【実施例】
【0022】
実施例1−一時的な持上げ構造を用いた建設
本発明の第1の実施の形態(
図1から
図7までに示されている)において、主構造1がまず組み立てられ(
図1)、そして、持上げタワー13aを含む1つまたは複数の一時的な持上げ構造が、主構造1の脇に据え付けられる。ストランドジャッキ7は、好適には、持上げタワー13aと、主構造1とに設置され、モジュール3は、据え付けられる準備がなされた状態で提供される(
図2)。
【0023】
そして、モジュール3aは、好適には最終的な設置範囲9(
図3)に配置され、このモジュール3aの下側に付加的なモジュール3bを位置決めすることができるように十分に大きな高さHだけストランドジャッキ7によって持ち上げられる。
【0024】
そして、付加的なモジュール3bが提供され、モジュール3aは、付加的なモジュール3bの上側に位置決めされる(そして、付加的なモジュール3bは、好適には最終設置範囲9においてモジュール3aの下側に位置決めされる)。モジュール3aと、付加的なモジュール3bとは、そして、互いに結合され、モジュールのグループを形成する。
【0025】
モジュールのグループは、そして、このモジュールのグループの下側に付加的なモジュール3cを位置決めすることができるように十分に大きな高さだけ持ち上げられる。別の付加的なモジュール3cが提供され、モジュールのグループは、付加的なモジュール3cの上側に位置決めされる(
図5)。付加的なモジュール3cは、そして、モジュールのグループに結合される。
【0026】
モジュールのグループの持上げ、モジュールのグループの下側への付加的なモジュールの提供および位置決め、およびモジュールのグループへの付加的なモジュールの結合は、モジュールのグループに結合される全てのモジュールが据え付けられるまで繰り返される(
図6)(
図7はボイラを示している)。
【0027】
この例においては、持上げタワー高さは、最も高いモジュールサイズ(すなわち鉛直方向サイズ)に合わせて調節されており、ストランドジャッキ7は、持上げタワー13aおよび主構造1に設置されている。
【0028】
この方法によれば、ボイラの上側部分に据え付けられるモジュールが最初に据え付けられ、ボイラの下側部分に据え付けられるモジュールが最後に据え付けられる。
【0029】
加えて、好適には据付中にモジュールが最終的な据付範囲に位置決めされるとしても、これは、必須ではなく、例えば、モジュールは、最終的な設置範囲の外側で組み立てることができ、次いで、モジュールのグループ(または幾つかのモジュールのみが最終的な設置範囲の外側で据え付けられる場合は、モジュールの部分的なグループ)が、最終的な設置範囲へ移動させられる。
【0030】
方法のこの実施の形態は特に有利である。なぜならば、モジュール3を支持するために付加的な永久構造は必要とされず、加えて、モジュールを持ち上げるために必要なスペースが小さいからである。実際には、全てのモジュール3,3a,3b,3c(または最終的な設置範囲の外側で組み立てられる場合には、モジュールのグループ)を、最終的な設置範囲9において持ち上げることができる(すなわち、特にモジュールまたはモジュールのグループを持ち上げるために、モジュールの最終的な設置範囲の他に付加的なスペースは必要ない)。
【0031】
実施例2−ブリッジを含む一時的な持上げ構造を用いた建設
本発明の第2の実施の形態(
図8から
図16までに示されている)においては、主構造1がまず組み立てられる(
図8)。次いで、1つまたは複数の一時的な持上げ構造が、主構造1の脇に組み立てられ、主構造1に結合される(
図9)。
【0032】
一時的な持上げ構造は、持上げタワー13aと、持上げタワー13aを主構造1に結合するブリッジ13bとを有する。ブリッジ13bの上側には、ストランドジャッキ7を備えるキャリヤ14が設置されている。
【0033】
モジュール3は、据え付けられる準備がなされた状態で提供され(
図10)、次いで、モジュール3aが、好適には、最終的な設置範囲に提供される(
図11)。
【0034】
次いで、付加的なモジュール3bがモジュール3aの脇に提供され、ストランドジャッキ7によって持ち上げられ(
図12)、キャリヤ14によって移動させられ(
図13)、そして、付加的なモジュール3bは、モジュール3aの上側に結合され(
図14)、モジュールのグループを形成する。
【0035】
そして、付加的なモジュール3cは、モジュール3aの脇(すなわちモジュール3aおよび3bのグループの脇)に提供され(
図15)、ストランドジャッキ7によって持ち上げられ、キャリヤ14によって移動させられ、モジュールのグループの上側に結合される。
【0036】
付加的なモジュールを提供し、持ち上げ、モジュールのグループの上側に結合することは、モジュールのグループに結合される全てのモジュールが据え付けられるまで繰り返される。
【0037】
この例においては、一時的または永久的な持上げタワーは、主構造1と同じ高さである。
【0038】
この方法によれば、ボイラの下側部分に据え付けられるモジュールは、最初に据え付けられ、ボイラの上側部分に据え付けられるモジュールは、最後に据え付けられる。
【0039】
