(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記脱臭装置の吸引口の周りを囲む壁には、前記上側部材が前記上側部材載置部から取り外される際に、前記脱臭装置の吸引口に対して相対的に移動する方向とは反対側に切り欠きが設けられている、請求項5に記載されたポータブルトイレ。
前記ダクトの底部は、前記出口から左右両側に前記脱臭装置保持部に保持された前記脱臭装置に対して上下方向に重ならない位置まで延びており、かつ、前記ダクトの左右両側に向けて低くなった溝を有し、前記ダクトの左右両側に向けて低くなった溝の左右両端部にそれぞれドレン孔を有している、請求項4から10までの何れか一項に記載されたポータブルトイレ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、ここで提案されるポータブルトイレを図面に基づいて説明する。各図において同じ作用を奏する部材や部位には、同じ符号を付し、適宜に重複する説明を省略している。ここでは、説明の便宜上、ポータブルトイレに対して適宜に、前後左右の方向を設定する。図面上、前をF、後をB、左をL、右をR、上をU、下をDと表す。ここでは、ポータブルトイレに座る使用者の通常の姿勢を基準に、使用者の前方を前、後方を後とし、左右および上下が定められている。
【0011】
〈ポータブルトイレ10〉
図1は、ポータブルトイレ10の断面図である。ポータブルトイレ10は、
図1に示すように、枠体12と、トレイ14と、バケツ16とを備えている。バケツ16には、蓋22が取り付けられている。トレイ14には、便座24と上蓋26とが取り付けられている。また、トレイ14の後部には、ダクト18と、脱臭装置28が取り付けられている。また枠体12には、肘掛け32、33(
図2参照)と背もたれ34が取り付けられている。また、枠体12には、脚42、43(
図3参照)が取り付けられている。
【0012】
〈枠体12〉
図2は、枠体12の平面図である。
図3は、枠体12の正面図である。
図4は、枠体12の左側面図である。枠体12は、木製の部材であり、
図2に示すように、前面材12aと、左面材12bと、右面材12cと、後面材12dとを備えている。
【0013】
前面材12aは、枠体12のうち、バケツ16が配置される領域A1の前側に配置される部材である。左面材12bは、バケツ16が配置される領域A1の左方に配置される部材である。右面材12cは、バケツ16が配置される領域A1の右方に配置される部材である。後面材12dは、バケツ16が配置される領域A1の後ろ側に配置される部材である。
【0014】
この実施形態では、前面材12aは、板状の部材であり、左面材12bの前部と、右面材12cの前部との間に渡されている。前面材12aの下縁は、左右方向の中央部12a1において上方に高くなっている。このポータブルトイレ10では、中央部12a1の下に広い空間S2が確保されている。なお、この実施形態で、バケツ16が配置される領域A1は、前面材12aと、左面材12bと、右面材12cと、後面材12dとで囲まれた空間である。バケツ16が配置される領域A1は、バケツ16が大凡収容されているとよい。この実施形態では、バケツ16の一部(上縁部の前側の部位)が前面材12aよりも前方にはみ出ているが、前面材12aは、バケツ16が配置される領域A1の前側に配置されているものとする。
【0015】
この実施形態では、左面材12bと右面材12cは、それぞれ複数の部材が組み合わされている。
図5は、左面材12bの右側面図であり、左面材12bの内側を示している。
【0016】
左面材12bは、
図5に示すように、前側部材12b1と、後側部材12b2とを備えている。前側部材12b1の上部には、外方(左面材12bでは左方)に座面を延ばすように配置された移乗補助部材12b3が取り付けられている。後側部材12b2は、前側部材12b1の後ろ縁に接続されている。後側部材12b2の上部は上方に延びており、その上縁に背もたれ34(
図1参照)を支持する支柱部材12b4が設けられている。左面材12bの内側には、トレイ14を支持する支持板12b5と、高さ調節ブロック12b6と、左脚42とが取り付けられている。支持板12b5は、前後に延びる棒状の部材で、左面材12bの内側において、所定の高さに取り付けられている。
【0017】
左脚42は、左面材12bの前後において上下方向に延びた脚体42a,42bと、前後の脚体42a,42bの間に渡された間材42cと、前後の脚体42a,42bの下端に取り付けられたベース42dとを備えている。ベース42dの後端には、キャスター42eが取り付けられている。
【0018】
右面材12cと右脚43(
図3参照)は、左面材12bと左脚42とそれぞれ同様の構造である。つまり、右面材12cは、
図1に示すように、前側部材12c1と、後側部材12c2と、移乗補助部材12c3(
図3参照)と、背もたれ34の支柱部材12c4とを備えている。右面材12cの内側には、
図2に示すように、支持板12c5と、高さ調節ブロック12c6と、右脚43とが取り付けられている。ここで、
図2では、右側の支持板12c5は、前後方向の中間部分が破断された状態で示されており、高さ調節ブロック12c6が図示されている。右脚43は、
図1および
図3に示すように、前後の脚体43a,43bと、間材43c(
図2参照)と、ベース43dと、キャスター43eとを備えている。
【0019】
左面材12bと右面材12cには、それぞれ肘掛け32,33が取り付けられている。左側の肘掛け32は、
図4に示すように、肘掛基材32aと肘掛部材32bとヒンジ32cと操作機構32dとを備えている。このうち肘掛基材32aは、板状の部材であり、左面材12bの左側面(外側面)に取り付けられている。肘掛部材32bは、肘掛基材32aの上縁の後端部にヒンジ32cを介して取り付けられている。操作機構32dは、肘掛部材32bの下面に取り付けられている。この実施形態では、肘掛部材32bの下面を操作し、肘掛部材32bと肘掛基材32aとの係合を解除し、肘掛部材32bを上方に回動させることができる。肘掛部材32bの下面で操作してそのまま肘掛部材32bを上方に挙げれば良いので、肘掛部材32bの操作が片手で行える。右側の肘掛け33は、
