ジプロピルナフタレンを含むアルキル化ナフタレン、ケロシンを含む灯油、鉱油、又はこれらの混合物;ベンゼン、トルエン、又はこれらの混合物を含む芳香族溶媒;シリコーン油;又はこれらの混合物を含む。
【0151】
一部の態様では、カプセル化剤の壁は、アルデヒドとアミンとの反応生成物などの好適な樹脂を含む。好適なアルデヒドは、ホルムアルデヒドを含む。好適なアミンは、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、又はこれらの混合物を含む。好適なメラミンとしては、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、イミノメラミン、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な尿素は、ジメチロール尿素、メチル化ジメチロール尿素、尿素−レゾルシノール、又はこれらの混合物を含む。
【0152】
いくつかの態様では、好適なホルムアルデヒド捕捉剤は、例えば封入体スラリー中で、カプセル化剤と共に使用されてもよく、かつ/又は、カプセル化剤を組成物に加える前、その最中、若しくはその後に、こうした組成物に加えられてもよい。
【0153】
加えて、前述のカプセル化剤を製造するための材料が、以下の供給元から入手可能である:Solutia(St.Louis,Missouri U.S.A)、Cytec Industries(West Paterson,New Jersey U.S.A)、Sigma−Aldrich(St.Louis,Missouri U.S.A)、CP Kelco(San Diego,California USA);BASF AG(Ludwigshafen,Germany)、Rhodia Corp.(Cranbury,New Jersey,USA)、Hercules Corp.(Wilmington,Delaware,USA)、Agrium(Calgary,Alberta,Canada)、ISP(New Jersey U.S.A)、Akzo Nobel(Chicago,IL,USA);Stroever Shellac Bremen(Bremen,Germany);Dow Chemical(Midland,MI,USA);Bayer(Leverkusen,Germany);Sigma−Aldrich(St.Louis,Missouri,USA)。
【0154】
有機材料以外の香料
香料及び香料成分は、本明細書において記載されているクリーニング組成物で使用されてもよい。香料及び香料成分の非限定的な例としては、アルデヒド、ケトン、エステルなどが挙げられるが、これらに限定されない。他の例としては、様々な天然抽出物及び天然エキスが挙げられ、これらは、オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ムスク、パチョリ、バルサムエキス、ビャクダン油、パイン油、シーダーなどの成分の複雑な混合物を含むことができる。最終香料は、そのような成分の非常に複雑な混合物を含むことができる。完成香料は、クリーニング組成物の約0.01重量%〜約2重量%の範囲の濃度で含まれ得る。
【0155】
移染防止剤
布地クリーニング組成物はまた、クリーニング工程中に、ある布地から別の布地に染料が移るのを阻止するのに有効な1種以上の物質を含んでもよい。一般に、このような移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールのコポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物が挙げられ得る。使用する場合、これらの剤は、組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、いくつかの例では、組成物の約0.01重量%〜約5重量%、及び他の例では、組成物の約0.05重量%〜約2重量%の濃度で使用され得る。
【0156】
キレート剤
本明細書において記載されている洗浄組成物はまた、1つ以上の金属イオンのキレート剤を含有してもよい。好適な分子としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。そのようなキレート剤は、ホスホネート、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、スクシネート、多官能置換された芳香族キレート剤、2−ピリジノール−N−オキシド化合物、ヒドロキサム酸、カルボキシメチルイヌリン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。キレート剤は、アルカリ金属、アンモニウム、及びその置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物を含む、酸又は塩の形で存在することができる。
【0157】
キレート剤として有用なアミノカルボキシレートとしては、エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA);N−(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリアセテート(HEDTA);ニトリロトリアセテート(NTA);エチレンジアミンテトラプロプリオナート;トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミン−ペンタアセテート(DTPA);メチルグリシン二酢酸(MGDA);グルタミン酸二酢酸(GLDA);エタノールジグリシン;トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA);N−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA);ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG);エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)、及びこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0158】
リン含有キレート化剤としては、以下に限定されないが、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP CAS15827−60−8);エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(EDTMP CAS1429−50−1);2−ホスホノブタン1,2,4−トリカルボン酸(Bayhibit(登録商標)AM);ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(CAS56744−47−9);ヒドロキシ−エタンジホスホン酸(HEDP CAS2809−21−4);ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸;2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸(CAS37971−36−1);2−ヒドロキシ−2−ホスホノ−酢酸(CAS23783−26−8);アミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP CAS6419−19−8);P,P’−(1,2−エタンジイル)ビス−ホスホン酸(CAS6145−31−9);P,P’−メチレンビス−ホスホン酸(CAS1984−15−2);トリエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(CAS28444−52−2);P−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−ホスホン酸(CAS4167−10−6);ビス(ヘキサメチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸))(CAS34690−00−1);N2,N2,N6,N6−テトラキス(ホスホノメチル)−リシン(CAS194933−56−7、CAS172780−03−9)、それらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、これらのアミノホスホネートは、約6個を超える炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基を含有しない。
【0159】
