(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、上記特許文献1に開示の技術では、ストッパーは、操作部材の巻取コードと把持コードとの結び目に設けられ、巻取コードの下端と把持コードの上端との結び目を収容する収容部を備え、コードよりも拡径となるよう構成されている。より詳細には、ストッパーは、収容部を有するストッパー本体と、結び目が収容部から外れないようにストッパー本体を内挿するストッパーカバーと、からなる。
【0006】
しかしながら、巻取コードに把持コードを連結するにあたり、把持コードとしては製品サイズ毎の長さのコードが用意され、コード同士を連結するためにはストッパーカバーからストッパー本体を取り外す必要がある。しかし、巻取コードには常に付勢部材によるコード巻き取り方向に付勢力が作用しているため、付勢力に抗して巻き取りコードを引き出しながら作業する必要がある。そして、作業者が万一結び目を作る前に巻き取りコードから手を離してしまった場合には、付勢部材の付勢力によって巻き取りコードが全てプーリに巻き取られてしまうため、その場合には操作ケース全体を組み直さなくてはならなくなり、作業性に課題があった。
【0007】
そこで、作業性を向上させるため、予めストッパー本体に巻き取りコードの結び目を収容した状態で操作ケースを組んでおき、後から把持コードの結び目を収容するようにすれば、巻き取りコードが巻き取られてもストッパーによって巻取を規制することができる。しかし、上述のように巻き取りコードが収容されるストッパー本体には、ストッパーケース側へ移動する力が作用しており、把持コードの結び目をストッパー本体に収容するにあたってストッパーケースからストッパー本体を外すためには、付勢部材によるコード巻き取り方向への付勢力に抗してストッパー本体を外さなければならず、依然として作業に課題があった。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、操作部材の巻取りを規制するストッパーの組立作業性を向上させることが可能なブラインドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るブラインドは、遮蔽材と、ユーザの昇降操作に応じて上記遮蔽材を昇降させる操作ユニットとを有する。上記操作ユニットは、回転自在なプーリを収容する操作ケースと、上記プーリに一端が巻取り及び巻解き可能に連結される巻取部材と、上記巻取部材を常時プーリに巻き取られる方向または上記プーリから巻き解かれる方向へ付勢するバネと、上記巻取部材の上記プーリへの所定量以上の巻取りを規制するストッパーと、上記ストッパーによって上記巻取部材と連結され上記操作ケースから垂下する把持部材とを有する。上記ストッパーは、上記巻取部材が連結されるストッパー本体と、上記ストッパー本体を収容するストッパーカバーとを有する。また上記ストッパーは、上記付勢部材の付勢力に抗して上記ストッパー本体の少なくとも一部が上記ストッパーカバーに収容されない非収容状態と、上記付勢部材の付勢力によって上記ストッパー本体が上記ストッパーカバーに収容された収容状態とを切替可能に設けられる。
【0010】
この構成によれば、ブラインドのストッパーを、付勢部材の付勢力に抗してストッパー本体がストッパーカバーに少なくとも一部が収容されない非収容状態に切替えることができるため、作業者は、当該非収容状態において、ストッパーに対する把持部材の連結作業を行なうことができ、組立ての作業性が向上する。
【0011】
上記ストッパーカバーは、上記ストッパー本体の表面に対応する形状を有する内周面に凸部を有してもよく、上記ストッパー本体は、上記表面に上記凸部を収容可能な凹部を有してもよい。この場合上記ストッパーは、上記ストッパー本体の上記凹部以外の面が上記付勢力に抗して上記凸部と当接することで上記非収容状態を形成し、上記ストッパー本体の上記凹部が上記凸部と係合することで上記収容状態を形成してもよい。
【0012】
