特許第6666051号(P6666051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6666051データ伝送方法、デバイスおよびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6666051
(24)【登録日】2020年2月25日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】データ伝送方法、デバイスおよびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20200302BHJP
   H04W 88/08 20090101ALN20200302BHJP
【FI】
   H04L12/28 200Z
   !H04W88/08
【請求項の数】15
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2018-559692(P2018-559692)
(86)(22)【出願日】2017年4月12日
(65)【公表番号】特表2019-517198(P2019-517198A)
(43)【公表日】2019年6月20日
(86)【国際出願番号】CN2017080314
(87)【国際公開番号】WO2017193758
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2018年12月20日
(31)【優先権主張番号】201610318944.2
(32)【優先日】2016年5月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ジン
(72)【発明者】
【氏名】ジャ、ミン
【審査官】 玉木 宏治
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−527976(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0022184(US,A1)
【文献】 特開2015−029162(JP,A)
【文献】 特開2010−206741(JP,A)
【文献】 平野 幸男 他,C-RANを収容する光アクセスネットワーク技術,電子情報通信学会2015年通信ソサイエティ大会講演論文集2,2015年 8月25日,pp.SS61-SS62(BI-3-4)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00−955
H04W 88/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ伝送方法であって、
イーサネット(登録商標)パケットを受信する段階であって、前記イーサネット(登録商標)パケットは第1パケットヘッダチェックビットを保持し、前記第1パケットヘッダチェックビットは前記イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる、段階と、
前記第1パケットヘッダチェックビットに基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報に対してチェックを実行する段階と、
前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報のチェック結果に基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断する段階と
を備える方法であって、
前記イーサネット(登録商標)パケットが共通公衆無線インタフェースデータ(CPRIデータ)を保持する場合、前記方法は、
前記イーサネット(登録商標)パケットが第2パケットヘッダチェックビットを保持し、前記第2パケットヘッダチェックビットは、前記CPRIデータの転送情報に対してチェックを実行するために用いられ、
前記第2パケットヘッダチェックビットに基づいて前記CPRIデータの前記転送情報に対してチェックを実行する段階と、
前記CPRIデータの前記転送情報のチェック結果に基づいて前記CPRIデータの転送挙動を判断する段階と
をさらに備える、方法。
【請求項2】
前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報のチェック結果に基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断する前記段階は、前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報の前記チェック結果が正しいである場合、前記イーサネット(登録商標)パケットを転送するか、または、前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報の前記チェック結果が正しくないである場合、前記イーサネット(登録商標)パケットの転送をスキップする段階を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1パケットヘッダチェックビットが前記イーサネット(登録商標)パケットのヘッダに位置する場合、前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報は、前記イーサネット(登録商標)パケットの宛先メディアアクセス制御アドレス(MACアドレス)を含む、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1パケットヘッダチェックビットが前記イーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置する場合、前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報は、前記イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスと、前記CPRIデータの転送情報とを含む、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのマルチプロトコルラベルスイッチングラベル(MPLSラベル)をさらに保持する場合、前記方法は、
前記第2パケットヘッダチェックビットに基づいて前記MPLSラベルにおける少なくとも1つのラベルに対してチェックを実行する段階と、
前記MPLSラベルのチェック結果に基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送挙動を判断する段階と
をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報の前記チェック結果が正しいである場合、前記方法は、
フレームチェックシーケンスチェックビット(FCSチェックビット)に基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットの各ビットに対してチェックを実行するか、または、FCSチェックビットに基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットのペイロードに対してチェックを実行する段階と、
各ビットまたは前記ペイロードのチェック結果が正しいである場合、前記イーサネット(登録商標)パケットを転送する段階と
をさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
イーサネット(登録商標)パケットを受信するように構成される受信モジュールであって、前記イーサネット(登録商標)パケットは第1パケットヘッダチェックビットを保持し、前記第1パケットヘッダチェックビットは前記イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる、受信モジュールと、
前記第1パケットヘッダチェックビットに基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報に対してチェックを実行するように構成されるチェックモジュールと、
前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報のチェック結果に基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断するように構成される転送モジュールと
を備えるデバイスであって、
前記チェックモジュールは、前記イーサネット(登録商標)パケットが共通公衆無線インタフェースデータ(CPRIデータ)を保持する場合であって、前記イーサネット(登録商標)パケットは第2パケットヘッダチェックビットを保持し、前記第2パケットヘッダチェックビットは前記CPRIデータの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる場合、前記第2パケットヘッダチェックビットに基づいて前記CPRIデータの前記転送情報に対してチェックを実行するようにさらに構成され、
前記転送モジュールは、前記CPRIデータの前記転送情報のチェック結果に基づいて前記CPRIデータの転送挙動を判断するように構成される、
デバイス。
【請求項8】
前記転送モジュールは、
前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報の前記チェック結果が正しいである場合、前記イーサネット(登録商標)パケットを転送するように、または、
前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報の前記チェック結果が正しくないである場合、前記イーサネット(登録商標)パケットの転送をスキップするように構成される、
請求項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1パケットヘッダチェックビットが前記イーサネット(登録商標)パケットのヘッダに位置する場合、前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報は、前記イーサネット(登録商標)パケットの宛先メディアアクセス制御アドレス(MACアドレス)を含む、
請求項またはに記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1パケットヘッダチェックビットが前記イーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置する場合、前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報は、前記イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスと、前記CPRIデータの転送情報とを含む、
請求項7または8に記載のデバイス。
【請求項11】
前記チェックモジュールは、前記イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのマルチプロトコルラベルスイッチングラベル(MPLSラベル)をさらに保持する場合、前記第2パケットヘッダチェックビットに基づいて前記MPLSラベルにおける少なくとも1つのラベルに対してチェックを実行するようにさらに構成され、
前記転送モジュールは、前記MPLSラベルのチェック結果に基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送挙動を判断するようにさらに構成される、
請求項7から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記チェックモジュールは、前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報の前記チェック結果が正しいである場合、フレームチェックシーケンスチェックビット(FCSチェックビット)に基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットの各ビットに対してチェックを実行するように、または、FCSチェックビットに基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットのペイロードに対してチェックを実行するようにさらに構成され、
前記転送モジュールは、各ビットまたは前記ペイロードのチェック結果が正しいである場合、前記イーサネット(登録商標)パケットを転送するようにさらに構成される、
請求項から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
第1デバイスと、第2デバイスとを備え、
前記第1デバイスは、共通公衆無線インタフェースデータ(CPRIデータ)を受信し、前記CPRIデータをイーサネット(登録商標)パケットにカプセル化し、前記イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる第1パケットヘッダチェックビットを前記イーサネット(登録商標)パケットに追加し、前記イーサネット(登録商標)パケットを送信するように構成され、
前記第2デバイスは、前記イーサネット(登録商標)パケットを受信し、前記第1パケットヘッダチェックビットに基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報に対してチェックを実行し、前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報のチェック結果に基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットから前記CPRIデータをデカプセル化し、前記CPRIデータを送信するように構成される、
システムであって、
前記第2デバイスは、第2パケットヘッダチェックビットに基づいて前記CPRIデータの転送情報に対してチェックを実行し、前記CPRIデータの前記転送情報のチェック結果に基づいて前記CPRIデータの転送挙動を判断するようにさらに構成され、
前記イーサネット(登録商標)パケットは前記第2パケットヘッダチェックビットを保持し、前記第2パケットヘッダチェックビットは前記CPRIデータの前記転送情報に対してチェックを実行するために用いられる、
