特許第6668046号(P6668046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6668046映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6668046
(24)【登録日】2020年2月28日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/02 20060101AFI20200309BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20200309BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20200309BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   G09G5/02 B
   G09G5/00 X
   G09G5/00 530M
   G09G5/00 550A
   G09G5/36 520P
   H04N5/66 Z
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-223604(P2015-223604)
(22)【出願日】2015年11月16日
(65)【公開番号】特開2017-90790(P2017-90790A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000209751
【氏名又は名称】池上通信機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】上泉 悠
【審査官】 橘 皇徳
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−051419(JP,A)
【文献】 特開2003−263131(JP,A)
【文献】 特開2001−228846(JP,A)
【文献】 特開2009−134188(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0035978(US,A1)
【文献】 特開2002−287727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00−5/42
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像表示装置の焼き付き防止方法において、
入力される水平同期信号及び垂直同期信号のカウント値に基づいて、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義するとともに、入力された映像信号を受け、前記定義した色反転エリアの領域を色反転処理し、その色反転処理された映像信号と、前記入力された映像信号を混合させ前記映像表示装置に表示させ、前記水平同期信号のカウント値は、前記映像表示装置における色反転エリアのライン数のカウントに用いるとともに、前記垂直同期信号のカウント値は、前記映像表示装置における色反転エリアの開始位置ラインをシフトさせるタイミングに用いることを特徴とする映像表示装置の焼き付き防止方法。
【請求項2】
前記色反転処理された映像信号に対し、RGBそれぞれの要素色の劣化特性に合わせた利得を掛け合わせる処理を行った後、前記入力された映像信号と混合させ前記映像表示装置に表示させることを特徴とする請求項1記載の映像表示装置の焼き付き防止方法。
【請求項3】
映像表示装置の焼き付き防止方法において、
入力される水平同期信号を第1のカウンター手段によりカウントするステップと、
入力される垂直同期信号を第2のカウンター手段によりカウントするステップと、
前記第1のカウンター手段でカウントされた水平同期信号のカウント値と、前記第2のカウンター手段でカウントされた垂直同期信号のカウント値に基づいて、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義する色反転領域定義ステップと、
入力された映像信号の利得を調整する利得調整ステップと、
前記利得調整ステップにより利得を調整された映像信号を受け、当該映像信号において、前記色反転領域定義手段により定義された色反転エリアの領域を色反転処理する色反転処理ステップと、
前記色反転処理ステップにより色反転処理された映像信号を受け、RGBそれぞれの要素色の劣化特性に合わせた利得を掛け合わせる処理を行う劣化補償ステップと、
前記劣化補償ステップによって処理された映像信号と、前記入力された映像信号を混合させる映像信号混合ステップと、
を含み、
前記色反転領域定義ステップは、前記第1のカウンター手段でカウントされた水平同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアのライン数のカウントに用いるとともに、前記第2のカウンター手段でカウントされた垂直同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアの開始位置ラインをシフトさせるタイミングに用いることで、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義することを特徴とする映像表示装置の焼き付き防止方法。
【請求項4】
映像表示装置の焼き付き防止回路において、
入力される水平同期信号及び垂直同期信号のカウント値に基づいて、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義する色反転領域定義手段と、
入力された映像信号を受け、当該映像信号において、前記色反転領域定義手段により定義された色反転エリアの領域を色反転処理する色反転処理手段と、