これにより、凸部と凹部とが係合しない限り、付勢部材の付勢力に抗してストッパー本体がストッパーカバーに少なくとも一部が収容されない非収容状態を形成することができる。ここで、上記とは逆に、ストッパーカバーに凹部が形成され、ストッパー本体に凸部が形成されてもよい。
【0013】
上記凸部は、上記ストッパーカバーの上記内周面の、上記巻取部材側の端部に形成されてもよく、上記凹部は、上記ストッパー本体の上記表面の、上記巻取部材側の端部に形成されてもよい。
【0014】
これにより、ストッパーカバーにストッパー本体の一部(端部よりも把持部材側の部分)が収容された状態で非収容状態が形成されるため、非収容状態を安定して維持することができ、作業者の作業性を向上させることができる。
【0015】
上記ストッパーカバーは、上記内周面から突出するリブを有してもよく、上記ストッパー本体は、上記表面に、上記凹部以外の面が上記凸部と当接する位置まで収容される際に上記リブを案内する案内溝を有してもよい。
【0016】
これにより、リブが案内溝によって案内されることで、ストッパーカバーにストッパー本体の一部を容易に収容して非収容状態を形成することができる。
【0017】
上記ストッパー本体の上記表面は、上記巻取部材及び上記把持部材の各端部を収容するために開口する開口部を有してもよく、上記凹部は、上記ストッパー本体において上記開口部と対向する位置に形成されてもよい。
【0018】
これにより、ストッパー本体において、開口部の形成による影響が最も小さい反対側に凹部が形成されるようにしたため、ストッパー本体の部材としての強度を保ちながらコンパクト化を図ることができる。また、開口部が凹部と反対側に形成されることで、当該開口部を、作業者が凹部と凸部とが係合する位置に位置合わせする際の目印とすることもできる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、操作部材の巻取りを規制するストッパーの組立作業性を向上させることができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0022】
[ロールスクリーンの構成]
図1は、本実施形態に係るブラインドとしてのロールスクリーンの斜視図である。また
図2は、当該ロールスクリーンの部分透過正面図である。
【0023】
これらの図に示すように、本実施形態に係るロールスクリーン100は、支持部材1と、スクリーン2と、巻取パイプ3と、操作ユニット4とを有する。
【0024】
両図に示すように、支持部材1は、巻取パイプ3を回転可能に支持する。
図2に示すように、支持部材1は、セットフレーム11を有する。当該セットフレーム11が、ブラケット1bを介して窓枠や壁等の所定面にネジ等により固定されることで支持部材1が設置される。セットフレーム11の両側面には、一対のサイドプレート1aが取り付けられている。
【0025】
図1に示すように、巻取パイプ3は、セットフレーム11の前方において、一対のサイドプレート1aによって、両端を回転可能に支持される。一方、
図2に示すように、一対のサイドプレート1aに対する巻取パイプ3の支持角度を変更することで、巻取パイプ3は、セットフレーム11の下方において、一対のサイドプレート1aによって、両端を回転可能に支持される。巻取パイプ3の支持角度の変更は、窓枠や壁等への固定方法に応じて適宜選択されるものである。巻取パイプ3の一端(両図右側)は、サイドプレート1aから巻取パイプ3の内部へと延びる支持軸30によって軸支される。
【0026】
スクリーン2は、遮蔽材として機能し、巻取パイプ3にその一端が連結され、巻取パイプ3に巻取り及び巻解き可能に吊り下げられている。
【0027】
スクリーン2の下端には、ウエイトバー5が取り付けられている。スクリーン2の下端は、当該ウエイトバー5の内部で固定されているが、当該下端がウエイトバー5を周回して縫製されていてもよい。
【0028】
巻取パイプ3内には巻取スプリング31が収容されており、巻取スプリング31の一端は両図左側のサイドプレート1aに間接的に固定され、その他端は第1ブレーキ32を介して巻取パイプ3に固定される。
