(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
初期設定時に、売上登録する商品が選択された際に消費税の税率に第1の値を一旦適用して価格表示するのか前記消費税の税率に前記第1の値とは異なる第2の値を一旦適用して価格表示するのかをユーザ操作に基づいて選択する選択手段と、
売上登録される商品に適用する消費税における税率の値を、前記選択手段により選択された内容に応じて設定する設定手段と、
を備えたことを特徴とする売上データ処理装置。
初期設定時に、売上登録する商品が選択された際に消費税率として標準税率を一旦適用して価格表示するのか軽減税率を一旦適用して価格表示するのかをユーザ操作に基づいて選択する選択手段と、
売上登録される商品に適用する消費税率を、前記選択手段により選択された内容に応じて設定する設定手段と、
を備えたことを特徴とする売上データ処理装置。
初期設定時に、売上登録する商品が選択された際に標準税率と軽減税率とのうち当該初期設定で選択された方を消費税率として一旦適用して価格表示するのか価格表示する前に前記商品の選択に伴わせて前記標準税率と前記軽減税率とのうちのいずれか一方を適用する消費税としてユーザに選択させるのかを、ユーザ操作に基づいて選択する選択手段と、
売上登録する商品が選択された際の価格表示に至る制御フローを、前記選択手段により選択された内容に応じて設定する設定手段と、
を備えたことを特徴とする売上データ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。なお、同一の要素が異なる図に示されていても同一の符号を付与して、その重複する説明を省略することがある。
【0011】
(第1実施形態)
<電子キャッシュレジスタの構成>
まず、
図1,
図2を参照して、第1実施形態における電子キャッシュレジスタ(売上データ処理装置)1の構成について説明する。
【0012】
電子キャッシュレジスタ1は、商品(サービスを含む)を販売する店舗等に設置され、商品の売上登録の指定を受け付ける電子装置である。
図1,
図2に示すように、電子キャッシュレジスタ1は、本体部10と、入力表示部11と、客用表示部12と、印刷部13と、ドロア(不図示)と、を備える。なお、ドロアは、本体部10と印刷部13とを上段に配置するように、本体部10と印刷部13との下段位置に配置してもよく、
図1の装置構成とは別の棚等に配置してもよい。
また、本体部10と、他の装置(11〜13)とは、図示を省略したケーブル等で接続されている。
【0013】
本体部10は、電子キャッシュレジスタ1全体を制御するものである。この本体部10は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)100、RAM(Random Access Memory)101、主記憶装置102、通信制御部103、記憶媒体読み書き部104によって構成され、各部はバスによって接続されている。また、本体部10は、図示を省略した入出力回路を介して、入力表示部11、客用表示部12及び印刷部13と接続されている。
【0014】
CPU100は、主記憶装置102に記憶されている各種プログラムを実行することで電子キャッシュレジスタ1全体を制御するものである。つまり、CPU100は、主記憶装置102に記憶されている制御プログラム(売上データ処理プログラム)113をRAM101に展開し、制御プログラム113を実行することで、電子キャッシュレジスタ1の各手段(設定手段、処理手段、表示制御手段、割当制御手段)として機能する。
【0015】
RAM101は、各種プログラムがCPU100によって展開されて動作したり、一時記憶領域として機能したりするメモリである。
主記憶装置102は、商品毎の商品情報を予め記憶した商品マスタ110a、税1用商品マスタ(第1税率テーブル)110b、税2用商品マスタ(第2税率テーブル)110c、商品マスタ管理111、売り上げた商品が登録される商品売上情報112、電子キャッシュレジスタ1の各種機能を実現する制御プログラム113等を記憶するもので、HDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリ等である。
【0016】
