特許第6668780号(P6668780)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6668780
(24)【登録日】2020年3月2日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】冷媒制御バルブ装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 5/06 20060101AFI20200309BHJP
   F16K 3/22 20060101ALI20200309BHJP
【FI】
   F16K5/06 C
   F16K3/22 A
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-12030(P2016-12030)
(22)【出願日】2016年1月26日
(65)【公開番号】特開2017-133547(P2017-133547A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2018年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】松坂 正宣
(72)【発明者】
【氏名】古賀 陽二郎
(72)【発明者】
【氏名】弓指 直人
(72)【発明者】
【氏名】丸山 浩一
【審査官】 角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第02751185(US,A)
【文献】 実開昭63−094370(JP,U)
【文献】 特開平10−038102(JP,A)
【文献】 米国特許第02837308(US,A)
【文献】 特表2005−521006(JP,A)
【文献】 実開昭52−044439(JP,U)
【文献】 実開昭61−082181(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0205569(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 3/00−5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間、球状の外面、及び回転軸芯方向を開口する開口部を有し、前記回転軸芯を中心に回転自在に配設されたロータと、
冷媒が流れ、前記ロータの球心から延びる方向に形成された少なくとも一つの周方向ポート、及び前記ロータの開口部と同一方向を開口する軸方向ポートを有し、前記ロータを収容するハウジングと、
前記ロータが回転することで前記ロータの内部空間と前記周方向ポートとを連通するように前記ロータに形成された少なくとも一つの孔部と、
前記周方向ポートと同軸芯上に設けられ、前記ロータの外面に当接するように前記ハウジングに収容されたリング状のシール部材と、
前記ロータの球芯方向に向かう方向に前記シール部材に付勢力を作用させる付勢部材と、
前記ハウジングと前記シール部材の外径部との間に設けられ、前記シール部材の外径部と摺動自在に当接するように形成されたパッキン体と、
前記周方向ポートが延びる方向において、前記パッキン体を前記ハウジングとの間で挟持する固定部材と、
前記付勢部材を収容する大径部と、該大径部に対し小径であり、前記シール部材の内径部に挿通する小径部と、前記大径部と前記小径部とを接続する段部と、を有する円筒状のホルダと、を備え、
前記ロータが前記ロータの内部空間と前記周方向ポートとを連通しない状態にあるときに、前記シール部材の冷媒に満たされる側において、前記シール部材は、前記付勢部材の付勢方向と同方向に冷媒から作用する圧力を受ける第1受圧面、及び前記第1受圧面と略同一面積であり前記シール部材に対して前記付勢方向と逆方向に冷媒から作用する圧力を受ける第2受圧面とを形成するように前記パッキン体が設けられ
前記ホルダの前記大径部の外周面を前記ホルダの軸心に沿う方向に延長した仮想円筒面と、前記ロータの外面とが交わる位置が、前記シール部材と前記ロータの外面とが接触する位置に設定されている冷媒制御バルブ装置。
【請求項2】
前記パッキン体は、前記シール部材に当接する側において、前記周方向ポート側、または前記ロータ側の少なくとも一方に延出し、摺動自在に当接する凸部を有する請求項に記載の冷媒制御バルブ装置。
【請求項3】
前記凸部は、冷媒の流れ方向が前記ロータ側から前記周方向ポート側にかけて流れる場合、前記ロータ側に延出するように形成され、また、冷媒の流れ方向が前記周方向ポート側から前記ロータ側にかけて流れる場合、前記周方向ポート側に延出するように形成される請求項に記載の冷媒制御バルブ装置。
【請求項4】
