(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る照明装置を例示するブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の照明装置6は、照明ユニット10と、電源部20と、を備える。電源部20は、電源入力端子25a,25bを介して、交流電源2に接続される。交流電源2は、たとえば商用電源である。照明装置6は、交流電源2に接続して、交流電力を直流電力に変換して照明ユニット10を点灯させる。
【0010】
照明装置6は、調光ユニット30と接続することができる。照明装置6は、調光ユニット30と接続することによって、調光ユニット30を介して上位装置4に接続することができる。
【0011】
照明ユニット10は、1つ以上の発光素子11を含む。発光素子11は、たとえばLED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子等である。照明ユニット10は、複数の発光素子11を含んでもよい。この場合には、発光素子11は直列に接続される。直列に接続された発光素子11の直列接続体がさらに並列に接続されてもよい。照明ユニット10は、2つの接続端子10a,10bを含む。接続端子10aは、発光素子11の最高電位の端子に接続されている。接続端子10bは、発光素子11の最低電位に接続されている。接続端子10a,10bは、それぞれ電源部20の電源出力端子25c,25dに接続される。
【0012】
電源部20は、通信部21と、制御部22と、記憶部23と、電力変換部25と、を含む。電源部20は、信号入出力端子21a,21bを含む。信号入出力端子21a,21bは、通信部21の入力に接続されている。信号入出力端子21a,21bは、後述するように、調光ユニット30の信号入出力端子39a,39bに接続されて、電源部20は、調光ユニット30と双方向の通信を行うことができる。
【0013】
通信部21は、調光ユニット30から入力した電源部20に対する調光度に関するデータを受信し、たとえば受信したデータがシリアルデータの場合には、パラレルデータに変換して、変換されたデータを制御部22に供給する。
【0014】
通信部21は、電源部20の記憶部23に格納されている、電源部20に関するデータを、調光ユニット30へ送信する。電源部20に関するデータは、調光ユニット30に送信された後、調光ユニット30によって、さらに上位装置4に送信される。上位装置4は、たとえばコンピュータ端末であり、通信ネットワークを介して調光ユニット30に接続されている。上位装置4は、受信した電源部20に関するデータを解釈して、そのデータをこの照明器具1の制御のために利用し、またシステム全体の制御のために利用する。
【0015】
制御部22は、通信部21によって受信された調光度に関するデータにもとづいて、電源部20の出力電流値を設定する参照電圧を発生して電力変換部25に供給する。電力変換部25は、入力された参照電圧にしたがって出力電流値を設定して、照明ユニット10に供給する。
【0016】
制御部22は、記憶部23に接続されており、記憶部23に格納されている電源部20に関するデータを取得する。電源部20に関するデータは、たとえば、負荷オープンや負荷短絡等の器具の異常状態等を含む器具の動作状態に関するデータや、当該照明装置6のアドレスを含む識別情報等の器具の設定情報に関するデータ等である。照明ユニット10の通算点灯時間に関するデータを含むようにすることもできる。
【0017】
制御部22は、この例のように操作部24に接続するようにしてもよい。操作部24は、たとえば、リモコン(図示せず)からの通信データを受信する通信モジュール等である。制御部22は、リモコン等からの操作信号を操作部24を介して入力し、リモコン等による照明ユニット10の点灯および消灯を操作し、あるいは調光操作を行う。
【0018】
制御部22は、たとえばマイクロコンピュータである。制御部22は、記憶部23に格納されたプログラムにしたがって、動作する。この例では、記憶部23は、制御部22の外部に設けられているが、記憶部23のすべて、または一部を制御部22が内部に有するようにしてもよい。
【0019】
調光ユニット30は、通信部31と、制御部32と、記憶部33と、を含む。調光ユニット30は、信号入出力端子39a,39bを含んでいる。信号入出力端子39a,39bは、通信部31の出力に接続されており、電源部20の信号入出力端子21a,21bに接続される。
【0020】
