特許第6666076号(P6666076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6666076
(24)【登録日】2020年2月25日
(45)【発行日】2020年3月13日
(54)【発明の名称】2つの電子基盤間の電気接続ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/52 20110101AFI20200302BHJP
【FI】
   H01R12/52
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-91202(P2015-91202)
(22)【出願日】2015年4月28日
(65)【公開番号】特開2015-213066(P2015-213066A)
(43)【公開日】2015年11月26日
【審査請求日】2018年4月26日
(31)【優先権主張番号】1453886
(32)【優先日】2014年4月29日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508075579
【氏名又は名称】ヴァレオ エキプマン エレクトリク モトゥール
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・シュヴァルツ
【審査官】 高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−059263(JP,U)
【文献】 実開平06−017171(JP,U)
【文献】 特開2012−014919(JP,A)
【文献】 実開昭55−082777(JP,U)
【文献】 実開昭54−149688(JP,U)
【文献】 特開2007−242473(JP,A)
【文献】 特開2006−344458(JP,A)
【文献】 特開2012−155850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00−12/91
H01R24/00−24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの電子基盤を電気的に相互接続するように意図された電気接続ユニット(1)であって、
前記2つの電子基盤を電気的に相互接続するように意図された少なくとも1つの電気ピン(2)と、
前記2つの電子基盤を機械的に相互連結するための機械リンク部分(4)であって、前記電気接続ユニット(1)は、前記電気ピン(2)による前記2つの電子基盤の電気接続と前記機械リンク部分(4)による前記2つの電子基盤の機械連結とを同時に可能にするために配置されている、機械リンク部分(4)と、
前記電気ピン(2)および前記機械リンク部分(4)を同時に支持する本体(6)であって、前記本体(6)は、前記電子基盤の一方を受けて支持するように意図された支持部分と呼ばれる部分を含み、前記支持部分および前記機械リンク部分(4)は、前記電子基盤が、前記本体の前記支持部分と前記機械リンク部分(4)が前記電子基盤に固定されるポイントとの間で固定されることにより、定位置に保持されるように配置された、本体(6)と、
を含み、
前記機械リンク部分(4)は、前記2つの電子基盤の少なくとも一方に機械的に連結されるように意図され、前記連結は、前記電子基盤の開口における前記機械リンク部分(4)の端部(41、42)のねじれによりなされ、前記端部は、ねじられた際に前記開口のエッジと当接する傾斜した縁部を有する、電気接続ユニット(1)。
【請求項2】
前記電子基盤の一方を受けて支持するように意図された部分は、前記電子基盤を受けて支持するように意図されたバルジを含む請求項1に記載の電気接続ユニット(1)。
【請求項3】
前記機械リンク部分(4)は、ブレード形状である請求項1または2に記載の電気接続ユニット(1)。
【請求項4】
前記機械リンク部分(4)は、2つの端部を含み、各端部が、前記2つの電子基盤の一方に機械的に接続されるように意図された請求項1から3のいずれか一項に記載の電気接続ユニット(1)。
【請求項5】
前記機械リンク部分(4)は、はんだ付けにより前記電子基盤の少なくとも一方に機械的に連結されるように意図された請求項1から4のいずれか一項に記載の電気接続ユニット(1)。
【請求項6】
前記電気ピン(2)は、前記電子基盤の一方の表面に当接するように意図された可撓性フット(21)を備える端部を有する請求項1からのいずれか一項に記載の電気接続ユニット(1)。
【請求項7】
