特許第6669712号(P6669712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6669712
(24)【登録日】2020年3月2日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】インシュレータの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/28 20060101AFI20200309BHJP
【FI】
   F01N3/28 311U
   F01N3/28 301W
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-225675(P2017-225675)
(22)【出願日】2017年11月24日
(65)【公開番号】特開2019-94852(P2019-94852A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2019年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山本 航平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅俊
【審査官】 村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/051922(WO,A1)
【文献】 特開2002−106336(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0284272(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00−11/00
B21D 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のエンジンの排気を流下させる排気部材の側方を囲む筒状の部材であるインシュレータを、板状の下側部材及び上側部材から製造する製造方法であって、
前記下側部材及び前記上側部材の各々は、
前記インシュレータの内側と外側とを隔てる溝状の部位である溝部と、
前記溝部の側縁から前記溝部の外側に突出する部位である1又は複数の第1フランジ部と、
前記溝部の側縁から前記溝部の外側に突出する部位であって、前記溝部を挟んでいずれかの前記第1フランジ部に対面する部位である1又は複数の第2フランジ部と、を有し、
前記第2フランジ部は、フランジ固定部を有し、
前記インシュレータの製造方法は、
前記下側部材の前記溝部の外側が1又は複数の下側姿受けにより下方から支持され、前記下側部材の前記1又は複数の第2フランジ部の各々が、第2台座により下方から支持されると共に、前記第2台座に設けられた台座固定部及び前記フランジ固定部を介してその位置を固定され、且つ、前記下側部材の前記1又は複数の第1フランジ部の各々が、第1台座により下方から支持された状態で、前記下側部材を配置し、
前記上側部材の前記溝部の内側が前記下側部材の前記溝部の内側に対面し、前記上側部材の前記1又は複数の第1フランジ部の各々が、前記下側部材のいずれかの前記第1フランジ部に当接した状態で前記第1台座により下方から支持され、且つ、前記上側部材の前記1又は複数の第2フランジ部の各々が、前記下側部材のいずれかの前記第2フランジ部に当接した状態で前記第2台座により下方から支持されると共に、前記第2台座の前記台座固定部及び前記フランジ固定部を介してその位置を固定された状態で、前記上側部材を配置し、
1又は複数の上側姿受けを、前記上側部材の前記溝部の外側を上方から覆った状態で配置し、
前記下側部材の前記1又は複数の第1フランジ部の各々と、該第1フランジ部に当接する前記上側部材の前記第1フランジ部とのかしめを行い、
前記下側部材の前記1又は複数の第2フランジ部の各々と、該第2フランジ部に当接する前記上側部材の前記第2フランジ部とのかしめを行う
前記インシュレータの製造方法であって、
前記台座固定部とは、前記第2台座から上方に突出する1又は複数の突出部であり、
前記フランジ固定部とは、前記第2フランジ部に設けられた1又は複数の孔部であり、
前記下側部材を配置する際、前記下側部材の前記1又は複数の第2フランジ部の各々は、前記第2台座の前記1又は複数の突出部の各々が前記孔部に嵌入することで、その位置が固定され、
前記上側部材を配置する際、前記上側部材の前記1又は複数の第2フランジ部の各々は、前記第2台座の前記1又は複数の突出部の各々が前記孔部に嵌入することで、その位置が固定され、
前記下側部材及び前記上側部材における前記1又は複数の第1フランジ部のかしめを行った後、前記第2台座の前記1又は複数の突出部の各々は、前記下側部材及び前記上側部材の前記第2フランジ部の前記孔部から取り除かれ、
その後、前記下側部材及び前記上側部材における前記1又は複数の第2フランジ部のかしめを行う
