(54)【発明の名称】着用者が着用する吸収性物品内の水分を検出するためのシステム、及び、インピーダンス検知素子を使用して、着用者が着用する吸収性物品内の水分を検出するためのシステムの動作方法
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記インピーダンス測定サブシステムが、前記電極のうちの1つに電圧を印加し、前記電極のうちの別の電極において電流を測定することにより、前記インピーダンスを測定するように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
前記インピーダンス測定サブシステムが、前記電極のうちの1つに電流を印加し、その電極と前記電極のうちの別の電極との間の電圧を測定することにより、前記インピーダンスを測定するように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
前記インピーダンス測定サブシステムが、前記リアクタンス成分の特性に基づいて、前記インピーダンス検知素子が前記吸収性物品に取り付けられているかどうかを判定するように構成される、請求項8に記載のシステム。
インピーダンス検知素子を使用して、着用者が着用する吸収性物品内の水分を検出するためのシステムの動作方法であって、前記吸収性物品が内装、外装、および前記内装と前記外装との間の遮蔽層を備え、前記外装に前記インピーダンス検知素子が固定され、前記インピーダンス検知素子の電極が、前記遮蔽層によって前記内装から分離され、前記遮蔽層を介して前記内装に容量結合され、前記外装から前記吸収性物品のインピーダンスを測定するように配置され、
インピーダンス測定サブシステムにより、前記吸収性物品の前記インピーダンスを測定するステップと、
前記インピーダンス測定サブシステムにより、前記吸収性物品内の前記水分の特性を特定するために前記インピーダンスの実数成分および前記インピーダンスの虚数成分を抽出するステップと
を含み、
前記インピーダンスが、大きさおよび位相を有する複素インピーダンスであり、
前記位相ではなく前記大きさにおける減少が、前記吸収性物品が濡れているが、容量一杯ではない状態を示し、
前記位相および前記大きさにおける減少が、前記吸収性物品が容量一杯である状態を示す、方法。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本開示の態様による、失禁管理のためのシステムの概略図である。
【
図2A】本開示の態様による、吸収性物品の斜視図である。
【
図2B】本開示の態様による、吸収性物品の斜視図である。
【
図3A】本開示の態様による、吸収性物品の斜視図である。
【
図3B】本開示の態様による、吸収性物品の斜視図である。
【
図3C】本開示の態様による、吸収性物品の斜視図である。
【
図4A】本開示の態様による、吸収性物品の上に基板を貼り付けるためのステップを示す図である。
【
図4B】本開示の態様による、吸収性物品の上に基板を貼り付けるためのステップを示す図である。
【
図4C】本開示の態様による、吸収性物品の上に基板を貼り付けるためのステップを示す図である。
【
図4D】本開示の態様による、吸収性物品の上に基板を貼り付けるためのステップを示す図である。
【
図10A】本開示の態様による、検出用の容量検知素子の使用を記述する概略図である。
【
図10B】本開示の態様による、検出用の容量検知素子の使用を記述する概略図である。
【
図11】本開示の態様による、容量検知回路および/または容量検知素子を示す図である。
【
図12】本開示の態様による、容量検知回路および/または容量検知素子を示す図である。
【
図13】本開示の態様による、容量検知回路および/または容量検知素子を示す図である。
【
図14】本開示の態様による、容量検知回路および/または容量検知素子を示す図である。
【
図15】本開示の態様による、容量検知回路および/または容量検知素子を示す図である。
【
図16】本開示の態様による、容量検知回路および/または容量検知素子を示す図である。
【
図17A】本開示の態様による、体積推定の態様を示す図である。
【
図17B】本開示の態様による、体積推定の態様を示す図である。
【
図17C】本開示の態様による、体積推定の態様を示す図である。
【
図18】本開示の態様による、システムフローチャートである。
【
図19】本開示の態様による、容量検知回路についての概略図である。
【
図20】本開示の態様による、容量検知回路についての概略図である。
【
図21A】本開示の態様による、干渉源を示す図である。
【
図21B】本開示の態様による、干渉源を示す図である。
【
図22A】本開示の態様による、複数の検知素子を有するデバイスの代替図である。
【
図22B】本開示の態様による、複数の検知素子を有するデバイスの代替図である。
【
図22C】本開示の態様による、複数の検知素子を有するデバイスの代替図である。
【
図23A】本開示の態様による、検知素子のレイアウトを示す図である。
【
図23B】本開示の態様による、検知素子のレイアウトを示す図である。
【
図23C】本開示の態様による、検知素子のレイアウトを示す図である。
【
図23D】本開示の態様による、検知素子のレイアウトを示す図である。
【
図24】本開示の態様による、使用中の容量検知素子を示す概略図である。
【
図25】本開示の態様による、使用中の容量検知素子を示す概略図である。
【
図26】本開示の態様による、使用中の容量検知素子を示す概略図である。
【
図27】本開示の態様による、使用中の容量検知素子を示す概略図である。
【
図28】本開示の態様による、使用中の容量検知素子を示す概略図である。
【
図29】本開示の態様による、遮蔽板の配列の斜視図である。
【
図31A】本開示の態様による、容量検知についての概略図である。
【
図31B】本開示の態様による、容量検知についての概略図である。
【
図32】本開示の態様による、複数の容量検知素子を有する回路図である。
【
図33A】本開示の態様による、導電性検知素子の代替図である。
【
図33B】本開示の態様による、導電性検知素子の代替図である。
【
図33C】本開示の態様による、導電性検知素子の代替図である。
【
図34A】本開示の態様による、導電性検知素子のレイヤの上面図である。
【
図34B】本開示の態様による、導電性検知素子のレイヤの上面図である。
【
図34C】本開示の態様による、導電性検知素子のレイヤの上面図である。
【
図34D】本開示の態様による、導電性検知素子のレイヤの上面図である。
【
図34E】本開示の態様による、導電性検知素子のレイヤの上面図である。
【
図35A】本開示の態様による、導電性検知素子のレイヤの上面図である。
【
図35B】本開示の態様による、導電性検知素子のレイヤの上面図である。
【
図35C】本開示の態様による、導電性検知素子のレイヤの上面図である。
【
図35D】本開示の態様による、導電性検知素子のレイヤの上面図である。
【
図36A】本開示の態様による、インピーダンス測定検知の総括図である。
【
図36B】本開示の態様による、インピーダンス測定検知素子の例示的な構成を示す図である。
【
図37】本開示の態様による、インピーダンス検知を示す図である。
【
図38】本開示の態様による、容量結合電極によるインピーダンス検知を示す概略回路図である。
【
図39】本開示の態様による、流体量対インピーダンスの値の間の関係を示すグラフである。
【
図40】本開示の態様による、電極配置部位およびインピーダンス測定部位を示す概略図である。
【
図41】本開示の態様による、インピーダンス検知用の回路図である。
【
図42】本開示の態様による、電極配置部位を有する吸収性物品の上面図である。
【
図43】本開示の態様による、電極配置部位を有する吸収性物品の上面図である。
【
図44】本開示の態様による、電極配置部位を有する吸収性物品の上面図である。
【
図45】本開示の態様による、吸収性物品のいくつかの領域における遺尿事象の可能性の分布を示す棒グラフである。
【
図46】本開示の態様による、インピーダンスを検知するときの干渉の可能性を示す回路図である。
【
図47】本開示の態様による、インピーダンス測定モデルを示す図である。
【
図48】本開示の態様による、インピーダンス測定モデルを示す図である。
【
図49】本開示の態様による、インピーダンス測定モデルを示す図である。
【
図50】本開示の態様による、インピーダンス測定モデルを示す図である。
【
図51】本開示の態様による、新しいブランドおよび/またはタイプの吸収性物品とともに使用するためのシステムを較正することについての態様を概説するシステムブロック図である。
【
図52】本開示の態様による、インピーダンス測定モデルを示す図である。
【
図53A】本開示の態様による、受信機、プロセッサ、および/または送信機のための筐体の図である。
【
図53B】本開示の態様による、受信機、プロセッサ、および/または送信機のための筐体の図である。
【
図53C】本開示の態様による、受信機、プロセッサ、および/または送信機のための筐体の図である。
【
図53D】本開示の態様による、受信機、プロセッサ、および/または送信機のための筐体の図である。
【
図54A】本開示の態様による、デバイスとサーバとの間の通信経路の概略図である。
【
図54B】本開示の態様による、デバイスとサーバとの間の通信経路の概略図である。
【
図54C】本開示の態様による、デバイスとサーバとの間の通信経路の概略図である。
【
図55】本開示の態様による、サーバデータのグラフィカル表現の図である。
【
図56】本開示の態様による、移動平均値対しきい値を示すグラフである。
【
図57A】本開示の態様による、システムフローの概略図である。
【
図57B】本開示の態様による、システムフローの概略図である。
【
図57C】本開示の態様による、システムフローの概略図である。
【
図57D】本開示の態様による、システムフローの概略図である。
【
図58】本開示の態様による、フレキシブルプリント回路基板上に蒸着された導電性素材によって形成されたインピーダンス検知電極の斜視図である。
【
図59A】本開示の態様による、接着素材および/またはファスナ素材、電極、ならびにフレキシブルプリント回路基板の斜視図である。
【
図59B】本開示の態様による、接着素材および/またはファスナ素材、電極、ならびにフレキシブルプリント回路基板の斜視図である。
【
図60】本開示の態様による、コネクタを介して他の構成部品に接続された電極および接着構成部品の斜視図である。
【
図61】本開示の態様による、滲出量対インピーダンス、および滲出量対位相のグラフである。
【
図62】本開示の態様による、インピーダンス測定モデルの概略図である。
【
図63】本開示の態様による、例示的なプロセス図である。
【
図64】本開示の態様による、例示的なプロセス図である。
【
図65】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図66】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図67】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図68】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図69】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図70】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図71】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図72】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図73】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図74】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図75】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図76】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図77】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図78】本開示の態様による、ユーザインターフェースを示すコンピューティングデバイスからのスクリーンショットを示す図である。
【
図79】本開示の態様による、吸収性物品にデバイスを貼り付けるためのステップの図である。
【
図80】本開示の態様による、吸収性物品にデバイスを貼り付けるためのステップの図である。
【
図81】本開示の態様による、吸収性物品にデバイスを貼り付けるためのステップの図である。
【
図82】本開示の態様による、吸収性物品にデバイスを貼り付けるためのステップの図である。
【
図83】本開示の態様による、吸収性物品にデバイスを貼り付けるためのステップの図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本開示は、失禁管理のためのシステム、デバイス、および関連方法に関する。次に、それらの例が添付図面に示される本開示の態様に対して詳細に参照が行われる。可能なときはいつでも、同じまたは同様の部分を指すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。「遠位」という用語は、着用者にデバイスを導入するときにユーザから最も遠く離れた部分を指す。対照的に、「近位」という用語は、着用者にデバイスを配置するときにユーザに最も近い部分を指す。「ほぼ」という用語は、数値を記述するために使用されるとき、その数値から±5%の範囲内のどこかであり得る。
【0040】
以下の説明は、当技術分野における既知および未来の代替物を広く包含するように解釈されるべき用語を参照する。本開示の範囲から逸脱することなく、開示されるシステム、デバイス、および方法において、様々な修正および変形を行うことができることが、当業者には明らかであろう。本明細書で開示される特徴の仕様および実践の考慮から、本開示の他の態様が当業者には明らかであろう。明細書および例は例示的にすぎないと考えられるものとする。
【0041】
システム概要
図1は、失禁管理のための例示的なシステム10の概略図を示す。システム10は、1つまたは複数の吸収性物品16の1つまたは複数の着用者14に1つまたは複数の介護者12を結び付けることができる。システム10は、吸収性物品16に結合するために構成され得る1つまたは複数のデバイス17を含む場合がある。デバイス17は、1つまたは複数の検知素子20、受信機22、プロセッサ24、および送信機26をサポートするための1つまたは複数の基板18を含む場合がある。検知素子20は、着用者14、吸収性物品16、および/または周辺環境に関連付けられた1つまたは複数の状態を検知するように構成される場合がある。受信機22、プロセッサ24、および/または送信機26は、検知素子20からのデータを収集、処理、および/またはそうでなく使用するためのサブシステムの一部を形成する場合がある。受信機22は、検知素子20からデータを受信するように構成される場合がある。受信されたデータは、次いで、プロセッサ24によって処理される場合がある。処理されたデータは、送信機26によって、1つまたは複数の通信リンクまたはネットワーク28を介して、1つまたは複数のサーバ30に送信される場合がある。サーバ30は、介護者12に処理されたデータを通信するための1つまたは複数のユーザインターフェース32に処理されたデータを供給することができる。介護者12は、それに基づいて1つまたは複数のアクションを実施することができる。システム10のさらなる態様、ならびにシステム10およびその構成デバイスを用いて実施され得る方法が下記に概説される。
【0042】
吸収性物品
図2A、
図2B、および
図3A〜
図3Cは、着用者14が着用する場合がある吸収性物品16の例を示す。たとえば、
図2Aおよび
図2Bは、成人用ブリーフの形態の吸収性物品32を示す。
図2Aは、広げられた状態の吸収性物品32を示す。
図2Bは、着用者14が着用するときに見られるような吸収性物品32を示す。吸収性物品32は、前方部分34と、後方部分36と、前方部分34を後方部分36に結び付ける中間部分35とを含む場合がある。前方部分34および後方部分36は、1つまたは複数のファスナ38、40によって互いに留められ、留められるとき、それらの縁部42、44は、着用者の脚のための股繰り46、48を画定することができる。吸収性物品32は、吸収性物品32を着用するときに着用者の皮膚と接触することができる内側層50と、内側層50によってユーザの皮膚から分離されるコア52と、吸収性物品32の外装を形成する外側層54とを含む場合もある。着用者の小便および/または大便からの水分は、内側層50を通ってコア52に移され、ここで、水分はコア52によって吸収および蓄積される場合がある。外側層54は、水分が吸収性物品32から漏れ出さないように防止するために、不織布を含む場合があり、かつ/または防水であり得る。
【0043】
図3A〜
図3Cは、他の例示的な吸収性物品を示す。
図3Aおよび
図3Bは、水分を受けるための、着用者の衣類に留められ、またはそうでなくそれによって支持され得るライナまたはガードの形態の吸収性物品56、58を示す。
図3Cは、着用者が着用する場合がある下着の形態の吸収性物品60を示す。吸収性物品56、58、60は、吸収性物品32内の層と同様の層を含む場合がある。吸収性物品のこのリストは網羅的ではなく、列挙された吸収性物品、およびここに列挙されていない他の吸収性物品がシステム10において使用される場合があることを理解されたい。
【0044】
基板
図4A〜
図4Dは、吸収性物品32に隣接する基板18(すなわち、デバイス60の基板62)の1つのタイプの一例を示す。基板62は、たとえば、一緒に縫われた、またはそうでなく留められた布地素材の層などの、1つまたは複数の層の素材から形成される場合がある。基板62は、他の構成部品を支持および/または固定するための1つまたは複数の表面および/またはポケットを含む場合がある。たとえば、基板62は、送信機26(
図1)を受けるためのポケット64、および/または1つもしくは複数の検知素子20(
図1)を受けるためのポケット66を含む場合がある。基板62および/またはその中もしくはその上に支持された構成部品は、清掃および消毒された後に再使用可能であり得る。
【0045】
図4Aは、結合する前に基板62のそばに折り畳まれた状態の吸収性物品32を示す。基板62は、
図4Bおよび
図4Cに示されたステップを使用して吸収性物品32の外装に貼り付けられることにより、吸収性物品32に結合される場合がある。たとえば、
図4Bに示されたように、基板62の第1の部分は、吸収性物品32の後方部分36の外装に貼り付けられる場合がある。
図4Cに示されたように、基板62の第2の部分は、基板62が吸収性物品32の中間部分35を包み込むように、吸収性物品32の前方部分34の外装に貼り付けられる場合がある。基板62の内面は、吸収性物品32の外装に接触することができる。
【0046】
図4Dは、着用者に配置される準備ができている、その下面に貼り付けられた基板62とともに広げられた状態の吸収性物品32を示す。基板62は、着用者の視界の外で折り畳まれた状態の吸収性物品32への貼付け用に構成される場合があり、そのため、着用者は基板62が使用されていることを意識させられる必要がない。代替として、基板62は、吸収性物品32が着用者に配置される前に、広げられた状態の吸収性物品32に貼り付けられる場合がある。代替として、基板62は、吸収性物品32が着用者によって着用されている間に、吸収性物品32に貼り付けられる場合がある。これらのシナリオのいずれにおいても、介護者は、着用者に吸収性物品32を配置する前に、吸収性物品32の内側に接触することなく、吸収性物品32に基板62を貼り付けることができる場合がある。
【0047】
基板62は、任意の適切な1つまたは複数の締結要素68を使用して、吸収性物品32に結合される場合がある。締結要素68は、基板62上で、帯状に、または任意の他の適切なパターンで配列される場合がある。追加または代替として、締結要素68は、基板62の縁部に沿って配列される場合がある。締結要素68には、たとえば、外側層54を形成する不織布の上に保持するように構成されたフック、フックファスナおよびループファスナ、圧力接着剤、再使用可能接着剤、テープ、ばね式クリップ、マグネット、スナップボタン、弾性ストラップ、ならびに/または他の適切な締結要素のうちの1つまたは複数が含まれ得る。上記に列挙された例のうちのいくつかでは、補完的な締結要素が吸収性物品32上に設けられる場合があることを理解されたい。場合によっては、締結要素68は、外側層54を絶縁して外側層54の強度を維持しない場合があることも考えられる。追加または代替として、基板62は、使用後に吸収性物品32から取外し可能な場合があり、清掃され、消毒され、次いで別の吸収性物品とともに再使用される場合がある。基板62は吸収性物品32の汚れた内装から隔離される場合があるので、吸収性物品32の外装上の基板62の配置は、使用後の基板62の清掃および消毒を容易にすることができる。基板62は、医療デバイスまたは医療計器を清掃するために使用されるシステムを含む、任意の適切な清掃/消毒システムを使用して、清掃および消毒される場合がある。
