(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6667513
(24)【登録日】2020年2月27日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】アプリケーターおよびメークアップ製品のディスペンサーを含むメークアップアイテム
(51)【国際特許分類】
A45D 34/04 20060101AFI20200309BHJP
B05C 17/00 20060101ALI20200309BHJP
A45D 34/02 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
A45D34/04 555
B05C17/00
A45D34/04 560
A45D34/02 510D
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-517068(P2017-517068)
(86)(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公表番号】特表2017-531480(P2017-531480A)
(43)【公表日】2017年10月26日
(86)【国際出願番号】FR2015052614
(87)【国際公開番号】WO2016055718
(87)【国際公開日】20160414
【審査請求日】2018年5月15日
(31)【優先権主張番号】1459612
(32)【優先日】2014年10月7日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】506273087
【氏名又は名称】シャネル パルファン ボーテ
【氏名又は名称原語表記】CHANEL PARFUMS BEAUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】カステクス ニコラス
【審査官】
柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】
実開平02−025921(JP,U)
【文献】
特開2002−211661(JP,A)
【文献】
特開2000−202354(JP,A)
【文献】
実開昭62−152970(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0001210(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
A45D 34/02
B05C 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メークアップアイテム(2)であって、
‐アプリケーター(4)であって、アプリケーションヘッド(11)が包囲面を定める、アプリケーターと、
‐メークアップ製品(8)のディスペンサー(6)であって、前記アプリケーター(4)の受け取りの場所(22)を呈し、少なくとも1つのアウターバルブ(32)を備え、前記バルブ(32)は、少なくとも1つのディスペンス開口(44,56)が設けられており、前記ディスペンス開口(44,56)は、前記アプリケーター(4)が前記場所(22)に受け取られるときに前記包囲面の一部に向かい合って位置し、前記バルブ(32)は、閉位置と開位置とをとることができ、開位置では、前記バルブ(32)が、前記アプリケーター(4)の前記ヘッド(11)に対して直接製品(8)を放出する、ディスペンサーと、
−メークアップ製品(8)で充填されることができるチャネル(34)と、
を含み、
前記バルブ(32)は、重ねられるが間隔をあけられる、少なくとも2つの上弾性壁(52)および下弾性壁(54)によって構成され、前記上弾性壁(52)は、ディスペンス開口(56)を呈し、前記下弾性壁(54)は、少なくとも1つの内部開口(58)と、前記バルブ(32)が閉位置を占めるときに前記ディスペンス開口(56)をふさぐように配置された少なくとも1つの閉鎖レリーフ(60)と、を含むことを特徴とする、メークアップアイテム。
【請求項2】