図3に示すように、左側の肘掛け32と同様に、肘掛基材33aと肘掛部材33bとヒンジ33cと操作機構33dとを備えており、右面材12cの右側面(外側面)に取り付けられている。
【0020】
後面材12dは、
図2および
図5に示すように、左面材12bと右面材12cの後部に渡されている。この実施形態では、後面材12dは、第1後面材12d1と、第2後面材12d2とを備えている。第1後面材12d1は、それぞれ棒状の板材である。第1後面材12d1は、左面材12bと右面材12cの後部において、第2後面材12d2よりも上側に配置されている。第2後面材12d2は、左面材12bと右面材12cの後部において、下部に配置されている。
【0021】
〈トレイ載置部50〉
枠体12は、トレイ14を予め定められた位置に載置するトレイ載置部50を有している。この実施形態では、トレイ載置部50は、
図2に示すように、前面材12aと、左右の支持板12b5,12c5と、第1後面材12d1との各部材の上面に設けられている。
【0022】
〈押さえ部材12e〉
枠体12は、トレイ載置部50に載置されたトレイ14の後部14bの上面に当たる押さえ部を備えているとよい。トレイ14の後部14bの上面に当たる押さえ部として、この実施形態では、後面材12d(ここでは、第1後面材12d1)の上方に押さえ部材12eが配置されている。押さえ部材12eは、
図3に示すように、左右の面材12b,12cからそれぞれ内側に突出している。押さえ部材12eは、
図1に示すように、トレイ載置部50に載置されたトレイ14の後部14bの上面のすぐ上に配置されている。枠体12に対してトレイ14の前部14aが押し下げられる場合には、トレイ14の後部14bの上面が押さえ部材12eに当たる。このため、トレイ載置部50に載置されたトレイ14の前部14aが押し下げられない。
【0023】
例えば、介護を要する使用者をベッドからポータブルトイレ10に移乗させるような場合には、使用者が便座24に対して適切な位置よりも前側にずれて座る状態が生じうる。トレイ14には、便座24が設けられており、便座24を通じてトレイ14に使用者の体重が掛かる。このポータブルトイレ10では、トレイ14が、前面材12aよりも前方に出ている。このため、使用者の体重がトレイ14の前部14aに掛かった場合には、枠体12の前面材12aが支点となってトレイ14の前部14aが押し下げられ、かつ、トレイ14の後部14bが持ち上がるように力が作用する。この実施形態では、枠体12には、トレイ載置部50に載置されるトレイ14の後部14bの上に、押さえ部材12eが設けられている。このため、トレイ14の後部14bが持ち上がるような力が作用してもトレイ14の後部14bが、押さえ部材12eに当たる。このように押さえ部材12eが当たっていると、トレイ14の前部14aが大きく押し下げられない。
【0024】
〈トレイ14〉
トレイ14は、樹脂製であり、バケツ16を予め定められた位置に載置するバケツ載置部14cを有している。トレイ14は、枠体12のトレイ載置部50に載置される。トレイ載置部50に載置されたトレイ14の前部14aは、平面視において、枠体12の前面材12aよりも前に出ている。このように、トレイ14が、前面材12aよりも前方に出ているので、前面材12aに尿がかかりにくい。この観点において、トレイ14の前部14aは、前面材12aの最前部12a2(この実施形態では、上部の前縁(
図9参照))よりも5mm以上、好ましくは1cm以上、前方に出ているとよい。また、トレイ14が前面材12aによって安定して支持されているには、トレイ14が前面材12aよりも前方に出ている距離は、例えば、8cm以下、好ましくは5cm以下であるとよい。この実施形態では、トレイ14の前部14aは、前面材12aの最前部12a2よりも大凡3cm前方に出ている。また、トレイ14の前面上部は、
図9に示すように、前方に向かうにつれて下方に傾斜した傾斜面14dと、傾斜面14dの下縁から後方へ窪む段差14d1とを備えている。この場合、傾斜面14dを伝う尿が、傾斜面14dの下縁から床に落ちやすい。このため、トレイ14の前面を尿が伝う場合でも、枠体12の前面材12aに尿がかかりにくい。また、トレイ14は、バケツ載置部14cに載置されるバケツ16の外側を覆うバケツ収容部14eを備えているとよい。トレイ14が、バケツ16の外側を覆っていることにより、ポータブルトイレ10の外観印象が向上する。
【0025】
図6は、トレイ14の斜視図である。
図7は、バケツ16が載せられたトレイ14の斜視図である。
図8は、下側部材64の斜視図である。
図9は、トレイ14が載せられた枠体12の前部の拡大したポータブルトイレ10の縦断側面図である。
図9ではトレイ14に載置されたバケツ16は、2点鎖線で示されている。
図10は、トレイ14の横断正面図であり、
図6のX−X断面図である。この実施形態では、トレイ14は、
図6に示すように、上側部材62と下側部材64とを備えている。
【0026】
〈上側部材62〉
上側部材62は、
図6および
図7に示すように、バケツ16を予め定められた位置に載置するバケツ載置部14cと、バケツ載置部14cに載置されたバケツ16の周りに延びた受け部62bとを備えている。この実施形態では、トレイ14の上側部材62は、中央部にバケツ16が装着される開口62cを有している。開口62cの周囲には、上方に立ち上がった内壁62dが設けられている。バケツ載置部14cは、内壁62dの上縁に設けられている。当該内壁62dの外周には、窪み62eが設けられている。窪み62eの外周には上方に立ち上がった外壁62fが設けられている。外壁62fには、段差があり、便座24が載置される載置部62gが設けられている。
【0027】
このように、上側部材62は、バケツ16の周りに尿を受ける受け部62bが設けられている。上側部材62は、いわゆる「受け板」として機能する。上側部材62は、下側部材64の上に被せられている。上側部材62の前部62aには、
図9に示すように、外壁62fの上部が外側へ折れ曲がって下方に延びた外縁部62hを備えている。外壁62fと、下方に延びた外縁部62hとの間にはリブ62iが設けられている。また、上側部材62の後部62mには、
図6に示すように、脱臭装置28へと繋がる空気のダクト接続口62nが設けられている。ダクト18は、
図1に示すように、ダクト接続口62nの裏面に取り付けられている。
