【実施例】
【0013】
実施例に係る商品情報表示補助具につき、
図1から
図6を参照して説明する。以下、
図3の画面左側を商品情報表示補助具の正面側(前方側)とし、正面側から見て左右側を商品情報表示補助具の左右側として説明する。
【0014】
図1に示されるように、主にスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の商品売場には、上方に開口部を有する箱状のショーケース10が設置されている。このショーケース10は、近年の省エネルギー化に伴い、庫内温度の上昇を防いで消費電力を削減するために上方の開口部を開閉自在にするスライド扉10a,10a,…が設けられている。詳しくは、このショーケース10は、上方に開口部を有する断面視コ字状の箱体10fと、箱体10fの前後側壁部の上端に架設される複数のフレーム10g,10g,…と、を備えている。箱体10fは、その前後中央に上下に延びる仕切部10cが設けられており、これにより箱体10f内における仕切部10cを挟んだ前後に商品12,12,…を収容・陳列する商品陳列部10d,10d(以下、単に陳列部10d,10dという)が形成されている。
【0015】
また、左右に隣接するフレーム10g,10g間には、その前後中央部に固定される固定板10bと、固定板10bの前後にそれぞれ設けられるスライド扉10a,10aと、が設けられており、スライド扉10a,10aを前後にスライドさせることにより、ショーケース10の前後の開口部を開閉できるようになっている。また、スライド扉10aの開放時には、該スライド扉10aを固定板10bの下方に格納することができ、ショーケース10の上方の空間を有効利用できるようになっている。また、スライド扉10a,10a,…及び固定板10b,10b,…をガラス製にすることで前後の陳列部10d,10dに陳列される商品12,12,…や、仕切部10cの正面側及び背面側上方にそれぞれ設けられた商品12,12,…の情報表示を行うプライスカードレール10e,10eをスライド扉10a,10a,…及び固定板10b,10b,…を介して上方から視認できるようになっている。
【0016】
ここで、ショーケース10においては、商品12,12,…の情報表示を行うためのプライスカードレール10e,10eがショーケース10内に設けられているものの、ショーケース10から遠くに離れた位置からでは商品12,12,…の情報表示が見え難く、ショーケース10内に陳列された商品の訴求効果が低くなっていた。
【0017】
図1に示されるように、商品情報表示補助具1は、ショーケース10の上面中央に設けられた固定板10b上(設置面)に載置され、ショーケース10の上方で商品説明カードやプライスカード等のPOP表示を行うことで、ショーケース10内に陳列された商品の訴求効果を上げるために用いられるものである。
【0018】
次いで、商品情報表示補助具1の構造について説明する。
図2に示されるように、商品情報表示補助具1は、上方に設けられ左右方向に延びる長尺体である商品情報表示部材2と、該商品情報表示部材2の直下に左右方向に所定間隔離して配置され商品情報表示部材2を支持する一対の脚部材3,3と、から主に構成され、門型を成している。尚、脚部材3,3の構造は、同一構成であるため、一方の脚部材3のみ説明して、他方の説明を省略する。
【0019】
図1ないし
図3に示されるように、商品情報表示部材2は、押し出し成形により製造されており、商品情報表示部材2内には、商品情報表示部材2の長手方向に沿って左右方向に連通する上部空間S1,S1及び下部空間S2が形成されている。商品情報表示部材2の上面前縁及び後縁には、上方に開口し且つ左右方向に延びるプライスカードレール2a,2aがそれぞれ形成されており、該プライスカードレール2a,2aには、商品説明カードやプライスカード等が挟み込まれたカードホルダ11,11,…の一部を嵌挿可能になっている。プライスカードレール2aの内部には、カードホルダ11またはカードホルダ11’の端部を保持する突起部2bが形成されている。
図3の右側のプライスカードレール2aに示されるように、突起部2bの前後いずれかにカードホルダ11’の下端部を配置することでカードホルダ11’の保持角度を変更可能となっているため、商品情報表示補助具1の設置場所に合わせて視認しやすい角度で商品12,12,…の情報表示を行うことができる。
【0020】
また、商品情報表示部材2の上面に設けられる物品載置面2cには、載置型の商品情報表示具(図示省略)等が載置可能であり、商品情報表示補助具1の設置場所に合わせて効果的なPOP表示を選択可能な構成となっている。尚、物品載置面2cには、商品やサンプル等が載置されてもよい。
【0021】
