【文献】
J. Agric. Food Chem.,2005年,Vol.53,p.6061-6066
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の
主題は、式(I)の化合物
またはその塩に関する。
【化1】
式(I)の化合物は、(1)ホモエリオジクチオール、(2)エリオジクチオール、(3)ヘスペレチン及び(4)ステルビンの群から選択され、血液中のセロトニンレベル及び遊離脂肪酸濃度に影響を与えることで緩和及び予防できる症状の治療に用いられる。
【0007】
本発明の好ましい一実施形態は、式(I)の化合物に関連する使用であり、(1)ホモエリオジクチオール、(2)エリオジクチオール、(3)ヘスペレチン及び(4)ステルビンの群から選択され、いずれの場合にもC−2における立体中心は、R体又はS体である。
【化2】
好ましくは、R体又はS体の両方の混合物が使用され、特にS体が強化された混合物が好ましい。式(I)の化合物は、好ましくは2R及び/又は2Sエナンチオマーの形態で使用されるため、好ましい実施例は、式(I)の化合物を2R及び/又は2Sエナンチオマーの形態として使用することである。
【0008】
式(I)の化合物は、好ましくはその塩の形態で使用され、カウンターカチオンは、アンモニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム又はカルシウムカチオンの群からなる実施形態から選択される。特に、化合物(1)のモノナトリウム塩、ホモエリオジクチオールナトリウム塩(HEDNa)が好ましい。
【0009】
本発明の他の
主題は、式(I)の化合物を含む薬剤に関し、血液中のセロトニンレベル及び遊離脂肪酸濃度に影響を与えることで緩和及び予防できる症状の治療に用いられるものに関する。
【0010】
本発明の第3の
主題は、式(I)の化合物またはその塩に関する。
【化3】
式(I)の化合物は、(1)ホモエリオジクチオール、(2)エリオジクチオール、(3)ヘスペレチン及び(4)ステルビンの群から選択され、請求項1で記載された使用に関し、治療する症状は食欲減少である。
【0011】
本発明の更なる
主題は、以下の組成物
を含む物質混合物である。
(i)請求項1で定義された化合物の少なくとも1つまたはその塩、
(ii)少なくとも1つの固体担体、
(iii)1又は複数の調味成分。
(i)、(ii)、(iii)の構成要素及びその他の原料の合計は物質混合物の全体量に対して100重量%であり、請求項1に記載の使用により食欲減少を治療する物質混合物である。
【0012】
式(I)のヒドロキシフラバノン、特に化合物(1)から(4)を入手するための天然由来成分及び方法は周知技術の範囲である。例えば、上述したヒドロキシフラボンの調製は、欧州特許第1,258,200号、欧州特許第1,998,636号及び欧州特許第2,017,272号で説明されている。イエルバサンタの抽出物及び分離物が好ましく使用され、調整物としては、欧州特許第1,258,200号に説明されている精製したホモエリオジクチオールナトリウム塩または欧州特許第2,633,885号に説明されているホモエリオジクチオールの富化留分が最も好ましい。抽出物のための適切な溶媒は、特に食料品及び半嗜好品に対しては、水、エタノール、メタノール、1,2−プロピレングリコール、グリセロール、アセトン、ジクロルメタン、酢酸エチルエステル、ジエチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、トリアセチン、野菜油または脂質、超臨界二酸化炭素及びこれらの混合物である。
【0013】
式(I)のヒドロキシフラバノンは、風味修正物質として知られていた(欧州特許第1,258,200号、欧州特許第1,998,636号)。しかし、哺乳類、特に人体の血液中のセロトニンレベル及び遊離脂肪酸濃度に対する効果は、これまで知られていなかった。同様に、食欲を増加させる可能性についても知られていなかった。
【0014】
従って、本発明の好ましい実施例は、式(I)の化合物の使用に関し、特に化合物(1)から(4)又はその混合物の使用に関し、好ましくは、哺乳類、特に人体の血液中のセロトニンレベル及び遊離脂肪酸濃度に影響を与える(R)及び/又は(S)エナンチオマーの混合物の使用に関する。
【0015】
同様に、本発明の好ましい実施例は、式(I)の化合物の使用に関し、特に化合物(1)から(4)又はその混合物の使用に関し、好ましくは、食欲を増加させる組成物としての(R)及び/又は(S)エナンチオマーの混合物に関する。
【0016】
本発明の意味においては、式(I)の化合物またはヒドロキシフラバノンは、必ず化合物(1)から(4)またはその混合物であり、特に(R)及び/又は(S)エナンチオマーまたはこれらの塩による混合物である。好ましくは、式(I)の化合物、特にS体が濃縮された(1)から(4)の化合物である。
【0017】
食欲を増進させるための式(I)のヒドロキシフラバノンの使用は、既知の食味改善の特性、特に苦みをカバーする特性とは関連しない。本発明とは対照的に、苦み物質の存在は、化合物が食味改善物質として使用される場合には必要であるが、このような物質は本発明では存在していることを必要としない。特に、既知の活動に加え、式(I)のヒドロキシフラバノンは、セロトニンの放出に影響を与え、神経細胞の培養及び血漿の生体内実験におけるセロトニン放出を減少させることができる。
【0018】
驚くべきことに、式(I)のヒドロキシフラバノンは、以下の特性を有することが判明した。
・相当するコントロールと比較して、約0.001μMから10μM(約0.03mg/kgから約3mg/kg)の使用により、セロトニン放出を最大70%の割合で減少することができる。
・コントロールと比較して、濃度約0.1μMの使用によって、脂肪細胞における脂肪酸の吸収を増加することができる。
【0019】
本発明による、式(I)のヒドロキシフラバノンに用いられる使用濃度は、典型的な使用濃度(欧州特許第1,258,200、1,998,636号)と比較して、顕著な食味効果を与えるための量としては少ない。
【0020】
好ましい実施形態では、式(I)の化合物またはその塩は、経口医薬品調整物として組成されている。
【0021】
本発明での適用において、式(I)のヒドロキシフラバノンは、好ましくは治療的又は非治療的な目的で使用され、式(I)のヒドロキシフラバノンは単独または
経口摂取可能な製品の混合物に含有される物質として使用され、一つまたは複数のヒドロキシフラバノンは、
経口摂取可能な製品の全体量に対し、30mg/kg以下の濃度で存在し、好ましくは10mg/kg以下であり、さらに好ましくは3mg/kg以下である。
【0022】
本発明の
経口摂取可能な製品は、好ましくは食料品(特に液体又は固体製品、半製品を含む)、飼料、薬剤(医薬品)を含む群から選択される。本発明の式(I)のヒドロキシフラボンは、動物に与える牛用飼料としての使用に適しており、特に血液中のセロトニンレベル及び/又は遊離脂肪酸の濃度に影響を与え、動物、特に哺乳類の食欲増加に適している。従って、本発明の別の
主題は、特に哺乳類の血液中におけるセロトニンレベル及び/又は遊離脂肪酸の濃度に影響を与える、式(I)の化合物を含む薬剤に関する。
【0023】
本発明の更なる
主題は、
栄養または嗜好のために摂取される食品における、式(I)の化合物またはその塩
の(
美容学的)
適用である。
【化4】
R
1はH又はOHであり、
R
2はH、OH、OCH
3であり、
R
3はH、OH、OCH
3であり、
及び
R
4はH、OH、OCH
3であり、
R
1基、R
2基、R
3基、R
4基のうちの少なくとも2つはOHを表す。
【0024】
美容目的での使用は、特に式(I)のヒドロキシフラボンについての、美容的に適した食欲増進物質としての適用であり、薬剤組成物ではなく、治療目的では使用されないものである。
【0025】
美容目的での適用または使用においては、好ましくは、式(I)の化合物又は塩を有する。
R
1はH又はOHであり、
R
2はH、OH、OCH
3であり、
R
3はH、OH、OCH
3であり、
及び
R
4はH、OH、OCH
3であり、
R
1基、R
2基、R
3基、R
4基のうちの少なくとも2つはOHを表す。
【0026】
式(I)の化合物は、以下の群から選択される:(1)ホモエリオジクチオール、(2)エリオジクチオール、(3)ヘスペレチン、(4)ステルビン、またはこれらの混合物、好ましくはR体又はS体のエナンチオマー、特に好ましくはS体が強化された混合物。
【0027】
本発明の更なる
態様は、式(I)のヒドロキシフラボンの非治療的使用であり、血中のセロトニンレベル及び/又は遊離脂肪酸濃度に影響を与え、食欲を増進させるものである。上述の非治療的適用又は使用の場合、栄養または嗜好
のために摂取される食品は、好ましくは
経口摂取可能な製品である。非治療的使用は、美容目的での使用または適用であってもよい。
【0028】
本発明の更なる
主題は、式(I)のヒドロキシフラボン又はその塩の薬剤としての使用、好ましくは、食欲刺激の減少の治療または食欲増進剤としての使用である。
【0029】
本明細書において、用語「食料品」には、幅広い製品が含まれる。用語「食料品」は、特に下記で述べる製品と、本発明の食料品とを含む。
【0030】
用語「食料品」は、2002年1月28日発効のREGULATION (EC) No. 178/2002 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL(EC規則)に従って食品とされている製品を包含する。上述の規則によると、「食料品」は、加工され、一部加工され、または加工されていない、人間によって消化され、または合理的に消化されることを期待された如何なる物質または製品を含む意味である。「食料品」には、飲料、チューインガム、並びに製造時、加工時または処理時に食料品に意図的に添加される全ての物質−水を含む−を含む。
【0031】
本発明における用語「飼料」は、全ての動物用飼料を含む。以下言及する食料品の多くは、飼料としての使用も可能である。
【0032】
本発明の明細書に記載されている用語「薬剤」とは、ヒト又は動物疾患を治癒または予防する性質を持つ製剤、またはヒト又は動物に使用できる製剤、またはヒト又は動物の生理機能を薬理的作用、免疫学的作用またはメタボリック作用によって補修、修正または影響を与えるために体内投与される物質、または医学的診断を行うための物質又は物質組成物を言う。薬剤はそれぞれの場合に非治療的な目的、特に美容目的で使用できる。
【0033】
食料品又は飼料は、ヒト又は動物疾患を治癒または予防する性質を持つ製剤である物質または物質組成物を添加することにより、対応する薬剤に変換することができる点も、評価されるべきである。
【0034】
食欲増加及び吸収増加に伴う消費者の望ましくない体重増加を防止するために、潜在的なカロリー吸収を制限し、カロリー密度が低い、本発明の
経口摂取可能な製品の(食料品、飼料、薬剤としての)吸収を与える方が便宜であることが判明した。従って、本発明における好ましい
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料及び薬剤)は、200kcal/100g以下、好ましくは100kcal/100g以下、さらに好ましくは40kcal/100g以下の
経口摂取可能な製品を含有する。
【0035】
本発明における好ましい
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料及び薬剤)は、消化に適しており、かつ栄養食品及び口腔ケアとしての目的も達成する製品であり、一般的にはヒト及び動物の口腔に投与されることを目的としており、口腔に一定時間滞留し、その後消費(加工された食料品、飼料)または口腔から吐き出される(チューインガムまたは口腔ケア製品、薬用マウスウォッシュ)。このような製品は、加工時、部分加工時、または加工されていない状態にて、ヒトまたは動物によって吸収される、全ての物質及び製品を含む。
このような製品は、製造時、加工時、処理時に
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料及び薬剤)に添加される物質であり、ヒト又は動物の口腔に投与される製品を含む。
