特許第6668242号(P6668242)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6668242無線通信システムにおける上りリンク電力を制御する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6668242
(24)【登録日】2020年2月28日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおける上りリンク電力を制御する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/14 20090101AFI20200309BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20200309BHJP
   H04W 52/30 20090101ALI20200309BHJP
【FI】
   H04W52/14
   H04W72/04 111
   H04W52/30
【請求項の数】13
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2016-540812(P2016-540812)
(86)(22)【出願日】2014年9月4日
(65)【公表番号】特表2016-533131(P2016-533131A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】KR2014008343
(87)【国際公開番号】WO2015034299
(87)【国際公開日】20150312
【審査請求日】2017年8月31日
(31)【優先権主張番号】61/873,804
(32)【優先日】2013年9月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/927,503
(32)【優先日】2014年1月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/938,147
(32)【優先日】2014年2月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/940,379
(32)【優先日】2014年2月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/943,457
(32)【優先日】2014年2月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/976,486
(32)【優先日】2014年4月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/981,170
(32)【優先日】2014年4月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/984,030
(32)【優先日】2014年4月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/009,311
(32)【優先日】2014年6月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/014,120
(32)【優先日】2014年6月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/015,505
(32)【優先日】2014年6月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/033,630
(32)【優先日】2014年8月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/034,153
(32)【優先日】2014年8月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】イ ユンチョン
(72)【発明者】
【氏名】アン チュンクイ
(72)【発明者】
【氏名】キム キチュン
(72)【発明者】
【氏名】ソ トンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ソクチェル
【審査官】 桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/018348(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/153382(WO,A1)
【文献】 NTT DOCOMO,Summary of email discussion [76b-08][online], 3GPP TSG-RAN WG1♯77 R1-142263,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_77/Docs//R1-142263.zip>,2014年 5月 6日,1-30 Pages
【文献】 NTT DOCOMO,Outcome of offline discussion on TPC aspects of dual connectivity[online], 3GPP TSG-RAN WG1♯76b R1-141863,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_76b/Docs/R1-141863.zip>,2014年 4月 4日,1-17 Pages
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける端末(UE)が実行する方法であって、
前記UEが、第1の搬送波グループ(CG;carrier group)のための第1の保証電力についての情報及び第2のCGのための第2の保証電力についての情報を上位層を介してネットワークから受信するステップであって、前記第1の保証電力は前記第1のCGに割り当てられた最小の電力であり、前記第2の保証電力は前記第2のCGに割り当てられた最小の電力である、ステップと、
前記UEが、前記第2の保証電力及びチャネル優先順位に基づいて前記第1のCGのための上りリンク電力を割り当てるステップを含み、
前記端末はマスタeNB(MeNB)とセコンダリeNB(SeNB)に二重接続さ
前記チャネル優先順位で、PRACH(physical random access channel)が最も高い優先順位を有する、方法。
【請求項2】
前記第1の保証電力及び前記第2の保証電力は、前記MeNBにより構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の保証電力及び前記第2の保証電力は、比率により構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の保証電力及び前記第2の保証電力は、前記UEのPRACH伝送の電力を制限しない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記チャネル優先順位で、PUCCH(physical uplink control channel)がPUSCH(physical uplink shared cahnnel)より高い優先順位を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記チャネル優先順位で、HARQ−ACK(hybrid automatic repeat request acknowledge)またはSR(scheduling request)のうち、少なくとも1つを含むUCI(uplink control information)を有するPUSCHが前記HARQ−ACKまたは前記SRのうち、少なくとも1つを含まないUCIを有するPUSCHより高い優先順位を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記チャネル優先順位で、UCIを有するPUSCHがUCIを有さないPUSCHより高い優先順位を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のCGのための上りリンク電力は、前記UEのために構成された最大電力から前記第2の保証電力を引いて残った、残りの電力内で割り当てられる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のCG及び前記第2のCG内で電力縮小を行うステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のCGは、前記MeNBに対するMCG(master cell group)であり、
前記第2のCGは、前記SeNBに対するSCG(secondary cell group)である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のCGは、前記SeNBに対するSCGであり、
前記第2のCGは、前記MeNBに対するMCGである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のCGは、複数の構成搬送波(CC;component carrier)を備え、
前記第2のCGは、複数のCCを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
メモリと、
RF(radio frequency)部と、
前記メモリ及び前記RF部と連結されるプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記RF部が第1の搬送波グループ(CG;carrier group)のための第1の保証電力についての情報及び第2のCGのための第2の保証電力についての情報を上位層を介してネットワークから受信するように制御し、前記第1の保証電力は前記第1のCGに割り当てられた最小の電力であり、前記第2の保証電力は前記第2のCGに割り当てられた最小の電力であり、
前記第2の保証電力及びチャネル優先順位に基づいて前記第1のCGのための上りリンク電力を割り当てるように制御し、
前記端末はマスタeNB(MeNB)とセコンダリeNB(SeNB)に二重接続さ
前記チャネル優先順位で、PRACH(physical random access channel)が最も高い優先順位を有する、端末(UE)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関し、より詳細には、無線通信システムにおける上りリンク電力を制御する方法及び装置に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(universal mobile telecommunications system)は、ヨーロッパシステム(European system)、GSM(global system for mobile communications)、及びGPRS(general packet radio services)に基づいてWCMDA(wideband code division multiple access)で動作する3世代(3rd generation)非同期(asynchronous)移動通信システムである。UMTSのLTE(long−term evolution)がUMTSを標準化する3GPP(3rd generation partnership project)により議論中である。
【0003】
3GPP LTEは、高速パケット通信を可能にするための技術である。LTE目標であるユーザと事業者の費用節減、サービス品質向上、カバレッジ拡張及びシステム容量増大のために多くの方式が提案された。3GPP LTEは、上位レベル必要条件として、ビット当たり費用節減、サービス有用性向上、周波数バンドの柔軟な使用、簡単な構造、開放型インタフェース及び端末の適切な電力消費を要求する。
【0004】
サービスのユーザ要求に対する容量を増加させるために、帯域幅を増加させることが重要でありうる。破片化された小さな帯域を効果的に使用するために、搬送波集合(CA:carrier aggregation)または資源集合が開発されてきた。これは、イントラ−ノード(intra−node)搬送波上またはインタ−ノード(inter−node)搬送波上に周波数領域内の物理的に連続的でない複数の帯域をグルーピングし、あたかも論理的により広い帯域が使用されるような効果を得ることを目標とする。搬送波集合によりグルーピングされる個別単位の搬送波を構成搬送波(CC;component carrier)という。インタ−ノード資源集合で各ノードに対して搬送波グループ(CG;carrier group)が設定され得、1つのCGは、複数のCCを有することができる。各CCは、単一帯域幅と中心周波数とに定義される。
【0005】
LTE Rel−12において、二重連結(dual connectivity)が支援されるスモールセル向上(small cell enhancement)に対する新しい議論が始まった。二重連結は、RRC_CONNECTED状態の与えられた端末が非理想的なバックホール(backhaul)で連結された少なくとも2つの互いに異なるネットワーク地点(マスタeNB(MeNB)及びセコンダリeNB(SeNB))から提供される無線資源を消費する動作である。さらに、端末のための二重連結に関与する各eNBは、他の役割を仮定することができる。その役割は、eNBの電力等級に依存する必要がなく、端末間で異なり得る。
【0006】
上りリンク電力制御は、物理チャネルが伝送されるSC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)シンボル上の平均電力を決定する。上りリンク電力制御は、互いに異なる上りリンク物理チャネルの伝送電力を制御する。CAまたは二重連結のための効率的な上りリンク電力制御方法が要求され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、無線通信システムにおける上りリンク電力を制御する方法及び装置を提供する。本発明は、端末(UE;user equipment)が理想的または非理想的バックホール(backhaul)上にインタ−サイト(inter−site)搬送波で構成され、スケジューリング及び電力制御が各サイトで独立に行われるとき、上りリンク電力を制御する方法を提供する。本発明は、各搬送波グループに対して最小留保された伝送電力を構成し、端末が最大許容電力のため、制限された電力を経験する場合、未使用の伝送電力に対して電力共有規則を適用することを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様において、無線通信システムにおける端末(UE;user equipment)による上りリンク電力を制御する方法が提供される。前記方法は、第1の搬送波グループに対する第1の最小留保電力及び第2の搬送波グループに対する第2の最小留保電力を割り当て、及び前記第1の最小留保電力及び前記第2の最小留保電力を割り当てた後、前記第1の最小留保電力及び前記第2の最小留保電力を除いた残りの電力に対して前記第1の搬送波グループ及び前記第2の搬送波グループ間に電力共有規則を適用することを含む。
