(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
実施の形態1の照明装置100は、制御装置410と通信するのは親機330のみである点が特徴である。また、親機330、子機340はいずれもケースでパッケージングされており、照明装置100の仕様にあわせて、容易に子機340を照明装置100に増設できる点が特徴である。
以下図面を参照して説明する。
図1は、無線制御システム400の概略図である。
図2は、照明装置100(照明器具とも呼ばれる)の斜視図である。
図3は、照明装置100を器具本体200と光源ユニット300とに分けた分解斜視図である。
図4は、フレーム310へのカバー320の取付を説明するための図である。
図4では、フレーム310には電源ユニット350,360と、光源ユニット着脱機構301A,301Bの構成部品等を示しており他の部品は省略している。
【0011】
<***構成の説明***>
図1に示すように、無線制御システム400は、照明装置100の外部に位置する制御装置410と、照明装置100の内部に配置された無線ユニット420から構成される。無線ユニット420は、無線ユニット親機330と無線ユニット子機340とを備える。以下、無線ユニット親機330は親機330と記し、無線ユニット子機340は子機340と記す。
図1では、制御装置410と親機330とを結ぶ破線、親機330と子機340とを結ぶ破線は、無線通信を示す。親機330は、制御装置410および子機340と無線通信が可能である。後述のように親機330は第1の制御信号S1に基づき電源ユニット350を制御する。子機340は、制御装置410との通信機能は持たない。後述のように子機340は第2の制御信号S2に基づき電源ユニット360を制御する。
【0012】
無線ユニット420では、親機330のみが照明装置100の外部に位置する制御装置410と無線通信を行い、親機330自身及び子機340により、電源ユニット350、電源ユニット360を制御する。制御には調光や消灯があるが、その他の機能を制御するものでもよい。親機330のみが制御装置410と通信するため、制御装置410との通信による制御動作を統一することができる。
【0013】
図1を参照して、制御装置410が送信する第1の制御信号S1の流れを説明する。制御装置410が送信する制御信号を第1の制御信号S1と記し、第1の制御信号S1を受信した親機330が無線送信する制御信号を第2の制御信号S2と記す。
子機が複数ある場合でも親機330が無線送信する信号は第2の制御信号S2である。
(1)制御装置410は、第1の制御信号S1を無線送信する。第1の制御信号S1の持つ制御情報は、親機330、子機340を識別する識別情報であるアドレスと、制御内容を指示する制御データとを含む。この例では、第1の制御信号S1は、親機の制御情報として「親機アドレス、親機に対する調光度の指示」及び子機の制御情報として「子機アドレス、子機に対する調光度の指示」を含むとする。なお、第1の制御信号S1に含める制御情報は、親機と子機とに対してどのような情報の組み合わせでもよい。上記の例では親機、子機の両方を含めているが一方の制御情報だけでもよい。また、親機と複数の子機とがある場合において第1の制御信号S1に親機の制御情報を含める場合には、親機の制御情報のみを含めてもよいし、親機と少なくとも1台の子機の制御情報を含めてもよい。親機の制御情報を含めない場合は、少なくとも1台の子機の制御情報を含めてもよい。
(2)親機330は、制御装置410から第1の制御信号S1を無線受信する。親機330は第1の制御信号S1に含まれる「親機アドレス、親機に対する調光度の指示」に従って、電源ユニット350へ電源ユニット制御信号S
350を出力し、電源ユニット350を調光制御する。この例では「親機に対する調光度の指示」は「電源ユニット350を調光度70%で調光」のような指示である。親機330は、第1の制御信号S1に含まれる「子機アドレス、子機に対する調光度の指示」に従って、その「子機アドレス」を持つ子機(この例では子機340)に、「子機に対する調光度」を指示する第2の制御信号S2を、無線送信により出力する。第2の制御信号S2は、「子機アドレス、子機に対する調光度の指示」を含む。「子機に対する調光度の指示」は「電源ユニット360を調光度50%で調光」のような指示である。
(3)子機340は第2の制御信号S2に含まれる「子機アドレス」から、第2の制御信号S2が自分あてであることを知り、「子機に対する調光度の指示」に従って、電源ユニット360へ電源ユニット制御信号S
360を出力し、電源ユニット360を調光制御する。
