特許第6667488号(P6667488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6667488
(24)【登録日】2020年2月27日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】タービンハウジング
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/00 20060101AFI20200309BHJP
   F01D 25/24 20060101ALI20200309BHJP
   F01D 9/06 20060101ALI20200309BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20200309BHJP
   F01D 25/26 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   F02B39/00 D
   F02B39/00 T
   F01D25/24 E
   F01D9/06
   F02C7/00 E
   F01D25/26 F
   F01D25/26 B
   F01D25/24 C
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-215928(P2017-215928)
(22)【出願日】2017年11月8日
(65)【公開番号】特開2019-85949(P2019-85949A)
(43)【公開日】2019年6月6日
【審査請求日】2019年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100805
【氏名又は名称】アイシン高丘株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 悟
【審査官】 北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−082762(JP,A)
【文献】 特開2011−144764(JP,A)
【文献】 特開2007−278130(JP,A)
【文献】 特開2015−183561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 39/00
F01D 9/06
F01D 25/24
F01D 25/26
F02C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンインペラが収容されるタービン室を取り囲み、排気ガスを円環状に流通させつつ前記タービン室に流出させるスクロール流路が設けられたスクロール管部と、排気ガスを前記スクロール流路に導く導入管部と、前記タービン室から流出する排気ガスが流通する出口通路部とを有する鋳造製の内側ハウジングと、
スクロール中心軸線方向からみた場合における前記内側ハウジングの外縁部を囲う開口端部と、前記開口端部を形成する開口部と反対側に設けられ、前記出口通路部から流出した排気ガスを排出する排気出口とを有する板金製の外側ハウジングと、
を備え、
前記内側ハウジングの前記外縁部には外方へ突出する突出部が設けられ、当該突出部の突出端部と前記外側ハウジングの前記開口端部とが接合されることにより、前記外側ハウジングと前記内側ハウジングとが一体化され、
前記スクロール流路は、排気ガスが流入する流路入口と、排気ガスが流出する流路出口とを有し、流路出口から流出した排気ガスは流路入口から流入する排気ガスと合流するように形成されており、
前記突出部は、前記流路入口と前記流路出口とが設けられた合流部において、前記外縁部における他の部位よりも突出量が大きくなるように設定され、
前記突出部は、前記合流部から前記スクロール流路の下流側に向けて、突出長が徐々に短くなるように設定されていることを特徴とするタービンハウジング。
【請求項2】
タービンインペラが収容されるタービン室を取り囲み、排気ガスを円環状に流通させつつ前記タービン室に流出させるスクロール流路が設けられたスクロール管部と、排気ガスを前記スクロール流路に導く導入管部と、前記タービン室から流出する排気ガスが流通する出口通路部とを有する鋳造製の内側ハウジングと、
スクロール中心軸線方向からみた場合における前記内側ハウジングの外縁部を囲う開口端部と、前記開口端部を形成する開口部と反対側に設けられ、前記出口通路部から流出した排気ガスを排出する排気出口とを有する板金製の外側ハウジングと、
を備え、
前記内側ハウジングの前記外縁部には外方へ突出する突出部が設けられ、当該突出部の突出端部と前記外側ハウジングの前記開口端部とが接合されることにより、前記外側ハウジングと前記内側ハウジングとが一体化され、
前記導入管部の入口側端部には、前記導入管部の周方向に沿った外周部から突出する外周突出部が設けられ、
前記外側ハウジングには、前記外周突出部の突出端部に当接する当接部を有し、
前記突出端部と前記当接部とが接合されていることを特徴とするタービンハウジング。
【請求項3】
前記軸線方向からみた場合に、前記導入管部は、前記スクロール管部の下流部に近接する第1導入外縁部と、前記導入管部を挟んだ反対側の第2導入外縁部とを有し、