【0048】
基板62を取り外すとき、介護者は、着用者から吸収性物品32を取り外し、吸収性物品32から基板62を取り外し、基板および吸収性物品の交換を伴う上述された貼付けプロセスに進んでよい。代替として、着用者から吸収性物品32を取り外した後、基板62および吸収性物品32は、一緒に廃棄される場合がある。代替として、介護者は、吸収性物品32が着用者によって着用されている間に、基板62を取り外す場合がある。
【0049】
図5〜
図9は、基板18の代替例を示す。
図5は基板72を示す。基板72は、基板62と同様に、ポケット74および/またはポケット76を形成する素材の1つまたは複数の層から形成される場合がある。基板72は、締結要素68と類似する、1つまたは複数の締結要素78を含む場合がある。基板72は、基板62とは異なるサイズおよび/または形状であり得る。たとえば、基板72の部分は、基板62の対応する部分よりも長いかつ/または広い場合があり、その結果、基板72は、より大きい吸収性物品上で使用される場合があるか、または基板62よりもより多くの吸収性物品32の外装を覆いながら吸収性物品32上で使用される場合がある。追加または代替として、基板72は、基板62によって接触されない吸収性物品のエリアに接触するような形状であり得る。
【0050】
図6は別の基板82を示す。基板82は、基板62と同様に、ポケット84および/またはポケット86を形成する素材の1つまたは複数の層から形成される場合がある。ポケット86は、基板82の外側から開かれる場合がある。基板82は、締結要素68(
図4A)と類似する、1つまたは複数の締結要素88を含む場合がある。締結要素88は、基板82の端部に設けられる場合があり、吸収性物品32のような吸収性物品の外装に基板82を結合するために使用される場合があり、その結果、基板82の内装は吸収性物品の外装に接触する。
【0051】
図7は別の基板92を示す。基板92は、基板62と同様に、ポケット94および/またはポケット96を形成する素材の1つまたは複数の層から形成される場合がある。ポケット96は、基板92の外側から開かれる場合がある。基板92は、締結要素68(
図4A)と類似する、1つまたは複数の締結要素98を含む場合がある。締結要素98は、基板92の周囲をまわって、かつ/または基板92の中心領域に沿って拡張される場合があり、吸収性物品32のような吸収性物品の外装に基板92を結合するために使用される場合があり、その結果、基板92の内装は吸収性物品の外装に接触する。
【0052】
図8は別の基板102を示す。基板102は、基板62と同様に、ポケット104および/またはポケット106を形成する素材の1つまたは複数の層から形成される場合がある。ポケット106は、基板102の外側から開かれる場合がある。基板102は、着用者のウエストのまわりを固定するためのウエストバンド107と、着用者に合うようにウエストバンド107の円周を調整するための、締結要素68(
図4A)と類似する、1つまたは複数の締結要素108とを含む場合がある。基板102は、吸収性物品32のような吸収性物品の外側に着用者によって着用される場合があり、その結果、基板102の内装は吸収性物品の外装に接触する。
【0053】
図9はデバイス110の別の基板112を示す。基板112は、基板62と同様に、ポケット114および/またはポケット116を形成する素材の1つまたは複数の層から形成される場合がある。ポケット116は、基板112の外側から開かれる場合がある。基板112は、着用者のウエストのまわりを固定するためのウエストバンド117と、着用者に合うようにウエストバンド117の円周を調整するための、締結要素68(
図4A)と類似する、1つまたは複数の締結要素118とを含む場合がある。基板112は、吸収性物品32のような吸収性物品の外側に着用者によって着用される場合があり、その結果、基板112の内装は吸収性物品の外装に接触する。
【0054】
検知素子の概要
図1を参照すると、システム10は、1つまたは複数の検知素子20を使用して、吸収性物品16および/またはその着用者14の1つまたは複数の特性を監視することができる。検知素子20は、吸収性物品16および/または着用者14の特性を示す1つまたは複数の信号を生成することができる。検知素子20は、基板18の上または内部に配置される場合があり、その結果、検知素子20は、吸収性物品16の外側と接触しているか、またはその極近傍にある場合がある。この配置により、システム10が吸収性物品16の外側から吸収性物品16および/または着用者14を監視することが可能になる場合がある。たとえば、この配置により、システム10が物品16の外側から吸収性物品16内の水分レベルを監視し、検知素子20によって生成された検知素子信号から湿潤事象を推論することが可能になる場合がある。さらに、吸収性物品16の外部に検知素子20を配置することにより、検知素子20は、物品16に含まれている水分と直接接触することなく、湿潤事象、湿潤状態、および/または他の特性を検出することができる。吸収性物品16の外部で使用するための例示的な検知素子20、ならびに吸収性物品16の内部で使用される例示的な検知素子20が、下記でより詳細に記載される。
【0055】
容量検知
システム10において1つまたは複数の容量検知素子が使用される場合がある。容量検知素子は、容量検知を使用して、吸収性物品および/または着用者の湿潤事象および/または他の特性を特徴付けることができる。容量検知は多くの適用例を有する。たとえば、容量検知は、ユーザタッチを検出するためにタッチスクリーンにおいて使用される場合がある。容量検知素子は、物体から離れたところから物体の電気容量を検知することができ、その結果、検知素子と物体との間の直接接触は必要とされない。容量検知素子は、他の素材の1つまたは複数の層を介して、物体の電気容量を検知することができる場合もある。
【0056】
図10Aおよび
図10Bは、吸収性物品16の特性を検出するために1つまたは複数の容量検知素子119がどのように使用され得るかの例示的な概略図を示す。図示されたように、容量検知素子119は、吸収性物品16の外部、たとえば、吸収性物品16の外装の近く、その場所、またはその上に配置される場合があり、その結果、容量検知素子119は、吸収性物品16の内装から分離される場合がある。分離は、たとえば、吸収性物品32の外側層54および/または上述された基板18のポケットを形成する素材を含む、素材の1つまたは複数の層によって実現される場合がある。容量検知素子119は、素材の層を介して吸収性物品16の特性を検出することができる場合がある。検出された特性は、吸収性物品16の静電容量を含む場合がある。着用者14の滲出液(たとえば、小便および/または大便)からの水分121は、吸収性物品16の内装の中に吸収される場合がある。この吸収は、吸収性物品16の静電容量を変更する場合がある。滲出液121および/または吸収性物品16の特性に関する情報は、容量検知素子119からの信号を分析することから収集される場合がある。
【0057】
吸収性物品16、着用者14、着用者14からの滲出液121、および/またはそれらの組合せなどの、物体の静電容量122を検出するように構成された容量検知回路120の例示的な概略図が
図11に描写される。回路120は、たとえば、信号生成器124と、電圧分割測定用の内部構成部品(たとえば、抵抗器126)と、入力128とを含む場合がある。プロセッサ24(
図1)などのプロセッサは、信号生成器124の動作を制御することができる。入力128は、マイクロコントローラ(図示せず)によって実施されるアナログデジタル変換を含む場合がある。プロセッサは入力128を監視することができ、それに少なくとも部分的に基づいて静電容量122を推定することができる。回路120は、1つまたは複数の電気接地130、132を含む場合もある。接地130、132には、たとえば、人間接地、デバイス接地、および/または外部接地が含まれ得る。回路120の接地130、132は、システム10の接地として機能することもできる。回路120では、その静電容量122が検出される物体は、回路120から絶縁されている場合がある。
【0058】
図12は、吸収性物品16および/または着用者14からの滲出液121の静電容量136、ならびに着用者14の静電容量138を検出するように構成された、例示的な容量検知回路134の別の概略図を示す。静電容量136、138は、アセンブリ139によって測定される信号に影響を及ぼす場合がある。
図13に示されたように、アセンブリ139は、信号生成器124と、抵抗器126と、入力128とを含む場合がある。信号生成器124の信号電圧における変化、および入力信号は、静電容量136、138を推論するために使用される場合がある。回路134内に、吸収性物品16と着用者14との間の伝導度が存在する場合がある。このシナリオは、たとえば、着用者14によって放出される滲出液がオーバーフローするか、または吸収性物品16の縁部を越えて漏出するときに発生する場合がある。
図14は、静電容量136、138と並列に抵抗器または抵抗140、142を追加した
図12のシナリオを示す。これらの抵抗140、142は、通常、高い値(一例として、>1メガオーム)であり、吸収性物品16および着用者14の並列抵抗を表すことができる。吸収性物品16の素材の防水(非導電)層の抵抗のせいで、吸収性物品16の抵抗140は、通常、高い場合がある。飽和していない皮膚の抵抗は、通常、高い場合があり、着用者14は、着用者14が吸収性物品16に物理的に接触するところで吸収性物品16とのみ導電性接触を行うので、着用者14の抵抗142は、通常、高い場合がある。着用者14と吸収性物品16との間の物理的な接触の範囲は著しく変動する場合があり、そのことは、高伝導接続の作成を妨害する場合がある。
【0059】
図15は、例示的な容量検知素子144用の回路図を示す。検知素子144は、マイクロコントローラ146を含む場合がある。マイクロコントローラ146は、信号生成器124および/または入力128を含むか、取って代わるか、またはそうでなく制御する場合がある。マイクロコントローラ146は、出力ピン148と、1つまたは複数の入力ピン150とを含む場合がある。マイクロコントローラ146からの1つまたは複数の出力信号は、出力ピン148を介して、抵抗器126および容量検知素子プレート149を含む場合がある検知素子144の残りに送り出される場合がある。抵抗器126および容量検知素子プレート149からの1つまたは複数の信号は、入力ピン150を介してマイクロコントローラ146によって受信される場合がある。たとえば、出力ピン148に適用されるステップ関数の起動と入力ピン150の立上りまでの時間との間の時間は、マイクロコントローラ146によって測定される場合がある。容量検知素子プレート149によって誘起された容量効果に起因して、入力ピン150の立上り時間は、容量素材が容量検知素子プレート149の近傍にあるときに増加する場合がある。入力ピン150の立上り時間は、容量体の静電容量および/または存在を推定するために使用される場合がある。吸収性物品16内の滲出液は、1つのそのような容量体である。
【0060】
図16は、例示的な容量検知素子152用の別の回路図を示す。検知素子152は、マイクロコントローラ146、出力ピン148、および入力ピン150と類似する、出力ピン156、および1つまたは複数の入力ピン158を有するマイクロコントローラ154を含む場合がある。マイクロコントローラ154は、出力ピン156を介して1つまたは複数の抵抗器160および1つまたは複数の容量検知素子プレート162に信号を送ることができ、入力ピン158を介してそれらから信号を受信することができる。3つの抵抗器-容量プレートのペアリングが示されているが、必要な読取り値の数に応じて、任意の数のペアリングが設けられ得ることを理解されたい。回路図は、単一の出力ピン156を有する複数の容量検知素子プレート162を可能にする。
【0061】
上述された回路では、吸収性物品16および/または着用者14の静電容量における変化は、吸収性物品16の上または近傍の湿潤事象の1つまたは複数の特性の推定値を取得するために、監視される場合がある。少数の回路が上述されたが、任意の他の適切な回路が使用される場合があることを理解されたい。
【0062】
追加または代替として、上述された回路を使用する容量検知方法は、容量プレートのうちの1つまたは複数に多数の周波数を供給することを含む場合がある。吸収性物品16内の水分を特徴付けるために、容量測定値が取得される場合がある。吸収性物品16および/またはその中に吸収された物質の反応は、周波数とともに変化する場合があり、複数の周波数上の静電容量を測定すると、湿潤事象を特徴付けるために使用され得る追加情報を提供することができる。周波数生成および/または監視構成部品の一例は、マイクロコントローラまたは他のアナログ回路の形態のプロセッサであり得る。
【0063】
吸収性物品16内の湿潤事象の発生を識別することに加えて、システム10は、吸収性物品16内の滲出液の体積を推定するために利用され得る1つまたは複数の技法を実施することができる。たとえば、体積は、ある特定のしきい値を上回る飽和値を有するシステム10内の容量検知素子の数を数えることによって推定される場合がある。
図17Aは、湿気領域163を有する吸収性物品16を示す。体積推定アルゴリズムは、容量検知素子119a〜119eの各々について飽和値を特定することができ、飽和値の各々は、その領域が滲出液および/または液体に曝された後の容量検知素子119a〜119eのうちの1つの位置またはその上の吸収性物品16の領域の飽和レベルに対応する場合がある。飽和している容量検知素子119a〜119eの各々について、アルゴリズムは体積推定値に体積を加算することができる。加算される体積は、容量検知素子119a〜119eの各々に固有の場合があり、吸収性物品16の領域と一致する場合があり、容量検知素子119a〜119eの各々は監視を担当する。アルゴリズムによって生成された体積推定値は、たとえば、容量検知素子119a〜119eの各々からの個々の体積寄与値の合計であり得る。
図17Aに描写された例では、容量検知素子119b〜119dのみが飽和している場合がある。したがって、体積は、容量検知素子119b〜119dに関連付けられた体積を加算すること、および容量検知素子119a、119eに関連付けられた体積を加算しないことによって推定される場合がある。
【0064】
追加または代替として、体積推定は表面水分165を調べるように拡張することができる。ステップは、容量検知素子119a〜119eの各々について表面水分値を特定することを含む場合がある。容量検知素子の表面水分値は、容量検知素子によって監視される吸収性物品16の領域内の表面水分率に対応する場合がある。存在する表面水分によって測定された静電容量値は湿気のみに対するよりもかなり高い場合があるので、表面水分は湿気とは区別することができる。後続ステップは、上述された飽和体積方法を使用して体積推定値を特定することを含む場合がある。別の後続ステップは、表面水分の結果として追加体積を加算することにより、推定体積を修正することを含む場合がある。
【0065】
追加または代替として、体積推定は、吸収性物品16を通る飽和状態および/または表面水分の分散率を調べることによって実施することができる。この一例が
図17B、
図17Cに示される。湿潤事象の開始後の時間t1において(
図17B)、1つの容量検知素子119cが飽和する場合がある。時間t2において(
図17C)、容量検知素子119b〜119dが飽和する場合がある。体積推定値は、時間t1において上述された方法または別の方法のうちの1つを使用して体積を推定すること、および後の時間t2において再び体積を推定することによって特定される場合がある。次いで、体積の変化率が計算される場合がある。体積の変化率、1つまたは複数の後の時間における体積推定値、および潜在的に他の入力(たとえば、表面湿気、人口統計情報、尿失禁のタイプ、容量検知素子119a〜119eの物理的な配列/位置)を使用して、体積推定値は、吸収性物品16および飽和した他の容量検知素子119a、119eにわたってまだ拡散していない流体に相当するように更新される場合がある。
【0066】
追加または代替として、より一般的な関数が適用される場合があり、その関数を決定するためにニューラルネットワークが使用される場合がある。そのシナリオでは、ニューラルネットワークは、目標としての測定された体積、および入力としての干渉が低減された容量検知素子の値を用いて訓練することができる。
【0067】
追加または代替として、体積と容量検知素子119a〜119eおよび/または他の検知素子120(たとえば、圧力検知素子)との間のマッピングを特定するために、非常に一般的なニューラルネットワークが使用される場合がある。そのシナリオでは、ニューラルネットワークは、目標としての測定された体積、および入力としての検知素子の値のうちの1つまたは複数を用いて訓練される場合がある。
【0068】
システム10は、アルゴリズムを実行して、あらかじめ決定された数学モデルに検知素子信号を適用することにより、検知素子信号を分析することができることも考えられる。数学モデルは、滲出液の位置、吸収性物品16の残存容量、漏出が発生した機会、近い将来に漏出が発生する機会、および/または他の湿潤事象の特性の観点から、吸収性物品16内の湿潤事象を特徴付けることができる。数学モデルは、入力として、ほんのいくつかの例を挙げると、吸収性物品16の湿潤状態、吸収性物品16の位置、最近の湿潤事象のサイズ/体積、最近の湿潤事象の時間、所与の湿潤状態における吸収性物品16の継続時間、吸収性物品16のタイプ、着用者14の人口統計情報、着用者14の変化履歴、および/または着用者14の活動履歴を含む、1つまたは複数の特性を取り込むことができる。
【0069】
一態様では、検知素子20は、上述された基板18のうちの1つの上または中に支持された複数の検知素子を含む場合があり、基板18の上または中に支持される(たとえば、基板18のいずれかのポケット内に配置される)場合がある送信機26を含む場合もある。基板18は、たとえば、吸収性物品16の下面に貼り付けられる場合があり、吸収性物品16内部の湿潤事象が検知素子20を使用して監視されることを可能にする。
【0070】
干渉
図1を参照すると、システム10は、湿潤事象を正確に検出、監視、および/または特徴付けるその能力に影響を及ぼす可能性がある、1つまたは複数の形態の干渉を被る場合がある。
図18のフローチャートによって示されたように、吸収性物品16に関連する変化は、検知素子20に関連付けられた信号に影響を及ぼす可能性があり、検知素子20は、この例では、容量検知素子119(
図10A、
図10B)および他の検知素子164を含む場合がある。影響を受ける信号は、システム10によって監視される場合があり、吸収性物品16に関連付けられた特性は、それらから推論される場合がある。場合によっては、干渉168は、検知素子信号に影響を及ぼす可能性もある。干渉は、たとえば、着用者の配置および/もしくは移動、ならびに/または外部ソースから生じる場合がある。干渉を低減することにより、システム10の性能は向上する場合がある。システム10は、干渉168を低減するための態様および/またはステップを含む場合がある。そのような態様および/またはステップは、より正確な出力170を生成することができ、出力170は、この例では、吸収性物品16の水分の体積の推定値172、および吸収性物品16内の湿潤事象の特性174を含む場合がある。
【0071】
1つの干渉源は、着用者14の配置および/または移動に起因する場合がある。例示的な容量検知素子176の概略図が
図19に示され、
図19は回路134(
図12)と同様の態様を含む。静電容量178のさらなる発生源が回路176に示され、着用者14の1つまたは複数の身体部分(たとえば、脚、手、および/または性器)の存在を示す場合がある。静電容量178は、静電容量136、138に基づいて吸収性物品16内の湿潤事象を特徴付けるようにシステム10が試みるとき、システム10に対する干渉を発生させる場合がある。静電容量178を変更する可能性がある身体部分の移動は、さらなる困難さを与える場合がある。
【0072】
図20は、回路176と同様の態様を含む別の例示的な容量検知回路179の概略図を示す。静電容量180の別のさらなる発生源が回路179に示される。静電容量180は、デバイス17の応答に影響を及ぼす可能性もある、着用者14および/または吸収性物品16の近傍の1つまたは複数の外部導体(たとえば、車椅子、ベッドフレーム、金属椅子、湿ったシーツと枕カバー、および/または他の電子機器)の存在を示す場合がある。外部導体は、外部接地182によって接地される場合がある。
【0073】
