(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び前記第2スイッチトランジスタ、前記第1及び前記第2電圧緩和トランジスタの各々は、前記第2モードの場合に供給される前記電源電圧より低い耐圧のトランジスタにより構成されている、
請求項3に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。なお、図面は簡略的なものであるから、この図面の記載を根拠として実施の形態の技術的範囲を狭く解釈してはならない。また、同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0012】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(動作ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
【0013】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1にかかる半導体装置の構成例を示すブロック図である。本実施の形態にかかる半導体装置は、例えば液晶表示装置に対して、小振幅差動信号方式のデータ信号、又は、シングルエンド信号方式のデータ信号を、共用される外部出力端子から選択的に出力する。それにより、本実施の形態にかかる半導体装置は、外部出力端子の個数を削減することができるため、回路規模の増大を抑制することができる。以下、具体的に説明する。
【0014】
図1に示すように、半導体装置1は、例えば半導体チップ上に形成され、コモンモードフィードバック回路(以下、CMFB回路と称す)11と、差動増幅回路12と、モード制御部13と、スイッチ部SW1〜SW3と、スイッチ部SW11〜SW14と、抵抗素子R1,R2と、CMOSドライバDR1,DR2と、外部出力端子PD1,PD2と、を備える。
【0015】
差動増幅回路12は、LVDS動作モード(第1モード、小振幅差動信号出力モード)において、差動入力信号Vin1,Vin2を増幅して差動出力信号Vo1,Vo2を出力する。差動出力信号Vo1,Vo2は、それぞれ外部出力端子PD1,PD2に供給され、差動出力信号Vout1,Vout2として外部に出力される。なお、差動増幅回路12は、LVDS動作モードにおいて、電源電圧として第1の電源電圧VDD1が供給されるとともに、接地電圧GNDが供給されることにより動作する。
【0016】
CMFB回路11は、LVDS動作モードにおいて、外部出力端子PD1,PD2間の中間電圧(即ち、差動出力信号Vo1,Vo2のコモンモード電圧)Vcmと、コモンモード電圧の目標電圧である基準電圧Vrefと、の差分に応じて、コモンモード電圧Vcmを基準電圧Vrefに一致させるように制御する。なお、CMFB回路11は、LVDS動作モードにおいて、電源電圧として第1の電源電圧VDD1が供給されるとともに、接地電圧GNDが供給されることにより動作する。
【0017】
CMOSドライバDR1は、CMOS動作モード(第2モード、シングルエンド信号出力モード)において、シングルエンド信号Vin3を駆動してシングルエンド信号Vo3として出力する。CMOSドライバDR2は、シングルエンド信号出力モードにおいて、シングルエンド信号Vin4を駆動してシングルエンド信号Vo4として出力する。なお、各CMOSドライバDR1,DR2は、CMOS動作モードにおいて、電源電圧として第1の電源電圧VDD1よりも高い電圧レベルを示す第2の電源電圧VDD2が供給されるとともに、接地電圧GNDが供給されることにより動作する。
【0018】
スイッチ部SW1は、外部出力端子PD1と、ノードNcm(フィードバックライン)と、の間に設けられ、動作モードに応じてオンオフが制御される。抵抗素子R1は、高抵抗の抵抗素子であって、外部出力端子PD1及びノードNcm間においてスイッチ部SW1に直列に設けられる。
【0019】
スイッチ部SW2は、外部出力端子PD2と、ノードNcmと、の間に設けられ、動作モードに応じてオンオフが制御される。抵抗素子R2は、高抵抗の抵抗素子であって、外部出力端子PD2及びノードNcm間においてスイッチ部SW2に直列に設けられる。
【0020】
スイッチ部SW3は、動作モードに応じてオンオフを切り替えることにより、第1の電源電圧VDD1に応じたクランプ電圧を、ノードNcmに供給するか否かを制御する。
【0021】
スイッチ部SW11は、差動増幅回路12の一方の出力端子と、外部出力端子PD1と、の間に設けられ、動作モードに応じてオンオフが制御される。スイッチ部SW12は、差動増幅回路12の他方の出力端子と、外部出力端子PD2と、の間に設けられ、動作モードに応じてオンオフが制御される。スイッチ部SW13は、ノードNcmのフィードバックライン上に設けられ、動作モードに応じてオンオフが制御される。
【0022】
スイッチ部SW14は、動作モードに応じた電圧レベルの電源電圧(VDD1又はVDD2)が供給される電源電圧端子VDDと、CMFB回路11及び差動増幅回路12の高電位側電圧端子VHと、の間に設けられ、動作モードに応じてオンオフが制御される。
【0023】
