特許第6666073号(P6666073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6666073ボイラを建設する方法、モジュール、およびモジュールを含むボイラ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6666073
(24)【登録日】2020年2月25日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】ボイラを建設する方法、モジュール、およびモジュールを含むボイラ
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/24 20060101AFI20200302BHJP
【FI】
   F22B37/24 B
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-82559(P2015-82559)
(22)【出願日】2015年4月14日
(65)【公開番号】特開2015-203562(P2015-203562A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2018年3月23日
(31)【優先権主張番号】14164685.1
(32)【優先日】2014年4月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ベッカー
【審査官】 岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−211003(JP,A)
【文献】 特開平04−257602(JP,A)
【文献】 特開2002−213707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 37/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過熱器を備えた構造(1)を建設することを含む、ボイラ(15)を建設する方法において、
ボイラセクションを形成する組み立てられるモジュール(3)を提供するステップと、
該モジュール(3)を前記過熱器を備えた構造(1)の外側に据え付けるステップと、
を含み、
前記据え付けるステップが、
a)前記過熱器を備えた構造(1)の脇に持上げタワー(13a)を設置するステップと、
b)モジュール(3a)を提供するステップと、
c)該モジュール(3a)の脇に付加的なモジュール(3b)を提供するステップと、
d)該付加的なモジュール(3b)を前記過熱器を備えた構造(1)に支持された第1のジャッキ(7)と、前記持上げタワー(13a)に支持された第2のジャッキ(7)の両方により持ち上げ、該付加的なモジュール(3b)を前記モジュール(3a)の側に結合し、モジュールのグループを形成するステップと、
e)該モジュールのグループの脇に付加的なモジュール(3c)を提供するステップと、
f)該付加的なモジュール(3c)を前記第1及び第2のジャッキ(7)の両方により持ち上げ、該付加的なモジュール(3c)を前記モジュールのグループの側に結合するステップと、
g)前記モジュールのグループに結合される全てのモジュールが据え付けられるまで、ステップe)およびf)を繰り返すステップとを含む、方法。
【請求項2】
過熱器を備えた構造(1)を建設することを含む、ボイラ(15)を建設する方法において、
ボイラセクションを形成する組み立てられるモジュール(3)を提供するステップと、
該モジュール(3)を前記過熱器を備えた構造(1)の外側に据え付けるステップと、
を含み、
前記据え付けるステップが、
a)前記過熱器を備えた構造(1)の脇に持上げタワー(13a)を設置するステップと、
b)モジュール(3a)を提供するステップと、
c)前記モジュール(3a)を前記過熱器を備えた構造(1)に支持された第1のジャッキ(7)と、前記持上げタワー(13a)に支持された第2のジャッキ(7)の両方により持ち上げるステップと、
d)付加的なモジュール(3b)を提供するステップと、
e)前記モジュール(3a)を前記付加的なモジュール(3b)の上側に位置決めするステップと、
f)前記モジュール(3a)と前記付加的なモジュール(3b)とを結合し、モジュールのグループを形成するステップと、
g)前記モジュールのグループを前記第1及び第2のジャッキ(7)の両方により持ち上げるステップと、
h)付加的なモジュール(3c)を提供するステップと、
i)前記モジュールのグループを前記付加的なモジュール(3c)の上側に位置決めするステップと、
j)該付加的なモジュール(3c)と、前記モジュールのグループとを結合するステップと、