システム。
【請求項14】
前記第2デバイスは、前記イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのマルチプロトコルラベルスイッチングラベル(MPLSラベル)をさらに保持する場合、第2パケットヘッダチェックビットに基づいて前記MPLSラベルにおける少なくとも1つのラベルに対してチェックを実行し、前記MPLSラベルのチェック結果に基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断するようにさらに構成される、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
第1デバイスと、第3デバイスと、少なくとも1つの第2デバイスとを備え、
前記第1デバイスは、共通公衆無線インタフェースデータ(CPRIデータ)を受信し、前記CPRIデータをイーサネット(登録商標)パケットにカプセル化し、前記イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる第1パケットヘッダチェックビットを前記イーサネット(登録商標)パケットに追加し、前記イーサネット(登録商標)パケットを送信するように構成され、
前記第2デバイスは、前記イーサネット(登録商標)パケットを受信し、前記第1パケットヘッダチェックビットに基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報に対してチェックを実行し、前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報のチェック結果に基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットを転送するように構成され、
前記第3デバイスは、前記イーサネット(登録商標)パケットを受信し、前記第1パケットヘッダチェックビットに基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報に対してチェックを実行し、前記イーサネット(登録商標)パケットの前記転送情報のチェック結果に基づいて前記イーサネット(登録商標)パケットから前記CPRIデータをデカプセル化し、前記CPRIデータを送信するように構成される、
システムであって、
前記第3デバイスは、第2パケットヘッダチェックビットに基づいて前記CPRIデータの転送情報に対してチェックを実行し、前記CPRIデータの前記転送情報のチェック結果に基づいて前記CPRIデータの転送挙動を判断するようにさらに構成され、
前記イーサネット(登録商標)パケットは前記第2パケットヘッダチェックビットを保持し、前記第2パケットヘッダチェックビットは前記CPRIデータの前記転送情報に対してチェックを実行するために用いられる、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信分野に関し、特に、データ伝送方法、デバイスおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば将来の5G世代の時代における無線ネットワークの発展に伴い、無線ネットワークの速度要件がますます高くなり、単一の基地局のカバレッジエリアがますます小さくなるので、多数の基地局を配備する必要があろう。基地局の機能を単純化するために、China Mobileがクラウド無線アクセスネットワークまたは集中無線アクセスネットワーク(Cloud Centralized Radio Access NetworkまたはCentralized Radio Access Network、CRAN)アーキテクチャを提案している。
【0003】
CRANを用いて基地局が単純化された後、複数の基地局の機能が実装のために1つの処理システムに統合される。単純化された基地局は、遠隔無線ユニット(Remote Radio Unit、RRU)または無線ユニット(Radio Unit、RU)と称されており、統合処理システムは、ベースバンド処理ユニット(Baseband Unit、BBU)と称され得る。図1に示されるように、現在、CRANアーキテクチャにおけるRRUとBBUとの間には共通公衆無線インタフェース(Common Public Radio Interface、CPRI)がある。CPRIは、物理層プロトコルを用いており、相当に高い伝送帯域幅を有しており、レイテンシ、ジッタおよび周波数同期精度についてかなり高い要件を課している。
【0004】
図2に示されるように、従来技術におけるCPRI上の伝送データには、以下のいくつかの保持方式、つまり、物理伝送リンク保持方式、光伝送ネットワーク(Optical Transport Network、OTN)保持方式または波長分割多重化(Wavelength Division Multiplexing、WDM)保持方式、パケットベースネットワーク保持方式等がある。物理伝送リンク保持方式は、RRUとBBUとが、光ファイバを用いることにより直接接続されることを意味する。光ファイバを配備するには多くのコストがかかる。OTN保持方式またはWDM保持方式にもコストの問題がある。例えば、光学モジュールは、コストがかなり高く、大規模に配備するのが難しい。従って、この業界で大規模に用いられる可能性がある保持ソリューションはパケットベースネットワーク保持方式である。パケットベースネットワーク保持方式は、イーサネット(登録商標)を用いることによりデータを直接保持するか、またはマルチプロトコルラベルスイッチング/疑似ワイヤ(Multiprotocol Label Switching/Pseudo Wire、MPLS/PW)を用いることによりデータを直接保持し、次に、イーサネット(登録商標)を用いることによりMPLS/PWを保持することを含む。
【0005】
しかしながら、あるイーサネット(登録商標)パケットにおけるフレームチェックシーケンス(Frame Check Sequence、FCS)が、そのイーサネット(登録商標)パケット全体にエラーがあるかどうかに関するチェックを実行するために用いられる。そのイーサネット(登録商標)パケットにおける任意のビットにエラーがある場合、FCSのチェック結果は正しくないであり、そのイーサネット(登録商標)パケット全体が破棄される。例えば、イーサネット(登録商標)パケットのペイロードは、1500バイトのCPRIデータを保持する。イーサネット(登録商標)パケットのヘッダ情報またはペイロードの任意のビットにおけるエラーは、1500バイトのCPRIデータの破棄および比較的高いパケット損失率につながる。データは破棄された後に再伝送される必要があり、その結果、比較的高いパケット損失率がスループット効率に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0006】
このことを考慮して、本発明の実施形態は、データ伝送処理中の高パケット損失率および低スループット効率という問題を解決するために、データ伝送方法、デバイスおよびシステムを提供する。
【0007】
第1態様によれば、本発明の実施形態は、データ伝送方法を提供する。データ伝送方法は、イーサネット(登録商標)パケットを受信する段階であって、イーサネット(登録商標)パケットは第1パケットヘッダチェックビットを保持し、第1パケットヘッダチェックビットはイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる、段階と、第1パケットヘッダチェックビットに基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行する段階と、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果に基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断する段階とを含む。
【0008】
本発明の本実施形態において、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックが実行され、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果に基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送挙動が判断される。イーサネット(登録商標)パケットの各ビットに対してチェックを実行する必要はない。特に、ペイロードに対してチェックを実行する必要はない。これによりチェック効率が向上する。加えて、ペイロードチェックエラーによりもたらされる過度に高いパケット損失率という問題が回避され、これによりスループット効率が向上する。
【0009】
第1態様の可能な実現形態において、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果に基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断する段階は、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しいである場合、イーサネット(登録商標)パケットを転送するか、または、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しくないである場合、イーサネット(登録商標)パケットの転送をスキップする段階を含む。
【0010】
イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しいである場合、イーサネット(登録商標)パケットは転送され得、これにより、イーサネット(登録商標)パケットのペイロードにおける任意のビットにエラーが生じた場合に生じるパケット損失によりもたらされる高パケット損失率という従来技術の問題が解決される。
【0011】
第1態様の可能な実現形態において、第1パケットヘッダチェックビットがイーサネット(登録商標)パケットのヘッダに位置する場合、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報は、イーサネット(登録商標)パケットの宛先メディアアクセス制御MACアドレスを含む。少なくともイーサネット(登録商標)パケットにおける宛先MACアドレスに対してチェックを実行する必要がある。任意選択で、送信元MACアドレス、VLANタグ、イーサネット(登録商標)タイプ等に対してチェックがさらに実行され得る。
【0012】
第1態様の可能な実現形態において、イーサネット(登録商標)パケットが共通公衆無線インタフェースデータ(CPRIデータ)を保持し、第1パケットヘッダチェックビットがイーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置する場合、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報は、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスと、CPRIデータの転送情報とを含む。
【0013】
第1態様可能な実現形態において、イーサネット(登録商標)パケットがCPRIデータを保持する場合、方法は、イーサネット(登録商標)パケットが第2パケットヘッダチェックビットを保持する段階であって、第2パケットヘッダチェックビットは、CPRIデータの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる、段階と、第2パケットヘッダチェックビットに基づいてCPRIデータの転送情報に対してチェックを実行する段階と、CPRIデータの転送情報のチェック結果に基づいてCPRIデータの転送挙動を判断する段階とをさらに含む。
【0014】
イーサネット(登録商標)パケットがCPRIデータを保持する場合、CPRIデータの転送情報に対してチェックがさらに実行され得る。任意選択で、各イーサネット(登録商標)デバイスについては、CPRIデータの転送情報に対するチェックの実行は不要であり、この段階は、CPRIデータのデカプセル化を実行するデバイスにより実行され得る。イーサネット(登録商標)パケットまたはCPRIデータの転送挙動は、CPRIデータの転送情報のチェック結果に基づいて判断される。これにより、転送挙動の正確さが向上し、パケット損失率が低下する。
【0015】
第1態様の可能な実現形態において、イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのマルチプロトコルラベルスイッチングラベル(MPLSラベル)をさらに保持する場合、方法は、第2パケットヘッダチェックビットに基づいてMPLSラベルにおける少なくとも1つのラベルに対してチェックを実行する段階と、MPLSラベルのチェック結果に基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断する段階とをさらに含む。
【0016】
イーサネット(登録商標)パケットがMPLSラベルをさらに保持する場合、MPLSラベルにおける少なくとも1つのラベル、例えば内側ラベルに対してチェックが実行される。イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動は、MPLSラベルのチェック結果に基づいて判断される。これにより、転送挙動の正確さが向上し、パケット損失率が低下する。
【0017】
第1態様の可能な実現形態において、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しいである場合、方法は、フレームチェックシーケンスチェックビット(FCSチェックビット)に基づいてイーサネット(登録商標)パケットの各ビットに対してチェックを実行するか、または、FCSチェックビットに基づいてイーサネット(登録商標)パケットのペイロードに対してチェックを実行する段階と、各ビットまたはペイロードのチェック結果が正しいである場合、イーサネット(登録商標)パケットを転送する段階とをさらに含む。
【0018】
イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しくないである場合、イーサネット(登録商標)パケットに対してFCSチェックを実行する必要はない。これにより、チェック効率が向上し得る。