前記第1導入外縁部に設けられる前記突出部と、前記スクロール管部の下流部に設けられる前記突出部とが一体となり、前記第1導入外縁部と前記スクロール管部の前記下流部とをつなぐ平板状のつなぎ部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のタービンハウジング。
【請求項4】
前記第2導入外縁部に設けられた前記突出部は、前記導入管部の入口側端部より下流側に向かって突出量が大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載のタービンハウジング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気タービン過給機のタービンハウジングに関する。
【背景技術】
【0002】
車両等の内燃機関(エンジン)において、その排気系に排気タービン過給機(ターボチャージャ)が設けられる場合がある。この排気タービン過給機を排気ガスが流通することによって、内蔵されたタービンを回転させて吸入空気を過給し、それによりエンジン性能を高めて低燃費化を実現することができる。排気タービン過給機のタービンハウジンは、従来、鋳造により一体的に形成されていた。
【0003】
鋳造製品である従来のタービンハウジングでは、軽量化及びそれによるコスト低減のために薄肉化することが困難であった。そこで、タービンハウジングを鋳造部品と板金部品とに分けることにより、その軽量化を図る構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この構成では、導入流路及びスクロール流路を有する内側ハウジングが鋳造部品とされ、タービン室から流出する排気ガスの流路を形成する外側ハウジングが板金部品とされ、両ハウジングの複合により、タービンハウジングが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−183561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
鋳造製の内側ハウジングと板金製の外側ハウジングとが複合されてなる上記タービンハウジングでは、両ハウジングは溶接により固定されている。この場合、スクロール中心軸線方向から見た場合における内側ハウジングの外縁部に、外側ハウジングの板部を当接させ、その当接した部分で溶接等によって接合される。
【0006】
ところで、内側ハウジングの導入流路やスクロール流路には、エンジンから排出された直後の高温状態にある排気ガスが流通することから、内側ハウジングの表面も高温状態となる。そのため、内側ハウジングの外縁部と外側ハウジングの板内面とが当接して接合された部分も高温化してしまう。すると、内側ハウジングと外側ハウジングとの接合部分において、熱膨張によって応力が増加し、それによる亀裂が生じるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、鋳造製の内側ハウジングと板金製の外側ハウジングとの接合部位における応力増加とそれによる亀裂発生が抑制されたタービンハウジングを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、第1の発明のタービンハウジングは、
タービンインペラが収容されるタービン室を取り囲み、排気ガスを円環状に流通させつつ前記タービン室に流出させるスクロール流路が設けられたスクロール管部と、排気ガスを前記スクロール流路に導く導入管部と、前記タービン室から流出する排気ガスが流通する出口通路部とを有する鋳造製の内側ハウジングと、
スクロール中心軸線方向からみた場合における前記内側ハウジングの外縁部を囲う開口端部と、前記開口端部を形成する開口部と反対側に設けられ、前記出口通路部から流出した排気ガスを排出する排気出口とを有する板金製の外側ハウジングと、
を備え、
前記内側ハウジングの前記外縁部には外方へ突出する突出部が設けられ、当該突出部の突出端部と前記外側ハウジングの前記開口端部とが接合されることにより、前記外側ハウジングと前記内側ハウジングとが一体化されていることを特徴とする。
【0009】
第1の発明によれば、高温状態の排気ガスが導入流路やスクロール流路を流通することで内側ハウジングの表面温度が高まっても、その熱が内側ハウジングと外側ハウジングとの接合部位に伝わる前に、突出部の側面から放熱される。この放熱効果により、接合部位における過度な高温化が抑制され、当該部位における応力増加とそれによる亀裂発生を抑制できる。
【0010】
第2の発明では、第1の発明のタービンハウジングにおいて、
前記スクロール流路は、排気ガスが流入する流路入口と、排気ガスが流出する流路出口とを有し、流路出口から流出した排気ガスは流路入口から流入する排気ガスと合流するように形成されており、
前記突出部は、前記流路入口と前記流路出口とが設けられた合流部において、前記外縁部における他の部位よりも突出量が大きくなるように設定されていることを特徴とする。
【0011】
内側ハウジングにおけるスクロール流路の合流部を有する部位は、高温状態の排気ガスの影響を受け、内側ハウジングの中で最も表面温度が高くなる。そのため、第2の発明によれば、当該部位の外縁部に設けられた突出部によって十分な放熱効果が得られ、内側ハウジングと外側ハウジングとの接合部位における過度な高温化を好適に抑制できる。