着用者14の移動および/もしくは配置、ならびに/または外部導体の存在によって引き起こされる干渉は、外部の影響から検知素子20のうちの1つまたは複数を遮蔽することによって低減される場合がある。追加または代替として、干渉は、検知素子20のうちの1つを他の検知素子と物理的または動作的に組み合わせることにより、監視および/または低減される場合がある。さらなる検知素子には、限定はしないが、容量検知素子、圧力検知素子、温度検知素子、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、気圧検知素子、振動検知素子、磁気検知素子(たとえば、リードスイッチまたはリードリレー)、屈曲検知素子、光検知素子(たとえば、色検知素子もしくはフォトレジスタ、赤外線検知素子、および/または、滲出液に曝されたときに色を変化させ得る吸収性物品16もしくはデバイス17上の色変化素材の帯における変化を検知するための任意の適切な光検知素子)、湿度検知素子、化学検知素子、ならびに/あるいは熱流束検知素子が含まれ得る。
【0074】
一態様によれば、干渉は、検知素子20からの情報のうちの少なくともいくつかを考慮に入れるアルゴリズムを使用することによって低減される場合がある。たとえば、アルゴリズムは、1つまたは複数の容量検知素子119、および1つまたは複数のさらなる検知素子からの情報を考慮に入れることができる。アルゴリズムは、人口統計情報および環境情報、ならびに状態履歴情報を考慮に入れることもできる。1つの例示的なアルゴリズムは、下記の一般的な関数fを使用して、干渉が低減された容量検知素子の値を生成することができる。
干渉が低減された容量検知素子の値=f(容量検知素子の値、さらなる検知素子の値、人口統計情報、環境情報、状態履歴情報)
【0075】
追加または代替のアルゴリズムが下記のセクションに記載される。
【0076】
圧力検知
一態様によれば、外部干渉および/または人的干渉は、容量検知素子119と連携して1つまたは複数の圧力検知素子184を使用することによって低減される場合がある。
図21A、
図21Bは、着用者14の身体部分がどのように干渉を発生させる場合があるかを示す図を示す。たとえば、容量検知素子119は、物品16および/または着用者14の静電容量を検知するために、物品16の中または上に配置される場合があり、検知された静電容量を示す読取り値または値を生成することができる。着用者14が自分の脚186を容量検知素子119に向けて移動させるとき(方向矢印188を参照)、脚186は容量検知素子119によって検知される静電容量を変化させ、こうして、容量検知素子の読取り値または値に影響を及ぼすことにより、物品16および/または着用者14の静電容量を正確に検知する容量検知素子の能力を妨害する場合がある。本明細書では脚186が示されているが、任意の導電性の身体部分(たとえば、手もしくは腕)および/または任意の導電性の外部物体(たとえば、医療機器の部片)が同様の干渉を引き起こす場合があることを理解されたい。圧力検知素子184は、たとえば、吸収性物品16および/またはデバイス17に脚186によって加えられた圧力を示す読取り値または値を生成することができる。圧力の読取り値または値は、脚186によって発生した干渉の1つもしくは複数の特性を識別するために使用される場合があり、かつ/または、容量検知素子119からの読取り値もしくは値を調整して、干渉を低減、除去、もしくはそうでなく軽減するために使用される場合がある。
【0077】
一態様によれば、アルゴリズムは、圧力検知素子184からの1つまたは複数の読取り値を使用して、着用者の脚の配置および/または移動によって引き起こされる容量検知素子119における干渉を低減することができる。干渉が低減された容量検知素子の値を特定するための1つの例示的なアルゴリズムは、
干渉が低減された容量検知素子の値=容量検知素子の値+m*圧力検知素子の値
である。
【0078】
上記のアルゴリズムでは、mは、実験を通して、かつ/または履歴データおよびトレンドを分析することによって決定された定数を表す。追加または代替として、回帰分析および/または機械学習を含む任意の他の適切な技法が、mを決定するために利用される場合がある。
【0079】
一態様によれば、複数の圧力検知素子184が使用される場合があり、アルゴリズムは、それ自体の個別の勾配と乗算された圧力検知素子の値の各々の合計により、各容量検知素子119に対する干渉を低減することができる。
【0080】
追加または代替として、容量検知素子の値は、干渉を低減するために、それ自体の定数と乗算された圧力検知素子の値の各々の合計、ならびにそれら自体の定数と乗算された圧力検知素子の値および容量検知素子の値の一般的な関数の合計のうちの1つまたは複数の組合せによって修正される場合がある。
【0081】
検知素子の値の定数(たとえば、勾配)および検知素子の値の関数を決定するために、重回帰プロセスが利用される場合がある。重回帰プロセスは、1つまたは複数のステップを含む場合がある。最初のステップは、滲出液の様々な体積について、圧力検知素子のデータおよび容量検知素子のデータを収集することを含む場合がある(0ml以上からの各体積量はそれ自体のデータのセットを有する場合がある)。後続ステップは、容量検知素子ごとに、回帰を実行して定数を決定することを含む場合がある。回帰を実行することは、データセット全体に対して滲出液の同じ体積を使用して、データセットにわたって容量検知素子の値をY入力として設定することを含む場合がある。回帰を実行することは、複数のX入力データセットを作成することを含む場合もある。例示的なX入力データセットは、圧力検知素子の入力当たり1つのX入力、および/または圧力検知素子の入力の関数当たり1つのX入力を含む場合がある。別の後続ステップは、重回帰を実行して、各圧力検知素子および圧力検知素子の値の関数が各容量検知素子に対して有するべき影響を決定することを含む場合がある。線形回帰方法では、これらは、勾配m1、m2などの形態であり得る。修正されたキャパシタ値は、元のキャパシタ値cを取り込み、それらの関連する圧力検知素子の値または圧力検知素子の値の関数と乗算された勾配のすべてを加算することによって決定することができる。
【0082】
各容量検知素子119は、圧力検知素子の値または圧力検知素子の値の関数の各々について1組の勾配を有する場合がある。別の後続ステップは、容量検知素子119ごとに、他の入力と比較して小さい勾配を有する圧力検知素子の入力および圧力検知素子の入力の関数の寄与を取り除くことを含む場合がある。小さい勾配は、入力が容量検知素子に対して小さく干渉する影響しかもたないことを示すことができる。別の後続ステップは、圧力検知素子の入力および圧力検知素子の入力の関数の限定されたセットで回帰を再実行することを含む場合がある。
【0083】
圧力検知素子の入力の関数の例には、圧力検知素子の値と別の検知素子の値のロジスティック関数との積、圧力検知素子の値の多項式、2つの圧力検知素子の値の積、圧力検知素子の値の指数関数、検知素子の値と複数の圧力検知素子の値の複数のロジスティック関数との積、および/または検知素子の値と任意の他の関数のロジスティック関数との積(これは再帰的に行われる場合もある)が含まれ得る。簡単にするために、ロジスティック関数はステップ関数によって置き換えられる場合があることも考えられる。ロジスティック関数に関連付けられた定数は、最適化方法を介して決定される場合がある。
【0084】
線形回帰勾配以外の定数を決定するためのプロセスは、重回帰の外のすべてのために1組の定数を選択することを含む場合がある。そのプロセスは、確度パラメータを決定することを含む場合もある。適切な確度パラメータは、線形回帰によって生成されるR2差、または下記に記載される体積推定技法を使用して推定された体積の最大偏差であり得る。そのプロセスは、関数f(非重回帰定数)を適用すること、ならびに、定数を選択すること、回帰を実行すること、1つまたは複数の確度パラメータ(たとえば、重回帰からのR2)を生成すること、および離散多変数最適化技法を使用して定数を調整することを含む、関数に対する様々な最適化技法を含む場合もある。方法のいくつかの例は、シミュレーテッドアニーリング法または準ニュートン法である。
【0085】
追加または代替として、より一般的な関数が適用される場合があり、かつ/またはその関数を決定するためにニューラルネットワークが使用される場合がある。そのシナリオでは、ニューラルネットワークは、目標としての容量検知素子の値、および入力としての圧力検知素子の値を用いて訓練される場合がある。
【0086】
一態様によれば、(他の方法からの修正の前および/または後の)容量検知素子の値は、場合によっては上述された技法により、かつ/または検知素子の値を容量検知素子の値および他の検知素子の値から決定された倍率と乗算することにより、干渉を低減するために修正される場合がある。
【0087】
加算技法および一般的な関数のためのアルゴリズムにおいて使用される定数は、様々な方法を使用して決定される場合がある。これらの方法には、限定はしないが、線形回帰、重回帰、特徴付けられた湿潤事象と湿潤事象の測定された特性との間の誤差を最小化すること、および機械学習が含まれ得る。
【0088】
一態様によれば、
図22Aに示されたように、デバイス17は、吸収性物品16の上または近傍の湿潤事象を特徴付けるための複数の容量検知素子119a〜119jを含む場合がある。容量検知素子119a〜119jは、基体190の第1の側部にあらかじめ決定されたパターンで配列される場合がある。たとえば、容量検知素子119a〜119jは、行と列に配列される場合がある。各行は、基体190の側方縁部に沿って長手方向に延在する場合がある。各列は、基体190の一方の側方縁部から他方の側方縁部に幅方向に延在する容量検知素子119a〜119jのペアによって形成される場合がある。行と列は、容量検知素子119a〜119jがグリッドを形成するように線形であり得る。しかしながら、任意の他の適切なあらかじめ決定されたパターンまたはレイアウトが使用される場合があることを理解されたい。基体190の第1の側部は、デバイス17が吸収性物品16に貼り付けられたときに吸収性物品16の外装に面する側部であり得る。
図22Aには10個の容量検知素子119a〜119jが示されているが、より少ないかより多い容量検知素子が使用される場合があることを理解されたい。
【0089】
容量検知素子119a〜119jは、たとえば、導電性の布地および銅のテープから作成された容量検知プレートを含む場合がある。追加または代替の素材が使用される場合もある。1つまたは複数の電線192は、容量検知素子119a〜119jを、たとえば、受信機22、プロセッサ24、および/または送信機26に接続することができる。電線192は、基体190の中心線に沿って長手方向に延在する場合がある。一例では、検知素子119a〜119jの各々は、それ自体の個別の電線192によって受信機22、プロセッサ24、および/または送信機26に接続される場合がある。容量検知素子119a〜119jの各々は個別に動作することができ、その結果、それらのうちの1つまたは複数が動作を停止した場合、残りの容量検知素子は動作可能なままであり得る。
【0090】
容量検知素子119a〜119jは、基体190に接着させられるか、縫い付けられるか、埋め込まれるか、またはそうでなく取り付けられる場合がある。基体190は、基板18の中またはそこに接着させられるか、縫い付けられるか、またはそうでなく固定される場合があり、その結果、容量検知素子119a〜119jは、基板18が吸収性物品16に貼り付けられたときに吸収性物品16の外底面に寄り掛かることができる基板18の側部に配置される場合がある。基体190は、可撓性および/または軽量の発泡素材から作成される場合がある。
【0091】
1つまたは複数の圧力検知素子194a〜194hは、基体190の第2の側部に配置される場合があり、第2の側部は第1の側部の反対側である。圧力検知素子194a〜194hは、基体190の第2の側部にあらかじめ決定されたパターンで配列される場合がある。たとえば、圧力検知素子194a〜194hは、容量検知素子119a〜119jと同様に、行と列で配列される場合がある。しかしながら、任意の他の適切なあらかじめ決定されたパターンまたはレイアウトが使用される場合があることを理解されたい。
図22Bには8個の圧力検知素子194a〜194hが示されているが、より少ないかより多い圧力検知素子が使用される場合があることを理解されたい。電線192と類似する場合がある1つまたは複数の電線196は、圧力検知素子194a〜194hを、たとえば、受信機22、プロセッサ24、および/または送信機26に接続することができる。圧力検知素子194a〜194hの各々は個別に動作することができ、その結果、それらのうちの1つまたは複数が動作を停止した場合、残りの圧力検知素子は動作可能なままであり得る。圧力検知素子194a〜194hは、基体190に接着させられるか、縫い付けられるか、埋め込まれるか、またはそうでなく取り付けられる場合がある。圧力検知素子194a〜194hは、たとえば、導電性の布地および帯電防止プラスチックの層を含む導電性の布地の圧力センサを含む場合がある。代替として、任意の適切な圧力検知素子が使用される場合がある。使用中、圧力検知素子194a〜194hは、吸収性物品16に背を向ける場合がある基板18の側部に配置される場合がある。
【0092】
図22Cに示されたように、基体190は、圧力検知素子194a〜194hから容量検知素子119a〜119jを分離するスペーサとして働くことができる。追加または代替として、基体190は、電線196から電線192を分離するスペーサとして働くことができる。基体190は、前述の検知素子および/または電線の間の比較的一定の距離を維持することができる。
【0093】
図23A〜
図23Dは、例示的な検知素子のレイアウトを示す概略図である。容量検知素子の配置198は円を用いて識別され、圧力検知素子の配置200は菱形を用いて識別される。描写されたレイアウトは、任意の適切なタイプの物品16上で使用するための任意の適切なタイプの基板18上で使用される場合がある。これらの図では、基板はパッド202を含む場合がある。容量検知素子の配置198はパッド202の一方の側部の場合があり、圧力検知素子の配置200はパッド202の反対の側部の場合がある。4つのみの例示的な検知素子のレイアウトが示されているが、他の検知素子のレイアウトが考えられることを理解されたい。
【0094】
容量検知素子の配置198は、パッド202の長さに沿って圧力検知素子の配置200と交互になる場合がある。追加または代替として、容量検知素子の配置198と圧力検知素子の配置200が交互になる複数の列は、パッド202の長さに沿って延在する場合がある。追加または代替として、容量検知素子の配置198および/または圧力検知素子の配置200は、パッド202の領域内でグループ化される場合がある。追加または代替として、隣接する容量検知素子の配置198および/または圧力検知素子の配置200の間の間隔は、パッド202の異なる領域内で異なる場合がある。追加または代替として、容量検知素子の配置198および圧力検知素子の配置200のうちの一方は、他方と重なる場合がある。検知素子の配置の任意の他の適切な配列またはパターンが使用される場合がある。
【0095】
検知素子の配置は、使用される基板のタイプに基づいて選択される場合がある。たとえば、容量検知素子の配置198は、湿潤事象によって影響を受ける可能性が最も高いパッド202のエリアが少なくとも1つの容量検知素子、または場合によっては容量検知素子のグループを有することを保証するように配置される場合がある。圧力検知素子の配置200は、着用者14の移動によって影響を受ける可能性が最も高いパッド202のエリアが少なくとも1つの圧力検知素子、または場合によっては圧力検知素子のグループを有することを保証するように配置される場合がある。
【0096】
加速度検知
本開示の別の態様によれば、1つまたは複数の加速度計(図示せず)は、システム10の一部であり得る。加速度計は、たとえば、容量検知素子の配置198および/もしくは圧力検知素子の配置200のいずれかの場所もしくはその近く、または受信機22、プロセッサ24、および送信機26のいずれかの場所もしくはその中に配置される場合がある。一例では、加速度計は、基板18上の任意の適切なポケット内に固定される場合がある。追加または代替として、加速度計は基体190の上または中にあり得る。
【0097】
加速度計は干渉を低減するために使用される場合がある。たとえば、加速度計は、居住者が横たわっているか立っているかを検出するために使用することができる。これらの状態の各々は、他の検知素子20からの読取り値に影響を及ぼす場合がある。たとえば、着用者が横たわっている間に排尿した場合、吸収性物品16内の尿の分布は、着用者が立っている間および/または座っている間に排尿したときの分布とは異なる場合がある。その上、漏出が発生する機会はより大きい。これらの要因は、検知素子20からの読取り値に影響を及ぼす場合がある。加速度計の読取り値は、これらの要因に起因する干渉を低減するために使用することができる。
【0098】
加速度計データは、容量検知素子に対する干渉の影響を軽減するために使用される場合がある。加速度計データは、圧力検知素子のデータが使用され得る方法と同様の方式で使用される場合がある。たとえば、圧力検知素子および容量検知素子に利用される重線形回帰のプロセスは、入力として加速度計のx加速度、y加速度、およびz加速度を使用して、加速度計上で利用される場合もある。
【0099】
追加または代替として、加速度計データは、着用者の配置を特定するために使用される場合があり、前述の圧力検知素子のアルゴリズムは、特定された配置に基づいて改良することができる。たとえば、回帰は、臥床モードのための干渉低減アルゴリズムを開発するために横たわっている着用者からのデータに対して、着座モードのための干渉低減アルゴリズムを開発するために座っている着用者からのデータに対して、かつ/または起立モードのための干渉低減アルゴリズムを開発するために立っている着用者からのデータに対して、実行される場合がある。次いで、モードは加速度計を使用して検出することができ、その結果、適切な干渉低減アルゴリズムが適用される。
【0100】
着用者の配置/方位は、加速度計によって生成されたように、x軸、y軸、およびz軸の間の加速度の相対値を比較することによって検出することができるが、加速度計データは一定であり、合計は重力加速度gとほぼ等価なベクトルになる。一定の加速度計データは、着用者が加速していない(または、長い時間期間の間起きそうにない、一定のレートで加速している)可能性があることを暗示する場合がある。生成されたベクトルは、加速度計に対する重力の方向を示すことができる。(下向きに働くとみなすことができる)重力に対する、加速度計が取り付けられたデバイス17の部分の方位は、ベクトルの反対であり得る。着用者に対するデバイス17の部分の方位は、(たとえば、その部分は着用者14に貼り付けられた吸収性物品16の上にある場合があるので)比較的一定の場合があり、したがって、これから、着用者の方位(立っている、座っている、または横たわっている着用者の配置)が特定される場合がある。モードおよび対応する干渉低減アルゴリズムは、そのようなデータに基づいて選択される場合がある。
【0101】
追加または代替として、干渉低減は他の方法で実現される場合がある。たとえば、体熱を検知するための温度検知素子は、着用者の体の存在、近接、および/もしくは移動を検出するために使用される場合があり、1つもしくは複数の容量検知素子は、着用者の体もしくは湿潤事象によって引き起こされる静電容量の変化の間を区別することができるように、互いに対して配置された容量検知素子のグループによって置き換えられる場合があり、スペーサによって分離された容量検知素子の複数の層は、着用者の体の移動と湿潤事象との間を区別するために使用される場合があり、光検知素子は着用者の移動を検出するために使用される場合があり、容量検知素子の読取り値/値は移動の影響を軽減するように調整される場合があり、渦電流検知素子は、吸収性物品16の1つもしくは複数の部分に対する着用者の近接および/もしくは接触によって生成される干渉を監視および/もしくは低減するために利用される場合があり、かつ/または、ホール検知素子は、近くの磁性体もしくは導電体からの干渉を監視および/もしくは低減するために使用される場合がある。これらのさらなる検知素子のいずれも、たとえば、
図4に示された検知素子の場所に、またはその近くに配置される場合がある。代替として、さらなる検知素子のうちの1つまたは複数は、吸収性物品16の外面に、吸収性物品16の内面に、および/またはその内面と外面との間の吸収性物品16内に配置される場合がある。
【0102】
干渉遮蔽
本開示の別の態様によれば、干渉は、外部の影響から検知素子20を遮蔽することによって低減される場合がある。検知素子20を遮蔽するために1つまたは複数の技法が利用される場合がある。1つの例示的な技法は、検知素子20と基板18の外面との間に1つまたは複数のスペーサを向けることを含む場合がある。別の技法は、検知素子20に関連付けられた電気信号および/または電圧を遮蔽するように、1つまたは複数の層を配列することを含む場合がある。スペーサおよび/または層は、吸収性物品16の外部の導体からの干渉を低減することができる。