前記色反転処理手段により色反転処理された映像信号と、前記入力された映像信号を混合させる映像信号混合手段と、
を備え、前記反転領域定義手段は、前記水平同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアのライン数のカウントに用いるとともに、前記垂直同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアの開始位置ラインをシフトさせるタイミングに用いることで、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義することを特徴とする映像表示装置の焼き付き防止回路。
【請求項5】
映像表示装置の焼き付き防止回路において、
入力される水平同期信号及び垂直同期信号のカウント値に基づいて、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義する色反転領域定義手段と、
入力された映像信号を受け、当該映像信号において、前記色反転領域定義手段により定義された色反転エリアの領域を色反転処理する色反転処理手段と、
前記色反転処理手段により色反転処理された映像信号を受け、RGBそれぞれの要素色の劣化特性に合わせた利得を掛け合わせる処理を行う劣化補償手段と、
前記劣化補償手段によって処理された映像信号と、前記入力された映像信号を混合させる映像信号混合手段と、
を備え、前記反転領域定義手段は、前記水平同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアのライン数のカウントに用いるとともに、前記垂直同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアの開始位置ラインをシフトさせるタイミングに用いることで、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義することを特徴とする映像表示装置の焼き付き防止回路。
【請求項6】
映像表示装置の焼き付き防止回路において、
入力される水平同期信号をカウントする第1のカウンター手段と、
入力される垂直同期信号をカウントする第2のカウンター手段と、
前記第1のカウンター手段でカウントされた水平同期信号のカウント値と、前記第2のカウンター手段でカウントされた垂直同期信号のカウント値に基づいて、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義する色反転領域定義手段と、
入力された映像信号の利得を調整する利得調整手段と、
前記利得調整手段により利得を調整された映像信号を受け、当該映像信号において、前記色反転領域定義手段により定義された色反転エリアの領域を色反転処理する色反転処理手段と、
前記色反転処理手段により色反転処理された映像信号を受け、RGBそれぞれの要素色の劣化特性に合わせた利得を掛け合わせる処理を行う劣化補償手段と、
前記劣化補償手段によって処理された映像信号と、前記入力された映像信号を混合させる映像信号混合手段と、
を備え、前記色反転領域定義手段は、前記第1のカウンター手段でカウントされた水平同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアのライン数のカウントに用いるとともに、前記第2のカウンター手段でカウントされた垂直同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアの開始位置ラインをシフトさせるタイミングに用いることで、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義することを特徴とする映像表示装置の焼き付き防止回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ機器等の画面保護や長寿命化を目的とする映像表示装置の焼き付き防止方法及びその防止回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、表示画面において、長時間に渡り同一の画面を表示し続けることによって生じる障害を予防する手段として、例えば、図3に示すように、作業画面(a)の全画面を黒表示(b)に変更し、その上で、何らかのマークを動かしたりするスクリーンセーバー(c)といった技術が用いられてきている。しかし、このような技術であると、それまでの表示映像を全く確認することができないため、ユーザーに受け入れられないことがある。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、表示装置の画面の同一場所に同一画像を長時間表示し続けると発生する画面の焼き付けを防止するための画面焼き付け防止方法において、現在動作中の画像を画面の表示面積以下の画像に処理して画面内を移動させるようにしたことを特徴とする表示装置の画面焼き付け防止方法や、表示装置の画面の同一場所に同一画像を長時間表示し続けると発生する画面の焼き付けを防止するための画面焼き付け防止装置において、現在動作中の画像を処理して、画面の表示面積以下の画像にする手段と、その画像を画面内で移動させる手段とを備えたことを特徴とする表示装置の画面焼き付け防止装置が開示されている。
【0004】
この技術によれば、画面の焼き付けを防止することができるのはもちろんのこと、使用者が画面を見ると、それまで動作していた画像が縮小されたもの、或いは、それまで動作していた画像の一部が画面内に表示されているので、それまで行っていた動作状態を確認することが可能になるとされている。
【0005】