前記パッキン体は、前記ホルダの前記仮想円筒面上で前記シール部材と当接する請求項1から請求項の何れか一項に記載の冷媒制御バルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒の流れをロータの回転により制御する冷媒制御バルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バルブハウジングの内部に回転自在に弁体を収容し、冷媒流路を構成するガイド部材の筒状部分に外嵌するリング状のシール体(文献ではシート部材)を備え、シール体を弁体の外面に接する方向に付勢するバネ部材を備えた冷媒制御バルブ装置(文献では弁装置)が示されている。これは、弁体が球状の外面を有しており、この外面に接触するようにシール体がリング状に形成されている。さらに、シール体のうち弁体に対向する受圧面と、この反対側の受圧面とに冷媒の圧力を作用させるためにシール体の外周面に連通部が形成されている。また、各々の受圧面の面積を等しくしており、前述した連通部を形成することにより、バネ部材の付勢力に抗する方向に冷媒から受圧面に作用する圧力と、バネ部材の付勢力に沿う方向に冷媒から受圧面に作用する圧力とが相殺し、シール体に対して過剰な圧力が作用する不都合を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−29127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の冷媒制御バルブ装置では、弁体が開放姿勢にある場合に一対の受圧面に対して冷媒から決まった圧力が作用するものの、弁体が閉じ姿勢にある場合には弁体が収容された空間に対して冷媒が供給されないため、弁体の操作時には、冷媒から一対の受圧面に作用する圧力が一時的にアンバランスになる恐れがある。
【0005】
このようにシール機構の一対の受圧面に作用する圧力がアンバランスな状態に陥った場合には、シール体が弁体に接触する圧力も変動することになり、シール性の低下が懸念される。
【0006】
そこで、本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、弁体の操作や冷媒の圧力の変動に関わらずシール体の接触圧を安定的に維持し、シール性の向上を図った冷媒制御バルブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による冷媒制御バルブ装置の特徴構成は、内部空間、球状の外面、及び回転軸芯方向を開口する開口部を有し、前記回転軸芯を中心に回転自在に配設されたロータと、冷媒が流れ、前記ロータの球心から延びる方向に形成された少なくとも一つの周方向ポート、及び前記ロータの開口部と同一方向を開口する軸方向ポートを有し、前記ロータを収容するハウジングと、前記ロータが回転することで前記ロータの内部空間と前記周方向ポートとを連通するように前記ロータに形成された少なくとも一つの孔部と、前記周方向ポートと同軸芯上に設けられ、前記ロータの外面に当接するように前記ハウジングに収容されたリング状のシール部材と、前記ロータの球芯方向に向かう方向に前記シール部材に付勢力を作用させる付勢部材と、前記ハウジングと前記シール部材の外径部との間に設けられ、前記シール部材の外径部と摺動自在に当接するように形成されたパッキン体と、前記周方向ポートが延びる方向において、前記パッキン体を前記ハウジングとの間で挟持する固定部材とを備え、前記ロータが前記ロータの内部空間と前記周方向ポートとを連通しない状態にあるときに、前記シール部材の冷媒に満たされる側において、前記シール部材は、前記付勢部材の付勢方向と同方向に冷媒から作用する圧力を受ける第1受圧面、及び前記第1受圧面と略同一面積であり前記シール部材に対して前記付勢方向と逆方向に冷媒から作用する圧力を受ける第2受圧面とを形成するように前記パッキン体が設けられ、前記付勢部材を収容する大径部と、該大径部に対し小径であり、前記シール部材の内径部に挿通する小径部と、前記大径部と前記小径部とを接続する段部とを有する円筒状のホルダを備え、前記ホルダの前記大径部の外周面を前記ホルダの軸心に沿う方向に延長した仮想円筒面と、前記ロータの外面とが交わる位置が、前記シール部材と前記ロータの外面とが接触する位置に設定されている点にある。
【0008】
