(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6665308
(24)【登録日】2020年2月21日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】電子構成部材のための保持装置
(51)【国際特許分類】
F21S 41/39 20180101AFI20200302BHJP
F21S 45/48 20180101ALI20200302BHJP
F21S 41/675 20180101ALI20200302BHJP
F21S 45/10 20180101ALI20200302BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20200302BHJP
【FI】
F21S41/39
F21S45/48
F21S41/675
F21S45/10
F21W102:13
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-542191(P2018-542191)
(86)(22)【出願日】2017年2月6日
(65)【公表番号】特表2019-505080(P2019-505080A)
(43)【公表日】2019年2月21日
(86)【国際出願番号】AT2017060021
(87)【国際公開番号】WO2017143372
(87)【国際公開日】20170831
【審査請求日】2018年8月10日
(31)【優先権主張番号】A50128/2016
(32)【優先日】2016年2月24日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ミッターレーナー、シュテファン
【審査官】
河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−133409(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0127747(US,A1)
【文献】
特開2016−024929(JP,A)
【文献】
実開平02−098401(JP,U)
【文献】
特開2010−132202(JP,A)
【文献】
特開2013−062972(JP,A)
【文献】
特開2005−166590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00
F21S 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子構成部材(2)のための保持装置(1)を備える車両投光器であって、
前記電子構成部材(2)は、光学的作用面(21)を表側に、熱的作用面(22)および電気接点(23)を、前記表側とは反対の裏側に有しており、
前記電子構成部材のための取り付け位置、並びに当該取り付け位置の領域に存在する本体開口部(31)を備える本体(3)を含み、前記本体開口部を通して、前記電子構成部材(2)の光学的作用面(21)にアクセス可能であり、前記電子構成部材(2)の表側が前記本体(3)に当接しており、
前記電子構成部材(2)とその電気接点を介して接続可能であり、基板開口部(41)を有する導体路基板(4)を含み、前記基板開口部を通して、前記電子構成部材(2)の熱的作用面(22)にアクセス可能であり、
前記電子構成部材(2)の熱的作用面(22)上に配置されており、前記本体に固定された冷却体(5)を含み、
前記導体路基板(4)と前記本体(3)との間に配置されている少なくとも1つの弾性のスペースホルダ(6)を含み、
前記冷却体(5)は、前記少なくとも1つの弾性のスペースホルダ(6)を介して前記本体(3)に固定されている
ことを特徴とする車両投光器。
【請求項2】
電子構成部材(2)のための保持装置(1)を備える車両投光器であって、
前記電子構成部材(2)は、光学的作用面(21)を表側に、熱的作用面(22)および電気接点(23)を、前記表側とは反対の裏側に有しており、
前記電子構成部材のための取り付け位置、並びに当該取り付け位置の領域に存在する本体開口部(31)を備える本体(3)を含み、前記本体開口部を通して、前記電子構成部材(2)の光学的作用面(21)にアクセス可能であり、前記電子構成部材(2)の表側が前記本体(3)に当接しており、
前記電子構成部材(2)とその電気接点を介して接続可能であり、基板開口部(41)を有する導体路基板(4)を含み、前記基板開口部を通して、前記電子構成部材(2)の熱的作用面(22)にアクセス可能であり、
前記電子構成部材(2)の熱的作用面(22)上に配置されており、前記本体に固定された冷却体(5)を含み、
前記導体路基板(4)と前記本体(3)との間に配置されている少なくとも1つの弾性のスペースホルダ(6)を含み、
導体路基板(4)と冷却体(5)との間には、少なくとも1つの第2の弾性スペースホルダ(8)が配置されている
ことを特徴とする車両投光器。