【0036】
本発明の口腔消耗製品(特に食料品、飼料及び薬剤)は、食料品そのまま、調理または加工済みであり、ヒト又は動物によって飲み込まれて消化される物質を含み、この場合、本発明の
経口摂取可能な製品は、製品を摂取する際に同時に飲み込むケーシング、コーティングその他の被膜物質を含む。用語「
経口摂取可能な製品」は、そのまま摂取可能な食料品及び飼料を含み、これは、味覚には重要な組成物が既に含まれている食料品及び飼料を含む。用語「そのまま摂取可能な食料品」または「そのまま摂取可能な飼料」には、飲料、固体または半固体のままで摂取可能な食料品及び飼料を含む。この例としては、食べる前には解凍して適切な温度に加熱する必要がある冷凍食品が挙げられる。ヨーグルト、アイスクリーム、チューインガム、又は硬いキャラメルも、そのまま摂取可能な食料品及び飼料の例に含まれる。
【0037】
本発明に係る
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料)は、「半製品」も含む。本明細書中、半製品とは、調味成分や食味放出物質の含有量が高く、そのまま摂取可能な口腔消耗製品としての用途には適さない製品(特に食料品または飼料品)であると理解されるべきである。この半製品は、少なくとも一つの更なる成分との混合(例えば、上記に該当する香味料や調味料の濃度を低減すること)あるいは更なる処理工程(例えば加熱や冷凍)を行うことのみにより、そのまま摂取可能な口腔消耗製品(特に食料品または飼料品)へと転化することができる。パウチスープ、焼き菓子及びカスタードパウダー抽出物も、半製品の例として挙げられる。
【0038】
本発明に係る
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料、薬剤)は、「オーラルケア製品」も含む。本発明の範囲であるオーラルケア製品(口腔衛生製品又は口腔衛生調合物とも呼ばれる)とは、当業者にとっては口腔及び咽頭の清掃及びケアに用いられ、口臭に清涼感を与える製剤である。歯及び歯肉のケアをするための製剤も含まれる。一般的な口腔衛生製剤の摂取形態は、特にクリーム、ゲル、ペースト、泡、乳液、懸濁液、エアゾール、スプレー、並びにカプセル、顆粒状、ペースト、タブレット、トローチ、チューインガムとしての摂取であるが、摂取方法はこれに限定されない。
【0039】
本発明に係る
経口摂取可能な製品(特に食料品または飼料)は、好ましくは栄養または嗜好
のために摂取される一つまたは複数の調合品
を含む。具体的にはこれらは、下記を含む:(低カロリーの)焼成製品(例えばパン、乾燥ビスケット、ケーキその他の焼かれた製品)、菓子類(例えばチョコレート、チョコレートバー、バー形状の他の製品、フルーツガム、ドラジェ、硬いキャラメルおよび柔らかいキャラメル、チューインガム)、ノンアルコール飲料(例えばココア、コーヒー、緑茶、紅茶、(緑茶および紅茶の)茶抽出物の濃縮物配合の茶飲料、ロイボスティー、その他のハーブティー、果実含有ソフトドリンク、アイソトニック飲料、清涼飲料、ネクター、フルーツジュースおよび野菜ジュース、フルーツ飲料または野菜飲料)、インスタント飲料(例えばインスタントココア飲料、インスタント紅茶飲料、インスタントコーヒー飲料)、食肉製品(例えば、ハム、フレッシュソーセージまたは生ソーセージ製品、香辛料添加製品、生鮮マリネ製品、または塩添加食肉製品)、玉子または玉子製品(乾燥玉子、卵白、卵黄)、穀物製品(例えば朝食用シリアル、ムーズリバー、調理済でそのまま摂取可能な米製品)、乳製品(例えば全脂肪、低脂肪または無脂肪の牛乳飲料、ライスプディング、ヨーグルト、ケフィア、クリームチーズ、柔らかいチーズ、固いチーズ、乾燥粉乳、乳漿、バター、バターミルク、全部または一部を加水分解した乳タンパク質含有製品)、大豆タンパク質または他の大豆蒸留物(例えば豆乳や豆乳製品、分離または酵素処理された大豆タンパクを含有する飲料、大豆粉含有飲料、豆腐、テンペなどの大豆レシチン含有製品、またはそれらから製造される製品でフルーツ製品および調味添加物との混合物であるもの)、果実製品(例えばジャム、シャーベット、フルーツソース、フルーツペースト)、野菜製品(例えばケチャップ、ソース、乾燥野菜、冷凍野菜、調理済野菜、煮つめた野菜)、スナック類(例えばベークドもしくはフライドポテトチップスまたはジャガイモ生地製品、トウモロコシベースの押出品または落花生ベースの押出品)、油脂類ベース製品またはそのエマルション(例えばマヨネーズ、レムラードソース、ドレッシング、いずれの場合も全脂肪または低脂肪化製品)、他のレトルト食品およびスープ(例えば、乾燥スープ、インスタントスープ、調理済スープ)、スパイス類、スパイス混合物、特にスナック分野において用いられる調味料、甘味料、錠剤またはサッシェ、ホワイトニングドリンク、またはその他の食品。本発明の範囲内の
調合品は、栄養または嗜好
のために摂取される更なる調合品の生産のための半製品として用いること
もできる。本発明の範囲内の製品は、カプセル、錠剤(コーティングの無い錠剤あるいは例えば腸溶コーティングによりコーティングした錠剤)、ドラジェ、顆粒、ペレット、固体混合物の形のもの、またはエマルション、パウダー、溶液、もしくはペーストなどの液相中の分散物の形のもの、あるいはその他の嚥下可能なまたは咀嚼可能な製品、および栄養補助食品の形のものとすることができる。
【0040】
特に好ましくは、低カロリーの菓子類(ムーズリバー、フルーツガム、ドラジェ、硬いキャラメルおよび柔らかいキャラメル、チューインガム)、ノンアルコール飲料(例えばココア、コーヒー、緑茶、紅茶、(緑茶および紅茶の)茶抽出物の濃縮物配合の茶飲料、ロイボスティー、その他のハーブティー、果実含有ソフトドリンク、アイソトニック飲料、清涼飲料、ネクター、フルーツジュースおよび野菜ジュース、フルーツ飲料または野菜飲料)、インスタント飲料(例えばインスタントココア飲料、インスタント紅茶飲料)、穀物製品(例えば朝食用シリアル、ムーズリバー、調理済でそのまま摂取可能な米製品)、乳製品(例えば全脂肪、低脂肪または無脂肪の牛乳飲料、ライスプディング、ヨーグルト、ケフィア、乾燥粉乳、乳漿、バターミルク、全部または一部を加水分解した乳タンパク質含有製品)、大豆タンパク質または他の大豆蒸留物(例えば豆乳や豆乳製品、分離または酵素処理された大豆タンパクを含有する飲料、大豆粉含有飲料、豆腐、テンペなどの大豆レシチン含有製品、またはそれらから製造される製品でフルーツ製品および調味成分との混合物であるもの)、甘味料、錠剤またはサッシェ、ホワイトニングドリンク、またはその他の食品である。
【0041】
更に好ましくは、低カロリーの菓子類(ムーズリバー、フルーツガム、ドラジェ、硬いキャラメルおよび柔らかいキャラメル、チューインガム)、ノンアルコール飲料(例えばココア、コーヒー、緑茶、紅茶、(緑茶および紅茶の)茶抽出物の濃縮物配合の茶飲料、ロイボスティー、その他のハーブティー、果実含有ソフトドリンク、アイソトニック飲料、清涼飲料、ネクター、フルーツジュースおよび野菜ジュース、フルーツ飲料または野菜飲料)、インスタント飲料(例えばインスタント紅茶飲料)、穀物製品(例えば低糖の朝食用シリアル、ムーズリバー)、乳製品(例えば低脂肪または無脂肪の牛乳飲料、ヨーグルト、ケフィア、乾燥粉乳、乳漿、バターミルク)、大豆タンパク質または他の大豆蒸留物(例えば豆乳や豆乳製品、分離または酵素処理された大豆タンパクを含有する飲料、大豆粉含有飲料、またはそれらから製造される製品でフルーツ製品および調味成分との混合物であるもの)、甘味料、錠剤またはサッシェである。
【0042】
本発明の範囲内の製品は、カプセル、錠剤(コーティングの無い錠剤あるいは例えば腸溶コーティングによりコーティングした錠剤)、ドラジェ、顆粒、ペレット、固体混合物の形のもの、またはエマルション、パウダー、溶液、もしくはペーストなどの液相中の分散物の形のもの、あるいはその他の嚥下可能なまたは咀嚼可能な製品、および栄養補助食品の形のものとすることができる。
【0043】
この半製品は、通常すぐ使用できるまたはそのまま摂取可能な栄養製品または嗜好製品の製造に用いられる。
【0044】
栄養または嗜好
のために摂取されるそのまま摂取可能な調合品もしくは半製品の更なる成分は、例えば以下のような従来の食料品あるいは嗜好品のベース物質、補助物質、および添加物で以下に例示するものであって良い:水、あるいは加工していないもしくは加工済みの野菜、動物由来食料品または生のままの物質(例えば生の、ローストした、乾燥した、発酵した、燻製したおよび/またはゆでた肉、骨、軟骨、魚、野菜、ハーブ、ナッツ、野菜のジュース、野菜のペースト、またはこれらの混合物)、可消化性のまたは非消化性の炭水化物(例えばスクロース、マルトース、フラクトース、グルコース、デキストリン、アミロース、アミロペクチン、イヌリン、キシラン、セルロース、タガトース)、糖アルコール(例えばソルビトール、エリトリトール)、天然のまたは硬化した油脂(例えば獣脂、ラード、ヤシ脂肪、ココア油、硬化植物性脂肪)、油(例えばひまわり油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、魚油、大豆油、ゴマ油)、脂肪酸またはその塩(例えばステアリン酸カリウム)、タンパク質原性あるいは非タンパク質原性アミノ酸関連化合物(例えばγ−アミノ酪酸、タウリン)ペプチド(例えばグルタチオン)、天然または加工蛋白質(例えばゼラチン)、酵素(例えばペプチダーゼ)、核酸、ヌクレオチド、不快な風味を修正する風味修正物質、また通例更に不快な風味を調整する風味調整物質、その他の風味調整物質(例えばイノシトールリン酸、グアノシン一リン酸やアデノシン一リン酸などのヌクレオチド、グルタミン酸ナトリウムもしくは2−フェノキシプロピオン酸などの他の物質)、乳化剤(例えばレシチン、ジアシルグリセロール、アラビアゴム)、安定剤(例えばカラギーナン、アルギン酸塩)、防腐剤(例えば、安息香酸およびその塩、ソルビン酸およびその塩)、抗酸化剤(例えばトコフェロール、アスコルビン酸)、キレート剤(例えばクエン酸)、有機または無機の酸性化剤(例えば酢酸、リン酸)添加物としての苦味物質(例えばキニーネ、カフェイン、リモネン、アマロゲンチン、フムロン、ルプロン、カテコール、タンニン)、酵素的褐変抑制物質(例えば亜硫酸エステル、アスコルビン酸)、精油、野菜エキス、天然または合成着色剤あるいはは着色顔料(例えばカロチノイド、フラボノイド、アントシアン、葉緑素およびその誘導体)、スパイス、三叉神経活性物質またはそのような三叉神経活性物質を含有する植物抽出物、合成香料、天然香料、ネイチャーアイデンティカル合成香料または着臭剤、および芳香修正剤。
【0045】
本発明に係る
経口摂取可能な製品(特に食料品または飼料)は、例えば製品または半製品の形であり、その味及び/又は香りを仕上げより良いものとするために、好ましくは調味成分を含む。調製物は、成分として固体担体と調味成分とを含んでいて良い。好適な調味化合物は例えば下記のものを含む:合成、天然、またはネイチャーアイデンティカルな調味料、芳香物質および調味物質、反応調味料、燻煙調味料または他の調味製品(例えばタンパク質(部分)水解物であって好ましくはアルギニン内容量の多いタンパク質(部分)水解物)、バーベキュー調味料、植物抽出物、スパイス、スパイス製品、野菜および/または植物性製品、および好適な補助物質並びに担体。またここで調味化合物またはその成分であって下記の風味を生成するものが特に好ましい:ローストした肉類の風味(鶏肉、魚肉、シーフード、牛肉、ポーク、ラム、マトン、ヤギ肉などの風味)、野菜類風味(特にトマト、タマネギ、ニンニク、セロリ、リーキ、マッシュルーム、ナス、海草などの風味)、香辛料風味(特に黒コショウ、白コショウ、カルダモン、ナツメグ、ピメント、マスタード、およびマスタード製品風味)、揚げものの風味、酵母製品の風味、ゆでた製品の風味、脂肪質の風味、塩辛い風味および/または刺激的な風味であって香辛料風味を増すことができるもの。調味化合物は、一般に前述の成分の二つ以上を含む。
【0046】
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料または薬剤)のエネルギー密度は、
