(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムのシステム構成を示すシステム構成図である。
通信システムSは、
図1に示すように、少なくとも撮像/通信機能を有する撮像装置1と、少なくとも画像表示/通信機能を有する情報端末である携帯端末2とを備える。
通信システムSでは、ユーザが撮像装置1と携帯端末2のいずれか一方の機器を操作することで、ユーザが操作している方の操作機器から他方の機器に対して、画像ファイルレベルのデータ通信が可能な通信方式での通信接続の要求を行い、撮像装置1と携帯端末2との間の通信接続を確立した状態で、操作機器の操作に応じて、他方の機器との画像ファイルの送受信や他方の機器が保持する画像データの閲覧等を行う機能を有する。なお、本実施形態において、通信接続を「確立」するとは、互いに通信する相手を指定して所定の手続き(ネゴシエーション)を行うことで、互いに通信する相手を認識し、それ以降は、通信を行う毎に所定の手続きを行うことなく、いつでも通信が可能な状態にすることである。この状態は、通信接続を解除する手続きを行うまで維持される。また、通信接続が「確立」した状態は、電波状態が悪くなって一時的に通信が不能な状態となったり、機器の電源がオフされたりした場合でも維持される。
【0011】
本実施形態の通信システムSにおいては、2つの通信方式を用いて、データ通信可能な状態に、撮像装置1と、携帯端末2との通信接続を確立する。通信システムSでは、低速であるが省電力であり常時接続に適した無線通信方式(以下、「第1通信方式」という。)と、高速でありファイルの送受信に適した無線通信方式(以下、「第2通信方式」という。)の通信方式で通信を行うように構成する。なお、本実施形態において、第1通信方式は、Bluetooth low energy/Bluetooth LE(商標)(以下、「BLE」という。)の通信規格に基づいた通信方式を用いる。また、第2通信方式は、無線LAN(Local Area Network)のうちWi−Fi(Wireless Fidelity)の通信規格に基づいた通信方式を用いる。
なお、本実施形態において、第2通信方式であるWi−Fiは、通信接続を確立した状態での電力消費が大きいので、次にデータ転送を行うまでの待ち時間が長くなることが予測できる場合には、その都度通信接続を解除することで電力消費を低減させる。また、通信接続が確立していない状態では、第2通信方式であるWi−Fiによる通信によって自動的に相手側の機器の電源をオンしたり、アプリを起動させたりすることはできない。このため本実施形態の通信システムSでは、電力消費が少ない第1通信方式であるBLEを常時接続しておき、状況に応じて第2通信方式であるWi−Fiの通信接続を確立する。
この第1通信方式であるBLEによる常時接続は、外部連携機能を有する撮像装置と携帯端末の各々が通信接続可能な距離範囲内に複数存在する場合に、複数の機器の中から実際に外部連携機能を利用する撮像装置1と携帯端末2の組み合わせを任意に選択し、その選択された撮像装置1と携帯端末2との組み合わせを外部連携機能が解除されるまでの間維持することを可能とする。
複数の機器の中から撮像装置1と携帯端末2の組み合わせを選択して第1通信方式であるBLEによる常時接続を開始する方法(ペアリング処理)については後述する。
【0012】
ここで、第1通信方式であるBLEにより常時接続された状態にある撮像装置1から携帯端末2へ画像ファイルを送信する例について説明する。
図2は、通信システムSで行われるデータ通信の一例を示す模式図である。
具体的には、
図2の例では、ユーザが、一方の機器として撮像装置1を操作することで撮像装置1側における外部連携機能を発揮し、第1通信方式での通信を介して、携帯端末2に対して、画像ファイルの送受信に適した第2通信方式による通信接続を確立する指示(接続指示)を送信する。
第1通信方式での通信を介して、接続指示を受信した携帯端末2では、カメラ連携アプリケーションの機能が発揮されて、第2通信方式による通信を確立するための処理が行われ、撮像装置1と携帯端末2との間で第2通信方式による通信接続が確立される。
詳細には、撮像装置1からの第1通信方式での通信を介した接続指示によって、携帯端末2側におけるカメラ連携アプリケーションの機能を発揮するためのプログラムが起動されて、撮像装置1側における外部連携機能と携帯端末2側におけるカメラ連携アプリケーションの機能とにより、撮像装置1と携帯端末2との間で第2通信方式による通信の確立が行われる。
第1通信方式は、省電力であり、撮像装置1と携帯端末2のいずれか一方または両方の主電源が切れている(または低消費電力状態にある)場合であっても常時接続されており、主電源が切れている(または低消費電力状態にある)方の機器は、他方からの第1通信方式を介した通信によって、少なくとも第2通信方式による通信やアプリケーションプログラムの実行が可能な状態となるように、主電源を入れる(または低消費電力状態を解除する)機能と、第1通信方式を介して指定されたアプリケーションプログラムを起動(実行)させる機能を有する。
そのために、例えば、撮像装置1で撮影した画像を送信する等のイベントが発生した場合にデータ通信に用いる第2通信方式による通信の確立を、携帯端末2を操作することなく行うことができる。
これにより、撮像装置1と携帯端末2との間でデータ通信を行うことができ、撮像装置1から携帯端末2へ画像データを自動的に送信することができるようになる。
なお、受信した画像データは、カメラ連携アプリケーションの機能の発揮によって、一時的に携帯端末2のストレージに保存される。
【0013】
また、本実施形態においては、撮像装置1側における外部連携機能と携帯端末2側におけるカメラ連携アプリケーションの機能とにより自動的に送受信される画像データの活用として、撮像装置1が撮影した画像データを、インターネット上の画像共有サービスを利用して、自動的に他のユーザが所有する携帯端末などから閲覧可能な状態にする。具体的には、撮像装置1は、自動的に画像共有を行う連携動作モードが設定されている状態で撮影が行われると、第1通信方式での通信を介して、携帯端末2に対して、撮像装置1から他の携帯端末への画像の共有を行えるようにすることを指示する。共有の指示を受信した携帯端末2では、カメラ連携アプリケーションの機能が発揮されて、撮像装置1が撮影した画像データを受信して携帯端末2のストレージに一時的に保存した後、カメラ連携アプリケーション機能による指示によって画像管理&ネットアクセス用アプリケーションの機能が発揮されて(当該機能のためのプログラムが起動されて)、携帯端末2のストレージに一時的に保存されている画像データを、自己(画像管理&ネットアクセス用アプリケーション)の機能において管理するとともに、画像データを画像共有を目的として、予め連携しているクラウドサーバに送信する。クラウドサーバでは、予め連携している他の携帯端末に対して画像データを利用可能な状態にすることで、撮像装置1により撮影されて携帯端末2で受信した画像の共有を行う。
【0014】
なお、本実施形態においては、撮像装置1と携帯端末2は、他の機器と連携して所定の機能を実現する装置として構成される。撮像装置1と携帯端末2は、互いの装置の間で、第2通信方式であるWi−Fiでデータのやりとり(データ転送)を行うことで、例えば、撮像装置1の操作に応じて携帯端末2に画像を転送して携帯端末2に画像を取得させる処理や携帯端末2の操作に応じて撮像装置1から画像を携帯端末2に転送させる処理等の連携した処理(以下、「連携処理」という。)を実行する。
また、撮像装置1と携帯端末2では、第2通信方式であるWi−Fiでの通信接続が確立しておらず連携処理が実行できない状態から、連携処理が実行できる状態に移行するために、接続が維持(常時接続)される第1通信方式であるBLEを介して、操作を行う装置から他方の装置の第2通信方式であるWi−Fiをオンして通信接続が確立するように構成される。即ち、第1通信方式であるBLEは、他の装置との通信接続が確立していないこと等に起因して所定の連携処理が実行できない状態/所定の連携処理を実行する準備ができない状態であっても、他の装置との通信接続が維持(常時接続)される。ここで、「所定の連携処理を実行する準備ができない状態」とは、他の装置の電源がオフ状態、または所定の連携処理を実行するためのプログラムが起動していない状態、または第2通信方式であるWi−Fiによる通信接続が確立していない状態をいう(ここでいう電源がオフ状態とは、第1通信方式による通信が可能であるが、第2通信方式による通信や所定の連携処理を実行させることが不可能な低消費電力状態を含む)。したがって、撮像装置1と携帯端末2では、他の装置の電源がオフ状態、または所定の連携処理を実行するためのプログラムが起動していない状態、または第2通信方式であるWi−Fiによる通信接続が確立していない状態(機能していない状態)である所定の連携処理を実行する準備ができない状態でも、第1通信方式であるBLEを介して、所定の連携処理を実行する準備ができる状態へと移行させる。
【0015】
ここで、ペアリング処理について説明する。
ペアリング処理とは、2台のBLEデバイス(本実施形態においては、撮像装置1と携帯端末2)の接続設定を行う処理である。接続設定の後に、当該設定に基づいて、通信可能な状態に撮像装置1と携帯端末2とが接続される。また、ペアリング処理によって、接続に必要な相手側のペアリング情報がそれぞれの機器(撮像装置1と携帯端末2)に記憶される。
本実施形態のBLE方式の通信では、役割が異なるペリフェラルとセントラルとの間で通信が行われる。本実施形態において、ペリフェラルは撮像装置1であり、セントラルは携帯端末2である。
これに対して、ペリフェラルは、自身の存在を知らしめるため、電波を使って周囲にアドバタイズ信号を出し(アドバタイズ信号を同報送信し)、セントラルからの接続要求に応答する。
セントラルは、必要なデータを提供してくれるペリフェラルがないか走査し、該当するペリフェラルを検出すると、接続を要求し、データのやり取りを始める。そして、セントラルは、ペリフェラルから提供される情報(サービス)を使って何らかのタスクを実行する。
アドバタイズ信号には、ペリフェラルの名前(デバイス名:本実施形態においては、無線LAN(Wi−Fi)におけるアクセスポイントの識別名であるSSID)や提供可能な情報(サービス)を表す情報(UUID:Universally Unique Identifier)を含めることができる。
ペアリング処理により接続設定が完了した後のBLEの接続時(通信時)には、全世界でユニーク(唯一)のBDアドレス(Bluetooth(登録商標) Device Address)を含む通信パケットを送信する。これにより、意図しない他の機器と接続されてしまうことがない。
【0016】
図3は、本発明の一実施形態に係る撮像装置1及び携帯端末2のハードウェアの構成を示すブロック図である。
撮像装置1は、例えばデジタルカメラとして構成される。
【0017】
撮像装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、撮像部16と、入力部17と、出力部18と、記憶部19と、第1通信部20と、第2通信部21と、ドライブ22と、電源部23と、を備えている。
【0018】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部19からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0019】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0020】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、撮像部16、入力部17、出力部18、記憶部19、第1通信部20、第2通信部21、ドライブ22及び電源部23が接続されている。
【0021】
撮像部16は、図示はしないが、光学レンズ部と、イメージセンサと、を備えている。
【0022】
光学レンズ部は、被写体を撮影するために、光を集光するレンズ、例えばフォーカスレンズやズームレンズ等で構成される。
フォーカスレンズは、イメージセンサの受光面に被写体像を結像させるレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。
光学レンズ部にはまた、必要に応じて、焦点、露出、ホワイトバランス等の設定パラメータを調整する周辺回路が設けられる。
【0023】
イメージセンサは、光電変換素子や、AFE(Analog Front End)等から構成される。
光電変換素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の光電変換素子等から構成される。光電変換素子には、光学レンズ部から被写体像が入射される。そこで、光電変換素子は、被写体像を光電変換(撮像)して画像信号を一定時間蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号としてAFEに順次供給する。
AFEは、このアナログの画像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換処理等の各種信号処理を実行する。各種信号処理によって、ディジタル信号が生成され、撮像部16の出力信号として出力される。
このような撮像部16の出力信号を、以下、「撮影画像のデータ」とも呼ぶ。撮影画像のデータは、CPU11や図示しない画像処理部等に適宜供給される。
【0024】
入力部17は、各種釦等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部18は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
【0025】
記憶部19は、ハードディスク或いはフラッシュメモリ等で構成され、各種画像のデータを記憶する。
【0026】
第1通信部20は、低速であるが省電力であり常時接続に適した第1通信方式で外部装置(本実施形態においては、携帯端末2)との間で行う通信を制御する。本実施形態においては、第1通信方式は、BLEの通信規格に基づいた通信方式を用いる。
【0027】
第2通信部21は、高速でありファイルの送受信に適した第2通信方式で外部装置(本実施形態においては、携帯端末2)との間で行う通信を制御する。本実施形態においては、第2通信方式は、無線LANのうちWi−Fiの通信規格に基づいた通信方式を用いる。
【0028】
ドライブ22には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ22によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部19にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部19に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部19と同様に記憶することができる。
【0029】
電源部23は、例えば、リチウムイオン二次電池により構成され、電源回路(図示せず)を介して、撮像装置1に駆動用の電力を供給する電力供給源であり、撮像装置1の駆動源としての電流を撮像装置1の各構成へ供給する。電源部23は、CPU11により制御され、例えば、電源オフ状態において、出力部18等への電源の供給を停止して表示出力をオフして、第1通信部20や第2通信部21等の通信における電源の供給を維持して、電源オフ状態においても画像送信を可能に制御される。
【0030】
また、携帯端末2は、例えばスマートフォンとして構成される。
なお、ハードウェアの構成については、撮像装置1と同様であるため省略する。以下、撮像装置1と携帯端末2におけるハードウェアを説明として用いる場合には、撮像装置1には、符号の末尾に「−1」を付すものとし、携帯端末2には符号の末尾に「−2」を付すものとする。即ち、撮像装置1は、CPU11−1乃至リムーバブルメディア31−1と表記するものとし、携帯端末2は、CPU11−2乃至リムーバブルメディア31−2と表記するものとする。
【0031】
このように構成される撮像装置1及び携帯端末2においてデータ通信の機能を発揮する場合には、撮像装置1と携帯端末2の間で、第1通信方式であるBLEで通信接続が確立した状態(常時接続状態)で行われる。即ち、撮像装置1と携帯端末2との間で、第1通信方式であるBLEで接続がされていることが前提となって撮影画像の自動送信機能が発揮される。
具体的には、撮像装置1から、携帯端末2に対して、第1通信方式での通信を介して、第2通信方式であるWi−Fiでの通信接続を確立するように指示(接続指示)を出して、撮像装置1と携帯端末2との間で第1通信方式であるWi−Fiでの通信接続を確立する。なお、本実施形態においては、撮像装置1では、Wi−Fiにおいて親機となるようにアクセスポイント(AP)モードとし、携帯端末2では、第1通信方式であるWi−Fiにおいて子機となるようにステーション(ST)モードとして、撮像装置1と携帯端末2の1対1の直接通信で通信接続を確立する。
なお、1度通信接続が確立してペアリングした場合、当該ペアリングに関する情報を各機器で保持する。近距離通信を行う本実施形態においては、電波の届く範囲にある機器を探索し、その中から保持するペアリング情報に基づいて、パスワード等の入力を行わずに自動的に通信接続を確立させる処理を行うものとする。また、ペアリング操作に関しては、まず、周囲にある接続可能な装置(BLE/Wi−Fiが起動状態の装置)が全て機器名等で表示され、その中から連携処理を実行する装置をユーザが指定することで行う。
【0032】
図4は、このような撮像装置1及び携帯端末2の機能的構成のうち、自動画像受信処理及びモード動作処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0033】
まず、自動画像受信処理について説明する。
「自動画像受信処理」とは、撮像装置1において、撮像部16から撮影画像を取得した場合に、携帯端末2において第2通信方式による通信接続を確立して、撮影画像を携帯端末2に送信し、携帯端末2においては自動で画像を受信する一連の処理をいう。
【0034】
撮像装置1側において自動画像受信処理を実行する場合には、
図4に示すように、CPU11−1において、撮影制御部51と、通信制御部52と、が機能する。
また、記憶部19−1の一領域には、画像記憶部71が設定される。
画像記憶部71には、撮像部16から取得した撮影画像のデータが記憶される。
【0035】
撮影制御部51は、撮影処理を実行するように撮像部16を制御する。その結果、撮像部16から撮像画像が出力される。出力された撮像画像は、画像記憶部71に記憶される。
【0036】
通信制御部52は、第1通信方式(第2通信方式)であるBLE(Wi−Fi)での通信を行い、携帯端末2への指示やデータ通信を行うように第1通信部20−1(第2通信部21−1)を制御する。
具体的には、通信制御部52は、例えば、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、撮像装置1で撮影された画像を携帯端末2に送信するように第2通信部21−1を制御する。
【0037】
また、携帯端末2側において自動画像受信処理を実行する場合には、
図4に示すように、CPU11−2において、アプリケーション管理部91と、通信制御部92と、が機能する。
また、記憶部19−2の一領域には、画像記憶部111が設定される。
画像記憶部111には、撮像装置1から取得した撮像画像のデータが記憶される。
【0038】
アプリケーション管理部91は、アプリケーションの起動と終了等を管理する。
具体的には、アプリケーション管理部91は、例えば、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、第1通信部20−2においてアプリケーション(以下、単に「アプリ」という。)を起動する指示を受信すると、指定されたアプリを起動する。本実施形態において、アプリケーション管理部91は、Wi−Fiにおける通信制御を行うアプリを起動して、通信制御機能を発揮させる。なお、アプリや装置における「起動」とは、新たにアプリを実行する場合の他に、休止中(バックグラウンドで実行中)のアプリの実行を再開する場合を含み、また、電源をオフ状態からオン状態への移行を伴う場合も含む。
【0039】
通信制御部92は、第1通信方式(第2通信方式)であるBLE(Wi−Fi)での通信を行い、携帯端末2への指示の受信やデータ通信を行うように第1通信部20−2(第2通信部21−2)を制御する。
具体的には、通信制御部92は、例えば、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、撮像装置1から画像を受信するように第2通信部21−2を制御する。
【0040】
図5は、
図4の機能的構成を有する
図3の撮像装置1及び携帯端末2が実行する自動画像受信処理の流れを説明するフローチャートである。
なお、自動画像受信処理の開始状態では、撮像装置1と携帯端末2との間では、第1通信方式であるBLEのペアリングが完了しており、常時接続している状態となっている。
また、第1通信方式であるWi−Fiについては、オフ状態であるが、撮像装置1と携帯端末2との間では、互いにWi−Fiの設定(プロファイル)を取得しており、Wi−Fiの起動時には撮像装置1と携帯端末2の間で1対1での通信接続を確立することができる状態となっている。
【0041】
<撮像装置1側の自動画像受信処理>
ステップS111-1において、撮影制御部51は、撮影処理を実行するように撮像部16を制御する。その結果、撮像部16から撮像画像が出力される。出力された撮像画像は、画像記憶部71に記憶される。
【0042】
撮影処理が実行された際に、自動画像転送モードが設定されていた場合、ステップS112-1において、通信制御部52は、携帯端末2に対して、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、アプリを起動する指示を送信するように第1通信部20−1を制御する。その結果、アプリを起動する指示を受信した携帯端末2では、アプリが起動される。本実施形態においては、Wi−Fiにおける通信制御を行うアプリが起動されて、通信制御機能が発揮される。
【0043】
ステップS113-1において、通信制御部52は、携帯端末2に対して、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、撮像装置1のアクセスポイント情報(以下、「カメラAP情報」という。)を送信するように第1通信部20−1を制御する。その結果、カメラAP情報を受信した携帯端末2では、携帯端末2が子機となるST(ステーション)モードでWi−Fiがオンされる。
【0044】
ステップS114-1において、通信制御部52は、親機となるAP(アクセスポイント)モードでWi−Fiをオンするように第2通信部21−1を制御する。
【0045】
ステップS115-1において、通信制御部52は、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、第2通信部21−1において携帯端末2からの接続要求に応じて携帯端末2との接続を確立したか否かを判定する。
携帯端末2との接続を確立した場合には、ステップS115-1においてYESと判定し、処理はステップS118-1に進む。ステップS118-1の処理については、後述する。
これに対して、携帯端末2との接続を確立していない場合には、ステップS115-1においてNOと判定し、処理はステップS116-1に進む。
【0046】
ステップS116-1において、通信制御部52は、予め設定された時間が経過して時間切れとなったか否かを判定する。
時間切れとなっていない場合には、ステップS116-1においてNOと判定されて、処理はステップS115-1に戻る。
時間切れとなった場合には、ステップS116-1においてYESと判定されて、処理はステップS117-1に進む。
【0047】
ステップS117-1において、通信制御部52は、Wi−Fiをオフするように第2通信部21−1を制御する。その後、処理はステップS111-1に戻る。
【0048】
ステップS118-1において、通信制御部52は、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、接続している携帯端末2に対して撮影した撮像画像を送信するように第2通信部21−1を制御する。その結果、Wi−Fiで撮影した撮像画像が送信される。その後、撮像装置1側の自動画像受信処理は終了する。
【0049】
<携帯端末2側の自動画像受信処理>
ステップS111-2において、アプリケーション管理部91は、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、第1通信部20−2においてアプリを起動する指示を受信すると、指定されたアプリを起動する。本実施形態においては、Wi−Fiにおける通信制御を行うアプリが起動されて、通信制御機能が発揮される。
【0050】
ステップS112-2において、通信制御部92は、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、撮像装置1からカメラAP情報を受信した場合に、STモードでWi−Fiをオンするように第2通信部21−2を制御する。
【0051】
ステップS113-2において、通信制御部92は、アクセスポイント(AP)の撮像装置1を検索するように第2通信部21−2を制御する。
【0052】
ステップS114-2において、通信制御部92は、アクセスポイント(AP)の撮像装置1が見つかったか否かを判定する。
アクセスポイントの撮像装置1が見つかった場合には、ステップS114-2においてYESと判定されて、処理はステップS117-2に進む。ステップS117-2以降の処理は後述する。
これに対して、アクセスポイントの撮像装置1が見つからない場合には、ステップS114-2においてNOと判定されて、処理はステップS115-2に進む。
【0053】
ステップS115-2において、通信制御部92は、予め設定された時間が経過して時間切れとなったか否かを判定する。
時間切れとなっていない場合には、ステップS115-2においてNOと判定されて、処理はステップS114-2に戻る。
時間切れとなった場合には、ステップS115-2においてYESと判定されて、処理はステップS116-2に進む。
【0054】
ステップS116-2において、アプリケーション管理部91は、ステップS111-2で起動したアプリを終了する。アプリを終了することで、第2通信部21−2におけるWi−Fi通信機能がオフされる。その後、処理はステップS111-2に戻る。
【0055】
ステップS117-2において、通信制御部92は、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、アクセスポイント(AP)の撮像装置1に接続し、接続した旨(接続要求)を撮像装置1に通知するように第2通信部21−2を制御する。
【0056】
ステップS118-2において、通信制御部92は、撮像装置1から送信された画像を受信するように第2通信部21−2を制御する。受信した画像は、画像記憶部111に記憶される。その後、携帯端末2側の自動送受信処理は終了する。
【0057】
次に、モード動作処理について説明する。