通信部31は、上位装置4に接続される。通信部31は、たとえば無線通信モジュールである。通信部31は、有線で上位装置4と接続する通信モジュールであってもよい。あるいは、通信部31は、有線および無線による通信を選択的に行う通信モジュールであってもよい。有線通信を行う場合のために、通信部31は、接続端子39c,39dを含む。通信部31は、上位装置4との間で無線または有線によってデータの交換を行う。通信部31は、上位装置4から特定の通信プロトコルにしたがうデータを送受信することができる。この場合の通信プロトコルは、たとえば、DMX512−A、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)、あるいはT/Flecs(登録商標)等である。通信プロトコルにしたがうデータに限らず、単なるPWM(Pulse Width Modulation)信号等であってもよい。通信部31は、特定の通信プロトコルにしたがうデータを受信して、そのデータをたとえばシリアル−パラレル変換して制御部32に供給する。
【0021】
通信部31は、電源部20から送信された電源部20に関するデータを受信し、受信したデータを制御部32に供給する。
【0022】
制御部32は、通信部31から供給された、特定の通信プロトコルにしたがうデータを共通形式のデータに変換する。共通形式は、たとえばPWM信号の形式である。制御部32は、共通形式に変換したデータを通信部31に供給する。通信部31は、共通形式に変換されたデータを信号入出力端子39a,39bを介して、電源部20に供給する。制御部32は、変換後のデータを通信部31を介さずに直接信号入出力端子39a,39bを介して電源部20に供給してもよい。
【0023】
制御部32は、通信部31から供給された電源部20に関するデータを特定のプロトコルにしたがうデータに変換する。変換されたデータは、通信部31を介して上位装置4に送信される。つまり、制御部32は、上位装置4の下で特定の通信プロトコルにしたがうデータを共通形式のデータに変換し、共通形式のデータを特定の通信プロトコルにしたがうデータに変換する。
【0024】
制御部32は、たとえばマイクロコンピュータである。制御部32は、記憶部33に格納されたプログラムにしたがって動作する。記憶部33には、接続される上位装置4との間の通信プロトコルを解釈して、所定の出力信号に変換するプログラムが格納されている。また、記憶部33には、電源部20から供給された電源部20に関するデータを特定のプロトコルにしたがうデータに変換するプログラムが格納されている。制御部32は、これらのプログラムを呼び出すことによって、データの変換を行う。なお、この例では、記憶部33は、制御部32の外部に設けられているが、記憶部33のすべて、または一部を制御部32が内部に有するようにしてもよい。
【0025】
本実施形態の照明器具1の動作について説明する。
図2は、本実施形態の照明器具1の動作を説明するためのフローチャートである。
図2に示すように、ステップS1において、電源部20は、自己の状態に関するデータを調光ユニット30に送信する。自己の状態に関するデータは、記憶部23に格納されており、制御部22によって取り出される。電源部20から調光ユニット30へ送信されるデータは、共通形式のフォーマットにしたがう。
【0026】
ステップS2において、調光ユニット30は、電源部20から送信されてきたデータを上位装置4との通信プロトコルに適応するように形式を変換する。変換されたデータを通信部31を介して上位装置4に送信する。
【0027】
上位装置4は、照明器具1の電源部20に関するデータを確認し、調光度を設定して、所定の通信プロトコルにしたがう形式のデータにして送信する。ステップS3において、調光ユニット30は、送信されてきたデータを受信する。
【0028】
ステップS4において、調光ユニット30は、上位装置4からのデータを受信し、制御部32によって電源部20との通信のための共通形式のデータに変換する。
【0029】
ステップS5において、電源部20は、調光ユニット30によって変換された調光度に関するデータにしたがって出力する電流値を設定する。
【0030】
ステップS6において、電源部20は、設定された調光度に対応する電流を出力して照明ユニット10を点灯させる。
【0031】
本実施形態の照明器具の作用および効果について説明する。
本実施形態の照明器具1では、双方向の通信が可能な通信部21,31を含んでいるので、上位装置4からの調光度の指定に限らず、照明器具1の側からのデータを上位装置4に送信することができる。上位装置4では、照明器具1の状態、たとえばその照明器具1のアドレスおよび発光素子11の通算点灯時間等を認識することができる。そのため、その照明器具1に対してより適切な調光度等で点灯させることができる。
【0032】
上位装置4は、複数の照明器具1,…,1に対して双方向のデータの交換を行うことができるので、1つの照明器具の状態に応じて、他の照明器具の状態を設定し、照明システム全体としてより適切な、点灯状態等を実現することができる。
【0033】
(第2の実施形態)
