(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1つ以上の画像が、少なくとも2つの生体識別子を含み、各生体識別子が、刺された指の指紋、刺されていない指の指紋、手の掌紋、手の掌形、手の静脈パターン、手の汗孔、および手の指爪床からなる群から選択され、少なくとも2つの生体識別子を使用して、試験されている対象が意図された対象であることを判定する、請求項2に記載のデバイス。
1つ以上の画像が、少なくとも3つの生体識別子を含み、各生体識別子が、刺された指の指紋、刺されていない指の指紋、手の掌紋、手の掌形、手の静脈パターン、手の汗孔、および手の指爪床からなる群から選択され、少なくとも3つの生体識別子を使用して、試験されている対象が意図された対象であることを判定する、請求項2に記載のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0007】
例示的態様の詳細な説明
以下の詳細な説明は、限定としてではなく例として本発明のいくつかの実施形態を示す。本明細書で使用する項の表題および任意の副題は、編成目的のみのものであり、いかなる点においても記載の主題を限定するものとして解釈されるべきではない。項の表題および副題の内容は、項の表題および/副題に限定されず、本発明の全体の説明に適用する。
【0008】
任意の出版物の引用は、出願日前のその開示のためのものであり、本主張が先行発明によりその出版物に先行する権利がないという承認として解釈されるべきではない。さらに、提供される出版物の日付は、独自に確認する必要があり得る実際の出版物の日付と異なる可能性がある。
【0009】
いくつかの血液試験では、試験されている対象は、刺された身体部分、例えば、指、腕、または耳から血液滴を提供する。直接的または間接的に、血液滴は、試験され得る血液試料として板に適用される。本発明は、血液試料または呼気試料を認証するデバイスおよび方法に関し、本発明は、他の試料の認証にまで拡大され得る。具体的には、本発明のデバイスおよび方法により、以下が判定され得る。(1)試験されている対象が意図された対象であるか否か、および(2)試験板上に付着している血液試料が、他の誰かからではなく、試験されている対象からのものであるか否か。
【0010】
試料認証、例えば、血液試料認証もしくは呼気試料認証のための本発明の一態様、または
血液試料認証のための本発明の一態様は、刺された指からの血液試料を使用し、刺された指から直接試験板上に血液試料を付着させ、カメラを使用して付着を記録することであり、記録された画像は、(i)刺された指が属する手に関連付けられた少なくとも1つの生体識別子を伴う、刺された指上の血液試料と、(ii)血液試料付着過程の一部分または全体の動画とを含む。例えば、生体識別子は、刺された指の指紋、刺されていない指の指紋、手の掌紋、手の掌形、手の静脈パターン、手の汗孔、または手の指爪床であり得る。
【0011】
本発明のデバイスおよび方法は、健康モニタリング、モバイルモニタリング、および犯罪モニタリングに使用される。加えて、本発明のデバイスおよび方法は、保険、健康改善、医療目的のために使用され得る。
【0012】
定義
用語「刺された指」は、対象の手の部分を指し、その部分は、対象から、手の部分の表面に血液が流出するように器具によって刺されている。手の部分は、指および掌を含むがそれらに限定されない手の任意の部分であり得る。
【0013】
用語「透明板」は、板の一方の面上にあるカメラまたは撮像装置が板の他方の面上にある物体を撮像する、板を指す。
【0014】
用語「EBC」は、呼気凝縮液を指す。
【0015】
用語「身体部分」は、器具により刺されたときに血液を供給し得る、対象の身体の部分を指す。身体部分の例として、指、耳、および腕がある。
【0016】
用語「試料接触領域」および「試料受容領域」は、交換可能である。
【0017】
用語「意図された対象」は、試験の専門家、機関、または組織による特定の血液試験セッションでの試験を予定されている/必要としている人を指す。
【0018】
用語「試験されている対象」(または単に「対象」)は、血液試験セッションに参加している人を指すが、試験されている対象が意図された対象ではないこと、および/または試験されている対象が自分自身の刺された指から血液試料を提供していないという可能性がある。
【0019】
血液試料
説明中、用語「刺された手の指」が頻繁に使用されるが、本発明は、刺された指に限定されず、器具により刺された後に身体の外部に血液を供給することができる限り、対象の他の身体部分に適用される。
【0020】
対象の身体部分を刺すことによる血液試験では、試験板が、血液試験のために対象に提供され、対象は、試験のための血液滴を提供する、「血液試料付着工程」とも呼ばれる工程を経る。いくつかの実施形態では、その工程は、以下を含む。
i.対象の指または耳たぶ等の身体部分を刺すことであり、このような刺すことは、対象自身によって、または医療専門家等の他の誰かによって実行される。
ii.圧搾することによって、刺された身体部分から血液滴をもたらすことであり、このような圧搾することは、対象自身または医療専門家等の他の誰かによって実行され、いくつかの実施形態では、このステップは、血液滴が圧搾せずにもたらされ得る場合には省略される。
iii.刺された身体部分からの血液滴の全部または部分を試料受容面に付着させることであり、いくつかの実施形態では、付着させることは、試験板の試料受容面を、刺された身体部分、例えば、刺された指と直接触れさせることによって実行され、いくつかの実施形態では、血液滴は、試料受容領域に付着される。
【0021】
血液試験を認証するために、試験されている対象の身元は、意図された対象の身元として確認される必要がある。いくつかの実施形態では、本発明のデバイスおよび方法は、少なくとも1つの生体識別子を試験されている対象から採取することを伴う。本明細書において、用語「生体識別子」は、人間の特徴に関連する生物学的特色を指し、このような生物学的特色は、人間を一意的に識別するために使用され得る。本発明における生体識別子は、指紋、掌紋、掌形、静脈パターン、汗孔、指爪床、顔、虹彩、網膜、DNN、サーモグラム、歩行、耳、肌の色、唇の動き、体臭、および足跡を含むがこれらに限定されない。
【0022】
本発明の例として、刺された指による血液試験では、「生体識別子」は、刺される指から出ている血液滴を囲んでいる指紋である。本発明のデバイスおよび方法により、指紋を伴って、指から出ている血液を捕捉/記録することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、本発明のデバイスおよび方法は、刺された指が属する手に関連する少なくとも1つの生体識別子を使用して、試験されている対象が意図された対象であることを検証し、手に関連する生体識別子は、刺された指の指紋、刺されていない指の指紋、手の掌紋、手の掌形、手の静脈パターン、手の汗孔、および手の指爪床を含むがこれらに限定されない。
【0024】
図1は、本発明の2つの例示的実施形態の斜視図を示す。
図1のパネル(A)および(B)に示すように、本発明のデバイスは、試験板10およびカメラ500を備える。試験板10は、試料受容領域110を有する試料受容面11を備え、カメラ500は、レンズ510を備える。また、