【請求項3】
前記導体路基板(4)および前記本体(3)は、前記弾性のスペースホルダ(6)を介して互いに接続されており、間隔が保持されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両投光器。
【請求項4】
前記電子構成部材(2)は、アナログまたはデジタルのマイクロミラーアレイである
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両投光器。
【請求項5】
前記導体路基板(4)および前記本体(3)は、ネジまたは差込接続による接続要素(7)によって互いに接続されている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両投光器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両投光器(前照灯など)における電子構成部材のための保持装置に関するものであり、前記電子構成部材は、光学的作用面を表側に、熱的作用面および電気接点を、前記表側とは反対の裏側に有する。
【背景技術】
【0002】
現在の投光器システムの開発では、ますます多くの要望に関心が払われている。すなわち、可及的に高分解能の光像を走行路上に投影することができ、光像を高速に変化させ、それぞれの交通条件、道路条件および照明条件に適合できることである。概念「走行路」は、ここでは簡単に記述するために使用される。なぜならこれが、光像が実際に走行路上に存在するか、またはそれを越えて伸長するかという局所的な条件に依存するのは当然だからである。基本的に光像は、垂直面への投影に基づき、自動車照明技術に関連する現行規則に対応して記述される。
【0003】
前に述べたこの必要性に対応するために、とりわけ、可変に制御可能な反射面が複数のマイクロミラーから形成されており、光源により形成される光放射を投光器(前照灯)の照射方向に反射する投光器(前照灯)が開発された。この種の照明技術は、自動車工業ではその光分布が非常にフレキシブルであるので有利である。なぜなら異なる照明領域に対して照明強度を個別に制御することができ、例えばロービーム光分布、右左折光分布、市街地光分布、高速道路光分布、コーナリング光分布、ハイビーム光分布または幻惑のないハイビーム結像のような任意の光分布を実現することができるからである。
【0004】
マイクロミラーアセンブリに対しては、いわゆるデジタルライトプロセッシング(DLP,登録商標)投影技術が使用される。ここでは画像が、デジタル画像を光線に重畳変調(aufmoduliert)することにより形成される。ここではピクセルとも称される、可動のマイクロミラーの矩形アセンブリにより光線が部分領域に分解され、引き続きピクセルごとに投影経路に入るように、または投影経路から出るように反射される。
【0005】
この技術に対するベースは、ミラーのマトリクスの形態の矩形アセンブリとそれらの制御技術を含む電子構成部材によって形成され、これは「デジタルマイクロミラーデバイス」(DMD)と称される。
【0006】
DMDマイクロシステムは、マトリクス状に配置されたマイクロミラーアクチュエータ、すなわち傾斜可能なミラー面から形成された(多)面式光変調器(即ち、空間光変調器、SLM)であり、例えば約16μmのエッジ長を有する。ミラー面は、静電野の作用によって可動に構成されている。各マイクロミラーは、実質的に個別に調整可能であり、通常は2つの安定した最終状態を有し、これら最終状態の間を一秒間に5000回まで交番することができる。ミラーの数は投影される画像の解像度に相当し、1つのミラーは1つまたは複数のピクセルを表示することができる。これまで、メガピクセル領域の高解像度のDMDチップが入手可能である。調整可能な個別のミラーの基礎となる技術は、微小電気機械システム(MEMS)技術である。
【0007】
DMD技術は2つの安定したミラー状態を有し、2つの安定した状態の間で変調することにより反射係数を調整することができるが、「アナログマイクロミラーデバイス」(AMD)技術は、それぞれ安定した状態になる可変のミラー位置に個別のミラーを調整することができるという特性を有する。
【0008】
典型的なマイクロミラー構成部材はケーシングを有し、ケーシングの表側に、すなわち光学的視野窓の後ろにミラーのマトリクスが配置されている。このようなマイクロミラー構成部材の光学的作用面(光学的インターフェースエリア)は、構成部材の活性ミラー面として理解される。すなわち、個々のマイクロミラーすべてによって形成された全体面である。ケーシングの裏側には、通常、電気接点が中央にある面の周囲の領域に配置されており、これらの電気接点は冷却装置を接続するために設けられている。このようなマイクロミラー構成部材の熱的作用面(熱的インターフェースエリア)は、構成部材の裏側にある面であると理解され、この面は冷却体を取り付けるために設けられている。
【0009】