本明細書でやはり使用することができる生分解性キレート化剤は、エチレンジアミンジスクシネート(「EDDS」)である。いくつかの例では、[S,S]異性体であるが、当然ながらこの特定の例に限定されない。他の例では、EDDAの三ナトリウム塩を使用することができるが、マグネシウム塩などの他の形態も有用となり得る。BASFからのTrilonP(登録商標)などのポリマーキレート化剤も有用となり得る。
【0160】
多官能性置換芳香族キレート剤も、クリーニング組成物において使用することができる。酸形態のこのタイプの化合物は、Tironとしても知られている1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンなどのジヒドロキシジスルホベンゼンである。他のスルホン酸化カテコールも使用されてもよい。二スルホン酸に加えて、用語「tiron」はまた、例えば、スルホン酸二ナトリウム塩などの、一又は二スルホン酸塩を含むことができ、これらの塩は、同じコア分子構造を二スルホン酸と共有する。
【0161】
本発明による洗剤組成物は、キレート剤として置換又は非置換の2−ピリジノール−N−オキシド化合物、又はその塩を含むことができる。この化合物の互変異性体、例えば1−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノンは、キレート剤として本発明の範囲内に含まれる。特定の態様では、洗剤組成物は、以下からなる群から選択される2−ピリジノール−N−オキシド化合物を含む:2−ヒドロキシピリジン−1−オキシド;3−ピリジンカルボン酸、2−ヒドロキシ−、1−オキシド;6−ヒドロキシ−3−ピリジンカルボン酸、1−オキシド;2−ヒドロキシ−4−ピリジンカルボン酸、1−オキシド;2−ピリジンカルボン酸、6−ヒドロキシ−、1−オキシド;6−ヒドロキシ−3−ピリジンスルホン酸、1−オキシド;及びこれらの混合物。特定の態様では、洗剤組成物は、以下からなる群から選択される1−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノン化合物を含む:1−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノン(CAS 822−89−9);1,6−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−6−オキソ−3−ピリジンカルボン酸(CAS 677763−18−7);1,2−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2−オキソ−4−ピリジンカルボン酸(CAS 119736−22−0);1,6−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−6−オキソ−2−ピリジンカルボン酸(CAS 94781−89−2);1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリジノン(CAS 50650−76−5);6−(シクロヘキシルメチル)−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリジノン(CAS 29342−10−7);1−ヒドロキシ−4,6−ジメチル−2(1H)−ピリジノン(CAS29342−02−7);1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−ピリドンモノエタノールアミン(CAS68890−66−4);1−ヒドロキシ−6−(オクチルオキシ)−2(1H)−ピリジノン(CAS162912−64−3);1−ヒドロキシ−4−メチル−6−シクロヘキシル−2−ピリジノンエタノールアミン塩(CAS 41621−49−2);1−ヒドロキシ−4−メチル−6−シクロヘキシル−2−ピリジノン(CAS 29342−05−0);6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2−オキソ−4−ピリジンカルボン酸、メチルエステル(CAS 36979−78−9);1−ヒドロキシ−5−ニトロ−2(1H)−ピリジノン(CAS 45939−70−6);及びこれらの混合物。これらの化合物は、例えばSigma−Aldrich(St.Louis,MO)、Princeton Building Blocks(Monmouth Junction,NJ)、3B Scientific Corporation(Libertyville,IL)、SynFine Research(Richmond Hill,ON)、Ryan Scientific,Inc.(Mt.Pleasant,SC)、及び/又はAces Pharma(Branford,CT)から市販されている。
【0162】
ヒドロキサム酸は、ヒドロキシルアミンがカルボン酸に挿入されて、キレート剤として使用される化学化合物のクラスである。ヒドロキサム酸の一般的な構造は、下記のとおりである。
【0163】
【化6】
【0164】
好ましいヒドロキサメートは、RがC4〜C14アルキル、好ましくはノルマルアルキル、最も好ましくは飽和であるもの、その塩、及びこれらの混合物である。C8物質を使用する場合、それはオクチルヒドロキサム酸と呼ばれる。
【0165】
本明細書での使用に好適なキレート剤は、市販のDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto,Akzo−Nobel,DuPont,Dowのキレート剤、BASF及びNalcoのTrilon(登録商標)シリーズである。
【0166】
キレート剤は、本明細書に開示されている洗剤組成物の約0.005重量%〜約15重量%、約0.01重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約3.0重量%、又は約0.2重量%〜約0.7重量%、又は約0.3重量%〜約0.6重量%で、本明細書に開示されている洗剤組成物中に存在してよい。
【0167】
衛生及び悪臭
本発明の組成物はまた、リシノール酸亜鉛、チモール、Bardac(登録商標)などの四級アンモニウム塩、ポリエチレンイミン(BASFのLupasol(登録商標)など)、及びその亜鉛錯体、銀及び銀化合物、特に、Ag又はナノ銀分散体をゆっくり遊離するように設計されているもののうちの1つ又は2つ以上も含み得る。
【0168】
プロバイオティクス
組成物は、国際公開第2009/043709号に記載されているものなどのプロバイオティクスを含んでもよい。
【0169】
充填剤及び担体
本明細書において記載されているクリーニング組成物に、充填剤及び担体を用いてもよい。本明細書において使用する場合、用語「充填剤」及び「担体」は、同じ意味を有し、互換的に使用できる。
【0170】
液体クリーニング組成物、及び液体構成成分を含む他の形態のクリーニング組成物(液体含有単位分量のクリーニング組成物など)は、水及び他の溶媒を充填剤又は担体として含有してもよい。好適な溶剤としては、シロキサン、他のシリコーン、炭化水素、グリコールエーテル、グリセリンエーテルなどのグリセリン誘導体、ペルフッ素化アミン、ペルフッ素化及びヒドロフルオロエーテル溶剤、低揮発性非フッ素化有機溶剤、ジオール溶剤、及びこれらの混合物を含む、親油性流体も挙げられる。
【0171】
メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールに代表される低分子量の一級又は二級アルコールが好適である。いくつかの例では、一価アルコールは、界面活性剤を可溶化するために使用されてもよく、2〜約6個の炭素原子と2〜約6個のヒドロキシ基を含有するものなどのポリオール(例えば、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン、及び1,2−プロパンジオール)もまた使用され得る。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどのアミン含有溶剤も使用されてもよい。
【0172】
クリーニング組成物は、当該組成物の重量基準で、約5%〜約90%、及びいくつかの例では、約10%〜約50%のこうした担体を含有してもよい。コンパクト又はスーパーコンパクト強力液体又は他の形態のクリーニング組成物では、水の使用は、当該組成物の約40重量%未満、又は約20重量%未満、又は約5重量%未満、又は約4重量%未満、又は約3重量%未満、又は約2重量%未満の遊離水とすることができ、又は遊離水を実質的に不含(すなわち、無水)とすることができる。
【0173】
