特許第6665517号(P6665517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6665517
(24)【登録日】2020年2月25日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】空気調和機の室内ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20200302BHJP
【FI】
   F24F1/0007 401C
   F24F13/20
【請求項の数】3
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-245113(P2015-245113)
(22)【出願日】2015年12月16日
(65)【公開番号】特開2017-110851(P2017-110851A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年10月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 剛士
(72)【発明者】
【氏名】野内 義照
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 伸幸
【審査官】 町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−349893(JP,A)
【文献】 特開平08−061693(JP,A)
【文献】 特開平10−196999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井(CE)に設けられ下方から吸い込んだ空気を吹き出す室内ユニット本体(20)と、該室内ユニット本体(20)の下部に設けられる化粧パネル(50)とを有し、その中央部に上下方向に延びる吸込流路(11a)が形成されるユニット主部(11)と、
上記吸込流路(11a)の下端部に着脱可能に取り付けられる吸込グリル(51)と、
それぞれが線状に形成され、それぞれの一端部が上記吸込グリル(51)の中央部を挟んで互いに対向するように該吸込グリル(51)の周縁部に連結され、それぞれの他端部が上記ユニット主部(11)に連結される第1および第2連結部材(80a,80b)と、
それぞれが上記第1および第2連結部材(80a,80b)よりも短い線状に形成され、それぞれの一端部が上記吸込グリル(51)の中央部を挟んで互いに対向するように該吸込グリル(51)の周縁部に連結され、それぞれの他端部が上記ユニット主部(11)に連結される第3および第4連結部材(80c,80d)とを備え、
上記吸込グリル(51)は、平面視において矩形状に形成され、
上記第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部は、上記吸込グリル(51)の4つの角部のうち互いに対向する2つの角部にそれぞれ連結され、
上記第3および第4連結部材(80c,80d)の一端部は、上記吸込グリル(51)の4つの角部のうち上記第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部が連結されていない2つの角部にそれぞれ連結される
ことを特徴とする空気調和機の室内ユニット。
【請求項2】
請求項1において、
上記吸込グリル(51)は、平面視において正方形状に形成され、
上記第1および第2連結部材(80a,80b)の長さは、上記ユニット主部(11)に連結された状態の該第1および第2連結部材(80a,80b)を鉛直方向に垂下させた場合に該第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部から上記化粧パネル(50)の下面までの長さ(L1)が上記吸込グリル(51)の対角線の半分の長さ(L0)の1/√2倍以上で且つ1倍以下の長さとなるように設定されている
ことを特徴とする空気調和機の室内ユニット。
【請求項3】
天井(CE)に設けられ下方から吸い込んだ空気を吹き出す室内ユニット本体(20)と、該室内ユニット本体(20)の下部に設けられる化粧パネル(50)とを有し、その中央部に上下方向に延びる吸込流路(11a)が形成されるユニット主部(11)と、
上記吸込流路(11a)の下端部に着脱可能に取り付けられる吸込グリル(51)と、
それぞれが線状に形成され、それぞれの一端部が上記吸込グリル(51)の中央部を挟んで互いに対向するように該吸込グリル(51)の周縁部に連結され、それぞれの他端部が上記ユニット主部(11)に連結される第1および第2連結部材(80a,80b)と、
それぞれが上記第1および第2連結部材(80a,80b)よりも短い線状に形成され、それぞれの一端部が上記吸込グリル(51)の中央部を挟んで互いに対向するように該吸込グリル(51)の周縁部に連結され、それぞれの他端部が上記ユニット主部(11)に連結される第3および第4連結部材(80c,80d)とを備え、
上記吸込グリル(51)は、平面視において矩形状に形成され、
上記第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部は、上記吸込グリル(51)の4つの辺部のうち互いに対向する2つの辺部にそれぞれ連結され、
上記第3および第4連結部材(80c,80d)の一端部は、上記吸込グリル(51)の4つの辺部のうち上記第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部が連結されていない2つの辺部にそれぞれ連結される
ことを特徴とする空気調和機の室内ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気調和機の室内ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井に設けられる空気調和機の室内ユニットが知られている(例えば、特許文献1など)。この種の室内ユニットは、天井に設けられて下方から吸い込んだ空気を温度調節して吹き出す室内ユニット本体と、室内ユニット本体の下部に設けられる化粧パネルとを備え、その中央部に上下方向に延びる吸込流路が形成されている。また、室内ユニットの吸込流路の下端部には、吸込グリルが着脱可能に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−215027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような空気調和機の室内ユニットにおいて、線状に形成された連結部材の一端部を吸込グリルに連結する一方で連結部材の他端部をユニット主部(化粧パネルや室内ユニット本体など)に連結することで、吸込グリルとユニット主部とを連結することが考えられる。このように構成することにより、吸込グリルの取り付け作業および取り外し作業の際に吸込グリルを宙吊り状態にすることが可能となる。
