特許第6668043号(P6668043)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6668043
(24)【登録日】2020年2月28日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20200309BHJP
   H01R 13/447 20060101ALI20200309BHJP
   H02K 37/14 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   H02K5/22
   H01R13/447
   H02K37/14 535Y
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-219016(P2015-219016)
(22)【出願日】2015年11月9日
(65)【公開番号】特開2017-93102(P2017-93102A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】山岡 守
【審査官】 服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−096960(JP,A)
【文献】 特開2014−180184(JP,A)
【文献】 実開昭52−098105(JP,U)
【文献】 実開平05−078170(JP,U)
【文献】 実開平07−042554(JP,U)
【文献】 実開平07−042015(JP,U)
【文献】 実開平05−078168(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/22
H01R 13/447
H02K 37/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸が出力側に向けて突出したモータ本体と、
前記モータ本体の半径方向である第1方向の一方側に設けられた端子部を前記第1方向の一方側から覆う端子カバーと、
を備え、
前記端子カバーは、前記第1方向の一方側で前記モータ本体に固定された第1部材と、前記第1部材に前記第1方向の一方側から被さった第2部材と、前記第1部材に対して前記第2部材を連結するとともに前記第1方向と交差する方向であって周方向に沿う方向である第2方向に延在する軸線周りに回転変形可能に形成されたヒンジ部と、を一体に備えた樹脂成形品であり、
前記第2部材は、前記第2部材を前記第1部材に固定する係合部を有し
前記係合部は、前記第2部材の前記第2方向において前記端子部を間に挟む両側端部の各々において、前記第1方向および前記第2方向と交差する、前記モータ本体の回転中心軸線が延在する第3方向の一方側に前記ヒンジ部から離間した位置で、前記第1部材の第1係合凸部に前記第1方向の他方側、および前記第3方向の一方側から当接する第1係合部と、前記第1係合部から前記第3方向の一方側に離間した位置で、前記第1部材の第2係合凸部に前記第1方向の他方側、および前記第3方向の他方側から当接する第2係合部と、を備えていることを特徴とするモータ。
【請求項2】
前記第1部材は、前記端子部の端子に電気的に接続された配線基板を保持し、
前記第2部材は、前記配線基板を前記第1方向の一方側から覆っていることを特徴とする請求項に記載のモータ。
【請求項3】
前記第1部材は、前記配線基板を前記第1方向の他方側から支持する基板支持面と、前記基板支持面から前記第1方向の一方側に突出して前記配線基板の前記第1方向の一方側の面に当接する基板保持爪を有していることを特徴とする請求項に記載のモータ。
【請求項4】
前記配線基板の端部には、前記基板保持爪と重なる位置に、前記基板保持爪が嵌る凹部
が形成されていることを特徴とする請求項に記載のモータ。
【請求項5】
前記第1部材は、前記基板支持面から前記第1方向の一方側に突出して前記配線基板の端部に当接する位置決め凸部を有していることを特徴とする請求項またはに記載のモータ。
【請求項6】
前記第2部材は、前記第1方向の他方側に突出して前記配線基板に前記第1方向の一方側から当接する基板押さえ部を有していることを特徴とする請求項乃至の何れか一項に記載のモータ。
【請求項7】
前記配線基板は、コネクタを保持していることを特徴とする請求項乃至の何れか一項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ本体に端子カバーが取り付けられたモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