(4)なお第1の制御信号S1の子機の制御情報と、第2の制御信号S2とは同じ内容でもよい。つまり、親機330は第1の制御信号S1のうちの子機の制御情報を中継する構成でもよい。あるいは、親機330は第1の制御信号S1のうちの子機に関する制御情報を修正して、第2の制御信号S2として出力してもよい。
(5)なお
図1では親機330は一台であるが上記でも述べたように、複数台の子機の設置が可能である(後述の
図11)。
(6)なお電力は、商用電源である外部電源500から、器具本体200に配置された電源端子台210を介し、電源ユニット350、電源ユニット360に供給される。親機330、子機340はそれぞれ電源ユニット350、電源ユニット360から供給される電力で動作する。
【0014】
次に照明装置100の構造を説明する。
図3、
図4に示すように、照明装置100は、器具本体200、光源ユニット300及び無線ユニット420を備えている。
図3のように、光源ユニット300は、フレーム310、透光性を有するカバー320、無線ユニット420を構成する親機330と子機340、電源ユニット350、360を備えている。また光源ユニット300は、
図2のように、4つのLED光源370を備えている。後述する
図9のように、一つのLED光源370は複数のLED371と、基板372とを備えている。電源ユニット350、360は、外部電源500の供給する交流電力を直流電力に変換し、LED光源370に供給してLED光源370を点灯する点灯装置である。電源ユニット350、360は、親機330あるいは子機340によって動作を制御される制御動作機器9301である。
【0015】
図4に示すように、フレーム310は四角形状(
図4のabcdの内部)の平らな板状の取付部313を有する。
図3に示すように、取付部313には親機330が取り付けられる。
【0016】
この実施の形態では、後述する
図5のように、子機340を子機340に取り付けることを想定しているが、これに限らず、子機340も取付部313に取り付けられてもよい。
図3、後述の
図8では子機340が取付部313に取り付けられる場合を示している。
【0017】
図5は、子機340が親機330に取り付けられる場合の斜視図である。親機330は、ケース331を有し、ケース331によってフレーム310の取付部313に取り付けられている。
図5に示すように、ケース331には親機側固定部335−1、335−2が形成されている。
図5では親機側固定部335−2は隠れているが形状は親機側固定部335−1と同じである。親機側固定部335−1、335−2は、ネジ11によって、取付部313に形成されたフレーム側親機固定部312−1、312−2に固定される。
【0018】
子機340は、親機330のケース331とは異なる固有のケース341を有している。親機330のケース331は親機側取付部332を有しており、子機340のケース341は子機側取付部342を有している。親機側取付部332と子機側取付部342とが嵌合し係合することで、子機340のケース341が親機330のケース331に連結され取り付けられる。
図5の場合、二点鎖線で示すように子機340は親機330と横並びになる。
【0019】
また、子機340のケース331には連鎖取付部343が設けられている。連鎖取付部343とは、別の子機340の子機側取付部342と係合し、別の子機340のケース341を取り付ける部位である。連鎖取付部343は別の子機340のケース341の子機側取付部342と係合するので、連鎖取付部343の構造は親機側取付部332と同じである。連鎖取付部343によって、2台目の子機340、3台目の子機というように、子機を連鎖的に連結することが可能である。そのため、光源ユニット300に親機330の取付構造であるフレーム側親機固定部312を設けるだけで、子機340を増設することができる。よって、様々な形態の照明装置100に対応することができる。つまり複数の子機を取り付け、子機ごとに照明装置100を制御することができるので、多様な制御が可能となる。また親機330のみをフレーム310に取り付ける場合は、親機330の取付構造のみをフレーム310に形成すればよいので、無線ユニット420のための取付構造を最小限にすることができる。このため、照明装置100の構造設計を容易化できる。
【0020】
図6は、天井直付形の照明装置100の半断面図を示し、
図7は、天井埋込形の照明装置100の半断面図を示す。
図8は、光源ユニット300の平面図を示す。なお、
図8は子機340が取付部313に取り付けられる場合を示している。子機340の取付部313への取付構造は、親機330と同じであるので説明は省略する。つまり、子機340が取付部313取り付けられる場合は、取付部313はフレーム側親機固定部312に相当する部位を有し、子機340のケース341は親機側固定部335に相当する部位を有し、これらがネジで締結される。