請求項1に記載のメークアップアイテム(2)であって、前記バルブの開閉が前記ディスペンス開口(44,56)でなされるように配置された、メークアップアイテム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のメークアップアイテム(2)であって、前記バルブ(32)は、閉位置をとるときに、前記バルブ(32)が、前記場所(22)に受け取られる前記アプリケーター(4)から離れて位置するように配置された、メークアップアイテム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のメークアップアイテム(2)であって、前記ディスペンサー(6)は、メークアップ製品(8)を貯蔵するフレキシブルパウチ(30)をさらに含み、このフレキシブルパウチ(30)は、前記バルブ(32)に対して動かせるように搭載された剛性リザーバー(28)の中に収容されている、メークアップアイテム。
【請求項5】
請求項4に記載のメークアップアイテム(2)であって、前記ディスペンサー(6)は、リターンスプリングをさらに含み、前記リターンスプリングは、前記リザーバー(28)が前記バルブ(32)に近い、近い位置から、前記リザーバー(28)が前記バルブ(32)から離れた、離れた位置に、前記リザーバー(28)を導くことができる、メークアップアイテム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のメークアップアイテム(2)であって、前記ディスペンサー(6)は、ポンプ(36)をさらに含み、前記ポンプ(36)は、空気取り入れなしに、メークアップ製品(8)を前記バルブ(32)に供給する、メークアップアイテム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のメークアップアイテム(2)であって、前記ディスペンサー(6)は、前記バルブ(32)を制御する外部手段(38)をさらに含み、この外部手段(38)は、前記バルブ(32)へのメークアップ製品(8)の供給を制御する止め具(40)と関連する、メークアップアイテム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のメークアップアイテム(2)であって、前記少なくとも2つの上弾性壁(52)および下弾性壁(54)は、前記チャネル(34)を充填するメークアップ製品(8)の圧力だけで、前記バルブ(32)を開くために変形するように配置される、メークアップアイテム。
【請求項9】
製品ディスペンサー(6)を使ってメークアップアイテム(2)のメークアップアプリケーター(4)にメークアップ製品(8)を置く方法であって、
‐前記アプリケーター(4)のアプリケーションヘッドに対して直接メークアップ製品(8)が放出され、
メークアップ製品(8)の放出は、
−前記メークアップアイテム(2)のチャネル(34)をメークアップ製品(8)で充填するステップと、
−前記チャネル(34)を充填するメークアップ製品(8)の圧力の影響下で、前記ディスペンサー(6)の少なくとも1つのアウターバルブ(32)を開けるステップであって、前記バルブ(32)には、少なくとも1つのディスペンス開口(44,56)が設けられ、前記バルブ(32)は、重ねられるが間隔をあけられる、少なくとも2つの上弾性壁(52)および下弾性壁(54)によって構成され、前記上弾性壁(52)は、ディスペンス開口(56)を呈し、前記下弾性壁(54)は、少なくとも1つの内部開口(58)と、前記バルブ(32)が閉位置を占めるときに前記ディスペンス開口(56)をふさぐように配置された少なくとも1つの閉鎖レリーフ(60)と、を含む、ステップと、
‐前記アプリケーター(4)の前記アプリケーションヘッドに対して直接メークアップ製品(8)を放出するステップと、
‐前記バルブ(32)を閉じるステップと、
を含む、
ことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メークアップアイテムに関する。
【背景技術】
【0002】
アプリケーターと、アプリケーターに製品を置くようになっているメークアップ製品ディスペンサーと、を含むメークアップアイテムが、知られている。伝統的な様式で、ディスペンサーは、メークアップ製品のリザーバーを含み、その中にアプリケーターが浸され、それは従って製品が装填される。しかしながら、この構成は、たいていの場合アプリケーターへの製品の過度の量の装填を引き起こし、従って、浪費を避けるために製品の剰余を取り除くこと、および本来のメークアップを容易にすることが、望ましい。そのために、リザーバーに、機能が製品の剰余を除去することであるワイパーを取り付けることが知られており、製品の剰余は、再び部分的にリザーバーに戻る。
【0003】
しかしながら、ワイパーの存在は、一般にある問題を引き起こす。実際、アプリケーターは、浸すことによって製品が装填され、ワイパーは、アプリケーターの表面にある製品を取り去る。アプリケーターの中心のあたり、すなわちロッドのあたりにある製品は、かき取られない。それは、まつげにも置かれない。この製品は、時がたつにつれて乾燥する。