また、「モード動作処理」とは、携帯端末2において、RECモード/PLAYモードの各種モードに基づいて、撮像装置1において第2通信方式による通信接続を確立して、モードに対応した動作を撮像装置1に実行させる一連の処理をいう。
【0058】
撮像装置1側においてモード動作処理を実行する場合には、
図4に示すように、CPU11−1において、撮影制御部51と、通信制御部52と、が機能する。
また、記憶部19−1の一領域には、画像記憶部71が設定される。
画像記憶部71には、撮像部16から取得した撮影画像のデータが記憶される。
【0059】
撮影制御部51は、RECモード用に、スルー画像を撮影するように撮像部16を制御する。その結果、撮像部16からスルー画像が出力される。
【0060】
通信制御部52は、第1通信方式(第2通信方式)であるBLE(Wi−Fi)での通信を行い、携帯端末2への指示やデータ通信を行うように第1通信部20−1(第2通信部21−1)を制御する。
具体的には、通信制御部52は、例えば、RECモード時には、撮像部16からされたスルー画像を、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、携帯端末2に送信するように第2通信部21−1を制御する。また、通信制御部52は、PLAYモード時には、画像記憶部71に記憶される画像の一覧を、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、携帯端末2に送信するように第2通信部21−1を制御する。
【0061】
また、携帯端末2側において自動画像受信処理を実行する場合には、
図4に示すように、CPU11−2において、アプリケーション管理部91と、通信制御部92と、が機能する。
また、記憶部19−2の一領域には、画像記憶部111が設定される。
画像記憶部111には、撮像装置1から取得した画像のデータが記憶される。
【0062】
アプリケーション管理部91は、アプリケーションの起動と終了等を管理する。
具体的には、アプリケーション管理部91は、例えば、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、第1通信部20−2においてアプリを起動する指示を受信すると、指定されたアプリを起動する。本実施形態において、アプリケーション管理部91は、Wi−Fiにおける通信制御を行うアプリを起動して、通信制御機能を発揮させる。
【0063】
通信制御部92は、第1通信方式(第2通信方式)であるBLE(Wi−Fi)での通信を行い、携帯端末2への指示やデータ通信を行うように第1通信部20−2(第2通信部21−2)を制御する。
具体的には、通信制御部92は、例えば、RECモード時には、撮像部16からされたスルー画像を、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、撮像装置1から受信するように第2通信部21−2を制御する。また、通信制御部52は、PLAYモード時には、画像記憶部71に記憶される画像の一覧を、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、撮像装置1から受信するように第2通信部21−2を制御する。
【0064】
図6は、
図4の機能的構成を有する
図3の撮像装置1及び携帯端末2が実行するモード動作処理の流れを説明するフローチャートである。
なお、モード動作処理の開始状態では、撮像装置1と携帯端末2との間では、第1通信方式であるBLEのペアリングが完了しており、常時接続している状態となっている。また、第1通信方式であるWi−Fiについては、オフ状態であるが、撮像装置1と携帯端末2との間では、互いにWi−Fiの設定(プロファイル)を取得しており、Wi−Fiの起動時には撮像装置1と携帯端末2の間で1対1での通信接続を確立することができる状態となっている。
【0065】
<撮像装置1側のモード動作処理>
ステップS211-1において、CPU11は、携帯端末2に対して、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、携帯端末2からの起動要求に応じて撮像装置1を起動すると共に、携帯端末2から起動時のモード指定があった場合には、その指定されたモードを設定する。本実施形態において、モードは、携帯端末2において撮像装置1からのスルー画像を確認しながら撮影を行うRECモードと、携帯端末2において撮像装置1に記憶される画像一覧を閲覧するPLAYモードのいずれかのモードが設定される。
【0066】
ステップS212-1において、通信制御部52は、携帯端末2に対して、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、カメラAP情報を送信するように第1通信部20−1を制御する。その結果、カメラAP情報を受信した携帯端末2では、受信したカメラAP情報に基づいて、携帯端末2が子機となるST(ステーション)モードでWi−Fiがオンされる。
【0067】
ステップS213-1において、通信制御部52は、親機となるAP(アクセスポイント)モードでWi−Fiをオンするように第2通信部21−1を制御する。
【0068】
ステップS214-1において、通信制御部52は、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、携帯端末2からの接続要求に応じて第2通信部21−1において携帯端末2との接続を確立したか否かを判定する。
携帯端末2との接続を確立した場合には、ステップS214-1においてYESと判定し、処理はステップS217-1に進む。ステップS217-1の処理については、後述する。
これに対して、携帯端末2との接続を確立していない場合には、ステップS214-1においてNOと判定し、処理はステップS215-1に進む。
【0069】
ステップS215-1において、通信制御部52は、予め設定された時間が経過して時間切れとなったか否かを判定する。
時間切れとなっていない場合には、ステップS215-1においてNOと判定されて、処理はステップS214-1に戻る。
時間切れとなった場合には、ステップS215-1においてYESと判定されて、処理はステップS216-1に進む。
【0070】
ステップS216-1において、通信制御部52は、Wi−Fiをオフするように第2通信部21−1を制御する。その後、処理はステップS211-1に戻る。
【0071】
ステップS217-1において、撮影制御部51及び通信制御部52は、ステップS211-1で指定されたモード、または、携帯端末2から新たに指定されたモードで動作する。即ち、指定されたモードがRECモードであって、スルー画像の送信要求があった場合には、撮影制御部51は、スルー画像を撮影するように撮像部16を制御して、スルー画像を取得する。そして、通信制御部52は、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、取得したスルー画像を携帯端末2に逐次送信するように第2通信部21−1を制御する。また、指定されたモードがPLAYモードであって、画像の一覧(サムネイル画像)の送信要求があった場合には、通信制御部52は、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、画像記憶部111に記憶される画像の一覧を携帯端末2に送信するように第2通信部21−1を制御する。
その後、撮像装置1側のモード動作処理は終了する。
【0072】
<携帯端末2側のモード動作処理>
ステップS211-2において、アプリケーション管理部91は、ユーザによる入力部17への操作等で、アプリを起動する。本実施形態においては、モードを指定する機能を発揮するアプリが起動されて、モードの指定機能が発揮される。
【0073】
ステップS212-2において、通信制御部92は、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、撮像装置1に対して、起動するように第2通信部21−2を制御する。また、撮像装置1の起動時のモードを指定する必要がある場合には、モードを指定する情報を送信する。本実施形態において、モードは、携帯端末2において撮像装置1からのスルー画像を確認しながら撮影を行うRECモードと、携帯端末2において撮像装置1に記憶される画像一覧を閲覧するPLAYモードのいずれかのモードを指定できる。
【0074】
ステップS213-2において、通信制御部92は、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、撮像装置1からカメラAP情報を受信した場合に、STモードでWi−Fiをオンするように第2通信部21−2を制御する。
【0075】
ステップS214-2において、通信制御部92は、アクセスポイント(AP)の撮像装置1を検索するように第2通信部21−2を制御する。
【0076】
ステップS215-2において、通信制御部92は、アクセスポイント(AP)の撮像装置1が見つかったか否かを判定する。
アクセスポイントの撮像装置1が見つかった場合には、ステップS215-2においてYESと判定されて、処理はステップS218-2に進む。ステップS218-2以降の処理は後述する。
これに対して、アクセスポイントの撮像装置1が見つからない場合には、ステップS215-2においてNOと判定されて、処理はステップS216-2に進む。
【0077】
ステップS216-2において、通信制御部92は、予め設定された時間が経過して時間切れとなったか否かを判定する。
時間切れとなっていない場合には、ステップS216-2においてNOと判定されて、処理はステップS215-2に戻る。
時間切れとなった場合には、ステップS216-2においてYESと判定されて、処理はステップS217-2に進む。
【0078】
ステップS217-2において、アプリケーション管理部91は、ステップS211-2で起動したアプリを終了する。アプリを終了することで、第2通信部21−2におけるWi−Fi通信機能がオフされる。その後、処理はステップS211-2に戻る。
【0079】
ステップS218-2において、通信制御部92は、撮像装置1に対して、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、アクセスポイント(AP)の撮像装置1に接続し、接続した旨(接続要求)を撮像装置1に通知するように第2通信部21−2を制御する。
【0080】
ステップS219-2において、通信制御部92は、ユーザ操作などにより指定されたモードを確認する。
指定されたモードがRECである場合には、ステップS219-2において[REC]となり、処理はステップS220-2に進む。
【0081】
ステップS220-2において、通信制御部92は、撮像装置1に対して、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、RECモードへの切り換え、及びスルー画像の送信要求を行い、この要求に応じて撮像装置1から逐次送信されてくるスルー画像を逐次取得する。そして、出力部18−2において逐次取得したスルー画像を逐次表示させる。ユーザは、撮像装置1が撮影しているスルー画像を閲覧しながら撮影指示等の操作を行う。その後、携帯端末2側のモード動作処理は終了する。
【0082】
これに対して、ユーザ操作などにより指定されたモードがPLAYである場合には、ステップS219-2において[PLAY]となり、処理はステップS221-2に進む。
【0083】
ステップS221-2において、通信制御部92は、撮像装置1に対して、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、PLAYモードへの切り換え、及び画像記憶部71に記憶される画像の一覧の送信要求を行い、この要求に応じて撮像装置1から送信されてくる画像の一覧(サムネイル画像)を取得する。そして、出力部18−2において取得した画像の一覧を表示させる。ユーザは、撮像装置1に記憶される画像の一覧を閲覧しながら撮像装置1から取得する画像の選択等の操作を行う。その後、携帯端末2側のモード動作処理は終了する。
【0084】
図7は、上述したような各種の処理の実行とともに逐次変化する撮像装置1及び携帯端末2における通信状態の遷移を示す通信ステータスの表示を示す模式図である。
第1通信方式及び第2通信方式における撮像装置1及び携帯端末2における通信のステータス表示は、
図7の例に示すように、ステータス毎に表示を変化させるように構成する。
通信ステータスにおいてペアリングもされておらず、接続もされていない場合(<ペアリング:未><接続:無>)には、ステータス表示は行わないように構成される。
通信ステータスにおいてペアリングがされているが、接続がされていない場合(<ペアリング:済><接続:無>)には、第1通信方式及び第2通信方式を示すアイコンを破線又は半透過状態で表示するように構成される。
通信ステータスにおいてペアリングがされており、接続もされている場合(<ペアリング:済><接続:有>)には、第1通信方式及び第2通信方式を示すアイコンを表示するように構成される。
【0085】
以上のように構成される撮像装置1は、第2通信部21−1と、通信制御部52と、第1通信部20−1と、通信制御部52と、を備える。
通信制御部52は、他の機器である携帯端末2との間で第2通信部21−1によってデータ転送を行うことにより所定の連携処理を実行する。
第1通信部20−1は、通信制御部52による所定の連携処理が実行できない状態であっても、他の機器である携帯端末2との通信接続を維持する。
通信制御部52は、第1通信部20−1により所定の通信を行うことにより、通信制御部52による所定の連携処理が実行できない状態から実行できる状態へと移行させる。
これにより、通信制御部52による所定の連携処理が実行できない状態であっても、他の機器である携帯端末2との通信接続が維持され、第1通信部20−1により所定の通信を行うことにより、通信制御部52による所定の連携処理が実行できない状態から実行できる状態へと移行して、通信制御部52による所定の連携処理が実行される。
したがって、撮像装置1は、携帯端末2において操作をすることなく所定のデータを受信することができ、無線通信を介した複数の装置における連携の利便性を高めることができる。
【0086】
第1通信部20−1は、第2通信部21−1よりも低速であるが省電力である。
第1通信部20−1は、第2通信部21−1よる他の機器である携帯端末2との通信接続が確立していないことに起因して所定の連携処理が実行できない状態であっても、他の機器である携帯端末2との通信接続を維持する。
通信制御部52は、第1通信部20−1により所定の通信を行うことにより、第2通信部21−1よる他の機器である携帯端末2との通信接続が確立していない状態から確立された状態へと移行させる。
これにより、より低消費電力な状態で、他の機器である携帯端末2との接続を維持して、所定の連携処理が実行できる状態へと移行させることができる。
【0087】
第1通信部20−1は、他の機器である携帯端末2または当該撮像装置1のいずれかが所定の連携処理を実行する準備ができていないことに起因して所定の連携処理が実行できない状態であっても、他の機器である携帯端末2との通信接続を維持する。
通信制御部52は、第1通信部20−1により所定の通信を行うことにより、他の機器である携帯端末2または当該撮像装置1のいずれかを、所定の連携処理を実行する準備ができていない状態から準備ができている状態へと移行させる。
これにより、所定の連携処理を実行する機器のうち、いずれか一方の機器から他方の機器を、所定の連携処理を実行する準備ができていない状態から準備ができている状態へと移行させることが可能となる。
【0088】
所定の連携処理を実行する準備ができていない状態とは、他の機器である携帯端末2または当該撮像装置1のいずれかの電源がオフ状態、または所定の連携処理を実行するためのプログラムが起動していない状態、または第2通信部21−1が機能していない状態である。
これにより、所定の連携処理を実行するための機能の一部が動作していない種々の状態から、所定の連携処理を実行する準備ができた状態へと移行させることが可能となる。
【0089】
通信制御部52は、第1通信部20−1により所定の通信を行うことにより、他の機器である携帯端末2または当該撮像装置1のどちらが所定の連携処理を実行する準備ができていない状態にある場合であっても、他の機器である携帯端末2または当該撮像装置1の両方を所定の連携処理を実行する準備ができている状態へと移行させる。
これにより、所定の連携処理を実行する機器のいずれかによって、所定の連携処理を実行する双方の機器を所定の連携処理を実行する準備ができている状態へと移行させることが可能となる。
【0090】
通信制御部52は、他の機器である携帯端末2が所定の連携処理を実行する準備ができていない状態である場合に、第1通信部20−1により他の機器である携帯端末2に所定の信号を送信することで他の機器である携帯端末2を所定の連携処理を実行する準備ができている状態へと移行させる。
また、通信制御部52は、当該撮像装置1が所定の連携処理を実行する準備ができていない状態である場合に、第1通信部20−1により他の機器である携帯端末2から所定の信号を受信することで当該撮像装置1を所定の連携処理を実行する準備ができている状態へと移行させる。
これにより、第2の無線通信による所定の信号を送受信することで、所定の連携処理を実行する双方の機器を実行する準備ができている状態へと移行させることが可能となる。
【0091】
所定の連携処理は、当該撮像装置1の操作により他の機器である携帯端末2を制御する第1の連携処理と、他の機器である携帯端末2の操作により当該撮像装置1を制御する第2の連携処理とを含む。
通信制御部52は、第1の連携処理を行う場合には、当該撮像装置1の操作に応じて第2の無線通信により他の機器である携帯端末2に所定の信号を送信することで他の機器である携帯端末2を第1の連携処理を実行する準備ができている状態へと移行させる。
また、通信制御部52は、第2の連携処理を行う場合には、他の機器である携帯端末2の操作に応じて第2の無線通信により送信されてくる所定の信号を受信することで当該撮像装置1を第2の連携処理を実行する準備ができている状態へと移行させる。
これにより、撮像装置1から他の機器である携帯端末2を制御して第1の連携処理を行ったり、他の機器である携帯端末2から撮像装置1を制御して第2の連携処理を行ったりすることが可能となる。
【0092】
通信制御部52は、入力部17等によるユーザ操作を介して、所定の連携処理を行わせる他の機器である携帯端末2を指定機器として任意に指定する。
また、通信制御部52は、第1通信部20−1による指定機器との通信接続を開始し、この通信接続を維持した状態で、第2通信部21−1による指定機器との通信接続を解除した状態にする。
また、通信制御部52は、第1通信部20−1により指定機器を指定した所定の通信を行うことで、第2通信部21−1による指定機器との通信接続を開始させる。
これにより、特定の他の機器である携帯端末2を指定して、所定の連携処理を実行することが可能となる。
【0093】
当該撮像装置1と他の機器である携帯端末2の一方は、撮像機能を備えた撮像装置1であり、他方は、画像の表示機能を備えた携帯端末2である。
所定の連携処理は、撮像装置1により撮像された画像データを第2通信部21−1により表示端末に転送して表示させる画像転送処理を含む。
これにより、撮像装置1と携帯端末2とを連携させ、撮像装置1により撮像された画像データを表示端末に転送して、表示端末の機能を用いて表示することが可能となる。
【0094】
所定の連携処理は、撮像装置1の操作に応じて画像転送処理を開始する第1の連携処理と、表示端末の操作に応じて画像転送処理を開始する第2の連携処理を含む。
これにより、撮像装置1の操作に応じて表示端末に画像データを転送したり、表示端末の操作に応じて撮像装置1から画像データを転送したりすることが可能となる。
【0095】
以上のように構成される通信システムSは、互いに連携して所定の機能を実現する撮像装置1と、携帯端末2を含む。
撮像装置1は、第2通信部21−1と、通信制御部52と、第1通信部20−1と、通信制御部52と、を備える。
通信制御部52は、他の機器である携帯端末2との間で第2通信部21−1によってデータ転送を行うことにより所定の連携処理を実行する。
第1通信部20−1は、通信制御部52による所定の連携処理が実行できない状態であっても、他の機器である携帯端末2との通信接続を維持する。
通信制御部52は、第1通信部20−1により所定の通信を行うことにより、通信制御部52による所定の連携処理が実行できない状態から実行できる状態へと移行させる。
これにより、通信制御部52による所定の連携処理が実行できない状態であっても、他の機器である携帯端末2との通信接続が維持され、第1通信部20−1により所定の通信を行うことにより、通信制御部52による所定の連携処理が実行できない状態から実行できる状態へと移行して、通信制御部52による所定の連携処理が実行される。
したがって、撮像装置1は、携帯端末2において操作をすることなく所定のデータを受信することができ、無線通信を介した複数の装置における連携の利便性を高めることができる。
【0096】
また、通信制御部52は、第2の無線通信としての第2通信方式により第1の機器としての撮像装置1により撮像された画像データを第2の機器としての携帯端末2に送信する。
通信制御部52は、第2の無線通信としての第2通信方式による第1の機器としての撮像装置1と第2の機器としての携帯端末2との間の通信接続が切られた状態で、第1の無線通信としての第1通信方式による第1の機器としての撮像装置1と第2の機器としての携帯端末2との間の通信接続を維持し、第1の無線通信としての第1通信方式により第1の機器としての撮像装置1と第2の機器としての携帯端末2との間で所定の制御データを送受信することにより、第2の無線通信としての第2通信方式を第1の機器としての撮像装置1と第2の機器としての携帯端末2との間の通信接続が切られた状態から接続した状態へ移行させる。
これにより、通信システムSにおいては、携帯端末2において操作をすることなく接続を行うことができ、無線通信を介した複数の装置における連携の利便性を高めることができる。
【0097】
また、上述の実施形態では、第1の機器としての撮像装置1は、相互の通信相手として第1の機器としての撮像装置1と、第2の機器としての携帯端末2とを関連付ける関連付け情報を相互に記憶する関連付け手段となる通信制御部52/通信制御部92を更に備えるように構成することができる。
第1の機器としての撮像装置1では、関連付け手段となる通信制御部52/通信制御部92により記憶された関連付け情報に従って、第1の機器としての撮像装置1と第2の機器としての携帯端末2との間の通信接続が切られた状態から接続した状態へ移行させるように構成することができる。
【0098】
また、上述の実施形態では、関連付け手段である通信制御部52/通信制御部92は、関連付け情報であるペアリングに関する情報を送受信することにより、第1の機器としての撮像装置1と第2の機器としての携帯端末2とを関連付けるように構成することができる。
【0099】
また、上述の実施形態では、関連付け手段である通信制御部52/通信制御部92は、関連付け情報を送受信することにより、通信制御部52による相互の通信相手として第1の機器としての撮像装置1と第2の機器としての携帯端末2とを関連付けるように構成することができる。
【0100】
また、上述の実施形態では、関連付け手段である通信制御部52/通信制御部92は、機器の識別情報を用いて関連づけの候補となる相手先の機器名を出力部18に表示して選択させるように構成することができる。
【0101】
従来、デジタルカメラ等の撮像装置と、スマートフォン等の情報処理装置とを無線通信によって接続する技術が利用されている。
このような技術においては、情報処理装置から撮像装置を無線通信によって遠隔操作する場合、初めに、これらの装置の間で無線通信接続を確立し、その後に所定の遠隔操作が行われる。
なお、従来の技術には、このような技術の一例として、カメラ操作端末によってカメラを遠隔操作する撮像システムがある(例えば、特開2014−230024号公報参照)。
【0102】
しかしながら、撮像装置を情報処理装置によって遠隔操作する場合、遠隔操作を行う都度、これらの装置の電源をONとした上で、無線通信接続を確立する必要がある。また、情報処理装置から撮像装置を遠隔操作するというように各装置の役割が予め設定されている上、情報処理装置から撮像装置を遠隔操作する機能についても、予め設定された機能を限定的に使用できるのみであることから、遠隔操作を行うユーザにとっては、利便性が高いものではなかった。
【0103】
本実施形態は、このような状況に鑑みてなされたものであり、無線通信を介した複数の装置における連携の利便性を高めることを目的としている。
【0104】
<第2実施形態>
図8は、本発明の一実施形態に係る通信システムの他のシステム構成を示すシステム構成図である。
通信システムSは、
図8に示すように、
図1に示すシステム構成を前提としており、少なくとも撮像/通信機能を有する撮像装置1と、少なくとも画像表示/通信機能を有する携帯端末2とサーバ3とを備える。通信システムSでは、撮像装置1で撮像した画像を、携帯端末2を介してサーバ3に転送して、共有用に画像を保存し、当該保存された画像のアドレス等の共有情報を共有設定された他の携帯端末100,100,100・・・に送信する。他の携帯端末100は、受信した共有情報に基づいて、サーバ3にアクセスして画像を閲覧等する。
通信システムSでは、ユーザが、撮像装置1と携帯端末2のいずれか一方の機器を操作することで、ユーザが操作している方の操作機器から他方の機器に対して、画像ファイルレベルのデータ通信が可能な通信方式での通信接続の要求を行い、撮像装置1と携帯端末2との間の通信接続を確立した状態で、操作機器の操作に応じて、他方の機器との画像ファイルの送受信や他方の機器が保持する画像データの閲覧等を行う機能を有する。
【0105】
サーバ3は、
図3に示すように、インターネット等のネットワークNを介して、携帯端末2と画像のデータをやり取り可能に接続されており、ネットワーク上に画像を公開可能に構成されている。なお、ハードウェアの構成については、撮像装置1と撮像部16及び第1通信部20を除き同様であるため説明を省略する。
以下、サーバ3におけるハードウェアを説明として用いる場合には、符号の末尾に「−3」を付すものとする。即ち、サーバ3は、CPU11−3乃至リムーバブルメディア31−3と表記するものとする。
【0106】
ここで、連携準備処理(ペアリング処理)について説明する。
複数の撮像装置と複数の携帯端末の中から自動画像転送処理の対象となる撮像装置1と携帯端末2とをユーザが任意に指定し、この指定された撮像装置1と携帯端末2とをペアリングする処理を行う。
連携準備処理(ペアリング処理)が完了した後、ユーザによる撮像装置1や携帯端末2のモード設定操作や、ユーザが撮像装置1と携帯端末2のどちらを操作するかに応じて、連携動作を行うか否かや、自動画像転送処理と遠隔操作処理のいずれを実行するかが自動的に決定される。
撮像装置1は、ユーザ操作により撮影が指示された際に、連携動作モードが設定されていなければ通常の撮影記録を行うが、連携動作モードが設定されている場合には、自動的に自動画像転送処理を開始する。
また、携帯端末2は、ユーザ操作により連携動作が指示された場合は、自動的に遠隔操作処理を開始する。