モード制御部13は、動作モードに応じた電圧レベルの制御信号MD1を生成し、スイッチ部SW1〜SW3,SW11〜SW14に対して出力することにより、スイッチ部SW1〜SW3,SW11〜SW14のそれぞれのオンオフを切り替える。
【0024】
なお、動作モードは、例えば仕様に応じて外部から設定されたり、半導体装置1を搭載したマイコンにより設定されたりする。また、本実施の形態では、モード制御部13が半導体装置1の内部に設けられた場合を例に説明しているが、これに限られず、半導体装置1の外部に設けられていてもよい。
【0025】
例えば、動作モードがLVDS動作モードの場合、スイッチ部SW1,SW2がオン、スイッチ部SW3がオフに制御される。それにより、外部出力端子PD1,PD2とノードNcmとがそれぞれ抵抗素子R1,R2を介して接続される。それにより、ノードNcmの電位は、外部出力端子PD1,PD2のそれぞれの電位を抵抗素子R1,R2により抵抗分割した値を示す。換言すると、ノードNcmは、外部出力端子PD1,PD2間の中間電圧Vcmを示す。なお、このとき、ノードNcmにクランプ電圧は供給されない。
【0026】
また、動作モードがLVDS動作モードの場合、スイッチ部SW11〜SW14が何れもオンする。それにより、CMFB回路11及び差動増幅回路12は、電源電圧VDD1が供給され動作する。このとき、差動増幅回路12から出力される差動出力信号Vo1,Vo2は、それぞれ外部出力端子PD1,PD2に供給される。ノードNcmにおいて生成された外部出力端子PD1,PD2間の中間電圧Vcmは、CMFB回路11にフィードバックされる。
【0027】
それに対し、動作モードがCMOS動作モードの場合、スイッチ部SW1,SW2がオフ、スイッチ部SW3がオンに制御される。それにより、外部出力端子PD1,PD2とノードNcmとの間のそれぞれの接続が切り離される。そのため、外部出力端子PD1,PD2は独立して使用可能となる。したがって、外部出力端子PD1,PD2には、それぞれCMOSドライバDR1,DR2から出力されたシングルエンド信号Vo3,Vo4が供給される。また、ノードNcmには、フローティング状態を回避するため、クランプ電圧が供給される。
【0028】
また、動作モードがCMOS動作モードの場合、スイッチ部SW11〜SW14が何れもオフする。それにより、CMFB回路11及び差動増幅回路12への電源電圧VDD1の供給は遮断される。また、差動増幅回路12と外部出力端子PD1,PD2との間の接続が切り離されるとともに、CMFB回路11とノードNcmとの間の接続が切り離される。そのため、CMFB回路11及び差動増幅回路12は、CMOS動作モードにおいて、完全に動作を停止させる。
【0029】
このような構成により、半導体装置1は、小振幅差動信号方式(LVDS)のデータ信号、又は、シングルエンド信号方式のデータ信号を、共用される外部出力端子PD1,PD2から選択的に出力する。それにより、半導体装置1は、外部出力端子の個数を削減することができるため、回路規模の増大を抑制することができる。
【0030】
(半導体装置1の適用例)
図2は、半導体装置1が搭載された半導体システムSYS1の構成例を示す図である。
図2に示すように、半導体システムSYS1は、マイコンMC1と、液晶表示装置LCD1と、を少なくとも備える。
図2の例では、半導体装置1は、マイコンMC1に搭載され、液晶表示装置LCD1に対して、小振幅差動信号方式(LVDS)のデータ信号、又は、シングルエンド信号方式のデータ信号を、仕様等に応じて選択的に外部出力端子PD1,PD2から出力する。液晶表示装置LCD1は、受信したデータ信号に応じた画像等を表示画面に表示する。
【0031】
(差動増幅回路12及びCMFB回路11の具体的構成例)
図3は、CMFB回路11及び差動増幅回路12の具体的構成例を示す回路図である。
図3に示すように、CMFB回路11は、トランジスタTr1〜Tr8を有し、差動増幅回路12は、トランジスタTr9〜Tr14を有する。
【0032】
なお、各トランジスタTr1〜Tr14は、小振幅差動信号出力モードにおいて高速動作を実現するために、例えば、CMOS動作モード時に電源電圧として供給される第2の電源電圧VDD2よりも低い耐圧を有するMOSトランジスタ(低耐圧トランジスタ)により構成されている。
【0033】
本実施の形態では、各トランジスタTr1,Tr2,Tr7,Tr8,Tr9,Tr10,Tr13がPチャネルMOSトランジスタであって、各トランジスタTr3〜Tr6,Tr11,Tr12,Tr14がNチャネルMOSトランジスタである場合を例に説明する。
【0034】
((差動増幅回路12の具体的構成例))
図3に示す差動増幅回路12において、トランジスタTr9,Tr11は第1のインバータを構成し、トランジスタTr10,Tr12は第2のインバータを構成する。また、トランジスタTr13は、電源電圧VDD1から第1及び第2のインバータに流れる電流を制御する電流源の役割を果たす。トランジスタTr14は、第1及び第2のインバータから接地電圧端子GNDに流れる電流を制御する電流源の役割を果たす。
【0035】