【0012】
第3の発明では、第2の発明のタービンハウジングにおいて、
前記突出部は、前記合流部から前記スクロール流路の下流側に向けて、突出長が徐々に短くなるように設定されていることを特徴とする。
【0013】
内側ハウジングでは、スクロール流路の合流部から下流側に向けての部位は、排気ガスが徐々にタービン室に流出することにより、下流側に行くほど表面温度が低下する。そのため、放熱効果を得るための突出部の突出長を低く設定しても、内側ハウジングと外側ハウジングとの接合部位における過度な高温化を抑制できる一方で、突出長を短くしたことで内側ハウジングの大型化や重量増加を抑制できる。したがって、第3の発明によれば、スクロール流路に沿った内側ハウジングの表面温度分布に合わせて突出部の突出長が調整され、放熱効果を得つつ内側ハウジングの大型化や重量増加を抑制できる。
【0014】
第4の発明では、第1の発明乃至第3の発明のいずれか一つのタービンハウジングにおいて、
前記軸線方向からみた場合に、前記導入管部は、前記スクロール管部の下流部に近接する第1導入外縁部と、前記導入管部を挟んだ反対側の第2導入外縁部とを有し、
前記第1導入外縁部に設けられる前記突出部と、前記スクロール管部の下流部に設けられる前記突出部とが一体となり、前記第1導入外縁部と前記スクロール管部の前記下流部とをつなぐ平板状のつなぎ部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
第4の発明によれば、互いに近接する外縁部に設けられる突出部同士が一体化されて平板状をなすつなぎ部とされていることにより、突出部の表面積を広げて放熱効果が高められる。特に、スクロール流路の下流部では、合流部に近づくにつれて内側ハウジングの表面温度が上昇するため、放熱効果の高まりは、内側ハウジングと外側ハウジングとの接合部位における過度な高温化の抑制に好適となる。また、内側ハウジングは鋳造製であるため、平板状をなすつなぎ部として一体化することで、互いに近接する外縁部同士の間に隙間が形成されず、鋳造性を高めることができる。
【0016】
第5の発明では、第4の発明のタービンハウジングにおいて、
前記第2導入外縁部に設けられた前記突出部は、前記導入管部の入口側端部より下流側に向かって突出量が大きくなるように設定されていることを特徴とする。
【0017】
例えば、タービンハウジングを内燃機関(エンジン)のシリンダヘッドに取り付ける場合、シリンダヘッドは水冷により排気ガスの温度に比べて十分温度が低くなっているため、タービンハウジングの取付け部分における温度は低くなっている。その場合、内側ハウジングの表面温度は、導入管部の入口側端部から下流側に向かって高くなる。そのような場合に、第5の発明によれば、導入管部の外縁部に設けられた突出部は温度が高くなるほど突出量も大きくなるように設定されるため、十分な放熱効果を得ることができる。また、温度が低い状態の入口側端部では突出量が小さくなるように設定されるため、温度分布に合わせて突出部の突出量が調整され、放熱効果を得つつ内側ハウジングの大型化や重量増加を抑制できる。
【0018】
第6の発明では、第1の発明乃至第4の発明のいずれか一つのタービンハウジングにおいて、
前記導入管部の入口側端部には、前記導入管部の周方向に沿った外周部から突出する外周突出部が設けられ、
前記外側ハウジングには、前記外周突出部の突出端部に当接する当接部を有し、
前記突出端部と前記当接部とが接合されていることを特徴とする。
上記第5の発明とは逆に、例えば、タービンハウジングを排気マニホールドに取り付ける場合、排気マニホールドは排気ガスの影響により高温状態となっているため、タービンハウジングの取付け部分における温度も高温状態となっている。その場合、内側ハウジングの表面温度は、導入管部の入口側端部においてすでに高温状態となっている。そのような場合に、第6の発明によれば、導入管部の外縁部に設けられた突出部だけでなく、外周突出部においても放熱効果が得られる。これにより、前述のような取付け対象である場合に、導入管部の入口側端部の外周部分においても、過度な高温化が抑制され、当該部位における応力増加とそれによる亀裂発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】タービンハウジングを示す斜視図。
図2】タービンハウジングを示す分解斜視図。
図3】内側ハウジングを示す平面図。
図4図3におけるつなぎ部の一部拡大図。
図5】外側ハウジングの開口端部が内側ハウジングの外縁部に当接した状態を一部破断して示す平面図。
図6図1におけるA−A断面図。
図7】内側ハウジングにおける温度分布を示すグラフ。
図8】タービンハウジングの別例における排気入口付近を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、自動車用の排気タービン過給機(ターボチャージャ)に用いられるタービンハウジングに具体化したものである。
【0021】