【0009】
他の態様において、無線通信システムにおける端末(UE;user equipment)が提供される。前記端末は、無線信号を伝送または受信するRF(radio frequency)部、及び前記RF部と連結されるプロセッサを備え、前記プロセッサは、第1の搬送波グループに対する第1の最小留保電力及び第2の搬送波グループに対する第2の最小留保電力を割り当て、及び前記第1の最小留保電力及び前記第2の最小留保電力を割り当てた後、前記第1の最小留保電力及び前記第2の最小留保電力を除いた残りの電力に対して前記第1の搬送波グループ及び前記第2の搬送波グループ間に電力共有規則を適用するように構成される。
【発明の効果】
【0010】
各eNB(evolved NodeB)または各搬送波グループに対して個別的な最小留保電力が保障され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】無線通信システムを示す。
図2】3GPP LTEの無線フレームの構造を示す。
図3】1つのDLスロットに対する資源グリッド(resource grid)を示す。
図4】DLサブフレームの構造を示す。
図5】ULサブフレームの構造を示す。
図6】3GPP LTE−Aの搬送波集合の例を示す。
図7】大型セル及び小型セルへの二重連結の例を示す。
図8】パワーが制限される場合のPRACH伝送によるパワー縮小の例を示す。
図9】本発明の一実施形態に係る上りリンクパワー割当の例を示す。
図10】本発明の一実施形態に係る上りリンクパワー割当の例を示す。
図11】本発明の一実施形態に係る上りリンク制御方法の例を示す。
図12】本発明の一実施形態に係る2段階パワー制限接近方式の例を示す。
図13】本発明の一実施形態に係る2段階パワー制限接近方式のさらに他の例を示す。
図14】UEの遅延処理の一例を示す。
図15】本発明の実施形態が実現される無線通信システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において説明される技術、装置、及びシステムは、CDMA(code division multiple access)、FDMA(frequency division multiple access)、TDMA(time division multiple access)、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)などのような種々の無線通信システムに使用されることができる。CDMAは、UTRA(universal terrestrial radio access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)として実現されることができる。TDMAは、GSM(global system for mobile communications)/GPRS(general packet radio service)/EDGE(enhanced data rates for GSM evolution)のような無線技術として実現されることができる。OFDMAは、IEEE(institute of electrical and electronics engineers)802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802−20、E−UTRA(evolved UTRA)などのような無線技術として実現されることができる。UTRAは、UMTS(universal mobile telecommunications system)の一部である。3GPP(3rd generation partnership project) LTE(long term evolution)は、E−UTRA(evolved−UMTS terrestrial radio access)を使用するE−UMTS(evolved UMTS)の一部であって、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(advanced)は、3GPP LTEの進化である。説明を明確にするために、本明細書は、3GPP LTE/LTE−Aに焦点を合わせる。しかし、本発明の技術的特徴がこれに制限されるものではない。
【0013】
図1は、無線通信システムを示す。無線通信システム10は、少なくとも1つの基地局(11;BS;base station)を含む。各BS(11)は、特定の地理的領域(一般に、セルという)15a、15b、15cに対して通信サービスを提供する。各セルは、さらに複数の領域(セクタともいう)に分けられることができる。端末(12;UE;user equipment)は、固定されるか、移動性を有することができ、MS(mobile station)、MT(mobile terminal)、UT(user terminal)、SS(subscriber station)、無線機器(wireless device)、PDA(personal digital assistant)、無線モデム(wireless modem)、携帯機器(handheld device)等、他の用語として呼ばれることができる。BS(11)は、一般に、UE(12)と通信する固定された地点をいい、eNB(evolved−NodeB)、BTS(base transceiver system)、アクセスポイント(access point)等、他の用語として呼ばれることができる。
【0014】
UEは、通常1つのセルに属するが、UEが属したセルをサービングセル(serving cell)という。サービングセルに対して通信サービスを提供するBSをサービングBSという。無線通信システムは、セルラーシステムであるから、サービングセルに隣接する他のセルが存在する。サービングセルに隣接する他のセルを隣接セル(neighbor cell)という。隣接セルに対して通信サービスを提供するBSを隣接BSという。サービングセル及び隣接セルは、UEを基準として相対的に決定される。
【0015】
この技術は、下りリンク(DL;downlink)または上りリンク(UL;uplink)に使用されることができる。一般に、DLは、BS(11)からUE(12)への通信を意味し、ULは、UE(12)からBS(11)への通信を意味する。DLにおいて送信機は、BS(11)の一部であり、受信機は、UE(12)の一部でありうる。ULにおいて送信機は、UE(12)の一部であり、受信機は、BS(11)の一部でありうる。
【0016】
無線通信システムは、MIMO(multiple−input multiple−output)システム、MISO(multiple−input single−output)システム、SISO(single−input single−output)システム、及びSIMO(single−input multiple−output)システムのうち、いずれか1つでありうる。MIMOシステムは、複数の伝送アンテナと複数の受信アンテナとを使用する。MISOシステムは、複数の伝送アンテナと1つの受信アンテナとを使用する。SISOシステムは、1つの伝送アンテナと1つの受信アンテナとを使用する。SIMOシステムは、1つの伝送アンテナと複数の受信アンテナとを使用する。以下において伝送アンテナは、1つの信号またはストリームを伝送するのに使用される物理的または論理的アンテナを意味し、受信アンテナは、1つの信号またはストリームを受信するのに使用される物理的または論理的アンテナを意味する。
【0017】
図2は、3GPP LTEの無線フレームの構造を示す。図2に示すように、無線フレームは、10個のサブフレームを含む。サブフレームは、時間領域で2個のスロットを含む。1つのサブフレームを伝送するのにかかる時間は、TTI(transmission time interval)として定義される。例えば、1つのサブフレームの長さは1msでありえ、1つのスロットの長さは0.5msでありうる。1つのスロットは、時間領域で複数のOFDM(orthogonal frequency division multiplexing)シンボルを含む。3GPP LTEがDLでOFDMAを使用するので、OFDMシンボルは、1つのシンボル区間を表現するためのものである。OFDMシンボルは、多重接続方式によって他の名称で呼ばれることができる。例えば、UL多重接続方式としてSC−FDMAが使用される場合、SC−FDMAシンボルということができる。資源ブロック(RB;resource block)は、資源割当単位であって、1つのスロットで複数の連続する副搬送波を含む。前記無線フレームの構造は、一例に過ぎないものである。したがって、無線フレームに含まれるサブフレームの個数やサブフレームに含まれるスロットの個数、またはスロットに含まれるOFDMシンボルの個数は様々に変更され得る。
【0018】
3GPP LTEは、1つのスロットが一般CP(cyclic prefix)で7OFDMシンボルを含み、拡張CPで6OFDMシンボルを含むことと定義する。
【0019】
無線通信システムは、大きくFDD(frequency division duplex)方式とTDD(time division duplex)方式とに分けることができる。FDD方式によれば、UL伝送とDL伝送とが互いに異なる周波数帯域を占めながらなされる。TDD方式によれば、UL伝送とDL伝送とが同じ周波数帯域を占めながら互いに異なる時間になされる。TDD方式のチャネル応答は、実質的に相互的(reciprocal)である。これは、与えられた周波数領域でDLチャネル応答とULチャネル応答とがほとんど同一であるということである。したがって、TDDに基づいた無線通信システムにおいてDLチャネル応答は、ULチャネル応答から得られることができるという長所がある。TDD方式は、全体周波数帯域をUL伝送とDL伝送とに時分割するので、BSによるDL伝送とUEによるUL伝送とが同時に行われ得ない。UL伝送とDL伝送とがサブフレーム単位に区分されるTDDシステムにおいて、UL伝送とDL伝送とは、互いに異なるサブフレームで行われる。
【0020】
図3は、1つのDLスロットに対する資源グリッド(resource grid)を示す。図3に示すように、DLスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含む。ここで、1つのDLスロットは、7OFDMシンボルを含み、1つのRBは、周波数領域で12副搬送波を含むことを例示的に記述するが、これに制限されるものではない。資源グリッド上の各要素を資源要素(resource element)という。1つのRBは、7×12資源要素を含む。DLスロットに含まれる資源ブロックの数(NDL)は、DL伝送帯域幅に従属する。ULスロットの構造もDLスロットの構造と同様でありうる。
【0021】
OFDMシンボルの数と副搬送波の数とは、CPの長さ、周波数間隔などによって様々に変更され得る。例えば、ノーマルCPの場合、OFDMシンボルの数は7であり、拡張CPの場合、OFDMシンボルの数は6である。1つのOFDMシンボルで副搬送波の数は、128,256,512,1024,1536及び2048のうち、1つを選定して使用することができる。
【0022】
図4は、DLサブフレームの構造を示す。図4に示すように、サブフレーム内の1番目のスロットの先行の最大3OFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域である。残りのOFDMシンボルは、PDSCH(physical downlink shared channel)が割り当てられるデータ領域に対応する。3GPP LTEで使用されるDL制御チャネルの例示として、PCFICH(physical control format indicator channel)、PDCCH(physical downlink control channel)、PHICH(physical HARQ indicator channel)などを含む。PCFICHは、サブフレームの1番目のOFDMシンボルで伝送され、サブフレーム内で制御チャネルの伝送に使用されるOFDMシンボルの個数と関連した情報を運ぶ。PHICHは、UL伝送に対する応答であり、HARQ(hybrid automatic repeat request)ACK/NACK(acknowledgement/non−acknowledgement)信号を運ぶ。PDCCHを介して伝送される制御情報は、DCI(downlink control information)である。DCIは、ULまたはDLスケジューリング情報、若しくは任意のUEグループのためのUL伝送電力制御(TPC;transmit power control)命令を含む。
【0023】
PDCCHは、DL−SCH(downlink−shared channel)の資源割当及び伝送フォーマット、UL−SCH(uplink shared channel)の資源割当情報、ページングチャネル上のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上に伝送されるランダムアクセス応答のような上位階層制御メッセージの資源割当、任意のUEグループ内の個別UEに対するTPC命令の集合、及びVoIP(voice over internet protocol)の活性化などを運ぶことができる。複数のPDCCHが制御領域内で伝送され得る。UEは、複数のPDCCHをモニタリングすることができる。PDCCHは、1つまたはいくつかの連続的なCCE(control channel elements)の集合(aggregation)上に伝送される。CCEは、無線チャネルの状態に応じた符号化率を有するPDCCHを提供するために使用される論理的割当単位である。CCEは、複数のREG(resource element group)に対応する。
【0024】