前記インシュレータの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載された前記インシュレータの製造方法において、
前記下側部材を配置した後、前記下側部材の前記溝部の内側に前記排気部材を配置し、
前記上側部材は、前記上側部材の前記溝部の内側が、前記下側部材の前記溝部の内側、及び、前記排気部材に対面した状態で配置される
前記インシュレータの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された前記インシュレータの製造方法において、
前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部を、フランジ部とし、
1又は複数の第1及び第2フランジ部のうちの少なくとも一部についてのかしめにおいて、前記下側部材の前記フランジ部を屈曲させることで、前記上側部材の前記フランジ部の上側及び下側に前記下側部材のフランジ部が重なった状態とし、該状態となった前記上側部材の前記フランジ部及び前記下側部材のフランジ部を、下方に突出するようにV字状に屈曲させる
前記インシュレータの製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載された前記インシュレータの製造方法において、
前記排気部材は、前記エンジンに設けられたターボを作動させるタービンに向けて前記排気を流下させる部材である
前記インシュレータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両のエンジンの排気を流下させる排気部材に設けられるインシュレータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の排気系部品を外側から覆う筒状の遮熱カバーが知られている。特許文献1には、このような遮熱カバーの排気系部品への取付方法が記載されている。該取付方法によれば、パイプである排気系部品の外面に複数のL字状のブラケットが溶接される。そして、該ブラケットと遮熱カバーとをかしめることにより、該排気系部品の外側に遮熱カバーが取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−360501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の取り付け方法では、例えば、遮熱カバーの剛性が低い場合等には、ブラケットと遮熱カバーとをかしめた際、遮熱カバーの変形等が生じる恐れがある。
【0005】
剛性の低いインシュレータを良好に製造できるようにするのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の製造方法では、車両のエンジンの排気を流下させる排気部材の側方を囲む筒状の部材であるインシュレータが、板状の下側部材及び上側部材から製造される。下側部材及び上側部材の各々は、溝部と、1又は複数の第1フランジ部と、1又は複数の第2フランジ部とを有する。溝部は、インシュレータの内側と外側とを隔てる溝状の部位である。また、1又は複数の第1フランジ部は、溝部の側縁から溝部の外側に突出する部位である。また、1又は複数の第2フランジ部は、溝部の側縁から溝部の外側に突出する部位であって、溝部を挟んでいずれかの第1フランジ部に対面する部位である。また、第2フランジ部は、フランジ固定部を有する。
【0007】
インシュレータの製造方法では、まず、下側部材が配置される。この時、下側部材の溝部の外側は、1又は複数の下側姿受けにより下方から支持される。また、下側部材の1又は複数の第2フランジ部の各々は、第2台座により下方から支持されると共に、第2台座に設けられた台座固定部及びフランジ固定部を介してその位置が固定される。さらに、下側部材の1又は複数の第1フランジ部の各々は、第1台座により下方から支持される。
【0008】
続いて、上側部材が配置される。この時、上側部材の溝部の内側は、下側部材の溝部の内側に対面する。また、上側部材の1又は複数の第1フランジ部の各々は、下側部材のいずれかの第1フランジ部に当接した状態で第1台座により下方から支持される。さらに、上側部材の1又は複数の第2フランジ部の各々が、下側部材のいずれかの第2フランジ部に当接した状態で第2台座により下方から支持されると共に、第2台座の台座固定部及びフランジ固定部を介してその位置が固定される。
【0009】
続いて、1又は複数の上側姿受けが、上側部材の溝部の外側を上方から覆った状態で配置される。その後、下側部材の1又は複数の第1フランジ部の各々と、該第1フランジ部に当接する上側部材の第1フランジ部とのかしめが行われる。そして、下側部材の1又は複数の第2フランジ部の各々と、該第2フランジ部に当接する上側部材の第2フランジ部とのかしめが行われる。
【0010】