図1のパネル(A)および(B)に示すように、試験板10は、血液滴90を試験試料として、試験されている対象の刺された指900から受容するように構成され、血液滴90は、対象によって試料受容面11上に付着される。本明細書において、用語「対象」は、血液試験のために試験板10を使用している個人を指し、用語「試験されている対象」を使用することもある。
【0025】
図2は、本発明の2つの例示的実施形態の斜視図を示す。
図2のパネル(A)に示すように、また、
図1のパネル(B)も参照すると、本発明のデバイスは、試験板10およびカメラ500を備える。試験板10は、試料受容領域110を有する試料受容面11を備え、カメラ500は、レンズ510を備える。
図4のパネル(B)は、カメラ500、試験板10、およびカバー板20を備えるデバイスのある実施形態を示す。
【0026】
図3および4に示すように、いくつかの実施形態では、試料受容面11は、試料受容領域110を備える。いくつかの実施形態では、試料受容領域110は、試料受容面11の一部分または全体を占める。いくつかの実施形態では、試料受容領域110は、対象が血液滴90を試料受容領域110内に容易に付着させるように、明確に表示されるある特定の実施形態では、試験板10は、試料受容領域110に位置する追加の構造を備え、このような追加の構造によって、血液試験が改善され、および/または容易になる。例えば、追加の構造は、スペーサまたはグリッドである。
【0027】
血液試験を認証するために、カメラ500は、対象、手、指900、血液滴90、および/または試験板10、ならびに、手に関連付けられた生体識別子(例えば、指900の指紋)ならびに血液滴90のある特定の特徴(例えば、幾何学的形状、形状、サイズ、位置、色、光強度、および/または光散乱)等であるがこれらに限定されないこれらの構造に関連付けられた任意の特長の動画および/または画像を捕捉するように構成されている。ある特定の実施形態では、動画および/または画像を使用して、(a)刺された指900からの血液試料90が試験板上に実際に付着していることを判定し、(b)試験されている対象が意図された対象であることを判定する。
【0028】
いくつかの実施形態では、カメラ500は、試験板10上に付着する前および/または後に、血液試料90の1つ以上の画像および/または1つ以上の動画を捕捉するように構成されている。このような画像および動画は、試験されている対象の少なくとも1つの生体識別子を含み、生体識別子は、刺された指が属する手に関連付けられる。以下の説明は、指紋を例として使用するが、本発明のいくつかの実施形態では、他の生体識別子が認証目的のために捕捉、抽出、および使用される。指紋に関連する説明は、他の生体識別子にも適用する。
【0029】
いくつかの実施形態では、カメラ500は、試験のための血液滴90を提供する工程中に、刺された指900の指紋の画像を捕捉するように構成されている。ある特定の実施形態では、カメラ500は、試験のための血液滴90を提供する工程中に、刺された指900および/または少なくとも1つの刺されていない指を含む対象の指の指紋の1つ以上の画像を捕捉するように構成されている。指紋の画像を使用して、例えば、指紋を、意図された対象の格納された指紋情報と比較することによって血液試験を認証する。このように、試験板10を使用する対象が実際に意図された対象であるか否かが判定され得る。いくつかの実施形態では、血液滴90の存在によって、刺された指900の指紋全体の画像をカメラ500が捕捉することがより難しくなる。それにも関わらず、部分指紋認識の既知の技術(例えば、参照により組み込まれる米国特許第8,411,913号および第6,097,035号に開示されたデバイス、方法、および技術)により、捕捉された画像が、識別のための情報をもたらすように処理され得る指紋の部分(例えば、刺された指の血液滴を囲む指紋)を含む限り、画像は許容可能であり得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、カメラ500は、刺された指900の1つの画像を捕捉し、少なくとも2つの種類の情報が、画像から抽出される。その情報は以下を含む。(1)試験対象の身元を検証するために使用される指紋情報、および(2)血液滴90に関連する特徴。いくつかの実施形態では、このような特徴は、サイズ、幾何学的形状、形状、位置、色、光強度、光散乱、または刺された指900の血液試料の他の視覚的標示を含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、試料の特徴を使用して、血液試料が刺された指900からのものであるか否かを判定し、加えて、ある特定の実施形態では、このような特徴を使用して、試料の概算体積および正確な種類の試料(例えば、血液と唾液)が採取されているか否かも判定する。
【0031】
いくつかの実施形態では、カメラ500は、試験のための血液滴を提供する工程の一部分または全体の動画を記録するようにも構成されている。いくつかの実施形態では、このような記録することによって、対象によって事前に用意された血液等であるがこれらに限定されない他の源からではなく、指を刺し、指を圧搾し、試験板10に触れさせることにより血液を付着させるステップを通して、血液滴90が試験板10の対象によって実際にもたらされることが確実になる。いくつかの実施形態では、カメラ500は、刺された指900の指紋の画像を捕捉する一方で、試験のための血液滴を提供する工程の動画を記録する。ある特定の実施形態では、試験のための血液滴を提供する工程の動画を記録することによって、試料採取工程の包括的かつ連続的な記録が生成され、試験を管理/監督している機関/組織/専門家が、血液試験を完全に監視、制御、および認証することが可能になる。動画から、対象が試験のための血液滴をもたらす全工程を実行および完了したか否かが明らかになり得る。いくつかの実施形態では、試験のための血液滴をもたらす工程の部分のみを記録することが十分および/または必要であり得る。例えば、ある特定の実施形態では、血液滴90を試験板10上に付着させる工程のみが記録される。このような手法によって、記録データのファイルサイズが縮小され、以下を判定するのに依然として十分である。(1)血液滴90が刺された指900から実際にもたらされているか否か、および(2)血液滴90が試験板10の試料受容面11上に付着しているか否か。
【0032】
いくつかの実施形態では、カメラ500を使用して試験のための血液滴を提供する工程の動画を記録することは非現実的であり、難しく、または不必要である。ゆえに、ある特定の実施形態では、カメラ500は、試験のための血液滴を提供する工程中に血液滴90の1つ以上の画像を捕捉するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、カメラ500は、血液が付着する前に、血液滴90および刺された指900の画像を捕捉するように構成されている。このような画像を使用して、血液滴90が着いている指が実際に刺されていることを検証する。加えて、画像を分析して、血液滴90のある特定の特徴(例えば、幾何学的形状、形状、サイズ、位置、色、光強度、および/または光散乱)に基づいて、血液滴90が実際に刺された指900からもたらされているか否かを判定する。いくつかの実施形態では、カメラ500は、血液滴90の少なくとも2つの画像を捕捉するように構成されており、1つは、付着前の画像であり、1つは付着後の画像である。ある特定の実施形態では、画像の分析および画像の比較によって以下が明らかになる。(1)血液滴90が実際に刺された指900からもたらされているか否か、および(2)第1の画像の血液滴90が実際に試験板10の試料受容面11上に付着しているか否か。