【0029】
巻取パイプ3がスクリーン2の巻解き方向に回転されると、巻取スプリング31の他端が巻取パイプ3と一体に回転して蓄勢され、巻取パイプ3の巻取方向への回転が許容されると巻取スプリング31の蓄勢力によって巻取パイプ3が巻取方向へと回転し、第1ブレーキによって常時減速されながら、スクリーン2を巻き取る。
【0030】
さらに、巻取パイプ3内には、スクリーン2の巻取り最終段階からスクリーン2の巻取速度を減速するための第2ブレーキ33が設けられる。第2ブレーキ33は、両図右側のサイドプレート1aに、操作ユニット4を介して間接的に固定される。
【0031】
上記第1ブレーキ32がスクリーン2の巻取の初期段階から継続的に作動するのに対して、第2ブレーキ33は、巻取の最終段階において第1のブレーキの補助ブレーキとして機能する。すなわち、第1ブレーキ32だけでは、スクリーン2の巻取りの最終段階においてスクリーンの巻取速度が速くなってしまい、完全に巻き取ったときにウエイトバー5による衝撃音や衝撃力が過大になるため、巻取りの最終段階において第2ブレーキ33が作動して巻取パイプ3を減速することで、上記衝撃音や衝撃力を緩和させる。
【0032】
第1クラッチ機構34は、巻取パイプ3と操作ユニット4との間に設けられており、操作ユニット4が有するプーリ(後述)の回転を巻取パイプ3に伝達したり、当該伝達を解除したりする。
【0033】
第2クラッチ機構35は、巻取パイプ3と、巻取パイプ3の一端の支持軸30とを連結したり、当該連結を解除したりする。
【0034】
操作ユニット4は、ユーザの昇降操作に応じて上記スクリーンを昇降させる。操作ユニット4は、第1クラッチ機構34を介して巻取パイプ3と連結されている。以下、操作ユニット4の詳細について説明する。
【0035】
[操作ユニットの構成]
図3は、上記操作ユニット4の側面方向の断面図である。
【0036】
図1乃至
図3に示すように、操作ユニット4は、操作部材40と操作ケース45とを有する。操作部材40は、下端から順に、グリップ41と、把持コード42と、ストッパー44と、巻取コード49とを有する。
【0037】
グリップ41は、ユーザに把持され操作される部分であり、把持コード42は、その上端が上記ストッパー44内で巻取コード49の下端と結ばれて垂下される。
【0038】
図3に示すように、操作ケース45は、サイドプレート1aに固定される。操作ケース45内には、同じくサイドプレート1aに固定される固定軸48と、固定軸48に対して回転可能に軸支されるプーリ46と、プーリ46に一端が巻取り及び巻解き可能に連結される巻取コード49と、プーリ46の内径側に位置して、一端が固定軸48側に固定され、他端がプーリ46側に固定される付勢部材としてのゼンマイバネ47とが設けられる。
【0039】
固定軸48は、その軸方向の長さがプーリ46を軸支するために十分な程度に短いものとなっている。巻取パイプ3の支持軸30は固定軸48内を同心的に貫通しており、これら支持軸30と固定軸48とは相対回転不能とされている。
【0040】
第1クラッチ機構34は、プーリ46からの一方向の回転を巻取パイプ3に伝達する一方、プーリ46の他方向の回転は巻取パイプ3に伝達せず、巻取パイプ3からの回転もプーリ46には伝達しないように構成されている。
【0041】
すなわち、操作ユニット4に対するユーザの操作によってプーリ46が巻解き方向に回転されると、第1クラッチ機構34を介して巻取パイプ3が巻解き方向に回転する。また上記操作によりプーリ46が所定量だけ巻解き方向回転されると、第2クラッチ機構35が巻取パイプ3と支持軸30との連結を解除して巻取パイプ3が巻取り方向に回転する。
【0042】
また、上記操作によってプーリ46が巻解き方向に回転され、第1クラッチ機構34を介して巻取パイプ3が巻解き方向に回転された後に、巻取りパイプ3の回転が停止されると、第2クラッチ機構35が作動して、巻取パイプ3と支持軸30とが連結されて巻取パイプ3が停止状態を維持する。さらに、巻取パイプ3が巻取り方向に回転中に操作ユニット4に対する操作によってプーリ46が巻解き方向に回転されると、第1クラッチ機構34が作動して巻取パイプ3が停止する。