上述の実施形態の調光ユニット30は、照明装置6に対して、着脱可能に接続することができる。調光ユニット30は、特定の通信プロトコルに適応した通信部31および制御部32を有することによって、異なる通信プロトコルを有する上位装置4との接続をはかることができる。
図3(a)は、本実施形態に係る照明器具の外観を例示する斜視図である。
図3(b)は、本実施形態の照明器具の構造を例示する模式的な断面図である。
本実施形態の照明器具1は、上述の実施形態の場合と同一の回路構成を有している。同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0034】
照明器具1は、照明ユニット10と、電源部20と、調光ユニット30と、を備える。調光ユニット30は、照明ユニット10とは別体である。また調光ユニット30は、電源部20とも別体である。なお、後述するように、照明ユニット10と電源部20とを別体とすることができる。
【0035】
図3(a)に示すように、照明ユニット10、電源部20および調光ユニット30は、組み合わされて、全体として一体化された形状とすることができる。一体化された照明器具1は、X軸方向の長さA、Y軸方向の長さ(奥行)BおよびZ軸方向の長さ(高さ)Cのほぼ直方体である。この例では、照明ユニット10のXY平面に平行な面は、電源部20のXY平面に平行な面とほぼ同一の形状をしており、この面を対向させて、互いに結合させる。結合された照明装置6のYZ平面に平行な面は、調光ユニット30のYZ平面に平行な面とほぼ同一の形状をしており、この面を対向させて互いに結合させる。
【0036】
図3(b)に示すように、照明ユニット10は、筐体110と、基板111と、コネクタ112と、を含む。筐体110は、X軸方向の長さA1、Y軸方向の長さ(奥行)BおよびZ軸方向の長さ(高さ)C1のほぼ直方体である。筐体110は、絶縁性の材料、たとえばポリカーボネート等の合成樹脂素材によって形成されている。筐体の上面(Z軸方向正側)には開口が設けられており、この開口部には透明の樹脂素材がはめ込まれている。透明の樹脂素材を介して、基板111上に載置された発光素子11からの発光光が放出される。
【0037】
基板111は、照明ユニット10の長さA1よりも短い長さと、奥行Bよりも短い奥行を有する。基板111は、絶縁性の基材を有しており、基材の面には、複数の発光素子11,…,11が接続される配線およびランドがあらかじめ形成されている。複数の発光素子11,…,11は、それぞれの端子をランド上に載置され、電気的に接続されている。基板111には、接続端子10a,10bに接続されているコネクタ112が接続されている。この例では、コネクタ112は、基板111の、発光素子11が載置されている面とは反対側の面に設けられている。複数の発光素子11,…,11が搭載された基板111は、筐体110内に収納されている。コネクタ112は、筐体110から先端が突出している。
【0038】
電源部20は、筐体120と、制御基板121と、電源基板125と、コネクタ122,126と、を含む。筐体120は、X軸方向の長さA1、Y軸方向の長さ(奥行)BおよびZ軸方向の長さ(高さ)C2のほぼ直方体である。筐体120は、絶縁性の材料で形成されている。照明ユニット10の筐体110と同一の材料により形成されていてもよい。
【0039】
制御基板121上には、通信部21、制御部22、記憶部23等が載置され、制御基板121上に設けられた配線およびランド等によってそれぞれ適切に接続されている。コネクタ122は、信号入出力端子21a,21bに接続されている。コネクタ122は、この例では、制御基板121と平行は方向に接続部が向くように設けられている。制御基板121上に設けられたコネクタ122は、後述する調光ユニットのコネクタ132と対向して配置される。
【0040】
電源基板125上には、電力変換部25が載置され、電源基板125上に設けられた配線およびランド等によって適切に接続されている。コネクタ126は、照明ユニット10のコネクタ112と対向して配置される。
【0041】
電源基板125は、この例ではコネクタ126が開口する向きとは反対側に突出するように電源コネクタ127が設けられている。電源コネクタ127は、電源入力端子25a,25bに接続されている。電源コネクタ127は、筐体120から突出して、照明器具1が設置される箇所に設けられたレセプタクルに接続される。
【0042】
この例では、制御基板121は、電源基板125とコネクタおよびケーブルによって接続されている。なお、通信部21、制御部22、記憶部23、操作部24および電力変換部25は、同一の基板上に載置され接続されてもよい。
【0043】
制御基板121、電源基板125およびコネクタ122,126は、同一の筐体120内に収納されている。
【0044】
