【実施例】
【0015】
本発明の実施例に係る面状照明装置は、
図1から
図3に示すように、主に、前方基板10と後方基板30との間に配設される筐体40内に形成される収容部41に複数のLED51を有する光源部50と導光板60とを収容し、所定形状が切り抜かれて、前方基板10の前方側に配設される表示部20を備えて構成される。これにより、面状照明装置は、LED51から照射される光を導光板60における一方の主面である出射面63を介して、表示部20における所定の切り抜き形状21から出射するものである。
【0016】
前方基板10は、透過性を有して、導光板60から照射される光を前方側へ出射するものである。当該前方基板10は、面状照明装置の前方側のパネルとなる部分であり、意匠性を奏するように外形が所定形状に形成されるものである。また、前方基板10は、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル等の合成樹脂で形成され、厚さ寸法は、0.5mmから1mm程度とされる。
【0017】
表示部20は、所定形状が切り抜かれた状態で前方基板10に配設され、切り抜き形状21に合わせて光を出射させるものである。当該表示部20は、例えば、一方に粘着性を有する薄膜層からなり、前方基板10に貼着固定される。詳細には、表示部20は、薄膜フィルム体又は薄膜シート体の塩化ビニル等の合成樹脂からなる。また、表示部20は、文字、図形等の各種のデザインを切り抜くことができるものであれば、特に制限されるものではなく、いわゆるカッティングシートを用いることができる。
【0018】
後方基板30は、遮光性、反射性を有して、導光板60から照射される光を前方側へ反射するものである。当該後方基板30は、面状照明装置において、筐体40を介して前方基板10と対向する位置に配設され、当該装置の後方側のパネルとなる部分であり、前方基板10と同様にして、所定形状に形成される。後方基板30は、前方基板10と略同様の形状とすることが望ましいが、これに限られるものではない。また、後方基板30は、例えば、塩化ビニル等の合成樹脂で形成され、厚さ寸法は、0.5mmから1mm程度とされる。
【0019】
筐体40は、前方基板10と後方基板30の間に配設され、内部に光源部50と導光板60とを収容するものである。当該筐体40は、面状照明装置の厚み部分を主に形成するものであり、前方基板10及び後方基板30と同様にして、所定形状に形成される。筐体40においても、前方基板10及び後方基板30と略同様の形状とすることが望ましいが、これに限られるものではない。
【0020】
また、筐体40は、装置全体の薄型化、軽量化を図るために、例えば、低発泡塩ビ板、アクリル樹脂板、スチレンボード等の合成樹脂板から形成され、厚さ寸法は、3mmから5mm程度とされるが、加工性に優れた合成樹脂板であれば、特に制限されるものではない。また、筐体40に白色の合成樹脂板を用いることで、光源部50から出射される光の損失を少なくすることができるので、望ましい。
【0021】
また、筐体40の略中央部には、光源部50と導光板60とを収容するための収容部41が前方側から後方側にかけて貫通して形成される。当該収容部41は、光源部50を収容する領域と、導光板60を収容する領域とを区画して形成することもできるし、両者を一体として形成することもできる。
【0022】
また、光源部50が収容される領域の外側位置には、LED51に電圧を印加する配線54を収容するための凹部42が収容部41に連通して形成される。当該凹部42は、所定の深さを有して、例えば、後方側から前方側に形成されるが、収容部41と同様に、前方側から後方側にかけて貫通するようにして形成することもできる。
【0023】
光源部50は、複数のLED51と、当該LED51を配設させる(実装させる)ための連結部52とから構成される。当該LED51は、サイドビュー型のLEDとされ、連結部52は、複数のLED51を所定間隔を有して配設できるよう、必要な長さ寸法を有する帯状体とされる。このとき、LED51が配設された連結部52の面の法線と、LED51の出射面53の法線とが直交する関係とされる。すなわち、LED51の出射面53を導光板60の入射面61に向けるようにして配設される。また、連結部52には、回路基盤(図示しない)が接続されており、配線54を介して電源、制御装置等(図示しない)に接続されている。
【0024】
導光板60は、収容部41に収容可能な形状を有してなり、例えば、アクリル樹脂等の合成樹脂で形成される。当該導光板60は、LED51を配置する側の側面である入射面61と、入射面61に対向する対向面62と、入射面61に直交し、一方の主面となる出射面63と、出射面63に対向する他方の主面となる反射面64とから構成される。当該入射面61の厚さ寸法は、LED51における出射面53の厚さ寸法と略同等に形成されるか、当該厚さ寸法より大きく形成されている。
【0025】
また、反射面64側には、例えば、複数のドット等からなるプリズム構造65が形成されており、これによりLED51から照射される入射面61の入射光を出射面63から面状に出射させることができる。また、反射面64側には、反射面64を通過した光を導光板60に反射させるために、反射シート(図示しない)等を設けることが望ましい。
【0026】
このようにして構成される面状照明装置は、次のようにして組み立てられるが、組立工程の順序が異なるものであってもよいのは勿論である。まず、収容部41とされる貫通孔が形成される筐体40を前方基板10に固着する。当該収容部41は、導光板60より僅かに大きい外形を有してなり、導光板60の入射面61からLED51の光を入射させるために、光源部50を設置し得る所定の寸法が確保されている。これにより、収容部41における前方側の開口部分が前方基板10によって覆設された状態となる。表示部20においては、予め前方基板10に貼着固定されるものであってもよいし、面状照明装置の組立後に貼着固定されるものであってもよい。