【0043】
そして、ストッパー44は、巻取コード49のプーリ46への所定量以上の巻取りを規制する。すなわち、ストッパー44は、巻取コード49に連結された把持コード42が過度に巻き取られてグリップ41にユーザの手が届かなくなることが無いよう、把持コード42を所定の位置で係止する。
【0044】
図3に示すように、ストッパー44は、巻取コード49の下端と把持コード42の上端を収容しており、ストッパーカバー50とストッパー本体60とから構成される。以下、当該ストッパー44の詳細について説明する。
【0045】
[ストッパーの詳細]
図4は、上記ストッパー44のストッパーカバー50の斜視図である。
図4Aはストッパーカバー50の全体の斜視図であり、
図4Bはその部分断面を示す。
【0046】
図5は、ストッパー44のストッパー本体60の斜視図である。
図5Aはストッパー本体60の一方向における斜視図であり、
図5Bは
図5Aを180度回転させた場合の斜視図である。
【0047】
図6は、ストッパー44の斜視図である。
図6Aはストッパーカバー50にストッパー本体60の一部が収容された状態、
図6Bはストッパーカバー50にストッパー本体60の全部が収容された状態を示す。
【0049】
また
図9は、把持コード42が連結されていない状態の上記ロールスクリーン100の操作ユニット4の断面図である。
【0050】
図4乃至
図8に示すように、ストッパー44は、円筒形状のストッパー本体60が中空の樽形状のストッパーカバー50に収容されて構成される。上述したように、ストッパー本体60は、巻取コード49の下端と把持コード42の上端を収容する。
【0051】
ストッパーカバー50の内周面50aは、ストッパー本体60を収容可能なように、ストッパー本体60の表面60aに対応する円筒形状を有する。当該内周面50aの、巻取コード49側の端部には、縦長直方体形状の凸部51が形成されている。一方、ストッパー本体60の表面60aには、上記凸部51と係合して凸部51を収容可能な凹部61が形成されている。
【0052】
当該凸部51及び凹部61を有することで、
図6乃至
図9に示すように、ストッパー44は、上記ゼンマイバネ47の付勢力に抗してストッパー本体60の一部がストッパーカバー50に収容されない非収容状態(
図6A,
図7A,
図8A,
図9)と、上記ゼンマイバネ49の付勢力によってストッパー本体60の全部がストッパーカバー50に収容された収容状態(
図6B,
図7B,
図8B)とを切替可能に設けられる。
【0053】
すなわち、ストッパー本体60の一部がストッパーカバー50に収容(挿入)され、ストッパー本体60の凹部61以外の面(上面)が、上記付勢力に抗してストッパーカバー50の凸部51と当接することで、上記非収容状態が形成され、ストッパー本体60の凹部61がストッパーカバー50の凸部51と係合することで収容状態が形成される。
【0054】
また、ストッパー本体60の表面60aには、巻取コード49及び把持コード42の各端部を収容するために開口する開口部62が形成されている。そして上記凹部61は、当該ストッパー本体60において上記開口部62と対向する位置に形成されている。すなわち、凹部61は、開口部62の形成によるストッパー本体60の強度低下の影響を最も受けにくい位置に形成されている。これによりストッパー本体60の強度が保たれる。
【0055】
通常、巻取コード49と把持コード42とを連結するにあたっては、把持コード42としては、ブラインド100の製品サイズ毎に異なる長さのコードが用意されるため、把持コード42が連結されていない状態のブラインド100の巻取コード49に対して、組立作業者が把持コード42を連結するためには、把持コード42をストッパー本体60に収容するために、ストッパーカバー50からストッパー本体60の少なくとも一部を、上記ゼンマイバネ47の付勢力に抗して引き出す必要がある。