本構成により、例えばロータの操作時等であっても、シール部材の冷媒に満たされる側の面において、付勢部材の付勢方向と同方向にかかる冷媒の圧力と、付勢方向に対し逆方向にかかる冷媒の圧力とを相殺する。これにより、シール部材に対し付勢部材の付勢力のみを作用させることができるので、シール部材とロータとの間においてシール性を向上することができる。また、本構成の冷媒制御バルブ装置が使用される環境は多様であって、例えば軸方向ポートを冷却水の入り口側となる吸入ポート、また、周方向ポートを冷却水の出口側となる吐出ポートとして使用する場合、軸方向ポート側が高圧となり、周方向ポート側が低圧となる。また、吸入ポートと吐出ポートの関係が逆になり、軸方向ポート側が低圧、周方向ポート側が高圧となった場合もある。このように使用方法が異なったとしても、パッキン体をシール部材の外径部とハウジングとの間に配設することで高圧側から低圧側に冷媒が漏洩することはなく、また、シール部材の冷媒に満たされる側に付勢部材の付勢方向視で略同一面積を形成する第1受圧面、及び第2受圧面を形成するようにパッキン体を配設するため、シール性を安定的に確保することができる。つまり、本構成の冷媒制御バルブ装置の使用方法(冷媒の圧力関係、冷媒の流れ方向)に対応してシール性を向上することができる。
また、付勢部材の中心軸とシール部材の中心軸をより同軸に合わせることができる。これにより、付勢部材とシール部材の組付け精度を向上することができ、付勢部材の付勢力を精度良くシール部材に与えることができる。よって、シール部材とロータとの間において、シール性の向上を図ることができる。
さらに、シール部材に係る圧力バランスをさらに安定化することができる。これにより、シール部材とロータとの間において、さらにシール性を向上することができる。
【0011】
本発明の他の特徴構成は、前記パッキン体は、前記シール部材に当接する側において、前記周方向ポート側、または前記ロータ側の少なくとも一方に延出し、摺動自在に当接する凸部を有する点にある。また、前記凸部は、冷媒の流れ方向が前記ロータ側から前記周方向ポート側にかけて流れる場合、前記ロータ側に延出するように形成され、また、冷媒の流れ方向が前記周方向ポート側から前記ロータ側にかけて流れる場合、前記周方向ポート側に延出するように形成される点にある。
【0012】
本構成により、冷媒の流れ(圧力)に対し、凸部がシール部材側に押し付けるように作用し、パッキン体とシール部材との間において、さらにシール性を向上することができる。
【0013】
本構成の他の特徴構成は前記パッキン体は、前記ホルダの前記仮想円筒面上で前記シール部材と当接する点にある。
本構成により、シール部材に係る圧力バランスをさらに安定化することができる。これにより、シール部材とロータとの間において、さらにシール性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態におけるエンジン冷却回路を示す説明図である。
図2図1における冷媒制御バルブ装置を示す断面図である。
図3図2におけるシール機構を示す要所部分拡大図である。
図4】第2実施形態におけるエンジン冷却回路を示す説明図である。
図5図2におけるシール機構を示す要所部分拡大図である。
図6】第3実施形態におけるシール機構を示す要所部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態:基本構成〕
冷媒制御バルブ装置Vが使用される例として、図1に示すエンジン冷却回路Oに備えられ、車両の内燃機関としてのエンジンEからの冷却水(冷媒の一例)を受け入れる軸方向ポートPSと、冷却水をラジエータホース1を介してラジエータRに送り出す第1周方向ポートU1と、冷却水をヒータホース2を介してヒータコアHに送り出す第2周方向ポートU2とを備えている。エンジンEは、シリンダヘッド部Eaとシリンダブロック部Ebとを有しており、冷却水は、シリンダヘッド部Eaから冷媒制御バルブ装置Vの軸方向ポートPSに供給される。また、ラジエータRに供給された冷却水、及びヒータコアHに供給された冷却水は、インレットバルブ3からウォータポンプ6(W/P)に送られ、ウォータポンプ6からエンジンEのシリンダブロック部Ebに戻される。
【0016】
尚、この第1実施形態では、冷媒制御バルブ装置Vからの冷却水をラジエータRとヒータコアHとに供給するものであるが、例えば、エンジンオイルや、オートマチックミッションのフルード等の熱交換のために供給するように用いても良い。このように用いる場合に、冷媒制御バルブ装置Vに対して第3の周方向ポートを形成しても良い。
【0017】
図2に示すように、冷媒制御バルブ装置Vは、樹脂製のハウジングAと、このハウジングAの内部に対し回転軸芯Xを中心に回転自在に収容される樹脂製で球状の外面31(外壁面)を有するロータ3と、回転軸2(例えばシャフト)を介し、ロータ3を回転駆動する制御部Bとを備えている。また、このシャフト2の回転軸芯X回りにシャフト2を回転自在に挿通し、ロータ3側と制御部B側との間をシールする第1シール22と第2シール23が配設されている。この第1シール22と第2シール23との間には、夫々シールとの間に空間を確保するためにスペーサ24が備えられている。このときハウジングボデー10には、スペーサ24が備えられる空間と外部(大気)とを連通するドレン孔(図示しない)に通じる連通路(図示しない)が形成される。