【0019】
第2態様によれば、本発明の実施形態は、デバイスを提供する。デバイスは、受信モジュールと、チェックモジュールと、転送モジュールとを含む。受信モジュールはイーサネット(登録商標)パケットを受信するように構成され、イーサネット(登録商標)パケットは第1パケットヘッダチェックビットを保持し、第1パケットヘッダチェックビットはイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる。チェックモジュールは、第1パケットヘッダチェックビットに基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するように構成される。転送モジュールは、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果に基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断するように構成される。
【0020】
本発明の本実施形態において、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックが実行され、イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動は、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果に基づいて判断される。イーサネット(登録商標)パケットの各ビットに対してチェックを実行する必要はない。特に、ペイロードに対してチェックを実行する必要はない。これによりチェック効率が向上する。加えて、ペイロードチェックエラーによりもたらされる過度に高いパケット損失率という問題が回避される。これによりスループット効率が向上する。
【0021】
第2態様の可能な実現形態において、転送モジュールは、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しいである場合、イーサネット(登録商標)パケットを転送するように、または、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しくないである場合、イーサネット(登録商標)パケットの転送をスキップするように構成される。
【0022】
転送情報のチェック結果が正しいである場合、イーサネット(登録商標)パケットは転送され得、これにより、イーサネット(登録商標)パケットのペイロードにおける任意のビットにエラーが生じた場合に生じるパケット損失によりもたらされる高パケット損失率という従来技術の問題が解決される。
【0023】
第2態様の可能な実現形態において、第1パケットヘッダチェックビットがイーサネット(登録商標)パケットのヘッダに位置する場合、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報は、イーサネット(登録商標)パケットの宛先メディアアクセス制御アドレス(MACアドレス)を含む。 少なくともイーサネット(登録商標)パケットにおける宛先MACアドレスに対してチェックを実行する必要がある。任意選択で、送信元MACアドレス、VLANタグ、イーサネット(登録商標)タイプ等に対してチェックがさらに実行され得る。
【0024】
第2態様の可能な実現形態において、イーサネット(登録商標)パケットが共通公衆無線インタフェースデータ(CPRIデータ)を保持し、第1パケットヘッダチェックビットがイーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置する場合、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報は、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスと、CPRIデータの転送情報とを含む。
【0025】
第2態様の可能な実現形態において、チェックモジュールは、イーサネット(登録商標)パケットがCPRIデータを保持する場合であって、イーサネット(登録商標)パケットは第2パケットヘッダチェックビットを保持し、第2パケットヘッダチェックビットはCPRIデータの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる場合、第2パケットヘッダチェックビットに基づいてCPRIデータの転送情報に対してチェックを実行するようにさらに構成され、転送モジュールは、CPRIデータの転送情報のチェック結果に基づいてCPRIデータの転送挙動を判断するようにさらに構成される。
【0026】
イーサネット(登録商標)パケットがCPRIデータを保持する場合、CPRIデータの転送情報に対してチェックがさらに実行され得る。任意選択で、各イーサネット(登録商標)デバイスについては、CPRIデータの転送情報に対するチェックの実行は不要であり、この段階は、CPRIデータのデカプセル化を実行するデバイスにより実行され得る。イーサネット(登録商標)パケットまたはCPRIデータの転送挙動は、CPRIデータの転送情報のチェック結果に基づいて判断される。これにより、転送挙動の正確さが向上し、パケット損失率が低下する。
【0027】
第2態様の可能な実現形態において、チェックモジュールは、イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのマルチプロトコルラベルスイッチングラベル(MPLSラベル)をさらに保持する場合、第2パケットヘッダチェックビットに基づいてMPLSラベルにおける少なくとも1つのラベルに対してチェックを実行するようにさらに構成され、転送モジュールは、MPLSラベルのチェック結果に基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断するようにさらに構成される。
【0028】
イーサネット(登録商標)パケットがMPLSラベルをさらに保持する場合、MPLSラベルにおける少なくとも1つのラベル、例えば内側ラベルに対してチェックが実行される。イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動は、MPLSラベルのチェック結果に基づいて判断される。これにより、転送挙動の正確さが向上し、パケット損失率が低下する。
【0029】
第2態様の可能な実現形態において、チェックモジュールは、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しいである場合、フレームチェックシーケンスチェックビット(FCSチェックビット)に基づいてイーサネット(登録商標)パケットの各ビットに対してチェックを実行するように、または、FCSチェックビットに基づいてイーサネット(登録商標)パケットのペイロードに対してチェックを実行するようにさらに構成され、転送モジュールは、各ビットまたはペイロードのチェック結果が正しいである場合、イーサネット(登録商標)パケットを転送するようにさらに構成される。
【0030】
イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しくないである場合、イーサネット(登録商標)パケットに対してFCSチェックを実行する必要はない。これにより、チェック効率が向上し得る。
【0031】
第3態様によれば、本発明の実施形態は、第1デバイスと、第2デバイスとを含むシステムを提供する。第1デバイスは、共通公衆無線インタフェースデータ(CPRIデータ)を受信し、CPRIデータをイーサネット(登録商標)パケットにカプセル化し、第1パケットヘッダチェックビットをイーサネット(登録商標)パケットに追加するように構成され、第1パケットヘッダチェックビットは、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行し、イーサネット(登録商標)パケットを送信するために用いられる。第2デバイスは、イーサネット(登録商標)パケットを受信し、第1パケットヘッダチェックビットに基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行し、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果に基づいてイーサネット(登録商標)パケットからCPRIデータをデカプセル化し、CPRIデータを送信するように構成される。
【0032】
本発明の本実施形態において、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックが実行され、イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動は、転送情報のチェック結果に基づいて判断される。イーサネット(登録商標)パケットの各ビットに対してチェックを実行する必要はない。特に、ペイロードに対してチェックを実行する必要はない。これによりチェック効率が向上する。加えて、ペイロードチェックエラーによりもたらされる過度に高いパケット損失率という問題が回避される。これによりスループット効率が向上する。
【0033】
第3態様の可能な実現形態において、第2デバイスは、第2パケットヘッダチェックビットに基づいてCPRIデータの転送情報に対してチェックを実行し、CPRIデータの転送情報のチェック結果に基づいてCPRIデータの転送挙動を判断するようにさらに構成される。CPRIデータは第2パケットヘッダチェックビットを保持し、イーサネット(登録商標)パケットは第2パケットヘッダチェックビットを保持する。第2パケットヘッダチェックビットは、CPRIデータの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる。
【0034】
任意選択で、第1パケットヘッダチェックビットに基づいて、CPRIデータの転送情報に対してチェックがさらに実行され得る。
【0035】
第3態様の可能な実現形態において、第2デバイスは、イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSラベルをさらに保持する場合、第2パケットヘッダチェックビットに基づいてMPLSラベルにおける少なくとも1つのラベルに対してチェックを実行し、MPLSラベルのチェック結果に基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断するようにさらに構成される。
【0036】
第4態様によれば、本発明の実施形態は、第1デバイスと、第3デバイスと、少なくとも1つの第2デバイスとを含むシステムを提供する。第1デバイスは、共通公衆無線インタフェースデータ(CPRIデータ)を受信し、CPRIデータをイーサネット(登録商標)パケットにカプセル化し、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる第1パケットヘッダチェックビットをイーサネット(登録商標)パケットに追加し、イーサネット(登録商標)パケットを送信するように構成され、第2デバイスは、イーサネット(登録商標)パケットを受信し、第1パケットヘッダチェックビットに基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行し、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果に基づいてイーサネット(登録商標)パケットを転送するように構成され、第3デバイスは、イーサネット(登録商標)パケットを受信し、第1パケットヘッダチェックビットに基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行し、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果に基づいてイーサネット(登録商標)パケットからCPRIデータをデカプセル化し、CPRIデータを送信するように構成される。
【0037】
本発明の本実施形態において、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックが実行され、イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動は、転送情報のチェック結果に基づいて判断される。イーサネット(登録商標)パケットの各ビットに対してチェックを実行する必要はない。特に、ペイロードに対してチェックを実行する必要はない。これによりチェック効率が向上する。加えて、ペイロードチェックエラーによりもたらされる過度に高いパケット損失率という問題が回避される。これによりスループット効率が向上する。
【0038】
第4態様の可能な実現形態において、第2デバイスおよび/または第3デバイスは、第2パケットヘッダチェックビットに基づいてCPRIデータの転送情報に対してチェックを実行し、CPRIデータの転送情報のチェック結果に基づいてCPRIデータの転送挙動を判断するようにさらに構成される。イーサネット(登録商標)パケットは第2パケットヘッダチェックビットを保持する。第2パケットヘッダチェックビットは、CPRIデータの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる。
【0039】
任意選択で、第1パケットヘッダチェックビットに基づいて、CPRIデータの転送情報に対してチェックがさらに実行され得る。
【0040】
第4態様の可能な実現形態において、第2デバイスおよび/または第3デバイスは、イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSラベルをさらに保持する場合、第2パケットヘッダチェックビットに基づいてMPLSラベルにおける少なくとも1つのラベルに対してチェックを実行し、MPLSラベルのチェック結果に基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断するようにさらに構成される。
【0041】