【0005】
上記のような構成では、吸込グリルの取り外し作業(ユニット主部の吸込流路の下端部から吸込グリルを取り外して連結部材による吸込グリルとユニット主部との連結を解除する作業)の際に、ユニット主部から取り外された吸込グリルを連結部材によって宙吊り状態にすることが可能であるので、吸込グリルの落下(ユニット主部から取り外された吸込グリルが床に落ちること)を防止することができる。しかしながら、吸込グリルとユニット主部とを連結する連結部材が長い場合、連結部材による吸込グリルの吊下位置が比較的に低くなるので、ユニット主部から取り外された吸込グリルが急降下する可能性がある。また、吸込グリルとユニット主部とを連結する連結部材が短い場合、連結部材による吸込グリルの吊下位置が比較的に高くなるので、ユニット主部から取り外された吸込グリルが比較的に高い位置に配置された状態で連結部材による吸込グリルとユニット主部との連結を解除することになるので、連結部材によるユニット主部との連結が解除された吸込グリルが急降下(急落下)する可能性がある。このように、吸込グリルの取り外し作業の際に吸込グリルが急降下すると、吸込グリルに破損が生じてしまうおそれがある。
【0006】
そこで、この発明は、吸込グリルの取り外し作業における吸込グリルの急降下を防止することが可能な空気調和機の室内ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1,第3発明は、天井(CE)に設けられ下方から吸い込んだ空気を吹き出す室内ユニット本体(20)と、該室内ユニット本体(20)の下部に設けられる化粧パネル(50)とを有し、その中央部に上下方向に延びる吸込流路(11a)が形成されるユニット主部(11)と、上記吸込流路(11a)の下端部に着脱可能に取り付けられる吸込グリル(51)と、それぞれが線状に形成され、それぞれの一端部が上記吸込グリル(51)の中央部を挟んで互いに対向するように該吸込グリル(51)の周縁部に連結され、それぞれの他端部が上記ユニット主部(11)に連結される第1および第2連結部材(80a,80b)と、それぞれが上記第1および第2連結部材(80a,80b)よりも短い線状に形成され、それぞれの一端部が上記吸込グリル(51)の中央部を挟んで互いに対向するように該吸込グリル(51)の周縁部に連結され、それぞれの他端部が上記ユニット主部(11)に連結される第3および第4連結部材(80c,80d)とを備えていることを特徴とする空気調和機の室内ユニットである。
【0008】
上記第1,第3発明では、吸込グリル(51)の取り外し作業(ユニット主部(11)の吸込流路(11a)の下端部から吸込グリル(51)を取り外して連結部材による吸込グリル(51)とユニット主部(11)との連結を解除する作業)において、ユニット主部(11)から取り外された吸込グリル(51)を二段階で降下させることができる。具体的には、第1〜第4連結部材(80a〜80d)によって吸込グリル(51)とユニット主部(11)とを連結することにより、ユニット主部(11)の吸込流路(11a)の下端部から取り外された吸込グリル(51)を、第1および第2連結部材(80a,80b)よりも短い第3および第4連結部材(80c,80d)を用いて高吊下位置に吊り下げる(仮掛けする)ことができる。そして、第1および第2連結部材(80a,80b)による吸込グリル(51)とユニット主部(11a)との連結を維持したまま、第3および第4連結部材(80c,80d)による吸込グリル(51)とユニット主部(11a)との連結を解除することにより、第3および第4連結部材(80c,80d)によるユニット主部(11)との連結が解除された吸込グリル(51)を、第3および第4連結部材(80c,80d)よりも長い第1および第2連結部材(80a,80b)を用いて低吊下位置に吊り下げる(仮掛けする)ことができる。
【0009】
第1の発明は、上記の構成に加えて、上記吸込グリル(51)は、平面視において矩形状に形成され、上記第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部は、上記吸込グリル(51)の4つの角部のうち互いに対向する2つの角部にそれぞれ連結され、上記第3および第4連結部材(80c,80d)の一端部は、上記吸込グリル(51)の4つの角部のうち上記第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部が連結されていない2つの角部にそれぞれ連結されることを特徴とする空気調和機の室内ユニットである。
【0010】
上記第1の発明では、第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部を吸込グリル(51)の2つの角部(互いに対向する2つの角部)にそれぞれ連結することにより、第1および第2連結部材(80a,80b)による吸込グリル(51)の吊下支持の安定性を向上させることができる。これと同様に、第3および第4連結部材(80c,80d)の一端部を吸込グリル(51)の2つの角部(互いに対向する2つの角部)にそれぞれ連結することにより、第3および第4連結部材(80c,80d)による吸込グリル(51)の吊下支持の安定性を向上させることができる。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記吸込グリル(51)は、平面視において正方形状に形成され、上記第1および第2連結部材(80a,80b)の長さは、上記ユニット主部(11)に連結された状態の該第1および第2連結部材(80a,80b)を鉛直方向に垂下させた場合に該第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部から上記化粧パネル(50)の下面までの長さ(L1)が上記吸込グリル(51)の対角線の半分の長さ(L0)の1/√2倍以上で且つ1倍以下の長さとなるように設定されていることを特徴とする空気調和機の室内ユニットである。
【0012】