通信制御部103は、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット端末、スマートフォン等の外部通信媒体90との通信を制御するものである。
記憶媒体読み書き部104は、SDメモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶媒体91を読み書きするものである。
【0017】
<<商品マスタ及び商品マスタ管理>>
図3〜
図7を参照して、商品マスタ110a〜110c及び商品マスタ管理111について説明する。
本実施形態では、電子キャッシュレジスタ1は、
図3に示すように、複数税率の消費税が施行される前の元々の商品マスタ110aを、税1(第1税率)で使用する税1用商品マスタ110bと、税2(第2税率)で使用する税2用商品マスタ110cとの2つに複写する(商品マスタ複写処理)。
【0018】
ここで、複数税率の消費税が施行される前の消費税率を8%とする。また、税1の税率は、複数税率の消費税が施行された後における軽減税率(8%)とする。また、税2の税率は、複数税率の消費税が施行された後における標準税率(10%)とする。なお、商品マスタ110a〜110cの税率は、これら限定されないことは言うまでもない。
【0019】
図4に示すように、商品マスタ110aは、商品コードと、それに対応する商品名と税率と表記文字とを保持するものであり、「商品コード」と、「商品名」と、「税率」と、「表記文字」とで構成される。
「商品コード」は、商品を一意に識別するための識別コードである。「商品名」は、商品の名称である。「税率」は、複数税率の消費税が施行される前の消費税率を示す。「表記文字」は、税率を表記する文字を示す。
【0020】
図5に示すように、税1用商品マスタ110bは、税1で使用する商品マスタであり、「商品コード」と、「商品名」と、「税率」と、「表記文字」とで構成される。この「税率」は、税1の税率を示す。
図6に示すように、税2用商品マスタ110cは、税2で使用する商品マスタであり、「商品コード」と、「商品名」と、「税率」と、「表記文字」とで構成される。この「税率」は、税2の税率を示す。
【0021】
図7に示すように、商品マスタ管理111は、各商品が使用する税率を示すものであり、「商品コード」と、「税使用タイプ」とで構成される。
「税使用タイプ」は、税1を一旦適用して価格表示するのか、税2を一旦適用して価格表示するのか、価格表示する前に予め適用税率を選択させるのかを表す。例えば、「税使用タイプ」の値が‘1’の場合、税1を使用することを示す。また、例えば、「税使用タイプ」の値が‘2’の場合、税2を使用することを示す。また、例えば、「税使用タイプ」の値が‘3’の場合、適用税率を毎回選択することを示す。
【0022】
図2に戻って、電子キャッシュレジスタ1の構成について説明を続ける。
入力表示部(選択手段、受付制御手段、商品選択キー、変更キー)11は、操作を行う店員側に向けて配置されたタッチパネル11aと表示部11bとが積層されて構成され、店員からの操作の受け付けと、店員に対する操作画面の表示を行うものである。
なお、本実施形態では、入力表示部11で店員からの操作を受け付けることとして説明したが、図示を省略したバーコードリーダを用いてもよい。
【0023】
タッチパネル11aは、入力ペンや指先等により指示された座標を感知し、電磁誘電方式、磁気歪式、感圧式等の座標読み取り原理で指示された位置座標を検出するものである。タッチパネル11aは、検出した位置座標を、本体部10に出力する。
表示部11bは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等で構成され、電子キャッシュレジスタ1を制御するための各種画面を表示するものである。表示部11bは、本体部10から画面データを入力し、画面上に表示する。なお、表示部11bに表示される画面については、後記する。
【0024】
客用表示部12は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等により構成され、顧客に対して各種情報を文字によって提示するものである。例えば、客用表示部12は、個々の商品を登録する際に、本体部10から入力される商品の単価を表示する。
印刷部13は、会計処理を行った後のレシートを印刷するもので、例えば、熱転写プリンタである。この印刷部13は、本体部10から入力されるレシート情報を、ロールペーパ(レシート用紙)に印字して出力する。