マイクロミラー構成部材は、いわゆるCLGA(セラミックランドグリッドアレイ)モジュール、すなわち集積回路用の接続システムに組み込まれることがしばしばである。LGAシステムでは集積回路の端子が、その下側において接点面(ランド)のチェス盤状のフィールド(グリッドアレイ)の形態に構成されている。LGAプロセッサは通常、弾性に構成された接点を含むソケットに装着される。このことは接点に比較的小さな機械的負荷を引き起こす。CLGAのセラミック体は、とりわけ高い作動温度に対して設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】DE 10 2009 049016 Al
【特許文献2】DE 10 2008 031262 Al
【特許文献3】DE 10 2011 052184 Al
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
個々のコンポーネントの取り付け中に発生し得る機械的負荷力の他に、車両の停止時または走行中に、振動のような機械的負荷力または走行状況による引張力または圧縮力が発生し、これらの力は車両のすべてのコンポーネントに作用する。したがってコンポーネントを一方では、機械的負荷力がコンポーネントの機能ないしそれらの配置に互いに何らの影響も及ぼさないように構成することが必要である。他方ではコンポーネントは、コンポーネントにおいて、あるいはコンポーネント内部の隣接する異なる材料には材料膨張の差があるため、例えば大きな温度差によって惹起される機械的負荷(ないし応力)によって安定性および寿命が損なわれてはならない。
【0012】
本発明の課題は、車両投光器における電子構成部材のための保持装置を創出することであり、この車両投光器は、装着された電子構成部材による車両投光器の光学的基本機能をサポートし、並びに電子構成部材の安定した機械的固定を、光学的、電気的および熱的システム部分の接続部としても可能にするようにする。この際機械的負荷力が接続部に作用してはならないことを考慮すべきである。同時にコンポーネントの簡単な保守が可能であることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、本発明の
第1の視点により冒頭に述べた形式の車両投光器において、次の如く解決される。
即ち、保持装置が、
−前記電子構成部材のための取り付け位置、並びに当該取り付け位置の領域に存在する
本体開口部を備える本体を含み、前記
本体開口部を通して、前記電子構成部材の光学的作用面にアクセスが可能であり、前記電子構成部材の表側が前記本体に当接しており、
−前記電子構成部材とその電気接点を介して接続可能であり、
基板開口部を有する導体路基板を含み、前記
基板開口部を通して、前記電子構成部材の熱的作用面にアクセスが可能であり、
−前記電子構成部材の熱的作用面上に配置されており、前記本体に固定された冷却体を含み、さらに
−前記導体路基板と前記本体との間に配置されている少なくとも1つの弾性のスペースホルダを含
み、
−前記冷却体は、前記少なくとも1つの弾性のスペースホルダを介して前記本体に固定されている
ことによって解決される。
更に、本発明の第2の視点により、電子構成部材のための保持装置を備える車両投光器であって、
前記電子構成部材は、光学的作用面を表側に、熱的作用面および電気接点を、前記表側とは反対の裏側に有しており、
前記電子構成部材のための取り付け位置、並びに当該取り付け位置の領域に存在する本体開口部を備える本体を含み、前記本体開口部を通して、前記電子構成部材の光学的作用面にアクセス可能であり、前記電子構成部材の表側が前記本体に当接しており、
前記電子構成部材とその電気接点を介して接続可能であり、基板開口部を有する導体路基板を含み、前記基板開口部を通して、前記電子構成部材の熱的作用面にアクセス可能であり、
前記電子構成部材の熱的作用面上に配置されており、前記本体に固定された冷却体を含み、
前記導体路基板と前記本体との間に配置されている少なくとも1つの弾性のスペースホルダを含み、
導体路基板と冷却体との間には、少なくとも1つの第2の弾性スペースホルダが配置されている車両投光器が提供される。
なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものに過ぎず、本発明を限定することを意図したものではない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明において下記の形態が可能である。
(形態1)上記
第1の視点のとおり。
(形態2)
上記第2の視点のとおり。
(形態
3)
前記導体路基板および前記本体は
、前記弾性のスペースホルダを介して互いに接続されており、間隔が保持されている
ことが好ましい。
(形態4)
前記電子構成部材は、アナログまたはデジタルのマイクロミラーアレイである
ことが好ましい。
(形態5)
前記導体路基板および前記本体は、ネジまたは差込接続による接続要素によって互いに接続されている
