(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1においては、独居者(ユーザ)が家電機器を使用することが前提となっている。しかしながら、独居者の中には家電機器をほとんど使用しない者もいる。独居者が家電機器をほとんど使用しない場合には、家電機器の無操作状態の継続時間に基づいて独居者の異変を高精度に検知することは困難である。また、上記特許文献1においては、家電機器に特殊なセンサが取り付けられている。この特殊なセンサは、コンセント等の外部電源から電力の供給を受けて作動する可能性が高い。すなわち、外部電源を用意する必要がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ユーザの異変を高精度に検知可能であり、かつ、外部電源(電池等を含む)が不要な通信装置及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある局面に従う通信装置は、トイレに設けられた手洗カランの先端部に取り付けられる。通信装置は、発電ユニットと、通信ユニットとを備える。発電ユニットは、手洗カランが吐出する水を利用することによって発電するように構成されている。通信ユニットは、発電ユニットから電力が供給された場合に、直接的又は間接的にサーバにデータを送信するように構成されている。
【0007】
通信装置のユーザが在宅している場合には、ユーザが自宅内のトイレを使用する可能性が高い。たとえば、所定期間を越えて自宅内のトイレが使用されていない場合には、ユーザに異変が生じている可能性がある。すなわち、トイレの使用状況を検知することによって、ユーザの異変を高精度に検知することができる。この通信装置においては、ユーザによってトイレの水が流されると、サーバにデータが送信される。したがって、この通信装置によれば、トイレの使用状況をサーバに伝えることにより、間接的にユーザの異変をサーバに伝えることができる。また、この通信装置においては、データ送信に必要な電力がトイレの水によって発電される。したがって、この通信装置によれば、外部電源を用意する必要がない。
【0008】
好ましくは、サーバには、通信装置のユーザとID(identification)とを対応付けた管理情報が記憶されている。管理情報へのアクセスを許可されていない第三者が、IDのみから通信装置のユーザを特定することはできない。通信ユニットは、発電ユニットから電力が供給された場合に、サーバにIDを送信するように構成されている。
【0009】
この通信装置においては、IDのみがサーバに送信される。したがって、この通信装置によれば、データ送信の過程で仮に第三者にデータ(ID)が漏れたとしても、第三者によって通信装置のユーザを特定できないようにすることができる。
【0010】
好ましくは、上記通信装置において、通信ユニットとサーバとの間の通信は、IEEE802.11規格(WiFi規格)に準拠して行なわれる。
【0011】
WiFi規格は、広く一般に普及している。したがって、この通信装置によれば、設置可能範囲を広く確保することができる。
【0012】
好ましくは、上記通信装置において、通信ユニットは、通信装置のユーザと同一のユーザが保持する第1の通信端末を介してサーバにデータを送信するように構成されている。サーバには、通信装置のユーザとID(identification)とを対応付けた管理情報が記憶されている。管理情報へのアクセスを許可されていない第三者が、IDのみから通信装置のユーザを特定することはできない。通信ユニットは、発電ユニットから電力が供給された場合に、第1の通信端末を介してサーバにIDを送信するように構成されている。
【0013】
この通信装置においては、通信端末を介してサーバにデータが送信される。したがって、この通信装置によれば、仮に通信装置がサーバと直接的に通信することができなかったとしても、間接的にサーバにデータを送信することができる。
【0014】
好ましくは、第1の通信端末は、スマートフォンである。
【0015】
好ましくは、上記通信装置において、通信ユニットと第1の通信端末との間の通信は、IEEE802.15.1規格(Bluetooth(登録商標)規格)に準拠して行なわれる。
【0016】
Bluetooth(登録商標)規格は、広く一般に普及している。したがって、この通信装置によれば、設置可能範囲を広く確保することができる。
【0017】
本発明の別の局面に従うシステムは、上記通信装置と、第2の通信端末と、サーバとを備える。第2の通信端末は、上記通信装置のユーザとは異なるユーザが保持する。サーバは、通信装置及び第2の通信端末と直接的又は間接的に通信するように構成されている。サーバは、通信装置からのデータの受信状況に関する情報を第2の通信端末に送信するように構成されている。
【0018】
このシステムにおいては、通信装置からのデータの受信状況に関する情報が第2の通信端末に送信される。したがって、このシステムによれば、通信装置のユーザの異変を第2の通信端末のユーザに伝えることができる。
【0019】
好ましくは、上記システムにおいて、サーバは、通信装置からのデータの受信が所定期間行なわれていない場合に、上記情報(通信装置からのデータの受信状況に関する情報)を第2の通信端末に送信するように構成されている。
【0020】