【0025】
<商品マスタ複写処理>
図8,
図9を参照し、商品マスタ複写処理について説明する(適宜
図2参照)。
この商品マスタ複写処理は、商品マスタ110aを税1用商品マスタ110b及び税2用商品マスタ110cに複写する処理である(
図3)。ここで、商品マスタ複写処理を実行するタイミングは、特に制限されないが、例えば、電子キャッシュレジスタ1の初期設定時に実行すればよい。
【0026】
CPU100は、税率入力画面を入力表示部11に表示し、税1と税2の税率と表記文字を何にするか店員に問い合わせ、これらを入力させる(ステップS1)。
【0027】
図9に示すように、税率入力画面200は、税1の税率を入力する「税1税率」フィールド201と、税1の表記文字を入力する「税1表記文字」フィールド202と、税2の税率を入力する「税2税率」フィールド203と、税2の表記文字を入力する「税2表記文字」フィールド204と、「確定」ボタン205とを有する。ここで、店員により、全フィールド201〜204が入力され、「確定」ボタン205が押下されることで、ステップS2の処理に進む。
【0028】
CPU100は、商品マスタ110aを税1用商品マスタ110bに複写する(ステップS2)。
CPU100は、商品マスタ110aを税2用商品マスタ110cに複写する(ステップS3)。
【0029】
CPU100は、税1用商品マスタ110bの全商品について、ステップS1で入力された税1の税率及び表記文字に変更する(ステップS4)。
CPU100は、税2用商品マスタ110cの全商品について、ステップS1で入力された税2の税率及び表記文字に変更する(ステップS5)。
【0030】
<商品の売上処理>
図10を参照し、商品の売上処理について説明する(適宜
図2参照)。
この商品の売上処理は、店員が、売上登録する商品を、電子キャッシュレジスタ1に指定する処理である。このとき、商品の売上処理では、指定した商品が、税1を使用するか、税2を使用するか、または、税率を毎回選択するのかを選択させる。その後、選択された税率で従来の売上登録処理を行う。
【0031】
店員が、入力表示部11を操作して、商品コード等で売り上げる商品を指定する(ステップS10)。
CPU100は、指定した商品が商品マスタ管理111にあるか否かを判定する(ステップS11)。
【0032】
指定した商品が商品マスタ管理111にある場合(ステップS11でYes)、CPU100は、後記する売上登録処理で使用する変数の代入処理を行う(ステップS12)。
この変数とは、指定した商品の税率及び表記文字を格納するものである。また、変数の代入処理は、その詳細を後記する。
【0033】
CPU100は、変数に代入された税率及び表記文字を用いて、ステップS10で指定した商品の売上登録処理を行い(ステップS13)、処理を終了する。
【0034】
指定した商品が商品マスタ管理111にない場合(ステップS11でNo)、CPU100は、指定した商品が税1用商品マスタ110bにあるか否かを判定する(ステップS14)。
指定した商品が税1用商品マスタ110bにない場合(ステップS14でNo)、CPU100は、指定した商品が税2用商品マスタ110cにあるか否かを判定する(ステップS15)。
【0035】
指定した商品が税2用商品マスタ110cにある場合(ステップS15でYes)、CPU100は、指定した商品が税2を使用すると商品マスタ管理111に記録する。すなわち、CPU100は、商品マスタ管理111において、指定した商品の税使用タイプを‘2’で記録する(ステップS16)。
CPU100は、税2用商品マスタ110cの税率及び表記文字を、売上登録処理で使用する変数に代入し(ステップS17)、ステップS13の処理に進む。
【0036】
指定した商品が税1用商品マスタ110bにある場合(ステップS14でYes)、CPU100は、指定した商品が税2用商品マスタ110cにあるか否かを判定する(ステップS18)。
【0037】
指定した商品が税2用商品マスタ110cにない場合(ステップS18でNo)、CPU100は、指定した商品が税1を使用すると商品マスタ管理111に記録する。すなわち、CPU100は、商品マスタ管理111において、指定した商品の税使用タイプを‘1’で記録する(ステップS19)。