【0103】
図24は、着用者14および/または吸収性物品16の静電容量を検知するために使用される容量検知素子119の例示的な概略図を示す。容量検知素子119は、1つまたは複数のキャパシタプレート203を含む場合がある。容量検知素子119は、デバイス接地206の1つまたは複数のデバイス接地プレート204に結合される場合がある。
図25〜
図28は、
図23と類似するが、遮蔽用の1つまたは複数の層を有する例示的な概略図を示す。たとえば、
図25の遮蔽された配列では、遮蔽層210の信号プレート208は、任意の適切な遮蔽信号を搬送するように構成される場合がある。信号は、キャパシタプレート203と、吸収性物品16の外部の物体の動きによって影響を受けていないか、または容量検知素子119からの読取り値に対する影響が無視できる場合がある十分小さい程度だけ影響を受けている信号プレート208との間の静電容量をもたらす場合、遮蔽に適している場合がある。1つの遮蔽信号は、静電容量を測定するために使用される信号、たとえば、信号生成器124(
図11および
図13)によって生成される信号を含む場合がある。キャパシタプレート203と信号プレート208との間の静電容量は、両方のプレート上の電圧が同様であり得るため非常に小さい場合があるので、静電容量を測定するために使用される信号は有用な遮蔽信号であり得る。しかしながら、外部物体の影響を低減/軽減するために他の遮蔽信号が適用される場合があることが考えられる。たとえば、信号生成器の信号と同様の形状であるが、異なる周波数を有する信号が適用される場合がある。
【0104】
図26は、
図25の遮蔽された配列と類似するが、信号プレート208と接地プレート204の両方を有する遮蔽された配列の概略図を示す。
図30は、
図26の概略図の1つの実装形態を表す例示的な回路図を示す。一連の静電容量212、214、216、218は、配列の結果として監視される場合がある。静電容量212は、吸収性物品16と容量検知素子119との間の静電容量を示すことができる。静電容量214は、容量検知素子119と遮蔽層210の間の静電容量であり得る。遮蔽層210内の信号は、静電容量214の値が外部導体の存在下で最小限に変動する場合があるように選ばれる場合がある。1つの例示的な信号は信号生成器124からの信号である。静電容量216は、遮蔽層210とデバイス接地206の間の静電容量であり得る。静電容量218は、デバイス接地206と外部導体(外部接地220)の間の静電容量であり得る。
図29は、スペーサ(図示せず)によって満たされたギャップ220、222によって分離された、容量プレート203、信号プレート208、および接地プレート204を有する、
図26の遮蔽された配列内でプレートがどのように配列され得るかの一例を示す。
【0105】
図27および
図28は、
図26の配列と類似する場合がある他の遮蔽された配列の概略図を示す。しかしながら、
図27の配列は、2つの遮蔽層210a、210bの2つの信号プレート208a、208bと、2つのデバイス接地206a、206bの2つの接地プレート204a、204bとを含む場合がある。
図28の配列は、信号層の信号プレートの代わりに電圧層226の電圧プレート224を含む場合がある。複数のまたは冗長な信号および接地プレートを追加すると、着用者の脚の移動などの外部の影響を軽減または相殺することができる遮蔽効果を改善することができる。
【0106】
電線干渉
別の干渉源は、デバイス17(
図1)内の電線に関連する電線干渉であり得る。電線の例には、電線192、196(
図22A〜
図22C)が含まれ得る。電線192、196は基体190の長さに沿って通る場合があり、少なくとも1つの例では、電線192、196は、受信機22、プロセッサ24、および送信機26(
図1)のうちの少なくとも1つと接続するために、基体190の端部を越えてさらに延在する場合がある。デバイス17は、上述された遮蔽層および接地に接続された1つまたは複数の電線を含む場合もある。電線192とこれらの他の電線との間に干渉がもたらされる可能性がある。
【0107】
電線干渉が問題を与える可能性がある1つのシナリオは、
図31Aの概略図に示されたように、容量検知素子119が圧力検知素子184とともに使用されるときである。電線192、196は、容量検知素子119および圧力検知素子184をデバイス17の他の構成部品228に接続することができる。
図31Bにより詳細に示されたように、圧力検知素子184は、可変抵抗器(図示せず)を含む場合があり、各々が異なる電圧230a、230bを有する2つの電線196a、196bをさらに含む場合がある。静電容量232a、232bによって表される、電線192、196a、196bの間の結合および/または静電容量によって引き起こされる干渉は、電線間の一定の距離を維持することによって軽減される場合がある。一般に、多くのタイプの検知素子の電線は干渉を引き起こす場合があり、その中の任意の電圧または信号は、容量検知素子119に対する影響を有する場合があることを理解されたい。
【0108】
一態様によれば、1つまたは複数の遮蔽プレート/層(図示せず)は、電線196a、196b、および/または他の検知素子の電線によって引き起こされる、電線192に対する干渉を軽減するために、システム10に組み込まれる場合がある。遮蔽プレート/層は、
図25〜
図30に示された遮蔽プレート/層と類似する場合がある。遮蔽プレート/層の方位および/または形態は、電線干渉を低減するために修正される場合があることが考えられる。たとえば、遮蔽プレート/層は、電線192と電線196a、196bとの間にあるように構築される場合がある。これにより、電線196a、196bに起因する容量検知素子119に対するノイズの影響を低減することができる。遮蔽プレート/層が使用されると、遮蔽プレート/層、電線192、196a、196b、ならびに他のプレート(たとえば、容量プレートおよび接地プレート)のいずれかのうちの2つ以上の間の相対移動によって干渉が生成される可能性が存在する。これらの構成部品間の距離のうちのいずれかが相対移動に起因して変化した場合、測定された静電容量は影響を受ける場合がある。このタイプの干渉を軽減するために、任意の遮蔽プレート/層、電線、および/または他のプレートは、容量検知素子119および電線192からの比較的一定の距離において維持される場合がある。
【0109】
図32は、複数の容量検知素子119a、119b、119cが使用される例示的な回路を示す。容量検知素子119a、119b、119cは、互いの近傍にあり得る電線192a、192b、192cによってデバイス17の他の電子構成部品228に接続される場合がある。この近接度に起因して、容量検知素子119a、119b、119cが互いに干渉する可能性があり得る。この干渉は、干渉静電容量234a、234b、234cによって表される場合がある。干渉静電容量234a、234b、234cは、電線192a、192b、192cの間の比較的一定の距離を維持することによって軽減される場合がある。これにより、容易に識別され相当され得る、容量検知素子119a、119b、119cの間の比較的一定の静電容量を生成することができる。電線192a、192b、192cは、電線192a、192b、192cを所定の位置に保持する任意の適切な接続機構を使用することにより、一定の距離に保たれる場合がある。追加または代替として、電線192a、192b、192cは、たとえば、並列ケーブルの形態で固定された配置において一緒に結合される場合がある。
【0110】
追加または代替として、容量検知素子によって他の容量検知素子に対して引き起こされる干渉を低減するために、アルゴリズムが適用される場合がある。このアルゴリズムは、容量検知素子ごとに、他の容量検知素子のすべての関数である値によって容量検知素子の検知素子値を低減することを含む場合がある。関数の一例は、
容量検知素子
1用の修正値=容量検知素子
1用の実際の値-1に等しくないiごとの総和(m
i*容量検知素子
i)
などの線形結合であり得る。
【0111】
この関数では、m
iは、各容量検知素子および容量検知素子
1に対するその相対的な影響に関連付けられた勾配を示すことができる。このプロセスは、容量検知素子ごとに繰り返される場合がある。勾配m
iは、以下の実験:(a)それによって対象検知素子(容量検知素子
1)が直接接触または影響されておらず(干渉がないと容量検知素子
1用の値は0になるはずである)、他の容量検知素子のすべてが励起/アクティブ化されているデータセットを収集すること、ならびに、(b)容量検知素子
1の値に等しいYおよび他の容量検知素子の値に等しいXを用いて、データセットに対して重回帰を実行することを実施することによって決定することができる。
【0112】
追加または代替として、より一般化された関数が適用される場合があり、その関数を決定するためにニューラルネットワークが使用される場合がある。そのシナリオでは、ニューラルネットワークは、目標としての容量検知素子
1、および入力としての他の容量検知素子の値を用いて訓練することができる。このプロセスは、容量検知素子ごとに繰り返される場合がある。
【0113】
導電性検知
容量検知素子119に加えて、またはそれらに対する代替として、検知素子20は、1つまたは複数の導電性検知素子を含む場合がある。導電性検知素子は、吸収性物品16の内面に貼り付けられる場合があり、その結果、導電性検知素子は滲出液に直接曝される場合がある。導電性検知素子は、ただ1回の使用後廃棄される場合がある。1つのタイプの導電性検知素子は、導電性布地を含む場合がある。別のタイプの導電性検知素子は、導電性インクを含む場合がある。両方のタイプが下記でより詳細に記載される。しかしながら、任意の他の適切なタイプの導電性検知素子が使用される場合もあることを理解されたい。また、容量検知素子119の使用に関連して上述されたシステム10の態様は、導電性検知素子の使用に適用可能な場合があり、その逆も同様であることを理解されたい。たとえば、同じタイプの受信機22、プロセッサ24、および/または送信機26は、両方の種類の検知素子とともに使用される場合がある。湿潤事象の特性は、湿潤事象が発生したときの着用者14の移動および/または配置によって影響を受ける場合があるので、圧力検知素子および/または加速度計は、湿潤事象についてのさらなるデータを提供するために、両方の種類の検知素子と組み合わせて使用される場合がある。追加または代替として、容量検知素子119は、導電性検知素子と組み合わせて使用される場合があり、両方の種類の検知素子からの複合データは、湿潤事象の特性のより正確な理解を介護者12に提供することができる。
【0114】
容量検知素子に対する干渉を低減するために使用される上述された素子およびステップのうちの1つまたは複数は、導電性検知素子に対する干渉を低減するために使用される場合があることも考えられる。たとえば、干渉における低減は、1つもしくは複数の導電性検知素子とともに1つもしくは複数の圧力検知素子を使用すること、1つもしくは複数の導電性検知素子とともに加速度計を使用すること、干渉遮蔽を用いて1つもしくは複数の導電性検知素子(および/もしくはそれらの電線)を遮蔽すること、ならびに/または、1つもしくは複数の導電性検知素子(および/もしくはそれらの電線)内の遮蔽層を使用することによって実現される場合がある。
【0115】
図33A〜
図33Cは、例示的な導電性布地検知素子238の態様を示す。導電性布地検知素子238は、たとえば、互いに並列に配置され得る導電性布地240、242の2つの帯を含む場合がある。一例では、導電性布地240、242は、互いからほぼ2インチ離れた間隔を開けられる場合がある。導電性布地240、242は、金属含浸リップストップ布地を含む場合があり、かつ/または合成ポリエステルと金属粉末(たとえば、銀粉)の組合せから作成される場合がある。導電性布地240、242は、超吸収性素材244の層と多孔性布地246の層との間またはそこに固定される場合がある。導電性布地240、242は、リード248、250、252によって導電性布地検知素子238の一端において接続される場合がある。リード248、250、252は、コネクタ254に結合される場合がある。コネクタ254は、たとえば、リード248、250、252に結合された固定端を有する1つまたは複数の電線256を含む場合がある。コネクタ254の自由端は、受信機22、プロセッサ24、および/または送信機26(
図1)のポート(図示せず)において受けられる場合があるプラグ258を含む場合がある。導電性布地240、242、超吸収性素材244、多孔性布地246、リード248、250、252、コネクタ254、およびプラグ258は、使用中に、接着剤または任意の他の適切な締結要素を介して吸収性物品16の内面に長手方向に貼り付けられる場合がある、使い捨てアセンブリを提供することができる。接着剤が使用されると、その時間に接着剤を露わにするためにシート260が剥がされる、導電性布地検知素子238が吸収性物品16に貼り付けられる準備ができるまで、接着剤を覆うために取外し可能シート260が使用される場合がある。使用中、導電性布地検知素子238は、導電性布地240、242の帯の両端の抵抗における変化を検出することにより、湿潤事象を検出することができる。
【0116】
図33Aは、導電性布地ベースの検知素子238の上面図を示す。
図33Bは、リード248、250、252およびコネクタ254の固定端を曝すために捲られた超吸収性素材244を有する上面図を示す。導電性布地240、242は、多孔性布地246に固定されるか、またはその中に埋め込まれる場合がある。リード248、250、252は、導電性テープの帯を含む場合がある。導電性テープは、銅または任意の他の適切な導電性素材から作成される場合がある。導電性テープは、コネクタ254と導電性布地240、242との間の接続を形成することができる。導電性テープは、超吸収性素材244の第1の側部に固定される場合がある。導電性テープの長さの各々は、その中間区画において、その上に接続された2本の電線262、264を有する場合がある。電線262、264は、コネクタ254内および/またはプラグ258上の2つのピンの間に閉ループを形成することができ、それにより、導電性布地検知素子238が差し込まれたときを受信機22、プロセッサ24、および/または送信機26が検出することが可能になる場合がある。検知素子238が差し込まれたときを検出すると、吸収性物品16が変化したときをシステム10が識別することが可能になる場合がある。
【0117】
接着剤または他の締結要素266は、超吸収性素材244の第2の側部に設けられる場合があり、第2の側部は第1の側部の反対側にあり、第2の側部は吸収性物品16の内面と向き合う。接着剤266はシート260によって覆われる場合がある。
図33Cは、超吸収性素材244の第2の側部の一部分および接着剤266を曝すために捲られたシート260の一端を示す。
【0118】
トップダウン図から、すなわち、着用者14に最も近い検知素子238の面から吸収性物品16の内面に最も近い面に向かって移動すると、検知素子238は、3つの層である、多孔性布地246、導電性布地240、242の帯、および超吸収性素材244を含む場合がある。滲出液からの水分は、多孔性布地246を通過する場合がある。多孔性布地246は、多孔性布地246を通過した水分から着用者の皮膚を隔離することを助けることができる。多孔性布地246は、検知素子238を用いて取り込まれた値/読取り値の中にノイズを引き起こす可能性がある、着用者の皮膚と導電性布地240、242との間の直接接触を防止することもできる。超吸収性素材244は、吸収性物品16の内面において湿潤が検出されることを可能にすることができる。吸収性物品16は、検知素子238のように、その後に超吸収性素材の低位層が続く多孔質素材の上位層を含む場合もある。吸収性物品の多孔質素材の上に超吸収性素材244のさらなる層を置くと、湿潤が吸収性物品16の多孔性素材を通って吸収され、容易にアクセスまたは検出することができなくなる前に、検知素子238の近傍で何らかの湿潤が保持されることが可能になる場合がある。
【0119】
例示的な検知素子238を形成する個々の層の上面図が
図34A〜
図34Eに示される。層268(
図34A)は、吸収紙からできている場合がある。層270は、導電性布地検知素子の組立てプロセスに含めるために、あらかじめ組み立てられ、あらかじめ切られる場合がある柔軟ケーブルからできている場合がある。柔軟ケーブルは、6ピンコネクタを有する既製並列ケーブルを含む場合がある。層272は、リップストップ導電性布地の2つの帯274、276からできている場合がある。層278は、吸収紙からできている場合がある。層280は、多孔性不織布からできている場合がある。不織布は、プラスチック、ゴム、またはプラスチックとゴムの組合せから作られる場合がある。他の適切な素材も考えられる。これらの層のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数のシートから切られる場合がある。
【0120】
導電性布地検知素子の組立ては、上述された層を結合することを含む場合がある。たとえば、接着剤(図示せず)は層270の下面の一部分に塗布される場合があり、層270は層268の上面に接着させられる場合がある。一例では、層270の左側部分は層268の右側部分に接着させられる場合がある。次いで、接着剤が層272に塗布される場合があり、層272は層268、270に接着させられる場合がある。接着剤は層272の下面に塗布される場合があり、その結果、層272は層268、270の上面に接着させられる場合があることが考えられる。層272の帯274、276は、層268の側方縁部に沿って延在する場合がある。次いで、接着剤が層278に塗布される場合があり、層278は層270の上面に接着させられる場合がある。たとえば、接着剤は層278の下面に塗布される場合があり、層278は層270の左側部分に接着させられる場合がある。次いで、層280は他の層の上に置かれる場合があり、その縁部に沿った1つまたは複数の位置において他の層に融合される場合がある。層280用の素材は、摂氏150度よりも低い融解温度を有する場合がある。層268および280は互いに密接に重なる場合があり、その結果、層268の輪郭は層280の輪郭をなぞる場合がある。層が組み立てられた後、接着剤(図示せず)が層268の下面に塗布される場合があり、プラスチックシートまたはプラスチックフィルム(図示せず)が保護のために接着剤を覆って置かれる場合がある。プラスチックフィルムは、接着剤を曝すために剥離され得る場合があり、その結果、導電性布地検知素子は、吸収性物品16の内面に接着することができる。
【0121】
図35Aは、導電性インクベースの検知素子282の上面図を示す。
図35B〜
図35Dは、検知素子282を形成するために組み合わせられ得る個々の層の上面図を示す。上述された層270(たとえば、柔軟ケーブル)および層272(たとえば、リップストップ導電性布地)を有する代わりに、検知素子282は、その上に導電性インクが塗布された1つまたは複数の層を含む場合がある。たとえば、層270および/または層272を有する代わりに、検知素子282は、層284(不織布)および層286(導電性インク線)を有する場合がある。受信機22、プロセッサ24、および/または送信機26は、層284に接続することができ、層286と接触することができる。検知素子282の3つの層は、下記でより詳細に記載される。
【0122】
層284は、不織布からできている場合がある。不織布は、おむつまたは女性用パッドの内側に見られる素材と類似する場合がある。不織布は、触感および柔軟性において紙のようであり得る。層284は、ロータリーダイカッターまたは同様の技法を使用して適切な形状に切られる場合がある。
【0123】
層286は、導電性インクまたは導電性ペイントからできている場合がある。導電性インクは、水および粉末状の銀を含む場合がある。導電性インクは、ロータリースクリーンプリンタまたは同様の技法を使用して、層284の上面に塗布される場合がある。選択された素材に応じて、熱融着が実施される場合がある。層286の縁部は、層284の輪郭をなぞる場合がある。追加または代替として、吸収性物品16内の水分に関して収集される情報量を増やすために、導電性インクの複数の帯および/またはパターンが使用される場合がある。潜在的なパターンは、局所的な小さい排尿事象の検出を可能にすることができる、水平および/または垂直に配列された複数の帯と、ドットまたは他の形状のアレイとを含み、その結果、より正確な水分分布を構築するために、あらゆる2つのドット/形状間のコンダクタンスが測定される場合がある。
【0124】
層288は、非導電性接着剤からできている場合がある。接着剤は、層284の下面に塗布される場合があり、接着剤の上に保護プラスチックの薄板(図示せず)が加えられる場合がある。これにより、接着剤を露わにするためにユーザがプラスチックを剥離することが可能になり、その結果、導電性インク検知素子282は、吸収性物品16の内面に貼り付けることができる。接着剤を塗布するために、ロータリースクリーン印刷と同様の技法が使用される場合がある。