上記第2の発明では、ユニット主部(11)に連結された状態の第1および第2連結部材(80a,80b)を鉛直方向に垂下させた場合に第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部から化粧パネル(50)の下面までの長さ(L1)が吸込グリル(51)の対角線の半分の長さ(L0)の1/√2倍以上で且つ1倍以下の長さとなるように、第1および第2連結部材(80a,80b)の長さを設定することにより、第1および第2連結部材(80a,80b)を用いて吸込グリル(51)が低吊下位置に吊り下げられている場合に、化粧パネル(50)の下面に対する吸込グリル(51)の傾斜角度が45°以上で且つ90°以下の範囲内に収まるように吸込グリル(51)の回転範囲(第1および第2連結部材(80a,80b)との連結部分を軸とする回転範囲)を制限することができる。なお、第3および第4連結部材(80c,80d)よりも長い第1および第2連結部材(80a,80b)を用いて吸込グリル(51)が低吊下位置に吊り下げられている場合、化粧パネル(50)の下面に対する吸込グリル(51)の傾斜角度が45°以上で且つ90°以下の範囲内にある場合のほうが、そうでない場合よりも、吸込グリル(51)の取り付け作業(特に、第1および第2連結部材(80a,80b)を用いて吸込グリル(51)とユニット主部(11)とを連結する作業)が容易となる傾向にある。
【0013】
第3の発明は、上記の構成に加えて、上記吸込グリル(51)は、平面視において矩形状に形成され、上記第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部は、上記吸込グリル(51)の4つの辺部のうち互いに対向する2つの辺部にそれぞれ連結され、上記第3および第4連結部材(80c,80d)の一端部は、上記吸込グリル(51)の4つの辺部のうち上記第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部が連結されていない2つの辺部にそれぞれ連結されることを特徴とする空気調和機の室内ユニットである。
【0014】
上記第3の発明では、第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部を吸込グリル(51)の2つの辺部(互いに対向する2つの辺部)にそれぞれ連結することにより、第1および第2連結部材(80a,80b)による吸込グリル(51)の吊下支持の安定性を向上させることができる。これと同様に、第3および第4連結部材(80c,80d)の一端部を吸込グリル(51)の2つの辺部(互いに対向する2つの辺部)にそれぞれ連結することにより、第3および第4連結部材(80c,80d)による吸込グリル(51)の吊下支持の安定性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
第1,第3発明によれば、吸込グリル(51)の取り外し作業においてユニット主部(11)から取り外された吸込グリル(51)を二段階で降下させることができるので、吸込グリル(51)の取り外し作業における吸込グリル(51)の急降下を防止することができる。
【0016】
第1の発明によれば、第1および第2連結部材(80a,80b)による吸込グリル(51)の吊下支持の安定性を向上させることができるとともに、第3および第4連結部材(80c,80d)による吸込グリル(51)の吊下支持の安定性を向上させることができるので、吸込グリル(51)の取り外し作業を円滑に行うことができる。
【0017】
第2の発明によれば、第1および第2連結部材(80a,80b)を用いて吸込グリル(51)が低吊下位置に吊り下げられている場合に、化粧パネル(50)の下面に対する吸込グリル(51)の傾斜角度が45°以上で且つ90°以下の範囲内に収まるように吸込グリル(51)の回転範囲(第1および第2連結部材(80a,80b)との連結部分を軸とする回転範囲)を制限することができるので、第1および第2連結部材(80a,80b)に吊り下げられた吸込グリル(51)の反転(吸込グリル(51)が回転してひっくり返ること)を防止することができるとともに、吸込グリル(51)の取り付け作業(特に、第1および第2連結部材(80a,80b)を用いて吸込グリル(51)とユニット主部(11)とを連結する作業)を容易にすることができる。
【0018】
第3の発明によれば、第1および第2連結部材(80a,80b)による吸込グリル(51)の吊下支持の安定性を向上させることができるとともに、第3および第4連結部材(80c,80d)による吸込グリル(51)の吊下支持の安定性を向上させることができるので、吸込グリル(51)の取り外し作業を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態の空気調和機の室内ユニットを示した斜視図である。
図2図2は、室内ユニットの構成例を示した縦断面図である。
図3図3は、化粧パネルの構成例を示した下面図である。
図4図4は、吸込グリルの構成例を示した斜視図である。
図5図5は、一部の連結部材によってユニット主部に連結された吸込グリルを示した概略図である。
図6図6は、吸込グリルの一部を拡大して示した平面図である。
図7図7は、室内ユニットの一部を拡大して示した斜視図である。
図8図8は、第1〜第4連結部材によってユニット主部に吊り下げられた吸込グリルを示した概略図である。
図9図9は、第1および第2連結部材によってユニット主部に吊り下げられた吸込グリルを示した概略図である。
図10図10は、室内ユニットの変形例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0021】
(空気調和機の室内ユニット)
図1は、実施形態による空気調和機の室内ユニット(10)の構成例を示している。室内ユニット(10)は、空気調和の対象となる室内の天井(CE)に設けられ、室外に設けられた室外ユニット(図示を省略)と配管接続されて空気調和機を構成している。この空気調和機では、冷房運転や暖房運転などの空気調和運転が行われる。
【0022】
図1図9に示すように、室内ユニット(10)は、室内ユニット本体(20)と、化粧パネル(50)と、吸込グリル(51)と、複数の連結部材(この例では、第1〜第4連結部材(80a〜80d))とを備えている。なお、以下の説明では、第1〜第4連結部材(80a〜80d)の総称を「連結部材(80)」と記載する。
【0023】
この例では、室内ユニット(10)は、天井(CE)の上方空間(すなわち、天井裏)において吊下機構(図示を省略)によって吊り下げられている。また、室内ユニット本体(20)と化粧パネル(50)とがユニット主部(11)を構成している。
