特許第6667515号(P6667515)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6667515
(24)【登録日】2020年2月27日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】亜鉛空気電池用界面活性剤
(51)【国際特許分類】
   H01M 12/06 20060101AFI20200309BHJP
【FI】
   H01M12/06 G
【請求項の数】10
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2017-519899(P2017-519899)
(86)(22)【出願日】2015年10月14日
(65)【公表番号】特表2017-531295(P2017-531295A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】US2015055603
(87)【国際公開番号】WO2016061276
(87)【国際公開日】20160421
【審査請求日】2018年10月10日
(31)【優先権主張番号】62/064,269
(32)【優先日】2014年10月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/064,241
(32)【優先日】2014年10月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519457421
【氏名又は名称】エナジャイザー ブランズ ユーケイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100212509
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 知子
(72)【発明者】
【氏名】アビシェーク グーハ
(72)【発明者】
【氏名】リュプサム トニー
(72)【発明者】
【氏名】シヴェルツェン マルク
【審査官】 結城 佐織
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−521438(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0057183(US,A1)
【文献】 特開平05−013072(JP,A)
【文献】 特開平05−135776(JP,A)
【文献】 特開2011−108388(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 12/00−16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気正極、亜鉛負極、及び電解質を備える亜鉛空気電池であって、前記電解質が、両性フッ素界面活性剤を含み、前記両性フッ素界面活性剤が、ベタイン官能性を含む、亜鉛空気電池。
【請求項2】
前記両性フッ素界面活性剤が、式(I)の化合物であり、
【化1】
式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8が、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基であり、
1が、−C(O)−、−SO2−、−C(O)NRa−、−SO2NRa−、−CO2−、または−SO2O−であり、
aが、Hまたはアルキル基であり、
m及びpが、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、または6であり、
n及びrが、それぞれ独立して、1、2、3、4、または5である、請求項1に記載の亜鉛空気電池。
【請求項3】
1−R6が、Hであり、
7及びR8が、C1〜C4アルキルであり、
1が、SO2であり、
n及びpが、2であり、
mが、4〜6であり、
rが、1である、請求項2に記載の亜鉛空気電池。
【請求項4】
前記両性フッ素界面活性剤が、CHEMGUARD(登録商標)S−111、CHEMGUARD(登録商標)S−500、CAPSTONE(登録商標)FS−50、CAPSTONE(登録商標)FS−51、APFS−14、DYNAX DX3001、ZONYL(登録商標)FSK、ZONYL(登録商標)FS−500、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の亜鉛空気電池。
【請求項5】
前記電解質が、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸、ジエチレントリアミン、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、式(III)の化合物、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである界面活性剤を更に含み、
式(III)として表わされる前記化合物が、
【化2】
であり、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21が、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基であり、
2が、OまたはSであり、
3が、OHまたはSHであり、
wが、5〜50である、請求項1に記載の亜鉛空気電池。
【請求項6】
13が、C1〜C12アルキル基であり、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21が、それぞれ水素であり、X2が、Oであり、X3が、OHであり、wが、5〜15である、請求項5に記載の亜鉛空気電池。
【請求項7】
前記電解質が、腐食抑制剤、ゲル化剤、酸化亜鉛、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ポリアクリレートポリマー、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを更に含む、請求項1に記載の亜鉛空気電池。
【請求項8】
前記電解質が、100ppmから25000ppmまで前記電解質に存在する腐食抑制剤を更に含み、前記両性フッ素界面活性剤が、200ppmから20000ppmまで前記電解質に存在する、請求項1に記載の亜鉛空気電池。
【請求項9】
亜鉛空気電池で使用するための両性フッ素界面活性剤及び腐食抑制剤を含む電解質であって、
前記両性フッ素界面活性剤が、CHEMGUARD(登録商標)S−111、CHEMGUARD(登録商標)S−500、CAPSTONE(登録商標)FS−50、CAPSTONE(登録商標)FS−51、APFS−14、DYNAX DX3001、ZONYL(登録商標)FSK、ZONYL(登録商標)FS−500、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせから成る群から選択され、
前記腐食抑制剤が、水酸化インジウム、水酸化リチウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアニリン、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせから成る群から選択される、電解質。
【請求項10】
前記両性フッ素界面活性剤が、200ppmから20000ppmまで前記電解質に存在し、前記腐食抑制剤が、100ppmから25000ppmまで前記電解質に存在する、請求項9に記載の電解質。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年10月15日に出願された米国仮出願第62/064,241号、及び2014年10月15日に出願された米国仮出願第62/064,269号に対する利益を主張し、それらの全内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、一般に、亜鉛空気電池及びそれらの使用の分野に関する。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、空気正極、亜鉛負極、及び電解質を含む亜鉛空気電池であって、電解質が、両性フッ素界面活性剤を含む、亜鉛空気電池が提供される。
【0004】
一実施形態では、両性フッ素界面活性剤が、CHEMGUARD(登録商標)S−111、CHEMGUARD(登録商標)S−500、CAPSTONE(登録商標)FS−50、CAPSTONE(登録商標)FS−51、APFS−14、DYNAX DX3001、Zonyl(登録商標)FSK、Zonyl(登録商標)FS−500またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである。
【0005】
一実施形態では、両性フッ素界面活性剤が、約200ppmから約20000ppmまで電解質に存在する。一実施形態では、電解質における両性フッ素界面活性剤濃度が、約4000ppmである。一実施形態では、電解質における両性フッ素界面活性剤濃度が、約10000ppmである。
【0006】
一実施形態では、電解質が、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸、ジエチレントリアミン、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、式(III)の化合物、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである選択される界面活性剤を更に含む。
【0007】
一実施形態では、電解質が、界面活性剤系、腐食抑制剤(すなわち、水酸化インジウム、水酸化リチウム、ポリアニリン、ポリエチレングリコール、またはポリプロピレングリコール)、ゲル化剤(すなわち、ポリアクリレートポリマー)、ガス抑制添加剤(すなわち、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、酢酸鉛、または臭化カルシウム)、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、他の機能性添加剤(すなわち、酸化ビスマス、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、錫酸ナトリウム、錫酸カリウム)、あるいはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含んでもよい。
【0008】
一実施形態では、亜鉛空気電池が、空気正極と亜鉛負極との間にセパレータを含んでもよい。
【0009】
一実施形態では、電解質が、腐食抑制剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤が、約100ppmから約25000ppmまで電解質に存在してもよい。
【0010】
一実施形態では、腐食抑制剤が、ポリアニリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水酸化リチウム、水酸化インジウム、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである。特定の実施形態では、ポリアニリンが、エメラルジンポリアニリンである。
【0011】
別の態様では、空気正極、亜鉛負極、及び電解質を含む亜鉛空気電池であって、電解質が、式(II)の界面活性剤を含み、
【化1】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換アルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基であり、X1が、OまたはSであり、X2が、OHまたはSHであり、nが、5〜50である、亜鉛空気電池が提供される。いくつかの実施形態では、R1が、C1〜C12アルキル基であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が、それぞれ、水素であり、X1が、Oであり、X2が、OHであり、nが、5〜15である。いくつかの実施形態では、R1が、オクチルであり、nが、5〜10である。別の実施形態では、R1が、1,1,3,3−テトラメチルブチルまたはn−オクチルであり、nが、5〜10である。別の実施形態では、R1が、1,1,3,3−テトラメチルブチルであり、nが、5〜10である。
【0012】
一実施形態では、式(II)の界面活性剤が、Igepal(登録商標)CA−630(Rhodiaから入手可能な非イオンアルキルアリルフェノール界面活性剤)、Triton(登録商標)X−100(Dow Chemical Companyから入手可能な非イオンオクチルフェノールエトキシレート界面活性剤)、またはそれらの組み合わせである。
【0013】
一実施形態では、式(II)の界面活性剤が、電解質の総重量に基づいて、約200ppmから約20,000ppmまで電解質に存在する。別の実施形態では、界面活性剤が、約2000ppmから約15000ppmまで電解質に存在する。別の実施形態では、電解質における界面活性剤濃度が、約3000ppmからまで約12000である。一実施形態では、電解質における界面活性剤濃度が、約4000ppmである。
【0014】
一実施形態では、電解質が、第2の界面活性剤を更に含む。いくつかの実施形態では、第2の界面活性剤が、ヘキシルジフェニルオキシドスルホン酸、ジエチレントリアミン、両性フッ素界面活性剤、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである。
【0015】