このような構成によれば、下側部材及び上側部材の第1フランジ部同士のかしめを行う際、下側部材及び上側部材の各第2フランジ部は、フランジ固定部及び台座固定部を介して第2台座に固定される。さらに、下側部材の溝部は下方から下側姿受けにより支持されると共に、上側部材の溝部は、上方から上側姿受けにより押さえられる。このため、下側部材及び上側部材の第1フランジ部同士のかしめを行う際に、下側部材及び上側部材の全体が良好に固定され、その結果、下側部材及び上側部材の双方又は一方の変形が抑制される。
【0011】
その後、下側部材及び上側部材の第2フランジ部同士のかしめを行う際も、同様にして、下側部材の溝部は下方から下側姿受けにより支持されると共に、上側部材の溝部は、上方から上側姿受けにより押さえられる。また、この時、下側部材及び上側部材の各第1フランジ部は、かしめにより接合されている。このため、下側部材及び上側部材の第2フランジ部同士のかしめを行う際に、下側部材及び上側部材の全体が良好に固定され、その結果、下側部材及び上側部材の双方又は一方の変形が抑制される。
【0012】
したがって、剛性の低いインシュレータを良好に製造することが可能となる。
なお、上記インシュレータの製造方法において、下側部材を配置した後、下側部材の溝部の内側に排気部材が配置されても良い。そして、上側部材は、上側部材の溝部の内側が、下側部材の溝部の内側、及び、排気部材に対面した状態で配置されても良い。
【0013】
このような構成によれば、排気部材を好適に配置することが可能となる。
また、台座固定部とは、第2台座から上方に突出する1又は複数の突出部であっても良い。また、フランジ固定部とは、第2フランジ部に設けられた1又は複数の孔部であっても良い。そして、下側部材を配置する際、下側部材の1又は複数の第2フランジ部の各々は、第2台座部の1又は複数の突出部の各々が孔部に嵌入することで、その位置が固定されても良い。また、上側部材を配置する際、上側部材の1又は複数の第2フランジ部の各々は、第2台座部の1又は複数の突出部の各々が孔部に嵌入することで、その位置が固定されても良い。そして、下側部材及び上側部材における1又は複数の第1フランジ部のかしめを行った後、第2台座部の1又は複数の突出部の各々は、下側部材及び上側部材の第2フランジ部の孔部から取り除かれても良い。その後、下側部材及び上側部材における1又は複数の第2フランジ部のかしめが行われても良い。
【0014】
このような構成によれば、下側部材及び上側部材の各第2フランジ部を、好適に第2台座に固定することが可能となる。
また、第1フランジ部及び第2フランジ部を、フランジ部としても良い。そして、1又は複数の第1及び第2フランジ部のうちの少なくとも一部についてのかしめにおいて、まず、下側部材のフランジ部を屈曲させることで、上側部材のフランジ部の上側及び下側に下側部材のフランジ部が重なった状態としても良い。その後、該状態となった上側部材のフランジ部及び下側部材のフランジ部を、下方に突出するようにV字状に屈曲させても良い。
【0015】
このような構成によれば、下側部材及び上側部材のフランジ部同士を、好適に接合することが可能となる。
また、排気部材は、エンジンに設けられたターボを作動させるタービンに向けて排気を流下させる部材であっても良い。
【0016】
このような構成によれば、ターボの騒音等を抑制するために用いられる、剛性の低いインシュレータを良好に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、インシュレータの概略側面図である。
図2図2は、インシュレータのII−II断面の概略断面図である。
図3図3は、下側姿受け配置工程で配置された複数の下側姿受け、複数の第1台座、及び、複数の第2台座の概略上面図である。
図4図4は、下側姿受け配置工程で配置された下側姿受け、第1台座、及び、第2台座の概略側面図である。
図5図5は、下側部材配置工程で配置された下側部材等の概略上面図である。
図6図6は、下側部材配置工程で配置された下側部材等のVI−VI断面の概略断面図である。
図7図7は、排気部材配置工程で配置された排気部材等の概略上面図である。
図8図8は、排気部材配置工程で配置された排気部材等のVIII−VIII断面の概略断面図である。
図9図9は、上側部材配置工程で配置された上側部材等の概略上面図である。
図10図10は、上側部材配置工程で配置された上側部材等のX−X断面の概略断面図である。
図11図11は、上側姿受け配置工程で配置された上側姿受け等の概略上面図である。
図12図12は、上側姿受け配置工程で配置された上側姿受け等のXII−XII断面の概略断面図である。
図13図13は、予備曲げの説明図である。
図14図14は、V曲げの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0019】
[インシュレータの構成]
図1に示すように、本実施形態のインシュレータ1は、車両に搭載される筒状の部材であり、例えば、ステンレス、又は、アルミニウム等により構成される。インシュレータ1は、内部に配置された排気部材5の側方を囲んだ状態で設けられる。排気部材5とは、車両のエンジンの排気を流下させる部材である。インシュレータ1は、内部に配置された排気部材5からの騒音、振動、及び、放熱のうちの少なくとも一部を抑制する。
