特許第6669729号(P6669729)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6669729
(24)【登録日】2020年3月2日
(45)【発行日】2020年3月18日
(54)【発明の名称】独立型椎体間インプラント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20200309BHJP
【FI】
   A61F2/44
【請求項の数】8
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2017-512872(P2017-512872)
(86)(22)【出願日】2015年5月15日
(65)【公表番号】特表2017-518854(P2017-518854A)
(43)【公表日】2017年7月13日
(86)【国際出願番号】US2015031105
(87)【国際公開番号】WO2015175952
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2018年4月26日
(31)【優先権主張番号】14/278,898
(32)【優先日】2014年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】パドヴァニ,ニック
(72)【発明者】
【氏名】グレイ,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ザッパコスタ,ジェイソン
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0039623(US,A1)
【文献】 特表2013−540503(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/115631(WO,A1)
【文献】 特表2015−504772(JP,A)
【文献】 特表2012−512009(JP,A)
【文献】 特表2011−518007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する椎骨間の椎間腔における移植のための椎間インプラントであって、
上面、下面、近位端、及び遠位端を有するスペーサーであって、前記上面及び前記下面が各々、隣接する椎骨と係合するように構成された接触域を有し、前記スペーサーが、前記スペーサーの前記上面から前記下面まで延在する開口部を画定し、前記スペーサーが、第1のスペーサー部分、第2のスペーサー部分、及び前記第1のスペーサー部分を前記第2のスペーサー部分に接続するコネクタで形成され、前記コネクタは前記第1のスペーサー部分の第1のほぞ穴内部に受容される第1のほぞ、及び前記第2のスペーサー部分の第2のほぞ穴内部に受容される第2のほぞを含んでいる、スペーサーと、
締結具を受容するように、サイズ決めされ、寸法決めされた締結具孔を少なくとも部分的に画定する挿入部であって、陥凹または突出部のいずれかにより、前記挿入部の第1の端部が前記第1のスペーサー部分に連結され、前記挿入部の第2の端部が前記第2のスペーサー部分に連結される、挿入部と、を備える、インプラント。
【請求項2】
前記挿入部の少なくとも一部分が、前記スペーサーの前記上面、前記下面、または両面を越えてある距離分延在する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記スペーサーが第1の材料で形成され、前記挿入部が前記第1の材料と異なる第2の材料で形成される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項4】
前記挿入部がヘッド部分及びそこから突出するアームを備え、前記ヘッド部分が前記締結具孔を画定する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項5】
前記スペーサーが、前記アームの少なくとも一部分を保持するように、サイズ決めされ、寸法決めされた少なくとも1つの陥凹を画定する、請求項4に記載のインプラント。
【請求項6】
前記アームが、相欠き継手を形成するように前記スペーサーの一部分に載せられ、前記相欠き継手が少なくとも1つのピンで固定される、請求項4に記載のインプラント。
【請求項7】
前記アームには、前記スペーサーの段付構成と嵌合するように段が付けられている、請求項6に記載のインプラント。
【請求項8】
前記挿入部が前面及び少なくとも1つのアイブロー部を備え、前記アイブロー部が前記スペーサーの前記上面、前記下面、または両面を越えて突出し、前記締結具を受容するための前記締結具孔が、水平面に対して発散角度で前記挿入部の前記前面を横切る、請求項1に記載のインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、隣接する椎体の位置付け及び固定化のための固定装置に関する。具体的には、この装置は独立型椎体間固定装置を含み得る。
【背景技術】
【0002】
人間が老化するにつれて、脊柱の椎間板は劣化し始める場合がある。その後、椎間板は高さを損失している状態である。椎体間の高さの損失の結果として、脊柱管から出る神経が圧迫されて挟まれるようになり、このことが、他の神経障害の中でもとりわけ痛みを引き起こす。1つの解決法は、高さを修復するために椎間板の代わりにスペーサーを挿入して、隣接する椎体間の固定を促進し、修復した高さを永続的に維持することである。さらなる固定化もまた、脊柱分節を安定化させるために必要とされる。プレートが通常は提供され、そのプレートは隣接する椎体の前方部分に位置付けられ得る。いくつかの場合には、プレートの外形状は解剖学的形状に妨げとなる。脊椎への進入もまた、直接の前方進入が脈管解剖学的形状のナビゲーションまたは切開を必要とするという点において大きな影響を与える。
【0003】
結果的に、脊椎柱から前方に突起する任意の外形状を制限し、直接の前方進入からの近位の解剖学的形状を回避するために、スペーサーを隣接する椎骨に直接取り付けるための固定化要素を有するスペーサーを提供する必要性が存在する。しかしながら、スペーサーがポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのある特定の非金属材料のみから作製されたとき、スペーサー単独では、スクリューなどの固定化要素を支持するために十分強固ではない場合がある。したがって、強固な材料で、または固定化要素のための追加の支持を提供するような様式で少なくとも部分的に構築されたスペーサーに対する必要性もまた存在する。
【発明の概要】
【0004】
この必要性及び他の必要性を満たすため、独立型椎体間固定インプラント及び装置が提供される。本インプラントには、スペーサーと少なくとも1つの挿入部または部材とが提供されてもよい。挿入部または部材は、スクリュー、止め金、ピン、釘等、及び隣接する椎骨へのスペーサーなどの固定化要素または締結具を固定するように設計される孔を画定するのに特に適したものであり得る。これらのインプラントは、隣接する椎骨の固定を促進する一方で、同時に固定が生じる脊柱域の安定化を提供する、脊椎安定化系を可能にする。
【0005】
一実施形態に従い、隣接する椎骨間の椎間腔における移植のための椎間インプラントは、スペーサー及び少なくとも1つの挿入部を含む。スペーサーは上面、下面、近位端、及び遠位端を有する。上面及び下面は、各々、隣接する椎骨と係合するように構成された接触域を有する。スペーサーは、スペーサーの上面から下面まで延在する開口部を画定する。開口部は、隣接する椎体の固定を促進するように、骨移植材料を受容するように構成され得る。スペーサーは、近位端から開口部まで延在する1つ以上の切欠きを画定する。スペーサーは、隣接する椎骨と係合するために、上面及び下面の接触域上の複数の突起部を含み得る。
【0006】
挿入部は、締結具孔を少なくとも部分的に画定する。これらの孔は、骨スクリューなどの固定装置または締結具を収容及び受容するように、設計され、サイズ決めされ、寸法決めされた貫通孔の形態であり得る。挿入部の少なくとも一部分がスペーサー内の切欠きに受容されるように、挿入部はスペーサーに連結される。
【0007】
挿入部は、スペーサーの強度及び安定性を増強するような方法で構成され得る。挿入部は、スペーサーの上面、下面、または両面を越えてある距離分延在し得る(例えば、挿入部の一部分はスペーサーの上面及び下面の上方または下方に延在し得る)。例えば、挿入部の前面は、少なくとも1つのアイブロー部を含み得、アイブロー部はスペーサーの上面、下面、または両面を越えて突出する。締結具を受容するための締結具孔は、隣接する椎骨のうちの一方または両方に本インプラントを固定することを助けるために水平面に対して発散角度で挿入部の前面を横切り得る。
【0008】
典型的に薄く、平坦な、材料のシートまたは条片である従来のプレートとは異なり、挿入部には、スペーサーと継ぎ目なく一体化するように設計される所与の深さ及び寸法が提供される。具体的には、挿入部の深さは挿入部の幅及び/または高さよりも大きい場合がある。挿入部は、ヘッド部分及びそこから突出している少なくとも1つのアームを含み得る。ヘッド部分は、締結具を保持するように構成された孔を画定するように拡張され得る。アームは、ヘッド部分から離れて外側に、内側に、及び/または後方に延在し得る。具体的には、アームは、後方に延在し得、スペーサーの形状及び設計を模倣するように構成され得る。スペーサーは、アームの少なくとも一部分を保持するように、サイズ決めされ、寸法決めされた少なくとも1つの陥凹を画定し得る。例えば、アームは、重ね継手、相欠き継手、段付き継手等を形成するように、スペーサーの一部分またはその中の陥凹に載せられ得る。挿入部とスペーサーとの間に形成される任意の種類の継手は、1つ以上のピンで固定され得る。
【0009】
別の実施形態に従い、挿入部はリング、円柱、C字形状等の形状で提供され得る。リングまたはC字形状の挿入部には、例えば、挿入部がスペーサーを通じて切欠きと固く嵌合し、挿入部をスペーサーに固定することを可能にするように1つ以上の切込みが提供され得る。具体的には、1つ以上の切込みが、リングの周囲またはC字形状の挿入部で、長手方向に位置付けられ得る。
【0010】
さらに別の実施形態に従い、脊椎の椎体間の椎間腔の治療域における移植のための独立型インプラントは、スペーサー及び少なくとも1つの部材を含む。スペーサーは、第1のスペーサー部分及び第2のスペーサー部分を有し、第1及び第2のスペーサー部分の各々は第1の端部及び第2の端部を有する。第1のスペーサー部分の第2の端部は、第2のスペーサー部分の第1の端部に連結される。第1及び第2のスペーサー部分は、上面及び下面、ならびに上面及び下面を形成し、各々は隣接する椎骨と係合するように構成された接触域を有する。