トランジスタTr13は、差動増幅回路12の高電位側電圧端子VHと、第1及び第2のインバータの高電位側電圧端子(トランジスタTr9,Tr10のそれぞれのソース)と、の間に設けられ、ゲートにCMFB回路11の出力電圧が印加される。トランジスタTr14は、接地電圧端子GNDと、第1及び第2のインバータの低電位側電圧端子(トランジスタTr11,Tr12のそれぞれのソース)と、の間に設けられ、ゲートにCMFB回路11の出力電圧が印加される。そのため、トランジスタTr13,Tr14のそれぞれに流れる電流は、CMFB回路11の出力電圧によって制御される。CMFB回路11の出力電圧の詳細については後述する。
【0036】
トランジスタTr9,Tr11により構成される第1のインバータでは、差動入力信号の一方である入力信号Vin1が入力され、差動出力信号の一方である出力信号Vo1が出力される。トランジスタTr10,Tr12により構成される第2のインバータでは、差動入力信号の他方である入力信号Vin2が入力され、差動出力信号の他方である出力信号Vo2が出力される。
【0037】
このような構成により、差動増幅回路12は、差動入力信号Vin1,Vin2を増幅して差動出力信号Vo1,Vo2を出力する。
【0038】
((CMFB回路11の具体的構成例))
図3に示すCMFB回路11において、トランジスタTr1〜Tr4は、差動増幅回路111を構成している。ここで、トランジスタTr1,Tr2は、差動増幅回路111の入力段を構成し、トランジスタTr3,Tr4は、差動増幅回路111の能動負荷を構成している。
【0039】
トランジスタTr1は、CMFB回路11の高電位側電圧端子VHと、差動増幅回路111の出力ノードN1と、の間に設けられ、ゲートに外部出力端子PD1,PD2間の中間電圧Vcm(ノードNcmの電圧)が供給される。トランジスタTr2は、CMFB回路11の高電位側電圧端子VHと、差動増幅回路111の出力ノードN2と、の間に設けられ、ゲートにコモンモード電圧の目標電圧である基準電圧Vrefが供給される。
【0040】
トランジスタTr3は、接地電圧端子GNDと出力ノードN1との間に設けられる。ここで、トランジスタTr3のゲートは、出力ノードN1、及び、トランジスタTr5のゲートに接続される。そのため、トランジスタTr5には、トランジスタTr3に流れる電流に比例する電流が流れる。つまり、トランジスタTr3,Tr5は、カレントミラー回路を構成している。
【0041】
トランジスタTr4は、接地電圧端子GNDと出力ノードN2との間に設けられる。ここで、トランジスタTr4のゲートは、出力ノードN2、トランジスタTr6のゲート、及び、差動増幅回路12内のトランジスタTr14のゲートに接続される。そのため、トランジスタTr6,Tr14には、それぞれトランジスタTr4に流れる電流に比例する電流が流れる。つまり、トランジスタTr4,Tr6と、トランジスタTr4,Tr14とは、何れもカレントミラー回路を構成している。
【0042】
トランジスタTr7は、高電位側電圧端子VHと接地電圧端子GNDとの間においてトランジスタTr5に直列に設けられる。トランジスタTr8は、高電位側電圧端子VHと接地電圧端子GNDとの間においてトランジスタTr6に直列に設けられる。トランジスタTr8,Tr6間のノードには、中間電圧Vcmが供給される。
【0043】
トランジスタTr7のゲートは、トランジスタTr7のドレイン、トランジスタTr8のゲート、及び、差動増幅回路12内のトランジスタTr13のゲートに接続される。そのため、トランジスタTr8,Tr13には、それぞれトランジスタTr7に流れる電流に比例する電流が流れる。つまり、トランジスタTr7,Tr8と、トランジスタTr7,Tr13とは、何れもカレントミラー回路を構成している。
【0044】
ここで、CMFB回路11は、基準電圧Vrefと中間電圧Vcmとの差分に応じて生成される出力電圧を、差動増幅回路12内のトランジスタTr13,Tr14のそれぞれのゲートに印加することにより、当該差動増幅回路12の動作電流を調整している。それにより、差動増幅回路12から出力される差動出力信号Vo1,Vo2の中心電圧(即ち、コモンモード電圧)を安定させることができる。
【0045】
(スイッチ部SW1〜SW3の具体的構成例)
図4は、スイッチ部SW1〜SW3の具体的構成例を示す回路図である。
図4に示すように、スイッチ部SW1は、トランジスタ(第1スイッチトランジスタ)MP11,MN11と、トランジスタ(第1電圧緩和トランジスタ)MP12,MN12と、を有する。スイッチ部SW2は、トランジスタ(第2スイッチトランジスタ)MP21,MN21と、トランジスタ(第2電圧緩和トランジスタ)MP22,MN22と、を有する。スイッチ部SW3は、トランジスタMP3を有する。
【0046】
なお、スイッチ部SW1〜SW3に設けられた各トランジスタは、LVDS動作モードにおいて高速動作を実現するために、CMOS動作モード時に電源電圧として供給される第2の電源電圧VDD2よりも低い耐圧を有するMOSトランジスタ(低耐圧トランジスタ)により構成されている。
【0047】
本実施の形態では、各トランジスタMP11,MP12,MP21,MP22,MP3がPチャネルMOSトランジスタであって、各トランジスタMN11,MN12,MN21,MN22がNチャネルMOSトランジスタである場合を例に説明する。
【0048】