一実施形態では、電解質が、界面活性剤系、腐食抑制剤(すなわち、水酸化インジウム、水酸化リチウム、ポリアニリン、ポリエチレングリコール、またはポリプロピレングリコール)、ゲル化剤(すなわち、ポリアクリレートポリマー)、ガス抑制添加剤(すなわち、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、または臭化カルシウム)、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酢酸鉛、酸化ビスマス、水酸化セシウム、他の機能性添加剤(すなわち、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、錫酸ナトリウム、錫酸カリウム)、あるいはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含んでもよい。
【0016】
一実施形態では、亜鉛空気電池が、空気正極と亜鉛負極との間にセパレータを含んでもよい。
【0017】
一実施形態では、電解質が、腐食抑制剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤が、約100ppmから約15,000ppmまで電解質に存在してもよい。
【0018】
一実施形態では、腐食抑制剤が、ポリアニリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水酸化リチウム、水酸化インジウム、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである。特定の実施形態では、ポリアニリンが、エメラルジンポリアニリンである。
【0019】
前述の概要は、単に例示的なものであり、決して限定することを意図されるものではない。上記した例示的態様、実施形態、及び特徴に加えて、更なる態様、実施形態、及び特徴が、以下の図面及び発明を実施するための形態を参照して明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の実施形態の例示的な電気化学セルを描写する断面概略図である。
図2】実施例に係る、4か月間の室温遅延における(対照界面活性剤を含有する)対照負極と4000ppmの両性フッ素界面活性剤を含有する負極との補聴器標準パルス放電曲線比較である。
図3】実施例に係る、4か月間の室温遅延における(対照界面活性剤を含有する)対照負極と4000ppmの両性フッ素界面活性剤を含有する負極との無線ストリーミングパルス放電曲線比較である。
図4】実施例に係る、4か月間の室温遅延における(対照界面活性剤を含有する)対照負極と10000ppmの両性フッ素界面活性剤を含有する負極との補聴器標準パルス放電曲線比較である。
図5】実施例に係る、4か月間の室温遅延における(対照界面活性剤を含有する)対照負極と10000ppmの両性フッ素界面活性剤を含有する負極との無線ストリーミングパルス放電曲線比較である。
図6】実施例に係る、4か月間の室温遅延における(対照界面活性剤を含有する)対照負極と4000ppmのIGEPAL(登録商標)界面活性剤を含有する負極との補聴器標準パルス放電曲線比較である。
図7】実施例に係る、4か月間の室温遅延における(対照界面活性剤を含有する)対照負極と4000ppmのIGEPAL(登録商標)界面活性剤を含有する負極との無線ストリーミングパルス放電曲線比較である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
様々な実施形態が、以下に記載される。具体的な実施形態は、包括的な記載としてまたは本明細書に記述されるより広い態様への限定として意図されないことに留意されたい。特定の実施形態と関連して記載される一態様は、その実施形態に必ずしも限定されず、任意の他の実施形態(複数可)と共に実施され得る。
【0022】
本明細書に使用される際、「約」は、当業者によって理解され、それが使用される文脈によって、ある程度変動する。当業者にとって明確ではない用語の使用がある場合、それが使用される文脈を考えれば、「約」は、その特定の用語の最大プラスまたはマイナス10%までを意味する。
【0023】
要素を記載する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」、「an」、及び「the」、ならびに類似の指示物の使用は、本明細書に別段示されない限りまたは文脈によって明確に否定されない限り、単数と複数の両方を包含するように解釈される。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段示されない限り、その範囲内に入るそれぞれの個々の値を個別に言及する略式法として機能することを単に意図され、それぞれの個々の値は、あたかも本明細書に個別に列挙されたかのように明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、別段本明細書に示されない限りまたはさもなければ文脈によって明確に否定されない限り、任意の適切な順序で行われ得る。本明細書に提供される任意及び全ての実施例、または例示的な言い回し(例えば、「例えば〜など」)の使用は、単に実施形態をより良く明らかにすることを意図され、別段述べられない限り特許請求の範囲への限定をもたらすものではない。本明細書における言い回しは、任意の特許請求されない要素を不可欠なものとして示すように解釈されるべきではない。
【0024】
一般に、「置換」は、その中に含有される水素原子への1つ以上の結合が、非水素または非炭素原子への結合に置換される、以下に定義されるような(例えば、アルキル基)、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはエーテル基のことを言う。置換基はまた、炭素(複数可)または水素(複数可)原子への1つ以上の結合が、ヘテロ原子への二重または三重結合を含む、1つ以上の結合に置換される基を含む。それゆえ、置換基は、別段明記されない限り、1つ以上の置換基で置換される。いくつかの実施形態では、置換基が、1、2、3、4、5、または6個の置換基で置換される。置換基の実施例は、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、及びI)、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ(alkynoxy)、アリールオキシ、アラルキルオキシ(aralkyloxy)、ヘテロシクリルオキシ、及びヘテロシクリルアルコキシ基、カルボニル(オキソ)、カルボキシル、エステル、ウレタン、オキシム、ヒドロキシルアミン、アルコキシアミン、アラルコキシアミン(aralkoxyamine)、チオール、硫化物、スルホキシド、スルホン、スルホニル、スルホンアミド、アミン、N−酸化物、ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドラゾン、アジド、アミド、尿素、アミジン、グアニジン、エナミン、イミド、イソシアネート、イソチオシアネート、シアネート、チオシアネート、イミン、ニトロ基、ニトリル(すなわち、CN)、及び同様のものを含む。
【0025】
本明細書に使用される際、「アルキル」基は、1〜約20個の炭素原子、典型的には1〜12個の炭素または、いくつかの実施形態では、1〜8個の炭素原子を有する、直鎖ならびに分岐アルキル基を含む。アルキル基は、置換されてもよいし、または置換されなくてもよい。直鎖アルキル基の実施例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、及びn−オクチル基を含む。分岐アルキル基の実施例は、限定されるものではないが、イソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、及び2,2,4,4−テトラメチルペンチル基を含む。代表的な置換アルキル基は、1回以上、例えば、アミノ基、チオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、及び/またはハロ基、例えば、F、Cl、Br、及びI基などで置換されてもよい。本明細書に使用される際、ハロアルキルという用語は、1つ以上のハロ基を有するアルキル基である。いくつかの実施形態では、ハロアルキルは、ペル(per−)ハロアルキル基のことを言う。
【0026】
シクロアルキル基は、環式アルキル基、例えば、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチル基などである。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基が、3〜8個の環員を有するのに対して、他の実施形態では、環炭素原子の数は、3から5、6、または7個までに及ぶ。シクロアルキル基は、置換されてもよいし、または置換されなくてもよい。シクロアルキル基は、多環式シクロアルキル基、例えば、限定されるものではないが、ノルボルニル、アダマンチル、ボルニル、カンフェニル(camphenyl)、イソカンフェニル(isocamphenyl)、及びカレニル(carenyl)基など、ならびに縮合環、例えば、限定されるものではないが、デカリニル(decalinyl)、及び同様のものなどを更に含む。シクロアルキル基はまた、上で定義されたような直鎖または分岐鎖アルキル基で置換される環を含む。代表的な置換シクロアルキル基は、一置換されてもよいし、あるいは2回以上、例えば、限定されるものではないが、2,2−、2,3−、2,4−、2,5−、もしくは2,6−二置換シクロヘキシル基または一、二、もしくは三置換ノルボルニルまたはシクロヘプチル基などに、置換されてもよく、それらは、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、チオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、及び/またはハロ基で置換されてもよい。
【0027】
アルケニル基は、2〜約20個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1つの二重結合を更に含む直鎖、分岐、または環式アルキル基である。いくつかの実施形態では、アルケニル基が、1〜12個の炭素、または、典型的には、1〜8個の炭素原子を有する。アルケニル基は、置換されてもよいし、または置換されなくてもよい。アルケニル基は、特に、例えば、ビニル、プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、及びヘキサジエニル基を含む。アルケニル基は、同様に、アルキル基に置換されてもよい。二価のアルケニル基、すなわち、2つの連結点を有するアルケニル基は、限定されるものではないが、CH−CH=CH2、C=CH2、またはC=CHCH3を含む。
【0028】
用語「アルコキシ基」は、Hが、本明細書に定義されるような1〜12個の炭素原子を含むアルキル基に置換された、ヒドロキシ基(OH)のことを言う。いくつかの実施形態では、アルコキシ基が、1〜7または1〜4個の炭素原子を含む。アルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、3−メチルブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−メチルペントキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、n−ヘプトキシ基、2−メチルヘキソキシ基、2,2−ジメチルペントキシ基、2,3−ジメチルペントキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、1−メチルシクロプロピルオキシ基、及び他のものであってもよい。いくつかの実施形態では、アルコキシ基が、O−C1〜C6−アルキル基を含む。他の実施形態では、アルコキシ基が、O−C1〜C4−アルキル基を含む。
【0029】
本明細書に使用される際、用語「アミン」(または「アミノ」)は、−NR100101基であって、R100及びR101が、独立して、本明細書に定義されるような、水素、あるいは置換もしくは非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル(aralkyl)、ヘテロシクリルアルキル、またはヘテロシクリル基である、−NR100101基を言う。いくつかの実施形態では、アミンが、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、またはアルキルアリールアミノである。他の実施形態では、アミンが、NH2、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、フェニルアミノ、またはベンジルアミノである。
【0030】
本明細書に使用される際、用語「ハロゲン」または「ハロ」は、臭素、塩素、フッ素、またはヨウ素のことを言う。いくつかの実施形態では、ハロゲンが、フッ素である。他の実施形態では、ハロゲンが、塩素または臭素である。
【0031】
本明細書に使用される際、用語「ヒドロキシル」は、−OHまたはそのイオン化形態、−O−のことを言い得る。
【0032】
本明細書に使用される際、用語「ニトリル」または「シアノ」は、−CN基のことを言う。
【0033】
本明細書に使用される際、用語「チオ」は、酸素が硫黄で置換される−S−基またはエーテルのことを言う。
【0034】
本明細書に使用される際、用語「カチオンフッ素界面活性剤」は、カチオン基及び/またはカチオン基にプロトン化されることができる基を含有するフッ素界面活性剤のことを言う。いくつかの実施形態では、カチオンフッ素界面活性剤が、第1級、第2級、第3級、及び/または第4級アミン基を含む。