【0107】
次に、自動画像転送処理について説明する。
「自動画像転送処理」とは、撮像装置1において、撮像部16から撮影画像を取得した場合に、携帯端末2との間で第2通信方式による通信接続を確立して、撮影画像を携帯端末2に送信し、携帯端末2においては自動で画像を受信する一連の処理をいう。
【0108】
撮像装置1側において自動画像受信処理を実行する場合には、
図4に示すように、CPU11−1において、撮影制御部51と、通信制御部52と、が機能する。
また、記憶部19−1の一領域には、画像記憶部71が設定される。
画像記憶部71には、撮像部16から取得した撮影画像のデータが記憶される。
【0109】
撮影制御部51は、撮影処理を実行するように撮像部16を制御する。その結果、撮像部16から撮像画像が出力される。出力された撮像画像は、画像記憶部71に記憶される。
【0110】
通信制御部52は、第1通信方式(第2通信方式)であるLE(Wi−Fi)での通信を行い、携帯端末2への指示やデータ通信を行うように第1通信部20−1(第2通信部21−1)を制御する。
具体的には、通信制御部52は、例えば、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、撮像装置1で撮影された画像を携帯端末2に送信するように第2通信部21−1を制御する。
【0111】
また、携帯端末2側において自動画像受信処理を実行する場合には、
図4に示すように、CPU11−2において、アプリケーション管理部91と、通信制御部92と、が機能する。
また、記憶部19−2の一領域には、画像記憶部111が設定される。
画像記憶部111には、撮像装置1から取得した撮像画像のデータが記憶される。
【0112】
アプリケーション管理部91は、アプリケーション(アプリケーションプログラム)の起動と終了等を管理する。
具体的には、アプリケーション管理部91は、例えば、第1通信方式であるLEでの通信を行い、第1通信部20−2においてアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」または「アプリ」という。)を起動する指示を受信すると、指定されたアプリを起動する。本実施形態において、アプリケーション管理部91は、Wi−Fiにおける通信制御を行うアプリを起動して、通信制御機能を発揮させる。なお、アプリや装置における「起動」とは、新たにアプリを実行する場合の他に、休止中(バックグラウンドで実行中)のアプリの実行を再開する場合を含み、また、電源をオフ状態からオン状態への移行を伴う場合も含む。
【0113】
通信制御部92は、第1通信方式(第2通信方式)であるLE(Wi−Fi)での通信を行い、携帯端末2への指示の受信やデータ通信を行うように第1通信部20−2(第2通信部21−2)を制御する。
具体的には、通信制御部92は、例えば、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、撮像装置1から画像を受信するように第2通信部21−2を制御する。
【0114】
図9は、
図4の機能的構成を有する
図3の撮像装置1及び携帯端末2が実行する自動画像受信処理の流れを説明するフローチャートである。
なお、自動画像受信処理の開始状態では、撮像装置1と携帯端末2との間では、第1通信方式であるLEのペアリングが完了しており、常時接続している状態となっている。また、第2通信方式であるWi−Fiについては、オフ状態であるが、撮像装置1と携帯端末2との間では、互いにWi−Fiの設定(プロファイル)を取得しており、Wi−Fiの起動時には撮像装置1と携帯端末2の間で1対1での通信接続を容易に確立することができる状態となっている。
【0115】
<撮像装置1側の自動画像転送処理>
ステップS311-1において、撮影制御部51は、撮影処理を実行するように撮像部16を制御する。その結果、撮像部16から撮像画像が出力される。出力された撮像画像は、画像記憶部71に記憶される。
【0116】
ステップS312-1において、通信制御部52は、携帯端末2に対して、第1通信方式であるLEでの通信を行い、アプリを起動する指示を送信するように第1通信部20−1を制御する。その結果、アプリを起動する指示を受信した携帯端末2では、アプリが起動される。本実施形態においては、Wi−Fiにおける通信制御を行うアプリが起動されて、通信制御機能が発揮される。
【0117】
ステップS313-1において、通信制御部52は、携帯端末2に対して、第1通信方式であるLEでの通信を行い、撮像装置1のアクセスポイント情報(以下、「カメラAP情報」という。)を送信するように第1通信部20−1を制御する。その結果、カメラAP情報を受信した携帯端末2では、携帯端末2が子機となるST(ステーション)モードでWi−Fiがオンされる。
【0118】
ステップS314-1において、通信制御部52は、親機となるAP(アクセスポイント)モードでWi−Fiをオンするように第2通信部21−1を制御する。
【0119】
ステップS315-1において、通信制御部52は、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、第2通信部21−1において携帯端末2との接続を確立したか否かを判定する(携帯端末2との接続が確立されていなければ、携帯端末2からの接続要求を待って接続を確立する)。
携帯端末2との接続を確立した場合には、ステップS315-1においてYESと判定し、処理はステップS318-1に進む。ステップS318-1の処理については、後述する。
これに対して、携帯端末2との接続を確立していない場合には、ステップS315-1においてNOと判定し、処理はステップS316-1に進む。
【0120】
ステップS316-1において、通信制御部52は、予め設定された時間が経過して時間切れとなったか否かを判定する。
時間切れとなっていない場合には、ステップS316-1においてNOと判定されて、処理はステップS315-1に戻る。
時間切れとなった場合には、ステップS316-1においてYESと判定されて、処理はステップS317-1に進む。
【0121】
ステップS317-1において、エラーメッセージなどを表示し、通信制御部52は、Wi−Fiをオフするように第2通信部21−1を制御する(このとき、すぐにWi−Fiをオフせずに、ユーザの指示に応じて再接続を試みたり、一定時間の間は自動的に繰り返し再接続を試みたりするようにしてもよい)。その後、処理はステップS311-1に戻る。
【0122】
ステップS318-1において、通信制御部52は、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、接続している携帯端末2に対して撮影した撮像画像を送信するように第2通信部21−1を制御する。その結果、Wi−Fiで撮影した撮像画像が送信される。その後、撮像装置1側の自動画像受信処理は終了する。
【0123】
<携帯端末2側の自動画像受信処理>
ステップS311-2において、アプリケーション管理部91は、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、第1通信部20−2においてアプリを起動する指示を受信すると、指定されたアプリを起動する。本実施形態においては、Wi−Fiにおける通信制御を行うアプリが起動されて、通信制御機能が発揮される。
【0124】
ステップS312-2において、通信制御部92は、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、撮像装置1からカメラAP情報を受信した場合に、STモードでWi−Fiをオンするように第2通信部21−2を制御する。
【0125】
ステップS313-2において、通信制御部92は、受信したカメラAP情報に対応するアクセスポイント(AP)の撮像装置1を検索するように第2通信部21−2を制御する。
【0126】
ステップS314-2において、通信制御部92は、アクセスポイント(AP)の撮像装置1が見つかったか否かを判定する。
アクセスポイントの撮像装置1が見つかった場合(または既に撮像装置1との接続が確立している場合)には、ステップS314-2においてYESと判定されて、処理はステップS317-2に進む。ステップS317-2以降の処理は後述する。
これに対して、アクセスポイントの撮像装置1が見つからない場合には、ステップS314-2においてNOと判定されて、処理はステップS315-2に進む。
【0127】
ステップS315-2において、通信制御部92は、予め設定された時間が経過して時間切れとなったか否かを判定する。
時間切れとなっていない場合には、ステップS315-2においてNOと判定されて、処理はステップS314-2に戻る。
時間切れとなった場合には、ステップS315-2においてYESと判定されて、処理はステップS316-2に進む。
【0128】
ステップS316-2において、エラーメッセージなどを表示し、アプリケーション管理部91は、ステップS311-2で起動したアプリを終了する。アプリを終了することで、第2通信部21−2におけるWi−Fi通信機能がオフされる(このとき、すぐにアプリを終了したりWi−Fiをオフせずに、ユーザの指示に応じて再接続を試みたり、一定時間の間は自動的に繰り返し再接続を試みるようにしてもよい)。その後、処理はステップS311-2に戻る。
【0129】
ステップS317-2において、通信制御部92は、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、アクセスポイント(AP)の撮像装置1に接続し、接続した旨を撮像装置1に通知するように第2通信部21−2を制御する(撮像装置1との間で通信接続を確立する)。
【0130】
ステップS318-2において、通信制御部92は、撮像装置1から送信された画像を受信するように第2通信部21−2を制御する。受信した画像は、画像記憶部111に記憶される。その後、携帯端末2側の自動送受信処理は終了する。
【0131】
次に、遠隔操作処理について説明する。
また、「遠隔操作処理」とは、携帯端末2において、ユーザ操作により連携動作が指示され、RECモード/PLAYモードなどの各種の連携動作モードが選択されると、撮像装置1との間で第2通信方式による通信接続を確立して、選択された連携動作モードに対応した動作を撮像装置1に実行させる一連の処理をいう。
【0132】
撮像装置1側においてモード動作処理を実行する場合には、
図4に示すように、CPU11−1において、撮影制御部51と、通信制御部52と、が機能する。
また、記憶部19−1の一領域には、画像記憶部71が設定される。
画像記憶部71には、撮像部16−1から取得した撮影画像のデータが記憶される。
【0133】
撮影制御部51は、RECモード用に、スルー画像を撮影するように撮像部16−1を制御する。その結果、撮像部16−1からスルー画像が出力される。
【0134】
通信制御部52は、第1通信方式(第2通信方式)であるBLE(Wi−Fi)での通信を行い、携帯端末2への指示やデータ通信を行うように第1通信部20−1(第2通信部21−1)を制御する。
具体的には、通信制御部52は、例えば、RECモード時には、撮像部16−1からされたスルー画像を、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、携帯端末2に送信するように第2通信部21−1を制御する。また、通信制御部52は、PLAYモード時には、画像記憶部71に記憶される画像の一覧を、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、携帯端末2に送信するように第2通信部21−1を制御する。
【0135】
また、携帯端末2側において自動画像受信処理を実行する場合には、
図4に示すように、CPU11−2において、アプリケーション管理部91と、通信制御部92と、が機能する。
また、記憶部19−2の一領域には、画像記憶部111が設定される。
画像記憶部111には、撮像装置1から取得した画像のデータが記憶される。
【0136】
アプリケーション管理部91は、アプリケーションの起動と終了等を管理する。
具体的には、アプリケーション管理部91は、例えば、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、第1通信部20−2においてアプリを起動する指示を受信すると、指定されたアプリを起動する。本実施形態において、アプリケーション管理部91は、Wi−Fiにおける通信制御を行うアプリを起動して、通信制御機能を発揮させる。
【0137】
通信制御部92は、第1通信方式(第2通信方式)であるBLE(Wi−Fi)での通信を行い、携帯端末2への指示やデータ通信を行うように第1通信部20−2(第2通信部21−2)を制御する。
具体的には、通信制御部92は、例えば、RECモード時には、撮像部16−1からされたスルー画像を、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、撮像装置1から受信するように第2通信部21−2を制御する。また、通信制御部92は、PLAYモード時には、画像記憶部71に記憶される画像の一覧を、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、撮像装置1から受信するように第2通信部21−2を制御する。
【0138】
図10は、
図4の機能的構成を有する
図3の撮像装置1及び携帯端末2が実行する遠隔操作処理の流れを説明するフローチャートである。
なお、モード動作処理の開始状態では、撮像装置1と携帯端末2との間では、第1通信方式であるBLEのペアリングが完了しており、常時接続している状態となっている。また、第1通信方式であるWi−Fiについては、オフ状態であるが、撮像装置1と携帯端末2との間では、互いにWi−Fiの設定(プロファイル)を取得しており、Wi−Fiの起動時には撮像装置1と携帯端末2の間で1対1での通信接続を確立することができる状態となっている。
【0139】
<撮像装置1側の遠隔操作処理>
ステップS411-1において、撮像装置1は、携帯端末2から第1通信方式であるBLEでの通信を介した要求に応じて起動すると共に、携帯端末2から指定された連携動作モードを設定する。本実施形態において、連携動作モードは、携帯端末2において撮像装置1からのスルー画像を確認しながら撮影を行うRECモードと、携帯端末2において撮像装置1に記憶される画像一覧を閲覧するPLAYモードのいずれかのモードが設定される。
【0140】
ステップS412-1において、通信制御部52は、携帯端末2に対して、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、カメラAP情報を送信するように第1通信部20−1を制御する。その結果、カメラAP情報を受信した携帯端末2では、携帯端末2が子機となるST(ステーション)モードでWi−Fiがオンされる。
【0141】
ステップS413-1において、通信制御部52は、親機となるAP(アクセスポイント)モードでWi−Fiをオンするように第2通信部21−1を制御する。
【0142】
ステップS414-1において、通信制御部52は、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、第2通信部21−1において携帯端末2との接続を確立したか否かを判定する。
携帯端末2との接続を確立した場合には、ステップS414-1においてYESと判定し、処理はステップS417-1に進む。ステップS417-1の処理については、後述する。
これに対して、携帯端末2との接続を確立していない場合には、ステップS414-1においてNOと判定し、処理はステップS415-1に進む。
【0143】
ステップS415-1において、通信制御部52は、予め設定された時間が経過して時間切れとなったか否かを判定する。
時間切れとなっていない場合には、ステップS415-1においてNOと判定されて、処理はステップS414-1に戻る。
時間切れとなった場合には、ステップS415-1においてYESと判定されて、処理はステップS416-1に進む。
【0144】
ステップS416-1において、通信制御部52は、Wi−Fiをオフするように第2通信部21−1を制御する。その後、処理はステップS411-1に戻る。
【0145】
ステップS417-1において、撮影制御部51及び通信制御部52は、ステップS411-1で指定されたモードで動作する。即ち、指定されたモードがRECモードの場合には、撮影制御部51は、スルー画像を撮影するように撮像部16−1を制御して、スルー画像を取得する。そして、通信制御部52は、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、取得したスルー画像を携帯端末2に送信するように第2通信部21−1を制御する。また、指定されたモードがPLAYモードの場合には、通信制御部52は、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、画像記憶部111に記憶される画像の一覧を携帯端末2に送信するように第2通信部21−1を制御する。
その後、撮像装置1側のモード動作処理は終了する。
【0146】
<携帯端末2側の遠隔操作処理>
ステップS411-2において、アプリケーション管理部91は、ユーザによる入力部17への操作等で、アプリを起動する。本実施形態においては、モードを指定する機能を発揮するアプリが起動されて、モードの指定機能が発揮される。
【0147】
ステップS412-2において、ユーザが入力部17を操作してRECモードとPLAYモードを含む複数の連携動作モードのいずれかを選択する操作を行うと、通信制御部92は、第1通信方式であるBLEでの通信を介して、撮像装置1に対して、起動及び選択された連携動作モードを設定する指示を行うための指示情報を送信するように第2通信部21−2を制御する。本実施形態において、連携動作モードは、携帯端末2において撮像装置1からのスルー画像を確認しながら撮影を行うRECモードと、携帯端末2において撮像装置1に記憶される画像一覧を閲覧するPLAYモードのいずれかの連携動作モードが設定される。
【0148】
ステップS413-2において、通信制御部92は、第1通信方式であるBLEでの通信を行い、撮像装置1からカメラAP情報を受信した場合に、STモードでWi−Fiをオンするように第2通信部21−2を制御する。
【0149】
ステップS414-2において、通信制御部92は、アクセスポイント(AP)の撮像装置1を検索するように第2通信部21−2を制御する。
【0150】
ステップS415-2において、通信制御部92は、アクセスポイント(AP)の撮像装置1が見つかったか否かを判定する。
アクセスポイントの撮像装置1が見つかった場合には、ステップS415-2においてYESと判定されて、処理はステップS418-2に進む。ステップS418-2以降の処理は後述する。
これに対して、アクセスポイントの撮像装置1が見つからない場合には、ステップS415-2においてNOと判定されて、処理はステップS416-2に進む。
【0151】
ステップS416-2において、通信制御部92は、予め設定された時間が経過して時間切れとなったか否かを判定する。
時間切れとなっていない場合には、ステップS416-2においてNOと判定されて、処理はステップS415-2に戻る。
時間切れとなった場合には、ステップS416-2においてYESと判定されて、処理はステップS417-2に進む。
【0152】
ステップS417-2において、アプリケーション管理部91は、ステップS411-2で起動したアプリを終了する。アプリを終了することで、第2通信部21−2におけるWi−Fi通信機能がオフされる。その後、処理はステップS411-2に戻る。
【0153】
ステップS418-2において、通信制御部92は、撮像装置1に対して、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、アクセスポイント(AP)の撮像装置1に接続し、接続した旨を撮像装置1に通知するように第2通信部21−2を制御する。
【0154】
ステップS419-2において、通信制御部92は、指定した連携動作モードを確認する。
指定した連携動作モードがRECである場合には、ステップS419-2において[REC]となり、処理はステップS420-2に進む。
【0155】
ステップS420-2において、通信制御部92は、撮像装置1に対して、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、スルー画像を取得する。そして、出力部18−2において取得したスルー画像を表示させる。ユーザは、撮像装置1が撮影しているスルー画像を閲覧しながら撮影指示等の操作を行う。その後、携帯端末2側のモード動作処理は終了する。
【0156】
これに対して、指定したモードがPLAYである場合には、ステップS419-2において[PLAY]となり、処理はステップS421-2に進む。
【0157】
ステップS421-2において、通信制御部92は、撮像装置1に対して、第2通信方式であるWi−Fiでの通信を行い、画像記憶部71に記憶される画像の一覧を取得する。そして、出力部18−2において取得した画像の一覧を表示させる。ユーザは、撮像装置1に記憶される画像の一覧を閲覧しながら撮像装置1から取得する画像の選択等の操作を行う。その後、携帯端末2側のモード動作処理は終了する。
【0158】
次に、電波状態や機器の電源状態の変化、または連携準備処理(ペアリング処理)、自動画像転送処理及び遠隔操作処理の実行の前後で変化する通信ステータスを示す表示動作について説明する。
図11は、撮像装置1及び携帯端末2における通信ステータスの表示を示す模式図である。
第1通信方式及び第2通信方式における撮像装置1及び携帯端末2における通信のステータス表示は、
図11の例に示すように、ステータス毎に表示を変化させるように構成する。
通信ステータスにおいてペアリングもされておらず、接続もされていない場合(<ペアリング:未><接続:無>)には、ステータス表示は行わないように構成される。
通信ステータスにおいてペアリングがされているが、接続がされていない場合(<ペアリング:済><接続:無>)には、第1通信方式及び第2通信方式を示すアイコンを破線又は半透過状態で表示するように構成される。
通信ステータスにおいてペアリングがされており、接続もされている場合(<ペアリング:済><接続:有>)には、第1通信方式及び第2通信方式を示すアイコンを表示するように構成される。
【0159】
図12は、
図3の携帯端末2及びサーバ3の機能的構成のうち、画像共有処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
「画像共有処理」とは、撮像装置1で撮像された画像を、携帯端末2を介して、サーバ3に送信し、他の携帯端末100に当該画像を閲覧可能な状態にして画像を共有する処理である。
【0160】
携帯端末2側において画像共有処理を実行する場合には、
図12に示すように、CPU11−2において、通信制御部92と、アプリケーション管理部91と、が機能する。
【0161】
また、記憶部19−2の一領域には、画像記憶部111が設定される。
画像記憶部111には、撮像装置1から取得した画像のデータが記憶される。
【0162】
通信制御部92は、第2通信部21−2における通信を制御する。具体的には、通信制御部92は、サーバ3に対して、画像やクラウドアルバム作成や共有先設定を行う指示を送信するように第2通信部21−2を制御する。
【0163】
アプリケーション管理部91は、各種アプリケーション動作を管理制御し、撮像装置1から受信した画像を画像記憶部111に設けたアプリアルバムに記憶させたりする。
【0164】
これに対して、サーバ3側において画像共有処理を実行する場合には、
図12に示すように、CPU11−3において、アプリケーション管理部131と、通信制御部132と、が機能する。
【0165】
また、記憶部19−3の一領域には、画像記憶部151が設定される。
画像記憶部151には、携帯端末2から取得した画像のデータが記憶される。
【0166】
アプリケーション管理部131は、各種アプリケーション動作を管理制御し、携帯端末2からの指示に基づいて、画像記憶部151にクラウドアルバムを作成したり、例えば、共有先となる他の携帯端末100のメールアドレスを登録する共有設定を行ったり、携帯端末2から受信した画像を作成した画像記憶部151のクラウドアルバムに記憶させたりする。
【0167】
通信制御部132は、第2通信部21−3における通信を制御する。具体的には、通信制御部92は、他の携帯端末100に対して、共有設定に基づいて、登録したメールアドレスに共有する画像の所在を記した共有通知を送信するように第2通信部21−3を制御する。本実施形態においては、共有通知には、画像の所在を記したURLが記載される。共有通知を受けた他の携帯端末100では、通知に記載されたURLにアクセスすることで画像を閲覧等が可能となる。
【0168】
次に、サーバ3を介した他の携帯端末100との画像共有が設定されている場合の
図9の自動転送処理のステップS318-2において、画像を受信した後に、サーバ3を介した画像共有が設定されている場合に、
図16のフローを実行する。
図13は、
図12の機能的構成を有する
図3の携帯端末2及びサーバ3が実行する画像共有処理の流れを説明するフローチャートである。なお、本フローチャートは、サーバ3を介した他の携帯端末100との画像共有が設定されている場合に実行され、
図9の自動転送処理のステップS318-2において、画像を受信した後に、携帯端末2とサーバ3との間で行われる処理である。
【0169】
<携帯端末2側の画像共有処理>
ステップS511-1において、通信制御部92は、サーバ3に対して、クラウドアルバム作成の指示を送信する。これを受けて、サーバ3では、画像記憶部151にクラウドアルバムが作成される。
【0170】
ステップS512-1において、通信制御部92は、共有先設定(本実施形態においては、共有先の他の携帯端末100のメールアドレスの登録)の指示を送信する。これを受けて、サーバ3では、共有先設定が行われる。
【0171】
ステップS513-1において、第2通信部21−2は、Wi−fi通信で撮像装置1から画像を受信する。
【0172】
ステップS514-1において、アプリケーション管理部91は、撮像装置1から画像を受信することにより、画像記憶部111のアプリアルバムにサーバ3への送信用の画像を記憶させる。なお、撮像装置1では、「送信時リサイズ」設定に基づいたサイズの画像が送信される。
【0173】
ステップS515-1において、通信制御部92は、サーバ3に画像を送信する。これを受けてサーバ3では、受信した画像を画像記憶部151のクラウドアルバムに記憶させる。
【0174】
<サーバ3側の画像共有処理>
ステップS511-2において、第2通信部21−3は、携帯端末2からクラウドアルバム作成の指示を受信する。
【0175】
ステップS512-2において、アプリケーション管理部131は、画像記憶部151にクラウドアルバムを作成する。
【0176】
ステップS513-2において、第2通信部21−3は、携帯端末2から共有設定の指示を受信する。
【0177】
ステップS514-2において、アプリケーション管理部131は、共有設定を行う。具体的には、共有先のメールアドレスを登録する。
【0178】