【0020】
本実施形態では、一例として、排気部材5は、エンジンに設けられたターボを作動させるタービンに向けて排気を流下させる部材となっている。より詳しくは、排気部材5には、排気を浄化するための触媒51を有するコンバータ50が設けられている。インシュレータ1は、排気部材5におけるコンバータ50を含む部分を、外側から覆った状態で配置される。無論、インシュレータ1は、車両における他の部分で排気を流下させる排気部材に用いられても良い。
【0021】
図1,2に示すように、インシュレータ1は、本体部10と、複数の第1かしめ部11,13,15と、複数の第2かしめ部12,14,16と、マット4とを有する。また、詳細は後述するが、インシュレータ1は、溝状の部材である上側部材及び下側部材を接合することで製造される。
【0022】
本体部10は、内部に配置された排気部材5の側面を覆う筒状の部位である。本体部10は、排気部材5における排気の流下方向に沿って延び、インシュレータ1の内側と外側とを隔てる。
【0023】
第1及び第2かしめ部11〜16の各々は、本体部10の側面から突出する細長い壁面状の部位である。第1かしめ部11,13,15の各々は、いずれかの第2かしめ部と1対1で対応している。各第1かしめ部は、対応する第2かしめ部と本体部10を挟んで対面する。詳細は後述するが、第1及び第2かしめ部11〜16の各々は、上側部材及び下側部材を接合させる際にかしめられた部位である。なお、第1かしめ部の数、及び、第2かしめ部の数は、3つに限らず、1つ又は複数であっても良い。
【0024】
マット4は、本体部10と排気部材5との間を充填する。マット4は、本体部10の内側を覆うと共に、排気部材5の側面を覆った状態で配置される。このため、本体部10は、マット4を介して内側から支持された状態となる。マット4は、クッション性及び断熱性を有し、排気部材5からの振動及び/又は騒音を吸収する。また、マット4は、一例として、アルミナファイバー、又は、グラスウール等であっても良い。
【0025】
[インシュレータの製造方法]
以下では、排気部材5が内部に配置された本実施形態のインシュレータ1の製造方法について説明する。該方法は、インシュレータ1を備える排気部材5の製造方法と捉えることもできるし、インシュレータ1を排気部材5に取り付ける取付方法と捉えることもできる。
【0026】
図3〜14に示すように、インシュレータ1は、下側部材2及び上側部材3をかしめにより接合することで製造される。下側部材2及び上側部材3は、一例として、ステンレス、又は、アルミニウム等により構成される板状の部材である。
【0027】
下側部材2は、溝部20と、1又は複数の第1フランジ部と、1又は複数の第2フランジ部とを有する。第1フランジ部の数、及び、第2フランジ部の数は、一例として同数となっている。本実施形態では、一例として、3つの第1フランジ部21,23,25と、3つの第2フランジ部22,24,26とが設けられる。
【0028】
溝部20は、インシュレータ1の内側と外側とを隔てる溝状の部位であり、本体部10を構成する。また、溝部20の内側は、上述したマット4の一部をなす下側マット40により覆われている。
【0029】
第1及び第2フランジ部21〜26の各々は、溝部20の側方の縁部(以後、側縁)から溝部20の外側に突出するフランジ状の部位であり、溝部20に沿って延びる。以後、第1及び第2フランジ部が溝部20に沿って延びる方向を長さ方向とし、第1及び第2フランジ部が長さ方向に延びる長さを、長さLと記載する。また、第1及び第2フランジ部が溝部の外側に突出する方向を幅方向とし、幅方向への長さを、幅Hと記載する。
【0030】
第1フランジ部21,23,25の各々は、いずれかの第2フランジ部と1対1で対応している。以後、対応する第1及び第2フランジ部の組合せを、セットとも記載する。各第1フランジ部は、溝部20を挟んで対応する第2フランジ部と対面する。つまり、下側部材2には、溝部20を挟んで対面する2つのフランジ部が設けられている。これらのフランジ部の内、長さLが長い方が第1フランジ部であり、長さLが短い方が第2フランジ部である。
【0031】
また、第2フランジ部は、フランジ固定部を有する。フランジ固定部は、一例として、第2フランジ部を厚さ方向に貫通する1又は複数の固定用孔部として構成されている。本実施形態では、一例として、第2フランジ部22,24,26の各々には、固定用孔部22a,24a,26aが設けられている。
【0032】
なお、各フランジ部は、1つのフランジ状の部位として構成されているが、溝部20に沿って配置された複数のフランジ状の部位として構成されていても良い。
また、上側部材3は、下側部材2と同様に構成されている。すなわち、上側部材3は、下側部材2と同様の溝部30と、3つの第1フランジ部31,33,35と、3つの第2フランジ部32,34,36と、を有する。また、下側部材2と同様、上側部材3の溝部30の内側は、上述したマット4の一部をなす上側マット41により覆われている。