照明ユニット10は、電源部20と別体であり、照明ユニット110のコネクタ112と電源部コネクタ122とを抜き差しすることによって着脱することが可能であり、同一形式の照明ユニット10と交換することができる。同一形式の照明ユニット10とは、同一の発光色、光出力の発光素子11を含み、同一の定格電圧および同一の定格電流を有する照明ユニットである。
【0045】
照明ユニット10の下面の形状は、電源部20の上面の形状とほぼ同一であり、照明ユニット10と電源部20とをこれらの面で結合させた場合には、一体的な直方体となる。
【0046】
調光ユニット30は、筐体130と、制御基板131と、コネクタ132と、を含む。
筐体130は、X軸方向の長さA2、Y軸方向の長さ(奥行)BおよびZ軸方向の長さ(高さ)Cのほぼ直方体である。筐体130は、照明ユニット10の筐体110および電源部20の筐体120と同一の材料により形成される。
【0047】
制御基板131上には、通信部31、制御部32および記憶部33が載置されている。通信部31、制御部32および記憶部33は、制御基板131上に設けられた配線およびランド等によって適切に接続されている。
【0048】
制御基板131上には、コネクタ132が設けられており、コネクタ132は、信号入出力端子39a,39bに接続されている。制御基板131およびコネクタ132は、同一の筐体130内に収納されている。コネクタ132は、この例では、先端が筐体から突出している。なお、調光ユニット30を有線で上位装置4に接続する場合には、上位装置4と接続するためのコネクタ135が設けられる。
【0049】
調光ユニット30は、コネクタ132が突出しているYZ平面に平行な面の形状は、照明装置6のYZ平面に平行な面の形状とほぼ同一である。そのため、コネクタ132を電源部20のコネクタ122に挿入して、調光ユニット30と照明装置6とを結合すると、一体化された直方体形状が形成される。なお、上述の一体形状は、一例であり、さまざまな形状、デザインとすることができる。
【0050】
本実施形態の照明器具の動作について説明する。
図4(a)〜
図4(c)は、本実施形態の照明器具の動作を説明するためのブロック図である。
図4(a)に示すように、照明器具1aは、照明装置6と、調光ユニット30aとを備える。照明器具1aは、調光ユニット30aを介して、上位装置4aに接続されている。上位装置4aの通信プロトコルは、たとえばDMX512−Aである。調光ユニット30aは、上位装置4aに接続して、通信プロトコルDMX512−Aによって双方向通信を行う。調光ユニット30aは、電源部20に関するデータを通信プロトコルDMX512−Aにしたがうデータに変換する。調光ユニット30aは、変換されたデータを上位装置4aへ送信する。
【0051】
調光ユニット30aは、通信プロトコルDMX512−Aによって送信されてきたデータを照明装置6(電源部20)との共通形式のデータに変換する。照明装置6は、共通形式のデータにしたがう調光度に設定し、照明ユニット10を点灯する。
【0052】
図4(b)に示すように、照明器具1bは、照明装置6と、調光ユニット30bとを備える。照明器具1bは、調光ユニット30bを介して、上位装置4bに接続されている。上位装置4bの通信プロトコルは、たとえばDALIである。調光ユニット30bは、上位装置4bに接続して、通信プロトコルDALIによって双方向通信を行う。調光ユニット30bは、電源部20に関するデータを通信プロトコルDALIにしたがうデータに変換する。調光ユニット30bは、変換されたデータを上位装置4bへ送信する。
【0053】
調光ユニット30bは、通信プロトコルDALIによって送信されてきたデータを照明装置6(電源部20)との共通形式のデータに変換する。照明装置6は、共通形式のデータにしたがう調光度に設定し、照明ユニット10を点灯する。
【0054】
図4(c)に示すように、照明器具1cは、照明装置6と、調光ユニット30cとを備える。照明器具1cは、調光ユニット30cを介して、上位装置4cに接続されている。上位装置4cの通信プロトコルは、たとえばT/Flecs(登録商標)である。調光ユニット30cは、上位装置4cに接続して、通信プロトコルT/Flecs(登録商標)によって双方向通信を行う。調光ユニット30cは、電源部20に関するデータを通信プロトコルT/Flecs(登録商標)にしたがうデータに変換する。調光ユニット30cは、変換されたデータを上位装置4cへ送信する。
【0055】
調光ユニット30cは、通信プロトコルT/Flecs(登録商標)によって送信されてきたデータを照明装置6(電源部20)との共通形式のデータに変換する。照明装置6は、共通形式のデータにしたがう調光度に設定し、照明ユニット10を点灯する。
【0056】