ステップS515-2において、第2通信部21−3は、携帯端末2から共有用の画像を受信する。
【0179】
ステップS516-2において、アプリケーション管理部131は、受信した画像を画像記憶部151のクラウドアルバムに記憶させる。
【0180】
ステップS517-2において、通信制御部132は、共有設定に基づいて、登録したメールアドレスに共有する画像の所在を記した共有通知を送信する。本実施形態においては、共有通知には、画像の所在を記したURLが記載される。共有通知を受けた他の携帯端末100では、通知に記載されたURLにアクセスすることで画像を閲覧等することができる。
【0181】
このように構成される通信ステップTにおいては、カメラ(撮像装置1)で撮影するだけで、自動でスマートフォン(携帯端末2)へ画像が転送され、さらにクラウドアルバムに画像が送られて自動で共有相手に通知が行く機能を有する。
【0182】
従来より、カメラからスマートフォンへ撮影画像を自動で転送する技術はあったが、スマートフォンに保存されるだけで、その先の共有まで行う技術は無かった。
【0183】
そこで、本実施形態の通信ステップTでは、以下のような動作を行う。
○カメラとスマートフォンを手順に従ってBLEでペアリングする。
○ペアリングを行う際、スマートフォンアプリはスマートフォンのOSを判別して、カメラにその情報を送る。
○カメラのアクセスポイント情報をスマートフォンに記憶させておき、スマートフォンからカメラに対して自動でWi−Fi接続できるようにしておく。
○クラウドアルバムに共有するアルバムを作成しておく。
○共有するアルバムに共有相手を設定しておく。
○スマートフォンアプリで、カメラから画像を受信したらクラウドアルバムに共有するように設定しておく。
○カメラで撮影をするとカメラのアクセスポイントを起動して、スマートフォンに対してカメラのアクセスポイントに接続するようにBLEで指示を出す。この時、スマートフォンのOS判別結果によって、アクセスポイントへ強制的に切り替えるか否かの判断をする。
○スマートフォンのOS判別結果によって、BLEで指示を出してクラウドアルバムのアプリも起動する。
○カメラが、スマートフォンからWi−Fiの接続が確認されたら撮影画像をスマートフォンへ転送する。この時のサイズはカメラの「送信時リサイズ」設定に従う。
○スマートフォンアプリはカメラからの画像を受信すると、スマートフォンの指定された場所に画像を保存して、クラウドアルバムに画像を転送する。スマートフォンのOS判別結果によって、カメラ画像受信アプリとクラウドアルバムアプリの画像のやり取り方法を変える。
○クラウドアルバム側は画像が届くと、アルバムに画像が登録されたことを共有者に通知をだす。
○通知を受けた共有者はその通知を操作することで、クラウドアルバムにアクセスして画像を確認できる。
【0184】
その結果、本実施形態の通信ステップTでは、以下の効果を奏することができる。
○カメラからスマートフォンへ自動で撮影画像を転送することができる。
○スマートフォンが自動で受信した画像を、スマートフォンを操作することなくクラウドアルバムに共有することができる。
○スマートフォンのOSの違いをユーザが意識することがない。
【0185】
<BLEによるアプリ連携処理>
BLEによるアプリ連携処理は、
図9及び
図13で言及していない部分であり、
図9や
図13等の処理を実行する上での前提となるOSの制約や、その制約に関する処理である。
本実施形態の通信システムSにおいては、BLEの通知機能を使用し、複数のアプリ間で連携動作させる機能を有する。
【0186】
従来より、特定のOS(例えば、iOS)上で動作する複数のアプリでの連携動作の仕組みである「URLスキーム」は、フォアグラウンド(最前面)で動作中のアプリからのみ使用でき、バックグラウンドで動作中は使用できないという制約があり、バックグラウンドで動作中のアプリが「URLスキーム」を使用して他のアプリと連携することができない。一方、BLEの機能はバックグラウンドで動作中のアプリでも使用することができる。
【0187】
そこで、本実施形態の通信システムSにおいては、以下のように動作させる。
・カメラにアプリ起動の要求と通知を行うBLEプロファイルを設ける。
・主導権を持つアプリ(アプリA)がカメラとBLEを接続(ペアリング)し、BLEの接続情報を別なアプリ(アプリB)に通知し、アプリAとアプリBでBLEの接続を共用する。
・アプリBはBLE接続情報からアプリ起動通知を取得できるように準備し待機する。
・アプリAはアプリ起動要求を実行し、カメラはそれを受けてアプリBのアプリ起動を通知し、それを受けたアプリBが動作を開始する。
・アプリAがカメラとのペアリングを解除した際にアプリBに通知し、アプリBはBLE通知の待機を終了する。
したがって、本実施形態の通信システムSにおいては、iOS上で動作する複数のアプリにおいて、バックグラウンドで動作中でも連携動作ができる。また、ペアリングを解除した後に無駄にBLEの通知を待機することがない。
【0188】
次に、アプリの動作構成について説明する。
図14は、本実施形態の通信システムSにおける撮像装置1と携帯端末2でのアプリの動作構成図である。
アプリAは、カメラから自動送信された画像を保存する。
アプリBは、アプリAが保存した画像をアプリB管理のアルバムに登録するという連携機能を実現するものである。
撮像装置1は、BLEにおけるペリフェラルであり、アプリ連携用のBLEプロファイルを搭載する。
特定のOSで動作する携帯端末2は、BLEにおけるセントラルであり、アプリAとアプリBでBLE接続を共用する。
撮像装置1とiOSデバイスはBLEで接続され、BLEプロファイルの情報が伝達される。
【0189】
次に、動作シーケンスを示す。
図15は、本実施形態の通信システムSにおける撮像装置1と携帯端末2での動作シーケンスを示すフローチャートである。
アプリAがカメラとペアリングし、アプリBにBLE接続情報をURLスキームで通知する。アプリAはフォアグラウンドで動作している為、URLスキームを使用できる。
アプリBはBLE接続情報からアプリ起動通知(アプリB起動通知キャラクタリスティックの通知)を取得できるように準備しBLE通知の待機を開始する。
OSをスリープさせると、アプリAはバックグラウンド動作になる。
アプリAがバックグラウンド動作のままカメラから自動送信画像を受信し保存し、カメラに対しアプリBの起動要求を行い(アプリB起動要求キャラクタリスティックにデータを書き込む)、カメラはそれを受けアプリB起動通知キャラクタリスティックによる通知を行い、それを待機しているアプリBが起動し、画像をアプリB管理のアルバムに登録する。
アプリAがカメラとのペアリングを解除するとURLスキームでアプリBに通知し、アプリBはBLE通知の待機を終了する。
【0190】
<撮像装置側処理>
撮像装置側処理は、ユーザによる入力部17−1への撮像装置側処理開始の操作により開始される。なお、処理開始後に、撮像装置1と携帯端末2(アプリA)との間では、BLE通信及びWi−Fi通信のペアリング(接続)が確立するように動作する。
【0191】
ステップS611-1において、撮影制御部51は、撮影を行うように撮像部16−1を制御し、通信制御部52は、撮像した画像を携帯端末2に送信するように第2通信部21−1を制御する。
その後、携帯端末2のアプリAからアプリBの起動要求がBLE経由であった場合には、通信制御部52は、携帯端末2のアプリBに対して、起動通知をBLE経由で送信するように第1通信部20−1を制御する。その結果、携帯端末2のアプリBが起動し、送信した画像がアルバムに登録される。その後、携帯端末2とのペアリング(接続)が解除されて、撮像装置側処理は、終了する。
【0192】
<アプリA側処理>
アプリA及びアプリBにおける携帯端末2側の処理は、ユーザによる入力部17−2への携帯端末側処理開始の操作により開始される。なお、処理開始後に、撮像装置1と携帯端末2との間では、携帯端末2のアプリAによってBLE通信及びWi−Fi通信のペアリング(接続)が確立するように動作する。ペアリングが確立した場合には、アプリAは、アプリBに対して、BLEの接続情報を提供する。
【0193】
ステップS611-2において、アプリケーション管理部131は、OSスリープによってアプリAはバックグラウンド動作となるように制御する。
【0194】
ステップS612-2において、アプリケーション管理部131は、撮像装置1から画像を受信した場合に、アプリAによって画像を画像記憶部151に保存するように制御する。その後、通信制御部92はアプリケーション管理部91の下でアプリAによって、アプリBに対して、起動要求をBLE経由で送信するように第1通信部20−2を制御する。
【0195】
ステップS613-2において、アプリケーション管理部131は、フォアグラウンドでアプリAを動作させて、ペアリング解除操作をする。その結果、撮像装置1とのペアリング(接続)が解除され、ペアリング解除通知をアプリBに提供して、アプリA側処理は、終了する。
【0196】
<アプリB側処理>
ステップS611-3において、アプリケーション管理部131は、アプリAから提供されたBLE接続情報を受けて、アプリBにおいてBLE通知待機を開始するように制御する。
【0197】
ステップS612-3において、アプリケーション管理部131は、OSスリープによってアプリBはバックグラウンド動作となるように制御する。
【0198】
ステップS613-3において、アプリケーション管理部131は、撮像装置1からのアプリ起動要求によってフォアグラウンドで動作するように制御し、通信制御部132は、画像記憶部151に記憶された画像を、クラウドサーバに送信するように第2通信部21−2を制御して、クラウドサーバの所定の記憶領域に画像を記憶させてアルバム登録を行う。
【0199】
ステップS614-3において、アプリケーション管理部131は、アプリAからのペアリング解除通知を受けて、アプリBにおいて、BLE通知待機を終了するように制御する。その後、アプリB側処理は終了する。
【0200】
<変形例>
本例は、
図9の自動転送処理のステップS318-2において画像を受信してから、
図13の画像共有処理を実行する場合の他の例である。
上述した実施形態では、連携するアプリは2つに限らない。
また、撮像装置1ではなく別な機器にアプリ連携用のBLEプロファイルを実装してもよい。
【0201】
<自動画像送信カメラにおけるアルバム登録処理>
本実施形態の通信システムSにおいては、自動画像送信カメラにおけるアルバム登録機能を有する。即ち、本実施形態の通信システムSにおいては、自動送信対応カメラにおいて、事前にアルバム設定をしておくことで、自動的に画像を転送するとともに、ネット上のアルバムに登録する機能を有する。
【0202】
従来より、カメラとスマートフォン等のモバイル端末との間で、カメラで撮影した後、自動的に撮影画像を端末側へ送信するという機能が搭載されている。従来、無線接続により、モバイル端末に画像を送信した後、ユーザの手動操作によりSNSに登録したり、ネット上のアルバムサービスに登録したりしなければならなかった。多くの画像をアルバム共有することは、非常に手間がかかるという問題があり、特に、今回の自動送信機能付きカメラにおいては多くの画像を送信することができるので、これに合わせた機能が望まれていた。
【0203】
そこで、本実施形態の通信システムSにおいては、以下のような動作を行う。
1.事前にアプリでアルバムを選択
動作を開始する前に、
図16に示すように、事前にアプリでアルバムを選択し、カメラに対応したモバイル端末側の転送アプリにおいて、カメラで自動送信した画像を、アルバムに登録するかどうかの選択どのアルバムに登録するのかを選ぶ。なお、
図16は、アプリでのアルバムの選択画面を示す模式図である。
処理の動作としては、
図17及び
図18に示すように、事前に「アルバムをシェアする」をONにしておいた上で、カメラを用いて自動送信すると、この設定に従ってアルバムに登録される。なお、
図17は、アルバム登録処理の流れを説明するフローチャートであり、
図18は、自動送信処理の流れを説明するフローチャートである。
【0204】
<アルバム設定処理>
アルバム設定処理は、ユーザによる入力部17−2へのアルバム設定処理開始の操作により開始される。
【0205】
ステップS711において、通信制御部132は、サーバ3にアルバムサービス認証を行うように第2通信部21−2を制御する。
【0206】
ステップS712において、通信制御部132は、サーバ3との認証制御の結果、認証OKしたか否かを判定する。
認証OKした場合には、ステップS712においてYESと判定されて、処理はステップS714に進む。
これに対して、認証OKしない場合には、ステップS712においてNOと判定されて、処理はステップS713に進む。
【0207】
ステップS713において、CPU11−2は、認証NGであるため、エラー表示するように出力部18−1を制御する。
【0208】
ステップS714において、通信制御部132は、サーバ3からアルバム一覧を取得するように第2通信部21−2を制御する。
【0209】
ステップS715において、CPU11−2は、サーバ3から取得したアルバム一覧を表示するように出力部18−2を制御する。
【0210】
ステップS716において、ユーザ操作によって入力部17−2に対して、アルバムシェア設定においてアルバムを選択する操作がされて、アプリケーション管理部131は、シェアするアルバムを選択する。その後、アルバム設定処理は終了する。
【0211】
<自動送信処理>
なお、本自動送信処理は、
図9の自動転送処理の他の例である。
自動送信処理は、ユーザによる入力部17−1への自動送信処理開始の操作により開始される。
【0212】
ステップS811において、通信制御部132は、撮像装置1から画像を受信するように第2通信部21−2を制御する。
【0213】
ステップS812において、アプリケーション管理部131は、受信した画像を画像記憶部151に保存する。
【0214】
ステップS813において、アプリケーション管理部131は、アルバムシェア設定ONしたか否かを判定する。
アルバムシェア設定ONした場合には、ステップS813においてYESと判定されて、処理はステップS814に進む。
これに対して、アルバムシェア設定ONしない場合には、ステップS813においてNOと判定されて、終了する。
【0215】
ステップS814において、通信制御部132は、画像記憶部151に保存した画像をサーバ3の所定の記憶領域に記憶させるように第2通信部21−2を制御して、アルバム登録を行う。その後、自動送信処理は終了する。
【0216】
2.事前にカメラでアルバムを選択
1の動作では、アプリ側でアルバムを選択する内容であったが、アプリ側で取得したアルバム情報を、カメラに通知し、カメラ側でアルバムを選択することもできる。
カメラは撮影前に事前にアルバム設定を行う。通信(BLEでもWi−Fiでもよい)により、モバイル端末のアプリにてアルバム情報を取得し、これをカメラに通知することで、そのアルバム情報をカメラに表示する。ユーザはカメラの画面を見て、アルバムを選択しておき、またアルバムでシェアするか否かを設定する。
自動送信においては、撮影画像に選択したアルバムIDを付加して、モバイル端末に送信する。端末側においては、受け取った画像のアルバムIDにしたがって、アルバムに登録を行う。
なお、
図19は、カメラ側でのアルバム選択処理の流れを説明するフローチャートであり、
図20は、画像登録処理の流れを説明するフローチャートである。
【0217】
<撮像装置側アルバム設定処理>
撮像装置1側のアルバム設定処理は、ユーザによる入力部17−1へのアルバム設定処理開始の操作により開始される。
【0218】
ステップS911-1において、通信制御部92は、サーバ3からアルバム一覧を取得するように第2通信部を制御する。
【0219】
ステップS912-1において、CPU11−1は、サーバ3から取得したアルバム一覧を表示するように出力部18−1を制御する。
【0220】
ステップS913-1において、ユーザ操作によって入力部17−1に対して、アルバムシェア設定においてアルバムを選択する操作がされて、アプリケーション管理部91は、シェアするアルバムを選択する。その後、撮像装置1側のアルバム設定処理は終了する。
【0221】
<携帯端末側アルバム一覧取得処理>
また、携帯端末2側のアルバム一覧取得処理は、ユーザによる入力部17−2へのアルバム一覧取得処理開始の操作により開始される。
【0222】
ステップS911-2において、通信制御部132は、サーバ3にアルバムサービス認証を行うように第2通信部21−2を制御する。
【0223】
ステップS912-2において、通信制御部132は、サーバ3との認証制御の結果、認証OKしたか否かを判定する。
認証OKした場合には、ステップS912-2においてYESと判定されて、処理はステップS913-2に進む。
これに対して、認証OKしない場合には、ステップS912-2においてNOと判定されて、携帯端末2側のアルバム一覧取得処理は終了する。
【0224】
ステップS913-2において、通信制御部132は、サーバ3からアルバム一覧を取得するように第2通信部21−2を制御する。
【0225】
ステップS914-2において、通信制御部132は、撮像装置1に対して、サーバ3から取得したアルバム一覧を通知する第2通信部21−2を制御する。その後、携帯端末2側のアルバム一覧取得処理は終了する。
【0226】
<撮像装置側自動送信処理>
撮像装置1側の自動送信処理は、ユーザによる入力部17−1への自動送信処理開始の操作により開始される。
【0227】
ステップS1011-1において、撮影制御部51は、撮影を行うように撮像部16−1−1を制御する。
【0228】
ステップS1012-1において、撮影制御部51は、画像記憶部71に撮影した画像を保存する。
【0229】
ステップS1013-1において、通信制御部52は、アルバムシェア設定がONであるか否かを判定する。
アルバムシェア設定がONである場合には、ステップS1013-1においてYESと判定されて、処理はステップS1014-1に進む。
これに対して、アルバムシェア設定がONでない場合には、ステップS1013-1においてNOと判定されて、処理はステップS1015-1に進む。
【0230】
ステップS1014-1において、通信制御部52は、シェア用に送信対象となる画像にアルバムID付加する。
【0231】
ステップS1015-1において、通信制御部52は、アルバムIDを付加した画像を携帯端末2に送信するように第2通信部21−1を制御する。その後、撮像装置1側の自動送信処理は終了する。
【0232】
<携帯端末側アルバム登録処理>
携帯端末2側のアルバム登録処理は、ユーザによる入力部17−2への携帯端末側アルバム登録処理開始の操作により開始される。
【0233】
ステップS1011-2において、通信制御部92は、撮像装置1から画像を受信するように第2通信部21−2を制御する。
【0234】
ステップS1012-2において、アプリケーション管理部91は、画像記憶部111に受信した画像を保存する。
【0235】
ステップS1013-2において、アプリケーション管理部91は、アルバムIDがあるか否かを判定する。
アルバムIDがある場合には、ステップS1013-2においてYESと判定されて、処理はステップS1014-2に進む。
これに対して、アルバムIDがない場合には、ステップS1013-2においてNOと判定されて、携帯端末2側のアルバム登録処理は終了する。
【0236】
ステップS1014-2において、通信制御部92は、画像記憶部151に保存した画像をサーバ3の所定の記憶領域に記憶させるように第2通信部21−2を制御して、アルバム登録を行う。
その後、携帯端末2側のアルバム登録処理は終了する。
【0237】
3.カメラとアプリで複数のアルバムを選択
1の動作において複数のアルバムを使い分ける場合については、カメラでは、アルバムA、アルバムB、アルバムCの3種類とアルバム登録しない(N/A)をアルバム設定画面で選択する。撮影中(REC)には、選択されているアルバムの種類を確認できる。
また、アプリにおいては、アルバムA、アルバムB、アルバムCがそれぞれ具体的にどのアルバムに設定されるのかを事前に選択する。
なお、
図21は、撮像装置1における画面表示例を示す模式図であり、
図22は、撮像装置1における画面表示例を示す模式図である。
【0238】
したがって、本実施形態の通信システムSにおいては、多くの画像を自動的にモバイル端末に転送する自動送信カメラにおいて、事前にアルバム設定をしておくことで、画像をモバイル端末に転送するだけでなく、ネットワーク上のアルバムにも自動的に送信し、共有することができる。例えば、きょう1日展示会の写真を撮って、同僚に報告する際など、便利である。また、アルバムの情報をカメラに通知することで、カメラ本体でアルバム名を確認して選択することができる。また、カメラ側で簡単にアルバムを切り替えて撮影することで、複数のテーマでアルバムを共有する場合に、簡便にアルバム共有を行うことができる。
【0239】
<変形例>
上述の1〜3の動作において、アルバムを提供するサービスはひとつであったが、事業体の異なる複数のサービスから、転送アプリ側で選択し、設定することも可能である。このように構成することで、変形例によれば、複数のサービスからアルバムを選んで登録することができる。カメラ側においては複数のサービスを意識すること無く、アプリ側でサービスの違いを吸収することができるので、簡便に異なるサービスによるアルバム共有を行うことができる。
【0240】
以上のように構成されるデータ処理システムは、データを取得する機能を備えた第1の機器と、データを管理する機能を備えた第2の機器とが連携して所定の連携機能を実現する。
第1の機器は、第1の無線通信手段を介して第2の機器にデータを送信するデータ送信手段と、を備える。
第2の機器は、第1の無線通信手段を介して第1の機器からデータを受信するデータ受信処理を実行させるための第1のプログラムと、データ受信処理で受信したデータを管理するデータ管理処理を実行させるための第2のプログラムと、を記憶する記憶手段と、第1のプログラムおよび第2のプログラムを停止状態と起動状態とで切り換える切換手段と、第2のプログラムが停止し、第1のプログラムが起動している状態で、データ受信処理によりデータを受信した場合に、第2のプログラムを停止状態から起動状態に切り換えるとともに、この受信したデータを管理対象に指定してデータ管理処理を実行させる制御手段と、を備える。
これにより、データ処理システムでは、データ管理の利便性を高めることができる。
【0241】
第1の機器は、第2の無線通信手段を介して第1の機器から第2のプログラムの起動要求を受信した場合に、第2の無線通信手段を介して第2の機器に対して第2のプログラムの起動通知を送信する起動通知送信手段と、第2の機器の制御手段は、第1のプログラムから第2のプログラムを直接起動できない場合に、第2の無線通信手段を介して第1の機器に対して第2のプログラムの起動要求を送信し、この起動要求に応じて第1の機器から送信される起動通知により第2のプログラムを停止状態から起動状態に切り換える。
【0242】
第2の無線通信手段は、第1の無線通信手段よりも低速であるが省電力であり、制御手段は、第1の無線通信手段では第2のプログラムを起動できず、第2の無線通信手段により第2のプログラムを起動可能である。
【0243】
データ管理処理は、指定されたデータを複数のグループのいずれかに振り分けて管理する処理である。
制御手段は、受信したデータをグループ管理対象に指定してデータ管理処理を実行させる。
【0244】
第2の機器は、データ管理処理により管理可能な複数のグループに関するグループ情報を第1の機器に送信するグループ情報送信手段と、第2の機器の制御手段は、第1の機器から受信したデータを、第1の機器から受信したグループ選択情報で指定されるグループに振り分けて管理させる。
第1の機器は、第2の機器から受信したグループ情報に含まれる複数のグループの中から所定のグループを選択し、このグループ選択情報を第2の機器に送信する選択情報送信手段と、を更に備える。
【0245】
第2の機器は、第1の機器から送信されるグループ選択情報を第2の機器が記憶し、第1の機器から新たなデータを受信する毎に、記憶しているグループ選択情報で指定されるグループに振り分けて管理させる。
【0246】
第2の機器は、第1の機器からグループ選択情報とともに受信したデータを、このグループ選択情報で指定されるグループに振り分けて管理させる。
【0247】
第1の機器は、第2の機器から受信したグループ情報に含まれる複数のグループを一覧表示させてユーザに選択させ、ユーザ操作に基づくグループ選択情報を第2の機器に送信する。
【0248】
第2の機器は、ネットワーク上でデータ共有サービスを提供するサーバと通信する第3の通信手段を備える。
データ管理処理は、第1の機器から受信したデータを共有対象に指定して第3の通信手段を介してサーバに送信する。
【0249】
データ共有サービスは、複数のデータを複数のグループに分類して共有させるサービスである。
第2の機器は、受信したデータを共有対象に指定してサーバに送信して共有させる際に、グループ選択情報で指定されるグループを指定する。
【0250】
第1の機器は、取得した画像を共有するか否かをユーザに選択させ、グループ選択情報とともに、共有の可否情報を第2の機器に送信する。
【0251】
第1の機器は、取得した画像を共有するか否かをユーザに選択させ、グループ選択情報とともに、共有の可否情報を第2の機器に送信する。
第2の機器は、共有が可である場合に、受信したデータをサーバに送信する。
【0252】
データ共有サービスを提供する複数の異なるネットワーク上のサービスを選択し、受信したデータを選択されたサービスを提供するサーバに送信する。
【0253】
第1の機器は、撮影により画像データを取得する機能を備える撮像装置である。
【0254】
第1の機器である撮像装置は、自動送信モードが設定された状態で新たな画像データが取得された場合は、この画像データをデータ送信手段により送信する。
【0255】
第1の機器である撮像装置は、グループ選択情報を記憶および更新し、ライブビュー画面上に現在の選択されているグループを表示する。
【0256】
第2の機器は、複数の異なる種類があり、制御手段は、種類により、起動の制御を変える。
【0257】
第1の無線通信手段は常時接続された状態であり、第2の無線通信手段は、第1の無線通信手段を介する接続要求に応じて接続を確立し、種類により、接続の確立制御を変える。
【0258】
従来より、デジタルカメラ等の撮像装置と、スマートフォン等の携帯端末とを無線通信によって接続する技術が利用されている。
このような技術の一例として、カメラ操作端末によってカメラを遠隔操作する撮像システムがある(例えば、特開2014−230024号公報参照)。
また、携帯端末においては、例えば、ネットワーク上の画像共有サービスにアクセスして他のユーザと画像を共有する画像共有アプリケーションソフトウェアなどの各種のアプリケーションソフトウェアを利用することができる。
このような技術を利用すれば、ユーザは携帯端末を操作して、遠隔操作でカメラに撮影を行わせ、カメラから送信される画像データを携帯端末に保存し、その後、必要なアプリケーションソフトウェアを起動させるとともに各種の操作を行うことで、画像データを管理したり、画像共有サービスを利用したりすることができる。