複数のピン(2)を含む請求項1からのいずれか一項に記載の電気接続ユニット(1)。
【請求項8】
前記機械リンク部分(4)および前記電気ピン(2)は、方向(Δ)へと長手方向に延在する請求項1からのいずれか一項に記載の電気接続ユニット(1)。
【請求項9】
前記本体(6)は、前記電気ピン(2)および前記機械リンク部分(4)の長手方向(Δ)に対して横方向に主に延在する2つの部分(61、62)を含み、前記2つの部分(61、62)は、
第1の部分(61)が、前記電気ピン(2)および前記機械リンク部分(4)を、前記電気ピン(2)および前記機械リンク部分(4)の第1のエリアにて保持し、
第2の部分(62)が、前記電気ピン(2)および前記機械リンク部分(4)を、前記電気ピン(2)および前記機械リンク部分(4)の第2のエリアにて保持し、
前記2つの部分(61、62)は、前記電気ピン(2)および前記機械リンク部分(4)の前記長手方向(Δ)に沿って相互に離れている請求項に記載の電気接続ユニット(1)。
【請求項10】
前記本体(6)は、前記本体(6)の前記第1の部分(61)および前記第2の部分(62)を連結する少なくとも長手方向部分(65)を含む請求項に記載の電気接続ユニット(1)。
【請求項11】
2つの電子基盤(210、220)と、
請求項1から10のいずれか一項に記載の電気接続ユニット(1)であって、前記2つの電子基盤(210、220)の電気的な接続と機械的な連結とを同時に行う前記電気接続ユニット(1)と、
を含む電子モジュール(100)。
【請求項12】
第1の電子基盤(210)は、支持部(150)に載置され、前記機械リンク部分(4)と第2の電子基盤(220)との間の機械連結は、前記支持部(150)の部分(150b)に前記第2の電子基盤(220)を支持することを含む請求項11に記載の電子モジュール(100)。
【請求項13】
2つの電子基盤(210、220)を電気的に相互接続するための方法であって、
第1の電子基盤(210)に請求項1から10のいずれか一項に記載の前記電気接続ユニット(1)を位置決めするステップと、
前記電気接続ユニット(1)に第2の電子基盤(220)を取り付けるステップであって、
前記電気接続ユニットの前記電気ピン(2)は、前記第1の電子基盤(210)と前記第2の電子基盤(220)との間に電気接続をもたらし、前記電気接続ユニット(1)の前記機械リンク部分(4)は、前記電子基盤(210、220)間に機械連結を確立し、前記電気接続および機械連結は、同時に実現される、ステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの電子基盤間の電気接続ユニットに関する。また、本発明は、本発明による電気接続ユニットを備える電子モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
インバータは、車両に搭載して設置された電気機械を制御することで知られている。このタイプのインバータは、ハウジングと、電気機械に供給されるエネルギーが流れる構成要素を備える配電盤と、配電盤の構成要素を制御するための構成要素を備える制御盤とを有する、電子モジュールを備え得る。
【0003】
これらの2つの基盤は、電気リンクを間に挟んだ状態で相互に対面して位置決めされ得る。特に、第1の基盤は、ハウジングのベース中に位置決めされ、第2の基盤は、ハウジングの1つの壁部に載置されることにより第1の基盤の上方に位置決めされる。2つの基盤間の電気リンクは、各端部が基盤にはんだ付けされた電気接続ピンにより確立され得る。しかし、電子モジュールは、電気機械の操作または自動車環境におけるその適用により、振動にさらされる場合がある。これらの振動は、ピンと基盤との間のはんだ接合を脆弱化させ得る。1つの解決策は、ハウジングのベースに配電盤を装着し、これらの振動を制限するように制御盤を維持し、したがって振動によるはんだ接合の損耗の加速を防止することである。しかし、電気接続を確立し、これらの基盤を保持することは、結果として多くのステップをもたらすことになり、これにより電子モジュールの製造が複雑になる。
【0004】
特許文献1は、2つの基盤間の電気コネクタを開示している。このコネクタは、振動を制限するために基盤を維持することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2685566号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、耐振動性を有する電気接続を2つの基盤間において簡単な方法で実現するという課題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明は、2つの電子基盤を電気的に相互接続するように意図された電気接続ユニットであって、電気接続ユニットが、