調光ユニット30a,30b,30cは、それぞれ同一形状の筐体130を有しており、同一形状のコネクタ132を有している。したがって、同一の照明装置6に対して、調光ユニット30a,30b,30cを着脱して接続することによって、上位装置4a,4b,4cに固有の通信プロトコルに適応することができる。
【0057】
本実施形態の照明器具の作用および効果について説明する。
本実施形態の照明器具1(1a,1b,1c)では、特定の通信プロトコルに適応した調光ユニット30(30a,30b,30c)を備えるので、照明器具1(1a,1b,1c)は、特定の通信プロトコルを有する上位装置4(4a,4b,4c)と双方向通信とすることができる。調光ユニット30(30a,30b,30c)は、同一の照明装置6(電源部20)にコネクタ132を介して着脱可能に接続することができるので、すでに設置された照明装置6に上位装置4(4a,4b,4c)を増設する場合等に容易にシステムを構築することができる。同様に、すでに設置された特定の通信プロトコルを有する上位装置4(4a,4b,4c)に対して、調光ユニット30(30a,30b,30c)を着脱して交換することによって、特定の通信プロトコルに適応した照明器具1(1a,1b,1c)を構成することができる。
【0058】
また、照明器具1(1a,1b,1c)の外形形状は、照明装置6部分が一体化され、さらに照明ユニット30を組み込んだ状態でも全体として一体化されている。そのため、当初、照明装置6を施工し、後に上位装置を含めたシステム化を行う場合に、全体のデザインが違和感なく調光ユニット30を追加することができる。
【0059】
(第3の実施形態)
調光ユニット30(30a,30b,30c)は、単一の通信プロトコルにする場合に限らず、複数の通信プロトコルに適応するようにすることもできる。
図5は、本実施形態に係る照明器具を例示するブロック図である。
図5に示すように、本実施形態の照明器具1dは、調光ユニット30dを備える。照明器具1dの機械的構成は、上述した実施形態の場合と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0060】
調光ユニット30dは、検出部34と、複数の制御部32a,32b,32cと、を含む。検出部34は、上位装置4に接続される。複数の制御部32a,32b,32cは、検出部34の出力に接続されている。検出部34は、上位装置4からの信号を入力して、通信プロトコルの種類を判別する。検出部34は、入力された信号の通信プロトコルを判別して、適切な通信プロトコルに対応するデータを出力する。たとえば、入力したデータの通信プロトコルがDMX512−Aの場合には、“00”を出力する。入力したデータの通信プロトコルがDALIの場合には、“01”を出力する。入力したデータの通信プロトコルがT/Flecs(登録商標)の場合には、“10”を出力する。
【0061】
複数の制御部32a,32b,32cは、それぞれ特定の通信プロトコルを電源部20との共通形式のデータに変換する。たとえば、制御部32aは、DMX512−Aにしたがうデータを共通形式のデータに変換する。制御部32bは、DALIにしたがうデータを共通形式のデータに変換する。制御部32cは、T/Flecs(登録商標)にしたがうデータを共通形式のデータに変換する。たとえば制御部32aは、アドレス“00”を有し、制御部32bはアドレス“01”を有し、制御部32cはアドレス“10”を有する。
【0062】
制御部32a,32b,32cは、それぞれ共通の制御部32上で動作するデータ変換プログラムであってもよい。
【0063】
本実施形態の照明器具1dの動作について説明する。
本実施形態の照明器具1dでは、検出部34が、上位装置4から送信されてくるデータを入力することによって、そのデータがしたがう通信プロトコルを検出する。通信プロトコルの検出には、送信データの正負の極性等を検出する等周知の方法を用いて行うことができる。
【0064】
検出部34は、検出した通信プロトコルに対応したデータを出力する。このデータは、制御部32a,32b,32cのアドレスを含んでいる。制御部32a,32b,32cは、これらのうち出力されたデータと同じアドレスを有するものが選択される。たとえば、検出部34が通信プロトコルDMX512−Aにしたがうデータを検出した場合には、検出部34は“00”を出力するので、制御部32aが選択される。制御部32aは、DMX512−Aにしたがうデータを入力して、照明装置6との共通形式のデータに変換する。
【0065】
本実施形態の照明器具の作用および効果について説明する。
本実施形態の照明器具1dでは、調光ユニット30dが複数の通信プロトコルに適応した制御部32a,32b,32cを有しているので、すでに設置されている照明装置6に、異なる通信プロトコルを有する上位装置4を接続する場合であっても、単一の調光ユニット30dを複数個用意することによって容易にシステムを構築することができる。