粉末又は棒状のクリーニング組成物、又は固体若しくは粉末構成成分を含む形態(粉末含有単位用量のクリーニング組成物など)の場合、好適な充填剤としては、以下に限定されないが、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、粘土、又は他の不活性固体成分が挙げられ得る。充填剤は、また、バイオマス又は脱色バイオマスを含み得る。顆粒、棒状、又は他の固体クリーニング組成物中の充填剤は、クリーニング組成物の約80重量%未満、及びいくつかの例では、クリーニング組成物の約50重量%未満を構成し得る。コンパクト又はスーパーコンパクト粉末又は固体クリーニング組成物は、クリーニング組成物の重量で約40%未満、又は約20%未満、又は約10%未満の充填剤を含んでもよい。
【0174】
コンパクト又はスーパーコンパクト液体又は粉末のクリーニング組成物、又は他の形態のいずれかの場合、製品中の液体又は固体充填剤のレベルが低減されて、そのため、コンパクト化されていないクリーニング組成物と比べて、同量の活性化学物質が洗浄液に送達され得るか、又はいくつかの例では、クリーニング組成物が一層効率的となり、コンパクト化されていない組成物と比べて、より少量の活性化学物質が洗浄液に送達される。例えば、洗浄液は、洗浄液中のクリーニング組成物の濃度が0g/L〜約6g/L超となるような量で、クリーニング組成物を水に接触させることにより形成することができる。いくつかの例では、濃度は、約0.5〜約5g/L、又は〜約3.0g/L、又は〜約2.5g/L、又は〜約2.0g/L、又は〜約1.5g/L、又は約0g/L〜約1.0g/L、又は約0g/L〜約0.5g/Lであり得る。これらの投与量は限定を意図するものではなく、その他の投与量を使用することもできることは当業者には明白である。
【0175】
緩衝系
本明細書において記載されているクリーニング組成物は、水性クリーニング操作において使用する間、洗浄水が約7.0〜約12、及びいくつかの例では約7.0〜約11のpHを有するように配合され得る。推奨される使用レベルでpHを調整する技術としては、緩衝剤、アルカリ、又は酸などの使用が挙げられ、これらは当業者には周知である。これらの技術としては、炭酸ナトリウム、クエン酸、若しくはクエン酸ナトリウム、乳酸若しくは乳酸塩、モノエタノールアミン若しくは他のアミン、ホウ酸若しくはホウ酸塩、及び当該技術分野において既知の他のpH調整化合物の使用が挙げられるが、これらに限定されない。
【0176】
本明細書におけるクリーニング組成物は、動的なインウオッシュpHプロファイルを含んでもよい。このようなクリーニング組成物は、(i)水と接触した約3分後に、洗浄液のpHが10を超える;(ii)水と接触した約10分後に、洗浄液のpHが9.5未満である;(iii)水と接触した約20分間後に、洗浄液のpHが9.0未満である;及び(iv)場合により、洗浄液の平衡pHが、約7.0〜約8.5の範囲である、ように、ワックスで覆われたクエン酸粒子を他のpH調整剤と共に使用してもよい。
【0177】
試験方法
分配指数の試験方法
モデル洗剤の試料の核磁気共鳴(NMR)分析を用いて、消泡組成物の分配指数を決定する。
【0178】
モデル洗剤組成物は、本明細書に示されるモデル洗浄成分表1に記載された配合成分を、指定された順序及び割合で互いに混合することによって調製される。調製したモデル洗剤組成物は、20〜25℃の密閉容器内で3日間、保管した後、本明細書に示される分配指数試験方法の仕様に従って試料を調製し、NMRにより分析する。
【0179】
【表1】
混合物を入れるのに適当な大きさの容器を用いる。混合は、4枚羽根プロペラスターラー及び10cmのヘッド直径を有するオーバーヘッドミキサ(VWR Randor(Pennsylvania)より販売されるR1345 4枚羽根プロペラスターラー(VWR注文カタログ番号33994−112)を備えたIKAモデルRW20D−S1)を用いて行う。
Shell Chemicals(Houston,TX)より販売されるもの。
Sigma Aldrich chemicals(Milwaukee,WI)より販売されるもの。
Ciba Specialty Chemicals(High Point,NC)より販売されるもの。
P&G Chemicals(Cincinnati,OH)より販売されるもの。
Huntsman Chemicals(Salt Lake City,UT)より販売されるもの。
DuPont Industrial Biosciences社(South SanFrancisco,CA)より販売されるもの。
MillikenよりLiquitint Green 101の商品名で販売されるもの
Novozymes(Copehnagen,Denmark)よりEverest 200Lの商品名で販売されるもの。
10Elementis Specialties(Highstown,NJ)よりThixin(商標)の商品名で販売されるもの。
【0180】
この消泡性組成物(調製後、20〜25℃で3日間エイジングしたもの)を含有するモデル洗剤から2つの試料を採取する。第1の試料は、プラスチックピペットを用いてエイジング後のモデル洗剤5滴(約0.1g)をきれいな50mLの丸底フラスコ(Sigma−Aldrichより販売されるモデルZ414484などのシングルネック、24/40)に直接入れた後、下記に更に述べる脱水及び溶解の手順に従って調製する。第2の試料は、以下の手順に従って遠心分離を行った後、同じ指定の脱水及び溶解の手順を行うことにより調製する。遠心分離後試料は、使い捨てプラスチックピペットを使用して、消泡剤組成物を含む約9gのエイジング後のモデル洗剤を、ラベリングした遠心管(例えば、Beckman Coulter Inc.より販売されるモデル#364695などの容量10mL、16mmX81mmのサイズのねじ蓋付きのポリプロピレン製遠心管など)に移すことによって調製する。次いで、この試料を25℃、約294N(30,000g)で4時間、遠心分離する(例えば、Beckman F1010ローターを備えたBeckman Coulter製Allegra X−22R遠心分離機を使用し、15,300RPMで)。遠心分離後、約0.5mLの試料を遠心管内の材料の中心部(中間レベル)から慎重に抜き取る。モデル洗剤の上下の部分からの夾雑が生じないように、使い捨てプラスチックピペットを使用してこの試料を得る。ピペットを試料中に挿入して抜き取る間、ピペットのバルブに軽い圧力を加えて数個の気泡を生じさせることにより、試料の上側の部分からの夾雑が生じないようにすることができる。バルブに圧力を加えたままでピペットの外表面を丁寧にきれいに拭き取る。次いで、ピペット内の遠心分離後試料を5滴捨て、それに続く5滴(約0.1g)の遠心分離後試料をきれいな50mL丸底フラスコに慎重に加える。
【0181】
得られた2つの試料(すなわち、未遠心分離試料と遠心分離後試料)のそれぞれについて、フラスコガラス温度が60℃を超えないように各フラスコに30秒間、均一に熱を加えながら、真空ポンプ(Welch Chem Star、モデル1402N)及びアダプタ(例えばSigma−Aldrich、24/40真空アダプターモデルZ137057)を使用して各試料から水分を除去することによって、脱水を行う。この加熱工程では、Master Heat Gun Model HG−501A(Master Appliance Corp社)のようなヒートガンを使用することができる。熱を除去した後、試料を真空ポンプにより与えられる減圧下、フラスコ内で6分間、冷却する。圧力を均一化させ、アダプタを取り外す。2つの脱水された試料のそれぞれについて、ガラスピペットを用いて各フラスコに約1mLのクロロホルムd(例えばSigma−Aldrichより販売されるクロロホルム−D、99.8原子%D、カタログ番号151823)を添加して、各試料を別々に溶解する。各試料について、クロロホルム中の最大試料溶媒和度が得られた後、0.75mLの調製した試料をラベリングされたきれいなNMR管に入れ、キャップで密封する。適当なNMR管としては、モデルZ569267 ColorspecNMR管及びキャップ(Sigma−Aldrich)が挙げられる。
【0182】