【0125】
インピーダンス検知
容量検知を排他的に使用するシステムに対する代替として、検知素子20は、吸収性物品16および/または着用者14の抵抗成分と容量成分の両方を検出および/または監視するための1つまたは複数の複素インピーダンス検知素子を含む場合がある。インピーダンス(たとえば、複素インピーダンス)は、交流(AC)回路内の電流に対する電圧の複素数比として記述される場合がある。インピーダンスは、AC回路に対する抵抗の概念を拡張するものとして見られる場合がある。インピーダンスは、大きさと位相の両方を所有する場合があり、かつ/または実数成分と虚数成分の両方として表現される場合がある。実数成分はインピーダンスの抵抗成分を表すことができ、虚数成分はインピーダンスの無効成分または容量成分を表すことができる。
【0126】
インピーダンス測定は、医療デバイスにおける多くの適用例を有する。たとえば、バイオインピーダンス測定値は、肺活量を画像化し、呼吸および体の組成物を検出するために使用される場合がある。容量検知素子/技法および/または導電性検知素子/技法に加えて、またはそれらの代替として使用され得る、インピーダンス検知素子および/またはインピーダンス検知技法の態様は、下記でより詳細に記載される。
【0127】
例示的なインピーダンス測定検知素子は、たとえば、吸収性物品16および/または着用者14などの物品のインピーダンスを測定するように構成された、2つの導電性プレートを含む場合がある。
図36Aは、吸収性物品16および/もしくは着用者14のインピーダンス、ならびに/または検知電極間の静電容量を測定するために構成された、インピーダンス測定検知素子284の一般概要を描写する。
図36Bは、検知素子284の1つの例示的な構成を描写し、検知素子284は、吸収性物品16のインピーダンス369を測定するための2つの導電性プレートまたは電極290a、290bを含む場合がある。検知素子284は、2つを超える、たとえば、4つ、6つ、または任意の他の数の導電性プレート/電極を含む場合がある。
【0128】
吸収性物品16の内部領域のインピーダンス292は、吸収性物品16の外部領域において、吸収性物品16の内部領域に電極290a、290bを容量結合することにより、測定および/または特定される場合がある。
図38は、1つのそのような配列を示す。インピーダンス検知部材を備える場合がある電極290a、290bは、吸収性物品16の近傍ではあるが、外部領域294に位置する場合がある。たとえば、電極290a、290bは、吸収性物品16の外面の近く、その場所、またはその上に配置される場合がある。電極290a、290bは、吸収性物品16のインピーダンス369、および電極290aと290bとの間の静電容量377を測定するために使用される場合がある。それらの測定値は、吸収性物品16内の水分とのガルバニック接触を行わずに、吸収性物品16の内部領域296のインピーダンス292を特定するために使用される場合がある。吸収性物品16の1つまたは複数の非導電層を介する(たとえば、防水外側層54を介する)、吸収性物品16への電極290a、290bの容量結合が、キャパシタ302a、302bによって表される。
【0129】
受信機22、プロセッサ24、送信機26、および/またはサーバ30は、システム10のインピーダンス測定サブシステムの一部を形成する場合がある。システム10のこれらの部分は、ソフトウェアモジュールを実行して、下記に記載されるステップを実施することができる。インピーダンスを検知するための検知素子20は、吸収性物品16の外面に固定され、吸収性物品16の内部領域296に容量結合されるように配置される場合がある、電極290a、290bを含む場合がある。電極290a、290bは、吸収性物品16のインピーダンスを測定するために使用される場合がある。インピーダンス測定サブシステムは、たとえば、電極290aと290bとの間のインピーダンスを測定することができ、任意の適切なモデル、アルゴリズム、および/またはデバイスを使用して、インピーダンスの実数成分およびインピーダンスの虚数成分を抽出することができる。抽出された成分に基づいて、インピーダンス測定サブシステムは、吸収性物品16内の水分の特性を特定することができる。特性には、たとえば、吸収性物品16内の水分の存在、量、および/または位置が含まれ得る。追加または代替として、特性には、吸収性物品の湿潤度、飽和レベルの観点から、さらなる水分用に残された容量などが含まれ得る。
【0130】
インピーダンス測定サブシステムは、電極290aと290bとの間の複素インピーダンスを測定することができる。複素インピーダンスは、大きさおよび位相を有する場合がある。大きさおよび/または位相は、水分の特性を示すことができる。たとえば、位相
ではなく大きさにおける減少は、吸収性物品16が濡れているが、容量一杯ではない状態を示すことができる。吸収性物品16は、さらなる水分を吸収するその能力が、あらかじめ決定された(たとえば、製造業者、着用者14が居住する施設、もしくは介護者12が従うベストプラクティスによって確立された)レベルを下回るとき、さらなる水分を物理的に吸収することができないとき、および/または、漏出しないでさらなる水分を吸収することができないとき、容量一杯であり得る。位相
および大きさにおける減少は、吸収性物品16が容量一杯であり得る状態を示すことができる。
【0131】
複素インピーダンスは、抵抗成分および無効成分を有する場合がある。インピーダンス測定サブシステムは、線形回帰、ニューラルネットワーク、および/またはサポートベクトルマシンを使用する最適化技法を実施して、インピーダンスの抵抗成分および無効成分と水分の特性との間の関係を特定するように構成される場合がある。追加または代替として、インピーダンス測定サブシステムは、シミュレーションを実施して、インピーダンスの抵抗成分および無効成分と水分の特性との間の関係を特定するように構成される場合がある。追加または代替として、インピーダンス測定サブシステムは、システム10とは異なる別のシステムからデータを取得して、インピーダンスの抵抗成分および無効成分と水分の特性との間の関係を特定するように構成される場合がある。システムは、一方が他方と直接通信するように構成されていないという点で、別個であり得る。インピーダンス測定サブシステムは、デバイス17、および/または個々のインピーダンス検知素子20が、無効成分の特性に基づいて吸収性物品16に取り付けられたかどうかを判定するように構成される場合があることも考えられる。たとえば、無効成分の特性があらかじめ決定された範囲の外にある場合、それは、デバイス17、および/または検知素子20のうちの1つもしくは複数が取り付けられていないことを示すことができる。
【0132】
インピーダンス測定サブシステムは、電極290a、290bのうちの一方に電圧を印加し、電極290a、290bのうちの他方において電流を測定することにより、インピーダンスを測定することができる。追加または代替として、インピーダンス測定サブシステムは、電極290a、290bのうちの一方に電流を印加し、その電極と他方の電極の間の電圧を測定することにより、インピーダンスを測定するように構成される場合がある。インピーダンス測定サブシステムは、インピーダンスの実数成分を使用して、吸収性物品16内の水分の特性を特定することができることも考えられる。
【0133】
一態様によれば、吸収性物品16の内部領域296のインピーダンス292は、
図62に示されたように、完全に抵抗性であると推定される場合がある。抵抗378は、吸収性物品16の測定されたインピーダンス369の実数成分のみを取り込むことによって特定することができる。この技法は、電極290a、290bと内部領域296との間の静電容量302a、302bが変化する場合でも、吸収性物品16の内部領域296の抵抗378を測定することが可能であり得るので、有益であり得る。静電容量302a、302bは、たとえば、吸収性物品16の外装の下面からわずかに変位し、変形し、かつ/または再配置されている電極290a、290bの結果として、変化することが予想される場合がある。
【0134】
この技法は、体積が増大するにつれてインピーダンスが単調に減少することを表示する、
図61のグラフ297および299に示されたように、経験的データによって検証されている。しかしながら、体積が増大するにつれて、位相は、最初に増大し、ある特定の量の水分が追加された後に再び減少し始めるように見ることができる。吸収性物品16の内部領域296のインピーダンス292は、抵抗器378としてモデル化される場合があり、システム全体は、
図62に示されたように、抵抗器378と直列の、および電極290aと290bとの間の静電容量377と並列のキャパシタ302a、302bとしてモデル化される場合がある。吸収性物品16の内部領域296が乾いているとき、抵抗器378の抵抗は、非常に大きい(一例として、>10メガオーム)場合があり、システムは、ただ1つのキャパシタ377に減らすことができる。結果は、
図61に示されたように、インピーダンスが非常に高い場合があり、位相が90度に非常に近い場合があることであり得る。水分が加えられるにつれて、吸収性物品16の内部領域296のインピーダンス292の抵抗378は、減少する(たとえば、100キロオームと5メガオームとの間の値になる)場合があり、抵抗性経路を作成し、位相シフトを減少させる。大量の水分が加えられるにつれて、抵抗378は大幅に低減される場合があり、キャパシタ302a、302bのインピーダンスと比較すると、閉回路に近づく場合がある。たとえば、インピーダンス292の抵抗378は、25キロオームよりも小さくなるまで減少する場合がある。抵抗378はとても低いので、閉回路とみなされる場合がある。このシナリオでは、システムは、純粋に容量性であり、静電容量302a、302bによって、吸収性物品16の外側から吸収性物品16の内部領域296に駆動される場合がある。位相は純粋に容量性であると近似することができるので、
図61によって示されたように、位相は-90度に戻る場合がある。
【0135】
検知素子284は、上記の段落に記載された、容量検知素子、圧力検知素子、および導電性検知素子と同じ方法で、吸収性物品16の上または中に配置される場合があることも考えられる。検知素子284は、容量検知素子、圧力検知素子、および導電性検知素子と同じ方法で、受信機22、プロセッサ24、および/または送信機26に接続される場合があることも考えられる。プロセッサ24は、任意の適切な方法を使用して、吸収性物品16および/または着用者14のインピーダンスを推定することができる。たとえば、プロセッサ24、および/またはローカルもしくはリモートのコントローラもしくはマイクロプロセッサは、適切な測定を行って、吸収性物品16および/もしくは着用者14のインピーダンス値もしくは特性369、ならびに/または、吸収性物品16の内装のインピーダンス値292を特定し、その結果、下記でより詳細に記載されるように、吸収性物品16内部の水分特性を評価することができる。
【0136】
一態様によれば、吸収性物品16および/または着用者14のインピーダンス369のインピーダンス測定は、導電性プレート290a、290bのうちの1つに交流を印加または注入すること、および導電性プレート290aと290bとの間の電圧を引き出し測定することによって行われる場合がある。次いで、インピーダンスは、測定された電圧信号からインピーダンスの実数成分およびインピーダンスの虚数成分を抽出することによって計算することができる。
【0137】
一態様によれば、吸収性物品16および/または着用者14のインピーダンス369のインピーダンス測定は、導電性プレート290a、290bのうちの一方に交流電圧を加え、他方の導電性プレート290a、290bにおいて電流を測定することによって行われる場合がある。次いで、インピーダンスは、測定された電流信号からインピーダンスの実数成分およびインピーダンスの虚数成分を抽出することによって計算することができる。
【0138】
一態様によれば、交流電圧はデジタルアナログ変換器(図示せず)によって生成される場合がある。デジタルアナログ変換器は、直接デジタル合成コンポーネントからデジタル信号を受け取ることができる。直接デジタル合成コンポーネント信号の周波数は、外部信号によって指定される場合があるか、またはあらかじめ設定される場合がある。直接デジタル合成を利用することにより、交流電圧の周波数は、ソフトウェアを介して選択および修正することができる。
【0139】
一態様によれば、導電性プレート290a、290bの入力電極における電流は、抵抗器の両端の電圧降下を測定することによって測定される場合がある。次いで、測定された電圧は、インピーダンスの実数成分および虚数成分を特定するために使用される場合がある。
【0140】
一態様によれば、インピーダンスの実数成分および虚数成分は、導電性プレート290a、290bの入力電極から測定または導出された電圧のデジタル変換に離散フーリエ変換を適用することによって特定される場合がある。測定または導出された電圧のデジタル変換は、アナログデジタル変換器に測定または導出された電圧を適用することによって取得される場合がある。
【0141】
一態様によれば、インピーダンスの実数成分および虚数成分は、同相検出および直交位相検出を有する同期検出器を利用することによって特定される場合がある。
【0142】
一態様によれば、吸収性物品16および/または着用者14のインピーダンスを特定するために、1つまたは複数の専用コンポーネントが使用される場合がある。インピーダンスを特定するために、このコンポーネントまたはコンポーネントのこのセットを用いて、通信(たとえば、有線またはワイヤレス)が行われる場合がある。
【0143】
吸収性物品16および/または着用者14のインピーダンスにおける変化は、吸収性物品16の上または近傍の湿潤事象の1つまたは複数の特性の推定値を取得するために、監視される場合がある。一態様によれば、
図37に示されたように、複数の電極290a〜290eが監視される場合がある。たとえば、電極290a〜290eのうちのいずれか、いくつか、またはすべてのペアの間のインピーダンスは、吸収性物品16の上または近傍の湿潤事象の1つまたは複数の特性の推定値を取得するために測定および使用することができる。電極290a〜290eの間のインピーダンスは、1つの電極(ソース電極)に振動電流を印加し、次いで、ソース電極と別の電極との間の電圧を測定することによって測定される場合がある。測定されたインピーダンスを使用してインピーダンスマップを生成することができる。インピーダンスマップを使用して、吸収性物品16内の滲出液の体積、吸収性物品16内の滲出液の分布、および吸収性物品16の漏出の可能性を含む、いくつかの湿潤特性を抽出することができる。
【0144】
電極290a〜290eには、たとえば、導電性プレート、心電図電極、導電性布地の帯、導電性ゴム、埋込み型導電性素材(たとえば、クリップ)、導電性インクもしくは導電性ペイント、および/または導電性ポーチが含まれる。電極290a〜290eのうちの1つまたは複数は、吸収性物品16の下面の位置、上、または中に配置される場合がある。たとえば、電極290a〜290eのうちの1つまたは複数は、吸収性物品16に埋め込まれ、かつ/または吸収性物品16の内面に固定される場合がある。代替として、電極290a〜290eのうちの1つまたは複数は、吸収性物品16と一体化される場合がある。5つの電極が示されているが、異なる数の電極が使用される場合があることを理解されたい。その上、電極は、吸収性物品16の様々な領域の被覆を容易にするために、任意の適切なアレイに配列される場合がある。
【0145】
インピーダンス測定値は、湿潤事象の検出/監視を改善するために較正される場合がある。たとえば、インピーダンス測定値は、以下の、吸収性物品16のサイズ、吸収性物品16の製造業者、着用者14の年齢、着用者14の体重、吸収性物品16の厚さ、吸収性物品16と電極のうちの1つもしくは複数との間の距離、および/または着用者14の性別のうちの1つまたは複数に基づいて、較正される場合がある。インピーダンス測定値は、湿潤事象を検出するように構成されていない検知素子(たとえば、圧力検知素子または加速度計)を含む他の検知素子からの入力に基づいて、正規化される場合があることも考えられる。
【0146】
別の態様によれば、インピーダンス検知方法は、導電性プレートまたは電極290a〜290eに多数の周波数を供給することを含む場合がある。物質の反応は周波数とともに変化する場合があり、複数の周波数上のインピーダンスを測定すると、湿潤事象を特徴付けるときに使用され得る追加情報を提供することができる。周波数生成および監視コンポーネントは、たとえば、プロセッサ24の一部の場合があり、かつ/またはマイクロコントローラもしくは他のアナログ回路の形態であり得る。周波数は離散周波数であり得る。インピーダンス検知方法は単一周波数の正弦曲線を用いてインピーダンスを測定することができることも考えられる。
【0147】
容量検知素子に対する干渉を低減するために使用される上述された素子およびステップのうちの1つまたは複数は、インピーダンス検知素子に対する干渉を低減するために使用される場合があることも考えられる。たとえば、干渉源は、脚および/または腕などの他の人体部分の動きおよび近接を含む場合がある。干渉における低減は、1つもしくは複数のインピーダンス検知素子とともに1つもしくは複数の圧力検知素子を使用すること、1つもしくは複数のインピーダンス検知素子とともに加速度計を使用すること、干渉遮蔽を用いて1つもしくは複数のインピーダンス検知素子(および/もしくはそれらの電線)を遮蔽すること、ならびに/または、1つもしくは複数のインピーダンス検知素子(および/もしくはそれらの電線)内の遮蔽層を使用することによって実現される場合がある。
【0148】
一態様によれば、デバイス17は、導電性検知とインピーダンス検知の両方を使用して、それぞれ、導電率測定値およびインピーダンス測定値を取得することができる。たとえば、インピーダンスを測定するために使用される電極290a〜290e(
図37)のうちの1つまたは複数は、導電率を測定するために使用される場合もある。これらの検知技法の1つまたは両方は、吸収性物品16および/または着用者14の存在の上または近傍の湿潤事象の1つまたは複数の特性の推定値を取得するために使用される場合がある。
【0149】
吸収性物品16の飽和レベルおよび/または吸収性物品16内の液体の量は、吸収性物品16のインピーダンス369内の変化、および/または吸収性物品16の内部領域296のインピーダンス内の変化を観測することによって推定される場合がある。吸収性物品16内部の液体の量が増大するにつれて、測定されたインピーダンスは減少する場合があり、アルゴリズムは、インピーダンスを飽和レベルおよび/または流体の体積にマッピングすることができる。追加または代替として、
図39に示されたように、Y軸上のインピーダンス(たとえば、平均インピーダンス)、X軸上の湿潤度(たとえば、流体の体積)、および湿潤度対インピーダンスを示す曲線308を有するグラフ306が生成される場合がある。
【0150】
図40に示されたように、電極290a〜290hは、吸収性物品16の外装の近く、その場所、またはその上の外部領域294内の様々な位置に配置される場合がある。隣接する電極間のインピーダンス310a〜310jは、吸収性物品16の内装296におけるインピーダンスと飽和レベルのマップ316を提供するために特定される場合がある。
図41に示されたように、電極のペアまたは電極線290a、290bの間のインピーダンス311は、1つの電極290a(ソース電極)に振動電流315を印加し、次いで、ソース電極290aと他方の電極290bとの間の電圧317を測定することによって測定される場合がある。飽和レベルのマップ316は、吸収性物品16全体の飽和レベルを特定するために使用される場合がある。吸収性物品16の飽和レベルおよび飽和分布は、インピーダンス310a〜310j内の変化を観測することによって推定される場合がある。
【0151】
マップを生成するためにより少ないかより多い電極およびインピーダンスが使用される場合があり、かつ/または、吸収性物品16の外装294の近く、その場所、もしくはその上に様々なパターンを形成するために、電極が様々な場所に配置される場合があることを理解されたい。たとえば、
図42は、吸収性物品16(たとえば、ブリーフ32)の長さに沿って電極290a〜290dが直線的に配列されたレイアウトを示す。
図43は、吸収性物品16の長さに沿って、吸収性物品16の中心線のそばに極めて近接して4行2列に電極290a〜290hが直線的に配列されたレイアウトを示す。
【0152】
電極のペア間のインピーダンスを測定することによって湿潤が検知される例において発生する可能性がある1つの状況は、吸収性物品16のいくつかの領域が電極ペアによって覆われていない場合があることである。そのため、被覆の欠如に起因して、それらの領域では湿潤が検出されない場合がある。湿潤事象の未検出を最小化するために、電極は遺尿事象に遭遇することが最も起きやすいエリアを覆うように配列される場合がある。