経口摂取可能な製品の高カロリー原料を置き換える(例えば脂質を低カロリー増粘剤に置き換える、従来の糖類を低カロリー又はカロリー無甘味料に置き換える)ことにより、低下させることができる。
【0047】
従って、本発明の
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料または薬剤)の好ましい実施例は、(a)1または2以上の甘味料と及び/又は(b)1または2以上の増粘剤と、を有する。
【0048】
用語「甘味料」は、スクロースの糖度(スクロースの糖度値を1とする)に基づき、相対糖度が少なくとも25である物質をいう。本発明の
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料または薬剤)で使用される甘味料(a)は、好ましくはノンカロリー、及び/又は
経口摂取可能な製品1グラムに対し5kcal以下のカロリー量を有する。
【0049】
本発明の
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料または薬剤)において好ましいとされる物質は、乳酸菌で増粘された牛乳及び/又は乳酸菌で増粘されたクリームを含有し、
経口摂取可能な製品の全体量に対して4重量%以下、好ましくは1.5重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下の脂質を含有し、好ましくはヨーグルト、ケフィア、クワルクチーズより成る群から選択される。
【0050】
好ましくは、乳酸菌で増粘された牛乳及び/又は乳酸菌で増粘されたクリームを含有する、本発明の
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料または薬剤)は、
経口摂取可能な製品のカロリー量(100gあたり)が150カロリー以下であり、好ましくは100カロリー以下であり、特に好ましくは75カロリー以下であり、さらに好ましくは50カロリー以下である。
【0051】
乳酸菌で増粘された牛乳及び/又は乳酸菌で増粘されたクリームを含有する、本発明の
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料または薬剤)は、さらにフルーツ及び/又はフルーツ調製物を含有することもできる。
【0052】
好ましい実施例では、乳酸菌で増粘された牛乳及び/又は乳酸菌で増粘されたクリームを含有する、本発明の
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料または薬剤)は、以下を含有する。
・糖類 及び/又は
・増粘剤 及び/又は
・ゲル化剤 及び/又は
・甘味料 及び/又は
・調味成分 及び/又は
・保存剤。
【0053】
本発明の明細書の範囲において(但し、別途明示されている場合または内容から読み取れる場合を除く)、「糖類」とは全ての甘味サッカリド(単糖及び二糖)を含む。
【0054】
有利には、乳酸菌により増粘された牛乳及び/又は乳酸菌により増粘されたクリームを含むプロバイオティックを含む本発明の
経口摂取可能な製品(特に食品及び飼料)は、以下の群からプロバイオティックが選択される
経口摂取可能な製品である:ビフィドバクテリウム・アニマリス サブスピーシーズ ラクティスBB−12、ビフィドバクテリウム・アニマリス サブスピーシーズ ラクティスDN−173 010、ビフィドバクテリウム・アニマリス サブスピーシーズ ラクティスHN019、ラクトバチルス・アシドフィルスLA5、ラクトバチルス・アシドフィルスNCFM、ラクトバチルス・ジョンソニLa1、ラクトバチルス・カゼイ・イミュニタス/ディフェンス、ラクトバチルス・カゼイ・シロタ(DSM 20312)、ラクトバチルス・カゼイCRL431、ラクトバチルス・ロイテリ(ATCC 55730)およびラクトバチルス・ラムノサス。
【0055】
本発明の口腔消耗製品(特に食料品、飼料または薬剤)において、
経口摂取可能な製品は飲料であり、飲料の糖含有量は、100mlあたり30gであることが好ましく、好ましくは15gであり、さらに好ましくは5g以下であり、特に好ましくは糖類を含有しておらず、及び/又は飲料はエタノールを含有していないことが好ましく、またはエタノールの含有量は、飲料の容積全体に対して0.1%以下である。
【0056】
本発明の範囲において、本発明の
経口摂取可能な製品は、エタノールを含有していないことが好ましい。
【0057】
本発明でエタノールを含まないという意味は、エタノールが添加されず、調製物の容積に対し0.1%以下、好ましくは0.01%以下、最も好ましくは測定不可能な微量のエタノールのみが含まれることを意味する。
【0058】
本発明の
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料または薬剤)では、炭酸飲料又は非炭酸飲料が特に好まれる。
本発明の更なる
態様は、以下の実施例及び請求項によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】濃度0.001μM、0.01μM、0.1μM、1μM及び10μMでホモエリオジクチオールで培養した後の、SH−SY5Y細胞からのセロトニン放出
【
図2】水125ml又は水125mlに溶解されたホモエリオジクチオール30mgの投与後における、健康な被験者のセロトニン血漿濃度の変化(2日目)を特定するためのクロスオーバー試験の実施方法。
【
図3】水125mlに溶解されたホモエリオジクチオール30mgの経口投与後における、セロトニン血漿の絶対濃度を特定するための試験方法を示す。
【
図4】0.1%エタノール(コントロール)を含有するHBSS/HEPESバッファ又はHBSS/HEPESバッファに溶解された0.01〜10μMホモエリオジクチオールによる30分間のプレインキュベーション後、3T3−L1脂肪細胞での脂肪酸吸収の変化を示す。
【0060】
<チューインガム>
好ましい
経口摂取可能な製品(特に食料品、飼料または薬剤)はチューインガムである。このような製品は、典型的には非水溶性成分と水溶性成分
を含む。
チューイングガムベースは、好ましくは、チューイングガム又はバブルガムベースからなる群から選択される。後者はより柔らかく、チューイングガムのバブルを形成させることもできる。
【0061】
「ガムベース」としても知られる非水溶性ベースは、通常天然または合成のエラストマー、樹脂、油脂、可塑剤、増量剤、軟化剤、着色料および
任意成分としてのワックス
を含む。ベースの組成物全体に対する比率は通常5〜95重量%であり、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは20〜35重量%である。本発明の典型的な一実施形態において、前記ベースは、20〜60重量%の合成エラストマー、0〜30重量%の天然エラストマー、5〜55重量%の可塑剤、4〜35重量%の増量剤、5〜35重量%の軟化剤から成り、着色料、酸化防止剤などの少量の添加物(ただし、少なくとも少量の水に溶解するものである)を含む。
【0062】
チューインガムまたはデンタルケアチューインガムの形態での本発明の製剤または生成物は、従来の天然ゴムまたは天然ラテックスと含むとともに、例えば、欧州特許第0 242 325号明細書、米国特許第4,518,615号明細書、同第5,093,136号明細書、同第5,266,336明細書、同第5,601,858明細書、または同第6,986,709明細書に記載されるように、エラストマー、例えば、ポリ酢酸ビニル(PVA)、ポリエチレン、(低分子量または中間分子量)、ポリイソブテン(PIB)、ポリブタジエン、イソブテン-イソプレンコポリマー(ブチルゴム)、ポリビニルエチルエーテル(PVE)、ポリビニルブチルエーテル、ビニルエステルとジビニルエーテルのコポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー(スチレン/ブタジエンゴム、SBR)またはビニルエラストマー、例えば、酢酸ビニル/ラウリン酸ビニル、酢酸ビニル/ステアリン酸ビニルまたはエチレン/酢酸ビニルに基づくもの、または記載のエラストマーの混合物を含むチューインガムベースを含む。
【0063】
適当な合成エラストマーは、例えば、平均分子量(GPCを用いて測定した平均分子量)10,000〜100,000、好ましくは50,000〜80,000を有するポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー(「ブチルエラストマー」)、スチレン−ブタジエンコポリマー(スチレン:ブタジエン比、例えば1:3〜3:1)、平均分子量(GPCを用いて測定した平均分子量)2,000〜90,000、好ましくは10,000〜65,000を有するポリビニルアセテート、ポリイソプレン、ポリエチレン、酢酸ビニル/ラウリン酸ビニルコポリマー及び上記の混合物である。適当な天然エラストマーの例は、ゴム、例えばスモークドラテックスまたは液体ラテックス、またはグアユール、および天然ゴム、例えばジェロトン、レチカスピ(lechi caspi)、ペリロ(perillo)、ソルバ、マッサランドババラタ、マッサランドバチョコレート、ニスペロ(nispero)、ロジンジンバ(rosindinba)、チクル、グッタハンカン、および上記混合物である。合成および天然エラストマーの選択およびその混合比は、実質的に、チューイングガム(風船ガム)で風船が作られるか否かによる。好ましくは、ジェロトン、チクル、ソルバおよびマッサランドバを含有するエラストマー混合物が用いられる。
【0064】
多くの場合において、エラストマーは、処理をするには固すぎるか、あるいは可塑性がないため、食品添加物としての許容性に関する具体的なあらゆる条件も満たしている特別な可塑剤を使用することが有利であることが見出された。この点において条件を満たす可塑剤は、とりわけ、樹脂酸エステル、例えば、低級脂肪族アルコールまたはポリオールと完全または部分的に水素化されたモノマーまたはオリゴマー樹脂酸とのエステルである。特にメチル、グリセロール、またはペンタエリスリトールエステル、またはそれらの混合物がこの目的のために用いられる。代替し、α−ピネン、β−ピネン、δ−リモネンまたはそれらの混合物から誘導されうるテルペン樹脂を用いてよい。
【0065】
更に、本発明で使用されるチューインガムベースは、更なる成分、例えば、(ミネラル)充填剤、可塑剤、乳化剤、抗酸化剤、ワックス、脂肪または脂肪油、例えば、硬化処理された(水素化された)植物性脂肪または動物性脂肪、またはモノ−、ジ−またはトリグリセリドを含む。適切な(ミネラル)充填剤は、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、タルク、酸化アルミニウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、水酸化マグネシウムまたはこれらの混合物である。適切な可塑剤または粘着を防止する物質(剥離剤)は、例えば、ラノリン、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、酢酸エチル、ジアセチン(グリセロールジアセテート)、トリアセチン(グリセロールトリアセテート)またはトリエチルシトレートである。適切なワックスは、例えば、パラフィンワックス、カンデリラロウ、カルナウバろう、マイクロクリスタリンワックスまたはポリエチレンワックスである。適切な乳化剤は、例えば、リン脂質、例えばレシチン、または脂肪酸のモノ−またはジグリセリド、例えばグリセロールモノステアレートである。
【0066】
適当な充填剤または調質剤は、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、粉砕軽石、ケイ酸塩、特にケイ酸マグネシウムまたはケイ酸アルミニウム、粘土、酸化アルミニウム、滑石、二酸化チタン、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウムおよびリン酸三カルシウムならびにセルロースポリマーである。
【0067】
適当な乳化剤は、獣脂、水素化獣脂、水素化植物油または部分水素化植物油、カカオ脂、部分グリセリド、レシチン、トリアセチンおよび6〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有する飽和または不飽和脂肪酸、ならびにそれらの混合物である。