k)前記モジュールのグループに結合される全てのモジュールが据え付けられるまで、ステップg)、h)、i)およびj)を繰り返すステップと、
を含む、方法。
【請求項3】
前記モジュール(3)を地上で組み立てる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記モジュールを前記ボイラ(15)の最終的な設置範囲(6)の外側で組み立てる、請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記モジュール(3)を前記過熱器を備えた構造(1)の建設中に組み立てる、請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記モジュール(3)を前記過熱器を備えた構造(1)の外側に据え付けることが、前記モジュール(3)を1つまたは複数の他のモジュールおよび/または前記過熱器を備えた構造(1)に結合することを含む、請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記モジュール(3)が、配管および/または断熱材および/または補助装置および/またはケーブルトレーおよび/またはダクトおよび/または格子および/または手すりおよび/または配管支持体および/または電気機器を含むことを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ボイラ建設する方法、モジュール、およびモジュールを含むボイラに関する。
【0002】
ボイラは、好適には、発電プラントの大型のボイラである。例えば、ボイラは、タワーボイラであるが、2パスボイラなどのその他のタイプのボイラも可能である。
【背景技術】
【0003】
ボイラを建設するために、従来、主構造(鋼製の主構造)が据え付けられ、次いで、全てのボイラ構成部材が、主構造におよび主構造の周囲に1つずつ順次据え付けられる。
【0004】
すなわち、例えば、その順序は、主構造の建設、主構造の上部におけるバックステー/ヘッダおよび鉛直熱交換壁の据付、内部加熱面(エコノマイザ、再熱器、過熱器)の据付、そして主構造の下側部分における鉛直熱交換壁の据付、であることができる。
【0005】
次いで、煙道ガスダクトおよびその他の構成部材、例えば配管、断熱材、補助装置、ケーブルトレーなども、通常、主構造の外側に据え付けられる。これらの据付は、ボイラ内に組み込まれる構成部材をクレーンによって持ち上げ、構成部材を所要の位置に結合することによって行われる。通常は、底部の部材がまず据え付けられ、次いで、上部の部材が、ボイラの底部に既に据え付けられた部材の上側に据え付けられる。
【0006】
従来の方法は、様々な構成部材が1つずつ順次に据え付けられるので、ボイラの建設が非常に時間を費やすものであるという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、従来の欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の1つの態様は、ボイラの全体的な建設時間の短縮を可能にする方法、モジュールおよびボイラを提供することを含む。
【0009】
この態様および別の態様は、添付の請求項に係る方法、モジュールおよびボイラを提供することにより達成される。
【0010】
有利には、当該方法によれば、建設時間全体を通じて利用可能な大型クレーンを有する必要がない。大型クレーンは、主構造内および主構造の周囲の様々な位置に位置決めされる多くの構成部材を移動させるために必要とされていた。建設中の大型クレーンの使用は不利であり得る。なぜならば、大型クレーンは、一度に1つの構成部材しか移動させることができず、より多くのクレーンが設置されると、クレーンが互いに妨害し合う恐れがあるからである。
【0011】
加えて、有利には、方法によれば、ボイラ内に組み込まれるモジュールは、地上で(すなわちゼロレベルで)組み立てられ、これにより、高い位置での組立が回避されるため、より高い安全性が達成される。
【0012】
別の特徴および利点は、添付の図面における非制限的な例によって示された、方法、モジュールおよびボイラの好適な、しかしながら非排他的な実施の形態の説明からさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】方法の第1の実施の形態を示している。
図2】方法の第1の実施の形態を示している。
図3】方法の第1の実施の形態を示している。
図4】方法の第1の実施の形態を示している。
図5】方法の第1の実施の形態を示している。
図6】方法の第1の実施の形態を示している。
図7】方法の第1の実施の形態を示している。
図8】方法の第2の実施の形態を示している。
図9】方法の第2の実施の形態を示している。
図10】方法の第2の実施の形態を示している。
図11】方法の第2の実施の形態を示している。