また、商品情報表示部材2の左右両端部には、エンドキャップ8,8がそれぞれ嵌挿されている。詳しくは、エンドキャップ8は、商品情報表示部材2の端部を閉塞する閉塞板部8aと、閉塞板部8aから左右方向に突出する下部突出部8b及び上部突出部8d,8dと、を備えている。下部突出部8bを下部空間S2に、上部突出部8d,8dを上部空間S1,S1に、それぞれ商品情報表示部材2の側方からその内部に挿入することにより商品情報表示部材2の端部に装着される。エンドキャップ8,8が商品情報表示部材2の端部に装着された状態にあっては、商品情報表示部材2の左右両端部から内部構造が目隠しされ美観を高めることができる。
【0022】
次に、脚部材3,3の構造を説明する。尚、脚部材3,3の構造は、同一構成であるため、一方の脚部材3のみ説明して、他方の説明を省略する。
図1及び
図2に示されるように、商品情報表示部材2を支持する脚部材3は、ショーケース10の固定板10bに載置される基台4と、該基台4と商品情報表示部材2との間に連結される円筒形の支持部材5と、から構成されている。
【0023】
基台4の固定部4aは、前後方向に長い小判型をしているため、前後方向への応力に対して脚部材3を安定して自立させることができる。また、商品情報表示補助具1は、商品情報表示部材2が一対の脚部材3,3によって支持されているため、前後方向及び左右方向への応力に対して強度を持たせ、安定して自立させることができる。尚、基台4の固定部4aは、前後方向に長い小判型に限らず、長方形等、脚部材3を安定して自立させることができる形状であればよい。さらに尚、脚部材3をショーケース10の固定板10bに固定させる場合には、例えば、ショーケース10の固定板10bと固定部4aとの間に両面テープやジェルシート等を用いた粘着層を設けることやボルト・ナットの締付等により、脚部材3をショーケース10の固定板10bに固定できる。
【0024】
図3及び
図4に示されるように、支持部材5は、上下方向に複数分割された円筒形の分割体6,6を有し、分割体6,6は互いに着脱可能となっている。これによれば、分割体6を複数用意しておけば、支持部材5を構成する分割体6,6,…の数量の足し引きによって商品情報表示部材2の高さ位置を調整できるため、商品情報表示部材2の高さ調整の自由度が高い。さらに、商品情報表示部材2の重量が分割体6,6,…同士が上下の重なる方向にかかるので、分割体6,6,…の形状強度を利用して商品情報表示部材2の高さ位置を確実に保つことができる。
【0025】
また、商品情報表示補助具1は、商品情報表示部材2の高さ位置の調整自由度が高いため、商品情報表示補助具1がショーケース10の上面中央の固定板10bに載置された状態で遠くから商品12,12,…の情報表示が見えるように商品情報表示部材2の高さ位置を調整することや、ショーケース10の固定板10bと商品情報表示部材2及び脚部材3,3により形成される矩形状の空間を介して、商品情報表示補助具1を挟んで反対側のショーケース10内に陳列された商品が見えるように商品情報表示部材2の高さ位置を調整することができる。
【0026】
次いで、分割体6,6の構造について説明する。尚、分割体6,6の構造は、同一構成であるため、一方の分割体6のみ説明して、他方の分割体6の説明を省略する。
図5(a)に示されるように、分割体6の下端部(一方の端部)側に配された底板部6eの中心部には、下方側に突出する雄ネジ部6b(第1結合部)が設けられている。この雄ネジ部6bは、後述する筒状部6fに対してボルトがインサート成形されることにより形成されている。また、雄ネジ部6bの外周には、上下方向に延びる凸部6aが形成されている。また、分割体6の下端部に設けられた凸部6a及び雄ネジ部6bは、端部が略面一になっているため、分割体6を床等に直接載置した場合であっても雄ネジ部6bが床等に接触して起こる破損を防ぐことができる。
【0027】
また、
図5(b)に示されるように、分割体6は、底板部6eの外縁から立設する外壁部6gを備え、外壁部6gの内部は、分割体6の上端部(他方の端部)が開口する凹部6dとなっている。分割体6の底板部6eの中心には、上方に立設する筒状部6fを有しており、この筒状部6fの内部には、上方の分割体6の雄ネジ部6bと螺合するようにタップ加工により形成された雌ネジ部6c(第2結合部)が設けられている。尚、雌ネジ部6cの形成方法は、タップ加工に限らず、ナット等のインサート成形によって行われてもよい。
【0028】