【0068】
適当な着色料および白色化剤は、例えば、FD&Cタイプ、食品着色用に許可された植物抽出物および果物抽出物、および二酸化チタンである。
【0069】
ガムベースは、ワックスを含有してもよいし、ワックス不含であってもよい。ワックス不含組成物の例は、特に米国特許第5,286,500号に見ることができ、これにより、この文献の開示を明示的に記載したものとする。
【0070】
非水溶性ガムベースに加えて、チューインガム組成物は、通常、例えば軟化剤、甘味料、充填剤、香味料、風味増強剤、乳化剤、着色料、酸性化剤、酸化防止剤などにより形成される水溶性成分を含有する、ただしこの場合、該成分は少なくとも十分な水溶解性を有する。特定の例の水溶解性に応じて、個々の成分は水不溶性相および水溶性相の両方に属する。しかし、例えば水溶性および水不溶性乳化剤の組合せを用いてもよく、その場合、個々の例は異なる相に存在する。非水溶性成分は、通常、製剤の5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%を構成する。
【0071】
チューイングガム組成物には、さらに水溶性軟化剤または可塑剤が、通常0.5〜15重量%の量で混合物中に添加されることにより、咀嚼性および咀嚼感覚が改善される。典型例としては、グリセロール、レシチンおよびソルビトール水溶液、水素化デンプン加水分解物またはコーンシロップである。
【0072】
甘味料としては、糖含有化合物または糖不含化合物の両方が使用され、チューイングガム組成物に基づいて、5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%、より具体的には30〜60重量%の量で使用される。典型的な糖甘味料は、スクロース、デキストロース、マルトース、デキストリン、乾燥転化糖、フルクトース、レブロース、ガラクトース、コーンシロップ並びにそれらの混合物である。適当な代替糖は、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、水素化デンプン加水分解物、マルチトールならびにそれらの混合物である。さらなる適当な添加剤は、いわゆる高甘味度人工甘味料(HIAS)、例えば単独または混合物形態のいずれかのスクラロース、アスパルテーム、アセスルファム塩、アリタム(alitam)、サッカリンおよびサッカリン塩、シクラミン酸およびその塩、グリチルリシン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリンなどである。特に効果的なものとしては、国際公開第2002/091849号の主題である、疎水性HIAS、並びにステビア抽出物およびその活性成分、特にレバウジオシドAである。これらの物質が用いられる量は、主にその甘味度に依存し、通常は0.02〜8重量%の範囲である。
【0073】
低カロリーチューイングガムの製造に使用する充填剤としては、例えばポリデキストロース、ラフチロース、ラフチリン、フラクトオリゴ糖(NutraFlora)、パラチノースオリゴ糖、グアールガム加水分解物(Sun Fiber)およびデキストリンが特に適している。
【0074】
香味料の選択は、実質的には制限されず、本発明の本質において重要ではない。通常、香味料はチューイングガム組成物のうち、0.1〜15重量%、好ましくは0.2〜5重量%を構成する。適当な香味料は、例えば口腔ケア製品およびデンタルケア製品において使用されるような、例えばアニシード油、スターアニス油、クミン油、ユーカリ油、フェンネル油、レモン油、冬緑油、丁子油などの精油、合成調味成分等である。
【0075】
チューイングガムは、例えばクロルヘキシジン、CPCまたはトリクロサン等、例えば歯科医療用、より具体的にはプラーク制御用および歯肉炎用に適した補助物質および添加剤を追加的に含有してもよい。さらに、食品において許可された物質であり、望ましくない相互作用を互いに引き起こさないことを条件として、pH調整剤(例えば緩衝液または尿素)、抗虫歯剤(例えばリン酸塩またはフッ化物)、生物起源剤(抗体、酵素、カフェイン、植物抽出物)を含有してもよい。
【0076】
本発明に係るチューインガムは、好ましくは以下のような成分を含む:異なる種類の糖、しょ糖代用品、その他の甘味物質、糖アルコール(特にソルビトール、キシリトール、マンニトール)、清涼効果を有する成分、不快な風味を防止するための風味修正物質、更に、イノシトールリン酸、ヌクレオチド(例えばグアノシン、モノホスファート、アデノシン一リン酸または他の物質(例えばグルタミン酸ナトリウムまたは2−フェノキシプロピオン酸))などの風味を調整する風味調整物質、湿潤剤、増粘剤、乳化剤、安定剤、芳香修正剤および調味成分(例えばユーカリノキ−メントール、サクランボ、イチゴ、グレープフルーツ、バニラ、バナナ、柑橘類、桃、クロフサスグリ、トロピカルフリーツ、ショウガ、コーヒー、シナモンなどの調味成分、およびこれらとミント調味成分およびスペアミント調味成分やペパーミント調味成分との組合せあるいはこれら単独での使用)。とりわけ、更に清涼効果、加熱効果および/または口内湿潤性能を有する調味成分は特に有益である。
【0077】
<調製物の原料>
本発明の食料品、飼料、医薬品及び
経口摂取可能な調合物は、さらなる原料を含んでもよく、例えば甘味料、食用酸、酸調整剤、増粘剤、及び特に食料品分野及び医薬品分野の両方で使用できる調味成分を含み得るため、原料のリストBとCとの間に明確な境界を引くことができない。従って、原料は適用方法及び使用に基づき、便宜上使用するものである。
【0078】
<甘味料>
本発明で好ましいとされる
経口摂取可能な製品(特に食品、飼料品または薬剤)に用いる甘味料は、以下の群(a1)及び(a2)から選択される。
【0079】
(i)天然由来甘味料であって、好ましくは、以下を含む群から選択されるもの:
(a1−1)ミラキュリン、モネリン、マビンリン、タウマチン、クルクリン、ブラゼイン、ペンタミジン、D−フェニルアラニン、D−トリプトファン、および天然由来の抽出物または蒸留物であってこれらのアミノ酸および/またはタンパク質を含み生理学的にこれらアミノ酸および/またはタンパク質の塩、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、もしくは塩化アンモニウムとして許容可能なもの;
(a1−2)ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ナリンギンジヒドロカルコン、ステビオサイド、ステビオールビオシド、レバウジオシド、特にレバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、ズルコシド、およびルブソシド、スアビオシドA、スアビオシドB、スアビオシドG、スアビオシドH、スアビオシドI、スアビオシドJ、バイユノシド1、バイユノシド2、フロミソシド1、フロミソシド2、フロミソシド3、およびフロミソシド4、アブルソシドA、アブルソシドB、アブルソシドC、アブルソシドD、シクロカリオシドA、およびシクロカリオシドI、オスラジン、ポリポドシドA、ストロジン1、ストロジン2、ストロジン4、セリゲアインA、ジヒドロクエルセチン3−アセテート、ペリラルチン、テロスモシドA15、ペリアンドリンI〜V、プテロカリオシド、シクロカリオシド、ムクロジオシド、trans−アネトール、trans−シンナムアルデヒド、ブリオシド、ブリオノシド、ブリオノズルコシド、カルノシフロシド、スカンデノシド、ギペノシド、トリロバチン、フロリジン、ジヒドロフラバノール、ヘマトキシリン、シアニン、クロロゲン酸、アルビジアサポニン、テロスモシド、ガウジチャウジオシド、モグロシド、モグロシドV、ヘルナンズルチン、モナチン、フィロズルチン、グリチルレチン酸およびその誘導体、特にグリシルリチンなどのグリコシド、およびこれらの化合物の生理学的に許容可能な塩、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、もしくは塩化アンモニウムとして許容可能なもの;
(a1−3)抽出物あるいは当該抽出物の濃縮蒸留物であって、以下を含む群から選択されるもの:ソーマトコッカス抽出物(ミラクルフルーツの木)、Stevia亜種、キンカン抽出物、カンゾウ属亜種(特にスペインカンゾウ抽出物、キイチゴ亜種抽出物(特に甜茶)、柑橘類抽出物およびメキシカン・スイートハーブ抽出物;
(a2)合成甘味物質であって、好ましくは以下を含む群から選択されるもの:マガップ、シクラミン酸ナトリウムあるいはその他のシクラミン酸の生理学的に許容可能な塩、アセスルファムKあるいはその他のアセスルファムの生理学的に許容可能な塩、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ナリンギンジヒドロカルコン、サッカリン、サッカリン−ナトリウム塩、アスパルテーム、スーパーアスパルテーム、ネオテーム、アリテーム、アドバンテーム、ペリラルチン、スクラロース、ラグデゥネーム、カレラーム、スクロノネート、およびスクロオクテート。
【0080】
<pH調整剤>
pH調整剤は、食品の酸性またはアルカリ性を安定させ、食品のpHを一定にするための食品添加剤である。pH調整剤は、主に有機酸、有機塩、炭酸塩であり、稀に無機酸および無機塩である。pH調整剤の添加は、食品の安定性および堅さを向上させ、望ましい沈殿を生じ、保存料の有効性を改善させる。酸味料とは異なり、pH調整剤は食味を変化させるために使用されるものではない。pH調整剤の活動は、pHが調整されていない、または酸またはアルカリが添加されることによりpHが微調整されている食品にバッファ・システムを生成させることである。pH調整剤の例は以下の通りである。
【0081】
本発明における酸は、食品に使用可能な酸であり、特に以下の酸である。
E270−乳酸
E290−二酸化炭素
E296−リンゴ酸
E297−フマル酸
E331−クエン酸ナトリウム
E332−クエン酸カリウム
E333−クエン酸カルシウム
E335−酒石酸ナトリウム
E336−酒石酸カリウム
E337−酒石酸ナトリウムカリウム
E338−リン酸
E353−メタ酒石酸
E354−酒石酸カルシウム
E363−コハク酸
E380−クエン酸三アンモニウム
E513−硫酸
E575−グルコノデルタラクトン
E170−炭酸カルシウム
E260〜263−酢酸及び酢酸塩
E325〜327−乳酸塩(乳酸)
E330〜333−クエン酸およびクエン酸塩
E334〜337−酒石酸および酒石酸塩
E339〜341−リン酸
E350〜352−リンゴ酸塩(リンゴ酸)
E450−二リン酸塩
E451−三リン酸塩
E452−ポリリン酸塩
E500〜504−炭酸塩(二酸化炭素)
E507−塩酸および塩化物
E513〜517−硫酸および硫酸塩
E524〜528−水酸化物
E529〜530−酸化物
E355〜357−アジピン酸およびアジピン酸塩
E574〜578−グルコン酸およびグルコン酸塩
【0082】
<増粘剤>
増粘剤は、水と結合するための最も重要な物質である。結合されていない水を取り除くことにより、粘度の向上に繋がる。まず、各増粘剤の濃度の特徴としては、濃度の効果と共に結合効果を生じることにより、粘度の一般的な不均化反応が起こる。この場合、例えば分子がループして、互いに「結合」すると言われる。殆どの増粘剤は直鎖または分岐高分子であり(例えば、多糖又はタンパク質)、水素結合、疎水性相互作用、イオン結合により、分子間相互作用によって、互いに反応する。増粘剤の極端な例としては、ケイ酸塩鉱物(ベントナイト、ヘクトライト)、または水和性シリカゲル(SiO2)粒子であり、これらの増粘剤は分散粒子であり、固形の状態で水と結合し、または上述の反応によって互いに反応する。増粘剤の例は以下の通りである。
【0083】
E400−アルギン酸
E401−アルギン酸ナトリウム
E402−アルギン酸カリウム
E403−アルギン酸アンモニウム
E404−アルギン酸カルシウム
E405−アルギン酸プリピレングリコール
E406−寒天
E407−カラギーナン、フルセララン
E407−キャロブ粉
E412−グアーガム
E413−トラガカント
E414−アラビアガム
E415−キサンタン