【0033】
血液パターンまたは血液流による認証
いくつかの実施形態では、カメラによって静止画像か動画のいずれかまたはその両方を捕捉される試料のある特定の特徴を分析して、試料(例えば、血液)が本当に対象の身体からのものか、または対象身体上に置かれている無関係の試料だったのかを識別する。例えば、指を刺した血液試料では、血液試料が対象身体からのものである場合、動画は、血液が経時的な血液滴の体積増加を示し、および/または静止画像は、他の場所からではない対象の身体からの血液と一致する血液試料パターンを示す。このような特徴の例として、刺された指900上の血液試料のサイズ、幾何学的形状、形状、位置、色、光強度、光散乱、または他の視覚的標示が挙げられるがこれらに限定されない。
【0034】
試験板の対向する面上に位置付けられた試料受容領域およびカメラ
いくつかの実施形態では、試料受容領域およびカメラは、試験板の対向する面上に位置付けられ(例えば、
図1(B)および
図2(A))、カメラは、板を通して見て、試料領域上の付着前および後の試料を含む、板の反対側の物体/事象を観察する。このような配列は、試料認証において多くの利点を有する。いくつかの実施形態では、板は、カメラに対して透明である。
【0035】
図1のパネル(A)および(B)に示す2つの実施形態では、カメラ500は、試験板10に対して異なる位置に載置される。一般に、試験板10が位置付けられる平面は、関連する空間を、試料受容面11が面する上部空間と、試料受容面11とは反対の試験板10の非試料受容面に面する底部空間とに分割する。
図1のパネル(A)および(B)は、カメラ500の2つの特定の位置付け設計を示す。パネル(A)では、カメラ500は、上部空間に位置付けられ、カメラ500のレンズ510は、試料受容面11および刺された指900の方向に向けられ、カメラ500は、試験のための血液滴を提供する工程の画像および/または動画を捕捉することが可能になる。いくつかの実施形態では、レンズ510は、試料受容面11に対して垂直である。
【0036】
図1のパネル(B)では、また
図2のパネル(A)も参照すると、カメラ500は、底部空間に位置付けられ、カメラ500のレンズ510は、試験板の非試料受容面に面している。いくつかの実施形態では、試験板10は、部分的または全体的に透明であり、カメラ500は、試験板10を通して画像を捕捉するように構成されている。
【0037】
カメラ500および試験板10、ならびに本発明のデバイスの他の構成要素の位置付けが、どの種類の画像および/または動画を捕捉するかという検証工程の特定の設計および特定のプロトコルにしたがって変動することにも留意されたい。いくつかの実施形態では、カメラ500、試験板10、ならびに本発明のデバイスの他の構成要素は、単一の構造に一体型にまとめられる。
【0038】
2つの板を有する試験デバイス
いくつかの実施形態では、試験板は、カバー板とともに使用され、つまり、試験デバイスは、互いに移動可能である第1の板(試験板)および第2の板(カバー板)を備える。
図4は、本発明の例示的実施形態の図を含み、異なる構成に互いに移動可能である第1の板および第2の板を備える試験板を示す。いくつかの実施形態では、2つの板を有する試験デバイスは、QMAX−カードまたはQ−カードと呼ばれる。
【0039】
2つの板は、共に単一の板にはできない多くの機能を行うことができる。2つの板の機能には、(a)試料の再形成(例えば、薄層)、(b)試料の厚さの制御、(c)試料蒸発の減少、(d)損傷または汚染からの保護、および(e)調質変化の減少が含まれるがこれらに限定されない。
【0040】
例えば、
図2のパネル(B)に示すように、本発明のデバイスは、カバー板20をさらに備え、カバー板20を使用して、試料がさらなる分析のために薄層に圧搾されるように試験板10を被覆する。いくつかの実施形態では、試験板10またはカバー板20は、試験板10およびカバー板20の一方または両方に固定されたスペーサを備える。ある特定の実施形態では、板が対面構成に圧縮された後、スペーサは、板の間の間隔を調節する。試料が付着している場合、試料の全部または部分は、わずかに変動するが均一の厚さを有する薄層に圧縮される。次いで、試料は、特定の細胞の種類、例えば、赤血球および白血球の細胞数等であるがそれだけに限定されないある特定の特性について分析される。
【0041】
いくつかの実施形態では、2つの板の試験デバイスについて、試料が付着すると板をロックするように、ロックが構成されている。いくつかの実施形態では、2つの板の試験デバイスについて、試料が付着すると板をロックし、(i)ロックの通知後、(ii)試料の損傷後、または(iii)その両方の後に板を再び開放するように、ロックが構成されている。
【0042】
スペーサ
いくつかの実施形態では、スペーサは、2つの板の試験デバイスの一方または両方の板の表面上に載置される。スペーサは、板が閉鎖構成にあるときに、板の間隔ひいては試料の厚さを調節する。いくつかの実施形態では、2つの板に連結されたヒンジが存在する。2つの板のデバイス、スペーサ、ヒンジ、および試料認証用途と一体型になり得る他のものに関するさらなる説明は、2016年8月10日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号、2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/051775号、2016年9月15日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/051794号、および2016年9月27日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/054025号に記載され、その完全な開示は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0043】
呼気凝縮液試料
本発明によると、対象からの呼気試料も認証され得る。
図5は、本発明の例示的実施形態の図を含み、対象の呼気試料の識別を示し、ここでカメラ(図示せず)は、試料付着を画像化および動画化して対象からの試料を認証し得る。呼気採取デバイスの一例は、
採取板(すなわち、第1の板または試験板)およびカバー板(すなわち、第2の板)を備え、
i.板は、互いに対して異なる構成に移動可能であり、
ii.一方または両方の板は、可撓性であり、
iii.板の各々は、そのそれぞれの表面上に、分析物を含有する蒸気凝縮液(VC)試料を接触させるための試料接触領域を有し、