CPU100は、税1用商品マスタ110bの税率及び表記文字を、売上登録処理で使用する変数に代入し(ステップS20)、ステップS13の処理に進む。
【0038】
指定した商品が税2用商品マスタ110cにある場合(ステップS18でYes)、CPU100は、使用する税率の選択処理を行う(ステップS21)。なお、税率の選択処理は、その詳細を後記する。
CPU100は、税率の選択処理で選択された税率及び表記文字で、売上登録処理で使用する変数の代入処理を行い(ステップS22)、ステップS13の処理に進む。
【0039】
指定した商品が税2用商品マスタ110cにない場合(ステップS15でNo)、CPU100は、指定した商品がないときの従来処理を行い(ステップS23)、処理を終了する。
【0040】
この商品の売上処理により、商品毎に設定された税率に応じて、各商品の価格表示が行われる。例えば、「商品1」の税率が8%で設定された場合、後記する売上登録画面210において、「商品価格1000円、税額80円」や「税込価格1080円(内税80円)」のように価格表示される。その後、「商品1」の税率が8%から10%に変更された場合、売上登録画面210において、「商品価格1000円、税額100円」や「税込価格1100円(内税100円)」のように価格表示される。さらに、「商品1」の税率が10%から8%に戻った場合、8%の税率に対応した価格表示に戻ることになる。
【0041】
<税率の選択処理>
図11を参照し、
図10のステップS21における税率の選択処理について説明する(適宜
図2参照)。
この税率の選択処理は、税1を使用する、税2を使用する、または、税率を毎回選択するかを店員に選択(指定)させて、商品マスタ管理111に記録する処理である。
【0042】
CPU100は、後記する指定ガイダンスを入力表示部11に表示し、税1、税2または毎回選択のいずれを使用するかを店員に問い合わせ、使用する税率を入力させる(ステップS30)。
【0043】
CPU100は、税1を使用すると入力されたか否かを判定する(ステップS31)。
税1を使用すると入力された場合(ステップS31でYes)、CPU100は、指定した商品が税1を使用すると商品マスタ管理111に記録する。すなわち、CPU100は、商品マスタ管理111において、指定した商品の税使用タイプを‘1’で記録し(ステップS32)、処理を終了する。
【0044】
税1を使用すると入力されない場合(ステップS31でNo)、CPU100は、税2を使用すると入力されたか否かを判定する(ステップS33)。
【0045】
税2を使用すると入力された場合(ステップS33でYes)、CPU100は、指定した商品が税2を使用すると商品マスタ管理111に記録する。すなわち、CPU100は、商品マスタ管理111において、指定した商品の税使用タイプを‘2’で記録し(ステップS34)、処理を終了する。
【0046】
税2を使用すると入力されない場合(ステップS33でNo)、CPU100は、指定した商品が税率を毎回選択すると商品マスタ管理111に記録する。すなわち、CPU100は、商品マスタ管理111において、指定した商品の税使用タイプを‘3’で記録し(ステップS35)、処理を終了する。
【0047】
<<指定ガイダンス:第1例>>
図12〜15を参照し、指定ガイダンスについて説明する。
図12に示すように、指定ガイダンス220は、売上登録画面210にポップアップ表示される。例えば、「商品6」の税率を指定する場合、指定ガイダンス220には、“商品6の税率を指定してください”というメッセージが表示される。また、指定ガイダンス220は、税1の使用を示す「税1」ボタン221と、税2の使用を示す「税2」ボタン223と、税率の毎回選択を示す「毎回選択」ボタン225とを有する。
【0048】
「税1」ボタン221が押下された場合、
図13に示すように、確認ガイダンス230が売上登録画面210にポップアップ表示される。このとき、確認ガイダンス230には、第1税率に対応した“商品6の税率は8%でよろしいですか?”というメッセージが表示される。また、確認ガイダンス230は、「確定」ボタン231と、「戻る」ボタン233とを有する。
【0049】
「確定」ボタン231が押下された場合、指定ガイダンス220で指定された税率が確定し、その税率が電子キャッシュレジスタ1に入力されることになる。
「戻る」ボタン233が押下された場合、指定ガイダンス220で指定された税率が確定せず、指定ガイダンス220に戻る。