2つの基盤を電気的に相互接続するように意図された少なくとも1つの電気ピンと、
2つの基盤を機械的に相互連結するための機械リンク部分と、
を備え、電気接続ユニットが、ピンによる2つの基盤の電気接続とリンク部分による2つの基盤の機械連結とを同時に可能にするために配置される、電気接続ユニットに関する。
【0008】
本願のコンテクストにおいて、電子基盤は、電子機能、特に複雑な電子機能を実施するために電子構成要素のセットを保持し、電子的に相互接続することを可能にする、プレートなどの支持部を意味するように理解される。
【0009】
これらの2つの基盤を機械的に相互連結することにより、2つの基盤間の応力の吸収が実現される。これらの基盤間の相対移動は、制限されるか、またはさらにはかなり軽減される。電気ピンは、ピンと基盤との間の電気接続にダメージを与える可能性のある振動にさらされない。
【0010】
本発明によれば、接続ユニットは、
ピンによる2つの基盤間の電気接続と、
リンク部分による2つの基盤間の機械連結と、
を同時に確保するために配置される。
【0011】
本発明によれば、2つの基盤に対して電気接続ユニットを位置決めすることにより、2つの基盤間を電気接続する電気導体と、基盤間を機械連結するためのリンク部分とが、同時に位置決めされる。2つの基盤を共にまたは2つの基盤を含むモジュールとして組み立てることが、簡単になる。
【0012】
一実施形態によれば、このユニットは、電気ピンおよび機械リンク部分を同時に支持する本体を備える。特に、この本体は、電気ピンおよび機械リンク部分のみを支持する。
【0013】
ピンおよびリンク部分を共通の本体に配置することにより、2つの基盤間の電気接続および機械連結の作業が簡単になる。なぜなら、電気接続要素および機械連結要素が、共に容易に操作され得るからである。
【0014】
特に、ピンおよび機械リンク部分を共に保持する本体の部分、または、さらには本体全体は、単一の保持部分を備えてもよい。
【0015】
したがって、オペレータは、本体を把持することにより、1回のアクションで2つの基盤に電気ピンおよび機械リンク部分を位置決めして、基盤間の電気接続および機械連結を実現することが可能となる。
【0016】
本体は、例えば電気絶縁材料などから作製される。
【0017】
一変形例によれば、前記本体は、電子基盤の一方を受けて支持するように意図された支持部分と呼ばれる部分を備える。特に、本体の支持部分およびリンク部分は、電子基盤が、本体の支持部分と機械リンク部分が基盤に固定されるポイント(point)との間で固定されることにより、定位置に保持されるように配置される。したがって、電子基盤の保持が改善される。
【0018】
1つの特定の変形例によれば、電気ピンおよびリンク部分は、同一の長手方向に延在する。特に、本体の支持部分は、前記方向に対して横方向に延在する。
【0019】
1つの特定の変形例によれば、本体の支持部分は、基盤を受けて支持するように意図されたバルジ、特にスプールを備える。これらのバルジにより、支持部分に対面する基盤の表面と、バルジ間に位置する支持部分の表面との間に空間が残される。これは、基盤との電気接続または機械連結がはんだ付けにより実現される場合に特に有利である。基盤と本体の支持部分の残りの部分との間のバルジにより形成される空間により、基盤の各側で、はんだ付けをする際に、メニスカスが、その材料が支持部分中に広がるリスクを伴うことなく形成され得る。したがって、漏電の発生が回避される。
【0020】
一実施形態によれば、リンク部分は、ブレード形状である。
【0021】
一実施形態によれば、リンク部分は、2つの端部を備え、各端部が、2つの基盤の一方に機械的に連結されるように意図される。
【0022】
一実施形態によれば、リンク部分は、はんだ付けにより基盤の少なくとも一方に機械的に連結されるように意図される。特に、リンク部分は、電子基盤の電気トラックにはんだ付けされるように、またはこのはんだ付けのために電子基盤に装着された金属部分にはんだ付けされるように意図される。特に、この金属部分は、電気的機能を有さず、基盤にリンク部分をはんだ付けする役割のみを果たす。
【0023】