このシステムにおいては、通信装置からサーバへのデータ送信が所定期間行なわれていない場合に、サーバから第2の通信端末に情報が送信される。したがって、このシステムによれば、通信装置のユーザに異変が生じている可能性が高い場合にのみ、第2の通信端末のユーザに注意喚起をすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザの異変を高精度に検知可能であり、かつ、外部電源が不要な通信装置及びシステムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0024】
[1.構成]
(1−1.見守りシステムの構成)
図1は、本実施の形態に従う見守りシステム10の概略構成を示す図である。見守りシステム10は、独居者(たとえば、一人暮らしのご老人)の安否を遠隔において監視するシステムである。
【0025】
図1に示されるように、見守りシステム10は、通信装置100と、サーバ200と、スマートフォン300とを含んでいる。通信装置100は、独居者の自宅のトイレ15に設置される。具体的には、通信装置100は、トイレ15の手洗カラン20の先端部に取り付けられる。スマートフォン300は、独居者の保護者が保持している。保護者は、たとえば、独居者の自宅とは離れた場所で生活している。通信装置100はサーバ200と通信可能であり、サーバ200はスマートフォン300と通信可能である。
【0026】
独居者が在宅している場合には、独居者は、自宅のトイレ15を使用する可能性が高い。たとえば、所定時間を越えてトイレ15が使用されていない場合には、独居者に異変が生じている可能性がある。見守りシステム10においては、トイレ15の使用状況がサーバ200に通知される。そして、トイレ15の使用状況に異変がある場合に、サーバ200がスマートフォン300に警告を通知する。これにより、保護者(スマートフォン300の保持者)は、遠隔において、独居者に異変が生じている旨を認識することができる。
【0027】
以下、通信装置100、サーバ200及びスマートフォン300の構成について説明し、その後、通信装置100及びサーバ200の動作について説明する。なお、見守りシステム10は、本発明の「システム」の一例であり、スマートフォン300は、本発明の「第2の通信端末」の一例である。
【0028】
(1−2.通信装置の電気的構成)
図2は、通信装置100の電気的構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、通信装置100は、発電機110と、整流器120と、通信モジュール130とを含んでいる。
【0029】
発電機110は、トイレ15の手洗カラン20(
図1)が吐出する水を利用することによって発電するように構成されている。詳細については後述するが、発電機110は、水によって回転する小型水車と、小型水車の回転によって発電するモータとを含んでいる。発電機110によって発電された交流電力は、整流器120に供給される。なお、発電機110は、本発明の「発電ユニット」の一例である。
【0030】
整流器120は、発電機110から供給される交流電力を直流電力に変換するように構成されている。整流器120によって生成された直流電力は、通信モジュール130に供給される。
【0031】
通信モジュール130は、たとえば、IEEE802.11規格(WiFi規格)及びIEEE802.15.1規格(Bluetooth(登録商標)規格)に準拠した通信が可能に構成されている。通信モジュール130は、不図示のプロセッサ及びメモリ135を含む。メモリ135は、通信モジュール130の制御プログラム、及び、独居者(ユーザ)に対応付けられたID(identification)を記憶している。IDについては、後程詳しく説明する。通信モジュール130は、整流器120から供給される電力を利用することによって作動する。なお、通信モジュール130は、本発明の「通信ユニット」の一例である。
【0032】
このように、通信装置100においては、発電が行なわれるため、バッテリ等が不要である。すなわち、通信装置100を使用するために外部電源を用意する必要がない。
【0033】
(1−3.通信装置の機械的構成)
図3は、通信装置100の斜視図である。
図3に示されるように、通信装置100は、略卵型の形状を有し、手洗カラン20の先端部に取り付けられる。通信装置100は、通信装置本体101と、キャップ102,103とを含んでいる。通信装置本体101の外装、及び、キャップ102,103の各々は、たとえば、樹脂によって構成されている。キャップ102は、通信装置本体101の上面に取り付けられており、キャップ103は通信装置本体101の下面に取り付けられている。キャップ103には、上下方向に貫通する貫通孔が形成されている。また、キャップ102には上下方向に貫通する貫通孔が形成されており、該貫通孔にはOリングが配置されている。通信装置100は、キャップ102内のOリングを介して手洗カラン20に取り付けられている。
【0034】
図4は、通信装置本体101の平面図である。
図4に示されるように、通信装置本体101は、平面視において正円形状を有している。通信装置本体101の内部には、孔105が形成されている。また、通信装置本体101の内部には、平坦部104及び傾斜部106が設けられている。傾斜部106は、斜め下方に傾斜している。上方から流入した水は、平坦部104及び傾斜部106を経由して、孔105に導かれる。