【0027】
本実施例においては、収容部41は矩形状からなり、面状照明装置の下方側からLED51の光を入射させるために、収容部41の下方側に光源部50の設置スペースを確保した状態とされる。
【0028】
光源部50は、収容部41内に配設される実装部43に固定される。より詳細には、実装部43の面と連結部52の面とを平行な状態として両者を固定し、LED51が配設された連結部52の面の法線と、LED51の出射面53の法線とが直交した状態とする。当該実装部43は、LED51の出射面53が導光板60における入射面61の厚み寸法の略中央部に位置するよう、前方基板10側から後方基板30側へ突出するよう設けられるものである。
【0029】
本実施例においては、実装部43は、収容部41に別途配設されるものであるが、筐体40の一部を延出させることで形成される段部とすることもできる。また、実装部43は、後述の調整板44の一部を延出して形成することもできる。
【0030】
そして、導光板60の出射面63を前方基板10に対向させた状態で、導光板60の入射面61をLED51の出射面53に当接させるとともに、LED51の出射面53が導光板60における入射面61の厚み寸法の略中央部に位置するように、収容部41の内部に導光板60を嵌め込み、接着テープ等の固定手段を介して筐体40に固定する。このとき、LED51が配設された連結部52の面の法線と、LED51の出射面53の法線とが直交する関係にあり、且つ、LED51の出射面53の法線と、導光板60の入射面61の法線とが平行する関係を維持した状態で固定される。
【0031】
本実施例においては、収容部41における導光板60の位置を調整するために、前方基板10と導光板60との間に調整板44を配設している。当該調整板44は、導光板60から出射される光を透過するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、アクリル樹脂からなる。調整板44は、導光板60の出射面63と略同等形状を有することが望ましいが、光の出射の観点から少なくともプリズム構造65が形成される領域を有していればよい趣旨である。
【0032】
最後に、光源部50の配線54を凹部42に収容し、必要に応じて反射シート(図示しない)を導光板60の後方側に配設して、後方基板30にて閉蓋する。これにより、収容部41における後方側の開口部分が後方基板30によって覆設された状態となる。
【0033】
本実施例においては、略L字状の支持部31を後方基板30の後方側に設置することで、スタンド型の面状照明装置とすることができる。また、例えば、前方基板10、筐体40及び後方基板30の上方端部に貫通孔を設けて、吊り下げ型の面状照明装置とすることもできるし、これに限られない。
【0034】
以上、説明した本発明に係る面状照明装置によれば、筐体40に収容部41としての貫通孔を形成するという簡易な構造を採用し、主として、筐体40に形成される収容部41に光源部50と導光板60とを収容することで組み立てられるので、組み立て作業を容易に行うことができる。
【0035】
また、前方基板10、筐体40及び後方基板30においては、合成樹脂から形成されるため、夫々の外形を容易に所望の形状とすることができ、面状照明装置を意匠性に優れたものとすることができる。また、面状照明装置の厚さ寸法を5mmから7mm程度とすることができ、当該装置全体の薄型化を図るとともに、軽量化を図ることができる。
【0036】
さらには、表示部20は、一方に粘着性を有する薄膜層とされるため、切り抜き形状21が微小なものであっても、色むらを生じさせることなく、その外形を明瞭なものとして、導光板60からの光を出射させることができる。
【0037】
上述した実施例において、収容部41は、筐体40の略中央部に貫通して形成され、前方基板10のみから出射されるものであったが、これに限られるものではない。例えば、前方基板10側の出射面63とともに、面状照明装置の外側端部から光を出射することもできる。
【0038】
具体的には、
図4及び
図5に示すように、筐体40の外形縁部において、筐体40の厚さ寸法が小さくなるよう階段状の載置部45を設けてなり、LED51の出射面53が筐体40の外側方向を向くようにして、外側光源部55が載置部45に配設される。このとき、LED51が配設された連結部52の面の法線と、LED51の出射面53の法線とが直交する関係とされる。また、LED51の出射面53は、筐体40における縁部と同一直線状に位置するか、当該縁部より僅かに内側方向に位置して配設される。
【0039】
また、筐体40の縁部を周回するようにして、光拡散部70が設けられる。当該光拡散部70は、縁部に配設された外側光源部55のLED51からの光を拡散するものであり、例えば、乳半色等の光拡散樹脂又は光拡散ガラス等を用いることができる。光拡散部70は、筐体40の外形より大きく形成される前方基板10と後方基板30によって挟持された状態で、筐体40における縁部の外側位置にて固定される。これにより、光拡散部70の外側縁部を両基板10、30の縁部から外側方向へ露呈させることで、両基板10、30の外側方向(面状照明装置の外形箇所)を発光させることができる。また、光拡散部70の外側縁部を両基板10、30の縁部より内側に配置させることもできるし、これに限られない。
【0040】
更に、上述した実施例において、前方基板10、筐体40及び後方基板30の配置、寸法、材質等を適宜変更して実施することが可能である。例えば、光源部50においては、導光板60における入射面61からLED51の光を入射させるものであったが、対向面62側においても同様にして光源部50を配設し、入射面61と対向面62の両者から光を入射させることもできる。これにより、導光板60の形状が大きくなった場合においても、出射面63から出射される光量を十分に確保することができる。更に、一部構成を省略することができるし、一部抽出した構成とすることができるのは勿論である。