特許第6665883号(P6665883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6665883
(24)【登録日】2020年2月25日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/12 20060101AFI20200302BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20200302BHJP
【FI】
   A01D41/12 R
   B60K11/04 E
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-68213(P2018-68213)
(22)【出願日】2018年3月30日
(65)【公開番号】特開2019-176797(P2019-176797A)
(43)【公開日】2019年10月17日
【審査請求日】2018年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】五島 一実
(72)【発明者】
【氏名】奥村 和哉
(72)【発明者】
【氏名】岩本 浩
(72)【発明者】
【氏名】仙波 篤志
【審査官】 川野 汐音
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−264917(JP,A)
【文献】 特開2009−011172(JP,A)
【文献】 実開昭56−114925(JP,U)
【文献】 実開昭62−110530(JP,U)
【文献】 特開2001−323506(JP,A)
【文献】 実開昭60−152536(JP,U)
【文献】 特開2003−136972(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102009023771(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/12
B60K 11/00−15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)を設けた機体フレーム(1)の上部一側に脱穀装置(3)を設け、他側にはグレンタンク(5)を設け、該グレンタンク(5)の前方に操縦部(6)を設け、前記機体フレーム(1)の前方に刈取装置(4)を設け、前記操縦部(6)の操作席(10)の下方にエンジン(11)を設け、エンジン(11)の外側にはラジエーター(15)を設け、エンジン(11)とラジエーター(15)の間には冷却ファン(16)を設け、冷却ファン(16)の周囲を包囲するシュラウド(17)の前板(23)と後板(24)を、ラジエーター(15)の外側に配置されたオイルクーラー(30)を囲う位置まで延長させ、前記前板(23)と後板(24)を延長させた部分を前後方向に屈曲させて折曲フランジ部(31)とし、折曲フランジ部(31)の外側面をシール部材(32)を取付けるシール取付面とし、前記シュラウド(17)の前後の折曲フランジ部(31)はそれぞれラジエーター(15)の上部より上方に延長させ、折曲フランジ部(31)の上側延長部とラジエーター(15)との間にフロントプレートアッパ(34)および/またはフロントプレートロワー(35)を挟み込む構成としたコンバイン。
【請求項2】
前記フロントプレートアッパ(34)およびフロントプレートロワー(35)は、外側起立部(36)と内側起立部(37)とにより断面「コ」の字型とし、外側起立部(36)をシール部材(32)を取付けるシール取付面とし、内側起立部(37)をラジエーター(15)の取付面とした請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記シュラウド(17)の下板(22)の下方にカバーラジエーターロワー(42)を設けた請求項2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記オイルクーラー(30)はフロントプレートロワー(35)に設けた取付ステー(48)を介して支持した請求項1から請求項3のいずれか一項記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、冷却ファンの周囲を包囲するシュラウドを設けた構成は公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−65569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例のシュラウドは、単に冷却ファンの周囲を包囲するだけであり、ラジエーターを保護するものは存在しない。