第5態様によれば、本発明の実施形態は、プロセッサと、メモリと、少なくとも1つのネットワークインタフェースとを含むイーサネット(登録商標)デバイスを提供する。メモリは、コンピュータ実行可能命令を格納するように構成される。イーサネット(登録商標)デバイスが動作させられた場合、プロセッサは、メモリに格納されたコンピュータ実行可能命令を実行する。これにより、イーサネット(登録商標)デバイスは、第1態様または第1態様の可能な実現形態のいずれか1つによる方法を実行する。
【0042】
本発明の本実施形態において、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報(例えば、宛先MACアドレス)に対してチェックが実行され、イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動は、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果に基づいて判断される。イーサネット(登録商標)パケットの各ビットに対してチェックを実行する必要はない。特に、ペイロードに対してチェックを実行する必要はない。これによりチェック効率が向上する。加えて、ペイロードチェックエラーによりもたらされる過度に高いパケット損失率という問題が回避される。これによりスループット効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の実施形態または従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、発明の背景および実施形態を説明するために必要な添付図面を簡潔に説明する。
【0044】
図1】従来技術におけるCRANのネットワークアーキテクチャ図である。
【0045】
図2】従来技術におけるCPRIデータの保持方式の概略構造図である。
【0046】
図3】本発明の実施形態による、CPRIデータを保持するパケットベースネットワークのネットワークアーキテクチャ図である。
【0047】
図4】本発明の実施形態によるパケットベースネットワークデバイスのネットワーキング構造の概略図である。
【0048】
図5】本発明の実施形態によるデータ伝送方法のフローチャートである。
【0049】
図6a】従来技術におけるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットの概略図である。
【0050】
図6b】本発明の実施形態によるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットの概略図である。
【0051】
図7a】従来技術におけるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットの概略図である。
【0052】
図7b】本発明の実施形態によるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットの概略図である。
【0053】
図8a】従来技術におけるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットの概略図である。
【0054】
図8b】本発明の実施形態によるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットの概略図である。
【0055】
図9a】従来技術におけるIEEE1904.3において定義されるイーサネット(登録商標)上で保持されるCPRIデータであるフレームフォーマットを示す。
【0056】
図9b】本発明の実施形態による、イーサネット(登録商標)上で保持されるCPRIデータのフレームフォーマットを示す。
【0057】
図10】本発明の実施形態によるイーサネット(登録商標)上およびMPLS/PWで保持されるCPRIデータのフレームフォーマットを示す。
【0058】
図11】本発明の実施形態によるデータ処理の例示的なフローチャートである。
【0059】
図12】本発明の実施形態によるデバイスの概略構造図である。
【0060】
図13】本発明の実施形態によるイーサネット(登録商標)デバイスの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本出願の目的、技術的解決手段および利点をより明確かつより理解しやすくするために、以下では、添付図面および実施形態を参照して本出願をさらに詳細に説明する。
【0062】
本発明の実施形態は、イーサネット(登録商標)、マルチプロトコルラベルスイッチング(Multiprotocol Label Switching、MPLS)ネットワーク、インターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)ネットワークなどのパケットベースネットワークに適用され得る。本発明の実施形態におけるパケットベースネットワークは、共通公衆無線インタフェース(Common Public Radio Interface、CPRI)データを保持するために用いられ得るが、本発明の実施形態は、CPRIデータを保持するアプリケーションシナリオに限定されない。
【0063】
図3は、本発明の実施形態による、CPRIデータを保持するパケットベースネットワークのネットワークアーキテクチャ図である。図3に示されるように、複数のRRUのいくつかの機能が、実装のために1つの処理システム(BBU)に統合されている。複数のRRUとBBUとの間の伝送距離は約20kmであり、RRUとBBUとの間で伝送されるCPRIデータは、物理伝送リンク、例えば、光ファイバを用いることにより保持され得るか、またはOTNまたはパケットベースネットワークを用いることにより保持され得る。本発明の本実施形態において。パケットベースネットワークを用いることによるCPRIデータの保持が、説明のための例として用いられる。パケットベースネットワークは、複数のパケットベースネットワークデバイス、例えば、イーサネット(登録商標)デバイス、MPLSデバイス、IPデバイス、パケット伝送ネットワーク(Packet Transport Network、PTN)デバイス、スイッチおよびルータを含む。複数のパケットベースネットワークデバイスは、光ファイバを用いることにより接続され得る。例えば、複数のRRUは、パケットベースネットワークにおけるパケットベースネットワークデバイスAにアクセスし、パケットベースネットワークデバイスAは、RRUにより送信されたCPRIデータをパケットベースネットワークパケットにカプセル化する。パケットベースネットワークパケットは、光ファイバを用いることによりパケットベースネットワークデバイスBへ伝送され、パケットベースネットワークデバイスBは、パケットベースネットワークパケットからCPRIデータをデカプセル化し、CPRIデータをBBUへ送信する。任意選択で、パケットベースネットワークデバイスAとパケットベースネットワークデバイスBとの間には、少なくとも1つのパケットベースネットワークデバイスがさらに存在し得る。CPRIデータに加え、パケットベースネットワークは、基地局(eNodeB)の無線ネットワークデータ(ロングタームエボリューションLTEデータ)を保持し得る。
【0064】
図4は、本発明の実施形態によるパケットベースネットワークデバイスのネットワーキング構造の概略図である。本発明の本実施形態において、パケットベースネットワークデバイスは、イーサネット(登録商標)デバイス、MPLSデバイス、IPデバイス、PTNデバイス等であり得る。図4に示されるように、パケットベースネットワークにおけるパケットベースネットワークデバイスは、第1デバイス100および第3デバイス300を含み得る。任意選択で、第1デバイス100と第3デバイス300との間には、複数の第2デバイス200がさらに存在し得る。第1デバイス100は、RRUがパケットベースネットワークにアクセスするデバイスであり得る。第3デバイス300は、CPRIデータをBBUへ送信するデバイスであり得る。本発明の本実施形態において、パケットベースネットワークがイーサネット(登録商標)であることが、説明のための例として用いられる。
【0065】
第1デバイス100は以下の機能を実装する。
【0066】
受信モジュール101は、少なくとも1つのRRUからCPRIデータを受信するように構成される。カプセル化モジュール102が、受信したCPRIデータをイーサネット(登録商標)パケットにカプセル化する。例えば、CPRIデータは、カプセル化技術、例えば、仮想ローカルエリアネットワーク(Virtual Local Area Network、VLAN)またはQinQ(スタックVLANまたはダブルVLANとも称される)を用いることにより、イーサネット(登録商標)パケットにカプセル化され得る。本明細書において、CPRIデータは、本発明の実施形態において提供されるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットを用いることにより、カプセル化され得る。カプセル化のためのフレームフォーマットについては、図6b、図7b、図8b、図9bまたは図10に示される実施形態を参照されたい。転送モジュール103が、イーサネット(登録商標)パケットにおける宛先MACアドレスに基づいてイーサネット(登録商標)パケットを転送するように構成される。
【0067】
イーサネット(登録商標)パケットを転送する前に、第1デバイス100は、例えば、イーサネット(登録商標)パケットの宛先メディアアクセス制御(Media Access Control、MAC)アドレスといった転送情報に対してチェックを実行するために、イーサネット(登録商標)パケットにパケットヘッダチェックビット、例えば、巡回冗長符号(Cyclic Redundancy Code、CRC)チェックビットをさらに追加し得る。パケットヘッダチェックビットを追加する方式は、パケットヘッダチェックビットによりカバーされるチェックエリアに対して、例えば、転送情報またはイーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスに対してチェックオペレーションを実行し、チェックオペレーションの結果を、イーサネット(登録商標)パケットの予め設定された位置(パケットヘッダまたはペイロード)に追加することであり得る。チェックオペレーションは、CRCオペレーションであり得、具体的には、CRC16、CRC24またはCRC32などのアルゴリズムであり得る。例えば、CRC16に対応するパケットヘッダチェックビットは、16ビットを占有する。
【0068】
第2デバイス200は以下の機能を実装する。
【0069】
受信モジュール201は、第1デバイス100からイーサネット(登録商標)パケットを受信するように構成される。チェックモジュール202は、イーサネット(登録商標)パケットにおいて保持されるCRCチェックビットなどのパケットヘッダチェックビットに基づいて、受信したイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するように構成され、例えば、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するように構成される。本発明の本実施形態において、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報は、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスを含み得る。CRCチェックビットによりカバーされるチェックエリアは少なくとも、パケットヘッダ情報における宛先MACアドレスを含む。つまり、CRCチェックは、少なくとも宛先MACアドレスに対して実行される必要がある。任意選択で、CRCチェックビットによりカバーされるチェックエリアは、他のパケットヘッダ情報、例えば、イーサネット(登録商標)パケットの送信元MACアドレス、VLANタグおよびイーサネット(登録商標)タイプをさらに含み得るが、通常、CRCチェックビット自体は含まない。CRCオペレーションが、CRCチェックビットによりカバーされるチェックエリアに対して実行され、CRCオペレーションの結果がCRCチェックビットと比較される。2つの結果が一致した場合、チェック結果は正しいであるとみなされる。第2デバイス200により用いられる本明細書におけるCRCオペレーションアルゴリズムは、第1デバイス100により用いられるものと同じである。転送モジュール203は、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しいである場合、転送情報(イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレス)に基づいてイーサネット(登録商標)パケットを転送するように、または、CRCチェック結果が正しくないである場合、転送をスキップするか、またはイーサネット(登録商標)パケットを破棄するように構成される。
【0070】
任意選択で、イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動が、別のチェック方式を参照して判断され得る。例えば、FCSチェックビットに基づいて、イーサネット(登録商標)パケット全体の各ビット(パケットヘッダおよびペイロード)に対してチェックが実行されるか、または、FCSチェックビットに基づいて、イーサネット(登録商標)パケットのペイロードに対してチェックが実行される。CRCチェックおよびFCSチェックの結果の両方が正しいである場合、イーサネット(登録商標)パケットが転送されるか、または、CRCチェック結果のみが正しいである場合にも、イーサネット(登録商標)パケットは依然として転送され得る。
【0071】
CPRIデータがイーサネット(登録商標)パケットにおいて直接保持される場合、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスは、イーサネット(登録商標)デバイス間での伝送中、変わらない。例えば、第3デバイス300の宛先MACアドレスは常に、変化しないままである。この場合、受信モジュール201により受信されるイーサネット(登録商標)パケットにおいて保持される宛先MACアドレスと、チェックモジュール202によりチェックイーサネット(登録商標)パケットと、転送モジュール203により転送されるイーサネット(登録商標)パケットとは、同じである。
【0072】