また、特許文献2には、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの表示画面を構成する複数の画素のうち、均等に分散する位置にある予め定める割合の画素を、予め定める時間が経過するごとに、前記均等に分散する位置を予め定める順序で変化させて選択する選択手段と、前記表示画面に表示する画像のうち、前記選択手段によって選択される画素に表示する画像の色を黒色にして表示する表示制御手段とを含むことを特徴とする液晶表示装置が開示されている。
【0006】
そして、この技術によれば、表示画面を構成する画素のうち均等に分散した画素のみを順次移動して黒表示とするので、画面全体の表示内容を常時判断することができる状態で残像現象を防止することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−286647号公報
【特許文献2】特開2009−134188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術は、画面の焼き付けを防止することができるとともに、それまで行っていた動作状態を確認することが可能ではあるが、表示内容が小さく確認しにくいという問題がある。また、特許文献2に開示されている技術は、残像現象を防止するとともに、画面全体の表示内容を常時判断することができるとはされているが、所定画素が黒表示となるため、正確に表示内容を確認することは難しいと言える。
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するためのもので、映像表示装置の焼き付き防止するとともに、表示内容を的確に確認することができる映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題に対応するため、本発明は、以下の技術的手段を講じている。
即ち、請求項1記載の発明は、映像表示装置の焼き付き防止方法において、入力される水平同期信号及び垂直同期信号のカウント値に基づいて、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義し、入力された映像信号を受け、前記定義した色反転エリアの領域を色反転処理するとともに、その色反転処理された映像信号と、前記入力された映像信号を混合させ前記映像表示装置に表示させ、前記水平同期信号のカウント値は、前記映像表示装置における色反転エリアのライン数のカウントに用いるとともに、前記垂直同期信号のカウント値は、前記映像表示装置における色反転エリアの開始位置ラインをシフトさせるタイミングに用いることを特徴とする映像表示装置の焼き付き防止方法である。
【0011】
次に、請求項2記載の発明は、請求項1記載の表示画面焼き付き防止方法であって、前記色反転処理された映像信号に対し、RGBそれぞれの要素色の劣化特性に合わせた利得を掛け合わせる処理を行った後、前記入力される映像信号を混合させ前記映像表示装置に表示させることを特徴としている。
【0012】
また、請求項記載の発明は、映像表示装置の焼き付き防止方法において、入力される水平同期信号を第1のカウンター手段によりカウントするステップと、入力される垂直同期信号を第2のカウンター手段によりカウントするステップと、前記第1のカウンター手段でカウントされた水平同期信号のカウント値と、前記第2のカウンター手段でカウントされた垂直同期信号のカウント値に基づいて、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義する色反転領域定義ステップと、入力される映像信号の利得を調整する利得調整ステップと、前記利得調整ステップにより利得を調整された映像信号を受け、当該映像信号において、前記色反転領域定義手段により定義された色反転エリアの領域を色反転処理する色反転処理ステップと、前記色反転処理ステップにより色反転処理された映像信号を受け、RGBそれぞれの要素色の劣化特性に合わせた利得を掛け合わせる処理を行う劣化補償ステップと、前記劣化補償ステップによって処理された映像信号と、前記利得調整ステップにより利得を調整された映像信号を混合させる映像信号混合ステップとを含み、前記色反転領域定義ステップは、前記第1のカウンター手段でカウントされた水平同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアのライン数のカウントに用いるとともに、前記第2のカウンター手段でカウントされた垂直同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアの開始位置ラインをシフトさせるタイミングに用いることで、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義することを特徴とする映像表示装置の焼き付き防止方法である。
【0014】
さらに、請求項記載の発明は、映像表示装置の焼き付き防止回路において、入力される水平同期信号及び垂直同期信号のカウント値に基づいて、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義する色反転領域定義手段と、入力される映像信号を受け、当該映像信号において、前記色反転領域定義手段により定義された色反転エリアの領域を色反転処理する色反転処理手段と、前記色反転処理手段により色反転処理された映像信号と、前記入力される映像信号を混合させる映像信号混合手段とを備え、前記反転領域定義手段は、前記水平同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアのライン数のカウントに用いるとともに、前記垂直同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアの開始位置ラインをシフトさせるタイミングに用いることで、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義することを特徴とする映像表示装置の焼き付き防止回路である。