【0004】
ワイパーは、アプリケーターへの製品の最適化された分量を可能にする。柔らかいワイパーは、アプリケーターの効果的なかき取りを実現するが、それの良好な誘導を、小瓶から引き抜くときに保証しない。従って、アプリケーターに与える角度に応じて、表面領域は多かれ少なかれうまくかき取られる、すなわち、かき取りはアプリケーターの表面で一様でなく、反復的でもない。
【0005】
ワイパーは、アプリケーターに幾何学的形状の制約を強いる。アプリケーターは、実際、自由端を有し、その自由端は、小瓶へのその導入の際にワイパーのその通過を容易にするために先細になっている。この先細形状は、メークアップの結果に特別な利点を呈さない。
【0006】
同じく、ワイパーは、一般にスワビングという現象を生じさせる。小瓶へのまたは小瓶の外へのアプリケーターの導入または引き抜きのときに、アプリケーターの運動は、低圧力または超過圧力を小瓶の中に生じさせ、それは、その自由運動を妨げる。この圧力変動によって引き起こされる作用を緩和するために、製品と小瓶との間に自由空気のボリュームが設けざるを得ない。従って、充填のときに、小瓶は、空気のボリュームを保つように製品で完全に満たされない。従って、最初に含まれる製品のボリュームより大きい内部ボリュームを呈する小瓶を構想せざるを得ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、アプリケーターに製品の剰余の量を置くこと、および空気にさらされる製品の乾燥に起因する、メークアップ製品の浪費を回避するまたは少なくとも減少させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明に従って以下を備えるメークアップアイテムが提供される。
‐アプリケーターであって、アプリケーションヘッドが包囲面を定める、アプリケーター、および
‐メークアップ製品ディスペンサーであって、アプリケーターの受け取りの場所を呈し、少なくとも1つのアウターバルブを備え、バルブは、少なくとも1つのディスペンス開口が設けられており記ディスペンス開口は、アプリケーターが場所に受け取られるときに包囲面の一部に向かい合って位置し、バルブは、閉位置と開位置とをとることができ、開位置では、バルブが、アプリケーターのヘッドに対して直接製品を放出する、ディスペンサー。
【0009】
従って、アウターバルブは、製品が分配されるアプリケーターの領域を効果的に制御する。それは、分配される製品の量も制御し、従って、ディスペンサーが、アプリケーターの特定の領域でアプリケーターに対して製品の必要な量を放出することを確かにする。さらに、製品が放出された後で、バルブが閉じることで、バルブに供給したがアプリケーターに対して放出されていないメークアップ製品の量を、空気から保護する。このことは、放出されていない製品が空気にさらされること、従って乾燥した製品の残余の形成を、防ぐ。
【0010】
有利には、バルブの開閉は、ディスペンス開口でなされる。
【0011】
このことは、アプリケーターで分配される製品の量を最適に制御すること、および、分配の後で、空気にさらされる製品の量を最小限にすることを、を可能にする。
【0012】
有利には、バルブは、閉位置をとるときに、バルブが、場所に受け取られるアプリケーターから離れて位置するように配置される。
【0013】
従って、場所に受け取られるアプリケーターは、バルブが閉じられるときに、バルブから非ゼロ距離に位置するので、特に摩擦または衝撃によって、アプリケーターおよびバルブを損傷するリスクが低減する。
【0014】
有利には、ディスペンサーは、メークアップ製品を貯蔵するフレキシブルパウチをさらに含み、このフレキシブルパウチは、バルブに対して動かせるように搭載された剛性リザーバーの中に収容される。
【0015】
ディスペンサーのリザーバーおよびフレキシブルパウチの配置のために、バルブは、メークアップ製品を容易に供給されることができる。
【0016】
好ましくは、ディスペンサーは、リターンスプリングをさらに含み、リターンスプリングは、リザーバーがバルブに近い、近い位置から、リザーバーがバルブから離れた、離れた位置に、リザーバーを導くことができる。
【0017】
リザーバーの動作中の移動の一部は、こうして自動的に行われ、これは、メークアップアイテムの使用者が提供する労力を抑える。
【0018】