【0011】
この部材は、上部面、下部面、第1の外側部分、第2の外側部分、及び締結具を受容するために部材を横切る少なくとも1つの穴を有する。この部材は、第1のスペーサー部分の第1の端部が部材の第1の外側部分と係合し、第2のスペーサー部分の第2の端部が部材の第2の外側部分と係合するように、スペーサーに連結される。
【0012】
第1及び第2のスペーサー部分は、任意の好適な様式で一緒に接合され得る。例えば、第1及び第2のスペーサー部分は、添え継手、そぎ継手、突合せ継手等により、一緒に嵌合され得る。代替としてまたは加えて、第1及び第2のスペーサー部分は、1つ以上のコネクタで一緒に固定され得る。例えば、コネクタは、第1のスペーサー部分の第2の端部の第1のほぞ穴及び第2のスペーサー部分の第1の端部の第2のほぞ穴の内部に受容されるようにサイズ決定され、構成された、少なくとも第1及び第2のほぞを含み得る。第1と第2のスペーサー部分との間に形成される任意の種類の継手が、1つ以上のピン等でさらに固定され得る。
【0013】
スペーサー部分及び部材もまた、任意の好適な様式で一緒に接合され得る。挿入部構成と同様に、部材は、重ね継手、相欠き継手、段付き継手等を形成するように、スペーサー部分の一部分またはその中の陥凹に載せられ得る。例えば、部材は、第1の外側部分から延在する第1の拡張部及び第2の外側部分から延在する第2の拡張部を含み得る。第1の拡張部は、第1の相欠き継手を形成するように第1のスペーサー部分上の第1の棚部と接触し得、第2の拡張部は、第2の相欠き継手を形成するように第2のスペーサー部分上の第2の棚部と接触し得る。所望の場合、第1及び第2の相欠き継手は、各々、少なくとも1つのピンでさらに固定され得る。
【0014】
さらなる実施形態に従い、隣接する椎骨間の椎間腔における移植のためのインプラントは、スペーサー及び前方部分を含む。スペーサーは、例えば、椎間腔への挿入のために構成された、上面、下面、近位端、及び遠位端を有する。上面及び下面は、各々、隣接する椎骨と係合するように構成された接触域を有する。スペーサーは、スペーサーの上面から下面まで延在する開口部を画定する。
【0015】
前方部分は、前方部分及びスペーサーが単一片であるようにスペーサーの近位端から延在する。前方部分は、上部面、下部面、第1の外側部分、第2の外側部分、及び締結具を受容するために前方部分を横切る少なくとも1つの穴を有する。前方部分の上部面または下部面の少なくとも一部分は、スペーサーの上面または下面を越えて延在する。例えば、少なくとも1つの梁は、一体構造の部品を形成するように、前方部分をスペーサーの近位端に接続し得る。
【0016】
スペーサーの遠位端は、スペーサーの圧縮及び膨張を可能にするように構成された第1のばね機構を有し得る。例えば、第1のばね機構は、V字型ばねの形態であり得る。加えて、スペーサーの近位端は、第2のばね機構を含み得る。第2のばね機構もまた、V字型ばねの形態であり得る。具体的には、第2のばね機構は、逆方向に配向された1つを超えるV字型ばねを含み得る。第1及び第2のばね機構は、スペーサー及び前方部分がチタンから構成されているときであっても、スペーサーが骨の弾性率をシミュレートするように構成され得る。
【0017】
本明細書に記載される実施形態のうちのいずれかにおいて、本インプラントはまた、スクリューの後退を防ぐために、例えば、スペーサー、挿入部、または部材上に配置されるロッキング機構を含み得る。例えば、カム式遮蔽機構は、一旦それらが本インプラント内に完全に挿入されると、固定装置スクリューを捉えるスクリューと共に使用され得る。
【0018】
本インプラントは、任意の好適な生体適合性材料から形成され得る。例えば、本インプラントは、チタンなどの生体適合性金属、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、骨等から製造され得る。一実施形態において、スペーサーは第1の材料で形成され、挿入部または部材は第1の材料と異なる第2の材料で形成される。挿入部または部材は、スペーサー内の1つ以上の開口部を強化し補強するように設計される(例えば、骨スクリューを保持するように設計される)、より強固な材料で作製され得る。例えば、スペーサーは、PEEKから形成され得、挿入部及び部材はチタンから形成され得る。前方部分及びスペーサーが単一片を形成する実施形態においては、1つ以上のばね機構が骨の弾性を模倣するスペーサーを可能にするので、チタンがインプラント全体のために選択され得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、添付の図面と関連付けて読まれるとき、以下の詳細な説明から最も良く理解される。一般的な方法に従い、図面の種々の機構は正確な縮尺ではないことが強調される。これとは反対に、種々の機構の寸法は、明確さのために任意に拡大または縮小される。図面には以下の図が含まれる。
【0020】
図1A】隣接する椎骨に固定されたとき、骨締結具を保持するように構成された挿入部を有するスペーサーを含む、頚部の椎体間固定のために好適な第1の実施形態の斜視図である。
図1B図1Aに示される実施形態の正面図である。
図1C図1Aに示される実施形態の上面図である。
図1D図1Aに示される実施形態の分解組立図である。
図1E図1Aに示される実施形態の側面図である。
図2A】挿入部を有する椎体間固定装置の、代替の実施形態の斜視図を示す。
図2B図2Aに示される実施形態の上面図である。
図2C図2Aに示される実施形態の分解組立図である。
図2D図2Aに示される実施形態の正面図である。
図2E図2Aに示される実施形態の側面図である。
図3A】陥凹した挿入部を有するスペーサーを含む第3の実施形態の斜視図である。
図3B図3Aに示される実施形態の分解組立図を示す。
図3C図3Aに示される実施形態の正面図を示す。
図3D図3Aに示される実施形態の上面図である。
図3E図3Aに示される実施形態の側面図である。
図4A】3つの挿入部を有するスペーサーを含む腰部椎体間固定術に好適なインプラントの第4の実施形態の斜視図を示す。
図4B図4Aに示される実施形態の分解組立図である。
図4C図4Aに示される実施形態の正面図である。
図4D図4Aに示される実施形態の底面図である。
図4E図4Aに示される実施形態の側面図である。
図5A】ヘッド及びアーム部分を有する挿入部を含む第5の実施形態の斜視図である。
図5B図5Aに示される実施形態の分解組立図を示す。
図5C図5Aに示される実施形態の上面図を示す。
図5D図5Aに示される実施形態の側面図である。
図5E図5Aに示される実施形態の正面図である。
図5F図5Eで指定される断面図である。
図6A】スペーサーの前部分の後方で陥凹した単一の挿入部を含む、第6の実施形態の斜視図である。
図6B図6Aに示される実施形態の分解組立図を示す。
図6C図6Aに示される実施形態の正面図である。
図6D図6Aに示される実施形態の側面図である。
図6E図6Aに示される実施形態の上面図である。
図7A】代替の挿入部を有する第7の実施形態の斜視図を示す。
図7B図7Aに示される実施形態の分解組立図を示す。
図7C図7Aに示される実施形態の正面図である。
図7D図7Aに示される実施形態の側面図である。
図7E図7Aに示される実施形態の上面図である。
図8A】挿入部がリングの形態である、第8の実施形態の斜視図を提供する。
図8B図8Aに示される実施形態の分解組立図を示す。
図8C図8Aに示される実施形態の正面図である。
図8D図8Aに示される実施形態の側面図である。
図8E図8Aに示される実施形態の上面図である。
図9A】挿入部がC字形状の構成を有する、第9の実施形態の斜視図である。
図9B図9Aに示される実施形態の分解組立図を示す。
図9C図9Aに示される実施形態の正面図である。
図9D図9Aに示される実施形態の側面図である。
図9E図9Aに示される実施形態の上面図である。
図10A】クランプに類似する設計を有する単一の挿入部を含む第10の実施形態の斜視図である。
図10B図10Aに示される実施形態の分解組立図である。
図10C図10Aに示される実施形態の側面図である。
図11A】2部構成のスペーサー及び部材を含む、第11の実施形態の分解組立図を示す。
図11B図11Aに示される実施形態の斜視図を示す。
図11C図11Aに示される実施形態の正面図である。
図11D図11Aに示される実施形態の側面図である。
図11E図11Aに示される実施形態の上面図である。
図12A】2部構成のスペーサーが接続部材により接合される、第12の実施形態の分解組立図を示す。
図12B図12Aに示される実施形態の斜視図を示す。
図12C図12Aに示される実施形態の正面図である。
図12D図12Aに示される実施形態の側面図である。
図12E図12Aに示される実施形態の上面図である。
図13A】前方部分及びスペーサー部分を有する単一片インプラントの、第13の実施形態の前方位置からの斜視図である。
図13B図13Aに示される実施形態の後方位置からの別の斜視図である。
図13C図13Aに示される実施形態の側面図である。
図13D図13Aに示される実施形態の上面図である。
図13E図13Aに示される実施形態の別の斜視図である。
図13F図13Aに示される実施形態の正面図である。
図13G図13Aに示される実施形態の代替的な変形である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の実施形態は、概して独立型椎体間固定インプラントに関する。具体的には、本インプラントは少なくとも1つの挿入部または部材と組み合わせられたスペーサーを含む。挿入部または部材が、例えば、スクリュー、止め金、ピン、釘等の骨締結具を保持するように設計される貫通孔などの開口部を提供するために含まれ得る。
【0022】
本開示の実施形態及び種々の機構ならびにその有利な詳細が、添付の図面に記載及び/または例示され、以下の説明で詳述される、非限定的な実施形態及び実施例への参照と共により詳しく説明される。一実施形態の機構は、たとえ本明細書に明記されていないとしても、当業者が認めるように、他の実施形態と共に用いられ得る。周知の構成要素及び加工技術の説明は、本開示の実施形態を不必要に曖昧にしないように省略され得る。本明細書において使用される実施例は、単に、本開示が実践され得、当業者が本開示の実施形態を実践することをさらに可能にする方法の理解を促進することを意図している。したがって、本明細書における実施例及び実施形態は、本開示の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、単に添付の特許請求の範囲及び適用法令により定義される。さらに、同様な参照番号は、図面のうちのいくつかの図全体を通して、同様な部分を表すことに注意されたい。