CCEの数とCCE等により提供される符号化率の連関関係によってPDCCHのフォーマット及び可能なPDCCHのビット数が決定される。BSは、UEに伝送しようとするDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報にCRC(cyclic redundancy check)を付ける。CRCは、PDCCHの所有者(owner)や用途によって固有な識別子(RNTI;radio network temporary identifier)でマスキングされる。特定UEのためのPDCCHであれば、UEの固有識別子、例えば、C−RNTI(cell−RNTI)がCRCにマスキングされ得る。または、ページングメッセージのためのPDCCHであれば、ページング指示識別子、例えば、P−RNTI(paging−RNTI)がCRCにマスキングされ得る。システム情報のためのPDCCHであれば、SI−RNTI(system information−RNTI)がCRCにマスキングされ得る。UEのランダムアクセスプリアンブルの伝送に対する応答であるランダムアクセス応答を指示するために、RA−RNTI(random access−RNTI)がCRCにマスキングされ得る。
【0025】
図5は、ULサブフレームの構造を示す。図5に示すように、ULサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに分けられることができる。制御領域は、UL制御情報が伝送されるためのPUCCH(physical uplink control channel)が割り当てられる。データ領域は、ユーザデータが伝送されるためのPUSCH(physical uplink shared channel)が割り当てられる。上位階層で指示される場合、UEは、PUSCHとPUCCHの同時伝送を支援することができる。1つのUEに対するPUCCHは、サブフレームで資源ブロックペア(RB pair)に割り当てられる。RBペアに属する資源ブロックは、第1のスロットと第2のスロットとの各々で互いに異なる副搬送波を占める。これをPUCCHに割り当てられるRBペアが、スロット境界で周波数がホッピング(frequency−hopped)されたという。UEは、時間に応じてUL制御情報を互いに異なる副搬送波を介して伝送することにより、周波数ダイバーシティ利得を得ることができる。
【0026】
PUCCH上に伝送されるUL制御情報は、HARQ ACK/NACK、DLチャネル状態を表すCQI(channel quality indicator)、UL無線資源割当要求であるSR(scheduling request)などを含むことができる。
【0027】
PUSCHは、伝送チャネルであるUL−SCHにマッピングされる。PUSCH上に伝送されるULデータは、TTIの間に伝送されるUL−SCHのためのデータブロックである伝送ブロックでありうる。伝送ブロックは、ユーザ情報でありうる。または、ULデータは、多重化された(multiplexed)データでありうる。多重化されたデータは、UL−SCHのための伝送ブロックと制御情報とが多重化して得られたデータでありうる。例えば、データに多重化される制御情報は、CQI、PMI(precoding matrix indicator)、HARQ、RI(rank indicator)などを含むことができる。または、ULデータは、制御情報のみで構成されることもできる。
【0028】
搬送波集合(Carrier aggregation:CA)が記述される。これは、3GPP TS 36.300 V11.6.0の第5.5節を参照することができる(2013−06)。
【0029】
CAにおいて、2つまたはそれ以上の構成搬送波(component carrier:CC)が100MHzまたはそれ以上に達するより広い伝送帯域幅を支援するために集合される。UEは、その能力によって単一または多重のCCを受信するか、送信することができる。CAに対して単一なタイミングアドバンス(timing advance)能力を有するUEは、同じタイミングアドバンスを共有する多重のサービングセル(1つのタイミングアドバンスグループ(TAG)内でグループをなす多重のサービングセル)に該当する多重のCC上で同時に受信及び/又は送信を行うことができる。CAに対して多重のタイミングアドバンス能力を有するUEは、互いに異なるタイミングアドバンスを共有する多重のサービングセル(多重のTAG内でグループをなす多重のサービングセル)に該当する多重のCC上で同時に受信及び/又は送信を行うことができる。E−UTRANは、各TAGが少なくとも1つのサービングセルを含むことを保障する。CA能力を有さないUEは、単一CC上で受信し、1つのサービングセルにのみ該当する単一CC上で送信することができる(1つのTAGに1つのサービングセル)。
【0030】
サービングセルは、下りリンク及び選択的に上りリンク資源の組み合わせである。すなわち、サービングセルは、1つのDL CCと1つのUL CCとを含むことができる。他の方式として、サービングセルは、1つのDL CCで構成されることができる。CAは、複数のサービングセルを有することができる。前記複数のサービングセルは、1つの1次サービングセル(PCell)及び少なくとも1つの2次サービングセル(SCell)で構成されることができる。PUCCH伝送、任意接近手順などは、PCellのみで行われることができる。
【0031】
図6は、3GPP LTE−Aの搬送波集合(carrieraggregation)の例を見せる。図6に示すように、各CCは、20MHzの帯域幅を有し、これは、3GPP LTEの帯域幅である。5個までのCCまたはそれ以上が集合され得るし、したがって、最大100MHzの帯域幅またはそれ以上が構成され得る。
【0032】
CAは、隣接及び非隣接CCの全てで支援され、各CCは、周波数ドメインで数霊学(numerology)Rel−8/9を使用して最大110RBに制限される。
【0033】
UEが、同じeNB及びUL及びDLでの互いに異なる可能な、互いに異なる帯域幅の、互いに異なる数のCCを集合するように構成することも可能である。構成できるDL CCの個数は、UEのDL集合能力によって変わる。構成できるUL CCの個数は、UEのUL集合能力によって変わる。一般的なTDD配置において、CCの個数とUL及びDLで各CCの帯域幅は同一である。構成できる複数のTAGは、UEのTAG能力によって変わる。
【0034】
同じeNBから由来するCCが同じカバレッジを提供する必要はない。
【0035】
CCは、LTE Rel−8/9と互換性を有するようになるであろう。それにもかかわらず、Rel−8/9 UEがCC上に位置することを避けるために、既存のメカニズム(例えば、バーリング(barring))が使用され得る。
【0036】
隣接するように集合されたCCの中心周波数間の間隔は、300kHzの倍数になるべきであろう。これは、Rel−8/9の100kHz周波数ラスタと互換性を有するようにし、同時に15kHzの間隔を有する副搬送波の直交性を保存するためである。集合のシナリオによって、n×300kHz間隔は、隣接するCC間に使用されない少ない数の副搬送波を挿入することにより、さらに容易に実現されることができる。
【0037】
TDD CAに対して、下りリンク/上りリンク構成は、同じ帯域にある構成搬送波にわたって同様であり、互いに異なる帯域にある構成搬送波にわたっては同様であるか、互いに異なることができる。
【0038】
二重連結が記述される。
【0039】
図7は、大型セル及び小型セルへの二重連結の例を示す。図7に示すように、UEは、大型セル及び小型セルの両方に連結されている。大型セルにサービスを提供する大型セルeNBは、二重連結でMeNBであり、小型セルにサービスを提供する小型セルeNBは、二重連結でSeNBである。前記MeNBは、少なくともS1−MMEを終結させるeNBであり、したがって、二重連結でのCNに向かう移動性アンカとして作用する。大型eNBが存在する場合、前記大型eNBは、一般的にMeNBとして機能することができる。SeNBは、UEに対する追加的な無線資源を提供するeNBであり、二重連結では、MeNBではない。前記SeNBは、一般的に最善の努力(BE)類型のトラフィックを伝送するように構成することができ、それに対し、前記MeNBは、VoIP、ストリーミングデータ、または信号処理データのような他の類型のトラフィックを伝送するように構成することができる。MeNB及びSeNB間のインタフェースは、Xnインタフェースと呼ばれる。前記Xnインタフェースは、理想的でないことと仮定され、言い替えれば、Xnインタフェースでの遅延が60msに達することがある。
【0040】
3GPP LTEの現在規格による上りリンクパワー制御が記述される。これに対しては、3GPP TS 36.213 V11.3.0の第5.1節を参照することができる(2013−06)。PUSCHに対して、伝送パワーP^PUSCH、c(i)は、まず、0でないPUSCH伝送を有するアンテナポートの個数に対する該当伝送体制に対して構成されたアンテナポートの個数の比により大きさが調節される。結果として、大きさが調節されたパワーは、さらにその上で前記0でないPUSCHが伝送されるアンテナポートにわたって同一に分割される。PUCCHまたはサウンディング参照信号(SRS;sounding reference signal)に対して、前記伝送パワーP^PUCCH(i)またはP^SRS、c(i)は、PUCCHまたはSRSに対して構成されたアンテナポートに対して同一に分割される。P^SRS、c(i)は、PSRS、c(i)の線形値である。
【0041】
PUSCHに対する上りリンクパワー制御が記述される。PUSCH伝送に対するUE伝送パワーの設定は、次のように定義される。UEがサービングセルcに対して同時にPUCCHを伝送しないながらPUSCHを伝送する場合、サービングセルcに対するサブフレームiでのPUSCH伝送に対するUE伝送パワーPPUSCH、c(i)は、数式1により与えられる。
【0042】
<数式1>
【数1】
【0043】
前記UEがサービングセルcに対してPUSCHをPUCCHと同時に伝送する場合、サービングセルcに対するサブフレームiでのPUSCH伝送のためのUE伝送パワーPPUSCH、c(i)は、数式2により与えられる。
【0044】
<数式2>
【数2】
【0045】
UEがPUSCHに対するDCI様式3/3Aとして受信した伝送パワー制御(TPC)命令の蓄積のために、サービングセルcに対するPUSCHを伝送しない場合、前記UEは、サービングセルcに対するサブフレームiでのPUSCH伝送のためのUE伝送パワーPPUSCH、c(i)は、数式3により計算されることと仮定することができる。
【0046】
<数式3>
【数3】
【0047】
前述された数式等において、PCMAX、c(i)は、サービングセルcに対するサブフレームiでの構成されたUE伝送パワーであり、P^CMAX、c(i)は、PCMAX、c(i)の線形値である。P^PUCCH(i)は、下記において説明されるPPUCCH(i)の線形値である。MPUSCH、c(i)は、サブフレームi及びサービングセルcに対して有効な資源ブロックの個数として表現されるPUSCH資源指定の帯域幅である。PO_PUSCH、c(j)は、サービングセルcに対してj=0及び1に対する上位階層から提供されるコンポーネントPO_NOMINAL_PUSCH、c(j)とj=0及び1に対する上位階層から提供されるコンポーネントPO_UE_PUSCH、c(j)との合計で構成されるパラメータである。PLcは、サービングセルcに対するUEにおいてdB単位で計算された下りリンク経路損失評価であり、PLc=referenceSignalPower(上位階層でフィルタリングされた基準信号受信パワー)(RSRP)であって、このとき、referenceSignalPowerは、上位階層により提供され、RSRP及び前記上位階層フィルタリング構成は、前記基準サービングセルに対して定義される。サービングセルcが1次セルを含むタイミングアドバンスグループ(TAG)に属する場合、前記1次セルの上りリンクに対して、前記1次セルは、referenceSignalPower及び上位階層によりフィルタリングされたRSRPを決定するための基準サービングセルとして使用される。2次セルの上りリンクに対して、上位階層パラメータpathlossReferenceLinkingにより構成されたサービングセルがreferenceSignalPower及び上位階層でフィルタリングされたRSRPを決定するための基準サービングセルとして使用される。サービングセルcが1次セルを含まないTAGに属する場合には、サービングセルcがreferenceSignalPower及びさらに上位階層フィルタリングされたRSRPを決定するための基準サービングセルとして使用される。
【0048】
UEの全体伝送パワーがP^CMAX(i)を超過するならば、UEは、サブフレームi内のサービングセルcに対するP^PUSCH、c(i)の大きさを調節して数式4が満たされるようにする。
【0049】
<数式4>
【数4】
【0050】
数式4において、P^PUCCH(i)は、PPUCCH(i)の線形値、P^PUSCH、c(i)は、PPUSCH、c(i)の線形値、P^CMAX(i)は、サブフレームiでUEの構成された合計最大出力パワーPCMAXの線形値であり、w(i)は、サービングセルcに対するP^PUSCH、c(i)のスケーリング因子であって、このとき、0≦w(i)≦1である。サブフレームi内にPUCCH伝送がない場合、P^PUCCH(i)=0である。
【0051】
UEが、サービングセルj上で上りリンク制御情報(UCI)があるPUSCH伝送及び残っているいかなるサービングセルでもUCIがないPUSCHを有し、また、UEの合計送信パワーがP^CMAX(i)を超過しようとする場合、前記UEは、数式5を満たすようにサブフレームiでUCIを有さないサービングセルに対するP^PUSCH、c(i)の大きさを調整する。
【0052】
<数式5>
【数5】
【0053】
P^PUSCH、j(i)は、UCIがあるセルに対するPUSCH伝送パワーであり、w(i)は、UCIを有さないサービングセルcに対するP^PUSCH、c(i)のスケーリング因子である。このような場合に、
【数6】
でなく、前記UEの合計送信パワーが依然としてP^CMAX(i)を超過しようとする場合でない場合には、いかなるパワー大きさ調節もP^PUSCH、j(i)に適用されない。w(i)>0であるとき、w(i)値がサービングセル等にわたって同一でありうるが、特定のサービングセル等に対してはw(i)が0になり得るということに留意しなければならない。
【0054】
前記UEが、サービングセルj上にUCIがあるPUCCHとPUSCH伝送及びいかなる残余サービングセルにもUCIがないPUSCH伝送を同時に有する場合に、また、UEの全体伝送パワーがP^CMAX(i)を超過しようとする場合、前記UEは、数式6によるP^PUSCH、c(i)を取得する。
【0055】
<数式6>
【数7】
【0056】
前記UEが多重のTAG等で構成され、TAG内の与えられたサービングセルに対するサブフレームi上での前記UEのPUCCH/PUSCH伝送が、さらに他のTAG内の他のサービングセルに対するサブフレームi+1上のPUSCH伝送の最初シンボルの一部と重なる場合、前記UEは、重なるいかなる部分上でもPCMAXを超過しないように自分の全体伝送パワーを調節するようになるであろう。