【0028】
〈下側部材64〉
下側部材64は、
図1に示すように、バケツ収容部14eを備えている。この実施形態では、バケツ収容部14eは、バケツ載置部14cに載置されるバケツ16の外側を覆い、かつ、バケツ16の底を囲んでいる。つまり、バケツ16の外周面16aは、トレイ14の下側部材64によって大凡囲まれている。このため、バケツ16の外周面16aを伝うなどして下側部材64の内側に溢れた尿は、バケツ収容部14eによって受けられる。このバケツ収容部14eによって、下側部材64は、いわゆる「汚水受け」として機能する。
【0029】
また、下側部材64は、枠体12に設けられたトレイ載置部50に載せられる。
図9に示すように、下側部材64の前部64aの下面には、枠体12の前面材12aの上に載せられる面64bと、当該面64bから前面材12aの後面(内側面)に沿って上下方向に延びた面64cとからなる段差64dが設けられている。
【0030】
また、下側部材64の前部64aは、
図8に示すように、上方に突出した突起64fを有している。突起64fは、平面視において前部64aの上縁64eよりも内側(後方)に設けられている。これに対して、上側部材62の前部62aの裏面は、
図9に示すように、突起64fに当たる当り部62jを有している。上側部材62の前部62aが下側部材64の突起64fによって支持されている。このように、この実施形態では、トレイ14の前部14aにおいて、上側部材62が下側部材64に安定して支持されるとともに、所要の強度が確保されている。また、トレイ14の前部14aの支持構造として、上述した突起64fが設けられていることによって、下側部材64の前部64aの上縁64eに荷重が集中するのを防止できる。また、この実施形態では、下側部材64の底面64gが上方に盛り上げられた突起64fが設けられている。下側部材64の底面64gが盛り上げて突起64fが設けられているので、部品点数が多くならない。さらに突起64fが設けられた下側部材64の上面が連続した面になるので、下側部材64の上面が拭きやすく掃除が容易になる。
【0031】
また、下側部材64の前部64aの上縁64eは、上側部材62に当たっている。下側部材64の前部64aの上縁64eが上側部材62に当たっていることによって、上側部材62に作用する荷重は、下側部材64に支持される。この実施形態では、トレイ14の前部14aでは、上側部材62の外縁部62hの裏面(下面)に設けられたリブ62iに下側部材64の上縁64eが当たっている。このことによって、上側部材62に作用する荷重が下側部材64に支持されるのでトレイ14の前部14aが変形しにくい。
【0032】
また、この実施形態では、トレイ14の前面上部は、前方に向かうにつれて下方に傾斜した傾斜面14dを備えている。そして、この傾斜面14dの下縁から後方に窪んだ段差14d1が設けられている。この実施形態では、トレイ14の前面では、上側部材62の外縁部62hが下側部材64の前部64aの上縁64eを覆っている。当該外縁部62hの前面62h1は、上部から下部に向かうにつれて前方に傾斜している。そして、前面62h1の下縁の内側に下側部材64の上縁64eが嵌まっており、前面62h1の下縁から後方に窪んだ段差14d1が形成されている。このため、トレイ14から前方に溢れた尿が、上側部材62の外縁部62hの前面62h1を伝う場合、外縁部62hの前面62h1の下縁から床に落ちる。このため、下側部材64には伝わりにくい。さらに、この実施形態では、下側部材64の前面64hは、前部64aの上縁64eから下方に向かうにつれて後方に傾斜している。このため、尿が下側部材64の前面64hを伝う場合でも、尿はその途中で下側部材64の前面64hから下方に落ちやすい。さらに、下側部材64の前面64hの下端は、前面材12aよりも前に出ている。この実施形態では、下側部材64の前面64hの下端は、前面材12aよりも5mm以上(1cm程度)前に出ている。このため、下側部材64の前面64hを伝う尿は、枠体12の前面材12aにまで到達しにくく、ポータブルトイレ10の前面において尿が枠体12に付着しにくい。
【0033】
また、
図10に示すように、トレイ14の左右両側においても、上側部材62の周縁部62kが、下側部材64の上縁64iに被さっている。このため、上側部材62と下側部材64の変形が小さく抑えられ、全体としてトレイ14の変形が小さく抑えられる。また、便座24が載置される上側部材62の載置部62gの裏面に当たるように、下側部材64に段差64jが設けられている。当該下側部材64の段差64jの裏面(下面)は、左面材12bと右面材12cの内側に設けられた支持板12b5、12c5(
図3参照)に載せられる。このように、下側部材64は、前後、左右において、枠体12に設けられたトレイ載置部50に載置されている。便座24が載置される上側部材62の載置部62gは、下側部材64および枠体12によって支持されている。
【0034】
また、トレイ14の後部14bでは、
図7および
図8に示すように、下側部材64の後部64kに、上側部材62の後部62mが被さっている。
図1に示すように、上側部材62の後部62mと下側部材64の後部64kは、上下に重ねられて枠体12の第1後面材12d1に載せられており、押さえ部材12eによって上面が押さえられている。当該部位は、トレイ14の前部が下側に荷重を受けた際に持ち上げられ、押さえ部材12eに押し当たる。この実施形態では、上側部材62の後部62mと下側部材64の後部64kとが重ねられているので、所要の強度が確保されている。また、下側部材64の後部64kには、上側部材62のダクト接続口62nに対応して、脱臭装置28が保持される脱臭装置保持部64mが設けられている。
【0035】
このように、このポータブルトイレ10は、トレイ載置部50に載置されたトレイ14の前部14aが、平面視において、枠体12の前面材12aよりも前に出ており、枠体12が汚れにくい。枠体12の前面材12aよりも前に出ていることに関連し、枠体12に設けられた押さえ部(上述した実施形態では、押さえ部材12e)によって、トレイ14の後部が浮き上がるのを防止されている。また、トレイ14の前部の強度向上についても種々工夫されている。また、ポータブルトイレ10の前面に尿が漏れにくい構造とすることや、使用者および介助者の便宜などが図られている。