まず、CPRIデータがMPLS/PWパケットにより保持され、次に、MPLS/PWパケットがイーサネット(登録商標)パケットにおいて保持される場合、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスおよびMPLSラベルは、イーサネット(登録商標)デバイス間での伝送中に変わる。例えば、イーサネット(登録商標)パケットにおいて保持され、受信モジュール201により受信される宛先MACアドレスは、第2デバイス200のMACアドレスである。受信モジュール201により受信されるイーサネット(登録商標)パケットにおいて保持される宛先MACアドレスと、チェックモジュール202によりチェックされるイーサネット(登録商標)パケットとは同じである。転送モジュール203がイーサネット(登録商標)パケットを転送する前に、第2デバイス200は、イーサネット(登録商標)パケットにおける宛先MACアドレスおよび送信元MACアドレスを更新する必要がある。第2デバイス200は、元の宛先MACアドレスおよび送信元MACアドレスをイーサネット(登録商標)パケットから分離し、MACアドレス転送テーブルに基づいて新しい宛先MACアドレスおよび送信元MACアドレスを取得し、新しい宛先MACアドレスおよび送信元MACアドレスをイーサネット(登録商標)パケットに追加する。加えて、第2デバイス200はさらに、新しい宛先MACアドレスに基づいて、新しい対応するCRCチェックビットを判断する必要がある。同様の方法が、MPLSラベルの更新に用いられる。イーサネット(登録商標)パケットが転送される前に、元のMPLSラベルが分離され(2つのMPLSラベルが存在する場合、元の外側MPLSラベルが分離され得)、新しいMPLSラベルがMPLSラベル転送テーブルから取得され、新しいMPLSラベルがMPLSパケットに追加され、MPLSラベルに対応するCRCチェックビットが更新される。宛先MACアドレスに対応するCRCチェックビットと、MPLSラベルに対応するCRCチェックビットとは、異なるフィールドに位置し得る。例えば、宛先MACアドレスに対応するCRCチェックビットは、イーサネット(登録商標)パケットのヘッダに位置し、MPLSラベルに対応するCRCチェックビットは、イーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置する。MACアドレス転送テーブルは自動学習により取得され得、MPLSラベル転送テーブルは、ネットワーク管理を用いることにより構成され得るか、またはプロトコルを用いることにより構成され得る。
【0073】
図5は、本発明の実施形態によるデータ伝送方法のフローチャートである。第2デバイス200は、図5に示される方法の段階を実行し得る。
【0074】
第3デバイス300は以下の機能を実装する。
【0075】
受信モジュール301は、第1デバイス100または第2デバイス200からイーサネット(登録商標)パケットを受信するように構成される。チェックモジュール302は、受信したイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するように構成される。イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行する処理については、チェックモジュール202の実装を参照されたい。詳細は、本明細書において再び説明されない。デカプセル化モジュール303は、イーサネット(登録商標)パケットをデカプセル化して、ペイロードデータ、例えば、イーサネット(登録商標)パケットにおいて保持されるCPRIデータを取得するように構成される。従来技術のデカプセル化技術が用いられ得る。デカプセル化処理とカプセル化処理とは互いに逆のものである。転送モジュール304は、イーサネット(登録商標)パケット転送情報のチェック結果が正しいである場合、デカプセル化モジュール303により取得されたCPRIデータをBBUへ送信するように構成される。任意選択で、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報は、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスを含み、CPRIデータの転送情報をさらに含み得る。イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスのチェック結果およびCPRIデータの転送情報のチェック結果の両方が正しいである場合、第3デバイス300は、CPRIデータをRRUへ送信する。本実施形態において、チェックとデカプセル化との間の実行順序に厳しい制限は設定されない。デカプセル化の前にイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックが実行され得るか、または、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックが実行される前にデカプセル化が実行され得る。本発明において、制限は設定されない。デカプセル化の前にイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行する実行順序が用いられ、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しくないである場合、デカプセル化は実行され得ず、パケットは直接破棄される。
【0076】
本発明の本実施形態において、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報(例えば、宛先MACアドレス)に対してチェックが実行され、イーサネット(登録商標)パケットを転送すべきかどうかが、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果に基づいて判断される。これによりパケット損失率が低下し得、このことによりスループット効率が向上する。例えば、イーサネット(登録商標)がCPRIデータを保持するために用いられる場合、CPRIデータのパケット損失率が低下し得、このことによりCPRIデータのスループット効率が向上する。
【0077】
図6aは、従来技術におけるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットの概略図である。図6aに示されるように、イーサネット(登録商標)パケットは、送信元MACアドレス(SRCMAC)、宛先MACアドレス(DestMAC)、イーサネット(登録商標)タイプ(EtherType)、ペイロード(Payload)およびFCS(FCS)チェックビットを含む。送信元MACアドレスおよび宛先MACアドレスは、イーサネット(登録商標)パケットの転送アドレスである。イーサネット(登録商標)タイプは、ペイロードに対応し、次のフィールドがペイロードであることを示すために用いられ、ペイロードのペイロードタイプをさらに示し得る。ペイロードは、イーサネット(登録商標)パケットにおいて保持されるデータ情報であり、CPRIデータ、IPデータ等が含まれる。FCSフィールドは、イーサネット(登録商標)パケットの端に位置し、イーサネット(登録商標)パケット全体のチェックを実行するために用いられる。イーサネット(登録商標)パケットにおけるビットが正しくないである場合、チェック結果が正しくないので、イーサネット(登録商標)パケット全体が破棄される。
【0078】
図6bは、本発明の実施形態によるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットの概略図である。図6aに示されるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットに基づいて、図6bに示されるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットがパケットヘッダチェックビット、例えば、CRCチェックビットと共に追加される。任意選択で、イーサネット(登録商標)タイプ(イーサネット(登録商標)タイプ1)フィールドがCRCチェックビットの前に追加され、イーサネット(登録商標)タイプ1は、次のフィールドがCRCチェックビットであることを示すために用いられる。CRCチェックビットによりカバーされるチェックエリアは、少なくとも宛先MACアドレスを含む。つまり、CRCチェックが、少なくとも宛先MACアドレスに対して実行される必要がある。任意選択で、CRCチェックビットによりカバーされるチェックエリアは、他のパケットヘッダ情報、例えば、送信元MACアドレス、イーサネット(登録商標)タイプ1およびイーサネット(登録商標)タイプ2をさらに含み得る。
【0079】
図7aは、従来技術におけるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットの概略図である。図6aと比較すると、図7aに示されるイーサネット(登録商標)パケットは、VLANタグ(VLAN TAG)と、このVLANタグに対応するイーサネット(登録商標)タイプ(イーサネット(登録商標)タイプ1)とをさらに保持する。イーサネット(登録商標)タイプ1は、次のフィールドがVLANタグであることを示すために用いられ、VLANタグのタイプをさらに示し得る。
【0080】
図7bは、本発明の実施形態によるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットの概略図である。図7aに示されるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットに基づいて、図7bに示されるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットがパケットヘッダチェックビット、例えば、CRCチェックビットと共に追加される。任意選択で、イーサネット(登録商標)タイプ(イーサネット(登録商標)タイプ3)フィールドがCRCチェックビットの前に追加され、イーサネット(登録商標)タイプ3は、次のフィールドがCRCチェックビットであることを示すために用いられる。CRCチェックビットによりカバーされるチェックエリアは、少なくとも宛先MACアドレスを含む。つまり、CRCチェックが、少なくとも宛先MACアドレスに対して実行される必要がある。任意選択で、CRCチェックビットによりカバーされるチェックエリアは、他のパケットヘッダ情報、例えば、送信元MACアドレス、VLANタグ、イーサネット(登録商標)タイプ1、イーサネット(登録商標)タイプ2およびイーサネット(登録商標)タイプ3をさらに含み得る。
【0081】
図8aは、従来技術におけるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットの概略図である。図7aと比較すると、図8aに示されるイーサネット(登録商標)パケットは、2つのVLANタグを保持する。つまり、VLANタグ2およびこのVLANタグ2に対応するイーサネット(登録商標)タイプ2が追加されている。イーサネット(登録商標)タイプ2は、次のフィールドがVLANタグ2であることを示すために用いられ、VLANタグ2のタイプをさらに示し得る。
【0082】
図8bは、本発明の実施形態によるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットの概略図である。図8aに示されるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットに基づいて、図8bに示されるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットが、パケットヘッダチェックビット、例えば、CRCチェックビットと共に追加されている。任意選択で、イーサネット(登録商標)タイプ(イーサネット(登録商標)タイプ4)フィールドがCRCチェックビットの前に追加され、イーサネット(登録商標)タイプ4は、次のフィールドがCRCチェックビットであることを示すために用いられる。CRCチェックビットによりカバーされるチェックエリアは、少なくとも宛先MACアドレスを含む。つまり、CRCチェックが、少なくとも宛先MACアドレスに対して実行される必要がある。任意選択で、CRCチェックビットによりカバーされるチェックエリアは、他のパケットヘッダ情報、例えば、送信元MACアドレス、VLANタグ、イーサネット(登録商標)タイプ1、イーサネット(登録商標)タイプ2、イーサネット(登録商標)タイプ3およびイーサネット(登録商標)タイプ4をさらに含み得る。
【0083】
任意選択で、パケット転送に影響が及ぶのを回避するために、デバイスは、新たに定義されたイーサネット(登録商標)タイプおよびCRCチェックビットの識別に失敗するので、CRCチェックビットは、他のパケットヘッダ情報の後に設定され得、例えば、送信元MACアドレス、宛先MACアドレス、VLANタグの後に、また、ペイロードに対応するイーサネット(登録商標)タイプの前に設定され得る。当然ながら、CRCチェックビットは、代替的に、イーサネット(登録商標)パケットの任意の位置で設定され得、本発明において制限は設定されない。
【0084】
CPRIデータがイーサネット(登録商標)パケットを用いることにより保持される場合、CPRIデータのカプセル化情報がイーサネット(登録商標)パケットのペイロードにさらに追加され得る。図9aは、従来技術における、イーサネット(登録商標)上で保持されるCPRIデータのものであり、IEEE1904.3において定義されるフレームフォーマットを示す。図9aに示されるように、フレームフォーマットは、バージョン(ver)番号、パケットタイプ(pkttype)、フロー識別子(flowID)、長さ(length)、順序番号(oderinginfo)、サブタイプ(subtype)、ペイロードバイト(payload bytes)等を含む。CPRIデータのカプセル化情報は、ペイロードバイト以外のフィールドを含む。フレームフォーマットのフィールドは、イーサネット(登録商標)パケットのペイロード中に、例えば、本発明の実施形態において提供され、図6b、図7bまたは図8bに示されるイーサネット(登録商標)パケットのペイロード中に存在し得る。
【0085】