【0024】
なお、図1は、斜め下方から見た室内ユニット(10)を示した斜視図である。図2は、室内ユニット(10)の縦断面を示した縦断面図であり、図3のII-II線における縦断面図に相当する。図3は、下方から見た化粧パネル(50)を示した下面図である。図4は、斜め上方から見た吸込グリル(51)を示した斜視図である。図5は、一部の連結部材(80)によってユニット主部(11)に連結された吸込グリル(51)を示した概略図であり、図5の上部はユニット主部(11)の縦断面を示した縦断面図に相当し、図5の下部はグリル(51)の上面図に相当する。図6は、吸込グリル(51)の一部(具体的には、吸込グリル(51)の平面視における角部)を拡大して示した平面図である。図7は、室内ユニット(10)の一部(具体的には、化粧パネル(50)と連結部材(80)との連結部分)を拡大して示した斜視図である。図8は、第1〜第4連結部材(80a〜80d)によってユニット主部(11)に吊り下げられた吸込グリル(51)を示した概略図である。図9は、第1および第2連結部材(80a,80b)によってユニット主部(11)に吊り下げられた吸込グリル(51)を示した概略図である。なお、図4図5では、第2連結部材(80b)と第4連結部材(80d)の図示を省略している。
【0025】
〔室内ユニット本体〕
室内ユニット本体(20)は、室内ファン(31)と室内熱交換器(32)とを内部に有して天井(CE)に設けられ、下方から吸い込んだ空気を温度調節して吹き出すように構成されている。この例では、室内ユニット本体(20)は、室内ファン(31)および室内熱交換器(32)の他に、ケーシング(21)とドレンパン(33)とベルマウス(34)と有している。
【0026】
〈ケーシング〉
ケーシング(21)は、下面が開口する直方体型の箱状に形成されている。ケーシング(21)の内面には、断熱材(図示を省略)が設けられている。また、ケーシング(21)は、室内ファン(31)と、室内熱交換器(32)と、ドレンパン(33)と、ベルマウス(34)とを収容する。
【0027】
〈室内ファン〉
室内ファン(31)は、ケーシング(21)の内部中央に配置される。この例では、室内ファン(31)は、下方から吸い込んだ空気を側方から径方向外方へ吹き出すように構成されている。具体的には、室内ファン(31)は、ファンモータ(31a)と羽根車(31b)とを有している。ファンモータ(31a)は、ケーシング(21)の天板に固定され、羽根車(31b)は、ファンモータ(31a)の回転軸に連結されている。
【0028】
〈室内熱交換器〉
室内熱交換器(32)は、室内ファン(31)の周囲を囲うように配置され、冷媒と室内ファン(31)によって搬送された空気とを熱交換させるように構成されている。例えば、室内熱交換器(32)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されている。また、室内ユニット(10)に設けられる室内熱交換器(32)と、室外ユニット(図示を省略)に設けられる圧縮機と室外熱交換器と膨張弁とが配管接続されて、冷媒回路が構成されている。この冷媒回路では、冷媒が可逆に循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。そして、室内熱交換器(32)は、冷房運転では蒸発器として機能して空気を冷却し、暖房運転では放熱器(凝縮器)として機能して空気を加熱する。
【0029】
〈ドレンパン〉
ドレンパン(33)は、上下に扁平な直方体状に形成され、室内熱交換器(32)の下側に配置される。また、ドレンパン(33)には、1つの空気導入口(33a)と、複数(この例では、4つ)の空気導出口(33b)と、ドレン溝(33c)が形成されている。空気導入口(33a)は、ドレンパン(33)の中央部に形成され、ドレンパン(33)を上下に貫通している。4つの空気導出口(33b)は、空気導入口(33a)の周囲に形成され、ドレンパン(33)を上下に貫通している。ドレン溝(33c)は、室内熱交換器(32)の下端に沿うように環状に形成され、室内熱交換器(32)において発生した凝縮水を受ける。この例では、4つの空気導出口(33b)は、平面視においてドレンパン(33)の4つの辺部にそれぞれ沿うように形成されている。また、ドレン溝(33c)は、平面視において空気導入口(33a)と4つの空気導出口(33b)との間を環状に延びている。
【0030】
〈ベルマウス〉
ベルマウス(34)は、上縁から下縁へ向かうに連れて開口面積が拡大する筒状に形成され、その上縁が室内ファン(31)の開口下端(吸込口)に挿入された状態で、ドレンパン(33)の空気導入口(33a)に収容される。
【0031】
〔化粧パネル〕
化粧パネル(50)は、上下に扁平なパネル状に形成され、室内ユニット本体(20)の下部に設けられる。また、化粧パネル(50)には、吸込グリル(51)を取り付けるための取付口(40)と、複数(この例では、4つ)の空気吹出口(51b)とが形成されている。そして、複数(この例では、4つ)の空気吹出口(51b)には、複数(この例では、4つ)の風向調節羽根(56)が設けられている。この例では、化粧パネル(50)は、平面視において矩形状(具体的には、正方形状)に形成されている。また、化粧パネル(50)は、その下面の中央部(具体的には、4つの空気吹出口(51b)よりも内側に位置する部分)が平坦面状に形成され、その下面の外周縁部が外周へ向かうに連れて緩やかに傾斜する傾斜面状に形成されている。
【0032】
〈取付口〉
取付口(40)は、化粧パネル(50)の中央部に形成され、化粧パネル(50)を上下に貫通してドレンパン(33)の空気導入口(33a)と連通している。この例では、取付口(40)と空気導入口(33a)とが、ユニット主部(11)の吸込流路(上下方向に延びる吸込流路(11a))を構成している。なお、取付口(40)の開口面積は、空気導入口(33a)の開口面積よりも広くなっている。また、取付口(40)は、平面視において矩形状(具体的には、正方形状)に形成されている。
【0033】
〈空気吹出口〉
4つの空気吹出口(51b)は、取付口(40)の周囲に形成され、化粧パネル(50)を上下に貫通してドレンパン(33)の4つの空気導出口(33b)と連通している。この例では、4つの空気吹出口(51b)は、化粧パネル(50)の4つの辺部に沿うように形成されている。
【0034】
〈風向調節羽根〉