【0015】
そして、請求項記載の発明は、映像表示装置の焼き付き防止回路において、入力される水平同期信号及び垂直同期信号のカウント値に基づいて、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義する色反転領域定義手段と、入力される映像信号を受け、当該映像信号において、前記色反転領域定義手段により定義された色反転エリアの領域を色反転処理する色反転処理手段と、前記色反転処理手段により色反転処理された映像信号を受け、RGBそれぞれの要素色の劣化特性に合わせた利得を掛け合わせる処理を行う劣化補償手段と、前記劣化補償手段によって処理された映像信号と、前記入力される映像信号を混合させる映像信号混合手段とを備え、前記反転領域定義手段は、前記水平同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアのライン数のカウントに用いるとともに、前記垂直同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアの開始位置ラインをシフトさせるタイミングに用いることで、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義することを特徴とする映像表示装置の焼き付き防止回路である。
【0017】
そして、請求項記載の発明は、映像表示装置の焼き付き防止回路において、入力される水平同期信号をカウントする第1のカウンター手段と、入力される垂直同期信号をカウントする第2のカウンター手段と、前記第1のカウンター手段でカウントされた水平同期信号のカウント値と、前記第2のカウンター手段でカウントされた垂直同期信号のカウント値に基づいて、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義する色反転領域定義手段と、入力される映像信号の利得を調整する利得調整手段と、前記利得調整手段により利得を調整された映像信号を受け、当該映像信号において、前記色反転領域定義手段により定義された色反転エリアの領域を色反転処理する色反転処理手段と、前記色反転処理手段により色反転処理された映像信号を受け、RGBそれぞれの要素色の劣化特性に合わせた利得を掛け合わせる処理を行う劣化補償手段と、前記劣化補償手段によって処理された映像信号と、前記利得調整手段により利得を調整された映像信号を混合させる映像信号混合手段とを備え、前記色反転領域定義手段は、前記第1のカウンター手段でカウントされた水平同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアのライン数のカウントに用いるとともに、前記第2のカウンター手段でカウントされた垂直同期信号のカウント値を前記映像表示装置における色反転エリアの開始位置ラインをシフトさせるタイミングに用いることで、前記映像表示装置における色反転エリアの領域を定義することを特徴とする映像表示装置の焼き付き防止回路である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、表示画面のうち一定の画面領域や時間で色反転処理を行うため、表示内容(映像)の的確な確認が可能であり、なおかつ、同一画面を継続的に表示することによって引き起こされる焼き付き等の障害を回避することができる。また、通常の色反転に加え、RGBそれぞれの要素色の劣化特性に合わせた割合を掛け合わせるため、特に、有機ELディスプレイを始めとした自発光デバイスにおいて、焼き付き現象を完全に回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び防止回路の第1の実施形態を示したフローである。
図2】本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び防止回路の第1の実施形態を示したブロック図である。
図3】本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び防止回路の第2の実施形態を示したフローである。
図4】本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び防止回路の第2の実施形態を示したブロック図である。
図5】本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び防止回路の第3の実施形態を示したブロック図である。
図6】本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び防止回路の実施形態により映像表示装置に表示される画像の一例を示した概略図である。
図7】従来のスクリーンセーバーを利用した表示画面を示したもので、(a)は作業画面、(b)は黒表示状態、(c)は黒表示上をマークが移動している状態を表している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び防止回路の第1の実施形態を示したフローで、図2は、本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び防止回路の第1の実施形態を示したブロック図で、図6は本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び防止回路の実施形態により映像表示装置に表示される画像の一例を示した概略図である。
【0022】