機器モデルAvance III HD 400MHz(Bruker Corp、Billerica,Massachusetts,USA)のような5mm PABBO Z−GRDプローブ又はこれに相当する装置を備えたNMR分光計を使用して、各調製試料について定量H NMRデータを得る。機器は以下に記載するパラメータを用いて設定する。すなわち、30°パルス;繰り返し時間(recycle delay)=1秒;256スキャン;PROBHD−5mm PABBO BB/;PULPROG−zg30;TD−65536;溶媒−CDCl3;DS−2;SWH−8012.820 Hz;FIDRES−0.122266Hz;AQ−4.0894465秒;RG−96.94;DW−62.400マイクロ秒;DE−17.73マイクロ秒;TE−297.3K;D1−1.0秒;TD0−1;SFO1−400.1324710MHz;NUC1−1H;P1−10.00マイクロ秒;PLW1−14.21000004W;SI−65536;SF400.130MHz;WDW−EM;SSB−0;LB−0.30Hz;GB−0;PC−1.00。2つの試料(すなわち、未遠心分離試料と遠心分離後試料)のそれぞれについて、CDCL3の化学シフトを7.24ppmに設定することにより、得られたデータを分析する。MestReNova LITE、バージョン5.2.5−5780(Mestrelab Research S.L.)などのソフトウェアを使用して有機変性シリコーンの固有の化学シフトを定量的に積分し、また、芳香族プロトンの固有の化学シフトを7.60〜7.85ppmまで定量的に積分する。特定のシロキサンの適当な固有のシフトの一例としては、−0.20〜−0.09ppmにおける2−フェニルプロピルメチルシロキサン繰り返し単位のメチル基がある。7.60〜7.85ppmにおける芳香族プロトンの化学シフトを値20に正規化し、得られた有機変性シリコーンケミカルシフトの正規化された積分値を記録する。
【0183】
消泡剤組成物の分配指数は下式により計算される。
【0184】
消泡剤組成物の分配指数=
【0185】
【数1】
(式中、遠心分離後試料=遠心分離後試料中の有機変性シリコーンの化学シフトの正規化された積分値であり、
未遠心分離試料=未遠心分離試料中の有機変性シリコーンの化学シフトの正規化された積分値である。)
【0186】
特定の消泡剤組成物Aの分配指数の計算の一例は以下のように与えられる。
試験の目的で指定されたようにしてモデル洗剤中に配合した特定の消泡剤組成物Aについて、コントロール試料は、モデル洗剤(未遠心分離試料)中の消泡剤組成物の未遠心分離配合物であり、試験試料は、モデル洗剤(遠心分離後試料)中の消泡剤組成物の遠心分離後試料である。ここで、NMR測定値から計算された正規化された積分値を以下に示す。
未遠心分離試料中の有機変性シリコーンの正規化積分値=1.35
遠心分離後試料中の有機変性シリコーンの正規化積分値=0.65
このとき、特定の試験消泡剤組成物Aの分配指数=((0.65/1.35))x100=48
【0187】
メタノール吸収指数の試験方法
非加水分解性有機分子で修飾されたシリカ表面(すなわち疎水化されたもの)は水に対する濡れ性が低くなり得る。しかしながら、このような疎水性シリカは水性メタノールに曝露後には濡れ性を有し得る。本明細書において、シリカは、水性メタノール中での沈殿挙動に応じて湿潤状態と湿潤状態のいずれかに分類される。特定の条件で遠心分離した後に水性メタノール中で沈殿物を形成するシリカを湿潤シリカと定義し、沈殿しないシリカを非湿潤状態と定義する。所定濃度の水性メタノールに曝された際に湿潤するシリカの量は、変性シリカの疎水性の尺度であり、本明細書では、シリカのメタノール吸収指数を測定するために用いられる。
【0188】
脱イオン水(DI)を用いて2種類のメタノール水溶液を調製し、54(重量/重量)%メタノール溶液と、更に90(重量/重量)%メタノール溶液とを得る。90%メタノール溶液は、シリカの最大湿潤度を実現したポジティブコントロール基準点となる。試験前に、21℃〜25℃の温度範囲、及び20%RH〜50%RHの相対湿度の範囲内の雰囲気条件と平衡化させることによりシリカを予備調整する。調製したシリカを充分に混合し、数分間沈降させて均質とした後、サンプリングする。このシリカをサンプリングすることにより、1つのペアが1つの複製試料からなるシリカのアリコートのペアを得る。試験される各シリカから少なくとも2つの複製試料のアリコートのペアを調製する。各複製ペアについて、シリカの2つのアリコートを秤量し、このペアのそれぞれのアリコートが200mg+/−1mgのシリカを含むようにし、これを遠心管に入れる。遠心管は、ねじ蓋及び体積目盛りを有する容量15mLの透明なプラスチック管であり、目盛りは体積の少なくとも最初の1mLについて0.5mL及び0.1mL刻みとなっている。適当な管としては、VWR International LLC(Radnor,Pennsylvania,USA)より販売されるモデル番号21008−197のものが挙げられる。各複製ペアの管の両方の管にメタノール溶液を加える。各ペアの一方の管には8mLの54%メタノール溶液を加え、ペアの他方の管には8mLの90%メタノール溶液を加える。この後、シリカ試料及びメタノール溶液が入れられた各管に蓋をして密封する。
【0189】
密封した各試料管を、垂直な上下方向の運動で手で10回、激しく振った後、直ちに、ベンチトップボルテックスミキサ(例えば、VWR International LLC(例えばRadnor,Pennsylvania,USA)より販売されるMini−vortexerモデル番号58816−121のもの)で最高速度設定を用いて45秒間ボルテックスした。振盪及びボルテックスの後、混合プロセスを繰り返して、各試料管に2回ずつ振盪及びボルテックスを行う。混合が終了した直後、各管を遠心分離機に装填し、8.35N(851g)の平均相対遠心力(RCF)で25℃で5分間、遠心分離にかける。このプロセスに適した器具の1つに、2500RPMで動作するSX4250ローター及びアダプタ番号392253を備えたモデルAllegra X−22R遠心分離機(Beckman Coulter Inc.(Brea,California,USA)より販売されるもの)がある。
【0190】
遠心分離の完了後、直ちに、管の目盛を0.05mLの精度で読み取ることにより、遠心分離された各試料管中の沈殿物の体積を測定する。各シリカについて、試料のペアの少なくとも2つの複製試料から得られた測定体積を用いて、2つのメタノール濃度のそれぞれについて平均沈殿物体積を別々に計算する。各シリカについて、異なる2つのメタノール濃度から得られた平均沈殿物体積を用いて比を計算するが、その際、低い方のメタノール濃度(すなわち54%)からの平均の結果を、高い方のメタノール濃度(すなわち90%)からの平均の結果で割る。次いで、この沈殿物体積の比に100をかけて、報告値であるそのシリカのメタノール吸収指数の値を得る。これらの計算を、以下の式に従ってそれぞれのシリカについて行う。
メタノール吸収指数=(低濃度中の沈殿量/高濃度中の沈殿量)×100
[式中、
低濃度中の沈殿量=54%メタノール中の沈殿物の平均体積(mL)であり、
高濃度中の沈殿量=90%メタノール中の沈殿物の平均体積(mL)である。]
【0191】
消泡剤の性能試験方法
洗剤の調製後、24時間以内に消泡性能試験を用いて、消泡剤組成物を含む液体洗剤を試験した。次いで、組成物を、32.2℃及び相対湿度80%の制御された温度及び湿度で保存する。1、2、及び3ヶ月の保存後、組成物を消泡性能について再試験する。
【0192】
消泡性能試験で使用した布地洗濯物は、6枚の100%綿のTシャツ、6枚の50/50ポリエステル/綿混紡の枕カバー、及び6枚の86/14ポリエステル/綿混紡のタオルからなり、合計で3.6〜3.9kg(8〜8.5ポンド)である。各複製試験では、汚れのない乾燥した布地洗濯物を使用する必要がある。布地洗濯物を再使用する場合、Kenmore 600シリーズの洗濯機又はこれに相当する洗濯機で、頑固汚れ又は綿/丈夫な衣類の設定を用い、60℃(±3℃)の温水、及び90.72gの液体Tide(登録商標)Free又はこれに相当する洗剤を使用して、布地洗濯物を充分に洗う。この洗浄を2回繰り返す。上記に述べた第2のサイクルの終了後、布地洗濯物に3回目、4回目、及び5回目の洗濯を行うが、第3、第4、及び第5のサイクル中に洗剤を加えない。第5のサイクル中、洗濯サイクルの洗い又はすすぎ部分において洗濯機内に目に見える泡が確認されてはならない。泡が存在した場合、洗剤を加えない点以外は第1の洗濯サイクルについて上述のものと同じ洗濯パラメータを用いた追加サイクルを行う。これらの追加サイクルは、洗い及びすすぎサイクルの間に泡が見られなくなるまで繰り返し行う。洗濯サイクルの洗い又はすすぎ部分において泡が認められなくなった時点で布地洗濯物を洗濯機から取り出し、強熱の設定にした乾燥機で約55分間、又は布地洗濯物が完全に乾燥するまで乾燥する。
【0193】
試験する液体洗剤の投入量46.55gをプラスチックカップで計量する。消泡性能試験における消泡性能の測定には、Whrilpool(登録商標)Duetフロントローディング洗濯機(モデル番号GHW9100)又はこれに相当する洗濯機を使用する。各洗濯サイクルの長さはデジタルタイマーで測定する。洗濯機は使用に先立って、空(布地洗濯物も洗剤も加えない)の状態で49℃(±1℃)の軟水を使用した洗濯サイクルで運転して洗浄する。このサイクルを、サイクルの間に泡が見られなくなるまで繰り返す。この洗浄手順を、消泡剤を含む洗剤製品を試験する各サイクル間で行う。