【0018】
この冷媒制御バルブ装置Vは、エンジンEの冷却水をラジエータR、または熱を必要とするデバイスとしてのヒータコアHの少なくとも一方に供給すると共に、ラジエータRとヒータコアHとの何れにも供給しない状態を作り出すように構成されている。尚、回転軸芯Xは軸方向ポートPSの中心位置から、この軸方向ポートPSの開口面に直交する姿勢に設定されている。
〔ハウジング〕
ハウジングAのハウジングボデー10の軸方向の一方に軸方向ポートPSが形成されている。また、ハウジングAには、外方に突出する筒状のスリーブ部11(例えば第1スリーブ部)を有する周方向ポートUS(例えば第1周方向ポートU1)と、外方に突出する第2スリーブ部(図示しない)を有する第2周方向ポートU2(図1に示し図2に示さない)とが形成されている。ここで、第1スリーブ部11の内径は、第2スリーブ部の内径より大径に形成されている。また、第1周方向ポートU1と第2周方向ポートU2は同一の材質からなる部材であり、同一の機能を有する物とする。
【0019】
周方向ポートUSは前述の通り複数からなり、代表として第1周方向ポートU1の構成について示す。第1周方向ポートU1は、ラジエータホース1が繋がれる円筒状の第1スリーブ部11と、この第1スリーブ部11の外周に鍔状に形成される第1フランジ部12と、ハウジングボデー10の内径部10aに収容されたシール機構4(例えば第1シール機構)とを備えている。
【0020】
第1フランジ部12は、外周が全周に亘りハウジングボデー10と溶着により接続されている。ここで、一例として溶着により接続する例を示したが、ボルト(図示しない)等により締結することで接続しても良い。また、第1シール機構4は、環状の第1シール部材41と、第1パッキン体42と、第1ホルダ43と、第1付勢部材44と、第1固定部材45とから構成されている。これらは、第1スリーブ部11の方向に延びるハウジングボデー10の内径部10aに内挿される状態で備えられている。
〔ロータ〕
図2に示すように、ロータ3は、回転軸芯X上を中心に回転するシャフト2と一体的に回転するロータ本体30を有している。このとき、シャフト2は、ハウジングボデー10に形成された軸受部21により保持される。また、この軸受部21は第1スリーブ部11の第1中心線Q1と回転軸芯Xの交差位置となる壁中心Tよりも下方(図2で示す軸方向ポートPS側)まで延びるように形成される。
【0021】
ロータ本体30は、回転軸芯Xに沿う方向に開放する軸方向ポートPSから冷却水を受け入れる受け部としての開口部33と、この開口部33に連なり内部に内部空間34を形成するロータ3の内壁部35と、壁中心Tを中心とする球状となる外壁面31と、ロータ3の内部空間34からの冷却水を第1周方向ポートU1、または第2周方向ポートU2に送り出すように外壁面31に形成された制御孔部32(孔部の具体例)とを備えている。
【0022】
また、ロータ本体30において、開口部33と反対側にはシャフト2が貫通状態で配置される開放部36が形成されている。シャフト2の突出端に形成された複数の連結体37が、ロータ本体30のロータ3の内壁部35に連結することにより、ロータ3と一体回転するように構成されている。
【0023】
このロータ3が、シャフト2により回転することで開放姿勢と全閉姿勢を実現する。詳述すると、開放姿勢はロータ3が回転操作されることで制御孔部32の少なくとも一部に冷却水が流れ、内部空間34と周方向ポートPSとを連通する状態である。また、全閉姿勢は、ロータ3が回転操作され、ロータ3の外壁面31が内部空間34と周方向ポートUSとを遮断し、冷却水が流れない状態である。
【0024】
また、ロータ3が開放姿勢、及び全閉姿勢の何れの場合もハウジングボデー10の内部は冷却水で満たされる状態にある。詳述すると、開放姿勢の場合であっても軸方向ポートPS側のロータ3の開口部33の開口面積は第1シール機構4と制御孔部32によって形成される開口面積よりも必ず大きい関係にあるため、ハウジングボデー10の内部の冷却水は常に満たされる状態となる。また、全閉姿勢の場合は、冷却水が周方向ポートUSに流れることがないため、ハウジングボデー10の内部に冷却水が常に満たされる状態となることは言うまでもない。また、図3に示すようにハウジングボデー10内に満たされた冷却水(図3に示すF1部)は、第1シール機構4に設けられた第1シール部材41の外径側から周方向ポートUSに漏洩しようとするが、後述するパッキン体42を設けることで抑止している。
〔シール機構〕
