特許第6667199号(P6667199)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6667199-パイル保持体及びその製法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6667199
(24)【登録日】2020年2月27日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】パイル保持体及びその製法
(51)【国際特許分類】
   A47G 27/02 20060101AFI20200309BHJP
   D06M 15/693 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   A47G27/02 E
   D06M15/693
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-18028(P2015-18028)
(22)【出願日】2015年1月31日
(65)【公開番号】特開2016-140534(P2016-140534A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年8月18日
【審判番号】不服2019-3004(P2019-3004/J1)
【審判請求日】2019年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】隈下 勝弘
【合議体】
【審判長】 久保 竜一
【審判官】 堀川 一郎
【審判官】 長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3128212(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基布と多数のパイルを備え、前記基布の裏側にラテックスバッキングが施されてなるパイル保持体であって、
前記パイルの基部は、その基部の一部が前記基布の裏側に位置する状態で前記基布に結合され、前記パイルの主要部は前記基布の表側に位置しており、
前記多数のパイルは、分散染料により染色されたポリエステル繊維を前記基布の表側と裏側にわたり有してなるものであり、
前記ラテックスバッキングは、前加硫ラテックスが前記基布の裏側に適用され乾燥されて形成された皮膜からなるものであって、
前記分散染料が汚染源となることが防がれることを特徴とするパイル保持体。
【請求項2】
上記前加硫ラテックスが、前加硫ゴム系ラテックス又は前加硫樹脂系ラテックスである請求項1記載のパイル保持体。
【請求項3】
上記前加硫ゴム系ラテックスが、前加硫の天然ゴムラテックス、NBRラテックス、SBRラテックス、CRラテックス、又は、BRラテックスである請求項2記載のパイル保持体。
【請求項4】
上記前加硫樹脂系ラテックスが、前加硫のアクリル樹脂ラテックス、塩化ビニル樹脂ラテックス、ウレタン樹脂ラテックス、ポリエチレン樹脂ラテックス、シリコーン樹脂ラテックス、エポキシ樹脂ラテックス、又は、フッ素樹脂ラテックスである請求項2記載のパイル保持体。
【請求項5】
上記前加硫が、硫黄加硫、有機過酸化物加硫、又は、γ線照射加硫によるものである請求項1乃至4の何れか1項に記載のパイル保持体。
【請求項6】
基布と多数のパイルを備え、前記基布の裏側にラテックスバッキングが施されてなるパイル保持体を製造する方法であって、
前記パイルの基部は、その基部の一部が前記基布の裏側に位置する状態で前記基布に結合され、前記パイルの主要部は前記基布の表側に位置しており、
前記多数のパイルは、分散染料により染色されたポリエステル繊維を前記基布の表側と裏側にわたり有してなるものであり、
前記基布の裏側に前加硫ラテックスを適用し、その前加硫ラテックスを乾燥させて皮膜を形成させることにより、前記基布の裏側に前記ラテックスバッキングを施して前記分散染料が汚染源となることが防がれるパイル保持体を得ることを特徴とするパイル保持体の製法。
【請求項7】
上記前加硫ラテックスの乾燥が、100℃以下の温度での加熱乾燥である請求項6記載のパイル保持体の製法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基布と分散染料により染色されたポリエステル繊維を有する多数のパイルを備え、基布の裏側にバッキングが施されてなるパイル保持体及びその製法に関する。
【背景技術】
【0002】
特公平2−20753号公報には、分散染料で染色されたポリエステル繊維の移染による汚染の問題が記載されている。
【0003】
分散染料で染色されたポリエステル繊維製のパイルを用いたパイルマットやカーペット等のパイル保持体においても、分散染料の移染による床面や他の繊維の汚染が問題となる。
【0004】