図9bは、本発明の実施形態による、イーサネット(登録商標)上で保持されるCPRIデータのフレームフォーマットを示す。図9aに示されるフレームフォーマットに基づいて、図9bに示されるCPRIデータのフレームフォーマットがCRCチェックビットと共に追加されている。任意選択で、CRCチェックビットを32ndビットと揃えるために、予約済みフィールドがさらに予約され得る。任意選択で、CRCチェックビットによりカバーされるチェックエリアは、少なくとも、CPRIデータの転送情報(例えば、フロー識別子またはタイムスタンプ)を含む。つまり、チェックが、少なくともCPRIデータの転送情報に対して実行される必要がある。CRCチェックビットによりカバーされるチェックエリアは、CPRIデータの他のカプセル化情報をさらに含み得る。つまり、ペイロードバイト以外のフィールドに対してチェックが実行される。しかしながら、CRCチェックビットによりカバーされるチェックエリアは通常、CRCチェックビットおよび予約済みフィールドを含まない。フレームフォーマットのフィールドは、イーサネット(登録商標)パケットのペイロード中に、例えば、本発明の実施形態により提供され、図6b、図7bまたは図8bに示されるイーサネット(登録商標)パケットのペイロード中に存在し得る。任意選択で、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスに対してチェックを実行するために用いられる第1CRCチェックビット(例えば、図6bに示されるCRCチェックビット)と、CPRIデータの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる第2CRCチェックビット(例えば、図9bに示されるCRCチェックビット)とは、同じチェックビットであり得るか、または異なるチェックビットであり得る。第1CRCチェックビットと第2CRCチェックビットとが同じチェックビットである場合、それらは、イーサネット(登録商標)パケットのヘッダまたはペイロードに位置し得る。第1CRCチェックビットと第2CRCチェックビットとが異なるチェックビットである場合、第1CRCチェックビットはイーサネット(登録商標)パケットのヘッダに位置し得、第2CRCチェックビットはイーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置し得る。
【0086】
CPRIデータは、代替的に、MPLS/PWパケットにおいて直接保持され得、次に、MPLS/PWパケットは、イーサネット(登録商標)パケットにおいて保持される。そのような保持方式は、QoS要件が比較的高いシナリオに適用可能であり得る。図10は、本発明の実施形態による、イーサネット(登録商標)上およびMPLS/PW内で保持されるCPRIデータのフレームフォーマットを示す。図10に示されるように、フレームフォーマットは、イーサネット(登録商標)層、MPLS/PW層およびCPRI層という3つの層を含む。イーサネット(登録商標)層は、送信元MACアドレス、宛先MACアドレスおよびイーサネット(登録商標)タイプを含み、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレス(またはパケットヘッダ情報)に対してチェックを実行するために用いられる第1CRCチェックビットをさらに含み得る。MPLS/PW層はMPLSラベルを含む。任意選択で、2つのMPLSラベルが用いられ得る。CPRI層は、順序番号、CPRIタイプ、タイムスタンプ、カウンタ、長さおよびペイロードを含み、CPRIデータのMPLSラベルおよび転送情報(またはカプセル化情報)に対してチェックを実行するために用いられる第2CRCチェックビットをさらに含み得る。第2CRCチェックビットのカバレッジエリアは、CPRIデータの転送情報(またはカプセル化情報)を含み得、MPLS/PWにおける少なくとも1つのラベルをさらに含み得る。通常、内側(PW)MPLSラベルはカバーされる必要がある。図10におけるCPRI層のフレームフォーマットは、例に過ぎず、図9bに示されるフレームフォーマットなど、別のフレームフォーマットが代替的に用いられ得ることに留意すべきである。図10におけるイーサネット(登録商標)層のフレームフォーマットは、図6b、図7bまたは図8bに示されるフレームフォーマットも用い得る。
【0087】
本発明の本実施形態において説明される「イーサネット(登録商標)パケットのパケットヘッダ情報」は、イーサネット(登録商標)パケットのペイロードの前のフィールドであり得、通常、チェックビット(例えば、CRC)を含まない。CPRIデータのカプセル化情報は、CPRIデータのペイロードの前のフィールドであり得、通常、チェックビット(例えば、CRC)、予約済みフィールド等を含まない。「イーサネット(登録商標)パケットのヘッダ情報」は、「イーサネット(登録商標)パケットのヘッダ」において保持される情報である。例えば、図6bにおいて、イーサネット(登録商標)パケットのパケットヘッダ情報は、送信元MACアドレス、宛先MACアドレス、イーサネット(登録商標)タイプ1およびイーサネット(登録商標)タイプ2を含むが、カバーされるチェックエリアは通常、CRCを含まない。図9bにおいて、CPRIデータのカプセル化情報は、ペイロードバイト以外のフィールドを含むが、カバーされるチェックエリアは通常、CRCを含まない。本発明の本実施形態において、「カバーされるチェックエリア」とは、チェックビットを用いることによりチェックを実行することが必要なフィールドである。
【0088】
図11は、本発明の実施形態によるデータ処理の例示的なフローチャートである。図11に示されるように。本実施形態における方法の段階は、イーサネット(登録商標)デバイス、例えば、図4における第1デバイス、第2デバイスまたは第3デバイスにより実行され得、以下の段階を含む。
【0089】
S1101:イーサネット(登録商標)パケットが第1パケットヘッダチェックビットを保持する場合、イーサネット(登録商標)パケットを受信する。第1パケットヘッダチェックビットは、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェックを実行するために用いられる。
【0090】
イーサネット(登録商標)デバイスは、少なくとも1つのRRUまたは別のイーサネット(登録商標)デバイスからイーサネット(登録商標)パケットを受信し得る。本発明の本実施形態におけるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットについては、前述の実施形態、例えば、図6b、図7bおよび図8bに示される実施形態を参照されたい。例えばCRCチェックビットといった、イーサネット(登録商標)パケットにおいて保持される第1パケットヘッダチェックビット、転送情報、例えば、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスに対してチェックを実行するために用いられる。
【0091】
S1102:第1パケットヘッダチェックビットに基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェックを実行する。
【0092】
本発明の本実施形態において、イーサネット(登録商標)パケットは、1つの第1パケットヘッダチェックビット(CRCチェックビット)のみを保持し得る。第1パケットヘッダチェックビットは、イーサネット(登録商標)パケットのヘッダに位置し得るか、またはイーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置し得る。
【0093】
図6b、図7bおよび図8bを参照すると、第1パケットヘッダチェックビットがイーサネット(登録商標)パケットのヘッダに位置する場合、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報は、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスを含む。任意選択で、チェックはさらに、第1パケットヘッダチェックビットに基づいて、他のパケットヘッダ情報、例えば、イーサネット(登録商標)パケットの送信元MACアドレス、イーサネット(登録商標)タイプおよびVLANタグに対して実行され得る。
【0094】
イーサネット(登録商標)パケットが他のサービスデータを保持する場合、図9bを参照すると、例えば、イーサネット(登録商標)パケットのペイロードがCPRIデータを保持し、第1パケットヘッダチェックビットがイーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置する場合、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報は、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスおよびCPRIデータの転送情報を含む。任意選択で、第1パケットヘッダチェックビットに基づいて、他のパケットヘッダ情報、例えば、イーサネット(登録商標)パケットの送信元MACアドレス、イーサネット(登録商標)タイプおよびVLANタグに対してチェックがさらに実行され得る。第1パケットヘッダチェックビットに基づいて、CPRIデータの他のカプセル化情報に対してチェックがさらに実行され得る。
【0095】
任意選択で、イーサネット(登録商標)パケットは、第1パケットヘッダチェックビットおよび第2パケットヘッダチェックビットの両方を保持し得る。第1パケットヘッダチェックビットに基づいて、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスまたはイーサネット(登録商標)パケットのパケットヘッダ情報に対してチェックが実行され得、第2パケットヘッダチェックビットに基づいて、CPRIデータの転送情報またはCPRIデータのカプセル化情報に対してチェックがさらに実行され得る。第1パケットヘッダチェックビットおよび第2パケットヘッダチェックビットはCRCチェックビットであり得る。第1パケットヘッダチェックビットおよび第2パケットヘッダチェックビットは、異なるフィールドに位置し得る。例えば、第1パケットヘッダチェックビットはイーサネット(登録商標)パケットのパケットヘッダに位置し、第2パケットヘッダチェックビットはイーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置する。
【0096】
任意選択で、図10に示される実施形態を参照すると、イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのMPLSラベルをさらに保持する場合、チェックが、第2パケットヘッダチェックビットに基づいて、MPLSラベルにおける少なくとも1つのラベル、例えば、PWのMPLSラベルに対して実行され得る。
【0097】
S1103:イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果に基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断する。
【0098】
イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しいである場合、イーサネット(登録商標)パケットは転送され、または、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しくないである場合、イーサネット(登録商標)パケットは、転送されないか、または破棄される。例えば、イーサネット(登録商標)パケットを転送する必要があるかどうかは、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスのチェック結果またはイーサネット(登録商標)パケットのパケットヘッダ情報のチェック結果に基づいて判断され得る。任意選択で、イーサネット(登録商標)パケットがCPRIデータを保持する場合、イーサネット(登録商標)パケットを転送する必要があるかどうかはさらに、CPRIデータの転送情報のチェック結果またはCPRIデータのカプセル化情報のチェック結果に基づいて判断され得る。任意選択で、イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのMPLSラベルをさらに保持する場合、イーサネット(登録商標)パケットを転送する必要があるかどうかはさらに、MPLSラベルのチェック結果を参照して判断され得る。任意選択で、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報が正しいである場合、FCSチェックビットに基づいて、イーサネット(登録商標)パケットの各ビットまたはペイロードに対してチェックがさらに実行され得、各ビットまたはペイロードのチェック結果が正しいである場合、イーサネット(登録商標)パケットは転送される。
【0099】
イーサネット(登録商標)デバイスの転送モードは、ストアアンドフォワードモードおよびカットスルー(cut−through)転送モードを含む。ストアアンドフォワードモードでは、イーサネット(登録商標)パケットのFCSチェックが失敗したが、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェックが正しいである場合、これは、エラーが生じたビットがパケットヘッダに存在せず、次に、そのパケットが依然として転送され得ることを示す。しかしながら、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェックが失敗した場合、そのパケットは破棄される必要がある。カットスルー(cut−through)転送モードでは、パケットの転送挙動は、FCSチェックに依存し得ない。カットスルー転送は、パケット全体が受信された後ではなく、特定の長さ(例えば、20バイトまたは40バイト)のパケットが受信された後に、パケットの転送挙動が判断され始めることを意味する。この転送モードによりレイテンシが低減され得る。しかしながら、パケットに対してFCSチェックが実行される前に転送が開始される。その後にFCSチェックでエラーが見つかった場合、パケットは破棄され得ない。従って、カットスルー転送モードでは、CRCチェックビットを用いることにより転送情報に対してチェックが実行される。このチェックはパケットが転送される前に完了し得、これにより、チェック効率および転送挙動の正確さが向上する。