【0050】
図12の指定ガイダンス220において、「税2」ボタン223が押下された場合、
図14に示すように、確認ガイダンス230には、第2税率に対応した“商品6の税率は10%でよろしいですか?”というメッセージが表示される。
図12の指定ガイダンス220において、「毎回選択」ボタン225が押下された場合、
図15に示すように、確認ガイダンス230には、“商品6の税率は毎回選択でよろしいですか?”というメッセージが表示される。
他の点、
図14,
図15の確認ガイダンス230は、
図13と同様のため、説明を省略する。
【0051】
<<指定ガイダンス:第2例>>
図16,
図17を参照し、指定ガイダンスの第2例について説明する。
指定ガイダンスの第1例では、税1、税2または毎回選択を1画面にまとめて表示した。これに対し、指定ガイダンスの第2例では、税1、税2及び毎回選択のうち、使用頻度が最も高いものを最初に表示し、残りを次の画面で表示する。
【0052】
図16に示すように、指定ガイダンス240は、売上登録画面210にポップアップ表示される。例えば、「商品6」の税率を指定する場合、指定ガイダンス240には、“商品6の税率は10%でよろしいですか?”というメッセージが表示される。また、指定ガイダンス240は、税2の使用を示す「はい」ボタン241と、税2以外の使用を示す「いいえ」ボタン243とを有する。
【0053】
「はい」ボタン241が押下された場合、
図14の確認ガイダンス230が表示される。この確認ガイダンス230は、「戻る」ボタン233が押下された場合、指定ガイダンス240に戻る以外、第1例と同様である。
【0054】
「いいえ」ボタン241が押下された場合、
図17に示すように、指定ガイダンス250が売上登録画面210にポップアップ表示される。例えば、「商品6」の税率を指定する場合、指定ガイダンス250には、“商品6の税率を指定してください”というメッセージが表示される。また、指定ガイダンス250は、税1の使用を示す「税1」ボタン251と、税率の毎回選択の使用を示す「毎回選択」ボタン253とを有する。
【0055】
「税1」ボタン251が押下された場合、
図13の確認ガイダンス230が表示される。
この確認ガイダンス230は、「戻る」ボタン233が押下された場合、指定ガイダンス250に戻る以外、第1例と同様である。
「毎回選択」ボタン253が押下された場合、
図15の確認ガイダンス230が表示される。この確認ガイダンス230は、「戻る」ボタン233が押下された場合、指定ガイダンス250に戻る以外、第1例と同様である。
【0056】
<変数の代入処理>
図18を参照し、
図10のステップS12,S22における変数の代入処理について説明する(適宜
図2参照)。
この変数の代入処理は、商品マスタ管理111に従って、税1または税2のいずれかに対応した税率及び表記文字を、売上登録処理で使用する変数に代入する処理である。
【0057】
CPU100は、指定した商品について、商品マスタ管理111に税1を使用すると記録されているか否かを判定する。つまり、CPU100は、商品マスタ管理111において、指定した商品の税使用タイプが‘1’であるか否かを判定する(ステップS40)。
【0058】
税1を使用すると記録されていない場合(ステップS40でNo)、CPU100は、指定した商品について、商品マスタ管理111に税2を使用すると記録されているか否かを判定する。つまり、CPU100は、商品マスタ管理111において、指定した商品の税使用タイプが‘2’であるか否かを判定する(ステップS41)。
【0059】
税2を使用すると記録されていない場合(ステップS41でNo)、CPU100は、
図19の指定ガイダンス220Aを入力表示部11に表示し、税1と税2のどちらを使用するのかを店員に問い合わせ、使用する税率を入力させる(ステップS42)。
なお、
図19に示すよう、指定ガイダンス220Aは、
図12の指定ガイダンス220から「毎回選択」ボタン225を削除したものであるため、説明を省略する。
【0060】
CPU100は、税1を使用すると入力されたか否かを判定する(ステップS43)。
税1を使用すると入力された場合(ステップS43でYes)、または、税1を使用すると記録されている場合(ステップS40でYes)、CPU100は、税1用商品マスタ110bの税率及び表記文字を、売上登録処理で使用する変数に代入し(ステップS44)、処理を終了する。