図12】方法の第2の実施の形態を示している。
図13】方法の第2の実施の形態を示している。
図14】方法の第2の実施の形態を示している。
図15】方法の第2の実施の形態を示している。
図16】方法の第2の実施の形態を示している。
図17】方法の第3の実施の形態を示している。
図18】方法の第3の実施の形態を示している。
図19】方法の第3の実施の形態を示している。
図20】方法の第3の実施の形態を示している。
図21】方法の第3の実施の形態を示している。
図22】蒸発壁および過熱器を備えた主構造の断面図を示している。
図23】モジュールの一例を示している。
図24図23とは異なるモジュールの一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
典型的な実施の形態の詳細な説明
図面を参照すると、これらの図面は、モジュール式の建設方法による、ボイラを建設する方法を示している。
【0015】
この方法によれば、主構造1(鋼製の主構造とも称される)が建設され、そして、ボイラセクションを構成する予め組み立てられたモジュール3が提供され、主構造1の外側に据え付けられる。
【0016】
ボイラセクションを構成するモジュールは、据付中に、重い個別の構成部材が持ち上げられ、取り扱われる必要がないように、予め組み立てられているので、クレーン(大型クレーンなど)はモジュール3の据付中に必要ない。したがって、クレーンは、主構造1の建設のために必要とされるときに使用されてよく、次いで、クレーンを取り外すことができ、残りの構成部材の据付は、好適には、ストランドジャッキによって行われる。
【0017】
(エコノマイザ4a(設けられている場合)、再熱器4b(設けられている場合)、過熱器4c(設けられている場合)、および蒸発器4dの管状壁部などの)管状の熱交換面4a〜4dは、(典型的には主構造内で)主構造1に結合されており、通常、主構造によって支持されている。
【0018】
これらの管状の熱交換面4a〜4dは、主構造1が建設された後に据え付けられ、例えば、管状の熱交換面は、モジュール3の組立の前および/またはモジュール3の組立と同時に(すなわち並行して)据え付けられる。据付の後、管状の熱交換面4a〜4dは、主構造1によって支持される。好適には、管状の熱交換面4a〜4dは、主構造1の設置範囲5内にある。
【0019】
熱交換面4a〜4dの据付は、主構造1に据え付けられたストランドジャッキ7によって行うことができる。通常、ボイラの屋根11がまず据え付けられ、次いで、エコノマイザ4a、そして再熱器4b、次いで過熱器4c、および蒸発壁4dが据え付けられる。
【0020】
好適には、モジュール3は、地上で予め組み立てられ、これにより、容易で、迅速でかつ安全な作業が可能となる。加えて、モジュール3は、ボイラの最終的な設置範囲6の外側で予め組み立てられる。これにより、モジュールは、ボイラの建設を妨げることなく予め組み立てられ、これにより、ボイラの合計建設時間を短縮することができる。ボイラの合計建設時間を短縮するという同じ理由から、モジュール3は、好適には、主構造1の建設の間に既に予め組み立てられる。
【0021】
例えば、据付の間に、モジュール3は、主構造の外側において、1つまたは複数の他のモジュールおよび/または主構造1および/または永久的な持上げ構造に結合される。以下に方法の異なる実施の形態の3つの例を説明する。
【実施例】
【0022】
実施例1−一時的な持上げ構造を用いた建設
本発明の第1の実施の形態(図1から図7までに示されている)において、主構造1がまず組み立てられ(図1)、そして、持上げタワー13aを含む1つまたは複数の一時的な持上げ構造が、主構造1の脇に据え付けられる。ストランドジャッキ7は、好適には、持上げタワー13aと、主構造1とに設置され、モジュール3は、据え付けられる準備がなされた状態で提供される(図2)。
【0023】
そして、モジュール3aは、好適には最終的な設置範囲9(図3)に配置され、このモジュール3aの下側に付加的なモジュール3bを位置決めすることができるように十分に大きな高さHだけストランドジャッキ7によって持ち上げられる。
【0024】
そして、付加的なモジュール3bが提供され、モジュール3aは、付加的なモジュール3bの上側に位置決めされる(そして、付加的なモジュール3bは、好適には最終設置範囲9においてモジュール3aの下側に位置決めされる)。モジュール3aと、付加的なモジュール3bとは、そして、互いに結合され、モジュールのグループを形成する。
【0025】
モジュールのグループは、そして、このモジュールのグループの下側に付加的なモジュール3cを位置決めすることができるように十分に大きな高さだけ持ち上げられる。別の付加的なモジュール3cが提供され、モジュールのグループは、付加的なモジュール3cの上側に位置決めされる(図5)。付加的なモジュール3cは、そして、モジュールのグループに結合される。