一実施形態によれば、リンク部分は、基盤の開口におけるリンク部分の一方の端部の変形、特にねじれにより、基盤の少なくとも一方に機械的に連結されるように意図される。特に、この端部は、前記開口のエッジに係合することにより、開口に保持されるように意図される。より具体的には、リンク部分は、その端部がその長手方向軸を中心としてそれ自体に曲げられ得るような十分な可撓性を有する。
【0024】
一実施形態によれば、電気ピンは、基盤の一方の表面に当接するように意図された可撓性の、特にS字形のフットを備える端部を有する。この可撓性フットにより、ピンは、2つの基盤とのユニットの組み立てにおける不確実性を許容することが可能となる。
【0025】
一実施形態によれば、前記ユニットは、複数のピンを備える。これらのピンは、特に相互に平行に延在する2つの列に配置されてもよい。さらに、これらのピンは、リンク部分の各側に分配されてもよい。
【0026】
一実施形態によれば、前記リンク部分およびピンは、一方向へと長手方向に延在する。
【0027】
一実施形態によれば、前記本体は、ピンおよびリンク部分の長手方向に対して横方向に主に延在する2つの部分を備え、2つの部分は、
第1の部分が、ピンおよびリンク部分を、ピンおよびリンク部分の第1のエリアにて保持し、
第2の部分が、ピンおよびリンク部分を、ピンおよびリンク部分の第2のエリアにて保持し、
2つの部分は、長手方向に沿って相互に離れている。
【0028】
一変形例によれば、本体の2つの部分の一方は、電子基盤の一方を受けて支持するように意図された前記支持部分に対応する。
【0029】
一変形例によれば、本体は、本体の第1の部分および第2の部分を連結する少なくとも1つの長手方向部分を備える。
【0030】
また、本発明は、2つの電子基盤を電気的に相互接続するように意図された電気接続ユニットであって、
2つの基盤を電気的に相互接続するように意図された少なくとも1つの電気ピンと、
2つの基盤を機械的に相互連結するための機械リンク部分であって、電気接続ユニットが、ピンによる2つの基盤の電気接続とリンク部分による2つの基盤の機械連結とを同時に可能にするために配置される、機械リンク部分と、
前記電気ピンおよび前記機械リンク部分を同時に支持する本体であって、前記本体は、前記電子基盤の一方を受けて支持するように意図された支持部分と呼ばれる部分を備え、支持部分およびリンク部分は、電子基盤が、本体の支持部分と機械リンク部分が基盤に固定されるポイントとの間で固定されることにより、定位置に保持されるように配置される、本体と、
を備える、電気接続ユニットに関する。
【0031】
この電気接続ユニットは、前述の特徴のうちの1つまたは多数を備えてもよい。
【0032】
さらに、本発明は、
2つの電子基盤と、
2つの基盤の電気的な接続と機械的な連結とを同時に行う、本発明による電気接続ユニットと、
を備える、電子モジュールに関する。
【0033】
一実施形態によれば、リンク部分は、はんだ接合により基盤の少なくとも一方に機械的に連結される。特に、リンク部分は、電子基盤の電気トラックにはんだ付けされるように、または、このはんだ付けのために電子基盤に装着された金属部分にはんだ付けされる。特に、この金属部分は、基盤にリンク部分をはんだ付けする役割のみを果たす。あるいは、この金属部分は、電子モジュールの電気アースとのリンクとしての役割を特に果たすことにより、電気的機能を有する。
【0034】
一実施形態によれば、リンク部分は、基盤の開口におけるリンク部分の端部の一方の変形により、基盤の少なくとも一方に機械的に連結される。例えば、この端部は、基盤の開口でねじられる。特に、リンク部分の変形端部は、前記開口のエッジに係合することにより、開口に保持される。リンク部分は、この機械連結のために電子基盤に装着された部分に連結され得る。特に、この装着された部分は、リンク部分と基盤との間の機械連結を実現する役割のみを果たす。あるいは、この装着された部分は、電子モジュールの電気アースとのリンクとしての役割を特に果たすことにより、電気的機能を有する。
【0035】
このために、開口は、大径および小径を有してもよい。機械連結は、リンク部分の最大横方向寸法が穴の大径に対して平行に位置する状態で、基盤の開口にリンク部分を挿入することにより、実現され得る。次いで、リンク部分は、その最大横方向寸法が穴の小径の方向に移動するようにねじられ得る。このようにして、リンク部分は、穴のエッジに当接して、穴内に保持される。
【0036】
一実施形態によれば、第1の基盤は、支持部に載置され、リンク部分と第2の基盤との間の機械連結は、前記支持部の支持部分と呼ばれる部分に第2の基盤を支持することを含む。
【0037】