モータでは、端子部の端子、端子との電気的な接続部分、配線基板の保護等を目的に、モータ本体の側面に端子カバーを設け、モータ本体の端子部を端子カバーで覆うことがある。かかる端子カバーは、モータ本体の側面との係合によって固定されたブラケット(第1部材)と、ブラケットに被さったキャップ(第2部材)とからなる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−209835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のモータのように、端子カバーを複数の部材で構成すると、部品点数が増えるとともに、ブラケットをキャップで覆った状態にキャップを取り付ける作業に多大な手間がかかる。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、モータ本体の端子部を端子カバーで覆った構造を効率よく構成することのできるモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るモータは、回転軸が出力側に向けて突出したモータ本体と、前記モータ本体の半径方向である第1方向の一方側に設けられた端子部を前記第1方向の一方側から覆う端子カバーと、を備え、前記端子カバーは、前記第1方向の一方側で前記モータ本体に固定された第1部材と、前記第1部材に前記第1方向の一方側から被さった第2部材と、前記第1部材に対して前記第2部材を連結するとともに前記第1方向と交差する方向であって周方向に沿う方向である第2方向に延在する軸線周りに回転変形可能に形成されたヒンジ部と、を一体に備えた樹脂成形品であり、前記第2部材は、前記第2部材を前記第1部材に固定する係合部を有し、前記係合部は、前記第2部材の前記第2方向において前記端子部を間に挟む両側端部の各々において、前記第1方向および前記第2方向と交差する、前記モータ本体の回転中心軸線が延在する第3方向の一方側に前記ヒンジ部から離間した位置で、前記第1部材の第1係合凸部に前記第1方向の他方側、および前記第3方向の一方側から当接する第1係合部と、前記第1係合部から前記第3方向の一方側に離間した位置で、前記第1部材の第2係合凸部に前記第1方向の他方側、および前記第3方向の他方側から当接する第2係合部と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明では、モータ本体の端子部を覆う端子カバーが、モータ本体に固定された第1部材と、第1部材に被さった第2部材と、第1部材と第2部材とを連結するヒンジ部とを一体に備えた樹脂成形品であるため、モータ本体に第1部材を固定した後、ヒンジ部で第2部材を回転させて第1部材に第2部材を被せ、第1部材と第2部材とを係合させることができる。従って、第1部材と第2部材とを別体で構成した場合に比して、部品点数を削減することができるとともに、第1部材に第2部材を取り付ける作業を効率よく行うことができる。
【0008】
また、本発明では、前記係合部は、前記第2部材の前記第2方向において前記端子部を間に挟む両側端部の各々において、前記第1方向および前記第2方向と交差する、前記モータ本体の回転中心軸線が延在する第3方向の一方側に前記ヒンジ部から離間した位置で、前記第1部材の第1係合凸部に前記第1方向の他方側、および前記第3方向の一方側から当接する第1係合部と、前記第1係合部から前記第3方向の一方側に離間した位置で、前記第1部材の第2係合凸部に前記第1方向の他方側、および前記第3方向の他方側から当接する第2係合部と、を備えている。従って、第1係合部および第2係合部によって、第2部材が第1部材から離間する方向に外れることを防止することができる。また、第1係合部および第2係合部は、第3方向で逆向きに第1部材と係合するので、第1係合部および第2係合部が第1係合凸部および第2係合凸部から外れにくい。また、第2部材をヒンジ部で回転させた際、第1係合部は、第1係合凸部に対してヒンジ部から離間する位置
を通って係合し、第2係合部は、第2係合凸部に対してヒンジ部の側を通って係合するため、第1係合部と第1係合凸部が確実に係合し、第2係合部が第2係合凸部に確実に係合する。
【0009】
本発明において、前記第1部材は、前記端子部の端子に電気的に接続された配線基板を保持し、前記第2部材は、前記配線基板を前記第1方向の一方側から覆っている態様を採用することができる。
【0010】
本発明において、前記第1部材は、前記配線基板を前記第1方向の他方側から支持する基板支持面と、前記基板支持面から前記第1方向の一方側に突出して前記配線基板の前記第1方向の一方側の面に当接する基板保持爪を有していることが好ましい。かかる構成によれば、基板支持面と基板保持爪とによって配線基板を配線基板の厚さ方向で保持することができる。
【0011】
本発明において、前記配線基板の端部には、前記基板保持爪と重なる位置に、前記基板保持爪が嵌る凹部が形成されていることが好ましい。かかる構成によれば、基板保持爪によって、配線基板の端部のうち、凹部が形成されている端部の延在方向で配線基板を保持することができる。
【0012】
本発明において、前記第1部材は、前記基板支持面から前記第1方向の一方側に突出して前記配線基板の端部に当接する位置決め凸部を有していることが好ましい。かかる構成によれば、第1部材の所定位置に配線基板を配置することができる。
【0013】