【0023】
本明細書及び特許請求の範囲において使用されるとき、「備える(comprising)」及び「含む(including)」という用語は、包括的または制限のないものであり、追加の未引用の要素、組成上の構成要素、または方法のステップを除外しない。したがって、「備える(comprising)」及び「含む(including)」という用語は、「本質的に〜から成る(consisting essentially of)」及び「〜から成る(consisting of)」という、より限定的な用語を包含する。
【0024】
ある特定の実施形態は、頚部の、胸部、腰部、及び/または脊椎の仙骨分節上で使用され得る。例えば、頚部から腰部分の脊椎における椎骨のサイズ及び質量増加は、直接的に、より大きな過重を支持するための増加した能力に関連する。しかしながら、荷重負担能力におけるこの増加は、柔軟性の低下及び負担への感受性における増加により平行化される。剛性固定化系が腰部分節に使用されるとき、柔軟性は、その分節の元来の運動制限をさらに超えて低下する。従来の剛性固定化系を、本明細書で開示される特定の実施形態と置き換えることは、概して、より自然な動きを修復し、負担感受性域に追加の支持体を提供し得る。
【0025】
図1A〜1Eは、独立型椎間インプラント1の、1つの特定の実施形態の異なる見方を例示する。図1Aの斜視図に示されるように、インプラント1はスペーサー12及び1つ以上の挿入部50を含む。挿入部50は、締結具孔34を画定し、及び/またはスペーサー12を安定化、強化、及び/または補強するように、特に設計され、構成され得る。
【0026】
スペーサー12は、上面42及び下面44を含む。上面及び下面42、44は、各々、隣接する椎骨(図示されず)と接触及び係合するように構成された接触域22を有する。上面及び下面42、44は、ヒトの脊椎の脊柱前湾角度(または他の角度)を修復または再構成することを助けるように、平行化され、曲げられ、または角度付けられ得る。具体的には、上面及び下面42、44は、脊椎の湾曲を説明するように、上部面及び下部面上に凸面湾曲を有し得るか、または遠位端から近位端までもしくは1方の外側側から他方まで角度付けられ得る。加えて、上面及び/または下面42、44は、隣接する椎骨の凹面終板によりぴったりと適合するように成形され得る。
【0027】
隣接する椎骨と係合するために、スペーサー12は、上面及び/または下面42、44の接触域22上に複数の突起部13または歯を含み得る。各インプラント1の上面及び下面42、44上の突起部13は、隣接する椎骨の終板を把持し、移行に抵抗し、排出抵抗を補助する。複数の突起部13はピラミッド形状であり得るが、突起部13は隣接する椎骨の各々へのスペーサー12及びインプラント1の固着を増強するように、任意のサイズまたは形状であるように構成されることができる。
【0028】
インプラント1は、開口部16を含み得る。開口部16は、骨移植パッキングのための最大量の体積を提供するように構成されたスペーサー12内部の、軸方向の移植孔の形態であり得る。開口部16は、例えば、隣接する椎体の固定を促進するように、骨移植材料を受容するように構成され得る。開口部16は、1つ以上の骨移植材料を保持するために好適な、実質的に中空の中心を画定するように、スペーサー12の上面42から下面44に延在し得る。例えば、死体骨、自家骨、骨懸濁液、BMP、または他の同様な材料は、椎間腔内部の組織成長を増強し得る。
【0029】
スペーサー12は、遠位端46及び近位端48を含む。スペーサー12の遠位端46は、椎間板腔内への挿入の容易さのために、先導テーパ40を含み得る。先導テーパ40は、インプラント1の挿入の間に、隣接する椎体の自己伸延を可能にする、面取り部または傾斜部の形態であり得る。先導テーパ40は、インプラント1の挿入方向に沿って位置付けられ得る。例えば、先導テーパ40は、椎間板腔への前方進入を助け得る。
【0030】
図1Dで提供されるように、スペーサー12が、近位端48から開口部16まで延在する少なくとも1つの切欠き24を画定する。具体的には、切欠き24は開口部16と流体連通している場合がある。切欠き24はまた、開口部16への外側側36、38の一部分を通して画定され得る。切欠き24は、任意の好適な形状及び構成であり得るが、好ましくは挿入部50の少なくとも一部分を受容し、保持するように、サイズ決めされ、寸法決めされる。例えば、切欠き24は、挿入部50の1つ以上の面または側面を受容するように、サイズ決めされ、寸法決めされ得る。切欠き24は、均一または非均一であり得、挿入部50と嵌合するように構成された、例えば雄雌嵌合を含む、任意の形態の陥凹及び突起部を備え得る。例えば、切欠き24は、スペーサー12上の1つ以上の段付き突出部26により画定され得る。切欠き24は、スペーサー12が単一の連続的な部品(図1D)のままであるように画定され得るか、または切欠き24は、スペーサーが別個の部分品または部品(図示されず)に分解されるように画定され得る。
【0031】
挿入部50は、スクリュー30などの締結具を受容するように、サイズ決めされ、寸法決めされた締結具孔34を備えるように構成され得る。したがって、インプラント1は、スクリュー、止め金、ピン、釘等の締結具を使用して、隣接する椎骨に固定され得る。
【0032】
挿入部50には、スペーサー12と継ぎ目なく一体化するように設計される、所与の深さ及び寸法が提供される。具体的には、挿入部50の深さは、挿入部50の幅及び/または高さよりも大きい場合がある。加えて、挿入部50は、スペーサー12の正面全体に渡って広がらない場合がある。代わりに、挿入部50は、スクリュー30などの骨締結具を補強する及び/または位置付けるために必要とされる位置においてのみ、スペーサー12と結び付くように設計された別個の単一体として提供され得る。したがって、挿入部50は、インプラント1の前部に最も近い、前部分または領域の一部分のみを形成し得る。図1Aに示される実施形態において、2つの挿入部50が存在するとき、挿入部50は、この2つの挿入部50の間に位置付けられるスペーサー12の一部分と離れて分離され得る。
【0033】
図1Dに示される挿入部50は、ヘッド部分52及びそこから突出する少なくとも1つのアーム54を含み得る。ヘッド部分52は、締結具を保持するように構成された、開口部または締結具孔34を画定するように拡張され得る。ヘッド部分52は、締結具孔34を形成する円柱形状部分を含み得る。アーム54は、スペーサー12と接触及び一体化するように、ヘッド部分52から1つ以上の方向に延在し得る。例えば、アーム54は、ヘッド部分52から離れて外側、内側、及び/または後方に延在し得る。具体的には、アーム54は、ヘッド部分52から離れて後方に、及びスペーサーに取り付けられたとき、スペーサー12の遠位端46に向かって、延在し得る。
【0034】
アーム54の一部分及び/またはヘッド部分52の一部分を含む挿入部50は、スペーサー12の形状及び設計を反映するように構成され得る。スペーサー12は、アーム54の少なくとも一部分を保持するように、サイズ決めされ、寸法決めされた、少なくとも1つの陥凹、突出部等を画定し得る。例えば、アーム54または挿入部50の任意の部分は、重ね継手、相欠き継手、ダブテール重ね継手、斜め重ね継手またはそぎ継手、段付き重ね継手、テーブル重ね継手等の継手を提供するために、スペーサー12の一部分またはその中に形成される陥凹に載せられ得る。具体的には、重ね継手は、それらを少なくとも部分的に重ねることにより(例えば、挿入部50の少なくとも一部分及びスペーサー12の一部分が重ねられる)2個の材料を一緒に接合することを含み得る。完全な重なりにおいて、材料は接合される部材のいずれかからも除去されず、2つの部材の統合した厚さの継手をもたらす。相欠き継手において、材料は、結果として生じる継手が最も厚い部材の厚さであるように、部材の各々から除去される。図1Eに示される実施形態において、挿入部50とスペーサー12との間の継手部分は、継手がスペーサー12の高さを増加させないように、少なくとも部分的に相欠き継手である。
【0035】
図1Eに示されるように、挿入部50はスペーサー12と、段付き重ね継手で接合し得る。挿入部50の一部分は、スペーサー12の段付き雌構成と嵌合するように、雄突出部に段が付けられ得る。垂直距離及び水平距離を有する一連のオフセット平面は、段付き外形状を形成し得る。例えば、挿入部50のアーム54は、スペーサー12上の対応する段付き突出部26と嵌合するように構成された雄突出部に段が付けられ得る。継手の構成に応じて、継手は挿入部50をスペーサー12に固定するように圧入係合または摩擦係合を形成し得るか、または継手は、例えば、接着剤、ピン78等で、さらに固定され得る。
【0036】
挿入部50は、挿入部50の少なくとも一部分が、スペーサー12内の切欠き24に受容されるように、スペーサー12に連結される。スペーサー12及び挿入部50は、当該技術分野で既知の任意の好適な様式で一緒に連結、着脱可能に連結、接続、または取り付けられ得る。スペーサー12及び挿入部50はまた、適切な連結方法または締結具を通して一緒に連結され得る。例えば、挿入部50及び切欠き24は、2つの部品の間の機械的境界面である、雄及び雌エッジを提供するように構成され得る。スペーサー12及び挿入部50の一部分は、スペーサー12と挿入部50を、取り外せないように一緒に取り付けるために使用され得る、摩擦嵌合、ダブテール組立、だぼピン、フック、止め金、スクリュー、接着剤等、または当該技術分野で既知の任意の好適な締結具を、単独でまたは組み合わせて使用して、一緒に組み立てられ得る。
【0037】
加えてまたは代替として、スペーサー12及び挿入部50は、スペーサー12及び/または挿入部50の少なくとも一部分を横切るピン78で一緒に固定され得る。例えば、アーム54は、そこを通って延在し、ピン78の一部分を受容するようにサイズ決定され、構成された1つ以上の開口部80を含み得る。同様に、スペーサー12の対応する部分は、アーム54をスペーサー12に固定するように、スペーサーを通って延在し、ピン78の余剰部を受容するようにサイズ決定され、構成された、1つ以上の開口部80を含み得る。これらの開口部80は、ねじが切られているか、またはそうでない場合がある。ピン78は、挿入部50とスペーサー12との間に継手を固定するために、例えば、水平面に対して実質的に垂直である様式で、貫通孔80を通り得る。例えば、ピン78は、スペーサー12の上面及び/または下面42、44に対して実質的に垂直に配向され得る。ピン78は、だぼの形態であり得るか、または全体的にまたは部分的にねじが切られている場合がある。ピン78は、例えば、チタンなどの生体適合性材料から形成され得るか、またはピン78はX線撮影の視覚化を可能にするように、タンタルから形成され得る。
