【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明は、2つの電子基盤を電気的に相互接続するように意図された電気接続ユニットであって、電気接続ユニットが、
2つの基盤を電気的に相互接続するように意図された少なくとも1つの電気ピンと、
2つの基盤を機械的に相互連結するための機械リンク部分と、
を備え、電気接続ユニットが、ピンによる2つの基盤の電気接続とリンク部分による2つの基盤の機械連結とを同時に可能にするために配置される、電気接続ユニットに関する。
【0008】
本願のコンテクストにおいて、電子基盤は、電子機能、特に複雑な電子機能を実施するために電子構成要素のセットを保持し、電子的に相互接続することを可能にする、プレートなどの支持部を意味するように理解される。
【0009】
これらの2つの基盤を機械的に相互連結することにより、2つの基盤間の応力の吸収が実現される。これらの基盤間の相対移動は、制限されるか、またはさらにはかなり軽減される。電気ピンは、ピンと基盤との間の電気接続にダメージを与える可能性のある振動にさらされない。
【0010】
本発明によれば、接続ユニットは、
ピンによる2つの基盤間の電気接続と、
リンク部分による2つの基盤間の機械連結と、
を同時に確保するために配置される。
【0011】
本発明によれば、2つの基盤に対して電気接続ユニットを位置決めすることにより、2つの基盤間を電気接続する電気導体と、基盤間を機械連結するためのリンク部分とが、同時に位置決めされる。2つの基盤を共にまたは2つの基盤を含むモジュールとして組み立てることが、簡単になる。
【0012】
一実施形態によれば、このユニットは、電気ピンおよび機械リンク部分を同時に支持する本体を備える。特に、この本体は、電気ピンおよび機械リンク部分のみを支持する。
【0013】
ピンおよびリンク部分を共通の本体に配置することにより、2つの基盤間の電気接続および機械連結の作業が簡単になる。なぜなら、電気接続要素および機械連結要素が、共に容易に操作され得るからである。
【0014】
特に、ピンおよび機械リンク部分を共に保持する本体の部分、または、さらには本体全体は、単一の保持部分を備えてもよい。
【0015】
したがって、オペレータは、本体を把持することにより、1回のアクションで2つの基盤に電気ピンおよび機械リンク部分を位置決めして、基盤間の電気接続および機械連結を実現することが可能となる。
【0016】
本体は、例えば電気絶縁材料などから作製される。
【0017】
一変形例によれば、前記本体は、電子基盤の一方を受けて支持するように意図された支持部分と呼ばれる部分を備える。特に、本体の支持部分およびリンク部分は、電子基盤が、本体の支持部分と機械リンク部分が基盤に固定されるポイント(point)との間で固定されることにより、定位置に保持されるように配置される。したがって、電子基盤の保持が改善される。
【0018】
1つの特定の変形例によれば、電気ピンおよびリンク部分は、同一の長手方向に延在する。特に、本体の支持部分は、前記方向に対して横方向に延在する。
【0019】
1つの特定の変形例によれば、本体の支持部分は、基盤を受けて支持するように意図されたバルジ、特にスプールを備える。これらのバルジにより、支持部分に対面する基盤の表面と、バルジ間に位置する支持部分の表面との間に空間が残される。これは、基盤との電気接続または機械連結がはんだ付けにより実現される場合に特に有利である。基盤と本体の支持部分の残りの部分との間のバルジにより形成される空間により、基盤の各側で、はんだ付けをする際に、メニスカスが、その材料が支持部分中に広がるリスクを伴うことなく形成され得る。したがって、漏電の発生が回避される。
【0020】
一実施形態によれば、リンク部分は、ブレード形状である。
【0021】
一実施形態によれば、リンク部分は、2つの端部を備え、各端部が、2つの基盤の一方に機械的に連結されるように意図される。
【0022】
一実施形態によれば、リンク部分は、はんだ付けにより基盤の少なくとも一方に機械的に連結されるように意図される。特に、リンク部分は、電子基盤の電気トラックにはんだ付けされるように、またはこのはんだ付けのために電子基盤に装着された金属部分にはんだ付けされるように意図される。特に、この金属部分は、電気的機能を有さず、基盤にリンク部分をはんだ付けする役割のみを果たす。
【0023】
一実施形態によれば、リンク部分は、基盤の開口におけるリンク部分の一方の端部の変形、特にねじれにより、基盤の少なくとも一方に機械的に連結されるように意図される。特に、この端部は、前記開口のエッジに係合することにより、開口に保持されるように意図される。より具体的には、リンク部分は、その端部がその長手方向軸を中心としてそれ自体に曲げられ得るような十分な可撓性を有する。
【0024】
一実施形態によれば、電気ピンは、基盤の一方の表面に当接するように意図された可撓性の、特にS字形のフットを備える端部を有する。この可撓性フットにより、ピンは、2つの基盤とのユニットの組み立てにおける不確実性を許容することが可能となる。