この場合、ユーザは携帯端末のOS(オペレーティングソフトウェア)の種類(例えば、iOSやAndroidなど)に応じて異なるアプリケーションソフトウェアを起動して操作することになる。
【0259】
しかしながら、上述したような技術を用いた場合、例えば、カメラと携帯端末を用いて画像共有サービスを利用するためには、ユーザは必要なアプリケーションソフトウェアを起動する操作を行ったり、起動したアプリケーションソフトウェアの仕様に従って各種の操作を行う必要があったり、非常に手間がかかっていた。カメラと携帯端末とを連携させる場合に限らず、データを提供する機器とデータを管理する機器とを連携させることにより取得したデータの各種管理を行う場合には同様の問題があった。
【0260】
本実施形態では、このような状況に鑑みてなされたものであり、データを提供する機器とデータを管理する機器とを連携させることにより取得したデータの各種管理を行う場合の利便性を高めることを目的としている。
【0261】
<第3実施形態>
<ペアリング接続動作>
上述した実施形態1及び2では詳細部分について説明をしなかったが、本実施形態においては、実施形態1及び2の処理において前提となっているBLE通信規格の制約に関連する処理について説明する。本実施形態で説明する処理は、
図9や
図10等の処理の開始時に実行されたり、
図9や
図10等の処理と平行して実行されたりする。
本実施形態の通信システムSにおいては、撮像装置と携帯端末をBLEで接続する際に、撮像装置からアドバタイジング信号を出して携帯端末がその信号を検出して接続処理を行うことでBluetooth(登録商標)の接続が確立されるが、アドバタイジング信号の内容が全ての状態において同じだと以下のような問題(問題1・2・3)が起きる。また、アドバタイジング信号にのせる情報を増やすと、信号のデータサイズが大きくなり、電力的には不利になる。
【0262】
[問題1]
ペアリング設定された携帯端末と別の携帯端末で、ペアリング設定を変更できるため、セキュリティ上問題がある(強奪問題)。
ペアリング設定された撮像装置と携帯端末があり、2つの距離が遠いなどでBLE接続が確立できない状況だと、撮像装置はアドバタイズ信号を出し、携帯端末と接続しようとする。このとき別の携帯端末でペアリング操作を行うと、撮像装置と携帯端末が繋がって一部の操作が可能となる。
また、撮像装置の電源が入った状態だとBLE信号の内容(Wi−FiのSSID,パスワード)が携帯端末Cに送られる。
[問題2]
以前にペアリング設定した携帯端末があると、撮像装置でペアリング操作をしたときにその携帯端末がペアリング処理を自動で実行するため、他の携帯端末でペアリング処理を行うことが出来ない(携帯端末変更問題)。
ペアリング設定された撮像装置と携帯端末があり、撮像装置の操作でペアリング解除する。別の携帯端末と撮像装置をペアリングしようと、撮像装置を操作すると、携帯端末Bは自動で撮像装置と接続してしまう。このとき携帯端末はペアリング処理を継続できなくなってしまう。
[問題3]
携帯端末アプリのペアリング処理でリストアップされる撮像装置に、ペアリング可能なものとそうでないものが混在している(リスト整理)。
【0263】
このような問題に対して、本実施形態の通信システムSでは、以下のような対策が採られる。
携帯端末2と接続する撮像装置1の接続状態(ペアリングの有無)により、デバイス名を変化させて、その変化を利用してスマートフォンで処理をおこなう。即ち、撮像装置1のペアリング情報であるBLE接続情報(ペアリングの有無)に応じて、アドバタイジング信号のデバイス名にスペース文字を付加して違いをつけて、その違いに応じて携帯端末2のアプリでの接続制御を変更する。
【0264】
具体的には、通信システムSでは、アドバタイジング信号のデータに入っているデバイス名を撮像装置1のペアリングの状態により変化させて、デバイス名により携帯端末2のアプリの処理を分岐する。なお、ペアリングできるのが撮像装置1と携帯端末2で一対一となることが前提となる。また、携帯端末2は、接続確立後は、ペアリング相手である撮像装置1をデバイス名ではなくBDアドレスで識別する。
<撮像装置1がペアリングしていない状態>
デバイス名はWi−FiのSSIDで末尾にスペースがないものとする。
例:“ZR1600−01ACDC”(デバイス名+スペースなし)
・ペアリングしていても自動で再接続しない([問題2]を回避)。
(このため、ペアリング操作を経ないと接続しない。)
<撮像装置1がペアリング済みの状態>
デバイス名の最後にスペースを付加するものとする。
例:“ZR1600−01ACDC “(デバイス名+スペースあり)
・ペアリングしていないスマホとは接続しない([問題1]を回避)。
(ペアリングした携帯端末2とだけ接続する。)
・ペアリングできる候補のリストに表示しない([問題3]を回避)。
(ペアリングしていないデバイスだけ表示する。)
【0265】
図23は、
図3の撮像装置1及び携帯端末2の機能的構成のうち、ペアリング接続処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
ペアリング接続処理とは、撮像装置1と携帯端末2との間でBLE通信規格において、ペアリングを行って接続を行う一連の処理をいう。
【0266】
撮像装置1でペアリング接続処理を実行する場合には、
図23に示すように、CPU11−1において、ペアリング状況判定部171と、アドバタイジング信号生成部172と、通信制御部173と、が機能する。
また、記憶部19−1の一領域には、通信情報記憶部191が設定される。
通信情報記憶部191には、ペアリング処理の結果得られるペアリング情報(本実施形態においては、無線LAN(Wi−Fi)におけるアクセスポイントの識別名であるSSIDに基づいて生成される情報)や接続処理の結果得られる接続情報(本実施形態においては、BDアドレス)が記憶される。ペアリング情報は、ペアリング処理等に用いるアドバタイジング信号におけるデバイス名と、ペアリング処理終了後の接続時に用いるBDアドレスである。
【0267】
ペアリング状況判定部171は、通信情報記憶部191に記憶されるペアリング情報を参照(ペアリング情報の有無を参照)して、ペアリングの状況を判定する。ペアリング状況判定部171は、ペアリング情報がない場合には、ペアリングを行っていない状況(以下、「未ペアリング状況」という。)として判定し、ペアリング情報がある場合には、ペアリングを行っている状況(以下、「ペアリング済状況」という。)として判定する。
【0268】
アドバタイジング信号生成部172は、ペアリング状況判定部171による判定結果に基づいて、アドバタイジング信号を生成する。
アドバタイジング信号の生成に際しては、アドバタイジング信号生成部172は、ペアリング状況判定部171の判定結果が未ペアリング状態か、ペアリング済状況か否かで、アドバタイジング信号に付加する情報(以下、「アドバタイジング情報」という。)を変更する。
アドバタイジング信号生成部172は、未ペアリング状況である場合には、アドバタイジング情報を「デバイス名+スペースなし(デバイス名のみ)」とする「未ペアリング仕様のアドバタイジング信号」を生成し、ペアリング済状況である場合には、アドバタイジング情報を「デバイス名+スペースあり」とする「ペアリング済仕様のアドバタイジング信号」を生成する。
【0269】
通信制御部173は、第1通信部20−1を制御する。具体的には、通信制御部173は、アドバタイジング信号を送信したり、ペアリング処理や接続処理を実行したりするように第1通信部20−1を制御する。なお、ペアリング処理や接続処理の結果、取得したペアリング情報やBDアドレスは、通信情報記憶部191に記憶される。
【0270】
携帯端末2でペアリング接続処理を実行する場合には、
図23に示すように、CPU11−2において、通信制御部211と、ペアリング状況判定部212と、アドバタイジング信号判定部213と、が機能する。
また、記憶部19−2の一領域には、通信情報記憶部231が設定される。
通信情報記憶部231には、ペアリングした際に得られるペアリング情報が記憶される。ペアリング情報は、ペアリング処理等に用いるアドバタイジング信号におけるデバイス名と、ペアリング処理終了後の接続時に用いるBDアドレスである。
【0271】
通信制御部211は、第1通信部20−2を制御する。具体的には、通信制御部211は、アドバタイジング信号を検出したり、ペアリング処理や接続処理を実行したりするように第1通信部20−2を制御する。
【0272】
ペアリング状況判定部212は、通信情報記憶部231に記憶されるペアリング情報を参照(ペアリング情報の有無を参照)して、ペアリングの状況を判定する。ペアリング状況判定部212は、ペアリング情報がない場合には、ペアリングを行っていない状況(以下、「未ペアリング状況」という。)として判定し、ペアリング情報がある場合には、ペアリングを行っている状況(以下、「ペアリング済状況」という。)として判定する。
【0273】
アドバタイジング信号判定部213は、検出したアドバタイジング信号のアドバタイジング情報が未ペアリング仕様のアドバタイジング信号かペアリング済仕様のアドバタイジング信号かを判定する。具体的には、アドバタイジング信号判定部213は、アドバタイジング情報がデバイス名+スペースなし(デバイス名のみ)の場合には、未ペアリング仕様のアドバタイジング信号と判定し、アドバタイジング情報がデバイス名+スペースありの場合には、未ペアリング仕様のアドバタイジング信号と判定する。
【0274】
図24は、
図23の機能的構成を有する
図3の撮像装置1及び携帯端末2が実行するペアリング接続処理の流れを説明するフローチャートである。
【0275】
<[撮像装置側]ペアリング接続処理>
撮像装置1側のペアリング接続処理は、ユーザによる入力部17−1へのペアリング接続処理開始の操作により開始される。
【0276】
ステップS1111−1において、ペアリング状況判定部171は、未ペアリングの状況であるか否かを判定する。
未ペアリングの状況である場合には、ステップS1111−1においてYESと判定されて、処理はステップS1112−1に進む。
【0277】
ステップS1112−1において、アドバタイジング信号生成部172は、未ペアリング仕様のアドバタイジング信号を生成する。具体的には、アドバタイジング信号生成部172は、デバイス名にスペースがない情報を付加した未ペアリング仕様のアドバタイジング信号を生成する。
【0278】
ステップS1113−1において、通信制御部173は、生成した未ペアリング仕様のアドバタイジング信号を送信するように第1通信部20−1を制御する。
【0279】
ステップS1114−1において、通信制御部173は、携帯端末2との間でペアリング処理を実行するように第1通信部20−1を制御する。
【0280】
ステップS1115−1において、通信制御部173は、ペアリング処理により行われた接続設定に基づいて、接続処理を実行するように第1通信部20−1を制御する。その後処理は終了する。
【0281】
これに対して、未ペアリングの状況でない、ペアリングをしているペアリング済みの状況である場合には、ステップS1111−1においてNOと判定されて、処理はステップS1116−1に進む。
【0282】
ステップS1116−1において、アドバタイジング信号生成部172は、ペアリング済仕様のアドバタイジング信号を生成する。具体的には、アドバタイジング信号生成部172は、デバイス名にスペースがある情報を付加したペアリング済仕様のアドバタイジング信号を生成する。
【0283】
ステップS1117−1において、通信制御部173は、生成したペアリング済仕様のアドバタイジング信号を送信するように第1通信部20−1を制御する。
【0284】
ステップS1118−1において、ペアリング処理により行われた接続設定に基づいて、接続処理を実行するように第1通信部20−1を制御する。その後処理は終了する。
【0285】
<[携帯端末側]ペアリング接続処理>
携帯端末2側のペアリング接続処理は、ユーザによる入力部17−2へのペアリング接続処理開始の操作により開始される。
【0286】
ステップS1111−2において、通信制御部211は、アドバタイジング信号を検出するように第1通信部20−1を制御する。その結果、第1通信部20−1では、撮像装置1から送信されたアドバタイジング信号を検出する。
【0287】
ステップS1112−2において、ペアリング状況判定部212は、未ペアリングの状況であるか否かを判定する。
未ペアリングの状況である場合には、ステップS1112−2においてYESと判定されて、処理はステップS1113−2に進む。
【0288】
ステップS1113−2において、アドバタイジング信号判定部213は、未ペアリング仕様のアドバタイジング信号であるか否かを判定する。
未ペアリング仕様ではなくペアリング済みのアドバタイジング信号の場合には、ステップS1113−2においてNOと判定されて、ペアリング接続処理は終了する。
未ペアリング仕様のアドバタイジング信号の場合には、ステップS1113−2においてYESと判定されて、処理はステップS1114−2に進む。
【0289】
ステップS1114−2において、通信制御部211は、撮像装置1との間でペアリング処理を実行するように通信部を制御する。
【0290】
ステップS1115−2において、通信制御部211は、ペアリング処理により行われた接続設定に基づいて、接続処理を実行するように通信部を制御する。その後、ペアリング接続処理は終了する。
【0291】
これに対して、未ペアリングではなくペアリング済みの状況である場合には、ステップS1112−2においてNOと判定されて、処理はステップS1116−2に進む。
【0292】
ステップS1116−2において、アドバタイジング信号判定部213は、ペアリング済仕様のアドバタイジング信号であるか否かを判定する。
ペアリング済仕様ではなく未ペアリング仕様のアドバタイジング信号の場合には、ステップS1116−2においてNOと判定されて、ペアリング接続処理は終了する。
ペアリング済仕様のアドバタイジング信号の場合には、ステップS1116−2においてYESと判定されて、処理はステップS1117−2に進む。
【0293】
ステップS1117−2において、通信制御部211は、ペアリング処理により行われた接続設定に基づいて、接続処理を実行するように通信部を制御する。その後、ペアリング接続処理は終了する。
【0294】
<変形例>
「問題1」の回避を強化するために所定のOS(Operating System)の仕様(本実施形態においては、iOS向け)に特化して、デバイス名のキャラクタリスティックを設け、BLEを一旦接続して取得し、上記のアドバタイジングデータのデバイス名による接続可否判断と同様に判断し、接続を維持するか、切断するかを決定するように構成することができる。
【0295】
また、上述したフローチャートに本変形例の機能を付加すると、
図25のように捉えることができる。なお、
図25は、
図23の機能的構成を有する
図3の携帯端末2が実行するペアリング接続処理の他の流れを説明するフローチャートである。
【0296】
<携帯端末側ペアリング接続処理>
携帯端末2側のペアリング接続処理は、ユーザによる入力部17−2へのペアリング接続処理開始の操作により開始される。なお、前提として処理開始時には、携帯端末2のBLEは接続されていない。
【0297】
ステップS1211において、通信制御部211は、アドバタイジング信号を検出するように第1通信部20−2を制御する。その結果、第1通信部20−2では、撮像装置1から送信されたアドバタイジング信号を検出する。
【0298】
ステップS1212において、通信制御部211は、BLE接続処理を開始し、撮像装置1との間でBLE接続を行うように第1通信部20−2を制御する。
【0299】
ステップS1213において、ペアリング状況判定部212は、ペアリング処理をしたか否かを判定する。
ペアリング処理をした場合には、ステップS1213においてYESと判定されて、処理はステップS1214に進む。
これに対して、ペアリング処理をしていない場合には、ステップS1213においてNOと判定されて、処理はステップS1219に進む。
【0300】
ステップS1214において、アドバタイジング信号判定部213は、アドバタイジングデバイス名を判断したか否かを判定する。
アドバタイジングデバイス名を判断した場合には、ステップS1214においてYESと判定されて、携帯端末2側ペアリング接続処理は終了する。
これに対して、アドバタイジングデバイス名判断しない場合には、ステップS1214においてNOと判定されて、処理はステップS1215に進む。
【0301】
ステップS1215において、通信制御部211は、接続処理を実行するように第1通信部20−2を制御する。
【0302】
ステップS1216において、アドバタイジング信号判定部213は、キャラクタリスティックデバイス名を判断したか否かを判定する。
キャラクタリスティックデバイス名を判断した場合には、ステップS1216においてYESと判定されて、処理はステップS1218に進む。
これに対して、キャラクタリスティックデバイス名を判断していない場合には、ステップS1216においてNOと判定されて、処理はステップS1217に進む。
【0303】
ステップS1217において、通信制御部211は、ペアリング処理を実行するように第1通信部20−2を制御する。その後、携帯端末2側のペアリング接続処理は終了する。
【0304】
ステップS1218において、通信制御部211は、BLE切断処理を実行するように第1通信部20−2を制御する。その後、携帯端末2側のペアリング接続処理は終了する。
【0305】
ステップS1219において、アドバタイジング信号判定部213は、アドバタイジングデバイス名を判断したか否かを判定する。
アドバタイジングデバイス名を判断した場合には、ステップS1219においてYESと判定されて、処理はステップS1220に進む。
これに対して、アドバタイジングデバイス名を判断していない場合には、ステップS1219においてNOと判定されて、携帯端末2側のペアリング接続処理は終了する。
【0306】
ステップS1220において、通信制御部211は、接続処理を実行するように第1通信部20−2を制御する。その後、携帯端末2側のペアリング接続処理は終了する。
【0307】
<自動送信のバックグラウンドプロセス処理>
本実施形態の通信システムSにおいては、携帯端末2(スマートフォン)のアプリではバックグラウンド動作には時間的な制約があり、時間内に画像送信を送るための機能を有する。
【0308】
従来の撮像装置においては、撮像装置(カメラ)とスマートフォン等のモバイル端末との間で、カメラで撮影した後、自動的に撮影画像を端末側へ送信するという機能が搭載されている。
スマートフォンの操作無しでカメラの操作のみで送信するために、アプリをブルートゥース(登録商標)を使用した起動通知を送ることにより、バックグラウンドプロセスで起動し、スマートフォンがスリープ状態でも画像を受信する仕組みを実現している。
iOSではバックグラウンド動作に時間制限があるため、この場合には全てのデータを送ることが出来ない場合がある。
【0309】
そこで、本実施形態の通信システムSにおいては、
図26及び
図27に示すような動作をさせる。なお、
図26及び
図27は、自動送信のバックグラウンドプロセス処理を説明するためのフローチャートである。
1.カメラからスマートフォンにBLEによるプロセス起動通知を行う。
2.スマートフォンで画像受信用のアプリをバックグラウンドで立ち上げる。
3.カメラのWi−Fiアクセスポイントを立ち上げ、スマートフォンとWi−Fiで接続する。
4.カメラからアプリに送信するファイルのリストを送る。
5.アプリはファイルリストのファイルをカメラから取得する。
6A−1.時間内にデータ転送が終わった場合、カメラに成功を伝え、バックグラウンドプロセスを終了し、スマートフォンをスリープ状態に戻す。
6A−2.カメラは次のファイルリストを送るために再びBLEによるプロセス起動通知を行う。
6B−1.時間内にデータ転送が終わりそうに無い場合、カメラに失敗を伝え、バックグラウンドプロセスを終了し、スマートフォンをスリープ状態に戻す。
6B−2.カメラは送れなかったファイルリストを送るために再びBLEによるプロセス起動通知を行う。
6C−1.バックグラウンドプロセスが予告無く終了した場合、アプリは何も出来ない。
6C−2.カメラは通信切断を検出し、送れなかったファイルリストを送るために再びBLEによるプロセス起動通知を行う。
なお、送信に失敗した場合は送信データの粒度を変更してリトライする。
【0310】
<[撮像装置側]ファイル転送処理>
撮像装置1側のファイル転送処理は、ユーザによる入力部17−1への[撮像装置側]ファイル転送処理開始の操作により開始される。
【0311】
ステップS1311-1において、通信制御部173は、通知を送信するように第1通信部20−1を制御する。
【0312】
ステップS1312-1において、通信制御部173は、Wi−FiのON/OFFを判定する。
Wi−FiがONの場合には、ステップS1312-1においてYESと判定されて、処理はステップS1314-1に進む。
これに対して、Wi−FiがOFFの場合には、ステップS1312-1においてNOと判定されて、処理はステップS1313-1に進む。
【0313】
ステップS1313-1において、通信制御部173は、Wi−Fiアクセスポイントを起動するように第2通信部21−1を制御する。
【0314】
ステップS1314-1において、通信制御部173は、HTTP通信を確立するように第2通信部21−1を制御する。
【0315】
ステップS1315-1において、通信制御部173は、ファイルリストを作成する。
【0316】
ステップS1316-1において、通信制御部173は、ファイルリストを送信する。
【0317】
ステップS1317-1において、通信制御部173は、ファイルを送信する。
【0318】
ステップS1318-1において、通信制御部173は、携帯端末2においてタイムアウトを検出したか否かを判定するように第2通信部21−1を制御する。
携帯端末2においてタイムアウトを検出した場合には、ステップS1318-1においてYESと判定されて、処理はステップS1321-1に進む。
これに対して、携帯端末2においてタイムアウトを検出しない場合には、ステップS1318-1においてNOと判定されて、処理はステップS1319-1に進む。
【0319】
ステップS1319-1において、通信制御部173は、通信完了通知を受信するように第2通信部21−1を制御する。
【0320】
ステップS1320-1において、通信制御部173は、送信が成功したか否かを判定する。
送信が成功した場合には、ステップS1320-1においてYESと判定されて、処理はステップS1322-1に進む。
これに対して、送信が成功していない場合には、ステップS1320-1においてNOと判定されて、処理はステップS1321-1に進む。
【0321】
ステップS1321-1において、通信制御部173は、送信データ量を再設定するように第2通信部21−1を制御する。
【0322】
ステップS1322-1において、通信制御部173は、次送信データを設定するように第2通信部21−1を制御する。
【0323】
ステップS1323-1において、通信制御部173は、次データがあるか否かを判定するように第2通信部21−1を制御する。
次データがある場合には、ステップS1323-1においてYESと判定されて、処理はステップS1221に戻る。
これに対して、次データがない場合には、ステップS1323-1においてNOと判定されて、撮像装置1側のファイル転送処理は終了する。
【0324】
<[携帯端末側]ファイル転送処理>
携帯端末2側のファイル転送処理は、ユーザによる入力部17−2への携帯端末2側のファイル転送処理開始の操作により開始される。
【0325】
ステップS1311-2において、通信制御部211は、BLE通知を受信するように第1通信部20−2を制御する。
【0326】
ステップS1312-2において、CPU11は、アプリケーションをバックグラウンド(BG)で起動する。
【0327】
ステップS1313-2において、通信制御部211は、Wi−Fiと未接続であるか否かを判定する。
Wi−Fiと未接続である場合には、ステップS1313-2においてYESと判定されて、処理はステップS1314-2に進む。
これに対して、Wi−Fiと未接続でない場合には、ステップS1313-2においてNOと判定されて、処理はステップS1315-2に進む。
【0328】
ステップS1314-2において、通信制御部211は、撮像装置1のAPに接続するように第2通信部21−2を制御する。
【0329】
ステップS1315-2において、通信制御部211は、HTTP通信を確立するように第2通信部21−2を制御する。
【0330】
ステップS1316-2において、通信制御部211は、ファイルリストを受信するように第2通信部21−2を制御する。
【0331】
ステップS1317-2において、通信制御部211は、ファイルを受信するように第2通信部21−2を制御する。
【0332】
ステップS1318-2において、CPU11は、OSによるプロセスが終了したか否かを判定する。
OSによるプロセスが終了した場合には、ステップS1318-2においてYESと判定されて、携帯端末2側のファイル転送処理は終了する。
これに対して、OSによるプロセスが終了していない場合には、ステップS1318-2においてNOと判定されて、処理はステップS1319-2に進む。
【0333】
ステップS1319-2において、CPU11は、OSによるプロセスの終了予告をしたか否かを判定する。
OSによるプロセスの終了予告した場合には、ステップS1319-2においてYESと判定されて、処理はステップS1321-2に進む。
これに対して、OSによるプロセスの終了予告をしていない場合には、ステップS1319-2においてNOと判定されて、処理はステップS1320-2に進む。
【0334】
ステップS1320-2において、通信制御部211は、ファイルの受信が完了したか否かを判定する。
ファイルの受信が完了した場合には、ステップS1320-2においてYESと判定されて、処理はステップS1321-2に進む。
これに対して、ファイルの受信が完了していない場合には、ステップS1320-2においてNOと判定されて、処理はステップS1317-2に戻る。
【0335】
ステップS1321-2において、通信制御部211は、通信完了通知を送信するように第2通信部21−2を制御する。その後、携帯端末2側のファイル転送処理は終了する。
【0336】
したがって、本実施形態の通信システムSにおいては、複数回に分割した送信プロセス全てでブルートゥースの通知からはじめるため、時間制限のある通信機能で、多くのデータを送りきることが可能となる。また、終了タイミングが不明なプロセスで、送信できなかったデータから再び送信することが容易となる。
【0337】
<BLE接続パラメータ適応設定処理>
本実施形態の通信システムSにおいては、BLEの接続パラメータをカメラ電源ON時とOFF時で適応的に設定し、接続安定性と省電力化を両立させる機能を有する。
【0338】
従来では、BLEの接続パラメータの接続インターバルの時間が短いほどデータ転送レートが高くなるが、消費電流が大きくなる。接続監視タイムアウトの時間が短いほどBLEが切断されたと判断し再接続処理を行うまでの時間が短くなり実際に通信できない時間が短くなるが、ユーザからは切断されやすく見える。
【0339】