【0057】
前記UEが多重のTAG等で構成され、TAG内の与えられたサービングセルに対するサブフレームi上での前記UEのPUSCH伝送が、さらに他のTAG内の他のサービングセルに対するサブフレームi+1上のPUCCH伝送の最初のシンボルの一部と重なる場合、前記UEは、重なるいかなる部分上でもPCMAXを超過しないように自分の全体伝送パワーを調節するようになるであろう。
【0058】
前記UEが多重のTAG等で構成され、TAG内の与えられたサービングセルに対するサブフレームi上のシンボルでの前記UEのSRS伝送が同一であるか、さらに他のTAG内の他のサービングセルに対するサブフレームi+1上のPUCCH/PUSCH伝送と重なる場合、前記UEは、シンボルの重なるいかなる部分上で自分の全体伝送パワーがPCMAXを超過するようになると、SRSを脱落させることになるであろう。
【0059】
前記UEが多重のTAG等及び2個を越えるサービングセルで構成され、与えられたサービングセルに対するサブフレームi上のシンボルでの前記UEのSRS伝送が、互いに異なるサービングセル(等)上のサブフレームi上のSRS伝送及びさらに他のサービングセル(等)に対するサブフレームiまたはサブフレームi+1上のPUSCH/PUCCH伝送と重なる場合、前記UEは、シンボルの重なるいかなる部分上で自分の全体伝送パワーがPCMAXを超過するようになると、前記SRS伝送を脱落させることになるであろう。
【0060】
前記UEが多重のTAG等で構成された場合、前記UEは、上位階層により2次サービングセル内の物理任意接続チャネル(PRACH)を他のTAGに属する互いに異なるサービングセルのサブフレーム上のシンボルでのSRS伝送と並行して伝送するようにする要求を受けると、シンボルの重なるいかなる部分上で自分の全体伝送パワーがPCMAXを超過するようになる場合に、SRSを脱落させるであろう。
【0061】
前記UEが多重のTAG等で構成された場合、前記UEは、上位階層により2次サービングセル内のPRACHを他のTAGに属する互いに異なるサービングセル内のPUSCH/PUCCHと並行して伝送するようにする要求を受けると、シンボルの重なるいかなる部分上でも自分の全体伝送パワーがPCMAXを超過しないようにPUSCH/PUCCHの伝送パワーを調節するようになるであろう。
【0062】
PUCCHに対する上りリンクパワー制御が記述される。サービングセルcが1次セルである場合、サブフレームi内のPUCCH伝送のためのUE伝送パワーPPUCCHの設定は、数式7により定義される。
【0063】
<数式7>
【数8】
【0064】
UEが1次セルに対するPUCCHを伝送していない場合には、PUCCHに対するDCI様式3/3Aとして受信されたTPC命令の蓄積のために、前記UEは、サブフレームiでのPUCCH伝送に対するUE伝送パワーPPUCCHが数式8により計算されることと仮定することになるであろう。
【0065】
<数式8>
【数9】
【0066】
前述された数式等において、PCMAX、c(i)は、サービングセルcに対するサブフレームiで構成されたUEである。パラメータΔF_PUCCH(F)は、上位階層により提供される。前記UEが2つのアンテナポート上でPUCCHを伝送するように上位階層により構成された場合、ΔTxD(F’)の値は、上位階層により提供される。そうでない場合、ΔTxD(F’)=0である。h(nCQI、nHARQ、nSR)は、PUCCHフォーマットに依存する値であって、ここで、nCQIは、チャネル品質情報(CQI)に対する情報ビットの個数に該当する。サブフレームiがUL−SCHに対するいかなる連関した伝送ブロックも有していないUEに対するSRのために構成された場合、nSR=1であり、そうでない場合、nSR=0=0である。PO_PUCCHは、上位階層により提供されるパラメータPO_NOMINAL_PUCCH及び上位階層により提供されるパラメータPO_UE_PUCCHの合計で構成されるパラメータである。
【0067】
以下では、本発明の実施形態に係る上りリンクパワーの制御のための方法が説明される。本発明の一実施形態は、UEに対してインタサイト(inter−site)搬送波集合が使用されるときのパワー制御の側面を提案することができる。インタサイト搬送波集合は、少なくとも2つの搬送波が理想的なバックホールまたは理想的でないバックホールに連結することができる別のeNB等と連関する場合、UEが多重の搬送波で構成されることと定義することができる。UEが2つのUL伝送(PUSCH/PUCCHを含む)を同時に行うことができるときは、次のような場合が考慮され得る。
【0068】
・事例1:理想的バックホールにわたってFDD+FDDまたは同じDL/UL構成TDD+TDD
【0069】
・事例2:理想的でないバックホールにわたってFDD+FDDまたは同じDL/UL構成TDD+TDD
【0070】
・事例3:理想的FDD+TDDまたは互いに異なるDL/UL構成TDD+TDD
【0071】
・事例4:理想的でないFDD+TDDまたは互いに異なるDL/UL構成TDD+TDD
【0072】
UEが2つのUL伝送を同時に行うことができなければ、次のような場合が考慮され得る。
【0073】
・事例5:理想的FDD+FDDまたは同じDL/UL構成TDD+TDD
【0074】
・事例6:理想的でないFDD+FDDまたは同じDL/UL構成TDD+TDD
【0075】
・事例7:理想的FDD+TDDまたは互いに異なるDL/UL構成TDD+TDD
【0076】
・事例8:理想的でないFDD+TDDまたは互いに異なるDL/UL構成TDD+TDD
【0077】
本発明の一実施形態は、各eNBに対するパワー制御が別に管理される場合に重点を置くであろう。2つ以上のCCが1つのeNB内で構成される場合、3GPP LTE rel−11で使用された上りリンクパワー制御をeNB間搬送波等に適用することができる。より詳しくは、本発明の一実施形態は、パワーリミテッドケース(power limited case)が発生するとき、各搬送波グループが搬送波グループ内で使用され得る最大パワーとして指定される場合を考慮するであろう(すなわち、全ての上りリンクチャネルに対して必要なパワーの合計がUEに対する最大パワーを超過する場合)。また、本発明の一実施形態は、搬送波グループ当たり、要求された全体パワーが全体UEパワーを超過するとき、全体UEパワーをいかに活用するかを提案するであろう。また、本発明の一実施形態は、搬送波グループ当たり、留保された最小のパワーをいかに活用するか、及び搬送波グループ間で割り当てられていない残余パワーをいかに共有するかを提案するであろう。また、本発明の一実施形態は。PRACH及びPUCCHのような物理チャネル当たり、パワー割当をいかに処理するかを提案するであろう。本発明の実施形態等が提案する前記説明は、さらに単一eNBが2つ以上の搬送波グループを維持する前述された事例1または事例3のような場合にも適用され得る。UEが単一eNBにより構成されているとき、本発明は、例えば、他のパラメータを含むなどのように、異なるように適用されることができる。言い替えれば、本発明は、単一eNBにより構成される搬送波グループ等に対して、必要な場合、一部説明と変更を介して適用され得るであろう。
【0078】
以下では、便宜上、2つ以上の搬送波グループが単一eNBにより構成された場合を「PUCCHオフロード(offloading)」と記述し、このとき、各搬送波グループは、PUCCHを受信する搬送波を有することができる。各搬送波グループは、PUCCH搬送波の個数が搬送波グループ当たり、1つに制限されることができるが、多重の搬送波を有することができる。
【0079】
また、パワーが各搬送波グループまたはeNBによって割り当てられ、1つの搬送波グループが、例えば、無線リンク失敗(RLF)または低い性能のため、除去されれば、再構成をしなくても当該パラメータが有効でなくなると仮定することができる。例えば、最小限の保障されたパワーがMeNB及びSeNBに各々20%ずつ割り当てられると仮定される。RLFのため、前記SeNBが再構成されるとき、前記SeNBが再構成されるまでは、パワー割当がUEにより使用されないであろう(したがって、SeNBに対して留保されるパワーは発生しないであろう)。言い替えれば、搬送波グループ当たり、またはeNB当たり、パワー割当は、2つの搬送波グループまたは2つのeNBが活性化されているときにのみ有効であろう。そうでない場合、前記UEは、このようなパラメータを無視するであろう。これは、あたかも搬送波グループが変化したり、SeNBが変化するとき、UEが異なるパワー割当として「再構成」されたと解析されることができる(例えば、MeNBまたはPCellを有する第1の搬送波グループに100%を指定)。
【0080】
1.本発明の一実施形態によって、eNB当たり、または搬送波グループ当たり、最大パワーで構成されたPCMAXを割り当てる方法が記述される。この方法によれば、各eNBまたは各搬送波グループに対するPCMAXが半静的に(semi−statically)構成されることができる。
【0081】
本発明の一実施形態によれば、2つ以上のeNBがUEにサービスを提供するとき、使用可能な最大パワーは、各eNBにより別に、または各eNBに対して別に構成されることができる。または、使用可能な最大パワーは、PCellが属する搬送波グループで、またスーパーSCell(または、マスタSCell)が属するグループ(等)で別に構成されることができる。言い替えれば、別の最大パワーは、各eNBまたは各搬送波グループに対して維持される。以下では、本発明の一実施形態によって、各eNBまたは搬送波グループに対して使用可能な最大パワーは、PCMAX、eNBjとして表示され、UEに対する最大パワーは、PCMAXとして表示される。例えば、2つのeNB、すなわち、eNB1及びeNB2が前記UEにサービスを提供すると仮定すれば、各eNBは、自分の条件及び他の因子によって互いに異なる使用可能な最大パワーを構成することができる。他の方式として、第2の搬送波グループ(例えば、eNB2)に対して使用可能な最大パワーのみがeNB1により割り当てられることができ、全ての残余パワー(PCMAX:第2の搬送波グループ(または他のグループ)に割り当てられた最大パワー)が第1の搬送波グループに対して活用され得る。他の方式として、第1の搬送波グループ(すなわち、eNB1)に対して使用可能な最大パワーのみがeNB1により割り当てられることができ、全ての残余パワーは、第2の搬送波グループに対して活用され得る。
【0082】
以下では、第1の搬送波グループ(または、第1のeNB)に対する最大パワー及び第2の搬送波グループ(または、第2のeNB)に対する最大パワーが各々PCMAX、eNB1及びPCMAX、eNB2と呼ばれるであろう。PCMAX、eNB1≦PCMAX及びPCMAX、eNB2≦PCMAXである。最大パワー縮小(MPR)を考慮したその構成によって、前記UEは、PCMAX、eNB1及びPCMAX、eNB2を計算することができ、前記計算された最大パワーを2つのeNBに報告することができる。不要な交差搬送波グループ電力縮小(power scaling)の問題を避けるために、2つのeNBの両方に対する最大パワーの合計がPCMAXを超過しないようにする。すなわち、PCMAX=PCMAX、eNB1+PCMAX、eNB2である。これを保障するために、前記UEがただ1つの最大パワー、すなわち、PCMAX、eNB1またはPCMAX、eNB2のうち、1つのみで構成され、他の最大パワーは、前記UEに対する最大パワーに基づいて計算することが考慮され得る。
【0083】
他の方式として、UEが両eNBに対する最大パワーとして構成されるとしても、両eNBに対する最大パワーの合計がPCMAXを超過する場合、1つのeNBに基づいた他のeNB上の適切な電力縮小が考慮され得る。より詳しくは、前記電力縮小は、前記UEがパワーリミテッドケースを経る場合にのみ適用されることができる。例えば、PCMAX、eNB1+PCMAX、eNB2>PCMAXである場合、前記UEは、PCMAX、eNB1またはPCMAX、eNB2のうち、いずれか1つを取ることができ、残った最大パワーは、min{PCMAX−PCMAX、eNB1、PCMAX、eNB2}に基づいて調節される。どのeNBパワーを変更されていない元のものに取るかに対することが構成され得る。または、MeNBが常に維持されるか、またはSeNBが常に維持され得る。このような場合、前記UEは、このような状況をMeNBに表して、前記MeNBが各eNBまたは各搬送波グループに対して使用可能な最大パワーを再構成するようにすることができる。前記MeNBがPCMAX、eNB2のみを割り当てる場合、前記UEは、PCMAX、eNB1=PCMAX−PCMAX、eNB2であることと仮定し、PCMAX、eNB1を前記MeNBに報告することができる。
【0084】
各搬送波グループが構成された多重の搬送波を有する場合、各搬送波に対して割り当てられた最大パワーは、全体搬送波グループに割り当てられた最大パワーより小さいことができる。そうでない場合、前記UEは、2つの値のうち、最小値を搬送波当たり、最大パワーとして仮定することができる。このパラメータ等は、ターゲットeNBへのいかなる上りリンク伝送に対しても使用されることができる。例えば、eNB1へのいかなる上りリンク伝送もPCMAX、eNB1を前記eNB1に対する最大パワーとして使用することができ、eNB2へのいかなる上りリンク伝送もPCMAX、eNB2を前記eNB2に対する最大パワーとして使用することができる。各eNBが多重のCC等を構成する場合、eNB内でのパワー制御は、3GPP LTE rel−11で使用された上りリンクパワー制御にしたがって行われることができる。他の方法として、PCMAX、eNB1及びPCMAX、eNB2の信号が前記eNB等に別に送られることができる。または、2つのeNB間の百分率の構成も、UEが前記UEに対する最大パワーを構成された比率に基づいてそれぞれのeNBに分けるように構成されることができる。例えば、前記構成された比率が2つのeNB間で80%/20%である場合、前記UEに対して構成された最大パワーの80%は、eNB1への伝送のために使用され、前記UEに対して構成された最大パワーの20%は、eNB2への伝送のために各々使用されることができる。
【0085】
CMAX、eNB1及びPCMAX、eNB2は、2つのeNB間で交換されることができる。前記MeNBは、このような情報をSeNBに暗示的にまたは明示的に知らせることができる。UEがこのような値で構成されたとき、前記UEは、これをSeNBに暗示的に知らせることができる。
【0086】