第1シール機構4は、ロータ3が第1周方向ポートU1を閉塞する姿勢に設定された際に、球状の外壁面31に対し全周が密着することで、第1周方向ポートU1とロータ3の外壁面31との間での冷却水の流れを遮断するように機能する。
【0025】
第1シール部材41は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の可撓性の樹脂で環状に形成される。この第1シール部材41は、第1スリーブ部11の第1中心線Q1に沿って移動自在である。また、図3に示すように、第1シール部材41は第1ホルダ43が内挿する内径部41aと、ロータ3の外壁面31と当接する湾曲部41bと、第1パッキン体42と摺動自在に当接する外径部41cとを備えている。
【0026】
また、第1シール部材41は、第1周方向ポートU1と軸方向ポートPSとが連通しない状態にあるときに、前述したように第1シール部材41の冷媒に満たされる(図3に示すF1側)面において、第1付勢部材44が付勢する方向と同方向に冷媒から作用する圧力を受ける第1受圧面S1と、第1付勢部材44が付勢する方向と逆方向に冷媒から作用する圧力を受ける第2受圧面S2を形成する。この第1受圧面S1と第2受圧面S2は、後述する第1パッキン体42が第1付勢部材44の付勢する方向視で略同一面積となるように配設されることで形成される。具体的には、後述する第1ホルダ43の仮想円筒面I1の延長線上で第1シール部材41がロータ3と当接するとき、第1パッキン体42は、第1ホルダ43の仮想円筒面I1上に形成された第1シール部材41の外径部41cに当接するように配設される。
【0027】
第1パッキン体42は、図3に示すように可撓性の樹脂で環状に形成され、ハウジングボデー10に組付けるための挿通部42cを形成し、挿通部42cがハウジングボデー10の内径部12に内挿される状態で備えられる。また、第1パッキン体42の内径部に第1シール部材41の外径部41cが摺動自在に当接する凸部42aを備えている。この凸部42aは図3に示すようにロータ3側に向かうように延出するように形成される。このとき、第1シール部材41は第1中心線Q1に沿って移動自在に構成されているが、第1パッキン体42は第1固定部材45の当接面45aとハウジングボデー10の当接面13aとにより挟持することで移動することはなく保持されている。また、凸部42aがロータ3側に延出するように形成することで、軸方向ポートPS側が高圧となる場合でも、凸部42aが第1シール部材41の外径部41cに押し付けるように作用するため、第1パッキン体42と第1シール部材41との間から冷却水が漏れることを抑止する。
【0028】
第1ホルダ43は、剛性の高い金属や樹脂で形成され、第1シール部材41に内挿され、また第1付勢部材44を収容するように形成される。ここで、第1ホルダ43は、第1中心線Q1を中心線とする円筒部材であり、第1付勢部材44側に対し、第1シール部材41側が小径となる小径部43cと、第1シール部材側に対し、第1付勢部材44側が大径となる大径部43bとし、夫々を接続する段部43aを有する。この段部43aにおいて、一方が第1付勢部材44と付勢力が働くように当接し、他方が第1シール部材41の端部と当接するように形成される。また、図3に示すように第1ホルダ43の大径部43bの外径の第1中心線Q1に沿う方向に延長した仮想円筒面I1が第1シール部材41とロータ3の外壁面31が当接するように設定されている。これにより、第1中心線Q1の延出方向において、第1シール部材41にかかる水圧は、第1付勢部材44が付勢する方向に水圧を受ける第1受圧面S1と、第1付勢部材44が付勢する逆の方向に水圧を受ける第2受圧面S2とが同面積となり、第1冷媒制御バルブ装置V内の圧力バランスを安定的に保つことができ、第1シール部材41とロータ3の外壁面31とが安定的に当接することができる。よって、シール性を長期にわたって安定的に維持することができる。尚、第1シール部材41とロータ3の外壁面31とが当接する位置は仮想円筒面I1に厳密に一致する必要はなく、冷却水から作用する圧力を相殺することが目的であるため多少の誤差が含まれても良い。
【0029】
第1付勢部材である第1スプリング44は、金属材で形成され、一端が第1ホルダ43に当接し、他端が第1固定部材45に当接する位置に配置されている。第1スプリング44の付勢力により、第1シール部材41はロータ3の外壁面31に接触する。また、第1スプリング44は、第1固定部材45により第1周方向ポートU1側に飛び出すことはない。
【0030】
特に、第1スリーブ部11の中心となる第1中心線Q1が、回転軸芯Xに対して傾斜している。第1中心線Q1は回転軸芯Xに交差しており、この交差位置が壁中心Tとなり、この壁中心Tがロータ3の球状の外壁面31の中心と一致する。第1中心線Q1の傾斜方向は、第1スリーブ部11での冷却水の流れの下流ほど、この第1スリーブ部11の外端側が回転軸芯Xから離間すると共に、軸方向ポートPSから離間するように設定されている。