【0100】
本発明の本実施形態において、イーサネット(登録商標)デバイスは、パケットヘッダチェックビットを用いてイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行し、これにより、チェック効率が向上し得る。転送情報が正しいである場合、イーサネット(登録商標)パケットは転送され得、これにより、イーサネット(登録商標)パケットのペイロードにおける任意のビットにエラーが生じた場合に生じるパケット損失によりもたらされる高パケット損失率という従来技術の問題が解決される。これにより、データ伝送のスループット効率が向上する。
【0101】
図12は、本発明の実施形態によるデバイスの概略構造図である。図12に示されるように、デバイスは、イーサネット(登録商標)デバイス、例えば、図4における第1デバイス、第2デバイスまたは第3デバイスであり得る。デバイスは以下の機能モジュールを含む。
【0102】
受信モジュール1201は、イーサネット(登録商標)パケットを受信するように構成される。イーサネット(登録商標)パケットは、第1パケットヘッダチェックビットを保持する。第1パケットヘッダチェックビットは、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる。
【0103】
受信モジュール1201は、少なくとも1つのRRUまたは別のイーサネット(登録商標)デバイスからイーサネット(登録商標)パケットを受信し得る。本発明の本実施形態におけるイーサネット(登録商標)パケットのフレームフォーマットについては、前述の実施形態、例えば、図6b、図7bおよび図8bに示される実施形態を参照されたい。例えばCRCチェックビットといった、イーサネット(登録商標)パケットにおいて保持される第1パケットヘッダチェックビットは、転送情報、例えば、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスに対してチェックを実行するために用いられる。
【0104】
チェックモジュール1202は、第1パケットヘッダチェックビットに基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するように構成される。
【0105】
本発明の本実施形態において、イーサネット(登録商標)パケットは、1つの第1パケットヘッダチェックビット(CRCチェックビット)のみを保持し得る。第1パケットヘッダチェックビットは、イーサネット(登録商標)パケットのヘッダに位置し得るか、または、イーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置し得る。
【0106】
図6b、図7bおよび図8bを参照すると、第1パケットヘッダチェックビットがイーサネット(登録商標)パケットのヘッダに位置する場合、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報は、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスを含む。チェックモジュール1202は、第1パケットヘッダチェックビットに基づいて、他のパケットヘッダ情報、例えば、イーサネット(登録商標)パケットの送信元MACアドレス、イーサネット(登録商標)タイプおよびVLANタグに対してチェックをさらに実行し得る。
【0107】
イーサネット(登録商標)パケットが他のサービスデータを保持する場合、図9bを参照すると、例えば、イーサネット(登録商標)パケットのペイロードがCPRIデータを保持し、第1パケットヘッダチェックビットがイーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置する場合、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報は、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスおよびCPRIデータの転送情報を含む。任意選択で、チェックモジュール1202は第1パケットヘッダチェックビットに基づいて、他のパケットヘッダ情報、例えば、イーサネット(登録商標)パケットの送信元MACアドレス、イーサネット(登録商標)タイプおよぼいVLANタグに対してチェックをさらに実行し得る。チェックモジュール1202は、第1パケットヘッダチェックビットに基づいて、CPRIデータの他のカプセル化情報に対してチェックをさらに実行し得る。
【0108】
任意選択で、イーサネット(登録商標)パケットは、第1パケットヘッダチェックビットおよび第2パケットヘッダチェックビットの両方を保持し得る。チェックモジュール1202は、第1パケットヘッダチェックビットに基づいて、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスまたはイーサネット(登録商標)パケットのパケットヘッダ情報に対してチェックを実行し得、第2パケットヘッダチェックビットに基づいて、CPRIデータの転送情報またはCPRIデータのカプセル化情報に対してチェックをさらに実行し得る。第1パケットヘッダチェックビットおよび第2パケットヘッダチェックビットは、CRCチェックビットであり得る。第1パケットヘッダチェックビットおよび第2パケットヘッダチェックビットは、異なるフィールドに位置し得る。例えば、第1パケットヘッダチェックビットはイーサネット(登録商標)パケットのパケットヘッダに位置し、第2パケットヘッダチェックビットはイーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置する。
【0109】
任意選択で、図10に示される実施形態を参照すると、イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのMPLSラベルをさらに保持する場合、チェックモジュール1202は、第2パケットヘッダチェックビットに基づいて、MPLSラベルにおける少なくとも1つのラベル、例えば、PWのMPLSラベルに対してチェックを実行し得る。
【0110】
転送モジュール1203は、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果に基づいて、イーサネット(登録商標)パケットお転送挙動を判断するように構成される。
【0111】
イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しいである場合、転送モジュール1203はイーサネット(登録商標)パケットを転送し、または、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しくないである場合、転送モジュール1203は、転送をスキップするか、またはイーサネット(登録商標)パケットを破棄する。例えば、イーサネット(登録商標)パケットを転送する必要があるかどうかは、イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスのチェック結果またはイーサネット(登録商標)パケットのパケットヘッダ情報のチェック結果に基づいて判断され得る。任意選択で、イーサネット(登録商標)パケットがCPRIデータを保持する場合、転送モジュール1203は、CPRIデータの転送情報のチェック結果またはCPRIデータのカプセル化情報のチェック結果に基づいて、イーサネット(登録商標)パケットを転送する必要があるかどうかを判断し得る。任意選択で、イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのMPLSラベルをさらに保持する場合、転送モジュール1203は、MPLSラベルのチェック結果を参照して、イーサネット(登録商標)パケットを転送する必要があるかどうかをさらに判断し得る。任意選択で、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報が正しいである場合、FCSチェックビットに基づいて、イーサネット(登録商標)パケットの各ビットまたはペイロードに対してチェックがさらに実行され得、各ビットまたはペイロードのチェック結果が正しいである場合、転送モジュール1203はイーサネット(登録商標)パケットを転送する。
【0112】
本発明の本実施形態において、イーサネット(登録商標)デバイスは、パケットヘッダチェックビットを用いてイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行し、これにより、チェック効率が向上し得る。イーサネット(登録商標)パケットの転送情報が正しいである場合、イーサネット(登録商標)パケットは転送され得、これにより、イーサネット(登録商標)パケットのペイロードにおける任意のビットにエラーが生じた場合に生じるパケット損失によりもたらされる高パケット損失率という従来技術の問題が解決される。これによりデータ伝送のスループット効率が向上する。
【0113】
図13は、本発明の実施形態によるイーサネット(登録商標)デバイスの概略構造図である。図13に示されるように、イーサネット(登録商標)デバイス1300は、プロセッサ1301と、メモリ1302と、少なくとも1つのネットワークインタフェース、例えば、ネットワークインタフェース1303およびネットワークインタフェース1304とを含む。
【0114】
プロセッサ1301は、本発明の本実施形態において提供される技術的解決手段を実装するために、汎用中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)または少なくとも1つの集積回路を用いることにより、関連するプログラムを実行し得る。
【0115】
メモリ1302は、リードオンリメモリ(Read Only Memory、ROM)、静的ストレージデバイス、動的ストレージデバイスまたはランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)であり得る。メモリ1302は、オペレーティングシステムおよび他のアプリケーションプログラムを格納し得る。本発明の本実施形態において提供される技術的解決手段がソフトウェアまたはファームウェアに実装される場合、本発明の本実施形態において提供される技術的解決手段を実装するたねに用いられるプログラムコードは、メモリ1302に格納され、プロセッサ1301により実行される。
【0116】
ネットワークインタフェース1303および1304は、例えばトランシーバタイプの装置であるがこれに限定されないものを用いて、イーサネット(登録商標)デバイス1300と別のデバイスとの間の通信またはイーサネット(登録商標)デバイス1300と通信ネットワークとの間の通信を実装する。例えば、ネットワークインタフェース1303は、少なくとも1つのRRUからCPRIデータを受信し得るか、またはCPRIデータを少なくとも1つのRRUへ送信し得る。ネットワークインタフェース1304は、別のイーサネット(登録商標)デバイスからイーサネット(登録商標)パケットを受信し得るか、またはイーサネット(登録商標)パケットを別のイーサネット(登録商標)デバイスへ送信し得る。本明細書において、ネットワークインタフェース1303および1304の分割は、論理分割に過ぎず、実際の製品では、ネットワークインタフェース1303および1304は、同じ物理インタフェースを用いることにより実装され得る。
【0117】
イーサネット(登録商標)デバイス1300は、ネットワークインタフェース1303または1304を用いることにより、イーサネット(登録商標)パケットを受信する。イーサネット(登録商標)パケットは、第1パケットヘッダチェックビットを保持し、第1パケットヘッダチェックビットは、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる。ネットワークコントローラが、プロセッサ1301を用いることにより、メモリ1302に格納されたコードを実行し、これにより、第1パケットヘッダチェックビットに基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行し、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果に基づいてイーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断する。
【0118】
イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しいである場合、ネットワークインタフェース1303または1304はイーサネット(登録商標)パケットを転送し、または、イーサネット(登録商標)パケットの転送情報のチェック結果が正しくないである場合、ネットワークインタフェース1303または1304は、転送をスキップするか、またはイーサネット(登録商標)パケットを破棄する。
【0119】
具体的には、図13に示されるイーサネット(登録商標)デバイス1300は、本発明における任意の実施形態の技術的解決手段を実装し得る。図13に示されるイーサネット(登録商標)デバイス1300は、プロセッサ1301と、メモリ1302と、ネットワークインタフェース1303および1304とを示しているに過ぎないが、特定の実装処理中、当業者であれば、イーサネット(登録商標)デバイス1300は、通常動作に必要な別のデバイスをさらに含む旨を理解するはずであることに留意すべきである。加えて、特定の要件に基づいて、当業者であれば、イーサネット(登録商標)デバイス1300は、追加の機能を実装したハードウェアデバイスをさらに含み得ることを理解するはずである。例えば、イーサネット(登録商標)デバイス1300は、電源、ファン、クロックユニット、主制御ユニット等をさらに含む。さらに、当業者であれば、イーサネット(登録商標)デバイス1300は、代替的に、本発明の本実施形態を実装するために必要なデバイスのみを含み得、図13に示されるデバイスを必ずしも含まないことを理解するはずである。
【0120】