【0035】
本明細書に使用される際、用語「アニオンフッ素界面活性剤」は、アニオン基及び/またはアニオン基に脱プロトン化されることができる基を含有するフッ素界面活性剤のことを言う。いくつかの実施形態では、アニオンフッ素界面活性剤が、カルボキシ基(複数可)、スルホン基(複数可)、リン酸基(複数可)、ホスホン酸基(複数可)、またはそれらの対応する塩を含む。
【0036】
本明細書に使用される際、用語「両性フッ素界面活性剤」は、カチオン及びアニオンフッ素界面活性剤について上記で定義されたような少なくとも1つのカチオン基ならびに少なくとも1つのアニオン基を含有するフッ素界面活性剤のことを言う。いくつかの実施形態では、両性フッ素界面活性剤が、CHEMGUARD(登録商標)S−111(アルキルアミンオキシド型の短鎖ペルフルオロをベースとする両性フッ素界面活性剤)、CHEMGUARD(登録商標)S−500(短鎖ペルフルオロをベースとする両性フッ素界面活性剤)、CAPSTONE(登録商標)FS−50(ベタイン部分的フッ化界面活性剤)、CAPSTONE(登録商標)FS−51(アミンオキシド部分的フッ化界面活性剤)、APFS−14(両性のポリフルオロアルキルベタイン界面活性剤)、DYNAX DX3001(ペルフルオロアルキル−ベタイン型の両性フルオロケミカル界面活性剤)、ZONYL(登録商標)FSK(水難溶性のエトキシル化非イオンフッ素界面活性剤)、ZONYL(登録商標)FS−500(ベタインフッ化両性界面活性剤)、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである。
【0037】
本明細書に使用される際、用語「ベタイン官能性」は、正に帯電したカチオン官能基及び負に帯電した官能基を有する中性化合物のことを言う。いくつかの実施形態では、カチオン官能基が、水素原子を持たない、第4級アンモニウムまたはホスホニウムカチオンであってもよい。いくつかの実施形態では、負に帯電した官能基が、カルボキシレート基であってもよい。
【0038】
本明細書に使用される際、用語「短鎖ペルフルオロ置換基」は、C1〜C7ペルフルオロ置換基のことを言う。
【0039】
本明細書に使用される際、用語「亜鉛負極」は、負極活性材料として亜鉛を含む負極のことを言う。
【0040】
本明細書に使用される際、用語「ppm」は、別段明示的に表現されない限り、重量での百万分率を意味する。
【0041】
現在、亜鉛空気電池における両性フッ素界面活性剤及び式(II)の界面活性剤(下記参照)の使用が、高消耗率(drain rate)、例えば、パルス状放電の間に直面されるものなどにおいて動作されるときに、かかる電池の動作電圧における改善を提供することが発見されている。電圧の改善は、低電池信号の発生を除去、または少なくとも実質的に減らす。この効果は、電池のカットオフ電圧に対して動作電圧を増加させることによって提供されることが信じられている。
【0042】
一実施形態では、両性フッ素界面活性剤または式(II)の界面活性剤を含む亜鉛空気電池が、補聴器に使用されてもよい。補聴器は、電池動作電圧が、一旦臨界閾値に達したらまたはそれを下回ったら、「電池が少ない」という警告をトリガするようにプログラムされる。この閾値電圧は、高度な補聴器、特に、無線ストリーミングをサポートするものには高い。したがって、補聴器電池が、任意の規定のカットオフ、例えば、1.1V、1.125V、または1.15Vを上回る動作電圧に耐えることができることが望ましい。式(I)についての両性フッ素界面活性剤または式(II)の界面活性剤を含む亜鉛空気電池のための動作電圧が、対照界面活性剤を含有する亜鉛空気電池と比較されるときに、補聴器標準パルス放電全体を通して、より長い1.05VのANSIに要求されたカットオフを超えたままであることが確認された。比較すると、対照は、1.15Vを上回る電圧に耐えることができない。また、式(I)についての両性フッ素界面活性剤を含む亜鉛空気電池のための動作電圧が、無線ストリーミングパルス放電全体を通して1.1VのANSIに要求されたカットオフを超えたままであることが確認された。比較すると、対照は、1.15Vを上回る電圧に耐えることができない。
【0043】
両性フッ素界面活性剤または式(II)の界面活性剤が、電池の負極(すなわち、陰極)側に含まれる。理論に束縛されるものではないが、両性フッ素界面活性剤または式(II)の界面活性剤は、負極内の亜鉛と相互作用し、それによって、対照界面活性剤(すなわち、非フッ化界面活性剤または式(II)の界面活性剤でないもの)を用いる電池と比較すると、電池の動作電圧を著しく上げることが信じられている。高い動作電圧は、特に、電池がパルス状条件下で高い終点まで放電されるときに、亜鉛空気電池の負極が、対照電池(すなわち、両性フッ素界面活性剤または式(II)の界面活性剤を用いないもの)よりも良好な性能特性を呈することを可能にする。
【0044】
パルス状放電の間、電気エネルギーが、パルス形態で亜鉛空気電池によって供給される。この種の放電は、電池が中に位置するデバイスによって、高負荷が電池にかけられることを結果としてもたらす。いくつかの実施形態では、デバイスが、補聴器である。かかるデバイス内の電池は、デバイスからの電池が少ないという信号のトリガの発生を回避するまたは少なくとも最小限にするように、望ましくは、放電寿命の大半にわたって、高い及び安定した動作電圧を呈することが必要である。電池が少ないという信号のための電圧閾値は、デバイス(すなわち、補聴器)毎に変動し得る。
【0045】
一態様では、空気正極、亜鉛負極、及び電解質を含む亜鉛空気電池であって、電解質が、両性フッ素界面活性剤を含む、亜鉛空気電池が提供される。両性フッ素界面活性剤は、ペルフルオロオクタン酸を形成するように分解しない短鎖ペルフルオロ置換基を含んでもよい。本開示の一実施形態では、両性フッ素界面活性剤が、ベタイン官能性を含む。
【0046】
両性フッ素界面活性剤は、式(I)によって表わされる化合物であってもよい。
【化2】
式(I)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8が、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基であり、X1が、−C(O)−、−SO2−、−C(O)NRa−、−SO2NRa−、−CO2−、または−SO2O−であり、Raが、Hまたはアルキル基であり、m及びpが、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、または6であり、n及びrが、それぞれ独立して、1、2、3、4、または5である。いくつかの実施形態では、R1〜R6が、Hであり、R7及びR8が、C1〜C4アルキルであり、n及びpが、2であり、mが、4〜6であり、X1が、SO2であり、rが、1である。いくつかの実施形態では、Raが、Hである。他の実施形態では、Raが、C1〜C6アルキルである。
【0047】
適切な両性フッ素界面活性剤は、当分野において既知の方法によって準備され得るか、または市販され得、及び、ペルフルオロ界面活性剤またはポリフルオロアルキルベタイン界面活性剤を、単独でまたは他の成分、例えば、水、エタノール、メタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、塩化ナトリウム、酢酸などと組み合わせて含んでもよい 例示的な両性フッ素界面活性剤は、限定されるものではないが、CHEMGUARD(登録商標)S−111、CHEMGUARD(登録商標)S−500、CAPSTONE(登録商標)FS−50、CAPSTONE(登録商標)FS−51、APFS−14、DYNAX DX3001、ZONYL(登録商標)FSK、ZONYL(登録商標)FS−500、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤系が、少なくとも1つの両性フッ素界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤系が、少なくとも2つの両性フッ素界面活性剤を含む。
【0048】
理論に束縛されるものではないが、両性フッ素界面活性剤が、ガス発生の信頼性を維持しながら電圧抑制を減らすことが信じられている。
【0049】
両性フッ素界面活性剤は、電解質の総重量に基づいて、約200ppmから約20000ppmまで電解質に存在してもよい。別の実施形態では、両性フッ素界面活性剤が、約2000ppmから約15000ppmまで電解質に存在する。別の実施形態では、電解質における両性フッ素界面活性剤濃度が、約3000ppmから約12000までである。一実施形態では、電解質における両性フッ素界面活性剤濃度が、約4000ppm〜約10000である。一実施形態では、電解質における両性フッ素界面活性剤濃度が、約4000ppmである。別の実施形態では、電解質における両性フッ素界面活性剤濃度が、約10000ppmである。
【0050】
別の態様では、空気正極、亜鉛負極、及び電解質を含む亜鉛空気電池であって、電解質が、式(II)の界面活性剤を含む、亜鉛空気電池が、提供される。
【化3】
式(II)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換アルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基であり、X1が、OまたはSであり、X2が、OHまたはSHであり、nが、5〜50である。
【0051】
式(II)のいくつかの実施形態では、R1が、C1〜C12アルキル基であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が、それぞれ、水素であり、X1が、Oであり、X2が、OHであり、nが、5〜15である。いくつかの実施形態では、R1が、オクチルであり、nが、5〜10である。いくつかの実施形態では、R1が、C1〜C12アルキル基、例えば、オクチルまたは1,1,3,3−テトラメチルブチルである。いくつかの実施形態では、R1が、オクチルである。いくつかの実施形態では、R1が、1,1,3,3−テトラメチルブチルまたはn−オクチルである。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が、それぞれ、水素である。いくつかの実施形態では、X1がOである。いくつかの実施形態では、X2がOHである。いくつかの実施形態では、nが、5〜15である。いくつかの実施形態では、nが、5〜10である。別の実施形態では、R1が、1,1,3,3−テトラメチルブチルまたはn−オクチルであり、nが、5〜10である。別の実施形態では、R1が、1,1,3,3−テトラメチルブチルであり、nが、5〜10である。
【0052】
式(II)のいくつかの実施形態では、R1が、C1〜C12アルキル基であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が、それぞれ、水素であり、X1が、Oであり、X2が、OHであり、nが、5〜15である。いくつかの実施形態では、R1が、オクチルであり、nが、5〜10である。別の実施形態では、R1が、1,1,3,3−テトラメチルブチルであり、nが、5〜10である。
【0053】
式(II)によって表わされる例示的な界面活性剤は、限定されるものではないが、Igepal(登録商標)CA−630、Triton(登録商標)X−100、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤が、式(II)の少なくとも1つの界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤が、式(II)の少なくとも2つの界面活性剤を含む。
【0054】
式(II)の界面活性剤は、ガス発生の信頼性を維持しながら電圧抑制を減らし得る。
【0055】
式(II)の界面活性剤が、電解質の総重量に基づいて、約200ppmから約20,000ppmまで電解質に存在してもよい。別の実施形態では、式(II)の界面活性剤が、約2000ppmから約15000ppmまで電解質に存在する。別の実施形態では、電解質における式(II)の界面活性剤濃度が、約3000ppm〜約12000である。一実施形態では、電解質における式(II)の界面活性剤濃度が、約4000ppmである。
【0056】
本明細書に記載される電解質は、両性フッ素界面活性剤または式(II)の界面活性剤、あるいはその一方または両方を含む組み合わせに基づき得るが、電解質は、一般的に、界面活性剤系に対する他の添加剤を含み得る。
【0057】
一実施形態では、電解質が、腐食抑制剤(すなわち、水酸化インジウム、ポリアニリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、または水酸化リチウム)、ゲル化剤(すなわち、ポリアクリレートポリマー)、ガス抑制添加剤(すなわち、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、または臭化カルシウム)、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酢酸鉛、酸化ビスマス、水酸化セシウム、機能性添加剤(すなわち、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、錫酸ナトリウム、錫酸カリウム)、あるいはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを更に含んでもよい。
【0058】