スイッチ部SW1において、トランジスタMN11,MP11は、外部出力端子PD1とノードNcmとの間に抵抗素子R1を介して並列に設けられ、それぞれ制御信号MD1の一部である制御信号S1,S1Bによりオンオフが制御される。なお、制御信号S1,S1Bは、何れも、電源電圧端子VDDに供給される電源電圧(VDD1又はVDD2)と接地電圧GNDとの間の範囲の電圧レベルを示す。例えば、LVDS動作モードの場合、電源電圧端子VDDには第1の電源電圧VDD1が供給されるため、制御信号S1,S1Bは、第1の電源電圧VDD1と接地電圧GNDとの間の範囲(電圧振幅)の電圧レベルを示す。他方、CMOS動作モードの場合、電源電圧端子VDDには第2の電源電圧VDD2が供給されるため、制御信号S1,S1Bは、第2の電源電圧VDD2と接地電圧GNDとの間の範囲(電圧振幅)の電圧レベルを示す。また、制御信号S1Bは、制御信号S1の反転信号である。
【0049】
また、スイッチ部SW1において、トランジスタMN12は、外部出力端子PD1とトランジスタMN11との間に設けられ、制御信号MD1の一部である制御信号S21によりオンオフが制御される。トランジスタMP12は、外部出力端子PD1とトランジスタMP11との間に設けられ、制御信号MD1の一部である制御信号S22によりオンオフが制御される。なお、制御信号S21,S22は、何れも動作モードに関わらず第1の電源電圧VDD1及び接地電圧GND間の範囲の電圧レベルを示す。
【0050】
スイッチ部SW2において、トランジスタMN21,MP21は、外部出力端子PD2とノードNcmとの間に抵抗素子R2を介して並列に設けられ、それぞれ制御信号MD1の一部である制御信号S1,S1Bによりオンオフが制御される。
【0051】
また、スイッチ部SW2において、トランジスタMN22は、外部出力端子PD2とトランジスタMN21との間に設けられ、制御信号MD1の一部である制御信号S21によりオンオフが制御される。トランジスタMP22は、外部出力端子PD2とトランジスタMP21との間に設けられ、制御信号MD1の一部である制御信号S22によりオンオフが制御される。
【0052】
スイッチ部SW3において、トランジスタMP3では、ソースに第1の電源電圧VDD1が供給され、ゲートに制御信号MD1の一部である制御信号S23が供給され、ドレインがノードNcmに接続される。なお、制御信号S23は、第1の電源電圧VDD1及び接地電圧GND間の範囲の電圧レベルを示す。
【0053】
(スイッチ部SW1〜SW3の電圧印加状態)
続いて、スイッチ部SW1〜SW3の各動作モードにおける電圧印加状態について説明する。
図5は、LVDS動作モードにおけるスイッチ部SW1〜SW3の電圧印加状態を説明するための図である。
図6は、CMOS動作モードにおけるスイッチ部SW1〜SW3の電圧印加状態を説明するための図である。
【0054】
なお、本実施の形態では、電源電圧端子VDDに供給される電源電圧(VDD1又はVDD2)が動作モードに応じて切り替わっている。具体的には、LVDS動作モードの場合、電源電圧端子VDDには第1の電源電圧VDD1(本例では1.8V)が供給され、CMOS動作モードの場合、電源電圧端子VDDには第2の電源電圧VDD2(本例では3.3V)が供給されている。それに対し、スイッチ部SW3に設けられたトランジスタMP3のソースに接続された電源電圧端子LVDDには、動作モードに関わらず常に第1の電源電圧VDD1(本例では1.8V)が供給されている。
【0055】
まず、
図5に示すように、LVDS動作モードでは、差動増幅回路12が差動入力信号Vin1,Vin2を増幅して差動出力信号Vo1,Vo2を出力する。また、CMFB回路11が差動出力信号Vo1,Vo2のコモンモード電圧Vcmを基準電圧Vrefと一致させるように調整する。そして、差動出力信号Vo1,Vo2は、それぞれ外部出力端子PD1,PD2に供給され、差動出力信号Vout1,Vout2として外部に出力される。ここで、差動出力信号Vout1,Vout2は、何れも0V〜1.8Vの範囲内で例えば350mV程度の振幅を有する電圧レベルを示す。
【0056】
トランジスタMN11,MP11のそれぞれのゲートには1.8V,0Vの制御信号S1,S1Bが印加される。トランジスタMN12,MP12のそれぞれのゲートには1.8V,0Vの制御信号S21,S22が印加される。それにより、トランジスタMN11,MP11,MN12,MP12は、何れもオンする。
【0057】
トランジスタMN21,MP21のそれぞれのゲートには1.8V,0Vの制御信号S1,S1Bが印加される。トランジスタMN22,MP22のそれぞれのゲートには1.8V,0Vの制御信号S21,S22が印加される。それにより、トランジスタMN21,MP21,MN22,MP22は、何れもオンする。
【0058】
トランジスタMP3のゲートには1.8Vの制御信号S23が印加される。それにより、トランジスタMP3は、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧Vtp未満となるためオフする。つまり、ノードNcmがフローティング状態になっていないため、ノードNcmへのクランプ電圧の供給は行われない。
【0059】
ここで、
図5に示すように、LVDS動作モードでは、スイッチ部SW1〜SW3の何れのトランジスタにも耐圧を超える電圧が印加されることはない。
【0060】
次に、