【0036】
次に、ダクト18および脱臭装置28の取付構造を説明する。
図11は、トレイ14の後部に配置されたダクト18および脱臭装置28を拡大した断面図である。トレイ14は、受け部62bと、ダクト接続口62nと、ダクト取付部62pとを備えている。
【0037】
この実施形態では、トレイ14は、上側部材62と下側部材64とを備えている。下側部材64は、枠体12のトレイ載置部50に載置される。上側部材62は、下側部材64の上に載置される。
図12は、ダクト18が取り付けられた上側部材62の底面図である。
図12では、上側部材62の裏面にダクト18が取り付けられている。
図13は、上側部材62の部分拡大底面図である。
図13では、ダクト18が取り外された上側部材62のダクト取付部62pが拡大されている。
図14は、ダクト18の平面図である。
図15は、ダクト18の斜視図である。
図15では、内部構造が分かるようにダクト18が部分的に破断されている。
【0038】
上側部材62は、
図6および
図7に示すように、上述のようにバケツ載置部14cと、受け部62bと、ダクト接続口62nとを備えている。また、上側部材62の裏面には、
図13に示すように、ダクト取付部62p(
図13参照)が設けられている。
【0039】
受け部62bは、
図6および
図7に示すように、上述のようにバケツ載置部14cの周りに延びており、バケツ載置部14cに載置されたバケツ16から溢れる尿を受ける部位である。受け部62bは、トレイ14の上面において、バケツ載置部14cの周りで全体として窪んでいる。このため、バケツ16から溢れた尿は、トレイ14の上面において受け部62bに溜まる。ダクト接続口62nは、上側部材62の後部に設けられている。この実施形態では、ダクト接続口62nは、上側部材62の後部62mにおいて受け部62bの側面に形成されている。上側部材62の裏面では、ダクト接続口62nに脱臭装置28に繋がるダクト18が取り付けられる(
図11参照)。ダクト接続口62nは、上側部材62の受け部62bから空気を吸い込む吸込口として機能する。
【0040】
ダクト取付部62pは、
図12および
図13に示すように、上側部材62の後部かつ裏側に設けられている。ダクト取付部62pは、ダクト18を保持する。ダクト18は、
図12に示すように、上側部材62の裏面において、ダクト接続口62nを覆うように装着される。ダクト取付部62pには、ダクト18を支持する支持爪62p1〜62p4が配置されている。支持爪62p1〜62p4には、ダクト18の上縁部が装着されて保持される。支持爪62p1〜62p4は、ダクト18の上縁部に応じ、ダクト18の上縁部を保持しうる位置に配置されている。
【0041】
下側部材64は、
図8に示すように、枠体12のトレイ載置部50に載置される被載置部64Aと、上側部材を予め定められた位置に載置する上側部材載置部64Bと、バケツ載置部14cに載置されたバケツ16を囲む壁64Cとを備えている。この実施形態では、被載置部64Aは、トレイ載置部50として枠体12に設けられた前面材12aと、左右の支持板12b5,12c5と、第1後面材12d1とに載せられる部位である。上側部材載置部64Bは、前後左右における下側部材64の上縁(64e,64i,64j,64k)および突起64fで構成されている。また、下側部材64には、脱臭装置28を保持する脱臭装置保持部64mが設けられている。
【0042】
〈脱臭装置28〉
この実施形態では、脱臭装置28は、
図1に示すように、略直方体の筐体を有している。下側部材64の脱臭装置保持部64mは、下側部材64の後部において、バケツ収容部14eにおける下側部材64の底面64gよりも高い位置に設けられている。下側部材64の脱臭装置保持部64mには、脱臭装置28の筐体に応じた矩形の開口64m1が形成されている。脱臭装置28は、当該開口64m1に上方から装着される。脱臭装置28の筐体の外周面の中間位置には、
図11に示すように、突起28aがある。脱臭装置28が下側部材64の矩形の開口64m1に装着された際に、突起28aは、開口64m1の上縁に当たる。開口64m1の左右両側には、
図8に示すように、爪64m2が内側に突出している。脱臭装置28は、開口64m1に装着されることによって、下側部材64の脱臭装置保持部64mに予め定められた姿勢で保持される。この実施形態では、下側部材64の脱臭装置保持部64mに保持された脱臭装置28の吸引口28bは、上方に向けられている。
【0043】
〈センサ28d〉
ここで、トレイ14の上縁において、
図6では、センサ28dが外された状態が図示されており、
図7では脱臭装置28のセンサ28dが取り付けられた状態が図示されている。脱臭装置28は、センサ28d(
図7参照)を有している。センサ28dは、脱臭装置本体28cに配線されており、センサ28dで検知された情報は、電気信号として脱臭装置本体28cに送られる。下側部材64の後部の上縁には、
図8に示すように、センサ28dが配置されるセンサ配置部64nが設けられている。この実施形態では、センサ配置部64nとして、下側部材64の後部の上縁に矩形の大凡平坦な面が設けられている。センサ配置部64nには、センサ28dのコード28eを装着する溝64n1が設けられている。また、
図6に示すように、上側部材62の後部には、切欠き62qが形成されている。当該切欠き62qには、
図7に示すように、センサ配置部64nに置かれたセンサ28dが露出する。
【0044】
〈ダクト18〉
ダクト18は、
図11、
図12および
図14に示すように、上側部材62の裏面において、ダクト接続口62nを覆うように装着される。この実施形態では、ダクト18は、入口18aと出口18bとを備えている。入口18aは、ダクト接続口62nに通じる部位である。ダクト18の入口18aは、
図11および
図12に示すように、ダクト接続口62nを覆っている。ダクト18の入口18aの上縁18a1は、上側部材62のダクト接続口62nの裏面に応じた形状である。ダクト18の上縁18a2は、ダクト接続口62n周りの上側部材62の裏面に応じた形状である。ダクト18の後部は、左右に延びている。出口18bは、脱臭装置28に通じる部位である。ダクト18の出口18bは、ダクト18の入口18aの後方中央部に設けられており、下方に向けて開口している。ダクト18の出口18bは、下側部材64に保持された脱臭装置28の吸引口と上下に接続されるように、上側部材62の予め定められた位置に配置される。