【0033】
上側部材3の各第1フランジ部は、下側部材2のいずれかの第1フランジ部と1対1で対応している。また、上側部材3の各第2フランジ部は、下側部材2のいずれかの第2フランジ部と1対1で対応している。そして、本実施形態では、一例として、下側部材2及び上側部材3における対応する2つのフランジ部は、同程度の長さLを有している。しかし、これらのフランジ部は、異なる長さLを有していても良い。
【0034】
そして、インシュレータ1の製造方法は、(1)下側姿受け配置工程,(2)下側部材配置工程、(3)排気部材配置工程,(4)上側部材配置工程,(5)上側姿受け配置工程,(6)第1かしめ工程,(7)解除工程,(8)第2かしめ工程を有する。以下では、各工程について説明する。これらの工程では、下側部材2及び上側部材3に設けられたフランジ部のセットの数と同数の、下側姿受け、上側姿受け、第1台座、及び、第2台座が用いられる。
【0035】
[(1)下側姿受け配置工程]
下側姿受け配置工程では、図3に示すように、3つの下側姿受け60〜62と、3つの第1台座71,73,75と、3つの第2台座70,72,74とが配置される。第2台座70,72,74の各々は、台座固定部を有する。台座固定部は、第2台座の上面から上方に突出する1又は複数の固定用突出部として構成される。本実施形態では、各台座固定部は、一例として、図4に示すように、1つのピン状の固定用突出部70a,72a,74aとして構成されている。なお、固定用突出部は、例えば、角柱状であっても良いし、板状であっても良い。固定用突出部は、上下移動により上面からの突出距離が変わると共に、下方向の移動により第2台座の内部に収納される。
【0036】
下側姿受け60〜62は、下側部材2の溝部20の外側を下方から支持するよう構成された部材である。下側姿受け60〜62の各々は、下側部材2におけるいずれかのフランジ部のセットに対応している。各下側姿受けは、溝部20の外側における、対応するセットに含まれる第1及び第2フランジ部に挟まれる領域(以後、支持領域)を下方から支持する。
【0037】
図4に示すように、下側姿受け60は、その上面60aを介して支持領域に接触し、溝部20を下方から支持する。上面60aは、該支持領域に対応する形状を有している。本実施形態では、一例として、上面60aは、側方視すると円弧状の形状となっており、その全域が該支持領域に接触するよう構成されている。なお、他の下側姿受け61,62も、同様にして上面を介して支持領域に接触し、溝部20を下方から支持する。
【0038】
また、第1台座71,73,75の各々は、下側部材2の第1フランジ部21,23,25のうちのいずれかに対応している。一方、第2台座70,72,74の各々は、下側部材2の第2フランジ部22,24,26のうちのいずれに対応している。そして、第1及び第2台座は、当該台座の上部に設けられた支持面が対応するフランジ部に当接し、支持面を介して該フランジ部を下方から支持するよう構成されている。支持面は、対応するフランジ部の長さLと同程度の長さを有する。
【0039】
このため、図3,4に示すように、同一のセットに含まれる第1及び第2フランジ部を支持する第1及び第2台座は、該セットに対応する下側姿受けを挟んで対面した状態で配置される。なお、同一セットに対応するこれらの第1及び第2台座及び下側姿受けは、一の部材として一体化されていても良い。また、同一セットに対応する第1及び第2台座において、第1台座の支持面は、第2台座の支持面よりも長い。
【0040】
[(2)下側部材配置工程について]
下側姿受け配置工程の後に、下側部材配置工程が行われる。下側部材配置工程では、図5,6のように、以下の(a)〜(c)の条件を全て充足した状態で、下側部材2が配置される。
【0041】
(a)下側部材2の溝部20の外側における各支持領域が、対応する下側姿受けにより下方から支持される。
(b)下側部材2の第2フランジ部22,24,26の各々が、第2台座70,72,74のうちの対応するいずれかにより下方から支持される。さらに、これらの第2フランジ部は、フランジ固定部及び対応する第2台座の台座固定部及を介して、その位置が固定される。具体的には、第2台座の固定用突出部70a,72a,74aが、固定用孔部22a,24a,26aに嵌入することで、各第2フランジ部の位置が固定される。
(c)下側部材2の第1フランジ部21,23,25の各々が、第1台座71,73,75のうちの対応するいずれかにより下方から支持される。
【0042】
[(3)排気部材配置工程について]
下側部材配置工程の後に、排気部材配置工程が行われる。排気部材配置工程では、図7,8のように、下側部材配置工程で配置された下側部材2の溝部20の内側に、排気部材5が配置される。この時、排気部材5は、溝部20に沿って配置され、排気部材5の側面は、溝部20の内側を覆う下側マット40に当接した状態となる。また、一例として、溝部20の端部20aの位置と排気部材5の端部5aの位置とを合わせることで、排気部材5の位置決めがなされても良い。