【0061】
税1を使用すると入力されない場合(ステップS43でNo)、または、税2を使用すると記録されている場合(ステップS41でYes)、CPU100は、税2用商品マスタ110cの税率及び表記文字を、売上登録処理で使用する変数に代入し(ステップS45)、処理を終了する。
【0062】
このステップS42〜S45の処理により、指定した商品の税率が変更された場合には、商品に割り当てられている税率が、変更された税率で更新される。
また、ステップS42〜S45の処理により、変更操作に応じて、指定した商品に税1が割り当てられていた場合には税2を割り当てる一方、指定した商品に税2が割り当てられていた場合には税1を割り当てる。
【0063】
以上のように、第1実施形態における電子キャッシュレジスタ1は、予め商品毎に税率を設定することなく、異なる税率を使い分けられると共に、商品の初回売上時、複数の税率を選択できるので、複数税率の設定に要する労力を軽減できる。
【0064】
(第2実施形態)
<電子キャッシュレジスタの構成>
図20を参照し、第2実施形態に係る電子キャッシュレジスタ1Bの構成について、第1実施形態と異なる点を説明する。
第1実施形態では、商品マスタ管理111(
図2)を使用することとして説明した。第2実施形態では、商品マスタ管理111を使用しない点が、第1実施形態と異なる。従って、第2実施形態では、税1用商品マスタ110Bb及び税2用商品マスタ110Bcから、使用しない一方から商品を削除することになる。
【0065】
図20に示すように、電子キャッシュレジスタ1Bの本体部10Bは、CPU100B、RAM101、主記憶装置102B、通信制御部103、記憶媒体読み書き部104によって構成される。
CPU100Bは、主記憶装置102Bに制御プログラム113を実行することで電子キャッシュレジスタ1B全体を制御するものである。
主記憶装置102Bは、商品マスタ110a、税1用商品マスタ110Bb、税2用商品マスタ110Bc、商品売上情報112、制御プログラム113等を記録するものである。
【0066】
<<商品マスタ>>
図21,
図22を参照して、税1用商品マスタ110Bb及び税2用商品マスタ110Bcについて説明する。
図21,
図22では、商品2〜4について、商品の売上処理(
図22)で税1または税2のいずれを使用するかが選択された後の状態を示している。つまり、商品2〜4は、税1用商品マスタ110Bbまたは税2用商品マスタ110Bcの一方にしか存在しない。
【0067】
図21に示すように、税1用商品マスタ110Bbは、
図5の税1用商品マスタ110bと同様、「商品コード」と、「商品名」と、「税率」と、「表記文字」とで構成される。ここで、税1用商品マスタ110Bbでは、商品2の情報が削除されている。つまり、商品2は、税1用商品マスタ110Bbに存在しないので、税2用商品マスタ110Bcを使用することを示す。
【0068】
図22に示すように、税2用商品マスタ110Bcは、
図6の税2用商品マスタ110cと同様、「商品コード」と、「商品名」と、「税率」と、「表記文字」とで構成される。ここで、税2用商品マスタ110Bcでは、商品3,4の情報が削除されている。つまり、商品3,4は、税2用商品マスタ110Bcに存在しないので、税1用商品マスタ110Bbを使用することを示す。
【0069】
<商品の売上処理>
図23を参照し、商品の売上処理について説明する(適宜
図2参照)。
店員が、入力表示部11を操作して、商品コード等で売り上げる商品を指定する(ステップS50)。
CPU100Bは、指定した商品が税1用商品マスタ110Bbと税2用商品マスタ110Bcの両方にあるか否かを判定する(ステップS51)。
【0070】
指定した商品が両方にある場合(ステップS51でYes)、CPU100Bは、
図19の指定ガイダンス220Aを入力表示部11に表示し、税1と税2のどちらを使用するのかを店員に問い合わせ、使用する税率を入力させる(ステップS52)。
CPU100Bは、税1または税2のどちらを使用するか判定する(ステップS53)。
【0071】
税1を使用する場合(ステップS53で税1)、CPU100Bは、指定した商品を税2用商品マスタ110Bcから削除する(ステップS54)。