図44は、電極290a〜290lが遺尿事象に遭遇する可能性が最も高いエリアを覆うように配列された例示的なレイアウトを示す。
【0153】
図45は、吸収性物品16の様々な領域またはセグメントS1〜S7に遺尿事象が堆積している可能性の分布を示す棒グラフ300である。セグメントS1〜S7は等しいサイズであり得る。90%以上の遺尿事象カバレージを実現するために、セグメントS2〜S6は電極によって覆われている場合がある。たとえば、吸収性物品16が70cmの長さである場合、90%以上のカバレージは、10cmから始まり、吸収性物品16の長さの最大60cm下まで吸収性物品16を覆う電極に対応する場合がある。
【0154】
電極290a〜290eのうちのいずれかなどのインピーダンス検知電極は、フレキシブルプリント回路基板(PCB)の上に蒸着された導電性素材によって形成される場合があり、容量結合は、フレキシブルPCBに導電性素材を蒸着することによって作成される場合がある。1つのそのような例が
図58によって示され、それは、導電性素材の電極および/または被覆373が吸収性物品16の外装の近傍に位置することができるように、吸収性物品16の外装に置かれたフレキシブルPCB371を示す。たとえば、導電性素材の電極および/または被覆373は、吸収性物品16の下面に隣接または対向する場合がある。一例では、電極373用の導電性素材は、電極373と吸収性物品16との間の小さいギャップを維持するために、デバイス17の外装にプリントされる場合がある。別の例では、電極373は、デバイス17に塗布された導電性接着剤によって形成される場合がある。電極373を形成する導電性素材は、デバイス17および/またはフレックスPCB371の上に蒸着された導体の大きいエリアの形態であり得る。吸収性物品16の外装と同一平面上にある導体373を蒸着することにより、吸収性物品16の内装との静電容量は増やされる場合があり、したがって、吸収性物品16内部の滲出液を検出する感度は増大する場合がある。加えて、電極373を形成する導体と吸収性物品16の外装との間の距離を短縮することにより、静電容量はさらに増やされる場合がある。
【0155】
一態様によれば、かつ
図60に示されたように、構成部品374は、電極373、および吸収性物品16に電極373を接着および/または締結する溶液を示すことができる。電極および接着構成部品374は、コネクタ375の存在を介して、送信機、バッテリ、および/またはプロセッサの構成部品376から分離される場合がある。接着剤溶液上の予期された摩耗に起因して、この配列は、送信機、バッテリ、および/またはプロセッサの構成部品376を完全に廃棄することなく、接着剤溶液が新しいものと取り替えられることを可能にすることができる。
【0156】
一態様によれば、接着剤および/またはファスナの溶液は、
図59Aおよび
図59Bに示された形態であり得る。
図59Aは電極373および接着/締結素材372の解消図を表示する。接着/締結素材372は、フレックスPCB371の上になる場合がある。電極373を接着する接着/締結素材372は、接着剤、不織布素材へのフックなどのうちの1つまたは複数の形態であり得る。接着/締結素材372は、
図59Bに示されたように、フレックスPCB371の上に蒸着される場合がある。
【0157】
電極間のインピーダンスを測定するインピーダンス測定回路の使用とともに発生する可能性がある1つの状況は、回路が他の回路からの干渉を受ける場合があることである。そのため、回路は、実際には、吸収性物品16のインピーダンスだけでなく、たとえば、PCB、電極線、電流発生器、および/または、インピーダンスを測定することに関連する他の電気構成部品のインピーダンスを含む、他の回路のインピーダンスも測定している場合がある。
図46は、(位置305aと位置305bとの間の)測定されたインピーダンス304、電極290a、290b、吸収性物品のインピーダンス369、および他の回路のインピーダンス322を含む、そのような状況の回路図を示す。さらなるインピーダンス322は、吸収性物品16のインピーダンス369を正確に検出/監視することを困難にする場合があり、吸収性物品16のインピーダンス369は、吸収性物品16の内装のインピーダンス292を特定することを困難にする場合がある。追加または代替として、干渉は、寄生容量、直列抵抗、およびシャント抵抗の形態であり得る。
【0158】
吸収性物品16のインピーダンス369は、他の回路のインピーダンス322の影響を除去することができる、測定されたインピーダンス304に数学モデルを適用することによって特定される場合がある。一例では、インピーダンス測定モデルは、
図47に見られるように、他の回路322からの干渉が、電極または電極線290aと290bとの間の寄生容量324、および直列抵抗または直列抵抗値330の形態であり得ると想定することができる。位置305aと位置305bとの間の測定されたインピーダンス304から吸収性物品のインピーダンス369を特定するために、静的較正因子が寄生容量324および直列抵抗330に使用される場合がある。このモデルは、たとえば、
図47から導出された数式に基づいて吸収性物品のインピーダンス369を計算するために、入力として、測定されたインピーダンス304、測定されたインピーダンス304の周波数、寄生容量324、および直列抵抗330を受け取ることができる。
【0159】
発生する可能性がある1つの状況は、寄生容量324および/または直列抵抗330の1つもしくは複数の特性が時間とともに変化する場合があることである。これは、他の回路が吸収性物品16との形状を変化させるのに十分柔軟性があり得る場合、特に顕著であり得る。これにより、通常、寄生容量324に対して高レンジの値をもたらし、吸収性物品のインピーダンス369用の計算における誤差を引き起こす場合がある。したがって、一例では、
図48に示されたインピーダンス測定モデルは、干渉が
図47において参照された同じ形態を取るが、(寄生容量324および直列抵抗330のための)較正因子が、電極または電極線290aの近傍に位置する1つまたは複数の既知のインピーダンス340を測定することにより、(静的ではなく)動的に決定される場合があることを想定することができる。位置305aと305cとの間のインピーダンス304aが測定される場合があり、測定されたインピーダンス304aは、直列抵抗330aおよび寄生容量324aを特定するために、既知のインピーダンス340と比較される場合がある。次いで、直列抵抗330aおよび寄生容量324aに固定倍率を適用することにより、直列抵抗330および寄生容量324が計算される場合がある。次に、測定されたインピーダンス304aが測定される場合があり、決定された較正因子は、吸収性物品のインピーダンス369を計算するために、インピーダンス測定モデルへの入力として使用される場合がある。
【0160】
別の例では、
図49に示されたインピーダンス測定モデルは、その動的較正因子の使用において、
図48に示されたモデルと類似する場合がある。
図49では、寄生容量324bおよび直列抵抗330bなどの較正因子は、位置305dと305eとの間の既知のインピーダンス340を測定することによって決定される場合がある。既知のインピーダンス340の構造および配置は、寄生容量324bおよび直列抵抗330bが寄生容量324および直列抵抗330と類似する場合があるように選択される場合があり、その結果、寄生容量324および直列抵抗330は、単純な倍率を適用すること、または寄生容量324bおよび直列抵抗330bからのマッピングによって計算することができる。1つのそのような例は、電極に接続しておらず、開回路を形成する電極線と直列に走っている2本の並列ケーブルである。これらの2つの開回路線の間のインピーダンスを測定することができ、次いで、それらの間の寄生容量を特定することができる。特定されると、電極を有する電線の寄生容量は、電極をもたない2本の電線と類似する場合があると想定することができる。開回路線の寄生容量を測定することにより、電極を有する電線用の寄生容量推定値は、それらの柔軟性に起因して予想され得る、吸収性物品16および/または基板18の軽微な変形を拒絶することができる場合がある。
【0161】
場合によっては、1つまたは複数の電極が吸収性物品16の外部にある、たとえば、吸収性物品16の下面の上に、またはそれに寄り掛かっている場合、電極は、吸収性物品16の下面からわずかに分離され、静電容量302aおよび/または302bにおける減少のせいで吸収性物品のインピーダンス369が増大する原因となることがある。吸収性物品のインピーダンス369における増大は、吸収性物品の内部インピーダンス292が不正確に測定される原因となる場合がある。この点から見て、そのような分離によって最小限に影響を受ける場合がある、吸収性物品の内部インピーダンス292または吸収性物品の内部インピーダンス292に関する量を測定できることが望ましい場合がある。一例では、吸収性物品16の外装からわずかに分離されている電極に起因する測定に対する影響は、キャパシタおよび抵抗器の直列として吸収性物品のインピーダンスをモデル化することによって軽減される場合がある。
図50は、吸収性物品16の内装のインピーダンス292を特定するために、吸収性物品の静電容量302a、302bが吸収性物品16に結合される、このタイプの例示的なモデルを示す。吸収性物品16、吸収性物品の静電容量302a、302bから分離された電極は、変動する場合がある。吸収性物品の内部インピーダンス292が純粋に抵抗性であると想定される場合、吸収性物品のインピーダンス369の実数成分は、吸収性物品の内部インピーダンス292の抵抗値に等しい場合があり、静電容量302a、302b内の変化は、静電容量302a、302bが純虚数インピーダンスであり得るので、吸収性物品の内部インピーダンス292の測定に影響を及ぼさない場合がある。これは、電極290a、290bの配置および近接度における軽微な変動にかかわらず、水分が加えられたときに減少する場合がある、吸収性物品16の内部抵抗値378をシステムが測定することを可能にすることができるので、好都合であり得る。
【0162】
電極の1つまたは複数のペアの間のインピーダンスが測定されると、吸収性物品16内の水分は、たとえば、飽和割合、推定された流体の体積、および/または遺尿事象を含む性状を特定するために、様々なアルゴリズムを使用して特徴付けられる場合がある。アルゴリズムは、入力として、インピーダンス値、較正因子、および/または環境因子を受け取り、それらに基づいて、前述の性状のうちの1つを計算することができる。一例では、飽和割合および/または流体の体積は、各々の計算されたインピーダンス値をしきい値と比較することによって推定される場合がある。スコアは、比較から生成される場合があり、しきい値を下回る計算されたインピーダンスごとに増分される場合がある。スコアが決定されると、倍率または参照テーブルを使用することにより、スコアに基づいて飽和割合および/または流体の体積を推定することができる。追加または代替として、上述のスコアを、湿潤しきい値が横断されたときを介護者に示す指定されたしきい値と比較することにより、吸収性物品16が湿潤しきい値を超えたという判断が行われる場合がある。湿潤しきい値のスコアは、いくつかの吸収性物品16、吸収性物品16のクラス、介護者の選好、および/または着用者の選好とともに使用するために適応される場合がある。
【0163】
別の例では、飽和割合および/または流体の体積は、各々の計算されたインピーダンス値を複数のしきい値と比較することによって推定される場合がある。インピーダンス値をただ1つのしきい値と比較することによってスコアを生成することの代わりに、複数のしきい値が使用される場合があり、生成されるスコアが複数の比較の結果に基づいて計算される場合がある。
【0164】
別の例では、飽和割合および/または流体の体積は、計算されたインピーダンス値の関数の出力の合計を示すスコアを計算することによって推定される場合がある。関数には、多項式、シグモイド関数、および/または指数関数が含まれ得る。次いで、スコアは、参照テーブルを使用して飽和割合および/または流体の体積にマッピングされる場合がある。下記の式1は、Z
iが計算されたインピーダンスであり、f(Z
i)が関数であるとき、スコアがどのように計算され得るかを記述する。
【0166】
一態様によれば、スコアはインピーダンス値の一般化されたノルムである。指数である場合、nは0から無限大に及ぶ。一般化されたノルムは、インピーダンスをカウントするn=0、インピーダンスを平均化するn=1、および最大インピーダンスを取り込むn=無限大になるように、nを設定することができるという柔軟性を提供する。
【0167】
飽和割合および/または流体の体積を特定するために吸収性物品16の外装にわたる複数のインピーダンス測定値を利用する例示的な配列において発生する可能性がある1つの状況は、吸収性物品16の様々な領域が流体の様々な体積を含むことが可能であり得るということである。そのような配列では、吸収性物品16の様々なエリアの間を区別することは有用であり得る。一態様によれば、スコアは上述された方法のうちの1つまたは複数において計算される場合があり、下記の式2に従って、様々な電極ペアについてのスコアに様々な重み付けが適用される場合がある。その式では、i番目の電極ペアは係数a
iによって重み付けされる場合がある。吸収性物品16の様々な領域が異なる体積の流体を含む事象では、スコアが特定の体積とより密接に相関することができるように、重み付けは選択される場合がある。
【0169】
デバイス17が複数の電極ペアを含む場合、着用者の配置(あおむけに寝ている、横向きに寝ている、うつぶせに寝ている、座っている、または立っている)は、吸収性物品16の様々な領域内の水分量に影響を及ぼす場合がある。一態様によれば、重力ベクトルの方向を特定し、基準系を回転させて着用者の方位を特定することにより、着用者の方位を特定するために、方位検知素子(たとえば、ジャイロスコープおよび/または加速度計)が使用される場合がある。着用者の方位が知られると、吸収性物品16の区画は、方位に基づく体積および/または飽和の推定に対するそれらの寄与を増大/減少させるために、動的に重み付けされる場合がある。
【0170】
電極が吸収性物品16の外部にあり、様々なタイプの吸収性物品16上で使用することができる場合、様々なブランド/タイプの吸収性物品16の性状は、結果に影響する場合がある。そのため、様々なブランド/タイプの吸収性物品16に較正因子が適用される場合がある。較正因子は、アルゴリズムスコアと飽和レベルとの間のマッピング、通知しきい値、および/または吸収性物品16の測定されたインピーダンスによって決定される場合がある。追加または代替として、特定の較正因子は、加えられた一連の既知の水分状態を有する吸収性物品16の値を測定し、次いで、最も正確な結果をもたらす較正因子を選択することによって決定される場合がある。
図51は、較正およびアルゴリズム修正のプロセスがどのように実施される場合があるかの流れ図を示す。較正システムは、吸収性物品に加えられた既知の水分状態を有する、新しい吸収性物品のタイプおよび/またはブランドに対する卓上試験からインピーダンスデータを取得することができる。較正システムからの測定値は、新しい吸収性物品に関連する較正因子および/またはアルゴリズム因子を決定するために、アルゴリズムおよび較正システムによって使用される場合がある。較正因子および/またはアルゴリズム因子が決定および検証されると、次いで、それらは、製造中に最後に使用されるシステムである湿潤検出システムに渡される場合がある。較正システム、アルゴリズムシステム、および湿潤検出システムの各々は、専用の構成要素を共有するか、または有する場合がある。たとえば、較正システムおよびアルゴリズムシステムは、プロセッサを共有する場合があるが、湿潤検出システムは、アルゴリズムシステムによって考案されたアルゴリズムを実装するそれ自体のプロセッサを有する場合がある。一例では、吸収性物品固有の重み付けパラメータは、特定の電極ペア領域に既知の水分状態を加えることによって計算される場合がある。式2において使用されるペアをなす重み付け因子は、次いで、試験期間にわたって最も正確な体積および/または飽和割合の推定値を処理するペアをなす重み付け因子を選択することによって決定することができる。
【0171】
追加または代替として、デバイス17が複数の電極を含む場合、電極(および/またはそれらの関連する電線もしくはトレース)間の寄生容量は、1つのペアのインピーダンスにおける変動を引き起こす場合があり、その変動は別の電極ペア間で測定されたインピーダンスに影響を及ぼし、不正確さにつながる場合がある。これは、近くの電極および電極線がシャント容量(寄生容量)をもたらす可能性があるので、発生する場合がある。電極のペア間のインピーダンスが測定されると、その測定値は並列キャパシタの形態の寄生容量を含む場合がある。電極および電線が移動または湾曲すると、寄生容量値は変化する場合があり、したがって、測定されたインピーダンスも変化する場合がある。インピーダンスを計算し、寄生振動によって引き起こされる干渉を除去する能力は、確度を改善するために有用であり得る。
図52は、測定されたインピーダンス値を取り込み、それらを吸収性物品16のインピーダンス値に変換するように構成されたインピーダンスモデルを示す。モデルは、各々が各々の他の電極に対する寄生容量の格子を有する電極290a、290b、290cの回路網としてシステム10をモデル化することによってこれを実現することができる。電極の各ペアに既知のインピーダンスが加えられる場合がある。次いで、測定値が取り込まれる場合があり、寄生容量324、324cが計算される場合がある。インピーダンスモデルの較正を決定した後、それらの入力は、
図49であるべき
図50に記載されたシステムのより複雑なバージョンを適用することにより、吸収性物品16のインピーダンスを特定するために使用することができる。インピーダンスの測定値が与えられると、吸収性物品のインピーダンス369および369aは、
図52において提供された等価回路を解くことによって解くことができる。一態様は、解が非線形の場合があり、吸収性物品のインピーダンス369および369aについて解くために複数の手法を取ることができる。1つのそのような手法は、インピーダンス369aが測定値であると想定することにより、インピーダンス369の初期値が計算された解法上で繰り返すことである。インピーダンス369aについて同じプロセスがたどられる場合がある。インピーダンス369、369aについての新しい値が特定されると、プロセスは新しいインピーダンスを用いて繰り返される場合がある。次いで、プロセスは、繰返しの間の偏差がある特定のしきい値を下回って減少するまで繰り返される場合がある。
【0172】
漏出検出
場合によっては、遺尿事象が吸収性物品16を外す場合があり、遺尿事象からの流体の体積が吸収性物品16の容量を超える場合があり、かつ/または吸収性物品16がそうでなく漏出する場合がある。漏出は、通常、着用者のベッドの上のシーツの交換、またはさらなる清掃を必要とする。漏出を検出する能力は有用であり得る。一例では、検知素子20のうちの1つまたは複数は、直接接触によって漏出からの水分を検出するために、吸収性物品16の外装上の結合用に構成された導電性湿潤検知素子であり得る。導電性湿潤検知素子は、
図33A〜
図33C、
図34A〜
図34D、
図35A〜
図35Dに示された導電性検知素子と類似する場合がある。
【0173】
配置監視
一態様によれば、検知素子20のうちの1つまたは複数は、システム10が着用者の配置を監視するために使用され得るように構成される場合がある。着用者の配置データは、介護者12に関連情報を提供するために、(たとえば、受信機22、プロセッサ24、送信機26、および/またはサーバ30を介して)検知素子20からユーザインターフェース32に通信される場合がある。たとえば、一態様では、システム10は、配置監視を活用して床擦れの発症を低減または防止することができる。通常、施設の居住者または年長者などの着用者は、床擦れの発症を防止するために回転させられる場合がある。システム10は、たとえば、介護者12に適切な通知を与えることにより、回転させる被験者の管理および最適化に役立つことができる。
【0174】
その検知素子20の一部として、システム10は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、および他の適切な検知素子のうちの1つまたは複数の任意の組合せを利用して、着用者14の配置を監視することができる。そのような検知素子は、たとえば、上述された容量検知素子、導電性検知素子、およびインピーダンス検知素子によって占有される位置のうちのいずれかに設けられる場合がある。代替として、検知素子は、吸収性物品16、着用者14、または着用者14の近傍の機器に、別々に設けられ、固定される場合がある。追加または代替として、着用者14の配置を監視するために、撮像技法が利用される場合がある。いくつかの例示的な撮像技法には、カメラ、赤外線カメラ、および超音波の使用が含まれる。
【0175】