【0026】
モジュールのグループの持上げ、モジュールのグループの下側への付加的なモジュールの提供および位置決め、およびモジュールのグループへの付加的なモジュールの結合は、モジュールのグループに結合される全てのモジュールが据え付けられるまで繰り返される(図6)(図7はボイラを示している)。
【0027】
この例においては、持上げタワー高さは、最も高いモジュールサイズ(すなわち鉛直方向サイズ)に合わせて調節されており、ストランドジャッキ7は、持上げタワー13aおよび主構造1に設置されている。
【0028】
この方法によれば、ボイラの上側部分に据え付けられるモジュールが最初に据え付けられ、ボイラの下側部分に据え付けられるモジュールが最後に据え付けられる。
【0029】
加えて、好適には据付中にモジュールが最終的な据付範囲に位置決めされるとしても、これは、必須ではなく、例えば、モジュールは、最終的な設置範囲の外側で組み立てることができ、次いで、モジュールのグループ(または幾つかのモジュールのみが最終的な設置範囲の外側で据え付けられる場合は、モジュールの部分的なグループ)が、最終的な設置範囲へ移動させられる。
【0030】
方法のこの実施の形態は特に有利である。なぜならば、モジュール3を支持するために付加的な永久構造は必要とされず、加えて、モジュールを持ち上げるために必要なスペースが小さいからである。実際には、全てのモジュール3,3a,3b,3c(または最終的な設置範囲の外側で組み立てられる場合には、モジュールのグループ)を、最終的な設置範囲9において持ち上げることができる(すなわち、特にモジュールまたはモジュールのグループを持ち上げるために、モジュールの最終的な設置範囲の他に付加的なスペースは必要ない)。
【0031】
実施例2−ブリッジを含む一時的な持上げ構造を用いた建設
本発明の第2の実施の形態(図8から図16までに示されている)においては、主構造1がまず組み立てられる(図8)。次いで、1つまたは複数の一時的な持上げ構造が、主構造1の脇に組み立てられ、主構造1に結合される(図9)。
【0032】
一時的な持上げ構造は、持上げタワー13aと、持上げタワー13aを主構造1に結合するブリッジ13bとを有する。ブリッジ13bの上側には、ストランドジャッキ7を備えるキャリヤ14が設置されている。
【0033】
モジュール3は、据え付けられる準備がなされた状態で提供され(図10)、次いで、モジュール3aが、好適には、最終的な設置範囲に提供される(図11)。
【0034】
次いで、付加的なモジュール3bがモジュール3aの脇に提供され、ストランドジャッキ7によって持ち上げられ(図12)、キャリヤ14によって移動させられ(図13)、そして、付加的なモジュール3bは、モジュール3aの上側に結合され(図14)、モジュールのグループを形成する。
【0035】
そして、付加的なモジュール3cは、モジュール3aの脇(すなわちモジュール3aおよび3bのグループの脇)に提供され(図15)、ストランドジャッキ7によって持ち上げられ、キャリヤ14によって移動させられ、モジュールのグループの上側に結合される。
【0036】
付加的なモジュールを提供し、持ち上げ、モジュールのグループの上側に結合することは、モジュールのグループに結合される全てのモジュールが据え付けられるまで繰り返される。
【0037】
この例においては、一時的または永久的な持上げタワーは、主構造1と同じ高さである。
【0038】
この方法によれば、ボイラの下側部分に据え付けられるモジュールは、最初に据え付けられ、ボイラの上側部分に据え付けられるモジュールは、最後に据え付けられる。
【0039】
加えて、好適には据付中に、モジュールが最終的な据付範囲に位置決めされるとしても、これは、必須ではなく、例えば、モジュールは、最終的な設置範囲の外側で組み立てることができ、次いで、モジュールのグループ(または幾つかのモジュールのみが最終的な設置範囲の外側で据え付けられる場合は、モジュールの部分的なグループ)が、最終的な設置範囲へ移動させられる。
【0040】
最後に、持上げタワー13aおよびブリッジ13bを含む一時的な持上げ構造は取り外される。図16は、方法の第2の実施の形態により建設されたボイラを示している。一時的な持上げ構造は、取り外されたため、示されていない。
【0041】
他の実施の形態においては、持上げ構造を永久的な持上げ構造として維持することも可能である。
【0042】
この実施の形態では、モジュール3を持ち上げるために必要なスペースは、ボイラ6の設置範囲よりも大きくなる。例えば、図9および図16は、モジュールを持ち上げるための一時的な持上げ構造を据え付けるために必要なスペース25と比較して、ボイラの設置範囲6を示している。