【0038】
挿入部50のヘッド部分52は、挿入部50の配向に応じて、上部面62及び下部面64を含み得る。例えば、図1Dに描写される2つの挿入部50は、挿入部50がスペーサー12内のそれぞれの切欠き24を適合させるように逆方向に配向されたことを除いて、同一である。第1の挿入部50aは、上部面62がスペーサー12の上面42の一部分と嵌合するように構成され、下部面64が、スペーサーの下面44の一部分と嵌合するように構成されるように、配向された。逆に、第2の挿入部50bは、下部面64がスペーサー12の上面42の一部分と嵌合するように構成され、上部面62がスペーサーの下面44の一部分と嵌合するように構成されるように、配向された。
【0039】
挿入部50のヘッド部分52の上部面62及び/または下部面64は、スペーサー12の上面42、下面44、または両面42、44を越えてある距離分延在し得る。具体的には、挿入部50のヘッド部分52の一部分は、スペーサー12の上面及び下面42、44の上方または下方に延在し得る。例えば、第1の挿入部50aの下部面64は、下面44を越えて延在し得、第2の挿入部50bの下部面64は、スペーサー12の上面42を越えて延在し得る。
【0040】
第1及び第2の挿入部50a、50bの下部面64の突出部は、アイブロー部60の形態であり得る。アイブロー部60は、スクリュー30が上面及び下面42、44の基平面の周囲、下方、または上方に存在することをなお可能にする間、骨スクリュー30を完全に捉え得る。例えば、挿入部12の前面65は、少なくとも1つのアイブロー部60を含み得、アイブロー部60はスペーサー12の上面42、下面44、または両面42、44を越えて突出する。アイブロー部60は円形部分を含み得る。アイブロー部60は平滑面または粗面を含み得る。図1Bに示されるように、アイブロー部60は、平滑及び湾曲した面から構成されている場合がある。アイブロー部60の外側部分は、一旦移植されると、インプラント1のねじれ運動を防ぐかまたは最小化するように構成された1つ以上のねじり安定装置70をさらに含み得る。ねじり安定装置70は、隣接する椎骨の骨内へさらに把持するためにナイフエッジとして機能し得るか、または隣接する椎骨の隣接する前方面への止め具として機能する、拡張部またはフィンとして作用し得る。ねじり安定装置70は、隣接する椎骨と係合するように構成された、スパイクの付いたまたは鋭い、突出部または拡張部を含み得る。具体的には、ねじり安定装置70は、アイブロー部60の幅と実質的に同じかまたは実質的にそれより狭い幅を有し得る。
【0041】
挿入部50の上部面62の各々の一部分はまた、例えばアイブロー部60の反対側に位置付けられる、追加のねじり安定装置70を含み得る。上部面62上のねじり安定装置70は、アイブロー部60から延在するねじり安定装置70と、同じであるかまたは異なり得る。挿入部50の上部面62は、スペーサー12の固着を増強するように、スペーサー12の上面及び下面42、44の表面を完成させ得る。図1Dに示されるように、スペーサー12は、スペーサー12の上面及び/または下面42、44の切欠き24の刻み目23を含み得る。ねじり安定装置70を含む上部面62の拡張部は、インプラント1に対して連続的及び近接する上面及び/または下面を形成するように、この刻み目23に適合し得る。刻み目23は、形状及び寸法において、均一または非均一であり得る。具体的には、刻み目23は、挿入部50の上部面62を捕捉し、スペーサー12の上面及び/または下面42、44を完成させるように、部分的な矩形の断面を有し得るか、または任意の好適な形状であり得る。
【0042】
各挿入部50は、スクリュー30などの締結具を受容するように、サイズ決めされ、寸法決めされた、スクリュー孔または締結具孔34を含む。スクリュー30は、固定または可変角度を含む当該技術分野で既知の任意の好適なスクリューであり得る。スクリュー孔34は、所与の角度でスクリュー30を受容するように構成される。例えば、スクリュー30を受容するためのスクリュー孔34は、インプラント1を隣接する椎骨のうちの1つに固定するために、挿入部50の前面65を、水平面に対して発散角度で横切り得る。したがって、インプラント1が図1Aに示されるように2つの挿入部50を有する場合、スクリュー30は、最適位置で隣接する椎骨の各々に入るように、指定された角度でスクリュー孔34に入る。具体的には、スクリュー30は、最大スクリュー把持力のための角度で、上椎体及び下椎体内へ挿入され得る。
【0043】
椎間インプラント1は、2つの椎体の間の板部分が、露出し、除去された後、例えば骨鉗子または他の好適な器具を使用して脊椎内に位置付けられ得る。弁輪の後壁及び側壁は、インプラント1及び移植材料のための末梢の支持を提供するように、一般的に保存される。検査ホルダーに取り付けられた検査装置は、次いで、インプラント1のサイズを決定するために椎間板腔内に挿入され得る。この処置は、一般的に、蛍光透視法及び触感を使用して行われる。インプラント1は、多種多様な患者の解剖学的必要性に適合するように、種々の高さ及び幾何学的オプションで入手可能である。適切にサイズ決めされたインプラント1が選択され、インプラントホルダー及びドリルガイド(図示されず)に取り付けられた後、インプラント1は椎間板腔内に挿入され得る。インプラント1が椎間板腔内部に位置付けられる前または後に、追加の移植材料が固定を増強するために使用され得る。インプラント1は、前方、後方、外側、前外側、斜めの、及び/または孔を通る進入を使用して椎骨の腔内に移植され得る。図1Aに示されるインプラント1は、前方頚部の処置に対して特に好適であり得る。インプラント1は、構造的安定性及び低いまたはゼロの外形状設計を提供するために、独立型固定装置の形態であり得る。インプラント1は、好ましくは椎間板腔内への挿入の前に組み立てられる。
【0044】
一旦インプラント1が椎間板腔内に位置付けられると、例えば、突き錐または任意の同様な種類の器具が、スクリュー孔を開けるため及び隣接する椎体の外皮を切断するために使用され得る。この処置を行う外科医は、次いで、スクリュー長を決定するために深さゲージを使用し得る。一旦適切なスクリュー長が決定されると、スクリュー30は、例えば自己保持型スクリュードライバを使用して挿入され得る。スクリュー30の任意の好適な種類は、当業者により選択され得る。例えば、スクリュー30は、適切なねじ山の間隔、ねじ山の傾斜度、ねじ頭の設計、長さ等を有する、任意の好適なサイズの固定または可変角度スクリューを含み得る。
【0045】
一旦挿入されると、スクリュー30は、後退防止またはロッキング機構20で固定され得る。ロッキング機構20は、スクリューの後退を防ぐために、挿入されたスクリューの側面を捉えるような1つ以上の遮蔽用スクリュー32の形態であり得る。図1Bに描写されるように、ロッキング機構20が、スクリュー30の後退を防ぐためにスペーサー12上に配置され得る。例えば、カム式遮蔽機構は、一旦挿入部50内に完全に挿入されると、固定装置スクリュー30を捉える、スクリュー30と共に使用され得る。挿入部50は、ロッキング機構20がスクリュー30のねじ頭を遮蔽または遮蔽解除し得るように構成されたヘッド部分52の外周の切欠き56を含み得る。任意の好適な後退防止機構20は当業者により選択され得るが、示されるように、後退防止機構20は、インプラント1にスクリュー30を保持する、単一の止めスクリュー32を含み得る。
【0046】
図2A〜2Eは、インプラント10の第2の実施形態の、代替図を示す。一般的に、インプラント10の構造のほとんどは、インプラント1の構造と同様であるかまたはそれに相当する。この特定の実施形態において、上部面62上のねじり安定装置70は、複数の突起部13または歯と置き換えられる。図2Bに示されるように、挿入部50a、50bの上部面62の一部分は、スペーサー12の上面及び/または下面42、44の接触域22を拡張するように設計される複数の突起部13または歯を有する、拡張部を含み得る。挿入部50a、50bの上部面62上の突起部13は、スペーサー12の固着を増強するために、スペーサー12の上面及び下面42、44の表面を完成させ得る。図2Cに示されるように、スペーサー12は、スペーサー12の上面及び/または下面42、44の切欠き24の刻み目23を含み得る。刻み目23は、形状及び寸法において、均一または非均一であり得る。具体的には、刻み目23は、部分的な矩形断面を有し得る。複数の突起部13を含む上部面62の拡張部は、インプラント10に対して連続的及び近接する上面ならびに/または下面を形成するためにこの刻み目23内に適合し得る。複数の突起部13は、スペーサー12の余剰部上に提供される突起部13と同じであるかまたは異なり得る。
【0047】
第3の実施形態に従い、図3A〜3Eは、インプラント100の代替図を示す。一般的に、インプラント100の構造のほとんどは、インプラント1の構造と同様であるかまたはそれに相当する。この特定の実施形態において、異なる挿入部150が提供される。具体的には、挿入部150a、150bの上部面162は、複数の突起部を含まず、その代わりに平滑である。これらの平滑な上部面162は、スペーサー112の上面及び下面142、144を完成させない。代わりに、平滑な上部面162は、陥凹しており、スペーサー112の上面及び下面142、144の下方で嵌合される。加えて、切欠き124は、インプラント1に示されるものから修飾される。例えば、スペーサー112の上面及び下面142、144は、挿入部150の一部分を受容するために刻み目がないが、その代わりにスペーサーの近位端48に延在する。図3Bで明らかなように、スペーサー112上の段付き突出部126の一部分は、近接し、スペーサー112の近位端48と同一平面にあるように拡張される。
【0048】
第4の実施形態に従い、図4A〜4Eは、前方腰部処置のために特に好適であり得る、インプラント200を示す。一般的に、インプラント200の構造のほとんどは、インプラント1の構造と同様であるかまたはそれに相当する。この特定の実施形態において、3つの異なる挿入部250は、締結具孔234を提供する。
【0049】