図1及び図2に示すように、本実施形態のタービンハウジング10は、内側ハウジング11と、外側ハウジング12とを備えている。内側ハウジング11は鋳造製であり、外側ハウジング12は板金製である。タービンハウジング10は、この両者の複合によって構成されたものとなっている。
【0022】
図2及び図3に示すように、内側ハウジング11は、その外形が全体として概ね渦巻き形状をなしている。内側ハウジング11は、高耐熱性を有する鋳鉄又は鋳鋼からなり、鋳造によって継目なく一体に形成されている。内側ハウジング11は、図6も参照して説明すると、導入管部21と、スクロール管部22と、タービン室23(図6参照)と、出口通路部24とを有している。
【0023】
導入管部21は、自動車の内燃機関(エンジン)から流出した排気ガスが内側ハウジング11に導入された直後に流通する導入部分である。導入管部21は排気ガスを導入する排気入口211を有し、排気入口211からの排気導入方向(X方向)に沿って延びている。図3に示すように、導入管部21の内部には、導入管部21に沿って延びる導入流路212が形成されている。導入流路212は、流路断面が徐々に絞られるように形成されている。図1及び図2に示すように、導入管部21の排気入口211が設けられた入口側端部213には、入口フランジ214が設けられている。入口フランジ214を用いて、タービンハウジング10がエンジンのシリンダヘッドや排気マニホールド等の上流側部材と連結される。
【0024】
図2及び図3に示すように、スクロール管部22は、導入管部21の排気入口211とは反対側の端部から渦巻き状をなすように形成されている。スクロール管部22におけるスクロール中心軸線C1は、排気入口211に排気ガスが導入される排気導入方向(X方向)に対して略直交している。図3に示すように、スクロール管部22にはその内部にスクロール流路221が形成されている。
【0025】
スクロール流路221は、スクロール管部22の形状に沿って渦巻き状をなす流路となっている。その流路入口222は導入流路212に連通し、円環状に略360度の1周をして流路出口223に至り、再び流路入口222に合流する流路が形成されている。そのため、スクロール管部22において、スクロール流路221の流路入口222及び流路出口223が設けられた部位が合流部224となっている。スクロール流路221の流路断面は、その流路入口222から流路出口223の下流側へ向かって徐々に小さくなるように形成されている。導入流路212を経て、流路入口222からスクロール流路221に流入した排気ガスは、スクロール流路221に沿って円環状に流通する。
【0026】
タービン室23は、排気タービン過給機のタービンインペラIが収容される空間である。図6に示すように、タービン室23は、スクロール管部22のスクロール中央部に設けられている。このため、タービン室23の外周側にスクロール管部22が円環状をなすように設けられている。タービン室23は、スクロール中心軸線C1の延びる方向における一方の側に向けて開口しており、開口部分からタービン室23にタービンインペラIが収容される。スクロール中心軸線C1はタービン室23の中心軸線でもある。
【0027】
前記スクロール管部22の内周側には環状連通部225が設けられており、その環状連通部225により、スクロール流路221の内周側はその周方向全域にわたってタービン室23と連通している。このため、スクロール流路221を流通する排気ガスは、円環状に流通しながら、その一部が環状連通部225を通じてタービン室23に徐々に流出する。
【0028】
図2及び図6に示すように、出口通路部24は、スクロール管部22のスクロール中央部において、タービン室23とは反対側(以下、反タービン側という。)に向けてスクロール管部22から突出するように立設されている。出口通路部24は管状をなすように形成され、その管の延びる方向がスクロール中心軸線C1の延びる方向と平行をなしている。また、出口通路部24は、その中心軸線がスクロール中心軸線C1と一致すように設けられている。そして、出口通路部24の管内には排気流路241が形成されている。排気流路241の一方の側はタービン室23に連通してその一部を構成し、他方の側はハウジング外に向けて開口している。この開口部分は、通路出口242となる。このため、タービン室23に導入された排気ガスは、出口通路部24の排気流路241を流通し、その後、通路出口242から内側ハウジング11の外に流出する。
【0029】
したがって、排気入口211から内側ハウジング11に導入された排気ガスは、導入流路212、スクロール流路221、タービン室23及び排気流路241を流通し、通路出口242からハウジング外に流出する。この流れの途中において、排気ガスがタービン室23に収容されたタービンインペラIに衝突し、それによってタービンインペラIが回転する。
【0030】
なお、内側ハウジング11には、図2に示すように、導入管部21の出口側に、バイパス出口25が設けられている。バイパス出口25は、出口通路部24が設けられた側で開口している。図1に示すように、バイパス出口25には、当該バイパス出口25を開閉するバルブ体13が設けられている。バルブ体13によってバイパス出口25が閉じられている場合、前述したように、排気入口211から流入した排気ガスは、導入流路212からスクロール流路221に流入する。一方、バイパス出口25が開放されている場合、排気入口211から流入した排気ガスは、導入流路212を流通した後、その一部がスクロール流路221へ流入せず、バイパス出口25から流出する。エンジン始動直後は、バイパス出口25から排気ガスを流出させることにより、下流側の排気ガス浄化装置が有するガス浄化触媒を早期に活性化させることができる。なお、図2及び図6では、バルブ体13は省略されている。