本願は、シュラウドの支持構成を工夫し、ラジエーターの保護および取付・組立の容易化を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、走行装置2を設けた機体フレーム1の上部一側に脱穀装置3を設け、他側にはグレンタンク5を設け、該グレンタンク5の前方に操縦部6を設け、前記機体フレーム1の前方に刈取装置4を設け、前記操縦部6の操作席10の下方にエンジン11を設け、エンジン11の外側にはラジエーター15を設け、エンジン11とラジエーター15の間には冷却ファン16を設け、冷却ファン16の周囲を包囲するシュラウド17の前板23と後板24を、ラジエーター15の外側に配置されたオイルクーラー30を囲う位置まで延長させ、前記前板23と後板24を延長させた部分を前後方向に屈曲させて折曲フランジ部31とし、折曲フランジ部31の外側面をシール部材32を取付けるシール取付面とし、前記シュラウド17の前後の折曲フランジ部31はそれぞれラジエーター15の上部より上方に延長させ、折曲フランジ部31の上側延長部とラジエーター15との間にフロントプレートアッパ34および/またはフロントプレートロワー35を挟み込む構成としたコンバインとしたものである。
請求項記載の発明は、前記フロントプレートアッパ34およびフロントプレートロワー35は、外側起立部36と内側起立部37とにより断面「コ」の字型とし、外側起立部36をシール部材32を取付けるシール取付面とし、内側起立部37をラジエーター15の取付面としたコンバインとしたものである。
請求項記載の発明は、前記シュラウド17の下板22の下方にカバーラジエーターロワー42を設けたコンバインとしたものである。
請求項記載の発明は、前記オイルクーラー30はフロントプレートロワー35に設けた取付ステー48を介して支持したコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、エンジン11の外側にはラジエーター15を設け、エンジン11とラジエーター15の間には冷却ファン16を設け、冷却ファン16の周囲を包囲するシュラウド17の前板23と後板24を、ラジエーター15の外側に配置されたオイルクーラー30を囲う位置まで延長させているので、ラジエーターフレームを設けることなくオイルクーラー30を設けるスペースを確保でき、前板23と後板24を延長させた部分を前後方向に屈曲させて折曲フランジ部31とし、折曲フランジ部31の外側面をシール部材32を取付けるシール取付面としているので、ラジエーターフレームを設けることなく、シュラウド17によりシール部材32を取付けるシール取付面を確保でき、上記請求項2記載の発明の効果に加え、シュラウド17の前後の折曲フランジ部31はそれぞれラジエーター15の上部より上方に延長させ、折曲フランジ部31の上側延長部とラジエーター15との間にフロントプレートアッパ34および/またはフロントプレートロワー35を挟み込む構成としているので、フロントプレートアッパ34を取付けると、ラジエーターフレームを設けることなく、ラジエーター15とシュラウド17とを固定できる。
請求項記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加え、フロントプレートアッパ34およびフロントプレートロワー35は、外側起立部36と内側起立部37とにより断面「コ」の字型とし、外側起立部36をシール部材32を取付けるシール取付面とし、内側起立部37をラジエーター15の取付面としているので、フロントプレートアッパ34は、ラジエーター15とシュラウド17の取付部材(強度メンバー)とシール部材32の取付部材を兼用する構成とすることができ、部品点数を減少させられる。
請求項記載の発明では、上記請求項記載の発明の効果に加え、前記シュラウド17の下板22の下方にカバーラジエーターロワー42を設けているので、オイルクーラー30からのホース43がシュラウド17の下方に配置されるため、ホース43の保護可能となる。また、正面視における外観がよくなる。
請求項記載の発明では、上記請求項〜請求項何れかの請求項記載の発明の効果に加え、前記オイルクーラー30はフロントプレートロワー35に設けた取付ステー48を介して取付けているので、オイルクーラー30の取付部材とフロントプレートロワー35が一体となり、部品点数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】コンバインの側面図。
図2】ラジエーターと操縦部の側面図。
図3】同側面図。
図4】同背面図。
図5】同平面図。
図6】操縦部の正面図。
図7】シュラウドの正面図、背面図、側面図および平面図。
図8】操縦部付近の一部正面図。
図9】ラジエーターとシュラウドとオイルクーラーの側面図。
図10】ラジエーターとシュラウドの側面図。
図11】ラジエーターとシュラウドとオイルクーラーの背面図。
図12】同平面図。
図13】ラジエーターとシュラウドの上部背面図。
図14】ラジエーターとシュラウドの下部背面図。
図15】ラジエーターとシュラウドの背面図。
図16】コンバインの平面図。
図17】コントローラの制御状態説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施例を図により説明すると、1は作業機の機体フレームであり、本願はコンバインの実施例である。
なお、理解を容易にするために、前後左右等の方向を機体走行を基準に用いて説明するが、これにより、本発明の構成は限定されない。
機体フレーム1の下方には走行装置2を設け、機体フレーム1の上方の一側には脱穀装置3を設ける。脱穀装置3の前方には刈取装置4を設け、脱穀装置3の側部にはグレンタンク5を設ける(図1)。