CPU100Bは、税1用商品マスタ110Bbの税率及び表記文字を、売上登録処理で使用する変数に代入する(ステップS55)。
【0072】
CPU100Bは、変数に代入された税率及び表記文字を用いて、ステップS50で指定した商品の売上登録処理を行い(ステップS56)、処理を終了する。
【0073】
税2を使用する場合(ステップS53で税2)、CPU100Bは、指定した商品を税1用商品マスタ110Bbから削除する(ステップS57)。
CPU100Bは、税2用商品マスタ110Bcの税率及び表記文字を、売上登録処理で使用する変数に代入し(ステップS58)、ステップS56の処理に進む。
【0074】
指定した商品が両方にない場合(ステップS51でNo)、CPU100Bは、指定した商品が税1用商品マスタ110Bbにあるか否かを判定する(ステップS59)。
指定した商品が税1用商品マスタ110Bbにある場合(ステップS59でYes)、CPU100Bは、税1用商品マスタ110Bbの税率及び表記文字を、売上登録処理で使用する変数に代入し(ステップS60)、ステップS56の処理に進む。
【0075】
指定した商品が税1用商品マスタ110Bbにない場合(ステップS59でNo)、CPU100は、指定した商品が税2用商品マスタ110Bcにあるか否かを判定する(ステップS61)。
指定した商品が税2用商品マスタ110Bcにある場合(ステップS61でYes)、CPU100Bは、税2用商品マスタ110Bcの税率及び表記文字を、売上登録処理で使用する変数に代入し(ステップS62)、ステップS56の処理に進む。
【0076】
指定した商品が税2用商品マスタ110Bcにない場合(ステップS61でNo)、CPU100Bは、指定した商品がないときの従来処理を行い(ステップS63)、処理を終了する。
【0077】
以上のように、第2実施形態における電子キャッシュレジスタ1Bは、
図2の電子キャッシュレジスタ1と同様の効果を奏する。さらに、電子キャッシュレジスタ1Bは、
図7の商品マスタ管理111を記憶する必要がなく、簡易な構成を実現できる。
【0078】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。
【0079】
なお、第1実施形態では、商品マスタを税1用商品マスタ及び税2用商品マスタの2つに複写するので、合計3つの商品マスタが存在することとしたが、これに限定されない。例えば、商品マスタを税1用商品マスタとして使用し、税2用商品マスタを新たに用意し、合計2つの商品マスタが存在することとしてもよい。
【0080】
また、商品マスタ、税1用商品マスタ及び税2用商品マスタが、商品毎に税率及び表記文字を保持しているが、リレーションを持つ他のファイルやデータとリンクさせてもよい。
図24の例では、商品マスタ110aは、「参照する税テーブル」により、税テーブル114とリンクされる。具体的には、商品マスタ110aの「参照する税テーブル」におけるカッコ内の数値が、税テーブル114の「レコードNo.」に対応する。従って、商品1は、税率が10%で内税となる。また、商品2は、税率が8%で内税となる。
【0081】
なお、第1実施形態では、商品マスタ管理に一度も指定されていない商品の情報が含まれていないが、一度も指定されていない商品の税使用タイプを予め決定し、商品マスタ管理に事前に記録してもよい。この場合、
図11の税率の選択処理において、ステップS11の処理では、商品マスタ管理に一度も指定されていない税使用タイプの商品があるか否かを判定すればよい。
【0082】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
初期設定時に、売上登録する商品が選択された際に第1税率を一旦適用して価格表示するのか前記第1税率とは異なる第2税率を一旦適用して価格表示するのか価格表示する前に予め適用税率を選択させるのかを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された内容に応じて、売上登録される商品に対応する税率適用を設定する設定手段と、
を備えたことを特徴とする売上データ処理装置。
<請求項2>
商品毎に前記第1税率を設定した第1税率テーブルと、商品毎に前記第2税率を設定した第2税率テーブルと、を備え、