【0031】
以上の内側ハウジング11において、図3及び図4に示すように、スクロール中心軸線方向から見た平面視における外縁部26には、その全域が外方へ突出する外側突出部216、環状突出部227及びつなぎ部27が設けられている。この外側突出部216の突出端部217、環状突出部227の突出端部228及びつなぎ部27の端縁部271によって、前記平面視における内側ハウジング11の外縁が形成されている。なお、これら外側突出部216、環状突出部227及びつなぎ部27が本発明における突出部に相当する。
【0032】
外側突出部216は、導入管部21の一対の側部215a,215bのうち、スクロール管部22と近接する側の第1側部215aとは反対側の第2側部215bに設けられている。外側突出部216は平板状をなし、第2側部215bからスクロール中心軸線C1に対する直交方向へ向けて突出している。外側突出部216は、第2側部215bにおいて、入口側端部213から合流部224に至るまで設けられている。なお、第1側部215aは本発明における第1導入外縁部に、第2側部215bは本発明における第2導入外縁部に相当する。
【0033】
環状突出部227は、スクロール管部22の外周部226に設けられている。環状突出部227は平板状をなし、外周部226からスクロール中心軸線C1に対する直交方向へ向けて突出している。ここで、説明上の便宜のため、図3に示すように、流路入口222から流路出口223まで略360度の1周をするスクロール流路221について、その1周を90度ずつ区分し、それぞれを第1区間R1から第4区間R4と仮に設定する。この区分を前提とすると、第1区間R1の始点部位及び第4区間R4の終点部位は合流部224に相当する。環状突出部227は、第1区間R1の始点部位(合流部224)から第3区間R3の終点部位に至るまで、それぞれの外周部226a〜226cの全域にわたって設けられている。環状突出部227と外側突出部216とは、途切れることなくつながっている。
【0034】
図4に示すように、つなぎ部27は、互いに近接し合う導入管部21の第1側部215aとスクロール管部22の第4区間R4の外周部226dとで挟まれた領域に設けられている。つなぎ部27は、第1側部215a及び第4区間R4の外周部226dの両者の間で板状をなして広がっている。そのため、つなぎ部27は、第1側部215aからスクロール中心軸線C1に対する直交方向へ向けて突出した内側突出部218と、外周部226dから同方向へ向けて突出した環状突出部227dとが一体とされている。つなぎ部27は、環状突出部227における第3区間R3の終点部位と、途切れることなくつながっている。また、つなぎ部27は、導入管部21の第1側部215aにおける入口側端部213に至るまで形成されている。なお、スクロール管部22の第4区間R4は、本発明における「スクロール管部の下流部」に相当する。
【0035】
次に、外側ハウジング12について説明する。図1及び図2に示すように、外側ハウジング12は、内側ハウジング11の反タービン側に設けられ、内側ハウジング11と一体化されている。
【0036】
図2及び図6に示すように、外側ハウジング12は全体として略筒状をなすように形成されている。外側ハウジング12は、高耐熱性を有するステンレス鋼等の金属材料を素材とする板金製であり、曲げ等の加工を施すことによって継目なく一体に形成されている。図1図2及び図6に示すように、外側ハウジング12は、ハウジング側筒部31と、出口側筒部32とを有している。ハウジング側筒部31は、外側ハウジング12が延びる方向のうち、内側ハウジング11の側に設けられ、それとは反対側が出口側筒部32となっている。
【0037】
まず、ハウジング側筒部31は、内側ハウジング11の反タービン側を取り囲むようにして内部に収容する部分である。図6に示すように、ハウジング側筒部31には、出口側筒部32と反対側に開口部311が設けられ、その開口部311に内側ハウジング11の反タービン側部分が入り込み、タービン側部分が開口部311の外に設けられた状態となっている。ハウジング側筒部31の内側には、出口通路部24やバイパス出口25も収容されている。
【0038】
図1及び図5に示すように、開口部311を形成する開口端部312は、内側ハウジング11の外縁部26に当接している。開口端部312は、外側突出部216の突出端部217に当接する第1当接部313と、環状突出部227の突出端部228に当接する第2当接部314と、つなぎ部27の端縁部271に当接する第3当接部315とを有している。
【0039】
第1当接部313と第3当接部315との間には、図2に示すように、導入管部21に被さる導入側覆い部316が設けられている。導入側覆い部316は、図1及び図2に示すように、排気導入方向(X方向)から見た場合の横断面が略半円形状をなすドーム状に形成され、ハウジング側筒部31から外方へ突出するように形成されている。導入側覆い部316の突出先端部317は、導入管部21の入口側端部213における入口の周方向に沿った外周部219に当接している。それにより、導入管部21に導入側覆い部316が被さった状態となっている。