各搬送波グループ/eNBでの各チャネル/信号に対する個別的なパワー制御は、3GPP LTE rel−11で使用された上りリンクパワー制御をしたがうことができる。各信号に対するパワーが決定されれば、同じeNBに属するCC等に対して、次のように、電力縮小が行われ得る。詳細な機能が下記の説明により制限されない。しかし、原則的に、パワー制御は、各eNBに対して別に行われることができ(例えば、MeNB/SeNBまたは独立的に行うeNB/補助eNB)、3GPP LTE rel−11で使用された上りリンクパワー制御がそれぞれのパワー制御ループに適用され得る。
【0087】
P^CMAX、eNBj(i)がeNBjに対して構成され、UEの合計伝送パワーがP^CMAX、eNBj(i)を超過しようとする場合、前記UEは、数式9が満たされるようにサブフレームi内のeNBjに属するサービングセルに対するP^PUSCH、eNBj、c(i)を調節する。
【0088】
<数式9>
【数10】
【0089】
数式9において、P^PUCCH、eNBj(i)は、PPUCCH、eNBj(i)の線形値、P^PUSCH、eNBj、c(i)は、PPUSCH、eNBj、c(i)の線形値、P^CMAX、eNBj(i)は、UEの構成された合計最大出力パワーPCMAX、eNBjの線形値であり、w(i)は、サービングセルcに対するP^PUSCH、eNBj、c(i)のスケーリング因子であり、このとき、0≦w(i)≦1である。サブフレームi内にPUCCH伝送がない場合、P^PUCCH、eNBj(i)=0である。
【0090】
そうでない場合、P^CMAX、eNB1-j(i)がeNB1-jに対して構成されれば、P^CMAX、eNBj(i)=PCMAX−P^CMAX、eNB1-j(i)になる。UEの全体伝送パワーがP^CMAX、eNBj(i)を超過するようになると、前記UEは、サブフレームi内のeNBjに属するサービングセルcに対するP^PUSCH、eNBj、c(i)の大きさを調節して、前記記述した数式9が満たされるようにする。
【0091】
言い替えれば、パワー制御は、各eNBに(MAC(media access control)毎に)、別に処理されることができ、これにより、PUCCHが1つのCC(PCellまたはPCellと同等なCC)でのみ伝送される限り、多重のCC及びeNB内のパワー制御が3GPP LTE rel−11搬送波集合と同様に取り扱われることができるようになる。
【0092】
また、eNB内のパワー制御も必要でありうる。数式10は、各eNBjの全体パワーを見せる。
【0093】
<数式10>
【数11】
【0094】
eNB内のパワー制御の第1の条件として、全体パワー間のオフセットが考慮され得る。eNB内のパワー制御のための第1の条件は、帯域の組み合わせによっては省略されることもできる。上りリンク帯域が互いに隣接しない場合、前記第1の条件は考慮されないことができる。特定的には、帯域間二重連結において、数式11が満たされる場合に、第1の条件を満たしたものとみなされることができる。
【0095】
<数式11>
【数12】
【0096】
数式11において、Pthresholdは、上位階層によりシグナリングされるか、集合されたeNB等と合わせて集合された搬送波等の帯域組み合わせに基づいて計算されることができる。そうでない場合、電力縮小が数式12によって再度適用され得る。
【0097】
<数式12>
【数13】
【0098】
数式12において、eNB0は、MeNB(または、さらに高いパワーUL伝送ターゲットeNB)であると仮定される。他の方式として、第1の条件が失敗すれば、前記UEは、優先順位リスト(priority list)によって上りリンク信号を脱落させることができる。
【0099】
eNB内のパワー制御の第2の条件として、2つのパワーの合計が考慮され得る。2つのeNBに対する全体パワーがPCMAXを超過する場合、上りリンク信号が優先順位によって脱落され得る。または、電力縮小が同様に行われ得る。UEが2つのUL伝送を同時に行うことができないときには、第1/第2の条件は必要でないこともできる。
【0100】
2.本発明の一実施形態によって、eNB当たり、または搬送波グループ当たり、最小留保パワーで構成されたPallocを割り当てる方法が記述される。
【0101】
本発明の一実施形態によれば、2つ以上のeNBがUEにサービスを提供するとき、Pallocは、各eNBにより別にまたは各eNBに対して別に行われることができる。または、Pallocは、PCellが属する搬送波グループで、また、スーパーSCell(または、マスタSCell)が属するグループ(等)で別に構成されることができる。Pallocは、パワーリミテッドケースが発生する場合、搬送波グループ当たり、またはeNB当たり、最小の留保パワー割当を保障するために使用されることができる。言い替えれば、別の最小留保パワーは、各eNBまたは各搬送波グループに対して維持される。このようなパラメータは、eNB当たり、使用可能な最大パワーまたはPCMAX、cのような他のパラメータと合わせて使用されることができる。
【0102】
各搬送波グループ当たり、または各eNB当たり、Pallocを割り当てるための様々な方法が下記のように考慮され得る。
【0103】
(1)MeNBは、Palloc、eNB1及びPalloc、eNB2の両方を各々構成することができる。すなわち、前記MeNBは、少なくとも1つの上りリンク伝送があるとき、各eNBに割り当てられた最小留保パワーを決定することができる。
【0104】
(2)Pallocは、eNB当たり、最大使用可能な電力から類推されることができる。例えば、SeNBに対するPallocは、eNB当たり、使用可能な最大パワーが構成される場合、PCMAX−PCMAX、MeNB(MeNBに対するPallocと類似するように)として計算されることができる。このような場合、パワーが制限された場合であるかに関わらず、各eNBは、PCMAX、eNBまでのパワーのみを活用することができ、PCMAX−PCMAX、eNBは、他のeNBから以後に繋がるサブフレーム伝送のために留保され得る。
【0105】
(3)MeNB及びSeNBは、PallocをeNB毎に独立的に構成することができる。UEは、2つの値の合計がUEに対する最大パワーを超過する場合、「誤った構成」を報告することがある。他の方式として、前記合計がUEに対する最大パワーを超過する場合に、前記UEは、Palloc、SeNB=PCMAX−Palloc、MeNB(残余パワーに設定)として計算して、この値がUEに対する最大パワーを超過しないようにすることができる。または、Palloc、MeNB=PCMAX−Palloc、SeNBも考慮され得る。または、2つのeNBのうち、いずれがパワーを減らすかをネットワークが構成することもさらに考慮され得る。また、各搬送波グループまたは各eNBに対する最小留保パワーが絶対値でない比率の形態で構成されることも考慮してみることができる。このような比率は、必要なMPR及びその他、縮小措置を適用した後にUEが構成した最大パワーに基づいて適用されることができる。他の方式として、2つの値の合計がPCMAXを超過しない場合、前記比率は(23dBmのような)、パワークラス当たり、UEに対する最大パワーに基づいて適用されることができる。しかし、比率計算による2つの値の合計がPCMAXを超過するようになると、前記比率は、PCMAXに基づいて適用されることができる。例えば、MPRのため、6dBのパワー損失があり、比率が50%/50%である場合、UEは、このような比率をPCMAXに基づいて適用することができる。Palloc、xeNBを適用するさらに他の接近方式は、MPR及び全てのものは、Palloc、xeNBを各搬送波グループ当たり、最大パワーとして設定することにより適用するものである。本明細書において説明された技術は、前述されたことと合わせてPCMAX、xeNBにも適用されることができる。
【0106】
(4)UEは、eNB当たり、Pallocを決定し、その値を両eNBに報告することができる。前記UEは、経路損失及び一部上位階層が構成したパワー制御パラメータに基づいて両eNBに対するPallocを計算することができる。
【0107】
(5)MeNBは、UEがSeNB伝送に対する最小留保パワーとして使用できる(SeNBに対する)Palloc、eNB2のみを構成することができる。パワーリミテッドケースが発生すれば(選択的にUEがSeNBへの少なくとも1つの上りリンク伝送を有する場合)、SeNBに対する前記最小留保パワーが保障されなければならない。このような場合、MeNBが、MeNBに対する全てのパワーを構成することを望むならば、構成されたPalloc、eNB2値は0になり得る。Palloc、eNB2をSeNBに割り当てる動機は、パワーリミテッドケースが発生する場合、SeNBへの最小留保パワーを保障することである。パワーリミテッドケースが発生する場合、Palloc、eNB2がSeNBに対する基盤のパワーとして使用されて、SeNBに向かって要求されるパワーがPalloc、eNB2を超過するとき、少なくともPalloc、eNB2パワーがSeNBに向かって使用されるようにすることができる。
【0108】
allocが構成されたら、次に記述された様々な方法にしたがってPallocが活用され得る。例えば、eNB当たり、PallocがMeNB及びSeNBの両方に対して各々構成される場合、各搬送波グループまたは各eNBに対する最小留保パワーは、構成されたPallocとして設定されることができる。未使用のパワー(=PCMAX−Palloc、eNB1−Palloc、eNB2)に対し、パワー共有法則が適用され得る。2つの搬送波グループのうち、1つが最小留保パワーより小さいパワーを要求する場合、残余パワーが他の搬送波グループにより使用され得る。さらに他の例として、eNB当たり、PallocがSeNBに対してのみ構成された場合、SeNBに対する最小留保パワーは、構成されたPalloc、SeNBとして設定されることができる。未使用のパワー(=PCMAX−Palloc、SeNB)に対し、パワー共有規則が適用され得る。類似した手順が、PallocがMeNBに対してのみ構成された場合に適用され得る。さらに他の例として、MeNBに対するサブフレームn、及びSeNBに対するサブフレームkで、MeNBに対するサブフレームnがSeNBに対するサブフレームk及びk+1と重なると仮定する。少なくとも1つのサブフレームがSeNBに対するサブフレームkまたはサブフレームk+1のうち、1つで上りリンク伝送を有する場合、前記MeNBに対する上りリンクパワーは、PCMAX−Palloc、SeNBを超過してはならない。言い替えれば、SeNB伝送に対して、最小留保パワーが留保されなければならない。これは、少なくとも1つのサブフレームが構成当たり、上りリンクサブフレーム(SeNBに対するサブフレームkまたはサブフレームk+1)である場合、UEがMeNB伝送にPCMAX−Palloc、SeNBを超過して割り当ててはならない場合に適用することができる。類似した条件がMeNBにも適用され得る。未使用のパワーに対し、パワー共有規則が適用され得る。パワー共有規則を適用した後、搬送波集合フレームワーク内で使用された電力縮小がグループ内で行われ得る。
【0109】
パワー共有規則を適用することが記述される。未使用の全てのパワーは、先にMeNBに指定されることができ、その後、MeNBに割り当てられていない残余パワーが存在すれば、これは、SeNBに指定されることができる。他の方式として、未使用の全てのパワーは、PCellに指定されることができ、その後、残余パワーがsPCell(2次搬送波グループ(SCG)内の特別なセル)に指定され得る。このような残余パワーが存在する場合、パワーは、MeNB及びSeNBに均等にまたは加重値を有して同等に指定されることができる。他の方式として、未使用の全てのパワーMeNB/SeNBに均等に指定されることができる。他の方式として、未使用の全てのパワーは、MeNB/SeNBの加重値を有して指定されることができる(例えば、80%/20%)。他の方式として、未使用の全てのパワーは、MeNB/SeNB間のチャネル/UCIタイプ優先順位によって指定されることができる(例えば、PRACH≧PUCCH+SR≧PUCCH+HARQ−ACK≧PUCCH+CSI≧PUSCH+HARQ−ACK≧PUSCH+CSI≧PUSCHなど)。
【0110】
2つの搬送波グループ(または、2つのeNB)間のチャネル優先順位がより詳細に説明される。未使用のパワーは、2つの搬送波グループ間のパワー共有規則にしたがって割り当てられることができる。以下では、一部の例が説明される。
【0111】
・MeNB上のPRACH/SeNB上のPRACH:MeNB上のPRACHまたはPCellは、常に優先順位が高くなるようにすることができる。eNB当たり、Pallocは、PRACHに対するパワーを制限しないことができる。言い替えれば、SeNBへのPRACH伝送は、Pallocの構成と関係なく、MeNBへのPRACH伝送後に未使用のパワーを使用することができる。SeNB上のPRACHが、要求されるパワーとして割り当てられることができない場合には、PRACHが遅延されるか、脱落され得る。UEがパワーリミテッドケースを経る場合、MeNBまたはSeNB(例えば、PUCCHまたはPRACHとは異なるもの)内の他のチャネルが脱落され得る。PUCCHまたはPRACHに対して、残余パワーは適用し続けられ(また、これによりパワーが縮小され)、伝送されることができる。
【0112】
・MeNB上のPRACH/SeNB上のPUCCH:MeNB上のPRACHは、常に優先順位が高くなるようにすることができる。eNB当たり、Pallocは、PRACHに対するパワーを制限しないことができる。言い替えれば、SeNBへのPUCCH伝送は、MeNBへのPRACH伝送後に、未使用のパワーを使用することができる。UEがパワーリミテッドケースを経る場合、MeNBまたはSeNB(例えば、PUCCHまたはPRACHとは異なるもの)内の他のチャネルが脱落され得る。他の方式として、要求されたパワーが留保された最小パワーの構成と関係なく、割り当てられ得るように、SeNB上のPRACHがPUCCHより高い優先順位を有することができる。
【0113】
・MeNB上のPUCCH/SeNB上のPRACH:SeNBへのPRACH伝送は、(PCMAX−PPUCCH)を使用することができ、このとき、PPUCCH=min(PUCCHパワー、Palloc、MeNB)である。言い替えれば、SeNBへのPRACH伝送は、MeNBへのPUCCH伝送後、未使用のパワーを使用することができる。UEがパワーリミテッドケースを経る場合、MeNBまたはSeNB(例えば、PUCCHまたはPRACHとは異なるもの)内の他のチャネルが脱落され得る。PUCCHまたはPRACHに対して、残余パワーは適用し続けられ(また、これによりパワーが縮小され)、伝送されることができる。
【0114】