このような汚染を防ぐには、従来、ガスバリア性の高いEVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂))樹脂をマット等の裏面に貼り付けることや、マット等の裏面に別の繊維からなる布を縫着して分散染料が床面に達することを遮断するという手段が用いられているが、必ずしもコストと効果を両立し得るものとは言い難い点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平2−20753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、基布と分散染料により染色されたポリエステル繊維を有する多数のパイルを備え、基布の裏側にバッキングが施されたパイル保持体であって、前記ポリエステル繊維における分散染料が汚染源となることを防ぐことができ、耐久性が良好なパイル保持体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 基布と多数のパイルを備え、前記基布の裏側にラテックスバッキングが施されてなるパイル保持体であって、
前記パイルの基部は、その基部の一部が前記基布の裏側に位置する状態で前記基布に結合され、前記パイルの主要部は前記基布の表側に位置しており、
前記多数のパイルは、分散染料により染色されたポリエステル繊維を有してなるものであり、
前記ラテックスバッキングは、前加硫ラテックスが前記基布の裏側に適用され乾燥されて形成された皮膜からなるものであって、
前記分散染料が汚染源となることが防がれることを特徴とするパイル保持体。
【0008】
主要部が基布の表側に位置する多数のパイルの基部の一部が位置する基布の裏側に、ラテックスバッキングが施されており、前記多数のパイルは分散染料により染色されたポリエステル繊維を有してなるものである。
【0009】
前記多数のパイルが有するポリエステル繊維を染色した分散染料は、昇華による移染やその他の移染による汚染の汚染源となるおそれがある。
【0010】
しかしながら、前記ラテックスバッキングが、前加硫ラテックスが前記基布の裏側に適用され乾燥されることにより形成された皮膜からなるものであることにより、前記分散染料の昇華による移染やその他の移染の発生を効果的に回避して前記分散染料が汚染源となることを防ぐことができる。而も、ラテックスバッキングの洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、その他の耐久性も良好なものとなる。
【0011】
(2) 上記前加硫ラテックスが、前加硫ゴム系ラテックス又は前加硫樹脂系ラテックスである上記(1)記載のパイル保持体。
【0012】
(3) 上記前加硫ゴム系ラテックスが、前加硫の天然ゴムラテックス、NBRラテックス、SBRラテックス、CRラテックス、又は、BRラテックスである上記(2)記載のパイル保持体。
【0013】
(4) 上記前加硫樹脂系ラテックスが、前加硫のアクリル樹脂ラテックス、塩化ビニル樹脂ラテックス、ウレタン樹脂ラテックス、ポリエチレン樹脂ラテックス、シリコーン樹脂ラテックス、エポキシ樹脂ラテックス、又は、フッ素樹脂ラテックスである上記(2)記載のパイル保持体。
【0014】
(5) 上記前加硫が、硫黄加硫、有機過酸化物加硫、又は、γ線照射加硫によるものである上記(1)乃至(4)の何れか1項に記載のパイル保持体。
【0015】
(6) 基布と多数のパイルを備え、前記基布の裏側にラテックスバッキングが施されてなるパイル保持体を製造する方法であって、
前記パイルの基部は、その基部の一部が前記基布の裏側に位置する状態で前記基布に結合され、前記パイルの主要部は前記基布の表側に位置しており、
前記多数のパイルは、分散染料により染色されたポリエステル繊維を有してなるものであり、
前記基布の裏側に前加硫ラテックスを適用し、その前加硫ラテックスを乾燥させて皮膜を形成させることにより、前記基布の裏側に前記ラテックスバッキングを施して前記分散染料が汚染源となることが防がれるパイル保持体を得ることを特徴とするパイル保持体の製法。
【発明の効果】
【0016】
本発明におけるパイル保持体においては、多数のパイルが有するポリエステル繊維を染色した分散染料は、昇華による移染やその他の移染による汚染の汚染源となるおそれがある。
【0017】
しかしながら、前記ラテックスバッキングが、前加硫ラテックスが前記基布の裏側に適用され乾燥されることにより形成された皮膜からなるものであることにより、前記分散染料の昇華による移染やその他の移染の発生を効果的に回避して前記分散染料が汚染源となることを防ぐことができる。而も、ラテックスバッキングの洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、その他の耐久性も良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】パイルマットの模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[1] 本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図面は本発明の実施の形態の一例としてのパイルマットに関するものである。
【0021】
このパイルマットAは、基布Bと、全てのパイルPが分散染料により染色されたポリエステル繊維のみからなる多数のパイルPを備え、基布Bの裏側にラテックスバッキングLが施されてなるものである。
【0022】
パイルPは、その基部の一部が基布Bの裏側に位置する状態で、前記基部において基布Bに結合されており、パイルPの主要部は基布Bの表側に位置している。
【0023】
ラテックスバッキングLは、前加硫天然ゴムラテックスが基布Bの裏側に適用され乾燥されて形成された皮膜からなる。
【0024】