【0040】
図6に示すように、これら各当接部分が溶接によって接合され、接合部分に溶接部14が設けられている。この溶接接合によって、内側ハウジング11と外側ハウジング12とのつなぎ目がすべて塞がれつつ両者が一体化されている。
【0041】
なお、ハウジング側筒部31には、内側ハウジング11のバイパス出口25を開閉するバルブ体13を回動させるための回動機構の一部となるブッシュが設けられるブッシュ設置孔33が設けられている。
【0042】
次に、図2及び図6に示すように、出口側筒部32は略円筒状をなすように形成されており、その中心軸線C2は、内側ハウジング11におけるスクロール中心軸線C1と平行をなしている。出口側筒部32の内側空間には、ハウジング側筒部31の内側空間に連通する出口流路321が形成されている。そのため、出口通路部24の通路出口242やバイパス出口25から流出した排気ガスは、出口流路321に流入して流通し、その後、出口側筒部32の内側ハウジング11の側とは反対側の開口部分から排出される。この開口部分は、タービンハウジング10の排気出口322となっている。排気出口322には、出口フランジ323が設けられている。出口フランジ323を用いて、タービンハウジング10が触媒装置等の下流側部材と連結される。
【0043】
以上の構成を有する本実施形態のタービンハウジング10では、外側ハウジング12の開口端部312を当接させる内側ハウジング11の部位が、従来と異なっている。つまり、外側ハウジング12の開口端部312を、導入管部21やスクロール管部22の管外面に直に当接させるのではなく、内側ハウジング11が有する外側突出部216、環状突出部227の各突出端部217,228やつなぎ部27の端縁部271に当接させている。その上で、当該当接部分で溶接している。そのため、溶接部14が設けられた接合部位は、導入管部21やスクロール管部22の管外面から離間した位置に設けられることとなる。
【0044】
そうすると、図6に示すように、高温状態の排気ガスの流通によって、導入管部21やスクロール管部22の管外面の温度が高まっても、その熱が接合部位に伝わる前に、環状突出部227及びつなぎ部27の側面から放熱される。この放熱効果により、接合部位における過度な高温化が抑制され、当該部位における応力増加とそれによる亀裂発生が抑制される。
【0045】
加えて、本実施形態のタービンハウジング10では、外側突出部216、環状突出部227及びつなぎ部27は、それぞれが設けられる部位に応じて、異なる突出長L1〜L3を有している。これは、排気ガスが流通している状態における導入管部21及びスクロール管部22の温度分布が異なっているためであり、その温度分布に応じた突出長L1〜L3が設定されている。放熱効果を得るためには突出長L1〜L3が長い方が好ましい一方で、外側突出部216や環状突出部227及びつなぎ部27の存在はタービンハウジング10の大型化や重量増加を招く原因となってしまう。そのため、放熱効果と大型化・重量増加とのバランスから、導入管部21及びスクロール管部22において、比較的温度が低くなっている部位では、突出長L1〜L3が短く(突出量が小さく)なるように設定されている。また、比較的温度が高くなっている部位では、突出長L1〜L3が長く(突出量が大きく)なるように設定されている。
【0046】
以下、外側突出部216、環状突出部227及びつなぎ部27の各突出長L1〜L3について、さらに具体的に説明する。なお、ここでは、外側突出部216の突出長L1は、スクロール中心軸線方向から見た場合(図3に示す状態)において、排気導入方向(X方向)に対して直交方向の長さを意味している。環状突出部227の突出長L2は、径方向に突出する長さを意味している。また、図4に示すように、つなぎ部27の突出長L3は、導入管部21の第1側部215a及びスクロール管部22の第4区間R4における外周部226dと、つなぎ部27の端縁部271との間の最短距離をとった長さを意味している。
【0047】
さらに、本実施形態のタービンハウジング10は、入口フランジ214を用いて、エンジンのシリンダヘッドに取り付けられる場合を想定している。シリンダヘッドは、エンジン駆動中に水冷されるために温度上昇が抑制され、それにより、導入管部21の入口側端部213でも温度上昇が抑制され、排気ガスが有する温度と比較して十分温度が低くなっている。このタービンハウジング10における温度分布は、次のとおりとなっている。
【0048】
すなわち、図7に示すように、シリンダヘッドに取り付けられる導入管部21の入口側端部213において最も温度が低い状態となっている。これは、取付け対象のシリンダヘッドが有する温度の影響を受け、入口側端部213の温度も、排気ガスの温度と比較して十分低くなっているからである。そして、その入口側端部213から導入管部21の下流側へ向かうにしたがい、導入流路212を流通する高温状態の排気ガスの影響を受けて、温度は徐々に高くなっていく。導入管部21の下流端部でありかつスクロール管部22の上流端部(第1区間R1の始点部分)は、合流部224に当たる部分であり、ここで温度がピークとなる。