電解質は、第2の界面活性剤であって、限定されるものではないが、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸、ジエチレントリアミン、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、式(III)の化合物、化合物、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせであり得る、第2の界面活性剤を更に含んでもよい。
【0059】
式(III)の化合物は、以下を含む。
【化4】
式(III)中、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基であり、X2は、OまたはSであり、X3は、OHまたはSHであり、wは、5〜50である。いくつかの実施形態では、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21が、それぞれ、水素である。いくつかの実施形態では、X2がOである。いくつかの実施形態では、X3がOHである。いくつかの実施形態では、wが、5〜15である。いくつかの実施形態では、wが、5〜10である。いくつかの実施形態では、R13が、C1〜C12アルキル基であり、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21が、それぞれ、水素であり、X2が、Oであり、X3が、OHであり、wが、5〜15である。いくつかの実施形態では、R13が、オクチルであり、wが、5〜10である。別の実施形態では、R13が、1,1,3,3−テトラメチルブチルであり、wが、5〜10である。
【0060】
一実施形態では、電解質が、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸及び少なくとも1つの両性フッ素界面活性剤の組み合わせを含む。別の実施形態では、電解質が、ジエチレントリアミン及び少なくとも1つの両性フッ素界面活性剤の組み合わせを含む。別の実施形態では、電解質が、オクチルフェノキシポリエチオキシ(ethyoxy)エタノール及び少なくとも1つの両性フッ素界面活性剤の組み合わせを含む。
【0061】
一実施形態では、電解質が、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸、及び式(II)の少なくとも1つの界面活性剤の組み合わせを含む。別の実施形態では、電解質が、ジエチレントリアミン及び式(II)の少なくとも1つの界面活性剤の組み合わせを含む。別の実施形態では、電解質が、オクチルフェノキシポリエチオキシエタノール及び式(II)の少なくとも1つの界面活性剤の組み合わせを含む。
【0062】
ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤は、電圧抑制の低減を支援することが信じられている。ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤は、約9.0から約10.0ポンド/ガロンまでの密度を有し得る。一実施形態では、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤が、約9.8ポンド/ガロンの密度を有する。ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤は、約2.0よりも少ないpHを有し得る。ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤は、水中で約50%の溶解度を有し得る。
【0063】
ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤は、約70重量%から約75重量%までのスルホン化ベンゼン、1,1′−オキシビス−sec−ヘキシル誘導体を含み得る。ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤は、約0重量%から約5重量%まで、または約2重量%から約4重量%までの硫酸を含み得る。別の実施形態では、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤は、約20重量%から約30重量%まで、または約22重量%から約28重量%までの水を含んでもよい。例示的なヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤は、限定されるものではないが、Pilot Chemical Companyから入手可能なCalfax(登録商標)6LA−70を含んでもよい。Calfax(登録商標)6LA−70は界面活性剤であるので、それはまた、結合剤及び/またはHLB修正剤としても機能することができる。それゆえ、用語「界面活性剤」は、Calfax(登録商標)6LA−70に限定する意味にみなされるのではなく、むしろ、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸が提供し得る機能のうちの1つの記載である。
【0064】
ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤は、電解質の総重量に基づいて、約500ppmから約5000ppmまでの量で存在してもよい。これは、約1000ppmから約4000ppmまで、または約2000ppmから約3000ppmまでを含み得る。別の実施形態では、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤が、約1000ppm、約2000ppm、約3000ppm、約4000ppm、または約5000ppmの量で存在するか、または(終点を含む)これらの値のいずれか2つの間に及ぶ。一実施形態では、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤が、約3000ppmの量で存在する。別の実施形態では、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤が、約4,500ppmの量で存在する。
【0065】
電解質は、腐食抑制剤を更に含んでもよい。腐食抑制剤は、綺麗な亜鉛表面を維持し、それは、次いで、セル電圧及び効率を上げることが信じられている。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤とフッ素界面活性剤の両方が、セル電圧及びセル性能の改善をもたらし得る。別の実施形態では、腐食抑制剤が、伝導度を高め得る。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤と式(II)の界面活性剤の両方が、セル電圧及びセル性能の改善をもたらし得る。
【0066】
腐食抑制剤は、個体または液体のいずれかであってもよいし、電解質の溶媒(複数可)に可溶性であってもよいし、または可溶性でなくてもよい。腐食抑制剤は、約100ppmから約25000ppmまで電解質に存在してもよい。これは、約200ppmから約300ppmまでを含んでもよい。別の実施形態では、腐食抑制剤が、約150ppm、約200ppm、約250ppm、約300ppm、約350ppm、約500ppm、約1000ppm、約5000ppm、約10000ppm、約20000ppm、約25000ppmの量で存在するか、または(終点を含む)これらの値のいずれか2つの間に及ぶ。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤が、約250ppmの量で存在する。別の実施形態では、腐食抑制剤が、約10000ppm〜約20000ppmの量で存在する。腐食抑制剤のみに関して、ppm量は、腐食抑制剤が室温において液体であるときに電解質の総重量に基づき、またはそれは、腐食抑制剤が室温において固体であるときに負極内の亜鉛重量に基づく。
【0067】
一実施形態では、腐食抑制剤が、芳香族アミンポリマー、水酸化インジウム、ポリアニリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水酸化リチウム、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤が、式(IV)の化合物である。
【化5】
10、R11、R12、及びR13が、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、または置換もしくは非置換シクロアルキル基であり、mが、100〜500である。いくつかの実施形態では、R10、R11、R12、及びR13が、それぞれ、水素である。いくつかの実施形態では、mが、100〜200である。いくつかの実施形態では、R10、R11、R12、及びR13が、それぞれ、水素であり、mが、100〜200である。
【0068】
別の実施形態では、腐食抑制剤が、ポリアニリンである。いくつかの実施形態では、ポリアニリン腐食抑制剤が、エメラルジンポリアニリンである。別の実施形態では、ポリアニリンが、ポリアニリンの非酸ドープ形態であり、ポリアニリンの伝導性形態ではない。いくつかの実施形態では、ポリアニリンのエメラルジン形態が、中性であり、室温において高安定性を有する。いくつかの実施形態では、ポリアニリンは、腐食抑制剤として機能し得る。しかしながら、ポリアニリンは、腐食抑制剤であることに加えて他の利益をもたらし得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポリアニリンが、セルの伝導度を高め得る。
【0069】
一実施形態では、腐食抑制剤が、水酸化インジウムである。いくつかの実施形態では、水酸化インジウムが、負極内の亜鉛の総重量に基づいて、約2000ppmから約4000ppmまでの量で存在してもよい。これは、負極内の亜鉛の総重量に基づいて、約2,500ppmから約3,500ppmまで、または約2,750ppmから約3,250ppmまでを含んでもよい。別の実施形態では、水酸化インジウムが、負極内の亜鉛の総重量に基づいて、約2000ppm、約2,500ppm、約3000ppm、約3,500ppm、約4000ppmの量で存在してもよいし、または(終点を含む)これらの値のいずれか2つの間に及ぶ。別の実施形態では、水酸化インジウムが、負極内の亜鉛の総重量に基づいて、約3000ppmの量で存在してもよい。
【0070】
電解質はまた、ゲル化剤を含んでもよい。当分野における任意の適切なゲル化剤は、それが本開示の範囲から逸脱しない限り、使用され得る。一実施形態では、ゲル化剤が、電解質の総重量に基づいて、約500ppmから約1,500ppmまで、約750ppmから約1,250まで、または約900ppm〜約1,100ppmまでの量で存在し得る。別の実施形態では、ゲル化剤が、約500ppm、約600ppm、約700ppm、約800ppm、約900ppm、約1000ppm、約1,100ppm、約1,200ppm、約1,300ppm、約1,400ppm、もしくは約1,500ppmの量で存在するか、または(終点を含む)これらの値のいずれか2つの間に及ぶ。別の実施形態では、ゲル化剤が、約1000ppmの量で存在する。一実施形態では、適切なゲル化剤が、ポリアクリル酸ポリマーである。一実施形態では、ゲル化剤が、架橋ポリアクリル酸ポリマーである。
【0071】
電解質は、ガス抑制添加剤を含んでもよい。一実施形態では、電解質が、約500ppmから約20000ppmまでのガス抑制添加剤を含んでもよい。一実施形態では、ガス抑制添加剤が、酸化亜鉛である。
【0072】
使用されるとき、酸化亜鉛は、電解質の約1重量%から約10重量%までの量で存在し得る。これは、電解質の約1重量%〜約8重量%、1重量%〜約5重量%、約1.5〜約5重量%、または約2〜約5重量%を含んでもよい。一実施形態では、酸化亜鉛が、電解質の約1重量%、約1.5重量%、約2重量%、約2.5重量%、約3重量%、約3.5重量%、もしくは約4重量%の量で存在してもよいし、または(終点を含む)これらの値のいずれか2つの間に及ぶ。一実施形態では、酸化亜鉛が、電解質の約2重量%の量で存在してもよい。いくつかの実施形態では、酸化亜鉛は、酸化亜鉛を単にガス抑制添加剤として機能することに限定しない他の利益をもたらし得る。それゆえ、酸化亜鉛を「ガス抑制添加剤」として呼ぶことは、酸化亜鉛をその特定の機能のみに限定するものではない。例えば、いくつかの実施形態では、酸化亜鉛が、亜鉛表面不活性化を調節する。
【0073】
電解質は、水酸化カリウムを含んでもよい。一実施形態では、水酸化カリウムが、電解質の約20重量%から約45重量%までの量で存在する。これは、電解質の約25重量%から約40重量%まで、または約30重量%から約35重量%までを含んでもよい。一実施形態では、水酸化カリウムが、電解質の約45重量%、約30重量%、約25重量%、もしくは約20重量%の量で存在するか、または(終点を含む)これらの値のいずれか2つの間に及ぶ。別の実施形態では、水酸化カリウムが、電解質の約30重量%〜約40重量%の量で存在する。
【0074】
電解質は、水酸化ナトリウムを含んでもよい。一実施形態では、水酸化ナトリウムが、約20%から約45%までの量で存在する。これは、電解質の約25重量%から約40重量%まで、または約30重量%から約35重量%までを含んでもよい。一実施形態では、水酸化ナトリウムが、電解質の約45重量%、約30重量%、約25重量%、もしくは約20重量%の量で存在するか、または(終点を含む)これらの値のいずれか2つの間に及ぶ。別の実施形態では、水酸化ナトリウムが、総電解質の約30重量%〜約40重量%の量で存在する。
【0075】