【0009】
グレンタンク5の前方には、操縦部6を設け、操縦部6の操作席10の下方にはエンジン11を設け、エンジン11の外側にはラジエーター15を設け、ラジエーター15の内側には冷却ファン16を設け、冷却ファン16の周囲をシュラウド17により包囲する。18はラジエーター15の外側に設けたラジエーターカバーである。
シュラウド17は、開口部20Aを有する側板20の周囲を折り曲げて上板21と下板22と前板23と後板24とし、上板21と下板22の上下部分をラジエーター15に固定し、前板23と後板24をラジエーター15の外側面まで延長し、ラジエーター15の前後面を包囲する(図6、7)。
これにより、ラジエーター15の前後面の保護が部品を増やすことなく可能となる。
【0010】
また、エンジンルーム25側から熱気を冷却ファン16が吸引するのを防止できる。
すなわち、単に、冷却ファン16の周囲をシュラウド17により包囲するだけではラジエーター15の前後面側から冷却ファン16が吸引してしまって、エンジンルーム25側から熱気を冷却ファン16が吸引することがあるが、本願ではラジエーター15の前板23と後板24によりラジエーター15の前後面を包囲しているので、エンジンルーム25側の熱気を冷却ファン16が吸引するのを防止する。
シュラウド17の上板21と下板22によりラジエーター15とシュラウド17とを固定し、ラジエーター15の冷却面(ラジエーター15基準に前面)よりも側方であってオイルクーラー30を囲う位置まで前板23と後板24を延長させる。
【0011】
すなわち、冷却ファン16の周囲を包囲するシュラウド17の前板23と後板24を、ラジエーター15の外側に配置されたオイルクーラー30を囲う位置まで延長させる構成とする。
これにより、ラジエーターフレームを設けることなくオイルクーラー30を設けるスペースを確保する。
前板23と後板24を延長させたスペース27にオイルクーラー30を配置する。
これにより、ラジエーターフレームを設けることなくオイルクーラー30を設けるスペースを確保する。
前板23と後板24を延長させた部分を前後方向に屈曲させて折曲フランジ部31とし、折曲フランジ部31の外側面をシール部材32を取付けるシール取付面とする。
【0012】
これにより、ラジエーターフレームを設けることなく、シュラウド17によりシール部材32を取付けるシール取付面を確保できる。
前記前後の折曲フランジ部31はそれぞれラジエーター15の上部より上方に延長させ、折曲フランジ部31の上側延長部とラジエーター15との間にフロントプレートアッパ34を挟み込む構成とする。
これにより、フロントプレートアッパ34を取付けると、ラジエーターフレームを設けることなく、ラジエーター15とシュラウド17とを固定できる。
前記前後の折曲フランジ部31はそれぞれラジエーター15の下部より下方に延長させ、折曲フランジ部31の下側延長部とラジエーター15との間にフロントプレートロワー35を挟み込む構成とする。
【0013】
これにより、フロントプレートロワー35を取付けると、ラジエーターフレームを設けることなく、ラジエーター15とシュラウド17とを固定できる。
フロントプレートアッパ34は、外側起立部36と内側起立部37とにより断面上向き「コ」の字型とし、外側起立部36をシール部材32を取付けるシール取付面とし、内側起立部37をラジエーター15の取付面とする。
これにより、フロントプレートアッパ34は、ラジエーター15とシュラウド17の取付部材(強度メンバー)とシール部材32の取付部材を兼用する構成とすることができ、部品点数を減少させられる。
フロントプレートロワー35も、フロントプレートアッパ34と同様に屈曲形成して外側起立部36と内側起立部37とにより断面下向き「コ」の字型とし、外側起立部36をシール部材32を取付けるシール取付面とし、内側起立部37をラジエーター15の取付面とする。
【0014】
これにより、フロントプレートロワー35は、ラジエーター15とシュラウド17の取付部材(強度メンバー)とシール部材32の取付部材を兼用する構成とすることができ、部品点数を減少させられる。
フロントプレートアッパ34の外側起立部36と内側起立部37とには、エアクリーナー40のホース41Aに接続する吸気用パイプ部(接続ノズル)41を設ける。
これにより、部品を増やすことなく、吸気用パイプ部41を設けられると共に、吸気用パイプ部41により外側起立部36と内側起立部37とを連結でき、フロントプレートアッパ34の剛性を向上させられる。
シュラウド17の下板22の下方にカバーラジエーターロワー42を設ける。
【0015】
これにより、オイルクーラー30からのホース43がシュラウド17の下方に配置されるため、ホース43の保護可能となる。また、正面視における外観がよくなる。
カバーラジエーターロワー42はフロントプレートロワー35に取付ける。
これにより、カバーラジエーターロワー42を取付けるステー等を設けることなく取付が可能となり、カバーラジエーターロワー42を取り外せるので、ホース43のメンテナンスを容易にする。
カバーラジエーターロワー42の前方プレート部45で操縦部6のステップフレーム46とラジエーター15のラジエーターカバー18の間の隙間を隠す構成とする。