【0049】
その後、スクロール管部22の下流側へ向かうにしたがって、スクロール流路221を流通する排気ガスの一部はタービン室23に流出し、排気ガスの温度がスクロール管部22に与える影響が小さくなる。そのため、第3区間R3の終点部分に至るまで、スクロール管部22の温度は徐々に低下する。
【0050】
第4区間R4では、温度上昇している導入管部21の下流側に近接しているため、その温度上昇の影響を受けやすく、また、終点部分は合流部224にあたる。そのため、この第4区間R4では、始点部分から終点部分に至るまで温度が再上昇し、終点の合流部224において再び温度のピークとなる。
【0051】
このような温度分布を受け、まず、外側突出部216の突出長L1は、入口側端部213が設けられた上流端部において、外側突出部216の中で最も短く(突出量が小さく)なるように設定されている。この場合の突出長L1の範囲は、例えば2mm以下に設定することが好ましい。外側突出部216の突出長L1は、そこから導入管部21の下流側に向かって徐々に長く(大きく)なるように設定されている。そして、導入管部21の下流端部において、外側突出部216の中で突出長L1が最も長く(突出量が最も大きく)なるように設定されている。この場合の突出長L1の範囲は、例えば5〜20mmに設定することが好ましい。
【0052】
環状突出部227の突出長L2は、スクロール管部22の上流端部において、外側突出部216がその下流端において有する突出長L1を引き継いでいる。環状突出部227は、そこから第3区間R3の終点部分まで徐々に短くなり、第3区間R3の終点部分において最も短く(突出量が小さく)なるように設定されている。この場合に、第1区間R1の終点部分でありかつ第2区間R2の始点部分における突出長L2の範囲は、例えば4〜15mmに設定することが好ましい。第2区間R2の終点部分でありかつ第3区間R3の始点部分における突出長L2の範囲は、例えば2〜10mmに設定することが好ましい。第3区間R3の終点部分でありかつ第4区間R4の始点部分における突出長L2の範囲は、例えば10mm以下に設定することが好ましい。
【0053】
つなぎ部27の突出長L3は、その上流端部において、環状突出部227がその下流端において有する突出長L2を引き継いでいる。また、導入管部21の第1側部215aにおいて、入口側端部213が設けられた上流端部での突出長L3は、つなぎ部27の中で最も短く(突出量が最も小さく)なるように設定されている。この場合の突出長L3の範囲は、例えば2mm以下に設定することが好ましい。スクロール管部22における第4区間R4の終点部分(合流部224)からの突出長L3については、つなぎ部27の中で最も長く(突出量が最も大きく)なるように設定されている。この場合の突出長L3の範囲は、例えば5〜40mmに設定することが好ましい。
【0054】
このように、タービンハウジング10では、内側ハウジング11において、外側突出部216、環状突出部227及びつなぎ部27の各突出長L1〜L3は、それぞれが設けられる部位の温度分布に応じて異なる長さ(異なる突出量)となるように設定されている。これにより、外側突出部216、環状突出部227及びつなぎ部27による放熱効果を得ながら、タービンハウジング10の大型化や重量増加を抑制できる。
【0055】
本実施形態のタービンハウジング10の構成及び得られる作用効果は以上のとおりであり、これをまとめると以下の通りである。
【0056】
(1)内側ハウジング11の外縁部26には外側突出部216、環状突出部227及びつなぎ部27が設けられ、それらの突出端部217,228や端縁部271に外側ハウジング12の開口端部312が接合されている。そのため、高温状態の排気ガスが流通することにより導入管部21やスクロール管部22の表面温度が高まっても、内側ハウジング11と外側ハウジング12との接合部位にその熱が伝わる前に、各突出部216,227及びつなぎ部27の側面から放熱される。この放熱効果により、接合部位における過度な高温化が抑制され、当該部位における応力増加とそれによる亀裂発生を抑制できる。
【0057】
(2)スクロール管部22の合流部224は、高温状態の排気ガスの影響を受け、内側ハウジング11の中で最も表面温度が高くなる。外側突出部216及び環状突出部227は、この合流部224の外縁部26にあたる導入管部21の下流端部(スクロール管部22の上流端部)において、突出長L1,L2が最も長くなるように設定されている。そのため、合流部224では、外側突出部216及び環状突出部227によって十分な放熱効果が得られ、内側ハウジング11と外側ハウジング12との接合部位における過度な高温化を好適に抑制できる。
【0058】
(3)スクロール管部22では、合流部224から下流側に向けて表面温度が低下する。そのため、環状突出部227の突出長L2が短くなるように設定しても、内側ハウジング11と外側ハウジング12との接合部位における過度な高温化を抑制できる。その一方で、突出長L2を短くしたことにより、内側ハウジング11の大型化や重量増加を抑制できる。したがって、スクロール管部22に沿った表面温度分布に合わせて環状突出部227の突出長L2が調整され、放熱効果を得つつ内側ハウジング11の大型化や重量増加を抑制できる。