有利には、ディスペンサーは、空気取り入れなしに、メークアップ製品をバルブに供給するポンプをさらに含む。
【0019】
このポンプは、従来のポンプを使用するときに生じた、ディスペンサーに製品を押し返すことを防ぐことによって、メークアップ製品をバルブに効果的に供給する。
【0020】
有利には、ディスペンサーは、バルブを制御する外部手段をさらに含み、この外部手段は、バルブへのメークアップ製品の供給を制御する止め具と関連する。
【0021】
制御手段は、アイテムの使用者が、メークアップ製品をバルブに容易に供給できるようにする。制御止め具は、バルブに、従ってアプリケーターに、製品の必要で十分な量を運ぶ簡単な手段を提供する。
【0022】
本発明の第1実施形態によると、アイテムは、メークアップ製品で充填されることができるチャネルをさらに含み、バルブは、チャネルを閉じる少なくとも1つの弾性壁によって構成され、壁は、ディスペンス開口を呈し、チャネルは、少なくとも1つの閉鎖レリーフを含み、閉鎖レリーフは、バルブが閉位置を占めるときに開口をふさぐように配置される。
【0023】
本発明の第2実施形態によると、メークアップ製品で充填されることができるチャネルをさらに含み、バルブは、重ねられるが間隔をあけられる、少なくとも2つの上弾性壁および下弾性壁によって構成され、上壁は、ディスペンス開口を呈し、下壁は、少なくとも1つの内部開口と、バルブが閉位置を占めるときにディスペンス開口をふさぐように配置された少なくとも1つの閉鎖レリーフと、を呈する。
【0024】
これらの実施形態のそれぞれで、バルブ設計はシンプルである。
【0025】
好ましくは、壁は、チャネルを満たしているメークアップ製品の圧力だけで、バルブを開くために変形するように配置される。
【0026】
従って、追加費用を生じさせ、ディスペンサーでより場所をとる、バルブを開閉する追加手段を設ける必要がない。
【0027】
本発明は、製品ディスペンサーを使ってメークアップアプリケーターにメークアップ製品を置く方法も提供し、その方法では、
−メークアップ製品が供給されたディスペンサーのアウターバルブを開けることによって、アプリケーターのアプリケーションヘッドに対して直接メークアップ製品を放出する、および
−バルブが閉じる。
【0028】
添付図面を用いて本発明の実施形態をこれから記述する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施形態に従ったメークアップアイテムの全体図である。
【
図2】
図1のアイテムの長手方向断面の分解図である。
【
図3】
図1のアイテムのリザーバーの離れた位置を示す、
図1のメークアップアイテムの長手方向断面図である。
【
図4】
図1のアイテムのリザーバーの接近した位置を示す、
図1のメークアップアイテムの長手方向断面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に従った
図1のメークアップアイテムのチャネルおよびバルブを示す。
【
図6】本発明の第1実施形態に従った
図1のメークアップアイテムのチャネルおよびバルブを示す。
【
図7】バルブの2つの異なった位置にある、
図6のチャネルおよびバルブのVII−VIIに従った断面図である。
【
図8】バルブの2つの異なった位置にある、
図6のチャネルおよびバルブのVII−VIIに従った断面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に従った
図1のメークアップアイテムのチャネルおよびバルブを示す。
【
図10】
図9のチャネルおよびバルブのX−Xに従った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1および2に、本発明の第1実施形態に従ったメークアップアイテム2を示す。この品物2は、アプリケーター4と、メークアップ製品8のディスペンサー6と、を含む。この製品8は、例えばマスカラであるが、グロス、口紅またはマニキュア液のような他のメークアップ製品、または一般的にあらゆる化粧用または香水製品が使用され得る。
【0031】
アプリケーター4は、この場合、アプリケーター4が櫛の種類であるように、アプリケーションヘッド11を構成するその端部の1つで歯または凹凸12を有するロッド10によって構成される。アプリケーションヘッド11は、アプリケーター4の包囲面を定める。一般的に、アプリケーター4は、以下のカテゴリーの少なくとも1つに属し得る:射出ブラシ、ブラシおよび櫛。同じく、アプリケーター4は、他の形状、とりわけ筆または剛性またはしなやかなパレットの形状を有し得る。