【0043】
実施例3−永久的な持上げ構造を用いた建設
本発明の第3の実施の形態(図17から図21までに示されている)において、主構造1がまず建設され(図17)、主構造1を建設しながら、モジュール3の予備組立を開始することができる。モジュール3の予備組立は、ボイラの設置範囲6の外側で行われる。
【0044】
次いで、主構造1に隣接して1つまたは複数の永久的な持上げ構造8も建設される。
【0045】
そして、モジュール3aが、好適には最終的な設置範囲9に提供され、最終的な位置へ持ち上げられる(図19)。モジュール3aは、次いで、持上げ構造8および/または主構造1に結合される。
【0046】
そして、付加的なモジュール3bが、好適には最終的な設置範囲9に提供され、最終的な位置へ持ち上げられ、持上げ構造8および/または主構造1および/または他の隣接するモジュール3aに結合される。
【0047】
モジュールを提供し、持ち上げ、結合することは、永久的な持上げ構造8に結合される全てのモジュールが据え付けられるまで繰り返される(図20)。
【0048】
図21は、第3の実施の形態の方法により建設されたボイラの一例を示している。この場合、永久的な持上げ構造8は、取り外されていないため、図示されている。
【0049】
この方法によれば、ボイラの上側部分に据え付けられるモジュールは、最初に据え付けられ、ボイラの下側部分に据え付けられるモジュールは、最後に据え付けられる。
【0050】
モジュール
図23および図24は、モジュール3の例を示している。ボイラを建設するためのモジュール3は、配管および/または断熱材および/または補助装置および/またはケーブルトレーおよび/またはダクト(例えば煙道ガスダクトのセクションなど)および/または格子および/または手すりおよび/または配管支持体および/または電気機器を含む。
【0051】
したがって、モジュールは、管状の熱交換面を有さないまたは少なくとも管状の熱交換面の主構成部材または部品を有さない。
【0052】
言い換えれば、モジュール3は、好適にはボイラの全セクションを含んでいるので、モジュールに含まれていない付加的な構成部材の据付は必要ない。もちろん、様々なモジュール3またはモジュール3の構成部材と、管状の交換面4a〜4dとの相互結合が可能であり、場合によっては、必要とされる。
【0053】
モジュール3におけるまたはモジュール3の間の幾つかの小さな構成部材が、モジュール3の据付後に据え付けられなければならないということもあり得る。
【0054】
有利には、モジュール3は、固定された独立した構造であっても、そうでなくてもよい。固定された独立したモジュールは、ボイラに据え付けられたときに互いに結合されないモジュール(例えば例3のようなモジュール)であり、非固定の独立したモジュールは、ボイラに据え付けられたときに互いに結合されるモジュール(例えば例1および例2のようなモジュール)である。
【0055】
図23は、断熱材21と、他の煙道ガスダクトセクションへの結合のためのフランジ22と、永久的な持上げ構造8への結合のためのフランジ23とを備えた煙道ガスダクト20のセクションを有するモジュール3の一例を示している。この種のモジュールは、好適には、上述の方法の第3の実施の形態における持上げ構造8に関連して使用される。
【0056】
加えて、モジュールには、少なくとも他のモジュール3のモジュール構造24に結合可能なモジュール構造24を設けることもできる。
【0057】
図24は、このようなモジュールの一例を示しており、図24もまた、断熱材21と、他の煙道ガスダクトセクションへの結合のためのフランジ22と、他のモジュール構造24または主構造1に結合することができるモジュール構造24とを備える煙道ガスダクトセクション20の一例を示している。この種のモジュールは、好適には、上述の実施の形態の第1および第2の方法による永久的な持上げ構造なしで使用される。
【0058】
当然、前記特徴は互いに独立して提供されてもよい。
【0059】
実際には、使用材料および寸法は、必要性および技術水準に応じて任意に選択することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 主構造
3,3a,3b,3c 予め組み立てられたモジュール
4a エコノマイザ
4b 再熱器
4c 過熱器
4d 蒸発壁
5 主構造の設置範囲
6 ボイラの設置範囲
7 ストランドジャッキ
8 持上げ構造
9 モジュールの最終的な設置範囲
11 屋根
13a 持上げタワー
13b ブリッジ
14 キャリヤ
15 ボイラ
20 煙道ガスダクト
21 断熱材
22 フランジ
23 フランジ
24 モジュール構造
25 スペース
H 高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24