そこで、本実施形態の通信システムSにおいては、
図28に示すような動作を行う。なお、
図28は、BLE接続パラメータ適応設定処理を説明するためのフローチャートである。
・カメラ電源ON時とOFF時で適応的にBLEの接続パラメータを変更する。
・カメラ電源ON時は、接続インターバルと接続監視タイムアウトの時間を短くする。
・カメラ電源OFF時は、接続インターバルと接続監視タイムアウトの時間を長くする。即ち、カメラ電源ON時とOFF時で分岐し、BLEの接続パラメータ設定を変更する。
【0340】
即ち、BLE接続パラメータ適応設定処理は、ユーザによる入力部17−1へのBLE接続パラメータ適応設定処理開始の操作により開始される。
【0341】
ステップS1411において、CPU11は、カメラ電源をOFFしたか否かを判定する。
カメラ電源をOFFした場合には、ステップS1411においてYESと判定されて、処理はステップS1413に進む。
これに対して、カメラ電源をOFFしない場合には、ステップS1411においてNOと判定されて、処理はステップS1412に進む。
【0342】
ステップS1412において、通信制御部173は、「接続インターバル←40ms」、「接続監視タイムアウト←3.01s」に設定を変更する。その後、BLE接続パラメータ適応設定処理は終了する。
【0343】
ステップS1413において、通信制御部173は、「接続インターバル←1000ms」、「接続監視タイムアウト←5s」に設定を変更する。その後、BLE接続パラメータ適応設定処理は終了する。
【0344】
本実施形態の通信システムSにおいては、以下のような効果を奏することとなる。
・カメラ電源ON時は、データ転送レートが高く、通信できない時間が短くなる。
・カメラ電源OFF時は、省電力で動作し、多少通信が途絶えても切断と認識しない。
(カメラ電源OFF時はデータ転送が発生しない為、転送レートが低くても問題は生じない。)
【0345】
<撮像装置側のWi−Fi設定制御処理>
本実施形態の通信システムSにおいては、カメラとスマートフォンをブルートゥースでペアとすると、Wi−Fi接続が容易になり、この状態からWi−Fi設定を変更してしまうと接続が出来なくなるため、カメラ側でペアありかペア無しかで、Wi−Fi設定の変更機能に制限をかける機能を有する。また、ペアのあり無しによって動作が違うものになるように調整する機能を有する。
【0346】
従来では、カメラとスマートフォン等のモバイル端末との間で、カメラで撮影した後、自動的に撮影画像を端末側へ送信するという機能が搭載されている。
自動で送信するためにカメラとスマートフォンをBLEでペアリングし、BTを介してカメラのWi−Fi設定をスマートフォンに送っている。スマートフォンはこのときの情報を元にカメラのWi−Fiアクセスポイントに接続する。
しかしアクセスポイントのSSIDやパスワードは設定の値でしかないため容易に変更することができ、変更されるとカメラとスマートフォンがWi−Fiで接続できなくなってしまう。
【0347】
そこで、本実施形態の通信システムSにおいては、
図29に示すような動作を行う。なお、
図29は、撮像装置1側のWi−Fi設定制御処理を説明するためのフローチャートである。
・カメラはBLEペアリング時にカメラのWi−FiアクセスポイントのSSID、パスワードをBTの通信に乗せてスマートフォンに送信する。
・スマートフォンは受信したSSID、パスワードを自身のWi−Fi設定に追加する。
・カメラはペア成立の情報を記録し、以後Wi−Fiパスワードの変更メニューをマスクし、ユーザに実行できなくする。
即ち、本実施形態の通信システムSにおいては、ペアリングの有無によってWi−Fiパスワード変更の可/不可を切り替えている。
【0348】
即ち、撮像装置1側のWi−Fi設定制御処理は、ユーザによる入力部17−1へのWi−Fi設定制御処理開始の操作により開始される。
【0349】
ステップS1511において、通信制御部173は、BLEペアリング処理を実行するように第1通信部20−1を制御する。
【0350】
ステップS1512において、通信制御部173は、SSIDとパスワードを設定し、WiFi APを起動するように第2通信部21−1を制御する。
【0351】
ステップS1513において、通信制御部173は、BLEでSSIDとパスを送信するように第1通信部20−1を制御する。
【0352】
ステップS1514において、通信制御部173は、WiFi接続を検出したか否かを判定するように第2通信部21−1を制御する。
WiFi接続を検出した場合には、ステップS1514においてYESと判定されて、処理はステップS1515に進む。
これに対して、WiFi接続を検出しない場合には、ステップS1514においてNOと判定されて、処理はステップS1514において待機状態となる。
【0353】
ステップS1515において、通信制御部173は、ペアリング情報を保存する。その後、撮像装置1側のWi−Fi設定制御処理は終了する。
【0354】
図30は、Menuオープン処理を説明するためのフローチャートである。
Menuオープン処理開始は、ユーザによる入力部17−1へのMenuオープン処理開始の操作により開始される。
【0355】
ステップS1611において、通信制御部173は、ペアリング情報を取得する。
【0356】
ステップS1612において、通信制御部173は、ペア設定済みであるか否かを判定する。
ペア設定済みである場合には、ステップS1612においてYESと判定されて、処理はステップS1613に進む。
これに対して、ペア設定済みでない場合には、ステップS1612においてNOと判定されて、Menuオープン処理開始は終了する。
【0357】
ステップS1613において、CPU11は、メニューをマスクする。その後、Menuオープン処理開始は終了する。
【0358】
したがって、本実施形態の通信システムSにおいては、カメラ側の設定変更により自動送信が行われない、また他の通信機能が使えなくなることを防止することができる。
【0359】
なお、Wi−Fiパスワード以外にもペアの有無によって動作を切り替えている機能は以下の通りとなる。
・自動画像送信
ペアあり:実行可能
ペア無し:実行不可(ONに設定することも不可)
・手動画像送信 ペアあり:全て実行可能
ペア無し:アプリがバックグラウンドでの送信不可
【0360】
<BLE通信によるカメラ起動のモード判断処理>
本実施形態の通信システムSにおいては、BLEの要因によりカメラが起動した場合は、すぐに通常起動せずにカメラのBLE通信状態を確認しながら起動するモードを判断し、必要に応じて電源OFFを行うことでカメラの無駄な処理を抑制する機能を有する。即ち、本実施形態の通信システムSにおいては、スマートフォンからのカメラ起動を行った場合など意図的な操作でのみカメラが正常動作に移行し、無駄な起動処理が行われないようにする機能を有する。
【0361】
従来より、HWの構成により、カメラの電源OFFにした状態でもBLEの接続を維持することが可能になる。またBLEを活かしたままカメラの電源OFF状態にある時は、BLEの様々なイベントをBLEのHWで検知し、それを要因にカメラの電源ONを行うことが可能であった。ただし、BLEで起動する場合の要因として、BLEの切断、接続、スマホからのBLE Read/Write要求など様々な要因で起動し得るため、単純にすべての要因でカメラの電源を通常に立ち上げてしまうと余計な処理を行うことになり、電力的にも不利になる。また、カメラがBLE起動した際、どのBLEイベントで起動されたかの情報を残すことが難しい。(カメラは電源OFFのため、BLE接続の内容がRAMなどに残せない。)
【0362】
そこで、本実施形態の通信システムSにおいては、
図31に示すような動作を行う。なお、
図31は、BLE通信によるカメラ起動のモード判断処理を説明するためのフローチャートである。なお、[前提条件]として、カメラのBLEがアドバタイズか接続中の状態の場合は、BLEモジュールをSleepに設定して、カメラの電源を落とし、BLEの出力を維持したまま電源を落とす処理が必要となる。
1)あるBLEイベントにより、カメラが起動される。
この時BLEの要因でカメラが起こされたということだけは起動要因として把握できている。
2)カメラはBLE起動待機状態として専用の起動を行う(LEDだけ点灯)。
BLEを再起動してアドバタイズの状態にしてタイマーを起動する(5秒)。
なお、タイマー(5秒)以内の間にBLE接続がない場合はBLE切断イベントと判断する。
そのままBLEのSleepを設定して、カメラをパワーオフにする。
→PowerOff[1]
3)タイマーの時間内にBLEの接続があった場合は、タイマーを削除して次の処理へ。
BLE接続処理完了後に改めてタイマーを起動する(5秒)。
なお、タイマー(5秒)以内の間に、BLE信号によるWi−Fi接続要求がない場合は、この状態のままSleepを設定して、カメラをパワーオフにする。
4)タイマー時間内にBLE信号が通知された場合はスマホから意図的に起動されたと判断してカメラをWi−Fiモードにて起動する。
【0363】
即ち、モード判断処理は、ユーザによる入力部17−1へのモード判断処理開始の操作により開始される。
【0364】
ステップS1711において、通信制御部173は、BLEのSleep中(アドバダイズor接続中)となるように第1通信部20−1を制御する。
【0365】
ステップS1712において、通信制御部173は、BLEイベント(接続・切断・WiFiモード起動)を発生させるように第1通信部20−1を制御する。
【0366】
ステップS1713において、CPU11は、カメラ起動処理(必要最低限の処理)をする。
【0367】
ステップS1714において、通信制御部173は、BLEオープン処理(BLE接続待ちタイマー設定)をするように第1通信部20−1を制御する。
【0368】
ステップS1715において、通信制御部173は、タイマー待ちであるか否かを判定する。
タイマー待ちである場合には、ステップS1715においてYESと判定されて、処理はステップS1716に進む。
これに対して、タイマー待ちでない場合には、ステップS1715においてNOと判定されて、処理はステップS1718に進む。
【0369】
ステップS1716において、通信制御部173は、BLE接続処理(携帯端末2からの要求待ちタイマー)をするように。
【0370】
ステップS1717において、通信制御部173は、タイマー待ちであるか否かを判定する。
タイマー待ちである場合には、ステップS1717においてYESと判定されて、処理はステップS1719に進む。
これに対して、タイマー待ちでない場合には、ステップS1717においてNOと判定されて、処理はステップS1718に進む。
【0371】
ステップS1718において、CPU11は、BLE Sleep処理をしてカメラパワーをオフする。その後、モード判断処理は終了する。
【0372】
ステップS1719において、通信制御部173は、WiFi起動処理を実行するように第2通信部21−1を制御する。
【0373】
ステップS1720において、通信制御部173は、携帯端末2とのWiFi接続処理を実行するように第2通信部21−1を制御する。
【0374】
ステップS1721において、CPU11は、携帯端末指定モードによるNETモードを起動(リモート撮影・写真を見る等)する制御を行う。その後、モード判断処理は終了する。
【0375】
したがって、本実施形態の通信システムSにおいては、カメラがBLEのイベントで起こされた場合に必要最低限の処理のみを行うことで、BLEイベントによるカメラ処理の電池消耗を極力抑えることが可能となる。
【0376】
<変形例>
BLEの切断による起動と判断された場合は、アドバタイジングの間隔を長くするなどの設定を変更することで、より省電力となるような処理を入れてもよい。
【0377】
以上のように構成される通信システムSは、以下のような構成を備える。
役割の異なる複数の機器が無線通信を行うことで所定の連携処理を行う無線通信システムであって、所定の連携処理の対象となる複数の機器の組み合わせを、ユーザ操作に基づいて指定し、その組合せを示すペアリング情報を互いの機器に記憶させるペアリング処理を実行するペアリング手段を備える。
第1の機器は、自己の存在および自己の提供する機能を無線通信により他の機器に知らせる信号であるアドバタイジング信号を送出するアドバタイジング信号送出手段と、ペアリング手段により記憶したペアリング情報に応じてアドバタイジング信号に含まれる自己の識別名を変化させるアドバタイジング信号制御手段と、を備える。
第2の機器は、アドバタイジング信号送出手段により送出されているアドバタイジング信号を検出し、所定の連携処理に係る機能を提供する機器からの送出であった場合に、その機器との間で通信接続を確立する接続手段と、ペアリング手段により記憶したペアリング情報およびアドバタイジング信号に含まれる識別名の変化状態に基づいて、アドバタイジング信号を検出した機器との通信接続を確立するか否かを制御する接続制御手段と、を備える。
これにより、通信システムSにおいては、無線通信を利用して複数の機器を通信接続する場合に、意図しない機器同士が誤接続されてしまうのを防止し、適切に通信接続を行えるようにすることができる。
【0378】
第1の機器は撮影機能を有する撮像装置であり、第2の機器は表示機能を有する情報端末である。
所定の連携処理は、撮像装置が撮影した画像データを情報端末に送信して表示する処理である。
【0379】
無線通信は、BLE規格に基づく無線通信である。
第1の機器はBLE規格のペリフェラルであり、第2の機器はBLE規格のセントラルである。
【0380】
アドバタイジング信号送出手段は、いずれかの機器と接続されている場合にはアドバタイジング信号を送出せず、いずれの機器とも通信接続さなされていない場合にアドバタイジング信号を送出する。
アドバタイジング信号制御手段は、どの機器ともペアリングしていない状態では、アドバタイジング信号に含まれるデバイス名の末尾にスペースを付加していない第1アドバタイジング信号を送出し、いずれかの機器とペアリング済みの状態では、アドバタイジング信号に含まれるデバイス名の末尾にスペースを付加した第2アドバタイジング信号を送出するようにアドバタイジング信号送出手段を制御する。
【0381】
接続制御手段は、第1アドバタイジング信号を検出した場合には、この第1アドバタイジング信号を送出したカメラとペアリング済みであっても再接続せず、第2アドバタイジング信号を検出した場合には、この第2アドバタイジング信号を送出したカメラとペアリング済みである場合に再接続し、ペアリング済みでない場合には再接続しないように制御する。
【0382】
情報端末の接続制御手段は、ペアリング操作時にペアリングを行うとともに接続を開始し、その後、ペアリングしたままで接続を終了した場合には、再び接続可能な状態になっても接続を行わないように制御する。
【0383】
第1の通信方式による第1の通信手段と、第2の通信方式による第2の通信手段とを備える。
アドバタイジング信号は、第1の通信方式により送信される。
アドバタイジング信号に含まれる識別名には、第2の通信方式における機器を識別するための識別情報を含む。
アドバタイジング信号に含まれる識別名に含まれる機器の識別情報を用いて、第2の通信方式による通信接続を確立させる第2の接続制御手段を更に備える。
【0384】
第1の通信方式は、BLE(Bluetooth Low Energy)(商標)規格に基づく無線通信である。
第2の通信方式は、Wi−Fi規格に基づく無線通信であり、識別情報はSSIDである。
【0385】
従来より、スマートフォン等の情報端末がBluetooth(登録商標)などの無線通信を介して接続(ペアリング)したデジタルカメラ等の撮像装置を遠隔操作する場合に、一度接続(ペアリング)した相手側機器の情報を記憶しておき、再び同じ撮像装置と情報端末とを接続(ペアリング)する場合には、記憶している相手側機器の情報を利用して撮影条件などを容易に設定できるようにする技術が知られている(例えば、特開2015−5889号公報参照)。
また、一般的に、無線通信の接続を確立したままの状態では電池が消耗するので、通信する必要がない場合にはなるべく接続を切断するような制御が行われており、近年では、BLE(Bluetooth Low Energy)(商標)などの低消費電力の通信手段を用いる場合も多くなってきた。
【0386】
しかしながら、上述した技術においては、過去に接続した同じ撮像装置と情報端末とを再度接続した後の撮影条件などの設定は容易になるが、一度接続した撮像装置と情報端末との接続を切断した後に、再び同じ撮像装置とスマホとを再接続したい場合や、ペアリングを変更して再接続したい場合などに、接続可能な撮像装置や情報端末が複数存在する場合には、意図しない相手に誤接続してしまったり、セキュリティ上の問題が生じてしまったりする場合がある。撮像装置と情報端末以外の機器の組み合わせで無線通信による接続を行う場合にも同様の問題がある。
【0387】
本実施形態は、このような状況に鑑みてなされたものであり、無線通信を利用して複数の機器を通信接続する場合に、意図しない機器同士が誤接続されてしまうのを防止し、適切に通信接続を行えるようにすることを目的としている。
【0388】
以上のように構成される通信システムは、所定の機能を提供する機器であるペリフェラル機器と、このペリフェラル機器の提供する機能を利用する機器であるセントラル機器とが連携して所定のデータ処理を実行するデータ処理システムとして、以下のような構成を備えることができる。
ペリフェラル機器は、第1通信部と、制御部と、を備える。
第1通信部は、いずれのセントラル機器とも通信接続を確立していない状態において、自己の存在および自己の提供する機能を他の機器に知らせる信号であるアドバタイジング信号を同報通信により送信し、このアドバタイジング信号に応答してきたセントラル機器との間で通信接続を確立し、この通信接続を確立したセントラル機器との間で定期的に通信を行うことで通信接続を維持する第1通信方式による通信制御を行う。
制御部は、セントラル機器と連携して所定のデータ処理を実行する。
セントラル機器は、第1通信部と、制御部と、を備える。
第1通信部は、ペリフェラル機器が送信するアドバタイジング信号を検出し、このアドバタイジング信号が示す機能が自己の所望する機能である場合に、ペリフェラル機器との間で第1通信方式による通信接続を確立し、この通信接続を確立したペリフェラル機器との間で定期的に通信を行うことで通信接続を維持する第1通信方式による通信制御を行う。
制御部は、ペリフェラル機器と連携して所定のデータ処理を実行する。
ペリフェラル機器の第1通信部と、セントラル機器の第1通信部は、ペリフェラル機器とセントラル機器とが所定のデータ処理を実行可能な所定の動作状態にない場合であっても、定期的に通信を行うことで通信接続を維持する。
ペリフェラル機器の制御部と、セントラル機器の制御部は、所定の動作状態にない場合において、ペリフェラル機器とセントラル機器との間で第1通信部を介して所定の信号を送受信することにより所定の動作状態に移行させた後に、ペリフェラル機器とセントラル機器とを連携させて所定のデータ処理の実行を開始させる。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0389】
ペリフェラル機器の制御部と、セントラル機器の制御部は、ペリフェラル機器とセントラル機器のいずれか一方が所定の動作状態にない場合において、所定の動作状態にある機器から所定の動作状態にない機器に対して第1通信部を介して所定の信号を送受信することにより所定の動作状態にない機器を所定の動作状態に移行させる。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0390】
ペリフェラル機器の制御部と、セントラル機器の制御部は、任意のペリフェラル機器と任意のセントラル機器とを互いに組み合わされた状態であるペアリング状態に移行させ、ペアリング状態に移行したペリフェラル機器とセントラル機器との間で第1通信部による通信接続を確立させ、ペアリング状態に移行したペリフェラル機器とセントラル機器とを連携させて所定のデータ処理を実行する。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0391】
ペリフェラル機器の制御部と、セントラル機器の制御部は、ペアリング状態にないペリフェラル機器とセントラル機器との間で通信接続を確立させる場合には、この2つの機器を新規にペアリング状態に移行させるためのユーザ操作が行われたことを条件として通信接続を確立させるように第1通信部を制御し、ペアリング状態にあるペリフェラル機器とセントラル機器との間で通信接続を確立させる場合には、ユーザ操作を行うことなく自動的に通信接続を確立させるように第1通信部を制御する。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0392】
ペリフェラル機器の制御部と、セントラル機器の制御部は、ペリフェラル機器とセントラル機器との間で通信接続を確立させる場合に、この2つの機器のペアリング状態と、その他のペリフェラル機器またはその他のセントラル機器との組み合わせのペアリング状態を考慮して、通信接続を確立させるか否かを判断する。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0393】
ペリフェラル機器の制御部は、アドバタイジング信号を送信する際に、ペアリング状態に応じてアドバタイジング信号の一部の状態を変化させるように第1通信部を制御する。
セントラル機器の制御部は、ペアリング状態と、ペリフェラル機器から受信したアドバタイジング信号の一部の変化状態に応じて当該ペリフェラル機器との間で通信接続を確立するか否かを決定するように第1通信部を制御する。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0394】
ペリフェラル機器の制御部は、アドバタイジング信号を送信する際に、いずれのセントラル機器ともペアリング状態にない場合には、アドバタイジング信号の一部が第1状態である第1アドバタイジング信号を送信し、いずれかのセントラル機器との間でペアリング状態にある場合には、アドバタイジング信号の一部が第1状態とは異なる第2状態である第2アドバタイジング信号を送信するように第1通信部を制御する。
セントラル機器の制御部は、ペアリング状態にないペリフェラル機器から第1アドバタイジング信号を受信した場合には、当該ペリフェラル機器との間で通信接続を確立するように第1通信部を制御し、ペアリング状態にないペリフェラル機器から第2アドバタイジング信号を受信した場合には、当該ペリフェラル機器との間で通信接続を確立しないように第1通信部を制御し、ペアリング状態にあるペリフェラル機器から第1アドバタイジング信号を受信した場合には、当該ペリフェラル機器との間で通信接続を確立しないように第1通信部を制御し、ペアリング状態にあるペリフェラル機器から第2アドバタイジング信号を受信した場合には、当該ペリフェラル機器との間で通信接続を確立するように第1通信部を制御する。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0395】
ペリフェラル機器の制御部と、セントラル機器の制御部は、所定のデータ処理の実行中に、第1通信部による通信接続が切断された場合には、ユーザ操作を行うことなく自動的に切断された通信接続を再度確立させるように第1通信部を制御する。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0396】
ペリフェラル機器の制御部は、切断された通信接続を再度確立させる場合は、アドバタイジング信号の一部を変化させた第2アドバタイジング信号を送信するように第1通信部を制御する。
セントラル機器の制御部は、切断された通信接続を再度確立させる場合は、第2アドバタイジング信号を受信したことを条件として通信接続を確立するように第1通信部を制御する。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0397】
ペリフェラル機器は、撮影機能を有する撮像装置である。
セントラル機器は、画像の管理機能を有する情報端末である。
所定のデータ処理は、撮像装置により撮像された画像を情報端末に送信し、この送信された画像を情報端末で管理させる処理である。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0398】
情報端末の制御部は、第1通信部による通信接続を維持した状態で、所定のデータ処理の実行に必要な画像管理プログラムを一時的に実行を停止した実行停止状態に移行させ、撮像装置から第1通信部を介して所定の信号を受信した場合に、実行停止状態にある画像管理プログラムを実行状態に移行させ、実行状態に移行した画像管理プログラムにより、撮像装置から送信される画像を受信して管理する処理を実行する。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0399】
撮像装置の制御部は、撮影を行った際に、自動送信モードが設定されている場合は、情報端末に対して第1通信部を介して所定の信号を送信し、情報端末が画像管理プログラムを実行状態に移行させた後に、撮影した画像を自動的に情報端末に送信する処理を実行する。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0400】
ペリフェラル機器は、撮影機能を有する撮像装置である。
セントラル機器は、操作機能および表示機能を有する情報端末である。
所定のデータ処理は、情報端末の操作に応じて撮像装置の撮影機能を遠隔操作する処理である。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0401】
撮像装置の制御部は、第1通信部による通信接続を維持した状態で、電源をオフ状態に移行させ、情報端末から第1通信部を介して所定の信号を受信した場合に、電源をオン状態に移行させ、電源をオン状態に移行した状態で情報端末からの遠隔操作に応じて撮影機能に関する処理を実行する。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0402】
情報端末の制御部は、遠隔操作モードが設定されている状態でユーザ操作があった場合は、撮像装置に対して第1通信部を介して所定の信号を送信し、撮像装置の電源をオン状態に移行させた後に、撮像装置の撮影機能を遠隔操作する処理を実行する。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0403】
情報端末の制御部は、撮像装置に対して第1通信部を介して起動時の動作モードを指定する所定の信号を送信する。
撮像装置の制御部は、情報端末から第1通信部を介して起動時の動作モードを指定する所定の信号を受信した場合に、電源をオン状態に移行させるとともに指定された動作モードに移行させる。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0404】
ペリフェラル機器と、セントラル機器は、第1通信方式よりも高速のデータ通信が行えるが、ペリフェラル機器とセントラル機器とが所定の動作状態にない場合には通信ができない第2通信方式による通信制御を行う第2通信部を更に備える。
所定のデータ処理は、第2通信部を介してペリフェラル機器とセントラル機器との間で第2通信方式によるデータ通信を行う処理である。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0405】