【0032】
ディスペンサー6は、ハウジング16を構成するケース14と、ハウジング16を部分的に閉じる中間蓋18と、ハウジング16を完全に閉じ、中間蓋18を覆う、外蓋20と、を備える。中間蓋18は、アプリケーター4の受け取りの場所22と、従って、場所22に受け取られるときに、アプリケーター4のヘッド11、およびそれだけ、に向き合って設置された、ディスペンサー6の外側とケース14の内側との間の連通開口24と、を、呈する。以下で、この幾何学的形状が、アイテム2の作動に興味深いことを見る。
【0033】
中間蓋18は、ハウジング16に取り付けられ、それに対して動かず、一方、外蓋20は、回転軸26の周りにハウジング16に対して回転して動かせるように組み立てられ、ケース14を開閉できるようになっている。しかしながら、ケース14を閉じるあらゆる他のシステムが、設けられ得る。
【0034】
ディスペンサー6は、メークアップ製品8を貯蔵するフレキシブルパウチ30をさらに含み、このフレキシブルパウチ30は、ハウジング16に位置する剛性リザーバー28の中に収容され、これと関連して、それは、
図2に表される直交座標系の方向Xに従ってスライドすることによって動かせるように組み立てられ、この方向は、この場合にはアイテム2の長手方向である。
【0035】
ディスペンサー6は、アウターバルブ32も備え、アウターバルブ32は、閉位置と開位置とをとること、閉位置では、バルブ32は場所22に受け取られるアプリケーター4から離れて位置し、開位置では、バルブ32は場所22に受け取られるアプリケーター4のヘッド11に対して直接製品8を放出する。バルブ32は、その閉位置でアプリケーター4と接触し得る。バルブ32は、ハウジング16におよび中間蓋18に対して動かず、従って、剛性リザーバー28が、バルブ32に対してX方向に従ってスライドすることによって動くように組み立てられる。
【0036】
ディスペンサー6は、バルブ32から製品を供給するシュートまたはチャネル34も含む。バルブ32は、中間蓋18の連通開口24に向かい合わせで位置する。バルブ32およびチャネル34は、以下でより詳しく記載される。
【0037】
ディスペンサー6は、空気取り入れなしに、メークアップ製品8をバルブ32に供給するポンプ36をさらに含む。ポンプ36は、フレキシブルパウチ30に結合され、製品8と流体連通する。ポンプは、リザーバー28に取り付けられ、従って、それはリザーバーの動きに付き従う。空気取り入れのないポンプ36は知られているので、ポンプ36の作動はここで詳細に述べない。供給ダクト37を介して、パウチ30からチャネル34まで製品8を送ることが意図されている。チャネル34は、メークアップ製品8で充填されることができる種類のものである。リザーバー28およびパウチ30は、ケース14の中に搭載されることができ、空になるとリザーバー28を新しいリザーバーに取り替えるために、ポンプ36に取り外しのできる仕方で結合することができる。
【0038】
ディスペンサー6は、プッシュボタンから成る、バルブ32を制御する外部手段38も含む。この制御手段38は、ハウジング16に対して方向Xに従ってスライドすることによって動かせるように搭載され、バルブ32へのメークアップ製品8の供給を制御する止め具40と関連する。プッシュボタン38の自由表面は、ディスペンサー6の外面に設置され、従って、プッシュボタン38は、使用者が作動することができる。プッシュボタン38は、バルブ32に向かうその動きでリザーバー28を駆動するように、配置される。
【0039】
ディスペンサー6は、ワイパーを備えない。
【0040】
ディスペンサーの仕組みに関するさらなる詳細について文献EP2687119を参照することができ、この文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0041】
メークアップ製品8がどのようにフレキシブルパウチ30からアウターバルブ32に運ばれるかを、これから記述する。
【0042】
図3は、アプリケーター4が、場所22に受け取られ、製品8を受け取る用意のできた、構成のアイテム2を示す。プッシュボタン38は、まだ使用者によって押し込まれず、リザーバー28は、プッシュボタン38に寄りかかっている。リザーバー28は、この場合、アウターバルブ32から離れた、離れた位置を占める。
【0043】
図4に関し、使用者が、プッシュボタン38をバルブ32の方に、すなわち