これにより、ラジエーター15とシュラウド17周辺の外観を向上させられる。また、側方からホース43の保護が可能となる。
前記オイルクーラー30は、フロントプレートロワー35に設けた取付ステー48を介して取付ける。
【0016】
これにより、オイルクーラー30の取付部材とフロントプレートロワー35が一体となり、部品点数を削減できる。
オイルクーラー30はフロントプレートロワー35の上近傍に配置する。
これにより、取付ステー48の剛性が確保でき、また、カバーラジエーターロワー42のホース43の貫通孔との距離を知覚できるため、ホース43とカバーラジエーターロワー42の干渉を抑制する。
オイルクーラー30は、フロントプレートロワー35の上近傍かつ冷却ファン16の軸心方向から視て冷却ファン16の回転軌跡がオイルクーラー30の半分以上重なる位置に配置する。
これにより、オイルクーラー30の冷却性能を向上させられる。
【0017】
シュラウド17の前板23と後板24の前後側には縦板状の支持板49を設け、支持板49はシュラウド17の上板21と下板22に屈曲させて設けた取付部50とラジエーター15とにより挟んでボルト51により固定する(図6)。
これにより、支持板49とシュラウド17とラジエーター15とが一体状に固定され、しかも、三者を同時にボルト51により固定でき、構成部品を削減できる。
そのため、コスト削減・組立容易化が可能となる。
前記支持板49は、所定の厚さを有して形成し、曲げ等の加工は施さない。
これにより 組立容易化・コスト削減が可能となる。
支持板49の下部は機体フレーム1側に固定する。
また、支持板49の上下中間部を切欠形成し、シュラウド17の前板23と後板24の前後面に当接させる。
【0018】
このコンバインのフィードチェン55は、緊急停止制御機構により緊急停止可能にする緊急停止スイッチ56を機体所定位置に設け、緊急停止スイッチ56を操作するとフィードチェン55を停止させると共にエンジン11も停止させる構成とし、前記緊急停止スイッチ56の近傍所定位置にはエンジン11を再始動させる緊急走行モードスイッチ57を設ける。
これにより、緊急停止スイッチ56の故障時、緊急走行モードスイッチ57の操作によりエンジン11の再始動が可能となって、即時機体を安全な場所まで移動できる。
この場合、緊急停止スイッチ56はヒューズで代用とし、緊急停止スイッチ56に並列に配置する。
【0019】
緊急走行モードスイッチ57により緊急走行モードに移行した際には、緊急停止ランプ58を点灯させて緊急走行モードを報知する。
これにより、緊急時の移動であることを認識でき、安全性を向上させられる。
また、緊急停止スイッチ56はヒューズで代用とした場合であって、緊急停止スイッチ56とは別にコントローラ(図示省略)から入力端子を設けてもよい。
コントローラにより緊急走行モードに移行した際には、緊急停止ランプ58を点灯させて緊急走行モードを報知する。
これにより、緊急時の移動であることを認識でき、安全性を向上させられる。
緊急停止スイッチ56により緊急停止制御が作動している状態において、緊急走行モードスイッチ57を操作しても無効とし、コントローラに電源投入時に緊急走行モードスイッチ57が操作されている場合のみ、制御有効とする。
【0020】
これにより、緊急停止スイッチ56の故障時、緊急走行モードスイッチ57の操作によりエンジン11の再始動が可能となって、即時機体を安全な場所まで移動できる。
この場合、コントローラに電源投入時に緊急走行モードスイッチ57が操作されている場合のみ制御有効とする緊急走行モードが制御が作動している状態において、緊急停止スイッチ56を操作しても制御無効とする。
これにより、緊急停止スイッチ56の故障時、緊急走行モードスイッチ57の操作によりエンジン11の再始動が可能となって、即時機体を安全な場所まで移動でき、緊急走行モードでの作業を防止する。
なお、緊急走行モード解除後は、緊急停止スイッチ56の操作を有効にする。
【0021】
(実施形態の作用)
本発明は上記構成であり、エンジン11を始動し、エンジン11の回転により脱穀装置3と刈取装置4の各部を駆動し、走行装置2を駆動して走行して刈取脱穀作業を行う。
エンジン11は、エアクリーナー40から導入した外気と燃料とを混合させて燃焼して駆動し、ラジエータカバー18で導入した外気によりラジエーター15とエンジンルーム内を冷却する。
シュラウド17は、側板20の周囲を折り曲げて上板21と下板22と前板23と後板24とし、上板21と下板22の上下部分をラジエーター15に固定し、前板23と後板24をラジエーター15の外側面まで延長し、ラジエーター15の前後面を包囲しているので、ラジエーター15の前後面の保護が部品を増やすことなく可能となる。
【0022】
また、エンジンルーム25側から熱気を冷却ファン16が吸引するのを防止できる。
また、シュラウド17の上板21と下板22によりラジエーター15とシュラウド17とを固定し、ラジエーター15の冷却面(ラジエーター15基準に前面)よりも側方であってオイルクーラー30を囲う位置まで前板23と後板24を延長させているので、ラジエーターフレームを設けることなくオイルクーラー30を設けるスペースを確保する。