E416−カラヤゴム(インドゴム)
E417−タラパウダー
E418−ジェラン
E440−ペクチン、オペクタ
E440ii−アミド化ペクチン
E460−微結晶性セルロース, 粉末セルロース
E461−メチルセルロース
E462−エチルセルロース
E463−ヒドロキシプロピルセルロース
E465−メチルエチルセルロース
E466−カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム
【0084】
<調味成分>
適した調味成分は、好ましくは感覚的な活性成分であり、好ましくは検知される閾値よりも大きい濃度で使用される。混合物で使用される調味成分の例は、例えばH. Surburg, J. Panten, Common Fragrance and Flavor Materials, 5th. Ed., Wiley-VCH, Weinheim 2006で見つけられる。
【0085】
調味成分は、調味化合物の形態で使用でき、同様に熱処理調味成分の形態で使用でき(Maillard製品)及び/又は植物の抽出物又は精油、又は植物の一部又はこれらの留分としても使用できる。
【0086】
本発明の食料品または薬剤調合物には、1以上の調味成分を含んでもよい。典型的な香料は、以下の通りである:アセトフェノン、カプロン酸アリル、α−イオノン、β−イオノン、アニスアルデヒド、酢酸アニシル、アニシルホーメート、ベンズアルデヒド、ベンゾチアゾール、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、β−イオノン、酪酸ブチル、カプロン酸ブチル、ブチリデンフタリド、カルボン、カンフェン、カリオフィレン、シネオール、酢酸シンナミル、シトラール、シトロネロール、シトロネラール、酢酸シトロネリル、酢酸シクロヘキシル、シメン、ダマスコン、デカラクトン、ジヒドロクマリン、ジアントラニル酸メチル、アントラニル酸ジメチル、ドデカラクトン、酢酸エトキシエチル、エチル酪酸、カプリン酸エチル、カプロン酸エチル、クロトン酸エチル、エチルフラネオール、エチルグアヤコール、イソ酪酸エチル、エチルイソバレレート、乳酸エチル、メチル酪酸エチル、プロピオン酸エチル、ユーカリプトール、オイゲノール、エチルヘプチラート、4−(p−ヒドロキシフェニル)-2−ブタノン、γ-デカラクトン、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、グレープフルーツアルデヒド、メチルジヒドロジャスモネート(例えばHedion(登録商標))、へリオトロピン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、トランス−2−ヘプテナール、シス−4−ヘプテナール、トランス−2−ヘキセナール、シス−3−ヘキセノール、トランス−2−ヘキサン酸、トランス−3−ヘキサン酸、酢酸シス−2−ヘキセニル、酢酸シス−3−ヘキセニル、カプロン酸シス−3−ヘキセニル、カプロン酸トランス−2−ヘキセニル、ギ酸シス−3−ヘキセニル、酢酸シス−2−ヘキシル、酢酸シス−3−ヘキシル、酢酸トランス−2−ヘキシル、ギ酸シス−3−ヘキシル、パラ−ヒドロキシベンジルアセトン、イソアミルアルコール、イソ吉草酸イソアミル、酪酸イソブチル、イソブチルアルデヒド、イソオイゲノールメチルエステル、イソプロピルメチルチアゾール、ラウリン酸、レブリン酸、リナノール、リナノールオキシド、酢酸リナリル、メントール、メントフラン、アントラニル酸メチル、メチルブタノール、メチル酪酸、酢酸2−メチルブチル、カプロン酸メチル、ケイ皮酸メチル、5−メチルフルフラール、3,2,2−メチルシクロペンテノロン、6,5,2−メチルヘプテノン、メチルジヒドロジャスモネート、ジャスモン酸メチル、メチル酪酸2−メチル、2−メチル-2−ペンテン酸、チオ酪酸メチル、3,1-メチルチオヘキサノール、酢酸3−メチルチオヘキシル、ネロール、酢酸ネリル、トランス,トランス-2,4−ノナジエナール、2,4−ノナジエノール、2,6−ノナジエノール、2,4−ノナジエノール、ノートカトン、δ−オクタラクトン、γ−オクタラクトン、2−オクタノール、3−オクタノール、1,3−オクテノール、1−酢酸オクチル、3−酢酸オクチル、パルミチン酸、パラアルデヒド、フェランドレン、ペンタンジオン、フェニル酢酸エチル、フェニルエチルアルコール、イソ吉草酸フェニルエチル、ピペロナール、プロピオンアルデヒド、酪酸プロピル、プレゴン、プレゴール、シネンサール、スルフロール、テルピネン、テルピネオール、テルピノール、8,3−チオメンタノン、4,4,2−チオメチルペンタノン、チモール、δ−ウンデカラクトン、γ−ウンデカラクトン、バレンセン、吉草酸、バニリン、アセトイン、エチルバニリン、イソ酪酸エチルバニリン(= 3−エトキシ−4−イソブチリルオキシベンズアルデヒド)、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン及びその誘導体(好ましくは、ホモフラネオール)(=2−エチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−3(2H)−フラノン)、ホモフロノール(=2−エチル−5−メチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン及び5−エチル−2−メチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン)、マルトール及びマルトール誘導体(好ましくは、エチルマルトール)、クマリン及びクマリン誘導体、γ−ラクトン(好ましくは、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン)、δ−ラクトン(好ましくは、4−メチル−δ−デカラクトン、マソイアラクトン、δ−デカラクトン、ツベロラクトン)、ソルビン酸メチル、ジバニリン、4−ヒドロキシ−2(または5)−エチル−5(または2)−メチル−3(2H)−フラノン、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテノン、3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン、酢酸イソアミル、酪酸ブチル、酪酸−n−ブチル、酪酸イソアミル、3−メチル-酪酸ブチル、n−ヘキサン酸エチル、n−ヘキサン酸アリル、n−ヘキサン酸エチル−n−酪酸、n−オクタン酸エチル、エチル−3−メチル-3−フェニルグリシデート、エチル2−トランス−4−シス−デカジエノエート、4−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、1,1−ジメトキシ−2,2,5−トリメチル−4−ヘキサン、2,6−ジメチル−5−ヘプテン−1−アル、フェニルアセトアルデヒド、2−メチル−3−(メチルチオ)フラン、2−メチル-3−フランチオール、ビス(2−メチル−3−フリル)ジスルフィド、フルフリルメルカプタン、メチオナール、2−アセチル−2−チアゾリン、3−メルカプト−2−ペンタノン、2,5−ジメチル−3−フランチオール、2,4,5−トリメチルチアゾール、2−アセチルチアゾール、2,4−ジメチル−5−エチルチアゾール、2−アセチル−1−ピロリン、2−メチル−3−エチルピラジン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−エチル−3,6−ジメチルピラジン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、3−イソプロピル−2−メトキシピラジン、3−イソブチル−2−メトキシピラジン、2−アセチルピラジン、2−ペンチルピリジン、(E,E)−2,4−デカジエナール、(E,E)−2,4−ノナジエナール、(E)−2−オクテナール、(E)-2−ノネナール、2−ウンデセナール、12‐メチルトリデカナール、1−ペンテン−3−オン、4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン、グアヤコール、3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン、3−ヒドロキシ−4−メチル−5−エチル−2(5H)-フラノン、桂皮アルデヒド、桂皮アルコール、サリチル酸メチル、イソプレゴール及び(特に明言されていないが)、立体異性体、エナンチオマー、位置異性体、ジアステレオマー、シス−トランス異性体またはこれらの物質のエピマー。
【0087】
<ビタミン>
本発明の一実施形態として、食料品又は薬剤調合物には、添加剤の任意の群としてビタミンを含んでもよい。ビタミンは、生化学的作用において多岐に渡る機能を持つ。ビタミンの一部は、ホルモンと同様の機能を有し、ミネラルの代謝を維持し(例えばビタミンD)、または細胞及び組織の成長、並びに細胞分化を促す(例えばビタミンA)作用を持つ。他のビタミンは、酸化防止剤として用いられる(例えばビタミンE及び一定条件下のビタミンC)。ビタミンのうちの最大数は、酵素補因子の先駆体であり(例えばビタミンB)、一定の代謝過程において、触媒作用をする酵素の補酵素として機能する。これに伴い、例えば配合群の一部として、時にビタミンは酵素と強く結合する。配合群の一例として、脂肪酸の合成を起こす酵素の一部であるビオチンが挙げられる。一方、例えば容易に分離される群として、ビタミンが弱い力で結合し、共触媒として機能し、これによって分子間の化合物または電子を利用して輸送する。従って、例えば葉酸は、メチル基、ホルミル基、メチレン基の群を細胞内に輸送する。酵素−基質反応におけるビタミンの働きは良く知られているが、ビタミンの他の性質も身体にとって重要な要素である。
【0088】
本発明においては、ビタミンとしての使用が考慮される物質は、以下の群から選択される。
・ビタミンA(レチノール、レチナール、β−カロテン)、
・ビタミンB
1(チアミン)、
・ビタミンB
2(リボフラビン)、
・ビタミンB
3(ナイアシン、ニコチンアミド)、
・ビタミンB
5(パントテン酸)、
・ビタミンB
6(ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサール)、
・ビタミンB
7(ビオチン)、
・ビタミンB
9(葉酸、フォリン酸)、
・ビタミンB
12(シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン)、
・ビタミンC(アスコルビン酸)、
・ビタミンD(コレカルシフェロール)、
・ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)及び
・ビタミンK(フィロキノン、メナキノン)。
【0089】
特に好ましいビタミンは、アスコルビン酸に加えて、トコフェロール群である。
【0090】
<プレバイオティクス成分>
本発明の他の実施例として、食料品または薬剤には、さらにプレバイオティク成分(プレバイオティクス)が含まれてもよい。プレバイオティクスは、食品として摂取することにより、結腸細菌の成長または活動を刺激する、消化できない食品成分である。プレバイオティクス化合物の添加は、腸管での分解構成において、アントシアニンの安定性を改善する。以下の様々な物質は、特に本発明においてプレバイオティクスとして好まれる炭水化物である。
【0091】
フラクトオリゴ糖 フラクトオリゴ糖(FOS)は、例えばD−フルクトース及びD−グルコース等、特に3から5の炭素数である短鎖脂肪酸である。FOSはネオシュガーとも言われており、商業的にはスクロース及び菌類から抽出されるフラクトシル転移酵素から製造される。FOSは特に腸内でのビフィズス菌の成長を促し、主にアメリカでは、様々な機能食品に含まれるプロバイオティクス細菌と共に販売されている。
【0092】
イヌリン イヌリンは、フルクトースを含有し、自然界で作られるオリゴ糖の群に属する。イヌリンは、フルクタンという炭水化物の一種である。イヌリンは、チコリー(Cichorium intybus)またはキクイモ(エルサレム・アーティチョーク、Jerusalem artichokes)の根から得られる。イヌリンは主にフルクトースの群に属し、典型的には末端にグルコースが結合している。フルクトースの群は、イヌリン中でβ-(2−1)グリコシド結合をしている。食品業界におけるプレバイオティクスとして用いられるイヌリンの平均的な重合度は、10から12の間である。また、イヌリンは大腸のビフィズス菌の成長を促す。