本発明において、前記第2部材は、前記第1方向の他方側に突出して前記配線基板に前記第1方向の一方側から当接する基板押さえ部を有していることが好ましい。かかる構成によれば、第1基板からの基板の浮きを抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、モータ本体の端子部を覆う端子カバーが、モータ本体に固定された第1部材と、第1部材に被さった第2部材と、第1部材と第2部材とを連結するヒンジ部とを一体に備えた樹脂成形品であるため、モータ本体に第1部材を固定した後、ヒンジ部で第2部材を回転させて第1部材に第2部材を被せ、第1部材と第2部材とを係合させることができる。従って、第1部材と第2部材とを別体で構成した場合に比して、部品点数を削減することができるとともに、第1部材に第2部材を取り付ける作業を効率よく行うことができる。また、第1係合部および第2係合部によって、第2部材が第1部材から離間する方向に外れることを防止することができる。また、第1係合部および第2係合部は、第3方向で逆向きに第1部材と係合するので、第1係合部および第2係合部が第1係合凸部および第2係合凸部から外れにくい。また、第2部材をヒンジ部で回転させた際、第1係合部は、第1係合凸部に対してヒンジ部から離間する位置を通って係合し、第2係合部は、第2係合凸部に対してヒンジ部の側を通って係合するため、第1係合部と第1係合凸部が確実に係合し、第2係合部が第2係合凸部に確実に係合する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明を適用したモータの説明図である。
図2】本発明を適用したモータのXZ断面図である。
図3】本発明を適用したモータの給電部を出力側からみた分解斜視図である。
図4】本発明を適用したモータの端子部を拡大して示す斜視図である。
図5】本発明を適用したモータにおけるモータ本体と端子カバーの第1部材との係合構造を模式的に示す説明図である。
図6】本発明を適用したモータの端子カバーを第1方向の他方側からみた斜視図である。
図7】本発明を適用したモータの端子カバーを第1方向の一方側からみた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、本発明を適用したモータの一例を説明する。なお、以下の説明では、モータ10の回転軸50の回転中心軸線Lが延在している方向のうち、回転軸50がステータ4から突出している側が出力側L1であり、回転軸50がステータ4から突出している側とは反対側が反出力側L2である。また、端子部25および端子カバー7を説明するにあたって、端子部25と端子カバー7とが重なる方向を第1方向Xとし、第1方向Xの一方側(端子カバー7が位置する側)にX1を付し、第1方向Xの他方側(端子部25が位置する側)にX2を付して説明する。また、端子部25および端子カバー7においてモータ10の周方向に沿う方向を第2方向Yとし、第2方向Yの一方側にY1を付し、他方側にY2を付して説明する。また、第1方向Xおよび第2方向Yに交差する方向を第3方向Zとし、第3方向Zの一方側にZ1を付し、他方側にZ2を付して説明する。以下に説明では、第3方向Zは回転中心軸線Lが延在している方向であり、第3方向Zの一方側Z1は反出力側L2に対応し、第3方向Zの他方側Z2は出力側L1に対応する。
【0017】
(モータ10の構成)
図1は、本発明を適用したモータ10の説明図であり、図1(a)、(b)は、モータ10を出力側L1からみた斜視図、およびモータ10を反出力側L2からみた斜視図である。図2は、本発明を適用したモータ10のXZ断面図である。図1では、モータ本体40の出力側L1の構成が分かりやすいように、出力側L1の端板3を一点鎖線で示してある。また、図2でも同様に、出力側L1の端板3を一点鎖線で示してある。
【0018】
図1に示すように、モータ10は、モータ本体40(ステータ4)と、モータ本体40の出力側L1の端面11に溶接等の方法で固定された端板3とを有している。モータ10において、モータ本体40(ステータ4)の側面には、第1方向Xの一方側X1に給電部2が設けられている。給電部2では、後述するように、ステータ4の側面に固定された端子カバー7に、コネクタ28が実装された配線基板27が保持されている。
【0019】
図2に示すように、モータ10は、ステッピングモータであり、円筒状のステータ4を有している。ステータ4では、A相用のステータとB相用のステータとが回転中心軸線L方向に重ねて配置された構造を有している。このため、ステータ4では、コイル線46が巻回された2つのコイルボビン(第1コイルボビン42Aと第2コイルボビン42B)が回転中心軸線L方向に重ねて配置されており、かかるコイルボビンには各々、以下に説明するステータコアが重ねて配置されている。第1コイルボビン42Aにおいて回転中心軸線L方向の両側には、環状の内ステータコア43A、および断面U字形状の外ステータコア44Aが重ねて配置され、第2コイルボビン42Bにおいて回転中心軸線L方向の両側には、環状の内ステータコア43B、および断面U字形状の外ステータコア44Bが重ねて配置されている。第1コイルボビン42Aおよび第2コイルボビン42Bの内周面では、内ステータコア43A、43Bおよび外ステータコア44A、44Bの複数の極歯45が周方向に並んだ構成となっている。このようにして、円筒状のステータ4が構成され、ステータ4の径方向内側にはロータ5が同軸状に配置されている。本形態では、外ステータコア44A、44Bが各々、第1コイルボビン42Aおよび第2コイルボビン42Bの径方向外側まで延在してモータケースを構成している。