【0056】
その際、作業者は、
図9に示すように、ストッパーカバー50の凸部51にストッパー本体60の凹部61以外の面が当接することでストッパー本体50の少なくとも一部がストッパーカバー60に収容されない上記非収容状態において、ストッパー本体50をストッパーカバー50から容易に引き出した上で、ストッパー44(巻取コード49)に対する把持コード42の連結作業を行なうことができる。これにより、組立ての作業性が向上する。
【0057】
また、ストッパーカバー50の内周面50aの、把持コード42側の端部には、当該内周面50aから突出する一対のリブ52が形成されている。一方、ストッパー本体60の表面60aの、把持コード42側の端部には、上記リブ52に係合可能な一対の係合溝64が形成されている。
【0058】
一方、上記ストッパー本体60の円筒状の表面60aの、上記係合溝64の各上部(凹部61から正逆方向に90度ずれた位置)と、それらからさらに90度ずれた位置(凹部61に対向する位置)には、上記リブ52を案内可能な案内溝63がそれぞれ形成されている。
【0059】
当該案内溝63は、上記非収容状態において、上記ストッパー本体60の凹部61以外の面(上面)がストッパーカバー50の凸部51と当接する位置まで収容される際に、上記リブ52を案内する。この案内溝63により、ストッパー本体60の凹部61以外の面(上面)がリブ52に引っ掛かってしまうのが防止され、非収容状態がスムースに形成されることになる。
【0060】
また、上記収容状態においては、ストッパー本体60の係合溝64にストッパーカバー50のリブ52が係合することによって、ストッパー本体60がストッパーカバー50に完全に収容され、係止されることになる。
【0061】
上記収容状態と非収容状態とは、ストッパーカバー50とストッパー本体60とを、把持コード42(巻取コード49)と平行な軸回りに相対的に回転させ、凸部51と凹部61とを位置合わせしたり、ずらしたりすることで切替可能である。上述したように、収容状態においては、凸部51と凹部61とが一致(係合)した状態であるが、非収容状態においては、凸部51と凹部61とが、上記軸回りにおいて90度あるいは180度ずれた状態となっている。
【0062】
[ブラインドの動作]
次に、以上のように構成されたブラインド100の動作について説明する。
【0063】
図10A乃至
図10Gは、上記ロールスクリーン100のスクリーン昇降動作の様子を示した斜視図である。
【0064】
図10Aは、スクリーン2が巻取パイプ3に上限まで巻き取られている状態を示している。この状態では、巻取パイプ3には、巻取りスプリング31によるスクリーン巻き取り方向の回転が作用しているが、ウエイトバー5がセットフレーム1に当接することで、スクリーン2の停止状態を維持している。またこの状態では、操作部材40は、その巻取コード49がプーリ46に巻き取られており、ストッパー44は操作ケース45に当接している。
【0065】
この状態から、
図10Bに示すように、ユーザが操作部材40のグリップ41を同図矢印方向に引き下ろすと、操作部材40の巻取コード49がプーリ46から巻解かれて操作ケース45外へと引き出され、プーリ46が巻解き方向に回転する。
【0066】
これにより、操作ユニット4と第1クラッチ機構34を介して巻取パイプ3が回転し、スクリーン2が、ユーザが引き下ろした分だけ
図10Bの矢印方向に下降する。この下降に伴い、操作ユニット4内のゼンマイバネ47にはバネ反力が蓄積される。またストッパー44も、上記グリップ41の引き下ろしの分だけ下降し、その上部の巻取コード49が露出した状態となる。
【0067】
続いて、
図10Cに示すように、ユーザがグリップ41の引き下ろし操作を止めて手を離すと、上記ゼンマイバネ47の蓄積力によってプーリ46が巻取り方向に回転し、巻取コード49がプーリ46に巻き取られ、ストッパー44によって規制される位置まで、同図矢印方向へ移動する。一方、スクリーン2は、第2クラッチ機構35の作動によって巻取パイプ3と支持軸30とが連結されることで、ユーザが操作を止めた位置で停止する。