本発明の本実施形態において、イーサネット(登録商標)デバイスは、パケットヘッダチェックビットを用いて転送情報に対してチェックを実行し、これによりチェック効率が向上し得る。転送情報が正しいである場合、イーサネット(登録商標)パケットは転送され得、これにより、イーサネット(登録商標)パケットのペイロードにおける任意のビットにエラーが生じた場合に生じるパケット損失によりもたらされる高パケット損失率という従来技術の問題が解決される。これにより、データ伝送のスループット効率が向上する。
【0121】
前述の説明は、本発明の特定の実装に過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図していない。本発明において開示される技術的範囲内で当業者が容易に想到する任意の変形または置換は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
[項目1]
データ伝送方法であって、
イーサネット(登録商標)パケットを受信する段階であって、上記イーサネット(登録商標)パケットは第1パケットヘッダチェックビットを保持し、上記第1パケットヘッダチェックビットは上記イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる、段階と、
上記第1パケットヘッダチェックビットに基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報に対してチェックを実行する段階と、
上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報のチェック結果に基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断する段階と
を備える方法。
[項目2]
上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報のチェック結果に基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断する上記段階は、上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報の上記チェック結果が正しいである場合、上記イーサネット(登録商標)パケットを転送するか、または、上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報の上記チェック結果が正しくないである場合、上記イーサネット(登録商標)パケットの転送をスキップする段階を有する、
項目1に記載の方法。
[項目3]
上記第1パケットヘッダチェックビットが上記イーサネット(登録商標)パケットのヘッダに位置する場合、上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報は、上記イーサネット(登録商標)パケットの宛先メディアアクセス制御MACアドレスを含む、
項目1または2に記載の方法。
[項目4]
上記イーサネット(登録商標)パケットが共通公衆無線インタフェースCPRIデータを保持し、上記第1パケットヘッダチェックビットが上記イーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置する場合、上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報は、上記イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスと、上記CPRIデータの転送情報とを含む、
項目1または2に記載の方法。
[項目5]
上記イーサネット(登録商標)パケットがCPRIデータを保持する場合、上記方法は、
上記イーサネット(登録商標)パケットが第2パケットヘッダチェックビットを保持し、上記第2パケットヘッダチェックビットは、上記CPRIデータの転送情報に対してチェックを実行するために用いられ、
上記第2パケットヘッダチェックビットに基づいて上記CPRIデータの上記転送情報に対してチェックを実行する段階と、
上記CPRIデータの上記転送情報のチェック結果に基づいて上記CPRIデータの転送挙動を判断する段階と
をさらに備える、項目3に記載の方法。
[項目6]
上記イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSラベルをさらに保持する場合、上記方法は、
上記第2パケットヘッダチェックビットに基づいて上記MPLSラベルにおける少なくとも1つのラベルに対してチェックを実行する段階と、
上記MPLSラベルのチェック結果に基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送挙動を判断する段階と
をさらに備える、項目5に記載の方法。
[項目7]
上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報の上記チェック結果が正しいである場合、上記方法は、
フレームチェックシーケンスFCSチェックビットに基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットの各ビットに対してチェックを実行するか、または、FCSチェックビットに基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットのペイロードに対してチェックを実行する段階と、
各ビットまたは上記ペイロードのチェック結果が正しいである場合、上記イーサネット(登録商標)パケットを転送する段階と
をさらに備える、項目2に記載の方法。
[項目8]
イーサネット(登録商標)パケットを受信するように構成される受信モジュールであって、上記イーサネット(登録商標)パケットは第1パケットヘッダチェックビットを保持し、上記第1パケットヘッダチェックビットは上記イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる、受信モジュールと、
上記第1パケットヘッダチェックビットに基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報に対してチェックを実行するように構成されるチェックモジュールと、
上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報のチェック結果に基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断するように構成される転送モジュールと
を備えるデバイス。
[項目9]
上記転送モジュールは、
上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報の上記チェック結果が正しいである場合、上記イーサネット(登録商標)パケットを転送するように、または、
上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報の上記チェック結果が正しくないである場合、上記イーサネット(登録商標)パケットの転送をスキップするように構成される、
項目8に記載のデバイス。
[項目10]
上記第1パケットヘッダチェックビットが上記イーサネット(登録商標)パケットのヘッダに位置する場合、上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報は、上記イーサネット(登録商標)パケットの宛先メディアアクセス制御MACアドレスを含む、
項目8または9に記載のデバイス。
[項目11]
上記イーサネット(登録商標)パケットが共通公衆無線インタフェースCPRIデータを保持し、上記第1パケットヘッダチェックビットが上記イーサネット(登録商標)パケットのペイロードに位置する場合、上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報は、上記イーサネット(登録商標)パケットの宛先MACアドレスと、上記CPRIデータの転送情報とを含む、
項目8または9に記載のデバイス。
[項目12]
上記チェックモジュールは、上記イーサネット(登録商標)パケットがCPRIデータを保持する場合であって、上記イーサネット(登録商標)パケットは第2パケットヘッダチェックビットを保持し、上記第2パケットヘッダチェックビットは上記CPRIデータの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる場合、上記第2パケットヘッダチェックビットに基づいて上記CPRIデータの上記転送情報に対してチェックを実行するようにさらに構成され、
上記転送モジュールは、上記CPRIデータの上記転送情報のチェック結果に基づいて上記CPRIデータの転送挙動を判断するように構成される、
項目10に記載のデバイス。
[項目13]
上記チェックモジュールは、上記イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSラベルをさらに保持する場合、上記第2パケットヘッダチェックビットに基づいて上記MPLSラベルにおける少なくとも1つのラベルに対してチェックを実行するようにさらに構成され、
上記転送モジュールは、上記MPLSラベルのチェック結果に基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送挙動を判断するようにさらに構成される、
項目12に記載のデバイス。
[項目14]
上記チェックモジュールは、上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報の上記チェック結果が正しいである場合、フレームチェックシーケンスFCSチェックビットに基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットの各ビットに対してチェックを実行するように、または、FCSチェックビットに基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットのペイロードに対してチェックを実行するようにさらに構成され、
上記転送モジュールは、各ビットまたは上記ペイロードのチェック結果が正しいである場合、上記イーサネット(登録商標)パケットを転送するようにさらに構成される、
項目9に記載のデバイス。
[項目15]
第1デバイスと、第2デバイスとを備え、
上記第1デバイスは、共通公衆無線インタフェースCPRIデータを受信し、上記CPRIデータをイーサネット(登録商標)パケットにカプセル化し、上記イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる第1パケットヘッダチェックビットを上記イーサネット(登録商標)パケットに追加し、上記イーサネット(登録商標)パケットを送信するように構成され、
上記第2デバイスは、上記イーサネット(登録商標)パケットを受信し、上記第1パケットヘッダチェックビットに基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報に対してチェックを実行し、上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報のチェック結果に基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットから上記CPRIデータをデカプセル化し、上記CPRIデータを送信するように構成される、
システム。
[項目16]
上記第2デバイスは、第2パケットヘッダチェックビットに基づいて上記CPRIデータの転送情報に対してチェックを実行し、上記CPRIデータの上記転送情報のチェック結果に基づいて上記CPRIデータの転送挙動を判断するようにさらに構成され、
上記イーサネット(登録商標)パケットは上記第2パケットヘッダチェックビットを保持し、上記第2パケットヘッダチェックビットは上記CPRIデータの上記転送情報に対してチェックを実行するために用いられる、
項目15に記載のシステム。
[項目17]
上記第2デバイスは、上記イーサネット(登録商標)パケットが少なくとも1つのマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSラベルをさらに保持する場合、第2パケットヘッダチェックビットに基づいて上記MPLSラベルにおける少なくとも1つのラベルに対してチェックを実行し、上記MPLSラベルのチェック結果に基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットの転送挙動を判断するようにさらに構成される、
項目15に記載のシステム。
[項目18]
第1デバイスと、第3デバイスと、少なくとも1つの第2デバイスとを備え、
上記第1デバイスは、共通公衆無線インタフェースCPRIデータを受信し、上記CPRIデータをイーサネット(登録商標)パケットにカプセル化し、上記イーサネット(登録商標)パケットの転送情報に対してチェックを実行するために用いられる第1パケットヘッダチェックビットを上記イーサネット(登録商標)パケットに追加し、上記イーサネット(登録商標)パケットを送信するように構成され、
上記第2デバイスは、上記イーサネット(登録商標)パケットを受信し、上記第1パケットヘッダチェックビットに基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報に対してチェックを実行し、上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報のチェック結果に基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットを転送するように構成され、
上記第3デバイスは、上記イーサネット(登録商標)パケットを受信し、上記第1パケットヘッダチェックビットに基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報に対してチェックを実行し、上記イーサネット(登録商標)パケットの上記転送情報のチェック結果に基づいて上記イーサネット(登録商標)パケットから上記CPRIデータをデカプセル化し、上記CPRIデータを送信するように構成される、
システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13