【0045】
ダクト18は、
図15に示すように、下方に窪んだ底部を有している。ダクト18の上縁18a2は、ダクト18が取り付けられる部位において上側部材62の裏面に沿った形状を有している。この実施形態では、ダクト取付部62pの支持爪62p1〜62p4は、
図12に示すように、ダクト18の上縁のうち、左右に延びた部位の2か所の前角部と、後縁部の2か所を保持している。また、ダクト18がダクト取付部62pに取り付けられた状態において、ダクト18の出口18bは下向きに開口している。
図11に示すように、下側部材64の上の予め定められた位置に上側部材62が載置された状態では、上側部材62に取り付けられたダクト18の出口18bと、下側部材64に保持された脱臭装置28の吸引口28bとは、上下に接続されている。
【0046】
このように、ダクト取付部62pは、上側部材62の裏面に設けられている。そして、ダクト18は、下方に窪んでおり、ダクト18の上縁18a2は、ダクト18がダクト取付部62pの予め定められた位置に取り付けられた状態において、上側部材62の裏側に沿った形状を有している。これにより、
図1に示すように、ダクト18と上側部材62の裏面との間には、脱臭装置28に繋がるダクト空間が形成されている。このような構造では、ダクト18は、上下に分離される一対の金型で成形されうるので作りやすい。
【0047】
ここで、上側部材62が上側部材載置部64Bから取り外される。この際、上側部材62に取り付けられたダクト18が脱臭装置28の吸引口28bに対して移動する方向M1(
図11参照)において、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとが干渉しない。このため、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとがスムーズに外れる。
【0048】
この実施形態では、上側部材62の後部62mの上方に押さえ部材12eがある。このため、上側部材62は、上側部材62の後部62mが押さえ部材12eをかわす位置まで、前部62aを少し持ち上げつつ前方に移動させつつ、下側部材64の上側部材載置部64Bから上側部材62が取り外される。ここで、上側部材62が上側部材載置部64Bから取り外される際に、脱臭装置本体28cに対してダクト18が移動する方向は、
図11において矢印Mで示されている。
【0049】
図11において、脱臭装置28の吸引口28bは、2点鎖線で表されている。ダクト18の出口18bには、
図11および
図12に示すように、脱臭装置28の吸引口28bの周りを囲む壁18b1が設けられている。当該壁18b1には、上側部材62が上側部材載置部64Bから取り外される際に、脱臭装置28の吸引口28bに対して相対的に移動する方向M1とは反対側に切り欠き18b2が設けられている。つまり、この実施形態では、ダクト18の出口18bの壁18b1は、ダクト18の後部において脱臭装置28の吸引口28bの後方に延びていない。
【0050】
このため、ダクト18を前方(上側部材62が上側部材載置部64Bから取り外される際の移動方向M1)に移動させても、ダクト18の出口18bは、脱臭装置28の吸引口28bに当たらない。このように、上側部材62を取り外す際に、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとが干渉せずに取り外されるとよい。これにより、上側部材62およびダクト18の取り外しが容易になる。このように、上側部材62が上側部材載置部64Bから取り外される際の移動方向M1において、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとが干渉しないとよい。なお、ここで「ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとが干渉しない」とは、上側部材62を下側部材64から取り外す際に、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとが引っ掛からずに外れればよいことを意味する。つまり、上側部材62を下側部材64から取り外す際に多少抵抗を生じさせるものでもよい。したがって、上側部材62を下側部材64の上側部材載置部64Bから取り外す際に、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとが多少当たったり、引っ掛かったりして抵抗を生じさせるものでもよい。
【0051】
図11および
図12に示された形態では、ダクト18の出口18bの周りに設けられた壁18b1が、脱臭装置28の吸引口28bの外側を覆うように配置されている。ダクト18の出口18bと、脱臭装置28の吸引口28bは、
図11および
図12に示された形態に限定されない。
図16は、変形例に係る上側部材62に取り付けられたダクト18の底面図であり、当該ダクト18と、下側部材64に保持された脱臭装置28の吸引口28bの位置関係を示している。ここで、脱臭装置28の吸引口28bは、2点鎖線で示されている。
図16に示された形態では、ダクト18の出口18bの壁18b1の外方に、脱臭装置28の吸引口28bの壁が延びている。この実施形態では、脱臭装置28の吸引口28bには、ダクト18の出口18bの周りを囲む壁28b1が設けられている。当該壁28b1には、上側部材62が上側部材載置部64Bから取り外される際に、脱臭装置28の吸引口28bがダクト18に対して相対的に移動する方向M2とは反対側に切り欠き28b2が設けられている。このため、上側部材62が上側部材載置部64Bから取り外される際の、脱臭装置28に対する移動方向M2において、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとが干渉しない。
【0052】