一実施形態では、亜鉛空気電池が、電解質であって、界面活性剤系及び腐食抑制剤を含む、電解質を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤系が、両性フッ素界面活性剤を含む。別の実施形態では、界面活性剤系が、ガス抑制添加剤を更に含む。別の実施形態では、界面活性剤系が、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸、ジエチレントリアミン、またはオクチルフェノキシポリエトキシエタノール、式(III)の化合物、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを更に含む。
【0076】
亜鉛空気電池は、電解質であって、式(I)の界面活性剤及び腐食抑制剤を含む、電解質を含んでもよい。別の実施形態では、電解質が、ガス抑制添加剤を更に含む。別の実施形態では、電解質が、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸界面活性剤を更に含む。
【0077】
陰極は、負極、負極活性材料、その活性材料を取り囲む負極缶アセンブリを含む。いくつかの実施形態では、負極活性材料が、亜鉛を含み、負極が、「亜鉛負極」として呼ばれる。これに関して、本明細書に使用される際、負極「活性材料」は、セルの負極における放電反応の一部であると共にセル放電容量に寄与する単一化学化合物であって、その中に存在し得る不純物及び少量の他の部分を含む、単一化学化合物のことを言い得ることに留意する。負極「活性材料」は、亜鉛活性材料を含有または支援し得る集電器、電極リード等を含まない。いくつかの実施形態では、負極が、他の金属との亜鉛の合金を含む。亜鉛合金は、水素放出のために過電圧を上げて負極内の水素の生成を最小限にすることを意図された合金元素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、亜鉛が、インジウム、ビスマス、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、及び鉛から選択される1つ以上の金属と共に合金にされてもよい。いくつかの実施形態では、合金金属が、ビスマスである。いくつかの実施形態では、亜鉛合金が、亜鉛、ビスマス、及びインジウムを含む。いくつかの実施形態では、亜鉛合金が、亜鉛、ビスマス、インジウム、及びアルミニウムを含む。いくつかの実施形態では、亜鉛合金が、亜鉛、鉛、インジウム、及びアルミニウム含む。
【0078】
電解質成分の組み合わせを含む負極が、提供され得る。いくつかの実施形態では、電解質が、腐食抑制剤、ゲル化剤、ガス抑制添加剤、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酢酸鉛、酸化ビスマス、臭化カルシウム、水酸化セシウムなど、機能性添加剤、例えば、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、錫酸ナトリウム、及び錫酸カリウムなどのうちの1つ以上に加えて、少なくとも1つの界面活性剤を含む。一実施形態では、少なくとも1つの界面活性剤が、両性フッ素界面活性剤である。例示的な両性フッ素界面活性剤は、限定されるものではないが、CHEMGUARD(登録商標)S−111、CHEMGUARD(登録商標)S−500、CAPSTONE(登録商標)FS−50、CAPSTONE(登録商標)FS−51、APFS−14、DYNAX DX3001、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む。一実施形態では、少なくとも1つの界面活性剤が、式(II)の界面活性剤である。例示的な界面活性剤は、限定されるものではないが、IGEPAL(登録商標)CA−630、TRITON(登録商標)X−100、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、式(II)の界面活性剤と組み合わせて両性フッ素界面活性剤を含んでもよい。負極内の成分の組み合わせは、セル電圧及びセル性能の改善をもたらし得る。
【0079】
一実施形態では、負極が、二段階プロセス(a)乾燥亜鉛配合及び(b)電解質準備によって準備される。配合された亜鉛は、セルサイズに従って変動し得る設定比率で、負極缶空洞、その後、電解質の中に分配され得る。いくつかの実施形態では、乾燥亜鉛配合ステップが、亜鉛または亜鉛合金、ゲル化剤、及び腐食抑制剤を混合することを含む。いくつかの実施形態では、低濃度の水が、配合を容易にするために混和物に添加され得、その水が、その後、乾燥され得る。
【0080】
一実施形態では、乾燥亜鉛配合が、亜鉛合金、ゲル化剤、腐食抑制剤、及び任意選択的に他の添加剤の混合物を含む。一実施形態では、電解質が、水、腐食抑制剤、界面活性剤、ゲル化剤、及び任意選択的に他の添加剤を有するアルカリ金属水酸化物を含む。電解質に対する亜鉛配合の重量比率は、亜鉛約6に対して電解質1の割合から、亜鉛約3に対して電解質1の割合まで及び得る。
【0081】
適切な亜鉛ベースの合金が、本明細書に記載される。一実施形態では、亜鉛合金が、例えば、亜鉛(Zn)などの活性剤の合金であって、他の合金剤、例えば、鉛(Pb)、インジウム(In)ビスマス(Bi)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、及びアルミニウム(Al)などを有する、合金である。特定の合金剤が、所望の特性及び性能に基づいて、選択されてもよい。合金材料のいくつかの組み合わせが、他のものよりも亜鉛とうまく働き得る。様々な合金剤の量は、所望の特性に従って変動され得る。例えば、合金剤の濃度は、約20ppmから約750ppmまで及び得、約50ppmから約100ppmまで、約100ppm〜約300ppm、約300ppm〜約400ppm、または約400ppm〜約600ppmを含み、これらの値のうちのいずれか2つの間に及ぶか、あるいはこれらの値のうちのいずれか1つよりも少ない値にある。いくつかの実施形態では、合金剤が、約50ppm〜550ppmの濃度で存在する。典型的には、合金材料が、約0.01%から約0.5重量%までの活性剤を単独で、または、約0.005重量%から約0.2重量%までの1つ以上の合金剤と組み合わせて含んでもよい。一実施形態では、合金が、約400ppmから約600ppmまでのPb、約100ppm〜約300ppmのIn、及び約50ppm〜約100ppmのAlを含む。成分の濃度は、負極内の総亜鉛重量に基づいて、指定される。
【0082】
任意の適切なゲル化剤が、本開示の範囲から逸脱しない限り、使用されてもよい。適切なゲル化剤は、限定されるものではないが、ポリアクリル酸ポリマー、グラフト澱粉材料、ポリアクリル酸の塩、架橋型分岐ポリアクリレート、カルボキシメチルセルロース、天然ゴム、及び同様のもの、またはそれらの組み合わせを含む。適切なポリアクリル酸ポリマーの実施例は、(Lubrizolから入手可能で、B.F.Goodrichによって元々製造された)Carbopol(登録商標)940Carbopol(登録商標)934及びCarbopol(登録商標)ETD2050ならびに(3Vから入手可能な)Polygel 4Pを含む。いくつかの実施形態では、ゲル化剤が、Carbopol(登録商標)934である。他の実施形態では、ゲル化剤が、Carbopol(登録商標)ETD2050である。グラフト澱粉材料の実施例は、(Grain Processing Corporationから入手可能な)Waterlock A221である。一実施形態では、適切なゲル化剤が、ポリアクリル酸ポリマーである。一実施形態では、適切なゲル化剤が、クロスラインポリアクリル酸ポリマーである。いくつかの実施形態では、超吸収剤としても知られるポリクリリック(polycrylic)酸ポリマーの塩が、使用されてもよい。超吸収剤は、負極内での放電性能及び衝撃感度を改善することが信じられている不安定な形状の粒子から成る。ポリアクリル酸の塩の実施例は、(SNF Groupから入手可能な)Flocare(登録商標)GB300である。いくつかの実施形態では、ゲル化剤が、ポリアクリル酸ナトリウムゲル化剤を含まない。いくつかの実施形態では、ゲル化剤が、ポリアクリル酸ナトリウムゲル化剤以外の作用剤である。
【0083】
適切な腐食抑制剤は、例えば、粘土ベースの無機腐食抑制剤及び無機腐食抑制剤を含む。例示的な粘土ベースの無機腐食抑制剤は、天然または合成の層状ケイ酸粘土、例えば、ラポナイト、モンモリロナイト、ベントナイト、もしくはスメクタイトなど、または他の粘土状材料を含む。一実施形態では、粘土ベースの無機腐食抑制剤が、(BYK Additives and Instrumentsから入手可能な)Laponite−RDSである。適切な無機腐食抑制剤が、本明細書に記載される。粘土ベースの腐食抑制剤は、約10ppmから約30000ppmまでの量で存在し得る。これは、約50ppmから約20000ppmまで、約500ppmから約15000ppmまで、約1000ppmから約10000ppmまで、もしくは約2000ppmから約5000ppmまでについてを含み、これらの値のうちのいずれか2つの間に及ぶか、またはこれらの値のうちのいずれか1つよりも少ない値にある。腐食抑制剤の総量は、典型的には、負極の、約0.001重量%から約10重量%までに及ぶ。これは、負極の重量に対して、約0.01重量%から約5重量%まで、約0.1重量%〜約4重量%、約0.5重量%〜約3重量%、もしくは約1重量%〜約2重量%を含み、これらの値のうちのいずれか2つの間に及ぶか、またはこれらの値のうちのいずれか1つよりも少ない値にある。
【0084】
例示的な実施形態では、乾燥亜鉛配合が、Zn−Pb−In−Al合金(98.99%ppm)を架橋ポリアクリル酸ベースのゲル化剤(0.30%)、粘土添加剤(0.20%)、水酸化インジウム(0.3%)、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末(0.03%)と混合することを含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、電解質準備が、アルカリ金属水酸化物を水、腐食抑制剤、界面活性剤、及びゲル化剤と結合させることを含む。適切なアルカリ金属水酸化物は、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、または水酸化ナトリウム(NaOH)を含む。いくつかの実施形態では、アルカリ金属水酸化物が、KOHである。
【0086】
いくつかの実施形態では、電解質が、アルカリ性電解質材料として及び腐食抑制剤としても機能するLiOHを含む。いくつかの実施形態では、水酸化リチウムが、電解質の総重量に基づいて、約2000ppm〜約40000ppmの量で存在し得る。これは、電解質の総重量に基づいて、約5000ppmから約35000ppmまで、約7500ppmから約30000ppmまで、もしくは約10000ppmから約20000ppmまでを含んでもよいし、または負極内の亜鉛の総重量に基づいて、これらの値のうちの(終点を含む)いずれか2つの間に及ぶ。別の実施形態では、水酸化リチウムが、電解質の総重量に基づいて、約10000ppm〜約20000ppmの量で存在してもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、電解質成分が、限定されるものではないが、KOH、脱イオン水、水酸化リチウム、両性界面活性剤、及びゲル化剤を含む。いくつかの実施形態では、ゲル化剤が、Carbopol(登録商標)ETD2050である。いくつかの実施形態では、電解質成分が、KOH、脱イオン水、水酸化リチウム、両性界面活性剤、及びCarbopol(登録商標)ETD2050ゲル化剤を含む。いくつかの実施形態では、LiOHの量が、総電解質重量に基づいて、約10000ppm〜約20000ppmである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される両性界面活性剤の量が、総電解質重量に基づいて、約4000ppm〜約15000ppmである。
【0088】
負極に対する物理的な修正はまた、セルのサービス寿命を、単独でまたは上記した化学的な修正と組み合わせて改善し得る。例えば、水酸化物イオンについての拡散抵抗を減らすことによって、従来のセルにおいて使用され得るものよりも電解質内で有利に低い濃度の水酸化物イオンを有するセルを効率的に放電することができる。これは、例えば、亜鉛粒子サイズ分布を調整して、負極内に類似の亜鉛粒子サイズの狭い分布を提供することによって達成され得、それによって、水酸化物イオンのための多孔性(拡散経路)を増強する。拡散特性の改善に加えて、本開示の粒子サイズ分布はまた、酸化亜鉛の析出のための多孔性部位を提供し、それによって、負極不活性化を遅延させる。このアプローチは、亜鉛空気電池セルの負極における使用に効果的であり、本明細書に開示される他の改善と組み合わせて使用され得る。
【0089】
適切な亜鉛粒子サイズ分布は、粒子のうちの少なくとも70%が、100ミクロンサイズ範囲内で標準の網状篩目粒子サイズを有するもの、及び分布のモードが、約100〜約300ミクロンの間にあるものであり得る。一実施形態では、適切な亜鉛粒子サイズ分布が、上記した試験に適合する粒子サイズ分布であって、100ミクロン、150ミクロン、または200ミクロンのモードを、それぞれ、プラスまたはマイナス約10%有する粒子サイズ分布を含む。一実施形態では、粒子のうちの約70%が、約100ミクロンよりも狭いサイズ分布範囲内、例えば、約50ミクロン、もしくは約40ミクロン、またはそれ以下に分布される。
【0090】