着用者14の配置を監視することにより、介護者12は、床擦れの発症を防止するために着用者14を再配置する必要性を識別することができる。着用者の配置および/または再配置を検出する能力は、着用者14への介護の提供を最適化する役割を果たすことができる。一例では、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、および/または他の適切な検知素子のうちの1つまたは複数は、たとえば、居住者の配置および移動を検出することにより、着用者14の配置を監視するために使用される場合があり、たとえば、ユーザインターフェース32を介して、介護者12にこの情報を通信することができる場合がある。この情報を使用して、介護者12は、着用者14がいつ再配置されるべきか、または着用者14がいつ独りきりにされるべきかを識別することができる場合がある。そのため、介護者12が再配置するために着用者を不必要に起こす可能性がある状況が回避され、このようにして、不必要な睡眠妨害の発生を低減することができる。追加または代替として、介護者12は、着用者14を再配置することを思い出させられる場合がある。そのため、床擦れを発症する着用者のリスクを増大させる、介護者12が着用者14を再配置することを忘れる場合がある状況が回避され、このようにして、着用者14が同じ配置にて過剰な時間期間を過ごす可能性を低減することができる。
【0176】
着用者の方位を検出するために加速度計が使用される場合、場合によっては、着用者14の一時的な動きは、着用者の方位の検出を妨害するか、またはそれに干渉する場合がある。そのような妨害/干渉を軽減するために、一時的な動きを拒絶する方位検出アルゴリズムが使用される場合がある。一例では、方位検出アルゴリズムは、信号静止期間の後に着用者の方位を検出することができる。たとえば、加速度のベクトル和の大きさが(使用中の加速度計の誤差を受ける)9.8m/s/sの+/-10%である5秒後に、加速度ベクトルは下向きとして取ることができ、着用者の方位は、その基準系に基づいて計算することができる。この技法は、静止しているとき、加速度計が重力加速度を測定することを想定する。
【0177】
方位情報は介護者12に通信される場合があり、その結果、介護者12は、着用者14を着替えさせるとき、またはそうでなく着用者14に介護を与えるときの自分のワークフローを改善することができる。方位情報は、着用者14が自分の現在の方位において過ごした時間、および/または経時的な着用者の方位の履歴の形態で介護者12に与えることができる。
【0178】
転倒検出
別の態様によれば、着用者の配置を監視するための上述された検知素子20のうちの1つまたは複数は、転倒が発生したかどうか、およびいつ転倒が発生したかを監視するために使用される場合がある。たとえば、検知素子信号のいずれかがあらかじめ決定された範囲外の値になった場合、および/または検知素子信号のいずれかの変化率があらかじめ決定された範囲外の値になった場合、そのような発生は転倒を示す場合がある。追加または代替として、上述された撮像技法のうちの1つまたは複数は、個人の状態を監視し、いつ転倒が発生したかを特定するために利用することができる。転倒を検知すると、通知がユーザインターフェース32に送られる場合があり、その結果、介護者12は適切なアクションを取ることができる。
【0179】
位置監視
別の態様によれば、システム10は、着用者の位置を監視するために使用される場合がある。着用者の位置を監視することは、介護者のワークフローを計画するために、かつ/または着用者14が迷子になるか、または立入禁止区域に入ることを防止するために有用であり得る。一例では、デバイス17は、着用者14が着用する場合があり、Wi-Fiネットワークおよび/またはBluetooth(登録商標)ネットワークを利用して、既知および/または固定のWi-Fi送信機および/またはBluetooth送信機に対する着用者14の位置を特定することができる、送信機26などの1つまたは複数の構成要素を含む場合がある。たとえば、着用者14の位置は、デバイス17と既知/固定の送信機との間の1つまたは複数の通信の特性に基づいて、特定することができる。追加または代替として、着用者14の状態を監視し、着用者14の位置を特定するために、撮像技法が利用される場合がある。いくつかの例示的な撮像技法には、着用者14を位置特定および/または追跡するカメラ、赤外線カメラ、および超音波の使用が含まれる。位置は、ユーザインターフェース32を介して介護者12に通信される場合がある。
【0180】
排便検出
場合によっては、介護者12が湿潤事象を通知され得る場合でも、介護者12は、依然排便について吸収性物品16をチェックする必要があり得る。そのような場合、システム10が排便を検出することは有用であり得る。検知素子20のうちの1つまたは複数は、排便を検出するように構成される場合がある。そのような検知素子は、水分に加えて排便を検出できることも考えられる。代替として、排便を検出するための別個の検知素子および水分を検出するための別個の検知素子が設けられる場合がある。排便を検出するための検知素子の1つのタイプは、メタン検知素子である。メタン検知素子は、メタンの存在を検出し、メタンレベルを排便の存在を示すしきい値と比較することにより、吸収性物品16の中、その場所、またはその近くの排便の存在を推論することができる。メタン検知素子の感度に応じて、吸収性物品16内にかなり大きい糞便が存在しなくても、小さい排便または他の身体機能がメタン検知素子をトリガする場合がある。かなり大きい排便を小さい排便から区別するために、または誤検出を回避するために、システム10は、かなり大きい排便と小さい排便/誤検出との間を区別することができる排便検出アルゴリズムを実行することができる。たとえば、アルゴリズムは、メタンの存在に対する検出しきい値ならびに時間しきい値の両方を利用することができる。排便検出は、メタンの存在がある特定の時間の間ある特定のしきい値を超えた後に発生する場合がある。
【0181】
ダウンストリームシステム機能
図1に示されたように、システム10は1つまたは複数の受信機22を含む場合がある。受信機22は、1つまたは複数の電線または他の導体を介して、検知素子20に結合された任意の適切な電子デバイスを含む場合がある。受信機22は、検知素子20と通信するように構成される場合がある。たとえば、受信機22は、検知素子20から検知素子データを受信および/または収集することができる。受信機22は、(たとえば、デバイス17の一部として)吸収性物品16の上、着用者14の近く、または着用者14の上に配置される場合がある。
【0182】
システム10は、1つまたは複数のプロセッサ24および送信機26を含む場合もある。プロセッサ24は、受信機22から、または、1つもしくは複数の電線もしくは他の導体を介して検知素子20から直接、検知素子データを受信するように構成される場合がある。プロセッサ24は、受信された検知素子データの少なくとも何らかの初期処理を実施することができ、それに基づいてサーバ30に1つまたは複数の信号を送ることができる。容量検知配列、導電性検知配列、および/またはインピーダンス検知配列に、同じ受信機22、プロセッサ24、および送信機26が使用される場合があることが考えられる。
【0183】
一例では、受信機22、プロセッサ24、および送信機26は、
図53A〜
図53Dに示された筐体358内で一体化されるか、または筐体358内に包含される場合がある。筐体358は、コネクタ364のプラグ361を受けるように構成されたポート360を含む場合があり、コネクタ364は、検知素子20のうちの1つまたは複数に接続される場合がある。筐体358は、基板18のいずれかに固定される場合がある。たとえば、筐体358は、基板18のいずれかのポケット内に配置される場合がある。筐体358は、デバイス17に電力供給するための電源(たとえば、バッテリ)362を包含する場合もある。バッテリ362は、たとえば、再充電可能な100mAHのLiPoバッテリを含む場合がある。
【0184】
プロセッサ24は、Arduino基板などの任意の適切な基板またはマイクロコントローラプラットフォームを含む場合がある。送信機26は、WiFiチップ、または任意の他の適切な電子送信機を含む場合がある。送信機26は、Bluetooth、3G、4G、および/またはWiFiなどの任意の適切な形態のワイヤレス通信を介して、インターネット上のサーバ30に信号を送ることができる。
【0185】
プロセッサ24は、毎秒10回などのあらかじめ決定された間隔で、デバイス17内の回路の活動をチェックすることができる。一例として導電性検知配列を使用すると、湿潤事象が発生したとき、2片の導電性布地にわたる抵抗値は低減され、プロセッサ24内のアナログデジタル変換(ADS)の両端間の電圧における変化につながる場合がある。電圧変化(信号)は、0〜1023の間の数(n1)に変換される場合がある。プロセッサ24は、n1、n2、n3、…、n600(毎分60秒による毎秒10回)を加算して、1分ブロックごとに移動和を作成し、この値(N)を記憶することができる。プロセッサ24は、15個の1分ブロックの間、移動和を記憶することができる。プロセッサ24は、(別個の回路の接続を介して特定され得る)15分の期間にわたるプラグ状態およびアクティブプラグ状態における変化を記憶することができる。プロセッサ24は、送信機26をアクティブ化して、WiFiを介して15分ごとに、検知素子データおよびプラグ状態データをサーバ30に送りつけることができる。WiFiがダウンした場合、プロセッサ24は、さらなる15分間隔の間、データを記憶し続けることができる。プロセッサ24が監視することができるADC変換、LED、および検知素子接続回路は、外部プリント回路基板(PCB)に依拠する場合がある。
【0186】
プロセッサ24は、入力として検知素子データを使用して、上述されたモデルおよびアルゴリズムのうちの1つまたは複数を実行して、湿潤事象を特徴付けることができる。プロセッサ24は、送信機26を介して、サーバ30および/またはユーザインターフェース32に出力信号を送って、1つまたは複数の基準に基づいて介護者12に通知することができる。たとえば、吸収性物品16がある特定のしきい値に達したときに通知が送られる場合があるか、または吸収性物品16内で漏出が発生する機会が高い(たとえば、あらかじめ決定されたしきい値を上回る)ときに介護者12が通知される場合がある。代替として、モデルおよび/もしくはアルゴリズムまたはその部分は、サーバ30に実装される場合がある。言い換えれば、プロセッサ機能は、着用者14上のプロセッサ24とサーバ30との間で分散される場合がある。
【0187】
図54A〜
図54Cに示された例では、デバイス17a〜17eとサーバ30との間の通信は、1つまたは複数のブリッジ367a〜367eを介して行われる場合がある。デバイス17a〜17eは、互いに、かつ/またはBluetoothを使用してブリッジ367a〜367eのうちの1つもしくは複数と通信することができる。たとえば、デバイス17a〜17eのうちの1つまたは複数の受信機22は、Bluetoothを介して他のデバイス17a〜17eのうちの1つまたは複数の送信機26からデータを受信することができる。デバイス17a〜17eのうちの1つまたは複数の送信機26は、Bluetoothを介してブリッジ367a〜367eのうちの1つまたは複数にデータを送信することができる。次いで、ブリッジ367a〜367eのうちの1つまたは複数は、WiFi、3G、4G、および/または別の適切なネットワーク通信プロトコルを使用して、サーバ30と通信することができる。ブリッジ367a〜367eの各々は、たとえば、デバイス17a〜17eと通信するBluetoothドングル、およびインターネットにリンクするWiFiドングルを含む場合がある。ブリッジ367a〜367eは、着用者14が固定位置または移動位置に居住する施設のまわりの位置に置かれる(すなわち、着用者14または着用者14によって使用される機器に取り付けられる)場合がある。デバイス17a〜17eは、Bluetoothスキャンを実行してブリッジ367a〜367eを探索することができ、利用可能なブリッジへの接続を開始することができる。接続が開始されると、デバイス17a〜17eは、利用可能なブリッジからの確認応答後、データを送信/解放することができる。
【0188】
図54Aに示されたように、デバイス17a〜17cは、ブリッジ367aの範囲内にあるデバイス17cにメッセージが到達するまで、互いに通信することができる。ブリッジ367aは、デバイス17a〜17cからのメッセージがサーバ30に到達するための導管として働くことができる。代替として、
図54Bに示されたように、デバイス17の各々は、それ自体のブリッジ367a〜367eを介してサーバ30と通信することができる。代替として、
図54Cに示されたように、デバイス17は、散在するブリッジ367a〜367eの範囲内にあるデバイス17のうちの1つまたは複数にメッセージまたは信号が到達するまで、Bluetoothを介して互いに通信することができる。次いで、メッセージは、ブリッジ(ブリッジ367a〜367cのいずれか)に渡され、サーバ30に渡される場合がある。車椅子または他の機器上のポケット内に置かれたバッテリ電源式ブリッジの形態で、モバイルBluetooth〜WiFiブリッジが設けられる場合があることも考えられる。
【0189】
サーバ30は、直接またはブリッジ367a〜367eを介して、送信機26から1つまたは複数の信号を受信することができる。サーバ30は、上述されたアルゴリズムおよび/またはモデルの一部を実行することもできる。追加または代替として、サーバ30は、受信機22、プロセッサ24、および/または送信機26によって記録された1分平均を処理することができ、データを表示し、適切なときは、テキストメッセージまたは他の適切な警告を介して介護者12に通知することができる。
【0190】
サーバ30は、たとえば、たとえばAmazon AWSをホストとしたプロキシサーバ、データストレージ、可視化、信号を監視すること、および/またはアクションが必要とされ得るときに介護者に通知することのためのMeteorJSサーバなどの、1つまたは複数の構成要素を含む場合がある。データストレージ、可視化、信号を監視すること、および/または通知することは、複数のMeteorJSサーバにわたって分離される場合があることも考えられる。プロキシサーバに対して行われる要求は、MeteorJSサーバに転送される場合がある。デバイス17は、(送信機26から)プロキシサーバに対する要求を行うことができ、それらはMeteorJSサーバに転送される場合がある。
【0191】
サーバ30がデバイス17からの要求を受信すると、それは下記に概説されるステップに従うことができる。サーバ30は、生の、および/または処理された検知素子データを受信することができる。サーバ30は、データをイベントに処理することができる。イベントは、時間の関数としてグラフ上にプロットされる場合がある。新しくプロットされた値は、平衡状態が存在するかどうか(たとえば、4分間隔にわたって、互いのあらかじめ決定された範囲内に値があるとき)を判定するために、互いに、かつ最後の15分間のデータからの値と比較される場合がある。
図55は、サーバ30上のデータの可視化を示し、そこでは、移動和ライン380はプロセッサ24によって計算された移動平均を示し、センサ接続ライン382は検知素子接続の状態を示し、ヘルスチェックドット384はデバイス17がサーバ30に対して要求を行ったポイントを示し、しきい値ドットはプラグを入れた、またはプラグを抜いた検知素子に関する状態の変化を示し、センサ接続状態ドット386は要求が行われたときに検知素子のプラグを入れているか抜いているかを示し、「交換してください(change me)」は、たとえば、吸収性物品16の交換を要求する介護者12への通知の例である。
【0192】
追加または代替として、サーバ30は、処理された一連のイベントを取り込み、検知素子信号が安定している場合がある平衡状態または平衡領域を探索することなどのタスクを実施することができる。平衡領域は、数分にわたって限定された偏差に遭遇する検知素子信号の領域を探すことによって判定される場合がある。ユーザが吸収性物品16に排尿したとき発生する信号値内のピークに起因して、体積は平衡値のみから計算される場合がある。排尿後すぎに生成されたピーク値は、通常高く、排尿事象のサイズに関係しない場合がある。平衡値から体積を計算することにより、これらのピークが除去される場合がある。
【0193】
いくつかの数のイベントの間に平衡状態が存在する場合、平衡状態が存在する間の時間間隔の最初のイベントは、吸収性物品16用の対応するしきい値を参照するために使用される場合がある(移動平均のタイプのイベントの値と吸収性物品のしきい値との間のマッピングは、
図56に示された例示的なグラフ368および曲線370の形態の、線形補間を使用して生成された例示的な参照テーブルを用いて経験的に決定される場合がある)。グラフ368を生成するために使用されるデータポイントは、一連の吸収性物品16内で排尿すること、および各排尿後それらを重み付けすることによって収集される場合がある。収集されたデータは、いくつかのブランドおよびタイプの吸収性物品16にまたがる場合がある。検知素子信号が体積に変換されると、変換された体積があらかじめ決定された、かつ/またはあらかじめ設定されたしきい値を超える場合、サーバ30は介護者12にテキストメッセージまたは他の通知を送ることができる。
【0194】
ユーザインターフェース32は、介護者12と通信するために使用される場合がある。ユーザインターフェース32は、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、および/または他の電子機器上のディスプレイを含む、介護者12に情報を通信するための任意の適切なディスプレイを含む場合がある。ユーザインターフェース32は、介護者12に情報を通信するために、スピーカ、または任意の他の適切な音声発生デバイスを含む場合もある。ユーザインターフェース32が伝達することができる情報には、着用者14の湿潤状態、タスクを実施する警告、ならびに/または、着用者14および/もしくはシステム10についての一般データが含まれ得る。一例では、ユーザインターフェース32が伝達することができる情報は、着用者14が着替えさせられるべきかどうか、吸収性物品16からの漏出が発生したかどうか、吸収性物品16からの漏出が発生する可能性があるかどうか、および/または着用者14が用便させられるべきかどうかの1つまたは複数の指示を含む場合がある。
【0195】
ユーザインターフェース32は、上述された機能を実施するために、電子アプリケーションまたは他のソフトウェアによって制御される場合がある。たとえば、デバイス17からサーバ30によって受信されたデータ内で識別されるあらかじめ決定された基準に基づいて、たとえば、通知は、ユーザインターフェース32上に現れるようにサーバ30によって準備される場合がある。一例では、ユーザインターフェース32にテキストメッセージの形態で通知を送るために、Twilioアプリケーションプログラムインターフェース(API)が使用される場合がある。通知は、プッシュ通知、呼び鈴システムと統合された通知、電話呼、および/または介護システムのポイントとの統合通知の形態でもあり得る。通知は、様々な理由で、かつ様々な形態で送られる場合がある。たとえば、通知は、吸収性物品16が容量一杯に近づいたときに送られる場合がある。すなわち、推定された体積が吸収性物品16および/または着用者14についての何らかの決定された最大体積を上回るときである。通知は、たとえば、介護者12によって搬送された、ユーザインターフェース32がその一部である電子デバイスに送られた、視覚警告、聴覚警告、または触覚警告を含む場合がある。追加または代替として、警告は着用者の近傍にある機器に送られる場合がある。追加または代替として、デバイス17は、警告を通信するための光源および/または音声発生器などの、1つまたは複数の警告構成要素を含む場合がある。
【0196】
図57A〜
図57Dは、たとえばAPIを使用してユーザインターフェース32に通知が送られることで終わる例示的なシステムフローを示す。
図57Aに示されたシステムフローは、湿潤事象を検知し、受信機22に信号を送るセンサ20と、処理して干渉を低減するためのプロセッサ24に信号を送る受信機22と、送信機26(たとえば、WiFiチップ)に信号を送るプロセッサ24と、(たとえば、インターネットを介して)サーバ30に信号を送る送信機26とを有する。サーバ30は、信号を受信し、体積推定のため(および/または湿潤事象の他の特性を識別するため)に信号に対して1つまたは複数のアルゴリズム/モデルを実行し、ユーザインターフェース32を介して介護者12に通知を送ることができる。
図57Bに示されたシステムフローは、干渉を低減するための処理がデバイス17上ではなく、サーバ30上で行われる場合があるという点で、
図57Aに示されたシステムフローとは異なる。
図57Cに示されたシステムフローは、体積推定などのための処理がサーバ30上ではなく、デバイス17上で行われる場合があるという点で、