【0020】
従って、本形態のモータ10の本体部分(モータ本体40)は、概ね、ステータ4により構成されており、モータ本体40の出力側L1の端面11は、外ステータコア44Aの環状部分47からなる。ステータ4の反出力側L2において、外ステータコア44Bの環状部分48には端板65が固定されており、モータ10の反出力側L2の端面12は、端板65からなる。また、モータ本体40の側面は、外ステータコア44A、44Bの外側
に形成された円筒部分49からなる。
【0021】
ロータ5では回転軸50が回転中心軸線Lに沿って延在し、回転軸50は、モータ10の出力側L1の端面11から突出している。回転軸50の反出力側L2寄りの位置には円筒状の永久磁石59が接着剤等によって固着されている。永久磁石59は、ステータ4の内側において、外周面が径方向の内側でステータ4の極歯45と所定の間隔を介して対向している。
【0022】
モータ10の出力側L1において、回転軸50は、図1に示す端板3に保持された軸受62によって支持されている。軸受62と永久磁石59との間には、回転軸50が貫通するワッシャ66が配置されている。
【0023】
モータ10の反出力側L2において、端板65には、回転軸50の反出力側L2の端部を反出力側L2に突出させる穴650が形成されている。穴650には、回転軸50を反出力側L2で支持する軸受61が配置されており、軸受61によって、モータ本体40には、反出力側L2の端面12から反出力側L2に突出した円板状の凸部17が形成されている。凸部17は、軸受61によって構成されているため、回転軸50の回転中心軸線L上にある。
【0024】
軸受61と永久磁石59との間には、回転軸50が貫通するワッシャ67が配置されており、永久磁石59の凹部595の底部とワッシャ67との間には、ロータ5を出力側L1に付勢するコイルバネ63が回転軸50の周りに配置されている。永久磁石59の凹部595の底部とコイルバネ63との間には、回転軸50が貫通するワッシャ69が配置されている。
【0025】
(端子部25の構成)
図3は、本発明を適用したモータ10の給電部2を出力側L1からみた分解斜視図であり、図3(a)、(b)、(c)は、給電部2に設けた端子カバー7の第2部材9を外した状態の斜視図、さらに給電部2に設けた配線基板27を外した状態の斜視図、およびさらに給電部2に設けた端子カバー7の第1部材8を外した状態の斜視図である。図4は、本発明を適用したモータ10の端子部25を拡大して示す斜視図であり、図4(a)、(b)、(c)、(d)は、端子部25を第2方向Yの一方側Y1かつ第3方向Zの他方側Z2からみた斜視図、端子部25を第2方向Yの一方側Y1かつ第3方向Zの一方側Z1からみた斜視図、端子部25を第2方向Yの他方側Y2かつ第3方向Zの他方側Z2からみた斜視図、端子部25を第2方向Yの他方側Y2かつ第3方向Zの一方側Z1からみた斜視図である。図5は、本発明を適用したモータ10におけるモータ本体40と端子カバー7の第1部材8との係合構造を模式的に示す説明図であり、図5(a)、(b)は、端子台22を第2方向Yの他方側Y2からみた説明図、および端子台22を第2方向Yの一方側Y1からみた説明図である。なお、本形態において、端子カバー7は、実際には第1部材8と第2部材9とがヒンジ部70によって連結された一体品であるが、図3(a)、(b)、(c)では、各部位の形状等が分かりやすいように、第1部材8と第2部材9とをヒンジ部70で分割した状態で示してある。
【0026】
図3に示すように、給電部2は、モータ本体40の端子部25と、端子部25を覆う端子カバー7とを有しており、端子カバー7には、コネクタ28を保持する配線基板27が保持されている。本形態において、端子カバー7は、第1方向Xの一方側X1でステータ4に固定された第1部材8と、第1部材8に第1方向Xの一方側X1から被さった第2部材9とを備えている。
【0027】
端子部25は、外ステータコア44A、44Bの円筒部分49に形成された切り欠き4
90から第1方向Xの一方側X1に突出した端子台22と、端子台22から第1方向Xの一方側X1に突出したピン状の複数の端子24とを備えている。端子台22は、第1コイルボビン42Aの第1方向Xの一方側X1に設けられた肉厚部分421Aと、第2コイルボビン42Bの第1方向Xの一方側X1に設けられた肉厚部分421Bとを第3方向Z(回転中心軸線L方向)で重ねた構造になっており、肉厚部分421A、421Bの各々から第1方向Xの一方側X1に向けて端子24が突出している。
【0028】
端子台22は、径方向内側で回転中心軸線方向Lの一方側に向けて開口する凹部をモータ本体40の周方向の一部に備えている。より具体的には、端子台22は、図4(a)、(b)および図5(b)に示すように、径方向内側で回転中心軸線方向Lの反出力側L2に向けて開口する凹部222をモータ本体40の周方向の一部(第2方向Yの一方側Y1の端部)に備えている。また、端子台22は、図4(c)、(d)および図5(a)に示すように、径方向内側で回転中心軸線方向Lの出力側L1に向けて開口する凹部221をモータ本体40の周方向の一部(第2方向の他方側Y2の端部)に備えている。かかる凹部221、222には、図6を参照して後述する第1部材8の爪部862、872が係合する。