4つの風向調節羽根(56)は、4つの空気吹出口(51b)の下端部にそれぞれ設けられ、空気吹出口(51b)を流れる空気の流れの向きを調節するように構成されている。風向調節羽根(56)は、空気吹出口(51b)の長手方向に沿って延びる板状に形成され、その長手方向の両端部に揺動軸が設けられている。そして、風向調節羽根(56)は、揺動軸を軸心として揺動可能となるように、化粧パネル(50)に支持されている。
【0035】
〔吸込グリル〕
吸込グリル(51)は、上下に扁平なパネル状に形成され、化粧パネル(50)の取付口(40)の下端部に着脱可能に取り付けられる。吸込グリル(51)は、枠部材(70)と、第1板部材(52)と、第2板部材(53)と、フィルタ(55)と、複数(この例では、4つ)のスライド部(57)とを有している。なお、この例では、吸込グリル(51)の周縁部のうち平面視における角部に連結部材(80)が連結されている。すなわち、吸込グリル(51)の平面視における角部が、連結部材(80)が連結される吸込グリル(51)の周縁部の一部(以下「吸込グリル(51)の連結部(54)」と記載)となっている。
【0036】
〈枠部材〉
枠部材(70)は、筒状に形成され、その内周面が上下方向に延びる空気吸込口(51a)を構成し、その下面部が外周側に張り出している。この例では、枠部材(70)は、矩形(具体的には正方形)の筒状に形成され、その下面部が平面視において矩形状(具体的には正方形状)に形成されている。空気吸込口(51a)は、平面視において矩形状(具体的には正方形状)に形成されている。また、空気吸込口(51a)は、その開口面積が下端から上端へ向かうに連れて次第に狭くなるように形成され、下方へ向けて凹となるように曲がっている。
【0037】
なお、この例では、枠部材(70)は、下面部材(71)と周壁部材(72)とによって構成されている。下面部材(71)は、枠部材(70)の下面部に対応する部材であり、平面視において矩形(具体的には正方形)の平板状に形成されている。また、下面部材(71)の中央部には、空気吸込口(51a)の一部となる開口が形成され、周壁部材(72)は、枠部材(70)の胴部に対応する部材であり、矩形(具体的には正方形)の筒状に形成され、下面部材(71)の上側に配置されて下面部材(71)の開口と連通している。すなわち、この例では、下面部材(71)の開口と周壁部材(72)の内周面とが空気吸込口(51a)を構成している。
【0038】
また、吸込グリル(51)の連結部(54)である吸込グリル(51)の周縁部の一部(この例では、吸込グリル(51)の平面視における角部)では、周壁部材(72)の一部(この例では、周壁部材(72)の平面視における角部の下端部)が下面部材(71)に沿うように外周側に延出している。周壁部材(72)の周縁部には、複数(この例では、8つ)の延出片部(72a)が設けられている。延出片部(72a)は、周壁部材(72)の下縁部から外周側に延出している。そして、周壁部材(72)は、その内周面が下面部材(71)の開口と連通した状態で、その周縁部の一部から延出した延出部(この例では、平面視における角部の下端部から延出した部分)と複数の延出片部(72a)とが固定ネジ(73)によって下面部材(71)にネジ止めされて、下面部材(71)に固定されている。
【0039】
〈第1板部材〉
第1板部材(52)は、空気の流れを妨げる板状(具体的には、無孔の板状)に形成されて、空気吸込口(51a)の下端部に設けられている。そして、第1板部材(52)は、平面視においてその外周縁と空気吸込口(51a)の開口縁との間に吸込開口(60)が形成されるように、空気吸込口(51a)の中央部を覆っている。
【0040】
この例では、第1板部材(52)は、平面視において正方形状に形成された空気吸込口(51a)よりも小さい正方形型の板状に形成され、その下面の高さが空気吸込口(51a)の下端の高さと同一となるように、空気吸込口(51a)の下端部に設けられている。また、第1板部材(52)は、その下面が平坦面状に形成され、その下面が吸込開口(60)を挟んで吸込グリル(51)の下面の中央部分と面一となっている。なお、この第1板部材(52)の下面高さは一例であり、例えば、第1板部材(52)の下面の高さは、空気吸込口(51a)の下端の高さよりも高くなっていてもよい。
【0041】
〈第2板部材〉
第2板部材(53)は、空気吸込口(51a)の内周に沿って延びる板状に形成され、その上縁が下縁よりも内周側に位置するように空気吸込口(51a)の内周に設けられる。そして、第2板部材(53)は、その上縁が空気吸込口(51a)の下端よりも上方に位置し、その下縁が平面視において第1板部材(52)の外周を囲っている。
【0042】
この例では、第2板部材(53)は、空気吸込口(51a)の内周の全周に亘って連続的に延びている。また、第2板部材(53)は、第1板部材(52)の外周縁に対して凹となるように曲がっている。具体的には、第2板部材(53)は、横断面が矩形(この例では、正方形)である筒状に形成され、その上縁が下縁よりも内周側に位置するように、第1板部材(52)の外周縁に対して凹となる円弧状に湾曲している。
【0043】
また、この例では、第2板部材(53)の下縁は、平面視において吸込開口(60)の内周縁と外周縁との間に位置し、平面視において吸込開口(60)を、第2板部材(53)の下縁よりも内周側に位置する第1吸込開口(61)と、第2板部材(53)の下縁よりも外周側に位置する第2吸込開口(62)とに区画している。なお、吸込開口(60)の内周縁は、第1板部材(52)の外周縁に相当し、吸込開口(60)の外周縁は、空気吸込口(51a)の開口縁に相当する。
【0044】
〈支持部材〉
なお、第1板部材(52)および第2板部材(53)は、複数(この例では、4つ)の支持部材(74)によって枠部材(70)に接続されて支持されている。この例では、4つの支持部材(74)は、枠部材(70)の4つの角部に配置されている。また、支持部材(74)は、第2板部材(53)と一体に形成されている。そして、支持部材(74)は、その一端部が枠部材(70)の平面視における角部にネジ止めされ、その他端部が第1板部材(52)の平面視における角部にネジ止めおよび鉤止めされている。
【0045】
〈フィルタ〉
フィルタ(55)は、空気吸込口(51a)の上側に設けられ、空気吸込口(51a)を通過した空気の中の塵埃を捕捉するように構成されている。具体的には、フィルタ(55)は、平面視において正方形型の格子枠状に形成され、パネル本体(51)の中央部の上側に取り付けられて空気吸込口(51a)を覆っている。なお、図4および図5では、フィルタ(55)の図示を省略している。