また、凹部6dには、筒状部6fから分割体6の外壁部6gに架設されるリブ6h,6h,…が形成されており、このリブ6h,6h,…により筒状部6f及び外壁部6gの強度が高くなっている。また、各リブ6hは、その上端部の外壁部6g側に切欠き部6jをそれぞれ備えており、分割体6,6同士が連結された状態にあっては、各切欠き部6jと外壁部6gの内周面との間に上方の分割体6の凸部6aが嵌合挿入されている。さらに、凸部6aが各切欠き部6jと外壁部6gの内周面との間に嵌合挿入された際には、凸部6aと各切欠き部6jと外壁部6gの内周面とがほぼ密着した状態になっている。
【0029】
また、外壁部6g及び筒状部6fは、上端部同士が側面視で略面一になっているため、分割体6を床等に直接載置した場合であっても筒状部6fが床等に接触して起こる破損を防ぐことができる。
【0030】
上下に隣接し合う各分割体6,6は、雄ネジ部6bと雌ネジ部6cとのネジ結合により連結される。これによれば、各分割体6,6は、共通の連結構造を有し、他の連結部材や工具を用いる必要がなく、支持部材5の組み立てが簡便である。また、雄ネジ部6bと雌ネジ部6cとがネジ結合であるため、支持部材5の連結強度を高めることができる。
【0031】
また、上下に隣接し合う分割体6,6の上方の分割体6の下端部に設けられた雄ネジ部6bと、下方の分割体6の上端部に設けられた雌ネジ部6cと、が螺合すると同時に、上方の分割体6の下端部に形成された凸部6aが、下方の分割体6の各切欠き部6jと外壁部6gの内周面との間に嵌合することから、分割体6,6同士を連結する際には、上方の分割体6の凸部6aが下方の分割体6の各切欠き部6jと外壁部6gの内周面との間に案内されるため、分割体6,6同士の連結が簡便であるとともに、支持部材5の連結強度をさらに高めることができる。また、分割体6,6同士が連結した際には、凸部6aと外壁部6gとにより、雄ネジ部6bと雌ネジ部6cとの連結部分が外部に露見することが確実に防止される。
【0032】
また、
図3及び
図4に示されるように、基台4の上方には、円筒形に上下方向に延び、前述した分割体6の外壁部6gと同径に形成された外壁部4bが設けられ、該外壁部4bの中心には、筒状部4dが立設しており、筒状部4dには、分割体6の雄ネジ部6bと螺合するようにナットのインサート成形により形成された雌ネジ部4c(第2結合部)が設けられている。また、外壁部4b及び筒状部4dは、端部が略面一になっている。つまり、基台4と支持部材5(基台4の上方に隣接する分割体6)の連結構造は、前述の分割体6,6同士の連結構造と同じものとなっており、基台4の上方に隣接する分割体6の下端部に設けられた雄ネジ部6bと基台4の雌ネジ部4cとがネジ結合すると同時に、分割体6の下端部に形成された凸部6aが、基台4の上面に形成された外壁部4b内に嵌合することから、基台4と支持部材5の連結が簡便であるとともに、基台4と支持部材5の連結強度を高めることができる。尚、基台4にも分割体6と同様に、筒状部4dから外壁部4bに架設されるリブを複数設けてもよい。
【0033】
また、基台4に対して支持部材5及び商品情報表示部材2を着脱できるため、基台4をショーケース10の固定板10bに固定した状態であっても、基台4を固定板10bに残したまま、支持部材5及び商品情報表示部材2を撤去できるとともに、固定板10bに基台4が固定された状態で支持部材5及び商品情報表示部材2の組み立てを行うことができる。
【0034】
尚、上述したように基台4の上方には、雌ネジ部4cが設けられているが、基台4の上方に雄ネジ部が設けられてもよく、この場合には、分割体6,6,…の雌ネジ部6cが設けられた端部に対してネジ結合により基台4を連結することができる。
【0035】
また、分割体6,6同士を連結する際には、凸部6aの下端面がリブ6h,6h,…の各切欠き部6j,6j,…の端面6k,6k,…(特に
図3参照)に当接するまで雄ネジ部6bと雌ネジ部6cの螺合を十分に行うことができ、分割体6,6同士の連結をより確実なものとすることができる。尚、分割体6,6同士を連結する際には、上方の分割体6の外壁部6gの下端面が下方の分割体6の外壁部6gの上端面に当接するまで雄ネジ部6bと雌ネジ部6cの螺合を行うことができるようになっていてもよい。
【0036】
次いで、商品情報表示部材2と脚部材3,3の連結構造について説明する。
図3及び