【0194】
洗濯機を洗浄した後、布地洗濯物を洗濯機に入れる。上述のプラスチックカップで予め計量された洗剤を洗剤投入引き出しに全て入れる。試料を計量したプラスチックカップは、洗濯機のドラムの背後に格納する。この消泡性能試験は、軟水(硬度0gr/gal)を使用し、洗いサイクルの間に37℃(±3℃)及びすすぎサイクルの間で21℃(±3℃)の温度で、通常の洗濯サイクルを用いて行う。水の硬度及び温度を試験期間全体を通じて監視する。試験中のどの時点においても洗濯機を停止させてはならない。
【0195】
泡の高さのデータ、並びに回転、充填、タンブル、排水、及び泡ロックといった洗濯機の状態を、2時間ごとに記録する。0は泡が見られないことを示し、1は衣類の間に泡が見られることを示し、2は泡が窓の1/3の高さであることを示し、3は泡が窓の2/3の高さであることを示し、4は泡が窓を完全に覆っている状態を示すものとして、2分ごとに0〜4点のスコアをつけることによって泡の高さを測定する。サイクルの終了時、洗濯機が停止した5秒以内に洗濯機のデジタルタイマーを停止させなければならない。デジタルタイマーに表示された時間を実際の総サイクル時間として記録する。試験を各試験製品について3回繰り返し、サイクル時間の結果を平均化して消泡剤の性能を判定する。
【0196】
試料は、以下の基準の全てを満たす場合に「合格」の品質等級を有するものとする。いずれかの基準を満たさない場合には「不合格」の品質等級を有するものとする。
a.サイクル時間が65分以下である。
b.サイクルの継続時間全体にわたって2.0以下の泡の高さが認められる。
c.泡ロック又は泡ロックエラーが、試験中に3つの複製試料のうちの少なくとも2つで洗濯機に表示されない。
【0197】
洗剤が、新品、1ヶ月、又は2ヶ月で「不合格」の品質等級とされた場合には、それ以降の保存時間間隔について試験は行わない。
【0198】
粘度試験方法
25℃及び6.325s−1における試料粘度の予備推定値を用いて、モデルAR−G2レオメータ(TA Instrument Corp.、New Castle,Delaware,USA)で行われる最終的な粘度測定分析において使用する適当な器具の構成を選択する。試料粘度の予備推定値は、ブルックフィールド粘度計(Brookfield Engineering Laboratories Inc.、Middleboro,Massachusetts,USA)を用いて得ることもできる。AR−G2レオメータで使用するための構成の選択は、下記表2に基づいて決定される。
【0199】
【表2】
【0200】
この構成を器具に取り付け、器具をマッピングし、隙間距離を0とし、器具温度を25℃に設定する。平行プレートを使用する場合には測定モードとして「硬質」モードを選択し、クエットカップとボブの構成を使用する場合には測定モードとして軟質モードを選択する。試料材料は、例えばベースプレートのような試料保持機構内に装着される。ベースプレートと選択される構成との間の許容される最小隙間距離は、試料中に存在する最大の共通粒子の直径の10倍である。試料中に直径が100μmより大きい共通の粒子がある場合(顕微鏡により測定される)、隙間の値は最大の共通粒子の直径の10倍に設定されるが、そうでない場合には隙間距離は1000μm(すなわち1mm)の初期値に設定される。選択された構成を適当な隙間にまで下げ、プラスチック工具を用いていずれの余分な試料材料を取り除く。試料材料を器具の温度にまで平衡化させる。以下の選択及び設定値を用いて、流れ曲線、応力掃引、及び周波数掃引の3つのレオロジー測定分析を行う。
流れ曲線:段階的流量を0.01〜100に選択する;10倍ごとのポイント数(points/decade)=10;剪断応力;一定時間20;最後の10個の平均をとる。
応力掃引:応力範囲を0.01〜100Paに設定する;周波数を1rad/sに設定する。
周波数掃引:角周波数範囲を0.1〜100に設定する。
【0201】
分析が線形粘弾性領域内で行われるように、応力値を、事前の応力掃引分析中においてG’が低下し始めた時点で存在していた応力値の1/3に設定する。
【0202】
25℃、6.325s−1で得られた試験材料の粘度の値を試料の粘度の値として、mm/s、±300mm/s(cst,±300cSt)の単位で報告する。
【0203】
非環状脂肪族部分/材料のLogP法
本明細書において記載されているコンピュータによる値試験方法に関与する計算を行うため、必要な最初の情報は、試験する各非環状脂肪族部分の属性、その混合物の割合としての重量%、及びモル%を含み、混合物中のすべての非環状脂肪族部分が計算に含まれる。更に、これらの非環状脂肪族部分のそれぞれについて、本明細書において記載されている分子記述子の作成のための試験方法に従って決定されるように、分子構造、種々のコンピュータによって誘導される分子記述子の値も必要である。
【0204】
オクタノール/水分配係数の対数(logP)を決定するための試験方法
試験する混合組成物中の各非環状脂肪族部分について、オクタノール/水分配係数のlog(logP)の値を計算する。個々の非環状脂肪族部分のlogPは、Advanced Chemistry Development Inc.(ACD/Lab)(Toronto,Canada)から入手可能なConsensus logP Computational Model、バージョン14.02(Linux(登録商標))を用いて計算され、無単位のlogP値が得られる。ACD/LabのConsensus logP Computational Modelは、ACD/実験室モデルの装置の一部である。
【0205】
分子記述子の作成のための試験方法
混合組成物中の各非環状脂肪族部分に関して、その分子構造を用いて様々な分子記述子を計算する。分子構造は、American Chemical Society(Columbus,Ohio,U.S.A.)の一部門であるChemical Abstract Service(「CAS」)によって提供される、グラフィック分子構造図によって決定される。これらの分子構造は、CAS Chemical Registry Systemのデータベースから各非環状脂肪族部分の索引名又はCAS番号を調べることによって得ることができる。試験時点で、CAS Chemical Registry Systemのデータベースにまだ掲載されていない非環状脂肪族部分に関しては、他のデータベース又は情報源を使用し、その構造を決定してもよい。2つ以上の異性体が存在する可能性のある非環状脂肪族部分に関しては、その非環状脂肪族部分を表わすために選択される、ただ1つの異性体の分子構造を使用し、分子記述子の計量を実行する。異性体の選択は、異性体の分子構造の広がりの相対的な量によって決定される。所与非環状脂肪族部分の全ての異性体のうち、その分子構造が最も多く存在する異性体(重量%)が、非環状脂肪族部分を表すために選択される異性体である。その非環状脂肪族部分の他のあり得る異性体の構造は、この計算から除外される。最も多く存在する異性体の分子構造が、その非環状脂肪族部分の濃度と組み合わされ、その際、その濃度は、存在する非環状脂肪族部分の全ての異性体の存在を反映している。
【0206】
分子エディター又は分子描画ソフトウェアプログラム(ChemDraw(CambridgeSoft/PerkinElmer Inc.(Waltham,Massachusetts,U.S.A))など)を使用し、各々の非環状脂肪族部分を表わす二次元分子構造を再現する。分子構造を、非連結のフラグメント(例えば、対イオンのない単一構造)のない中性種(四級窒素原子は許される。)として表わす必要がある。以下に記載されるwinMolconnプログラムは、適切な数の水素原子を加えることによって、任意の脱プロトン化された官能基を中性形態に変換することができ、対イオンを不要なものとする。
【0207】
各非環状脂肪族部分に関して、分子描画ソフトウェアを使用して、非環状脂肪族部分の分子構造が記述されるファイルを作成する。その後、各非環状脂肪族部分の様々な分子記述子を誘導するために、非環状脂肪族部分の分子構造を記述するファイル(複数可)を、コンピュータソフトウェアプログラムwinMolconn、バージョン1.0.1.3(Hall Associates Consulting(Quincy,Massachusetts,U.S.A)、www.molconn.com)に送る。このように、winMolconnソフトウェアプログラムは、許容可能な選択枝である構造の表示方法及びファイル形式を記述する。これらの選択枝には、MACCS SDF形式のファイル(すなわち、構造データファイル)、又は、単純なテキストファイルの範囲内で一般に使用され、多くの場合「.smi」若しくは「.txt」のファイル名拡張子を伴うSimplified Molecular Input Line Entry Specification(すなわち、SMILESストリング構造線表示)のいずれかが含まれる。SDFファイルは、複数行のレコードの形式で各分子構造を表わし、一方、SMILES構造のためのシンタックス(syntax)は、余白がない単一行のテキストである。構造名又は識別子は、それを同じ行にSMILESストリングに続いてスペースを開けて含めることによってSMILESストリングに付加することができる、例:C1=CC=CC=C1ベンゼン。