図57Aに示されたシステムフローとは異なる。
図57Dに示されたシステムフローは、サーバ30が除外されているという点で、
図57Aに示されたシステムフローとは異なる。
【0197】
ワークフロー強化
システム10は、着用者14に介護を提供する介護者12の能力を強化することができる。たとえば、介護者12は、ユーザインターフェース32を利用してシステム10内のデータにアクセスし、着用者14を起こす前に、夜間の着用者の湿潤状態をチェックすることができる。介護者12は、通知を受信することにより、または自分自身の意志で、チェックするように促される場合がある。
【0198】
システム10も、介護施設環境における介護者のワークフローを強化するために使用される場合がある。ワークフロー強化には、たとえば、着用者14を非同期的にチェックおよび/または着替えさせること、着用者の介護を優先順位付けすること、ある特定の着用者14に必要な介護活動を決定すること、介護者12が一連のチェックを実行するべきときを決定すること、どの着用者14が一連のチェックに含まれるべきかを判断すること、ならびに他の強化が含まれ得る。たとえば、システム10は、着用者の吸収性物品16が容量に達し、交換を必要とするときに介護者12に通知することができる。通知は、検知素子20および/またはプロセッサ24からの値が飽和割合のしきい値、体積のしきい値、静電容量のしきい値、および/またはインピーダンスのしきい値に達すると、介護者12に送られる場合がある。通知は、介護者12が自分の活動を続けることを可能にするように、交換の直後は延期される場合がある。たとえば、直近の交換の後設定された数分だけ、自動通知が遅延される場合がある。
【0199】
介護者のワークフローを強化するために、システム10は、どのタイプの介護が施されるべきかを判断するために有用であり得る情報を介護者12に与えることができる。介護のタイプには、限定はしないが、着用者の吸収性物品16をチェックすること、着用者の吸収性物品16を交換すること、着用者14にバリアクリームを塗布すること、着用者14を目視チェックすること、および着用者14を用便させることが含まれ得る。システム10は、着用者の位置、直近の交換、飽和割合、液体の体積、吸収性物品16が濡れた状態で過ごした継続時間、吸収性物品の容量、経時的な液体の体積の総量、および/または着用者の皮膚の完全性に関する情報を与えて、介護を施すことに関する判断を行うことで介護者12を支援することができる。たとえば、システム10は、介護者12が着用者14に対して施すべき介護のタイプを推奨することができる。この自動的な介護タイプ決定は、介護者12までの着用者の距離の加重和、直近の交換からの時間量、飽和割合、液体の体積、吸収性物品16が濡れた状態で過ごした継続時間、吸収性物品の容量、および/または経時的な液体の体積の総量を加算することにより、着用者14ごとに費用を計算する重み付け費用関数を開発することに基づく場合がある。一例では、着用者の吸収性物品16をチェックすることは、費用関数が所与のしきい値を超えるときに示唆される場合がある。着用者の吸収性物品16を交換することは、費用関数が別の所与のしきい値を超えるときに示唆される場合がある。
【0200】
システム10、および/またはシステム10を使用する介護者12は、システム10内のデータを使用して、介護者のワークフローを最適化するように試みることもできる。介護者のワークフローの最適化は、介護者のタスクの順序、および/または着用者14に提供される介護の程度を変更することを含む場合がある。最適化用のステップは、検知素子20を用いて1つまたは複数の吸収性物品16の湿潤状態および/または湿潤事象を監視することと、プロセッサ24および/またはサーバ30を用いて湿潤状態および/または湿潤事象を処理することと、ユーザインターフェース32を介して1人または複数の介護者12に前記処理された湿潤状態および/または湿潤事象を通信することとを含む場合がある。ユーザインターフェース32は、吸収性物品16のある特定の着用者14が他の着用者14よりも介護を受ける優先順位が高い状態にあり得ることを通信することができる。着用者14の優先順位は、上述されたあらかじめ決定された数学モデル/アルゴリズムのいずれかによって生成され得るスコアによって着用者14をランク付けすることによって決定される場合がある。着用者14の優先順位は、たとえば、検知素子20のうちの1つまたは複数によって識別された、着用者14および/または吸収性物品16の1つまたは複数の特性の関数であり得る。
【0201】
最適化の一部として、システム10は、介護者12が着用者14に介護を提供することを優先順位付けするために使用することができる情報を介護者12に与えることができる。与えられる情報は、着用者の位置、直近の交換、飽和割合、液体の体積、吸収性物品16が濡れた状態で過ごした継続時間、吸収性物品の容量、経時的な液体の体積の総量、および/または着用者の皮膚の完全性に関する場合がある。一例では、システム10は、交換および/またはチェックを必要とする着用者14を優先することができる。自動的な優先順位付けは、介護者12までの着用者の距離の加重和、直近の交換からの時間量、飽和割合、液体の体積、吸収性物品16が濡れた状態で過ごした継続時間、吸収性物品の容量、および/または経時的な液体の体積の総量を加算することにより、着用者14ごとに費用を計算する重み付け費用関数を開発することによって行われる場合がある。
【0202】
追加または代替として、ユーザインターフェース32は、ある特定の吸収性物品16に関連付けられた着用者14がある特定のタイプの介護を必要とする場合があることを通信することができる。通信される介護のタイプには、限定はしないが、吸収性物品16の状態をチェックすること、または吸収性物品16を交換することが含まれ得る。通信される介護のタイプは、上述されたあらかじめ決定された数学モデル/アルゴリズムのいずれかによって生成され得るスコアにしきい値を適用することによって決定される場合がある。たとえば、通信される介護のタイプは、検知素子20のうちの1つまたは複数の1つまたは複数の特性の関数であり得る。
【0203】
従来の方法を使用すると、介護者12は、遺尿事象履歴に基づいて着用者14のための用便プランを作成することができる。そうするためのプロセスは、排尿日誌を作成することと、着用者14が失禁を発症する前に用便させられるべき1日を通した回数を示唆することとを含む場合がある。通常、そのような用便プランは、72時間の評価期間にわたって作成される場合がある。発生する可能性がある1つの状況は、排尿パターンが時間とともに変化するにつれて用便プランが非効率になる場合があることである。一態様によれば、システム10は、介護者12(たとえば、看護師、看護主任、および/または管理者)が用便プランを手作業で作成することができるように、介護者12に排尿日誌を与えることができる。その上、排尿日誌は、システム10がデータを収集するにつれてリアルタイムで更新される場合があり、このようにして、それらの確度、およびそれらに基づく用便プランの確度を保証する。
【0204】
追加または代替として、システム10は、介護者12が着用者14を用便させ、吸収性物品16の中への遺尿事象を回避することができるように、遺尿事象を自律的に予測するように試みることができる。これを実現するために、システム10は、たとえば、遺尿事象履歴、最後の遺尿事象からの時間、最後の遺尿事象の大きさ、および/または水分摂取履歴を含む、一連の入力に1つまたは複数のアルゴリズムを適用することができる。遺尿事象データの時系列に機械学習アルゴリズムを適用することにより、遺尿事象が予測される場合があることも考えられる。遺尿事象ごとに、特徴は、以前の遺尿事象のアレイ(時間およびサイズ)、以前の水分摂取のアレイ(時間およびサイズ)、ならびに人口統計情報を含む場合がある。遺尿事象履歴を調べることにより、遺尿事象が予測される場合があることも考えられる。以前の日および週から収集されたデータが与えられると、排尿の最可能時間を判断するために、教師なし機械学習が適用される場合がある。
【0205】
ユーザインターフェースの流れ図
図63は、着用者(居住者)14のためにシステム10を介して実施され得るステップを有する例示的なプロセス
図400を示す。
図400において、「SI」は「センサ主導型」の省略表現であり、「CII」は「介護者iPad(登録商標)主導型」の省略表現であり、「SIA」は「サーバ主導型(自律型)」の省略表現であり、「TM」は「システムスタッフに送られるテキストメッセージ」の省略表現であり、システムスタッフはシステム10を操作するための責務を有する要員を指す。ステップ402で、サーバ30は、着用者14が着用する吸収性物品16の交換をログ記録することができる。ステップ404で、システム10は、サーバ30の起動時に、着用者14の状態を乾いていると設定することができる。
【0206】
ステップ406で、システム10は、センサ20の起動時に、上述されたセンサ20、モデル、およびアルゴリズムのいずれかを使用して、(非湿潤状態の後に)着用者14が濡れていると判断することができる。この判断に関して、システム10によってテキストメッセージがシステムスタッフに送られる場合がある。ステップ408で、システム10は、同様にセンサ20の起動時に、着用者14の状態を湿潤と更新/設定することができる。ステップ410で、サーバ30の起動時に、着用者14が濡れていることの通知が作成される場合がある。ステップ412で、システム10は、介護者12が介護者のiPadまたは他の適切なコンピューティングデバイス上のユーザインターフェース32を操作することにより(たとえば、タッチすること、クリックすることなどにより)、湿潤通知に対してスヌーズボタンを押し、それによって、30分間通知をリセットまたはオフにすることを認識することができる。ステップ414はステップ412と同様であり得るが、時間期間は30分ではなく15分であり得る。スヌーズ機能の介護者の使用に関して、システム10によってテキストメッセージがシステムスタッフに送られる場合がある。ステップ416で、スヌーズ機能に関連付けられた時間期間が満了し、プロセスは、作成されるべき別の湿潤通知のために、ステップ410に戻ることができる。ステップ418で、システム10は、介護者12が着用者14を着替えさせ、それによって、介護者12がそれに応じてiPadを操作することによって湿潤通知を解消することを認識することができる。湿潤通知が解消されることで、プロセスは終了するか、またはステップ402に戻ることができる。
【0207】
ステップ420で、システム10は、センサ20の起動時に、上述されたセンサ20、モデル、およびアルゴリズムのいずれかを使用して、(乾燥状態の後に)着用者14が湿っていると判断することができる。この判断に関して、システム10によってテキストメッセージがシステムスタッフに送られる場合がある。ステップ422で、システム10は、同様にセンサ20の起動時に、着用者14の状態を湿気と更新/設定することができる。ステップ424で、サーバ30の起動時に、着用者14についての少なくとも1つの湿気通知が作成される場合がある。ステップ426で、システム10は、介護者12が湿気について着用者14をチェックし、それによって、介護者12がそれに応じてiPadを操作することによって湿気通知を解消することを認識することができる。湿気通知が解消されることで、プロセスは終了するか、またはステップ402に戻ることができる。ステップ410における湿潤通知の作成は、湿気通知を解消することもできる。
【0208】
図64は、介護者12のためにシステム10を介して実施され得るステップを有する例示的なプロセス
図428を示す。各介護者12は、複数の着用者14(居住者)の必要に対処する任務を負う場合がある。ステップ430に関して、システム10は、着用者14のうちの1人または複数のためのスヌーズされていない湿潤通知を作成する(たとえば、
図63のステップ410を参照)ことができる。システム10は、ステップ432において、介護者12が未処理の湿潤通知を有する任意の着用者14を有するかどうかを判定することができる。そうである場合、システム10は、ステップ434において、介護者12に対するプッシュ通知を作成/送信することができる。プッシュ通知は、介護者のiPadのユーザインターフェース32に現れる場合がある。ステップ436で、システム10は、介護者12が湿潤通知を解消する(たとえば、
図63のステップ418を参照)ために、ある時間期間(たとえば、5分)の間待つことができる。時間期間が経過した後、システム10はステップ432に戻り、湿潤通知をチェックするループを効果的に実行し、プッシュ通知を送り、湿潤通知が解消されるまで介護者のアクションを待つことができる。
【0209】
ユーザインターフェースの使用方法
図65〜
図78は、iPadスクリーン500からのスクリーンショットを示す。
図65は、システム10と動作可能に通信しているアプリケーション用のアイコン504を有するホームスクリーン502を示す。介護者12は、アイコン504をクリックしてアプリケーションを起動することができる。アプリケーションが起動されると、
図66に示されたように、ログインスクリーン505が現れる。介護者12は、ドロップダウンメニュー506を使用して自分の名前を選択し、パスワードフィールド508に自分のパスワードを入力することができる。次いで、介護者12は、ボタン510をクリックすることによってログインすることができる。これにより、介護者12は
図67に示されたアプリケーションのホームスクリーン512に連れて行かれる。ログインすると、GNAは、着用者14(居住者)の名前および/または位置513、ならびに着用者14の状態を見ることができるホームスクリーンに連れて行かれる。着用者14についての情報は、介護者12に伝達される場合がある。たとえば、1つまたは複数のインジケータ514は、着用者14が乾いているか、湿っているか、または濡れているか(0個の青い水滴は居住者が「乾いている」ことを意味し、1個の青い水滴は居住者が「湿っている」ことを意味し、3個の青い水滴は居住者が「濡れている」ことを意味する)を介護者12に教えることができる。居住者のまわりのボックス516は、まだスヌーズされていない、その居住者のための交換通知が存在する(
図63、
図64)ことを意味する。
【0210】
自分の着用者14に関するより多くの情報を見るために、介護者は着用者14をクリックすることができ、それにより、着用者の状態などのさらなる情報(たとえば、着用者が「濡れている」か、「湿っている」か、または「乾いている」か、いつ着用者の状態が最後に変化したか、およびそれはどのくらい前だったか、最後の交換時間およびそれはどのくらい前だったか、ならびに最後のチェック時間およびそれはどのくらい前だったか)を有するドロップダウンウィンドウまたはドロップダウンメニュー518が現れる場合がある。チェック時間は、交換後それが行われた場合のみ表示される場合がある。最後の交換よりもさらに時間を遡る場合があるチェックは、表示されない場合がある。
【0211】
交換通知をスヌーズするために、介護者12は、それぞれ、15分または30分の間通知を送ることからアプリケーションをスヌーズする、「Snooze 15」または「Snooze 30」と標示されたボタン520、522を押すか、またはクリックすることができる。スヌーズボタンが押されると、
図69に示されたように、スヌーズボタン520、522が消える場合がある。スヌーズボタン520、522は、15分または30分が経過した後、再び現れる場合がある。
【0212】
着用者14が湿っているとき、介護者12はプッシュ通知を受信しない場合がある。しかしながら、介護者12がホームスクリーン512をチェックした場合、介護者12は1つの青い水滴を有する湿った着用者14を見る。介護者12がその着用者14をクリックした場合、
図70に示されたように、介護者12は、「チェック」ボタン524をクリックするオプションを提示される場合がある。介護者12がチェックボタン524をクリックした場合、
図71に示されたように、ポップアップ526は、システムスタッフが来る途中であることを介護者12に通知することができる。介護者12がこれに確認応答した後、
図72に示されたように、介護者12は、居住者固有画面に連れ戻され、それは、システムスタッフがオンライン交換ログに手動でチェックを入力するまで、「チェック進行中」バー528を表示することができる。
【0213】
着用者14が濡れているとき、システム10が濡れている着用者14を検出すると直ちに、その後5分ごとに、通知がスヌーズされない限り、介護者12は可聴プッシュ通知を受信することができる。濡れた着用者14は、ホームスクリーン512上で自分の名前の横に3つの青い水滴とともに現れる場合がある。介護者12が交換ボタン530(
図68)を押した場合、
図73に示されたように、ポップアップウィンドウ532は、システムスタッフが来る途中であることを介護者12に通知することができる。次いで、
図74に示されように、あらかじめ定義された目標に対してどれほど上手に介護者12が実施したかを示す、第2のポップアップウィンドウ534が現れる場合がある。介護者12があらかじめ決定された時間量内に(たとえば、1時間未満内に)応答した場合、ポップアップ534は、非常に肯定的な所見を表示する場合がある。介護者12があらかじめ決定された時間量のわずかに外で(たとえば、2時間未満内に)応答した場合、ポップアップ534は、あまり肯定的ではない/より否定的な所見を表示する場合がある。介護者12があらかじめ決定された時間量のかなり外で(たとえば、2時間を超えて)応答した場合、ポップアップ534は、いっそう肯定的ではない/より否定的な所見を表示する場合がある。
【0214】
介護者12が第2のプッシュ通知に確認応答した後、介護者12は、居住者固有画面に連れ戻され、それは、オンライン交換ログ上の交換が手動で入力されるまで、「交換進行中」(
図75)を表示することができる。
【0215】
介護者12が任意の時点でシステムスタッフに通知したい場合、介護者12は、ホームスクリーン512上の左上隅にある「ヘルプ」ボタン536を押すことができる。そうすると、介護者12がシステムスタッフを呼びたいかどうかを介護者12に尋ねるポップアップウィンドウ538が表示される。そうである場合、システムスタッフはテキストメッセージを介して通知される場合があり、システムスタッフが来る途中であることを示すポップアップウィンドウ540が現れる場合がある。
図78は、複数の着用者14が列挙されているホームスクリーン512を示す。
【0216】
上述されたシステム10の構成要素、デバイス、モデル、および/またはアルゴリズムを使用して、アプリケーションの中にさらなる機能が構築される場合がある。たとえば、アプリケーションは、着用者14の湿潤状態および/または部屋番号に基づいて、着用者14を自動的に並べ替えて、介護者12によりシームレスなワークフローを提供することができる。追加または代替として、アプリケーションは、他のセンサモダリティからの情報を介護者12に提供して、居住者が体位交換/再配置される必要があるかどうかなどを介護者12が判定することを可能にすることができる。追加または代替として、アプリケーションは、いつ着用者14が尿および/または糞便の失禁の症状を有する場合があるかの指示を介護者12に提供することができる。
【0217】
図79〜
図83は、吸収性物品16(たとえば、ブリーフ542)への1つのタイプのデバイス17の貼付けを描写する。第1のステップは、
図79に示されたように、吸収性物品16を取り出すことと、吸収性物品16の前方(前部)の所定の位置にあり得る、パッチ544内の1つまたは複数のセンサおよび/または他の電子構成要素(図示せず)に電源供給するためのデバイス17(たとえば、下着またはパッチ544)のバッテリ(図示せず)を固定することとを含む場合がある。次のステップでは、
図80に示されたように、ブリーフ542が折り畳まれたままである間に、パッチ544の前方/前部ボタン546aが、「クリック」が聞こえるまで(ブリーフ542の外面にあらかじめ取り付けられた)前方/前部心電図(ECG)電極548aに対してボタン546aを押し付けることにより、電極548aにクリップまたはボタン留めされる場合がある。次のステップでは、
図81に示されたように、ブリーフ542が折り畳まれたままである間に、パッチ544の中央ボタン546b、546cが、ブリーフ542上のECG電極548b、548cにボタン留めされる場合がある。
図82に示されたように、次いで、ブリーフ542がひっくり返される場合がある。
図83に示されたように、パッチ544の後方/後部ボタン546dがブリーフ542の後方/後部にあるECG電極548dにボタン留めされる場合がある。
【0218】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示されたシステムおよび方法において、様々な修正および変形を行うことができることが、当業者には明らかであろう。本明細書で開示された特徴の仕様および実践の考慮から、本開示の他の態様が当業者には明らかであろう。明細書および例は例示的にすぎないと考えられるものとする。