陽極は、正極缶44及び正極42を含む正極缶アセンブリ40を含んでもよい。正極42の例示的な実施形態は、図1に最も良く見られる。正極42の活性層72は、セパレータ74と多孔質拡散層57との間に置かれる。活性層72は、好適には、約50ミクロン〜約1,250ミクロンの間の厚さに及び、負極内の亜鉛の酸化から発生される電子とのアルカリ性電解質内の水酸化物イオンに対する酸素の還元を容易にする。セパレータ74は、約25ミクロンの厚さの微孔質プラスチック膜、典型的には、ポリプロピレンであり、負極の亜鉛粒子が、正極42の残りの元素と物理接触することを防ぐという一次機能を有する。しかしながら、セパレータ74は、正極アセンブリを通る水酸化物イオン及び水の通過を許可する。ここで、正極は、空気正極であり、正極活性層は、炭素を含む。
【0091】
正極缶44の側壁47は、中間要素80によって缶の底部46に接合される。中間要素80の外面は、底部46の外面50の外周囲52におけるその下端から、概ね垂直な向きに側壁47の外面58につながるその上端まで延在する。中間要素80の内面は、もしあれば、底部46の内面48及び側壁47の内面56の接合において表わされる。いくつかの実施形態では、内面48及び56は、中間要素の内面が公称寸法のものになるように、急な曲がりの角部において一体となる。いくつかの実施形態では、角部材料が角部の形成において機能される程度に、角部が加工硬化され、それによって、角部構造が中間要素80において形成される際に、角部構造が、底部46及び側壁47に対して強化される。
【0092】
一実施形態では、十分な強度及び延性が、選択される材料から得られる限り、正極缶が、(缶のめっきまたはクラッディングとは対照的に)正極のものに類似する水素過電圧を有する金属または合金の全体に形成されてもよい。ニッケルに加えて、かかる水素過電圧特性を有する材料は、例えば、限定無しで、コバルト及び金を含む。いくつかの実施形態では、かかる材料は、例えば、めっき、クラッディング、または他の塗布プロセスによって、コア層の上に1つ以上の被膜層として被覆されてもよい。十分な強度及び延性を提供する材料がまた、複合構造の代わりに、単一層材料として使用されてもよい。単一層材料は、コア層としてCRSまたは他の適切な材料を包含する。
【0093】
一実施形態では、費用検討の理由で、及び一般的にめっき後プロセスを要求しない事前にめっきされた鋼帯が市販されているので、ニッケル及びニッケル合金でめっきされた鋼帯が使用されてもよい。缶内の金属は、好適には、絞り加工プロセスに耐えるのに十分に延性があるだけではなくて、十分に強くて堅く、セル圧着及び密閉プロセスに耐える、さもなければ耐性があるのみならず、一次的な全構造上の強度をセルにもたらす。
【0094】
一実施形態では、正極缶が、ニッケルめっきステンレス鋼ででき得る。別の実施形態では、正極缶のための材料が、全てHuntington Alloysから入手可能な、ニッケル−クラッドステンレス鋼、ニッケルでめっきされた冷間圧延鋼、INCONEL(登録商標)(ニッケルの非磁性合金)、微量合金元素を有する純ニッケル(例えば、Nickel200及びNickel200合金の関連系列、例えば、Nickel201等)、またはSpecial Metalsから入手可能な、DURANICKEL(登録商標)301を含む。一実施形態では、いくつかの貴金属がまた、ニッケルでめっきされる鋼帯、及びその後、缶の製造後にニッケルでめっきされる軟鋼帯を被覆することを含む、缶金属用のめっき、クラッディング、または他のコーティングとしての使用を見出され得る。
【0095】
一実施形態では、両側をニッケルで被覆された複数の層(例えば、CRS)が使用される場合、本開示は、ニッケルとCRSとの間の追加的な(例えば、第4、第5等の)層、またはCRSと追加的な層(複数可)との間のニッケル層を伴う、かかる追加的な層のいずれかについて考慮する。例えば、金、コバルト、または他の優れた電気導体は、缶が絞り加工された後、または絞り加工及びしごき加工された後に、(ニッケル層の外側の)正極缶の外面のうちのいくつかまたは全ての上に成膜され得る。代替として、かかる第4等の層が、例えば、CRSとニッケルとの間の結合増強層であってもよい。
【0096】
缶は、シート構造としてニッケル/ステンレス鋼(SST)/ニッケル/NI/SST/NIの典型的な原材料構造を使用して製造され得、かかるシート構造は、約0.002インチから約0.012インチまでである。これは、約0.003インチ〜約0.010インチまたは約0.004インチ〜約0.006インチを含んでもよい。いくつかの実施形態では、厚さが、約0.002インチの厚さ、約0.003インチの厚さ、約0.004インチの厚さ、約0.005インチの厚さ、または約0.006インチの厚さである。いくつかの実施形態では、厚さが、約0.005インチの厚さである。いくつかの実施形態では、ニッケル層のそれぞれが、かかる3層構造における金属シートの厚さ全体の約1%〜約10%に相当する。これは、かかる3層構造における金属シートの厚さ全体の約1.5%〜約9%、約2%〜約8%、約2.5%〜約7%、または約3%〜約6.5%を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ニッケル層のそれぞれが、かかる3層構造における金属シートの厚さ全体の約2%〜約4%に相当する。いくつかの実施形態では、ニッケル層のそれぞれが、かかる3層構造における金属シートの厚さ全体の約2%に相当する。
【0097】
亜鉛空気電池は、空気正極と亜鉛負極との間にセパレータを含んでもよい。セパレータは、絶縁ガスケットであってもよい。絶縁ガスケットは、一般的に、正極缶と負極缶との間に位置付けられる。絶縁ガスケットは、少なくとも2つの一次機能を果たし得る。第一に、絶縁ガスケットは、負極材料及び/または電解質が、負極缶の側壁の外面と正極缶の側壁の内面との間のセルから漏れることを防ぐための、セル用密閉部として機能する。それゆえ、絶縁ガスケットは、そのような漏れを防ぐために適切な液体封止特性を持つ必要がある。一般に、かかる特性は、種々の弾性的に変形可能な熱可塑性ポリマー材料において得られる。
【0098】
亜鉛空気電池は、本明細書において詳細に提供される改善を伴う以外に、例えば、酸化亜鉛/銀電池、二酸化亜鉛/マンガン電池等の亜鉛空気電池セル設計に従って構成され得るか、またはそれと一貫し得る。例えば、様々な実施形態において、亜鉛空気電池が、亜鉛空気ボタンサイズ電池に適した仕様に対して設計され得る。いくつかの実施形態では、亜鉛空気電池の形状は、負極が幾分平坦なまたは鍋形状位置に保持されるようなものである。本開示の亜鉛空気電池セルの例示的な実施形態は、図1に例示されるようなものであり得る。
【0099】
特に、亜鉛空気電池のセル10を参照すると、陰極は負極缶アセンブリ22を含有し、負極缶24は、その中に含有された電気化学的反応性負極26及び絶縁ガスケット60を含む。負極缶24は、底壁28、及び円周方向に下向きに垂れ下がる側壁30を有する。側壁30は、円周方向の缶足部36において終端する。底壁及び側壁30は、負極缶24内の負極空洞38を概ね画定し、その空洞は、負極26を含有する。
【0100】
一実施形態では、負極缶が、銅の合金であって、銅と、金属、例えば、アルミニウム、ケイ素、コバルト、スズ、クロム、亜鉛、及びそれらの任意の2つ以上の混合物などを含む、銅の合金を含んでもよい。一実施形態では、負極缶全体が、銅の合金を含む。いくつかの実施形態では、負極缶が、銅の合金の均質配合を含む。いくつかの実施形態では、負極缶が、層状合金を含まない。いくつかの実施形態では、負極缶が、被膜を含まない。
【0101】
正極42は、セパレータ74の下から正極缶44までの領域を含む。この正極42領域は、多孔質拡散層57、セルロース空気拡散層、及び正極活性層72を含む。正極缶44は、底部46、及び円周方向に直立する側壁47を有する。底部46は、概ね平坦な内面48、概ね平坦な外面50、及び平坦な外面50上に画定される外周囲52を有する。複数の空気口54が、正極缶44の底部46を通って延在し、底部46を通る隣接正極缶アセンブリ40の中への酸素の横断用の道を提供する。空気溜め55は、底部46及び対応する空気口54から正極缶アセンブリ40を間隔を空けて配置する。多孔質拡散層57及びセルロース空気拡散層32は、空気溜め55を埋める。正極缶の側壁47は、内面56及び外面58を有する。
【0102】
負極缶アセンブリ22は、絶縁ガスケット60によって正極缶アセンブリ40から電気的に絶縁される。絶縁ガスケット60が、正極缶の直立する側壁47と負極缶の下向きに垂れ下がる側壁30との間に配置される円周側壁62を含む。絶縁ガスケット足部64は、概ね、負極缶の缶足部36と正極缶アセンブリ40との間に配置される。絶縁ガスケット頂部66は、絶縁ガスケット60の側壁62が、セルの頂部に隣接する側壁30及び47間から延在する場所に位置付けられる。
【0103】
それゆえ、セル10の外面68は、負極缶24の頂部の外面、正極缶44の側壁47の外面58、正極缶44の底部の外面50、及び絶縁ガスケット60の頂部66の部分によって画定される。
【0104】
絶縁ガスケットはまた、電気的な絶縁を提供し得、負極缶24と正極缶44との間の全ての実効的で直接的な電気接触を防ぐ。したがって、絶縁ガスケットの側壁62は、一般的に、側壁47の頂部から側壁30の底部へと、外面と内面56との間の電池の外周の全体を取り囲み、それについての電気絶縁特性を提供する必要がある。同様に、絶縁ガスケットの足部64は、側壁30の足部36、側壁47の下部、及び正極缶アセンブリ40の外周囲部分の間で、セルの外周の全体を取り囲み、それについての電気絶縁特性を提供する必要がある。良好な液体封止特性と良好な電気的絶縁特性の組み合わせは、典型的には、所望の構成における既知のバッテリグレードナイロンポリマー材料の成形によって達成される。
【0105】
電気的絶縁要求を満たすために、絶縁ガスケットは、良好な誘電体絶縁特性を有し得、側壁62について最小限の厚さを有し得、ならびに側壁30及び47間の電流伝達を可能にし得るピンホールまたは他の欠陥の無いものとすることができる。約200〜約250ミクロンの絶縁ガスケット側壁62についての厚さが、従来の電気化学セルでは一般的である。100ミクロン程の薄い厚さが、本開示のセルのために許容可能であり、従来技術のより厚い絶縁ガスケットと同じ弾性的に変形可能な熱可塑性ナイロン材料を使用する。
【0106】
絶縁ガスケットが適用される電池の構造に応じて、中間的な厚さ、例えば、150ミクロン、140ミクロン、127ミクロン、または同様の厚さなどが、いくつかのセルのために選択されてもよい。しかしながら、セル容積効率が駆動用に考慮すべきものである場合、好適な厚さは、例えば、120ミクロンまたは110ミクロン未満から100ミクロン程の薄さまでである。それゆえ、本開示のセル10における使用に好適な絶縁ガスケット60のための厚さの範囲は、約100ミクロンの下端を有する。
【0107】
一実施形態では、多孔質拡散層57が、微孔質疎水性ポリマー材料、例えば、約25〜約100ミクロンの厚さのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜などであり、それは、空気の通過を可能にし、かつ、それは、一般的に電池電解質を通さない。一実施形態では、多孔質拡散層57が、Teflon(商標)である。いくつかの実施形態では、多孔質拡散層57が、空気口54と組み合わせて、酸素を正極アセンブリの活性反応表面積に効率的に運ぶために使用される。
【0108】
一実施形態では、セルロース空気拡散層32が、多孔質拡散層57の下に位置し、保護的な横方向の空気拡散層として機能する。具体的には、セルが活性化されると、負極缶アセンブリ22が、セパレータ74を押し下げて、セルロース空気拡散層32が、空気口54が完全に覆われることから保護するのに役立つ。
【0109】
一実施形態では、活性層72が、集電器として、正極缶とインターフェースすることができる接続基層、すなわち、伝導性織込ニッケルワイヤ層(図示しない)を更に含む。一実施形態では、炭素が、ニッケルワイヤの伝導性層を取り囲む母体(matrix)を形成する。一実施形態では、ニッケルが、伝導性層のために使用され、なぜなら、ニッケルは、亜鉛空気セルの環境において、わずかな腐食を呈するかまたは腐食を呈さないからであり、かつまた、ニッケルは、優れた電気導体であるからである。一実施形態では、セパレータ74と多孔質拡散層57との間の正極アセンブリの厚さが、可能な限り小さい。
【0110】
別の実施形態では、亜鉛空気電池が、結果的に生じる電池が本明細書に提示される開示と矛盾しない限り、当分野において既知の任意の手段によって準備されてもよい。それゆえ、本開示は、本開示の全体を通して記述されるような構成要素及びそれらのそれぞれの濃度を含む亜鉛空気電池を準備する方法を含む。
【0111】
本発明は、以下の実施形態によって更に定義される。
【0112】
実施形態A.空気正極、亜鉛負極、及び電解質を含む亜鉛空気電池であって、電解質が両性フッ素界面活性剤を含む、亜鉛空気電池。
【0113】
実施形態B.実施形態Aの亜鉛空気電池であって、両性フッ素界面活性剤がベタイン官能性を含む、亜鉛空気電池。
【0114】
実施形態C.実施形態A〜Bのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、両性フッ素界面活性剤が、CHEMGUARD(登録商標)S−111、CHEMGUARD(登録商標)S−500、CAPSTONE(登録商標)FS−50、CAPSTONE(登録商標)FS−51、APFS−14、DYNAX DX3001、ZONYL(登録商標)FSK、ZONYL(登録商標)FS−500、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである、亜鉛空気電池。
【0115】
実施形態D.実施形態A〜Cのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、両性フッ素界面活性剤が、約2000ppmから約20000ppmまで電解質に存在する、亜鉛空気電池。