【0029】
また、端子台22は、図4(a)、(b)、(c)、(d)および図5(a)、(b)に示すように、回転中心軸線L方向の他方側に向く端部223、225、および周方向の一方側に向く端部224、226を有しており、かかる端部223、225、224、226には、図6を参照して後述する第1部材8の第1係合凸部841、851、および第1部材8の第2係合凸部842、852が当接する。より具体的には、端子台22は、回転中心軸線L方向の反出力側L2(第3方向Zの一方側Z1)に向く端部223、および第2方向Yの他方側Y2に向く端部224を有しており、かかる端部223、224には、図6を参照して後述する第1部材8の第1係合凸部841および第2係合凸部842が各々当接する。また、端子台22は、回転中心軸線L方向の出力側L1に端部225、および第2方向Yの一方側Y1に向く端部226を有しており、かかる端部225、226には、図6を参照して後述する第1部材8の第1係合凸部851および第2係合凸部852が各々当接する。
【0030】
(端子カバー7の構成)
図6は、本発明を適用したモータ10の端子カバー7を第1方向Xの他方側X2からみた斜視図であり、図6(a)、(b)は、端子カバー7を展開した状態の斜視図、および端子カバー7の第1部材8に第2部材9を重ねた状態の斜視図である。図7は、本発明を適用したモータ10の端子カバー7を第1方向Xの一方側X1からみた斜視図であり、図7(a)、(b)は、端子カバー7を展開した状態の斜視図、および端子カバー7の第1部材8に第2部材9を重ねた状態の斜視図である。
【0031】
図3図6および図7に示すように、端子カバー7は、第1方向Xの一方側X1でモータ本体40に固定された第1部材8と、第1部材8に第1方向Xの一方側X1から被さった第2部材9とを有している。第1部材8と第2部材9は、ヒンジ部70により接続されている。ヒンジ部70は、第2部材9を、第1部材8に対して第2方向Yに延在する軸線Y0周りに回転可能に連結する。従って、第1部材8に対して第2部材9をヒンジ部70で軸線Y0周りに一方側R1に回転させると、第2部材9は、第1部材8に第1方向Xの一方側X1から被さる。ここで、端子カバー7は樹脂成形品であり、第1部材8、第2部材9およびヒンジ部70は一体に成形されている。
【0032】
(第1部材8の構成)
第1部材8は、端子台22に第1方向Xの一方側X1で対向する板部80と、板部80の第3方向Zの他方側Z2の端部から第1方向Xの他方側X2に向けて突出した第1側板
部82と、板部80の第2方向Yの両側の端部から第1方向Xの他方側X2に向けて突出した一対の第2側板部83とを有している。板部80には、端子24を第1方向Xの他方側X2から一方側X1に通す略矩形の貫通穴805が形成されている。
【0033】
一対の第2側板部83の各々の外面には、第3方向Zの他方側Z2の端部にY方向の外側に向けて突出した第1係合凸部88が形成されている。また、一対の第2側板部83の各々の外面には、第3方向Zの一方側Z1の端部にY方向の外側に向けて突出した第2係合凸部89が形成されている。第1係合凸部88および第2係合凸部89は、後述する第2部材9の第1係合部91および第2係合部92が係合し、第2部材9が第1部材8の所定位置に重なった状態を維持する。第1係合凸部88と第2係合凸部89は、第3方向Zで離間し、第1係合凸部88は、第2係合凸部89よりヒンジ部70に近い位置にある。
【0034】
(第1部材8の当接部の構成)
第1部材8をモータ本体40の側面に固定するにあたって、まず、第1側板部82の先端面は、モータ本体40の側面形状に倣って湾曲した当接部820になっており、第1部材8をモータ本体40の側面に重ねた際、当接部820は、モータ本体40の側面に対して周方向の所定の角度範囲で当接する。また、第2側板部83の先端面は、モータ本体40の側面形状に倣って平坦な当接部830になっており、当接部830は、モータ本体40の側面に対して回転中心軸線L方向(第3方向Z)の所定の範囲で当接する。また、貫通穴805に対して第3方向Zの一方側Z1には、板部80から第1方向Xの他方側X2に突出した枠状の凸部835が形成されている。かかる凸部835のうち、第2方向Yに延在する2つの辺部分は、モータ本体40の側面形状に倣って湾曲した当接部836になっており、第1部材8をモータ本体40の側面に重ねた際、当接部836は、モータ本体40の側面に対して周方向の所定の角度範囲で当接する。また、凸部835のうち、第3方向Zに延在する2つの辺部分は、モータ本体40の側面形状に倣って平坦な当接部837になっており、第1部材8をモータ本体40の側面に重ねた際、当接部837は、モータ本体40の側面に対して回転中心軸線L方向(第3方向Z)の所定の範囲で当接する。その結果、第1部材8は、モータ本体40の側面によって第1方向Xで位置決めされる。
【0035】
(第1部材8の係合部の構成)
