特許第6668097号(P6668097)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シチズンファインテックミヨタ株式会社の特許一覧 ▶ シチズンホールディングス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6668097-反射型液晶表示装置 図000002
  • 特許6668097-反射型液晶表示装置 図000003
  • 特許6668097-反射型液晶表示装置 図000004
  • 特許6668097-反射型液晶表示装置 図000005
  • 特許6668097-反射型液晶表示装置 図000006
  • 特許6668097-反射型液晶表示装置 図000007
  • 特許6668097-反射型液晶表示装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6668097
(24)【登録日】2020年2月28日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】反射型液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13357 20060101AFI20200309BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20200309BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   G02F1/13357
   G02F1/1335 520
   G02F1/1335 510
   G02F1/1333
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-24458(P2016-24458)
(22)【出願日】2016年2月12日
(65)【公開番号】特開2017-142413(P2017-142413A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2018年9月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000166948
【氏名又は名称】シチズンファインデバイス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中山 健
(72)【発明者】
【氏名】関 克矢
【審査官】 岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−148793(JP,A)
【文献】 国際公開第98/012595(WO,A1)
【文献】 特開2000−193956(JP,A)
【文献】 特開2010−224068(JP,A)
【文献】 特開平04−053925(JP,A)
【文献】 特開2002−229019(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0278658(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第2003−0044623(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
G02F 1/1333
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射型液晶表示パネルと
光源と
を備える反射型液晶表示装置において、
前記反射型液晶表示パネルを主面法線方向から見た平面視で前記反射型液晶表示パネルを挟んで、少なくとも1組の前記光源を配置し、
前記反射型液晶表示パネルの上方に反射型偏光板を配置し、
少なくとも1組の前記光源の上方にハウジングを配置し、
前記反射型偏光板および前記ハウジングを、少なくとも1組の前記光源の間に跨る上方へ向かって凸となる曲線を描くドーム形状に整形し、
前記反射型偏光板の前記ドーム形状に整形した部分の一部を、前記ハウジングの前記ドーム形状に整形した部分に配置し、
少なくとも1組の前記光源から出射された光が、前記反射型偏光板で反射され、前記反射型液晶表示パネルの視認側主面に上方から照射されるようにした、
ことを特徴とする反射型液晶表示装置。
【請求項2】
少なくとも1組の前記光源から出射された光を前記反射型偏光板に向かって反射するリフレクターを備え、前記反射型偏光板の前記ドーム形状に整形した部分の一部を、前記ハウジングの前記ドーム形状に整形した部分と、前記リフレクターとで、挟み込んだことを特徴とする請求項1に記載の反射型液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は反射型液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の反射型液晶表示装置として、反射型液晶表示パネルと、LED等の光源と、偏光板等の光学部材を備えた反射型液晶表示装置が知られている(特許文献1)。図7に示すように、反射型液晶表示装置1は、反射型液晶表示パネル2や光源3を搭載した基板10、光源3からの出射光21を反射するリフレクター4、反射した光を拡散する拡散板5、拡散した光をS波に偏光する偏光板6、S波を反射し、P波を透過する反射型偏光板7を備えている。
【0003】
LED等の光源3から出射されたP波とS波からなる出射光21は、リフレクター4で反射され、拡散板5と偏光板6を透過することによりS波22に偏光される。偏光されたS波22は、反射型偏光板7で反射され、反射型液晶表示パネル2に照射される。照射されたS波22は、反射型液晶表示パネル2が駆動状態のときに反射されると、P波23に偏光される。P波23は、反射型偏光板7を透過し、反射型液晶表示装置の外へ出射され、表示画像を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−108882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の構造において、反射型液晶表示パネルに正対した状態での視野角は、確保されているが、必ずしも正対した状態で利用されるものではなく、利用状況によっては、反射型液晶表示パネル上方に配置された部材が、視野角を狭める要因となる。
【0006】
また、反射型液晶表示装置の小型化が要求され、反射型液晶表示装置内部の反射型液晶表示パネル上方に十分な空間が取れない場合や、視野角を広くするため、反射型液晶表示パネル上方に配置される反射型偏光板等の光学部材の高さを低くする必要がある。しかし、光学部材の高さを低くすると、反射型偏光板の配置角度が反射型液晶表示パネルの表示面と平行な角度に近づくため、図7に示す光線軌跡(高さを低くした時の光線)のように、反射型液晶表示パネルの垂直方向へ反射光P波23が反射されず、傾いた方向へ反射され、表示領域内で、輝度ムラが発生し、表示面全体が均一に視認できない現象が発生する。
【0007】