ことが好ましい。
光学的または熱的作用面へのアクセスとは、それぞれの作用面に本体ないし導体路基板にある開口部を通して到達可能であるか、または電子構成部材の作用面が開口部を通って突き出ることができ、これにより作用面が作用できるようにすることを意味する。光学的作用面は、入射し、電子構成部材による散乱に相応して再び反射される光の反射によってその作用を形成する。開口部により、入射光と反射光の経路が損なわれないことが保証される。熱的作用面は、電子構成部材に発生する熱を排熱(消散)することによってその作用を形成する。付加的に作用を改善するために、冷却体を熱的作用面上に取り付けることができる。熱は、一方では電子構成部材の電子回路の損失電力によって生成されるが、また、光学的作用面に入射し、反射されなかった光によっても引き起こされる。
【0015】
本発明の保持装置により、電子構成部材が車両投光器の機能のために適切に取り付けられており、さらに適切に冷却することができ、機械的負荷力が導体路基板に作用しないことが達成される。なぜなら導体路基板が弾性に構成され支承されているからである。さらに車両投光器の組み立ては非常に簡単である。なぜなら例えば光源または結像光学系に向けて電子構成部材を配向するために、個々のコンポーネントの装着の際にそれぞれ微調整を行うことができるからである。接続要素によってすべてのコンポーネントが共に保持されるが、ある程度の範囲内でまだ調整可能である。
【0016】
このアセンブリは、導体路基板と冷却体が互いに別個のコンポーネントである場合、機械的負荷力が導体路基板に作用しないことを保証する。しかしそれでも熱輸送のために冷却体と電子構成部材との直接的な接触が与えられる。
【0017】
機械的負荷力の低減は、類似の材料膨張係数を有する材料だけを互いに剛性に直接的に接続し、それ以外は弾性に構成された接続部によってだけ接続することによっても達成される。
【0018】
導体路基板と本体が、好ましくは接続要素によって、弾性のスペースホルダを介して互いに接続され、間隔が保持されている場合、弾性に構成されたスペースホルダが、取り付けの際に滑落に対して確保されることが保証される。なぜならこのスペースホルダは、例えばリングとして接続要素の周りに固定されているからである。
【0019】
接続要素はネジとすることができる。しかし(プラグ式)差込接続、リベット留め、接着接続等も可能である。ネジは脱着可能かつ再使用可能な接続要素であり、保持装置の保守の際にも簡単である。コネクタは堅固な接続部であり、それ以外にコスト的にも有利である。
【0020】
導体路基板と冷却体との間に少なくとも1つの弾性に構成された第2のスペースホルダが配置されている場合、導体路基板は弾性に構成された2つのスペースホルダの間に固定され、投光器の振動に対して非常に良好に振動が減衰される。
【0021】
アナログまたはデジタルのマイクロミラーアレイを電子構成部材として使用することにより、車両投光器の光学的機能の特に有利な構成が得られる。
【0022】
本発明の保持装置において本体にある前記開口部は、電子構成部材の光学的作用面へのアクセスを可能にする。すなわち、構成部材にあるミラーのマトリクスは、照明装置のさらなるコンポーネントに対して可視であり、光源から入射された光は開口部を通って出入りし、光学的作用面を介して反射することができる。
【0023】
導体路基板は、有利には同様に開口部を有し、この開口部を通して冷却体を差し込むことができ、そこに冷却体を取り付けるために電子構成部材の熱的作用面へのアクセスを可能にする。
【0024】
本発明およびさらなる利点を、添付図面に示された非制限的な実施例に基づき、以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例による一DLPチップの形態の一電子構成部材のチップ上側の平面図である。
【
図3】本発明の保持装置を備える車両投光器の一実施例の第1の側から見た斜視図である。
【
図5】第2の側からの投光器の保持装置の主要コンポーネントの分解図である。
【
図6】投光器を下方から見た図であり、断面A−AおよびB−Bの位置を示す。
【
図7】
図6の断面A−Aによる投光器の断面図である。
【
図8】
図6の断面B−Bによる投光器の断面図である。
【実施例】
【0026】
図1から
図8を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。とりわけ投光器(前照灯)の主要部分が図示されているが、図示しない多数の他の部材を投光器が含むことは明白であり、これらの部材は、例えばとりわけ自家用車のような自動車または自動二輪における有意義な使用を可能にする。
【0027】
図面では車両投光器における電子構成部材2のための保持装置のコンポーネントが、概略図ないし種々の斜視図と断面図に示されている。図面にはそれぞれのコンポーネントに対して、これらのコンポーネントが繰り返し実施されていても、1つの代表的な参照符号が示されている。