第1部材8には、モータ本体40と係合して第1部材8をモータ本体40に固定する係合部が形成されている。まず、板部80において貫通穴805に第2方向Yの他方側Y2で隣り合う位置には、板部80から第1方向Xの他方側X2に向けて突出した係合部86が形成されており、係合部86は、第1方向Xの他方側X2に向けて突出した腕部861と、腕部861の先端部で第3方向Zの一方側Z1に折れ曲がった爪部862とを有している。また、板部80において貫通穴805に第2方向Yの一方側Y1で隣り合う位置には、板部80から第1方向Xの他方側X2に向けて突出した係合部87が形成されており、係合部87は、第1方向Xの他方側X2に向けて突出した腕部871と、腕部871の先端部で第3方向Zの他方側Z2に折れ曲がった爪部872とを有している。
【0036】
従って、第1部材8をモータ本体40の側面に重ねた際、図5(a)に模式的に示すように、係合部86の腕部861は、端子台22の回転中心軸線L方向の一方側(第3方向Zの他方側Z2)の端部225に重なるとともに、腕部861の先端部の爪部862は、端子台22の凹部221に回転中心軸線L方向の一方側(第3方向Zの他方側Z2)から進入する。また、第1部材8をモータ本体40の側面に重ねた際、図5(b)に模式的に示すように、係合部87の腕部871は、端子台22の回転中心軸線L方向の一方側(第3方向Zの一方側Z1)の端部223に重なるとともに、腕部871の先端部の爪部872は、端子台22の凹部222に回転中心軸線L方向の一方側(第3方向Zの一方側Z1)から進入する。従って、第1部材8は、モータ本体40に対して第1方向Xの両側および第3方向Zの両側から固定される。
【0037】
再び図6において、板部80において貫通穴805に第2方向Yの他方側Y2で第3方向Zの一方側Z1で隣り合う位置には、板部80から第1方向Xの他方側X2に向けて突出した第1係合凸部841が貫通穴805に沿って第2方向Yに延在している。また、板部80において貫通穴805に第3方向Zの一方側Z1で第2方向Yの他方側Y2で隣り合う位置には、板部80から第1方向Xの他方側X2に向けて突出した第2係合凸部842が貫通穴805に沿って第3方向Zに延在している。
【0038】
同様に、板部80において貫通穴805に第2方向Yの一方側Y1で第3方向Zの他方側Z2で隣り合う位置には、板部80から第1方向Xの他方側X2に向けて突出した第1係合凸部851が貫通穴805に沿って第2方向Yに延在している。また、板部80において貫通穴805に第3方向Zの他方側Z2で第2方向Yの一方側Y1で隣り合う位置には、板部80から第1方向Xの他方側X2に向けて突出した第2係合凸部852が貫通穴805に沿って第3方向Zに延在している。
【0039】
従って、第1部材8をモータ本体40の側面に重ねた際、図5(a)に模式的に示すように、第1係合凸部841が端子台22の端部223に第3方向Zの一方側Z1から当接し、第2係合凸部842が端子台22の端部224に第2方向Yの他方側Y2から当接する。また、第1部材8をモータ本体40の側面に重ねた際、図5(b)に模式的に示すように、第1係合凸部851が端子台22の端部225に第3方向Zの他方側Z2から当接し、第2係合凸部852が端子台22の端部226に第2方向Yの一方側Y1から当接する。従って、第1部材8は、モータ本体40に対して第2方向Yの両側および第3方向Zの両側から固定される。
【0040】
(係合板部75の構成)
本形態の端子カバー7において、モータ本体40の側面に重なる部分は端子部25を覆うカバー部71になっている一方、端子カバー7の第1部材8は、カバー部71から延在してモータ本体40の反出力側L2の端面12に重なる係合板部75を備えている。係合板部75は、出力側L1に向けて開口した係合凹部750が形成されており、係合凹部750には、モータ本体40の反出力側L2の端面12から突出した凸部17が嵌っている。
【0041】
本形態において、係合凹部750は、係合板部75に沿って延在した溝状であり、カバー部71の側(根元側)から先端側に向けて幅が狭まっている。係合凹部750の先端側の幅は、凸部17の外径と等しく、凸部17は、係合凹部750の先端部に嵌って係合している。
【0042】
係合凹部750は、幅方向の中央部分751が中央部分751に両側で隣接する隣接部分752より深くなっている。このため、凸部17は、隣接部分752に当接し、中央部分751には接していない。従って、凸部17を構成する軸受61において回転軸50の反出力側L2の端部が露出しても、回転軸50が係合凹部750と接することはない。それ故、回転軸50の回転が妨げられることがない。
【0043】
(第1部材8の基板支持面801側の構成)
第1部材8において、板部80の第1方向Xの一方側X1の面は、配線基板27を第1方向の他方側X2から支持する基板支持面801になっている。配線基板27には、貫通穴805を通って端子24が貫通する穴278が形成されており、配線基板27の第1方向Xの一方側X1の面には、穴278の周り等に配線パターン279が形成されている。配線基板27の第1方向Xの一方側X1の面には、穴278等に対して第3方向Zの一方側Z1に離間する位置にコネクタ28が搭載されている。かかるコネクタ28は、コネク
タ端子(図示せず)が配置された結合部280を第3方向Zの一方側Z1に向けている。
【0044】