iv.板の一方または両方は、それぞれの板に固定されているスペーサを備え、スペーサは、既定の実質的に均一な高さおよび既定の一定のスペーサ間距離を有し、スペーサのうちの少なくとも1つは、試料接触領域の内部にあり、
構成のうちの1つは、開放構成であり、その構成では、2つの板が、完全または部分的に離間し、板の間の間隔は、スペーサによって調節されず、VC試料は、板の一方または両方の上に付着され、
構成のうちのもう1つは、閉鎖構成であり、その構成は、開放構成でのVC試料付着の後に構成され、閉鎖構成では、VC試料の少なくとも一部分が2つの板の間にあり、2つの板と接触し、スペーサによって調節される高度に均一の厚さを有し、板の2つの試料表面は、わずかに変動するが30um以下である。
【0044】
いくつかの実施形態では、デバイスは、一方または両方の板の上に、1つもしくは複数の乾燥結合部および/または1つもしくは複数の試薬部をさらに備える。いくつかの実施形態では、試料は、呼気凝縮液である。
【0045】
いくつかの実施形態では、試料は、生体試料、環境試料、化学試料、または臨床試料からの蒸気である。いくつかの実施形態では、分析物は、異なる形状の分子(例えば、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、核酸、または他の分子)、細胞、組織、ウイルス、およびナノ粒子を含む。いくつかの実施形態では、分析物は、揮発性有機化合物(VOC)を含む。いくつかの実施形態では、分析物は、窒素、酸素、CO2、H2O、および不活性ガスを含む。いくつかの実施形態では、分析物は、染色される。
【0046】
本開示に説明する血液試料認証のための同じ手法を、呼気認証に使用することができる。対象の呼気に関連する生体識別子には、顔識別、唇、目、鼻、耳等が含まれるがこれらに限定されない。
【0047】
呼気採取および検出に関するさらなる説明は、あらゆる目的のために本明細書にその全体が組み込まれる、2016年9月14日に出願されたPCT出願、PCT/US16?51794に付与されている。
【0048】
アダプタ(ハウジング)
いくつかの実施形態では、カメラ500および試験板10は、例えば、「アダプタ」と呼ばれる単一のハウジング構造に物理的に一体型にまとめられる。
【0049】
試験されている対象からの試料を認証するためのシステムであって、(a)前記請求項のいずれかに記載のデバイスと、(b)カメラに接続するように構成され、スロットを備えるアダプタであって、i.スロットが、デバイスを受容し、かつ位置付けるように寸法付けられ、ii.デバイスがスロットに存在した後に、デバイスとカメラとの間の相対位置を固定するように構成されている、アダプタと、を備える、システム。
【0050】
ある特定の実施形態では、カメラ500および試験板10は、部分的または全体的に離間しているが、1つのデバイスの部分と考えられる。
【0051】
試料採取を伴う試料試験
いくつかの実施形態では、試料滴(例えば血液90)が試験板10上に付着した後、試料のさらなる処理、試験、および/または分析が実行される。いくつかの実施形態では、試料認証に使用される同じカメラが試料分析に使用される。
【0052】
いくつかの実施形態では、分析は、試料付着の直後である。
【0053】
いくつかの実施形態では、2つの板の試験デバイスについて、分析は、2つの板が閉鎖構成に押圧された直後である。
【0054】
いくつかの実施形態では、分析は、スマートフォンで行われる。いくつかの実施形態では、分析は、光源を使用する。
【0055】
試料移動を伴わない認証および分析
いくつかの実施形態では、対象からの試料は、試料採取位置から離れた試験デバイスの移動を伴わずに、試験デバイスによって採取、認証、および測定され、これは「単発分析」と呼ばれる。いくつかの実施形態では、単発分析は、認証および分析の同じカメラによって実施される。いくつかの実施形態では、単発分析は、認証および分析について、2つ以上のカメラによって実施される。
【0056】
識別ラベル、タイマー、およびその他
ある特定の実施形態では、試験板は、付着後の試料の入れ替えを防止するようにさらに構成されている。
図1のパネル(A)および(B)ならびに
図2のパネル(A)に示すように、試験板10は、板識別部(ID)16を備える。板ID16を使用して試験板10を一意的に識別することができるのであれば、板ID16は、数字、図示、アルファベット、記号、または他の文字および符号の任意の組み合わせである。例えば、ある特定の実施形態では、板ID16は、連続するデジタルおよび/もしくはアルファベット文字、バーコード、QRコード、または他の機械可読非文字型コードである。いくつかの実施形態では、板ID16は、
図1に示すように、試験板10の試料受容面11上に位置付けられる。ある特定の実施形態では、板ID16は、板の他の部分、例えば、試験板10の非試料受容面上にも位置付けられる。いくつかの実施形態では、カメラ500は、試験のための血液滴を提供する工程中に板ID16の画像を捕捉するように構成されている。例えば、刺された指900の指紋の画像を撮るときおよび/または試験のための血液滴を提供する工程の動画を記録するとき、カメラ500は、試験板10の1つまたは複数の画像を捕捉し、このような画像は、板ID16を示す。
【0057】
板ID16を使用して、試験板10、ならびに試験板10上に付着している血液試料を識別する。板ID16は、刺された指900の画像から抽出された指紋情報とも組み合わせられる。例えば、刺された指900の指紋を、意図された対象の格納された指紋情報に一致させ、同時に、試験のための血液滴を提供する工程中に捕捉された板IDおよび動画/画像を使用して、試験板10を明確に識別し、指紋の画像が記録の動画/画像に一致することを確実にすることが可能であり得る。いくつかの実施形態では、板ID16の存在によって、試験を管理する機関/組織/専門家は、試料が付着した後の板の入れ替えを防止することが可能になる。ある特定の実施形態では、入れ替えを防止するために、圧縮調節オープンフロー(CROF)試験板が使用される。
【0058】
いくつかの実施形態では、カメラ500は、試験のための血液滴を提供する工程中に特定の時点を記録する計時構成要素を含む。例えば、指を刺す時点は、米国東部標準時2016−10−01 9:30:25AMと記録され、血液滴90を付着させる時点は、米国東部標準時2016−10−01 9:30:50AMと記録される。時点の記録は、カメラ500の計時構成要素によって実行されるか、またはカメラ500とは物理的に分けられているが依然として単一のデバイスの部分として考えられる計時構成要素によって実行される。記録された時点を使用して、血液試験のための認証の別の層を追加する。例えば、記録された時間を他の記録と比較して、試験のための血液滴を提供する工程が、試験を管理する機関/組織/専門家によって規定の時間に実行されるか否かを検証する。加えて、記録された時間点の間の時間によって、血液試験の信憑性に関するさらなる情報/疑念が提供される。例えば、刺された指を圧搾する時点と血液滴を付着させる時点との間に3分の差がある場合、刺して圧搾することによってもたらされた血液滴が、実際に試験板10上に付着している血液滴であるか否かに関して疑念が生じる。追跡調査(例えば、人による画像および/または動画の確認)が必要になり、不正のさらなる証拠を明らかにし得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、本発明のデバイスは、カメラ500により捕捉された画像および/または動画を処理するように構成されているプロセッサをさらに備える。ある特定の実施形態では、プロセッサは、カメラ500の構成要素であるか、またはカメラ500と物理的に単一の構造に一体型である。例えば、プロセッサおよびカメラ500は両方とも、携帯電話、タブレットコンピュータ、またはラップトップコンピュータ等であるがこれらに限定されないコンピューティングデバイスの部分である。代替として、プロセッサ、カメラ500、計時構成要素は全て、コンピューティングデバイスの部分である。加えて、プロセッサ、カメラ500、計時構成要素、および試験板10は全て、デバイスの部分であり、いくつかの実施形態では、その部分は、一体型にまとめられ、いくつかの実施形態では、その部分は、離間している。