図4Bに示される、第1の挿入部250aは、スペーサー212内のそれぞれの切欠き224に適合するための互いの鏡像以外、第2の挿入部250bと同一である。第1及び第2の挿入部250a、250bは、各々、締結具孔234を画定する。第1及び第2の挿入部250a、250bは、各々骨スクリュー230が上椎骨または下椎骨と係合することを可能にするように構成される。インプラント1と同様に、スペーサー212は、挿入部250を保持するようにサイズ決定され、構成された1つ以上の切欠き224を含み得る。切欠き224は、挿入部250のアーム254と嵌合するように構成された段付き突出部226を、さらに画定し得る。アーム254はまた、段を付けられ得、スペーサー212上の対応する段付き突出部226と嵌合するように構成され得る。挿入部250の一部分は、スペーサー212の段付き雌構成と嵌合する雄突出部に段が付けられ得る。アーム254は、段付き外形状を形成するために、例えば部材の垂直距離及び水平距離を有する、一連のオフセット平面を含み得る。切欠き224は、スペーサー212の上面242から下面244まで延在する開口部216と流体連通している場合がある。
【0050】
加えて、スペーサー212は、スペーサー212の上面242及び/または下面244の、切欠き224の1つ以上の刻み目223を含み得る。複数の突起部213を含む挿入部250の上部面262の拡張部は、インプラント200に対して連続的及び近接する上面を形成するために、それぞれの刻み目223に適合し得る。第3の挿入部250cは、第1及び第2の挿入部250a、250bの間に提供される。第3の挿入部250cは、第1及び第2の挿入部250a、250bと異なり、骨スクリュー230が上椎骨と係合することを可能にする。第3の挿入部250cが、平滑な上部面262と共に描写されるが、第3の挿入部250cはまた、突出部213、ねじり安定装置等を含み得る。
【0051】
締結具孔234は、ロッキング機構220が、それぞれの締結具孔234でスクリュー230のねじ頭を遮蔽または遮蔽解除するように構成され得る。示されるように、後退防止機構220は、第1の挿入部250aのスクリュー230の一部分及び第3の挿入部250cのスクリュー230の一部分を遮蔽するように構成された第1の止めスクリュー232aと、第3の挿入部250cのスクリュー230の一部分及び第3の挿入部250cのスクリューの一部分を遮蔽するように構成された第2の止めスクリュー232bとを、含み得る。
【0052】
図5A〜5Fは、インプラント300の第5の実施形態を示す。一般的に、インプラント300の構造のほとんどは、インプラント1の構造と同様であるかまたはそれに相当する。この特定の実施形態において、2つの異なる挿入部350が締結具孔334を提供する。この場合、修飾アーム354が、挿入部350をスペーサー312に接合させるように、スペーサー312内の少なくとも1つの陥凹318に少なくとも部分的に受容される。陥凹318は、開口部316からスペーサー312内へ、設定した深さを拡張し得る。陥凹318は、開口部316と流体連通している場合がある。陥凹318は、外側部分及び/または開口部316の遠位部分内で形成され得る。陥凹318は、スペーサー312の上面及び/または下面342、344の間の実質的に内側ならびにスペーサー312の上面及び/または下面と実質的に平行に位置付けられ得る。陥凹318は、挿入部350のアーム354の少なくとも一部分を保持するように、サイズ決めされ、寸法決めされ得る。
【0053】
図5Bに描写される2つの挿入部350は、スペーサー312内のそれぞれの切欠き324に適合するように逆方向に配向されたことを除いて、同一である。挿入部350は、ヘッド部分352及びそこから延在するアーム354を含み得る。アーム354は、ヘッド部分352から離れて後方に延在し得、スペーサーに取り付けられたときスペーサー312の遠位端346に向かって、延在し得る。アーム354は、例えば、スペーサー312の形状を模倣するために、アーム354が内側方向に配向されるようにヘッド部分352に対して角度付けられ得る。
【0054】
挿入部350の各アーム354は、第1のアーム位置354a及び第2のアーム位置354bを含み得る。第1のアーム位置354aは、挿入部350のヘッド部分352を第2のアーム位置354bに接続し得る。第2のアーム位置354は、第1のアーム位置354aに対して角度付けられ得る。第1のアーム位置354aはスペーサー312内の陥凹318の外側部分と係合し得、第2のアーム位置354bはスペーサー312内の陥凹318の遠位部分と係合し得る。ヘッド部分352、第1のアーム位置354a、及び第2のアーム位置354bを含む挿入部350の上部面362は、連続的及び近接する共平面であり得る。代替として、アーム354は、ヘッド部分352の上部面362の下方で陥凹し得る。挿入部350のアーム354は、挿入部350をスペーサー312に固定するために、圧入係合または摩擦係合を介してスペーサー312に接合し得るか、または継手は例えば、接着剤、ピン等でさらに固定され得る。
【0055】
インプラント1と同様に、挿入部350のヘッド部分352の下部面364は、スペーサー312の上面342、下面344、または両面342、344を越えてある距離分延在し得る。例えば、第1の挿入部350aの下部面364は下面344を越えて延在し得、第2の挿入部350bの下部面364はスペーサー312の上面342を越えて延在し得る。第1及び第2の挿入部350a、350bの下部面364の突出部は、アイブロー部360の形態であり得る。この実施形態において、アイブロー部360は、実質的に平滑及び湾曲した面を含む。示された実施形態において、ねじり安定装置は存在しないが、所望の場合、1つ以上のねじり安定装置が追加され得る。
【0056】
インプラント100と同様に、挿入部350a、350bの上部面362は、複数の突起部を含まず、その代わりに平滑である。これらの平滑な上部面362は、スペーサー312の上面及び下面342、344を完成させない。代わりに、平滑な上部面362は、陥凹し、スペーサー312の上面及び下面342、344の下方で嵌合する。加えて、切欠き324はインプラント1に示されるものと異なる。例えば、スペーサー312の上面及び下面342、344は、挿入部350の一部分を受容するために刻み目がないが、スペーサーの近位端348まで延在する。
【0057】
図6A〜6Eは、スペーサー412の前部分の後方で陥凹した単一部材450を含むインプラント400の第6の実施形態を示す。一般的に、インプラント400の構造のほとんどは、インプラント1の構造と同様であるかまたはそれに相当する。インプラント1内の各締結具孔34を備える個々の挿入部50とは異なり、この特定の実施形態において、単一部材450が全ての締結具孔434を提供する。
【0058】
この実施形態において、単一部材450は、締結具を上椎骨及び下椎骨の両方に固定するために2つの締結具孔434を提供する。この部材450には、アームが提供される場合も、されない場合もある。部材450は、スペーサー412内で陥凹し得、スペーサー412の前面465に対して後方に位置付けられる。具体的には、部材450は、部材450の第1の部分がスペーサー412内の第1の切欠き424内に受容され、部材450の第2の部分がスペーサー412内の第2の切欠き424に受容されるように、開口部416内部に位置付けられ得る。部材450は、スペーサー412の近位部分に沿うように湾曲し、成形され得る。
【0059】
インプラント1と同様に、部材450の上部面及び/または下部面462、464は、スペーサー412の上面442、下面444、または両面442、444を越えてある距離分延在し得る。例えば、部材450の上部面462の一部分は上面442の上方に延在し得、下部面464の一部分はスペーサー412の下面444の下方に延在し得る。単一部材450の上部面及び下部面462、464の突出部は、アイブロー部460の形態であり得る。この実施形態において、アイブロー部460は、実質的に平滑及び湾曲した面を含む。示された実施形態において、ねじり安定装置470はアイブロー部460の反対側に提供され、また、それぞれ上部面及び下部面462、464の両方から上方及び下方に突出している部材450上の実質的に内側にも提供される。ねじり安定装置470は、隣接する椎骨と係合するように構成された、スパイクの付いたまたは鋭い、突出部または拡張部を含み得る。
【0060】
第7の実施形態に従い、図7A〜7Eは、異なる種類の挿入部550を有するインプラント500を描写する。一般的に、インプラント500の構造のほとんどは、インプラント1の構造と同様であるかまたはそれに相当する。インプラント1内でアーム54を備える挿入部50とは異なり、この特定の実施形態において、締結具孔534を提供する挿入部550は、アームを含まず、スペーサー512内の少なくとも1つのスロット518内へ直接陥凹する。
【0061】
図7Bに描写される2つの挿入部550は、スペーサー512内のそれぞれの切欠き524に適合するために逆方向に配向されたことを除いて、同一である。挿入部550は、湾曲され得るか、または1つ以上の角度付けられた移行部を含み得る。挿入部550の少なくとも一部分は、挿入部550をスペーサー512に固定するために、圧入係合または摩擦係合を介してスペーサー512に接合し得るか、または継手が、例えば、接着剤、ピン等でさらに固定され得る。
【0062】
この実施形態において、挿入部550は、挿入部550をスペーサー512に接合するために、スペーサー512内の少なくとも1つのスロット518に少なくとも部分的に受容される。スロット518は、切欠き524からスペーサー512内へ、設定した深さを拡張し得る。例えば、スロット518は、切欠き524の下部分または上部分に形成され得、切欠き524と流体連通している場合がある。スロット518は、例えば角度付けられた部分を含む1つを超える部分を含み得る。角度付けられた部分は、アイブロー部560を平面部分に接続し得る。平面部分は、スペーサー12の上面及び/または下面542、544に対して実質的に垂直に位置付けられ得る。スロット518は、挿入部550の少なくとも一部分を保持するように、任意の好適な構成でサイズ決めされ、寸法決めされ得る。例えば、挿入部550の上部面562は、スロット518内部に接触及び適合し得る。挿入部550の上部面562は、実質的に平滑であり得るか、または滑らかでない場合もある。上部面562はまた、示されるように、湾曲したかまたは円形であり得る。これらの平滑な上部面562は、スペーサー512の上面及び下面542、544の下方で陥凹し、嵌合する。
【0063】