【0031】
前述した第1周方向ポートU1と同様の構成、材質により第2周方向ポートU2も形成されるが、大きさに関しては同一でなくても良い。
〔制御部〕
制御部Bは、図2に示すようにシャフト2の端部に備えられたホイールギヤ51と、これに咬合するウォームギヤ52と、このウォームギヤ52を回転駆動するモータ部55と、ホイールギヤ51と一体回転するマグネット(図示せず)と、マグネットが回転することで変化する磁場を検知し、ロータ3の回転姿勢を検知する非接触型の回転角センサ53とを備えている。
【0032】
これらは水密型のケース54に収容され、モータ部55は制御装置(例えば図示しないドライバ)により制御される。制御装置は、エンジンEの冷却水の温度を計測する水温センサの検知結果や、ヒータコアHを必要とする情報に基づいてロータ3の目標姿勢を設定し、回転角センサ53の検知信号によりロータ3の回転姿勢が目標姿勢に達するように制御を行う。
〔冷却水の制御〕
制御部Bは、第1周方向ポートU1、及び第2周方向ポートU2を同時に開放する全開姿勢と、第1周方向ポートU1のみを開放する第1開放姿勢と、第1開放姿勢と同様に第2周方向ポートU2のみを開放する第2開放姿勢と、第1周方向ポートU1、及び第2周方向ポートU2を閉塞する全閉姿勢とにロータ3の回転姿勢を設定する制御を実現する。
【0033】
つまり、ロータ3の回転姿勢が全開姿勢に設定された場合には、第1周方向ポートU1、及び第2周方向ポートU2が内部空間34に連通し、冷却水を第1周方向ポートU1からラジエータRに供給すると同時に、第2周方向ポートU2からヒータコアHに供給する。
【0034】
また、全開姿勢を基準にして、ロータ3が一方に回転操作され、第1開放姿勢に設定された場合には、第1周方向ポートU1と内部空間34とを連通するため、ラジエータRに対してのみ冷却水の供給が可能となる。同様に、全開姿勢を基準にして、ロータ3が他方に回転操作され、第2開放姿勢に設定された場合には、第2周方向ポートU2と内部空間34とが連通するため、ヒータコアHに対してのみ冷却水の供給が可能となる。
【0035】
さらに、ロータ3が全閉姿勢に設定された場合には、第1周方向ポートU1と第2周方向ポートU2との何れもが内部空間34と非連通状態となり、ラジエータR、及びヒータコアHに冷却水は供給されない。この全閉姿勢は、エンジンEの始動直後のように早期の暖気を必要とする場合に設定される。また、この全閉姿勢では、第1シール部材41がロータ3の外壁面31に密着し、第2シール部材(図示しない)もロータ3の外壁面31に密着するように構成される。
【0036】
尚、制御部Bは、ロータ3の回転姿勢の設定により、第1周方向ポートU1と第2周方向ポートU2との何れにおいても、冷却水の流れを制限する状態(全開にしない状態)で冷却水の供給量を任意に設定する制御も行えるように構成されている。
〔第2実施形態〕
この第2実施形態では、前述した第1実施形態と共通する構成の冷媒制御バルブ装置Vを用いるものであるが、図4に示すエンジン冷却回路Oに用いられるものであるため、冷媒制御バルブ装置Vにおいて第1実施形態に対し冷却水の流動方向が逆であり、シール機構4の構成が異なっている。尚、この第2実施形態では、第1実施形態と共通する符号を付与している。
〔第2実施形態:基本構成〕
冷媒制御バルブ装置Vが使用される例として、図4に示すエンジン冷却回路Oに備えられ、車両の内燃機関としてのエンジンEからの冷却水をエンジンEに戻す軸方向ポートPSと、ラジエータRの冷却水がラジエータホース1を介して供給される第1周方向ポートU1と、ヒータコアHの冷却水がヒータホース2を介して供給される第2周方向ポートU2とを備えている。エンジンEは、シリンダヘッドEaとシリンダブロック部Ebとを有しており、冷却水は、シリンダヘッド部Eaからアウトレットバルブ5に供給される。このアウトレットバルブ5は、冷却水をラジエータRとヒータコアHとに分流できるように構成されている。また、軸方向ポートPSからの冷却水はウォータポンプ6(W/P)に送られ、ウォータポンプ6からエンジンEのシリンダブロック部Ebに戻される。
【0037】
尚、この第2実施形態では、ラジエータRとヒータコアHとからの冷却水を冷媒制御バルブ装置Vが制御しエンジンEに戻すものであるが、例えば、アウトレットバルブ5において、エンジンオイルや、オートマチックミッションのフルード等の熱交換のために供給するように構成したものでは、エンジンオイルや、フルード等の熱交換を行う機器からの冷却水を受け入れ得るための冷媒制御バルブ装置Vに対して第3の流入ポートを形成しても良い。