【0043】
[(4)上側部材配置工程について]
排気部材配置工程の後に、上側部材配置工程が行われる。上側部材配置工程では、図9,10のように、以下の(d)〜(f)の条件を全て充足した状態で、上側部材3が配置される。
【0044】
(d)上側部材3の溝部30の内側が、上側マット41を挟んで、下側部材2に配置された排気部材5、及び、下側部材2の溝部20の内側に対面する。
(e)上側部材3の第1フランジ部31,33,35の各々が、下側部材2における対応する第1フランジ部に当接した状態で、第1台座71,73,75のいずれかにより下方から支持される。
(f)上側部材3の第2フランジ部32,34,36の各々が、下側部材2における対応する第2フランジ部に当接した状態で、第2台座70,72,74により下方から支持される。さらに、これらの第2フランジ部は、フランジ固定部及び第2台座の台座固定部を介して、その位置が固定される。具体的には、第2台座の固定用突出部70a,72a,74aが、固定用孔部32a,34a,36aに嵌入することで、各第2フランジ部の位置が固定される。
【0045】
なお、排気部材配置工程により、排気部材5は、上側部材3の溝部30に沿って配置された状態となる。また、排気部材5の側面は、溝部30の内側を覆う上側マット41に当接した状態となる。
【0046】
[(5)上側姿受け配置工程]
上側部材配置工程の後に、上側姿受け配置工程が行われる。上側姿受け配置工程では、図11,12のように、上側姿受け80〜82の各々が、上側部材配置工程で配置された上側部材3の溝部30の外側を上方から覆った状態で配置される。
【0047】
上側姿受け80〜82は、上側部材3の溝部30の外側を上方から押さえるよう構成された部材である。上側姿受け80〜82の各々は、上側部材3におけるいずれかのフランジ部のセットに対応している。各上側姿受けは、溝部30の外側における、対応するセットに含まれる第1及び第2フランジ部に挟まれる領域(以後、押圧領域)を上方から押さえる。
【0048】
図11のように、上側姿受け80は、その下面80aを介して押圧領域に接触し、溝部30を上方から押さえる。下面80aは、該押圧領域に対応する形状を有している。本実施形態では、一例として、下面80aは、側方視すると円弧状の形状となっており、その全域が該押圧領域に接触するよう構成されている。なお、他の上側姿受け81,82も、同様にして下面を介して押圧領域に接触し、溝部30を上方から押さえる。
【0049】
これにより、上側姿受け80〜82の各々は、下側姿受け60〜62のいずれかと対面した状態となる。つまり、下側部材2及び上側部材3は、溝部における第1及び第2フランジ部に挟まれた部分が、上側姿受けと下側姿受けとにより上下方向に挟まれた状態となる。
【0050】
[(6)第1かしめ工程について]
上側姿受け配置工程の後、下側部材2及び上側部材3が、溝部における第1及び第2フランジ部に挟まれた部分が上側姿受けと下側姿受けとにより上下方向に挟まれた状態を維持したまま、第1かしめ工程が行われる。本実施形態では、上述したセットをなす第1及び第2フランジ部のうち、長い方(つまり、第1フランジ部)から先にかしめが行われる。第1かしめ工程では、下側部材2の各第1フランジ部と、該第1フランジ部に当接する上側部材3の第1フランジ部とのかしめが行われる。これにより、互いに当接する下側部材2及び上側部材3の第1フランジ部同士は、接合されて上述した第1かしめ部となる。なお、本実施形態では、第1フランジ部21,23,25が同時にかしめられる。しかし、これに限らず、第1フランジ部21,23,25は、任意の順番でかしめられても良い。
【0051】
ここで、下側部材2及び下側部材3における各第1フランジ部の全部又は一部のかしめにおいて、一例として、予備曲げ及びV曲げが行われても良い。無論、各第1フランジ部に対し、予備曲げ及びV曲げ以外のかしめが行われても良い。また、後述するかしめユニット1とかしめユニット2とは、別体でも一体であっても良い。以下では、一例として、第1フランジ部21,31に対する予備曲げ及びV曲げについて説明する。
【0052】
図13のように、下側部材2の第1フランジ部21は、上側部材3の第1フランジ部31よりも幅が広くなっている。そして、上側部材配置工程で上側部材3が配置された際、下側部材2の第1フランジ部21は、上側部材3の第1フランジ部31よりも外側に突出した状態となる。以後、下側部材2の第1フランジ部21において、上側部材3の第1フランジ部31よりも外側に突出した部分を、外側部分21aと記載する。
【0053】
予備曲げでは、外側部分21aが第1フランジ部31の上面を覆った状態となるよう、第1かしめユニット90により外側部分21aが屈曲される。これにより、上側部材3の第1フランジ部31の上側及び下側に、下側部材2の第1フランジ部21が重なった状態となる。換言すれば、上側部材3の第1フランジ部31は、屈曲された下側部材2の第1フランジ部21により挟持された状態となる。