加えて、好適には据付中に、モジュールが最終的な据付範囲に位置決めされるとしても、これは、必須ではなく、例えば、モジュールは、最終的な設置範囲の外側で組み立てることができ、次いで、モジュールのグループ(または幾つかのモジュールのみが最終的な設置範囲の外側で据え付けられる場合は、モジュールの部分的なグループ)が、最終的な設置範囲へ移動させられる。
【0040】
最後に、持上げタワー13aおよびブリッジ13bを含む一時的な持上げ構造は取り外される。
図16は、方法の第2の実施の形態により建設されたボイラを示している。一時的な持上げ構造は、取り外されたため、示されていない。
【0041】
他の実施の形態においては、持上げ構造を永久的な持上げ構造として維持することも可能である。
【0042】
この実施の形態では、モジュール3を持ち上げるために必要なスペースは、ボイラ6の設置範囲よりも大きくなる。例えば、
図9および
図16は、モジュールを持ち上げるための一時的な持上げ構造を据え付けるために必要なスペース25と比較して、ボイラの設置範囲6を示している。
【0043】
実施例3−永久的な持上げ構造を用いた建設
本発明の第3の実施の形態(
図17から
図21までに示されている)において、主構造1がまず建設され(
図17)、主構造1を建設しながら、モジュール3の予備組立を開始することができる。モジュール3の予備組立は、ボイラの設置範囲6の外側で行われる。
【0044】
次いで、主構造1に隣接して1つまたは複数の永久的な持上げ構造8も建設される。
【0045】
そして、モジュール3aが、好適には最終的な設置範囲9に提供され、最終的な位置へ持ち上げられる(
図19)。モジュール3aは、次いで、持上げ構造8および/または主構造1に結合される。
【0046】
そして、付加的なモジュール3bが、好適には最終的な設置範囲9に提供され、最終的な位置へ持ち上げられ、持上げ構造8および/または主構造1および/または他の隣接するモジュール3aに結合される。
【0047】
モジュールを提供し、持ち上げ、結合することは、永久的な持上げ構造8に結合される全てのモジュールが据え付けられるまで繰り返される(
図20)。
【0048】
図21は、第3の実施の形態の方法により建設されたボイラの一例を示している。この場合、永久的な持上げ構造8は、取り外されていないため、図示されている。
【0049】
この方法によれば、ボイラの上側部分に据え付けられるモジュールは、最初に据え付けられ、ボイラの下側部分に据え付けられるモジュールは、最後に据え付けられる。
【0050】
モジュール
図23および
図24は、モジュール3の例を示している。ボイラを建設するためのモジュール3は、配管および/または断熱材および/または補助装置および/またはケーブルトレーおよび/またはダクト(例えば煙道ガスダクトのセクションなど)および/または格子および/または手すりおよび/または配管支持体および/または電気機器を含む。
【0051】
したがって、モジュールは、管状の熱交換面を有さないまたは少なくとも管状の熱交換面の主構成部材または部品を有さない。
【0052】
言い換えれば、モジュール3は、好適にはボイラの全セクションを含んでいるので、モジュールに含まれていない付加的な構成部材の据付は必要ない。もちろん、様々なモジュール3またはモジュール3の構成部材と、管状の交換面4a〜4dとの相互結合が可能であり、場合によっては、必要とされる。
【0053】
モジュール3におけるまたはモジュール3の間の幾つかの小さな構成部材が、モジュール3の据付後に据え付けられなければならないということもあり得る。
【0054】
有利には、モジュール3は、固定された独立した構造であっても、そうでなくてもよい。固定された独立したモジュールは、ボイラに据え付けられたときに互いに結合されないモジュール(例えば例3のようなモジュール)であり、非固定の独立したモジュールは、ボイラに据え付けられたときに互いに結合されるモジュール(例えば例1および例2のようなモジュール)である。
【0055】
図23は、断熱材21と、他の煙道ガスダクトセクションへの結合のためのフランジ22と、永久的な持上げ構造8への結合のためのフランジ23とを備えた煙道ガスダクト20のセクションを有するモジュール3の一例を示している。この種のモジュールは、好適には、上述の方法の第3の実施の形態における持上げ構造8に関連して使用される。
【0056】
加えて、モジュールには、少なくとも他のモジュール3のモジュール構造24に結合可能なモジュール構造24を設けることもできる。
【0057】
図24は、このようなモジュールの一例を示しており、
図24もまた、断熱材21と、他の煙道ガスダクトセクションへの結合のためのフランジ22と、他のモジュール構造24または主構造1に結合することができるモジュール構造24とを備える煙道ガスダクトセクション20の一例を示している。この種のモジュールは、好適には、上述の実施の形態の第1および第2の方法による永久的な持上げ構造なしで使用される。
【0058】
当然、前記特徴は互いに独立して提供されてもよい。
【0059】
実際には、使用材料および寸法は、必要性および技術水準に応じて任意に選択することができる。