本発明は、輝度ムラの発生を抑制し、かつ、広視野角の反射型液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
反射型液晶表示パネルと光源とを備える反射型液晶表示装置において、前記反射型液晶表示パネルを主面法線方向から見た平面視で前記反射型液晶表示パネルを挟んで、少なくとも1組の前記光源を配置し、前記反射型液晶表示パネルの上方に反射型偏光板を配置し、少なくとも1組の前記光源の上方にハウジングを配置し、前記反射型偏光板および前記ハウジングを、少なくとも1組の前記光源の間に跨る上方へ向かって凸となる曲線を描くドーム形状に整形し、前記反射型偏光板の前記ドーム形状に整形した部分の一部を、前記ハウジングの前記ドーム形状に整形した部分に配置し、少なくとも1組の前記光源から出射された光が、前記反射型偏光板で反射され、前記反射型液晶表示パネルの視認側主面に上方から照射されるようにした、反射型液晶表示装置とする。
【0009】
さらに、少なくとも1組の前記光源から出射された光を前記反射型偏光板に向かって反射するリフレクターを備え、前記反射型偏光板の前記ドーム形状に整形した部分の一部を、前記ハウジングの前記ドーム形状に整形した部分と前記リフレクターとで挟み込んだ反射型液晶表示装置とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって、反射型液晶表示パネル上方に配置される光学部材の高さを低くしても、広視野角と均一な輝度分布を備えた反射型液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明における実施例1の反射型液晶表示装置の概略図
図2】本発明における実施例1の光線軌跡を示す図
図3】本発明における実施例2の反射型液晶表示装置の概略図
図4】本発明における実施例2の光線軌跡を示す図
図5】本発明における実施例3の反射型液晶表示装置の概略図
図6】本発明における実施例3の光線軌跡を示す図
図7】従来の反射型液晶表示装置の概略と光線軌跡を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明における反射型液晶表示装置を、図を用いて、以下に説明する。なお、各図において同一の部材には同一の番号を付して、重複する説明は省略する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明における反射型液晶表示装置の実施例1の概略図である。図1に示すように、反射型液晶表示装置1は、反射型液晶表示パネル2を実装した第1基板11と、第一光源3aと第二光源3bと反射型偏光板7が配置された第2基板12と、リフレクター4と拡散板5と偏光板6とを備えている。第一光源3aと第二光源3bは、反射型液晶表示パネル2を挟むように配置され、第一光源3aおよび第二光源3bと反射型偏光板の光路上にリフレクター4、拡散板5、偏光板6が配置され、反射型液晶表示パネル2にS波22が照射されるよう、反射型偏光板7が、反射型液晶表示パネル2の上方に、反射型液晶表示パネル2と平行な位置関係になるように配置されている。
【0014】
図2は、実施例1の光線軌跡を示す図である。図2に示すように、反射型液晶表示パネル2を挟むように配置された第一光源3aおよび第二光源3bからの出射光21はそれぞれリフレクター4で反射され、拡散板5と偏光板6を透過して、S波22に偏光される。偏光されたS波22は、反射型偏光板7で反射され、反射型液晶表示パネル2に照射される。反射型液晶表示パネル2が駆動し、反射されることで、P波23に偏光され、反射型偏光板7を透過して、表示画像を形成する。このような構造とすることで、低背化しても、輝度ムラが抑制され、広視野角と均一な輝度分布を備えた反射型液晶表示装置となる。
【実施例2】
【0015】
図3は、本発明における反射型液晶表示装置の実施例2の概略図である。図3に示すように、反射型液晶表示装置1は、反射型液晶表示パネル2を実装した第1基板11の同一面に反射型液晶表示パネル2を挟むようにして第一光源3aと第二光源3bとが配置され、第一光源3aと第二光源3bそれぞれに対して、リフレクター4、拡散板5、偏光板6が配置され、反射型液晶表示パネル2の上方には、反射型偏光板7が配置されている。反射型偏光板7は、ハウジング13などを用いてドーム形状に整形し、第一光源3aおよび第二光源3bからの出射光が反射型液晶表示パネル2に照射される形状とする。
【0016】
図4は、実施例2の光線軌跡を示す図である。第一光源3aおよび第二光源3bからの出射光21は、それぞれリフレクター4で反射され、拡散板5と偏光板6を透過して、S波22に偏光される。S波22は、ドーム形状に整形した反射型偏光板7で反射され、反射型液晶表示パネル2に照射される。反射型液晶表示パネル2が駆動し、反射されることで、P波23に偏光され、反射型偏光板7を透過して、表示画像を形成する。本実施例では、反射型液晶表示パネル2と第一光源3aと第二光源3bとを同一基板に実装することができるため、部品点数を削減することができ、より安価に反射型液晶表示装置を実現できる。また、ハウジング13の両端を低背化できるため、省スペース効果も期待できる。
【実施例3】
【0017】
図5は、本発明における反射型液晶表示装置の実施例3の概略図である。図5に示すように、反射型液晶表示装置1は、第1基板11に実装した反射型液晶表示パネル2と、反射型液晶表示パネル2の斜め上方に、反射型液晶表示パネル2を挟むように配置された第一光源3aおよび第二光源3bと、反射型偏光板7が配置されたハウジング13と、拡散板5と偏光板6とを備えている。第一光源3aおよび第二光源3bは、それぞれ、フレキシブル基板14に実装され、拡散板5と偏光板6を介して、反射型液晶表示パネル2を照射するよう、ハウジング13内の所定の位置に設置される。
【0018】
図6は、実施例3の光線軌跡を示す図である。本実施例では、他の実施例と異なり、第一光源3aおよび第二光源3bからの出射光は、拡散板5、偏光板6を透過し、S波22に偏光され、反射型液晶表示パネル2に照射される。反射型液晶表示パネル2が駆動し、反射されることで、P波23に偏光され、反射型偏光板7を透過して、表示画像を形成する。本実施例では、リフレクターを使用しないことにより、部品点数を削減することができ、より安価に反射型液晶表示装置を実現できる。また、構造の簡素化により、組立性の向上が期待できる。
【0019】
以上のように、反射型液晶表示パネル2を挟むように1組の光源(第一光源3aと第二光源3b)を配置した反射型液晶表示装置1を示したが、光源の特性や、求められる輝度などに応じて、2組以上配置してもよい。
【符号の説明】
【0020】
1 反射型液晶表示装置
2 反射型液晶表示パネル
3 光源
3a 第一光源
3b 第二光源
4 リフレクター
5 拡散板
6 偏光板
7 反射型偏光板
10 基板
11 第1基板
12 第2基板
13 ハウジング
14 フレキシブル基板
21 出射光
22 S波
23 P波
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7