第1部材8は、基板支持面801の第2方向Yの両側端部に、第1方向Xの一方側X1に突出して配線基板27の第1方向Xの一方側X1の面に当接する基板保持爪81を有している。このため、基板支持面801と基板保持爪81とによって配線基板27を配線基板27の厚さ方向(X方向)で保持することができる。ここで、配線基板27の第2方向Yの両側端部において、基板保持爪81と重なる部分が凹部271になっており、基板保持爪81は凹部271に嵌っている。このため、配線基板27は、端部のうち、凹部271が形成されている端部の延在方向(Z方向)で基板保持爪81に保持されている。また、基板保持爪81は、Y方向の一方側Y1および他方側Y2の双方に形成されている。このため、配線基板27は、基板支持面801と重なった状態で、2つの基板保持爪81によって、第1方向Xの両側、第2方向Yの両側、および第3方向Zの両側から保持されている。また、第1部材8では、基板支持面801の第3方向Zの他方側Z2の端部から第1方向Xの一方側X1に突出した位置決め凸部802が第2方向Yに延在している。かかる位置決め凸部802は、配線基板27の第1方向Xの一方側X1の端部に当接し、配線基板27を位置決めしている。従って、第1部材8は、基板支持面801に重ねて配置された配線基板27を所定位置に保持することができる。また、コネクタ28での結合を行う際、配線基板27に加わる第3方向Zの他方側Z2への力を凸部802によって受けることができるので、配線基板27の位置ずれ等を抑制することができる。
【0045】
(第2部材9の構成)
次に、第2部材9の構成を説明する。かかる説明を行うにあたっては、第2部材9をヒンジ部70で軸線Y0周りに一方側R1に回転させて第1部材8に第1方向Xの一方側X1から被せた状態で説明する。従って、第1方向Xおよび第3方向Zについては、図6(a)および図7(b)に示す方向とは一方側と他方側とが反対である。それ故、第2部材9の構成を説明するにあたっては、一方側X1、Z1および他方側X2、Z2を図6(a)および図7(a)にかっこ内に示す方向で説明する。
【0046】
図6および図7に示すように、第2部材9は、第1部材8に重ねた際、配線基板27を覆う板部90を有している。かかる板部90には、コネクタ28を露出させるための切り欠き98が形成されている。
【0047】
板部90の第3方向Zの他方側Z2の端部には、第1方向Xの他方側X2に向けて突出した凸部902が第2方向に延在しており、かかる凸部902が形成されている端部と第1部材8の第3方向Zの他方側Z2の端部とがヒンジ部70で連結されている。
【0048】
第2部材9は、板部90のY方向の両側に第1方向Xの他方側X2に向けて突出した側板部93が形成されている。かかる側板部93は、第1部材8の第2側板部83に外側から重なる。
【0049】
板部90には、第3方向Zの他方側Z2の端部で第1方向Xの他方側X2に突出した第1基板押さえ部96が第2方向Yの2個所に形成されている。また、板部90には、第3方向Zの一方側Z1の端部で第1方向Xの他方側X2に突出した第2基板押さえ部97が形成されている。従って、第2部材9を第1部材8に重ねた際、第1基板押さえ部96および第2基板押さえ部97は、配線基板27を第1部材8の基板支持面801に押し付ける。従って、配線基板27の基板支持面801からの浮きを抑制することができる。
【0050】
(第2部材9の係合部の構成)
第2部材9において、一対の側板部93の第3方向Zの他方側Z2の端部には、第3方向Zの他方側Z2に突出した係合爪901が形成されている。かかる係合爪901は、側
板部93の第3方向Zの他方側Z2の端部とともに第1係合部91を構成している。
【0051】
また、一対の側板部93の第3方向Zの一方側Z1の端部には、第1方向Xの他方側X2に突出した爪状の第2係合部92が形成されている。第2係合部92との先端部は、第3方向Zの一方側Z1に折れ曲がっている。本形態において、側板部93には、第2係合部92の縁に沿ってスリット920が形成されている。このため、第2係合部92は、第3方向Zに弾性をもって変形可能である。
【0052】
第1係合部91と第2係合部92は、第3方向Zで離間し、第1係合部91は、第2係合部92よりヒンジ部70に近い位置にある。このため、第2部材9を軸線Y0周りに一方側R1に回転させて第1部材8に重ねた際、第1係合部91は、第1部材8の第1係合凸部88に第1方向Xの他方側X2、および第3方向Zの一方側Z1から当接する。また、第2係合部92は、第1係合部91から第3方向Zの一方側Z1に離間した位置で、第1部材8の第2係合凸部89に第1方向Xの他方側X2、および第3方向Zの他方側Z2から当接する。その際、第2係合部92は、スリット920を狭めるように第3方向Zの他方側Z2に弾性をもって変形した後、第2係合凸部89に係合する。このため、第2係合部92は、第1部材8の第2係合凸部89に第3方向Zの他方側Z2から弾性をもって当接する。
【0053】