【0054】
そして、V曲げでは、重なった状態となった第1フランジ部21,31が、下方に突出するようにV字状に屈曲させる。具体的には、第1台座71における第1フランジ部21を支持する面である上面は、第1フランジ部21の長さ方向に延びる。そして、図14のように、上面には、当該上面により支持される第1フランジ部21に沿って延びる窪み71aが設けられている。窪み71aは、長さ方向に直交する断面においてV字状となるよう窪んでいる。また、V曲げに用いられる第2かしめユニット91の下面には、V字状の突出部91aが設けられる。突出部91aは、窪み71aと同様の形状を有し、窪み71aと同様にして長さ方向に延びる。なお、突出部91aにおける長さ方向に直交する断面は、V字状となっている。
【0055】
そして、予備曲げがなされた第1フランジ部21,31を、上方から第2かしめユニット91の突出部91aにより上方から押圧することで、V曲げが行われる。これにより、第1フランジ部21,31は、長さ方向の一端から他端にかけてV字状に屈曲される。より詳しくは、第1フランジ部21,31は、長さ方向に直交する断面においてV字状に屈曲した状態となる。
【0056】
[(7)解除工程]
第1かしめ工程の後に、解除工程が行われる。解除工程では、下側部材2及び上側部材3における各第2フランジ部の、台座固定部及びフランジ固定部を介した位置の固定が解除される。本実施形態では、一例として、固定用突出部70a,72a,74aが第2台座の内部に収納される。これにより、各固定用突出部が、各第2フランジ部の固定用孔部22a,24a,26a,32a,34a,36aから取り除され、その結果、位置の固定が解除される。なお、この他にも、例えば、固定用突出部を第2フランジ部の固定用孔部から上方に抜き取ることで、位置の固定が解除されても良い。
【0057】
[(8)第2かしめ工程]
解除工程の後、下側部材2及び上側部材3が、溝部における第1及び第2フランジ部に挟まれた部分が上側姿受けと下側姿受けとにより上下方向に挟まれた状態を維持したまま、第2かしめ工程が行われる。第2かしめ工程では、下側部材2の第2フランジ部22,24,26の各々と、該第2フランジ部に当接する上側部材3の第2フランジ部とのかしめが行われる。これにより、互いに当接する下側部材2及び上側部材3の第2フランジ部同士は、接合されて上述した第2かしめ部となる。なお、本実施形態では、第2フランジ部22,24,26が同時にかしめられる。しかし、これに限らず、第2フランジ部22,24,26は、任意の順番でかしめられても良い。
【0058】
また、下側部材2及び下側部材3における各第2フランジ部の全部又は一部のかしめにおいて、一例として、上述した予備曲げ及びV曲げが行われても良い。無論、各第2フランジ部に対し、予備曲げ及びV曲げ以外のかしめが行われても良い。
【0059】
[効果]
(1)従来、ターボのコンバータに用いられるインシュレータは、板厚が厚く、質量の大きいものが用いられ、コンバータが配置された排気部材の外側に設けられたブラケットに、ボルトにより取り付けられていた。このため、コンバータの振動がブラケット等を介してインシュレータに伝達し、騒音が発生する恐れがあった。
【0060】
これに対し、本実施形態のインシュレータ1は、従来に比べ板厚が極めて薄く、質量の小さいものが用いられ、内側からマット4により支持されている。このため、インシュレータ1は、従来に比べ軽量化される。また、コンバータ50の振動がマット4により吸収され、従来に比べ騒音が抑制される。
【0061】
ここで、低剛性の板状部材同士をかしめにより接合する場合、板状部材が変形する恐れがある。このため、かしめにより接合される板状部材は、変形を抑制できる程度の十分な剛性を得るため、一般的に、少なくとも1.0mm程度の厚さ必要と考えられていた。これに対し、本実施形態のインシュレータ1を構成する下側部材2及び上側部材3は、厚さが従来の3分の1以下であり、極めて薄く、低剛性となっている。このため、従来の手法により下側部材2及び上側部材3のかしめを行うと、下側部材2及び上側部材が変形する恐れがある。
【0062】
これに対し、本実施形態の製造方法によれば、下側部材2及び上側部材3の第1フランジ部同士のかしめを行う際、下側部材2及び上側部材3の各第2フランジ部は、フランジ固定部及び台座固定部を介して第2台座70,72,74に固定される。さらに、下側部材2の溝部20は下方から下側姿受け60〜62により支持されると共に、上側部材3の溝部30は、上方から上側姿受け80〜82により押さえられる。つまり、下側部材2及び上側部材3が、上側姿受け80〜82と下側姿受け60〜62とにより上下方向に挟まれた状態を維持したまま、かしめが行われる。このため、下側部材2及び上側部材3の第1フランジ部同士のかしめを行う際、下側部材2及び上側部材3の全体が良好に固定され、その結果、下側部材2及び上側部材3の双方又は一方の変形が抑制される。
【0063】