【0208】
winMolconnソフトウェアプログラムを使用し、各非環状脂肪族部分に関する多くの分子記述子を作成し、次いで、これを表形式で出力する。winMolconnによって得られる具体的な分子記述子は、その後、多様なコンピュータモデル試験方法の入力値(すなわち数学的方程式の変数項として)として使用されて、例えばオクタノール/水の分配係数の対数(logP)のような値が計算される。このモデルの試験法の計算に使用される分子記述子のラベルは、winMolconnプログラムによって報告されるのと同じラベルであり、その記載及び定義は、winMolconnの説明書にてリストを見つけることができる。以下は、winMolconnソフトウェアプログラムの実行方法、及び組成物中の各非環状脂肪族部分に関して必要な分子構造記述子の作成方法の包括的な記載である。
【0209】
winMolconnを使用する分子構造記述子の計量:
1)1つ以上の香料成分の分子構造を、SDFファイルとも呼ばれるMACCS構造データファイルの形態で、又はSMILESファイルとしてアセンブリングする。
2)バージョン1.0.1.3のwinMolconnプログラムを使用し、適切なコンピュータで実行し、上述のSDFファイル又はSMILESファイルを入力として使用し、このプログラムから入手可能な分子記述子の全てのものを計算する。
a.winMolconnの出力は、ASCIIテキストファイルの形態であり、典型的には、スペース区切りされており、入力ファイルの各構造に関して、第1の列に構造識別子が入っており、残りの列にそれぞれの分子記述子が入っている。
3)スプレッドシートソフトウェアプログラム又はある種の他の適切な技術を使用し、テキストファイルをパースし列にする。分子記述子のラベルは、得られた表の第1行に見出される。
4)分子記述子のラベルによって特定され、各モデルに必要な入力に対応する、記述子の列を見つけ出し、抽出する。
a.なお、winMolconn分子記述子のラベルは、ケースセンシティブであることを注記しておく。
【0210】
シリカ粒径の試験方法
シリカ粒径(d50)は、ISO法であるISO13320−2009により測定される。
【実施例】
【0211】
実施例1
約1200〜1600mm/s(1200〜1600cSt)の粘度を有し、75〜85mol%のエチルメチルシロキサン基、15〜25mol%の2−フェニルプロピルメチルシロキサン基を含み、トリメチルシリル基で終端する、22.75gの有機変性シリコーンAPT−21311と、トリメチルシロキサン単位とSiO単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、0.99gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS 803 MQ12と、1.24gの沈降シリカSipernat D1013と、0.20gのカリウムメトキシドとを、190℃で4時間、混合することにより、消泡剤分子を調製する。得られた生成物は消泡剤材料である。得られた生成物を周囲温度まで冷却し、濾過した後、メタノールでよく洗い、乾燥して消泡剤分子を単離する。
【0212】
実施例2
約1200〜1600mm/s(1200〜1600cSt)の粘度を有し、75〜85mol%のエチルメチルシロキサン基、15〜25mol%の2−フェニルプロピルメチルシロキサン基を含み、トリメチルシリル基で終端する、22.75gの有機変性シリコーンAPT−21311と、トリメチルシロキサン単位とSiO単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、1.00gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS 803 MQ12と、1.25gの沈降シリカSipernat D1013とを互いに混合することにより、ネガティブ例として使用するためのコントロール分子を調製する。得られた生成物は、ネガティブ例として使用するためのネガティブ消泡剤コントロール材料である。得られた生成物を濾過し、メタノールでよく洗い、乾燥してコントロール分子を生成する。
【0213】
実施例3
約1200〜1600mm/s(1200〜1600cSt)の粘度を有し、75〜85mol%のエチルメチルシロキサン基、15〜25mol%の2−フェニルプロピルメチルシロキサン基を含み、トリメチルシリル基で終端する、22.75gの有機変性シリコーンAPT−21311と、トリメチルシロキサン単位とSiO単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、1.00gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS 803 MQ12と、1.25gの沈降シリカSipernat D3513と、0.20gのカリウムメトキシドとを、190℃で4時間、混合することにより、消泡剤分子を調製する。得られた生成物は消泡剤材料である。得られた生成物を周囲温度まで冷却し、濾過した後、メタノールでよく洗い、乾燥して消泡剤分子を単離する。
【0214】
実施例4
約1200〜1600mm/s(1200〜1600cSt)の粘度を有し、75〜85mol%のエチルメチルシロキサン基、15〜25mol%の2−フェニルプロピルメチルシロキサン基を含み、トリメチルシリル基で終端する、22.75gの有機変性シリコーンAPT−21311と、トリメチルシロキサン単位とSiO単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、1.00gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS 803 MQ12と、1.25gの沈降シリカSipernat D3513とを互いに混合することにより、ネガティブ例として使用するためのコントロールを調製する。得られた生成物は、ネガティブ例として使用するためのネガティブ消泡剤コントロール材料である。得られた生成物を濾過し、メタノールでよく洗い、乾燥してコントロール分子を生成する。
【0215】
実施例5
約50〜60mm/s(50〜60cSt)の粘度を有し、82〜86mol%のジメチルシロキサン基、14〜18mol%の2−フェニルプロピルメチルシロキサン基を含み、シラノール基で終端する、40gの有機変性シリコーンPDS−161511と、トリメチルシロキサン単位とSiO単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、0.86gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS 803 MQ12と、1.61gの沈降シリカSipernat D1013と、0.54gのヒュームドシリカAerosil R97213と、0.20gのカリウムメトキシドとを、150℃で4時間、混合することにより、消泡剤分子を調製する。得られた生成物は消泡剤材料である。得られた生成物を周囲温度まで冷却し、濾過した後、メタノールでよく洗い、乾燥して消泡剤分子を単離する。
【0216】
実施例6
約50〜60mm/s(50〜60cSt)の粘度を有し、82〜86mol%のジメチルシロキサン基、14〜18mol%の2−フェニルプロピルメチルシロキサン基を含み、シラノール基で終端する、23.25gの有機変性シリコーンPDS−161511と、トリメチルシロキサン単位とSiO単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、0.5gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS803 MQ12と、0.94gの沈降シリカSipernat D1013と、0.31gのヒュームドシリカAerosil R97213とを互いに混合することにより、コントロール分子を調製する。得られた生成物は、ネガティブ例として使用するためのネガティブ消泡剤コントロール材料である。得られた生成物を濾過し、メタノールでよく洗い、乾燥してコントロール分子を生成する。
【0217】
実施例7