前記設定手段は、前記選択手段により選択された内容に応じて、前記第1税率テーブルまたは前記第2税率テーブルを選択し、前記売上登録される商品に対応する税率適用を設定することを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
<請求項3>
前記選択手段により前記第1税率を一旦適用して価格表示する内容または前記第2税率を一旦適用して価格表示する内容が選択された場合は、選択された税率適用内容をユーザに確認させる確認ガイダンスを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示された前記確認ガイダンスでユーザが確認した税率適用に基づいて、売上登録される商品を売上処理する処理手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の売上データ処理装置。
<請求項4>
前記選択手段により前記価格表示する前に予め適用税率を選択させる内容が選択された場合は、売上登録時に商品が選択された際に、前記第1税率一旦適用して価格表示するのか、前記第2税率一旦適用して価格表示するのかをユーザに指定させる指定ガイダンスを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示された前記指定ガイダンスでユーザが指定した税率適用に基づいて、売上登録される商品を売上処理する処理手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の売上データ処理装置。
<請求項5>
商品の情報として少なくとも前記商品に対する税込価格または税率が割り当てられた商品選択キーと、
前記商品選択キーに対する操作に応じて当該商品選択キーに対応した商品に対する売上登録を受け付ける受付制御手段と、
前記受付制御手段が前記商品に対する売上登録を受け付ける際に当該受け付けた商品に対して前記税込価格または前記税率が変更された場合には、前記商品選択キーに割り当てられている前記税込価格または前記税率を前記変更された税込価格または税率に更新して割り当てる割当制御手段と、
を備えたことを特徴とする売上データ処理装置。
<請求項6>
税込価格または税率の変更を宣言するための変更キーを備え、
前記割当制御手段は、前記商品選択キーの操作に続けて前記変更キーが操作された場合に当該続けて操作された商品選択キーに対して前記税込価格または前記税率を更新することを特徴とする請求項5に記載の売上データ処理装置。
<請求項7>
前記割当制御手段は、前記商品選択キーに第1税率が割り当てられていた場合には前記変更キーの操作に応じて前記商品選択キーに前記第1税率とは異なる第2税率を割り当てる一方で、前記商品選択キーに前記第2税率が割り当てられていた場合には前記変更キーの操作に応じて前記商品選択キーに前記第1税率を割り当てることを特徴とする請求項6に記載の売上データ処理装置。
<請求項8>
前記割当制御手段は、前記商品選択キーに第1税率に基づいた税込価格が割り当てられていた場合には前記変更キーの操作に応じて前記商品選択キーに前記第1税率とは異なる第2税率に基づいた税込価格を割り当てる一方で、前記商品選択キーに前記第2税率に基づいた税込価格が割り当てられていた場合には前記変更キーの操作に応じて前記商品選択キーに前記第1税率に基づいた税込価格を割り当てることを特徴とする請求項6に記載の売上データ処理装置。
<請求項9>
コンピュータを、
初期設定時に、売上登録する商品が選択された際に第1税率を一旦適用して価格表示するのか前記第1税率とは異なる第2税率を一旦適用して価格表示するのか価格表示する前に予め適用税率を選択させるのかを選択する選択手段、
前記選択手段により選択された内容に応じて、売上登録される商品に対応する税率適用を設定する設定手段、
として機能させるためのプログラム。
<請求項10>
コンピュータを、
商品の情報として少なくとも前記商品に対する税込価格または税率が割り当てられた商品選択キーに対する操作に応じて当該商品選択キーに対応した商品に対する売上登録を受け付ける受付制御手段、
前記受付制御手段が前記商品に対する売上登録を受け付ける際に当該受け付けた商品に対して前記税込価格または前記税率が変更された場合には、前記商品選択キーに割り当てられている前記税込価格または前記税率を前記変更された税込価格または税率に更新して割り当てる割当制御手段、
として機能させるためのプログラム。