その後、下側部材2及び上側部材3の第2フランジ部同士のかしめを行う際も、同様にして、下側部材2の溝部20は下方から下側姿受け60〜62により支持されると共に、上側部材3の溝部30は、上方から上側姿受け80〜82により押さえられる。つまり、下側部材2及び上側部材3が、上側姿受け80〜82と下側姿受け60〜62とにより上下方向に挟まれた状態を維持したまま、かしめが行われる。また、この時、下側部材2及び上側部材3の各第1フランジ部は、かしめにより接合されている。このため、下側部材2及び上側部材3の第2フランジ部同士のかしめを行う際、下側部材2及び上側部材3の全体が良好に固定され、その結果、下側部材2及び上側部材3の双方又は一方の変形が抑制される。
【0064】
したがって、剛性の低いインシュレータ1を良好に製造することが可能となる。
(2)また、本実施形態の製造方法によれば、排気部材配置工程にて排気部材5が下側部材2の内側に配置された後、上側部材配置工程にて上側部材3が配置される。このため、排気部材を好適に配置することが可能となる。
【0065】
(3)また、本実施形態の製造方法によれば、第2台座における台座固定部は、1又は複数の固定用突出部として構成されており、第2フランジ部のフランジ固定部は、1又複数の固定用孔部として構成されている。そして、各第2フランジ部の1又複数の固定用孔部に、第2台座の1又は複数の固定用突出部が嵌入することで、第2フランジ部の位置が固定される。このため、下側部材2及び上側部材3の各第2フランジ部を、好適に第2台座に固定することが可能となる。
【0066】
(4)また、第1及び第2かしめ工程では、全部又は一部のフランジ部のかしめとして、予備曲げ及びV曲げが行われる。このため、下側部材2及び上側部材3のフランジ部同士を、好適に接合することが可能となる。
【0067】
(5)また、インシュレータ1が設けられる排気部材5は、ターボを作動させるタービンに向けて排気を流下させる部材である。このため、ターボの騒音等を抑制するために用いられる、剛性の低いインシュレータ1を良好に製造することが可能となる。
【0068】
(6)本実施形態の製造方法では、下側部材2における固定用孔部22a,24a,26aを有する第2フランジ部22,24,26の内の少なくとも1つが、溝部20を挟んでいずれかの第1フランジ部の反対側に位置する。このため、下側部材2と上側部材3の位置決めが精度良く行われる。その結果、かしめにより、高精度の形状を有するインシュレータを製造することが可能となる。
【0069】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態のインシュレータ1の製造方法では、第2台座の台座固定部と、各第2フランジ部のフランジ固定部とにより、下側部材2及び上側部材3の位置が固定される。しかし、台座固定部とフランジ固定部とにより位置を固定する具体的方法は、本実施形態に記載された方法に限定されない。具体的には、例えば、互いに当接する2つの第2フランジ部を、例えば、所定の部材により上下方向に挟持する、及び/又は、所定の部材により側方から支持することで、位置が固定されても良い。
【0070】
(2)上記実施形態のインシュレータ1の本体部10は、排気部材5を覆うマット4を介して内側から支持された状態となる。しかしながら、本体部10は、例えば、排気部材5に設けられた1又は複数のブラケット等を介して内側から支持された状態となっても良い。この場合、排気部材配置工程では、下側部材2の溝部20の内側に配置された排気部材5は、1又は複数のブラケット等を介して支持された状態となる。また、上側部材配置工程では、上側部材3の溝部30の内側は、1又は複数のブラケット等を介して支持された状態となる。
【0071】
(3)上記実施形態では、排気部材配置工程にて排気部材5が配置された後に、上側部材配置工程にて上側部材3が配置される。しかしながら、例えば、上側部材3が配置された後に、下側部材2と上側部材3との間に排気部材5が配置されても良い。また、例えば、下側部材2と上側部材3とがかしめにより接合された後に、下側部材2と上側部材3との間に排気部材5が配置されても良い。
【0072】
(4)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…インシュレータ、2…下側部材、3…上側部材、5…排気部材、20…溝部、21,23,25…第1フランジ部、22,24,26…第2フランジ部、22a,24a,26a…固定用孔部、30…溝部、31,33,35…第1フランジ部、32,34,36…第2フランジ部、32a,34a,36a…固定用孔部、50…コンバータ、60〜62…下側姿受け、70,72,74…第2台座、70a,72a,74a…固定用突出部、71,73,75…第1台座、71a…窪み、80〜82…上側姿受け、90…第1かしめユニット、91…第2かしめユニット、91a…突出部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14