・MeNB上のPUCCH/SeNB上のPUCCH:eNB当たり、Pallocが2つのPUCCH伝送間のパワーを分割するために使用され得る。また、PCMAX、eNBが割り当てられれば、eNB当たり、使用可能な最大がPUCCH伝送のためのパワーを決定するために使用され得る。同じ事項がMeNB上のHARQ−ACKを有するPUCCHまたはPUSCH/SeNB上のHARQ−ACKを有するPUCCHまたはPUSCHの場合にも適用され得る。PUCCH(または、UCIを有するPUSCH)に対するパワーは、min(PUCCHパワー、Palloc、eNB)として決定されることができる。言い替えれば、両上りリンク伝送がHARQ−ACK伝送を有する場合、割り当てられたパワーがHARQ−ACK伝送に対するパワーを決定するために使用され得る。未使用のパワーが残っており(PUSCHのような)、一部他の上りリンクチャネルが存在する場合、このような未使用のパワーが他のチャネル等の伝送のために使用され得る。これは、UCIを有するPUSCHがPUCCHへの同じ優先順位を有している場合に一般化されることができる。また、HARQ−ACKを有さないPUCCHは、「Non−PUCCH」または非HARQACKに取り扱われることができ、したがって、このような場合には、使用可能なパワーによってPallocの割り当てをしないことができる。
【0115】
・MeNB上のPUSCH/SeNB上のPUCCH:優先順位がSeNB上のPUCCHに与えられ得るし、PUCCHに対するパワーは、min(PUCCHパワー、Palloc、SeNB)として指定されることができる。未使用のパワーは、MeNBのPUSCH伝送に割り当てられることができる。
【0116】
・MeNB上のPUCCH/SeNB上のPUSCH:同様に、MeNB上のPUCCHが維持され得る。このような場合、MeNBに対するPallocも構成される場合、MeNB上のPUCCHに対するパワーは、(PUCCH power、Palloc、MeNB)として決定される。未使用のパワーは、他の伝送のために使用されることができる。
【0117】
・MeNB上のPUCCH/PUSCH/SeNB上のPUCCH:留保された最小パワーPallocは、各eNBに対するPUCCH伝送のために使用される。MeNB上のPUSCHは、未使用のパワーから割り当てられることができる。したがって、MeNB上のPUSCHに対するパワー=min(PUCCHパワー、Palloc、MeNB)であり、SeNB上のPUCCHに対するパワー=min(PUCCHパワー、Palloc、SeNB)である。未使用のパワーがPUSCH伝送に割り当てられれば、これは、eNBにわたって均等にまたは加重値を有して分配されるか、MeNBが未使用の全てのパワーを活用することができる。
【0118】
・MeNB上のPUSCH/MeNB上のPUSCH:同じ電力縮小が活用され得る。または、加重値による電力縮小が活用され得る。このような場合、UCIを有するPUSCHがUCIを有さないPUSCHに比べて高い優先順位を有することができる。
【0119】
alloc、xeNBが構成されたら、これは、PUCCH及びPUSCHに適用することができる。しかし、PRACH及びSRSに割り当てられたパワーは、別に取り扱われることができる。
【0120】
前記説明において、前記PUCCHは、一般的にHARQ−ACKを有するPUCCH、HARQ−ACKを有するPUSCHをいう(また、UCIを有するPUCCH及びUCIを有するPUSCHということができる)。SRSのパワーは、構成される場合、eNB当たり、Pallocにより保障されない。言い替えれば、パワーリミテッドケースにおいて、SRS伝送のみがさらに他のeNBに予定された場合、Palloc構成に関係なく、SRSが脱落され得る。Pallocは、さらにPUCCH伝送と同様に、PRACH伝送にも適用されることができる。言い替えれば、PRACH/PRACH伝送が発生すれば、PRACHに対するパワーに対してeNB当たり、Pallocが使用され得る。前記優先順位及びパワー割当の場合に、PCMAX、eNBが構成されれば、PCMAX、eNBがPalloc、eNBの代わりに使用され得る。例えば、PUCCH/PUCCHが衝突したり、PRACH/PRACHが衝突する場合にのみPCMAX、eNBが使用され得る。
【0121】
また、PRACHは、2つのeNB間のパワー分割に関係なく、UEに対する最大パワーを活用できる。より詳しくは、搬送波グループ(MCG)のPRACH伝送がUEに対する最大パワーを活用できるであろう。進行される伝送とPRACH伝送とが互いに衝突する場合、進行される伝送に対するパワーとPRACH伝送に対する最大パワーとの合計がUEに対する最大パワーを超過するとき、UEは、進行される伝送に対するパワーを縮小することができる。進行される伝送上の(PUSCHまたはPUCCHのような)他のチャネルに対するパワーは、少なくともPRACH伝送と進行される伝送との間の重なる部分でパワーの大きさが調節され得る。
【0122】
図8は、パワーが制限される場合のPRACH伝送によるパワー縮小の例を見せる。図8に示すように、サブフレームkでの最大パワーは、Pmax(n、k)で構成され、サブフレーム(k+1)での最大パワーは、Pmax(n、k+1)で構成される。サブフレームk内の上りリンク伝送の中間でPRACH伝送が行われる。このようなPRACH伝送P1のために要求されるパワーと進行される伝送C1、kのためパワーとの合計がPmax(n、k)を超過するので、進行される伝送に対するパワー縮小が行われる。
【0123】
また、前述されたPallocに対する技術は、PCMAX、SeNBが構成された場合にのみ適用され得る。このような場合、PCMAX、SeNBは、Palloc、SeNBと同一なものと仮定されることができる。
【0124】
また、少なくとも1つのeNBが当該パワー範囲内の他のeNBより高い優先順位を有するとき、Palloc、eNBは、「保障されたパワーの値」で表すことができる。例えば、23dBmパワークラスであって、Palloc、SeNB=20dBmが構成された場合、UEが20dBmに達するSeNBより高い優先順位を有することが許され得る。類似した仮定がMeNBにも同様に適用され得る。このような未使用のパワーは、上述された共有規則により、2つのeNBにわたって割り当てられることができる。
【0125】
図9及び図10は、本発明の一実施形態に係る上りリンクパワー割当の例を見せる。eNB1のサブフレーム#2/#3及び#6/#7が上りリンク伝送のために使用される。2つのeNBのサブフレームが重なる所ではどこでも2つのeNB間にパワーが共有され得る。例えば、図10のサブフレーム#2/#3において、eNB1がいかなる他の上りリンク伝送も有さないので、eNB0が優先順位を有するか、未使用のパワーがeNB0(例えば、MeNB)に割り当てられることができる。それに対し、図11のサブフレーム#6/#7において、未使用のパワーがeNB1に割り当てられることができる。実際パワー割当は、2つのeNB間またはチャネルにわたってのパワー共有規則に基づいて決定されることができる。
【0126】
UEが現在サブフレームのパワーを決定するとき、正確なパワーを知らないことがありうる次のサブフレームでの潜在的な上りリンク伝送を保護するために、前記UEは、少なくとも留保された最小パワーが「eIMTA(enhanced interference mitigation & traffic adaptation)により構成された柔軟な上りリンクサブフレーム」を含む次のサブフレームに割り当てられたと仮定することができる。例えば、eNB1のサブフレーム#3が上りリンクサブフレームのために使用される場合、eNB1のサブフレーム#2に対するパワーを決定するとき、これは、上りリンク伝送スケジューリングまたはPUCCHスケジューリングに関係なく、eNB1のサブフレーム#3に割り当てられた留保された最小パワー(Palloc、eNB1)を考慮すべきであろう。eNB1のサブフレーム#3でいかなる上りリンク伝送も発生しないならば、割り当てられたパワーが使用されないことができる。しかし、これは、以前の伝送が次の2つのeNB間の潜在的な上りリンク伝送に影響を及ぼす場合を避けるようになるであろう。言い替えれば、前記UEは、eNB1の重なったサブフレームに対して上りリンク伝送が予定されていないか、潜在的に計画されていない場合(及び反対の場合)にのみ最大パワーPCMAXをeNB0に割り当てることができる。そうでない場合、前記UEは、eNB1に対して留保された最小パワーを残しておくために、(PCMAX−Palloc、eNB1)の最大パワーをeNB0に割り当てることができる。2つのeNB間の未使用のパワーを共有することと係り、他の方式のうち、1つが、またはこれらが集合的に使用され得る。他のeNBで上りリンクが予定されていないときは、UEに対する最大パワーは、重なった両サブフレーム内の1つのeNBに割り当てられることができる。
【0127】
より詳しくは、これは、非同期パワー制御が構成されたとき(すなわち、UEが上位階層により非同期パワー制御モードで構成されるとき)、またはUEが少なくとも1つのeNBに対するPalloc値で構成されたときにのみ適用されることができる。多重のTA技術が使用されれば、互いに重なる両サブフレームをうかがう代わりに、前記UEは、重なる部分が他のサブフレームより大きい1つのサブフレームのみをうかがうことができる。例えば、サブフレームn及びサブフレームk間(2つのeNB間)の重なりは、0.8msであることに対し、サブフレームn+1及びサブフレームk間の重なりは、0.2msであり、前記UEは、未使用のパワー、電力縮小、及びパワーリミテッドケースを決定するために、サブフレームn/kの重なりのみをうかがうことができる。これは、UEが同期式パワー制御モードで構成されるか、UEがより短い処理時間で行うことができないか、UEがこのような方式で行うように上位階層により構成された場合にのみ許される。
【0128】
電力縮小及び2つのeNB間のインタサイト(inter−site)CAに対する脱落のために、様々な方法が次のように使用され得る。
【0129】
・PUCCHに対するパワーは、大きさが調節されないことができる。電力縮小が使用されれば、PUCCHが最高の優先順位を有し(PRACHでない)、したがって、PUCCH上で電力縮小が試みられてはならない。PUCCHが他のeNBに伝送されるとき、PCell eNBに対するPUCCHがさらに高い優先順位を有することができ、PUCCH伝送のみが試みられ、PUCCH伝送に対する全体パワーが当該UEに対する最大パワーを超過する場合には、さらに低い優先順位を有するPUCCHは脱落されることができる。または、前記UEは、2つのeNB間の優先順位として構成されて、パワーリミテッドケースとしてPUCCH伝送に対するPUCCHを脱落させることができる。
【0130】
・UCIを有するPUSCHは、UCIを有さないPUSCHより高い優先順位を有する。
【0131】
・SRSパワーのためのパワーは、大きさが調節されないことができる。SRSが他の上りリンク信号と衝突する場合、前記SRSは、脱落されることができる。
【0132】
・PRACHが他の信号より高い優先順位を有する。2つ以上のPRACHが同じeNBまたは搬送波グループ内で伝送されないことができる。搬送波グループは、PUCCHが伝送される1つの搬送波を含む1つのグループを指すことができる。他のeNBへのPRACHs伝送が互いに衝突する場合、PCell eNBのPRACHがさらに高い優先順位を有する。または、前記UEが2つのeNB間の優先順位として構成され得る。低い優先順位を有するPRACHは脱落され得る。PRACHに対するパワーは、大きさが調節されないことができる。前記PRACH及びPUCCHが互いに衝突し、PRACH及びPUCCHに対するパワーがUEに対する最大パワーを超過すれば、前記PUCCHは、脱落され得る。他の方式として、SCellへのPRACHを有するPCellへのPUCCHがPUCCH上の電力縮小として伝送され得る。
【0133】
一般的に、PUCCHまたはPRACHが他のチャネルに比べて高い優先順位を有する。他の上りリンクチャネルと比較して最も低い優先順位は、SRSであろうし、パワー制限が発生する場合、前記SRSがどのCCから脱落され得る。前記SRSが脱落した後にも依然としてパワー制限の問題がある場合、PUSCH上での電力縮小が試みられ得る。それにもかかわらず、PUCCH/PRACH、PUCCH/PUCCH、PRACH/PRACH間には依然としてパワー制限があり、一部優先順位規則が必要でありうる。PUCCH及びPRACH間に、PDCCH命令により開始されたPRACHが前記PUCCHより高い優先順位を有する。前記PUCCHは、他のPRACH伝送より高い優先順位を有することができる。
【0134】
PUCCH/PUCCHが衝突するときは、2つの搬送波のデュプレックスモードが同じである場合(または、2つのeNBのPCellの場合)、PCellがスーパーSCellより高い優先順位を有し、したがって、PUCCH上でSCellへの電力縮小が試みられ得る。同じ事項がPRACHにも適用され得る(電力縮小の詳細事項は、PRACHがどのように開始されるかによってさらに変わることができる)。しかし、2つの搬送波のデュプレックスモードが互いに異なるときは、上りリンクサブフレームのより少ない個数のため、また、これにより、1つの上りリンクPUCCH伝送から伝送される潜在的により多い個数のACK/NACKビットのため、TDDを有する前記SCellは、FDD PCellより高い優先順位を有することができる。前記PCell及びスーパーSCellが共にTDD構成を有する場合、前記PCellにさらに高い優先順位を付与する代わりに、さらにより少ない個数の上りリンクサブフレームを有するTDD DL/UL構成がさらに高い優先順位を有することができる。類似した電力縮小規則がPRACH/PRACH衝突にも同様に適用され得る。
【0135】
他の方式として、全体パワーが2つのeNB UL伝送間のUEに対する最大パワーを超過する場合には、UEが上りリンク信号を脱落させるように構成されることができる。1つのeNB内で、3GPP LTE rel−11で使用された脱落規則が適用され得る。新しい脱落規則は、インタサイトCAが適用されるか、1つのeNB内のPUCCHが2つ以上のCCに伝送される場合にのみ適用される。他の方式として、パワーが制限される場合が発生すれば、UEが電力縮小/搬送波グループ当たり、縮小のために使用され得る各搬送波グループ当たり、最大許容値として構成され得る。前記UEは、最大許容値水準を低くすることにより、搬送波グループ当たり、電力縮小を行う。各搬送波グループ当たりのパワー縮小後に、全体パワーが依然としてUEに対する最大パワーを超過する場合、前記UEは、MeNB(または、C−Plane)への伝送に高い優先順位を置くことができる。そうでない場合、未使用のパワーがさらに前記MeNBに割り当てられるか、搬送波グループに均等に、または加重値を有して同等に分配され得る。
【0136】