図6に示すように、CMOS動作モードでは、CMOSドライバDR1,DR2がそれぞれシングルエンド信号Vin3,Vin4を駆動してシングルエンド信号Vo3,Vo4を出力する。これらシングルエンド信号Vo3,Vo4は、それぞれ外部出力端子PD1,PD2に供給され、シングルエンド信号Vout1,Vout2として外部に出力される。ここで、シングルエンド信号Vout1,Vout2は、何れも0V〜3.3Vの範囲の電圧レベルを示す。なお、
図6の例では、シングルエンド信号Vout1が3.3Vの電圧レベルを示し、シングルエンド信号Vout2が0Vの電圧レベルを示している状態が表されている。
【0061】
トランジスタMN11,MP11のそれぞれゲートには0V,3.3Vの制御信号S1,S1Bが印加される。それにより、トランジスタMN11,MP11は、何れもオフする。また、トランジスタMN12,MP12のそれぞれゲートには、1.8V,1.8Vの制御信号S21,S22が印加される。それにより、トランジスタMN12,MP12のそれぞれのオンオフが制御される。例えば、外部出力端子PD1の電位が3.3Vの場合、トランジスタMN12は、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧Vtn未満となるためオフし、トランジスタMP12は、ゲートーソース間電圧が閾値電圧Vtp以上となるためオンする。
【0062】
トランジスタMN21,MP21のそれぞれゲートには0V,3.3Vの制御信号S1,S1Bが印加される。それにより、トランジスタMN21,MP21は、何れもオフする。また、トランジスタMN22,MP22のそれぞれゲートには、1.8V,1.8Vの制御信号S21,S22が印加される。それにより、トランジスタMN22,MP22のそれぞれのオンオフが制御される。例えば、外部出力端子PD2の電位が0Vの場合、トランジスタMN22は、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧Vtn以上となるためオンし、トランジスタMP22は、ゲートーソース間電圧が閾値電圧Vtp未満となるためオフする。
【0063】
トランジスタMP3のゲートには0Vの制御信号S23が印加される。それにより、トランジスタMP3は、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧Vtp以上となるためオンする。その結果、フローティング状態であったノードNcmには1.8Vのクランプ電圧が供給される。
【0064】
ここで、仮に、
図22に示す比較例のように、スイッチ部SW1にトランジスタMN12,MP12が設けられていない場合、トランジスタMN11のゲート−ソース間電圧(3.3V)が耐圧(2.5V)を超えてしまう。また、スイッチ部SW2にトランジスタMN22,MP22が設けられていない場合、トランジスタMP21のゲート−ソース間電圧(3.3V)が耐圧(2.5V)を超えてしまう。さらに、スイッチ部SW3が設けられていない場合、ノードNcmがフローティング状態になってしまう。そのため、フローティング状態のノードNcmが0.8V以下になると、トランジスタMP11のゲート−ソース間電圧が、耐圧(2.5V)を超えてしまう可能性がある。
【0065】
それに対し、
図6の例では、スイッチ部SW1に電圧緩和用のトランジスタMN12,MP12が設けられ、スイッチ部SW2に電圧緩和用のトランジスタMN22,MP22が設けられている。さらに、フローティング状態のノードNcmに対して(例えば0.8Vを超える)クランプ電圧を供給するためのスイッチ部SW3が設けられている。そのため、CMOS動作モードであっても、スイッチ部SW1〜SW3の何れのトランジスタにも耐圧を超える電圧が印加されることはない。
【0066】
なお、
図6の例では、トランジスタMN11,MN12間のノード(ノードNxと称す)がフローティング状態となっている。しかしながら、ノードNxと外部出力端子PD1との間には、トランジスタMN12だけでなく抵抗素子R1も設けられているのに対し、ノードNxとノードNcmとの間には、トランジスタMN11が設けられているのみであるため、トランジスタMN11側にリーク電流が流れ出しやすい。そのため、トランジスタMN11,MN12間のノードNxの電位はノードNcmの電位付近に安定する。したがって、このことが原因で、トランジスタMN11,MN12に耐圧を超える電圧が印加されることはない。
【0067】
このように、本実施の形態に係る半導体装置1は、小振幅差動信号方式(LVDS)のデータ信号、又は、シングルエンド信号方式のデータ信号を、仕様等に応じて選択的に外部出力端子PD1,PD2から出力する。それにより、半導体装置1は、外部出力端子の個数を削減することができるため、回路規模の増大を抑制することができる。
【0068】
また、本実施の形態に係る半導体装置1は、各スイッチ部SW1,SW2の構成要素として、スイッチング用のトランジスタだけでなく電圧緩和用のトランジスタをさらに備える。さらに、本実施の形態に係る半導体装置1は、CMOS動作モードにおいてフローティング状態を示すフィードバックライン(ノードNcm)に対してクランプ電圧を供給するためのトランジスタをさらに備える。それにより、半導体装置1は、スイッチ部SW1〜SW3を構成する各トランジスタの耐圧破壊を防ぐことができる。