このように、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとのうち何れか一方には、他方の周りを囲む壁が設けられているとよい。この場合、当該壁には、上側部材62が上側部材載置部64Bから取り外される際に、出口18bと吸引口28bとのうち壁が設けられていない他方が、壁が設けられている一方に対して相対的に移動する方向とは反対側に切り欠きが設けられているとよい。この場合、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとのうち何れか一方には、他方の周りを囲む壁が設けられているので、空気が漏れにくい。そして、壁が設けられていない他方が、壁が設けられている一方に対して相対的に移動する方向とは反対側に切り欠きが設けられている。このため、上側部材62が上側部材載置部64Bから取り外される際に、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとの接続がスムーズに解消される。
【0053】
〈遮蔽部18c〉
ダクト18は、
図11、
図14および
図15に示すように、入口18aと出口18bとの間に立てられた遮蔽部18cとを備えている。遮蔽部18cは、
図14に示すように、ダクト18の中央部において、ダクト18の底部18dから上方に立ち上がった壁である。上側部材62のダクト接続口62nを通じてダクト18の入口18aには、尿が入り込む場合がある。この実施形態では、ダクト18内に、ダクト18の入口18aと出口18bを遮るように遮蔽部18cが設けられている。このため、入口18aからダクト18に入り込んだ尿は、遮蔽部18cによって遮られ、脱臭装置28へ通じる出口18bに付着しにくい。
【0054】
また、ダクト18の出口18bは、ダクト18の底部に形成されており、ダクト18の内側において、出口18bの周りに立ち上がった壁18b3を有している。壁18b3には、上述した遮蔽部18cが含まれる。ダクト18の出口18bの周りにこのような壁18b1を設けられていることによって、ダクト18に入った尿がさらに出口18bに入り込みにくくなる。
【0055】
また、この実施形態では、遮蔽部18cは、底部18dから上方に向かうにつれて後方に向けて徐々に傾いている。このため、遮蔽部18cに当たった尿は、ダクト18の底部18dの方に流れていく。ダクト18の底部18dは、遮蔽部18cの前部から左右両側に至る遮蔽部18cの周りに溝18d1がある。溝18d1の外周には、上方に立ち上がった壁18d2が設けられている。また、この実施形態では、この壁18d2の外側には、開口18d3が形成されている。また、ダクト18の底部18dには、当該開口18d3の周りにも壁18d4が設けられている。このため、ダクト18の底部18dに溜まった尿などの汚水は、開口18d3から脱臭装置28の吸引口28bの方へ流れで出にくい。
【0056】
また、当該左右の開口18d3は、
図16に示すように、脱臭装置28の吸引口28bに連通されている。なお、
図12では、ダクト18の裏面において、図面上、開口18d3が吸引口28bの壁と重なっており、明確に図示されていない。
図12の形態においても、当該左右の開口18d3を通じて、ダクト18の内部と脱臭装置28の吸引口28bとが繋がっている。このように、ダクト18の出口18bと、左右の開口18d3とが、脱臭装置28の吸引口28bへ繋がっている。このように、ダクト18は、脱臭装置28の吸引口28bへ繋がる複数の開口を備えているとよい。このことによってダクト18から脱臭装置28へ繋がる流路が広く確保される。このため、ダクト18の内の空気がスムーズに脱臭装置28へ吸引される。この結果、ダクト18を通じた脱臭装置28の吸引力を高く維持できる。このような構成を含めて、この実施形態では、トレイ14の受け部62bから、ポータブルトイレ10の後方に吸引するダクト18において、脱臭装置28の吸引力を高く維持することと、ポータブルトイレ10の前後方向におけるダクト18の奥行きを短くすることとが両立されている。
【0057】
〈ドレン孔18e〉
図14に示すように、ダクト18の後部は、左右両側に延びている。ダクト18の後部では、遮蔽部18c周りの溝18d1の外周に設けられた壁18d2が途切れている。遮蔽部18c周りの溝18d1は、前部中央が高くなっており、左右に沿って徐々に低くなっている。溝18d1は、ダクト18の後部に沿って左右両側に延びている。溝18d1は、左右に向けてそれぞれ低くなっている。当該溝18d1の左右両端には、ドレン孔18eが設けられている。ダクト18の底部18dは、溝18d1に向けて低くなっている。さらに溝18d1は左右両端のドレン孔18eに向けて低くなっている。
【0058】
上述のようにダクト18の底部は、ドレン孔18eを備えているとよい。そして、ダクト18の底部は、ドレン孔18eへ向けて低くなっているとよい。この場合、ダクト18に多量の尿が入った場合でも、ドレン孔18eから排出されるので、出口18b側へ流出するのを防止できる。
図17は、下側部材64と脱臭装置28とダクト18が組み付けられた状態を示す平面図であり、下側部材64とドレン孔18eとの位置関係を示す拡大図である。ここで、ダクト18およびドレン孔18eは、破線で示されている。この実施形態では、下側部材64は、ダクト18のドレン孔18eの下方まで延びている。この場合、ダクト18に入り込んだ尿がドレン孔18eから流下する場合でも下側部材64によって受け止められる。このため、ダクト18に入り込んだ尿は床に零れない。
【0059】
以上のように、ポータブルトイレ10は、
図1に示すように、枠体12と、トレイ14と、脱臭装置28とを備えている。枠体12は、トレイ14を予め定められた位置に載置するトレイ載置部50を備えている。
図7に示すように、脱臭装置28は、脱臭装置本体28cと、センサ28dと、コード28eとを備えている。コード28eは、脱臭装置本体28cとセンサ28dとを繋いでいる。トレイ14は、センサ28dが配置されるセンサ配置部64nと、脱臭装置本体28cを保持する脱臭装置保持部64mとを備えている。このため、脱臭装置28は、トレイ14に保持されており、枠体12からトレイ14を取り外す際に、脱臭装置28も一緒に取り外せる。かかる観点において、上述した実施形態では、トレイ14は、上側部材62と下側部材64とに上下に重ねられた2部材からなるが、かかる形態に限定されず、トレイ14は、上側部材62と下側部材64とが一体的な1部材で構成されていてもよい。この場合、トレイ14は、上述したようなセンサ配置部64nと、脱臭装置保持部64mとを備えているとよい。