約1200〜1600mm/s(1200〜1600cSt)の粘度を有し、75〜85mol%のエチルメチルシロキサン基、15〜25mol%の2−フェニルプロピルメチルシロキサン基を含み、トリメチルシリル基で終端する、22.75gの有機変性シリコーンAPT−21311と、トリメチルシロキサン単位とSiO単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、7.60gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS 803 MQ12と、10.00gの沈降シリカSipernat D1013と、0.20gのカリウムメトキシドとを、190℃で2時間、混合することにより、消泡剤分子を調製する。得られた材料の半分を周囲温度まで冷却し、濾過した後、メタノールでよく洗い、乾燥して消泡剤分子を単離する。得られた材料の半分は周囲温度に冷却し、17.64gの10mm/s(10cSt)のポリジメチルシロキサン及び3.00gのステアリン酸2−エチルヘキシル14を加え、混合により完全に溶け込ませて消泡剤材料を得る。
【0218】
実施例8
約1200〜1600mm/s(1200〜1600cSt)の粘度を有し、75〜85mol%のエチルメチルシロキサン基、15〜25mol%の2−フェニルプロピルメチルシロキサン基を含み、トリメチルシリル基で終端する、42.34gの有機変性シリコーンAPT−21311と、トリメチルシロキサン単位とSiO単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、2.28gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS 803 MQ12と、3.00gの沈降シリカSipernat 3513と、0.06gのカリウムメトキシドとを、190℃で2時間、混合することにより、消泡剤分子を調製する。得られた材料の半分を周囲温度まで冷却し、濾過した後、メタノールでよく洗い、乾燥して消泡剤分子を単離する。得られた生成物の半分は周囲温度に冷却し、5.29gの10mm/s(10cSt)のポリジメチルシロキサン11及び0.9gのステアリン酸2−エチルヘキシル14を加え、混合により完全に溶け込ませて消泡剤材料を得る。
【0219】
実施例9
約6000〜8000mm/s(6000〜8000cSt)の粘度を有し、96.5〜97.5mol%のジメチルシロキサン基、2.5〜3.5mol%のジフェニルシロキサン基を含み、シラノール基で終端する、42.34gの有機変性シリコーンPDS−033811と、トリメチルシロキサン単位とSiO2単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、2.28gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS 803 MQ12と、3.00gの沈降シリカSipernat 3513と、0.06gのカリウムメトキシドとを、190℃で2時間、混合することにより、消泡剤分子を調製する。得られた材料の半分を周囲温度まで冷却し、濾過した後、メタノールでよく洗い、乾燥して消泡剤分子を単離する。得られた生成物の半分は周囲温度に冷却し、5.29gの10mm/s(10cSt)のポリジメチルシロキサン11及び0.9gのステアリン酸2−エチルヘキシル14を加え、混合により完全に溶け込ませて消泡剤材料を得る。
【0220】
実施例10
約5000mm/s(5000cSt)の粘度を有し、94〜96mol%のジメチルシロキサン基、4〜6mol%のジフェニルシロキサン基を含み、ビニル基で終端する、42.34gの有機変性シリコーンPVD−053511と、トリメチルシロキサン単位とSiO2単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、2.28gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS 803 MQ12と、3.00gの沈降シリカSipernat 3513と、0.06gのカリウムメトキシドとを、190℃で2時間、混合することにより、消泡剤分子を調製する。得られた材料の半分を周囲温度まで冷却し、濾過した後、メタノールでよく洗い、乾燥して消泡剤分子を単離する。得られた生成物の半分は周囲温度に冷却し、5.29gの10mm/s(10cSt)のポリジメチルシロキサン11及び0.9gのステアリン酸2−エチルヘキシル14を加え、混合により完全に溶け込ませて消泡剤材料を得る。
【0221】
実施例11
約1200〜1600mm/s(1200〜1600cSt)の粘度を有し、75〜85mol%のエチルメチルシロキサン基、15〜25mol%の2−フェニルプロピルメチルシロキサン基を含み、トリメチルシリル基で終端する、141.12gの有機変性シリコーンAPT−21311と、トリメチルシロキサン単位とSiO単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、7.60gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS 803 MQ12と、10.00gの沈降シリカSipernat D1313と、0.20gのカリウムメトキシドとを、190℃で2時間、混合することにより、消泡剤分子を調製する。得られた材料の半分を周囲温度まで冷却し、濾過した後、メタノールでよく洗い、乾燥して消泡剤分子を単離する。得られた材料の半分は周囲温度に冷却し、17.64gの10mm/s(10cSt)のポリジメチルシロキサン及び3.00gのステアリン酸2−エチルヘキシル14を加え、混合により完全に溶け込ませて消泡剤材料を得る。
【0222】
実施例12
約1200〜1600mm/s(1200〜1600cSt)の粘度を有し、75〜85mol%のエチルメチルシロキサン基、15〜25mol%の2−フェニルプロピルメチルシロキサン基を含み、トリメチルシリル基で終端する、141.12gの有機変性シリコーンAPT−21311と、トリメチルシロキサン単位とSiO単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、7.60gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS 803 MQ12と、10.00gの沈降シリカSipernat 383 DS13と、0.20gのカリウムメトキシドとを、190℃で2時間、混合することにより、消泡剤分子を調製する。得られた材料の半分を周囲温度まで冷却し、濾過した後、メタノールでよく洗い、乾燥して消泡剤分子を単離する。得られた材料の半分は周囲温度に冷却し、17.64gの10mm/s(10cSt)のポリジメチルシロキサン及び3.00gのステアリン酸2−エチルヘキシル14を加え、混合により完全に溶け込ませて消泡剤材料を得る。
【0223】
実施例13
約1200〜1600mm/s(1200〜1600cSt)の粘度を有し、75〜85mol%のエチルメチルシロキサン基、15〜25mol%の2−フェニルプロピルメチルシロキサン基を含み、トリメチルシリル基で終端する、42.34gの有機変性シリコーンAPT−21311と、トリメチルシロキサン単位とSiO2単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、2.28gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS 803 MQ12と、1.95gの沈降シリカSipernat 3513と、1.05gのヒュームドシリカAerosil R97213と、0.06gのカリウムメトキシド3とを、190℃で2時間、混合することにより、消泡剤分子を調製する。得られた材料の半分を周囲温度まで冷却し、濾過した後、メタノールでよく洗い、乾燥して消泡剤分子を単離する。得られた生成物の半分は周囲温度に冷却し、5.29gの10mm/s(10cSt)のポリジメチルシロキサン11及び0.9gのステアリン酸2−エチルヘキシル14を加え、混合により完全に溶け込ませて消泡剤材料を得る。
【0224】
実施例14
約500mm/s(500cSt)の粘度を有し、38〜42mol%のジメチルシロキサン基、58〜62mol%のフェニルメチルシロキサン基を含み、ビニル基で終端する、42.34gの有機変性シリコーンPMM−602511と、トリメチルシロキサン単位とSiO単位とを約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、2.28gのオルガノシロキサン樹脂Wacker−Belsil TMS 803 MQ12と、3.00gの沈降シリカSipernat 3513と、0.06gのカリウムメトキシドとを、190℃で2時間、混合することにより、消泡剤分子を調製する。得られた材料の半分を周囲温度まで冷却し、濾過した後、メタノールでよく洗い、乾燥して消泡剤分子を単離する。得られた生成物の半分は周囲温度に冷却し、5.29gの10mm/s(10cSt)のポリジメチルシロキサン11及び0.9gのステアリン酸2−エチルヘキシル14を加え、混合により完全に溶け込ませて消泡剤材料を得る。