特に、支持部の支持部分およびリンク部分は、第2の電子基盤が、支持部の支持部分と機械リンク部分が基盤に固定されるポイントとの間で固定されることにより、定位置に保持されるように配置される。したがって、モジュールにおける第2の電子基盤の保持が改善される。第2の基盤の振動が軽減される。
【0038】
また、本発明は、2つの電子基盤を電気的に相互接続するための方法であって、
本発明による電気接続ユニットを位置決めするステップと、
電気ユニットに第2の基盤を取り付けるステップであって、電気ユニットのピンが、第1の基盤と第2の基盤との間に電気接続をもたらし、電気ユニットのリンク部分が、基盤間に機械連結をもたらし、前記電気接続および機械連結が、同時に実現される、ステップと、
を含む、方法に関する。
【0039】
図面を参照することにより、本発明がよりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明による電気接続ユニットの一例を示す図である。
図2図1に示す接続ユニットの別の図である。
図3図1に示す接続ユニットの縦断面図である。
図4】2つの基盤を備える本発明による電気接続ユニットの一例を組み立てるステップを示す図である。
図5】2つの基盤を備える本発明による電気接続ユニットの一例を組み立てるステップを示す図である。
図6】2つの基盤を備える本発明による電気接続ユニットの一例を組み立てるステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
2つの電子基盤を電気接続するように意図された本発明による電気接続ユニットの一例が、図1図3を参照として示される。
【0042】
電気接続ユニット1は、2つの基盤を電気的に相互接続するように意図された複数の電気ピン2を備える。各ピン2は、長手方向Δに延在する。特に、ピン2は、バー形状の部分20と可撓性フット21とを備える。考察対象のこの例では、可撓性フット21は、多少なりともS字形である。
【0043】
リンク部分4が、2つの基盤を機械的に相互連結する役割を果たす。リンク部分4は、ブレード形状であり、例えばピン2と同一の方向Δへと長手方向に延在する。ピン2およびリンク部分4は、好ましくは同一の熱膨張率を多少なりとも有する材料から作製される。例えば、ピン2およびリンク部分4は、青銅、真鍮、銅、または銅−鉄合金から作製される。
【0044】
本体6が、電気ピン2および機械リンク部分4を同時に支持する。本体6は、ピン2およびリンク部分4を共に保持する。したがって、ピン2、リンク部分4、および本体6は、全体として操作されることにより2つの基盤に対して位置決めされ得る単体要素を形成する。本体6は、プラスチックから、好ましくはリフロー炉の通過に耐え得るプラスチックから作製される。接続ユニット1は、ピン2、リンク部分4、および本体6のみを備える。
【0045】
本体6は、ピン2およびリンク部分4の長手方向Δに対して横方向に主に延在する第1の部分61および第2の部分62を備える。特に、これらの第1の部分61および第2の部分62は、多少なりとも平行六面体形状を有することが可能である。第1の部分61は、ピン2およびリンク部分4をそれらの第1のエリアにて保持し、第2の部分62は、ピン2およびリンク部分4を第2のエリアにて保持する。第1のエリアおよび第2のエリアは、長手方向Δにおいて相互に離れている。好ましくは、これらの2つのエリアは、ピン2およびリンク部分4の各端部にそれぞれ近い。したがって、本体6に使用される材料の量が限定されると共に、ピン2およびリンク部分4を相互に対して定位置に保持することが可能となる。
【0046】
特に、第2の部分62は、ピンの可撓性フット21とピン2の残りの部分との間を分離するエリアに位置する。より具体的には、バー20は、可撓性フット21よりも狭い幅を有する。ピン2が貫通する本体6の穴は、バー20の幅に適合されるため、可撓性フット21は、本体6を越えることはできない。これは、本体6にピン2を保持するのを補助する。さらに、本体6のこれらの穴の内壁の凹凸に整合するピン2の表面凹凸は、一方の他方に対する摺動を防止することにより、本体6におけるピン2の保持を向上させ得る。
【0047】
本体6に使用される材料の量をさらに抑えるために、本体6の各部分61、62は、ピン2およびリンク部分4が存在しないゾーンに中空エリア63を備えてもよい。
【0048】