この実施形態において、挿入部550の深さは、スペーサーの近位部分の深さと同じかまたはそれよりも小さい場合がある。換言すれば、挿入部550は、切欠き524の深さ全体を充填する必要はない。図7Eに示されるように、挿入部550は切欠き524の一部分のみを充填する。この実施形態において、挿入部550は切欠き524内の実質的に中心に位置付けられるが、挿入部550は切欠き524内の任意の好適な位置に位置付けられ得ることが想定される。
【0064】
インプラント1と同様に、挿入部550の下部面564は、スペーサー512の上面542、下面544、または両面542、544を越えてある距離分延在し得る。例えば、第1の挿入部550aの下部面564は下面544の下方に延在し得、第2の挿入部550bの下部面564はスペーサー512の上面542の上方に延在し得る。第1及び第2の挿入部550a、550bの下部面564の突出部は、アイブロー部560の形態であり得る。この実施形態において、アイブロー部560は実質的に平滑及び湾曲した面を含む。示された実施形態において、ねじり安定装置は存在しないが、所望の場合、1つ以上のねじり安定装置が追加され得る。
【0065】
図8A〜8Eは、挿入部650がリングの形態である、インプラント600の第8の実施形態を提供する。一般的に、インプラント600の構造のほとんどは、インプラント1の構造と同様であるかまたはそれに相当する。加えて、この実施形態は上述のインプラント500と同様である。
【0066】
この実施形態において、挿入部650はリングまたは円柱の形態である。リング挿入部650には、例えば、挿入部650がスペーサー612を通じて切欠き624と固く嵌合し、挿入部650をスペーサー612に固定することを可能にするために、1つ以上の切込み658が提供され得る。具体的には、1つ以上の切込み658は、リング形状の挿入部650の周囲で長手方向に位置付けられ得る。切込み658は、挿入部650の周りで均一にまたは非均一に位置付けられ得る。図8Bに示されるように、切込み658は、挿入部650の周りに90度刻みで位置付けられ得る。例えば、4つの切込み658は、挿入部650の周囲に位置付けられ得る。切込み658は、切込み658の開放端部が前方を向くように、配向され得る。
【0067】
挿入部650は、切欠き624内の陥凹に受容され得るか、または切欠き624内部に位置付けられ得る。切欠き624は、スペーサー612の上面642から下面644まで延在する開口部616と流体連通している場合がある。挿入部650は、締結具孔634を少なくとも部分的に画定し、補強するように構成され得る。挿入部650の少なくとも一部分は、挿入部650をスペーサー612に固定するために、圧入係合または摩擦係合を介してスペーサー612に接合し得る。挿入部650は、例えば、接着剤等でさらに固定され得る。
【0068】
この実施形態において、挿入部650の深さは、スペーサーの近位部分の深さと同じかまたはそれよりも小さい場合がある。換言すれば、挿入部650は、切欠き624の深さ全体を充填する必要はない。この実施形態において、挿入部650は、骨スクリュー630の角度を調節するために、切欠き624内の角度で位置付けられる。挿入部650は、切欠き624内の任意の好適な位置に位置付けられ得ることが想定される。
【0069】
図9A〜9Eは、インプラント700の第9の実施形態を提供する。一般的に、インプラント700の構造のほとんどは、インプラント1の構造と同様であるかまたはそれに相当する。加えて、この実施形態は、上述のインプラント600と実質的に同一であり、インプラント600についての議論はここで等しく適用される。この特定の実施形態において、挿入部750は、リングの形態である代わりにC字形状の断面を有する。図9Bに示されるC字形状の挿入部750は、異なって配向されたことを除いて、同一である。C字形状の挿入部750は、挿入部750のさらなる圧縮及び/または膨張を可能にするように挿入部750を分離する間隙を除いて、挿入部650と実質的に同一である。
【0070】
C字形状の挿入部750にもまた、例えば、挿入部750が切欠き724とスペーサー712を通じて固く嵌合し、挿入部750をスペーサー712に固定することを可能にするために、1つ以上の切込み758が提供され得る。具体的には、1つ以上の切込み758は、C字形状の挿入部750の周囲で長手方向に位置付けられ得る。切込み758は、挿入部750の周りで均一または非均一に位置付けられ得る。切込み758はまた、C字形状の挿入部750の周りに90度刻みで位置付けられ得る。例えば、3つの切込み758は、挿入部750の周囲に位置付けられ得る。切込み758は、切込み758の開放端部が前方を向くように、配向され得る。
【0071】
挿入部750は、切欠き724内の陥凹に受容され得るか、または切欠き724内部に位置付けられ得る。切欠き724は、スペーサー712の上面742から下面744まで延在する開口部716と流体連通している場合がある。挿入部750は、締結具孔734を少なくとも部分的に画定するように構成され得る。挿入部750の少なくとも一部分は、挿入部712をスペーサー750に固定するために、圧入係合または摩擦係合を介してスペーサー712に接合し得る。挿入部750はまた、例えば、接着剤等でさらに固定され得る。この実施形態において、挿入部750の深さは、スペーサーの近位部分の深さと同じかまたはそれよりも小さい場合がある。挿入部650と同様に、C字形状の挿入部750は、切欠き724の深さ全体を充填する必要はない。この実施形態において、挿入部750は、骨スクリュー730の角度を調節するために、切欠き724内の角度で位置付けられるが、挿入部750は、必要な補強が締結具に提供される限り、切欠き724内の任意の好適な位置に位置付けられ得ることが想定される。
【0072】
第10の実施形態に従い、図10A〜10Cは部材850を有するインプラント800を提供する。一般的に、インプラント800の構造のほとんどは、インプラント1の構造と同様であるかまたはそれに相当する。インプラント1内の各締結具孔34を備える個々の挿入部50とは異なり、この特定の実施形態において、部材850は全ての締結具孔834を提供する。部材850は、スペーサー812の近位部分を囲むクランプまたはクリップの形態であり得る。
【0073】
この実施形態において、単一部材850は、締結具を上椎骨及び下椎骨の両方に固定するために2つの締結具孔834を提供する。この部材850には、アームが提供される場合も、されない場合もある部材850は、スペーサー812の前面865に対して後方に位置付けられ得る。具体的には、部材850は、スペーサー812の少なくとも1つの外側836、838の一部分ならびに上面及び/または下面842、844の一部分を、囲むかまたは覆うように位置付けられ得る。部材850は、例えば、1つの外側836が、締結具孔834の内の1つを画定するように、上面842の一部分を包み込んで始まり、他の締結具孔834を画定するように、他の外側838を包み込み、下面844の一部分の下を包み、外側836で終結するように、成形され得る。部材850は、1つ以上のクランプ機構882を使用して、例えば、1つの外側836、838で始まり、終結し得る。クランプ機構882は、部材850をスペーサー812に取り付けるかまたは固定する、突起物またはばねを含み得る。部材850が単一片として描写されるが、クランプ部材850は、部材850がスペーサー812に固定され得、締結具孔834を提供する限り、1つを超える部分から構成され得ることが想定される。
【0074】
部材850の上部面及び/または下部面862、864の一部分は、スペーサー812の上面842、下面844、または両面842、844を越えてある距離分延在し得る。例えば、上部面862の一部分は上面842の上方に延在し得、下部面864の一部分はスペーサー812の下面844の下方に延在し得る。単一の挿入部850の上部面及び下部面862、864の突出部は、アイブロー部860の形態であり得る。この実施形態において、アイブロー部860は、実質的に平滑及び湾曲した面を含む。示された実施形態において、ねじり安定装置870が、また、上部面及び下部面862、864の両方から上方及び下方に突出する部材850上の実質的に内側及び外側にそれぞれ提供される。ねじり安定装置870は、隣接する椎骨と係合するように構成された、スパイクの付いたまたは鋭い、突出部または拡張部を含み得る。
【0075】
図11A〜11Eは、インプラント900の第11の実施形態を提供する。一般的に、インプラント900の構造はインプラント1の構造と同様であるかまたはそれに相当する。この実施形態において、挿入部50は部材950と置き換えられており、スペーサー912は複数の構成要素を含む。
【0076】
スペーサー912は、第1のスペーサー部分972及び第2のスペーサー部分974を有する。第1のスペーサー部分972は第1の端部972a及び第2の端部972bを有し、第2のスペーサー部分974は第1の端部974a及び第2の端部974bを有する。第1のスペーサー部分972の第2の端部972bは、第2のスペーサー部分974の第1の端部974aに連結される。第1及び第2のスペーサー部分972、974は、スペーサー912の上面942及び下面944を形成する。上面942及び下面944は、各々、隣接する椎骨と係合するように構成された接触域922を有する。第1及び第2のスペーサー部分972、974ならびに部材950は、スペーサー912の上面942から下面944まで延在する開口部916を形成するように接合する。
【0077】
第1及び第2のスペーサー部分972、974は、任意の好適な様式で一緒に接合され得る。例えば、第1及び第2のスペーサー部分972、974は、添え継手、そぎ継手、突合せ継手等により、一緒に嵌合され得る。添え継手としては、例えば、相欠き添え継手、斜め重ね添え継手(bevel lap splice joint)、テーブル添え継手等が挙げられ得る。具体的には、添え継手は、材料の2つの部品を少なくとも部分的に重ねること(例えば、第1のスペーサー部分972の少なくとも一部分と第2のスペーサー部分974の少なくとも一部分とを重ねる)によって、それらを一緒に接合することを含み得る。図11Aに示される実施形態において、第1及び第2のスペーサー部分972、974の間の継手部分は、継手がスペーサー912の高さを増加させないように、少なくとも部分的に相欠き添え継手である。相欠き添え継手において、2つの部材が組み合わせられるとき、結果として得られる継手が2つの部材の厚さであるように、材料が部材の各々から除去される。示されていないが、第1及び第2のスペーサー部分972、974の間の添え継手は、斜め継手または追っ掛け継手、段付き継手、切欠き継手、シャチ継手、縦溝付継手(nibbed)等であり得る。第1及び第2のスペーサー部分972、974の間で形成される任意の種類の継手は、1つ以上のピン978等でさらに固定され得る。