Sigma Aldrich(Milwaukee,WI)より販売されるもの
11Gelest,Inc.(Morrisville,PA)より販売されるもの
12Wacker Silicones(Adrian,MI)より供給されるもの
13Evonik Degussa Corporation(Parsippany,NJ)より販売されるもの
14Wako Chemicals USA,Inc(Richmond,VA)より供給されるもの
【0225】
実施例15A〜15N:液体洗剤組成物
配合用の液体洗剤布地ケア組成物は、本明細書に示される表3に記載の成分を、示される順序及び比率で互いに混合することにより調製した
【0226】
【表3】
混合物を入れるのに適当なサイズの容器を用いる。混合は、IKA RW 20 D S1オーバーヘッドミキサ、モデルRW20D−S1、及びVWR Randnor(Pennsylvania)より販売されるR1345、4枚羽根プロペラ攪拌機、ヘッド径10cm、VWR社カタログ注文番号33994−112を使用して行う。
Shell Chemicals(Houston,TX)より販売されるもの
Sigma Aldrich chemicals(Milwaukee,WI)より販売されるもの
Ciba Specialty Chemicals(High Point,NC)より販売されるもの
P&G Chemicals(Cincinnati,OH)より販売されるもの
Huntsman Chemicals(Salt Lake City,UT)より販売されるもの
10Elementis Specialties(Highstown,NJ)よりThixin(登録商標)の商品名で販売されるもの
15酢酸ベンジル、β−ナフトールメチルエーテル、エチルバニリン、オイゲノール、ヘキシルシンナムアルデヒド、安息香酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、酢酸メチルフェニルカルボニルからなる香料
16脂肪族材料からなる香料
17Encapsys Inc(Appleton,WI)より販売されるもの
【0227】
実施例16A〜16E:液体洗剤組成物
液体洗剤組成物16A〜16Eは、表4に記載の成分を、示される順序及び比率で互いに混合することにより調製する
【0228】
【表4】
【0229】
実施例17A〜17G:液体洗剤組成物
液体洗剤布地ケア組成物17A〜17Gは、表5に記載の成分を、示される順序及び比率で互いに混合することにより調製する。液体洗剤布地ケア組成物を単位用量パウチ内に入れる。かかるパウチは、ポリビニルアルコールからなる壁を有するものである。
【0230】
【表5】
混合物を入れるのに適当なサイズの容器を用いる。混合は、IKA RW 20 D S1オーバーヘッドミキサ、モデルRW20D−S1、及びVWR Randnor(Pennsylvania)より販売されるR1345、4枚羽根プロペラ攪拌機、ヘッド径10cm、VWR社カタログ注文番号33994−112を使用して行う。
Shell Chemicals社(Houston,TX)より販売されるもの
Sigma Aldrich Chemicals(Milwaukee,WI)より販売されるもの
Ciba Specialty Chemicals(High Point,NC)より販売されるもの
P&G Chemicals(Cincinnati,OH)より販売されるもの
Huntsman Chemicals(Salt Lake City,UT)より販売されるもの
DuPont Industrial Biosciences社(South SanFrancisco,CA)より販売されるもの
10Elementis Specialties(Highstown,NJ)社よりThixinRの商品名で販売されるもの
18Evonik Corporation(Hopewell,VA)より販売されるもの
19Sasol Chemicals(Johannesburg,South Africa)より販売されるもの
20Genencor International(South SanFrancisco,CA)より販売されるもの
21BASF(Ludwigshafenm,Germany)より販売される、−NH当たり20個のエトキシレート基を有する分子量600g/molのポリエチレンイミンコア
22BASF(Ludwigshafenm,Germany)より販売される、国際公開特許第01/05874号に記載のもの
23−NH当たり24個のエトキシレート基と−NH当たり16個のプロポキシレート基とを有する、分子量600g/molのポリエチレンイミンコア。BASF(Ludwigshafenm,Germany)より販売される。
24Nalco Chemicals(Naperville,IL)より販売されるもの
25Novozymes(Copenhagen,Denmark)より販売されるもの
26PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有する、ポリビニルアセテートグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は、約6000であり、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルとの重量比は、約40〜60であり、50エチレンオキシド単位当たり1グラフト点を超えない。BASF(Ludwigshafenm,Germany)より販売される。
27Huntsman Holland(Saint−Mihiel,France)より販売されるもの
【0231】
実施例18A〜18D−すすぎ時添加型布地ケア組成物
下記表6に示される成分を互いに混合することによりすすぎ時添加型布地ケア組成物18A〜18Dを調製する。
【0232】
【表6】
17Encapsys Inc(Appleton,WI)より販売されるもの
28Evonik Corporation(Hopewell,VA)より販売されるN,Nジ(タローオイルオキシエチル)−N,Nジメチルアンモニウムクロリド
29脂肪酸とメチルジエタノールアミンとの反応生成物を塩化メチルにより四級化して得られる、N,N−ジ(タローオイルオキシエチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリドとN−(タローオイルオキシエチル)N−ヒドロキシエチルN,N−ジメチルアンモニウムクロリドとの2.5:1モル比の混合物。Evonik Corporation(Hopewell,VA)より販売される。
30株式会社日本触媒(日本、東京)よりEpomin(登録商標)1050の商品名で販売されるもの
31BASF(Ludwigshafen)よりRheovis CDEの商品名で販売される、アクリルアミド−co−[2−(アクリロイルアミノ)エチル]トリ−メチルアンモニウムクロリド(四級ジメチルアミノエチルアクリレート)のコポリマーなどのカチオン性ポリアクリルアミドポリマー。
32International Flavors and Fragrances(New York,New York)
【0233】
本明細書に開示した寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指定されない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙した値と、その値の周辺の機能的に等価な範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0234】
「発明を実施するための形態」の中で引用される全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により援用されている。いかなる文書の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文書における同じ用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本文献においてその用語に与えられる意味又は定義が優先するものとする。
【0235】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。