【0021】
光源ユニット300は様々な形状の器具本体200と組み合わせて使用される。
図6の天井直付形の照明装置100の場合は、光源ユニット300は天井12から露出した状態で据え付けられる。また、
図7の天井埋込形の照明装置100の場合は、天井12より奥まった状態で据え付けられる。したがって、制御装置410と親機330との無線通信に影響を与える天井12や器具本体200による影響を少なくするため、親機330は、照明装置100の側面部(
図6、
図7)や、天井12(天井埋込形の場合)から可能な限り離れた位置となる光源ユニット300の中央部314に配置することが望ましい。
【0022】
図8では、器具本体200と着脱するための光源ユニット着脱機構301A,301Bが、取付部313に配置される領域を破線で示している。無線ユニット420(親機330、子機340)は、光源ユニット着脱機構301A,301Bの配置される領域を考慮し、光源ユニット着脱機構301A,301Bによる器具本体200との着脱作業に影響しない位置に配置する。つまり、無線ユニット420は、取付部313の中央部314に配置することで、従来の光源ユニット300と同等の施工性、つまり、光源ユニット300の器具本体200への従来同様の取付性を実現できる。
【0023】
図9は、親機330の取り付けを示す光源ユニット300の断面図である。親機330は、制御装置410との無線通信用の送受信を行うアンテナ333を備えている。アンテナ333を取付部313に設けられたスリット311から露出させることで、制御装置410と親機330との無線通信による性能を高めることができる。スリットは基板372と別の基板372との間に形成されているがその箇所を
図2に示した。なお、取付部313にスリット311のような開口部を設けると、虫や異物の侵入のおそれも考えられる。そこで、本実施の形態ではLED光源370の光を反射させる反射シート380を介在させる。つまり
図9に示すように、取付部313の一方の面である電源ユニット取付面313aに親機330が取り付けられており、電源ユニット取付面313aの裏面313bにLED光源370が配置されている。基板372と裏面313bとの間に反射シート380を配置する。反射シート380で光源ユニット300のLED光源370側の密閉性を保つことができる。
【0024】
4つのLED光源370は、それぞれ長方形であり、4つで全体として、
図2、
図8に示すように、一つの長方形の形状をなしている。
図8に示すように、反射シート380はスリット311を覆う形状であればよい。
【0025】
また、スリット311による開口はアンテナ333の水平断面よりも若干小さい面積とする。つまり、アンテナ333の水平断面の面積をスリット311の開口面積と同等以上とし、アンテナ333をスリット311による開口部に圧入して開口部を塞ぐ。これにより、アンテナ333で光源ユニット300の密閉性を保つことも可能である。なお、アンテナ333を有する親機330は取付部313の中央部314に配置されており、中央部314は光が最も補い合う位置であるため、LED光の遮蔽は最小限にすることができる。
【0026】
<変形例>
図10は、子機340の連結方法を変更した斜視図である。
図5では子機340は水平方向に増設可能であった。子機340は親機330の側面以外にも連結可能とし、光源ユニット300や組合わされる器具本体200の構造により、子機340の連結方向を変えることができる。
図10は上方向に子機340を増設する構成である。二点鎖線が連結後の子機340を示す。なお
図10には示していないが子機340の下面には
図5に示す子機側取付部342が形成されている。
【0027】
また
図1では、親機330と子機340との間は無線通信の場合を説明したが、通信ケーブル334で接続する有線通信でもよい。
【0028】
また
図11は、親機330の構成を変更した概略図である。親機330は制御装置410および子機340−1,340−2との通信機能のみとし、電源ユニット350,360の制御は子機340が行う。
図11では子機340−2が
図1の親機330の制御機能を有する。
図1では親機330自身も電源ユニットを制御したが、
図11のように親機330は制御を行わない構成でもよい。
【0029】
以上の実施の形態では、制御を受けてこの制御に応じて動作する制御動作機器9301として電源ユニット350、電源ユニット360を説明したが、制御動作機器9301は電源ユニットには限られない。制御装置410からの第1の制御信号S1により、子機340あるいは親機330を介して制御を受け、この制御に応じて動作する機器であればどのような機器でもよい。