他の方式として、UEがSeNBに対する最大許容値として構成され得る。パワーが制限される場合が発生すれば、SeNB伝送上でのパワー縮小が最大許容値水準で試みられる(例えば、20%許容値水準で、SeNBパワーは、指定されたパワーの80%まで縮小され得る)。SeNB上で電力縮小を試みた後、全体パワーがUEに対する最大パワーを超過しなければ、前記UEが伝送され得る。そうでない場合、SeNBへの伝送が脱落され得る(すなわち、MeNB伝送が高い優先順位を有することができる)。MeNB伝送の優先順位を高くする代わりに、PCellへの伝送のみが高い優先順位を有することもできる。このような場合、前記許容値は、最大パワーを満たすために、PCellを除いた他のセルに適用され得る。前記許容水準以内で電力縮小が可能でないときには、一部チャネルが脱落され得る。
【0137】
脱落が構成されるとき、チャネルの優先順位は、PRACH−PUCCH−UCIを有するPUSCH−UCIを有さないPUSCH−SRSの順序を有することができる。すなわち、脱落の優先順位は、電力縮小の優先順位と類似することができる。同じチャネルが2つのeNB間で互いに衝突するとき、高い優先順位を有するeNBが構成され得る。他の方式として、PRACH−HARQ−ACK/SR−CSI−データの順序が考慮され得る。基本値として、UEは、C−Plane連結(例えば、PCell)を維持するeNBにさらに高い優先順位が与えられると仮定することができる。2つのeNB間でパワーを効率的に割り当て、上りリンクサブフレーム及びスケジューリングを調整することにより、多くないサブフレームが2つのeNB間でパワーリミテッドケースを経なくなり、各eNBでの性能低下を避けることができるものと期待される。2つのeNBが理想的であるか、良好なバックホールにより連結されれば、このような信号を脱落させる代わりに、これを他の上りリンク信号にピギーバック(piggyback)させることができる。2つ以上の上位階層がUEに構成されるので、物理的階層の観点で、インタサイトCAが考慮され得る。全体的に、パワーリミテッドケースでの脱落または脱落規則がより上位の階層を介してUEにも構成され得る。基本状態で、UEは、パワー縮小規則がいかなる明示的な構成なく、適用されることと仮定することができる。
【0138】
前述された接近方式において、各eNBに割り当てられたパワーがUEに対する最大パワーを超過しない場合、上りリンク伝送にわたった電力縮小が必要でないことができる。このような場合、UEは、eNB当たり、Pallocを活用してどのチャネルを保護するかを決定することができる。例えば、全てのPUSCH伝送の大きさを減らす代わりに、PUSCH伝送のみが予定され得るし、eNB当たり、Pallocより大きいパワーを有する少なくとも1つのPUSCH伝送が保障され得る。または、eNB当たり、Pallocがいかなるチャネルを脱落させるかを決定するために使用されることができる。例えば、チャネルに割り当てられたパワーがPalloc、eNBより小さい場合、このチャネルは、eNBに達することができない可能性があるので、脱落され得る。より詳しくは、この値がPUCCH脱落の場合のみを決定するために使用されることができる。
【0139】
図11は、本発明の一実施形態に係る上りリンク制御方法の例を示す。図11の実施形態は、Pallocを割り当てる方法に該当し、このとき、eNB当たり、または搬送波グループ当たり、留保された最小パワーは、上述されたように構成される。
【0140】
ステップS100において、UEは、第1の搬送波グループに対して留保された第1の最小パワー及び第2の搬送波グループに対して留保された第2の最小パワーを割り当てる。前記留保された第1の最小パワー及び留保された第2の最小パワーは、MeNBにより構成されることができる。前記留保された第1の最小パワー及び留保された第2の最小パワーは、比率により構成されることができる。前記留保された第1の最小パワー及び留保された第2の最小パワーは、UEのPRACH伝送のパワーを制限しないことができる。前記第1の搬送波グループは、二重連結内のMeNBに該当することができ、前記第2の搬送波グループは、二重連結内のSeNBに該当することができる。第1の搬送波グループは、複数のCCを含むことができ、第2の搬送波グループは、複数のCCを含むことができる。
【0141】
ステップS110において、UEは、留保された第1の最小パワー及び留保された第2の最小パワーを除き、未使用のパワーに対してパワー共有規則を適用する。未使用のパワーは、留保された第1の最小パワー及び留保された第2の最小パワーをUEに対する最大パワーから引いた値により得られた値で決定されることができる。パワー共有規則は、チャネル優先順位によって適用され得る。PRACHが最も高い優先順位を有することができる。PUCCHがPUSCHより高い優先順位を有することができる。UCIを有するPUSCHがUCIを有さないPUSCHより高い優先順位を有することができる。
【0142】
UEは、前記留保された第1の最小パワー及び留保された第2の最小パワーに基づいて各々前記第1の搬送波グループ及び第2の搬送波グループ内で電力縮小をさらに行うことができる。第2の搬送波グループに対する上りリンク伝送がない場合、UEに対する最大パワーが第1の搬送波グループに割り当てられ得る。
【0143】
本発明の一実施形態に係る2段階パワー制限が記述される。このような接近方式において、UEは、各搬送波グループ当たり、最大パワーとして構成される。まず、UEが全ての上りリンク伝送の全体パワーを測定する。各搬送波グループへの上りリンク伝送の潜在的に整列されていないサブフレーム境界を許すために、前記UEは、サブフレームn+1だけでなく、n(または、一般的にk+1)で全体パワーを測定することができる。両サブフレームの全体パワーがUEに対する最大パワーを超過しない場合、UEは、各チャネルに対して指定されたパワーで伝送することができる。パワーリミテッドケースが発生すれば、UEは、3GPP LTE rel−11で使用された規則を適用することにより、搬送波グループ当たり、各搬送波グループに割り当てられた最大パワーを適用することができる。このような場合、電力縮小後にもパワーが続けてUEに対する最大パワーを超過するならば、eNBにわたった電力縮小が試みられ得る。搬送波グループ当たり、最大パワー制限を適用した後に、全体パワーがUEに対する最大パワーより小さい場合には、未使用のパワーが電力縮小が発生した搬送波グループに指定され得る。例えば、搬送波グループに割り当てられたさらに低い最大パワーのため、両搬送波グループに対して電力縮小が行われる場合には、未使用のパワーがMeNBに、または各搬送波グループに均等に(または、ある程度の加重値を有して)割り当てられることができる。
【0144】
全体パワーがPCMAXを超過する場合であるか否かを決定するとき、SRSに対して、これはシンボル全体にわたって測定されることができる。しかし、PUCCHまたはPUSCHに対しては、他の接近方式がありうる。
【0145】
2段階パワー制限の手順は、次のとおりである。
【0146】
1> UEの全体伝送パワーがPCMAX(i)を超過しない場合、全てのチャネルを伝送する。
【0147】
1> その他、Palloc、eNB1(i)及びPalloc、eNB2(i)を構成せずに、PCMAX、eNB1(i)及びPCMAX、eNB2(i)が構成される場合:
2> UEのeNB1への全体伝送パワーがPCMAX、eNB1(i)を超過する場合、eNB2(または、他の搬送波グループ)への未使用のパワーを計算する。
【0148】
3> PCMAX、eNB1(i)=PCMAX、eNB1(i)+未使用のパワー
3> eNB1への全体パワーがPCMAX、eNB1(i)と同じであるか、これより少ないように減少させるために、3GPP LTE rel−11で使用された規則にしたがってeNB1の搬送波グループ内で電力縮小を行う。
【0149】
2> UEのeNB2への全体伝送パワーがPCMAX、eNB2(i)を超過する場合、eNB1(または、他の搬送波グループ)への未使用のパワーを計算する。
【0150】
3> PCMAX、eNB2(i)=PCMAX、eNB2(i)+未使用のパワー
3> eNB2への全体パワーがPCMAX、eNB2(i)と同じであるか、これより少ないように減少させるために、3GPP LTE rel−11で使用された規則にしたがってeNB2の搬送波グループ内で電力縮小を行う。
【0151】
1> その他、Palloc、eNB1(i)及び/又はPalloc、eNB2(i)が構成されてPCMAX、eNB1(i)及びPCMAX、eNB2(i)が構成される場合:
2> UEのeNB1への全体伝送パワーがPCMAX、eNB1(i)を超過する場合、eNB2(または、他の搬送波グループ)への未使用のパワーを計算する。
【0152】
3> PCMAX、eNB1(i)=PCMAX、eNB1(i)+未使用のパワー
3> eNB1への全体パワーがPCMAX、eNB1(i)と同じであるか、これより少ないように減少させるために、3GPP LTE rel−11で使用された規則にしたがってeNB1の搬送波グループ内で電力縮小を行う。
【0153】
2> UEのeNB2への全体伝送パワーがPCMAX、eNB2(i)を超過する場合、eNB1(または、他の搬送波グループ)への未使用のパワーを計算する。
【0154】
3> PCMAX、eNB2(i)=PCMAX、eNB2(i)+未使用のパワー
3> eNB2への全体パワーがPCMAX、eNB2(i)と同じであるか、これより少ないように減少させるために、3GPP LTE rel−11で使用された規則にしたがってeNB2の搬送波グループ内で電力縮小を行う。
【0155】
1> その他、Palloc、eNB1(i)及び/又はPalloc、eNB2(i)が構成される場合:
2> UEのeNB1への全体伝送パワーがPCMAX、eNB1(i)を超過する場合、前記eNB1がMeMBであり、前記MeNBが優先順位を有することと仮定して、eNB2(または、他の搬送波グループ)への未使用のパワーを計算する。
【0156】
3> PC、eNB1(i)=Palloc、eNB1(i)+(PCMAX−Palloc、eNB2(i))
3> eNB1への全体パワーがPCMAX、eNB1(i)と同じであるか、これより少ないように減少させるために、3GPP LTE rel−11で使用された規則にしたがってeNB1の搬送波グループ内で電力縮小を行う。
【0157】
2> UEのeNB2への全体伝送パワーがPCMAX、eNB2(i)を超過する場合、前記eNB1がMeMBであり、前記MeNBが優先順位を有することと仮定して、eNB1(または、他の搬送波グループ)への未使用のパワーを計算する。
【0158】
3> PC、eNB2(i)=Palloc、eNB2(i)+未使用のパワー
3> eNB2への全体パワーがPCMAX、eNB2(i)と同じであるか、これより少ないように減少させるために、3GPP LTE rel−11で使用された規則にしたがってeNB2の搬送波グループ内で電力縮小を行う。
【0159】
前記SeNBが優先順位を有する場合、上記の構成形式は、eNB1及びeNB2間で変更される。
【0160】
図12は、本発明の一実施形態に係る2段階パワー制限接近方式の例を見せる。eNB1のサブフレーム#2/#3及び#6/#7が上りリンク伝送のために使用される。eNB0に対するサブフレーム#2において、全体パワーが#2への部分的な上りリンク伝送のみが使用されるeNB0の#2のサブフレーム境界にわたって測定されるであろうから、UEの全体パワーは、UEに対する最大パワーを超過しないことができる。したがって、特定の点での瞬間的なパワーがPCMAXを超過するようになるとしても、前記UEは、問題を起こさずに、両上りリンクを伝送し続けることができる。
【0161】
パワーリミテッドケースに対する決定と係り、いくつの例が考慮され得る。
【0162】
・いかなる瞬間であろうとも、最大パワーがUEに対する最大を超過する場合には、パワーリミテッドケースが決定される(図12に示すように、eNB0伝送のサブフレーム#2は、パワーリミテッドケースを有することができる)。
【0163】
・1msにわたった全体パワーがUEに対する最大を超過する場合には、パワーリミテッドケースが決定される(図12に示すように、eNB0伝送のサブフレーム#2は、パワーリミテッドケースを有しないことができる)。
【0164】
・1つのサブフレームが他の搬送波グループ伝送の2つのサブフレームと重なり、2つのうち、1つがパワーリミテッドケースを有する場合、パワーリミテッドケースが決定される(図12に示すように、eNB0伝送のサブフレーム#2は、mパワーリミテッドケースを有することができる)。
【0165】
互いに異なるスケジューリングと構成のため、ネットワークが同期化されなければ、1つのサブフレームの間、2つのPCMAX値がありうる。このような場合、最小または最大値のうち、1つがパワーリミテッドケースを計算するために選択され得る。また、SRS及びPUSCHのような他のチャネルが互いに異なるパワー制限条件が考慮になる所で重なることができる。
【0166】
パワーリミテッドケースに、パワー制限が両搬送波グループで発生すれば、UEは、各eNBに割り当てられた最大パワーを個別的に使用することができる。パワー制限が単一な搬送波グループでのみ発生すれば、パワーが制限されない搬送波グループ(重なった部分を有して整列)からの未使用のパワーが他の搬送波グループに割り当てられ得る。
【0167】
図13は、本発明の一実施形態に係る2段階パワー制限接近方式のさらに他の例を示す。eNB0へのUL伝送のサブフレーム#2でeNB0に対するパワーリミテッドケースを有すると仮定される。eNB1 ULに対して未使用のパワーがeNB0 UL伝送に使用され得る。未使用のパワーがUPcである場合、これは、1msにわたって分散されることができ、eNB0へのUL伝送に対するパワーのために使用されることができる。割り当てられた最大パワー及び使用されない部分により追加されたパワーがさらにグループ内での電力縮小のために使用され得る。より詳しくは、PRACHパワーランピング(ramping)のために、PCMAX、eNB1(or PCMAX、eNB2)を越えるパワーランピングが許されないように、搬送波グループ当たり、割り当てられたパワーが制限として使用され得る。これは、PRACHに対するパワーを制限するようになるが、このため、物理レイヤでいかなるパケットの脱落も引き起こされないことができる。
【0168】
本発明の一実施形態に係る搬送波グループ当たり、パワー制限が記述される。このような選択事項は、2段階パワー制限と類似する。唯一の差異は、UEが搬送波グループ当たり、全体パワーを測定するということである。パワーが両搬送波グループに対して割り当てられた最大パワーを超過する場合、それぞれの割り当てられた最大パワー毎に電力縮小が搬送波グループ内で発生する。パワーが1つの搬送波グループに対して割り当てられた最大パワーのみを超過する場合、他のグループからの未使用のパワーが第1のグループに適用され、その後、当該グループに対してパワーリミテッドケースが発生するとしても、続けて電力縮小が行われる。搬送波グループ当たり、パワー制限の手順は、前述された2段階パワー制限の手順と同様である。「未使用のパワー」を決定することと係り、いくつかの接近方式が考慮され得る。