【0035】
図5は、
図4のV−V断面図である。
図5に示されるように、通信装置本体101は、メイン筐体111と、カバー112,113とを含んでいる。メイン筐体111及びカバー112,113の各々は、たとえば、樹脂によって構成されている。カバー112,113の各々は、メイン筐体111を側方から覆う。
【0036】
通信装置本体101においては、メイン筐体111内部の第1空間、メイン筐体111とカバー112との間の第2空間、及び、メイン筐体111とカバー113との間の第3空間が形成されている。第2空間には整流器120が配置されており、第3空間には通信モジュール130が配置されている。第1空間には、上方から水が流入する。
【0037】
各空間は独立しているため、第1空間に流入した水が、他の空間に流れ込むことはない。通信装置100においては、電子部品の配置場所と水の流路とを隔離することによって、電子部品(整流器120及び通信モジュール130)の防水を実現している。なお、整流器120と通信モジュール130とは、不図示の配線によって接続されている。配線の場所については後程説明する。
【0038】
メイン筐体111の内側には、中空の円柱形状を有する支持部114が形成されている。支持部114の先端部には、孔が形成されている。メイン筐体111の内部においては、支持部114によって、コイル118、軸受け117、及び、小型水車115の軸部116が支持されている。
【0039】
発電機110は、小型水車115と、モータ119とを含んでいる。小型水車115の円周方向には、複数の羽(不図示)が設けられている。小型水車115の軸部116が支持部114の孔に貫通することによって、小型水車115は、支持部114に支持されている。軸部116の周囲には、軸受け117が取り付けられている。軸受け117は、たとえば、真鍮で構成されている。コイル118は、軸受け117を取り囲むように配置されている。また、小型水車115には、コイル118を取り囲むように、たとえば、粉磁石122を含む2つのブロックが設けられている。粉磁石122とコイル118とが、モータ119として機能する。小型水車115の回転に従って各ブロックがコイル118の周囲を回転すると、発電が生じる。コイル118と整流器120とは不図示の配線によって接続されており、発電された電力は整流器120に供給される。
【0040】
図6は、
図4のVI−VI断面図である。
図6に示されるように、メイン筐体111の上方には、孔105が形成されている。上方から流入した水の流路は、傾斜部106から孔105に向けて徐々に狭くなっている。通信装置100においては、水の流路を狭めることによって、小型水車115に流れ込む水の勢いを高めている(ベンチュリ効果)。水の勢いを高めることによって、小型水車115が十分に回転し、通信モジュール130(
図2)の作動に必要な電力が十分に確保される。
【0041】
また、メイン筐体111には、孔121が形成されている。孔121には、整流器120と通信モジュール130とを接続する配線が通る。孔121内には水が通らないため、配線が濡れることはない。
【0042】
(1−4.サーバの電気的構成)
図7は、サーバ200の電気的構成を示すブロック図である。
図7に示されるように、サーバ200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを含んでいる。
【0043】
通信部210は、通信装置100及びスマートフォン300(
図1)と通信するように構成されている。通信部210は、たとえば、有線LAN(Local Area Network)モジュールや無線LANモジュールで構成される。
【0044】
記憶部220は、たとえば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部220は、たとえば、管理情報222を記憶するように構成されている。管理情報222は、独居者(通信装置100のユーザ)とID(identification)とを対応付けた情報である。管理情報222は、通信装置100を自宅に設置する独居者が増える度に更新される。
【0045】
図8は、管理情報222の一例を示す図である。
図8に示されるように、管理情報222は、「ID」と、「本人(独居者)氏名」と、「保護者氏名」と、「保護者TEL(電話番号)」と、「保護者Mail(メールアドレス)」と、「最終受信日時」とを対応付けている。詳細については後述するが、「最終受信日時」とは、独居者によるトイレの使用状況を示す情報を最後に受信した日時のことである。
【0046】
制御部230は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、制御プログラムに従って各構成要素の制御を行なうように構成されている。また、制御部230は、タイマ232を含み、現在時刻を認識することができる。制御部230の処理内容については後程詳しく説明する。
【0047】
(1−5.スマートフォンの電気的構成)
図9は、スマートフォン300の電気的構成を示すブロック図である。上述のように、スマートフォン300は、独居者の保護者(独居者とは異なるユーザ)が保持している。