なお、符号については、10は映像表示装置の焼き付き防止回路、12は水平同期信号入力部、14は垂直同期信号入力部、20は色反転エリア定義手段、22は映像信号入力部、26は色反転処理手段、30は映像信号混合手段、32は色反転エリアを示している。
【0023】
まず、本実施形態における映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路は、特に、有機ELディスプレイ特有の現象である「焼き付き」を抑制するためのもので、具体的には、有機ELディスプレイを用いた機器に一定時間、無操作や静止画が続いた際にスクリーンセーバーの機能として、図6に示すような画面を表示させるものである。
【0024】
つまり、図6に示すように、一定区間の色反転させた帯状の領域を画面上で動かすもので、これにより、有機ELディスプレイにおける各画素の要素色(RGB)毎の劣化度を平均化し、焼き付きを生じにくくさせる。ここで、有機ELディスプレイは、画素そのものが光る自発光デバイスであるため、画素の光る強さや時間に応じて、画素毎にバラバラに劣化(輝度低下)していく。特に、静止画が長時間表示されていた場合、特定画素の特定色の劣化が進行することになり、周辺画素との輝度差が生じやすくなる。なお、有機ELディスプレイの「焼き付き」とは、このような画素同士の輝度差が視認できるような状態を示すものである。
【0025】
続いて、本実施形態における映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路について説明をしていく。本実施形態における映像表示装置の焼き付き防止回路10は、図2に示すように、まず、水平同期信号入力部12から入力される水平同期信号と、垂直同期信号入力部14から入力される垂直同期信号をカウントし、これらのカウント値に基づいて、映像表示装置における色反転エリアの領域を定義する色反転エリア定義手段20を備えている。
【0026】
さらに、映像信号入力部22から入力された映像信号を受け、当該映像信号において、色反転エリア定義手段20により定義された色反転エリアの領域を色反転処理する色反転処理手段26と、色反転処理手段26により色反転処理された映像信号と、映像信号入力部22から入力された映像信号を混合させる映像信号混合手段30とを備えている。なお、本実施形態において、本回路を適用する箇所は、有機ELディスプレイの駆動回路のうち、ディスプレイ側映像出力段に最も近い部分としている。また、映像信号入力部22から入力された映像信号を色反転処理手段26が受ける前に、その利得を調整(例えば、1/2程度)しておけば、映像表示装置上の色反転エリア以外の領域を保護することができる。
【0027】
続いて、図1も参照しながら、本実施形態における映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路についてより詳細に説明していく。まず、水平同期信号入力部12から入力される水平同期信号がカウントされたカウント値、及び、垂直同期信号入力部14から入力される垂直同期信号がカウントされたカウント値は、それぞれ、色反転エリア定義手段20における色反転エリアの定義に用いられる。
【0028】
本実施形態においては、水平同期信号のカウント値は、色反転エリア定義手段20における色反転エリアのライン数のカウントに用いられることになる。つまり、例えば、色反転エリアを200ラインとする場合、その200ライン分を数えるために、水平同期信号のカウント値を用いるということになる。
【0029】
そして、垂直同期信号のカウント値は、色反転エリア定義手段20における色反転エリアの開始ラインをシフトさせるためのタイミングに用いられる。例えば、カウント値が所定値に到達した場合や、カウント値がリセットした場合に、色反転エリアの開始ラインをインクリメントして色反転エリアの定義をするように制御する。このように定義しておけば、先の例では、色反転エリアである200ラインが、上から下へとシフトするような動きを繰り返すようになる。なお、デクリメントの制御で、下から上へとシフトさせるようにしても良い。
【0030】
続いて、映像信号入力部22から入力された映像信号は、色反転処理手段26において、色反転エリア定義手段20によって定義された色反転エリアの領域で色反転処理される。さらに、色反転処理された映像信号と、映像信号入力部22から入力された映像信号を映像信号混合手段30が混合し、その混合信号に基づいて、図6に示すように、映像表示装置に映像と、スクリーンセーバー機能を持つ色反転エリア32を表示させることができるようになる。なお、映像信号入力部22から入力された映像信号を色反転処理手段26が受ける前に、その利得を調整(例えば、1/2程度)しておけば、映像表示装置上の色反転エリア以外の領域を保護することができる。
【0031】
次に、本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。図3は、本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び防止回路の第2の実施形態を示したフローで、図4は、本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び防止回路の第2の実施形態を示したブロック図である。なお、符号については、28が劣化補償手段である以外は、図2と同様である。
【0032】
まず、本実施形態における映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路に関しても、特に、有機ELディスプレイ特有の現象である「焼き付き」を抑制するためのもので、具体的には、有機ELディスプレイを用いた機器に一定時間、無操作や静止画が続いた際にスクリーンセーバーの機能として、図6に示すような画面を表示させるものである。