さらに、本体6は、第1の部分61と第2の部分62との間に位置するリンク部分4の範囲を覆うために第1の部分61または第2の部分62から延在するシース64を備えてもよい。このシース64は、電気接続ユニット1に取り付けられた2つの基盤を備えるアセンブリの使用時にリンク部分4がさらされ得る振動を制限するようにリンク部分4の剛性を向上させる。リブが、本体6の第1の部分61または第2の部分62からシース64に沿って延在して、リンク部分4の剛性を高めてもよい。
【0049】
本体6は、長手方向部分と呼ばれる1つまたは複数の部分65を備え、これは、本体6の第1の横方向部分61および第2の横方向部分62を連結する。長手方向部分65は、ピン2およびリンク部分4の長手方向Δに主に延在する。好ましくは、長手方向部分65は、第1の部分61および第2の部分62に対してそれらの外周部エリアにて固定される。図1図3に示す例では、複数の長手方向部分65は、横方向部分61、62に対して平行六面体形状部分61、62の外周部エリアにて固定される。
【0050】
より具体的には、各長手方向部分65について、突出部65aが、第1の部分61または第2の部分62の外周部から延在する。
【0051】
長手方向部分65は、第2の横方向部分62の突出部65aから第1の横方向部分61の突出部65aに向かって延在するバーを備える。横方向部分65のバーは、第2の部分62の突出部と一体であり、第1の部分61の突出部65aを横断する穴に係合する。あるいは、バーは、2つの突出部65aと一体であるか、または各突出部65aの穴に係合し得る。横方向部分65aのバーは、他の均等な手段により突出部65aと一体になされてもよい。
【0052】
本体6は、ガイドピン66を備え、これらのガイドピン66は、電子基盤と共に電気接続ユニット1を構成するのを支援するために基盤の整合穴に挿入される。これらのガイドピン66は、突出部65aにより支持される。特に、ガイドピン66は、長手方向部分65のバーの延長部であってもよい。
【0053】
図4図6を参照して、電気接続ユニットの一例の、2つの基盤との組立を説明する。
【0054】
図4図6は、本体6が単一の横方向部分61´によりピン2およびリンク部分4を保持する、異なる一例の電気ユニット1の断面図を示す。横方向部分61´は、ピン2およびリンク部分4をそれらの中間ゾーン、すなわちそれらの端部間に位置するゾーンにて保持する。さらに、ピン2の可撓性フット21は、断面図で見た場合に単一の円弧形状を多少なりとも有する丸い形状を有する。図1から図3に示す例におけるように、本体6は、電子基盤に電気接続ユニット1を相対的に位置決めするためのピン66を備える。
【0055】
図4では、接続ユニット1が、第1の基盤210に位置決めされる。可撓性フット21が、基盤210の第1の表面に当接してそれにはんだ付けされる。このために、接続ユニット1の位置決めは、後の段階ではんだ接合部を形成するために可撓性フット21が位置決めされる位置にて基盤210に材料を付着することによって進められ得る。リンク部分4は、端部41を有し、この端部41は、第1の基盤210の開口210aに進入して、第1の表面の反対側の基盤210の第2の表面を越えて延在する。
【0056】
図5に示すように、第1の基盤210の第2の表面を越えて延在するリンク部分4の端部41は、第1の基盤210の開口210aのエッジに当接するようにねじられて、開口に保持される。したがって、第1の基盤210は、可撓性フット21と、リンク部分4と基盤210との機械的連結ポイントとの間で保持される。このようにして、電気接続ユニット1および基盤210が組み付けられる。
【0057】
過度な力が可撓性フット21に加わるのを防止するために、図1図3に示す例のピン66により示されるものと同様のリップ66aが、ピン66に設けられ得る。これらのリップ66aは、基盤210の表面に対接して支持される。したがって、第1の基盤210は、ピン66のリップ66aと、リンク部分4と基盤210との機械的連結ポイントとの間で主に保持される。
【0058】
さらに、第1の基盤210における電気接続ユニット1の安定性を向上させるために、本体6は、図1図3に示す例のレッグ67と同様のレッグを備えてもよい。レッグ67は、第1の基盤210上への接続ユニット1の保持を安定化させるように、第1の基盤210中に進入するように意図されたピン66に対して位置決めされる。特に、レッグ67は、横方向部分61´、62に対してそれらの外周部エリアにて固定される。レッグ67は、ピン66が横方向部分61´、62に固定される側部とは反対側の一側部に位置決めされる。各可撓性フット21は、基盤210の第1の表面と接触状態になる表面を有する。可撓性フット21のこれらの表面は、多少なりとも同一平面内に位置する。レッグ67は、本体6との接合ポイントから可撓性フット21の表面を多少なりとも含むこの平面に向かって延在する。したがって、レッグ67は、第1の基盤210の表面に対接して支持される。したがって、横方向部分61´、62の両側部に支持部66a、67を有することにより、ユニット1が十分に安定化されることが確実となる。レッグ67が、横方向部分61´、62の2つのピン66から等距離に位置する場合には、安定性はさらに向上する。