図3および4の向きを考慮して右の方に押し込むことを、想定する。プッシュボタン38は、その動きで、リザーバー28およびフレキシブルパウチ30をポンプ36の方に動かす。リザーバー28は、従ってバルブ32に近づき、プッシュボタン38が制御止め具40とぶつかるときに、リザーバー28は、バルブ32に近い位置を占める。
【0044】
離れた位置と近い位置との間でのリザーバー28の動きの際に、製品8の所定分量が、ポンプ36によってフレキシブルパウチ30から取り出されて、ダクト37を使ってチャネル34を満たし、従ってバルブ32に供給する。所定の分量に含まれる製品8の量は、制御止め具40の位置によって決定される。それは、プッシュボタン38のストローク、および従ってケース14の中のリザーバー28のストロークを、確定するからである。従って、所定の分量に含まれる製品8の量を調整するために、ディスペンサー6の設計の際に、止め具40の形状および長さを調整できる。
【0045】
プッシュボタン38が止め具40と接触すると、製品8の分量は、バルブ32に供給するようにフレキシブルパウチ30から取り出される。この瞬間に、使用者はプッシュボタン38を解放することができる。ケース14の中に位置するリターンスプリング(図示せず)は、従ってリザーバー28をバルブ32と反対側の方向に押し、プッシュボタン38をそれで動かす。リザーバー28は、従ってその近い位置からその離れた位置に自動的に移動し、ディスペンサー6は、
図3に示されている構成に戻る。言い換えれば、ディスペンサー6は、リザーバー28がバルブ32に近い、近い位置から、リザーバー28がバルブ32から離れた、離れた位置に、リザーバー28を導くことができるリターンスプリングを含む。分配される製品の量は、止め具40によって制御されるが、止め具40に到達するより前にプッシュボタン38を押すのをやめることによって、より少ない量を分配することが可能である。同じく、プッシュボタン38への押す力をゆるめ、次にそれを再び押すことによって、分配される量を増やすことが可能である。
【0046】
バルブ32は、従ってメークアップ製品8を供給されることができる。
【0047】
メークアップ製品8がアプリケーターに対して直接放出される仕方を、これから記述する。
【0048】
図5〜8に示される実施形態では、バルブ32は、チャネル34を閉じる弾力性のある平らな膜または壁42によって構成され、壁42は、少なくとも1つのディスペンス開口44を呈する。ディスペンス開口44は、アプリケーター4の包囲面に対して製品8を局地的に分配するようになっている。壁42は、この場合、互い違いの配置で割り振られた円形の外形の複数のディスペンス開口44を呈する。チャネル34はショルダー46を呈し、ショルダー46は、チャネル34に壁42の周囲を取り付けることができるようにする。チャネル34は、少なくとも1つの閉鎖レリーフ48も含み、閉鎖レリーフ48は、壁42の下に設置され、バルブ32が閉位置を占めるときに開口44をふさぐように配置される。チャネル34は、この場合、壁42が呈する開口44と同じ数の閉鎖レリーフ48を備える。ディスペンス開口44は、アプリケーター4が受け取りの場所22に受け取られるときの包囲面の一部に向かい合って位置する。より正確には、ディスペンス開口44は、歯または凹凸12に向かい合って配置され、それに対して製品8を放出することが望まれる。
【0049】
ディスペンサー6が使用されないとき、すなわちプッシュボタン38が押し込まれないとき、バルブ32は、閉じられ、場所22に受け取られるアプリケーターアセンブリ4から非ゼロ距離に位置する。閉位置にあるバルブ32は、
図7に示されている。この位置で、閉鎖レリーフ48は、開口44をふさぐ。製品8の分量は、従って全く出ることができない。従って、好ましくは、バルブ32の開閉は、ディスペンス開口44でなされる。この配置は、アプリケーター4で分配される製品8の量を最適に制御すること、および、分配の後で、バルブ32の外面で空気にさらされる製品8の量を最小限にすることを、を可能にする。バルブの他の構成が、しかしながら適し得る。バルブは、製品8のレオロジーおよび性質に適合される。この種の分配で、液体製品およびペースト状製品を分配することができる。
【0050】
ディスペンサー6の最初の使用の際に、チャネル34は、製品8を含まず、空気で満たされる。プッシュボタン38が押し込まれるときに、チャネル34は、ポンプ36および供給ダクト37を介して、メークアップ製品8で満たされ、チャネル34に含まれる空気は、バルブ32によって放出される。特に、バルブ32は、さしあたり製品8を放出しない。チャネル34に含まれる全ての空気を排出して製品8に取り替えるために、プッシュボタン38の押し込みおよび解放は、複数サイクル行われる必要がある。製品8は、閉じたチャネル34に蓄積される。バルブ32は静止状態で閉位置にあるので、この作業は、工場で行われることができる。