【0033】
つまり、図6に示すように、一定区間の色反転させた帯状の領域を画面上で動かすもので、これにより、有機ELディスプレイにおける各画素の要素色(RGB)毎の劣化度を平均化し、焼き付きを生じにくくさせる。ここで、有機ELディスプレイは、画素そのものが光る自発光デバイスであるため、画素の光る強さや時間に応じて、画素毎にバラバラに劣化(輝度低下)していく。特に、静止画が長時間表示されていた場合、特定画素の特定色の劣化が進行することになり、周辺画素との輝度差が生じやすくなる。なお、有機ELディスプレイの「焼き付き」とは、このような画素同士の輝度差が視認できるような状態を示すものである。
【0034】
続いて、本実施形態における映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路について説明をしていく。本実施形態における映像表示装置の焼き付き防止回路10は、図4に示すように、まず、水平同期信号入力部12から入力される水平同期信号と、垂直同期信号入力部14から入力される垂直同期信号をカウントし、これらのカウント値に基づいて、映像表示装置における色反転エリアの領域を定義する色反転エリア定義手段20を備えている。
【0035】
さらに、映像信号入力部22から入力された映像信号を受け、当該映像信号において、色反転エリア定義手段20により定義された色反転エリアの領域を色反転処理する色反転処理手段26と、色反転処理手段26により色反転処理された映像信号を受け、RGBそれぞれの要素色の劣化特性に合わせた利得を掛け合わせる処理を行う劣化補償手段28と、劣化補償手段28によって処理された映像信号と、映像信号入力部22から入力された映像信号を混合させる映像信号混合手段30とを備えている。なお、劣化補償手段28による処理を行えば、劣化しやすい色をあまり光らせないようにすることができ、その結果、映像表示装置の保護や長寿命化という効果がより生じることになる。
【0036】
本実施形態において、本回路を適用する箇所は、有機ELディスプレイの駆動回路のうち、ディスプレイ側映像出力段に最も近い部分としている。また、映像信号入力部22から入力された映像信号を色反転処理手段26が受ける前に、その利得を調整(例えば、1/2程度)しておけば、映像表示装置上の色反転エリア以外の領域を保護することができる。
【0037】
続いて、図3も参照しながら、本実施形態における映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路についてより詳細に説明していく。まず、水平同期信号入力部12から入力される水平同期信号がカウントされたカウント値、及び、垂直同期信号入力部14から入力される垂直同期信号がカウントされたカウント値は、それぞれ、色反転エリア定義手段20における色反転エリアの定義に用いられる。
【0038】
本実施形態においては、水平同期信号のカウント値は、色反転エリア定義手段20における色反転エリアのライン数のカウントに用いられることになる。つまり、例えば、色反転エリアを200ラインとする場合、その200ライン分を数えるために、水平同期信号のカウント値を用いるということになる。
【0039】
そして、垂直同期信号のカウント値は、色反転エリア定義手段20における色反転エリアの開始ラインをシフトさせるためのタイミングに用いられる。例えば、カウント値が所定値に到達した場合や、カウント値がリセットした場合に、色反転エリアの開始ラインをインクリメントして色反転エリアの定義をするように制御する。このように定義しておけば、先の例では、色反転エリアである200ラインが、上から下へとシフトするような動きを繰り返すようになる。なお、デクリメントの制御で、下から上へとシフトさせるようにしても良い。
【0040】
続いて、映像信号入力部22から入力された映像信号は、色反転処理手段26において、色反転エリア定義手段20によって定義された色反転エリアの領域で色反転処理される。そして、色反転処理された映像信号は、劣化補償手段28が受け、RGBそれぞれの要素色の劣化特性に合わせた利得を掛け合わせる処理を行う。
【0041】
さらに、劣化補償手段28により処理された映像信号と、映像信号入力部22から入力された映像信号を映像信号混合手段30が混合し、その混合信号に基づいて、図6に示すように、映像表示装置に映像と、スクリーンセーバー機能を持つ色反転エリア32を表示させることができるようになる。なお、映像信号入力部22から入力された映像信号を色反転処理手段26が受ける前に、その利得を調整(例えば、1/2程度)しておけば、映像表示装置上の色反転エリア以外の領域を保護することができる。
【0042】
次に、本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。図5は、本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び防止回路の第3の実施形態を示したブロック図である。なお、符号については、16が水平同期信号カウンター、18が垂直同期信号カウンター、24が利得調整手段である以外は、図4と同様である。
【0043】
まず、本実施形態における映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路に関しても、特に、有機ELディスプレイ特有の現象である「焼き付き」を抑制するためのもので、具体的には、有機ELディスプレイを用いた機器に一定時間、無操作や静止画が続いた際にスクリーンセーバーの機能として、図6に示すような画面を表示させるものである。
【0044】