【0116】
実施形態E.実施形態A〜Dのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、両性フッ素界面活性剤が、約3000ppmから約12000ppmまで電解質に存在する、亜鉛空気電池。
【0117】
実施形態F.実施形態A〜Eのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、電解質が、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸、ジエチレントリアミン、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、式(III)の化合物、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである界面活性剤を更に含み、式(III)として表わされる化合物が、
【化6】
であり、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21が、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基であり、X2が、OまたはSであり、X3が、OHまたはSHであり、wが、5〜50である、亜鉛空気電池。
【0118】
実施形態G.実施形態Fの亜鉛空気電池であって、R13が、C1〜C12アルキル基であり、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21が、それぞれ、水素であり、X2が、Oであり、X3が、OHであり、wが、5〜15である、亜鉛空気電池。
【0119】
実施形態H.実施形態F〜Gのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、R13が、オクチル(例えば、n−オクチルまたは1,1,3,3−テトラメチルブチル)であり、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21が、それぞれ、水素であり、X2が、Oであり、X3が、OHであり、wが、5〜15である、亜鉛空気電池。
【0120】
実施形態I.実施形態F〜Hのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、R13が、オクチルであり、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21が、それぞれ、水素であり、X2が、Oであり、X3が、OHであり、wが、10〜15である、亜鉛空気電池。
【0121】
実施形態J.実施形態A〜Iのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、電解質が、腐食抑制剤、ゲル化剤、酸化亜鉛、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ポリアクリレートポリマー、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを更に含む、亜鉛空気電池。
【0122】
実施形態K.実施形態Jの亜鉛空気電池であって、電解質が、水酸化インジウム、水酸化リチウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアニリン、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである腐食抑制剤を更に含む、亜鉛空気電池。
【0123】
実施形態L.ポリアニリンを更に含む、実施形態A〜Kのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池。
【0124】
実施形態L’.実施形態Lの亜鉛空気電池であって、ポリアニリンが、エメラルジンポリアニリンである、亜鉛空気電池。
【0125】
実施形態M.実施形態A〜Lのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、空気正極と亜鉛負極との間にセパレータを更に含む、亜鉛空気電池。
【0126】
実施形態N.実施形態A〜Mのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、電解質が、約100ppmから約25000ppmまで電解質に存在する腐食抑制剤を更に含む、亜鉛空気電池。
【0127】
実施形態O.実施形態A〜Nのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、電解質が、ガス抑制添加剤を更に含む、亜鉛空気電池。
【0128】
実施形態P.実施形態Oの亜鉛空気電池であって、ガス抑制添加剤が、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである、亜鉛空気電池。
【0129】
実施形態Q.両性フッ素界面活性剤及び腐食抑制剤を有する電解質。
【0130】
実施形態R.実施形態Qの電解質であって、両性フッ素界面活性剤が、CHEMGUARD(登録商標)S−111、CHEMGUARD(登録商標)S−500、CAPSTONE(登録商標)FS−50、CAPSTONE(登録商標)FS−51、APFS−14、DYNAX DX3001、ZONYL(登録商標)FSK、ZONYL(登録商標)FS−500、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせであり、腐食抑制剤が、水酸化インジウム、水酸化リチウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアニリン、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである、電解質。
【0131】
実施形態S.実施形態QまたはRの電解質であって、両性フッ素界面活性剤が、約200ppmから約20000ppmまで電解質に存在し、腐食抑制剤が、約100ppmから約25000ppmまで電解質に存在する、電解質。
【0132】
実施形態AA.空気正極、亜鉛負極、及び電解質を備える、亜鉛空気電池であって、電解質が、式(II)の界面活性剤を含み、
【化7】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基であり、X1が、OまたはSであり、X2が、OHまたはSHであり、nが、5〜50である、亜鉛空気電池。
【0133】
実施形態BB.実施形態AAの亜鉛空気電池であって、R1が、C1〜C12アルキル基であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が、それぞれ、水素であり、X1が、Oであり、X2が、OHであり、nが、5〜15である、亜鉛空気電池。
【0134】
実施形態CC.実施形態AAまたはBBの亜鉛空気電池であって、R1が、オクチル(例えば、n−オクチルまたは1,1,3,3−テトラメチルブチル)であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が、それぞれ、水素であり、X1が、Oであり、X2が、OHであり、nが、5〜15である、亜鉛空気電池。
【0135】
実施形態DD.実施形態AA〜CCのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、式(II)の界面活性剤が、Igepal(登録商標)CA−630、Triton(登録商標)X−100、またはそれらの組み合わせである、亜鉛空気電池。
【0136】
実施形態EE.実施形態AA〜DDのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、式(II)の界面活性剤が、約2000ppmから約20000ppmまで電解質に存在する、亜鉛空気電池。
【0137】
実施形態FF.実施形態AA〜EEのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、式(II)の界面活性剤が、約3000ppmから約12000ppmまで電解質に存在する、亜鉛空気電池。
【0138】
実施形態GG.実施形態AA〜EEのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、電解質が、ヘキシルジフェニルオキシドスルホン酸、ジエチレントリアミン、両性フッ素界面活性剤、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである第2の界面活性剤を更に含む、亜鉛空気電池。
【0139】
実施形態HH.実施形態AA〜GGのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、電解質が、腐食抑制剤、ゲル化剤、酸化亜鉛、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ポリアクリレートポリマー、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを更に含む、亜鉛空気電池。
【0140】
実施形態JJ.実施形態HHの亜鉛空気電池であって、電解質が、水酸化インジウム、水酸化リチウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアニリン、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである腐食抑制剤を更に含む、亜鉛空気電池。
【0141】
実施形態KK.ポリアニリンを更に含む、実施形態AA〜GGのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池。
【0142】
実施形態LL.ポリアニリンが、エメラルジンポリアニリンである、実施形態LLの亜鉛空気電池。
【0143】
実施形態MM.空気正極と亜鉛負極との間にセパレータを更に含む、実施形態AA〜LLのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池。
【0144】
実施形態NN.実施形態AA〜MMのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、電解質が、約100ppmから約25000ppmまで電解質に存在する腐食抑制剤を更に含む、亜鉛空気電池。
【0145】
実施形態OO.実施形態AA〜NNのうちのいずれか1つの亜鉛空気電池であって、電解質が、ガス抑制添加剤を更に含む、亜鉛空気電池。
【0146】
実施形態PP.実施形態OOの亜鉛空気電池であって、ガス抑制添加剤が、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである、亜鉛空気電池。
【0147】
実施形態QQ.腐食抑制剤及び式(II)の界面活性剤を含む電解質であって、
【化8】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基であり、X1が、OまたはSであり、X2が、OHまたはSHであり、nが、5〜50である、電解質。
【0148】
実施形態RR.実施形態QQの電解質であって、R1が、C1〜C12アルキル基であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が、それぞれ、水素であり、X1が、Oであり、X2が、OHであり、nが、5〜15である、電解質。
【0149】
実施形態SS.実施形態QQまたはRRの電解質であって、R1が、オクチルまたは1,1,3,3−テトラメチルブチルであり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が、それぞれ、水素であり、X1が、Oであり、X2が、OHであり、nが、5〜15である、電解質。
【0150】
実施形態TT.実施形態QQ〜SSのいずれか1つの電解質であって、腐食抑制剤が、水酸化インジウム、水酸化リチウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアニリン、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせであり、式(II)の界面活性剤が、Igepal(登録商標)CA−630、Triton(登録商標)X−100、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである、電解質。
【0151】
実施形態UU.実施形態QQまたはRRの亜鉛空気電池であって、式(II)の界面活性剤が、約200ppmから約20000ppmまで電解質に存在し、腐食抑制剤が、約100ppmから約25000ppmまで電解質に存在する、亜鉛空気電池。
【0152】
このように一般的に記載された本発明は、以下の実施例を参照してより容易に理解されることになり、それらの実施例は、例示として提供されるものであり、本発明の限定であることを意図されるものではない。
【実施例】
【0153】
以下の実施例では、亜鉛空気電池セルを準備して試験した。
【0154】
実施例1:対照電池セルの準備