【0048】
図9に示されるように、スマートフォン300は、通信部310と、記憶部320と、表示部330と、制御部340とを含んでいる。
【0049】
通信部310は、サーバ200(
図1)と通信するように構成されている。通信部310は、たとえば、有線LANモジュールや無線LANモジュールで構成される。記憶部320は、たとえば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。表示部330は、たとえば、液晶モニタ、有機EL(Electro Luminescence)モニタ等のモニタである。制御部340は、CPU、RAM、ROM等を含み、制御プログラムに従って各構成要素の制御を行なうように構成されている。
【0050】
[2.動作]
(2−1.通信装置の動作)
図10は、通信装置100の動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、トイレ15(
図1)の水が流されると通信モジュール130によって実行される。
【0051】
図10を参照して、トイレ15の水が流され、十分な電力が発電されると、通信モジュール130は起動する(ステップS100)。起動後、通信モジュール130は、フリーWiFiの探索を開始する(ステップS110)。なお、フリーWiFiとは、ネットワーク接続のためにパスワードが不要なWiFiのことである。
【0052】
そして、通信モジュール130は、フリーWiFiを発見したか否かを判定する(ステップS120)。フリーWiFiを発見していないと判定されると(ステップS120においてNO)、通信モジュール130は、供給電力が尽きるまで、フリーWiFiの探索を継続する。
【0053】
一方、フリーWiFiを発見したと判定されると(ステップS120においてYES)、通信モジュール130は、発見したフリーWiFiへの接続を実行する(ステップS130)。その後、通信モジュール130は、メモリ135に記憶されているID(独居者に対応付けられているID)をサーバ200に送信する(ステップS140)。
【0054】
このように、通信装置100においては、トイレ15の水が流される度に、独居者のIDがサーバ200に送信される。すなわち、通信装置100によれば、独居者によるトイレ15の使用状況をサーバ200に伝えることができる。
【0055】
なお、独居者のIDは、たとえば、単なる番号である。すなわち、管理情報222(
図8)へのアクセスが許可されていない第三者が、IDのみから独居者を特定することはできない。したがって、仮にデータ送信の過程で第三者にデータ(ID)が漏れたとしても、第三者によって独居者が特定されることはない。通信装置100における、IDのみを送信するという仕様は、いわゆる「最小権限の原則」に基づいている。
【0056】
(2−2.サーバの動作)
図11は、サーバ200におけるID受信動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、制御部230(
図7)によって繰り返し実行される。
【0057】
図11を参照して、制御部230は、通信装置100からIDを受信したか否かを判定する(ステップS200)。IDを受信していないと判定されると(ステップS200においてNO)、処理はリターンに移行する。
【0058】
一方、IDを受信したと判定されると(ステップS200においてYES)、制御部230は、記憶部220に記憶されている管理情報222の「最終受信日時」を更新する(ステップS210)。すなわち、制御部230は、受信したIDに対応付けられている「最終受信日時」を現在の日時に更新する。
【0059】
このように、サーバ200は、管理情報222を更新することによって、各独居者が最後にトイレを使用した日時を管理する。
【0060】
図12は、サーバ200における保護者への連絡動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、所定時刻(たとえば、8:00及び20:00)が到来した場合に、制御部230によって実行される。
【0061】
図12を参照して、制御部230は、所定時間帯にIDが受信されているか否かを判定する(ステップS300)。たとえば、制御部230は、現在時刻から遡って12時間以内にIDが受信されているか否かを判定する。具体的には、制御部230は、記憶部220に記憶されている管理情報222の「最終受信日時」を参照することによって、所定時間帯にIDが受信されているか否かを判定する。
【0062】
所定時間帯にIDが受信されていると判定されると(ステップS300においてYES)、処理はエンドに移行する。すなわち、保護者への連絡は行なわれない。たとえば、現在時刻から遡って12時間以内にトイレ15が使用されている場合には、独居者に異変が生じていない可能性が高いからである。
【0063】
一方、所定時間帯にIDが受信されていないと判定されると(ステップS300においてNO)、制御部230は、独居者の保護者に連絡するための処理を実行する(ステップS310)。たとえば、制御部230は、スマートフォン300に電話を掛けるための処理を実行する。また、たとえば、制御部230は、スマートフォン300に警告メールを送信するように通信部210を制御する。
【0064】