つまり、図6に示すように、一定区間の色反転させた帯状の領域を画面上で動かすもので、これにより、有機ELディスプレイにおける各画素の要素色(RGB)毎の劣化度を平均化し、焼き付きを生じにくくさせる。ここで、有機ELディスプレイは、画素そのものが光る自発光デバイスであるため、画素の光る強さや時間に応じて、画素毎にバラバラに劣化(輝度低下)していく。特に、静止画が長時間表示されていた場合、特定画素の特定色の劣化が進行することになり、周辺画素との輝度差が生じやすくなる。なお、有機ELディスプレイの「焼き付き」とは、このような画素同士の輝度差が視認できるような状態を示すものである。
【0045】
続いて、本実施形態における映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路について説明をしていく。本実施形態における映像表示装置の焼き付き防止回路10は、図5に示すように、まず、水平同期信号入力部12から入力される水平同期信号をカウントする第1のカウンター手段である水平同期信号カウンター16と、垂直同期信号入力部14から入力される垂直同期信号をカウントする第2のカウンター手段である垂直同期信号カウンター18と、水平同期信号カウンター16でカウントされた水平同期信号のカウント値と、垂直同期信号カウンター18でカウントされた垂直同期信号のカウント値に基づいて、表示画面における色反転エリアの領域を定義する色反転エリア定義手段20を備えている。
【0046】
さらに、映像信号入力部22から入力される映像信号の利得を調整する(例えば、1/2程度に)利得調整手段24と、利得調整手段24により利得を調整された映像信号を受け、当該映像信号において、色反転エリア定義手段20により定義された色反転エリアの領域を色反転処理する色反転処理手段26を備えている。なお、利得調整手段24により利得を調整させることで、映像表示装置上の色反転エリア以外の領域を保護することができる。
【0047】
そして、色反転処理手段26により色反転処理された映像信号を受け、RGBそれぞれの要素色の劣化特性に合わせた利得を掛け合わせる処理を行う劣化補償手段28と、劣化補償手段28によって処理された映像信号と、利得調整手段24により利得を調整された映像信号を混合させる映像信号混合手段30とを備えている。なお、本実施形態において、本回路を適用する箇所は、有機ELディスプレイの駆動回路のうち、ディスプレイ側映像出力段に最も近い部分としている。また、上記の通り、劣化補償手段28による処理を行えば、劣化しやすい色をあまり光らせないようにすることができ、その結果、映像表示装置の保護や長寿命化という効果がより生じることになる。
【0048】
続いて、本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止方法及び映像表示装置の焼き付き防止回路についてより詳細に説明していく。まず、水平同期信号入力部12から入力される水平同期信号が、水平同期信号カウンター16によってカウントされたカウント値、及び、垂直同期信号入力部14から入力される垂直同期信号が、垂直同期信号カウンター18によってカウントされたカウント値は、それぞれ、色反転エリア定義手段20における色反転エリアの定義に用いられる。
【0049】
本実施形態においては、水平同期信号カウンター16によってカウントされたカウント値は、色反転エリア定義手段20における色反転エリアのライン数のカウントに用いられることになる。つまり、例えば、色反転エリアを200ラインとする場合、その200ライン分を数えるために、水平同期信号カウンター16によるカウント値を用いるということになる。
【0050】
そして、垂直同期信号カウンター18によってカウントされたカウント値は、色反転エリア定義手段20における色反転エリアの開始ラインをシフトさせるためのタイミングに用いられる。例えば、カウント値が所定値に到達した場合や、カウント値がリセットした場合に、色反転エリアの開始ラインをインクリメントして色反転エリアの定義をするように制御する。このように定義しておけば、先の例では、色反転エリアである200ラインは、上から下へとシフトするような動きを繰り返すようになる。なお、デクリメントの制御で、下から上へとシフトさせるようにしても良い。
【0051】
続いて、映像信号入力部22から入力される映像信号は、利得調整手段24により利得を調整される。そして、利得を調整された映像信号は、色反転処理手段26において、色反転エリア定義手段20によって定義された色反転エリアの領域で色反転処理される。さらに、色反転処理された映像信号は、劣化補償手段28において、RGBそれぞれの要素色の劣化特性に合わせた利得が掛け合わされる処理が行われる。
【0052】
次に、劣化補償手段28によって処理された映像信号と、利得調整手段24により利得を調整された映像信号を映像信号混合手段30が混合し、その混合信号に基づいて、図6に示すように、表示画面に映像と、スクリーンセーバー機能を持つ色反転エリア32を表示させることになる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る映像表示装置の焼き付き防止回路及び表示画面焼き付き防止方法によれば、有機ELディスプレイを始めとした自発光デバイスにおいて引き起こされる、焼き付き現象を回避するために好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0054】
10 映像表示装置の焼き付き防止回路
12 水平同期信号入力部
14 垂直同期信号入力部
16 水平同期信号カウンター
18 垂直同期信号カウンター
20 色反転エリア定義手段
22 映像信号入力部
24 利得調整手段
26 色反転処理手段
28 劣化補償手段
30 映像信号混合手段
32 色反転エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7