Zn負極、苛性電解質、及びアミンカルボキシレートをベースとする界面活性剤を有する対照セルを準備した。負極準備は、2つのステップのプロセス、すなわち、乾燥亜鉛配合及び電解質準備を要した。亜鉛配合は、Zn−Pb−In−Al合金(98.99%ppm)、架橋ポリアクリル酸をベースとするゲル化剤(0.30%)、粘土添加剤(0.20%)、水酸化インジウム(0.3%)、及びTeflon(商標)粉末(0.03%)を含んだ。脱イオン水(0.20%)を、亜鉛配合の間の中間ステップとして追加し、その後、乾燥させた。濃度は、負極内の総亜鉛重量に基づいて指定される。電解質準備ステップでは、適切な量のKOHを脱イオン水で希釈して、KOH濃度を33%に調整した。7500ppmのアミンカルボキシレート界面活性剤及び1000ppmの第2の架橋ポリアクリル酸をベースとするゲル化剤を追加して、KOHと混合して、プロセスを完了させた。セルアセンブリの間、配合した亜鉛を、セルサイズ毎に変動される設定比率で負極缶空洞、その後、電解質に分配した。
【0155】
実施例2:両性フッ素界面活性剤を用いる電池セルの準備
また、対照と同じ手法で、ただし、アミンカルボキシレートの代わりに、両性フッ素界面活性剤(4000〜15000ppm)及び水酸化リチウム(10000〜20000ppm)を電解質内に含ませた、亜鉛空気セルを準備した。
【0156】
実施例3:IGEPAL(登録商標)CA−630を用いる電池セルの準備
実施例1に記載されるような対照と同じ手法で、ただし、アミンカルボキシレートの代わりに、式(II)の界面活性剤(例えば、IGEPAL(登録商標)CA−630)を電解質内に含ませた、他の亜鉛空気セルを準備した。
【0157】
以下に提示される実施例では、開示された発明の亜鉛空気セルを、補聴器標準及び無線ストリーミング放電試験下で試験した。試験プロトコルは、後続の段落に詳細に記載される。
【0158】
補聴器標準及び無線ストリーミング試験プロトコル下での電池性能の測定
電気化学セルは、米国規格協会(ANSI:American National Standards Institute)試験標準下のいくつかの方法に従って、試験されてもよい。水性電解質を使用する一次補聴器電池の場合、補聴器標準及び無線ストリーミング試験として既知の一対のANSI試験が、セル性能及び寿命を判断する。補聴器標準試験は、100ミリ秒間に10mAの一定の電流負荷、その後、119分、59秒、及び900ミリ秒間に2mAの負荷を続けて加えること、その後、12時間の休止期間を含む。1日のサイクルは、12時間の負荷のオン、その後、12時間の負荷のオフである(または休止期間下にある)。セル動作電圧が1.05Vを下回るまで、そのサイクルを繰り返した。無線ストリーミング試験は、12時間について、5mAの15分の負荷と2mAの45分の負荷を交互に行うこと、及びその後、12時間の休止期間を含む。(12時間オン/12時間オフの)負荷サイクルは、セル動作電圧が1.1Vを下回るまで続く。
【0159】
図2〜5は、式(I)の両性フッ素界面活性剤を含有する負極の放電曲線プロファイルを、対照界面活性剤を含有する従来の負極のものと比較する。図6及び7は、それぞれ、補聴器標準及び無線ストリーミングパルス試験について、IGEPAL(登録商標)CA−630を含有する負極の放電曲線プロファイルを、対照界面活性剤を含有する従来の負極のものと比較する。いずれの試験の場合も、式(I)の両性フッ素界面活性剤またはIGEPAL(登録商標)CA−630が、対照界面活性剤と比べて使用される場合は常に、大きな「頭隙」が、動作電圧と関係のある終点電圧との間に存在する。ANSI試験プロトコルに従って動作している補聴器放電性能が、対照界面活性剤と比べて、式(I)の両性フッ素界面活性剤の場合及びIgepal(登録商標)CA−630の場合に優れていることが明らかである。対照界面活性剤を有する電池は、放電の間にかなり早く終点に達した。
【0160】
一定の実施形態が例示及び記載されたが、変更及び修正が、以下の特許請求の範囲に定義されるようなそのより広い態様における技術から逸脱すること無く、当分野における通常の技術知識に従って、その一定の実施形態になされ得ることを理解されたい。
【0161】
本明細書に例示的に記載された実施形態は、本明細書に具体的に開示されない任意の要素または複数の要素、限定または複数の限定が無い場合に、適切に実施され得る。それゆえ、例えば、用語「備える」、「含む」、「含有する」等は、拡張的にかつ限定無しで読み取られるものとする。更に、本明細書において用いられた用語及び表現は、限定の観点ではなくて、説明の観点として使用されており、かかる用語及び表現の使用において、図示及び記載された特徴またはそれらの部分の任意の同等物を排除するという意図は存在しない。ただし、様々な修正が、特許請求された技術の範囲内で可能であることが認識される。更に、文言「から本質的に成る」は、具体的に列挙された要素及び特許請求された技術の基本的かつ新規な特性に著しく影響を及ぼさない追加的な要素を含むように理解される。文言「から成る」は、指定されない要素を除外する。
【0162】
本開示は、本出願に記載された特定の実施形態に関して限定されるものではない。多くの修正及び変形が、当業者に明らかになるように、その趣旨及び範囲から逸脱すること無くなされ得る。本開示の範囲内の機能的に同等な方法及び組成が、本明細書に列挙されたものに加えて、前述の記載から当業者に明らかになる。かかる修正及び変形は、添付の特許請求の範囲内に入ることを意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ、かかる特許請求の範囲が権利を与えられる同等物の全範囲と共に、限定される。本開示は、特定の方法、試薬、化合物組成、または生物系に限定されず、それは、勿論、変動する可能性があることが理解される。また、本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態のみを記載する目的のためのものであり、限定することを意図されないことが理解される。
【0163】
加えて、本開示の特徴または態様が、マーカッシュグループによって記載される場合、当業者は、本開示がまた、それによって、マーカッシュグループの任意の個々の構成要素または構成要素のサブグループによって記載されることを認識するであろう。
【0164】
当業者によって理解されるように、任意及び全ての目的のために、特に、書面での記載を提供する観点から、本明細書に開示された全ての範囲はまた、任意及び全ての可能な部分範囲ならびにそれらの部分範囲の組み合わせを包含する。任意の列挙された範囲は、同じ範囲が、少なくとも二等分、三等分、四等分、五等分、十等分などに分解されることを十分に記載する及び可能にするものとして容易に認識され得る。非限定的な実施例として、本明細書に記述された各範囲は、下部3分の1、中央3分の1、及び上部3分の1等に容易に分解され得る。当業者によって理解されるように、全ての言い回し、例えば、「最大〜まで」、「少なくとも」、「よりも大きい」、「よりも小さい」、及び同様のものなどが、列挙されたその数を含み、後に、上述したような部分範囲に分解され得る範囲のことを言う。最後に、当業者によって理解されるように、ある範囲は、個々の構成要素を含む。
【0165】
本明細書に言及される全ての刊行物、特許出願、発行された特許、及び他の文書は、個々の刊行物、特許出願、発行された特許、または他の文書が、その全体が参照によって組み込まれるように具体的かつ個別に示されるかのように、参照によって本明細書に組み込まれる。参照によって組み込まれる文章に含まれる定義は、それらが本開示における定義を否定する限り、除外される。
【0166】
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に規定される。
次に、本発明の好ましい態様を示す。
1. 空気正極、亜鉛負極、及び電解質を備える亜鉛空気電池であって、前記電解質が、両性フッ素界面活性剤を含む、亜鉛空気電池。
2. 前記両性フッ素界面活性剤が、ベタイン官能性を含む、上記1に記載の亜鉛空気電池。
3. 前記両性フッ素界面活性剤が、式(I)の化合物であり、
【化1】
式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8が、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基であり、
1が、−C(O)−、−SO2−、−C(O)NRa−、−SO2NRa−、−CO2−、または−SO2O−であり、
aが、Hまたはアルキル基であり、
m及びpが、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、または6であり、
n及びrが、それぞれ独立して、1、2、3、4、または5である、上記1に記載の亜鉛空気電池。
4. R1−R6が、Hであり、
7及びR8が、C1〜C4アルキルであり、
1が、SO2であり、
n及びpが、2であり、
mが、4〜6であり、
rが、1である、上記1に記載の亜鉛空気電池。
5. 前記両性フッ素界面活性剤が、CHEMGUARD(登録商標)S−111、CHEMGUARD(登録商標)S−500、CAPSTONE(登録商標)FS−50、CAPSTONE(登録商標)FS−51、APFS−14、DYNAX DX3001、ZONYL(登録商標)FSK、ZONYL(登録商標)FS−500、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせから成る群から選択される、上記1に記載の亜鉛空気電池。
6. 前記両性フッ素界面活性剤が、約200ppmから約20000ppmまで前記電解質に存在する、上記1に記載の亜鉛空気電池。
7. 前記両性フッ素界面活性剤が、約4000ppmから約15000ppmまで前記電解質に存在する、上記1に記載の亜鉛空気電池。
8. 前記電解質が、ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸、ジエチレントリアミン、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、式(III)の化合物、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである界面活性剤を更に含み、
式(III)として表わされる前記化合物が、
【化2】
であり、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21が、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基であり、
2が、OまたはSであり、
3が、OHまたはSHであり、
wが、5〜50である、上記1に記載の亜鉛空気電池。
9. R13が、C1〜C12アルキル基であり、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21が、それぞれ水素であり、X2が、Oであり、X3が、OHであり、wが、5〜15である、上記8に記載の亜鉛空気電池。
10. R13が、オクチルまたは1,1,3,3−テトラメチルブチルであり、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21が、それぞれ水素であり、X2が、Oであり、X3が、OHであり、wが、5〜15である、上記8に記載の亜鉛空気電池。
11. 前記電解質が、腐食抑制剤、ゲル化剤、酸化亜鉛、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ポリアクリレートポリマー、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを更に含む、上記1に記載の亜鉛空気電池。
12. 前記電解質が、水酸化インジウム、水酸化リチウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアニリン、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせから成る群から選択される腐食抑制剤を更に含む、上記11に記載の亜鉛空気電池。
13. 前記腐食抑制剤が、水酸化リチウムである、上記12に記載の亜鉛空気電池。
14. 前記空気正極と前記亜鉛負極との間にセパレータを更に含む、上記1に記載の亜鉛空気電池。
15. 前記電解質が、約100ppmから約25000ppmまで前記電解質に存在する腐食抑制剤を更に含む、上記1に記載の亜鉛空気電池。
16. 前記電解質が、ガス抑制添加剤を更に含む、上記1に記載の亜鉛空気電池。
17. 前記ガス抑制添加剤が、酸化亜鉛、酢酸鉛、酸化ビスマス、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせである、請求項16に記載の亜鉛空気電池。
18. 両性フッ素界面活性剤及び腐食抑制剤を含む電解質。
19. 前記両性フッ素界面活性剤が、CHEMGUARD(登録商標)S−111、CHEMGUARD(登録商標)S−500、CAPSTONE(登録商標)FS−50、CAPSTONE(登録商標)FS−51、APFS−14、DYNAX DX3001、ZONYL(登録商標)FSK、ZONYL(登録商標)FS−500、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせから成る群から選択され、
前記腐食抑制剤が、水酸化インジウム、水酸化リチウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアニリン、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせから成る群から選択される、上記18に記載の電解質。
20. 前記両性フッ素界面活性剤が、約200ppmから約20000ppmまで前記電解質に存在し、前記腐食抑制剤が、約100ppmから約25000ppmまで前記電解質に存在する、上記18に記載の電解質。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7