【0093】
イソマルトオリゴ糖 イソマルトオリゴ糖は、α−D−結合されたグルコースオリゴマーの混合物の群であり、イソマルトース、パノース、イソマルトテトラオース、イソマルトペンタオース、ニゲロース、コージビオース、イソパノース及び高分岐オリゴ糖を含む。イソマルトオリゴ糖は、様々な転移酵素を利用して製造される。イソマルトオリゴ糖は、腸のビフィズス菌及び乳酸菌の成長を促進する。日本では、イソマルトオリゴ糖は特に機能食品の添加剤として使用されている。また、現在ではアメリカでも広く使用されている。
【0094】
ラクチトール ラクチトールは、ラクツロースの二糖である。ラクチトールは、便秘薬及び肝性脳症の治療薬として使用されている。日本では、ラクチトールはプレバイオティクスとしても使用されている。ラクチトールは上部消化器官では消化されないが、様々な腸内細菌によって発酵されるため、腸内でのビフィズス菌及び乳酸菌のバイオマスの増加を生じる。ラクチトールは、4−O−(β−D−ガラクトピラノシル)−D−グルシトールの化学名でも知られている。アメリカでのラクチトール用法は、調査不足によって限られているが、ヨーロッパでは甘味料として好まれている。
【0095】
ラクトスクロース ラクトスクロースは、D−ガラクトース、D−グルコース及びD−フルクトースからなる三糖である。ラクトスクロースは、ラクトース中のガラクトシル残基がスクロースに酵素転移する際に生成される。ラクトスクロースは胃腸または腸管の上部では分解されず、ビフィズス菌を増やすために広く消費されている。生理的観点からは、ラクトスクロースは腸内細菌の成長を促す刺激因子として機能する。また、ラクトスクロースは4G−β−D−ガラクトスクロースとしても知られている。日本では食品添加剤及び機能性食品を構成するために広く使用されており、特にヨーグルトの添加物としても使用されている。現在、アメリカでは、ラクトスクロースの使用用途の試験が行われている。
【0096】
ラクツロース ラクツロースは、D−ラクトース及びD−フルクトースからなる、半合成の二糖類である。糖類はβ−グリコシド結合することにより、消化酵素による加水分解に対して耐性を作る。代わりに、ラクツロースは限られた数の腸内細菌によって発酵し、特に乳酸菌及びビフィズス菌を増殖する。アメリカでは、ラクツロースは、便秘薬及び肝性脳症の治療薬として使用されている。しかし、日本では食品添加剤及び機能性食品を構成するためとしてのみ販売されている。
【0097】
ピロデキストリン ピロデキストリンは、澱粉の加水分解によって生成される、グルコースを含有するオリゴ糖の混合物を含む。ピロデキストリンは、腸内でのビフィズス菌の増殖を促す。ピロデキストリンも、腸管の上部では分解されない。
【0098】
大豆オリゴ糖 大豆オリゴ糖はオリゴ糖に属し、大豆のみ、又は他の豆類またはエンドウから抽出される。2種類の代表的な大豆オリゴ糖は、三糖ラフィノース及び四糖類スタキオースである。ラフィノースは、D−ガラクトース、D−グルコース及びD−フルクトースの、それぞれ1分子ずつから成る。スタキオースは、D−ガラクトースが2分子、D−グルコース及びD−フルクトースはそれぞれ1分子から成る。大豆オリゴ糖は、腸内のビフィズス菌の成長を促し、日本では食品添加剤及び機能性食品を構成するために用いられている。現在、アメリカでも、同様の用途で使用するための試験が行われている。
【0099】
転移オリゴ糖 転移オリゴ糖(TOS)は、D−グルコース及びD−ガラクトースからなる、オリゴ糖の混合物である。TOSは、麹菌(Aspergillus oryzae)に含まれる酵素β-グルコシダーゼと反応することにより、D−ラクトースから誘導される。他のプレバイオティクスと同様、TOSは小腸で安定して機能し、腸内のビフィズス菌の成長を促進する。TOSは、ヨーロッパ及び日本において、食品添加剤として販売されている。
【0100】
キシロオリゴ糖 キシロオリゴ糖は、β−1,4−結合されたキシロース基を含む。キシロオリゴ糖の重合度は、2から4の間である。キシロオリゴ糖は、多糖キランが酵素加水分解を起こすことによって得られる。キシロオリゴ糖は、日本では食品添加剤として販売されているが、アメリカでは現在でも試験中である。
【0101】
バイオポリマー 例えばβ−グルカンのように、プレバイオティクスとして考慮されるバイオポリマーの適例は、植物由来である点が特徴的であり;原材料の一例には、オート麦及び大麦などのシリアルのみならず、菌類、酵母、細菌なども含まれる。また、微生物によって生成された細胞壁またはβ−グルカンを多量に含む全細胞も適している。残存モノマーは、1−3及び1−4、または1−3及び1−6結合され、幅広い構成を持ち得る。β−グルカンは、好ましくは酵母、特に出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)を成分としている。他の適したバイオポリマーとしては、キチン及びキチン誘導体であり、特に典型的な親水コロイドである、オリゴグルコサミン及びキトサンである。
【0102】
ガラクトオリゴ糖(GOS) ガラクトオリゴ糖(GOS)は、牛乳の成分であるラクトースの酵素変換によって生成される。GOSは、ガラクトース基の結合からなり、トランスグリコシル化反応によって生成され、末端にグルコースが1つ結合している。末端のグルコースは、GOSの加水分解の初期に大半が得られる。GOSの重合度は、2から8重合体の間で、かなり幅広く変動する。重合度の変動は、以下のモノマー体の構造及び順番を決定する:酵素成分、出発物質(クトース濃縮物及びラクトース原料)、生成中における酵素、生成時の条件及び媒質の組成物。
【0103】
<プロバイオティクス細菌>
本発明において使用されるプロバイオティクス微生物は、「プロバイオティクス細菌」であり、宿主の健康に対し有益な生理学的作用を生じさせる、生きた細菌である。FAO/WHOにより現在承認されている定義では、プロバイオティクスは:「適切な量で投与したときに、宿主に健康上の有益さをもたらす生きた微生物」である。乳酸菌(LAB)およびビフィズス菌は、最も一般的に知られているプロバイオティクスであるが、様々な酵母や桿菌も有用である。プロバイオティクスは、一般に生きた培養菌が添加されている発酵食品の一部として、例えば、ヨーグルトまたは豆乳ヨーグルトに含まれて、又は栄養補助食品として、消費される。さらに、冷凍乾燥された微生物を含むタブレット、カプセル、粉末及びサシェットも入手可能である。表1は、本発明の範囲内で使用できる、市販で入手可能なプロバイオティクス及びそれに関連する健康の利点の全体図である。
【0104】
チューインガムのガムベースは、好ましくはチューインガム又は風船ガムベースを含む群から選択される。後者は、風船を形成できるように柔らかい物質である。
【0105】
【表1】
【0106】
プロバイオティクスとして使用できる2種類の乳酸菌は、以下の通りである。
・ブルガリア菌(Lactobacillus bulgaricus)
・ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)
【0107】
上述の乳酸菌をベースとした特別な犯行食品も使用可能である:
・混合されたピクルス
・テンペ、ミソ及びテンジャン等の発酵大豆ペースト
・ケフィア
・バターミルク
・キムチ
・泡菜
・醤油
・ザーサイ
【0108】
<味感向上剤及び調味成分>
本発明の食料品及び医薬品は、塩味、任意での微量の酸味及び/又はうま味の印象を与える調味成分を追加で含んでもよい。塩味を有する化合物または塩味を向上する化合物が優先される。好ましい化合物は、国際公開第2007/045566号に掲載されている。別の好ましい形態は、国際公開第2008/046895号及び欧州特許公開第1989944号に記載されているような旨味化合物である。
【0109】
本発明の食料品及び医薬品は、さらに、苦み及び渋みの食味を改善する調味成分(矯味剤)を有する。矯味剤は、好ましくは以下に列挙するものから選択される:特に米国特許公開第2002/0188019号によるヌクレオチド(例えば、アデノシン5’−モノホスフェート、シチジン5’−モノホスフェート)またはその製薬上許容される塩、ラクチソル、ナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムグルコネート)、更にはヒドロキシフラボノン(例えば、エリオジクチオール、ホモエリオジクチオールまたはそのナトリウム塩);ドイツ特許公開第10 2004 041 496によるヒドロキシ安息香酸アミド(例えば、2,4-ジヒドロキシ安息香酸バニリルアミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N−(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド、2,4,6-トリヒドロキシ安息香酸N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド、2-ヒドロキシ安息香酸N−4-(ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド、4-ヒドロキシ安息香酸N−(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N−(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド一ナトリウム塩、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N-2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)エチルアミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N-(4-ヒドロキシ-3-エトキシベンジル)アミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N-(3,4-ジヒドロキシベンジル)アミドおよび2-ヒドロキシ-5-メトキシ−n−[2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)エチル]アミド[アダンカミド]、4-ヒドロキシ安息香酸バニリルアミド);国際公開第2006/106023号に記載された苦味-隠蔽性ヒドロキシデオキシベンゾイン(例えば、2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-1-(2,4,6-トリヒドロキシフェニル)エタノン、1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-エタノン、1-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-エタノン);アミノ酸(例えば国際公開第2005/096841号に記載された、苦味等の不快な味覚上の印象を減じもしくは隠蔽するためのγ-アミノ酪酸);国際公開第2006/003107号に記載されたリンゴ酸グリコシド;国際公開第2007/045566に記載された塩味を持つ混合物;国際公開第2006/058893に記載されたジアセチルトリマー;ジバニリン、ホエータンパク質とレシチンおよび/または苦味-隠蔽性物質との混合物、例えば国際公開第2007/003527に記載されたジンジャージオン、欧州特許第1,972,203号に記載された4−ヒドロキシジヒロドロカルコン、欧州特許第2,353,403号に記載されたジヒロドロカルコン、欧州特許第2,058,297号に記載された、ペリトリン等のアルカミド、欧州特許第2,253,226号に記載されたヒドロキシフラバン、欧州特許第2,386,221号に記載された甜茶(Rubus suavissimus)欧州特許第2,517,574号によるバニリルリグナン、欧州特許第2,570,035号に記載されたネオイソフラボノイド、欧州特許第2,597,082号に記載されたデカジエノイルアミノ酸又は欧州特許第2,725,026号に記載された複素環ネオフラボノイド。