【0078】
部材950は、上部面962、下部面964、第1の外側部分966、第2の外側部分968、及びスクリュー930などの締結具を受容するために部材950を横切る少なくとも1つの穴934を有する。上部面962及び/または下部面964は、スペーサー912の上面942、下面944、または両面942、944を越えてある距離分延在し得る。具体的には、部材950の一部分は、スペーサー912の上面及び下面942、944の上方または下方に延在し得る。上部面及び下部面962、964の突出部は、各々アイブロー部960の形態であり得る。アイブロー部960は、例えば、平滑面を有する円形部分を含み得る。上部面及び下部面962、964は、一旦移植されると、インプラント900のねじれ運動を防ぐかまたは最小化するように構成された1つ以上のねじり安定装置970をさらに含み得る。ねじり安定装置は、部材950の長さに沿って、例えば、実質的に内側及び外側に位置付けられ得る。ねじり安定装置970は、隣接する椎骨と係合するように構成された、スパイクの付いたまたは鋭い、突出部または拡張部を含み得る。
【0079】
部材950は、第1のスペーサー部分972の第1の端部972aが部材950の第1の外側部分966と係合し、第2のスペーサー部分974の第2の端部974bが部材950の第2の外側部分968と係合するように、スペーサー912に連結される。スペーサー部分972、974及び部材950はまた、任意の好適な様式で一緒に接合され得る。部材950は、スペーサー912の形状及び設計を反映するように構成され得る。スペーサー912は、部材950の少なくとも一部分を保持するように、サイズ決めされ、寸法決めされた、少なくとも1つの陥凹、突出部等を画定し得る。本文書で論じられる挿入部構成と同様に、部材950は、重ね継手、相欠き継手、ダブテール重ね継手、斜め重ね継手またはそぎ継手、段付き重ね継手、テーブル重ね継手等などの継手を形成するように、スペーサー部分の一部分972、974またはその中の陥凹に載せられ得る。具体的には、部材950の少なくとも一部分が、スペーサー912の少なくとも一部分に対して少なくとも部分的に重なり得るか、または逆もまた同様である。図11Aに示される実施形態において、部材950とスペーサー912との間の継手部分は、継手がスペーサー912の高さを増加させないように、少なくとも部分的に相欠き継手である。
【0080】
例えば、部材950は、第1の外側部分966から延在する第1の拡張部967及び第2の外側部分968から延在する第2の拡張部(不可視)を含み得る。第1の拡張部967及び第2の拡張部は、部材950の前面965から離れて後方に延在し得、スペーサーに取り付けられたときスペーサー912の遠位端946に向かって延在し得る。第1の拡張部967は、第1の相欠き継手を形成するように、第1のスペーサー部分972上の第1の棚部973と接触し得る。同様に、第2の拡張部は、第2の相欠き継手を形成するように、第2のスペーサー部分974上の第2の棚部と接触し得る。拡張部967及び棚部973は、例えば、平面、湾曲面、テーパ、斜面、刻み目等で、捕捉及び一緒に嵌合されるように構成され得る。継手の構成に応じて、継手は、部材950をスペーサー912に固定するように、圧入係合または摩擦係合を形成し得るか、または継手は、例えば、接着剤、ピン978等でさらに固定され得る。例えば、第1及び第2の相欠き継手は、各々、少なくとも1つのピン978でさらに固定され得る。
【0081】
存在するとき、ピン978は、スペーサー912及び/または部材950の少なくとも一部分を横切り得る。例えば、拡張部967は、そこを通って延在し、部材950をスペーサー912に固定するために、ピン978の一部分を受容するようにサイズ決定され、構成された、1つ以上の開口部980を含み得る。同様に、スペーサー912の対応する部分は、そこを通って延在し、部材950をスペーサー912に固定するために、ピン978の余剰部を受容するようにサイズ決定され、構成された、1つ以上の開口部980を含み得る。これらの開口部980は、ねじが切られているか、またはそうでない場合がある。ピン978は、部材950とスペーサー912との間に継手を固定するために、例えば、水平面に対して実質的に垂直である様式で、貫通孔980を通り得る。例えば、ピン978は、スペーサー912の上面及び/または下面942、944に対して実質的に垂直に配向され得る。ピン978だぼの形態(第1のスペーサー部分972を第2のスペーサー部分974に接続して示されるように)であり得るか、または少なくとも部分的にねじが切られている(部材950をスペーサー912に接続して示されるように)場合がある。ピン978は、チタンなどの生体適合性材料から形成され得るか、またはピン978は、X線撮影の視覚化を可能にするように、例えば、タンタルから形成され得る。
【0082】
インプラント900はまた、スクリュー930の後退を防ぐために、部材950上に配置されるロッキング機構920を含み得る。例えば、カム式遮蔽機構は、一旦それらが部材950を通って完全に挿入されると、固定装置スクリュー930を捉えるスクリュー930と共に使用され得る。任意の好適な後退防止機構920が当業者により選択され得るが、示されるように、後退防止機構920は、スクリュー930をインプラント900に保持する単一の止めスクリュー932を含み得る。
【0083】
図12A〜12Eは、インプラント1000の第12の実施形態を提供する。一般的に、インプラント1000の構造のほとんどは、インプラント1の構造と同様であるかまたはそれに相当する。加えて、この実施形態は、上述のインプラント900と実質的に同一であり、インプラント900についての議論は、不変の要素に対して規定される同じ参照番号を用いて等しく適用される。この特定の実施形態において、第1及び第2のスペーサー部分1072、1074は、互いに直接取り付けられる代わりに、コネクタ1084により一緒に接続される。これは、第1及び第2のスペーサー1072、1074が互いに対して離間することを可能にする。コネクタ1084はまた、強度、支持、X線撮影の視覚化等を可能にするように、例えば、スペーサー部分1072、1074と異なる材料で形成され得る。
【0084】
第1及び第2のスペーサー部分1072、1074は、1つ以上のコネクタ1084で一緒に固定され得る。コネクタ1084は、第1のスペーサー部分1072の第2の端部1072bを、第2のスペーサー部分1074の第1の端部1074aに接合するように、サイズ決めされ、形作られ、任意の好適な様式で構成され得る。本文書で論じられる任意の継手は、コネクタ1084を使用して、第1及び第2のスペーサー部分1072、1074を接合するために好適であり得る。
【0085】
図12Aに描写される実施形態において、コネクタ1084は、実質的にT字形状、プラス形状、または十字形状の構成を有する。例えば、コネクタ1084は、スペーサー部分1072、1074内のほぞ穴1088内部に受容されるように、サイズ決定され、構成された、少なくとも第1及び第2のほぞ1086を含み得る。例えば、コネクタ1084から外側に突出している第1のほぞ1086は、第1のスペーサー部分1072の第2の端部1072bの第1のほぞ穴1088内部に受容されるように、サイズ決めされ、構成され得、コネクタ1084から他の方向で外側に突出している第2のほぞ1086は、第2のスペーサー部分1074の第1の端部1074aの第2のほぞ穴1088に受容されるように、サイズ決定され、構成され得る。
【0086】
ほぞ1086は、例えば、実質的にT字形状、プラス形状、または十字形状のほぞ穴1088と嵌合する、追加の上部突出部及び下部突出部を含み得る。ほぞ穴及びほぞ構成は、コネクタ1084をそれぞれのスペーサー部分1072、1074に接合するために、任意の好適なサイズ、形状、及び寸法であり得る。他の実施形態におけるように、継手は1つ以上のピン1078でさらに固定され得る。具体的には、ピン1078は、コネクタ1084をそれぞれのスペーサー部分1072、1074に付着させるように、ほぞ1086の各々を通って位置付けられ得る。ピン1078は、ほぞ1086の開口部1080及びスペーサー部分1072、1074内の対応する開口部1080を通って位置付けられ得る。
【0087】
図13A〜13Gに示される第13の実施形態に従い、単一片または一体構造のインプラント1100は、前方部分1150及びスペーサー部分1112を備える。インプラント1100のある特定の機構は、インプラント1の構造と同様であるかまたはそれに相当する。この実施形態において、挿入部50は前方部分1150と置き換えられており、スペーサー1112及び前方部分1150は、一体型で、独立型の設計を形成する。
【0088】
スペーサー1112は、上面1142、下面1144、遠位端1146、近位端1148、及び第1ならびに第2の外側1136、1138を有する。上面1142及び下面1144は、各々、隣接する椎骨と係合するように構成された接触域1122を有する。接触域1122は、隣接する椎骨の終板を担持し、移行に抵抗し、排出抵抗を補助するように設計される各インプラント1100の、上面及び下面1142、1144上の1つ以上の突起部1113を含み得る。複数の突起部1113は、ピラミッド形状であり得、一連の隆起部及び溝を形成し得る(示されるように)が、突起部1113は、固着スペーサー1112及びインプラント1100の隣接する椎骨の各々への固着を増強するように、任意のサイズまたは形状であるように構成され得る。
【0089】
スペーサー1112は、骨移植材料を受容するように構成された、スペーサー1112の上面1142から下面1144まで延在する開口部1116を画定する。スペーサーはまた、外側1136、1138を通り、開口部1116内へと延在する開口部1117を画定する。これらの外側開口部1117は、中央開口部1116と流体連通している場合がある。これらの開口部1117は、スペーサー1112の上部分及び下部分の圧縮及び膨張を可能にするように構成され得る。
【0090】
スペーサー1112の遠位端1146は、椎間板腔内への挿入の容易さのために、先導テーパ1140を含み得る。先導テーパ1140は、インプラント1100の挿入の間に椎体の自己伸延を可能にする、面取り部または傾斜部の形態であり得る。先導テーパ1140は、インプラント100の挿入方向に沿って位置付けられ得る。例えば、先導テーパ1140は、椎間板腔への前方進入を助け得る。遠位端1146はまた、インプラント1100の圧縮及び膨張を促進するように、外側1136、1138の間に延在する溝または陥凹を含み得る。