【0059】
(4)導入管部21の第1側部215aとスクロール管部22の第4区間R4における外周部226dとの間に、平板状をなすつなぎ部27が設けられている。第1側部215aから突出する内側突出部218と外周部226dから突出する環状突出部227dとを個別に形成するよりも、両者が一体化されて表面積が広がり、放熱効果が高められる。特に、スクロール管部22の第4区間R4では、合流部224に近づくにつれて表面温度が上昇するため、放熱効果の高まりは、内側ハウジング11と外側ハウジング12との接合部位における過度な高温化の抑制に好適となる。また、内側ハウジング11は鋳造製であるため、平板状をなすつなぎ部27として一体化することで、第1側部215aと外周部226dとの間に隙間が形成されず、鋳造性を高めることができる。
【0060】
(5)タービンハウジング10がシリンダヘッドに取り付けられているため、導入管部21における温度は入口側端部213から下流側に向かって高くなる。導入管部21に設けられた外側突出部216は、下流側に向かって突出長L1が長くなるように設定されているため、導入管部21の温度が高くなるにつれ、十分な放熱効果が得られる。また、温度が低い状態の入口側端部213では突出長L1が短くなるように設定されるため、温度分布に合わせて外側突出部216の突出長L1が調整され、放熱効果を得つつ内側ハウジング11の大型化や重量増加を抑制できる。
【0061】
なお、タービンハウジング10の構成については、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば以下のように実施してもよい。
【0062】
(a)上記実施の形態では、外側突出部216の突出長L1が導入管部21の入口側端部213から下流側に向けて徐々に長くなるように設定されているが、全域にわたって同じ突出長L1となるように設定してもよい。また、突出長L1を徐々に長くしたり長さを一定としたりするだけでなく、複数の異なる長さとなるように設定してもよい。
【0063】
(b)上記実施の形態では、外側突出部216の突出長L1が導入管部21の入口側端部213で最も短くなるように設定されているが、入口側端部213における突出長L1をより長くなるように設定してもよい。例えば、タービンハウジング10を排気マニホールドに取り付ける場合、排気マニホールドは排気ガスの影響により高温状態となっているため、タービンハウジング10の入口側端部213における温度も高温状態となっている。そのような場合に、入口側端部213においても外側突出部216の突出長L1として、少なくとも外側ハウジング12の板厚以上の長さが設定されることにより、放熱効果が得られ、応力増加とそれによる亀裂発生を抑制できる。
【0064】
また、このように入口側端部213においても高温状態となる場合、図8に示すように、導入管部21の外周部219に外周突出部210を設けた構成を採用してもよい。この場合、外周突出部210の突出端部と導入側覆い部316の突出先端部317とを当接させ、その当接部分を溶接等によって接合させる。これにより、外周部219においても外周突出部210による放熱効果が得られるため、入口側端部213の外周部219で過度な高温化が抑制され、当該外周部219における応力増加とそれによる亀裂発生を抑制できる。
【0065】
(c)上記実施の形態では、環状突出部227の突出長L2がスクロール管部22の合流部224より下流側に向けて徐々に短くなるように設定されているが、全域にわたって同じ突出長L2となるように設定してもよい。また、第1区間R1から第3区間R3の区間ごとで同じ突出長L2となるように設定し、第1区間R1、第2区間R2、第3区間R3の順に突出長L2が短くなるように設定してもよい。
【0066】
(d)上記実施の形態では、導入管部21の第1側部215aとスクロール管部22の第4区間R4における外周部226dとの間に、つなぎ部27が設けられている。これに代えて、第1側部215aから突出する内側突出部218と、外周部226dから突出する環状突出部227dとを個別に形成してもよい。
【0067】
(e)上記実施の形態では、内側ハウジング11と外側ハウジング12との接合を溶接によって行ったが、ろう付などの界面接合などを用いて接合してもよい。
【0068】
(f)上記実施の形態では、自動車用の排気タービン過給機に用いられるタービンハウジング10を例としたが、船舶や航空機等、自動車以外の内燃機関に設けられる排気タービン過給機に適用してもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…タービンハウジング、11…内側ハウジング、12…外側ハウジング、21…導入管部、215a…第1側部(第1導入外縁部)、215b…第2側部(第2導入外縁部)、216…外側突出部(突出部)、22…スクロール管部、222…流路入口、223…流路出口、224…合流部、227…環状突出部(突出部)23…タービン室、24…出口通路部、26…外縁部、27…つなぎ部、311…開口部、312…開口端部、422…排気出口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8