【0060】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、カメラ500により捕捉された画像および動画を処理および分析するように構成されている。例えば、ある特定の実施形態では、プロセッサは、カメラ500により捕捉された指紋の画像を分析し、指紋を対象の格納された指紋情報と比較し、および/または血液試験で提供された血液が本物であるか否かを判定するように構成されている。いくつかの実施形態では、プロセッサは、付着前に血液滴の画像を分析し、血液滴が本当に対象の指を刺して圧搾することによってもたらされているか否かを判定するように構成されている。
【0061】
生体識別子のさらなる例
示されるように、指紋の他に、本発明のいくつかの実施形態では、他の生体識別子が、試験されている対象の識別のために使用される。例えば、ある特定の実施形態では、生体識別子は、掌紋である。カメラ500により捕捉された画像/動画は、手の掌紋を含み、掌紋は、意図された対象のファイル上の掌紋情報と比較される。いくつかの実施形態では、掌紋情報を検証する技術は、既知である。このような技術には、全て参照によりその全体が組み込まれる、米国特許公開第2012/0194662号および第2005/0281438号、ならびに米国特許第8,229,178号、第7,466,846号、第8,135,181号、第8,265,347号、および第7,496,214号に開示されているデバイス、装置、および方法が含まれるがこれらに限定されない。
【0062】
本発明のある特定の実施形態では、生体識別子は、使用者をその手の形状で識別する生体認証である掌形である。既知の技術では、掌形読取機は、多くの寸法に沿って使用者の手を測定し、その測定をファイルに格納された測定と比較する。いくつかの実施形態では、カメラ500によって捕捉された画像/動画は、手の掌形を提供し、掌形は、意図された対象のファイル上の情報と比較される。いくつかの実施形態では、掌形情報を検証する技術は、既知である。このような技術には、全て参照によりその全体が組み込まれる、米国特許公開第2016/0253658号および第2011/0175986号、ならびに米国特許第7,886,157号、第9,336,634号、第8,358,336号、第8,279,042号、第7,660,442号、第7,616,784号、第4,720,869号、および第6,628,810号に開示されているデバイス、装置、および方法が含まれるがこれらに限定されない。
【0063】
本発明のある特定の実施形態では、生体識別子は、手の静脈パターンであり、静脈パターン(または血管パターン)は、皮膚表面から見える血管のパターンの分析を通して生体識別に使用される。カメラ500により捕捉された画像/動画は、手の静脈パターンを提供し、静脈パターンは、意図された対象のファイル上の情報と比較される。いくつかの実施形態では、静脈パターン情報を検証する技術は、既知である。このような技術には、全て参照によりその全体が組み込まれる、米国特許公開第2014/0196131号、第2010/0119122号、および第2010/0226545号、ならびに米国特許第8,803,963号、第9,095,285号、第9,289,160号、第8,509,495号、第8,275,174号、および第9,317,761号に開示されているデバイス、装置、および方法が含まれるがこれらに限定されない。
【0064】
本発明のある特定の実施形態では、生体識別子は、手の汗孔であり、汗孔の位置およびパターンは、対象の生体識別に使用される。カメラ500により捕捉された画像/動画は、手の汗孔を含み、汗孔は、意図された対象のファイル上の情報と比較される。いくつかの実施形態では、汗孔情報を検証する技術は、既知である。このような技術には、全て参照によりその全体が組み込まれる、米国特許公開第2007/0003114号および第2014/0294262号、ならびに米国特許第6,228,029号、第8,663,108号、および第8,744,139号に開示されているデバイス、装置、および方法が含まれるがこれらに限定されない。
【0065】
本発明のある特定の実施形態では、生体識別子は、手の指爪床であり、指爪床の形状、サイズ、および色は、対象の生体識別に使用される。カメラ500により捕捉された画像/動画は、手の指爪床を含み、指爪床は、意図された対象のファイル上の情報と比較される。いくつかの実施形態では、指爪床を検証する技術は、既知である。このような技術には、全て参照によりその全体が組み込まれる米国特許公開第2007/0003114号ならびに米国特許第6,631,199号および第5,751,835号に開示されているデバイス、装置、および方法が含まれるがこれらに限定されない。
【0066】
いくつかの実施形態では、試験されている対象の身元は、1つの生体識別子によって検証される。ある特定の実施形態では、試験されている対象の身元は、少なくとも2つの生体識別子によって検証され、ある特定の実施形態では、試験されている対象の身元は、少なくとも3つの生体識別子によって検証され、ある特定の実施形態では、試験されている対象の身元は、4つ以上の生体識別子によって検証される。
【0067】
パッケージされた試験板
図3は、パッケージ600および試験板10の斜視図である。いくつかの実施形態では、試験板10は、血液試験の前にパッケージ600に密封されている。明確な目的のために、
図3は、試験板10が露出したときのパッケージ600および試験板10を示す。ある特定の実施形態では、パッケージ600は、血液試験の前に密封されており、試験板10は、パッケージ600を開封せずにはアクセスできず、かつ/または見えない。いくつかの実施形態では、パッケージ600は、不透明である。いくつかの実施形態では、パッケージ600が、カバー板20、カメラ500、プロセッサ、および計時構成要素等であるがこれらに限定されない本発明の他の構成要素も含有することにも留意されたい。上述のように、いくつかの実施形態では、構成要素のいくつかまたは全部は、一体型にまとめられる。いくつかの実施形態では、一体型の構成要素は、単一のパッケージに含有され得る。
【0068】