【0069】
本実施の形態では、スイッチ部SW1が抵抗素子R1とノードNcmとの間に設けられ、スイッチ部SW2が抵抗素子R2とノードNcmとの間に設けられた場合について説明したが、これに限られない。スイッチ部SW1は、抵抗素子R1と外部出力端子PD1との間に設けられてもよい。スイッチ部SW2は、抵抗素子R2と外部出力端子PD2との間に設けられてもよい。
【0070】
また、本実施の形態では、スイッチ部SW11〜SW14を設けることにより、CMOS動作モードにおいて、CMFB回路11及び差動増幅回路12への電源電圧VDD1の供給を停止させる場合を例に説明したが、これに限られない。例えば差動入力信号Vin1,Vin2の入力を固定させることで、CMFB回路11及び差動増幅回路12を実質的に動作させないようにしてもよい。この場合、スイッチ部SW11〜SW14は不要である。以下、簡単に説明する。
【0071】
(半導体装置1の変形例)
図7は、半導体装置1の変形例を半導体装置1aとして示す図である。
図7に示すように、半導体装置1aは、半導体装置1と比較して、CMFB回路11及び差動増幅回路12に代えてCMFB回路11a及び差動増幅回路12aを備えるとともに、スイッチ部SW11〜SW14を備えていない。半導体装置1aのその他の構成については、半導体装置1と同様であるため、その説明を省略する。
【0072】
ここで、半導体装置1aでは、スイッチ部SW11〜SW14が設けられていないため、CMOS動作モードでは、低耐圧トランジスタを用いて構成されたCMFB回路11a及び差動増幅回路12aに対して3.3Vの高電圧が供給されることになる。したがって、CMFB回路11a及び差動増幅回路12aには、耐圧破壊を防ぐため、電圧緩和用のトランジスタが追加されている。
【0073】
図8は、CMFB回路11a及び差動増幅回路12aの具体的構成例を示す図である。
図8に示すように、CMFB回路11aには、トランジスタTr21,Tr22,Tr25〜Tr28がさらに設けられている。
【0074】
具体的には、トランジスタTr21,Tr22,Tr25〜Tr28は、それぞれ、Tr1,Tr2,Tr5〜Tr8に縦続接続されている。また、トランジスタTr21,Tr22の各ゲートには、制御信号S22が印加され、トランジスタTr25,Tr26の各ゲートには、制御信号S21が印加され、トランジスタTr27,Tr28の各ゲートには、制御信号S22が印加される。CMFB回路11aのその他の構成については、CMFB回路11と同様であるため、その説明を省略する。
【0075】
また、
図8に示すように、差動増幅回路12aには、トランジスタTr29〜Tr32がさらに設けられている。
【0076】
具体的には、トランジスタTr29〜Tr32は、それぞれ、トランジスタTr9〜Tr12に縦続接続されている。また、トランジスタTr29,Tr30の各ゲートには、制御信号S22が印加され、トランジスタTr31,Tr32の各ゲートには、制御信号S21が印加される。差動増幅回路12aのその他の構成については、差動増幅回路12と同様であるため、その説明を省略する。
【0077】
このような構成により、半導体装置1aは、スイッチ部SW11〜SW14を備えていなくても、CMOS動作モードにおいてCMFB回路11a及び差動増幅回路12aのそれぞれを構成する各トランジスタの耐圧破壊を防ぐことができる。
【0078】
(スイッチ部SW3の変形例)
さらに、本実施の形態では、スイッチ部SW3として、PチャネルMOSトランジスタMP3が設けられた場合について説明したが、これに限られない。以下では、スイッチ部SW3の変形例についていくつか説明する。
【0079】
((スイッチ部SW3の第1変形例))
図9は、スイッチ部SW3の第1変形例をスイッチ部SW3aとして示す図である。なお、
図9には、スイッチ部SW1,SW2及びその周辺回路も示されている。
【0080】
図9に示すように、スイッチ部SW3aは、NチャネルMOSトランジスタ(以下、単にトランジスタと称す)MN3を備える。トランジスタMN3では、ドレインに第1の電源電圧VDD1が供給され、ゲートに制御信号MD1の一部である制御信号S23が供給され、ソースがノードNcmに接続される。なお、制御信号S23は、第1の電源電圧VDD1及び接地電圧GND間の範囲の電圧レベルを示す。
【0081】
図10は、スイッチ部SW1,SW2,SW3aのLVDS動作モードにおける電圧印加状態を説明するための図である。
図10に示すように、LVDS動作モードでは、トランジスタMN3のゲートに0Vの制御信号S23が印加される。それにより、トランジスタMN3は、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧Vtn未満となるためオフする。つまり、ノードNcmがフローティング状態になっていないため、ノードNcmへのクランプ電圧の供給は行われない。
【0082】
図11は、スイッチ部SW1,SW2,SW3aのCMOS動作モードにおける電圧印加状態を説明するための図である。