【0110】
好ましい香料は、甘い香りを与える香料であり、さらに香料又は甘い香りを与える香料は、好ましくは以下の群から選択される:バニリン、エチルバニリン、エチルバニリンイソブチレート(例えば、3−エトキシ−4−イソブチリルオキシベンズアルデヒド)、フラネオ−ル(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン)及び誘導体(例えば、ホモフラネオ−ル、2−エチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−3(2H)−フラノン)、ホモフロノ−ル(2−エチル−5−メチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン及び5−エチル−2−メチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン)、マルト−ル及び誘導体(例えば、エチルマルト−ル)、クマリン及び誘導体、γ−ラクトン(例えば、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン)、δ−ラクトン(例えば、4−メチル−δ−ラクトン、マソイアラクトン、δ−デカラクトン、ツベロラクトン)、ソルビン酸メチル、ジバニリン、4−ヒドロキシ−2(または5)−エチル−5(または2)−メチル−3(2H)−フラノン、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテノン、3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン、果物エステル及び果物ラクトン(例えば、酢酸n−ブチルエステル、酢酸イソアミルエステル、プロピオン酸エチルエステル、ブチル酸エチルエステル、ブチル酸n−ブチルエステル、イソアミルブチル酸、3−メチルブチル酸エチルエステル、n−ヘキサン酸エチルエステル、n−ヘキサン酸アリールエステル、n−ヘキサン酸n−ブチルエステル、n−オクタン酸エチルエステル、エチル3−メチル−3−フェニルグリシデ−ト、エチル2−トランス−4−シス−デカジエノエート)、4−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、1,1−ジメトキシ−2,2,5−トリメチル−4−ヘキサン、2,6−ジメチル−5−ヘプテン−1−アル、4−ヒドロキシ桂皮酸、4−メトキシ−3−ヒドロキシ桂皮酸、3−メトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸、2−ヒドロキシ桂皮酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、ホモバニリン酸、バニロマンデル酸及びフェニルアセトアルデヒド。
【0111】
特に、強い甘味を示す調味成分無しで、確実に甘味を与えることができる調味成分が有利とされ、このような調味成分は、好ましくは以下の群から選択される:国際公開第2007/014879号に開示されているヘスペレチン、国際公開第2007/003527号に記載されているヒドロキシフェニルアルカンジオン、国際公開第2007/107596号及び欧州特許第1,972,203号に記載されている4−ヒドロキシジヒドロカルコン、欧州特許第1955601号に記載されているプロペニルフェニルグリコシド(カビコールグリコシド)、欧州特許第2298084号に記載されているフィロズルチン(又はフィロズルチンを含有する抽出物)、国際公開第2012/164062号に記載されているバランシンA又はバランシンB(またはバランシンA又はバランシンBの抽出物)、欧州特許第2253226号に記載されているヒドロキシフラバン、欧州特許第2,353,403号による1-(2,4−ジヒドロキシフェニル)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−プロパン−1−オン、欧州特許出願第14172306.4に記載されている酵素処理されたルブソシド又は欧州特許第2570036号に記載されたネオイソフラバノイド。
【0112】
<酸化防止剤>
食品業界においては、天然型酸化防止剤及び合成酸化防止剤の両方が使用されている。天然型酸化防止剤及び合成酸化防止剤は、前者は食品から自然に発生し、後者は合成的に製造される点において主に異なる。従って、食品添加剤として使用される天然型酸化防止剤は、例えば植物性油脂から抽出される。トコフェロールとしても知られるビタミンEは、例えば大豆油から製造される場合が多い。一方、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル及び没食子酸ドデシル等の合成酸化防止剤は、化学合成によって得られる。アレルギー反応に敏感な人には、没食子酸からアレルギーを起こすことがある。本発明における組成物として使用できる酸化防止剤としては:二酸化硫黄(E220)、亜硫酸ナトリウム(E221)、亜硫酸水素ナトリウム(E222)、亜硫酸ナトリウム(E223)、亜硫酸カリウム(E224)、亜硫酸カルシウム(E226)、亜硫酸水素カルシウム(E227)、亜硫酸水素カリウム(E228)、乳酸(E270)、アスコルビン酸(E300)、L−アスコルビン酸ナトリウム(E301)、L−アスコルビン酸カルシウム(E302)、アスコルビン酸エステル(E304)、トコフェロール(E306)、α−トコフェロール(E307)、γ-トコフェロール(E308)、δ−トコフェロール(E309)、没食子酸プロピル(E310)、没食子酸オクチル(E311)、没食子酸ドデシル(E312)、イソアスコルビン酸(E315)、イソアスコルビン酸ナトリウム(E316)、tert−ブチルヒドロキノン(TBHQ)(E319)、ブチルヒドロキシアニソール(E320)、ジブチルヒドロキシトルエン(E321)、レシチン(E322)、クエン酸(E330)、クエン酸塩(E331及びE332)、クエン酸ナトリウム(E331)、クエン酸カリウム(E332)、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム(E385)、二リン酸塩(E450)、ピロリン酸二ナトリウム(E450a)、ピロリン酸三ナトリウム(E450b)、ピロリン酸四ナトリウム(E450c)、二リン酸二カリウム(E450d)、二リン酸三カリウム(E450e)、二リン酸二カルシウム(E450f)、二リン酸二水素カルシウム(E450g)、三リン酸塩(E451)、トリポリリン酸ナトリウム(E451a)、五リン酸三カリウム(E451b)、ポリリン酸(E452)、ポリリン酸ナトリウム(E452a)、ポリリン酸カリウム(E452b)、ポリリン酸カルシウム塩(E452c)、ポリリン酸カルシウム(E452d)、塩化スズ(II)(E512)。
【0113】
<乳化剤>
乳化剤は、水溶性及び脂溶性という特殊な性質が注目される。一般的に、乳化剤は脂溶性成分及び水溶性成分を有する。乳化剤は、水及び油を使用して、安定した均一な混合物を生成する際に使用される。加工食品業界で好ましく使用される適切な乳化剤は、以下から選択される:パルミチン酸アスコルビル(E304)、レシチン(E322)、リン酸(E338)、リン酸ナトリウム(E339)、リン酸カリウム(E 340)、リン酸カルシウム(E341)、リン酸マグネシウム(E343)、アルギン酸プリピレングリコール(E405)、ポリオキシエチレン(8)ステアレート(E430)、ポリオキシエチレンステアレート(E431)、アンモニウムリン脂質(E442)、リン酸ナトリウム及びリン酸カリウム(E450)、脂肪酸塩(E470a)、モノグリセリド及びジグリセリド(E471)、酢酸モノグリセリド(E472a)、乳酸モノグリセリド(E472b)、クエン酸モノグリセリド(E472c)、酒石酸モノグリセリド(E472d)、ジアセチル酒石酸モノグリセリド(E472E)、糖類脂肪酸(E473)、糖類グリセリド(E474)、ポリグリセリン脂肪酸(E475)、ポリグリセロールポリリシノレート(E476)、プロピレングリコール脂肪酸エステル(E477)、ステアロイル乳酸ナトリウム(E481)、ステアロイル−2−乳酸カルシウム(E482)、酒石酸ステアリル(E 483)、ソルビタンモノステアレート(E491)、ステアリン酸(E570)。
【0114】
<食品着色料>
食品着色料、つまり着色料は、食品を着色する添加剤である。着色料は、天然着色料と合成着色料とに分類される。人工的な着色料は、合成のものと同じである。人工的な着色料は、自然界で発生する着色料の合成複製であり、以下から選択される:クルクミン(E 100)、リボフラビン、ラクトフラビン、ビタミンB2(E 101)タートラジン(E 102)、キノリンイエロー(E 104)、イエロー−オレンジS、イエロー−オレンジRGL(E 110)、コチニール、カルミン酸、カルミン(E 120)、アズルビン、カルモイシン(E 122)、アマランス(E 123)コチニールレッドA、ポンソー4R、ヴィクトリアスカーレット4R(E 124)、エリスロシン(E 127)、アルラレッドAC(E 129)、パテントブルーV(E 131)、インジゴチン、インジゴカルミン(E 132)、ブリリアントブルーFCF、パテントブルーAE、アミドブルーAE(E 133)、クロロフィルとクロロフィリン(E 140)、クロロフィルとクロロフィリンの銅錯体(E 141)、グリーンS(E 142)、カラメルカラー(E 150)、硫酸カラメルカラー(E 150 b)、アンモニアカラメル(E150c)、亜硫酸アンモニアカラメル(E 150 d)、ブリリアントブラックFCF、ブリリアントブラックPN、ブラックPN(E 151)、木炭(E 153)ブラウンFK(E 154)、ブラウンHT(E 155)、カロテン(E 160 a)、アナトー、ビキシン、ノルビキシン(E 160 b)、カプサイシン、カプソルビン(E 160 c)、リコペン(E 160 d)、β−アポ−8'−カロテナール、アポカロテナール、β−アポカロテナール(E 160 e)、β‐アポ‐8′‐カロテン酸エチル(C30)、アポカロテン酸エステル、β‐カロテン酸エステル(E 160)、フルテイン、キサントフィル(E161b)、カンタキサンチン(E 161g)、ベタニン、ビートレッド(E 162)、アントシアニン(E 163)、炭酸カルシウム(E170)、二酸化チタン(E 171)、酸化鉄、水酸化鉄(E 172)、アルミニウム(E 173)、銀(E174)、金(E175)、リソールルビンBK、ルビン色素BK(E 180)。
【0115】
<冷却活性物質>
冷却活性物質は、皮膚に涼しい感触を与えるメントール化合物であり、−メントールの基本体を除き−以下の群から選択される:メントールメチルエーテル、メントングリセリルアセタール(FEMA GRAS 3807)、メントングリセリケタール(FEMA GRAS 3808)、乳酸メンチル(FEMA GRAS 3748)、メントールエチレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3805)、メントールプロピレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3806)、メンチル−N−エチルオキサメート、モノメチルサクシネート(FEMA GRAS 3810)、モノメンチルグルタマート(FEMA GRAS 4006)、メントキシ−1,2−プロパンジオール(FEMA GRAS 3784)、メントキシ−2−メチル−1,2−プロパンジオール(FEMA GRAS 3849)、およびメンタンカルボン酸エステルおよびアミドWS−3、WS−4、WS−5、WS−12、WS−14およびWS−30、ならびにそれらの混合物。
【0116】
「FEMA」は、Flavor and Extract Manufacturers Associationの略であり、「GRAS」はGenerally Recognized As Safe(一般に安全と認められる)の意味である。FEMA GRAS合格証とは、その物質は基準に基づき試験された結果、毒性が無いと認められた旨を証明するものである。
【0117】