図6に示されるように、商品情報表示部材2の左右両端部から所定距離中央寄りには、物品載置面2cを構成する上板材及び下板材を上下方向に貫通する貫通孔2d,2dがそれぞれ設けられている。貫通孔2d,2dは、商品情報表示部材2と脚部材3,3の連結に使用されるネジ7,7の頭部よりも大きな径を有しており、商品情報表示部材2の下板材の直下に配置された分割体6,6の上端部の雌ネジ部6c,6cに対して、貫通孔2d,2dを介して上方からネジ7,7(第1結合部)を螺合させることができる。また、商品情報表示部材2の左右両端部にそれぞれ嵌挿されるエンドキャップ8,8の下部突出部8b,8bには、下部突出部8b,8bが商品情報表示部材2の下部空間S2内に嵌挿された状態において、商品情報表示部材2の貫通孔2d,2dと上下方向に中心軸を同じくする孔8c,8cが設けられている。孔8c,8cは、ネジ7,7のネジ部と略同径を有しており、ネジ7,7の頭部が孔8c,8cを貫通できないようになっているため、分割体6,6の上端部の雌ネジ部6c,6cにネジ7,7が螺合する際に、ネジ7,7の頭部によって商品情報表示部材2の下面との間に孔8c,8cを介してエンドキャップ8,8の下部突出部8b,8bが押さえ付けられることにより、商品情報表示部材2と分割体6,6をネジ結合により連結することができる。
【0037】
これによれば、商品情報表示部材2は、商品情報表示部材2の直下に配置される分割体6,6に対してネジ7,7によりネジ結合されることで着脱可能となっているため、基台4の固定部4aがショーケース10の固定板10bに固定された場合であっても、商品情報表示部材2を直下に配置される分割体6,6から取り外すことにより、支持部材5を構成する分割体6,6,…を着脱して商品情報表示部材2の高さ位置を調整することができる。
【0038】
尚、上述した商品情報表示部材2は、直下に配置される分割体6の雌ネジ部6cに対して、貫通孔2dを介して上方からネジ7によってネジ結合されることにより連結が行われるが、商品情報表示部材2には、直下に配置される分割体6の雌ネジ部6cに螺合する雄ネジ部(第1結合部)が下方側に突出して設けられ、これらがネジ結合されることにより連結が行われてもよい。
【0039】
また、商品情報表示部材2と脚部材3,3が連結された状態において、商品情報表示部材2の直下に配置される分割体6,6の筒状部6f,6f及び外壁部6g,6gの上端面は、商品情報表示部材2の下面に当接するようになっているため、商品情報表示部材2と脚部材3,3の連結強度を高めることができる。
【0040】
尚、商品情報表示部材2に設けられた貫通孔2d,2dには、商品情報表示部材2と分割体6,6とのネジ止め後にキャップ2e,2eをそれぞれ取り付けることで、貫通孔2d,2dをキャップ2e,2eで塞ぎ、貫通孔2d,2dから商品情報表示部材2内部に塵埃などが入り込むことを防止できるとともに、商品情報表示補助具1の美観を高めることができる。
【0041】
また、支持部材5,5を構成する複数の分割体6,6,…は、同一の高さを有している。そのため、脚部材3,3における各分割体6,6,…の数量を合わせることで商品情報表示部材2を左右端部の高さを合わせて水平にバランスよく支持することができる。
【0042】
さらに、商品情報表示部材2は、直下に配置される複数の脚部材3,3によって支持されるため、例えば、先に脚部材3,3を組み立て、固定板10b上に仮置きし、脚部材3,3上に商品情報表示部材2が支持させた状態で商品情報表示部材2と脚部材3,3を連結することができるため、商品情報表示部材2と脚部材3との連結作業を簡便に行える。
【0043】
尚、前記実施例では、1つの脚部材3を構成する支持部材5は、2つの分割体6,6が連結された態様となっていたが、これに限られず、脚部材3を構成する分割体の数量は自由に選択されてもよい。例えば、分割体(支持部材5)を使用せず、基台4が商品情報表示部材2の直下に配置される態様等、商品情報表示部材2、基台4、支持部材5の組み合わせにより商品12,12,…の情報表示の表示態様を設置場所に合わせて効果的に選択することができる。
【0044】
また、前記実施例では、分割体6の一方の端部に第1結合部としての雄ネジ部6bを設け、他方の端部に第2結合部としての雌ネジ部6cを設けた態様について説明したが、これに限られず、雌ネジ部を第1結合部とし、雄ネジ部を第2結合部としてもよい。さらに、例えば、分割体の一方の端部に凸部、他方の端部に凹部を設け、隣接する分割体同士が互いに凹凸嵌合することで連結されるようになっていてもよいし、分割体の一方の端部及び他方の端部に磁石を設け、これにより隣接する分割体同士が互いに連結されてもよい。
【0045】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0046】
例えば、前記実施例では、商品情報表示補助具1は、商品情報表示部材2が2つの脚部材3,3により支持される態様として説明したが、商品情報表示部材2は、1つの脚部材により支持されてもよいし、3つ以上の脚部材により支持されてもよい。
【0047】
また、前記実施例では、支持部材5は、同一の高さを有する2つの分割体6,6から構成されているが、高さの異なる複数種類の分割体を用意してもよく、この場合、より細かく支持部材5の高さを調整できる。