【0068】
続いて、
図10Dに示すように、ユーザがグリップ41をさらに引き下ろすと、上記と同様の動作によって巻取パイプ3が回転してスクリーン2が同図矢印方向にさらに下降する。そして、
図10Eに示すように、上記引き下ろし操作が繰り返されることで、スクリーン2は下限位置まで下降する。またこの操作の回数を調整することで、ユーザは所望の位置までスクリーンを下降させて停止させることができる。
【0069】
下降した状態のスクリーン2を上昇させる際には、
図6Fに示すように、ユーザは、グリップ41を所定量(第2クラッチ機構を解除可能な回転量)だけ同図矢印方向に引く。
【0070】
そして、ユーザがグリップ41から手を離すと、第2クラッチ機構35が巻取パイプ3と支持軸30との連結を解除して巻取パイプ3が巻取り方向に回転し、巻取りスプリング31の作用によってスクリーン2が巻き取られていく。このとき、巻取パイプ3の巻取速度は第1ブレーキ32によって減速されるが、上述のように、巻取りの最終段階においては第2ブレーキ33が作動してさらにスクリーン2を減速させ、ウエイトバー5による衝撃を緩和する。
【0071】
さらに、このスクリーン2の上昇中にユーザがグリップ41を引き下ろすと、プーリ46が巻解き方向に回転し、巻取パイプ3が反転して巻解き方向に所定量回転した後に、グリップ41の引き下ろし操作を止めて手を離すと、スクリーン2は、第2クラッチ機構35の作動によって巻取パイプ3と支持軸30とが連結されることで、停止する。これによりユーザは所望の位置でスクリーン2の上昇を停止させることができる。
【0072】
図11は、上記ロールスクリーン100の操作ユニット4の、操作前後における断面図である。
【0073】
同
図Aに示すようにストッパー44が操作ケース45に当接し巻取コード49の巻取りが規制された状態から、ユーザがグリップ41を同
図Bの矢印方向に下方に引くと、上述したように、巻取コード49が、ゼンマイバネ47の付勢力に抗してプーリ46から巻解かれて操作ケース45外へと引き出され、プーリ46が巻解き方向(同図の反時計回り矢印方向)に回転する。
【0074】
これにより、巻取パイプ3が回転してスクリーン2が下降する共に、操作ユニット4内のゼンマイバネ47にバネ反力が蓄積され、またストッパー44は、上記グリップ41の引き下ろしの分だけ下降する。
【0075】
[巻取コードと把持コードとの連結手順]
次に、上記ストッパー44を介した巻取コード49と把持コード42との連結作業の手順について説明する。
図12及び
図13は、巻取コード49に把持コード42を連結する手順を示す操作ユニット4の断面図である。
【0076】
図12Aに示すように、まず作業者は、ストッパー本体60のストッパーカバー50への非収容状態(一部収容状態)から、ストッパー本体60のストッパーカバー50からの露出部分を手で掴む等して、ストッパー本体60をストッパーカバー50から引き出す。この非収容状態では、上述したように、ストッパーカバー50の凸部51とストッパー本体60の凹部61とが、巻取コード49の垂下方向(同
図Y方向)の軸回りにおいて90度あるいは180度ずれた状態となっている。
【0077】
続いて、
図12Bに示すように、作業者は、把持コード42の端部42aを、ストッパー本体60の開口部62を介してストッパー本体60に連結(収容)し、ストッパーカバー50を、巻取コード49の上記軸回りにおいて、90度または180度回転させる。
【0078】
そうすると、
図13Aに示すように、ストッパーカバー50の凸部51の位置と、ストッパー本体60の凹部61の位置とが一致する角度となり、この状態で作業者は、ストッパー本体60をストッパーカバー50に挿入する。
【0079】
これにより、
図13Bに示すように、上記凸部51と凹部61とが係合し、さらにストッパーカバー50のリブ52がストッパー本体60の係合溝64に係合することで、ストッパー本体60がストッパーカバー50に完全に収容され係合された状態となり、把持コード42の連結作業が完了する。