図11に示すように、CMOS動作モードでは、トランジスタMN3のゲートに1.8Vの制御信号S23が印加される。それにより、トランジスタMN3は、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧Vtn以上となるためオンする。その結果、フローティング状態であったノードNcmには1.8V−Vtnのクランプ電圧が供給される。
【0083】
このように、半導体装置1は、スイッチ部SW3の変形例としてスイッチ部SW3aが用いられた場合でも、変形前の場合と同等程度の効果を奏することができる。
【0084】
((スイッチ部SW3の第2変形例))
図12は、スイッチ部SW3の第2変形例をスイッチ部SW3bとして示す図である。なお、
図12には、スイッチ部SW1,SW2及びその周辺回路も示されている。
【0085】
図12に示すように、スイッチ部SW3bは、デプレション型のNチャネルMOSトランジスタ(以下、単にトランジスタと称す)MND3を備える。トランジスタMND3では、ドレインに第1の電源電圧VDD1が供給され、ゲートに制御信号MD1の一部である制御信号S23が供給され、ソースがノードNcmに接続される。なお、制御信号S23は、第1の電源電圧VDD1及び接地電圧GND間の範囲の電圧レベルを示す。
【0086】
図13は、スイッチ部SW1,SW2,SW3bのLVDS動作モードにおける電圧印加状態を説明するための図である。
図13に示すように、LVDS動作モードでは、トランジスタMND3のゲートに0Vの制御信号S23が印加される。それにより、トランジスタMND3は、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧未満となるためオフする。つまり、ノードNcmがフローティング状態になっていないため、ノードNcmへのクランプ電圧の供給は行われない。
【0087】
図14は、スイッチ部SW1,SW2,SW3bのCMOS動作モードにおける電圧印加状態を説明するための図である。
図14に示すように、CMOS動作モードでは、トランジスタMND3のゲートに1.8Vの制御信号S23が印加される。それにより、トランジスタMND3は、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧以上となるためオンする。その結果、フローティング状態であったノードNcmには1.8Vのクランプ電圧が供給される。
【0088】
このように、半導体装置1は、スイッチ部SW3の変形例としてスイッチ部SW3bが用いられた場合でも、変形前の場合と同等程度の効果を奏することができる。
【0089】
((スイッチ部SW3の第3変形例))
図15は、スイッチ部SW3の第3変形例をスイッチ部SW3cとして示す図である。なお、
図15には、スイッチ部SW1,SW2及びその周辺回路も示されている。
【0090】
図15に示すように、スイッチ部SW3cは、NチャネルMOSトランジスタ(以下、単にトランジスタと称す)MN3を備える。トランジスタMN3では、ドレインに第1の電源電圧VDD1が供給され、ゲートに制御信号MD1の一部である制御信号S1Bが供給され、ソース及びバックゲートがノードNcmに接続される。なお、制御信号S1Bは、電源電圧端子VDDに供給される電源電圧(VDD1又はVDD2)と接地電圧GNDとの間の範囲の電圧レベルを示す。
【0091】
図16は、スイッチ部SW1,SW2,SW3cのLVDS動作モードにおける電圧印加状態を説明するための図である。
図16に示すように、LVDS動作モードでは、トランジスタMN3のゲートに0Vの制御信号S1Bが印加される。それにより、トランジスタMN3は、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧未満となるためオフする。つまり、ノードNcmがフローティング状態になっていないため、ノードNcmへのクランプ電圧の供給は行われない。
【0092】
図17は、スイッチ部SW1,SW2,SW3cのCMOS動作モードにおける電圧印加状態を説明するための図である。
図17に示すように、CMOS動作モードでは、トランジスタMN3のゲートに3.3Vの制御信号S1Bが印加される。それにより、トランジスタMN3は、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧以上となるためオンする。その結果、フローティング状態であったノードNcmには1.8Vのクランプ電圧が供給される。
【0093】
図18は、スイッチ部SW1,SW2,SW3cのCMOS動作モード起動時における電圧印加状態を説明するための図である。
図18の例は、第1の電源電圧VDD1(1.8V)が供給されているが、第2の電源電圧VDD2(3.3V)が供給される前の状態を示している。このとき、トランジスタMN3は意図せずオン状態となることがないため、トランジスタMN3、ノードNcm、トランジスタMP11及びトランジスタMP12を介して意図しないリーク電流が流れることを防止することができる。
【0094】
このように、半導体装置1は、スイッチ部SW3の変形例としてスイッチ部SW3cが用いられた場合でも、変形前の場合と同等程度の効果を奏することができる。さらに、CMOS動作モード起動時におけるリーク電流を防ぐことができる。
【0095】
<実施の形態2>
図19は、実施の形態2に係る半導体装置2の一部の構成例を示す図である。