【0059】
次いで、可撓性フット21が、第1の電子基盤210にはんだ付けされる。このために、接続ユニット1および第1の基盤210を備えるアセンブリが、リフロー炉に通され得る。次いで、このアセンブリは、電子モジュールのハウジング150に位置決めされる。あるいは、接続ユニット1および第1の基盤210を備えるアセンブリは、ハウジング150内に位置決めされてもよく、次いでアセンブリ全体が、リフロー炉に通される。
【0060】
第1の基盤210は、ハウジング150のベース150aに載置される。ベース150aは、ねじり端部41が収容され得る穴150bを備える。また、第1の基盤210は、ベース150aの残りの部分全体に載置され得る。
【0061】
次いで、図6に示すように、第2の基盤220が、電気接続ユニット1に取り付けられ、ハウジング150のベース150aから縦立する壁部150cに対接して支持される。ピン2は、第2の基盤220の整合開口を貫通する。ピン66は、接続ユニット1および第2の基盤220の相対位置決めを支援する。第1の基盤210と同様に、リンク部分4は、第2の基盤220の整合開口220aに進入して、ピン2およびリンク部分4が第2の基盤220に挿入される第1の表面とは反対側の基盤210の第2の表面を越えて延在する。
【0062】
第1の基盤と同様に、第2の基盤220の第2の表面を越えて延在するリンク部分4の端部42は、第2の基盤220の開口220aのエッジに当接するようにねじられて、開口に保持される。したがって、第2の基盤220は、ハウジング150の壁部150aと、リンク部分4と第2の基盤220との機械的連結ポイントとの間で保持される。このようにして、電気接続ユニット1および第2の基盤220が組み付けられる。
【0063】
次いで、ピン2が、第2の電子基盤220にはんだ付けされる。このために、接続ユニット1、第1の基盤210、第2の基盤220、およびハウジング150を備えるアセンブリが、リフロー炉に通され得る。
【0064】
このようにして、例えばDC/ACまたはDC/DCの電圧コンバータ機能などの所要の機能を実現するために他の要素を追加することが可能な電子モジュール100が実現される。
【0065】
本発明は、記載の例に限定されない。特に、電気接続ユニット1は、単一の電気ピン2を備えることが可能である。対照的に、接続ユニット1は、複数のリンク部分4を備えることが可能である。ピン2は、異なる端部を有することが可能である。例えば、端部は、多少なりとも同一であることが可能である、すなわちバー20の形状の2つの可撓性フット21または2つの端部であることが可能である。リンク部分4と基盤210、220との間の機械的結合は、例えばはんだ付けなどの任意の他の均等な装着手段により実現することが可能である。
【0066】
一実施形態では、接続ユニット1の例は、横方向部分61、61´から延在し、第2の基盤220を支持し得るバルジ、特にスプールを備えることが可能である。次いで、横方向部分61、61´は、第2の基盤のための支持部分を形成する。したがって、第2の基盤220は、これらのスプールと、リンク部分4と第2の基盤220との機械的連結ポイントとの間に係合する。第2の基盤220が、支持部分61、61´の横方向と多少なりとも同等の寸法を有する場合には、第2の基盤220は、ハウジング150の壁部150bにさらに支持されることなく電気接続ユニット1により保持され得る。
【符号の説明】
【0067】
1 電気接続ユニット
2 電気ピン
4 リンク部分
6 本体
21 可撓性フット
41 端部
42 端部
61 第1の部分
61´ 横方向部分
62 第2の部分
63 中空エリア
64 シース
65 長手方向部分
65a 突出部
66 ガイドピン
66a リップ
67 レッグ
100 電子モジュール
150 ハウジング
150a ベース
150b 穴
150c 壁部
210 第1の基盤
210a 開口
220 第2の基盤
220a 開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6