【0169】
・1msにわたって他の搬送波グループにより未使用のパワーの平均
・サブフレーム#n及びサブフレーム#n+1がグループへの上りリンク伝送と重なると仮定するとき、他の搬送波グループにより未使用のnまたはn+1サブフレームパワーの最小
・未使用のnまたはn+1サブフレームパワーの最大
・未使用のnまたはn+1サブフレームパワーの平均
・nサブフレーム内の未使用のパワー、PCMAX−Palloc_xeNBのうち、最小であって、このとき、xeNBは、サブフレームnのeNB。
【0170】
前記説明において、実際に未使用のパワーが様々な方法によって計算され得る。まず、各搬送波グループ当たり、最大パワーが割り当てられる場合、このような未使用のパワーは、(PCMAX、eNB1−eNB1搬送波グループに対して割り当てられたパワー)として計算され得る。パワー割当比率が各搬送波グループに対して60%/40%といったふうに割り当てられた場合、このような未使用のパワーは、(PCMAX*(eNB1−eNB1搬送波グループに対して割り当てられたパワー)に対する比)として計算され得る。他の方式として、パワー割当に関係なく、未使用のパワーは、(PCMAX(i)−eNB1に対する現在パワー−eNB2に対する現在パワー)として計算され得る。他の方式として、PCMAX(i)PCMAX(i)及びPCMAX(i+1)間の最小として選択されることができ、このとき、eNB1に対して割り当てられたパワーは、(サブフレームiで割り当てられたパワー、サブフレームi+1で割り当てられたパワー)の最大として選択される。各サブフレームでSRSのみが伝送され、前記SRS及び他のチャネルが互いに衝突しない場合、前記SRSに対するパワーは、使用されたパワーとみなされてはならない。
【0171】
eNB当たり、Pallocに対して、Pallocは、PO_PUSCH、cを構成することにより計算されることができ、このとき、cは、PCellまたはsPCell(PUCCHがSeNB内で伝送されるセル)に関するものであり、αc(j)及び/又はΔTF、c(i)+fc(i))または単一値が構成され得る。PO_PUCCH、g(i)、及びPUCCH伝送のための一部余分が考慮され得る。UEは、eNB当たり、PallocをPcmin、eNBj(i)=min{pCMAX、c(j)、PO_PUCCH+PLc+g(i)+Δ}またはPcmin、eNBj(i)=min{PCMAX、c(j)、PO_PUSCH+α(j)PLc+ΔTF、c(i)+fc(i)+Δ}として計算することができる。PUCCH伝送を保護するために、PUCCHパラメータを使用することが好ましい。しかし、前記UEは、PUCCH及びPUSCHの各々に対して2つの互いに異なるPalloc値で構成されることができる。このような値は、PRACH伝送に適用が不可能でありうる。このような場合、PRACHを伝送するために、電力縮小が発生する場合には、Pallocより低いパワーを有するチャネルが脱落され得る。他の方式として、PRACHのために使用されたパワーは、さらにeNB当たり、Pallocのためにも使用されることができる。
【0172】
eNB当たり、このようなPallocの目的は、eNB当たり、少なくとも1つの上りリンクチャネルに対して使用される最小限の留保されるパワーを保障するためのことである。eNB当たり、Pallocを適宜構成することにより、これにより、PUCCHまたはPUSCHのような重要なチャネルの保護がなされ得るように、その品質(受信品質)が保存されなければならない。例えば、前記MeNBは、PUCCH伝送を保障できるように、Palloc、SeNBをSeNBに対してPUCCH伝送のために要求される最小の留保パワーで構成することができる。さらに他の例では、Palloc、MeNBをMeNBへのPUCCH伝送が保障されるように構成することができる。Pallocが構成されれば、PRACH伝送がさらに高い優先順位を有することにより、eNB当たり、Pallocに関係なく、少なくとも1つのPRACHが伝送されるようにすることができる。まとめると、eNB当たり、Pallocは、上位階層により構成されるか、UEにより決定されることができる(その後、選択的に各eNBに通知される)。
【0173】
図14は、UEの遅延処理の一例を示す。非同期的な場合を扱うためのUE処理遅延と係り、UEの能力によって、前記UEが2つのサブフレームの両方を使用してパワーリミテッドケースを決定したり、決定しないことができる。例えば、図14に示すように、サブフレームnでの他のeNBの上りリンク伝送のために、サブフレームn及びn+1のためのパワーが考慮されなければならない場合、UEは、パワー消費と2ms未満の資源割当を処理すべき必要がありうる。前記UEは、より短い時間に、自分が上りリンク付与を扱うことができるか否かに対する能力を報告することができ、これを介してネットワークは、パワーリミテッドケースを扱い、未使用のパワー計算を行うように適切な方式を構成することができる。eNB1への1つのサブフレームがeNB2への2つのサブフレームと重なるため、未使用のパワーを計算するときは、2つの値が計算されなければならず、未使用のパワーを他のeNBに貸与するために、最小または最大または平均値が使用され得る。
【0174】
ネットワークが非同期的状況と同期的状況との各々に対して互いに異なるパワー制御を構成すると仮定し、2つの場合の両方に対する決定方法が追加的に議論される。このうち、一例は、UEにより報告された2つのeNB間のサブフレーム及びシステムフレーム番号(SFN)のオフセット差を用いることである。動作がいかなるモードを基盤とするかがさらに上位階層を介してUEに信号として送られる。さらに他の例は、UE能力を基盤とすることである。このような場合、UEは、どのモードが使用されるべきかを報告することができる。
【0175】
UEパワー選択が記述される。ネットワーク構成の代わりに、UEは、最大パワーを自動的に選択することもできる。このような場合、パワーヘッドルーム報告(PHR)の値は、各eNBがこのUEに対するパワーを計算できるように適宜反映されることができる。TDD/FDDノード内の集合またはTDD/TDDノード内の資源集合を潜在的に処理するために、前記UEは、PHRの2つの集合を送ることができ、他のeNBの上りリンク構成によって、このうち、1つは高いパワーを有し、他の1つは低いパワーを有するようになる。また、前記UEは、構成(DL/UL)及び2つの搬送波グループ間の時間間隔を送り、各eNBが互いに異なる上りリンク特性を活用するようにすることができる。
【0176】
搬送波グループ毎に、最大/最小パワーを割り当てることと合わせて、全てのチャネルの代わりに、チャネルの部分集合に対する最大/最小パワーのみを活用することを考慮することができる。例えば、PRACH伝送が各グループに割り当てられた最大パワーにより制限されないことができる。各グループに割り当てられた最大パワーに関係なく、PRACHは、高いパワーを有する(しかし、最大UEパワーよりは低い)最高の優先順位で伝送されることができる。これは、効率的なPRACH伝送を許すためのものである。このような場合が適用されれば、PRACHに対する高いパワーを保障するために、PRACHが伝送されるとき、一部チャネルが脱落したり、他のチャネルに対するパワーの大きさ調節が行われることが必要でありうる。
【0177】
パワーリミテッドケースにPRACHを脱落させるUEの行動は、インタノード資源集合の場合とPUCCHオフロードの場合とで異なることができる。PUCCHオフロードにおいて、PRACHとの衝突の際、どんなものを脱落させるかは、UEにより決定される。より詳しくは、PUCCHオフロードにおいて、UEは、2つのPRACH過程を同時に維持する必要がなく、したがって、2つ以上のPRACHが互いに衝突するとき、前記UEは、1つのPRACH過程を自由に脱落させることができる。したがって、搬送波グループがインタノード資源集合またはPUCCHオフロードを支援するために形成されたかが仮定される。PUCCH搬送波がどの手段により2つのeNB間で共有されない場合、前記UEは、インタノード資源集合及びPUCCHオフロードの場合のうち、いかなるものでも構成されないと追加的に仮定することができる。
【0178】
追加的に、UEがパワーの大きさ調節を行い、サイト内のCAが構成される場合、前記UEは、パワーの大きさ調節が適用されたことを表すことができる。他の方式として、前記UEは、サイト内またはサイト間のCAに関係なく、電力縮小が使用されたことを表すことができる。このような電力縮小が適用されたか否かを知らせるための多重の接近方式が使用可能でありうる。一例は、互いに異なる初期化値または循環シフトを使用してPUSCHの復調基準信号(DMRS)シーケンスを変更するものである。例えば、
【数14】
が、パワーの大きさ調節が適用されたPUSCHに対して構成され得る。電力縮小が適用されるか、適用されなかったPUSCH間のDMRSシーケンスを差別化するための他の手段が使用され得る。さらに他の例は、上位階層を介して情報を伝送して、上位階層がパワー制限の発生を報告するようにするものである。このような場合、電力縮小報告は、MeNB及びSeNBに対する二重連結が構成された2つのeNBの両方(すなわち、2つの上位階層以上)に報告されることができる。
【0179】
また、UEが、電力縮小が使用されたか否かを表すことができることと仮定された場合、互いに異なる変調及びコーディング体系(MCS)がPUSCH伝送に対する電力縮小の使用可否とともに考慮され得る。例えば、MCS=8が構成されたパワーとともにUEで構成された場合には、電力縮小が適用されたとき、MCS=6が使用され得る。MCSデルタ及びパワー大きさ調節量間のマッピングテーブルの集合も考慮され得る。例えば、電力縮小が2dBであるとき、MCSデルタが2でありうる。
【0180】
allocが各キャリアグループまたは各eNBによって構成されて、UEが割り当てられたパワーを他のeNBに留保する場合、UEにSRS伝送のみが予定された場合であるとしても、使用できるパワーがありうる。SRSに対して要求されるパワーがPalloc、xeNBより大きい場合には、2つの選択肢がある。第1は、パワーが十分でないので、SRSを脱落させることであり、第2は、残余パワーとしてSRSを伝送することである。SRS伝送に残余パワーを使用するか否かに対する決定を下すとき、前記UEは、伝送のために、他のeNBを予めうかがって、他のeNBまたは搬送波グループが(SRS以外の)他のデータを有しないときにのみこのようなパワーを使用するようにすることができる。残余パワーを他のeNBでの潜在的伝送のため、使用することができないか、少なくともPallocが留保されたパワー制限の場合、SRSを要求されたものより低いパワーで伝送することも考慮され得る。このような場合、互いに異なるスクランブリングシーケンスまたは他の手段を使用して、SRSが低いパワー(Palloc)として伝送されたことを知らせることが好ましい。一部残余パワーがSRSのための要求パワーの要件を満たさない場合にも適用され得る。残余パワーでSRSを伝送することは好ましくない。したがって、前記SRSが伝送される場合、前記パワーは、(1)PCMAX、c、(2)Palloc、xeNB、(3)前記要求されたパワーのうち、1つでありうると仮定されることができる。
【0181】
パワー制御ループが撹乱されないようにするために、(1)または(3)(すなわち、PCMAX、cまたは要求されたパワー)が満たされない場合に、前記SRSが脱落されることを仮定することができる。言い替えれば、前記SRSは、SRSに対して要求されたパワーが満たされるか、PCMAX、cに達する場合にのみ伝送されることができる。
【0182】
図15は、本発明の実施形態が実現される無線通信システムを示す。
【0183】
eNB800は、プロセッサ(processor)810、メモリ(memory)820、及びRF部(radio frequency unit)830を備えることができる。プロセッサ810は、本明細書で説明された機能、過程、及び/又は方法を実現するように構成されることができる。無線インタフェースプロトコルの階層は、プロセッサ810により実現されることができる。メモリ820は、プロセッサ810と連結され、プロセッサ810を駆動するための様々な情報を格納する。RF部830は、プロセッサ810と連結され、無線信号を送信及び/又は受信する。
【0184】
端末900は、プロセッサ910、メモリ920、及びRF部930を備えることができる。プロセッサ910は、本明細書で説明された機能、過程、及び/又は方法を実現するように構成されることができる。無線インタフェースプロトコルの階層は、プロセッサ910により実現されることができる。メモリ920は、プロセッサ910と連結され、プロセッサ910を駆動するための様々な情報を格納する。RF部930は、プロセッサ910と連結され、無線信号を送信及び/又は受信する。
【0185】
プロセッサ810、910は、ASIC(application−specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路及び/又はデータ処理装置を備えることができる。メモリ820、920は、ROM(read−only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、格納媒体、及び/又は他の格納装置を備えることができる。RF部830、930は、無線周波数信号を処理するためのベースバンド回路を備えることができる。実施形態がソフトウェアで実現されるとき、前述した技法は、前述した機能を果たすモジュール(過程、機能など)で実現されることができる。モジュールは、メモリ820、920に格納され、プロセッサ810、910により実行されることができる。メモリ820、920は、プロセッサ810、910の内部または外部にあり、よく知られた様々な手段でプロセッサ810、910と連結されることができる。
【0186】
前述した例示的なシステムにおいて、前述した本発明の特徴によって実現されることができる方法は、流れ図に基づいて説明された。便宜上、方法は、一連のステップまたはブロックで説明したが、請求された本発明の特徴は、ステップまたはブロックの順序に限定されるものではなく、あるステップは、異なるステップと、前述と異なる順序にまたは同時に発生できる。また、当業者であれば、流れ図に示すステップが排他的でなく、他のステップが含まれ、または流れ図の1つまたはそれ以上のステップが本発明の範囲に影響を及ぼさずに削除可能であることを理解することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15