各パイルPの基部の一部が基布Bの裏側に位置する状態で、その基布Bの裏側にロールコータにより硫黄加硫による前加硫天然ゴムラテックスを塗布し、例えば60℃以下の温度で常圧下で加熱乾燥させることにより、前加硫天然ゴムラテックスの皮膜を形成させ、基布Bからのパイル離脱防止効果や、床面等に対するパイルマットAの滑り止め効果を発揮し得、洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、その他の耐久性が良好なラテックスバッキングLを得ることができる。
【0025】
これにより、ポリエステル繊維を染色した分散染料の昇華による移染やその他の移染の発生が効果的に回避され、その分散染料が汚染源となることが防がれるパイルマットAが得られる。
【0026】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0027】
本発明のパイル保持体は、基布と多数のパイルを備え、前記基布の裏側にラテックスバッキングが施されてなるものである。パイル保持体の具体例としては、パイルマットやパイルカーペットを挙げることができるが、これらに限られるものではない。
【0028】
(1) パイルは、その基部の一部が基布の裏側に位置する状態で、前記基部において基布に結合されており、パイルの主要部は基布の表側に位置している。
【0029】
(2) パイルの形態は特に限定されず、例えば、カットパイル、ループパイル又は両者が混在したものとすることができる。
【0030】
パイル保持体が備える多数のパイルは、分散染料により染色されたポリエステル繊維(例えばポリエチレンテレフタレート繊維)を有してなるものである。パイル保持体が備えるパイルは、例えば、全部又は一部のパイルが分散染料により染色されたポリエステル繊維のみからなるものとすること、或いは、全部又は一部のパイルが分散染料により染色されたポリエステル繊維とそれ以外の繊維からなるものとすることができる。
【0031】
(3) 基布としては、例えばフェルト、織布、不織布、編物等を用いることができる他、皮革、合成樹脂材料、合成ゴム材料等の各種シート状材料を用いることも必ずしも除外されない。
【0032】
(4) ラテックスバッキングは、前加硫ラテックスが基布の裏側に適用され乾燥されて形成された皮膜からなる。
【0033】
そのため、前加硫ラテックスを基布の裏側に適用して乾燥させることにより皮膜を形成させてラテックスバッキングを設ける工程を、分散染料の昇華やポリエステル繊維のガラス転移等が生じない温度や圧力等の条件で行うことができ、ポリエステル繊維を染色した分散染料の昇華による移染やその他の移染の発生を効果的に回避してその分散染料が汚染源となることを防ぐことができる。具体的な条件としては、用いられているポリエステル繊維及び分散染料の特性に応じ、例えば、100℃若しくは80℃以下の温度、好ましくは70℃以下の温度、より好ましくは60℃以下の温度或いは常温で、常圧又はそれに近い圧力を挙げることができる。
【0034】
ラテックスバッキングは、パイルがその基部において結合された基布の裏側であって、パイルの基部の一部が位置する基布の裏側に施される。これにより、ラテックスバッキングは、基布からのパイル離脱防止効果や、床面等に対するパイル保持体の滑り止め効果を発揮し得る。
【0035】
また、ラテックスバッキングの洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、その他の耐久性も良好なものとなる。
【0036】
(5) 前加硫ラテックスとしては、前加硫ゴム系ラテックス又は前加硫樹脂系ラテックスを用いることができる。
【0037】
前加硫ゴム系ラテックスの例としては、前加硫の天然ゴムラテックス、NBR(ニトリルゴム)ラテックス、SBR(スチレン‐ブタジエンゴム)ラテックス、CR(クロロプレンゴム)ラテックス、又は、BR(ブタジエンゴム)ラテックスを挙げることができるが、これらに限るものではない。
【0038】
前加硫樹脂系ラテックスの例としては、前加硫のアクリル樹脂ラテックス、塩化ビニル樹脂ラテックス、ウレタン樹脂ラテックス、ポリエチレン樹脂ラテックス、シリコーン樹脂ラテックス、エポキシ樹脂ラテックス、又は、フッ素樹脂ラテックスを挙げることができるが、これらに限るものではない。
【0039】
ゴム系ラテックス又は樹脂系ラテックス等のラテックスに対する前加硫は、例えば、硫黄加硫、有機過酸化物(例えば、t-butyl hydroperoxide、tetra ethlene pentamine等)加硫、又は、(例えばCoを線源とする)γ線照射加硫により行うことができる。
【0040】
(6) 前加硫ラテックスは、各パイルの基部の一部が基布の裏側に位置する状態で、その基布の裏側に適用する。
【0041】
基布の裏側に対する前加硫ラテックスの適用は、例えば、ロールコータやスプレーコータ等の各種コータにより塗布することにより、或いは、パディングや浸漬等により行うことができる。
【0042】
(7) 基布の裏側に適用された前加硫ラテックスの乾燥は、例えば、常温における自然乾燥や、100℃若しくは80℃以下の温度、好ましくは70℃以下の温度、より好ましくは60℃以下の温度における加熱乾燥(何れも常圧下で行うことができる)により行うことができる。加熱乾燥後は、自然冷却若しくはその他の冷却を行う。加熱乾燥後、更に自然乾燥させることもできる。
【0043】