図13は、警告メールの一例を示す図である。
図13に示されるように、たとえば、警告メールは、スマートフォン300の表示部330に表示される。たとえば、警告メールには、独居者に異変が生じている可能性がある旨が記載される。
【0065】
このように、本実施の形態においては、独居者がトイレ15を所定期間使用していない場合に、サーバ200からスマートフォン300に連絡が来る。したがって、保護者(スマートフォン300の保持者)は、遠隔において、独居者に異変が生じているか否かを知ることができる。
【0066】
また、本実施の形態においては、独居者に異変が生じている可能性が高い場合にのみ、サーバ200からスマートフォン300に連絡が来る。したがって、本実施の形態によれば、スマートフォン300が必要以上に頻繁にサーバ200から連絡を受信することがない。
【0067】
[3.特徴]
以上のように、本実施の形態に従う通信装置100は、トイレ15に設けられた手洗カラン20の先端部に取り付けられる。通信装置100は、発電機110と、通信モジュール130とを含む。発電機110は、手洗カラン20が吐出する水を利用することによって発電する。通信モジュール130は、発電機110から電力が供給された場合に、サーバ200にデータ(ID)を送信する。
【0068】
通信装置100によれば、トイレ15の使用状況をサーバ200に伝えることにより、間接的に独居者(ユーザ)の異変をサーバ200に伝えることができる。また、通信装置100においては、データ送信に必要な電力がトイレ15の水によって発電される。したがって、通信装置100によれば、外部電源を用意する必要がない。
【0069】
また、本実施の形態に従う見守りシステム10は、通信装置100と、スマートフォン300と、サーバ200とを含む。スマートフォン300は、通信装置100のユーザ(独居者)とは異なるユーザ(保護者)が保持する。サーバ200は、通信装置100及びスマートフォン300と通信する。サーバ200は、通信装置100からのデータの受信状況に関する情報をスマートフォン300に送信するように構成されている。
【0070】
見守りシステム10においては、通信装置100からのデータの受信状況に関する情報(所定時間帯にIDを受信していない旨を示す情報)がスマートフォン300に送信される。したがって、見守りシステム10によれば、通信装置100のユーザ(独居者)の異変をスマートフォン300のユーザ(保護者)に伝えることができる。
【0071】
[4.変形例]
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。但し、以下の変形例は適宜組合せ可能である。
【0072】
(4−1)
上記実施の形態において、通信モジュール130は、IEEE802.11及びIEEE802.15.1の両方に対応可能であるとした。しかしながら、通信モジュール130は、必ずしも両方に対応している必要はない。通信モジュール130は、たとえば、IEEE802.11にのみ対応していてもよい。また、通信モジュール130が通信に用いる規格は、必ずしもIEEE802.11規格でなくてもよい。要するに、通信モジュール130と通信装置100との間で通信が確立されれば、どのような通信規格が用いられてもよい。
【0073】
(4−2)
また、上記実施の形態においては、通信装置100とサーバ200とが直接通信することとした。しかしながら、通信装置100とサーバ200とは、必ずしも直接通信しなくてもよい。たとえば、通信装置100とサーバ200とは、独居者が保持するスマートフォン等の通信端末を介して通信してもよい。
【0074】
たとえば、通信装置100と独居者のスマートフォンとがBluetooth(登録商標)で接続され、独居者のスマートフォンとサーバ200とがWiFiで接続されてもよい。この場合には、トイレ15が使用された場合に、通信装置100から独居者のスマートフォンに独居者のIDが送信され、独居者のスマートフォンからサーバ200に独居者のIDが送信されることとなる。
【0075】
(4−3)
また、上記実施の形態においては、通信モジュール130が起動した場合に、フリーWiFiの探索が行なわれた。しかしながら、通信モジュール130が探索するネットワークは、必ずしもフリーWiFiである必要はない。たとえば、独居者が契約しているWiFiのパスワード等を予め通信装置100に登録しておき、通信モジュール130が、起動時に、登録されているWiFiを探索するような仕様であってもよい。
【0076】
(4−4)
また、上記実施の形態において、サーバ200は、所定時刻が到来した場合に、所定時間帯にIDが受信されたか否かを判定した。しかしながら、サーバ200による判定タイミングはこれに限定されない。たとえば、サーバ200は、各通信装置100から最後にIDを受信してから所定時間が経過したか否かを常時判定してもよい。この場合には、サーバ200は、所定時間が経過したときに、保護者へ連絡するための処理を実行するようにしてもよい。
【0077】
(4−5)
また、上記実施の形態において、サーバ200は、所定時間帯にIDが受信されなかった場合にのみ、保護者への連絡のための処理を実行することとした。しかしながら、たとえば、サーバ200は、所定時間帯にIDが受信されている場合に、独居者に異変が生じていない旨を保護者に連絡するようにしてもよい。