第1通信部は、第2通信部よりも通信接続を維持するための省電力が低い。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0406】
ペリフェラル機器の制御部と、セントラル機器の制御部は、ペリフェラル機器とセントラル機器のうち、第2通信部によるデータ通信ができる動作状態にない機器に対して、第1通信部を介して所定の信号を送信することにより、第2通信部によるデータ通信ができる動作状態に移行させた後に、ペリフェラル機器とセントラル機器との間で第2通信部によるデータ通信を開始させる。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0407】
第2通信方式は、任意の機器との間で通信接続を確立させるために必要な接続情報を設定し、この設定された接続情報を用いて通信接続を確立させる。
ペリフェラル機器の制御部は、第1通信部による通信接続を確立した状態では、接続情報の設定変更を禁止する。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0408】
撮像装置の制御部は、第1通信部を介して信号を受信した場合に、ペアリング状態にある情報端末からの意図的な起動要求信号であったことを条件に電源をオン状態に移行させる。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0409】
ペリフェラル機器の制御部と、セントラル機器の制御部は、所定のデータ処理の実行中に、ペリフェラル機器またはセントラル機器のいずれかが所定の動作状態ではなくなったことに起因して所定のデータ処理の実行が中断された場合に、所定の動作状態にある機器から所定の動作状態ではなくなった機器に対して、第1通信部を介して所定の信号を送信することにより、所定の動作状態にない機器を所定の動作状態に移行させた後に、中断されている所定のデータ処理の実行を再開させる。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0410】
情報端末の制御部は、第1通信部による通信接続を維持した状態で、画像管理プログラムをバックグラウンドで実行させ、オペレーティングシステムで規定されたバックグラウンド実行の制限時間を越えて画像管理プログラムを連続的に実行させた場合に、画像管理プログラムを実行停止状態に移行させる。
撮像装置の制御部は、所定のデータ処理の実行中に、情報端末が、オペレーティングシステムによるバックグラウンド実行の時間制限により画像管理プログラムを実行停止状態に移行させたことに起因して所定のデータ処理の実行が中断される毎に、第1通信部を介して所定の信号を送信して実行停止状態にある画像管理プログラムを実行状態に移行させて、中断されている所定のデータ処理の実行を再開させる。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0411】
所定の動作状態とは、電源がオン状態であり、かつ、所定のデータ処理を実行するためのプログラムが動作しており、かつ、第2通信部による第2通信方式による通信が可能な状態である。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0412】
ペリフェラル機器は、自己の電源がオン状態かオフ状態かに応じて、第1通信部によって通信接続が維持されているか否かを監視するインターバル時間を変化させる。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0413】
第1通信方式は、BLE(Bluetooth Low Energy)(商標)規格に基づく無線通信である。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0414】
また、通信システムは、所定の機能を提供する第1機器と、この第1機器の提供する機能を利用する第2機器とが連携して所定のデータ処理を実行するデータ処理システムである。
データ処理システムは、実行部と、通信制御部と、ペアリング部と、制御部と、を備える。
実行部は、第1機器と第2機器とが連携して所定のデータ処理を実行する。
通信制御部は、第1機器と第2機器との間で通信接続を確立し、この通信接続を確立した第1機器と第2機器とが所定のデータ処理を実行可能な所定の動作状態にない場合であっても、当該第1機器と当該第2機器との間で通信接続を維持する。
ペアリング部は、第1機器と第2機器とを互いに組み合わされた状態であるペアリング状態に移行させる。
制御部は、ペアリング状態に移行した第1機器と第2機器とが所定の動作状態にない場合において、当該第1機器と当該第2機器との間で通信制御部により所定の信号を送受信することにより所定の動作状態に移行させる。
実行部は、第1機器と第2機器とをペアリング状態に移行させた後に、当該第1機器と当該第2機器とを連携させて所定のデータ処理の実行を開始させる。
通信制御部は、第1機器と第2機器との間で通信接続を確立させる場合に、この2つの機器のペアリング状態と、その他の第1機器またはその他の第2機器との組み合わせのペアリング状態を考慮して、通信接続を確立させるか否かを判断する。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0415】
また、通信システムは、所定の機能を提供するペリフェラル機器と連携して所定のデータ処理を実行するセントラル機器として機能するデータ処理装置である。
データ処理装置は、第1通信部と、制御部と、を備える。
第1通信部は、ペリフェラル機器が送信するアドバタイジング信号を検出し、このアドバタイジング信号が示す機能が自己の所望する機能である場合に、ペリフェラル機器との間で第1通信方式による通信接続を確立し、この通信接続を確立したペリフェラル機器との間で定期的に通信を行うことで通信接続を維持する第1通信方式による通信制御を行う。
制御部は、ペリフェラル機器と連携して所定のデータ処理を実行する。
第1通信部は、ペリフェラル機器とセントラル機器とが所定のデータ処理を実行可能な所定の動作状態にない場合であっても、定期的に通信を行うことで通信接続を維持する。
制御部は、所定の動作状態にない場合において、ペリフェラル機器とセントラル機器との間で第1通信部を介して所定の信号を送信することにより、所定の動作状態に移行させた後に、ペリフェラル機器と連携して所定のデータ処理の実行を開始させる。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0416】
また、通信システムは、所定の機能を提供するペリフェラル機器として機能し、当該機能を利用するセントラル機器と連携して所定のデータ処理を実行するデータ処理装置である。
データ処理装置は、第1通信部と、制御部と、を備える。
第1通信部は、いずれのセントラル機器とも通信接続を確立していない状態において、自己の存在および自己の提供する機能を他の機器に知らせる信号であるアドバタイジング信号を同報通信により送信し、このアドバタイジング信号に応答してきたセントラル機器との間で通信接続を確立し、この通信接続を確立したセントラル機器との間で定期的に通信を行うことで通信接続を維持する第1通信方式による通信制御を行う。
制御部は、セントラル機器と連携して所定のデータ処理を実行する。
第1通信部は、ペリフェラル機器とセントラル機器とが所定のデータ処理を実行可能な所定の動作状態にない場合であっても、定期的に通信を行うことで通信接続を維持する。
制御部は、所定の動作状態にない場合において、ペリフェラル機器とセントラル機器との間で第1通信部を介して所定の信号を送信することにより、所定の動作状態に移行させた後に、セントラル機器とを連携させて所定のデータ処理の実行を開始させる。
したがって、データ処理システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0417】
また、以上のように構成される通信システムでは、複数の装置間でデータをやり取りする。
また、通信システムでは、通信を行う装置間で、互いに通信先を登録するように構成する。
また、通信システムでは、所定情報を通信する所定の通信手続きを行って、互いに通信接続を確立した通信接続状態に移行し、通信接続状態において、所定間隔毎に断続的な定期通信を行い、定期通信が維持されている間は、通信接続状態が維持され、当該定期通信が途切れた場合に当該通信接続状態が解除され、通信接続状態が解除された状態において、再度、通信接続状態に移行するにあたり送信される所定情報の内容の変化状態と、登録した通信先の有無とに応じて、通信接続状態への移行の可否を制御する。
したがって、通信システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0418】
また、通信システムでは、一方の装置は、他方の装置のアドバタイジング信号を検出して、装置間における通信先の登録の状態及び当該アドバタイジング信号に含まれるデバイス名の変化状態に応じて接続の有無を制御する。
したがって、通信システムでは、通信システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0419】
また、通信システムでは、アプリケーションがバックグラウンドでデータ転送が可能に動作するように構成される。
また、通信システムでは、一方の装置から他方の装置へのデータ転送中に、当該他方の装置におけるアプリケーションのバックグラウンドでのデータ転送動作がOS(Operating System)の制御により中断される毎に、当該一方の装置から当該他方の装置におけるデータ転送を行っていたアプリケーションを起動して、中断されたデータ転送を再開する。
したがって、通信システムでは、通信システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0420】
また、通信システムでは、通信接続状態を所定のタイミングで監視する。
また、通信システムでは、監視を行う装置の電源がON状態かOFF状態かに応じて、通信接続状態の監視のインターバル時間を変化させる。
したがって、通信システムでは、通信システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0421】
また、通信システムでは、装置間において通信先が登録されている状態においては、一方の装置で通信のイベントが発生した場合に、他方の装置からの意図的な要求であったことを条件に、当該一方の装置の電源をONする。
したがって、通信システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0422】
また、通信システムでは、複数の異なる通信方式で通信を行うように構成する。
また、通信システムでは、第1の通信方式と、当該第1の通信方式とは異なる通信方式の第2の通信方式とを連携させることにより、一方の装置と他方の装置とを、相手側の装置からの操作で、所定の制御を行う。
したがって、通信システムでは、通信システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0423】
また、通信システムでは、第2の通信方式での通信を用いて、画像の送信要求をやりとりし、第1の通信方式での通信を用いて、画像送信を行う。
したがって、通信システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0424】
また、通信システムでは、第2の通信方式での通信の通信先が登録されている状態においては、第1の通信方式における通信の設定変更を禁止する。
したがって、通信システムでは、通信システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0425】
以上のように構成される通信装置は、ペアリング手段と、通信手段と、制御手段と、を備える。
通信制御部51(ペアリング手段)は、通信相手を登録する。
また、通信制御部51(通信手段)は、所定情報を通信する所定の通信手続きにより、登録した通信相手との通信接続を確立した通信接続状態に移行し、通信接続状態において、所定間隔毎に断続的な定期通信を行い、定期通信が維持されている間は、通信接続状態が維持され、当該定期通信が途切れた場合に通信接続状態が解除されるように通信を行うように第1通信部20−1を制御する。
また、通信制御部51(制御手段)は、通信接続状態が解除された状態において、再度、通信接続状態に移行するにあたり送信される所定情報の内容の変化状態と、登録した通信先の有無とに応じて、通信接続の可否を制御する。
したがって、撮像装置1(通信装置)では、通信システムでは、各々の制約下において、通信の特性またはOSの機能を有効活用し(または規約を満たし)、より効果的に複数の機器を連携して動作させることができる。
【0426】
なお、上述してきた実施形態の前提条件としては、以下のようなものがある。
・Wi−Fi通信は、1つの機器で同時に通信接続が可能な相手は複数台可能であり、複数のアプリがシェアしながらWi−Fi通信を利用する。例えば、カメラである撮像装置1のAPにPCやスマートフォンである携帯端末2を8台接続して同時にカメラである撮像装置1の画像を参照できる。
なお、本実施形態においては、スマートフォンである携帯端末2から同時に接続できるAP(カメラである撮像装置1)は1台のみとして構成される。
【0427】
・Wi−Fi通信において、各アプリは、バックグラウンドで実行されている状態ではデータ通信接続が維持される保証はない。
・これに対して、BLE通信は、1つの機器で同時に通信接続が可能な相手は複数台が可能である。詳細には、セントラルは複数のペリフェラルを接続できるが、ペリフェラルは1つのセントラルにしか接続できないように構成される。
また、BLE通信は、各アプリは自己専用の通信接続を独占できる。即ち、BLEの物理的な接続は1つであり、その物理的な接続をシェアして独自の論理的な接続を独占できる。
【0428】
・また、BLE通信において、各アプリは、バックグラウンドで実行されている場合であっても、所定の条件で通信接続を維持できる。
・所定の条件とは、通信接続を維持するために所定のインターバル間隔毎に行われる断続的な通信が継続していることである。
・この条件を満たさなくなる場合としては、例えば、機器間の距離が離れるなどにより電波状況が悪化した場合や、iOSが他のアプリにCPUパワーやメモリ領域を空け渡すために強制的にバックグラウンドでBLE通信を行っているアプリケーションの動作を中断する場合などがある。即ち、距離が離れた場合は物理的な接続が切断されるが、アプリの動作が中断された場合は、物理的な接続は維持され、論理的な接続によるデータ通信が中断される。
【0429】
・スマートフォンである携帯端末2は、本実施形態に関連しないアプリケーションソフトウェアを含めて複数のアプリケーションソフトウェアを実行可能である。
・スマートフォンである携帯端末2は、本実施形態に関連するアプリがバックグラウンドでWi−Fi通信を実行中に、本実施形態に関連しない他のアプリがフォアグラウンドでWi−Fi通信を開始すると、本実施形態に関連するアプリのWi−Fi通信は中断されてしまう場合がある。なお、アプリケーションがバックグラウンドでWi−Fi通信(データ通信)を実行中、他のアプリがフォアグラウンドでWi−Fi通信を開始した場合、バックグラウンドのアプリのWi−Fi通信が必ず中断されてしまう訳ではなく、例えば、iOSの場合には、制限時間内であれば、バックグラウンドでデータ通信を継続することが可能に構成される。
【0430】
・スマートフォンである携帯端末2は、本実施形態に関連するアプリケーションがバックグラウンドで、ペアリングされている相手とのBLE通信を行っている場合に、本実施形態に関連しない他のアプリケーションがフォアグラウンドで他の相手とBLE通信を開始することは無いように構成することもできる。なお、無関係なアプリケーションがBLE通信をすることは可能に構成される。
【0431】
・本実施形態でいう、Wi−Fi通信と比較した場合のBLE通信の常時接続性とは、2つの意味がある。
・1つは、所定の条件を満たしている間は、低消費電力状態であっても通信接続が維持されるという意味である。
・もう1つは、所定の条件を満たさなくなることにより通信接続が遮断された場合であっても、接続相手(ペアリングとは少し違う概念?)を変えない限りは、同じ相手と容易に再接続できるという意味である。
なお、一般的なBLEのペアリングはBLE接続の確立を指すが、カメラである撮像装置1のペアリングはBLE接続の確立に加えて、スマートフォンである携帯端末2のアプリケーションがカメラのBDアドレスを記録することと、Wi−Fi接続を一度は確立する(iOSの場合はWi−Fiプロファイルの登録)ことを含む。スマートフォンである携帯端末2のアプリケーションがBDアドレスを記憶することで、BLE切断後の再接続時に前に接続していたカメラと接続できるようになる。
【0432】
・スマートフォンである携帯端末2のOSは、上述した制約下で運用する、例えば、iOSのバージョン8を搭載している。
【0433】
・本実施形態においては、上述したような前提とするため、Wi−Fi通信では予め通信相手を固定的に登録(ペアリング)しておくことはできないように構成することができ、BLE通信においては、予め通信相手を固定的に登録(ペアリング)しておくように構成することができる。なお、消費電力を考慮しない場合には、Wi−Fiを常時接続させるように構成することができ、アプリケーションでWi−Fi接続する相手を記憶することように構成することができる。
BLE使用のメリットは、Wi−Fi接続時のユーザ操作を簡略化できることであり、SSIDとPWの入力を不要とし、カメラである撮像装置1とスマートフォンである携帯端末2のどちらか一方の操作でWi−Fi接続をすることができることにある。
【0434】
以上のように構成される実施形態においては、BLE通信は、低消費電力の通信を可能とするための動作として、ペリフェラル(カメラである撮像装置1)のアドバタイジング信号をセントラル(スマートフォンである携帯端末2)が検出して接続を開始し、接続を開始した後は、所定のインターバル時間毎に通信用の電源のONとOFFを繰り返しながら断続的な通信を行う。
このようなBLE通信の規約(制約)として、所定のインターバル時間毎の通信が継続している間は、通信の接続状態が維持されるが、何らかの要因で所定のインターバル時間毎の通信ができなくなった場合には、通信の接続状態が解除される。通信の接続状態が解除された場合、再接続するためには、再びペリフェラル(カメラである撮像装置1)のアドバタイジングとセントラル(スマートフォンである携帯端末2)のスキャンから始める必要がある。
ここで言う何らかの要因とは、例えば、機器間の距離が離れることで電波が弱くなったり、機器のOS(オペレーティングシステム)の制約によるものだったりなどがある。
OSの制約には、例えば、iOSの場合、各アプリは、バックグラウンド実行でBLEデバイスとの通信ができるが、他のアプリにCPUパワーやメモリを共有させるため、連続して動作可能な時間が制限されており、BLE通信の実行中であっても接続が中断されてしまう。
【0435】
このため、上述した実施形態では、例えば、iOSを前提とするものの場合には、複数の機器を連携して動作させる場合に、複数のアプリケーションソフトウェアを用いて、より効果的に連携動作を行わせることを目的としている。
また、上述した実施形態では、例えば、BLEを前提とするもの場合には、複数の機器を連携して動作させる場合に、低消費電力の通信を用いて、より効果的に連携動作を行わせることを目的としている。
【0436】
具体的には、上述した実施形態では、BLEとWi−Fiを連携させることにより、カメランである撮像装置1からスマートフォンである携帯端末2へ、スマートフォンである携帯端末2からカメランである撮像装置1へ、一方の操作だけで他方の起動や制御を行う。
【0437】
また、上述した実施形態では、BLE通信を用いて、画像の送信要求をやりとりし、Wi−Fi通信を用いて、実際の画像送信を行う。
【0438】
また、上述した実施形態では、カメランである撮像装置1で撮影するだけでスマートフォンである携帯端末2を介して撮影画像をクラウドアルバムに自動登録する場合に、スマートフォンである携帯端末2のOS種類に応じてアプリの動作を変化させる。
【0439】
また、上述した実施形態では、カメランである撮像装置1で撮影するだけでスマートフォンである携帯端末2を介して撮影画像をクラウドアルバムに自動登録する場合に、予めスマートフォンである携帯端末2側に設定しておいた条件でクラウドアルバムへの自動登録ができる。
【0440】
また、上述した実施形態では、スマートフォンである携帯端末2は、バックグラウンドで起動中のアプリは他のアプリと連携できないので、カメランである撮像装置1を介してBLEにより他のアプリを起動する。
【0441】
また、上述した実施形態では、カメランである撮像装置1で撮影するだけでスマートフォンである携帯端末2を介して撮影画像をクラウドアルバムに自動登録する場合に、事前に登録すべきアルバムをカメランである撮像装置1側で選択し、この選択情報をスマートフォンである携帯端末2に記憶しておく。
【0442】
また、上述した実施形態では、スマートフォンである携帯端末2は、カメランである撮像装置1のアドバタイジング信号を検出してBLE接続(再接続)を行う場合に、ペアリング状態およびアドバタイジング信号に含まれるデバイス名の変化状態に応じて接続の有無を制御する。
【0443】
また、上述した実施形態では、カメランである撮像装置1からスマートフォンである携帯端末2へのデータ転送中に、アプリケーションのバックグラウンド動作がiOSの制御により中断される毎に、カメランである撮像装置1からBLEによりアプリケーションを再度起動して、中断されたデータ転送を再開する。
【0444】
また、上述した実施形態では、カメランである撮像装置1は、自己の電源がON状態かOFF状態かに応じて、BLEの接続監視のインターバル時間を変化させる。
【0445】
また、上述した実施形態では、カメランである撮像装置1は、BLEのペアリングが確立された状態では、Wi−Fiの設定変更を禁止する。
【0446】
また、上述した実施形態では、カメランである撮像装置1は、BLEのペアリングが確立された状態で、BLEのイベントが発生した場合に、スマートフォンである携帯端末2からの意図的な要求であったことを条件にカメランである撮像装置1の電源をONする。
【0447】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0448】
また、上述の実施形態では、外部機器は、スマートフォンで構成される携帯端末2として説明したが、これに限られず、例えば、タブレット端末、PC(Personal Computer)、他のデジタルカメラ等の電子機器、或いはサーバでもよい。また、通信方式は近距離型通信のNFC(Near Field Communication)、公衆回線等他の無線通信でも、更に有線でもよく、送信先は複数でも、インターネット等のネットワークを介してもよい。
【0449】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される撮像装置1は、デジタルカメラ、携帯端末2はスマートフォンを例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、上述した処理機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0450】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0451】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される
図3のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu−ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図3のROM12や、
図3の記憶部19に含まれるハードディスク等で構成される。
【0452】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0453】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0454】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
所定の機能を提供する機器であるペリフェラル機器と、このペリフェラル機器の提供する機能を利用する機器であるセントラル機器とが連携して所定のデータ処理を実行するデータ処理システムであって、
前記ペリフェラル機器は、
いずれのセントラル機器とも通信接続を確立していない状態において、自己の存在および自己の提供する機能を他の機器に知らせる信号であるアドバタイジング信号を同報通信により送信し、このアドバタイジング信号に応答してきたセントラル機器との間で通信接続を確立し、この通信接続を確立したセントラル機器との間で定期的に通信を行うことで通信接続を維持する第1通信方式による通信制御を行う第1通信部と、
前記セントラル機器と連携して前記所定のデータ処理を実行する制御部と、
を備え、
前記セントラル機器は、
前記ペリフェラル機器が送信するアドバタイジング信号を検出し、このアドバタイジング信号が示す機能が自己の所望する機能である場合に、前記ペリフェラル機器との間で第1通信方式による通信接続を確立し、この通信接続を確立したペリフェラル機器との間で定期的に通信を行うことで通信接続を維持する前記第1通信方式による通信制御を行う第1通信部と、
前記ペリフェラル機器と連携して前記所定のデータ処理を実行する制御部と、
を備え、
前記ペリフェラル機器の前記第1通信部と、前記セントラル機器の前記第1通信部は、
前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器とが前記所定のデータ処理を実行可能な所定の動作状態にない場合であっても、定期的に通信を行うことで通信接続を維持し、
前記ペリフェラル機器の前記制御部と、前記セントラル機器の前記制御部は、
前記所定の動作状態にない場合において、前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器との間で前記第1通信部を介して所定の信号を送受信することにより前記所定の動作状態に移行させた後に、前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器とを連携させて前記所定のデータ処理の実行を開始させる、
ことを特徴とするデータ処理システム。
[付記2]
前記ペリフェラル機器の前記制御部と、前記セントラル機器の前記制御部は、
前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器のいずれか一方が前記所定の動作状態にない場合において、前記所定の動作状態にある機器から前記所定の動作状態にない機器に対して前記第1通信部を介して所定の信号を送受信することにより前記所定の動作状態にない機器を前記所定の動作状態に移行させる、
ことを特徴とする付記1に記載のデータ処理システム。