物質の第1の重要な例は、コハク酸モノメンチル(FEMA GRAS 3810)である。コハク酸ならびに類似のグルタル酸モノメンチル(FEMA GRAS 4006)のいずれも、ジカルボン酸およびポリカルボン酸に基づくモノメンチルエステルの重要な例である。
【化5】
【0118】
これらの物質の応用例は、例えば、国際公開第2003/043431号(Unilever)または欧州特許公開第1332772号(IFF)の刊行物から入手できる。
【0119】
本発明の意味する範囲内で好ましいメントール化合物の次に重要な群は、メントールの炭酸エステルおよびポリオールを含み、例えば、グリコール、グリセロールまたは炭水化物、例えばメントールエチレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3805=Frescolat(登録商標)MGC)、メントールプロピレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3784=Frescolat(登録商標)MPC)、メントール2−メチル−1,2−プロパンジオールカーボネート(FEMA GRAS 3849)または対応する糖誘導体である。メントール化合物乳酸メンチル(FEMA GRAS 3748=Frescolat(登録商標)ML)および、特にメントングリセリルアセタール(FEMA GRAS 3807)または、Frescolat(登録商標)MAGの商品名で販売されているメントングリセリルケタール(FEMA GRAS 3808)は、それぞれ、本発明の意味する範囲内で好ましい。これらの物質の中で、メントングリセリルアセタール/ケタールおよび乳酸メンチル、ならびにメントールエチレングリコールカーボネートまたはメントールプロピレングリコールカーボネートが特に有用であり、それぞれ、Frescolat(登録商標)MGA、Frescolat(登録商標)ML、Frescolat(登録商標)MGCおよびFrescolat(登録商標)MPCの商品名で出願人により販売されている。
【0120】
1970年代には、C−C結合を3位に有するメントール化合物が初めて開発されており、これらの中のいくつかの例も、本発明の意味する範囲内で使用してよい。これらの物質は、一般に、WSタイプと称される。基本体はメントール誘導体であり、ここで、ヒドロキシル基がカルボキシル基に置き換えられる(WS−1)。他の全てのWSタイプがこの構造から誘導され、例えば本発明の意味する範囲内で好ましい種類は、WS−3、WS−4、WS−5、WS−12、WS−14およびWS−30である。
【実施例】
【0134】
<実施例1>
<<ホモエリオジクチオールによる実験的細胞系におけるセロトニンの放出>>
セロトニンを放出するための細胞モデルとして、ヒト神経芽細胞(SH−SY5Y、Atcc number CRL−2266)が使用された。培養は摂氏37度及び5%のCO
2含有環境にて行われ、イーグル最小必須培地(MEM)及びF12培地(10%FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシン)を同量で混合した。セロトニン放出を測定するにあたり、細胞はトリプシンで培養され、トリパンブルー染色による細胞の生死判定後、35mm細胞培養ディッシュに所定の数の細胞を撒いた。
【0135】
1.25 * 10
6ヒト神経芽細胞(SH−SY5Y)に対し、300μlのKrebs-Ringer-HEPESバッファ、0.1%アスコルビン酸、pH6.2、任意としてホモエリオジクチオールによる5分間の刺激の後、ホモエリオジクチオールを添加することにより、濃度0.001μM、0.01μM、0.1μM、1μM及び10μMのKrebs-Ringer-HEPESバッファが生成され、セロトニン含有量は酵素反応方法に基づき測定された(セロトニン測定−ELISA方法、DLD Diagnostika社、ドイツ・ハンブルグ)。細胞はラウロイルサルコシンナトリウムを含むバッファで溶解され、DNA含量はセロトニン放出の標準化のためにNanoQuantプレート(Tecan社、スイス・メンネンドルフ)によって特定された。結果は表2に表す。
【0136】
【表2】
図1は、濃度0.001μM、0.01μM、0.1μM、1μM及び10μMでホモエリオジクチオールで培養した後の、SH−SY5Y細胞からのセロトニン放出を示す。結果はコントロール(0.1%エタノールを含有するバッファ)に対する割合(%)で示す。コントロールに対する処理群の間の差は、1ファクターを用いた分散分析(ANOVA)及びコントロールに対するHolm−Sidak事後分析を用いて検定し、以下のスキームに基づき記録した。* p≦0.05;** p≦0.01; *** p ≦ 0.001。濃度に依拠する差は、1ファクターを用いた分散分析(ANOVA)Holm−Sidak事後分析を用いて検定し、異なる文字(a、b)を用いて特定された。尚、同一ではない文字は顕著な差を表すものではない。
【0137】
<実施例2>
<<水125ml(コントロール)又は水125mlに溶解されたホモエリオジクチオール30mgの投与後における、健康な被験者におけるセロトニン血漿濃度の変化>>
セロトニン血漿濃度を特定するにあたり、試験日には、試験直前及び試験薬の投与後、平均して37分後に被験者から全血採取を行った(試験1日目:水125ml、2日目:水125mlに溶解されたホモエリオジクチオール30mg)。血漿は全血を冷却遠心機にて15分間、1,800回転で分離し、血漿は酵素反応方法に基づき測定された(セロトニン測定−ELISA方法、DLD Diagnostika社、ドイツ・ハンブルグ)。
【0138】
水125ml又は水125mlに溶解されたホモエリオジクチオール30mgの投与後のセロトニン血漿濃度の変化は、表2に示された。2つの処理群(p<0.05、n=10)の間には顕著な差があり、スチューデントのt検定による両側検定で特定された。結果は表3で示す。
【0139】
【表3】
図2は、水125ml又は水125mlに溶解されたホモエリオジクチオール30mgの投与後における、健康な被験者のセロトニン血漿濃度の変化(2日目)を特定するためのクロスオーバー試験の実施方法を図示したものである。
【0140】
<実施例3>
<<ホモエリオジクチオール30mgを経口投与した後におけるセロトニン血漿の絶対濃度の減少>>
セロトニン血漿濃度を特定するにあたり、試験日には、試験直前及び試験薬(水125mlに溶解されたホモエリオジクチオール30mg)の投与から平均35分後、被験者から全血採取を行った。血漿は全血を冷却遠心機にて15分間、1,800回転で分離し、血漿は酵素反応方法に基づき測定された(セロトニン測定−ELISA方法、DLD Diagnostika社、ドイツ・ハンブルグ)。
【0141】
表4にて、水125mlに溶解されたホモエリオジクチオール30mgの投与後のセロトニン血漿濃度の変化を示す。2つの処理群(p<0.05、n=10)の間には顕著な差があり、スチューデントのt検定による両側検定で特定された。結果は表4で示す。
【0142】
【表4】
図3は、水125mlに溶解されたホモエリオジクチオール30mgの経口投与後における、セロトニン血漿の絶対濃度を特定するための試験方法を示す。
【0143】
<実施例4>
<<ホモエリオジクチオールを含有する試験システムでの脂肪酸の吸収>>
3T3−L1前駆脂肪細胞(ATCC CL−173)は、周辺細胞に遊離脂肪酸(ここでは脂肪細胞)を取り込むための細胞モデルとして使用された。摂氏37度及びCO
2含有量5%のDMEM培養培地において培養が行われ、10%FBS4%L−グルタミン及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンが添加された。遊離脂肪酸の吸収を測定するために、3T3−L1細胞は、成熟した前駆脂肪細胞から、175cm
2細胞培養で分離された。コンフルエンスに達した日から2日後、細胞には10μg/mlインスリン、1μMデキサメタゾン及び5mMイソブチルメチルキサンチンを添加し、48時間刺激を与えることで、培地から分化された。さらに、細胞培地に10μg/mlのインスリンを添加して、細胞に48時間処理を行うことにより、通常培地は脂肪細胞が成熟するまで使用された。細胞は通常、分化から7〜9日間使用される。細胞はトリプシンで培養され、トリパンブルーを使用した歯髄生死試験にて、1ウエルプレートあたりの細胞数を65,000とし、96ウエルプレートに分散した。
【0144】
脂肪酸吸収の測定は、ウシ胎児血清の除去による60分間の細胞周期の同調及び生理的等張緩衝塩溶液(Hank's balanced salt solution、HBSS)を用いた30分間のプレインキュベーションによって実行された後、20mMのHEPES(HBSS/HEPES)と任意で0.01から10μMのホモエリオジクチオールの添加によって、蛍光標識脂肪酸(QBT脂肪酸取り込みアッセイキット、モレキュラーデバイス社、ドイツ)によって測定される。蛍光シグナルの増加を示す、1時間あたり曲線範囲の変化は、コントロールとの比較(パーセント)で示される。
【0145】
表5は、0.1%エタノールを含有するHBSS/HEPESバッファ又はHBSS/HEPESバッファに溶解された、0.01〜10μMホモエリオジクチオールによる30分間のプレインキュベーション後、3T3−L1脂肪細胞での脂肪酸吸収の変化を示す。コントロールに対する顕著な差(p<0.001)は、1ファクターを用いた分散分析(ANOVA)及びその後のDunnポストホックテストで試験され、表に***を記載した。各試験では3回の繰り返しを行い、3〜4回の独立した試験結果の平均値を表に記入した。詳細は表5に示す。
【表5】
【0146】
図4は、0.1%エタノール(コントロール)を含有するHBSS/HEPESバッファ又はHBSS/HEPESバッファに溶解された0.01〜10μMホモエリオジクチオールによる30分間のプレインキュベーション後、3T3−L1脂肪細胞での脂肪酸吸収の変化を示す。コントロールに対する顕著な差(p<0.001)は、1ファクターを用いた分散分析(ANOVA)及びその後のDunnポストホックテストで試験され、表に***を記載した。各試験では3回の繰り返しを行い、3〜4回の独立した試験結果の平均値を表に記入した。
【0147】
<実施例5>
<<健康な被験者にホモエリオジクチオールを投与した後における、ホモエリオジクチオールの血漿濃度>>
水125mlに溶解されたホモエリオジクチオール30mgを経口投与した後の血漿濃度は、投与30分前及び30分後に採決した全血4mlを、EDTAモノベット(ザルスタット社、ドイツ)に添加することにより行われた。全血から採取された血漿は、1,800xgで冷凍遠心分離を15分間行うことにより入手した。血漿のホモエリオジクチオールは固相抽出により純化され、濃度はLC−MSとエリオジクチオールの内部カリブレーションで特定された。
【0148】
HED30gを経口摂取した健康な7名の被験者における、ホモエリオジクチオールの血漿濃度は、表5で示された。平均値はn=7である。体内での濃度(実施例1〜4)の範囲は、ホモエリオジクチオール30mgの経口摂取から30分後の血漿濃度に対応する。
【0149】
【表6】
【0150】
<適用例A〜Eについて>
<<実施例A>>
清涼飲料(糖類含有、低カロリー、ノンカロリー)
原料は表示される順に混合され、水を添加して100%とした。混合物はガラスボトルに入れて炭酸化された。
【表7】
【0151】
<<実施例B>>
チューインガムでの使用
パーツA〜Dを混合し、集中的に練り上げた。塊は例えば薄い板状に形成し、チューインガムとして組成された。数値は重量%を示す。
【表8】
【0152】
<<実施例C>>
ハードキャラメルでの使用
パラチニット又は糖類と水とを混合し、適切であればクエン酸を添加した後、混合物は摂氏165度に熱され、その後摂氏115度に冷却された。フレーバー及びその他の混合物を追加し、完全に混合した後、混合物を型に入れ、固化した後に型から取り除き、個別包装された。
【表9】
【0153】
<<実施例D>>
低脂肪ヨーグルト
原料を混合した後、摂氏5度に冷却した。数値は重量%を示す。
【表10】
【0154】
<<実施例E>>
フルーツガム
ポリデキストロースは、熱量が低い、無甘味多糖である。全ての数値は重量%を表す。
【表11】