【0046】
〈スライド部〉
スライド部(57)は、吸込グリル(51)の周縁部(具体的には、枠部材(70)の周縁部)に設けられている。この例では、4つのスライド部(57)が枠部材(70)の4つの辺部の中央部にそれぞれ設けられている。また、スライド部(57)は、化粧パネル(50)に対して進退可能に構成され、化粧パネル(50)へ向けてスライドした状態で化粧パネル(50)に引っ掛かるようになっている。具体的には、スライド部(57)は、スライド部(57)の先端部が吸込流路(11a)の内周面(この例では、化粧パネル(50)の内周面)に設けられた係合穴(58)に差し込まれる位置(以下「係合位置」と記載)と、スライド部(57)の先端部が係合穴(58)から外れる位置(以下「係合解除位置」と記載)とにスライド可能に構成されている。
【0047】
〔連結部材〕
図8に示すように、第1および第2連結部材(80a,80b)は、線状に形成されている。そして、第1および第2連結部材(80a,80b)は、それぞれの一端部が吸込グリル(51)の中央部を挟んで互いに対向するように吸込グリル(51)の周縁部に連結され、それぞれの他端部がユニット主部(11)に連結される。この例では、第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部は、吸込グリル(51)の平面視における4つの角部のうち互いに対向する2つの角部にそれぞれ連結される。また、第1および第2連結部材(80a,80b)の他端部は、吸込流路(11a)(具体的には、化粧パネル(50)の取付口(40))の平面視における4つの角部のうち互いに対向する2つの角部(第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部が連結される吸込グリル(51)の平面視における2つの角部に対応する2つの角部)に連結される。
【0048】
第3および第4連結部材(80c,80d)は、第1および第2連結部材(80a,80b)よりも短い線状に形成されている。そして、第3および第4連結部材(80c,80d)は、それぞれの一端部が吸込グリル(51)の中央部を挟んで互いに対向するように吸込グリル(51)の周縁部に連結され、それぞれの他端部がユニット主部(11)に連結される。この例では、第3および第4連結部材(80c,80d)の一端部は、吸込グリル(51)の平面視における4つの角部のうち第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部が連結されていない2つの角部にそれぞれ連結される。また、第3および第4連結部材(80c,80d)の他端部は、吸込流路(11a)(具体的には、化粧パネル(50)の取付口(40))の平面視における4つの角部のうち第1および第2連結部材(80a,80b)の他端部が連結されていない2つの角部(第3および第4連結部材(80c,80d)の一端部が連結される吸込グリル(51)の平面視における2つの角部に対応する2つの角部)に連結される。
【0049】
また、図9に示すように、この例では、第1および第2連結部材(80a,80b)の長さは、ユニット主部(11)に連結された状態の第1および第2連結部材(80a,80b)を鉛直方向に垂下させた場合に第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部から化粧パネル(50)の下面までの長さ(L1)が吸込グリル(51)の対角線の半分の長さ(L0)の1/√2倍以上で且つ1倍以下の長さとなるように設定されている。
【0050】
〔連結部材の詳細〕
図4図7に示すように、連結部材(80)は、線状部(81)と、第1連結部(82)と、第2連結部(83)とを有している。線状部(81)は、線状に形成されている。例えば、線状部(81)は、紐やワイヤなどの線状体によって構成されている。なお、第1連結部(82)が連結部材(80)の一端部に相当し、第2連結部(83)が連結部材(80)の他端部に相当する。
【0051】
〈第1連結部〉
第1連結部(82)は、線状部(81)の一端に設けられて吸込グリル(51)に連結されている。具体的には、第1連結部(82)は、吸込グリル(51)の連結部(54)である吸込グリル(51)の周縁部の一部(この例では、吸込グリル(51)の平面視における角部)に連結されている。すなわち、この例では、第1連結部(82)は、ワッシャ状(円環状)に形成されている。そして、連結ネジ(79)が第1連結部(82)に挿通されて吸込グリル(51)に締結されることによって、第1連結部(82)が吸込グリル(51)にネジ止めされて固定されている。
【0052】
〈第2連結部〉
第2連結部(83)は、線状部(81)の他端に設けられてユニット主部(11)に連結される。この例では、第2連結部(83)は、鉤部(84)によって構成されている。鉤部(84)は、環状に形成され、その一部が開閉可能に構成されている。具体的には、鉤部(84)は、鉤状に形成された鉤本体(84a)と、鉤本体(84a)の基端部から鉤本体(84a)の先端部へ向けて延びて鉤本体(84a)の先端部に内側から当接するバネ部(84b)とを有し、バネ部(84b)の弾性力によりバネ部(84b)の先端部が鉤本体(84a)の先端部に内側から押し当てられることで閉状態となる一方で、外力によりバネ部(84b)の先端部が鉤本体(84a)の先端部から引き離されることで開状態となるように構成されている。例えば、鉤部(84)は、茄子環によって構成されている。
【0053】
〔係合部〕
また、室内ユニット(10)には、複数(この例では、4つ)の係合部(85)が設けられている。係合部(85)は、ユニット主部(11)に設けられ、連結部材(80)の鉤部(84)を引っ掛けることができるように構成されている。具体的には、係合部(85)には、連結部材(80)の鉤部(84)を引っ掛けることが可能な係合孔(85a)が形成されている。すなわち、連結部材(80)の他端部(第2連結部(83)である鉤部(84))を係合部(85)の係合孔(85a)に引っ掛けることにより、連結部材(80)の他端部がユニット主部(11)に連結される。
【0054】
この例では、係合部(85)は、吸込流路(11a)の内周面(具体的には、化粧パネル(50)の取付口(40)の内周面)に設けられている。詳しくは、係合部(85)は、吸込流路(11a)の内周面(具体的には、化粧パネル(50)の取付口(40)の内周面)から内周側に突出し、その板面が上下方向を向く板状に形成されている。そして、係合部(85)の一端部(先端部)は、上下方向(この例では、上方)に折れ曲がっている。また、係合孔(85a)は、係合部(85)を上下方向に貫通している。なお、この例では、係合部(85)は、吸込流路(11a)の平面視における角部に配置されている。