【0080】
なお、巻取コードと把持コードとの連結手順として、
図12Aの状態において、ストッパー本体60のストッパーカバー50への非収容状態(一部収容状態)から、ストッパー本体60をストッパーカバー50から引き出すようにしたが、非収容状態であっても、例えば
図6に示すように、ストッパーカバー50の下端からストッパー本体60の開口部62の一部が露出しているため、ストッパー本体60をストッパーカバー50から引き出す前に、把持コード42の端部42aを、ストッパー本体60の開口部62を介してストッパー本体60に連結(収容)することも可能となっている。この手順に従えば、ストッパー本体60に連結した把持コード42を引っ張ることによって、ストッパー本体60をストッパーカバー50から引き出すことができ、その後上述したようにストッパー本体60を回転させてストッパーカバー50へ挿入することで連結作業を完了することができる。
【0081】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、ブラインド100のストッパー44を、ゼンマイバネ47の付勢力に抗して、ストッパー本体60の少なくとも一部がストッパーカバー50に収容されない非収容状態に切替えることができる。これにより作業者は、当該非収容状態において、ストッパー44に対する把持コード42の連結作業を容易に行なうことができ、組立ての作業性が向上する。
【0082】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0083】
上述の実施形態では、ストッパーカバー50に凸部51が、ストッパー本体60に凹部61が形成されている例が示されたが、逆に、ストッパーカバー50に凹部が形成され、ストッパー本体60に凸部が形成されていてもよい。
【0084】
上述の実施形態では、ストッパーカバー50とストッパー本体60の、巻取コード49側の各端部にそれぞれ凸部51と凹部61とが形成された。しかし、凸部51と凹部61は、ストッパーカバー50とストッパー本体60の、把持コード42側の端部に形成されてもよい。また、凸部51及び凹部61は、ストッパーカバー50の内周面50a及びストッパー本体60の表面60aの各上端から各下端の全体に亘って形成されてもよい。これらの場合は、非収容状態においては、ストッパー本体60の大部分がストッパーカバー50に収容されない(露出した)状態となる。
【0085】
上述の実施形態では、ストッパーカバー50は中空の樽型形状に、ストッパー本体60は円筒形状にそれぞれ形成されたが、ストッパーカバー50及びストッパー本体60の各形状はこれらに限られるものではなく、例えば、円錐形状や円錐台形状等、様々な形状とすることができる。
【0086】
上述の実施形態では、ストッパー本体60のストッパーカバー50への収容状態及び非収容状態を、凸部51と凹部61とによって切替可能としていたが、これ以外の構成で収容状態及び非収容状態が切り替えられてもよい。例えば、ストッパーカバー50とストッパー本体60との間に、ゼンマイバネ47の付勢力に抗して両者を係止することが可能な例えばシート状、板状、棒状等の係止部材が挿入されることで非収容状態が形成され、当該係止部材が上記付勢力に抗して引き抜かれることで収容状態が形成されてもよい。
【0087】
上述の実施形態では、ユーザが操作部材40の引き下ろし操作を繰り返すことでスクリーン2が下降する例が示されたが(
図10A〜
図10E)、操作ユニット4は、ユーザが操作部材40の引き下ろし操作を繰り返すことでスクリーン2が上昇し、ユーザが操作部材40を所定量引くとスクリーン2が下降するような構造(操作に対する昇降方向が上述の実施形態とは逆の構造)とされてもよい。
【0088】
上述の各実施形態では、遮蔽材としてスクリーンを有するロールスクリーンに本発明が適用された例が示された。しかし、本発明はロールスクリーンに限られず、例えばベネシャンブラインド、プリーツスクリーン、ローマンシェード等の他のブラインドにも同様に適用可能である。