【0091】
前方部分1150は、上部面1162、下部面1164、第1の外側部分1166、第2の外側部分1168、及びスクリュー1130などの締結具を受容するために前方部分1150を横切る少なくとも1つの穴1134を有する。前方部分1150の上部面1162または下部面1164の少なくとも一部分は、スペーサー1112の上面1142または下面1144を越えて延在する。上部面1162及び/または下部面1164の突出部は、アイブロー部1160の形態であり得る。アイブロー部1160は、平滑面を有する円形部分を含み得る。上部面1162及び/または下部面1164は、一旦移植されると、インプラント1100のねじれ運動を防ぐかまたは最小化するように構成された1つ以上のねじり安定装置1170をさらに含み得る。ねじり安定装置1170は、例えば、前方部分1150上の内側に及び/または外側に位置付けられる、スパイクの付いたまたは鋭い、突出部または拡張部を含み得る。
【0092】
前方部分1150は、前方部分1150及びスペーサー1112が単一片であるように、スペーサー1112の近位端1148から延在する。単一の、一体構造の部品として、前方部分1150及びスペーサー1112は、チタンなどの、単一片の材料から形成され得る。図13C及び13Dに示される通りの例として、少なくとも1つの梁1188は、一体構造の部品を形成するように、前方部分1150をスペーサー1112の近位端1148と接続し得る。梁1118は、スペーサー11112の実質的に中間位置から横位置まで延在し得る。梁1118は、スペーサー1112の幅全体またはその一部分を横切って延在し得る。梁1118は、例えば、実質的に内側に位置付けられる間隙により遮られ得る。追加の固定装置または機構は、前方部分1150をスペーサー部分1112に取り付けるために必要とされないが、任意の好適な固定化システムが当業者により選択され得る。
【0093】
スペーサー1112は、例えば、インプラント1100の圧縮及び/または膨張を可能にするために、1つ以上のばね機構1190を含む。したがって、スペーサー1112は、可撓性の部分品または部分を有する可撓性の特質を有する。具体的には、ばね機構1190は、特に隣接する椎骨の間に埋め込まれたとき、スペーサー1112が骨及び/またはPEEKの特性を模倣することを可能にするように設計される。例えば、骨に対する弾性率は、種類、温度、変形率、及び他の要因に応じて、約0.5〜25GPaの範囲であり得る。具体的には、海綿骨は、約0.5〜5GPaの弾性率を有する。PEEKのヤング率は約3〜4GPaである。したがって、PEEKは、多くの場合その骨に類似する弾性率のために使用される。他方では、チタンの固体ブロックは、約100〜110GPaのさらに高い係数を有する。従来のPEEKインプラントの代替品として、インプラント1100には、チタンで形成されるときであっても、インプラント1100が海綿骨の弾性率を模倣することができるように、ばねに類似した機構1190が提供される。例えば、スペーサー1112は、インプラント1100のために、約0.5〜5GPa、約1〜5GPa、約2〜5GPa、または約3〜4GPaの弾性率を可能にし得る。
【0094】
スペーサー1112は、追加の可撓性、及び2つの隣接する椎骨に対する追加の可動域を可能にし得る。例えば、スペーサー1112は、加えられた力の方向及び位置に応じて、少なくとも2度の移動度を可能にし得る。具体的には、インプラント1100は、前部/前方または後部/後方屈曲、及び左側または右側への外側屈曲を可能にし得る。この種類の運動及び可撓性は、脊柱のより自然な動きを可能にし得る。
【0095】
ばね機構1190は、スペーサー1112の上面及び下面1142、1144の圧縮及び/または膨張を提供するために、任意の好適な設計または構成であり得る。例えば、ばね機構1190は、V字型の断面構成の形態を有する伸長した硬いばね部材を有する片持ちV字型ばねの形態であり得る。示されるように、スペーサー1112の遠位端1146は、第1のばね機構1190を有し得る。例えば、第1のばね機構1190は、第1のV字型ばねの形態であり得る。加えて、スペーサー1112の近位端1148は、第2のばね機構1190を含み得る。第2のばね機構1190はまた、第2のV字型ばねの形態であり得る。第1及び第2のばね機構1190は、同じであるかまたは異なり得る。第1及び第2のばね機構1190は、スペーサー1112及び前方部分1150が、チタンまたはチタン合金から構成されているときであっても、スペーサー1112が骨の弾性率をシミュレートするように構成され得る。
【0096】
図13Cに示されるように、遠位端1136上の第1のばね機構1190は、間に角度が提供された2つの長手方向の壁1191a、1191bを含み得る。V字型ばねの2つの長手方向の壁1191a、1191bの間の角度は、例えば、約45度〜170度、約60度〜150度、約80度〜130度、または約70度〜100度の範囲であり得る。2つの長手方向の壁1191a、1191bの遠位部分は、追加のV字型ばね構成により、スペーサー1112の上部分及び下部分に固定され得る。例えば、第1の長手方向の壁1191aは、第1及び第2の長手方向の壁1191a、1191bの間に提供されるV字型ばねに対して反転されるV字型ばねにより、スペーサー1112の上部分と整合し得る。同様に、第2の長手方向の壁1191bは、第1及び第2の長手方向の壁1191a、1191bの間に提供されるV字型ばねに対して反転される別のV字型ばねにより、スペーサー1112の下部分と整合し得る。したがって、遠位端1136上に提供される第1のばね機構1190は、逆方向に配向された3つのV字型ばねのZ字形を含み得る。第1及び第2の長手方向の壁1191a、1191bの間のV字型ばねの角度は、それぞれの長手方向の壁1191a、1191bを、スペーサー1112の上部分及び下部分にそれぞれ接続する角度よりも大きくあり得る。
【0097】
インプラント1100は、スペーサー1112の近位端1148上に第2のばね機構1190を含み得る。第2のばね機構1190は、間に角度が提供された2つの長手方向の壁1192a、1192bを含み得る。V字型ばねの2つの長手方向の壁1192a、1192bの間の角度は、例えば、また、約45度〜170度、約60度〜150度、約80度〜130度、または約70度〜100度の範囲であり得る。この角度は、遠位端1136での、第1及び第2の長手方向の壁1191a、1191bの間の角度と同じか、それよりも大きいか、または小さくあり得る。角度の頂点は、スペーサー部分1112を前方部分1150に接続する、梁1188と接続するための接合点を形成し得る。
【0098】
2つの長手方向の壁1192a、1192bの遠位部分は、追加のV字型ばね構成により、スペーサー1112の上部分及び下部分にそれぞれ固定され得る。例えば、第1の長手方向の壁1192aは、第1及び第2の長手方向の壁1192a、1192bの間に提供される、V字型ばねに対して反転されるV字型ばねにより、スペーサー1112の上部分と整合し得る。同様に、第2の長手方向の壁1192bは、第1及び第2の長手方向の壁1192a、1192bの間に提供されるV字型ばねに対して反転される別のV字型ばねにより、スペーサー1112の下部分と整合し得る。したがって、近位端1148上に提供される第2のばね機構1190は、逆方向に配向された3つのV字型ばねのZ字形を含み得る。第1及び第2の長手方向の壁1192a、1192bの間のV字型ばねの角度は、長手方向の壁1192a、1192bをスペーサー1112の上部分及び下部分にそれぞれ接続している角度と同じか、またはそれより大きくあり得る。追加の陥凹1194は、V字型ばねの適切な動きを可能にするように、スペーサー1112の上部分及び下部分上に提供され得る。具体的には、陥凹1194は、V字部分の上部及び下部の頂点が示されるように形成され得る。図13Cに示されるように、陥凹1194は円形であるか、または湾曲している場合がある。図13Gに示される代替の実施形態において、陥凹1194は、角度付けられているか、または鋭い場合がある。
【0099】
この実施形態において、V字形状のばねが例示されているが、ばね部分1190は、V字形状に制限されず、任意の好適な形状または構成で形成され得、例えば、U字形状、S字形状、渦巻形状、正方形、矩形、正弦曲線形、波形、及び蛇腹式のひだ形状を含み得る。加えて、ばね機構1190の形状は、対称または非対称であり得る。例えば、長手方向の壁1191a、1191b、1192a、1192bは、互いに対して対称または非対称であり得る。
【0100】
本文書に記載される、挿入部、または部材、及びスペーサーは、任意の好適な材料から構成され得る。スペーサーは、2つの隣接する椎骨の間の固定の増強につながる、任意の材料から構成されることができる。1つの特定の実施形態において、スペーサーは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、超高分子量(UHMW)ポリエチレン、または生理学的に適合性である当該技術分野で既知の他のポリマー及びプラスチック等の生体適合性プラスチックで作製される。生理学的に適合性である任意の他の材料はまた、骨または金属として使用され得る。挿入部または部材はまた、任意の生理学的に適合性である材料から構成されることができる。好ましい実施形態において、挿入部または部材は、例えば、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、外科用鋼、及び金属合金などの生体適合性金属から構成されている。好ましくは、挿入部または部材は、チタンまたはチタン合金から形成される。生理学的に適合性である任意の他の材料はまた、骨またはプラスチックなどのように使用され得る。
【0101】
本発明が具体的な実施形態への参照と共に詳細に説明されるが、種々の変更及び修正が本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明が、提供される本発明の修正及び変形を網羅し、それらが、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に属することが意図される。例えば、本文書に広く引用される全ての範囲が、その範囲内に、より広い範囲内に属する全てのより狭い範囲を含むことが、明確に意図される。上に開示される種々の装置の構成要素が、任意の好適な構成で組み合わせられ得るか、または修正され得ることもまた意図される。






















図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13G