【0055】
〔吸込グリルの取り付け作業〕
次に、吸込グリル(51)の取り付け作業(連結部材(80)により吸込グリル(51)とユニット主部(11)とを連結してユニット主部(11)の吸込流路(11a)の下端部に吸込グリル(51)を取り付ける作業)について説明する。
【0056】
まず、作業者は、第1および第2連結部材(80a,80b)の他端部(第2連結部(83)である鉤部(84))を化粧パネル(50)に設けられた2つの係合部(85)にそれぞれ引っ掛ける。これにより、第1および第2連結部材(80a,80b)の他端部がユニット主部(11)に連結される。なお、第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部(第1連結部(82))は、吸込グリル(51)の平面視における2つの角部(すなわち、吸込グリル(51)の2つの連結部(54))にそれぞれ連結されている。したがって、第1および第2連結部材(80a,80b)の鉤部(84)を2つの係合部(85)にそれぞれ引っ掛けることにより、第1および第2連結部材(80a,80b)によって吸込グリル(51)とユニット主部(11)とを連結することができる。その結果、図9に示すように、第3および第4連結部材(80c,80d)よりも長い第1および第2連結部材(80a,80b)を用いて吸込グリル(51)を低吊下位置に吊り下げる(仮掛けする)ことができる。
【0057】
次に、作業者は、第1および第2連結部材(80a,80b)によって吊り下げられた吸込グリル(51)を上方に移動させ、第3および第4連結部材(80c,80d)の他端部(第2連結部(83)である鉤部(84))を化粧パネル(50)に設けられた2つの係合部(85)にそれぞれ引っ掛ける。これにより、第3および第4連結部材(80c,80d)の他端部がユニット主部(11)に連結される。なお、第3および第4連結部材(80c,80d)の一端部(第1連結部(82))は、吸込グリル(51)の平面視における2つの角部(すなわち、吸込グリル(51)の2つの連結部(54))にそれぞれ連結されている。したがって、第3および第4連結部材(80c,80d)の鉤部(84)を2つの係合部(85)にそれぞれ引っ掛けることにより、第3および第4連結部材(80c,80d)によって吸込グリル(51)とユニット主部(11)とを連結することができる。その結果、図8に示すように、第1および第2連結部材(80a,80b)よりも短い第3および第4連結部材(80c,80d)を用いて吸込グリル(51)を高吊下位置(低吊下位置よりも高い位置)に吊り下げることができる。
【0058】
次に、作業者は、第3および第4連結部材(80c,80d)によって吊り下げられた吸込グリル(51)を上方に移動させて吸込グリル(51)を化粧パネル(50)の取付口(40)の内部に配置し、化粧パネル(50)に設けられたスライド部(57)を係合解除位置から係合位置へスライドさせる。これにより、化粧パネル(50)の内周面(すなわち、吸込流路(11a)の内周面)に設けられた係合穴(58)にスライド部(57)の先端部が差し込まれて、化粧パネル(50)の取付口(40)に吸込グリル(51)が保持される。このようにして、化粧パネル(50)の取付口(40)に吸込グリル(51)が取り付けられる。
【0059】
なお、作業者は、第3および第4連結部材(80c,80d)によって吸込グリル(51)とユニット主部(11)とを連結した後に、第1および第2連結部材(80a,80b)によって吸込グリル(51)とユニット主部(11)とを連結し、その後、化粧パネル(50)の取付口(40)に吸込グリル(51)を取り付けてもよい。
【0060】
〔吸込グリルの取り外し作業〕
次に、吸込グリル(51)の取り外し作業(ユニット主部(11)の吸込流路(11a)の下端部から吸込グリル(51)を取り外して連結部材(80)による吸込グリル(51)とユニット主部(11)との連結を解除する作業)について説明する。
【0061】
まず、作業者は、化粧パネル(50)に設けられたスライド部(57)を係合位置から係合解除位置へスライドさせ、化粧パネル(50)の内周面(すなわち、吸込流路(11a)の内周面)に設けられた係合穴(58)からスライド部(57)の先端部を外す。これにより、スライド部(57)による吸込グリル(51)の保持が解除される。
【0062】
次に、作業者は、吸込グリル(51)を下方に移動させて化粧パネル(50)の取付口(40)から吸込グリル(51)を取り外す。このとき、第1〜第4連結部材(80a〜80d)によって吸込グリル(51)とユニット主部(11)とが連結されているので、図8に示すように、化粧パネル(50)の取付口(40)から取り外された吸込グリル(51)を、第1および第2連結部材(80a,80b)よりも短い第3および第4連結部材(80c,80d)を用いて高吊下位置に吊り下げる(仮掛けする)ことができる。
【0063】
次に、作業者は、第3および第4連結部材(80c,80d)の他端部(第2連結部(83)である鉤部(84))を化粧パネル(50)に設けられた2つの係合部(85)からそれぞれ取り外す。これにより、第3および第4連結部材(80c,80d)による吸込グリル(51)とユニット主部(11a)との連結が解除される。このとき、第1および第2連結部材(80a,80b)による吸込グリル(51)とユニット主部(11)との連結は維持されているので、図9に示すように、第3および第4連結部材(80c,80d)によるユニット主部(11)との連結が解除された吸込グリル(51)を、第3および第4連結部材(80c,80d)よりも長い第1および第2連結部材(80a,80b)を用いて低吊下位置(高吊下位置よりも低い位置)に吊り下げることができる。
【0064】
次に、作業者は、第1および第2連結部材(80a,80b)の他端部(第2連結部(83)である鉤部(84))を化粧パネル(50)に設けられた2つの係合部(85)からそれぞれ取り外す。これにより、第1および第2連結部材(80a,80b)による吸込グリル(51)とユニット主部(11a)との連結が解除される。このようにして、化粧パネル(50)の取付口(40)から吸込グリル(51)が取り外される。
【0065】
〔実施形態による効果〕