【0051】
チャネル34が製品8で満たされて、使用者が改めてプッシュボタン38を押し込むと、バルブ32が壁42によって閉じられているので、製品8の圧力の増加を引き起こす。チャネル34を充填するメークアップ製品8の圧力だけで、壁42は、バルブ32を開くために変形する。実際、壁42が持ち上がることは、チャネル34の閉鎖レリーフ48から離れることを可能にする。開口44が解放されるとき、バルブ32は、場所22に受け取られているアプリケーター4に対して直接製品8を放出する。より正確には、バルブは、壁42が呈する開口44と同じ数の製品のしずくを放出する。バルブ32は、このように、壁42の弾性変形のために製品8の圧力だけで開く。メークアップ製品8の、粘度、表面張力および親水性/疎水性または親油性/疎油性の性質に従って、製品のしずくは、バルブ32によって放出され、ボールの形をとるまたは壁42の外面に広がる。
【0052】
バルブ32は、アプリケーターの1つ以上の適格な領域に製品を局部的に解放することができる。従って、製品8は、ある領域に解放されることができ、他の領域に解放されない。製品が載せられた領域は、従ってまつげに製品を置くのにより適合し、載せられていない領域は、製品8をまつげに広げ、まつげを分けるのにより適合する。好ましくは、バルブ32は、アプリケーター4の歯または凹凸12の自由端のみに、すなわち使用者に製品8をつけるように意図されたアプリケーター4の部分のみに、メークアップ製品8を放出することができる。言い換えれば、製品8は、アプリケーター4の歯または凹凸12の端部によって、より一般的にはアプリケーター4のアプリケーションヘッド11が組み入れられた表面によって、構成された包囲面でバルブによって局部的に置かれる。特に、ロッド10は、製品を無駄に載せられず、これは、製品8の浪費を減らすこと、およびこの領域での詰まりを回避することを、可能にする。
【0053】
プッシュボタン38が制御止め具40にぶつかると、バルブ32は、もはや製品8を供給されず、チャネル34の中の製品8の圧力は、その時低下し、バルブ32は閉じる。
【0054】
本発明は、従って、製品ディスペンサー6を使ってメークアップアプリケーター4にメークアップ製品8を置く方法を実行し、その方法では、
−メークアップ製品8が供給されたディスペンサー6のアウターバルブ32を開けることによって、ディスペンサー6に設置されたアプリケーター4の受け取りの場所22に受け取られた、アプリケーター4のアプリケーターヘッド11に対して直接メークアップ製品8を放出する、および
−バルブ32が閉じる。
【0055】
図9および10に示される、本発明の第2実施形態は、先に提示された実施形態と次の点において異なる。バルブ32は、上弾性壁52および下弾性壁54の2つの壁によって構成され、2つの壁は、重ねられるが間隔をあけられ、上壁52は、少なくとも1つのディスペンス開口56を呈し、下壁54は、内部開口58と、バルブ32が閉位置を占めるときにディスペンス開口56をふさぐように配置された少なくとも1つの閉鎖レリーフ60と、を呈する。ディスペンス開口56は、中央にあり、細長い。内部開口58は、円形の外形であり、互い違いの配置で配置される。
【0056】
バルブ32が開いているときにそれらの開口56,58を連通させるために、空間が2つの壁の間に形成される。言い換えれば、バルブ32が開いているとき、製品は、チャネル34から内部開口58を通って空間に、次に空間からディスペンス開口56を通ってディスペンサー6に、相次いで移動する。上壁52だけが、バルブ32を開くために変形可能である。下壁54は、剛性であり得る。
【0057】
バルブ32の開閉は、第1実施形態と同じ仕方で、すなわちチャネル34を満たしているメークアップ製品8の作用だけで、行われる。
【0058】
当然、本発明の範囲から逸脱せずに多くの変更を本発明に与えることができる。
【0059】
アプリケーターは、文献WO2009032443に記載されているような、曲がった櫛であり得る。
【0060】
アプリケーターの歯または凹凸は、全て同じ長さであってよい、またはそれらのうちのいくつかが他より長くてよい。
【0061】
開口は、特にアプリケーターの構造に応じて、壁にあらゆる他の構成に従って配置されてよい。
【0062】
アプリケーターがブラシを構成するならば、それは毛および/または歯を含むことができる。