図3に示すように、パッケージは、パッケージ識別部(ID)601を備え、パッケージID601を使用してパッケージ600を一意的に識別することができるのであれば、パッケージ識別部(ID)601は、数字、アルファベット、記号、または他の文字および符号の任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、本発明のデバイスは、パッケージID601を使用してパッケージ600を識別する。
【0069】
いくつかの実施形態では、パッケージID601は、板ID16と対であり、その対は、対象には知られていない。血液試験に関するデバイスの設計/製造中に、設計/製造システムは、パッケージID601および板ID16の対を作成し、このような対は、システムによって格納され、対象によってアクセス不可能であり、知られることはない。血液試験を管理する機関/組織/専門家は、その対を知っているか、または知らない。すなわち、対象だけが、パッケージ600を開封した後初めて試験板10(および板ID16)を見る。対象は板ID16を知らないため、事前に偽の板を用意することは不可能であり得る。
【0070】
本発明の他の実施形態例
いくつかの実施形態では、試験板10は、圧縮調節オープンフロー(CROF)デバイス(QMAXデバイス、Q:定量化、M:拡大、A:試薬の添加、X:加速)の部分であり、例えば、その完全な開示があらゆる目的のために参照によりその全体に組み込まれる、2016年8月10日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号、2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/051775号、2016年9月15日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/051794号、2016年9月27日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/054025号に記載されているCROFデバイスであるがこれらに限定されない。
【0071】
いくつかの実施形態では、試験板10は、QMAX(Q:定量化、M:拡大、A:試薬の添加、X:加速)カードの部分であり、これは、ヒンジ等であるがこれに限定されない連結構造を有するQMAXデバイスである。ある特定の実施形態では、試験板10およびカバー板20は、QMAXカードの部分である。一部において、QMAXカードは、その完全な開示があらゆる目的のために参照によりその全体に組み込まれる、上で参照された特許/出願、ならびに2015年8月10日に出願され、2016年12月9日に出願された米国仮特許出願第62/431,639号に記載されている。
【0072】
分析物、試料、および適用
いくつかの実施形態では、アッセイで検出される試料中の分析物には、細胞、ウイルス、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、およびそれらの任意の組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。
【0073】
いくつかの実施形態では、本発明は、疾患または疾患状態のためのバイオマーカーの検出に使用される。ある特定の事例では、本発明は、創薬およびワクチン開発の細胞シグナル伝達経路および細胞内情報伝達の特性化のためのバイオマーカーの検出に使用される。例えば、本発明を使用して、病的試料、健常試料、良性試料中のバイオマーカーの量を検出および/または定量化することができる。ある特定の実施形態では、本発明は、感染病または疾患状態のためのバイオマーカーの検出に使用される。場合によっては、バイオマーカーは、タンパク質、核酸、炭水化物、低分子等であるがこれらに限定されない分子バイオマーカーであり得る。本発明は、上述のようにバイオマーカーを検出および/または定量化すること、試料が無症状の対象について一定の間隔で試験される、スクリーニングアッセイ、バイオマーカーの存在および量を使用して同様の疾患経過を予測する、予後アッセイ、異なる薬剤治療に対する対象の反応が予測され得る、層別アッセイ、薬剤治療の有効性を監視する、有効性アッセイ等であるがこれらに限定されない、診断アッセイに使用される。
【0074】
本発明のデバイスおよび方法は、健康モニタリング、モバイルモニタリング、および犯罪モニタリングに使用される。加えて、本発明のデバイスおよび方法は、保険、健康改善、医療目的のために使用され得る。
【0075】
クラウド
本明細書に開示されるデバイス/装置、システム、および方法は、データ転送、格納、および/または分析のためにクラウド技術を用い得る。関連のクラウド技術は、本明細書において、2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願された、PCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号に開示、列挙、説明、および/または要約され、その出願の全ては、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0076】
いくつかの実施形態では、クラウド格納およびコンピューティング技術は、クラウドデータベースを伴い得る。単に例として、クラウドプラットフォームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散クラウド、インタークラウド、マルチクラウド等、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域エリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを通して、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン)をクラウドに接続することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、試料に関連するデータ(例えば、試料の画像)を、モバイルデバイスにより処理せずにクラウドに送信し、さらなる分析を遠隔的に実行することができる。いくつかの実施形態では、試料に関連するデータをモバイルデバイスにより処理し、その結果をクラウドに送信する。いくつかの実施形態では、生データおよび結果の両方は、クラウドに伝送される。
【0078】
第2の群の本発明の他の例
本開示に従う本発明の主題に関するさらなる例を、以下に列挙した段落に説明する。
【0079】
A1.
試験されている対象からの血液試料を認証するためのデバイスであって、以下:
(a)試験されている対象の刺された身体部分からの血液試料を受容するその表面上に試料接触領域を有する板を備える、試験板と、
(b)刺された身体部分上の血液試料を試験板の試料接触領域上に直接付着させる試料付着中に、
i.対象に関連付けられた少なくとも1つの生体識別子を伴う、刺された身体部分上の血液試料の1つ以上の画像、および/または
ii.血液試料付着の一部分または全体の動画
を捕捉するように構成されている、カメラと
を備える、デバイス。
【0080】
A2.