【0060】
また、ポータブルトイレ10では、トレイ14は、トレイ載置部50に載置される下側部材64と、下側部材64の上に載置される上側部材62とを備えている。下側部材64は、上側部材62が載置される上側部材載置部64Bと、センサ配置部64nと、脱臭装置保持部64mとを備えている。この場合、下側部材64に、センサ配置部64nと、脱臭装置保持部64mとが設けられているので、枠体12に下側部材64および脱臭装置28を残して、上側部材62を取り外すことができる。このため、上側部材62のみ清掃したい場合などに便利である。この場合、コード28eは、上側部材62が上側部材載置部64Bから取り外される際に、上側部材62と干渉しない位置に配線されているとよい。これにより、上側部材62を取り外す際に、コード28eが引っ掛かりにくく、上側部材62の取り外しや取り付けがスムーズに行える。
【0061】
また、ポータブルトイレ10は、バケツ16と、ダクト18とを備えている。トレイ14は、バケツ16を予め定められた位置に載置するバケツ載置部14cと、バケツ載置部14cに載置されたバケツ16の周りに延びた受け部62bと、受け部62bに設けられたダクト接続口62nと、ダクト18を予め定められた位置に取り付けるダクト取付部62pとを備えている。ダクト18は、ダクト接続口62nに通じる入口18aと、脱臭装置28に通じる出口18bとを備えている。ダクト取付部62pは、ダクト18が取り付けられた状態で保持する。このポータブルトイレ10では、ダクト18は、トレイ14のダクト取付部62pに取り付けられた状態で保持されている。このため、ダクト18がトレイ14と一緒に取り外されるため、ダクト18の取り外しが容易であり、例えば、ダクト18周りが掃除しやすくなる。かかる観点において、上述した実施形態では、トレイ14は、上側部材62と下側部材64とに上下に重ねられた2部材からなるが、かかる形態に限定されず、トレイ14は、上側部材62と下側部材64とが一体的な1部材で構成されていてもよい。この場合、トレイ14は、上述したようなセンサ配置部64nと、脱臭装置保持部64mと、バケツ載置部14cと、受け部62bと、ダクト接続口62nと、ダクト取付部62pとを備えているとよい。
【0062】
上述した実施形態では、トレイ14は、枠体12のトレイ載置部50に載置される下側部材64と、下側部材64の上に載置される上側部材62とを備えている。上述したように上側部材62は、バケツ載置部14cと、受け部62bと、ダクト取付部62pと、ダクト接続口62nとを備えている。下側部材64は、枠体12のトレイ載置部50に載置される被載置部64Aと、上側部材62を予め定められた位置に載置する上側部材載置部64Bと、バケツ載置部14cに載置されたバケツ16を囲む壁64Cと、センサ配置部64dと、脱臭装置保持部64mとを備えている。このようにトレイ14が上側部材62と下側部材64とで構成されており、ダクト18は、上側部材62のダクト取付部62pに取り付けられている。このため、上側部材62を取り外す際に、上側部材62に取り付けられたダクト18が一緒に取り外される。この場合、トレイ14のうち上側部材62を取り外すことによってダクト18が取り外されるので、ダクト18がさらに取り外しやすくなる。つまり、ダクト18は、トレイ14の上側部材62と一緒に取り外される。このため、下側部材64を含むトレイ14全体を枠体12から取り外す必要が無いので、ダクト18の取り外しが容易になる。なお、下側部材64には、脱臭装置28(すなわち、脱臭装置本体28c、センサ28dおよびコード28e)が残る。また、上側部材62と下側部材64を一緒に枠体12から取り外せば、ダクト18および脱臭装置28が一緒に取り外される。
【0063】
この実施形態では、脱臭装置28は、吸引口28bを備えている。脱臭装置本体28cは、下側部材64の脱臭装置保持部64mに保持されている。下側部材64はトレイ載置部50に載置されている。上側部材62が上側部材載置部64Bに載置されており、かつ、ダクト18がダクト取付部62pに取り付けられている。この状態において、ダクト18の出口18bと、脱臭装置28の吸引口28bとが接続されている。このように、脱臭装置28は、上側部材62が下側部材64の上側部材載置部64Bに載置された状態で、上側部材62に保持されたダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bが接続されるとよい。脱臭装置28は、脱臭装置保持部64mに保持されている場合、下側部材64の上側部材載置部64Bに対して所定位置に上側部材62を載置することによって、上側部材62に取り付けられたダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとが接続される。このため、ダクト18と脱臭装置28との接続が容易になる。
【0064】
また、下側部材64の脱臭装置保持部64mに脱臭装置28が保持された状態において、脱臭装置28の吸引口28bは上向きに開口している。ダクト18は、上側部材62のダクト取付部62pに取り付けられた状態において、ダクト18の出口18bは下向きに開口している。下側部材64はトレイ載置部50に載置され、上側部材62が上側部材載置部64Bに載置される。そして、上側部材62が上側部材載置部64Bに載置された状態で、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとが上下に接続される。この実施形態のように、上側部材62を取り外す際に、脱臭装置28の吸引口28bに対して、ダクト18を前後に移動させて取り付ける形態においては、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとが上下に接続されているとよい。これによって、上側部材62を取り外す際に、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとを、干渉させず外しやすくなる。この実施形態では、脱臭装置28の吸引口28bに対して、ダクト18を前後に移動させて取り付ける形態であるが、脱臭装置28の吸引口28bに対して左右方向、さらには水平方向にダクト18を移動させて取り付ける形態において同様である。また、上述した実施形態では、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとが上下に接続される構造であるが、ダクト18の出口18bと脱臭装置28の吸引口28bとは、左右横方向に接続されてもよい。このように、上側部材62を、下側部材64に置いたときに、ダクト18と脱臭装置28とがどのように接続されるかについては、上述した実施形態に特に限定されない。