【0038】
また、基本構成は第1実施形態と同様のため説明を割愛し、異なるシール機構4と、シール機構4を含むハウジングAの構成についてのみ詳述する。
〔ハウジング〕
ハウジングAは、第1実施形態と同様にハウジングボデー10の軸方向の一方に軸方向ポートPSが形成されている。また、ハウジングAには、外方に突出する筒状のスリーブ部11(例えば第1スリーブ部)を有する周方向ポートUS(例えば第1周方向ポートU1)と、外方に突出する第2スリーブ部(図示しない)を有する第2周方向ポートU2(図1に示し図2に示さない)とが形成されている。ここで、第1スリーブ部11の内径は、第2スリーブ部の内径より大径に形成されている。また、第1周方向ポートU1と第2周方向ポートU2は同一の材質からなる部材であり、同一の機能を有するものとする。
【0039】
周方向ポートUSは前述の通り複数からなり、代表として第1周方向ポートU1の構成について示す。第1周方向ポートU1は、ラジエータホース1が繋がれる円筒状の第1スリーブ部11と、この第1スリーブ部11の外周に鍔状に形成される第1フランジ部12と、ハウジングボデー10の内径部10aに収容されたシール機構4(例えば第1シール機構)とを備えている。
【0040】
第1フランジ部12は、外周が全周に亘りハウジングボデー10と溶着により接続されている。ここで、一例として溶着により接続する例を示したが、ボルト(図示しない)等により締結することで接続しても良い。また、第1シール機構4は、環状の第1シール部材41と、第1パッキン体42と、第1ホルダ43と、第1スプリング44と、第1固定部材45とから構成されている。これらは、第1スリーブ部11の方向に延びるハウジングボデー10の内径部10aに内挿される状態で備えられている。
〔ロータ〕
ロータ3は第1実施形態に対応する同様の部材が用いられ、同一の機能を有する物である。
【0041】
第1実施形態と異なる点として、ロータ3が開放姿勢、及び全閉姿勢であるときに、常に冷却水が満たされる状態となるのは周方向ポートUS側となる(図5に示すF2側)。
〔シール機構〕
第1シール機構4は、ロータ3が第1周方向ポートU1を閉塞する姿勢に設定された際に、球状の外壁面31に対し全周が密着することで、第1周方向ポートU1とロータ3の外壁面31との間での冷却水の流れを遮断するように機能する。
【0042】
ここで、第1シール部材41、第1ホルダ43、第1スプリング44は、第1実施形態と同様の構成、材質を用いるものであるため説明を割愛する。また、第1実施形態と第1シール部材41にかかる水圧が異なるため、第1シール部材41は、第1周方向ポートU1と軸方向ポートPSとが連通しない状態にあるときに、第1シール部材41の冷媒に満たされる側(図5に示すF2側)において、第1付勢部材44が付勢する方向と同方向に冷媒から作用する圧力を受ける第1受圧面S1と、第1付勢部材44が付勢する方向と逆方向に冷媒から作用する圧力を受ける第2受圧面S2を形成する。この第1受圧面S1と第2受圧面S2は、第1パッキン体42が第1付勢部材44の付勢する方向視で略同一面積となるように配設されることで形成される。具体的には、第1ホルダ43の仮想円筒面I1の延長線上で第1シール部材41がロータ3と当接するとき、第1パッキン体42は、第1ホルダ43の仮想円筒面I1上に形成された第1シール部材41の外径部41cに当接するように配設される。これにより、第1冷媒制御バルブ装置V内の圧力バランスを安定的に保つことができ、第1シール部材41とロータ3の外壁面31とが安定的に当接することができる。
【0043】
第1パッキン体42は、可撓性の樹脂で環状に形成され、ハウジングボデー10に組付けるための挿通部42cを形成し、挿通部42cがハウジングボデー10の縮径部13に内挿される状態で備えられる。また、第1パッキン体42の内径部と、第1シール部材41の外径部41c(図5に示す)が摺動自在に当接する凸部42b(図5に示す)とを備えている。この凸部42bは図5に示すように第1周方向ポートU1の口元側に向かうように延出するように形成される。このとき、第1シール部材41は第1中心線Q1に沿って移動自在に構成されているが、第1パッキン体42は第1固定部材45の当接面45aとハウジングボデー10の当接面13aとにより挟持することで移動することはなく保持されている。また、凸部42aが第1周方向ポートU1の口元側に延出するように形成することで、第1周方向ポートU1側が高圧となる場合でも、凸部42bが第1シール部材41の外径部41cに押し付けるように作用するため、第1パッキン体42と第1シール部材41との間から冷却水が漏れることを抑止する。
〔制御部〕