試験されている対象の試料を認証するためのデバイスであって、以下:
(a)第1の板および第2の板を備える、試験板であって、
i.第1の板および第2の板が、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成に互いに対して移動可能であり、
ii.第1の板が、試験されている対象の試料を受容するための試料接触領域を有する表面を備える、試験板と、
(b)対象の身体上の試料を第1の板の試料接触領域上に直接付着させる試料付着中に、
i.対象に関連付けられた少なくとも1つの生体識別子を伴う、試料の1つ以上の画像、および
ii.血液試料付着の一部分または全体の動画
を捕捉するように構成されている、カメラと
を備え、
開放構成は、2つの板が部分的または全体的に離間し、血液試料が試料接触領域上に付着する構成であり、
閉鎖構成は、2つの板の内面が試料と接触している構成である、デバイス。
【0081】
A3.
前記試料を受容する板が、透明であり、試料受容領域が、板の一方の面であり、カメラが、板の他方の面上にあり、カメラが、板を通して板の試料受容領域面上の物体を画像化することができる、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0082】
A4.
デバイスが、(i)マイクロプロセッサ、および(ii)アルゴリズムをさらに備え、マイクロプロセッサおよびアルゴリズムが、動画および/または画像を分析して、試験板上に付着している試料が、試験されることが意図される対象からのものであるかを判定するように構成されている、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0083】
A5.
試験されている対象からの試料を認証するためのシステムであって、以下:
(a)前記請求項のいずれかに記載のデバイスと、
(b)カメラに接続するように構成され、かつスロットを備える、アダプタであって、
i.スロットが、デバイスを受容し、かつ位置付けるように寸法付けられ、
ii.デバイスがスロットに存在した後に、デバイスとカメラとの間の相対位置を固定するように構成されている、アダプタと
を備える、システム。
【0084】
A6.
試験される対象からの血液試験を認証する方法であって、以下:
(a)前記請求項のいずれかに記載のデバイスを提供することと、
(b)カメラを提供することと、
(c)試験されている対象の身体部分を刺して、血液試料が刺された身体部分上に現れることを可能にすることと、
(d)血液試料を試料受容領域に直接接触させることによって、血液試料を試料受容領域上に付着させることと、
(e)付着工程(d)中に、カメラを使用して、
i.試験されている対象の手の少なくとも1つの生体識別子を伴う、血液試料の1つ以上の画像、および/または
ii.付着工程の一部分もしくは全体の動画
を捕捉することと
を含む、方法。
【0085】
A7.
試験される対象からの試料を認証する方法であって、以下:
(a)前記請求項のいずれかに記載のデバイスを提供することと、
(b)カメラを提供することと、
(c)試験される対象からの試料を、対象からデバイスに付着させることと、
(d)付着工程(c)中に、カメラを使用して、
iii.試験されている対象の手の少なくとも1つの生体識別子を伴う、血液試料の1つ以上の画像、および/または
iv.付着工程の一部分もしくは全体の動画
を捕捉することと
を含む、方法。
【0086】
A8.
カメラが、血液または呼気凝縮液中の分析物を測定するように構成されている、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0087】
A9.
デバイスが、ヒンジをさらに備え、第1の板および第2の板が、ヒンジによって連結され、かつヒンジの軸の周囲で互いに対して異なる構成に移動可能である、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0088】
A10.
デバイスが、スペーサをさらに備え、閉鎖構成において、スペーサが、第1の板と第2の板との間の間隔を調節する、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0089】
A11.
試料が、呼気試料である、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0090】
A12.
試料が、血液試料である、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0091】
A13.
試料が、唾液試料である、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0092】
A14.
カメラが、携帯電話の一部分である、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0093】
A15.
カメラが、携帯電話の一部分であり、携帯電話が、試験板を試験するための第2のカメラを有する、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0094】
A16.
生体識別子が、刺された指の指紋である、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0095】
A17.
生体識別子が、刺されていない指の指紋である、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0096】
A18.
生体識別子が、手の掌紋である、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0097】
A19.
生体識別子が、手の掌形である、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0098】
A20.
生体識別子が、手の静脈パターンである、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0099】
A21.
生体識別子が、手の汗孔である、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0100】
A22.
生体識別子が、手の指爪床である、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0101】
A23.
1つ以上の画像が、少なくとも2つの生体識別子を含み、各生体識別子が、刺された指の指紋、刺されていない指の指紋、手の掌紋、手の掌形、手の静脈パターン、手の汗孔、および手の指爪床からなる群から選択され、少なくとも2つの生体識別子を使用して、試験されている対象が意図された対象であることを判定する、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0102】
A24.
1つ以上の画像が、少なくとも3つの生体識別子を含み、各生体識別子が、刺された指の指紋、刺されていない指の指紋、手の掌紋、手の掌形、手の静脈パターン、手の汗孔、および手の指爪床からなる群から選択され、少なくとも3つの生体識別子を使用して、試験されている対象が意図された対象であることを判定する、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0103】
A25.
ステップ(i)における少なくとも1つの画像が、血液試料が試料受容領域に触れる前に記録される、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0104】
A26.
ステップ(i)における少なくとも画像が、血液試料が試料受容領域に触れた後に記録される、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0105】
A27.
ステップ(i)における画像が、血液試料が試料受容領域に触れる前および後の両方に記録される、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0106】
A28.
画像/動画を処理および分析するように構成されているハードウェアおよびソフトウェアをさらに備える、前記段落のいずれかに記載のデバイス。
【0107】
A29.
ハードウェアが、携帯電話であり、局所通信能力および長距離通信能力を有する、前記段落のいずれかに記載のデバイス。
【0108】
A30.
ハードウェアおよびソフトウェアが、血液試料の直接的付着の前の刺された指上の血液の画像を分析して、画像に記録された刺された指上の血液試料が、刺された指からのものである可能性を評価するように構成されている、前記段落のいずれかに記載のデバイス。
【0109】
A31.
可能性の評価が、刺された指上の血液試料のサイズ、形状、幾何学的形状、色、光強度および/または光散乱の評価を含む、前記段落のいずれかに記載のデバイス。
【0110】
A32.
試験板およびカメラの位置が、同じ画像フレームにおいて刺された指および試験板の両方を画像化するカメラを有するように構成されている、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0111】
A33.
刺された指または試験板をカメラによって画像化するように構成されている光ファイバーをさらに備える、前記段落のいずれかに記載のデバイス。
【0112】
A34.
試験板が、板識別部を備える、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0113】
A35.