前板23と後板24を延長させたスペース27にオイルクーラー30を配置しているので、ラジエーターフレームを設けることなくオイルクーラー30を設けるスペースを確保する。
【0023】
前板23と後板24を延長させた部分を前後方向に屈曲させて折曲フランジ部31とし、折曲フランジ部31の外側面をシール部材32を取付けるシール取付面としているので、ラジエーターフレームを設けることなく、シュラウド17によりシール部材32を取付けるシール取付面を確保できる。
シュラウド17の前後の折曲フランジ部31はそれぞれラジエーター15の上部より上方に延長させ、折曲フランジ部31の上側延長部とラジエーター15との間にフロントプレートアッパ34を挟み込む構成としているので、フロントプレートアッパ34を取付けると、ラジエーターフレームを設けることなく、ラジエーター15とシュラウド17とを固定できる。
【0024】
シュラウド17の前後の折曲フランジ部31はそれぞれラジエーター15の下部より下方に延長させ、折曲フランジ部31の下側延長部とラジエーター15との間にフロントプレートロワー35を挟み込む構成としているので、フロントプレートロワー35を取付けると、ラジエーターフレームを設けることなく、ラジエーター15とシュラウド17とを固定できる。
フロントプレートアッパ34は、外側起立部36と内側起立部37とにより断面上向き「コ」の字型とし、外側起立部36をシール部材32を取付けるシール取付面とし、内側起立部37をラジエーター15の取付面としているので、フロントプレートアッパ34は、ラジエーター15とシュラウド17の取付部材(強度メンバー)とシール部材32の取付部材を兼用する構成とすることができ、部品点数を減少させられる。
【0025】
フロントプレートロワー35も、フロントプレートアッパ34と同様に屈曲形成して外側起立部36と内側起立部37とにより断面下向き「コ」の字型とし、外側起立部36をシール部材32を取付けるシール取付面とし、内側起立部37をラジエーター15の取付面としているので、フロントプレートロワー35は、ラジエーター15とシュラウド17の取付部材(強度メンバー)とシール部材32の取付部材を兼用する構成とすることができ、部品点数を減少させられる。
フロントプレートアッパ34の外側起立部36と内側起立部37とには、エアクリーナー40のパイプ(図示省略)に接続する吸気用パイプ部(接続ノズル)吸気用パイプ部41を設けているので、部品を増やすことなく、吸気用パイプ部41を設けられると共に、吸気用パイプ部41により外側起立部36と内側起立部37とを連結でき、フロントプレートアッパ34の剛性を向上させられる。
【0026】
シュラウド17の下板22の下方にカバーラジエーターロワー42を設けているので、オイルクーラー30からのホース43がシュラウド17の下方に配置されるため、ホース43の保護可能となる。また、正面視における外観がよくなる。
カバーラジエーターロワー42はフロントプレートロワー35に取付けているので、カバーラジエーターロワー42を取付けるステー等を設けることなく取付が可能となり、カバーラジエーターロワー42を取り外せるので、ホース43のメンテナンスを容易にする。
カバーラジエーターロワー42の前方プレート部45で操縦部6のステップフレーム46とラジエーター15のラジエーターカバー18の間の隙間を隠す構成としているので、ラジエーター15とシュラウド17周辺の外観を向上させられる。また、側方からホース43の保護が可能となる。
【0027】
オイルクーラー30はフロントプレートロワー35に設けた取付ステー48を介して取付けているので、オイルクーラー30の取付部材とフロントプレートロワー35が一体となり、部品点数を削減できる。
オイルクーラー30はフロントプレートロワー35の上近傍に配置しているので、取付ステー48の剛性が確保でき、また、カバーラジエーターロワー42のホース43の貫通孔との距離を知覚できるため、ホース43とカバーラジエーターロワー42の干渉を抑制する。
オイルクーラー30は、フロントプレートロワー35の上近傍かつ冷却ファン16の軸心方向から視て冷却ファン16の回転軌跡がオイルクーラー30の半分以上重なる位置に配置しているので、オイルクーラー30の冷却性能を向上させられる。
【符号の説明】
【0028】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、10…操作席、11…エンジン、15…ラジエーター、16…冷却ファン、17…シュラウド、18…ラジエーターカバー、20…側板、21…上板、22…下板、23…前板、24…後板、25…エンジンルーム、27…スペース、30…オイルクーラー、31…折曲フランジ部、32…シール部材、34…フロントプレートアッパ、35…フロントプレートロワー、36…外側起立部、37…内側起立部、40…エアクリーナー、41…吸気用パイプ部、42…カバーラジエーターロワー、45…前方プレート部、46…ステップフレーム、48…取付ステー、49…支持板、50…取付部、51…ボルト、55…フィードチェン、56…緊急停止スイッチ、57…緊急走行モードスイッチ、58…緊急停止ランプ。
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