[付記3]
前記ペリフェラル機器の前記制御部と、前記セントラル機器の前記制御部は、
任意のペリフェラル機器と任意のセントラル機器とを互いに組み合わされた状態であるペアリング状態に移行させ、
前記ペアリング状態に移行した前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器との間で前記第1通信部による通信接続を確立させ、 前記ペアリング状態に移行した前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器とを連携させて前記所定のデータ処理を実行する、
ことを特徴とする付記1または2に記載のデータ処理システム。
[付記4]
前記ペリフェラル機器の前記制御部と、前記セントラル機器の前記制御部は、
前記ペアリング状態にない前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器との間で通信接続を確立させる場合には、この2つの機器を新規にペアリング状態に移行させるためのユーザ操作が行われたことを条件として通信接続を確立させるように前記第1通信部を制御し、前記ペアリング状態にある前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器との間で通信接続を確立させる場合には、ユーザ操作を行うことなく自動的に通信接続を確立させるように前記第1通信部を制御する、
ことを特徴とする付記3に記載のデータ処理システム。
[付記5]
前記ペリフェラル機器の前記制御部と、前記セントラル機器の前記制御部は、
前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器との間で通信接続を確立させる場合に、この2つの機器のペアリング状態と、その他の前記ペリフェラル機器またはその他の前記セントラル機器との組み合わせのペアリング状態を考慮して、通信接続を確立させるか否かを判断する、
ことを特徴とする付記3または4に記載のデータ処理システム。
[付記6]
前記ペリフェラル機器の前記制御部は、
前記アドバタイジング信号を送信する際に、前記ペアリング状態に応じて前記アドバタイジング信号の一部の状態を変化させるように前記第1通信部を制御し、
前記セントラル機器の前記制御部は、
前記ペアリング状態と、前記ペリフェラル機器から受信した前記アドバタイジング信号の一部の変化状態に応じて当該ペリフェラル機器との間で通信接続を確立するか否かを決定するように前記第1通信部を制御する、
ことを特徴とする付記5に記載のデータ処理システム。
[付記7]
前記ペリフェラル機器の前記制御部は、
前記アドバタイジング信号を送信する際に、いずれのセントラル機器とも前記ペアリング状態にない場合には、前記アドバタイジング信号の一部が第1状態である第1アドバタイジング信号を送信し、いずれかのセントラル機器との間で前記ペアリング状態にある場合には、前記アドバタイジング信号の一部が前記第1状態とは異なる第2状態である第2アドバタイジング信号を送信するように前記第1通信部を制御し、
前記セントラル機器の前記制御部は、
前記ペアリング状態にないペリフェラル機器から前記第1アドバタイジング信号を受信した場合には、当該ペリフェラル機器との間で通信接続を確立するように前記第1通信部を制御し、
前記ペアリング状態にないペリフェラル機器から前記第2アドバタイジング信号を受信した場合には、当該ペリフェラル機器との間で通信接続を確立しないように前記第1通信部を制御し、
前記ペアリング状態にあるペリフェラル機器から前記第1アドバタイジング信号を受信した場合には、当該ペリフェラル機器との間で通信接続を確立しないように前記第1通信部を制御し、
前記ペアリング状態にあるペリフェラル機器から前記第2アドバタイジング信号を受信した場合には、当該ペリフェラル機器との間で通信接続を確立するように前記第1通信部を制御する、
ことを特徴とする付記6に記載のデータ処理システム。
[付記8]
前記ペリフェラル機器の前記制御部と、前記セントラル機器の前記制御部は、
前記所定のデータ処理の実行中に、前記第1通信部による通信接続が切断された場合には、ユーザ操作を行うことなく自動的に切断された通信接続を再度確立させるように前記第1通信部を制御する、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載のデータ処理システム。
[付記9]
前記ペリフェラル機器の前記制御部は、
切断された通信接続を再度確立させる場合は、前記アドバタイジング信号の一部を変化させた第2アドバタイジング信号を送信するように前記第1通信部を制御し、
前記セントラル機器の前記制御部は、
切断された通信接続を再度確立させる場合は、前記第2アドバタイジング信号を受信したことを条件として通信接続を確立するように前記第1通信部を制御する、
ことを特徴とする付記8に記載のデータ処理システム。
[付記10]
前記ペリフェラル機器は、撮影機能を有する撮像装置であり、
前記セントラル機器は、画像の管理機能を有する情報端末であり、
前記所定のデータ処理は、前記撮像装置により撮像された画像を前記情報端末に送信し、この送信された画像を前記情報端末で管理させる処理である、
ことを特徴とする付記1乃至9のいずれかに記載のデータ処理システム。
[付記11]
前記情報端末の前記制御部は、
前記第1通信部による通信接続を維持した状態で、前記所定のデータ処理の実行に必要な画像管理プログラムを一時的に実行を停止した実行停止状態に移行させ、
前記撮像装置から前記第1通信部を介して所定の信号を受信した場合に、前記実行停止状態にある前記画像管理プログラムを実行状態に移行させ、
前記実行状態に移行した前記画像管理プログラムにより、前記撮像装置から送信される画像を受信して管理する処理を実行する、
ことを特徴とする付記10に記載のデータ処理システム。
[付記12]
前記撮像装置の前記制御部は、
撮影を行った際に、自動送信モードが設定されている場合は、前記情報端末に対して前記第1通信部を介して所定の信号を送信し、
前記情報端末が前記画像管理プログラムを前記実行状態に移行させた後に、撮影した画像を自動的に前記情報端末に送信する処理を実行する、
ことを特徴とする付記11に記載のデータ処理システム。
[付記13]
前記ペリフェラル機器は、撮影機能を有する撮像装置であり、
前記セントラル機器は、操作機能および表示機能を有する情報端末であり、
前記所定のデータ処理は、前記情報端末の操作に応じて前記撮像装置の撮影機能を遠隔操作する処理である、
ことを特徴とする付記1乃至9のいずれかに記載のデータ処理システム。
[付記14]
前記撮像装置の前記制御部は、
前記第1通信部による通信接続を維持した状態で、電源をオフ状態に移行させ、
前記情報端末から前記第1通信部を介して所定の信号を受信した場合に、電源をオン状態に移行させ、
電源をオン状態に移行した状態で前記情報端末からの遠隔操作に応じて撮影機能に関する処理を実行する、
ことを特徴とする付記13に記載のデータ処理システム。
[付記15]
前記情報端末の前記制御部は、
遠隔操作モードが設定されている状態でユーザ操作があった場合は、前記撮像装置に対して前記第1通信部を介して所定の信号を送信し、
前記撮像装置の電源をオン状態に移行させた後に、前記撮像装置の撮影機能を遠隔操作する処理を実行する、
ことを特徴とする付記14に記載のデータ処理システム。
[付記16]
前記情報端末の前記制御部は、
前記撮像装置に対して前記第1通信部を介して起動時の動作モードを指定する所定の信号を送信し、
前記撮像装置の前記制御部は、
前記情報端末から前記第1通信部を介して起動時の動作モードを指定する所定の信号を受信した場合に、電源をオン状態に移行させるとともに指定された動作モードに移行させる、
ことを特徴とする付記14または15に記載のデータ処理システム。
[付記17]
前記ペリフェラル機器と、前記セントラル機器は、
前記第1通信方式よりも高速のデータ通信が行えるが、前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器とが前記所定の動作状態にない場合には通信ができない第2通信方式による通信制御を行う第2通信部を更に備え、
前記所定のデータ処理は、前記第2通信部を介して前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器との間で前記第2通信方式によるデータ通信を行う処理である、
ことを特徴とする付記1乃至16のいずれかに記載のデータ処理システム。
[付記18]
前記第1通信部は、前記第2通信部よりも通信接続を維持するための省電力が低い、
ことを特徴とする付記17に記載のデータ処理装置。
[付記19]
前記ペリフェラル機器の前記制御部と、前記セントラル機器の前記制御部は、
前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器のうち、前記第2通信部によるデータ通信ができる動作状態にない機器に対して、前記第1通信部を介して所定の信号を送信することにより、前記第2通信部によるデータ通信ができる動作状態に移行させた後に、前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器との間で前記第2通信部によるデータ通信を開始させる、
ことを特徴とする付記17または18に記載のデータ処理装置。
[付記20]
前記第2通信方式は、任意の機器との間で通信接続を確立させるために必要な接続情報を設定し、この設定された接続情報を用いて通信接続を確立させ、
前記ペリフェラル機器の前記制御部は、
前記第1通信部による通信接続を確立した状態では、前記接続情報の設定変更を禁止する、
ことを特徴とする付記17乃至19のいずれかに記載のデータ処理システム。
[付記21]
前記撮像装置の前記制御部は、
前記第1通信部を介して信号を受信した場合に、ペアリング状態にある前記情報端末からの意図的な起動要求信号であったことを条件に電源をオン状態に移行させる、
ことを特徴とする付記14に記載のデータ処理システム。
[付記22]
前記ペリフェラル機器の前記制御部と、前記セントラル機器の前記制御部は、
前記所定のデータ処理の実行中に、前記ペリフェラル機器または前記セントラル機器のいずれかが前記所定の動作状態ではなくなったことに起因して前記所定のデータ処理の実行が中断された場合に、前記所定の動作状態にある機器から前記所定の動作状態ではなくなった機器に対して、前記第1通信部を介して所定の信号を送信することにより、前記所定の動作状態にない機器を前記所定の動作状態に移行させた後に、中断されている前記所定のデータ処理の実行を再開させる、
ことを特徴とする付記1乃至21のいずれかに記載のデータ処理システム。
[付記23]
前記情報端末の前記制御部は、
前記第1通信部による通信接続を維持した状態で、前記画像管理プログラムをバックグラウンドで実行させ、オペレーティングシステムで規定されたバックグラウンド実行の制限時間を越えて前記画像管理プログラムを連続的に実行させた場合に、前記画像管理プログラムを実行停止状態に移行させ、
前記撮像装置の前記制御部は、
前記所定のデータ処理の実行中に、前記情報端末が、オペレーティングシステムによるバックグラウンド実行の時間制限により前記画像管理プログラムを実行停止状態に移行させたことに起因して前記所定のデータ処理の実行が中断される毎に、前記第1通信部を介して所定の信号を送信して実行停止状態にある前記画像管理プログラムを実行状態に移行させて、中断されている前記所定のデータ処理の実行を再開させる、
ことを特徴とする付記11または12に記載のデータ処理システム。
[付記24]
前記所定の動作状態とは、電源がオン状態であり、かつ、前記所定のデータ処理を実行するためのプログラムが動作しており、かつ、前記第2通信部による前記第2通信方式による通信が可能な状態である、
ことを特徴とする付記1乃至23のいずれかに記載のデータ処理システム。
[付記25]
前記ペリフェラル機器は、
自己の電源がオン状態かオフ状態かに応じて、前記第1通信部によって通信接続が維持されているか否かを監視するインターバル時間を変化させる、
ことを特徴とする付記1乃至24のいずれかに記載のデータ処理システム。
[付記26]
前記第1通信方式は、BLE(Bluetooth Low Energy)規格に基づく無線通信である、
ことを特徴とする付記1乃至25のいずれかに記載のデータ処理システム。
[付記27]
所定の機能を提供する第1機器と、この第1機器の提供する機能を利用する第2機器とが連携して所定のデータ処理を実行するデータ処理システムであって、
前記第1機器と前記第2機器とが連携して前記所定のデータ処理を実行する実行部と、
前記第1機器と前記第2機器との間で通信接続を確立し、この通信接続を確立した前記第1機器と前記第2機器とが前記所定のデータ処理を実行可能な所定の動作状態にない場合であっても、当該第1機器と当該第2機器との間で通信接続を維持する通信制御部と、
前記第1機器と前記第2機器とを互いに組み合わされた状態であるペアリング状態に移行させるペアリング部と、
前記ペアリング状態に移行した前記第1機器と前記第2機器とが前記所定の動作状態にない場合において、当該第1機器と当該第2機器との間で前記通信制御部により所定の信号を送受信することにより前記所定の動作状態に移行させる制御部と、
を備え、
前記実行部は、前記第1機器と前記第2機器とをペアリング状態に移行させた後に、当該第1機器と当該第2機器とを連携させて前記所定のデータ処理の実行を開始させ、
前記通信制御部は、前記第1機器と前記第2機器との間で通信接続を確立させる場合に、この2つの機器のペアリング状態と、その他の前記第1機器またはその他の前記第2機器との組み合わせのペアリング状態を考慮して、通信接続を確立させるか否かを判断する、
ことを特徴とするデータ処理システム。
[付記28]
所定の機能を提供するペリフェラル機器と連携して所定のデータ処理を実行するセントラル機器として機能するデータ処理装置であって、
前記ペリフェラル機器が送信するアドバタイジング信号を検出し、このアドバタイジング信号が示す機能が自己の所望する機能である場合に、前記ペリフェラル機器との間で第1通信方式による通信接続を確立し、この通信接続を確立したペリフェラル機器との間で定期的に通信を行うことで通信接続を維持する前記第1通信方式による通信制御を行う第1通信部と、
前記ペリフェラル機器と連携して前記所定のデータ処理を実行する制御部と、
を備え、
前記第1通信部は、
前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器とが前記所定のデータ処理を実行可能な所定の動作状態にない場合であっても、定期的に通信を行うことで通信接続を維持し、
前記制御部は、
前記所定の動作状態にない場合において、前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器との間で前記第1通信部を介して所定の信号を送信することにより、前記所定の動作状態に移行させた後に、前記ペリフェラル機器と連携して前記所定のデータ処理の実行を開始させる、
ことを特徴とするデータ処理装置。
[付記29]
所定の機能を提供するペリフェラル機器として機能し、当該機能を利用するセントラル機器と連携して所定のデータ処理を実行するデータ処理装置であって、
いずれのセントラル機器とも通信接続を確立していない状態において、自己の存在および自己の提供する機能を他の機器に知らせる信号であるアドバタイジング信号を同報通信により送信し、このアドバタイジング信号に応答してきたセントラル機器との間で通信接続を確立し、この通信接続を確立したセントラル機器との間で定期的に通信を行うことで通信接続を維持する第1通信方式による通信制御を行う第1通信部と、
前記セントラル機器と連携して前記所定のデータ処理を実行する制御部と、
を備え、
前記第1通信部は、
前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器とが前記所定のデータ処理を実行可能な所定の動作状態にない場合であっても、定期的に通信を行うことで通信接続を維持し、
前記制御部は、
前記所定の動作状態にない場合において、前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器との間で前記第1通信部を介して所定の信号を送信することにより、前記所定の動作状態に移行させた後に、前記セントラル機器とを連携させて前記所定のデータ処理の実行を開始させる、
ことを特徴とするデータ処理装置。
[付記30]
所定の機能を提供する機器であるペリフェラル機器と、このペリフェラル機器の提供する機能を利用する機器であるセントラル機器とが連携して所定のデータ処理を実行するデータ処理システムで実行されるデータ処理方法であって、
前記ペリフェラル機器では、
いずれのセントラル機器とも通信接続を確立していない状態において、自己の存在および自己の提供する機能を他の機器に知らせる信号であるアドバタイジング信号を同報通信により送信し、このアドバタイジング信号に応答してきたセントラル機器との間で通信接続を確立し、この通信接続を確立したセントラル機器との間で定期的に通信を行うことで通信接続を維持する第1通信方式による通信制御を行う第1通ステップと、 前記セントラル機器と連携して前記所定のデータ処理を実行する制御ステップと、
を含み、
前記セントラル機器では、
前記ペリフェラル機器が送信するアドバタイジング信号を検出し、このアドバタイジング信号が示す機能が自己の所望する機能である場合に、前記ペリフェラル機器との間で第1通信方式による通信接続を確立し、この通信接続を確立したペリフェラル機器との間で定期的に通信を行うことで通信接続を維持する前記第1通信方式による通信制御を行う第1通信ステップと、
前記ペリフェラル機器と連携して前記所定のデータ処理を実行する制御ステップと、
を含み、
前記ペリフェラル機器での前記第1通信ステップと、前記セントラル機器の前記第1通信ステップは、
前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器とが前記所定のデータ処理を実行可能な所定の動作状態にない場合であっても、定期的に通信を行うことで通信接続を維持し、
前記ペリフェラル機器での前記制御ステップと、前記セントラル機器での前記制御ステップは、
前記所定の動作状態にない場合において、前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器との間で前記第1通信部を介して所定の信号を送受信することにより前記所定の動作状態に移行させた後に、前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器とを連携させて前記所定のデータ処理の実行を開始させる、
ことを特徴とするデータ処理方法。
[付記31]
所定の機能を提供する第1機器と、この第1機器の提供する機能を利用する第2機器とが連携して所定のデータ処理を実行するデータ処理システムで実行されるデータ処理方法であって、
前記第1機器と前記第2機器とが連携して前記所定のデータ処理を実行する実行ステップと、
前記第1機器と前記第2機器との間で通信接続を確立し、この通信接続を確立した前記第1機器と前記第2機器とが前記所定のデータ処理を実行可能な所定の動作状態にない場合であっても、当該第1機器と当該第2機器との間で通信接続を維持する通信制御ステップと、
前記第1機器と前記第2機器とを互いに組み合わされた状態であるペアリング状態に移行させるペアリングステップと、
前記ペアリング状態に移行した前記第1機器と前記第2機器とが前記所定の動作状態にない場合において、当該第1機器と当該第2機器との間で前記通信制御ステップにより所定の信号を送受信することにより前記所定の動作状態に移行させる制御ステップと、
を含む、
前記実行ステップは、前記第1機器と前記第2機器とをペアリング状態に移行させた後に、当該第1機器と当該第2機器とを連携させて前記所定のデータ処理の実行を開始させ、
前記通信制御ステップは、前記第1機器と前記第2機器との間で通信接続を確立させる場合に、この2つの機器のペアリング状態と、その他の前記第1機器またはその他の前記第2機器との組み合わせのペアリング状態を考慮して、通信接続を確立させるか否かを判断する、
ことを特徴とするデータ処理方法。
[付記32]
所定の機能を提供するペリフェラル機器と連携して所定のデータ処理を実行するセントラル機器として機能するデータ処理装置を制御するコンピュータに、
前記ペリフェラル機器が送信するアドバタイジング信号を検出し、このアドバタイジング信号が示す機能が自己の所望する機能である場合に、前記ペリフェラル機器との間で第1通信方式による通信接続を確立し、この通信接続を確立したペリフェラル機器との間で定期的に通信を行うことで通信接続を維持する前記第1通信方式による通信制御を行う第1通信機能と、
前記ペリフェラル機器と連携して前記所定のデータ処理を実行する制御機能と、
を実行させ、
前記第1通信機能では、
前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器とが前記所定のデータ処理を実行可能な所定の動作状態にない場合であっても、定期的に通信を行うことで通信接続を維持し、
前記制御機能では、
前記所定の動作状態にない場合において、前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器との間で前記第1通信部を介して所定の信号を送信することにより、前記所定の動作状態に移行させた後に、前記ペリフェラル機器と連携して前記所定のデータ処理の実行を開始させる、
ことを特徴とするプログラム。
[付記33]
所定の機能を提供するペリフェラル機器として機能し、当該機能を利用するセントラル機器と連携して所定のデータ処理を実行するデータ処理装置を制御するコンピュータに、
いずれのセントラル機器とも通信接続を確立していない状態において、自己の存在および自己の提供する機能を他の機器に知らせる信号であるアドバタイジング信号を同報通信により送信し、このアドバタイジング信号に応答してきたセントラル機器との間で通信接続を確立し、この通信接続を確立したセントラル機器との間で定期的に通信を行うことで通信接続を維持する第1通信方式による通信制御を行う第1通信機能と、
前記セントラル機器と連携して前記所定のデータ処理を実行する制御機能と、
を実行させ、
前記第1通信機能では、
前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器とが前記所定のデータ処理を実行可能な所定の動作状態にない場合であっても、定期的に通信を行うことで通信接続を維持し、
前記制御機能では、
前記所定の動作状態にない場合において、前記ペリフェラル機器と前記セントラル機器との間で前記第1通信部を介して所定の信号を送信することにより、前記所定の動作状態に移行させた後に、前記セントラル機器とを連携させて前記所定のデータ処理の実行を開始させる、
ことを特徴とするプログラム。
[付記34]
複数の装置間でデータをやり取りするデータ処理システムであって、
通信を行う装置間で、互いに通信先を登録するように構成し、
所定情報を通信する所定の通信手続きを行って、互いに通信接続を確立した通信接続状態に移行し、
前記通信接続状態において、所定間隔毎に断続的な定期通信を行い、
前記定期通信が維持されている間は、前記通信接続状態が維持され、当該定期通信が途切れた場合に当該通信接続状態が解除され、
前記通信接続状態が解除された状態において、再度、前記通信接続状態に移行するにあたり送信される前記所定情報の内容の変化状態と、前記登録した通信先の有無とに応じて、前記通信接続状態への移行の可否を制御する、
ことを特徴とするデータ処理システム。
[付記35]
一方の装置は、他方の装置のアドバタイジング信号を検出して、装置間における前記通信先の登録の状態及び当該アドバタイジング信号に含まれるデバイス名の変化状態に応じて接続の有無を制御する、
ことを特徴とする付記34に記載のデータ処理システム。
[付記36]
アプリケーションがバックグラウンドでデータ転送が可能に動作するように構成され、
一方の装置から他方の装置へのデータ転送中に、当該他方の装置におけるアプリケーションのバックグラウンドでのデータ転送動作がOS(Operating System)の制御により中断される毎に、当該一方の装置から当該他方の装置における前記データ転送を行っていたアプリケーションを起動して、中断されたデータ転送を再開する、
ことを特徴とする付記34又は35に記載のデータ処理システム。
[付記37]
複数の異なる通信方式で通信を行うように構成し、
第1の通信方式と、当該第1の通信方式とは異なる通信方式の第2の通信方式とを連携させることにより、一方の装置と他方の装置とを、相手側の装置からの操作で、所定の制御を行う、
ことを特徴とする付記34乃至36の何れか1つに記載のデータ処理システム。
[付記38]
前記第2の通信方式での通信を用いて、画像の送信要求をやりとりし、前記第1の通信方式での通信を用いて、画像送信を行う、
ことを特徴とする付記39に記載のデータ処理システム。
[付記39]
通信相手を登録するペアリング手段と、
所定情報を通信する所定の通信手続きにより、前記登録した通信相手との通信接続を確立した通信接続状態に移行し、
前記通信接続状態において、所定間隔毎に断続的な定期通信を行い、
前記定期通信が維持されている間は、前記通信接続状態が維持され、当該定期通信が途切れた場合に前記通信接続状態が解除されるように通信を行う通信手段と、
前記通信接続状態が解除された状態において、再度、前記通信接続状態に移行するにあたり送信される前記所定情報の内容の変化状態と、登録した通信先の有無とに応じて、通信接続の可否を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするデータ処理装置。
[付記40]
複数の装置間でデータをやり取りするデータ処理システムで実行されるデータ処理方法あって、
通信を行う装置間で、互いに通信先を登録するように構成し、
所定情報を通信する所定の通信手続きを行って、互いに通信接続を確立した通信接続状態に移行する処理と、
前記通信接続状態において、所定間隔毎に断続的な定期通信を行う処理と、
前記定期通信が維持されている間は、前記通信接続状態が維持され、当該定期通信が途切れた場合に当該通信接続状態が解除され、前記通信接続状態が解除された状態において、再度、前記通信接続状態に移行するにあたり送信される前記所定情報の内容の変化状態と、前記登録した通信先の有無とに応じて、前記通信接続状態への移行の可否を制御する処理と、
を含むことを特徴とするデータ処理方法。
[付記41]
複数の装置間でデータをやり取りするデータ処理システムを制御するコンピュータに、
通信を行う装置間で、互いに通信先を登録するように構成し、
所定情報を通信する所定の通信手続きを行って、互いに通信接続を確立した通信接続状態に移行する処理と、
前記通信接続状態において、所定間隔毎に断続的な定期通信を行う処理と、
前記定期通信が維持されている間は、前記通信接続状態が維持され、当該定期通信が途切れた場合に当該通信接続状態が解除され、前記通信接続状態が解除された状態において、再度、前記通信接続状態に移行するにあたり送信される前記所定情報の内容の変化状態と、前記登録した通信先の有無とに応じて、前記通信接続状態への移行の可否を制御する処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。