【0065】
図18は、上側部材62、下側部材64および脱臭装置28が組み付けられた状態を示す背面図である。
図18に示すように、コード28eは、上側部材62が上側部材載置部64Bから取り外される際に通過しない領域に配線されている。この実施形態では、下側部材64の上面にセンサ28dを配置するためのセンサ配置部64nが設けられている。そして、上側部材62には、当該センサ配置部64nに置かれるセンサ28dが露出するように切欠き62qが形成されている。切欠き62qは後方に延びている。上側部材62は上側部材載置部64Bから取り外される際に、下側部材64に対して前方に移動する。切欠き62qが後方に延びているために、上側部材載置部64Bから取り外される際に上側部材62はセンサ28dに干渉しない。この場合、コード28eは、上側部材62が上側部材載置部64Bから取り外される際に通過しない領域に配線されているとよい。この実施形態では、コード28eは、下側部材64の後部に沿って配線されている。この場合、上側部材62およびダクト18を取り外す際に、センサ28dが下側部材64に置かれた状態で残り、センサ28dおよびコード28eが邪魔にならない。また、コード28eは、枠体12の後面材12dの内側に配線されているとよい。この場合、枠体12から下側部材64を取り外す際には、脱臭装置本体28cとセンサ28dとコード28eが一緒に取り外される。このため、下側部材64を枠体12から取り外す際に、コード28eが邪魔にならない。
【0066】
また、上述した実施形態では、トレイ14は、上側部材62と下側部材64とで構成されているが、上側部材62と下側部材64とで構成されていなくてもよい。例えば、トレイ14が、バケツ16の周りに配置される受け板(上述した実施形態では上側部材62)のみで構成されていてもよい。この場合、図示は省略するが、枠体12の前面において、バケツ16を隠すように化粧板が取り付けられているとよい。また、単独でトレイ14として用いられる上側部材62は、所要の剛性を備えているとよい。また、上述した実施形態では、脱臭装置28の脱臭装置本体28cは、トレイ14に保持されているが、脱臭装置本体28cは、枠体12に取り付けられてもよい。この場合、脱臭装置本体28c、センサ28dおよびコード28eを枠体12に残して、トレイ14が枠体12から取り外せるように構成されているとよい。
【0067】
次に、ここで提案されるポータブルトイレのダクトの構造について纏める。
【0068】
ダクト18は、
図11に示すように、ダクト接続口62nに通じる入口18aと、脱臭装置28に通じる出口18bと、入口18aと出口18bとの間に立てられた遮蔽部18cとを備えている。かかる遮蔽部18cによって、入口18aからダクト18内部に入った尿が、脱臭装置28に通じる出口18bに入りにくい。このため、脱臭装置28に尿が入りにくい。
【0069】
この場合、ダクト18は、トレイ14に取り付けられていてもよい。ダクト18がトレイ14に取り付けられていることによって、トレイ14と一緒にダクト18を枠体12から取り外すことができ、ダクト18の取り外しが容易になる。
【0070】
この実施形態では、トレイ14は、枠体12のトレイ載置部50に載置される下側部材64と、下側部材64の上に載置される上側部材62とを備えている。この場合、
図12に示すように、ダクト18は、上側部材62に取り付けられていてもよい。つまり、上側部材62は、ダクト18を予め定められた位置に取り付けるダクト取付部62pを備えているとよい。この場合、ダクトは、上側部材と一緒に取り外すことができる。
【0071】
また、図示は省略するが、ダクト18は、下側部材64に取り付けられるものでもよい。つまり、下側部材64は、ダクト18を予め定められた位置に取り付けるダクト取付部を備えていてもよい。そして、下側部材64の上側部材載置部64Bに上側部材62が載置された際に、上側部材62のダクト接続口62nとダクト18の入口18aとが接続されるとよい。この場合、上側部材62を下側部材64から取り外した際に、ダクト18が下側部材64に残される。この場合でも、上側部材62を取り外すとダクト18が露出するので、ダクト18周りの清掃が容易になる。なお、ダクト18は、脱臭装置28の吸引口28bに、取り外し可能に取り付けられていてもよい。この場合、脱臭装置28は、ダクトを予め定められた位置に取り付けるダクト取付部を備えているとよい。また、ダクト18は、枠体12に取り付けられてもよい。この場合、枠体12は、ダクトを予め定められた位置に取り付けるダクト取付部を備えているとよい。
【0072】
また、ダクト18は、
図11に示すように、下方に窪んだ底部を有し、ダクト18の上縁18a2は、上側部材62の裏側に沿った形状を有し、かつ、上側部材62の裏側に沿って配置されているとよい。この場合、ダクト18は、上下一対の金型で成形できる形状となり、製造コストを低く抑えることができる。
【0073】
また、ダクト18の出口18bは、
図14に示すように、ダクト18の底部に形成されており、当該出口18bの周りに立ち上がった壁18b3を有する。この場合も、ダクト18内に入り込んだ尿が、底部に溜まり、出口18bに流れにくい。さらに、ダクト18の底部は、ドレン孔18eを備えているとよい。さらに、ダクト18の底部は、ドレン孔18eへ向けて低くなっているとよい。そして、
図17に示すように、下側部材64は、ダクト18のドレン孔18eの下方に延びているとよい。これにより、ダクト18に入り込んだ尿は、ドレン孔18eを通じて下側部材64に排出されるので、床に溢れにくい。
【0074】
以上、ここで提案されるポータブルトイレについて実施形態を説明した。ここで提案されるポータブルトイレは、特に言及されない限りにおいて、ここで例示した実施形態に限定されず、種々変更されてもよい。