制御部Bは第1実施形態に対応する同様の部材が用いられ、同一の機能を有する物である。
〔冷却水の制御〕
電動制御部Cは、第1実施形態と同様に第1周方向ポートU1、及び第2周方向ポートU2を同時に開放する全開姿勢と、第1周方向ポートU1のみを開放する第1開放姿勢と、第1開放姿勢と同様に第2周方向ポートU2のみを開放する第2開放姿勢と、第1周方向ポートU1、及び第2周方向ポートU2を閉塞する全閉姿勢とにロータ3の回転姿勢を設定する制御を実現する。
【0044】
つまり、ロータ3の回転姿勢が全開姿勢に設定された場合には、第1周方向ポートU1と第2周方向ポートU2とが内部空間34に連通し、ラジエータR、及びヒータコアHからの冷却水をエンジンEに戻すことが可能となる。
【0045】
また、全開姿勢を基準にして、ロータ3が一方に回転操作され、第1開放姿勢に設定された場合には、第1周方向ポートU1と内部空間34とを連通するため、ラジエータRからの冷却水をエンジンEに戻すことが可能となる。同様に、全開姿勢を基準にして、ロータ3が他方に回転操作され、第2開放姿勢に設定された場合には、第2周方向ポートU2と内部空間34とが連通するため、ヒータコアHからの冷却水をエンジンEに戻すことが可能となる。
【0046】
さらに、ロータ3が全閉姿勢に設定された場合には、第1周方向ポートU1と第2周方向ポートU2との何れも内部空間34と非連通状態となり、ラジエータR、及びヒータコアHからの冷却水をエンジンEに戻さなくなる。この全閉姿勢は、エンジンEの始動直後のように早期暖気を必要とする場合に設定される。
【0047】
尚、制御部Bは、ロータ3の回転姿勢の設定により、第1周方向ポートU1と第2周方向ポートU2との何れにおいても、冷却水の流れを制限する状態(全開にしない状態)で冷却水の供給量を任意に設定する制御も行えるように構成されている。
〔第3実施形態〕
この第3実施形態では、前述した第1実施形態、及び第2実施形態と共通する構成の冷媒制御バルブ装置Vを用いるものであるが、図1図4に示すエンジン冷却回路Oに用いられるものであり、冷却水の流動方向を問わず使用できるようにシール機構4を構成する点が異なる。尚、この第3実施形態では、第1実施形態、及び第2実施形態と共通する符号を付与している。
〔第3実施形態:基本構成〕
冷媒制御バルブ装置Vが使用される例として、前述の第1実施形態と第2実施形態に記載のエンジン冷却回路Oの何れにも適用することができる。また、使用用途や機能は同一のものとするため説明を割愛する。
〔シール機構〕
前述までの第1実施形態と第2実施形態と異なるパッキン体42について詳述する。
【0048】
パッキン体42(図6に示す例えば第1パッキン体)は、可撓性の樹脂で環状に形成され、ハウジングボデー10に組付けるための挿通部42cを形成し、挿通部42cがハウジングボデー10の縮径部13に内挿される状態で備えられる。また、図6に示すように第1パッキン体42の内径部と、第1シール部材41の外径部41cが摺動自在に当接する複数の凸部42a、42bとを備えている。この凸部42a、42bは、図6に示すようにロータ3側に向かうように延出し、また、第1周方向ポートU1の口元側に向かうように延出するように形成される。このとき、第1シール部材41は第1中心線Q1に沿って移動自在に構成されているが、第1パッキン体42は第1固定部材45の当接面45aとハウジングボデー10の当接面13aとにより挟持することで移動することはなく保持されている。また、凸部42aがロータ3側に延出し、凸部42bが第1周方向ポートU1の口元側に延出するように形成することで、軸方向ポートPS側、及び第1周方向ポートU1側の何れも高圧となる場合でも、凸部42a、42bが第1シール部材41の外径部41cに押し付けるように作用するため、第1パッキン体42と第1シール部材41との間から冷却水が漏れることを抑止する。
〔冷却水の制御〕
前述した第1実施形態、及び第2実施形態と同様の使用が可能となり、同様の機能を有する。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係る流量制御バルブ装置は、各種車両における幅広い冷却対象に対して利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 ハウジングボデー
11 第1スリーブ部
2 回転軸(シャフト)
3 ロータ
30 ロータ本体
31 外面(外壁面)
32 孔部(制御孔部)
33 開口部
34 内部空間
4 シール機構
41 第1シール部材
42 第1パッキン体
42a 凸部
43 第1ホルダ
44 第1付勢部材(第1スプリング)
45 第1固定部材
A ハウジング
B 制御部
PS 軸方向ポート
US 周方向ポート
図1
図2
図3
図4
図5
図6