【0028】
図1と
図2は、デジタルマイクロミラーアレイ(DLPチップ(登録商標))の形態の本発明による電子構成部材2を示す。電子構成部材2は、光学的作用面21(マイクロミラーアレイ)を表側に、熱的作用面22並びに周囲に配置された電気接点(複数)23を、表側とは反対の裏側に有する。さらに位置調整孔(複数)が示されている。この例で電子構成部材2は、アナログまたはデジタルのマイクロミラーアレイである。
【0029】
図1と
図2のチップ上側ないしチップ下側は、
図3から
図8の保持装置全体の見え方に対応していない。
【0030】
図3から
図5は、一実施例による保持装置1の構造を示す。
【0031】
電子構成部材2は本体3上に、そのために設けられた取り付け位置で取り付けられている。本体3は取り付け位置の領域に開口部31を有し、この開口部を通して電子構成部材2の光学的作用面21にアクセスすることができる。このアクセスは、例えば電子構成部材2が開口部31を通って突き出るようにして実施することができる。これにより電子構成部材2にあるミラーのアレイは、照明装置のさらなるコンポーネントに対して光学的にアクセスでき、あるいは可視である。このことは、光源から入射された光が光学的作用面を介して投光器の照射方向に反射されることを可能にする。さらに電子構成部材2の表側は本体3に当接している。
【0032】
電子構成部材2とその電気接点を介して接続することのできる導体路基板4は開口部41を有し、この開口部を通して電子構成部材2の熱的作用面22にアクセス可能である。
【0033】
冷却体5が電子構成部材2の熱的作用面22上に配置されており、本体に固定することができる。
【0034】
弾性に構成された複数のスペースホルダ(ないしスペーサ)6が導体路基板4と本体3との間に配置されている。スペースホルダ6はリング状に構成することができ、とりわけ円環形状または中空円筒状である。複数の接続要素7が冷却体5を本体に固定する。接続要素7は、この例ではネジとすることができるが、差込接続、リベット留め、接着接続等も可能である。接続要素は、付加的に、導体路基板4を本体3と弾性に構成されたスペースホルダ6を介して弾性的に接続する。さらに導体路基板4と冷却体5との間には、弾性に構成された第2のスペースホルダ8が配置されている。電子構成部材2の表側は本体3に当接しており、接続要素7および冷却体5によって固定される。ネジを接続要素7として使用する場合、本体3にはネジ山を設けることができる。言い替えると電子構成部材2は本体3と冷却体5との間に張架され、接続要素7を介して応力が及ぼされ、接続が形成されている。
【0035】
保持装置1には、光線形成のための投影光学系を含む投影光学系モジュール10を固定することができる。さらに保持装置1には光源開口部11並びに投影光学系開口部12が設けられており、これにより車両投光器の光源および投影光学系を電子構成部材2と共に光学的アセンブリに搬入する。車両投光器の投影光学系は、そのために設けられた投影光学系モジュール10内で保持装置1に固定することができる。光源モジュール9内の光源により形成された光は、電子構成部材2の方向に照射され、これにより光学的作用面21において投影光学系の方向に反射される。
【0036】
図6は、本体3と導体路基板4並びに冷却体5を備える保持装置1を下方から見た図であり、断面A−AとB−Bの位置も示されている。断面A−Aは接続要素7を通って、断面B−Bは冷却体5を通って延在する。
【0037】
図7は、
図6の断面A−Aにおける保持装置1の断面を示し、ここで断面A−Aは接続要素7を通って延在する。導体路基板4では取り付けソケット24の上に電子構成部材2が取り付けられている。導体路基板4と冷却体5は、本体3において接続要素7と弾性のスペースホルダ6および8によって規定の間隔に保持されている。電子構成部材2の裏側には冷却体5が配置されている。
【0038】
図8は、
図6の断面B−Bにおける保持装置1の断面を示し、ここで断面B−Bは冷却体5を通って延在する。冷却体5は本体3に、接続要素によって固定されている。冷却体5が電子構成部材2の上にどのように配置されているかが理解できる。ここで冷却体5は取り付けソケット24に(を通して)差し込まれている。弾性のスペースホルダ6と8は、導体路基板4を本発明により、機械的負荷力が導体路基板に作用しないように固定する。
【符号の説明】
【0039】
1 保持装置
2 電子構成部材
21 電子構成部材の光学的作用面
22 電子構成部材の熱的作用面
23 電子構成部材の電気接点
24 電子構成部材のための取り付けソケット
3 本体
31 本体における電子構成部材のための開口部
4 導体路基板
41 基板における電子構成部材のための開口部
5 冷却体
6 第1の弾性スペースホルダ
7 接続要素
8 第2の弾性スペースホルダ
9 光源モジュール
10 投影光学系モジュール
11 光源開口部
12 投影光学系開口部