カメラが、板識別部を含む画像または動画を捕捉するように構成されている、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0114】
A36.
カメラが、血液試料、生体識別子、試験板、および板識別部の画像または動画を捕捉するように構成されている、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0115】
A37.
i.試験板が、血液試験の前にはパッケージに密閉されており、
ii.パッケージが、パッケージIDを備える、
前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0116】
A38.
パッケージIDが、板IDと対になり、該対が、試験されている対象には知られていない、実施形態A34からA35に記載のデバイス。
【0117】
A39.
試料を分析する方法が、刺された身体部分上の血液試料の形状の動画の評価(時間経過に伴う画像の進展)を含む、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0118】
A40.
方法が、カメラを使用して、血液試料を試験板上に付着させている時点を捕捉することをさらに含む、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0119】
A41.
デバイスが、健康モニタリング、モバイルモニタリング、犯罪モニタリング、保険、健康、および/または医療に使用される、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0120】
A42.
試験板が、付着の後に試料の入れ替えを防止するようにさらに構成されている、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0121】
A43.
試料の入れ替えの防止が、CROF(圧縮オープンフロー)試験板を使用することを含む、段落29に記載のデバイス。
【0122】
A44.
生体識別子が、刺された指の指紋、刺されていない指の指紋、手の掌紋、手の掌形、手の静脈パターン、手の汗孔、および手の指爪床からなる群から選択される、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0123】
A45.
方法が、
(a)生体識別子を含む1つ以上の画像を分析することと、
(b)生体識別子を、意図された対象からの格納された生体情報と比較することと、
(c)試料試験に提供された試料が本物であるか否かを判定することと
をさらに含む、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0124】
A46.
方法が、
(a)カメラを使用して、試料の試験板上への付着前に対象の身体表面上の血液滴の画像を捕捉することと、
(b)血液滴の画像を分析することと、
(c)血液滴が本当に対象の身体からもたらされているか否かを判定することと
をさらに含む、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0125】
A47.
画像を分析する方法が、刺された身体部分の血液試料の幾何学的形状および/または形状の評価を含む、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0126】
A48.
方法が、試験デバイスを使用して対象から試料を採取し、試料を認証し、試料採取場所から離れたところに試験デバイスを移動させずに試料を分析する、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0127】
A49.
方法が、試験デバイスを使用して対象から試料を採取し、試料を認証し、試料採取場所から離れたところに試験デバイスを移動させずに試料を分析し、認証および分析が、同じカメラを使用する、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0128】
A50.
方法が、試験デバイスを使用して対象から試料を採取し、試料を認証し、試料採取場所から離れたところに試験デバイスを移動させずに試料を分析し、認証および分析が、2つ以上のカメラを使用する、前記実施形態のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0129】
追加の注記
本開示に従う本発明の主題に関するさらなる例を、以下に列挙した段落に説明する。
【0130】
本明細書で使用する際および添付の特許請求の範囲において、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈上例外が明記されていない限り、例えば、単語の「単一の」を使用する場合を除き、複数指示を含むことに留意されたい。例えば、「分析物」についての言及は、単一の分析物および複数の分析物を含み、「捕捉剤」についての言及は、単一の捕捉剤および複数の捕捉剤を含み、「検出剤」についての言及は、単一の検出剤および複数の検出剤を含み、「薬剤」についての言及は、単一の薬剤および複数の薬剤を含む。
【0131】
本明細書で使用する際、用語「適合される」および「構成される」は、要素、構成要素、または他の主題が、所定の機能を実施するように設計および/または意図されることを意味する。したがって、用語「適合される」および「構成される」の使用は、所定の要素、構成要素、または他の主題が単に所定の機能を実施することが「可能である」ことを意味するように解釈されるべきではない。同様に、特定の機能を実施するように構成されるように列挙される主題は、付加的にまたは代替的に、その機能を実施するように作動するものとして説明され得る。
【0132】
本明細書で使用する際、句の「例えば」、句の「例として」、および/または単に用語「例」および「例示的」は、本開示に従う1つ以上の構成要素、特長、詳細、構造、実施形態、および/または方法に関連して使用する場合に、記載の構成要素、特長、詳細、構造、実施形態、および/または方法が、本開示に従う構成要素、特長、詳細、構造、実施形態、および/または方法の例証的で非排他的な例であることを伝えるように意図される。したがって、記載の構成要素、特長、詳細、構造、実施形態、および/または方法は、限定的、必須、または排他的/包括的であることを意図されず、構造的および/または機能的に同様および/または同等の構成要素、特長、詳細、構造、実施形態、および/または方法を含む、他の構成要素、特長、詳細、構造、実施形態、および/または方法も、本開示の範囲内にある。
【0133】
本明細書で使用する際、2つ以上の実体のリストに関連する句の「少なくとも1つの」および「1つ以上の」は、実体のリストにおける任意の1つ以上の実体を意味し、実体のリスト内に特別に列挙されたあらゆる実体のうちの少なくとも1つに限定されない。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または同等に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、Aのみ、Bのみ、またはAおよびBの組み合わせを指し得る。
【0134】
本明細書で使用する際、第1の実体と第2の実体との間に置かれる用語「および/または」は、(1)第1の実体、(2)第2の実体、ならびに(3)第1の実体および第2の実体のうちの1つを意味する。「および/または」で列挙された複数の実体は、同じように、すなわち、そのように結合した実体のうちの「1つ以上」であると解釈されるべきである。特に指定されたこれらの実体に関係または無関係であるかに関わらず、「および/または」で特に指定された実体以外に、他の実体が、任意選択で存在してもよい。
【0135】
数値範囲が本明細書において言及される場合、本発明は、その両端点が含まれる実施形態、両端点が除外される実施形態、ならびに一方の端点が含まれ他方の端点が除外される実施形態を含む。特に指示のない限り、両端点が含まれることが想定されるべきである。さらに、特に指示のない限り、または文脈上および当業者の理解から明白ではない限り。
【0136】
(1)本開示の組み込まれていない部分または他の組み込まれている参考文献のいずれかに矛盾しているように用語を定義する、および/または(2)そうでなければそれらに矛盾する場合、本開示の組み込まれていない部分が統制するものとし、本明細書における用語または組み込まれている開示は、用語が定義される参考文献および/または組み込まれている開示が元々存在していた参考文献に関してのみ統制するものとする。