以上のように、吸込グリル(51)の取り外し作業においてユニット主部(11)から取り外された吸込グリル(51)を二段階で降下させることができるので、吸込グリル(51)の取り外し作業における吸込グリル(51)の急降下を防止することができる。
【0066】
また、第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部を吸込グリル(51)の2つの角部(互いに対向する2つの角部)にそれぞれ連結することにより、第1および第2連結部材(80a,80b)による吸込グリル(51)の吊下支持の安定性を向上させることができる。これと同様に、第3および第4連結部材(80c,80d)の一端部を吸込グリル(51)の2つの角部(互いに対向する2つの角部)にそれぞれ連結することにより、第3および第4連結部材(80c,80d)による吸込グリル(51)の吊下支持の安定性を向上させることができる。これにより、吸込グリル(51)の取り外し作業を円滑に行うことができる。
【0067】
また、ユニット主部(11)に連結された状態の第1および第2連結部材(80a,80b)を鉛直方向に垂下させた場合に第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部から化粧パネル(50)の下面までの長さ(L1)が吸込グリル(51)の対角線の半分の長さ(L0)の1/√2倍以上で且つ1倍以下の長さとなるように、第1および第2連結部材(80a,80b)の長さを設定することにより、第1および第2連結部材(80a,80b)を用いて吸込グリル(51)が低吊下位置に吊り下げられている場合に、化粧パネル(50)の下面に対する吸込グリル(51)の傾斜角度が45°以上で且つ90°以下の範囲内に収まるように吸込グリル(51)の回転範囲(第1および第2連結部材(80a,80b)との連結部分を軸とする回転範囲)を制限することができる。なお、第1および第2連結部材(80a,80b)を用いて吸込グリル(51)が低吊下位置に吊り下げられている場合、化粧パネル(50)の下面に対する吸込グリル(51)の傾斜角度が45°以上で且つ90°以下の範囲内にある場合のほうが、そうでない場合よりも、吸込グリル(51)の取り付け作業(特に、第1および第2連結部材(80a,80b)を用いて吸込グリル(51)とユニット主部(11)とを連結する作業)が容易となる傾向にある。したがって、上記のように第1および第2連結部材(80a,80b)の長さを設定することにより、吸込グリル(51)の回転範囲を制限して第1および第2連結部材(80a,80b)に吊り下げられた吸込グリル(51)の反転(吸込グリル(51)が回転してひっくり返ること)を防止することができるとともに、吸込グリル(51)の取り付け作業(特に、第1および第2連結部材(80a,80b)を用いて吸込グリル(51)とユニット主部(11)とを連結する作業)を容易にすることができる。
【0068】
(室内ユニットの変形例)
図10に示すように、第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部は、吸込グリル(51)の4つの辺部のうち互いに対向する2つの辺部(この例では、辺部の中央部)にそれぞれ連結され、第3および第4連結部材(80c,80d)の一端部は、吸込グリル(51)の4つの辺部のうち第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部が連結されていない2つの辺部(この例では、辺部の中央部)にそれぞれ連結されてもよい。
【0069】
また、上記のように構成した場合、第1および第2連結部材(80a,80b)の他端部は、吸込流路(11a)の平面視における4つの辺部のうち互いに対向する2つの辺部(第1および第2連結部材(80a,80b)の一端部が連結される吸込グリル(51)の平面視における2つの辺部に対応する2つの辺部)に連結されることが好ましい。また、第3および第4連結部材(80c,80d)の他端部は、吸込流路(11a)の平面視における4つの辺部のうち第1および第2連結部材(80a,80b)の他端部が連結されていない2つの辺部(第3および第4連結部材(80c,80d)の一端部が連結される吸込グリル(51)の平面視における2つの辺部に対応する2つの辺部)に連結されることが好ましい。具体的には、上記のように構成した場合、係合部(85)は、吸込流路(11a)の平面視における辺部(より具体的には、辺部の中央部)に配置されていることが好ましい。
【0070】
以上のように構成することにより、第1および第2連結部材(80a,80b)による吸込グリル(51)の吊下支持の安定性を向上させることができるとともに、第3および第4連結部材(80c,80d)による吸込グリル(51)の吊下支持の安定性を向上させることができる。これにより、吸込グリル(51)の取り外し作業を円滑に行うことができる。
【0071】
(その他の実施形態)
なお、化粧パネル(50)に係合部(85)が設けられている場合を例に挙げたが、係合部(85)は、室内ユニット本体(20)に設けられていてもよい。すなわち、係合部(85)は、ユニット主部(11)のうち化粧パネル(50)に設けられていてもよいし、ユニット主部(11)の他の部分(化粧パネル(50)とは異なる部分、具体的には、室内ユニット本体(20))に設けられていてもよい。つまり、連結部材(80)の他端部(第2連結部(83)である鉤部(84))は、ユニット主部(11)のうち化粧パネル(50)に連結されてもよいし、ユニット主部(11)の他の部分(化粧パネル(50)とは異なる部分、具体的には、室内ユニット本体(20))に連結されてもよい。
【0072】
また、以上の実施形態および変形例を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、この発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上説明したように、上述の室内ユニットは、天井に設けられる空気調和機の室内ユニットとして有用である。
【符号の説明】
【0074】
10 室内ユニット
11 ユニット主部
11a 吸込流路
20 室内ユニット本体
50 化粧パネル
51 吸込グリル
80 連結部材
80a 第1連結部材
80b 第2連結部材
80c 第3連結部材
80d 第4連結部材
81 線状部
82 第1連結部
83 第2連結部
84 鉤部
85 係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10