図19に示す半導体装置2は、半導体装置1と比較して、抵抗素子R1に代えてトランジスタMN13,MN14を備え、抵抗素子R2に代えてトランジスタMN23,MN24を備える。
図19の例では、トランジスタMN11〜MN13,MP11〜MP13によりスイッチ部SW1eが構成され、トランジスタMN21〜MN23,MP21〜MP23によりスイッチ部SW2eが構成されている。半導体装置2のその他の構成については、半導体装置1の場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0096】
図19に示すように、トランジスタMN13は、NチャネルMOSトランジスタであって、トランジスタMN12に直列に設けられる。そして、トランジスタMN13は、トランジスタMN12と共に、制御信号S21によってオンオフが制御される。トランジスタMP13は、PチャネルMOSトランジスタであって、トランジスタMP12に直列に設けられる。そして、トランジスタMP13は、トランジスタMP12と共に、制御信号S22によってオンオフが制御される。
【0097】
つまり、少なくともトランジスタMP13,MN13のオン抵抗が抵抗素子R1の役割を果たしている。なお、トランジスタMP13,MN13のオン抵抗だけでなく、トランジスタMP12,MN12のオン抵抗も、抵抗素子R1の役割を果たしてもよい。また、トランジスタMP13,MN13は、さらに複数段、直列に設けられてもよい。
【0098】
また、トランジスタMN23は、NチャネルMOSトランジスタであって、トランジスタMN22に直列に設けられる。そして、トランジスタMN23は、トランジスタMN22と共に、制御信号S21によってオンオフが制御される。トランジスタMP23は、PチャネルMOSトランジスタであって、トランジスタMP22に直列に設けられる。そして、トランジスタMP23は、トランジスタMP22と共に、制御信号S22によってオンオフが制御される。
【0099】
つまり、少なくともトランジスタMP23,MN23のオン抵抗が抵抗素子R2の役割を果たしている。なお、トランジスタMP23,MN23のオン抵抗だけでなく、トランジスタMP22,MN22のオン抵抗も、抵抗素子R2の役割を果たしてもよい。また、トランジスタMP23,MN23は、さらに複数段、直列に設けられてもよい。
【0100】
図20は、スイッチ部SW1,SW2,SW3eのLVDS動作モードにおける電圧印加状態を説明するための図である。
図21は、スイッチ部SW1,SW2,SW3aのCMOS動作モードにおける電圧印加状態を説明するための図である。
図20,
図21の例は、トランジスタMN13,MP13,MN23,MP23がそれぞれトランジスタMN12,MP12,MN22,MP22と同じようにオンオフが制御される以外、
図10,
図11の例と同様であるため、その説明を省略する。
【0101】
このように、半導体装置2は、半導体装置1と同等程度の効果を奏することができる。また、抵抗素子R1,R2が不要になるため、回路規模の増大を抑制することができる。なお、CMOS動作モードにおいてトランジスタMN11,MN12間のノード(ノードNxと称す)がフローティング状態になっている。しかしながら、ノードNxと外部出力端子PD1との間には、多段のトランジスタMN12,MN13が設けられているのに対し、ノードNxとノードNcmとの間には、1段のトランジスタMN11が設けられているのみであるため、トランジスタMN11側にリーク電流が流れ出しやすい。そのため、トランジスタMN11,MN12間のノードNxの電位はノードNcmの電位付近に安定する。それにより、トランジスタMN11,MN12に耐圧を超える電圧が印加されることを防ぐことができる。
【0102】
以上のように、上記実施の形態1,2に係る半導体装置1,2は、小振幅差動信号方式(LVDS)のデータ信号、又は、シングルエンド信号方式のデータ信号を、仕様等に応じて選択的に外部出力端子PD1,PD2から出力する。それにより、上記実施の形態1,2に係る半導体装置1,2は、外部出力端子の個数を削減することができるため、回路規模の増大を抑制することができる。
【0103】
また、上記実施の形態1,2に係る半導体装置1,2は、各スイッチ部SW1,SW2の構成要素として、スイッチング用のトランジスタだけでなく電圧緩和用のトランジスタをさらに備える。さらに、上記実施の形態1,2に係る半導体装置1,2は、CMOS動作モードにおいてフローティング状態を示すフィードバックライン(ノードNcm)に対してクランプ電圧を供給するためのトランジスタをさらに備える。それにより、半導体装置1は、スイッチ部SW1〜SW3を構成する各トランジスタの耐圧破壊を防ぐことができる。
【0104】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【0105】
例えば、上記の実施の形態に係る半導体装置では、半導体基板、半導体層、拡散層(拡散領域)などの導電型(p型もしくはn型)を反転させた構成としてもよい。そのため、n型、及びp型の一方の導電型を第1の導電型とし、他方の導電型を第2の導電型とした場合、第1の導電型をp型、第2の導電型をn型とすることもできるし、反対に第1の導電型をn型、第2の導電型をp型とすることもできる。