前加硫ラテックスを乾燥させることにより、皮膜を形成させ、洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、その他の耐久性が良好なラテックスバッキングを得ることができる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例における「部」は原則として「重量部」を意味する。
【0045】
実施例1
天然ゴムラテックス 100部
硫黄 1部
酸化亜鉛 1部
分散剤[ポリカルボン酸型界面活性剤] 0.2部
加硫促進剤 PX[N-エチル-N-フェニルジチオカルバミン酸亜鉛] 0.3部
加硫促進剤 EZ[ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛] 0.3部
老化防止剤 LX[2,2'-メチレン-ビス-(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)] 0.5部
【0046】
上記配合物を反応させて完全前加硫を行うことにより、前加硫天然ゴムラテックスを得た。
【0047】
全てのパイルが分散染料により染色されたポリエステル繊維のみからなる多数のパイルが基部において結合された基布の裏側に対し、各パイルの基部の一部が基布の裏側に位置する状態で、得られた前加硫天然ゴムラテックスを100g/mの量でロールコータにより塗布した。
【0048】
塗布した前加硫天然ゴムラテックスを60℃で10分間乾燥させた後、自然冷却及び自然乾燥させることにより、前加硫天然ゴムラテックスの皮膜が形成され、基布の裏側にラテックスバッキングが施され、パイルの離脱が防止されたパイルマットが得られた。
【0049】
得られたパイルマットのラテックスバッキングについて、所定の床面に対する静止摩擦係数を、JIS L1930「繊維製品の家庭洗濯試験方法[パルセータ型洗濯機]」による洗濯の前(洗濯0回)、洗濯5回後、及び、洗濯30回後に計測した。
【0050】
また、得られたパイルマットを所定の床面上に載置して40℃で7日間放置後、同じく14日間放置後、及び同じく30日間放置度の床面の汚染の有無を目視により確認した。
【0051】
これらの結果を表1に示す。
【0052】
実施例2
天然ゴムラテックス 100部
硫黄 1部
分散剤[ポリカルボン酸型界面活性剤] 0.2部
加硫促進剤 PX[N-エチル-N-フェニルジチオカルバミン酸亜鉛] 0.3部
加硫促進剤 EZ[ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛] 0.3部
老化防止剤 LX[2,2'-メチレン-ビス-(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)] 0.5部
【0053】
配合物を上記のものとしたこと以外は実施例1と同様に処理してパイルマットを得、実施例1と同様に静止摩擦係数の計測及び所定の床面の汚染の有無確認を行った。
【0054】
結果を表1に示す。
【0055】
実施例3
天然ゴムラテックス 100部
有機過酸化物(t-butyl hydroperoxide) 1部
分散剤[ポリカルボン酸型界面活性剤] 0.2部
加硫促進剤 PX[N-エチル-N-フェニルジチオカルバミン酸亜鉛] 0.3部
加硫促進剤 EZ[ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛] 0.3部
老化防止剤 LX[2,2'-メチレン-ビス-(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)] 0.5部
【0056】
配合物を上記のものとしたこと以外は実施例1と同様に処理してパイルマットを得、実施例1と同様に静止摩擦係数の計測及び所定の床面の汚染の有無確認を行った。
【0057】
結果を表1に示す。
【0058】
比較例1
【0059】
前加硫天然ゴムラテックスに代えて天然ゴムラテックスを、基布の裏側に対し、各パイルの基部の一部が基布の裏側に位置する状態で、100g/mの量でロールコータにより塗布した後は実施例と同様に処理してパイルマットを得、実施例1と同様に静止摩擦係数の計測及び所定の床面の汚染の有無確認を行った。
【0060】
結果を表1に示す。
【0061】
比較例2
ラテックスバッキングに代え、基布の裏側に対しEVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)を100g/mの量で適用して180℃で5分間の熱処理を行うラミネート加工を施してパイルマットを得、実施例1と同様に静止摩擦係数の計測及び所定の床面の汚染の有無確認を行った。
【0062】
結果を表1に示す。
【0063】
比較例3
アクリル系発泡樹脂 100部
有機過酸化物(t-butyl hydroperoxide) 2部
【0064】
ラテックスバッキングに代え、基布の裏側に対し上記配合物を100g/mの量でロールコータにより塗布し、180℃で5分間の熱処理を行ってパイルマットを得、実施例1と同様に静止摩擦係数の計測及び所定の床面の汚染の有無確認を行った。
【0065】
結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【符号の説明】
【0067】
A パイルマット
B 基布
L ラテックスバッキング
P パイル
図1