【0066】
(第4の実施形態)
図6は、本実施形態の照明器具を例示するブロック図である。
図6に示すように、電力変換部25は、整流回路41と、力率改善回路42と、DC−DCコンバータ43と、を含む。整流回路41は、電源入力端子25a,25bを介して交流電源2に接続される。整流回路41は、交流電源2から供給される交流電圧を整流して脈流を出力する。整流回路41は、たとえば全波整流ダイオードブリッジである。力率改善回路42は、整流回路41の出力に接続されている。力率改善回路42は、脈流を入力し、昇圧して高電圧の直流電圧を出力する。DC−DCコンバータ43は、力率改善回路42の出力に接続されている。DC−DCコンバータ43は、高電圧の直流電圧を降圧して照明ユニット10に印加する直流電圧を生成する。DC−DCコンバータ43は、照明ユニット10に流れる電流を定電流制御する。
【0067】
照明装置6は、電源出力端子25e,25fを含む。電源出力端子25e,25fは、それぞれ整流回路41の出力端子41a,41bに接続されている。
【0068】
照明装置6は、電源回路26を含む。電源回路26は、平滑回路を含んでおり、整流回路41の出力端子41a,41bに接続されている。電源回路26は、整流回路41の出力から非安定の直流電圧を入力して、通信部21、制御部22、記憶部23および操作部24等に動作のための電力を供給する。
【0069】
調光ユニット30eは、電源回路35を含む。調光ユニット30は、電源入力端子35a,35bを含む。電源入力端子35a,35bは、照明装置6の電源出力端子25e,25fにそれぞれ接続される。電源回路35は、平滑回路を含んでおり、整流回路41の出力から非安定の直流電圧を入力して、通信部21、制御部22および記憶部23等に動作のための電力を供給する。
【0070】
電源出力端子25e,25fは、信号入出力端子21a,21bと同一のコネクタ122aに接続されている。電源入力端子35a,35bは、信号入出力端子39a,39bと同一のコネクタ132aに接続されている。つまり、照明装置6のコネクタ122aと調光ユニット30eのコネクタ132aとを接続することによって、調光ユニット30eは、照明装置6に着脱可能に接続することができる。調光ユニット30eは、コネクタ132aを介して照明装置6に着脱可能に接続したときに、照明装置6から通信部等の動作のための電力の供給を受けることができる。
【0071】
本実施形態の照明器具1eの動作について説明する。
本実施形態の照明器具1eは、上述した他の実施形態の場合と同様に動作させることができる。調光ユニット30eは、コネクタ132aを介して照明装置6の整流回路41の出力から脈流を入力して、平滑化後、電源回路35によって所望の電圧に変換して、通信部31等に供給する。電源回路35、通信部31、制御部32および記憶部33のそれぞれにおいて供給されるべき電圧等が相違する場合に応じた電圧を生成する。
【0072】
本実施形態の照明器具1eの作用および効果について説明する。
本実施形態の照明器具1eでは、電源回路35が、整流回路41の出力から脈流の電圧を供給されて動作する。脈流の電圧のピーク値は、交流電圧のピーク値の絶対値に等しいので、交流電源2が商用電源の場合には、140V程度である。したがって、電源回路35には、低耐圧の平滑用コンデンサやスイッチング素子を用いることができ、小型かつ定コストな回路を構成することができる。
【0073】
(第4の実施形態の変形例)
図7は、本変形例の照明器具を例示するブロック図である。
図7に示すように、調光ユニット30eのための電源出力端子25g,25hは、力率改善回路42の出力端子42a,42bに接続されている。電源出力端子25g,25hは、信号入出力端子21a,21bと同一のコネクタ122bに接続されている。
【0074】
本変形例の照明器具1fの場合にも、調光ユニット30eは、照明装置6に着脱可能に接続され、同時に電力の供給を受けることができる。
【0075】
本変形例の照明器具1fの作用および効果について説明する。
本変形例の照明器具1fでは、力率改善回路42の出力に接続された電源回路35aを有するので、照明器具1f全体の力率、あるいは高調波電流を抑制することができる。調光ユニット30eの通信部31等の消費電力が大きいような場合には、照明器具全体の消費電力が大きくなるので、照明器具1f全体の力率を改善することが好ましい。
【0076】
以上説明した実施形態によれば、調光ユニットが別構成となった場合の調光ユニットと電源部との通信については、各種方式に対応できる照明装置および照明器具を実現することができる。
【0077】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。