【0025】
一実施形態によれば、前記ユニットは、複数のピンを備える。これらのピンは、特に相互に平行に延在する2つの列に配置されてもよい。さらに、これらのピンは、リンク部分の各側に分配されてもよい。
【0026】
一実施形態によれば、前記リンク部分およびピンは、一方向へと長手方向に延在する。
【0027】
一実施形態によれば、前記本体は、ピンおよびリンク部分の長手方向に対して横方向に主に延在する2つの部分を備え、2つの部分は、
第1の部分が、ピンおよびリンク部分を、ピンおよびリンク部分の第1のエリアにて保持し、
第2の部分が、ピンおよびリンク部分を、ピンおよびリンク部分の第2のエリアにて保持し、
2つの部分は、長手方向に沿って相互に離れている。
【0028】
一変形例によれば、本体の2つの部分の一方は、電子基盤の一方を受けて支持するように意図された前記支持部分に対応する。
【0029】
一変形例によれば、本体は、本体の第1の部分および第2の部分を連結する少なくとも1つの長手方向部分を備える。
【0030】
また、本発明は、2つの電子基盤を電気的に相互接続するように意図された電気接続ユニットであって、
2つの基盤を電気的に相互接続するように意図された少なくとも1つの電気ピンと、
2つの基盤を機械的に相互連結するための機械リンク部分であって、電気接続ユニットが、ピンによる2つの基盤の電気接続とリンク部分による2つの基盤の機械連結とを同時に可能にするために配置される、機械リンク部分と、
前記電気ピンおよび前記機械リンク部分を同時に支持する本体であって、前記本体は、前記電子基盤の一方を受けて支持するように意図された支持部分と呼ばれる部分を備え、支持部分およびリンク部分は、電子基盤が、本体の支持部分と機械リンク部分が基盤に固定されるポイントとの間で固定されることにより、定位置に保持されるように配置される、本体と、
を備える、電気接続ユニットに関する。
【0031】
この電気接続ユニットは、前述の特徴のうちの1つまたは多数を備えてもよい。
【0032】
さらに、本発明は、
2つの電子基盤と、
2つの基盤の電気的な接続と機械的な連結とを同時に行う、本発明による電気接続ユニットと、
を備える、電子モジュールに関する。
【0033】
一実施形態によれば、リンク部分は、はんだ接合により基盤の少なくとも一方に機械的に連結される。特に、リンク部分は、電子基盤の電気トラックにはんだ付けされるように、または、このはんだ付けのために電子基盤に装着された金属部分にはんだ付けされる。特に、この金属部分は、基盤にリンク部分をはんだ付けする役割のみを果たす。あるいは、この金属部分は、電子モジュールの電気アースとのリンクとしての役割を特に果たすことにより、電気的機能を有する。
【0034】
一実施形態によれば、リンク部分は、基盤の開口におけるリンク部分の端部の一方の変形により、基盤の少なくとも一方に機械的に連結される。例えば、この端部は、基盤の開口でねじられる。特に、リンク部分の変形端部は、前記開口のエッジに係合することにより、開口に保持される。リンク部分は、この機械連結のために電子基盤に装着された部分に連結され得る。特に、この装着された部分は、リンク部分と基盤との間の機械連結を実現する役割のみを果たす。あるいは、この装着された部分は、電子モジュールの電気アースとのリンクとしての役割を特に果たすことにより、電気的機能を有する。
【0035】
このために、開口は、大径および小径を有してもよい。機械連結は、リンク部分の最大横方向寸法が穴の大径に対して平行に位置する状態で、基盤の開口にリンク部分を挿入することにより、実現され得る。次いで、リンク部分は、その最大横方向寸法が穴の小径の方向に移動するようにねじられ得る。このようにして、リンク部分は、穴のエッジに当接して、穴内に保持される。
【0036】
一実施形態によれば、第1の基盤は、支持部に載置され、リンク部分と第2の基盤との間の機械連結は、前記支持部の支持部分と呼ばれる部分に第2の基盤を支持することを含む。
【0037】
特に、支持部の支持部分およびリンク部分は、第2の電子基盤が、支持部の支持部分と機械リンク部分が基盤に固定されるポイントとの間で固定されることにより、定位置に保持されるように配置される。したがって、モジュールにおける第2の電子基盤の保持が改善される。第2の基盤の振動が軽減される。
【0038】
また、本発明は、2つの電子基盤を電気的に相互接続するための方法であって、
本発明による電気接続ユニットを位置決めするステップと、
電気ユニットに第2の基盤を取り付けるステップであって、電気ユニットのピンが、第1の基盤と第2の基盤との間に電気接続をもたらし、電気ユニットのリンク部分が、基盤間に機械連結をもたらし、前記電気接続および機械連結が、同時に実現される、ステップと、
を含む、方法に関する。
【0039】
図面を参照することにより、本発明がよりよく理解されよう。