かかる係合機構によれば、第1係合部91および第2係合部92によって、第2部材9が第1部材8から離間する方向に外れることを防止することができる。また、第1係合部91および第2係合部92は、第3方向Zで逆向きに第1部材8と係合するので、第1係合部91および第2係合部92が第1係合凸部88および第2係合凸部89から外れにくい。また、第2部材9をヒンジ部70で回転させた際、第1係合部91は、第1係合凸部88に対してヒンジ部70から離間する位置を通って係合し、第2係合部92は、第2係合凸部89に対してヒンジ部70の側を通って係合する。このため、第1係合部91と第1係合凸部88が確実に係合し、第2係合部92が第2係合凸部89に確実に係合する。
【0054】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のモータ10において、モータ本体40に固定された端子カバー7では、モータ本体40の側面で端子部25を覆うカバー部71からモータ本体40の反出力側L2の端面12と重なる位置まで係合板部75が延在し、係合板部75には、モータ本体40の反出力側L2の端面12の凸部17が嵌った係合凹部750が設けられている。このため、端子カバー7に外力が加わった場合でも、端子カバー7に位置ずれが発生しにくい。従って、端子カバー7の内部では、端子24と配線基板27との電気的接続部分等に不具合が発生しにくい。また、凸部17が軸受61によって構成されていることから、モータ本体40に凸部17を設けるための特別の設計が不要である。また、軸受61は、モータ10の基準となるため、位置精度がよい。従って、係合板部75の係合を確実に行うことができる。また、軸受61が係合板部75によって覆われた構造となるため、回転軸50と外部との接触を抑制することができる。従って、外力による動作不良を回避することができる。また、軸受61へのゴミや異物の侵入を防止することができる。さらに、軸受61にオイルを含浸した場合でも、オイルの漏れを抑制することができる。
【0055】
また、係合凹部750が溝状であるため、係合凹部750内に凸部17を容易に嵌めることができる。また、凸部17は、溝状に形成された係合凹部750の延在方向の先端部に嵌っているため、凸部17と係合凹部750との係合によって、端子カバー7がモータ本体40から離間する方向への位置ずれを抑制することができる。
【0056】
また、端子カバー7とモータ本体40は、係合部86、87等によって固定されている
ため、端子カバー7をモータ本体40に取り付けることができる一方、端子カバー7とモータ本体40とを確実に固定することができる。従って、コネクタ28での結合時や分離時にコネクタ28を介して端子カバー7に大きな力が加わった場合でも、端子カバー7の位置ずれを防止することができる。それ故、端子24と配線基板27との電気的接続部分等に不具合が発生しにくい。
【0057】
また、本形態において、端子カバー7は、モータ本体40に固定された第1部材8と、第1部材8に被さる第2部材9と、ヒンジ部70とを一体に備えた樹脂成形品である。このため、モータ本体40に第1部材8を固定した後、ヒンジ部70で第2部材9を回転させて第1部材8に第2部材9を被せ、第1部材8と第2部材9とを係合させることができる。従って、第1部材8と第2部材9とを別体で構成した場合に比して、部品点数を削減することができるとともに、第1部材8に第2部材9を取り付ける作業を効率よく行うことができる。従って、モータ本体40の端子部25を端子カバー7で覆った構造を安価に構成することができる。
【0058】
(他の実施の形態)
上記実施の形態では、凸部17が軸受61によって形成されていたが、端板65等に凸部17を形成してもよい。また、上記実施の形態では、係合凹部750が溝状であったが、凸部17と同形状の穴であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
2・・給電部、3・・端板、4・・ステータ、5・・ロータ、7・・端子カバー、8・・第1部材、9・・第2部材、10・・モータ、12・・反出力側の端面、17・・凸部、22・・端子台、24・・端子、25・・端子部、27・・配線基板、28・・コネクタ、40・・モータ本体、42A・・第1コイルボビン、42B・・第2コイルボビン、43A、43B・・内ステータコア、44A、44B・・外ステータコア、49・・円筒部分(モータ本体の側面)、50・・回転軸、59・・永久磁石、61・・軸受、65・・端板、70・・ヒンジ部、71・・カバー部、75・・係合板部、81・・基板保持爪、86、87・・係合部、88・・第1係合凸部、89・・第2係合凸部、91・・第1係合部、92・・第2係合部、93・・一対の側板部、96・・第1基板押さえ部、97・・第2基板押さえ部、221、222・・凹部、223〜226・・端部、750・・係合凹部、751・・中央部分、752・・隣接部分、801・・基板支持面、802・・位置決め凸部、820、830、836、837・・当接部、841、851・・第1係合凸部、842、852・・第2係合凸部、861、871・・腕部、862、872・・爪部、901・・第1係合爪、L・・回転中心軸線、L1・・出力側、L2・・反出力側、X・・第1方向、X1・・第1方向の一方側、X2・・第1方向の他方側、Y・・第2方向、Y1・・第2方向の一方側、Y2・・第2方向Yの他方側、Z・・第3方向、Z1・・第3方向の一方側、Z2・・第3方向の他方側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7